JP6444160B2 - トナーおよび二成分系現像剤 - Google Patents
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Description
トナーの結着樹脂に結晶性樹脂を用いる場合、低温定着性は向上するものの、高温での弾性が低下し、トナーが定着部材(定着ローラー、定着ベルトなど)に付着する現象、いわゆるホットオフセット(高温オフセット)が生じる場合がある。
ポリエステルαを主成分とする結着樹脂、
着色剤、
ワックス、および、
結晶性ポリエステル
を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該ポリエステルが、多価アルコールユニットおよび多価カルボン酸ユニットを有し、
該ポリエステルが、該多価アルコールユニットとして、ノボラック型フェノール樹脂のアルキレンオキサイド付加物に由来する多価アルコールユニットNを有し、
該ポリエステルαが、該多価カルボン酸ユニットとして、炭素数4以上16以下の直鎖状の炭化水素を主鎖とし、該主鎖の両末端にカルボキシ基が結合してなる脂肪族ジカルボン酸に由来する多価カルボン酸ユニットFを有する、ことを特徴とするトナーである。
ポリエステルαを主成分とする結着樹脂、
着色剤、
ワックス、および、
結晶性ポリエステル
を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該ポリエステルが、多価アルコールユニットおよび多価カルボン酸ユニットを有し、
該ポリエステルが、該多価アルコールユニットとして、ノボラック型フェノール樹脂のアルキレンオキサイド付加物(オキシアルキレンエーテル)に由来する多価アルコールユニットNを有し、
該ポリエステルαが、該多価カルボン酸ユニットとして、炭素数4以上16以下の直鎖状の炭化水素を主鎖とし、該主鎖の両末端にカルボキシ基が結合してなる脂肪族ジカルボン酸に由来する多価カルボン酸ユニットFを有する、ことを特徴とする。
よって、本発明者らは、結晶性ポリエステルを結着樹脂と相溶させ、トナー粒子の軟化剤として作用させる効果と、トナー粒子中に結晶状態で存在させ、離型剤として作用させる効果とを併せ持たせることが重要であることを見出した。
しかしながら、トナー粒子の結着樹脂として、ポリエステルαを主成分とする樹脂を用いた場合、トナー粒子における結晶性ポリエステルの含有量を多くし、結晶性ポリエステルの結晶化の程度を高めただけでは、結着樹脂との親和性が高くなりすぎてしまう。すると、定着時にトナー粒子から結晶性ポリエステルが染み出しにくくなるため、十分な離型性が発現せず、十分な耐ホットオフセット性が得られなかった。
本発明において、トナー粒子の結着樹脂には、ポリエステル(ポリエステルα)を主成分とする樹脂が用いられる。ポリエステルは、一般的に、多価アルコールユニットおよび多価カルボン酸ユニットを有している。多価アルコールユニットは、縮重合反応によってポリエステルを得る際に使用した多価アルコールに由来するユニット(構成要素)である。また、多価カルボン酸ユニットは、縮重合反応によってポリエステルを得る際に使用した多価カルボン酸もしくはその無水物またはその誘導体である低級アルキルエステルに由来するユニット(構成要素)である。
ノボラック型フェノール樹脂と、
分子中1個のエポキシ環を有する化合物(エポキシド)と、
の反応物である。
塩酸、リン酸、硫酸などの無機酸や、
パラトルエンスルホン酸、シュウ酸などの有機酸や、
酢酸亜鉛などの金属塩、
などを触媒として用い、フェノール類とアルデヒド類とを縮重合させるにより製造されるものが挙げられる。これらは、非特許文献1に記載されている。
ノボラック型フェノール樹脂の数平均分子量は、300以上8000以下であることが好ましく、450以上3000以下であることがより好ましく、500以上1000以下であることがさらに好ましい。
また、ノボラック型フェノール樹脂の軟化点(JIS K2531:環球法)は、40℃以上180℃以下であることが好ましく、40℃以上150℃以下であることがより好ましく、50℃以上130℃以下であることがさらに好ましい。軟化点が40℃以上であれば、常温でブロッキングしにくく、取り扱いやすい。軟化点が180℃以下であれば、ポリエステルαの製造過程でゲル化を引き起こしにくい。
ノボラック型フェノール樹脂1モルに対する、分子中1個のエポキシ環を有する化合物の付加モル数は、1モル以上30モル以下であることが好ましく、2モル以上15モル以下であることがより好ましい。さらには、2.5モル以上10モル以下であることがより好ましい。
ノボラック型フェノール樹脂中のフェノール性ヒドロキシ基1個に対する分子中1個のエポキシ環を有する化合物の平均付加モル数は、0.1モル以上10モル以下であることが好ましく、0.1モル以上4モル以下であることがより好ましい。さらには、0.2モル以上2モル以下であることがより好ましい。
必要により、触媒(塩基性触媒または酸性触媒)の存在下、ノボラック型フェノール樹脂に分子中1個のエポキシ環を有する化合物を付加反応させることにより、ノボラック型フェノール樹脂のアルキレンオキサイド付加物が得られる。反応温度は、20℃以上250℃以下であることが好ましく、70℃以上200℃以下であることがより好ましい。付加反応は、常圧下、加圧下または減圧下において行うことができる。また、付加反応は、例えば、キシレン、ジメチルホルムアミドなどの溶媒や、他の2価アルコール類および/または他の3価以上のアルコール類の存在下で行うこともできる。
