JP6520712B2 - 糖アミノ酸およびその用途 - Google Patents

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Description

本発明は、アミノ酸前駆体として有用な化合物およびその用途に関する。
アミノ酸は広範な用途に利用されているが、その種類によっては、その物性に起因して用途に制限がある場合がある。例えば、水への溶解性が低いアミノ酸(例えば、バリン、ロイシン、イソロイシン、チロシン、シスチン、フェニルアラニン、3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン等)は、水に高濃度に溶解させるのが困難であるため、特に水性組成物への使用、液体組成物への使用に大きな制約を受ける。また、水中安定性が低いアミノ酸(例えば、システイン、グルタミン)は、液体組成物等として水に溶かして使用する場合、分解やアミノ基が他の成分と反応する等の問題、あるいは着色や臭いの問題が生じ易い傾向にある。また、苦味があるアミノ酸(例えば、バリン、ロイシン、イソロイシン)は、経口用途への使用に大きな制約を受ける。このようにアミノ酸は、その物性により、特に水性組成物としての使用、経口用途への使用において制約を受け、使用が困難であったり、製剤化に工夫が必要な場合が生じる。
一方、アミノ酸のアミノ基が特定のカルバメート型糖誘導体で保護された化合物が知られている(特許文献1、非特許文献1−3)。
非特許文献1には、水酸基の全てがベンジル基で保護されたグルコース誘導体をアミノ基のカルバメート型保護基として、ペプチド合成に使用することが開示されている。ペプチド合成終了時には、当該糖誘導体は脱離される。
非特許文献2には、水酸基の全てがアセチル基で保護されたグルコース誘導体をアミノ基のカルバメート型保護基として、ペプチド合成に使用することが開示されている。ペプチド合成終了時には、当該糖誘導体は脱離される。
非特許文献3には、天然物SQ-28546のペプチドフラグメントの合成に関し、N−Boc−アミノ酸/ペプチドを、水酸基の全てがアセチル基で保護されたグルコサミン誘導体をカルバメート型保護基として導入したアミノ酸/ペプチドに変換することが開示されている。
特許文献1には、アミノ基がα,α−ジメチル−3,5−ジメトキシベンジルオキシカルボニル基で保護されたセリン誘導体の側鎖の水酸基に、水酸基の全てがアセチル基/ベンジル基で保護されたグリコシルハロゲン化物を反応させた際、α,α−ジメチル−3,5−ジメトキシベンジル基が転移して側鎖の水酸基とエーテル結合を形成し、上記グリコシル基がアミノ基のカルバメート型保護基として導入されたセリン誘導体が得られることが開示されており、当該転移反応を利用したペプチド合成が開示されている。
これらの文献には、糖誘導体の水酸基がいずれも保護も修飾もされておらず、かつカルボキシ基も保護されていない糖アミノ酸は何ら開示も示唆もされていない。
特開昭61−91194号公報
Carbohydrate Research, 305, (1998) pp.341-349 Chem. Eur. J., 2000, 6, No.20, pp.3714-3721 Tetrahedron Letters, 48, (2007) pp.1791-1794
本発明の目的は、アミノ酸の物性(特に水溶性、水中安定性、苦味等)が改善された、アミノ酸前駆体として有用な化合物およびその用途を提供することにある。
本発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意検討を行った結果、アミノ酸のアミノ基に、式G−O−C(O)−(式中、Gは、全ての水酸基が保護も修飾もされていない糖残基を示す。)で表される基を導入することにより、アミノ酸自体が有する物性(特に水溶性、水中安定性、苦味等)が改善され、また上記式G−O−C(O)−で表される基が、生体内でアミノ酸から脱離することを見出し、発明を完成するに至った。本発明は以下の通りである。
[1] 式(I):
[式中、
AAは、アミノ酸残基を示し;
Gは、全ての水酸基が保護も修飾もされていない糖残基を示し;
Rは、水素原子またはアルキル基を示す。]
で表される化合物
(但し、
(1)Gが、式:
で表される基であり、かつAAがリジン残基またはグルタミン酸残基である化合物、および
(2)Gが、式:
で表される基であり、かつAAがセリン残基である化合物は含まない。)
またはその塩(以下、化合物(I)ともいう。)。
[2] Gで示される、全ての水酸基が保護も修飾もされていない糖残基の糖が単糖である、上記[1]に記載の化合物またはその塩。
[3] Gで示される、全ての水酸基が保護も修飾もされていない糖残基の糖が、グルコース、グルコサミンまたはN−アセチルグルコサミンである、上記[1]に記載の化合物またはその塩。
[4] 式G−O−で表される部分構造がβ−アノマー構造である、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の化合物またはその塩。
[5] AAで示されるアミノ酸残基のアミノ酸がα−アミノ酸である、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の化合物またはその塩。
[6] AAで示されるアミノ酸残基のアミノ酸が、バリン、ロイシンまたはイソロイシンである、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の化合物またはその塩。
[7] AAで示されるアミノ酸残基のアミノ酸が、フェニルアラニン、チロシンまたは3,4−ジヒドロキシフェニルアラニンである、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の化合物またはその塩。
[8] Rが水素原子である、上記[1]〜[7]のいずれかに記載の化合物またはその塩。
[9] アミノ酸前駆体である、上記[1]〜[8]のいずれかに記載の化合物またはその塩。
[10] 生体内でアミノ酸に変換される、上記[1]〜[9]のいずれかに記載の化合物またはその塩。
[11] 上記[1]〜[10]のいずれかに記載の化合物またはその塩を含有する、水性組成物。
[12] 上記[1]〜[10]のいずれかに記載の化合物またはその塩を含有する、経口剤。
[13] アミノ酸のアミノ基に式G−O−C(O)−(式中、Gは、全ての水酸基が保護も修飾もされていない糖残基を示す。)で表される基を導入することを含む、アミノ酸の苦味を低減する方法。
[14] Gで示される、全ての水酸基が保護も修飾もされていない糖残基の糖が単糖である、上記[13]に記載の方法。
[15] Gで示される、全ての水酸基が保護も修飾もされていない糖残基の糖が、グルコース、グルコサミンまたはN−アセチルグルコサミンである、上記[13]に記載の方法。
[16] 式G−O−で表される部分構造がβ−アノマー構造である、上記[13]〜[15]のいずれかに記載の方法。
[17] アミノ酸がα−アミノ酸である、上記[13]〜[16]のいずれかに記載の方法。
[18] アミノ酸が、バリン、ロイシンまたはイソロイシンである、上記[13]〜[16]のいずれかに記載の方法。
[19] アミノ基に式G−O−C(O)−で表される基が導入されたアミノ酸が、生体内でアミノ酸に変換される、上記[13]〜[18]のいずれかに記載の方法。
本発明の化合物(糖アミノ酸)またはその塩においては、式G−O−C(O)−(式中、Gは前記と同義である。)で表される基がアミノ酸のアミノ基に導入されているため、アミノ酸自体が有する物性(特に水溶性、水中安定性、苦味等)が改善され、水性組成物として、あるいは経口用途に適している。しかも、上記式G−O−C(O)−で表される基が生体内でアミノ酸から脱離するので、本発明の糖アミノ酸またはその塩は、アミノ酸前駆体として非常に有用である。また、水溶性が比較的高いアミノ酸においても、このように水溶性が向上した前駆体を使用することで、アミノ酸の経口摂取用の水性組成物、液状組成物等の調製において、その汎用性が大きく向上することとなる。
Glc-Pheの人工胃液中でのアミノ酸生成量を示す図である。 Glc-Leuの人工胃液中でのアミノ酸生成量を示す図である。 Glc-Lysの人工胃液中でのアミノ酸生成量を示す図である。 Glc-Gluの人工胃液中でのアミノ酸生成量を示す図である。 Glc-Pheのグルコシダーゼ処理によるアミノ酸生成量を示す図である。 Glc-Leuのグルコシダーゼ処理によるアミノ酸生成量を示す図である。 Glc-Lysのグルコシダーゼ処理によるアミノ酸生成量を示す図である。 Glc-Gluのグルコシダーゼ処理によるアミノ酸生成量を示す図である。 Glc-DOPAのグルコシダーゼ処理によるアミノ酸生成量を示す図である。
文中で特に断らない限り、本明細書で用いる全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者に一般に理解されるのと同じ意味をもつ。本明細書に記載されたものと同様または同等の任意の方法および材料は、本発明の実施または試験において使用することができるが、好ましい方法および材料を以下に記載する。本明細書で言及した全ての刊行物および特許は、例えば、記載された発明に関連して使用されうる刊行物に記載されている、構築物および方法論を記載および開示する目的で、参照として本明細書に組み入れられる。
以下、本発明を詳細に説明する。
AAは、アミノ酸残基を示す。
本明細書中、AAで示される「アミノ酸残基」とは、アミノ酸から1個のアミノ基と1個のカルボキシ基を除いた二価の基を意味する。当該アミノ酸残基におけるアミノ酸としては、アミノ基とカルボキシ基を有する限り特に制限されず、α−アミノ酸、β−アミノ酸、γ−アミノ酸等のいずれでもよい。α−アミノ酸としては、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、スレオニン、システイン、メチオニン、グルタミン酸、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、グルタミン、アスパラギン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、シスチン、オルニチン、チロキシン、プロリン、3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン等;
β−アミノ酸としては、β−アラニン等;
γ−アミノ酸としては、γ−アミノ酪酸等;が挙げられる。側鎖に官能基を有する場合、当該官能基は、糖アミノ酸の物性(特に水溶性、水中安定性、苦味等)に悪影響を与えない範囲で保護/修飾されていてもよい。
中でも、バリン、ロイシン、イソロイシン、チロシン、シスチン、フェニルアラニン、3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン、システイン、グルタミン、グルタミン酸、アスパラギン酸、リジン等のα−アミノ酸が好ましく、水への溶解性が低いアミノ酸(例えば、バリン、ロイシン、イソロイシン、チロシン、シスチン、フェニルアラニン、3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン等)、水中安定性が低いアミノ酸(例えば、システイン、グルタミン等)、苦味があるアミノ酸(例えば、バリン、ロイシン、イソロイシン等)に対しては、式G−O−C(O)−(式中、Gは前記と同義である。)で表される基のアミノ基への導入が、上記特性の改善に有効である。特に、バリン、ロイシン、イソロイシンについては、水への溶解性および苦味の改善の点で特に有効である。
