JP2012101820A - 合成樹脂製容器及び青果物の鮮度保持保存方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 青果物を鮮度保持する積載可能な合成樹脂製容器であって、該合成樹脂製容器は青果物の輸送に通いで用いられる容器であり、該合成樹脂製容器の内容積が8000cc以上であり、該合成樹脂製容器の側面及び/又は上面に1個以上の貫通孔を有し、該合成樹脂製容器の材質が、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレンから選ばれる材質である合成樹脂製容器である。
【選択図】 なし
Description
青果物の産地貯蔵については、収穫した青果物を上記の容器に入れて貯蔵所にて保存する、又は貯蔵所にてバラ積みで保存しておくなどの方法が取られている。しかし、一般に収穫後青果物は呼吸をしており、エネルギーを消費し続けている。これに伴って、老化(変色、しおれ、腐敗など)や成熟による品質低下が生じるため長期間保存することは困難であった。
また、長期貯蔵の例として、例えば、青森県のリンゴでは、樹脂製のコンテナや木箱に20kg程度のリンゴを入れて庫内のガス雰囲気を低酸素、高二酸化炭素状態に調節できるCA貯蔵庫を用いてリンゴの品質低下を抑制している。しかし、このような方法ではガス濃度を調節するために大掛かりかつ高価な設備が必要であり、青森のリンゴ以外ではあまり普及が進んでいない。
また、ブロッコリーなどのように段ボール箱に入れるのみで輸送されたり、ホウレンソウなどのように品質保持のために200〜300g程度を一束にして袋で包装したものを箱に入れて輸送されたりしている。これらの場合、輸送中にしおれなどの劣化が進むため、小売店で水を掛けて蘇生させた後に陳列したりしている。通常の包装材料を用いて青果物を密封した場合、青果物が袋内で窒息するという状況になり、無包装や上部開放のようなオープン状態で使用すると呼吸や蒸散が抑制されにくいのでどちらにしても鮮度保持効果があまり大きくない。
前記側面部材は、堅く、積み重ね可能な複数の中間部材の周縁部によって構成され、前記中間部材は、それぞれ、開口している上部および間隙のある底部を有する容器の形状を有し、前記容器は、包装されていない産物または包装されたもしくは半包装された産物を収納可能であり、前記底部材、前記中間部材および前記蓋部材は、下方部材とその直上の部材とを密封して固定するための連結手段を含むことを特徴とするコンテナ」が記載されている。
また、青果物を収納する容器以外に気体及び蒸気の流れを調整する部材が必要であり、管理のわずらわしさや、輸送時に無駄なスペースが生じる。
また、従来、収穫した青果物を容器に入れ、その後包装袋に詰め替えていた作業などを改善し、出来るだけ使い捨ての部材などをなくすようにする。
Y≧0.0755X+0.07
Y≦9.51X+41.2
である合成樹脂製容器である。
好ましい形態としては、該合成樹脂製容器の材質が、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレンから選ばれる材質であり、該合成樹脂製容器に設けられる貫通孔は該合成樹脂製容器の側面に設けられており、貫通孔の数が2個以上であり、該合成樹脂製容器の貫通孔の開口面積が3.1×10−2以上mm2〜79mm2以下であり、青果物1kgあたりの酸素透過速度が、360〜13700cc/kg・day・atm(25℃)である合成樹脂製容器である。
更に好ましい形態としては、該合成樹脂製容器を2段以上積み重ねて使用し、該合成樹脂製容器の側面に設けられた複数の貫通孔の一部を塞ぐ青果物の鮮度保持保存方法である。
これらの青果物の中で集合包装にて用いられるブロッコリー、ホウレンソウ、コマツナ、ナバナ、シュンギク、アスパラガス、キュウリ、トマト、アオウメ、バナナ、ブドウ、リンゴ、イチゴなどのホール野菜(千切りキャベツなどのようにカットされた野菜ではないもの)にて使用されることが好ましい。