炭素数6以上18以下のアルキル基またはアルケニル基で置換されたコハク酸や、それらの無水物;
フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸などの不飽和ジカルボン酸類や、それらの無水物などが挙げられる。これらの中でも、耐ホットオフセット性の観点から、テレフタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸や、それらの無水物などの、芳香環をもつカルボン酸またはそれらの誘導体が好ましい。
ビニル系ポリマーを構成しうるモノマーのうち、ポリエステルαと反応しうるものとしては、例えば、カルボキシ基またはヒドロキシ基(水酸基)を有するモノマーや、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類などが挙げられる。
本発明のトナーのトナー粒子は、ワックスを含有する。ワックスは、離型剤として作用しうる。
ワックスとしては、例えば、以下のものが挙げられる。
低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アルキレン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスなどの炭化水素系ワックス;
酸化ポリエチレンワックスなどの炭化水素系ワックスの酸化物またはそれらのブロック共重合物;
カルナバワックスなどの脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;
脱酸カルナバワックスなどの脂肪酸エステル類を一部または全部を脱酸化したもの;
パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸などの飽和直鎖脂肪酸類;
ブラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸などの不飽和脂肪酸類;
ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールなどの飽和アルコール類;
ソルビトールなどの多価アルコール類;
パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸などの脂肪酸類と、ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールなどのアルコール類とのエステル類;
リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドなどの脂肪酸アミド類;
メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドなどの飽和脂肪酸ビスアミド類;
エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミドなどの不飽和脂肪酸アミド類;
m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミドなどの芳香族系ビスアミド類;
ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪族金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);
脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸などのビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;
ベヘニン酸モノグリセリドなどの脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;
植物性油脂の水素添加によって得られるヒドロキシ基を有するメチルエステル化合物。
本発明のトナーのトナー粒子に用いられる着色剤としては、例えば、以下のものが挙げられる。
C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48:2、48:3,48:4、49、50、51、52、53、54、55、57:1、58、60、63、64、68、81:1、83、87、88、89、90、112、114、122、123、146、147、150、163、184、202、206、207、209、238、269、282;
C.I.ピグメントバイオレット19;
C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35。
C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121;
C.I.ディスパースレッド9;
C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27;
C.I.ディスパーバイオレット1
などの油溶染料や、
C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40;