上記アミノ酸は、D体、L体、DL体のいずれでもよい。
Gは、全ての水酸基が保護も修飾もされていない糖残基を示す。即ち、全ての水酸基がフリーである糖残基である。
本明細書中、Gで示される「全ての水酸基が保護も修飾もされていない糖残基」とは、全ての水酸基がフリーである糖からヘミアセタール水酸基を除いた部分を意味する。当該糖残基は、全ての水酸基がフリーである限り、修飾/改変されていてもよい。「全ての水酸基が保護も修飾もされていない糖残基」としては、グルコース、グルコサミン、N−アセチルグルコサミン、マンノース、ガラクトース、フルクトース、リボース、リキソース、キシロース、アラビノース等の単糖;これらの単糖からなる多糖等の糖類から、ヘミアセタール水酸基を除いた部分が挙げられる。
中でも、グルコース残基、グルコサミン残基およびN−アセチルグルコサミン残基が好ましく、グルコース残基およびN−アセチルグルコサミン残基がより好ましく、グルコース残基が特に好ましい。
上記糖類は、D体、L体のいずれでもよいが、自然界に多く存在するD体が好ましい。
上記糖類から形成される式G−O−で表される部分構造は、α−アノマー構造でもβ−アノマー構造でもそれらの混合物でもよいが、β−アノマー構造が好ましい。
Rは、水素原子またはアルキル基を示す。
Rで示される「アルキル基」としては、C1−10アルキル基が挙げられ、より好ましくはC1−6アルキル基である。好適な具体例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル等が挙げられる。
Rは、好ましくは水素原子である。
化合物(I)は、
(1)Gが、式:
で表される基であり、かつAAがリジン残基またはグルタミン酸残基である化合物、および
(2)Gが、式:
で表される基であり、かつAAがセリン残基である化合物を含まない。
化合物(I)は、好ましくは、式(I)において、
AAが、バリン残基、ロイシン残基またはイソロイシン残基であり;
Gが、それぞれ全ての水酸基が保護も修飾もされていない、グルコース残基、グルコサミン残基またはN−アセチルグルコサミン残基であり;かつ
Rが、水素原子である、
化合物またはその塩である。
特に好ましくは、式(I)において、
AAが、バリン残基、ロイシン残基またはイソロイシン残基であり;
Gが、全ての水酸基が保護も修飾もされていないグルコース残基であり;かつ
Rが、水素原子である、
化合物またはその塩である。
別の態様として、
化合物(I)は、好ましくは、式(I)において、
AAが、フェニルアラニン残基、チロシン残基または3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン残基であり;
Gが、それぞれ全ての水酸基が保護も修飾もされていない、グルコース残基、グルコサミン残基またはN−アセチルグルコサミン残基であり;かつ
Rが、水素原子である、
化合物またはその塩である。
特に好ましくは、式(I)において、
AAが、フェニルアラニン残基、チロシン残基または3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン残基であり;
Gが、全ての水酸基が保護も修飾もされていないグルコース残基であり;かつ
Rが、水素原子である、
化合物またはその塩である。
本発明の糖アミノ酸およびその塩の製造方法としては、特に限定されないが、例えば次のような反応を経て合成することができる。
原料化合物は、特に述べない限り、市販されているものを容易に入手できるか、あるいは、自体公知の方法またはこれらに準ずる方法に従って製造することができる。
以下の各方法で得られる化合物の収率は用いる反応条件によって異なりうるが、これらの生成物から通常の手段(再結晶、カラムクロマトグラフィー等)によって単離・精製し、次いで、溶液温度を変化させる手段や溶液組成を変化させる手段等によって沈殿化することができる。
また、各反応において、原料化合物であるアミノ酸が側鎖にヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシ基、カルボニル基等を有する場合、これらの基にペプチド化学等で一般的に用いられるような保護基が導入されていてもよく、反応後に必要に応じて保護基を除去することにより目的化合物を得ることができる。
化合物(I)のうち、Rが水素原子である化合物(Ia)は、例えば、以下の工程により製造することができる。
(式中、Rはカルボキシ基の保護基を示し、Gは全ての水酸基が保護された糖残基を示し、その他の記号は前記と同義である。)
で示されるカルボキシ基の保護基としては、例えば、C1−6アルキル基(例、メチル、エチル、tert-ブチル)、C7−14アラルキル基(例、ベンジル等)、トリ置換シリル基(例、トリメチルシリル、トリエチルシリル、ジメチルフェニルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、tert−ブチルジエチルシリル等)等が挙げられる。中でも、メチル、エチル、ベンジルが好ましい。
で示される全ての水酸基が保護された糖残基としては、Gで示される「全ての水酸基が保護も修飾もされていない糖残基」の水酸基が、例えば、C7−14アラルキル基(例、ベンジル等)、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル−カルボニル基(例、アセチル、クロロアセチル)、ベンゾイル基、C7−14アラルキル−カルボニル基(例、ベンジルカルボニル等)、2−テトラヒドロピラニル基、2−テトラヒドロフラニル基、トリ置換シリル基(例、トリメチルシリル、トリエチルシリル、ジメチルフェニルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、tert−ブチルジエチルシリル等)等の保護基で置換されたものが挙げられる。中でも、アセチル、ベンジルが好ましい。全ての水酸基は同じ保護基で保護されていることが好ましい。
工程1
当該工程は、化合物(1)またはその塩のアミノ基をイソシアナト基に変換して、化合物(2)を得る工程である。
当該反応は、通常、反応に影響を及ぼさない溶媒中、化合物(1)またはその塩を塩基の存在下、二炭酸ジtert−ブチル(BocO)と反応させることにより行われる。
二炭酸ジtert−ブチルの使用量は、化合物(1)またはその塩1モルに対して、通常0.7〜5モル、好ましくは1〜2モルである。
塩基としては、4−(ジメチルアミノ)ピリジン等が挙げられる。
塩基の使用量は、化合物(1)またはその塩1モルに対して、通常0.5〜3モル、好ましくは1〜2モルである。
溶媒としては、反応が進行する限り特に限定されるものではないが、例えば、炭化水素類(例、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン等)、ハロゲン化炭化水素類(例、クロロホルム、ジクロロメタン等)、エーテル類(例、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等)あるいはそれらの混合物が用いられる。中でも、ジクロロメタンが好ましい。
反応温度は、通常−100〜100℃、好ましくは−30〜50℃であり、反応時間は、通常0.5〜30時間、好ましくは1〜5時間である。
反応終了後、化合物(2)は、単離せずに反応混合物のまま次の工程に供される。
なお、化合物(1)が酸付加塩の形態であるときは、塩基で処理して遊離体に変換した後、当該工程に供するか、過剰の塩基の存在下に反応させればよい。
工程2
当該工程は、化合物(2)をG−OHと反応させることにより、化合物(3)を得る工程である。G−OHはヘミアセタール水酸基以外の水酸基が全て保護された糖である。
当該反応は、通常、反応に影響を及ぼさない溶媒中、化合物(2)をG−OHと反応させることにより行われる。
−OHの使用量は、化合物(2)1モルに対して、通常0.7〜5モル、好ましくは1〜2モルである。
溶媒としては、反応が進行する限り特に限定されるものではないが、例えば、炭化水素類(例、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン等)、ハロゲン化炭化水素類(例、クロロホルム、ジクロロメタン等)、エーテル類(例、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等)あるいはそれらの混合物が用いられる。中でも、ジクロロメタンが好ましい。
反応温度は、通常−100〜100℃、好ましくは−30〜50℃であり、反応時間は、通常3〜40時間、好ましくは10〜30時間である。
こうして得られる化合物(3)は、公知の分離精製手段、例えば、濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィー等により、単離精製することができる。また、化合物(3)は、単離せずに次の反応に用いてもよい。
工程3
当該工程は、化合物(3)のカルボキシ基の保護基とGに存在する水酸基の保護基を除去して、化合物(Ia)またはその塩を得る工程である。
カルボキシ基の保護基の除去とGに存在する水酸基の保護基の除去は、同時に行っても、別工程で行ってもよく、後者の場合は、その順序は問わないが、同時に行う方が簡便である。その場合は、これらの保護基は、同じ条件で除去できるように選択される。例えば、Rで示されるカルボキシ基の保護基がメチルまたはエチルであり、Gに存在する水酸基の保護基がアセチルである場合、これらはアルカリ加水分解で除去される。
アルカリ加水分解は、通常、反応に影響を及ぼさない溶媒中、化合物(3)をアルカリで処理することにより行われる。
アルカリとしては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム等が挙げられ、中でも、水酸化リチウムが好ましい。
溶媒としては、反応が進行する限り特に限定されるものではないが、例えば、水、アルコール類(例、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、tert-ブチルアルコール等)、エーテル類(例、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等)、ハロゲン化炭化水素類(例、ジクロロメタン等)あるいはそれらの混合物が用いられる。中でも、水とアルコール類(例、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、tert-ブチルアルコール等)の混合物が好ましい。
反応温度は、通常−100〜100℃、好ましくは−30〜35℃であり、反応時間は、通常5〜10時間、好ましくは0.5〜2時間である。
こうして得られる化合物(Ia)またはその塩は、公知の分離精製手段、例えば、濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィー等により、単離精製することができる。
化合物(I)のうち、Rがアルキル基である化合物は、化合物(3)に公知の方法でアルキル基を導入し、工程3と同様に保護基を除去して得ることができる。アルキル基を導入する方法としては、例えば、耐塩基性の保護基が導入された化合物(3)を、対応するハロゲン化アルキルと、適切な塩基条件下で反応させる方法が挙げられる。あるいは化合物(1)のアミノ基に予め公知の方法でアルキル基を導入後、工程1、2および3と同様の方法を行うことで化合物(I)を得ることができる。
