JP6601220B2 - 糖アミノ酸およびその用途 - Google Patents

糖アミノ酸およびその用途 Download PDF

Info

Publication number
JP6601220B2
JP6601220B2 JP2015559094A JP2015559094A JP6601220B2 JP 6601220 B2 JP6601220 B2 JP 6601220B2 JP 2015559094 A JP2015559094 A JP 2015559094A JP 2015559094 A JP2015559094 A JP 2015559094A JP 6601220 B2 JP6601220 B2 JP 6601220B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
amino acid
compound
glc
residue
mmol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2015559094A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2015111627A1 (ja
Inventor
渉 黒澤
吏紗 姥貝
弘之 加藤
裕美 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ajinomoto Co Inc
Original Assignee
Ajinomoto Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ajinomoto Co Inc filed Critical Ajinomoto Co Inc
Publication of JPWO2015111627A1 publication Critical patent/JPWO2015111627A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6601220B2 publication Critical patent/JP6601220B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K47/00Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient
    • A61K47/50Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient the non-active ingredient being chemically bound to the active ingredient, e.g. polymer-drug conjugates
    • A61K47/51Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient the non-active ingredient being chemically bound to the active ingredient, e.g. polymer-drug conjugates the non-active ingredient being a modifying agent
    • A61K47/54Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient the non-active ingredient being chemically bound to the active ingredient, e.g. polymer-drug conjugates the non-active ingredient being a modifying agent the modifying agent being an organic compound
    • A61K47/549Sugars, nucleosides, nucleotides or nucleic acids
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00