C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28
などの塩基性染料。
C.I.ピグメントブルー2、3、15:2、15:3、15:4、16、17;
C.I.バットブルー6;
C.I.アシッドブルー45;
フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1個以上5個以下置換した銅フタロシアニン顔料。
イエロー着色剤のうち、イエロー顔料としては、例えば、以下のものが挙げられる。
C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、185;
C.I.バットイエロー1、3、20。
トナー粒子における着色剤の含有量は、トナー粒子における結着樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上30質量部以下であることが好ましい。
トナー粒子には、必要に応じて、荷電制御剤を含有させてもよい。
荷電制御剤としては、例えば、芳香族カルボン酸の金属化合物が挙げられる。芳香族カルボン酸の金属化合物は、無色で、トナーの帯電スピードが速く、一定の帯電量を安定して保持しやすいため、好ましい荷電制御剤である。
ポジ系荷電制御剤としては、例えば、四級アンモニウム塩、四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物などが挙げられる。
荷電制御剤はトナー粒子に内添してもよいし、トナー粒子に外添してもよい。
トナー粒子における荷電制御剤の含有量は、トナー粒子における結着樹脂100質量部に対して0.2質量部以上10質量部以下であることが好ましい。
本発明のトナーのトナー粒子は、結晶性ポリエステルを含有する。結晶性ポリエステルは、トナー粒子の軟化剤として作用しうる。
アルコール成分である炭素数2以上22以下の脂肪族ジオールと、
酸成分である炭素数2以上22以下の脂肪族ジカルボン酸と、
を主成分として含む単量体組成物を縮重合反応させることにより得られるものが好ましい。
鎖状の脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−ブタジエングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、オクタメチレングリコール、ノナメチレングリコール、デカメチレングリコール、ネオペンチルグリコールなどが挙げられる。これらの中でも、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどの直鎖脂肪族ジオール、α,ω−ジオールが好ましい。
上記脂肪族ジオール以外の多価アルコール単量体のうち、2価アルコール単量体としては、例えば、
ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールAなどの芳香族アルコール;
1,4−シクロヘキサンジメタノール
などが挙げられる。
また、上記脂肪族ジオール以外の多価アルコール単量体のうち、3価以上の多価アルコール単量体としては、例えば、
1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンなどの芳香族アルコール;
ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセリン、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンなどの脂肪族アルコール
などが挙げられる。
鎖状の脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、グルタコン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ノナンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン酸などが挙げられる。また、これらの酸無水物または低級アルキルエステルを加水分解したものなども用いることができる。
上記脂肪族ジカルボン酸以外の多価カルボン酸単量体のうち、2価のカルボン酸としては、例えば、
イソフタル酸、テレフタル酸などの芳香族カルボン酸;
n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸の脂肪族カルボン酸;
シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式カルボン酸
などが挙げられる。また、これらの酸無水物または低級アルキルエステルなども用いることができる。
また、上記脂肪族ジカルボン酸以外のカルボン酸単量体のうち、3価以上の多価カルボン酸としては、例えば、
1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸などの芳香族カルボン酸;
1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシ−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパンなどの脂肪族カルボン酸
などが挙げられる。また、これらの酸無水物または低級アルキルエステルなども用いることができる。