こうして得られる化合物(I)は、公知の分離精製手段、例えば、濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィー等により、単離精製することができる。
化合物(I)は、必要に応じて金属塩や有機塩基との塩の形態で使用してもよい。化合物(I)が塩の形態である場合、その塩は薬理学的に許容される塩であればよい。例えば、カルボキシ基等の酸性基に対する塩の好適な例としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩等のアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩、アルミニウム塩、亜鉛塩、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、モルホリン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、2,6−ルチジン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N'−ジベンジルエチレンジアミン等の有機アミン、アルギニン、リジン等の塩基性アミノ酸との塩が挙げられる。化合物(I)がアミノ基等の塩基性基を有する場合、塩基性基に対する塩の好適な例としては、塩酸、硫酸、リン酸、硝酸、臭化水素酸等の無機酸との塩、酢酸、クエン酸、安息香酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、コハク酸、タンニン酸、酪酸、ヒベンズ酸、パモ酸、エナント酸、デカン酸、サリチル酸、乳酸、シュウ酸、マンデル酸、リンゴ酸等の有機カルボン酸との塩、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機スルホン酸との塩を挙げることができる。
化合物(I)には、式G−O−C(O)−(式中、Gは前記と同義である。)で表される基がアミノ酸のアミノ基に導入されているため、アミノ酸自体が有する物性(特に水溶性、水中安定性、苦味等)が改善される。従って、水溶性や水中安定性の改善により水性組成物としての適用が広がり、また、苦味の改善により経口用途にも適する。
また、上記式G−O−C(O)−で表される基は、胃液等の酸性条件下やグルコシダーゼ(特にβ−グルコシダーゼ)により、アミノ酸から脱離するので、化合物(I)は、生体内でアミノ酸に分解される。従って、化合物(I)は、アミノ酸前駆体として有用である。
N-(α/β-D-グルコピラノシルオキシカルボニル)-L-ロイシン(Glc-Leu)水溶液(100 mg/dl)を72時間加熱(60℃、90℃)し、HPLCで経時的に遊離L-ロイシン(Leu)の分析を行ったところ、90℃では、約6時間で5割程度、72時間でほぼ全てのLeuが遊離することを確認した。一方、60℃では72時間後も遊離Leuは確認されず、アミノ酸前駆体として十分な熱安定を有することが示された。
以下、実施例にそって本発明をさらに詳細に説明するが、これら実施例は本発明の範囲を何ら限定するものではない。また、本発明において使用する試薬や装置、材料は特に言及されない限り、商業的に入手可能である。
実施例中、
Glc-XXXは、アミノ基がD-グルコピラノシルオキシカルボニル基でカルバメート化されたアミノ酸(XXX)を意味し、
4Ac-Glc-XXXは、アミノ基が2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-D-グルコピラノシルオキシカルボニル基でカルバメート化されたアミノ酸(XXX)を意味し、
GlcNAc-XXXは、アミノ基が2-アセトアミド-2-デオキシ-D-グルコピラノシルオキシカルボニル基でカルバメート化されたアミノ酸(XXX)を意味し、
3Ac-GlcNAc-XXXは、アミノ基が2-アセトアミド-3,4,6-トリ-O-アセチル-2-デオキシ-D-グルコピラノシルオキシカルボニル基でカルバメート化されたアミノ酸(XXX)を意味する。
また、本明細書において、アミノ酸等を略号で表示する場合、各表示は、IUPAC-IUB Commission on Biochemical Nomenclatureによる略号あるいは当該分野における慣用略号に基づくものである。
例えば、アミノ酸(XXX)を以下のように表記する。
Leu:L-ロイシン
Phe:L-フェニルアラニン
Lys:L-リジン
Glu:L-グルタミン酸
Asp:L-アスパラギン酸
Val: L-バリン
Ile:L-イソロイシン
Tyr:L-チロシン
DOPA:3,4-ジヒドロキシ-L-フェニルアラニン
以下の実施例中の「室温」は通常約10℃ないし約35℃を示す。混合溶媒において示した比は、特に断らない限り容量比を示す。
1H-NMR(プロトン核磁気共鳴スペクトル)はフーリエ変換型NMRで測定した。ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基等のプロトンが非常に緩やかなピークについては記載していない。
実施例1 Glc-Leu;N-(α/β-D-グルコピラノシルオキシカルボニル)-L-ロイシン
(1) 4Ac-Glc-Leu-OMe;N-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-α/β-D-グルコピラノシルオキシカルボニル)-L-ロイシンメチルエステル
L-ロイシンメチルエステル塩酸塩(293 mg, 1.61 mmol)をテトラヒドロフラン(3.5 ml)に懸濁させ、氷浴を用いて冷却した。この溶液にトリエチルアミン(4.3 ml, 30.8 mmol)を加えた後、室温に昇温して30分間攪拌した。反応溶液をろ別し、濃縮してL-ロイシンメチルエステル(232 mg, 1.61 mmol)を得た。
Boc2O(493 mg, 2.26 mmol)をジクロロメタン(10 ml)に溶解させ、氷浴を用いて冷却した。この溶液に4-(ジメチルアミノ)ピリジン(198 mg, 1.62 mmol)を溶かしたジクロロメタン(7 ml)溶液とL-ロイシンメチルエステル(232 mg, 1.61 mmol)を溶かしたジクロロメタン(7 ml)溶液を加え、室温にて1時間攪拌した。再び氷浴を用いて反応溶液を冷却し、2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-D-グルコース(787 mg, 2.26 mmol)を溶かしたジクロロメタン(10 ml)溶液を加え、18時間攪拌した。反応溶液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(グラジエント;ヘキサン:酢酸エチル=85:15→60:40)にて精製し、4Ac-Glc-Leu-OMe(698 mg, 1.34 mmol, 収率83%,α:β比=1:1)を白色粉末として得た。
1H-NMR(400 MHz, CDCl3)δ:0.88-1.00 (m, 6H), 1.49-1.78 (m, 3H), 2.01 (s, 3H), 2.03 (s, 3H), 2.04 (s, 1.5H), 2.07 (s, 1.5H), 2.09 (s, 1.5H), 2.10 (s, 1.5H), 3.74 (s, 1.5H), 3.76 (s, 1.5H), 3.79-3.87 (m, 0.5H), 4.04-4.15 (m, 2H), 4.24-4.44 (m, 2H), 5.07-5.33 (m, 3.5H), 5.44-5.51 (m, 0.5H), 5.66 (d, 0.5H, J=8.2 Hz), 6.23 (d, 0.5H, J=3.5 Hz).
ESIMS (m/z): 542.2([M+Na]+), 557.9([M+K]+).
(2) Glc-Leu;N-(α/β-D-グルコピラノシルオキシカルボニル)-L-ロイシン
4Ac-Glc-Leu-OMe(300 mg, 0.577 mmol)をメタノール(6 ml)と水(3 ml)に溶解させ、恒温槽を用いて-10℃に冷却した。この溶液に1N水酸化リチウム水溶液(2.89 ml, 2.89 mmol)を加え、10分間攪拌した。反応溶液に水(15 ml)を加え、20分間攪拌した。反応液を強酸性樹脂(Amberlite IR-120)で処理し、続いて樹脂をろ別した。ろ液を減圧濃縮し、Glc-Leu(199 mg, 収率quant.,α:β比=1:1)を白色粉末として得た。
1H-NMR(400 MHz, CD3OD)δ:0.93-1.02 (m, 6H), 1.58-1.85 (m, 3H), 3.34-3.59 (m, 3H), 3.65-3.90 (m, 3H), 4.17-4.25 (m, 1H), 5.35 (d, 0.5H, J=8.0 Hz), 5.96 (d, 0.5H, J=3.8 Hz).
ESIMS(m/z): 360.1([M+Na]+), 376.1([M+K]+).
実施例2 Glc-Phe;N-(α/β-D-グルコピラノシルオキシカルボニル)-L-フェニルアラニン
(1) 4Ac-Glc-Phe-OMe;N-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-α/β-D-グルコピラノシルオキシカルボニル)-L-フェニルアラニンメチルエステル
L-フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩(319 mg, 1.48 mmol)をテトラヒドロフラン(4 ml)に懸濁させ、氷浴を用いて冷却した。この溶液にトリエチルアミン(4 ml, 28.6 mmol)を加えた後、室温に昇温して1時間攪拌した。反応溶液をろ別し、濃縮してL-フェニルアラニンメチルエステル(254 mg, 1.42 mmol)を得た。
Boc2O(431 mg, 1.98 mmol)をジクロロメタン(10 ml)に溶解させ、氷浴を用いて冷却した。この溶液に4-(ジメチルアミノ)ピリジン(172 mg, 1.40 mmol)を溶かしたジクロロメタン(7 ml)溶液とL-フェニルアラニンメチルエステル(254 mg, 1.42 mmol)を溶かしたジクロロメタン(8 ml)溶液を加え、室温にて1時間攪拌した。再び氷浴を用いて反応溶液を冷却し、2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-D-グルコース(682 mg, 1.96 mmol)を溶かしたジクロロメタン(10 ml)溶液を加え、18時間攪拌した。反応溶液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(グラジエント;ヘキサン:酢酸エチル=85:15→57:43)にて精製し、4Ac-Glc-Phe-OMe(769 mg, 1.39 mmol, 収率94%,α:β比=1:1)を白色粉末として得た。
1H-NMR(400 MHz, CDCl3)δ: 2.01 (s, 3H), 2.03 (s, 3H), 2.04 (s, 3H), 2.09 (s, 3H), 3.05-3.21 (m, 2H), 3.72 (s, 1.5H), 3.75 (s, 1.5H), 3.79-3.86 (m, 0.5H), 4.05-4.14 (m, 1.5H), 4.22-4.34 (m, 2H), 4.56-4.69 (m, 1H), 5.04-5.50 (m, 4H), 5.65 (d, 0.5H, J=8.3 Hz), 6.24 (d, 0.5H, J=3.6 Hz), 7.08-7.15 (m, 2H), 7.22-7.36 (m, 5H).