Description

本発明は、アミノ酸の物性が改良され、生体内等でアミノ酸に変換され得るアミノ酸前駆体として有用な化合物およびその用途に関する。
アミノ酸は広範な用途に利用されているが、その種類によっては、その物性に起因して用途に制限がある場合がある。例えば、水への溶解性が低いアミノ酸(例えば、バリン、ロイシン、イソロイシン、チロシン、シスチン、フェニルアラニン、3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン等)は、水に高濃度に溶解させるのが困難であるため、特に水性組成物への使用、液体組成物への使用に大きな制約を受ける。また、水中安定性が低いアミノ酸(例えば、システイン、グルタミン)は、液体組成物等として水に溶かして使用する場合、分解やアミノ基が他の成分と反応する等の問題、あるいは着色や臭いの問題が生じ易い傾向にある。また、苦味があるアミノ酸(例えば、バリン、ロイシン、イソロイシン)は、経口用途への使用に大きな制約を受ける。このようにアミノ酸は、その物性により、特に水性組成物としての使用、経口用途への使用において制約を受け、使用が困難であったり、製剤化に工夫が必要な場合が生じる。
一方、一部のアミノ酸のβ−グルコシルアミド誘導体が知られている。例えば、非特許文献1には、4,6−O−ベンジリデングルコシルアミンを経由して合成された、フェニルアラニン、アスパラギン酸およびグルタミン酸のβ−グルコシルアミドが開示されている。
この文献は合成方法を開示するのみで、上記β−グルコシルアミドの用途や有用性に関しては何ら開示も示唆もされていない。
J. Am. Chem. Soc., 83, (1961) pp.1885-1888
本発明の目的は、アミノ酸の物性(特に水溶性、水中安定性、苦味等)が改善された、生体内等でアミノ酸に変換され得るアミノ酸前駆体を提供することにある。
本発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意検討を行った結果、アミノ酸のカルボキシ基に式G−NH−(式中、Gは、全ての水酸基が保護も修飾もされていない糖残基を示す。)で表される基を導入して、糖アミノ酸またはその塩に変換することにより、アミノ酸自体が有する物性(特に水溶性、水中安定性、苦味等)が改善され、また上記式G−NH−で表される基が、生体内等でアミノ酸から脱離するので、当該糖アミノ酸またはその塩が、生体内等でアミノ酸に変換されるアミノ酸前駆体となり得ることを見出し、発明を完成するに至った。本発明は以下の通りである。
[1] 式(I):
[式中、
AAは、アミノ酸残基を示し;
は、水素原子、またはG−O−C(O)−で表される基(Gは、全ての水酸基が保護も修飾もされていない糖残基を示す。)を示し;
は、全ての水酸基が保護も修飾もされていない糖残基を示し;
Rは、水素原子またはアルキル基を示す。]
で表される化合物またはその塩であるアミノ酸前駆体用化合物(以下、化合物(I)ともいう)。
[2] GまたはGで示される、全ての水酸基が保護も修飾もされていない糖残基の糖が、それぞれ単糖である、上記[1]に記載のアミノ酸前駆体用化合物。
[3] Gで示される、全ての水酸基が保護も修飾もされていない糖残基の糖が、グルコースである、上記[1]に記載のアミノ酸前駆体用化合物。
[4] Gで示される、全ての水酸基が保護も修飾もされていない糖残基の糖が、グルコース、グルコサミンまたはN−アセチルグルコサミンである、上記[1]に記載のアミノ酸前駆体用化合物。
[5] Rが水素原子である、上記[1]〜[4]のいずれかに記載のアミノ酸前駆体用化合物。
[6] Xが水素原子であり、かつRが水素原子である、上記[1]記載のアミノ酸前駆体用化合物。
[7] Gで示される、全ての水酸基が保護も修飾もされていない糖残基の糖が、グルコースである、上記[6]に記載のアミノ酸前駆体用化合物。
[8] AAで示されるアミノ酸残基のアミノ酸がα−アミノ酸である、上記[1]〜[7]のいずれかに記載のアミノ酸前駆体用化合物。
[9] AAで示されるアミノ酸残基のアミノ酸が、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、チロシンまたは3,4−ジヒドロキシフェニルアラニンである、上記[1]〜[7]のいずれかに記載のアミノ酸前駆体用化合物。
[10] 生体内でアミノ酸に変換される、上記[1]〜[9]のいずれかに記載のアミノ酸前駆体用化合物。
[11] 摂取用である、上記[1]〜[10]のいずれかに記載のアミノ酸前駆体用化合物。
[12] 上記[1]〜[11]のいずれかに記載のアミノ酸前駆体用化合物および担体を含む摂取用組成物。
[13] 経口用である、上記[12]に記載の摂取用組成物。
[14] アミノ酸のカルボキシ基に式G−NH−(式中、Gは、全ての水酸基が保護も修飾もされていない糖残基を示す。)で表される基を導入することを含む、アミノ酸の苦味を低減する方法。
[15] Gで示される、全ての水酸基が保護も修飾もされていない糖残基の糖が単糖である、上記[14]に記載の方法。
[16] Gで示される、全ての水酸基が保護も修飾もされていない糖残基の糖が、グルコースである、上記[14]に記載の方法。
[17] アミノ酸がα−アミノ酸である、上記[14]〜[16]のいずれかに記載の方法。
[18] アミノ酸が、バリン、ロイシンまたはイソロイシンである、上記[14]〜[16]のいずれかに記載の方法。
[19] カルボキシ基に式G−NH−で表される基が導入されたアミノ酸が、生体内でアミノ酸に変換される、上記[14]〜[18]のいずれかに記載の方法。
[20]
[式中、
AAaは、バリン、ロイシン、イソロイシン、チロシンおよび3,4−ジヒドロキシフェニルアラニンから選ばれるアミノ酸の残基を示し;
は、水素原子、またはG−O−C(O)−で表される基(Gは、全ての水酸基が保護も修飾もされていない糖残基を示す。)を示し;
2aは、全ての水酸基が保護も修飾もされていない単糖残基を示し;
Rは、水素原子またはアルキル基を示す。]
で表される化合物またはその塩(以下、化合物(Ia)ともいう)。
[21] G2aで示される、全ての水酸基が保護も修飾もされていない単糖残基の糖が、グルコースである、上記[20]に記載の化合物またはその塩。
[22] Gで示される、全ての水酸基が保護も修飾もされていない糖残基の糖が、単糖である、上記[20]または[21]に記載の化合物またはその塩。
[23] Gで示される、全ての水酸基が保護も修飾もされていない糖残基の糖が、グルコース、グルコサミンまたはN−アセチルグルコサミンである、上記[20]または[21]に記載の化合物またはその塩。
[24] Rが水素原子である、上記[20]〜[23]のいずれかに記載の化合物またはその塩。
[25] Xが水素原子であり、かつRが水素原子である、上記[20]に記載の化合物またはその塩。
[26] G2aで示される、全ての水酸基が保護も修飾もされていない単糖残基の糖が、グルコースである、上記[25]に記載の化合物またはその塩。
[27] 生体内でアミノ酸に変換される、上記[20]〜[26]のいずれかに記載の化合物またはその塩。
式G−NH−(式中、Gは前記と同義である。)で表される基がアミノ酸のカルボキシ基に導入された化合物(糖アミノ酸)またはその塩は、アミノ酸自体が有する物性(特に水溶性、水中安定性、苦味等)が改善され、しかも、上記式G−NH−で表される基が生体内等でアミノ酸から脱離するので、当該糖アミノ酸またはその塩は、アミノ酸前駆体として非常に有用である。従って、本発明のアミノ酸前駆体用化合物は特に摂取用として適しており、また水性組成物として、あるいは経口用途に適している。また、水溶性が比較的高いアミノ酸においても、このように水溶性が向上した本発明のアミノ酸前駆体用化合物を使用することで、アミノ酸の経口摂取用の水性組成物、液状組成物等の調製において、その汎用性が大きく向上することとなる。
Leu-Glcのプロナーゼによるアミノ酸生成量を示す図である。 Phe-Glcの人工腸液中でのアミノ酸生成量を示す図である。 ラットにおけるLeuまたはLeu-Glc投与による血中Leu濃度変化を示す図である。 ラットにおけるValまたはVal-Glc投与による血中Val濃度変化を示す図である。 ラットにおけるIleまたはIle-Glc投与による血中Ile濃度変化を示す図である。
文中で特に断らない限り、本明細書で用いる全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者に一般に理解されるのと同じ意味をもつ。本明細書に記載されたものと同様または同等の任意の方法および材料は、本発明の実施または試験において使用することができるが、好ましい方法および材料を以下に記載する。本明細書で言及した全ての刊行物および特許は、例えば、記載された発明に関連して使用されうる刊行物に記載されている、構築物および方法論を記載および開示する目的で、参照として本明細書に組み入れられる。
以下、本発明を詳細に説明する。
AAは、アミノ酸残基を示す。
AAaは、バリン、ロイシン、イソロイシン、チロシンおよび3,4−ジヒドロキシフェニルアラニンから選ばれるアミノ酸の残基を示す。
本明細書中、AAで示される「アミノ酸残基」とは、アミノ酸から1個のアミノ基と1個のカルボキシ基を除いた二価の基を意味する。当該アミノ酸残基におけるアミノ酸としては、アミノ基とカルボキシ基を有する限り特に制限されず、α−アミノ酸、β−アミノ酸、γ−アミノ酸等のいずれでもよい。また、AAは、その側鎖がRと一緒になって環、即ち、以下に示す環を形成してもよい。
α−アミノ酸としては、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、スレオニン、システイン、メチオニン、グルタミン酸、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、グルタミン、アスパラギン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、シスチン、オルニチン、チロキシン、プロリン、3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン等;
β−アミノ酸としては、β−アラニン等;
γ−アミノ酸としては、γ−アミノ酪酸等;
が挙げられる。側鎖に官能基を有する場合、当該官能基は、糖アミノ酸の物性(特に水溶性、水中安定性、苦味等)に悪影響を与えない範囲で保護/修飾されていてもよい。
中でも、バリン、ロイシン、イソロイシン、チロシン、シスチン、フェニルアラニン、3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン、システイン、グルタミン、グルタミン酸、アスパラギン酸、リジン、プロリン等のα−アミノ酸が好ましく、水への溶解性が低いアミノ酸(例えば、バリン、ロイシン、イソロイシン、チロシン、シスチン、フェニルアラニン、3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン等)、水中安定性が低いアミノ酸(例えば、システイン、グルタミン等)、苦味があるアミノ酸(例えば、バリン、ロイシン、イソロイシン等)に対しては、式G−NH−(式中、Gは前記と同義である。)で表される基のカルボキシ基への導入が、上記特性の改善に有効である。特に、バリン、ロイシン、イソロイシンについては、水への溶解性および苦味の改善の点で特に有効である。
AAaで示される「バリン、ロイシン、イソロイシン、チロシンおよび3,4−ジヒドロキシフェニルアラニンから選ばれるアミノ酸の残基」の「アミノ酸の残基」とは、バリン、ロイシン、イソロイシン、チロシンおよび3,4−ジヒドロキシフェニルアラニンから選ばれるアミノ酸から1個のアミノ基と1個のカルボキシ基を除いた二価の基を意味する。
上記アミノ酸は、D体、L体、DL体のいずれでもよい。
は、水素原子、またはG−O−C(O)−で表される基(Gは、全ての水酸基が保護も修飾もされていない糖残基を示す。)を示す。
は、好ましくは水素原子である。
は、全ての水酸基が保護も修飾もされていない糖残基を示す。
2aは、全ての水酸基が保護も修飾もされていない単糖残基を示す。
本明細書中、GまたはGで示される「全ての水酸基が保護も修飾もされていない糖残基」とは、全ての水酸基がフリーである糖からヘミアセタール水酸基を除いた部分を意味する。当該糖残基は、全ての水酸基がフリーである限り、修飾/改変されていてもよい。「全ての水酸基が保護も修飾もされていない糖残基」としては、グルコース、グルコサミン、N−アセチルグルコサミン、マンノース、ガラクトース、フルクトース、リボース、リキソース、キシソース、アラビノース等の単糖;これらの単糖からなる多糖等の糖類から、ヘミアセタール水酸基を除いた部分が挙げられる。
本明細書中、G2aで示される「全ての水酸基が保護も修飾もされていない単糖残基」とは、全ての水酸基がフリーである単糖からヘミアセタール水酸基を除いた部分を意味する。「全ての水酸基が保護も修飾もされていない単糖残基」としては、グルコース、グルコサミン、N−アセチルグルコサミン、マンノース、ガラクトース、フルクトース、リボース、リキソース、キシロース、アラビノース等の単糖から、ヘミアセタール水酸基を除いた部分が挙げられる。
としては、全ての水酸基が保護も修飾もされていない単糖残基が好ましく、グルコース残基、グルコサミン残基およびN−アセチルグルコサミン残基がより好ましく、グルコース残基が特に好ましい。
としては、全ての水酸基が保護も修飾もされていない単糖残基が好ましく、グルコース残基、グルコサミン残基およびN−アセチルグルコサミン残基がより好ましく、グルコース残基が特に好ましい。
2aとしては、グルコース残基、グルコサミン残基およびN−アセチルグルコサミン残基がより好ましく、グルコース残基が特に好ましい。
上記糖類は、D体、L体のいずれでもよいが、自然界に多く存在するD体が好ましい。
上記糖類から形成される式G−O−で表される部分構造は、α−アノマー構造でもβ−アノマー構造でもそれらの混合物でもよいが、β−アノマー構造が好ましい。
上記糖類から形成される式G−NH−で表される部分構造は、α−アノマー構造でもβ−アノマー構造でもそれらの混合物でもよいが、β−アノマー構造が好ましい。
Rは、水素原子またはアルキル基を示す。
Rで示される「アルキル基」としては、C1−10アルキル基が挙げられ、より好ましくはC1−6アルキル基である。好適な具体例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル等が挙げられる。
Rは、好ましくは水素原子である。
化合物(I)は、好ましくは、式(I)において、
AAが、バリン残基、ロイシン残基、イソロイシン残基、フェニルアラニン残基、チロシン残基および3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン残基であり;
が、水素原子、またはG−O−C(O)−で表される基(Gは、それぞれ全ての水酸基が保護も修飾もされていない、グルコース残基、グルコサミン残基またはN−アセチルグルコサミン残基である。)であり;
が、全ての水酸基が保護も修飾もされていないグルコース残基であり;かつ
Rが、水素原子である、
化合物またはその塩である。
より好ましくは、式(I)において、
AAが、バリン残基、ロイシン残基、イソロイシン残基、フェニルアラニン残基、チロシン残基および3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン残基であり;
が、水素原子、またはG−O−C(O)−で表される基(Gは、全ての水酸基が保護も修飾もされていないグルコース残基である。)であり;
が、全ての水酸基が保護も修飾もされていないグルコース残基であり;かつ
Rが、水素原子である、
化合物またはその塩である。
さらに好ましくは、式(I)において、
AAが、バリン残基、ロイシン残基、イソロイシン残基、フェニルアラニン残基、チロシン残基および3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン残基であり;
が、水素原子であり;
が、全ての水酸基が保護も修飾もされていないグルコース残基であり;かつ
Rが、水素原子である、
化合物またはその塩である。
化合物(I)のうち、化合物(Ia)は新規な化合物である。
化合物(Ia)は、好ましくは、式(Ia)において、
AAaが、バリン残基、ロイシン残基、イソロイシン残基、チロシン残基および3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン残基であり;
が、水素原子、またはG−O−C(O)−で表される基(Gは、それぞれ全ての水酸基が保護も修飾もされていない、グルコース残基、グルコサミン残基またはN−アセチルグルコサミン残基である。)であり;
2aが、全ての水酸基が保護も修飾もされていないグルコース残基であり;かつ
Rが、水素原子である、
化合物またはその塩である。
より好ましくは、式(Ia)において、
AAaが、バリン残基、ロイシン残基、イソロイシン残基、チロシン残基および3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン残基であり;
が、水素原子、またはG−O−C(O)−で表される基(Gは、全ての水酸基が保護も修飾もされていないグルコース残基である。)であり;
2aが、全ての水酸基が保護も修飾もされていないグルコース残基であり;かつ
Rが、水素原子である、
化合物またはその塩である。
さらに好ましくは、式(Ia)において、
AAaが、バリン残基、ロイシン残基、イソロイシン残基、チロシン残基および3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン残基であり;
が、水素原子であり;
2aが、全ての水酸基が保護も修飾もされていないグルコース残基であり;かつ
Rが、水素原子である、
化合物またはその塩である。
本発明のアミノ酸前駆体用化合物の製造方法としては、特に限定されないが、例えば次のような反応を経て合成することができる。
原料化合物は、特に述べない限り、市販されているものを容易に入手できるか、あるいは、自体公知の方法またはこれらに準ずる方法に従って製造することができる。
以下の各方法で得られる化合物の収率は用いる反応条件によって異なりうるが、これらの生成物から通常の手段(再結晶、カラムクロマトグラフィー等)によって単離・精製し、次いで、溶液温度を変化させる手段や溶液組成を変化させる手段等によって沈殿化することができる。
また、各反応において、原料化合物であるアミノ酸が側鎖にヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシ基、カルボニル基等を有する場合、これらの基にペプチド化学等で一般的に用いられるような保護基が導入されていてもよく、反応後に必要に応じて保護基を除去することにより目的化合物を得ることができる。
化合物(I)のうち、Xが水素原子である化合物(Ib)は、例えば、以下の工程により製造することができる。
(式中、Pはアミノ基の保護基を示し、その他の記号は前記と同義である。)
Pで示されるアミノ基の保護基としては、例えば、C7−10アラルキル−オキシカルボニル基(例、ベンジルオキシカルボニル)、C1−6アルコキシ−カルボニル基(例、tert−ブトキシカルボニル(Boc))、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)等が挙げられる。
工程1
当該工程は、化合物(1)またはその塩のカルボキシ基をG−NHと反応させて、化合物(2)を得る工程である。
当該反応は、通常、反応に影響を及ぼさない溶媒中、化合物(1)またはその塩を、塩基の存在下、クロロギ酸エステル(例、クロロギ酸メチル、クロロギ酸エチル、クロロギ酸イソブチル等)またはビバロイルクロリドと反応させて、対応する混合物無水物を得た後、G−NHと反応させることにより行われる。
塩基としては、トリエチルアミン等が挙げられる。
塩基の使用量は、化合物(1)またはその塩1モルに対して、通常0.5〜3モル、好ましくは1〜2モルである。
溶媒としては、反応が進行する限り特に限定されるものではないが、例えば、エーテル類(例、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等)、ハロゲン化炭化水素類(例、クロロホルム、ジクロロメタン等)、アミド類(例、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)、N−メチルピロリドン、アセトニトリル、あるいはそれらの混合物が用いられる。中でも、テトラヒドロフラン、テトラヒドロフランとN−メチルピロリドンの混合物が好ましい。
反応温度は、通常−100〜100℃、好ましくは−30〜50℃であり、反応時間は、通常0.5〜30時間、好ましくは1〜5時間である。
化合物(1)またはその塩は、市販品を使用してもよく、あるいは従来公知の方法により製造することもできる。
こうして得られる化合物(2)は、公知の分離精製手段、例えば、濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィー等により、単離精製することができる。また、化合物(2)は、単離せずに次の反応に用いてもよい。
工程2
当該工程は、化合物(2)のアミノ基の保護基Pを除去して、化合物(Ib)またはその塩を得る工程である。
Pがベンジルオキシカルボニル(Z)基である場合、通常、反応に影響を及ぼさない溶媒中、化合物(2)を、パラジウム触媒下、水素添加することにより行われる。
パラジウム触媒としては、パラジウム−炭素、水酸化パラジウム等が挙げられる。
溶媒としては、反応が進行する限り特に限定されるものではないが、例えば、アルコール類(例、メタノール、エタノール等)、エステル類(例、酢酸エチル)あるいはそれらの混合物が用いられる。中でも、メタノールと酢酸エチルが好ましい。
反応を加速させるために、適当量(例えば0.001%〜30%)の酸(例、塩酸、酢酸、トリフルオロ酢酸)を添加することもできる。
Pがtert−ブトキシカルボニル(Boc)基である場合、通常、反応に影響を及ぼさない溶媒中、化合物(2)を酸で処理することにより行われる。
酸としては、塩酸、トリフルオロ酢酸等が挙げられる。
溶媒としては、反応が進行する限り特に限定されるものではないが、例えば、エーテル類(例、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等)、ハロゲン化炭化水素類(例、クロロホルム、ジクロロメタン等)、アミド類(例、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)、N−メチルピロリドン、アセトニトリル、あるいはそれらの混合物が用いられる。中でも、ジオキサンが好ましい。酸(例、塩酸、トリフルオロ酢酸)を溶媒として用いることもできる。
Pが9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)基である場合、通常、反応に影響を及ぼさない溶媒中、化合物(2)を二級アミンで処理することにより行われる。
二級アミンとしては、ピペリジン、ピロリジン、モルホリン等が挙げられる。
溶媒としては、反応が進行する限り特に限定されるものではないが、例えば、アミド類(例、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)、ハロゲン化炭化水素類(例、クロロホルム、ジクロロメタン等)、エーテル類(例、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等)、N−メチルピロリドン、アセトニトリル、あるいはそれらの混合物が用いられる。中でも、ジメチルホルムアミドが好ましい。