なお、集合包装とは、消費者向けに販売単位ごとに包装(個包装)したものや未包装のものを段ボール箱などに詰めたものである。例えば、200gごとに包装したホウレンソウ20袋を段ボール箱につめたものや、無包装のブロッコリー9玉を樹脂コンテナに詰めたようなものである。
合成樹脂製容器の内容積は8000cc以上であり、容器の内容積が8000cc未満であれば青果物を合成樹脂製容器に入れた際、容器内の空隙比率が大きくなって容器における包装の効率が悪くなる可能性がある。合成樹脂製容器の内容積の上限は特に制限されないが、運搬の手段などより好ましくは20万cc以下である。
合成樹脂製容器の厚みは、特に規定されないが、青果物が入った状態で積み重ねても破壊しない強度を有すればよく、通常の青果物などの流通用に用いられる容器に見られるようなリブなどの構造で強度をアップしたものが好ましい。孔の部分の合成樹脂製容器の厚みは、0.05〜40mmが好ましい。厚みが0.05mm未満であれば合成樹脂製容器は破損する恐れがあり、40mmを超えると強度的に十分であるため合成樹脂製容器用の材料の無駄になる恐れがある。
更に好ましい孔の部分の合成樹脂製容器の厚みは0.5〜4mmである。
合成樹脂製容器は、通常の容器の成形方法により製作することができる。例えば、射出成形などの成形方法を用いることができる。
貫通孔は、容器の底、蓋に貫通孔を有しても良いが、容器の側面に貫通孔を有していることが鮮度保持を制御する点でより好ましい。
好ましくは、1.9×10−1mm2以上20mm2以下である。さらに好ましくは、0.78(直径1mm)mm2以上7.1mm2以下である。
貫通孔の形状は、円形、四角形、三角形、六角形などどのような形でも構わない。
また、これら貫通孔に異物混入防止のために網や不織布など通気性を有するものを付与しても良い。
青果物の鮮度保持には、青果物の鮮度を長期に保つために青果物ごとに適した酸素濃度があり、酸素濃度を好適条件に維持するためにも青果物ごとにその包装容器に固有の酸素透過量が求められている。従来の通い箱として用いられる合成樹脂製容器では、酸素透過量を調整したものはなく、これはある青果物の酸素透過量に通い箱を調整すると違う値を持つ他の酸素透過量に適した青果物には適用できないという問題がある。他の青果物に適用できなければ、青果物の収穫の季節性の点より合成樹脂製容器を1年中使用することが難しかった。
Y≧0.0755X+0.07
Y≦9.51X+41.2
であることが望ましい。
Yが0.0755X+0.07の値より小さいと容器内の酸素濃度が下がりすぎて青果物に呼吸障害が生じて劣化(異臭、水浮きなど)してしまうという恐れがあり、
Y≦9.51X+41.2より大きいと容器内の酸素濃度が高すぎて青果物の呼吸を十分に抑制できずに品質が保持されない(変色、しおれなど)恐れがある。
更に好ましくは、
Y≧0.66X+0.7
Y≦9.51X+12.2
である。
酸素透過量が360cc/kg・day・atm未満では、容器内の酸素濃度が下がりすぎて青果物が異常代謝を行って劣化(異臭、水浮きなど)してしまう可能性がある。逆に13,700cc/kg・day・atmを超えるような場合は、青果物の呼吸速度が十分に抑制されないので、鮮度保持効果を得ることができない(変色、しおれなど)可能性がある。
合成樹脂製容器の酸素透過量の好ましい範囲は、容器に収納した青果物1kgあたり
360〜6900cc/kg・day・atm(25℃)であり、さらに好ましくは700〜6900cc/kg・day・atm(25℃)である。
すなわち、厚みxmmの部分に開口面積smm2の孔1個を有する容積vmlの容器の窒素置換後(t=0)の初期酸素濃度がc0%であり、t時間後の酸素濃度がct%であるとき、厚みxmmにあけた開口面積smm2の酸素透過量p(cc/h・atm)は、
p=v×(ct−c0)/21/t
である。
また、tは、容器内酸素濃度と経過時間に比例関係が成立する範囲内とし、誤差が10秒より大きくならないようにする。初期酸素濃度c0は、0.2%以下とし、ctは、5%以下とする。