ESIMS(m/z): 576.0([M+Na]+), 592.1([M+K]+).
(2) Glc-Phe;N-(α/β-D-グルコピラノシルオキシカルボニル)-L-フェニルアラニン
4Ac-Glc-Phe-OMe(394 mg, 0.711 mmol)をメタノール(15 ml)に溶解させ、恒温槽を用いて-10℃に冷却した。この溶液に1N水酸化リチウム水溶液(3.55 ml, 3.55 mmol)を加え、15分間攪拌した。反応溶液に水(40 ml)を加え、40分間攪拌した。反応液を強酸性樹脂(Amberlite IR-120)で処理し、続いて樹脂をろ別した。ろ液を減圧濃縮し、Glc-Phe(262 mg, 0.705 mmol, 収率99%,α:β比=1:1)を白色粉末として得た。
1H-NMR(400 MHz, CD3OD)δ: 2.94-3.05 (m, 1H), 3.16-3.25 (m, 1H), 3.38-3.52 (m, 3H), 3.60-3.87 (m, 3H), 4.40-4.47 (m, 1H), 5.31 (d, 0.5H, J=8.1 Hz), 5.90 (d, 0.5H, J=3.8 Hz), 7.17-7.32 (m, 5H).
ESIMS(m/z): 370.1([M-H]-), 741.1([2M-H]-).
実施例3 Glu-Lys;N-α-(α/β-D-グルコピラノシルオキシカルボニル)-L-リジン
(1) 4Ac-Glc-Lys(Z)-OMe;N-α-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-α/β-D-グルコピラノシルオキシカルボニル)-N-ε-(ベンジルオキシカルボニル)-L-リジンメチルエステル
N-ε-(ベンジルオキシカルボニル)-L-リジンメチルエステル塩酸塩(2.71 g, 8.21 mmol)をテトラヒドロフラン(16 ml)に懸濁させ、氷浴を用いて冷却した。この溶液にトリエチルアミン(22.8 ml, 163 mmol)を加えた後、室温に昇温して1時間攪拌した。反応溶液をろ別し、濃縮してN-ε-(ベンジルオキシカルボニル)-L-リジンメチルエステル(2.48 g)を得た。
Boc2O(2.48 g, 11.3 mmol)をジクロロメタン(30 ml)に溶解させ、氷浴を用いて冷却した。この溶液に4-(ジメチルアミノ)ピリジン(1.01 g, 8.28 mmol)を溶かしたジクロロメタン(30 ml)溶液とN-ε-(ベンジルオキシカルボニル)-L-リジンメチルエステル(2.48 g)を溶かしたジクロロメタン(30 ml)溶液を加え、室温にて1時間攪拌した。再び氷浴を用いて反応溶液を冷却し、2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-D-グルコース(4.00 g, 11.5 mmol)を溶かしたジクロロメタン(30 ml)溶液を加え、18時間攪拌した。反応溶液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(グラジエント;ヘキサン:酢酸エチル=70:30→40:60)にて精製し、4Ac-Glc-Lys(Z)-OMe(3.75 g, 6.63 mmol, 収率81%,α:β比=1:1)を白色粉末として得た。
1H-NMR(400 MHz, CDCl3)δ: 1.31-1.94 (m, 6H), 2.00 (s, 1.5H), 2.01 (s, 1.5H), 2.02 (s, 1.5H), 2.03 (s, 1.5H), 2.05 (s, 1.5H), 2.05 (s, 1.5H), 2.07 (s, 1.5H), 2.09 (s, 1.5H), 3.12-3.24 (m, 2H), 3.74 (s, 1.5H), 3.76 (s, 1.5H), 3.72-3.83 (m, 0.5H), 4.07-4.18 (m, 1.5H), 4.24-4.40 (m, 2H), 4.79-4.89 (m, 1H), 5.04-5.27 (m, 2.5H), 5.43-5.57 (m, 1.5H), 5.64 (d, 0.5H, J=8.3 Hz), 6.22 (d, 0.5H, J=3.6 Hz), 7.27-7.40 (m, 5H).
ESIMS(m/z): 669.2([M+H]+), 691.2([M+Na]+), 707.2([M+K]+), 667.2([M-H]-), 971.4([2M-H]-).
(2) Glc-Lys(Z);N-α-(α/β-D-グルコピラノシルオキシカルボニル)-N-ε-(ベンジルオキシカルボニル)-L-リジン
4Ac-Glc-Lys(Z)-OMe(682 mg, 1.02 mmol)をメタノール(5.1 ml)に溶解させ、恒温槽を用いて-10℃に冷却した。この溶液に1N水酸化リチウム水溶液(5.1 ml, 5.1 mmol)を加え、15分間攪拌した。反応溶液に水(10 ml)を加え、15分間攪拌した。反応液を強酸性樹脂(Amberlite IR-120)で処理し、続いて樹脂をろ別した。ろ液を減圧濃縮し、Glc-Lys(Z)(510 mg, 1.04 mmol, 収率quant.,α:β比=1:1)を白色粉末として得た。
1H-NMR(400 MHz, CD3OD)δ: 1.38-1.95 (m, 6H), 3.09-3.20 (m, 2H), 3.35-3.46 (m, 2.5H), 3.50-3.57 (m, 0.5H), 3.61-3.88 (m, 3H), 4.03-4.22 (m, 1H), 5.08 (s, 2H), 5.36 (d, 0.5H, J=8.0 Hz), 5.97 (d, 0.5H, J=3.8 Hz), 7.26-7.43 (m, 5H).
ESIMS(m/z): 487.3([M+H]+), 504.3([M+NH4]+), 509.1([M+Na]+), 485.2([M-H]-), 971.4([2M-H]-).
(3) Glc-Lys;N-α-(α/β-D-グルコピラノシルオキシカルボニル)-L-リジン
Glc-Lys(Z)(53.0 mg, 0.109 mmol)をメタノール(2 ml)に溶解し、2%パラジウム炭素触媒(26.3 mg, 50%(w/w))を加え、水素雰囲気下(大気圧)、室温にて3時間半攪拌を行った。反応終了後、触媒をろ別した。ろ液を減圧濃縮し、Glu-Lys(35.0 mg, 0.993 mmol, 収率91%, α:β比=2:3)を白色粉末として得た。
1H-NMR(400 MHz, D2O)δ:1.31-1.40 (m, 2H), 1.56-1.77 (m, 4H), 2.91 (t, 2H, J=7.5 Hz), 3.32-3.43 (m, 1H), 3.46-3.51 (m, 1H), 3.58-3.82 (m, 3H), 3.87-3.92 (m, 1H), 5.33 (d, 0.6H, J=8.1 Hz), 5.87 (d, 0.4H, J=3.7 Hz).
ESIMS(m/z): 353.2([M+H]+), 357.1([M+Na]+), 705.3([2M+H]+), 727.2([2M+Na]+), 351.1([M-H]-), 703.2([2M-H]-).
実施例4 Glc-Glu;N-(α/β-D-グルコピラノシルオキシカルボニル)-L-グルタミン酸
(1) 4Ac-Glc-Glu(OBn)-OMe;N-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-α/β-D-グルコピラノシルオキシカルボニル)-L-グルタミン酸γ-ベンジルエステルα-メチルエステル
実施例1の工程(1)と同様にして、L-グルタミン酸γ-ベンジルエステルα-メチルエステル塩酸塩(648 mg, 2.25 mmol)より、4Ac-Glc-Glu(OBn)-OMe(1.67 g)を糖原料との混合物として得た。
ESIMS (m/z): 643.2([M+NH4]+), 648.2([M+Na]+), 664.2([M+K]+).
(2) 4Ac-Glc-Glu-OMe;N-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-α/β-D-グルコピラノシルオキシカルボニル)-L-グルタミン酸α-メチルエステル
4Ac-Glc-Glu(OBn)-OMe(582 mg;糖原料との混合物)をメタノール(13 ml)に溶解し、2%パラジウム炭素触媒(582 mg, 100%(w/w))を加え、水素雰囲気下(大気圧)、室温にて3時間半攪拌を行った。反応終了後、触媒をろ別した。ろ液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(グラジエント;ヘキサン:酢酸エチル=1:1→1:3)にて精製し、4Ac-Glc-Glu-OMe(251 mg, 0.470 mmol, 収率60%(2 steps),α:β比=1:1)を白色粉末として得た。
1H-NMR(400 MHz, CD3OD)δ:1.87-1.96 (m, 1H), 1,99-2.08 (m, 12H), 2.12-2.24 (m, 1H), 2,36-2.52 (m, 2H), 3.47 (s, 1.5H), 3.76 (s, 1.5H), 4.07-4.14 (m, 2H), 4.23-4.34 (m, 2H), 5.04-5.17 (m, 2H), 5.37 (t, 0.5H, J=9.5 Hz), 5.54 (t, 0.5H, J=9.7 Hz), 5.76 (d, 0.5H, J=8.3 Hz), 6.19 (d, 0.5H, J=3.2 Hz).
ESIMS(m/z): 536.2([M+H]+), 553.2([M+NH4]+), 558.1([M+Na]+), 574.1([M+K]+), 533.9([M-H]-).