本発明のトナーのトナー粒子には、必要に応じて、無機微粒子を含有させてもよい。
無機微粒子は、トナー粒子に内添してもよいし、外添剤としてトナー粒子と混合してもよい。
外添剤として用いられる無機微粒子としては、例えば、シリカ、酸化チタン(チタニア)、酸化アルミニウム(アルミナ)などが挙げられる。
無機微粒子は、例えば、シラン化合物、シリコーンオイルまたはそれらの混合物などの疎水化剤で疎水化されていることが好ましい。
本発明のトナーは、一成分系現像剤としても使用でき、二成分系現像剤用のトナーとしても使用できる。ドット再現性を向上させるためには、また、長期にわたり安定した画像を得るためには、磁性キャリアと混合して、二成分系現像剤のトナーとして用いることが好ましい。
表面を酸化させた鉄粉;
未酸化の鉄粉;
鉄、リチウム、カルシウム、マグネシウム、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム、希土類などの金属粒子、それらの合金粒子、それらの酸化物粒子;
フェライトなどの磁性体;
磁性体と、この磁性体を分散した状態で保持する結着樹脂とを含有する磁性体分散樹脂キャリア(いわゆる樹脂キャリア)
などが挙げられる。
トナー粒子を製造する方法としては、例えば、結着樹脂、ワックス(離型剤)、着色剤および結晶性ポリエステルを溶融混練し、得られた混練物を冷却後、粉砕および分級する粉砕法が挙げられる。
樹脂のテトラヒドロフラン(THF)可溶分の分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
まず、室温で24時間かけて、トナーをTHFに溶解させる。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マエショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。なお、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が0.8質量%となるように調製する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置:HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
カラム:Shodex KF−801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工社製)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/分
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:0.10mL
樹脂の軟化点の測定は、定荷重押し出し方式の細管式レオメーター「流動特性評価装置 フローテスターCFT−500D」(島津製作所社製)を用い、装置付属のマニュアルに従って行う。本装置では、測定試料の上部からピストンによって一定荷重を加えつつ、シリンダーに充填した測定試料を昇温させて溶融させ、シリンダー底部のダイから溶融した測定試料を押し出し、この際のピストン降下量と温度との関係を示す流動曲線を得ることができる。
CFT−500Dの測定条件は、以下のとおりである。
試験モード:昇温法
開始温度:50℃
到達温度:200℃
測定間隔:1.0℃
昇温速度:4.0℃/分
ピストン断面積:1.000cm2
試験荷重(ピストン荷重):10.0kgf(0.9807MPa)
予熱時間:300秒
ダイの穴の直径:1.0mm
ダイの長さ:1.0mm
樹脂のガラス転移温度は、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、樹脂5mgを精秤し、アルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定範囲30℃以上200℃以下の間で、昇温速度10℃/分で測定を行う。一度180℃まで昇温させ、10分間保持し、続いて30℃まで降温し、その後に再度昇温を行う。この2度目の昇温過程で、温度30℃以上100℃以下の範囲において比熱変化が得られる。このときの比熱変化が出る前と出た後のベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を、樹脂のガラス転移温度(Tg)とする。
トナー粒子の重量平均粒径(D4)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定および測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出する。
測定に使用する電解水溶液は、例えば、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が1質量%となるようにしたものが使用できる。そのような電解水溶液としては、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が挙げられる。