酸素濃度は、ガスクロマトグファフィーで測定(サンプリング量1ml以下)し、小数点以下第2位まで求める。
これらの方法の中で、蓋が取り付けられていない容器を積み重ね、一番上の容器に蓋をする方法、若しくはその上に空の容器を積み重ねて蓋とする方法が容器の取扱いなどの点より好ましい。
弾性体は、接触面のどちらかの面、若しくは両面に設けても良く、設けられる弾性体としては、特に限定されず、例えば、ウレタン、ブタジエン、イソプレン、シリコンなどのエラストマーが好ましいが、青果物の包装に使用可能なもので気密性を高めることができるものであればこれら以外のどのようなものでも差し支えない。弾性体と容器との接着は、特に限定されないが、例えば容器を成形後、容器に弾性体を接着剤を用いて接着する方法、容器フランジ部に沿った線状の連続したくぼみ(溝)に弾性体をはめ込む方法などを採用することができる。
<実施例1>
内寸が巾330mm、長さ500mm、高さ340mmの発泡スチロール製の容器側面(厚み16.5mm)に開口面積12.6mm2の貫通孔を65個あけた。孔は、容器の4つの側面(高さ方向中央部とこの上下80mm)に横3列でほぼ等間隔となるように配置した。これら穴のうち52個を容器外部からアルミ粘着テープを貼って完全に塞いだ。
この容器3個それぞれに、当日収穫したブロッコリー5.2kgをほぼ均等になるよう入れて、発泡スチロール製の蓋でそれぞれの容器に蓋をし、3段に積み重ねた。最上部の容器は、蓋をした後、容器と蓋の接触部分周囲をガムテープで留めた。これらを20℃で5日間貯蔵してブロッコリーの品質を評価した。表1に内容量1kg当たりの開口面積と酸素透過量を記し、表2にブロッコリーの品質評価結果を記した。
内寸が巾330mm、長さ500mm、高さ340mmの発泡スチロール製の容器側面(厚み16.5mm)に開口面積15.2mm2の貫通孔を11個あけた。孔は、容器の4つの側面(高さ方向中央部)に横1列でほぼ等間隔となるように配置した。
この容器3個それぞれに、当日収穫したブロッコリー5.2kgをいれて、発泡スチロール製の蓋でそれぞれの容器に蓋をし、3段に積み重ねた。最上部の容器は、蓋をした後、容器と蓋の接触部分周囲をガムテープで留めた。これらを20℃で5日間貯蔵してブロッコリーの品質を評価した。表1に内容量1kg当たりの開口面積と酸素透過量を記し、表2にブロッコリーの品質評価結果を記した。
内寸が巾330mm、長さ500mm、高さ340mmの発泡スチロール製の容器側面(厚み16.5mm)に開口面積63.6mm2の貫通孔を2個あけた。孔は、向かい合う容器2側面(高さ方向中央部)に各1個配置した。
この容器3個それぞれに、当日収穫したブロッコリー5.2kgをいれて、発泡スチロール製の蓋でそれぞれの容器に蓋をし、3段に積み重ねた。最上部の容器は、蓋をした後、容器と蓋の接触部分周囲をガムテープで留めた。これらを20℃で5日間貯蔵してブロッコリーの品質を評価した。表1に内容量1kg当たりの開口面積と酸素透過量を記し、表2にブロッコリーの品質評価結果を記した。
内寸が巾300mm、長さ370mm、高さ260mmのポリプロピレン(PP)製の容器の側面(厚み2mm)に開口面積2.54mm2の貫通孔を48個あけた。孔は、容器の4つの側面(高さ方向中央部)に横2列でほぼ等間隔となるように配置した。
容器には、容器上部(開口部)にフランジ(幅17mm)があり、積載可能となっている。
フランジと容器底は、容器を積み重ねた際に容器開口部に沿って途切れることなく接触する形状とした。このフランジに接触する容器底部には、パッキンとして厚さ1mm、幅10mmのクロロプレンゴムを貼り付けた。クロロプレンゴムは、シートから容器フランジ部分に合うように切り抜いたフラットで一体型のものを使用した。
この容器4個それぞれに、当日収穫したアオウメ(南高梅)10kgを入れて4に積み重ね、さらに空の同じ容器を最上部に積み重ねた。