(3) Glc-Glu;N-(α/β-D-グルコピラノシルオキシカルボニル)-L-グルタミン酸
実施例1の工程(2)と同様にして、4Ac-Glc-Glu-OMe(208 mg, 0.388 mmol)より、Glc-Glu(109 mg, 0.307 mmol, 収率79%, α:β比=2:3)を白色粉末として得た。
1H-NMR(400 MHz, D2O)δ:1.83-1.93 (m, 1H), 2.05-2.15 (m, 1H), 2.40 (t, 2H, J=7.3 Hz), 2.47-2.60 (m, 2H), 3.55-3.78 (m, 4H), 4.11-4.17 (m, 1H), 5.29 (d, 0.6H, J=8.1 Hz), 5.84 (d, 0.4H, J=3.6 Hz).
ESIMS(m/z): 352.1([M-H]-).
実施例5 Glc-Asp;N-(α/β-D-グルコピラノシルオキシカルボニル)-L-アスパラギン酸
(1) 4Ac-Glc-Asp(OBn)-OBn; N-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-α/β-D-グルコピラノシルオキシカルボニル)-L-アスパラギン酸α-ベンジルエステルβ-ベンジルエステル
実施例1の工程(1)と同様にして、L-アスパラギン酸α-ベンジルエステルβ-ベンジルエステル塩酸塩(1.00 g, 2.86 mmol)より、4Ac-Glc-Asp(OBn)-OBn(1.18 g, 1.71 mmol, 収率60%, α:β比=3:2)を淡黄色粉末として得た。
1H-NMR(400 MHz, CDCl3)δ:1.97-2.08 (m, 12H), 2.84-2.92 (m, 1H), 3.08-3.16 (m, 1H), 4.01-4.13 (m, 2H), 4.23-4.33 (m, 1H), 4.64-4.96 (m, 1H), 5.05-5.17 (m, 6H), 5.25 (t, 0.4H, J=9.4 Hz), 5.46 (t, 0.6H, J=9.9 Hz), 5.67 (d, 0.4H, J=8.4 Hz), 5.92 (d, 1H, J=8.5 Hz), 6.23 (d, 0.6H, J=3.7 Hz), 7.26-7.39 (m, 10H).
ESIMS(m/z): 705.2([M+NH4]+), 710.2([M+Na]+), 726.1([M+K]+), 686.2([M-H]-
(2) 4Ac-Glc-Asp;N-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-α/β-D-グルコピラノシルオキシカルボニル)-L-アスパラギン酸
実施例4の工程(2)と同様にして、4Ac-Glc-Asp(OBn)-OBn(546 mg, 0.794 mmol)より、4Ac-Glc-Asp(411 mg, 0.810 mmol, 収率quant., α:β比=3:2)を白色粉末として得た。
1H-NMR(400 MHz, CDCl3)δ:2.01-2.14 (m, 12H), 2.90-2.99 (m, 1H), 3.09-3.17 (m, 1H), 4.11-4.17 (m, 2H), 4.22-4.34 (m, 1H), 4.63-4.70 (m, 1H), 5.06-5.17 (m, 2H), 5.30 (t, 0.4H, J=9.5 Hz), 5.54 (t, 0.6H, J=9.9 Hz), 5.69 (d, 0.4H, J=8.3 Hz), 6.22 (d, 0.6H, J=3.5 Hz), 6.43 (d, 0.4H, J=8.4 Hz), 6.51(d, 0.6H, J=8.5 Hz).
ESIMS(m/z): 525.0([M+NH4]+), 529.9([M+Na]+), 505.9([M-H]-).
(3) Glc-Asp;N-(α/β-D-グルコピラノシルオキシカルボニル)-L-アスパラギン酸
実施例1の工程(2)と同様にして4Ac-Glc-Asp(208 mg, 0.388 mmol)より、Glc-Asp(109 mg, 0.307 mmol, 収率79%, α:β比=3:2)を白色粉末として得た。
1H-NMR(400 MHz, CD3OD)δ:2.87-2.89(m, 2H),3.33-3.51(m, 2H),3.58-3.82(m, 4H),4.48-4.51(m, 1H),5.34(d, 0.4H, J=8.1 Hz),5.89(d, 0.6H, J=3.6 Hz).
ESIMS(m/z): 357.1([M+NH4]+), 362.1([M+Na]+), 337.9([M-H]-), 677.1([2M-H]-).
実施例6 Glc-DOPA;N-(α/β-D-グルコピラノシルオキシカルボニル)-3,4-ジヒドロキシ-L-フェニルアラニン
(1) DOPA-OMe塩酸塩;3,4-ジヒドロキシ-L-フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩
メタノール(50 ml)を、恒温槽を用いて-5℃に冷却し、塩化チオニル(5 ml, 68.9 mmol)を滴下した。続いて3,4-ジヒドロキシ-L-フェニルアラニン(10.0 g, 50.7 mmol)を少しずつ加え、5分間攪拌した。室温に戻し、50℃に加熱し、14時間攪拌した。反応溶液を濃縮し、DOPA-OMe塩酸塩(14.3 g, 57.7 mmol, 収率quant.)を油状物質として得た。
1H-NMR(400 MHz, CD3OD)δ:3.04 (dd, 1H, J=7.4, 14.5 Hz), 3.13 (dd, 1H, J=5.8, 14.5 Hz), 3.84 (s, 3H), 4.22-4.25 (m, 1H), 6.58 (dd, 1H, J=2.2, 8.0 Hz), 6.69 (d, 1H, J=2.1 Hz), 6.77 (d, 1H, J=8.0 Hz).
ESIMS(m/z): 212.7([M+H]+), 423.2([2M+H]+), 210.2([M-H]-), 241.1([M+Cl]-).
(2) Boc-DOPA-OMe;N-(tert-ブトキシカルボニル)-3,4-ジヒドロキシ-L-フェニルアラニンメチルエステル
DOPA-OMe塩酸塩(1.26 g, 5.11 mmol)をテトラヒドロフラン(10 ml)に溶解させ、飽和重層水(8 ml)を加え、氷浴を用いて冷却した。この溶液にBoc2O(1.00 ml, 4.35 mmol)を加え、室温に昇温し、1時間半攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣にジクロロメタン(10 ml)および水(5 ml)を加え、2回ジクロロメタンで抽出した。有機層を10%クエン酸水溶液(10 ml)、15%食塩水(10 ml)の順で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤をろ別後、ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(グラジエント;ヘキサン:酢酸エチル=9:1→1:1)にて精製し、Boc-DOPA-OMe(980 mg, 3.15 mmol, 収率76%)を淡桃色の飴状物質として得た。
1H-NMR(400 MHz,CDCl3)δ:1.42 (s, 9H), 2.89-3.01 (m, 2H), 3.71 (s, 3H), 4.49-4.54 (m, 1H), 5.01 (d, 1H, J=8.0 Hz), 5.51 (s, 1H), 5.65 (s, 1H), 6.54 (dd, 1H, J=1.5, 8.0 Hz), 6.65 (br, 1H), 6.76 (d, 1H, J=8.1 Hz).
ESIMS(m/z): 310.0([M-H]-).
(3) Boc-DOPA(OBn)2-OMe;N-(tert-ブトキシカルボニル)-3,4-ジベンジルオキシ-L-フェニルアラニンメチルエステル
Boc-DOPA-OMe(984 mg, 3.15 mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(20 ml)に溶解させ、氷浴を用いて冷却した。この溶液に炭酸カリウム(1.37 g, 9.92 mmol)、ベンジルブロミド(0.860 ml, 7.24 mmol)を加え、室温に昇温後、50℃に加熱して1時間攪拌した。ジエチルエーテル(50 ml)および水(100 ml)を加え、ジエチルエーテルにて2回抽出した。有機層を15%食塩水(50 ml)で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤をろ別後、ろ液を減圧濃縮し、Boc-DOPA(OBn)2-OMe(1.37 g, 2.89 mmol, 収率88%)を白色粉末として得た。
1H-NMR(400 MHz,CDCl3)δ:1.42 (s, 9H), 2.97-2.99 (m, 2H), 3.64 (s, 3H), 4.51-4.55 (m, 1H), 4.94 (d, 1H, J=7.2 Hz), 5.12 (s, 2H), 5.13 (s, 2H), 6.64 (dd, 1H, J=1.9, 8.2 Hz), 6.73 (d, 1H, J=2.0 Hz), 6.85 (d, 1H, J=8.2 Hz), 7.29-7.45 (m, 10H).
(4) DOPA(OBn)2-OMe塩酸塩;3,4-ジベンジルオキシ-L-フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩
Boc-DOPA(OBn)2-OMe(570 mg, 1.16 mmol)をジクロロメタン(6 ml)に溶解させ、氷浴を用いて冷却した。この溶液に4N塩酸/1,4-ジオキサン(2 ml)を加え、室温に昇温し、4時間攪拌した。反応溶液を濃縮し、DOPA(OBn)2-OMe塩酸塩(450 mg, 1.05 mmol, 収率91%)を白色粉末として得た。
1H-NMR(400 MHz,CDCl3)δ:2.83 (dd, 1H, J=7.5, 13.7 Hz), 3.30 (dd, 1H, J=5.1, 13.6 Hz), 3.37 (s, 3H), 3.72-3.76 (m, 1H), 5.13 (s, 2H), 5.15 (s, 2H), 6.70 (dd, 1H, J=1.8, 8.2 Hz), 6.81 (d, 1H, J=1.9 Hz), 6.86 (d, 1H, J=8.2 Hz), 7.28-7.45 (m, 10H).
ESIMS(m/z): 302.2([M+H]+), 414.3([M+Na]+), 783.4([2M+H]+), 806.4([2M+Na]+).