こうして得られる化合物(Ib)またはその塩は、公知の分離精製手段、例えば、濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィー等により、単離精製することができる。
化合物(I)のうち、XがG−O−C(O)−で表される基(Gは前記と同義である。)であり、かつRが水素原子である化合物(Ic)は、例えば、以下の工程により製造することができる。
(式中、各記号は前記と同義である。)
工程3
当該工程は、化合物(3)またはその塩のカルボキシ基をG−NHと反応させて、化合物(Ic)を得る工程である。
当該工程は、工程1と同様の方法により行われる。
こうして得られる化合物(Ic)は、公知の分離精製手段、例えば、濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィー等により、単離精製することができる。
上記工程の原料である化合物(3)は、例えば、以下の方法により製造することができる。
(式中、Rはカルボキシ基の保護基を示し、Gは全ての水酸基が保護された糖残基を示し、その他の記号は前記と同義である。)
で示されるカルボキシ基の保護基としては、例えば、C1−6アルキル基(例、メチル、エチル、tert-ブチル)、C7−14アラルキル基(例、ベンジル等)、トリ置換シリル基(例、トリメチルシリル、トリエチルシリル、ジメチルフェニルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、tert−ブチルジエチルシリル等)等が挙げられる。中でも、メチル、エチル、ベンジルが好ましい。
で示される全ての水酸基が保護された糖残基としては、Gで示される「全ての水酸基が保護も修飾もされていない糖残基」の水酸基が、例えば、C7−14アラルキル基(例、ベンジル等)、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル−カルボニル基(例、アセチル、クロロアセチル)、ベンゾイル基、C7−14アラルキル−カルボニル基(例、ベンジルカルボニル等)、2−テトラヒドロピラニル基、2−テトラヒドロフラニル基、トリ置換シリル基(例、トリメチルシリル、トリエチルシリル、ジメチルフェニルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、tert−ブチルジエチルシリル等)等の保護基で置換されたものが挙げられる。中でも、アセチル、ベンジルが好ましい。全ての水酸基は同じ保護基で保護されていることが好ましい。
工程4
当該工程は、化合物(4)またはその塩のアミノ基をイソシアナト基に変換して、化合物(5)を得る工程である。
当該反応は、通常、反応に影響を及ぼさない溶媒中、化合物(4)またはその塩を、塩基の存在下、二炭酸ジtert−ブチル(BocO)と反応させることにより行われる。
二炭酸ジtert−ブチルの使用量は、化合物(4)またはその塩1モルに対して、通常0.7〜5モル、好ましくは1〜2モルである。
塩基としては、4−(ジメチルアミノ)ピリジン等が挙げられる。
塩基の使用量は、化合物(4)またはその塩1モルに対して、通常0.5〜3モル、好ましくは1〜2モルである。
溶媒としては、反応が進行する限り特に限定されるものではないが、例えば、炭化水素類(例、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン等)、ハロゲン化炭化水素類(例、クロロホルム、ジクロロメタン等)、エーテル類(例、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等)あるいはそれらの混合物が用いられる。中でも、ジクロロメタンが好ましい。
反応温度は、通常−100〜100℃、好ましくは−30〜50℃であり、反応時間は、通常0.5〜30時間、好ましくは1〜5時間である。
反応終了後、化合物(5)は、単離せずに反応混合物のまま次の工程に供される。
なお、化合物(4)が酸付加塩の形態であるときは、塩基で処理して遊離体に変換した後、当該工程に供するか、過剰の塩基の存在下に反応させればよい。
工程5
当該工程は、化合物(5)をG−OHと反応させることにより、化合物(6)を得る工程である。G−OHはヘミアセタール水酸基以外の水酸基が全て保護された糖である。
当該反応は、通常、反応に影響を及ぼさない溶媒中、化合物(5)をG−OHと反応させることにより行われる。
−OHの使用量は、化合物(5)1モルに対して、通常0.7〜5モル、好ましくは1〜2モルである。
溶媒としては、反応が進行する限り特に限定されるものではないが、例えば、炭化水素類(例、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン等)、ハロゲン化炭化水素類(例、クロロホルム、ジクロロメタン等)、エーテル類(例、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等)あるいはそれらの混合物が用いられる。中でも、ジクロロメタンが好ましい。
反応温度は、通常−100〜100℃、好ましくは−30〜50℃であり、反応時間は、通常3〜40時間、好ましくは10〜30時間である。
こうして得られる化合物(6)は、公知の分離精製手段、例えば、濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィー等により、単離精製することができる。また、化合物(6)は、単離せずに次の反応に用いてもよい。
工程6
当該工程は、化合物(6)のカルボキシ基の保護基RとGに存在する水酸基の保護基を除去して、化合物(3)またはその塩を得る工程である。
カルボキシ基の保護基Rの除去とGに存在する水酸基の保護基の除去は、同時に行っても、別工程で行ってもよく、後者の場合は、その順序は問わないが、同時に行う方が簡便である。その場合は、これらの保護基は、同じ条件で除去できるように選択される。例えば、カルボキシ基の保護基Rがメチルまたはエチルであり、Gに存在する水酸基の保護基がアセチルである場合、これらはアルカリ加水分解で除去される。
アルカリ加水分解は、通常、反応に影響を及ぼさない溶媒中、化合物(6)をアルカリで処理することにより行われる。
アルカリとしては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム等が挙げられ、中でも、水酸化リチウムが好ましい。
溶媒としては、反応が進行する限り特に限定されるものではないが、例えば、水、アルコール類(例、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、tert-ブチルアルコール等)、エーテル類(例、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等)、ハロゲン化炭化水素類(例、ジクロロメタン等)あるいはそれらの混合物が用いられる。中でも、水とアルコール類(例、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、tert-ブチルアルコール等)の混合物が好ましい。
反応温度は、通常−100〜100℃、好ましくは−30〜35℃であり、反応時間は、通常5〜10時間、好ましくは0.5〜2時間である。
こうして得られる化合物(3)またはその塩は、公知の分離精製手段、例えば、濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィー等により、単離精製することができる。
化合物(I)のうち、XがG−O−C(O)−で表される基(Gは前記と同義である。)であり、かつRがアルキル基である化合物は、化合物(6)に公知の方法でアルキル基を導入し、工程6と同様に保護基を除去して得ることができる。アルキル基を導入する方法としては、例えば、耐塩基性の保護基が導入された化合物(6)を、対応するハロゲン化アルキルと、適切な塩基条件下で反応させる方法が挙げられる。あるいは化合物(4)のアミノ基に予め公知の方法でアルキル基を導入後、工程4、5および6と同様の方法を行うことで化合物(I)を得ることができる。
こうして得られる化合物(I)は、公知の分離精製手段、例えば、濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィー等により、単離精製することができる。
化合物(I)は、必要に応じて金属塩や有機塩基との塩の形態で使用してもよい。化合物(I)が塩の形態である場合、そのような塩としては、可食性の塩が好ましい。例えば、金属塩、アンモニウム塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩等が挙げられる。金属塩の好適な例としては、例えば、カリウム塩、ナトリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩等のアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩等が挙げられる。有機塩基との塩の好適な例としては、例えば、トリエチルアミン、トリメチルアミン、ピコリン、ピリジン、2,6−ルチジン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N'−ジベンジルエチレンジアミン等との塩が挙げられる。無機酸との塩の好適な例としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等との塩が挙げられる。有機酸との塩の好適な例としては、例えば、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等との塩が挙げられる。塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えば、アルギニン、リジン、オルニチン等との塩が挙げられ、酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸等との塩が挙げられる。
化合物(I)には、式G−NH−(式中、Gは前記と同義である。)で表される基がアミノ酸のカルボキシ基に導入されているため、アミノ酸自体が有する物性(特に水溶性、水中安定性、苦味等)が改善される。従って、水溶性や水中安定性の改善により水性組成物としての適用が広がり、また、苦味の改善により経口用途にも適する。
また、上記式G−NH−で表される基は、腸液やプロナーゼにより、アミノ酸から脱離し、また上記式G−O−C(O)−で表される基は、胃液等の酸性条件下やグルコシダーゼ(特にβ−グルコシダーゼ)により、アミノ酸から脱離するので、化合物(I)は、生体内や土中等でアミノ酸に変換され得る。従って、化合物(I)は、アミノ酸前駆体として有用である。また、継時的にアミノ酸に変換される、徐放性のアミノ酸前駆体としても有用である。
化合物(I)は生体内等でアミノ酸に変換され得るアミノ酸前駆体として特に有用であるため、摂取用として好適に使用できる。また化合物(I)は医薬又は食品分野において慣用の担体とともにアミノ酸前駆体を含む摂取用組成物として、医薬または食品に使用することができる。
本発明の摂取用組成物で使用される担体としては、例えば、
トラガント、アラビアゴム、コーンスターチ、ゼラチン、高分子ポリビニルピロリドン等の結合剤;
セルロースおよびその誘導体(例、微晶性セルロース、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等)等の賦形剤;
コーンスターチ、前ゼラチン化デンプン、アルギン酸、デキストリン等の膨化剤;
ステアリン酸マグネシウム等の潤滑剤;
微粒二酸化ケイ素、メチルセルロース等の流動性改善剤;
グリセリン脂肪酸エステル、タルク、ポリエチレングリコール6000等の滑沢剤;
カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシビニルポリマー、キサンタンガム、ゼラチン等の増粘剤;
ショ糖、乳糖、アスパルテーム等の甘味剤;
ペパーミントフレーバー、ワニラフレーバー、チェリーフレーバー、オレンジフレーバー等の香味剤;
モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンモノステアリン酸エステル等の乳化剤;
クエン酸、クエン酸ナトリウム、酢酸、酢酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等のpH調整剤;
カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシビニルポリマー、キサンタンガム、ゼラチン等の増粘剤;
アスパルテーム、カンゾウエキス、サッカリン等の嬌味剤;
ビタミンC、ビタミンA、ビタミンE、各種ポリフェノール、ヒロドキシチオソール、抗酸化アミノ酸、エリソルビン酸、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル等の抗酸化剤;
安息香酸ナトリウム、エデト酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸ブチル等の防腐剤;
ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、カルミン、食用青色1号、食用黄色4号、食用赤色2号等の着色剤;
α−リノレン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸等のn−3系脂肪酸(脂肪酸のメチル基側から数えて3番目と4番目の炭素間に二重結合を有する脂肪酸);
大豆油、サフラワー油、オリーブ油、コーン油、ひまわり油、シソ油、アマニ油、エゴマ油、菜種油等の油脂;
シェラック、砂糖、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ポリアセチン等の被覆剤;
メチルパラベン、プロピルパラベン等の防腐剤;
ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ニコチン酸アミド、葉酸、パントテン酸、ビオチン、コリン等のビタミン類;
各種アミノ酸類等が挙げられる。
本発明の摂取用組成物を経口医薬として提供する場合、その形態は特に制限されず、例えば、液剤、錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤(ソフトカプセルを含む)、エリキシル剤、シロップ剤、マイクロカプセル剤、ドリンク剤、乳剤、懸濁液剤等が挙げられ、非経口医薬として提供する場合、その形態は特に制限されず、例えば、注射剤、注入剤、点滴剤等が挙げられる。本発明の摂取用組成物を飲食品として提供する場合、その形態は特に制限されず、例えば、粉末状製品、顆粒状製品、カプセル状製品、タブレット状製品、液状製品(例、飲料等)、ゼリー様飲料、ゼリー状製品(例、ゼリー等)、ガム状製品、シート状製品、固形状製品(例、スナックバー、クッキー等)等が挙げられる。
本発明の摂取用組成物は、1回摂取量が包装又は充填された形態とすることができる。当該包装には、医薬又は食品の包装に通常使用される包材および包装方法(例、分包包装、スティック包装等)が使用できる。また、当該充填には、医薬又は食品に通常使用される充填方法が使用できる。本明細書において「1回摂取量」とは、例えば、本発明の摂取用組成物が医薬である場合は、1回に投与される組成物の量であり、本発明の摂取用組成物が飲食品である場合は、1回の食事で摂取される組成物の量である。当該1回摂取量は、摂取する者の年齢、体重、性別等に応じて適宜調節できる。
本発明の摂取用組成物中、化合物(I)は単独で、または任意の組み合わせで含有されていてもよく、その配合量は、特に限定されず、形態によっても異なるが、例えば、好ましくは1〜70重量%であり、より好ましくは10〜50%であり、特に好ましくは20〜40%である。
本発明の摂取用組成物は、特開2010−59120号公報、特開2007−314497公報、特開2005−289928公報、特開平2−128669公報、特許第3211824号公報、特開2002−187840公報、特開2003−221329公報、WO2004/019928、WO2010/029951、特開平8−198748公報、特開平8−73351公報等の記載に従って調製することもでき、また、これらに記載の形態や用途に適用することもできる。
以下、実施例にそって本発明をさらに詳細に説明するが、これら実施例は本発明の範囲を何ら限定するものではない。また、本発明において使用する試薬や装置、材料は特に言及されない限り、商業的に入手可能である。
実施例中、
XXX-Glcは、アミノ酸(XXX)のα位のカルボキシ基が、D-グルコピラノシルアミノ基でアミド化された糖アミノ酸を意味し、
Glc-XXX-Glcは、アミノ酸(XXX)のα位のカルボキシ基が、D-グルコピラノシルアミノ基でアミド化され、かつα位のアミノ基が、D-グルコピラノシルオキシカルボニル基でカルバメート化された糖アミノ酸を意味する。
また、本明細書において、アミノ酸等を略号で表示する場合、各表示は、IUPAC-IUB Commission on Biochemical Nomenclatureによる略号あるいは当該分野における慣用略号に基づくものである。
例えば、アミノ酸(XXX)を以下のように表記する。
Leu:L-ロイシン
Phe:L-フェニルアラニン
Tyr:L-チロシン
Gly:グリシン
Ala:L-アラニン
Val:L-バリン
Ile:L-イソロイシン
Ser:L-セリン
Lys:L-リジン
Pro:L-プロリン
Thr:L-トレオニン
Met:L-メチオニン
Glu:L-グルタミン酸
Cys:L-システイン
Asp:L-アスパラギン酸
Gln:L-グルタミン
Trp:L-トリプトファン
His:L-ヒスチジン
Arg:L-アルギニン
DOPA:3,4-ジヒドロキシ-L-フェニルアラニン
以下の実施例中の「室温」は通常約10℃ないし約35℃を示す。混合溶媒において示した比は、特に断らない限り容量比を示す。
1H-NMR(プロトン核磁気共鳴スペクトル)はフーリエ変換型NMRで測定した。ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基等のプロトンが非常に緩やかなピークについては記載していない。
実施例1 Glc-Leu-Glc;N-(N-(α/β-D-グルコピラノシルオキシカルボニル)-L-ロイシル)-β-D-グルコピラノシルアミン
(1) 4Ac-Glc-Leu-OMe;N-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-α/β-D-グルコピラノシルオキシカルボニル)-L-ロイシンメチルエステル
L-ロイシンメチルエステル塩酸塩 (Leu-OMe塩酸塩)(293 mg, 1.61 mmol)をテトラヒドロフラン(3.5 ml)に懸濁させ、氷浴を用いて冷却した。この溶液にトリエチルアミン(4.3 ml, 30.8 mmol)を加えた後、室温に昇温して30分間攪拌した。反応溶液をろ別し、濃縮してL-ロイシンメチルエステル(232 mg, 1.61 mmol)を得た。
Boc2O(493 mg, 2.26 mmol)をジクロロメタン(10 ml)に溶解させ、氷浴を用いて冷却した。この溶液に4-(ジメチルアミノ)ピリジン(198 mg, 1.62 mmol)を溶かしたジクロロメタン(7 ml)溶液とL-ロイシンメチルエステル(232 mg, 1.61 mmol)を溶かしたジクロロメタン(7 ml)溶液を加え、室温にて1時間攪拌した。再び氷浴を用いて反応溶液を冷却し、2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-D-グルコース(787 mg, 2.26 mmol)を溶かしたジクロロメタン(10 ml)溶液を加え、18時間攪拌した。反応溶液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(グラジエント;ヘキサン:酢酸エチル=85:15→60:40)にて精製し、4Ac-Glc-Leu-OMe(698 mg, 1.34 mmol, 収率83%)を白色粉末として得た。
1H-NMR(400 MHz, CDCl3)δ:0.88-1.00 (m, 6H), 1.49-1.78 (m, 3H), 2.01 (s, 3H), 2.03 (s, 3H), 2.04 (s, 1.5H), 2.07 (s, 1.5H), 2.09 (s, 1.5H), 2.10 (s, 1.5H), 3.74 (s, 1.5H), 3.76 (s, 1.5H), 3.79-3.87 (m, 0.5H), 4.04-4.15 (m, 2H), 4.24-4.44 (m, 2H), 5.07-5.33 (m, 3.5H), 5.44-5.51 (m, 0.5H), 5.66 (d, 0.5H, J=8.2 Hz), 6.23 (d, 0.5H, J=3.5 Hz).
ESIMS (m/z): 542.2([M+Na]+), 557.9([M+K]+).
(2) Glc-Leu;N-(α/β-D-グルコピラノシルオキシカルボニル)-L-ロイシン
4Ac-Glc-Leu-OMe(300 mg, 0.577 mmol)をメタノール(6 ml)と水(3 ml)に溶解させ、恒温槽を用いて-10℃に冷却した。この溶液に1N水酸化リチウム水溶液(2.89 ml, 2.89 mmol)を加え、10分間攪拌した。反応溶液に水(15 ml)を加え、20分間攪拌した。反応液を強酸性樹脂(Amberlite IR-120)で処理し、続いて樹脂をろ別した。ろ液を減圧濃縮し、Glc-Leu(199 mg, 収率quant., α:β比=1:1)を白色粉末として得た。
1H-NMR(400 MHz, CD3OD)δ:0.93-1.02 (m, 6H), 1.58-1.85 (m, 3H), 3.34-3.59 (m, 3H), 3.65-3.90 (m, 3H), 4.17-4.25 (m, 1H), 5.35 (d, 0.5H, J=8.0 Hz), 5.96 (d, 0.5H, J=3.8 Hz).
ESIMS (m/z): 360.1([M+Na]+), 376.1([M+K]+).
(3) Glc-Leu-Glc;N-(N-(α/β-D-グルコピラノシルオキシカルボニル)-L-ロイシル)-β-D-グルコピラノシルアミン
Glc-Leu(200 mg, 0.59 mmol)をテトラヒドロフラン(3 ml)に室温にて溶解した後、氷浴を用いて冷却した。この溶液にトリエチルアミン(0.119 ml, 1.18 mmol)とピバロイルクロリド(0.085 ml, 0.708 mmol)を加えた後、30分間攪拌した。続いてD-グルコピラノシルアミン(137 mg, 0.767 mmol)のメタノール/水(2 ml/1 ml)溶液を加えた。室温に昇温して2時間攪拌し、反応溶液を減圧濃縮後、残渣の一部をPTLC(ジクロロメタン/メタノール/酢酸=4/1/0.5)にて精製し、Glc-Leu-Glc(6.3 mg, 0.07 mmol, 理論収率12%)を白色粉末として得た。
1H-NMR(400Hz, D2O)δ: 0.82-0.86(m, 6H), 1.45-1.66(m, 3H), 3.29-3.52(m, 6H),3.58-3.82(m, 6H), 4.08-4.14(m, 1H), 4.87(d, 0.5H, J=9.1 Hz), 4.88(d, 0.5H, J=9.1 Hz),5.31(d, 0.5H, J=8.1 Hz), 5.88(d, 0.5H, J=3.5 Hz).