これらを25℃で5日間貯蔵してアオウメの品質を評価した。表1に内容量1kg当たりの開口面積と酸素透過量を記し、表2にアオウメの品質評価結果を記した。
パッキンが無い以外は実施例4と同様にアオウメを貯蔵ししてアオウメの品質を評価した。表1に内容量1kg当たりの開口面積と酸素透過量を記し、表2にアオウメの品質評価結果を記した。
内寸が巾340mm、長さ400mm、高さ400mmのポリプロピレン(PP)製の容器側面(厚み1mm)に開口面積3.14mm2の貫通孔を12個あけた。孔は、容器の4つの側面(高さ方向中央部)に横1列でほぼ等間隔となるように配置した。容器には、容器上部(開口部)にフランジ(幅17mm)があり、積載可能となっている。
フランジと容器底は、容器を積み重ねた際に容器開口部に沿って途切れることなく接触する形状とした。
容器には、パッキンとして容器を積み重ねた際に下の容器フランジ部分(幅17mm、フラット)に接触する部分(容器底側)に溝(巾4mm、深さ3mm)を設けて直径5mmのシンリンコン製Oリングをはめ込んだ。
この容器3個それぞれに、当日収穫したスイートコーン4.3kgを入れて3段に積み重ね、さらに空の同じ容器を最上部に積み重ねた。
これらを25℃で4日間貯蔵してスイートコーンの品質を評価した。表1に内容量1kg当たりの開口面積と酸素透過量を記し、表2にスイートコーンの品質評価結果を記した。
内寸が巾360mm、長さ570mm、高さ155mmのポリプロピレン(PP)製の容器側面(厚み1mm)に開口面積0.283mm2の貫通孔を58個あけた。孔は、容器の4つの側面の上部より50mmと100mmの2列でほぼ等間隔となるように配置した。容器には、容器上部(開口部)にフランジ(幅17mm)があり、積載可能となっている。フランジと容器底は、容器を積み重ねた際に容器開口部に沿って途切れることなく接触する形状とした。
容器には、パッキンとして容器を積み重ねた際に下の容器フランジ部分(幅17mm、フラット)に接触する部分に実施例4と同様に厚さ1mmのクロロプレンゴムを貼り付けた。クロロプレンゴムは、シートから容器フランジ部分に合うように切り抜いた一体型のものを使用した。
この容器3個それぞれに、当日収穫した着色度約70%のトマト12kg(65個)を入れて3段に積み重ね、さらに空の同じ容器を最上部に積み重ねた。
これらを25℃で4日間貯蔵してトマトの品質を評価した。表1に内容量1kg当たりの開口面積と酸素透過量を記し、表2にトマトの品質評価結果を記した。
内寸が巾350mm、長さ300mm、高さ460mm、容器開口部のフランジ幅17mmのポリプロピレン(PP)製の容器側面(厚み1mm)に開口面積28.3mm2の貫通孔を4個あけた。孔は、容器4つの側面中央部に各1個配置した。
容器には、容器上部(開口部)にフランジ(幅17mm)があり、積載可能となっている。フランジと容器底は、容器を積み重ねた際に容器開口部に沿って途切れることなく接触する形状とし、パッキンは取り付けなかった。
この容器3個それぞれに、当日収穫したホウレンソウ4.1kg(20束)を入れて3段に積み重ね、さらに空の同じ容器を最上部に積み重ねた。
これらを12℃で7日間貯蔵してホウレンソウの品質を評価した。表1に内容量1kg当たりの開口面積と酸素透過量を記し、表2にホウレンソウの品質評価結果を記した。
内寸が巾350mm、長さ300mm、高さ460mm、容器開口部のフランジ幅17m(フランジ幅方向中央部に巾1mm、高さ1mmの方形の突起を周回させた)のポリプロピレン(PP)製の容器側面(厚み1mm)に開口面積0.785mm2の貫通孔を22個あけた。孔は、容器4つの側面(高さ方向中央部)に横1列でほぼ等間隔となるように配置した。
容器には、容器上部(開口部)にフランジ(幅17mm)があり、積載可能となっている。フランジと容器底は、容器を積み重ねた際に容器開口部に沿って途切れることなく接触する形状とした。このフランジに接触する容器底部には、パッキンとして厚さ2mm、幅10mmのクロロプレンゴムを貼り付けた。クロロプレンゴムは、シートから容器フランジ部分に合うように切り抜いたフラットで一体型のものを使用した。