(5) 4Ac-Glc-DOPA(OBn)2-OMe;N-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-α/β-D-グルコピラノシルオキシカルボニル)-3,4-ジベンジルオキシ-L-フェニルアラニンメチルエステル
実施例1の工程(1)と同様にして、DOPA(OBn)2-OMe塩酸塩(450 mg, 1.15 mmol)より、4Ac-Glc-DOPA(OBn)2-OMe(808 mg)を糖原料との混合物として得た。
(6) 4Ac-Glc-DOPA-OMe;N-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-α/β-D-グルコピラノシルオキシカルボニル)-3,4-ジヒドロキシ-L-フェニルアラニンメチルエステル
実施例4の工程(2)と同様にして、4Ac-DOPA(OBn)2-OMe(808 mg;糖原料との混合物)より、4Ac-Glc-DOPA-OMe(298 mg, 0.509 mmol, 収率44%(2 steps), α:β比=1:1)を油状物質として得た。
1H-NMR(400 MHz,CDCl3)δ:2.02-2.18 (m, 12H), 2.97-3.07 (m, 2H), 3.76 (s, 1.5H), 3.78 (s, 1.5H), 4.10-4.19 (m, 1H), 4.21-4.47 (m, 1H), 4.53-4.68 (m, 1H), 5.05-5.17 (m, 1H), 5.21-5.28 (m, 1H), 5.50-5.64 (m, 2H), 5.67 (d, 0.5H, J=8.2 Hz), 6.34 (d, 0.5H, J=3.1 Hz), 6.41 (dd, 0.5H, J=2.0, 8.1 Hz), 6.48 (dd, 0.5H, J=1.9, 8.4 Hz), 6.50 (d, 0.5H, J=2.0 Hz), 6.65 (d, 0.5H, J=1.8 Hz), 6.77 (d, 0.5H, J=8.1 Hz), 6.82 (d, 0.5 H, J=8.1 Hz).
ESIMS(m/z): 603.2([M+NH4]+), 608.2([M+Na]+), 583.9([M-H]-).
(7) Glc-DOPA;N-(α/β-D-グルコピラノシルオキシカルボニル)-3,4-ジヒドロキシ-L-フェニルアラニン
実施例1の工程(2)と同様にして、4Ac-Glc-DOPA-OMe(298 mg, 0.509 mmol)より、Glc-DOPA(183 mg, 0.453 mmol, 収率89%, α:β比=1:1)を淡黄色粉末として得た。
1H-NMR(400 MHz, D2O)δ:2.77-2.84 (m, 1H), 2.97-3.03 (m, 1H), 3.30-3.45 (m, 2H), 3.53-3.78 (m, 4H), 4.28-4.37 (m, 1H), 5.25 (d, 0.5H, J=6.7 Hz), 5.77 (d, 0.5H, J=3.5 Hz), 6.59-6.63 (br, 1H), 6.69-6.70 (m, 1H), 6.73-6.77 (m, 1H).
ESIMS(m/z): 402.1([M-H]-), 805.2([2M-H]-).
実施例7 GlcNAc-Leu(α体,β体);N-(2-アセトアミド-2-デオキシ-α-D-グルコピラノシルオキシカルボニル)-L-ロイシンおよびN-(2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシルオキシカルボニル)-L-ロイシン
(1) 3Ac-GlcNAc-Leu-OMe(α体,β体);N-(2-アセトアミド-3,4,6-トリ-O-アセチル-2-デオキシ-α-D-グルコピラノシルオキシカルボニル)-L-ロイシン メチルエステルおよびN-(2-アセトアミド-3,4,6-トリ-O-アセチル-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシルオキシカルボニル)-L-ロイシンメチルエステル
実施例1の工程(1)と同様にして、L-ロイシンメチルエステル塩酸塩(364 mg, 2.23 mmol)を、トリエチルアミンによって脱塩し、得られたL-ロイシンメチルエステル(320 mg, 2.20 mmol)の一部(63.3 mg, 0.436 mmol)を、2-アセトアミド-3,4,6-トリ-O-アセチル-2-デオキシ-D-グルコースと反応させ、3Ac-GlcNAc-Leu-OMeのα体(102 mg, 0.197 mmol, 収率45%)およびβ体(14.5 mg, 0.0280 mmol, 収率6%)をそれぞれ油状物質として得た。
1H-NMR(400 MHz, CDCl3)α体:δ: 0.97 (s, 3H), 0.98 (s, 3H), 1.52-1.62 (m, 1H), 1.65-1.74 (m, 1H), 1.94 (s, 3H), 2.04 (s, 3H), 2.05 (s, 3H), 2.09 (s, 3H), 3.76 (s, 3H), 4.05-4.09 (m, 1H), 4.26 (dd, 1H, J=3.9, 12.6 Hz), 4.37-4.43 (m, 1H), 4.46-4.52 (m, 1H), 5.15-5.27 (m, 2H), 5.63 (d, 1H, J=8.2 Hz), 5.84 (d, 1H, J=5.8 Hz), 6.06 (d, 1H, J=7.6 Hz).
ESIMS(m/z)α体: 519.2([M+H]+), 536.2([M+NH4]+), 557.1([M+K]+), 517.0([M-H]-).
1H-NMR(400 MHz, CDCl3)β体:δ: 0.93 (s, 3H), 0.94 (s, 3H), 1.49-1.59 (m, 1H), 1.60-1.70 (m, 2H), 1.97 (s, 3H), 2.04 (s, 3H), 2.05 (s, 3H), 2.09 (s, 3H), 3.72 (s, 3H), 3.80-3.84 (m, 1H), 4.12 (dd, 1H, J=2.1, 12.4 Hz), 4.27-4.36 (m, 1H), 5.11-5.17 (m, 2H), 5.50 (d, 1H, J=8.5 Hz), 5.60 (d, 1H, J=8.9 Hz), 5.86 (d, 1H, J=9.6 Hz).
ESIMS (m/z)β体: 541.0([M+Na]+), 557.1([M+K]+), 517.2([M-H]-).
(2-1) GlcNAc-Leu(α体);N-(2-アセトアミド-2-デオキシ-α-D-グルコピラノシルオキシカルボニル)-L-ロイシン
実施例1の工程(2)と同様にして、3Ac-GlcNAc-Leu-OMe(α体: 42.6 mg, 0.0822 mmol)より、GlcNAc-Leu(28.4 mg, 0.0751 mmol, 収率92%)を白色粉末として得た。
1H-NMR(400 MHz, CD3OD)δ:0.94-0.99 (m, 6H), 1.63-1.66 (m, 2H), 1.71-1.81 (m, 1H), 1.98 (s, 3H), 3.31-3.34 (m, 1H), 3.46-3.53 (m, 1H), 3.71-3.81 (m, 2H), 3.99-4.02 (m, 1H), 4.19-4.22 (m, 1H), 6.01 (d, 1H, J=3.4 Hz).
ESIMS(m/z): 379.2([M+H]+), 401.1([M+Na]+), 779.3([2M+Na]+), 377.2([M-H]-), 755.3([2M-H]-).
(2-2) GlcNAc-Leu(β体);N-(2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシルオキシカルボニル)-L-ロイシン
実施例1の工程(2)と同様にして、3Ac-GlcNAc-Leu-OMe(β体: 14.5 mg, 0.0280 mmol)より、GlcNAc-Leu(9.5 mg, 0.025 mmol, 収率93%)を白色粉末として得た。
1H-NMR(400 MHz, CD3OD)δ:0.94-0.97 (m, 6H), 1.53-1.66 (m, 2H), 1.67-1.77 (m, 1H), 1.99 (s, 3H), 3.37-3.40 (m, 2H), 3.47-3.52 (m, 1H), 3.72 (dd, 1H, J=5.0, 11.8 Hz), 3.84-3.91 (m, 2H), 4.11 (dd, 1H, J=5.1, 9.7 Hz), 5.43 (d, 1H, J=8.8 Hz).
ESIMS(m/z): 377.2([M-H]-), 755.3([2M-H]-).
実施例8 Glc-Val;N-(α/β-D-グルコピラノシルオキシカルボニル)-L-バリン
(1) 4Ac-Glc-Val-OMe;N-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-α/β-D-グルコピラノシルオキシカルボニル)-L-バリンメチルエステル
L-バリンメチルエステル塩酸塩(5.37 g, 32.1 mmol)をテトラヒドロフラン(64 ml)に懸濁させ、氷浴を用いて冷却した。この溶液にトリエチルアミン(89 ml, 641 mmol)を加えた後、室温に昇温して30分間攪拌した。反応溶液をろ別し、濃縮してL-バリンメチルエステル(3.29 g, 25.1 mmol, 収率78%)を得た。
Boc2O(7.70 ml, 35.1 mmol)をジクロロメタン(85 ml)に溶解させ、氷浴を用いて冷却した。この溶液に4-(ジメチルアミノ)ピリジン(3.37 g, 27.6 mmol)を溶かしたジクロロメタン(85 ml)溶液とL-バリンメチルエステル(3.30 g, 25.1 mmol)を溶かしたジクロロメタン(85 ml)溶液を加え、室温にて1時間攪拌した。再び氷浴を用いて反応溶液を冷却し、2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-D-グルコース(11.9 g, 35.1 mmol)を溶かしたジクロロメタン(85 ml)溶液を加え、18時間攪拌した。反応溶液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(グラジエント;ヘキサン:酢酸エチル=85:18→1:1)にて精製し、4Ac-Glc-Val-OMe(3.95 g, 7.83 mmol, 収率31%, α:β比=3:2)淡黄色粉末として得た。
1H-NMR(400 MHz, CDCl3)δ:0.88-0.94 (m, 3H), 0.96-0.99 (m, 3H), 2.02-2.09 (m, 12H) 2.17-2.24 (m, 1H), 3.75 (s, 1.2H), 3.77 (s, 1.8H), 4.08-4.16 (m, 1H), 4.23-4.35 (m, 2H), 5.06-5.17 (m, 2H), 5.26 (t, 0.4H, J=9.4 Hz), 5.41(t, 1H, J=9.7 Hz), 5.50 (t, 1H, J=9.9 Hz), 5.66 (d, 0.4H, J=8.2 Hz), 6.24 (d, 0.6H, J=3.7 Hz).