ESIMS(m/z): 521.2([M+Na]+), 537.2([M+K]+), 497.1([M-H]-).
実施例2 Phe-Glc;N-(L-フェニルアラニル)-β-D-グルコピラノシルアミン
(1) Z-Phe-Glc;N-(N-ベンジルオキシカルボニル-L-フェニルアラニル)-β-D-グルコピラノシルアミン
N-ベンジルオキシカルボニル-L-フェニルアラニン (Z-Phe)(910 mg, 3.04 mmol)をテトラヒドロフラン(3 ml)で室温にて溶解した後、氷浴を用いて冷却した。この溶液にトリエチルアミン(0.84 ml, 6.0 mmol)とクロロギ酸イソブチル(0.60 ml, 4.6 mmol)を加えた後、30分間攪拌した。続いてD-グルコピラノシルアミン(821 mg, 4.6 mmol)を水(3 ml)に溶解させて加え、室温に昇温して22時間攪拌した。反応溶液を減圧濃縮した後、残渣をODSカラムクロマトグラフィー(グラジエント;メタノール:水=23:77→58:42)にて精製し、Z-Phe-Glc(670 mg, 1.46 mmol, 収率48%)を白色粉末として得た。
1H-NMR(400 MHz, CD3OD)δ: 2.86(dd, 1H, J=9.7 Hz, 14.0 Hz), 3.19(dd, 1H, J=4.6 Hz, 14.0 Hz), 3.26-3.47(m, 4H), 3.69(dd, 1H, J=4.7 Hz, 11.9 Hz), 3.86(dd, 1H, J=2.0 Hz, 10.0 Hz), 4.44(dd, 1H, J=4.6 Hz, 9.7 Hz), 4.94(d, 1H, J=9.0 Hz), 4.99(d, 1H, J=12.5 Hz), 5.05(d, 1H, J=12.5 Hz), 7.13-7.38(m, 10H).
ESIMS(m/z): 422.0([M+Na]+), 821.0([2M+Na]+).
(2) Phe-Glc;N-(L-フェニルアラニル)-β-D-グルコピラノシルアミン
Z-Phe-Glc(251 mg, 0.55 mmol)をメタノール(8 ml)に溶解し、2%パラジウム炭素触媒(127 mg)を加え、水素雰囲気下(大気圧)、室温にて40分間攪拌した。反応終了後、触媒をろ別し、ろ液を減圧濃縮してPhe-Glc(149 mg, 0.46 mmol, 収率84%)を白色粉末として得た。
1H-NMR(400 MHz, CD3OD)δ: 2.79(dd, 1H, J=8.1 Hz, 13.6 Hz), 3.11(dd, 1H, J=5.2 Hz, 13.6 Hz), 3.30-3.47(m, 4H), 3.59(dd, 1H, J=5.2 Hz, 8.1 Hz), 3.69(dd, 1H, J=4.9 Hz, 11.9 Hz), 3.85(dd, 1H, J=2.1 Hz, 11.9 Hz), 4.93(d, 1H, J=9.0 Hz), 7.19-7.34(m, 5H).
ESIMS(m/z): 349.2([M+Na]+), 365.1([M+K]+).
実施例3 Tyr-Glc;N-(L-チロシル)-β-D-グルコピラノシルアミン
(1) Z-Tyr(OBn)-Glc;N-(N-ベンジルオキシカルボニル-O-ベンジル-L-チロシル)-β-D-グルコピラノシルアミン
N-ベンジルオキシカルボニル-O-ベンジル-L-チロシン(Z-Tyr(OBn))(3.02 g, 7.48 mmol)をテトラヒドロフラン(12 ml)に室温にて溶解した後、氷浴を用いて冷却した。この溶液にトリエチルアミン(2.1 ml, 15.0 mmol)とクロロギ酸イソブチル(1.4 ml, 10.8 mmol)を加えた後、45分間攪拌した。続いてD-グルコピラノシルアミン(2.04 g, 11.3 mmol)を水(2 ml)とメタノール(12 ml)に溶解させて加えた。室温に昇温して3時間攪拌後、反応溶液を減圧濃縮した。残渣をODSカラムクロマトグラフィー(グラジエント;メタノール:水=20:80→58:42)にて精製し、Z-Tyr(OBn)-Glc(1.05 g, 1.85 mmol, 収率25%)を白色粉末として得た。
1H-NMR(400Hz, CD3OD)δ: 1.28(dd, 1H, J=9.3 Hz, 13.9 Hz), 1.59(dd, 1H, J=5.1 Hz, 14.2 Hz), 1.75-1.92(m, 4H), 2.16(dd, 1H, J=4.8 Hz, 11.8 Hz), 2.32(dd, 1H, J=1.7 Hz, 5.6 Hz), 2.86(dd, 1H, J=4.7 Hz, 9.4 Hz), 3.40(d, 1H, J=9.0 Hz), 3.46(d, 1H, J=12.5 Hz), 3.50(s, 2H), 3.54(d, 1H, J=12.4 Hz), 5.36-5.39(m, 1H), 5.37(d, 1H, J=8.7 Hz), 5.64(s, 1H), 5.66(s, 1H), 5.73(m, 10H).
ESIMS(m/z): 567.1([M+H]+), 589.2([M+Na]+), 605.1([M+K]+), 565.1([M-H]-).
(2) Tyr-Glc;N-(L-チロシル)-β-D-グルコピラノシルアミン
Z-Tyr(OBn)-Glc(139 mg, 0.25 mmol)をメタノール(10 ml)と酢酸エチル(3 ml)に溶解し、2%パラジウム炭素触媒(71 mg)を加え、水素雰囲気下(大気圧)、室温にて2時間攪拌した。反応終了後、触媒をろ別し、ろ液を減圧濃縮してTyr-Glc(82.3 mg, 0.240 mmol, 収率98%)を白色粉末として得た。
1H-NMR(400 MHz, CD3OD)δ: 2.71(dd, 1H, J=7.9 Hz, 13.7 Hz), 3.00(dd, 1H, J=4.9 Hz, 13.7 Hz), 3.24-3.47(m, 4H), 3.54(dd, 1H, J=4.9 Hz, 7.9 Hz), 3.69(dd, 1H, J=4.9 Hz, 11.9 Hz), 3.86(dd, 1H, J=2.2 Hz, 11.9 Hz), 4.93(d, 1H, J=9.0 Hz), 6.74(d, 1H, J=8.5 Hz), 7.09(d, 1H, J=8.5 Hz).
ESIMS(m/z): 343.0([M+H]+),365.2([M+Na]+).
実施例4 Gly-Glc;N-グリシル-β-D-グルコピラノシルアミン
(1) Z-Gly-Glc;N-(N-(ベンジルオキシカルボニル)グリシル)-β-D-グルコピラノシルアミン
N-(ベンジルオキシカルボニル)グリシン (Z-Gly)(546 mg, 2.61 mmol)をテトラヒドロフラン(4 ml)に室温にて溶解した後、氷浴を用いて冷却した。この溶液にトリエチルアミン(0.72 ml, 5.2 mmol)とクロロギ酸イソブチル(0.50 ml, 3.9 mmol)を加えた後、30分間攪拌した。続いてD-グルコピラノシルアミン(700 mg, 3.9 mmol)を水(4 ml)に溶解させて加え、室温に昇温して21時間攪拌した。反応溶液を減圧濃縮した後、残渣をODSカラムクロマトグラフィー(グラジエント;メタノール:水=19:81→44:56)にて精製し、Z-Gly-Glc(382 mg, 1.03 mmol, 収率40%)を白色粉末として得た。
1H-NMR(400 MHz, CD3OD)δ:3.25-3.45(m, 4H), 3.66(dd, 1H, J=5.0 Hz, 11.9 Hz), 3.79-3.85(m, 1H), 3.85(d, 2H, J=4.6 Hz), 4.94(d, 1H, J=9.0 Hz), 5.13(s, 2H), 7.21-7.40(m, 5H).
ESIMS(m/z): 393.1([M+Na]+), 409.0([M+K]+).
(2) Gly-Glc;N-グリシル-β-D-グルコピラノシルアミン
Z-Gly-Glc(245 mg, 0.66 mmol)をメタノール(3 ml)に溶解し、2%パラジウム炭素触媒(245 mg)を加え、水素雰囲気下(大気圧)、室温にて2時間攪拌した。触媒をろ別し、ろ液を減圧濃縮後、酢酸エチル(0.5 ml)を加えて3時間攪拌した。ろ過により、Gly-Glc(81.5 mg, 0.345 mmol, 収率52%)を白色粉末として得た。
1H-NMR(400 MHz, D2O)δ: 3.26-3.37(m, 4H), 3.42-3.50(m, 2H), 3.64(dd, 1H, J=5.3 Hz, 12.4 Hz), 3.79(dd, 1H, J=2.2 Hz, 12.4 Hz), 4.91(d, 1H, J=9.2 Hz).
ESIMS(m/z): 237.0([M+H]+), 258.9([M+Na]+).
実施例5 Ala-Glc;N-(L-アラニル)-β-D-グルコピラノシルアミン
(1) Z-Ala-Glc;N-(N-ベンジルオキシカルボニル-L-アラニル)-β-D-グルコピラノシルアミン
N-ベンジルオキシカルボニル-L-アラニン (Z-Ala)(2.49 g, 11.2 mmol)をテトラヒドロフラン(18 ml)に室温にて溶解した後、氷浴を用いて冷却した。この溶液にトリエチルアミン(3.10 ml, 22.2 mmol)とピバロイルクロリド(1.90 ml, 16.6 mmol)を加えた後、30分間攪拌した。続いてD-グルコピラノシルアミン(3.04 g, 17.0 mmol)を水(3 ml)とメタノール(18 ml)に溶解させて加え、室温に昇温して2時間攪拌した。反応溶液を減圧濃縮した後、残渣をODSカラムクロマトグラフィー(グラジエント;メタノール:水=10:90→30:70)にて精製し、Z-Ala-Glc(2.94 g, 7.66 mmol, 収率69%)を白色粉末として得た。
1H-NMR(400 MHz, CD3OD)δ: 1.37(d, 3H, J=7.2 Hz), 3.26-3.48(m, 4H), 3.67(dd, 1H, J=4.8 Hz, 12.0 Hz), 3.81-3.89(m, 1H), 3.67(q, 1H, J=7.2 Hz), 4.92(d, 1H, J=9.0 Hz), 5.09(d, 1H, J=12.7 Hz), 5.13(d, 1H, J=12.7 Hz),7.27-7.45(m, 5H).
ESIMS(m/z): 385.2([M+H]+), 402.3([M+NH4]+), 407.2([M+Na]+), 383.2([M-H]-), 767.3([2M-H]-) .
(2) Ala-Glc;N-(L-アラニル)-β-D-グルコピラノシルアミン
Z-Ala-Glc(132 mg, 0.34 mmol)をメタノール(3 ml)に溶解し、2%パラジウム炭素触媒(71 mg)を加え、水素雰囲気下(大気圧)、室温にて2時間攪拌した。反応終了後、触媒をろ別し、ろ液を減圧濃縮してAla-Glc(92.9 mg, 0.371 mmol, 収率quant.)を白色粉末として得た。
1H-NMR(400 MHz, CD3OD)δ: 1.30(d, 3H, J=7.0 Hz), 3.26-3.48(m, 5H), 3.67(dd, 1H, J=4.9 Hz, 11.9 Hz), 3.85(dd, 1H, J=2.0 Hz, 11.9 Hz), 4.91(d, 1H, J=9.0 Hz).
ESIMS(m/z): 273.1([M+Na]+).
実施例6 Val-Glc;N-(L-バリル)-β-D-グルコピラノシルアミン
(1) Z-Val-Glc;N-(N-ベンジルオキシカルボニル-L-バリル)-β-D-グルコピラノシルアミン
N-ベンジルオキシカルボニル-L-バリン (Z-Val)(949 mg,3.78 mmol)をテトラヒドロフラン(6 ml)に室温にて溶解した後、氷浴を用いて冷却した。この溶液にトリエチルアミン(1.04 ml, 7.5 mmol)とクロロギ酸イソブチル(0.72 ml, 5.6 mmol)を加えた後、30分間攪拌した。続いてD-グルコピラノシルアミン(998 mg, 5.6 mmol)を水(6 ml)に溶解させて加え、室温に昇温して15時間攪拌した。反応溶液を減圧濃縮した後、残渣をODSカラムクロマトグラフィー(グラジエント;メタノール:水=19:81→50:50)にて精製し、Z-Val-Glc(1.12 g, 2.7 mmol, 収率72%)を白色粉末として得た。
1H-NMR(400 MHz, CD3OD)δ: 0.95(d, 3H, J=6.8 Hz), 1.00(d, 3H, J=6.8 Hz),2.02-2.15(m, 1H), 3.26-3.45(m, 4H), 3.65-3.71(m, 1H), 3.79-3.85(m, 1H), 4.00(d, 1H, J=6.8 Hz), 4.93(d, 1H, J=9.0 Hz), 5.09(d, 1H, J=12.4 Hz), 5.13(d, 1H, J=12.4 Hz), 7.27-7.51(m, 5H).
ESIMS(m/z): 237.0([M+H]+), 258.9([M+Na]+).
(2) Val-Glc;N-(L-バリル)-β-D-グルコピラノシルアミン
Z-Val-Glc(251 mg, 0.608 mmol)をメタノール(6 ml)と酢酸エチル(0.5 ml)に溶解し、2%パラジウム炭素触媒(125 mg)を加え、水素雰囲気下(大気圧)、室温にて1時間攪拌した。反応終了後、触媒をろ別し、ろ液を減圧濃縮してVal-Glc(168 mg, 0.605 mmol, 収率quant.)を白色粉末として得た。
1H-NMR(400 MHz, CD3OD)δ: 0.95(d, 3H, J=6.9 Hz), 1.00(d, 3H, J=6.9 Hz), 1.91-2.05(m, 1H), 3.12(d, 1H, J=5.8 Hz), 3.24-3.46(m, 4H), 3.68(dd, 1H, J=4.7 Hz, 11.9 Hz), 3.84(dd, 1H, J=1.9 Hz, 11.9 Hz), 4.93(d, 1H, J=9.0 Hz).
ESIMS(m/z): 279.1([M+H]+), 301.2([M+Na]+).
実施例7 Leu-Glc;N-(L-ロイシル)-β-D-グルコピラノシルアミン
(1) Z-Leu-Glc;N-(N-ベンジルオキシカルボニル-L-ロイシル)-β-D-グルコピラノシルアミン
N-ベンジルオキシカルボニル-L-ロイシン (Z-Leu)(998 mg, 3.76 mmol)をテトラヒドロフラン(6 ml)に室温にて溶解した後、氷浴を用いて冷却した。この溶液にトリエチルアミン(1.04 ml, 7.5 mmol)とクロロギ酸イソブチル(0.72 ml, 5.6 mmol)を加えた後、30分間攪拌した。続いてD-グルコピラノシルアミン(992 mg, 5.5 mmol)を水(6 ml)に溶解させて加え、室温に昇温して15時間攪拌した。反応溶液を減圧濃縮した後、残渣をODSカラムクロマトグラフィー(グラジエント;メタノール:水=19:81→47:53)にて精製し、Z-Leu-Glc(636 mg, 1.49 mmol, 収率40%)を白色粉末として得た。
1H-NMR(400 MHz, CD3OD)δ: 0.95(d, 3H, J=4.4 Hz), 1.00(d, 3H, J=4.5 Hz), 1.50-1.64(m, 2H), 1.67-1.79(m, 1H), 3.34-3.43(m, 4H), 3.63-3.72(m, 1H), 3.79-3.87(m, 1H), 4.21(dd, 1H, J=5.6 Hz, 9.5 Hz), 4.91(d, 1H, J=9.0 Hz), 5.09(d, 1H, J=12.5 Hz), 5.13(d, 1H, J=12.5 Hz), 7.27-7.41(m, 5H).
ESIMS(m/z): 449.1([M+Na]+),464.9([M+K]+).
(2) Leu-Glc;N-(L-ロイシル)-β-D-グルコピラノシルアミン
Z-Leu-Glc(172 mg, 0.402 mmol)をメタノール(2 ml)に溶解し、2%パラジウム炭素触媒(91.2 mg)を加え、水素雰囲気下(大気圧)、室温にて1時間攪拌した。反応終了後、触媒をろ別し、ろ液を減圧濃縮してLeu-Glc(116 mg, 0.397 mmol, 収率99%)を白色粉末として得た。
1H-NMR(400 MHz, CD3OD)δ: 0.96(d, 3H, J=6.6 Hz),0.97(d, 3H, J=6.6 Hz),1.38-1.47(m, 1H), 1.53-1.61(m, 1H), 1.69-1.84(m, 1H), 3.27-3.45(m, 5H), 3.68(dd, 1H, J=4.8 Hz, 12.0 Hz), 3.84(dd, 1H, J=1.9 Hz, 12.0 Hz), 4.92(d, 1H, J=9.1 Hz).
ESIMS(m/z): 293.2([M+H]+), 314.9([M+Na]+).
実施例8 Ile-Glc;N-(L-イソロイシル)-β-D-グルコピラノシルアミン
(1) Z-Ile-Glc;N-(N-ベンジルオキシカルボニル-L-イソロイシル)-β-D-グルコピラノシルアミン
N-ベンジルオキシカルボニル-L-イソロイシン (Z-Ile)(990 mg,3.73 mmol)をテトラヒドロフラン(6 ml)に室温にて溶解した後、氷浴を用いて冷却した。この溶液にトリエチルアミン(1.04 ml, 7.5 mmol)とクロロギ酸イソブチル(0.72 ml, 5.6 mmol)を加えた後、30分間攪拌した。続いてD-グルコピラノシルアミン(994 mg, 5.5 mmol)を水(6 ml)に溶解させて加え、室温に昇温して16時間攪拌した。反応溶液を減圧濃縮した後、残渣をODSカラムクロマトグラフィー(グラジエント;メタノール:水=19:81→50:50)にて精製し、Z-Ile-Glc(312 mg, 0.73 mmol, 収率20%)を白色粉末として得た。
1H-NMR(400 MHz, CD3OD)δ: 0.92(d, 3H, J=7.4 Hz), 0.97(dd, 3H, J=2.8 Hz, 6.7 Hz), 1.08-1.27(m, 1H), 1.50-1.62(m, 1H), 1.77-1.96(m, 1H), 3.20-3.44(m, 4H), 3.64-3.71(m, 1H), 3.79-3.90(m, 1H), 4.02(d, 1H, J=7.4 Hz), 4.92(d, 1H, J=9.0 Hz), 5.09(d, 1H, J=12.4 Hz), 5.13(d, 1H, J=12.4 Hz), 7.26-7.40(m, 5H).
ESIMS(m/z): 427.0([M+H]+), 449.0([M+Na]+), 464.8([M+K]+), 425.0([M-H]-).
(2) Ile-Glc;N-(L-イソロイシル)-β-D-グルコピラノシルアミン
Z-Ile-Glc(1.94 g, 4.55 mmol)をメタノール(40 ml)と酢酸エチル(4 ml)に溶解し、2%パラジウム炭素触媒(934 mg)を加え、水素雰囲気下(大気圧)、室温にて1時間攪拌した。反応終了後、触媒をろ別し、ろ液を減圧濃縮してIle-Glc(1.24 g, 4.25 mmol, 収率93%)を白色粉末として得た。
1H-NMR(400Hz, D2O)δ: 0.90(t, 3H, J=7.41 Hz), 0.97(d, 3H, J=6.91 Hz), 1.13-1.24(m, 1H), 1.45-1.53(m, 1H), 1.77-1.84(m, 1H), 3.39-3.45(m, 3H), 3.50-3.54(m, 1H), 3.55(t, 1H, J=9.1 Hz), 3.72(dd, 1H, J=5.3 Hz, 12.4 Hz), 3.88(dd, 1H, J=2.2 Hz, 12.4 Hz), 5.00(d, 1H, J=9.2 Hz).
ESIMS(m/z): 292.9([M+H]+), 315.1([M+Na]+), 331.0([M+K]+), 585.1([2M+H]+),607.1([2M+Na]+), 290.8([M-H]-).
実施例9 Ser-Glc;N-(L-セリル)-β-D-グルコピラノシルアミン
(1) Z-Ser(OBn)-Glc;N-(N-ベンジルオキシカルボニル-O-ベンジル-L-セリル)-β-D-グルコピラノシルアミン
N-ベンジルオキシカルボニル-O-ベンジル-L-セリン(Z-Ser(OBn))(1.21 g,3.67 mmol)をテトラヒドロフラン(6 ml)に室温にて溶解した後、氷浴を用いて冷却した。この溶液にトリエチルアミン(1.04 ml, 7.5 mmol)とクロロギ酸イソブチル(0.72 ml, 5.6 mmol)を加えた後、30分間攪拌した。続いてD-グルコピラノシルアミン(991 mg, 5.5 mmol)を水(6 ml)に溶解させて加え、室温に昇温して16時間攪拌した。反応溶液を減圧濃縮した後、残渣をODSカラムクロマトグラフィー(グラジエント;メタノール:水=19:81→50:50)にて精製し、Z-Ser(OBn)-Glc(535 mg, 1.09 mmol, 収率30%)を白色粉末として得た。
1H-NMR(400 MHz, CD3OD)δ: 3.20-3.49(m, 4H), 3.68(dd, 1H, J=4.8 Hz, 11.9 Hz), 3.75(d, 2H, J=5.5 Hz), 3.84(dd, 1H, J=2.0 Hz, 11.9 Hz), 4.44(t, 1H, J=5.5 Hz), 4.56(s, 2H), 4.94(d, 1H, J=9.0 Hz), 5.10(d, 1H, J=12.3 Hz), 5.15(d, 1H, J=12.3 Hz), 7.22-7.41(m, 4H).
ESIMS(m/z): 513.1([M+Na]+), 529.0([M+K]+).
(2) Ser-Glc;N-(L-セリル)-β-D-グルコピラノシルアミン
実施例8の工程(2)と同様にしてZ-Ser(OBn)-Glc(221.4 mg, 0.480 mmol)より、Ser-Glc(61.8 mg, 0.232 mmol, 収率48%)を白色粉末として得た。
1H-NMR(400 MHz,D2O)δ: 3.29-3.38(m, 2H), 3.41-3.50(m, 2H), 3.56(t, 1H, J=5.0 Hz), 3.62(dd, 1H, J=5.5 Hz, 12.3 Hz), 3.68-3.75(m, 2H), 3.79(dd, 1H, J=2.1 Hz, 12.3 Hz), 4.93(d, 1H, J=9.2 Hz).
ESIMS(m/z): 267.1([M+H]+), 289.1([M+Na]+), 533.2([2M+H]+), 265.0([M-H]-).
実施例10 Lys-Glc;N-(L-リシル)-β-D-グルコピラノシルアミン
(1) Z-Lys(Z)-Glc;N-(N2,N6-ビス(ベンジルオキシカルボニル)-L-リシル)-β-D-グルコピラノシルアミン
N2,N6-ビス(ベンジルオキシカルボニル)-L-リジン(Z-Lys(Z))(1.52 g, 3.66 mmol)をテトラヒドロフラン(6 ml)に室温にて溶解した後、氷浴を用いて冷却した。この溶液にトリエチルアミン(1.04 ml, 7.5 mmol)とクロロギ酸イソブチル(0.72 ml, 5.6 mmol)を加えた後、30分間攪拌した。続いてD-グルコピラノシルアミン(1.04 g, 5.8 mmol)を水(6 ml)に溶解させて加え、室温に昇温して16時間攪拌した。反応溶液を減圧濃縮した後、残渣をODSカラムクロマトグラフィー(グラジエント;メタノール:水=19:81→47:53)にて精製し、Z-Lys(Z)-Glc(893 mg, 1.55 mmol, 収率42%)を白色粉末として得た。