上記専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液を「ISOTON II」に設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μm以上60μm以下に設定する。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250mL丸底ビーカーに上記電解水溶液200mLを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100mL平底ビーカーに上記電解水溶液30mLを入れる。そして、この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を0.3mL加える。
(3)電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に「コンタミノンN」を2mL添加する。この超音波分散器は、発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵している。
(4)上記(2)のビーカーを上記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)上記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー10mgを少量ずつ上記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となるように調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した上記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した上記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の上記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。なお、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
・ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:68.2質量部(0.19モル:多価アルコール総モル数に対して97.0モル%)
・ノボラック型フェノール樹脂(核体数約5のエチレンオキサイド5mol付加物):4.4質量部(0.01モル:多価アルコール総モル数に対して3.0モル%)
・テレフタル酸:15.0質量部(0.09モル:多価カルボン酸総モル数に対して55.0モル%)
・アジピン酸:6.0質量部(0.04モル:多価カルボン酸総モル数に対して25.0モル%)
・チタンテトラブトキシド(エステル化触媒):0.5質量部
冷却管、撹拌機、窒素導入管および熱電対のついた反応槽に上記材料を秤量して入れた。次に、フラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、2時間反応させた。
・無水トリメリット酸:6.4質量部(0.03モル:多価カルボン酸総モル数に対して20.0モル%)
・tert−ブチルカテコール(重合禁止剤):0.1質量部
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度160℃に維持したまま、15時間反応させた。そして、ASTM D36−86に従って測定した軟化点が表1に示す温度に達したのを確認してから温度を下げて反応を止め(第2反応工程)、結着樹脂A1を得た。得られた結着樹脂A1のピーク分子量、軟化点およびガラス転移温度を表1に示す。
結着樹脂A1の製造例において、多価アルコール成分および/または多価カルボン酸成分のモル比率を表1に示すようにそれぞれのモノマーの量を変更し、軟化点が表1に示すように第二反応の時間を変更した。それら以外は、結着樹脂A1の製造例と同様にして反応を行い、結着樹脂A2〜A14を得た。結着樹脂A2〜A14の物性を表1に示す。
・ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:47.1質量部(0.13モル:多価アルコール総モル数に対して90.0モル%)
・ノボラック型フェノール樹脂(核体数約5のプロピレンオキサイド5mol付加物):11.9質量部(0.01モル:多価アルコール総モル数に対して10.0モル%)
・テレフタル酸:16.3質量部(0.10モル:多価カルボン酸総モル数に対して80.0モル%)
・チタンテトラブトキシド(エステル化触媒):0.5質量部
冷却管、撹拌機、窒素導入管および熱電対のついた反応槽に上記材料を秤量して入れた。次に、フラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、2時間反応させた。
・アクリル酸:0.5質量部
・スチレン:16.4質量部
・2−エチルヘキシルアクリレート:3.1質量部
・ジブチルパーオキサイド(重合開始剤):1.5質量部
その後、上記混合物を滴下ロートにより1時間かけて滴下し、1時間保持した(StAc化反応工程)。
・無水トリメリット酸:6.4質量部(0.03モル:多価カルボン酸総モル数に対して20.0モル%)
・tert−ブチルカテコール(重合禁止剤):0.1質量部
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度160℃に維持したまま、15時間反応させた。そして、ASTM D36−86に従って測定した軟化点が表1に示す温度に達したのを確認してから温度を下げて反応を止め(第2反応工程)、結着樹脂A15を得た。得られた結着樹脂A15のピーク分子量、軟化点およびガラス転移温度を表1に示す。
・ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:71.9質量部(0.20モル:多価アルコール総モル数に対して100.0モル%)
・テレフタル酸:26.8質量部(0.16モル:多価カルボン酸総モル数に対して96.0モル%)
・チタンテトラブトキシド(エステル化触媒):0.5質量部
冷却管、撹拌機、窒素導入管および熱電対のついた反応槽に上記材料を秤量して入れた。次に、フラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、4時間反応させた。
・無水トリメリット酸:1.3質量部(0.01モル:多価カルボン酸総モル数に対して4.0モル%)
・tert−ブチルカテコール(重合禁止剤):0.1質量部
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度180℃に維持したまま、1時間反応させた。そして、ASTM D36−86に従って測定した軟化点が表1に示す温度に達したのを確認してから温度を下げて反応を止め(第2反応工程)、結着樹脂B1を得た。得られた結着樹脂B1の数平均分子量、軟化点およびガラス転移温度を表1に示す。
・ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:64.7質量部(0.18モル:多価アルコール総モル数に対して100.0モル%)
・テレフタル酸:24.1質量部(0.15モル:多価カルボン酸総モル数に対して96.0モル%)
・チタンテトラブトキシド(エステル化触媒):0.5質量部
冷却管、撹拌機、窒素導入管および熱電対のついた反応槽に上記材料を秤量して入れた。次に、フラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、2時間反応させた。
・アクリル酸:0.2質量部
・スチレン:8.2質量部
・2−エチルヘキシルアクリレート:1.6質量部
・ジブチルパーオキサイド(重合開始剤):1.5質量部
その後、上記混合物を滴下ロートにより1時間かけて滴下し、1時間保持した(StAc化反応工程)。
・無水トリメリット酸:1.2質量部(0.01モル:多価カルボン酸総モル数に対して4.0モル%)
・tert−ブチルカテコール(重合禁止剤):0.1質量部
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度160℃に維持したまま、1時間反応させた。そして、ASTM D36−86に従って測定した軟化点が表1に示す温度に達したのを確認してから温度を下げて反応を止め(第2反応工程)、結着樹脂B2を得た。得られた結着樹脂B2の数平均分子量、軟化点およびガラス転移温度を表1に示す。
・1,10−デカンジオール:46.9質量部(0.27モル:多価アルコール総モル数に対して100.0モル%)
・セバシン酸:53.1質量部(0.26モル:多価カルボン酸総モル数に対して100.0モル%)
冷却管、撹拌機、窒素導入管および熱電対のついた反応槽に上記材料を秤量して入れた。次に、フラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、140℃の温度で撹拌しつつ、3時間反応させた。
・2−エチルヘキサン酸スズ:0.5質量部
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度200℃に維持したまま、4時間反応させ、結晶性ポリエステル樹脂1を得た。
・結着樹脂A1:30質量部
・結着樹脂B1:60質量部
・結晶性ポリエステル樹脂C1:10質量部
・フィッシャートロプシュワックス(最大吸熱ピークのピーク温度78℃):5質量部
・C.I.ピグメントブルー15:3 :7質量部
・3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物(ボントロンE88 オリエント化学工業社製):0.3質量部
上記材料をヘンシェルミキサー(FM−75型、日本コークス工業(株)製)を用いて、回転数20秒−1、回転時間5分で混合した後、温度130℃に設定した二軸混練機(PCM−30型、(株)池貝製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られた粗砕物を、機械式粉砕機(T−250、ターボ工業(株)製)にて微粉砕した。さらに、ファカルティF−300(ホソカワミクロン社製)を用い、分級を行い、トナー粒子1を得た。運転条件は、分級ローター回転数を130秒−1、分散ローター回転数を120秒−1とした。
トナー1の製造例において、結着樹脂A、結着樹脂Bおよび結着樹脂Cを表2に示すように変更した以外は、トナー1の製造例と同様の操作を行い、トナー2〜16を得た。
特許文献2の実施例1に記載されている製造方法を参考にして、トナー17を得た。
特許文献3の実施例1に記載されている製造方法を参考にして、トナー18を得た。
・工程1(秤量・混合工程)
Fe2O3:62.7質量部