ESIMS(m/z): 523.2([M+NH4]+), 528.2([M+Na]+), 522.0([M+Cl]-).
(2) Glc-Val;N-(α/β-D-グルコピラノシルオキシカルボニル)-L-バリン
4Ac-Glc-Val-OMe(154 mg, 0.310 mmol)をメタノール(1.6 ml)に溶解させ、恒温槽を用いて-10℃に冷却した。この溶液に1N水酸化リチウム水溶液(1.54 ml, 1.54 mmol)を加え、10分間攪拌した。反応溶液に水(3.3 ml)を加え、20分間攪拌した。反応液を強酸性樹脂(Amberlite IR-120)で処理し、続いて樹脂をろ別した。ろ液を減圧濃縮し、Glc-Val(98.0 mg, 0.290 mmol, 収率98%, α:β比=3:7)を淡黄色粉末として得た。
1H-NMR(400 MHz, CD3OD)δ:0.96-1.06 (m, 6H), 2.13-2.24 (m, 1H), 3.30-3.91 (m, 6H), 4.08-4.12 (m, 1H), 5.35 (d, 0.7H, J=7.9 Hz), 5.96 (d, 0.3H, J=3.8 Hz).
ESIMS(m/z): 322.2([M-H]-), 645.2([2M-H]-).
実施例9 Glc-Ile;N-(α/β-D-グルコピラノシルオキシカルボニル)-L-イソロイシン
(1) 4Ac-Glc-Ile-OMe;N-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-α/β-D-グルコピラノシルオキシカルボニル)-L-イソロイシンメチルエステル
L-イソロイシンメチルエステル塩酸塩(3.00 g, 16.5 mmol)をテトラヒドロフラン(33 ml)に懸濁させ、氷浴を用いて冷却した。この溶液にトリエチルアミン(46.0 ml, 330 mmol)を加えた後、室温に昇温して1時間攪拌した。反応溶液をろ別し、濃縮してL-イソロイシンメチルエステル(2.13 g, 14.7 mmol)を得た。
Boc2O(4.48 g, 20.5 mmol)をジクロロメタン(69 ml)に溶解させ、氷浴を用いて冷却した。この溶液に4-(ジメチルアミノ)ピリジン(1.97 g, 16.1 mmol)を溶かしたジクロロメタン(69 ml)溶液とL-イソロイシンメチルエステル(2.13 g, 20.5 mmol)を溶かしたジクロロメタン(69 ml)溶液を加え、室温にて1時間攪拌した。再び氷浴を用いて反応溶液を冷却し、2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-D-グルコース(7.17 g, 20.5 mmol)を溶かしたジクロロメタン(69 ml)溶液を加え、18時間攪拌した。反応溶液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(グラジエント;ヘキサン:酢酸エチル=82:18→50:50)にて精製し、4Ac-Glc-Ile-OMe(5.72 g, 11.0 mmol, 収率75%,α:β比=1:1)を白色シロップ状物質として得た。
1H-NMR(400 MHz, CDCl3)δ:0.89-0.95(t, 6H, J=7.0 Hz), 1.13-1.27(m, 1H), 1.37-1.46(m, 1H), 1.86-1.94(m, 1H), 2.01-2.09(m, 12H), 3.73(s, 1.5H), 3.76(s, 1.5H), 3.80-3.84(m, 0.5H), 4.07-4.14(m, 1.5H), 4.25-4.36(m, 2H), 5.08-5.17(m, 2H), 5.25(t, 0.5H, J=5.2 Hz), 5.41(dd, 1H, J=5.4, 9.1 Hz), 5.47(t, 0.5H, J=5.5 Hz), 5.65(d, 0.5H, J=8.3 Hz), 6.24(d, 0.5H, J=3.7 Hz).
ESIMS(m/z): 542.2([M+Na]+), 558.1([M+K]+).
(2) Glc-Ile;N-(α/β-D-グルコピラノシルオキシカルボニル)-L-イソロイシン
4Ac-Glc-Ile-OMe(1.01 g, 1.95 mmol)をメタノール(9.6 ml)に溶解させ、氷浴を用いて-10℃に冷却した。この溶液に1N水酸化リチウム水溶液(9.75 ml, 9.75 mmol)を加え、10分間攪拌した。反応溶液に水(19 ml)を加え、15分間攪拌した。反応液を強酸性樹脂(Amberlite IR-120)で処理し、続いて樹脂をろ別した。ろ液を減圧濃縮し、再度同様の作業を計3回(1N水酸化リチウム水溶液(6.9 ml, 14.1 ml, 20.0 ml))行った。ろ液を減圧濃縮し、Glc-Ile(626 mg, 1.85 mmol, 収率95%,α:β比=1:1)を白色粉末として得た。
1H-NMR(400 MHz, CD3OD)δ: 0.91-0.98(m, 6H), 1.21-1.29(m, 1H), 1.44-1.56(m, 1H), 1.82-1.94(m, 1H), 3.35-3.42(m, 1H), 3.53(dd, 0.5H, J=3.8, 9.7 Hz), 3.66-3.85(m, 4.5H), 4.10-4.17(m, 1H), 5.33(d, 0.5H, J=7.9 Hz), 5.94(d, 0.5H, J=3.7 Hz).
ESIMS(m/z):336.1([M-H]-), 673.2([2M-H]-).
実施例10 Glc-Tyr;N-(α/β-D-グルコピラノシルオキシカルボニル)-L-チロシン
(1) 4Ac-Glc-Tyr(OBn)-OMe;N-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-α/β-D-グルコピラノシルオキシカルボニル)-O-ベンジル-L-チロシン-O-ベンジルメチルエステル
L-チロシンメチルエステル塩酸塩(2.00 g, 6.22 mmol)をテトラヒドロフラン(30 ml)に懸濁させ、氷浴を用いて冷却した。この溶液にトリエチルアミン(17.3 ml, 124 mmol)を加えた後、室温に昇温して1時間攪拌した。反応溶液をろ別し、濃縮してL-チロシンメチルエステル(1.81 g, 6.35 mmol)を得た。
Boc2O(1.94 g, 8.89 mmol)をジクロロメタン(20 ml)に溶解させ、氷浴を用いて冷却した。この溶液に4-(ジメチルアミノ)ピリジン(853 mg, 6.99 mmol)を溶かしたジクロロメタン(20 ml)溶液とL-チロシンメチルエステル(1.81 g, 6.35 mmol)を溶かしたジクロロメタン(20 ml)溶液を加え、室温にて1時間攪拌した。再び氷浴を用いて反応溶液を冷却し、2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-D-グルコース(3.10 g, 8.89 mmol)を溶かしたジクロロメタン(20 ml)溶液を加え、16.5時間攪拌した。反応溶液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(グラジエント;ヘキサン:酢酸エチル70:30→40:60)にて精製し、4Ac-Glc-Tyr(OBn)-OMe(3.10 g, 4.70 mmol, 収率76%,α:β比=3:2)を淡黄色シロップ状物質として得た。
1H-NMR(400 MHz, CDCl3)δ: 2.00 (s, 1.5H), 2.01 (s, 1.5H), 2.03-2.04 (m, 6H), 2.08 (s, 1.5H), 2.09 (s, 1.5H), 3.01-3.13 (m, 2H), 3.72 (s, 1.5H), 3.74 (s, 1.5H), 4.09-4.15 (m, 2H), 4.24-4.34 (m, 1H), 4.53-4.64 (m, 1H), 5.02-5.50 (m, 6H), 5.65 (d, 0.4H, J=8.4 Hz), 6.24 (d, 0.6H, J=3.6 Hz), 6.87-6.96 (m, 2H), 7.00-7.05 (m, 2H), 7.31-7.44 (m, 5H).
ESIMS(m/z): 682.2([M+Na]+), 698.2([M+K]+).
(2) 4Ac-Glc-Tyr(OBn)-OMe;N-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-α/β-D-グルコピラノシルオキシカルボニル)-L-チロシンメチルエステル
4Ac-Glc-Tyr(OBn)-OMe(3.09 g, 4.69 mmol)をメタノール:酢酸エチル=1:1の混合溶液(60 ml)に溶解させ、脱気した。5%パラジウム/炭素(3.00 g, 100%(w/w))を加えた後、水素で容器内を置換し、1時間攪拌した。出発物質の残存を確認したため、再度5%パラジウム/炭素(1.50 g, 50%(w/w))を加えた後、水素で容器内を置換し、さらに2.5時間攪拌した。パラジウム/炭素を濾別し、ろ液を減圧濃縮してGlc-Tyr-OMe(2.78 g, 4.88 mmol, 収率92%,α:β比=1:1)を得た。
1H-NMR(400 MHz, CDCl3)δ:2.00 (s, 1.5H), 2.01 (s, 1.5H), 2.03 (s, 3H), 2.05 (s, 1.5H), 2.06 (s, 1.5H), 2.09 (s, 1.5H), 2.10 (s, 1.5H), 2.91-3.13 (m, 2H), 3.70-3.81 (m, 0.5H), 3.76 (s, 1.5H), 3.76 (s, 1.5H), 4.06-4.28 (m, 2.5H), 4.53-4.63 (m, 1H), 5.06-5.49 (m, 4H), 5.59 (d, 0.5H, J=8.4 Hz), 6.23 (d, 0.5H, J=3.6 Hz), 6.71-6.80 (m, 2H), 6.96-7.00 (m, 2H).
ESIMS(m/z): 592.2([M+Na]+).