1H-NMR(400 MHz, CD3OD)δ: 1.35-1.58(m, 4H), 1.61-1.72(m, 1H), 1.74-1.87(m, 1H), 3.13(t, 2H, J=6.8 Hz), 3.63-3.70(m, 1H), 3.79-3.86(m, 1H), 4.13(dd, 1H, J=4.8 Hz, 9.3 Hz), 4.91(d, 1H, J=8.9 Hz), 5.05-5.14(m, 4H), 7.23-7.42(m, 10H).
ESIMS(m/z): 576.2([M+H]+), 598.1([M+Na]+), 614.1([M+K]+).
(2) Lys-Glc;N-(L-リシル)-β-D-グルコピラノシルアミン
Z-Lys(Z)-Glc(199 mg, 0.35 mmol)をメタノール(5 ml)に溶解し、20%水酸化パラジウム炭素触媒(101 mg)を加え、水素雰囲気下(大気圧)、室温にて2時間攪拌した。触媒をろ別し、ろ液に20%水酸化パラジウム炭素触媒(99.2 mg)を加え、水素雰囲気下(大気圧)、室温にて2時間攪拌した。反応終了後、触媒をろ別し、ろ液を減圧濃縮してLys-Glc(95.2 mg, 0.31 mmol, 収率90%)を白色粉末として得た。
1H-NMR(400 MHz, CD3OD)δ: 1.48-1.69(m, 6H), 2.72(t, 2H, J=7.1 Hz), 3.25-3.48(m, 5H), 3.67(dd, 1H, J=5.0 Hz, 11.9 Hz), 3.85(dd, 1H, J=2.1 Hz, 11.9 Hz), 4.93(d, 1H, J=9.1 Hz).
ESIMS(m/z): 308.0([M+H]+), 330.2([M+Na]+), 615.4([2M+H]+), 306.3([M+H]+),306.3([M-H]-), 342.3([M-Cl]-), 613.4([2M-H]-) .
実施例11 Pro-Glc;N-(L-プロリル)-β-D-グルコピラノシルアミン
(1) Z-Pro-Glc;N-(N-ベンジルオキシカルボニル-L-プロリル)-β-D-グルコピラノシルアミン
N-ベンジルオキシカルボニル-L-プロリン (Z-Pro)(919 mg, 3.69 mmol)をテトラヒドロフラン(6 ml)に室温にて溶解した後、氷浴を用いて冷却した。この溶液にトリエチルアミン(1.04 ml, 7.5 mmol)とクロロギ酸イソブチル(0.72 ml, 5.6 mmol)を加えた後、30分間攪拌した。続いてD-グルコピラノシルアミン(1.02 g, 5.7 mmol)を水(6 ml)に溶解させて加え、室温に昇温して16時間攪拌した。反応溶液を減圧濃縮した後、残渣をODSカラムクロマトグラフィー(グラジエント;メタノール:水=40:60→64:36)にて精製し、Z-Pro-Glc(721 mg, 1.76 mmol, 収率48%)を白色粉末として得た。
1H-NMR(400 MHz, CD3OD)δ: 1.83-2.11(m, 3H), 2.15-2.34(m, 1H), 3.25-3.72(m, 7H), 3.80-3.88(m, 1H), 4.28-4.38(m, 1H), 4.93(d, 1H, J=9.0 Hz), 5.07-5.19(m, 1H), 7.22-7.45(m, 5H).
ESIMS(m/z): 432.9([M+Na]+), 449.1([M+K]+).
(2) Pro-Glc;N-(L-プロリル)-β-D-グルコピラノシルアミン
Z-Pro-Glc(199 mg, 0.484 mmol)をメタノール(3 ml)に溶解し、2%パラジウム炭素触媒(100 mg)を加え、水素雰囲気下(大気圧)、室温にて3時間攪拌した。触媒をろ別し、ろ液を減圧濃縮した後、メタノール(3 ml)に溶解し、2%パラジウム炭素触媒(96.4 mg)を加え、水素雰囲気下(大気圧)、室温にて15時間攪拌した。反応終了後、触媒をろ別し、ろ液を減圧濃縮してPro-Glc(133 mg, 0.48 mmol, 収率quant.)を白色粉末として得た。
1H-NMR(400 MHz, CD3OD)δ: 1.72-1.81(m, 3H), 2.09-2.19(m, 1H), 2.89-2.97(m, 1H), 2.99-3.06(m, 1H), 3.25-3.45(m, 4H), 3.64-3.72(m, 2H), 3.84(dd, 1H, J=2.1 Hz, 12.0 Hz), 4.89(d, 1H, J=9.5 Hz).
ESIMS(m/z): 277.3([M+H]+), 299.3([M+Na]+), 553.3([2M+H]+), 575.3([2M+Na]+), 275.3([M-H]-), 311.1([M+Cl]-), 551.3([2M-H]-).
実施例12 Thr-Glc;N-(L-トレオニル)-β-D-グルコピラノシルアミン
(1) Z-Thr(OBn)-Glc;N-(N-ベンジルオキシカルボニル-O-ベンジル-L-トレオニル)-β-D-グルコピラノシルアミン
N-ベンジルオキシカルボニル-O-ベンジル-L-トレオニン(Z-Thr(OBn))(1.28 g, 3.74 mmol)をテトラヒドロフラン(6 ml)に室温にて溶解した後、氷浴を用いて冷却した。この溶液にトリエチルアミン(1.04 ml, 7.5 mmol)とクロロギ酸イソブチル(0.72 ml, 5.6 mmol)を加えた後、30分間攪拌した。続いてD-グルコピラノシルアミン(1.00 g, 5.6 mmol)を水(6 ml)に溶解させて加え、室温に昇温して21時間攪拌した。反応溶液を減圧濃縮した後、残渣をODSカラムクロマトグラフィー(グラジエント;メタノール:水=19:81→47:53)にて精製し、Z-Thr(OBn)-Glc(1.28 g, 2.53 mmol, 収率68%)を白色粉末として得た。
1H-NMR(400Hz, CD3OD)δ: 1.18(t, 1H, J=7.0 Hz), 1.19(s, 1H), 1.20(s, 1H),3.42(t, 1H, J=8.9 Hz), 3.49(dd, 1H, J=7.0 Hz, 14.0 Hz), 3.65-3.69(m, 1H), 3.80(dd, 1H, J=1.7 Hz, 12.0 Hz), 4.06-4.08(m, 1H), 4.25(d, 1H, J=3.5 Hz), 4.46-4.61(m, 1H), 4.54(d, 1H, J=5.3 Hz), 4.95(d, 1H, J=9.0 Hz), 5.09(d, 1H, J=12.4 Hz), 5.14(d, 1H, J=12.4 Hz), 7.22-7.38(m,
10H).
ESIMS(m/z): 567.4([M+H]+), 589.3([M+Na]+), 565.2([M-H]-).
(2) Thr-Glc;N-(L-トレオニル)-β-D-グルコピラノシルアミン
Z-Thr(OBn)-Glc(102 mg, 0.20 mmol)をメタノール(4 ml)に溶解し、20%水酸化パラジウム炭素触媒(108 mg)を加え、水素雰囲気下(大気圧)、室温にて3時間攪拌した。触媒をろ別し、ろ液を減圧濃縮した後、メタノール(4 ml)に溶解し、20%水酸化パラジウム炭素触媒(61 mg)を加え、水素雰囲気下(大気圧)、室温にて1時間攪拌した。続いて20%水酸化パラジウム炭素触媒(74 mg)を加え、水素雰囲気下(大気圧)、室温にて15時間攪拌した。反応終了後、触媒をろ別し、ろ液を減圧濃縮してThr-Glc(50.6 mg, 0.18 mmol, 収率90%)を白色粉末として得た。
1H-NMR(400 MHz, CD3OD)δ: 1.26(d, 3H, J=6.4 Hz), 3.26-3.48(m, 5H), 3.66(dd, 1H, J=5.2 Hz, 11.9 Hz), 3.85(dd, 1H, J=2.1 Hz, 11.9 Hz), 4.01-4.09(m, 1H), 4.95(d, 1H, J=9.0 Hz).
ESIMS(m/z): 281.0([M+H]+), 303.1([M+Na]+).
実施例13 Met-Glc;N-(L-メチオニル)-β-D-グルコピラノシルアミン
(1) Fmoc-Met-Glc;N-(N-(9-フルオレニルメチルオキシカルボニル)-L-メチオニル)-β-D-グルコピラノシルアミン
N-(9-フルオレニルメチルオキシカルボニル)-L-メチオニン (Fmoc-Met)(1.38 g, 3.70 mmol)をテトラヒドロフラン(6 ml)に室温にて溶解した後、氷浴を用いて冷却した。この溶液にトリエチルアミン(1.04 ml, 7.5 mmol)とクロロギ酸イソブチル(0.72 ml, 5.6 mmol)を加えた後、30分間攪拌した。続いてD-グルコピラノシルアミン(1.03 g, 5.7 mmol)を水(1 ml)とメタノール(9 ml)に溶解させて加え、室温に昇温して1時間半攪拌した。反応溶液を減圧濃縮した後、残渣をODSカラムクロマトグラフィー(グラジエント;メタノール:水=23:77→58:42)にて精製し、Fmoc-Met-Glc(531 mg, 1.00 mmol, 収率27%)を白色粉末として得た。
1H-NMR(400Hz, DMSO-d4)δ: 1.73-1.82(m, 1H), 1.85-1.94(m, 1H), 2.03(s, 3H),2.37-2.46(m, 2H), 3.02-3.12(m, 3H), 2.37-2.46(m, 2H), 3.61-3.65(m, 1H),4.08-4.16(m, 1H), 4.20-4.33(m, 3H), 4.47(t, 1H, J=5.6 Hz), 4.69(t, 1H, J=8.8 Hz),4.81(d, 1H, J=5.6 Hz), 4.88(d, 1H, J=5.0 Hz), 4.98(d, 1H, J=4.7 Hz), 7.27-7.36(m, 3H),7.38-7.43(m, 3H), 7.38-7.43(m, 2H), 7.48(d, 1H, J=8.7 Hz), 7.66(d, 1H, J=6.9 Hz),7.73(t, 2H, J=7.9 Hz), 7.85(d, 1H, J=7.6 Hz), 7.88(s, 1H), 7.90(s, 1H), 8.41(d, 1H, J=8.8 Hz).
ESIMS(m/z): 555.0([M+Na]+).
(2) Met-Glc;N-(L-メチオニル)-β-D-グルコピラノシルアミン
Fmoc-Met-Glc(49.4 mg, 0.16 mmol)に氷冷下、20%ピペリジンのN,N-ジメチルホルムアミド溶液(1 ml)を加え、室温にて2時間攪拌した。反応終了後、残渣をODSカラムクロマトグラフィー(グラジエント;メタノール:水=0:100→40:60)にて精製し、Met-Glc(19.0 mg, 0.061 mmol, 収率38%)を薄黄色粉末として得た。
1H-NMR(400Hz, CD3OD)δ:2.05-2.16(m, 1H), 2.23-2.36(m, 1H), 2.40(s, 3H),2.83-2.92(m, 2H), 3.57-3.65(m, 1H), 3.66-3.72(m, 2H), 3.74-3.79(m, 2H), 3.97(dd, 1H, J=4.8 Hz, 11.9 Hz), 4.14(dd, 1H, 1.90, 11.8), 5.22(d, 1H, J=9.0 Hz).
ESIMS(m/z): 310.8([M+H]+), 333.0([M+Na]+).
実施例14 Glu-Glc;N-(L-α-グルタミル)-β-D-グルコピラノシルアミン
(1) Z-Glu(OBn)-Glc;ベンジル (4S)-4-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-4-(β-D-グルコピラノシルアミノカルボニル)ブチレート
δ-ベンジル N-ベンジルオキシカルボニル-L-グルタメート (Z-Glu(OBn))(1.38 g, 3.71 mmol)をテトラヒドロフラン(6 ml)に室温にて溶解した後、氷浴を用いて冷却した。この溶液にトリエチルアミン(1.04 ml, 7.5 mmol)とクロロギ酸イソブチル(0.72 ml, 5.6 mmol)を加えた後、30分間攪拌した。続いてD-グルコピラノシルアミン(1.00 g, 5.6 mmol)を水(1 ml)とメタノール(6 ml)に溶解させて加え、室温に昇温して1時間半攪拌した。反応溶液を減圧濃縮した後、残渣をODSカラムクロマトグラフィー(グラジエント;メタノール:水=23:77→58:42)にて精製し、Z-Glu(OBn)-Glc(631 mg, 1.19 mmol, 収率32%)を白色粉末として得た。
1H-NMR(400Hz, CD3OD)δ:1.87(m, 1H), 2.07-2.18(m, 1H), 2.48(t, 2H, J=7.6 Hz),3.19-3.44(m, 3H), 3.54(t, 1H, J=6.6 Hz), 3.64(dd, 1H, J=4.8 Hz, 11.9 Hz), 3.81(dd, 1H, J=1.8 Hz, 11.3 Hz), 4.16-4.21(m, 1H), 4.90(d, 1H, J=9.0 Hz), 5.08(d, 2H, J=4.6 Hz), 5.10(s, 2H), 7.26-7.36(m, 10H).
ESIMS(m/z): 554.9([M+Na]+), 571.0([M+K]+).
(2) Glu-Glc;N-(L-α-グルタミル)-β-D-グルコピラノシルアミン
Z-Glu(OBn)-Glc(31.6 mg, 0.059 mmol)をメタノール(1 ml)に溶解し、2%パラジウム炭素触媒(20.0 mg)を加え、水素雰囲気下(大気圧)、室温にて1時間攪拌した。触媒をろ別し、ろ液を減圧濃縮した後、メタノール(1 ml)と水(ガラスピペット7滴)の混合溶媒に溶解し、2%パラジウム炭素触媒(16.7 mg)を加え、水素雰囲気下(大気圧)、室温にて24時間攪拌した。反応終了後、触媒をろ別し、ろ液を減圧濃縮してGlu-Glc(12.3 mg, 0.039 mmol, 収率67%)を白色粉末として得た。
1H-NMR(400Hz, D2O)δ: 2.06-2.23(m, 2H), 2.39(t, 2H, J=7.4 Hz), 3.42(t, 2H, J=9.4 Hz),3.50-3.58(m, 2H), 3.71(dd, 1H, J=5.1 Hz, 12.4 Hz), 3.87(dd, 1H, J=2.2 Hz, 12.4 Hz), 4.08(dd, 1H, J=5.3 Hz, 7.5 Hz), 5.01(m, 1H).
ESIMS(m/z): 331.0([M+Na]+).
実施例15 Cys-Glc塩酸塩;N-(L-システイニル)-β-D-グルコピラノシルアミン塩酸塩
(1) Boc-Cys(Trt)-Glc;N-(N-tert-ブチルオキシカルボニル-S-トリチル-L-システイニル)-β-D-グルコピラノシルアミン
N-tert-ブチルオキシカルボニル-S-トリチル-L-システイン(Boc-Cys(Trt))(3.51 g, 7.56 mmol)をテトラヒドロフラン(12 ml)に室温にて溶解した後、氷浴を用いて冷却した。この溶液にトリエチルアミン(2.08 ml, 14.9 mmol)とクロロギ酸イソブチル(1.45 ml, 11.2 mmol)を加えた後、50分間攪拌した。続いてD-グルコピラノシルアミン(2.00 g, 11.2 mmol)を水(3 ml)とメタノール(18 ml)に溶解させて加え、室温に昇温して1時間半攪拌した。反応溶液を減圧濃縮した後、残渣をODSカラムクロマトグラフィー(グラジエント;メタノール:水=23:77→73:27)にて精製し、Boc-Cys(Trt)-Glc(991 mg, 1.59 mmol, 収率21%)を薄黄色粉末として得た。
1H-NMR(400 MHz, CD3OD)δ: 1.46(s, 9H), 3.21-3.43(m, 4H), 3.61-3.69(m, 1H), 3.78-3.85(m, 1H), 3.94-4.08(m, 1H), 4.83(d, 1H, J=9.0 Hz), 7.18-7.46(m, 15H).
ESIMS(m/z): 623.2([M-H]-).
(2) Cys-Glc塩酸塩;N-(L-システイニル)-β-D-グルコピラノシルアミン塩酸塩
Boc-Cys(Trt)-Glc(300 mg, 0.48 mmol)に氷冷下、4N塩化水素のジオキサン溶液(10 ml)を加え、室温にて2時間攪拌した。反応溶液を濃縮し、得られた残渣をODSカラムクロマトグラフィー(グラジエント;メタノール:水=0:100→15:85)にて精製し、Cys-Glc塩酸塩(126 mg, 0.316 mmol, 収率83%)を薄黄色粉末として得た。
1H-NMR(400 MHz, CD3OD)δ: 3.01(dd, 1H, J=7.0 Hz, 14.8 Hz), 3.10(dd, 1H, J=4.5 Hz, 14.8 Hz), 3.23-3.46(m, 4H), 3.68(dd, 1H, J=5.0 Hz, 11.9 Hz), 3.85(dd, 1H, J=2.0 Hz, 11.9 Hz), 4.06(dd, 1H, J=4.5 Hz, 7.0 Hz), 4.97(d, 1H, J=9.1 Hz).
ESIMS(m/z): 317.1([M-H]-).
実施例16 Asp-Glc;N-(L-α-アスパルチル)-β-D-グルコピラノシルアミン
(1) Z-Asp(OBn)-Glc;ベンジル (3S)-3-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-3-(β-D-グルコピラノシルアミノカルボニル)プロピオネート
γ-ベンジル N-ベンジルオキシカルボニル-L-アスパルテート (Z-Asp(OBn))(1.35 g, 3.78 mmol)をテトラヒドロフラン(6 ml)に室温にて溶解した後、氷浴を用いて冷却した。この溶液にトリエチルアミン(1.04 ml, 7.5 mmol)とクロロギ酸イソブチル(0.72 ml, 5.6 mmol)を加えた後、30分間攪拌した。続いてD-グルコピラノシルアミン(998 mg, 5.6 mmol)を水(1 ml)とメタノール(8 ml)に溶解させて加え、室温に昇温して2時間攪拌した。反応溶液を減圧濃縮した後、残渣に水(15 ml)とメタノール(1 ml)を加え、ジクロロメタンで5回抽出した。有機層を15%食塩水(50 ml)で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤をろ別後、ろ液を減圧濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(グラジエント;メタノール:酢酸エチル=1:99→9:91)にて精製し、Z-Asp(OBn)-Glc(67.2 mg, 0.130 mmol, 収率3%)を白色粉末として得た。
1H-NMR(400Hz, CD3OD)δ: 2.74(dd, 1H, J=8.6 Hz, 16.2 Hz), 2.92(dd, 1H, J=5.1 Hz, 16.3 Hz), 3.27-3.41(m, 3H), 3.62-3.67(m, 1H), 3.80(dd, 1H, J=11.2 Hz), 3.92(dd, 1H, J=6.5 Hz), 4.60-4.66(m, 1H), 4.88(d, 1H, J=9.1 Hz), 5.09(d, 2H, J=7.0 Hz), 5.12(s, 2H), 7.26-7.40(m, 10H).
ESIMS(m/z): 540.9([M+Na]+), 556.8([M+K]+).
(2) Asp-Glc;N-(L-α-アスパルチル)-β-D-グルコピラノシルアミン
Z-Asp(OBn)-Glc(61.3 mg, 0.118 mmol)をメタノール(4 ml)に溶解し、20%水酸化パラジウム炭素触媒(30.2 mg)を加え、水素雰囲気下(大気圧)、室温にて5時間攪拌した。アルゴン置換後、更に20%水酸化パラジウム炭素触媒(29.5 mg)を加え、水素雰囲気下(大気圧)、室温にて16時間攪拌した。反応終了後、触媒をろ別し、ろ液を減圧濃縮してAsp-Glc(25.8 mg, 0.088 mmol, 収率74%)を白色粉末として得た。
1H-NMR(400Hz, D2O)δ: 2.78(dd, 1H, J=8.5 Hz, 17.5 Hz), 2.90(dd, 1H, J=4.8 Hz, 17.5 Hz), 3.42(t, 2H, J=9.1 Hz), 3.50-3.54(m, 1H), 3.55(t, 1H, J=9.1 Hz), 3.71(dd, 1H, J=5.3 Hz, 12.4 Hz), 3.87(dd, 1H, J=2.1 Hz, 12.3 Hz), 4.30(dd, 1H, J=4.8 Hz, 8.5 Hz), 5.01(d, 1H, J=9.1 Hz).
ESIMS(m/z): 294.9 ([M+H]+) , 317.0([M+Na]+), 333.0([M+K]+), 292.8 . ([M-H]-),587.0([2M-H]-).
実施例17 Gln-Glc;N-(L-グルタミニル)-β-D-グルコピラノシルアミン
(1) Z-Gln-Glc;N-(N-ベンジルオキシカルボニル-L-グルタミニル)-β-D-グルコピラノシルアミン
N-ベンジルオキシカルボニル-L-グルタミン (Z-Gln)(1.05 g, 3.76 mmol)をテトラヒドロフラン(6 ml)とN-メチルピロリドン(3.5 ml)に室温にて溶解した後、氷浴を用いて冷却した。この溶液にトリエチルアミン(1.04 ml, 7.5 mmol)とクロロギ酸イソブチル(0.72 ml, 5.6 mmol)を加えた後、30分間攪拌した。続いてD-グルコピラノシルアミン(1.04 g, 5.8 mmol)を水(1 ml)とメタノール(8 ml)に溶解させて加え、室温に昇温して2時間攪拌した。反応溶液を減圧濃縮した後、残渣をODSカラムクロマトグラフィー(グラジエント;メタノール:水=0:100→30:70)にて精製し、Z-Gln-Glc(685 mg, 1.55 mmol, 収率41%)を白色粉末として得た。
1H-NMR(400Hz, CD3OD)δ: 1.88-1.96(m, 1H), 2.04-2.12(m, 1H), 3.27-3.24(m, 3H), 3.64(dd, 1H, J=4.8 Hz, 11.9 Hz), 3.82(dd, 1H, J=1.8 Hz, 11.9 Hz), 3.94(dd, 1H, J=4.7 Hz, 6.6 Hz), 4.14-4.18(m, 1H), 4.90(d, 1H, J=8.9 Hz), 5.09(s, 2H), 7.27-7.46(m, 5H) .
ESIMS(m/z): 463.9([M+Na]+), 480.0([M+K]+).
(2) Gln-Glc;N-(L-グルタミニル)-β-D-グルコピラノシルアミン
Z-Gln-Glc(30.2 mg, 0.068 mmol)をメタノール(4 ml)に溶解し、2%パラジウム炭素触媒(19.9 mg)を加え、水素雰囲気下(大気圧)、室温にて2時間攪拌した。触媒をろ別し、ろ液を減圧濃縮後にメタノール(4 ml)に溶解し、2%パラジウム炭素触媒(17.9 mg)を加え、水素雰囲気下(大気圧)、室温にて6時間攪拌した。反応終了後、触媒をろ別し、ろ液を減圧濃縮してGln-Glc(13.0 mg, 0.042 mmol, 収率62%)を白色粉末として得た。
1H-NMR(400Hz, CD3OD)δ: 1.85-1.91(m, 1H), 1.95-2.02(m, 1H), 3.25-3.44(m, 4H), 3.64(dd, 1H, J=5.1 Hz, 11.9 Hz), 3.79(d, 1H, J=6.9 Hz), 3.83(dd, 1H, J=2.0 Hz, 11.9 Hz), 4.91(d, 1H, J=9.1 Hz).