この容器3個それぞれに、当日収穫したコマツナ4kgを入れて3段に積み重ね、さらに空の同じ容器を最上部に積み重ねた。
これらを20℃で5日間貯蔵してコマツナの品質を評価した。表1に内容量1kg当たりの開口面積と酸素透過量を記し、表2にコマツナの品質評価結果を記した。
内寸が巾330mm、長さ500mm、高さ340mm、容器開口部のフランジ幅17mmのポリプロピレン(PP)製の容器側面(厚み1mm)に開口面積3.8mm2の貫通孔を6個あけた。孔は、容器の4つの側面(高さ方向中央部)に横1列でほぼ等間隔となるように配置した。
容器には、容器上部(開口部)にフランジ(幅17mm)があり、積載可能となっている。フランジと容器底は、容器を積み重ねた際に容器開口部に沿って途切れることなく接触する形状とした。このフランジに接触する容器底部には、パッキンとして厚さ1mm、幅10mmのクロロプレンゴムを貼り付けた。クロロプレンゴムは、シートから容器フランジ部分に合うように切り抜いたフラットで一体型のものを使用した。
この容器3個それぞれに、当日収穫したブロッコリー5.2kgをそれぞれ入れて3段に積み重ね、さらに空の同じ容器を最上部に積み重ねた。
これらを20℃で5日間貯蔵してブロッコリーの品質を評価した。表1に内容量1kg当たりの開口面積と酸素透過量を記し、表2にブロッコリーの品質評価結果を記した。
内寸が巾300mm、長さ370mm、高さ260mm、容器開口部のフランジ幅17mmのポリプロピレン(PP)製の容器側面(厚み2mm)に開口面積2.54mm2の貫通孔を50個あけた。孔は、容器の4つの側面(高さ方向中央部)に横2列でほぼ等間隔となるように配置した。これら孔のうち27個を容器外部からアルミ粘着テープを貼って完全に塞いだ。容器には、容器上部(開口部)にフランジ(幅17mm)があり、積載可能となっている。フランジと容器底は、容器を積み重ねた際に容器開口部に沿って途切れることなく接触する形状とした。容器には、パッキンとして容器を積み重ねた際に下の容器フランジ部分(フラット)に接触する部分に厚さ1mmのクロロプレンゴムを貼り付けた。クロロプレンゴムは、シートから容器フランジ部分に合うように切り抜いた一体型のものを使用した。
この容器3個それぞれに、当日収穫したアオウメ(南高梅)5kgを入れて3段に積み重ね、さらに空の同じ容器を最上部に積み重ねた。
これらを25℃で5日間貯蔵してアオウメの品質を評価した。表1に内容量1kg当たりの開口面積と酸素透過量を記し、表2にアオウメの品質評価結果を記した。
内寸が巾300mm、長さ370mm、高さ260mm、容器開口部のフランジ幅17mmのポリプロピレン(PP)製の容器側面(厚み2mm)に開口面積2.54mm2の貫通孔を50個あけた。孔は、容器の4つの側面(高さ方向中央部)に横2列でほぼ等間隔となるように配置した。これら孔のうち12個を容器外部からアルミ粘着テープを貼って完全に塞いだ。容器には、容器上部(開口部)にフランジ(幅17mm)があり、積載可能となっている。フランジと容器底は、容器を積み重ねた際に容器開口部に沿って途切れることなく接触する形状とした。容器には、パッキンとして容器を積み重ねた際に下の容器フランジ部分(フラット)に接触する部分に厚さ1mmのクロロプレンゴムを貼り付けた。クロロプレンゴムは、シートから容器フランジ部分に合うように切り抜いた一体型のものを使用した。
この容器3個それぞれに、当日収穫したアオウメ(南高梅)8kgを入れて3段に積み重ね、さらに空の同じ容器を最上部に積み重ねた。
これらを25℃で5日間貯蔵してアオウメの品質を評価した。表1に内容量1kg当たりの開口面積と酸素透過量を記し、表2にアオウメの品質評価結果を記した。
内寸が巾330mm、長さ500mm、高さ340mmの発泡スチロール製の容器側面(厚み16.5mm)に開口面積12.6mm2の貫通孔を65個あけた。孔は、容器の4つの側面(高さ方向中央部)に横3列でほぼ等間隔となるように配置した。
この容器3個それぞれに、当日収穫したオクラ5.2kgをほぼ均等になるよう入れて、発泡スチロール製の蓋でそれぞれの容器に蓋をし、3段に積み重ねた。最上部の容器は、蓋をした後、容器と蓋の接触部分周囲をガムテープで留めた。これらを20℃で5日間貯蔵してオクラの品質を評価した。表1に内容量1kg当たりの開口面積と酸素透過量を記し、表2にオクラの品質評価結果を記した。
内寸が巾350mm、長さ300mm、高さ460mm、容器開口部のフランジ幅17mm(フランジ幅方向中央部に巾1mm、高さ1mmの方形の突起を周回させた)のポリプロピレン(PP)製の容器側面(厚み1mm)に開口面積0.785mm2の貫通孔を22個あけた。穴は、容器4つの側面(高さ方向中央部)に横1列でほぼ等間隔となるように配置した。これら孔のうち12個を容器外部からアルミ粘着テープを貼って完全に塞いだ。
容器には、容器上部(開口部)にフランジ(幅17mm)があり、積載可能となっている。フランジと容器底は、容器を積み重ねた際に容器開口部に沿って途切れることなく接触する形状とした。このフランジに接触する容器底部には、パッキンとして厚さ2mm、幅10mmのクロロプレンゴムを貼り付けた。クロロプレンゴムは、シートから容器フランジ部分に合うように切り抜いたフラットで一体型のものを使用した。
この容器3個それぞれに、当日収穫したキュウリ3.6kgを入れて3段に積み重ね、さらに空の同じ容器を最上部に積み重ねた。
これらを20℃で5日間貯蔵してキュウリの品質を評価した。表1に内容量1kg当たりの開口面積と酸素透過量を記し、表2にキュウリの品質評価結果を記した。
内寸が巾380mm、長さ300mm、高さ460mm、容器開口部のフランジ幅17mm(フランジ幅方向中央部に巾1mm、高さ1mmの方形の突起を周回させた)のポリプロピレン(PP)製の容器側面(厚み3mm)に開口面積0.785mm2の貫通孔を20個あけた。孔は、容器4つの側面(高さ方向中央部)に横1列でほぼ等間隔となるように配置した。
容器には、容器上部(開口部)にフランジ(幅17mm)があり、積載可能となっている。フランジと容器底は、容器を積み重ねた際に容器開口部に沿って途切れることなく接触する形状とした。このフランジに接触する容器底部には、パッキンとして厚さ2mm、幅10mmのクロロプレンゴムを貼り付けた。クロロプレンゴムは、シートから容器フランジ部分に合うように切り抜いたフラットで一体型のものを使用した。
この容器8個それぞれに、当日収穫したキュウリ4.2kgを入れて8段に積み重ね、さらに空の同じ容器を最上部に積み重ねた。
これらを20℃で5日間貯蔵してキュウリの品質を評価した。表1に内容量1kg当たりの開口面積と酸素透過量を記し、表2にキュウリの品質評価結果を記した。
内寸が巾400mm、長さ350mm、高さ460mm、容器開口部のフランジ幅10mmのポリプロピレン(PP)製の容器側面(厚み3mm)に開口面積7.07mm2の貫通孔を27個あけた。孔は、容器4つの側面(高さ方向中央部付近)に横2列でほぼ等間隔となるように配置した。
容器には、容器上部(開口部)にフランジ(幅10mm)があり、積載可能となっている。フランジと容器底は、容器を積み重ねた際に容器開口部に沿って途切れることなく接触する形状とした。このフランジに接触する容器底部には、パッキンとして厚さ1mm、幅8mmのクロロプレンゴムを貼り付けた。クロロプレンゴムは、シートから容器フランジ部分に合うように切り抜いたフラットで一体型のものを使用した。
この容器3個それぞれに、当日収穫したホウレンソウ5kg(25束)を入れて3段に積み重ね、さらに空の同じ容器を最上部に積み重ねた。
これらを12℃で7日間貯蔵してホウレンソウの品質を評価した。表1に内容量1kg当たりの開口面積と酸素透過量を記し、表2にホウレンソウの品質評価結果を記した。
内寸が巾300mm、長さ400mm、高さ470mmの発泡スチロール製の容器側面(厚み14.5mm)に開口面積0.785mm2の貫通孔を58個あけた。孔は、容器の4つの側面(高さ方向中央部とこの上下100mm)に横3列でほぼ等間隔となるように配置した。