MnCO3:29.5質量部
Mg(OH)2:6.8質量部
SrCO3:1.0質量部
上記材料を上記組成比となるようにフェライト原材料を秤量した。その後、直径1/8インチのステンレスビーズを用いた乾式振動ミルで5時間粉砕・混合した。
得られた粉砕物をローラーコンパクターにて、1mm角のペレットにした。このペレットを目開き3mmの振動篩にて粗粉を除去した。次いで、目開き0.5mmの振動篩にて微粉を除去した後、バーナー式焼成炉を用いて、窒素雰囲気下(酸素濃度0.01体積%)で、温度1000℃で4時間焼成し、仮焼フェライトを作製した。得られた仮焼フェライトの組成は、下記のとおりである。
(MnO)a(MgO)b(SrO)c(Fe2O3)d
上記組成式において、a=0.257、b=0.117、c=0.007、d=0.393である。
クラッシャーで0.3mm程度に粉砕した後、直径1/8インチのジルコニアビーズを用い、仮焼フェライト100質量部に対して水を30質量部加え、湿式ボールミルで1時間粉砕した。得られたスラリーを、直径1/16インチのアルミナビーズを用いた湿式ボールミルで4時間粉砕し、フェライトスラリー(仮焼フェライトの微粉砕品)を得た。
フェライトスラリーに、仮焼フェライト100質量部に対して分散剤としてポリカルボン酸アンモニウム1.0質量部、結着樹脂としてポリビニルアルコール2.0質量部を添加し、スプレードライヤー(製造元:大川原化工機)で、球状粒子に造粒した。得られた粒子を粒度調整した後、ロータリーキルンを用いて、650℃で2時間加熱し、分散剤や結着樹脂の有機成分を除去した。
焼成雰囲気をコントロールするために、電気炉にて窒素雰囲気下(酸素濃度1.00体積%)で、室温から温度1300℃まで2時間で昇温し、その後、温度1150℃で4時間焼成した。その後、4時間をかけて、温度60℃まで降温し、窒素雰囲気から大気に戻し、温度40℃以下で取り出した。
凝集した粒子を解砕した後に、磁力選鉱により低磁力品をカットし、目開き250μmの篩で篩分して粗大粒子を除去し、体積分布基準の50%粒径(D50)37.0μmの磁性コア粒子1を得た。
シクロヘキシルメタクリレートモノマー:26.8質量%
メチルメタクリレートモノマー:0.2質量%
メチルメタクリレートマクロモノマー:8.4質量%
(片末端にメタクリロイル基を有する重量平均分子量5000のマクロモノマー)
トルエン:31.3質量%
メチルエチルケトン:31.3質量%
アゾビスイソブチロニトリル:2.0質量%
上記材料のうち、シクロヘキシルメタクリレート、メチルメタクリレート、メチルメタクリレートマクロモノマー、トルエンおよびメチルエチルケトンを、還流冷却器、温度計、窒素導入管および撹拌装置を取り付けた四つ口のセパラブルフラスコに添加した。そして、窒素ガスを導入して充分に窒素雰囲気にした後、80℃まで加温し、アゾビスイソブチロニトリルを添加して5時間還流し重合させた。得られた反応物にヘキサンを注入して共重合体を沈殿・析出させ、沈殿物を濾別後、真空乾燥して被覆樹脂1を得た。得られた被覆樹脂1を30質量部、トルエン40質量部およびメチルエチルケトン30質量部に溶解させて、重合体溶液1(固形分30質量%)を得た。
重合体溶液1(樹脂固形分濃度30%):33.3質量%
トルエン:66.4質量%
カーボンブラック(一次粒径25nm、窒素吸着比表面積94m2/g、DBP吸油量75mL/100g)(Regal330:キャボット社製):0.3質量%
上記材料を、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、ペイントシェーカーで1時間分散を行った。得られた分散液を、5.0μmのメンブランフィルターで濾過を行い、被覆樹脂溶液1を得た。
(樹脂被覆工程)
常温で維持されている真空脱気型ニーダーに被覆樹脂溶液1を充填コア粒子1の100質量部に対して樹脂成分として2.5質量部になるように投入した。投入後、回転速度30rpmで15分間撹拌し、溶媒が一定以上(80質量%)揮発した後、減圧混合しながら80℃まで昇温し、2時間かけてトルエンを留去した後冷却した。得られた磁性キャリアを、磁力選鉱により低磁力品を分別し、開口70μmの篩を通した後、風力分級器で分級し、体積分布基準の50%粒径(D50)38.2μmの磁性キャリア1を得た。
磁性キャリア1を92.0質量部に対してトナー1を8.0質量部加え、V型混合機(V−20、セイシン企業製)により混合し、二成分系現像剤1を得た。
二成分系現像剤1の製造例において、表3に示すように変更した以外は、二成分系現像剤1の製造例と同様の操作を行い、二成分系現像剤2〜18を得た。
画像形成装置として、キヤノン(株)製のデジタル商業印刷用プリンターである「imageRUNNER ADVANCE C9075 PRO」(商品名)の改造機を用いた。この画像形成装置のシアン用の現像器に二成分系現像剤1を入れ、紙上のトナーの載り量が所望の量になる画像を形成し、後述の評価を行った。改造点としては、定着温度およびプロセススピードを自由に設定できるように変更した。
紙:CS−680(68.0g/m2)(キヤノンマーケティングジャパン(株)より販売)
トナーの載り量:0.08mg/cm2
定着試験環境:低温常湿環境:温度23℃/湿度5%RH(以下「N/L」)
上記未定着画像を作製した後、プロセススピードを450mm/秒に設定し、定着温度を150℃から順に5℃ずつ上げ、耐ホットオフセット性を評価した。手順としては、まず、無地の葉書きを10枚通紙した後に、上記未定着画像を通紙した。カブリの値をホットオフセットの評価指標とした。カブリは、リフレクトメータ(東京電色社製の「REFLECTOMETER MODEL TC−6DS」)によって画像出力前の評価紙の平均反射率Dr(%)と定着試験後の白地部の反射率Ds(%)を測定し、下記式を用いて算出した。得られたカブリを下記の評価基準に従って評価した。
カブリ(%)=Dr(%)−Ds(%)
A:0.2%未満 (効果が非常に優れている)
B:0.2%以上0.5%未満 (良好な効果が得られている)
C:0.5%以上1.0%未満 (本発明の効果は得られていると判断)
D:1.0%以上 (本発明の効果は得られていないと判断)
紙:CS−680(68.0g/m2)(キヤノンマーケティングジャパン(株)より販売)
トナーの載り量:1.20mg/cm2
定着試験環境:低温低湿環境:温度15℃/湿度10%RH(以下「L/L」)
上記未定着画像を作製した後、プロセススピードを450mm/秒、定着温度を130℃に設定し、低温定着性を評価した。画像濃度低下率の値を低温定着性の評価指標とした。画像濃度低下率は、X−Riteカラー反射濃度計(500シリーズ:X−Rite社製)を用い、まず、中心部の画像濃度を測定した。次に、画像濃度を測定した部分に対して、4.9kPa(50g/cm2)の荷重をかけ、シルボン紙により定着画像を摺擦(5往復)し、画像濃度を再度測定した。そして、摺擦前後での画像濃度の低下率(%)を測定した。
(評価基準)
A:濃度低下率1.0%未満 (効果が非常に優れている)
B:濃度低下率1.0%以上5.0%未満 (良好な効果が得られている)
C:濃度低下率5.0%以上10.0%未満 (本発明の効果は得られていると判断)
D:濃度低下率10.0%以上 (本発明の効果は得られていないと判断)
100ccのポリカップにトナー5gを入れ、温度および湿度可変型の恒温槽(55℃、41%)に48時間放置し、放置後にトナーが凝集性を評価した。凝集性は、ホソカワミクロン社製パウダーテスタPT−Xにて0.5mmの振幅にて10秒間、目開き20μmのメッシュで振るった際に、残ったトナーの残存率を評価指標とした。
(評価基準)
A:残存率2.0%未満 (効果が非常に優れている)
B:残存率2.0%以上、10.0%未満 (良好な効果が得られている)
C:残存率10.0%以上、15.0%未満 (本発明の効果は得られていると判断)
D:残存率15.0%以上 (本発明の効果は得られていないと判断)
二成分系現像剤2〜18を用いた以外は、実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表4に示す。
Claims (9)
- ポリエステルαを主成分とする結着樹脂、
着色剤、
ワックス、および、
結晶性ポリエステル
を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該ポリエステルαが、多価アルコールユニットおよび多価カルボン酸ユニットを有し、
該ポリエステルαが、該多価アルコールユニットとして、ノボラック型フェノール樹脂のアルキレンオキサイド付加物に由来する多価アルコールユニットNを有し、
該ポリエステルαが、該多価カルボン酸ユニットとして、炭素数4以上16以下の直鎖状の炭化水素を主鎖とし、該主鎖の両末端にカルボキシ基が結合してなる脂肪族ジカルボン酸に由来する多価カルボン酸ユニットFを有する、
ことを特徴とするトナー。 - 前記結晶性ポリエステルが、炭素数2以上22以下の脂肪族ジオールと、炭素数2以上22以下の脂肪族ジカルボン酸とを主成分として含む単量体組成物を縮重合反応させることにより得られた結晶性ポリエステルである、請求項1に記載のトナー。
- 前記ポリエステルαが、前記多価アルコールユニットNを、前記多価アルコールユニットの総モル数に対して0.1モル%以上3.0モル%以下有する、請求項1または2に記載のトナー。
- 前記ポリエステルαが、前記多価カルボン酸ユニットFを、前記多価カルボン酸ユニットの総モル数に対して5.0モル%以上15.0モル%以下有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のトナー。
- 前記多価カルボン酸ユニットFが、アジピン酸に由来するユニットである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のトナー。
- 前記結着樹脂が、結着樹脂Aと結着樹脂Bとを含有し、
該結着樹脂Aが、数平均分子量1500以上3500以下であり、
該結着樹脂Bが、前記ポリエステルαであって、ピーク分子量10000以上20000以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のトナー。 - 請求項1〜7のいずれか1項に記載のトナーと、
磁性キャリアと、
を有することを特徴とする二成分系現像剤。 - 前記二成分系現像剤における前記トナーの含有量が、二成分系現像剤の全質量に対して2質量%以上15質量%以下である、請求項8に記載の二成分系現像剤。
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