ESIMS(m/z): 307.9([M+H]+), 330.1([M+Na]+).
実施例18 Trp-Glc;N-(L-トリプトフィル)-β-D-グルコピラノシルアミン
(1) Boc-Trp(Boc)-Glc;N-(N,N'-ジ-tert-ブチルオキシカルボニル-L-トリプトフィル)-β-D-グルコピラノシルアミン
N,N'-ジ-tert-ブチルオキシカルボニル-L-トリプトファン (Boc-Trp(Boc))(704 mg, 1.74 mmol)をテトラヒドロフラン(3 ml)に室温にて溶解した後、氷浴を用いて冷却した。この溶液にトリエチルアミン(0.35 ml, 2.61 mmol)とクロロギ酸イソブチル(0.35 ml, 2.62 mmol)を加えた後、30分間攪拌した。続いてD-グルコピラノシルアミン(463 mg, 2.61 mmol)をメタノール/水(4 ml/1 ml)に溶解させて加えた。室温に昇温して1時間半攪拌した後、反応溶液を減圧濃縮し、残渣をODSカラムクロマトグラフィー(グラジエント;メタノール:水=23:77→58:42)にて精製し、Boc-Trp(Boc)-Glc(193 mg, 0.34 mmol, 収率20%)を淡黄色粉末として得た。
1H-NMR(400 MHz, CD3OD)δ: 1.36(s, 9H), 1.69(s, 9H), 2.95-3.00(m, 1H),3.25-3.44(m, 3H), 3.69-3.73(m, 1H), 3.85-3.88(m, 1H), 4.45(dd, 1H, J=4.6 Hz, 9.3 Hz), 4.96(d, 1H, J=9.1 Hz), 7.24-7.33(m, 2H), 7.53(s, 1H), 7.68(d, 1H, J=7.5 Hz), 8.10(d, 1H, J=8.2 Hz).
ESIMS(m/z): 588.1([M+Na]+), 603.9([M+K]+), 564.0([M-H]-).
(2) Trp-Glc;N-(L-トリプトフィル)-β-D-グルコピラノシルアミン
Boc-Trp(Boc)-Glc(30.5 mg, 0.05 mmol)を氷浴にて冷却し、4N塩化水素/ジオキサン(4 ml)を加えた後、室温に昇温して50分間攪拌した。反応液を減圧濃縮した後、メタノール/水(1 ml/1 ml)に溶解させ、Amberlite-OH樹脂にて中和した後、樹脂をろ別した。残渣を濃縮し、Trp-Glc(8.0 mg, 0.022 mmol, 収率44%)を淡黄色粉末として得た。
1H-NMR(400 MHz, D2O)δ: 3.02-3.14(2H, m), 3.24-3.46(m, 4H), 3.64(dd, 1H, J=4.9 Hz, 13.5 Hz), 3.70(t, 1H, J=6.3 Hz), 3.78(dd, 1H, J=2.4 Hz, 12.3 Hz), 7.07(dt, 2H, J=0.9 Hz, 7.9 Hz), 7.15(dt, 1H, J=1.0 Hz, 8.1 Hz), 7.15(s, 1H), 7.41(d, 1H, J=8.2 Hz), 7.61(d, 1H, J=7.8 Hz).
ESIMS(m/z): 366.1([M+H]+), 388.1([M+Na]+), 731.1([2M+H]+), 363.7([M-H]-).
実施例19 His-Glc;N-(L-ヒスチジル)-β-D-グルコピラノシルアミン
(1) Z-His(Z)-Glc;N-(N,N'-ビス(ベンジルオキシカルボニル)-L-ヒスチジル)-β-D-グルコピラノシルアミン
実施例2の工程(1)と同様にして、N,N'-ビス(ベンジルオキシカルボニル)-L-ヒスチジン (Z-His(Z))(715 mg, 1.49 mmol)より、Z-His(Z)-Glc(49.7 mg, 0.085 mmol, 収率6%)を淡黄色粉末として得た。
1H-NMR(400 MHz, CD3OD)δ: 2.87-2.99(1H, m), 3.01-3.16(1H, m), 3.31-3.42(3H, m), 3.66-3.77(1H, m), 3.81-3.89(2H, m), 4.20-4.92(1H, m), 4.98-5.19(3H, m), 5.43(2H, d, J=5.9 Hz), 7.14-7.50(11H, m), 8.81(1H, s).
ESIMS(m/z): 585.0([M+H]+), 606.9([M+Na]+), 583.1([M-H]-).
(2) His-Glc;N-(L-ヒスチジル)-β-D-グルコピラノシルアミン
Z-His(Z)-Glc(21.6 mg, 0.035 mmol)をメタノール(1 ml)に溶解し、2%パラジウム炭素触媒(24.3 mg)を加え、水素雰囲気下(大気圧)、室温にて1時間半攪拌した。触媒をろ別し、ろ液を減圧濃縮して1H-NMR測定したところ、Z基の残存を確認した。そこで再度メタノール(1 ml)に溶解させ、20%水酸化パラジウム炭素触媒 (18.2 mg)を加え、水素雰囲気下(大気圧)、室温にて1時間半攪拌した。触媒をろ別し、ろ液を減圧濃縮して1H-NMR測定し、Z基の残存を確認した。そこでメタノール(1 ml)、水(ガラスピペットで数滴)に溶解させ、20%水酸化パラジウム炭素触媒(18.2 mg)を加え、水素雰囲気下(大気圧)、室温にて1時間半攪拌した。反応終了後、触媒をろ別し、ろ液を減圧濃縮してHis-Glc(8.6 mg, 0.027 mmol, 収率77%)を淡黄色粉末として得た。
1H-NMR(400 MHz, D2O)δ: 2.74-2.92(m, 1H), 3.25-3.50(m, 3H), 3.61-3.68(m, 2H), 3.71-3.80(m, 2H), 4.86(d, 1H, J=9.1 Hz), 6.88(s, 1H), 7.59(s, 1H) .
ESIMS(m/z): 317.0([M+H]+), 339.0([M+Na]+), 314.7([M-H]-).
実施例20 Arg-Glc;N-(L-アルギニル)-β-D-グルコピラノシルアミン
(1) Z-Arg(Z)2-Glc;N-(トリス(ベンジルオキシカルボニル)-L-アルギニル)-β-D-グルコピラノシルアミン
トリス(ベンジルオキシカルボニル)-L-アルギニン (Z-Arg(Z)2)(710 mg, 1.21 mmol)をテトラヒドロフラン(5 ml)に室温にて溶解した後、氷浴を用いて冷却した。この溶液にトリエチルアミン(0.34 ml, 2.42 mmol)とクロロギ酸イソブチル(0.24 ml, 1.82 mmol)を加えた後、30分間攪拌した。続いてD-グルコピラノシルアミン(329 mg, 1.82 mmol)をメタノール/水(2 ml/1.5 ml)に溶解させて加えたところ、白色固体が析出した。室温に昇温して10分間攪拌後、ろ別によって得られた固体をジエチルエーテル、メタノールの順でスラリー洗浄を行い、Z-Arg(Z)2-Glc(530 mg, 0.72 mmol, 収率60%)を淡黄色粉末として得た。
1H-NMR(400 MHz, DMSO-d6)δ: 1.47-1.61(4H, m), 3.03-3.12(m, 3H), 3.81-3.89(m, 2H), 4.03-4.08(m, 1H), 4.44(t, 1H, J=5.7 Hz), 4.70(t, 1H, J=8.9 Hz), 4.83(d, 1H, J=5.5 Hz), 4.88(d, 1H, J=5.0 Hz), 4.98-5.04(m, 4H), 5.22(s, 2H), 7.29-7.43(m, 15H).
ESIMS(m/z): 760.1([M+Na]+), 736.1([M-H]-).
(2) Arg-Glc;N-(L-アルギニル)-β-D-グルコピラノシルアミン
実施例8の工程(2)と同様にしてZ-Arg(Z)2-Glc(202 mg, 0.27 mmol)より、Arg-Glc(149 mg, 0.46 mmol, 収率84%)を白色粉末として得た。
1H-NMR(400 MHz, D2O)δ: 1.33-1.63(m, 4H), 3.07-3.12(m, 2H), 3.30-3.67(m, 2H), 3.42-3.47(m, 2H), 3.61-3.67(m, 2H), 3.79(dd, 1H, J=2.2 Hz), 4.90(d, 1H, J=9.0 Hz).
ESIMS(m/z): 336.1([M+H]+), 358.1([M+Na]+), 333.9([M-H]-).
実施例21 DOPA-Glc;N-(3,4-ジヒドロキシ-L-フェニルアラニル)-β-D-グルコピラノシルアミン
(1) DOPA-OMe;メチル 3,4-ジヒドロキシ-L-フェニルアラニナート塩酸塩
メタノール(50 ml)を恒温槽にて-5℃に冷却し、塩化チオニル(5 ml, 68.9 mmol)を滴下した。続いて3,4-ジヒドロキシ-L-フェニルアラニン (L-DOPA)(10.0 g, 50.7 mmol)を少しずつ加え、5分間攪拌した。室温に昇温後、50℃に加熱し、14時間攪拌した。続いて反応溶液を濃縮し、DOPA-OMe(14.3 g, 67.7 mmol, 収率quant.)を油状物質として得た。
1H-NMR(400 MHz, CD3OD)δ: 3.04(dd, 1H, J=7.4 Hz, 14.5 Hz), 3.13(dd, 1H, J=5.8 Hz, 14.5 Hz),3.84(s, 3H), 4.22-4.25(m, 1H), 6.58(dd, 1H, J=2.2 Hz, 8.0 Hz), 6.69(d, 1H, J=2.1 Hz), 6.77(d, 1H, J=8.0 Hz).
ESIMS(m/z): 212.7([M+H]+), 423.2([2M+H]+), 210.2([M-H]-), 241.1([M+Cl]-).
(2) Z-DOPA-OMe;メチル N-(ベンジルオキシカルボニル)-3,4-ジヒドロキシ-L-フェニルアラニナート
DOPA-OMe(1.26 g, 5.11 mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(10 ml)に溶解させ、トリエチルアミン(1.57 ml, 11.2 mmol)を加え、氷浴を用いて冷却した。この溶液にクロロギ酸ベンジル(0.802 ml, 5.62 mmol)を加えて室温に昇温し、1時間半攪拌した。1.5N塩酸(40 ml)を加え、ジエチルエーテル(40 ml)で2回抽出し、有機層を15%食塩水(40 ml)で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤をろ別し、ろ液を減圧濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(グラジエント;酢酸エチル:ヘキサン=1:19→9:11)にて精製し、Z-DOPA-OMe(593 mg, 1.72 mmol, 収率34%)を透明油状物質として得た。
1H-NMR(400 MHz,CDCl3)δ: 2.91-3.04(m, 2H), 3.72(s, 3H), 4.52-4.62(m, 1H),5.09(d, 2H, J=6.6 Hz), 5.28(d, 1H, J=8.1 Hz), 5.58(s, 1H), 5.66(s, 1H), 6.50(dd, 1H, J=1.6 Hz, 8.0 Hz), 6.56(br, 1H), 6.72(d, 1H, J=8.1 Hz), 7.30-7.37(m, 5H).
ESIMS(m/z):344.1[M-H]-,689.4[2M-H]-.
(3) Z-DOPA(OBn)2-OMe;メチル N-(ベンジルオキシカルボニル)-3,4-ビス(ベンジルオキシ)-L-フェニルアラニナート
Z-DOPA-OMe(593 mg, 1.72 mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(10 ml)に溶解させ、氷浴を用いて冷却した。この溶液に炭酸カリウム(713 mg, 5.16 mmol)、ベンジルブロミド(0.470 ml, 3.96 mmol)を加えて室温に昇温後、50℃に加熱し、1時間攪拌した。水(80 ml)を加え、ジエチルエーテル(50 ml)にて2回抽出した後、有機層を15%食塩水(40 ml)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤をろ別後、ろ液を減圧濃縮し、Z-DOPA(OBn)2-OMe(800 mg, 1.52 mmol, 収率88%)を白色粉末として得た。
1H-NMR(400 MHz,CDCl3)δ: 2.96-3.05(m, 2H), 3.64(s, 3H), 4.59-4.62(m, 1H), 5.07-5.12(m, 6H), 6.60(dd, 1H, J=2.0 Hz, 8.1 Hz), 6.70(d, 1H, J=1.7 Hz), 6.83(d, 1H, J=8.2 Hz), 7.28-7.43(m, 15H).
ESIMS(m/z): 526.3([M+H]+), 543.3([M+NH4]+), 548.2([M+Na]+), 564.2([M+K]+).
(4) Z-DOPA(OBn)2;N-(ベンジルオキシカルボニル)-3,4-ビス(ベンジルオキシ)-L-フェニルアラニン
Z-DOPA(OBn)2-OMe(416 mg, 0.793 mmol)をメタノール/テトラヒドロフラン(1 ml/2 ml)に溶解させ、氷浴を用いて冷却した。この溶液に1N水酸化リチウム水溶液(1.5 ml)、水(9 ml)を加え、室温に昇温して1時間攪拌した。Amberlite-H樹脂を加えて中和した後、樹脂をろ別した。残渣を濃縮し、Z-DOPA(OBn)2(405 mg, 0.793 mmol, 収率quant.)を白色粉末として得た。
1H-NMR(400 MHz,CDCl3)δ: 2.96-3.09(m, 2H), 4.57-4.64(m, 1H), 5.01-5.14(m, 6H), 6.64(dd, 1H, J=2.1 Hz, 8.2 Hz), 6.70(br, 1H), 6.83(d, 1H, J=8.2 Hz), 7.28-7.43(m, 15H).
ESIMS(m/z): 512.2([M+H]+), 529.2([M+NH4]+), 510.1([M-H]-).
(5) Z-DOPA(OBn)2-Glc;N-(N-(ベンジルオキシカルボニル)-3,4-ビス(ベンジルオキシ)-L-フェニルアラニル)-β-D-グルコピラノシルアミン
Z-DOPA(OBn)2(405 mg, 0.793 mmol)をテトラヒドロフラン(5 ml)に室温にて溶解した後、氷浴を用いて冷却した。この溶液にトリエチルアミン(0.221 ml,1.59 mmol)とピバロイルクロリド(0.125 ml, 1.03 mmol)を加えた後、30分間攪拌した。続いてD-グルコピラノシルアミン(185 mg, 1.03 mmol)をメタノール/水(2 ml/0.5 ml)に溶解させて加えた。室温に昇温して2時間攪拌した後、反応溶液を減圧濃縮し、残渣を水、ジエチルエーテルの順でスラリー洗浄してZ-DOPA(OBn)2-Glc(371 mg, 0.55 mmol, 収率70%)を白色粉末として得た。
1H-NMR(400 MHz,CDCl3)δ: 2.76-2.82(m, 1H), 3.11(dd, 1H, J=4.6 Hz, 14.2 Hz), 3.30-3.45(m, 3H), 3.68(dd, 1H, J=3.4 Hz, 11.5 Hz), 3.82-3.85(m, 1H), 4.39-4.42(m, 1H), 5.08(d, 1H, J=8.9 Hz), 6.80-6.84(m, 1H), 6.94(d, 1H, J=8.2 Hz), 7.02(d, 1H, J=1.8 Hz), 7.25-7.48(m, 15H).
ESIMS(m/z): 671.0([M-H]-).
(6) DOPA-Glc;N-(3,4-ジヒドロキシ-L-フェニルアラニル)-β-D-グルコピラノシルアミン
実施例2の工程(2)と同様にしてZ-DOPA(OBn)2-Glc(371 mg, 0.55 mmol)の脱保護を行った。ODSカラムクロマトグラフィーにて精製を行い、DOPA-Glc(56.7 mg, 0.158 mmol, 収率30%)を褐色粉末として得た。
1H-NMR(400 MHz,CDCl3)δ: 2.77-2.92(m, 2H), 3.27-3,49(m, 4H), 3.59-3.65(m, 1H), 3.71-3.80(m, 2H), 4.86(d, 1H, J=9.2 Hz), 6.61(dd, 1H, J=2.0 Hz, 8.1 Hz), 6.68(d, 1H, J=1,9 Hz), 6.76(d, 1H, J=8.1 Hz).
ESIMS(m/z): 359.1([M+H]+), 381.1([M+Na]+), 717.3([2M+H]+), 739.3. ([2M+Na]+),357.1([M-H]-), 715.3([2M-H]-).
試験例1:官能評価
ロイシンには特有の苦味があるが、Glc-LeuまたはGlc-Leu-Glcには苦味のマスキング効果があるか、官能試験にて調べた。まず3名の被験者A、B、Cは、食品添加物用ロイシンを水に0.5% (5000 ppm)の濃度で溶解した溶液を、マイクロピペットにて0.1 ml量り取り、舌に滴下後、吐き出すことで、ロイシンの苦味の強度を確認した。続いて3名の被験者A、B、Cは、Glc-LeuまたはGlc-Leu-Glcを水に0.5% (5000 ppm)の濃度で溶解した溶液を、マイクロピペットにて0.1 ml量り取り、舌に滴下後、吐き出すことで、先に確認したロイシンの苦味の強度と比較した。結果は以下の通りとなり、いずれの被験者もロイシンで確認した苦味を感じなかった。
試験例2:酵素評価
Leu-Glc(10 mg)を水(1 ml)に溶解させ、プロナーゼ(0.1%水溶液, 100 μl)を添加後、37℃の湯浴中で攪拌した。1%リン酸水溶液にて10倍希釈後、HPLCにて分析した結果を図1に示す。酵素を添加して2分後からロイシンが50%程度遊離し、30分後にはLeu-Glcがほぼ消失した。
HPLC分析条件は以下の通りである。
カラム:CAPCELLPAK MG (4.6x250 mm, 5μm)
カラム温度:40℃
移動相:A:100 mM KH2PO4, 5 mM 1-オクタンスルホン酸ナトリウム(pH 2.2)
B:アセトニトリル
溶離液:A/B=9/1 アイソクラティック
流速:1.5 ml/分
検出:フォトダイオードアレイ検出器 測定波長 210 nm
注入量:10μL
試験例3:人工腸液評価
第15改正日本薬局方の溶出試験に記載された第2液(pH 6.8リン酸塩緩衝液1容量に水1容量を加えたもの)に4%濃度でパンクレアチンを溶解し、人工腸液とした。
Glc-Phe(1.0 mg)を人工腸液(1 ml)に溶解させ、37℃湯浴中で攪拌し、HPLCにて分析した。その結果を図2に示す。3.5時間後には2%、22時間後には3%、46.5時間後には5%のPheが遊離した。
HPLC条件は以下の通りである。
カラム:CAPCELLPAK MG (4.6x250 mm, 5μm)
カラム温度:40℃
移動相:A: 100 mM KH2PO4, 5 mM 1-オクタンスルホン酸ナトリウム(pH 2.2)
B: アセトニトリル
溶離液:A/B=9/1 アイソクラティック
流速:1.5 ml/分
検出:フォトダイオードアレイ検出器 測定波長 210 nm
注入量:10μL
試験例4:溶解速度評価
Val、Ile、Leuまたはそれぞれに対応する糖アミノ酸(Val-Glc、Ile-Glc、Leu-Glc)を、それぞれ35℃の湯浴中で攪拌した水(25 ml)(内温32℃)に添加し、溶解速度を測定した。添加した試料の量および測定結果は表2および3に示す通りである(n=1)。Val、Ile、Leuに比べて、Val-Glc、Ile-Glc、Leu-Glcは、それぞれ等重量では4〜19倍、等モル量では2〜19倍速く溶けた。
試験例5:溶解度評価
25℃の恒温槽中で、水(1 ml)にVal、Ile、Leu、Tyrまたはそれぞれに対応する糖アミノ酸(Val-Glc、Ile-Glc、Leu-Glc、Tyr-Glc)を溶解しなくなるまで添加し、2日間攪拌することで溶解度を測定した。HPLCにて濃度を測定した結果、Val、IleおよびLeuに比べ、Val-Glc、Ile-GlcおよびLeu-Glcの溶解度は、それぞれ2〜12倍向上した。また、Tyr-GlcではTyrに比べて溶解度が178倍と著しく向上した。同様にDOPAおよびDOPA-Glcの溶解度を測定したが、DOPA-Glcは溶解度が極めて高く、重量濃度93.8 g/100g水においても溶解している状態であった。このことからDOPAに比べ135倍以上の溶解度があると示唆された。さらにDOPAおよびDOPA-Glcについて、25℃の恒温槽中で水(0.5 ml)を用いて同様に溶解度を測定した。DOPA-Glcを1.5 g程度添加したところ、水に溶解している状態であったが、この時点で粘性が高く攪拌が困難であったため、サンプルを希釈し、HPLCにて溶解度を測定した。その結果、DOPA-GlcはDOPAに比べて690倍以上の溶解度であった。
※糖アミノ酸のアミノ酸換算重量濃度は、溶解した糖アミノ酸のモル数に対応するアミノ酸の重量濃度であり、アミノ酸のアミノ酸換算重量濃度は、アミノ酸の重量濃度と等しい。
試験例6:動物評価結果
一晩絶食したSDラット13週齢雄(日本チャールスリバー)に、Leu、Val、Ileまたはそれぞれに対応する糖アミノ酸(Leu-Glc、Val-Glc、Ile-Glc)を所定の投与量となるよう蒸留水にて溶解または懸濁し、これを経口投与した。投与前および投与15分、30分、60分、90分、120分後ならびに一部180分および300分後までラット尾静脈より採血を行った。血漿に分離後、15%スルホサリチル酸溶液による除蛋白および限外ろ過後、ろ液を0.02 mmol/L塩酸と1:1の割合で混合し、アミノ酸分析機(日本電子(株))による分析を行い、血中アミノ酸濃度を求めた。
図3にLeuまたはLeu-Glc投与による血中Leu濃度変化、図4にValまたはVal-Glc投与による血中Val濃度変化、図5にIleまたはIle-Glc投与後の血中Ile濃度変化を示す。Leu-Glc、Val-GlcおよびIle-Glc経口投与により、それぞれ血中Leu、ValおよびIle濃度の上昇が認められた。このことより、Leu-Glc、Val-GlcおよびIle-Glcを経口投与した場合、それぞれ母核とするアミノ酸の血中濃度を上げることが示された。
実施例22
特開平8−73351号公報の開示に準じて、下記表5に示すアミノ酸組成物16.42部、サフラワー油1.43部、精製シソ油0.57部、デキストリン76.45部およびビタミン・ミネラル類5.13部を混合し、炎症性腸疾患用栄養組成物を調製する。
式G−NH−(式中、Gは前記と同義である。)で表される基がアミノ酸のカルボキシ基に導入された糖アミノ酸またはその塩は、アミノ酸自体が有する物性(特に水溶性、水中安定性、苦味等)が改善され、しかも、上記式G−NH−で表される基が生体内等でアミノ酸から脱離するので、当該糖アミノ酸またはその塩が、生体内等でアミノ酸に変換されるアミノ酸前駆体となり得る。従って、本発明のアミノ酸前駆体用化合物は摂取用として適しており、また水性組成物として、あるいは経口用途に適している。また、水溶性が比較的高いアミノ酸においても、このように水溶性が向上した本発明のアミノ酸前駆体用化合物を使用することで、アミノ酸の経口摂取用の水性組成物、液状組成物等の調製において、その汎用性が大きく向上することとなる。
本出願は、日本で出願された特願2014−009015を基礎としており、その内容は本明細書にすべて包含されるものである。