この容器3個それぞれに、当日収穫したキュウリ3.1kgをほぼ均等になるよう入れて、発泡スチロール製の蓋でそれぞれの容器に蓋をし、3段に積み重ねた。最上部の容器は、蓋をした後、容器と蓋の接触部分周囲をガムテープで留めた。これらを20℃で5日間貯蔵してキュウリの品質を評価した。表1に内容量1kg当たりの開口面積と酸素透過量を記し、表2にキュウリの品質評価結果を記した。
内寸が巾330mm、長さ500mm、高さ340mmの発泡スチロール製の容器側面(厚み14.5mm)に開口面積7.07mm2の貫通孔を105個あけた。孔は、容器の4つの側面(高さ方向中央部)に横4列でほぼ等間隔となるように配置した。
この容器3個それぞれに、当日収穫したオクラ5kgをほぼ均等になるよう入れて、発泡スチロール製の蓋でそれぞれの容器に蓋をし、3段に積み重ねた。最上部の容器は、蓋をした後、容器と蓋の接触部分周囲をガムテープで留めた。これらを20℃で5日間貯蔵してオクラの品質を評価した。表1に内容量1kg当たりの開口面積と酸素透過量を記し、表2にオクラの品質評価結果を記した。
内寸が巾330mm、長さ500mm、高さ340mmの発泡ポリスチレン製の容器側面(厚み16.5mm)に開口面積0.785mm2の貫通孔を5個あけた。孔は、容器側面(高さ方向中央部)に横1列でほぼ等間隔となるように配置した。
この容器3個それぞれに、当日収穫したブロッコリー5.2kgをいれて、発泡スチロール製の蓋をして3段に積み重ねた。最上部の容器は、蓋をした後、容器と蓋の接触部分周囲をガムテープで留めた。これらを20℃で5日間貯蔵してブロッコリーの品質を評価した。表1に内容量1kg当たりの開口面積と酸素透過量を記し、表2にブロッコリーの品質評価結果を記した。
内寸が巾330mm、長さ500mm、高さ340mmの発泡ポリスチレン製の容器側面(厚み16.5mm)に開口面積113mm2の貫通孔を10個あけた。孔は、容器側面(高さ方向中央部)に横1列でほぼ等間隔となるように配置した。
この容器3個に、当日収穫したブロッコリー5.2kgをいれて、発泡スチロール製の蓋をして3段に積み重ねた。最上部の容器は、蓋をした後、容器と蓋の接触部分周囲をガムテープで留めた。これらを20℃で5日間貯蔵してブロッコリーの品質を評価した。表1に内容量1kg当たりの開口面積と酸素透過量を記し、表2にブロッコリーの品質評価結果を記した。
容器側面に貫通孔をあけていない以外は、実施例3と同様にブロッコリーを20℃で保管した。表1に内容量1kg当たりの開口面積と酸素透過量を記し、表2にアオウメの品質評価結果を記した。
内寸が巾300mm、長さ370mm、高さ260mm、容器開口部のフランジ幅17mm(フランジ幅方向中央部に巾1mm、高さ1mmの方形の突起を周回させた)のポリプロピレン(PP)製の容器側面(厚み2mm)に開口面積0.0314mm2の貫通孔を2個あけた。孔は、容器の向かい合う2つの側面(高さ方向中央部)に各1個配置した。
容器には、容器上部(開口部)にフランジ(幅17mm)があり、積載可能となっている。
フランジと容器底は、容器を積み重ねた際に容器開口部に沿って途切れることなく接触する形状とした。このフランジに接触する容器底部には、パッキンとして厚さ2mm、幅10mmのクロロプレンゴムを貼り付けた。クロロプレンゴムは、シートから容器フランジ部分に合うように切り抜いたフラットで一体型のものを使用した。
この容器3個それぞれに、当日収穫したアオウメ(南高梅)8kgを入れて3段に積み重ね、さらに空の同じ容器を最上部に積み重ねた。
これらを25℃で5日間貯蔵してアオウメの品質を評価した。表1に内容量1kg当たりの開口面積と酸素透過量を記し、表2にアオウメの品質評価結果を記した。
内寸が巾300mm、長さ370mm、高さ260mm、容器開口部のフランジ幅17mmのポリプロピレン(PP)製の容器側面(厚み2mm)に開口面積95mm2の貫通孔を6個あけた。孔は、容器側面(高さ方向中央部)に横1列でほぼ等間隔となるように配置した。
容器には、容器上部(開口部)にフランジ(幅17mm)があり、積載可能となっている。
容器には、パッキンとして容器を積み重ねた際に下の容器フランジ部分(フラット)に接触する部分に厚さ1mmのクロロプレンゴムを貼り付けた。クロロプレンゴムは、シートから容器フランジ部分に合うように切り抜いた一体型のものを使用した。
この容器3個それぞれに、当日収穫したアオウメ(南高梅)8kgを入れて3段に積み重ね、さらに空の同じ容器を最上部に積み重ねた。
これらを25℃で5日間貯蔵してアオウメの品質を評価した。表1に内容量1kg当たりの開口面積と酸素透過量を記し、表2にアオウメの品質評価結果を記した。
容器側面がメッシュ状である以外は、実施例5と同様にアオウメを25℃で保管した。
表1に内容量1kg当たりの開口面積と酸素透過量を記し、表2にアオウメの品質評価結果を記した。
内寸が巾330mm、長さ500mm、高さ340mmの段ボール箱(厚み5.5mm)に幅1000mm、長さ1000mmの厚み25μmのポリエチレン製の袋(開口面積6.4×10−3の孔を162個開けた)をセットした。この箱3個それぞれに、当日収穫したブロッコリー5.2kgをほぼ均等になるよう入れて、箱の蓋が閉められるように袋内の空気を押し出しながら袋開口部を束ねて捻りを加えた状態で折り曲げて、この部分を輪ゴム掛けで固定(密封)した。蓋を閉じて3段に積み重ねた。
これらを20℃で5日間貯蔵してブロッコリーの品質を評価した。この時の表1に開口面積と酸素透過量を記し、表2にブロッコリーの品質評価結果を記した。
このとき、段ボール箱の組立に1箱あたり約20秒、段ボール箱内へのポリエチレン製の袋のセッティングには1箱あたり約15秒かかり、ブロッコリーの収納に約30秒かかり、袋の密封に約10秒を要した。これを本願発明の容器に入れる場合約22秒であった。これら段ボール箱などの包材は、通常使い捨てされるため青果市場などでゴミ処理も必要となる。
Claims (8)
- 青果物を鮮度保持する積載可能な合成樹脂製容器であって、該合成樹脂製容器は青果物の輸送に通いで用いられる容器であり、該合成樹脂製容器の内容積が8000cc以上であり、該合成樹脂製容器の側面及び/又は上面に1個以上の貫通孔を有し、貫通孔を有する部分の容器の厚みがX(mm)であるとき、収納した青果物1kgあたりの該合成樹脂製容器の貫通孔の総開口面積Y(mm2/kg)が、
Y≧0.0755X+0.07
Y≦9.51X+41.2
であることを特徴とする合成樹脂製容器。 - 該合成樹脂製容器の材質が、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレンから選ばれる材質である請求項1に記載の合成樹脂製容器。
- 該合成樹脂製容器に設けられる貫通孔は該合成樹脂製容器の側面に設けられており、貫通孔の数が2個以上である請求項1又は2に記載の合成樹脂製容器。
- 該合成樹脂製容器の貫通孔の開口面積が3.1×10−2以上mm2〜79mm2以下である請求項1、2又は3に記載の合成樹脂製容器。
- 青果物1kgあたりの酸素透過速度が、360〜13700cc/kg・day・atm(25℃)であることを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載の合成樹脂製容器。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の合成樹脂製容器を用いて青果物の鮮度保持を行うことを特徴とする青果物の鮮度保持保存方法。
- 該合成樹脂製容器を2段以上積み重ねて使用する請求項6に記載の青果物の鮮度保持保存方法。
- 該合成樹脂製容器の側面に設けられた複数の貫通孔の一部を塞ぐ請求項6又は7に記載の青果物の鮮度保持保存方法。
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