(3) Glc-Tyr;N-(α/β-D-グルコピラノシルオキシカルボニル)-L-チロシン
4Ac-Glc-Tyr-OMe(1.00 g, 1.76 mmol)をメタノール(8.8 ml)に溶解させ、恒温槽を用いて-5℃に冷却した。この溶液に1N水酸化リチウム水溶液(17.6 ml, 17.6 mmol)を加え、25分間攪拌した。反応液を強酸性樹脂(Amberlite IR-120)で処理し、続いて樹脂をろ別した。ろ液を減圧濃縮し、Glc-Tyr(702 mg, 1.81 mmol, 収率quant.,α:β比=3:2)を白色粉末として得た。
1 H-NMR(400 MHz, CD3OD)δ:2.87-2.95 (m, 1H), 3.10 (dd, 1H, J=5.1, 14.0 Hz), 3.50-3.54 (dd, 3H, J=3.8, 9.9 Hz), 3.64-3.85 (m, 3H), 4.34-4.39 (m, 1H), 5.31 (d, 0.4H, J=8.1 Hz), 5.91 (d, 0.6H, J=3.8 Hz), 6.71 (d, 0.6H, J=8.5 Hz),6.72 (d, 0.4H, J=8.6 Hz), 7.07(d, 0.4H, J=8.6 Hz), 7.08(d, 0.6H, J=8.5 Hz).
ESIMS(m/z): 386.1([M-H]-), 773.2([2M-H]-).
試験例1
Glc-Phe、Glc-Leu、Glc-LysおよびGlc-Gluをそれぞれ人工胃液(第15改定日本薬局方)で処理し、生成するアミノ酸量を測定した。各化合物を表1の比率で人工胃液に溶解後、37℃の湯浴中で攪拌し、HPLCにて分析した。その結果を図1〜4に示す。Glc-PheおよびGlc-Leuの場合には、それぞれ、4日目には原料の4割程度、15日目には8-9割程度のアミノ酸が遊離した。Glc-Lysの場合には4日目には3割程度、8日目には5割程度のリジンが遊離した。Glc-Gluの場合には4日目には4割程度、9日目には7割程度のグルタミン酸が遊離した。
HPLC分析条件は以下の通りである。
カラム:CAPCELLPAK MG (4.6x250 mm, 5 μm)
カラム温度:40℃
移動相:A:100 mM KH2PO4, 5 mM 1-オクタンスルホン酸ナトリウム(pH 2.2)
B:アセトニトリル
溶離液:Glc-Leu, Glc-Phe:A/B=90/10, Glc-Lys:A/B=97/3, Glc-Glu:A/B=99/1
流速:Glc-Leu, Glc-Phe:1.5 ml/min, Glc-Lys, Glc-Glu:1.0 ml/min
検出:フォトダイオードアレイ検出器 測定波長210 nm
注入量:10 μL
試験例2
Glc-Phe、Glc-Leu、Glc-Lys、Glc-GluおよびGlc-DOPAを、それぞれ表2の比率でリン酸緩衝液(pH 5.5)に溶解させ、表2の量のα/β-グルコシダーゼを添加後、37℃の湯浴中で攪拌した。1%リン酸水溶液にて2倍希釈後、HPLCにて分析した結果を図5〜9に示す。Glc-Pheについては、酵素添加直後からフェニルアラニンが7%程度遊離していることが確認され、30分後にはGlc-Pheがほぼ消失し、対応するフェニルアラニンが遊離した。また、Glc-Leuについては1時間後にロイシンが8割程度、Glc-Lysについては1時間後にリジンが2割程度、Glc-Gluについては1時間後にグルタミン酸が4割程度、Glc-DOPAについては1時間後に3,4-ジヒドロキシフェニルアラニンが7割程度遊離した。
試験例3
LeuおよびGlc-Leuを、それぞれ35℃の湯浴中で攪拌した水(内温34℃)に添加し、溶解速度を測定した。添加した試料の量および測定結果は以下に示す通りである(n=2)。Leuに比べてGlc-Leuは等重量では46倍、等モル量では17倍速く溶けた。
試験例4
25℃の恒温槽中で水(1 ml)にLeuまたはGlc-Leuが溶解しなくなるまで添加し、2日間攪拌することで溶解度を測定した。HPLCにて濃度を測定した結果、Leuに比べてGlc-Leuの溶解度は63倍向上した。
Glc-DOPAおよびGlc-Tyrについても同様に、25℃の恒温槽中で水(0.5 ml)に1〜1.5 g程度添加したところ、いずれも水に溶解している状態であったが、この時点で粘性が高く攪拌が困難であったため、サンプルを希釈し、HPLCにて溶解度を測定した。Glc-DOPAはDOPAに比べて640倍以上、Glc-TyrはTyrに比べて4670倍以上の溶解度であった。
※溶解した糖アミノ酸のモル数に対応するアミノ酸の重量を算出。
HPLC分析条件は以下の通りである。
カラム:CAPCELLPAK MG (4.6x250 mm, 5 μm)
カラム温度:40℃
移動相:A:100 mM KH2PO4, 5 mM 1-オクタンスルホン酸ナトリウム(pH 2.2)
B:アセトニトリル
溶離液:Glc-Leu:A/B=90/10, Glc-DOPA, Glc-Tyr:A/B=95/5
流速:Glc-DOPA:1.0 ml/min, Glc-Leu, Glc-Tyr:1.5 ml/min
検出:フォトダイオードアレイ検出器 測定波長210 nm
注入量:10 μL
試験例5
ロイシンには特有の苦味があるが、Glc-Leuには苦味のマスキング効果があるか、官能試験にて調べた。まず3名の被験者A、B、Cは、食品添加物用ロイシンを水に0.5% (5000 ppm)の濃度で溶解した溶液を、マイクロピペットにて0.1 ml量り取り、舌に滴下後、吐き出すことで、ロイシンの苦味の強度を確認した。続いて3名の被験者A、B、Cは、Glc-Leuを水に0.5% (5000 ppm)の濃度で溶解した溶液を、マイクロピペットにて0.1 ml量り取り、舌に滴下後、吐き出すことで、先に確認したロイシンの苦味の強度と比較した。結果は以下の通りとなり、いずれの被験者もロイシンで確認した苦味を感じなかった。
本発明の糖アミノ酸またはその塩においては、式G−O−C(O)−(式中、Gは前記と同義である。)で表される基がアミノ酸のアミノ基に導入されているため、アミノ酸自体が有する物性(特に水溶性、水中安定性、苦味等)が改善され、特に、水性組成物として、あるいは経口用途に適している。しかも、上記式G−O−C(O)−で表される基が生体内でアミノ酸から脱離するので、本発明の糖アミノ酸またはその塩は、アミノ酸前駆体として非常に有用である。
本出願は、日本で出願された特願2013−197165を基礎としており、その内容は本明細書にすべて包含されるものである。

Claims (17)

  1. 式(I):

    [式中、
    AAは、アミノ酸残基を示し;
    Gは、全ての水酸基が保護も修飾もされていない糖残基を示し;
    Rは、水素原子またはアルキル基を示し、
    AAで示されるアミノ酸残基のアミノ酸は、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、スレオニン、システイン、メチオニン、グルタミン酸、アスパラギン酸、アルギニン、ヒスチジン、グルタミン、アスパラギン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、シスチン、オルニチン、チロキシン、プロリンまたは3,4−ジヒドロキシフェニルアラニンである。]
    で表される化合物
    (但し、
    (1)Gが、式:

    で表される基であり、かつAAがグルタミン酸残基である化合物、および
    (2)Gが、式:

    で表される基であり、かつAAがセリン残基である化合物は含まない。)
    またはその塩。
  2. Gで示される、全ての水酸基が保護も修飾もされていない糖残基の糖が単糖である、請求項1に記載の化合物またはその塩。
  3. Gで示される、全ての水酸基が保護も修飾もされていない糖残基の糖が、グルコース、グルコサミンまたはN−アセチルグルコサミンである、請求項1に記載の化合物またはその塩。
  4. 式G−O−で表される部分構造がβ−アノマー構造である、請求項1〜3のいずれかに記載の化合物またはその塩。
  5. AAで示されるアミノ酸残基のアミノ酸が、バリン、ロイシンまたはイソロイシンである、請求項1〜4のいずれかに記載の化合物またはその塩。
  6. AAで示されるアミノ酸残基のアミノ酸が、フェニルアラニン、チロシンまたは3,4−ジヒドロキシフェニルアラニンである、請求項1〜4のいずれかに記載の化合物またはその塩。
  7. Rが水素原子である、請求項1〜のいずれかに記載の化合物またはその塩。
  8. アミノ酸前駆体である、請求項1〜のいずれかに記載の化合物またはその塩。
  9. 生体内でアミノ酸に変換される、請求項1〜のいずれかに記載の化合物またはその塩。
  10. 請求項1〜のいずれかに記載の化合物またはその塩を含有する、水性組成物。
  11. 請求項1〜のいずれかに記載の化合物またはその塩を含有する、経口剤。
  12. アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、スレオニン、システイン、メチオニン、グルタミン酸、アスパラギン酸、アルギニン、ヒスチジン、グルタミン、アスパラギン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、シスチン、オルニチン、チロキシン、プロリンおよび3,4−ジヒドロキシフェニルアラニンから選ばれるアミノ酸のアミノ基に式G−O−C(O)−(式中、Gは、全ての水酸基が保護も修飾もされていない糖残基を示す。)で表される基を導入することを含む、アミノ酸の苦味を低減する方法。
  13. Gで示される、全ての水酸基が保護も修飾もされていない糖残基の糖が単糖である、請求項12に記載の方法。
  14. Gで示される、全ての水酸基が保護も修飾もされていない糖残基の糖が、グルコース、グルコサミンまたはN−アセチルグルコサミンである、請求項12に記載の方法。
  15. 式G−O−で表される部分構造がβ−アノマー構造である、請求項1214のいずれかに記載の方法。
  16. アミノ酸が、バリン、ロイシンまたはイソロイシンである、請求項1215のいずれかに記載の方法。
  17. アミノ基に式G−O−C(O)−で表される基が導入されたアミノ酸が、生体内でアミノ酸に変換される、請求項1216のいずれかに記載の方法。
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