Claims (20)

  1. 式(I):

    [式中、
    AAは、α−アミノ酸残基であって、当該α−アミノ酸は、ロイシン、フェニルアラニン、チロシン、イソロイシン、プロリン、トレオニン、メチオニン、グルタミン酸、グルタミン、トリプトファン、アルギニンまたは3,4−ジヒドロキシフェニルアラニンを示し、当該α−アミノ酸のα位のアミノ基は式(I)中のRおよびX と結合し、かつ当該α−アミノ酸のα位のカルボキシル基は式(I)中の式G −NHと結合しており
    は、水素原子、またはG−O−C(O)−で表される基(Gは、全ての水酸基が保護も修飾もされていない糖残基であって、当該糖は、グルコース、グルコサミンまたはN−アセチルグルコサミンを示し、G は、その1位において、O−C(O)とO−グルコシド結合している。)を示し;
    は、全ての水酸基が保護も修飾もされていない糖残基であって、当該糖は、グルコース、グルコサミンまたはN−アセチルグルコサミンを示し、G は、その1位において、式(I)中のNHとN−グルコシド結合しており
    Rは、水素原子またはアルキル基を示す。]
    で表される化合物またはその塩であるアミノ酸前駆体用化合物。
  2. で示される、全ての水酸基が保護も修飾もされていない糖残基の糖が、グルコースである、請求項1に記載のアミノ酸前駆体用化合物。
  3. Rが水素原子である、請求項1または2に記載のアミノ酸前駆体用化合物。
  4. が水素原子であり、かつRが水素原子である、請求項1記載のアミノ酸前駆体用化合物。
  5. で示される、全ての水酸基が保護も修飾もされていない糖残基の糖が、グルコースである、請求項4に記載のアミノ酸前駆体用化合物。
  6. AAで示されるアミノ酸残基のアミノ酸が、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、チロシンまたは3,4−ジヒドロキシフェニルアラニンである、請求項1〜5のいずれかに記載のアミノ酸前駆体用化合物。
  7. 生体内でアミノ酸に変換される、請求項1〜6のいずれかに記載のアミノ酸前駆体用化合物。
  8. 摂取用である、請求項1〜7のいずれかに記載のアミノ酸前駆体用化合物。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載のアミノ酸前駆体用化合物および担体を含む摂取用組成物。
  10. 経口用である、請求項9記載の摂取用組成物。
  11. α−アミノ酸のα位のカルボキシ基に式G−NH−(式中、Gは、全ての水酸基が保護も修飾もされていない糖残基であって、当該糖は、グルコース、グルコサミンまたはN−アセチルグルコサミンを示し、G は、その1位において、NHとN−グルコシド結合している。)で表される基を導入することを含む、アミノ酸の苦味を低減する方法。
  12. で示される、全ての水酸基が保護も修飾もされていない糖残基の糖が、グルコースである、請求項11に記載の方法。
  13. アミノ酸が、バリン、ロイシンまたはイソロイシンである、請求項11または12に記載の方法。
  14. カルボキシ基に式G−NH−で表される基が導入されたアミノ酸が、生体内でアミノ酸に変換される、請求項11〜13のいずれかに記載の方法。
  15. 式(Ia):

    [式中、
    AAaは、ロイシン、イソロイシン、チロシンおよび3,4−ジヒドロキシフェニルアラニンから選ばれるα−アミノ酸の残基を示し、当該α−アミノ酸のα位のアミノ基は式(Ia)中のRおよびX と結合し、かつ当該α−アミノ酸のα位のカルボキシル基は式(Ia)中の式G 2a −NHと結合しており
    は、水素原子、またはG−O−C(O)−で表される基(Gは、全ての水酸基が保護も修飾もされていない糖残基であって、当該糖は、グルコース、グルコサミンまたはN−アセチルグルコサミンを示し、G は、その1位において、O−C(O)とO−グルコシド結合している。)を示し;
    2aは、全ての水酸基が保護も修飾もされていない単糖残基であって、当該単糖は、グルコース、グルコサミンまたはN−アセチルグルコサミンを示し、G 2a は、その1位において、式(Ia)中のNHとN−グルコシド結合しており
    Rは、水素原子またはアルキル基を示す。]
    で表される化合物またはその塩。
  16. 2aで示される、全ての水酸基が保護も修飾もされていない単糖残基の糖が、グルコースである、請求項15に記載の化合物またはその塩。
  17. Rが水素原子である、請求項15または16に記載の化合物またはその塩。
  18. が水素原子であり、かつRが水素原子である、請求項15記載の化合物またはその塩。
  19. 2aで示される、全ての水酸基が保護も修飾もされていない単糖残基の糖が、グルコースである、請求項18に記載の化合物またはその塩。
  20. 生体内でアミノ酸に変換される、請求項15〜19のいずれかに記載の化合物またはその塩。
JP2015559094A 2014-01-21 2015-01-21 糖アミノ酸およびその用途 Expired - Fee Related JP6601220B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014009015 2014-01-21
JP2014009015 2014-01-21
PCT/JP2015/051560 WO2015111627A1 (ja) 2014-01-21 2015-01-21 糖アミノ酸およびその用途

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2015111627A1 JPWO2015111627A1 (ja) 2017-03-23
JP6601220B2 true JP6601220B2 (ja) 2019-11-06

Family

ID=53681428

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015559094A Expired - Fee Related JP6601220B2 (ja) 2014-01-21 2015-01-21 糖アミノ酸およびその用途

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20170007709A1 (ja)
JP (1) JP6601220B2 (ja)
WO (1) WO2015111627A1 (ja)

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57116043A (en) * 1981-01-12 1982-07-19 Tetsuo Suami New nitrosourea derivative and its preparation
JPS5984900A (ja) * 1982-11-05 1984-05-16 Toyo Jozo Co Ltd ブレディニンの新規な化学的製造法
JPS61124354A (ja) * 1984-11-19 1986-06-12 Ajinomoto Co Inc 甘味付与方法
US5280113A (en) * 1989-08-16 1994-01-18 Monsanto Company Method for producing synthetic N-linked glycoconjugates
DK0716658T3 (da) * 1993-08-30 1997-12-22 Bayer Ag Glycosylamider af 2-aminocylamino-2-desoxysukkerarter
DE10111058A1 (de) * 2001-03-08 2002-09-12 Boehringer Ingelheim Pharma Neue Arzneimittelkompositionen auf der Basis von Anticholinergika und NK¶1¶-Rezeptor-Antagonisten
GB0100115D0 (en) * 2001-01-04 2001-02-14 Alchemia Pty Ltd Delivery systems
CZ295117B6 (cs) * 2003-01-27 2005-05-18 Ústav Makromolekulární Chemie Av Čr Polymerní nosiče s vázanými sacharidy pro imobilizaci biologických systémů
WO2007063907A1 (ja) * 2005-11-30 2007-06-07 Shionogi & Co., Ltd. ペプチド糖鎖付加体およびそれを有効成分とする医薬
KR101187064B1 (ko) * 2010-07-18 2012-09-28 주식회사 바이오폴리메드 양이온성 지질, 이의 제조 방법 및 이를 포함하는 세포내 이행성을 갖는 전달체

Also Published As

Publication number Publication date
WO2015111627A1 (ja) 2015-07-30
JPWO2015111627A1 (ja) 2017-03-23
US20170007709A1 (en) 2017-01-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10239902B2 (en) Stable peptide-conjugated ascorbic acid derivative, method for preparing same, and cosmetic composition comprising same
CN108794422A (zh) 作为pd-l1抑制剂的杂环类化合物
US20100047841A1 (en) Synthesis of desacetoxytubulysin h and analogs thereof
AU2010297024A1 (en) Prodrugs of guanfacine
CN111491937A (zh) 作为精氨酸酶抑制剂的杂环化合物
JPH01294692A (ja) ジペプチド化合物およびその調製方法
CN113614095A (zh) 作为精氨酸酶抑制剂的烷基硼酸类化合物
JP6601220B2 (ja) 糖アミノ酸およびその用途
ES2738858T3 (es) Formas cristalinas de s-acetil glutatión, sus preparaciones y usos en formulaciones farmacéuticas y nutracéuticas
Jones et al. Synthesis and characterisation of glucosamine–NSAID bioconjugates
KR101051812B1 (ko) 신규 세라마이드 유도체 및 그 제조방법
WO2008125418A2 (fr) Procede de synthese de peptides sans solvant
JP6520712B2 (ja) 糖アミノ酸およびその用途
FR2622195A1 (fr) Nouveaux isopolypeptides, procede pour leur preparation et medicaments les contenant
WO2012129671A1 (en) Prodrugs of d-isoglutamyl-[d/l]-tryptophan
NO142523B (no) Fremgangsmaate ved fremstilling av aminosyreamider av dopamin
CA3214265A1 (en) Amino acid derivative, preparation method therefor, and pharmaceutical composition for treating hepatitis, comprising same
CA3003378A1 (en) Citric acid derivatives against liver disorder
KR20170133845A (ko) 펩타이드가 결합된 안정한 아스코르빈산 유도체를 포함하는 피부 염증 완화용 조성물
CA2898081A1 (fr) Derives amphiphiles de composes triazamacrocycles, produits et compositions les comprenant, leurs procedes de synthese et leurs utilisations
US6639075B2 (en) Lactam-aldehyde compound and process of preparing same
TW202302621A (zh) 包含左旋多巴-酪胺酸結合物之穩定液體組合物及其用途
CN117769541A (zh) 作为抗病毒剂的蛋白酶抑制剂
JP2019034934A (ja) ペプチド型細菌ジペプチジルペプチダーゼ7阻害剤
CA3076794A1 (fr) Agents inhibant la proteine tctp pour le traitement de maladies proliferatives, de maladies infectieuses, d'allergies, d'inflammations et/ou de l'asthme

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180116

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181218

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20190213

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190415

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190514

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190711

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190910

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190923

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6601220

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees