JP2018022111A - トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】 低温定着性、耐ブロッキング性、画像保存性に優れ、長期使用によっても帯電的に安定なトナーを提供する。【解決手段】 結着樹脂、着色剤、スチレンアクリル系ポリマー部位とポリオレフィン部位とを有する重合体及びコレステロールまたはコレステロール誘導体を含有するトナー粒子を有することを特徴とするトナー。【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真方式、静電記録方式、静電印刷方式、トナージェット方式に用いられるトナーに関する。
近年、電子写真方式のフルカラー複写機が広く普及し、印刷市場への適用も始まっている。印刷市場では、幅広いメディア(紙種)に対応しながら、高速、高画質、高生産性が要求されるようになってきている。例えば、厚紙から薄紙へ紙種が変更されても、紙種に合わせたプロセススピードの変更や定着器の加熱設定温度の変更を行わずに印刷が継続可能な、メディア等速性が求められている。メディア等速に対応していくために、トナーには低温から高温まで幅広い定着温度範囲で適正に定着を完了することが求められるようになってきている。
幅広い定着可能温度で定着を完了させるために、シャープメルト性を有する結晶性樹脂をトナーへ添加し、低温定着性能を向上させたトナーが提案されている(特許文献1)。
また、低分子量の有機化合物を可塑剤として添加し低温定着性を向上させたトナーも提案されている(特許文献2)。
低分子量の有機化合物として、コレステリック液晶材料を添加したトナーも提案されている(特許文献3)。液晶状態で加熱温度に応じた干渉色を呈するコレステリック液晶材料を着色材料として用いることで、加熱温度によって任意の色に呈色させ、局部毎に、所望の色に呈色された高精細なマルチカラー又はフルカラー等の多色カラー画像の形成を目指したものがある。
特開2011−123352号公報 特開2006−330392号公報 特開2002−372807号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、低温定着性は改善されるが、高温高湿環境下に長期間放置されると帯電量が低下し、トナー飛散が起こることがある。また、高温環境下にさらされることで、結晶性ポリエステルの再結晶化が進行し、トナー物性が変化し、低温定着性が低下する場合もある。
また、特許文献2に記載の技術では、樹脂のミクロブラウン運動に伴い低分子量の有機化合物がブリードし、定着性が損なわれることがある。また、長期使用によってブリードした化合物が、磁性キャリアや帯電部材を汚染し、帯電量の低下や、画像保存性を低下させることがあった。
さらに、特許文献3に記載の技術では、低温定着性は改良されず、画像保存性の向上も認められない。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、低温定着性、耐ブロッキング性、画像保存性に優れ、長期使用による帯電安定性を有するトナーを提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、結着樹脂、着色剤、スチレンアクリル系ポリマー部位とポリオレフィン部位とを有する重合体及びコレステロールまたはコレステロール誘導体を含有するトナー粒子を有するトナーが提供される。
本発明により、低温定着性、耐ブロッキング性、画像保存性に優れ、長期使用によっても帯電的に安定なトナーを得ることが可能となる。
本発明のトナーの製造に適用可能な熱球形化処理装置の概略図である。
本発明のトナーは、結着樹脂、着色剤、スチレンアクリル系ポリマー部位とポリオレフィン部位とを有する重合体、及びコレステロールまたはコレステロール誘導体を含有するトナー粒子を有することが特徴である。上記のようなトナー粒子を用いることによって、低温定着性、耐ブロッキング性、画像保存性に優れ、長期使用によっても帯電的に安定なトナーを得ることがきる。
本発明において、コレステロールまたはコレステロール誘導体は、スチレンアクリル系ポリマー部位とポリオレフィン部位とを有する重合体とともにトナー粒子とすることが重要である。コレステロールまたはコレステロール誘導体と、前記重合体とを併用することにより、トナーの低温定着性が向上することが確認された。このことから、前記重合体と併用することで、コレステロールまたはコレステロール誘導体が微分散し、結着樹脂を可塑化することができたためと考えている。
つまり、前記重合体が、コレステロールまたはコレステロール誘導体の分散剤、または相溶化助剤として機能したものと推察している。前記重合体を併用しない場合、低温定着性は、コレステロールまたはコレステロール誘導体も、重合体も添加しなかったトナーと、または、コレステロールまたはコレステロール誘導体だけが添加されたトナーと有意な差がない。そして、結着樹脂の定着性能でトナーの低温定着性がほぼ決まってくる。
前記重合体が分散剤として機能できる理由は、重合体が、結着樹脂とコレステロールまたはコレステロール誘導体との中間の極性を有していることと関係があると考えている。また、極性の低いポリオレフィン部位とスチレンアクリル系ポリマー部位とから構成された重合体の構造と関係があると考えられる。重合体のポリオレフィン部位がコレステロールまたはコレステロール誘導体に配向し、重合体のスチレンアクリル系ポリマー部位が結着樹脂側に向くことで、重合体が界面活性剤のように振る舞うものと推察される。
つまり、極性の低い本発明のコレステロールまたはコレステロール誘導体を結着樹脂中に微分散させ、相溶性があがり可塑効果が発現したと考えている。また、低分子量の有機化合物を含有させたトナーにおいて、繰り返し高温環境に晒されると、低分子量の有機化合物がブリードして、トナーの表面や定着画像の表面に析出することがある。本発明において用いられるコレステロールまたはコレステロール誘導体も、低分子量の有機化合物という点において、条件次第ではブリードによる弊害がみられることがある。
しかし、本発明においてはコレステロールまたはコレステロール誘導体と前記重合体とをともに用いることで、コレステロールまたはコレステロール誘導体のブリードが抑制されることもわかった。つまり、前記重合体は、分散剤として機能するだけでなく、本発明のコレステロールまたはコレステロール誘導体のブリードを抑制するアンカー効果を発現したものと考えられる。前記重合体は、ポリオレフィン部位とスチレンアクリル系ポリマー部位とを有する高分子量体であるため、元々ブリードしにくい材料といえる。
一方、本発明のコレステロールまたはコレステロール誘導体は低分子量の有機化合物であり、ブリードしやすい材料と言える。本発明のコレステロールまたはコレステロール誘導体と前記重合体をともに用いると、極性の関係から、前記重合体のポリオレフィン部位近傍に配置し、見掛け上高分子量化しているような状態となっていると推察している。つまり、見かけ上高分子量化することで、コレステロールまたはコレステロール誘導体はポリオレフィン部位にトラップされたような状態となり、ブリードが抑制されたものと考えられる。
本発明におけるコレステロールまたはコレステロール誘導体は、カルボン酸又はその誘導体とコレステロールから通常のエステルを製造する方法によって製造される。カルボン酸とコレステロールをそのまま反応させてエステル化することもできるし、またいずれか一方をより反応性の高い誘導体に導き、次いでエステル化することもできる。または、コレステリック液晶材料として市販されている化合物を利用して製造することもできる。
本発明のコレステロールまたはコレステロール誘導体は、差走査熱量測定(DSC)において吸熱ピーク(融点)が観測される誘導体であることが好ましい。吸熱ピーク(融点)は80℃以上130℃以下の範囲にあることが前記重合体との併用によって低温定着性が良化できる点で好ましい。また、コレステロールまたはコレステロール誘導体は、脂肪酸とコレステロールが縮合した脂肪酸コレステリルエステル化合物であることが、前記重合体との極性を近づけ、ポリオレフィン部位への配向を促進しブリード抑制に優れるという観点からより好ましい。
本発明において用いられる重合体は、ポリオレフィン部位とスチレンアクリル系ポリマー部位とを有する重合体である。重合体のポリオレフィン部分は、コレステロールまたはコレステロール誘導体と極性が近く、また、スチレンアクリル系ポリマー部分は、結着樹脂と極性が近い。つまり、本発明において用いられる重合体は、ポリオレフィンとスチレンアクリル系ポリマーとが重合していることによって、コレステロールまたはコレステロール誘導体と結着樹脂との界面に介在することができる。すなわち、重合体がコレステロールまたはコレステロール誘導体と結着樹脂との間で界面活性剤のようにふるまうことによって、トナー粒子中でコレステロールまたはコレステロール誘導体を微分散させる、または相溶させることができる。
また、重合体が有するスチレンアクリル系ポリマーは、飽和脂環式化合物由来のユニットを有することが好ましい。特に、嵩高いシクロアルキルアクリレート、シクロアルキルメタクリレートのようなユニットを有することがより好ましい。嵩高いシクロアルキルアクリレートユニット、シクロアルキルメタクリレートユニットの高い疎水性によって、トナー粒子表面の疎水性が高まり、吸着する水分量を抑えられ、高温高湿環境下に放置しても、帯電低下なども問題を回避することができる。
前記コレステロールまたはコレステロール誘導体の含有量は、前記結着樹脂100.0質量部に対して、1.0質量部以上30.0質量部以下であることが低温定着性を改良することができるため好ましい。
また、前記スチレンアクリル系ポリマー部位とポリオレフィン部位とを有する重合体の含有量をDw[質量%]とし、前記コレステロールまたはコレステロール誘導体の含有量をCw[質量%]とするとき、
DwとCwの比(Dw/Cw)が、0.5以上2.0以下であることが、コレステロール誘導体を均一に分散、または相溶化させ、低温定着性を改良し、ブリードを抑制することができるため好ましい。
また、重合体中のポリオレフィンは、好ましくは80℃以上140℃以下であり、さらに好ましくは90℃以上120℃以下である。
重合体のポリオレフィンの含有割合は、スチレンアクリル系樹ポリマーの総量に対して、1質量%以上30質量%以下であることが好ましく、3質量%以上20質量%以下であることがより好ましい。
なお、本発明において、スチレンアクリル系ポリマーとポリオレフィンを重合する方法としては、特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。
例えば、本発明のワックス分散剤は、ポリオレフィンとスチレンアクリル系ポリマーとが重合した、スチレンアクリル系ポリマーがシクロアルキルアクリレート、又はシクロアルキルメタクリレート由来のユニットを有する重合体である。スチレンアクリル系ポリマーは、下記式(1)で表されるモノマーユニットを有する態様で表すことができる。
Figure 2018022111
[前記式(1)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは飽和脂環式基を表す。]
上記Rは、飽和脂環式炭化水素基が好ましく、より好ましくは炭素数3以上18以下の飽和脂環式炭化水素基、さらに好ましくは炭素数4以上12以下の飽和脂環式炭化水素基である。飽和脂環式炭化水素基には、シクロアルキル基、縮合多環炭化水素基、橋かけ環炭化水素基、スピロ炭化水素基などが包含される。
このような飽和脂環式基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、t−ブチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、トリシクロデカニル基、デカヒドロ−2−ナフチル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル基、ペンタシクロペンタデカニル基、イソボルニル基、アダマンチル基、ジシクロペンタニル基、トリシクロペンタニル基などを挙げることができる。
また、飽和脂環式基は、置換基としてアルキル基、ハロゲン原子、カルボキシ基、カルボニル基、ヒドロキシ基などを有することもできる。該アルキル基としては、炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。
これらの飽和脂環式基のうち、シクロアルキル基、縮合多環炭化水素基、橋かけ環炭化水素基が好ましく、炭素数3以上18以下のシクロアルキル基、置換又は非置換のジシクロペンタニル基、置換又は非置換のトリシクロペンタニル基がより好ましい。さらに、炭素数4以上12以下のシクロアルキル基が好ましく、炭素数6以上10以下のシクロアルキル基が特に好ましい。
なお、置換基の位置及び数は任意であり、置換基を2以上有する場合、当該置換基は同一でも異なっていてもよい。
本発明において、式(1)で表されるモノマーユニットの含有割合は、該スチレンアクリル系ポリマーを構成する全モノマーユニットを基準として、1mol%以上40mol%以下であることが好ましく、3mol%以上20mol%以下であることがより好ましい。
また、本発明の分散剤のシクロアルキルアクリレート由来のユニット、シクロアルキルメタクリレート由来のユニットとしては、疎水性に優れるという観点から、シクロヘキシルメタクリレートが好ましい。シクロヘキシルメタクリレートを用いることで、ワックス分散剤の疎水性が向上し、分散剤の水分吸着量が低減することできる。その結果、高温高湿環境下での水分吸着量も低減でき、帯電特性が向上していると考えられる。
また、本発明のトナーに使用される結着樹脂は、非晶性ポリエステル樹脂の飽和ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、あるいはその両者を適宜選択して使用することが可能である。
本発明に使用される結着樹脂は、アルコール成分と酸成分とから構成される通常のものが使用でき、両成分については以下に例示する。
アルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ブテンジオール、オクテンジオール、シクロヘキセンジメタノール、水素化ビスフェノールA、下記式(1−1)で表されるビスフェノール誘導体、下記式(1−1)の水添物、下記式(1−2)で示されるジオール類が挙げられる。
Figure 2018022111
[式中、Rはエチレン基またはプロピレン基であり、x及びyはそれぞれ1以上の整数であり、かつx+yの平均値は2から10である。]
Figure 2018022111
一方、結着樹脂を構成する2価のカルボン酸としては、以下のものが挙げられる。フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸などのベンゼンジカルボン酸またはその無水物;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸などのアルキルジカルボン酸またはその無水物。さらには、炭素数6から18のアルキル基またはアルケニル基で置換されたコハク酸もしくはその無水物;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸またはその無水物などが挙げられる。
さらに、アルコール成分としてグリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビット、ソルビタン、ノボラック型フェノール樹脂のオキシアルキレンエーテルなどの多価アルコールが挙げられる。酸成分としてトリメリット酸、ピロメリット酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸やその無水物等の多価カルボン酸が挙げられる。
上記結着樹脂は、通常用いられる触媒、例えばスズ、チタン、アンチモン、マンガン、ニッケル、亜鉛、鉛、鉄、マグネシウム、カルシウム、ゲルマニウム等の金属;およびこれら金属含有化合物など、いずれの触媒を用いても製造することができる。これら触媒の中でも特に、チタン系の触媒を用いて重縮合した非晶性ポリエステル樹脂が好ましい。 チタン系の触媒を用いて重縮合した結着樹脂は、均質なポリエステル樹脂になりやすいため、トナー粒子間でのばらつきも少なくなる。
上記結着樹脂は、帯電の安定性と言う観点から、酸価は1mgKOH/g以上、30mgKOH/g以下であることが好ましい。30mgKOH/g以下であることにより、トナーの帯電性が安定化しやすいため、特に高温高湿度環境下での現像効率が向上しやすい。
また、本発明は、結着樹脂として、上記非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂とを含有することにより、定着時によりトナーを可塑化させることができる。結着樹脂として、非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂とを含有することは、より低温での定着が可能となり、定着性能を向上させることができる点で好ましい。
本発明において用いることができる結晶性ポリエステル樹脂としては、炭素数2以上22以下の脂肪族ジオールと、炭素数2〜22の脂肪族ジカルボン酸とを主成分として含む単量体組成物を重縮合反応させることにより得られる。
炭素数2以上22以下(より好ましくは炭素数6以上12以下)の脂肪族ジオールとしては、特に限定されないが、鎖状(より好ましくは直鎖状)の脂肪族ジオールであることが好ましく、例えば、以下のものが挙げられる。エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−ブタジエングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、オクタメチレングリコール、ノナメチレングリコール、デカメチレングリコール、ネオペンチルグリコール。これらの中でも、特にエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、及び1,6−ヘキサンジオールなどの直鎖脂肪族、α,ω−ジオールが好ましく例示される。
<ワックス>
本発明のトナーに用いられる炭化水素系ワックスとしては、例えば、以下のものが挙げられる。アルキレンを高圧下でラジカル重合あるいは低圧下でチーグラー触媒又はメタロセン触媒で重合した低分子量のアルキレンポリマー;高分子量のアルキレンポリマーを熱分解して得られるアルキレンポリマー;一酸化炭素及び水素を含む合成ガスからアーゲ法により得られる炭化水素の蒸留残分から、あるいはこれらを水素添加して得られる合成炭化水素ワックス。さらにプレス発汗法、溶剤法、真空蒸留の利用や分別結晶方式により炭化水素ワックスの分別を行ったものが、より好ましく用いられる。母体としての炭化水素は、金属酸化物系触媒(多くは2種以上の多元系)を使用した一酸化炭素と水素の反応によって合成されるもの[例えばジントール法、ヒドロコール法(流動触媒床を使用)によって合成された炭化水素化合物];ワックス状炭化水素が多く得られるアーゲ法(同定触媒床を使用)により得られる炭素数が数百ぐらいまでの炭化水素;エチレンなどのアルキレンをチーグラー触媒により重合した炭化水素が、分岐が少なくて小さく、飽和の長い直鎖状炭化水素であるので好ましい。
特にアルキレンの重合によらない方法により合成されたワックスがその分子量分布からも好ましいものである。また、パラフィンワックスも好ましく用いられる。低温定着性、耐ホットオフセット性を向上させるという観点で、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスなどの炭化水素系ワックスが好ましい。
本発明では、ワックスは、結着樹脂100質量部あたり1質量部以上20質量部以下で使用されることが好ましい。
また、示差走査熱量測定(DSC)装置で測定される昇温時の吸熱曲線において、ワックスの最大吸熱ピークのピーク温度としては45℃以上140℃以下であることが好ましい。ワックスの最大吸熱ピークのピーク温度が上記範囲内であるとトナーの耐ブロッキング性と耐ホットオフセット性を両立できるため好ましい。
<着色剤>
トナーに含有できる着色剤としては、以下のものが挙げられる。
黒色着色剤としては、カーボンブラック;イエロー着色剤とマゼンタ着色剤及びシアン着色剤とを用いて黒色に調色したものが挙げられる。着色剤には、顔料を単独で使用してもかまわないが、染料と顔料とを併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。
マゼンタトナー用顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48:2、48:3,48:4、49、50、51、52、53、54、55、57:1、58、60、63、64、68、81:1、83、87、88、89、90、112、114、122、123、146、147、150、163、184、202、206、207、209、238、269、282;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35。
マゼンタトナー用染料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121;C.I.ディスパースレッド9;C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27;C.I.ディスパーバイオレット1などの油溶染料、C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40;C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28などの塩基性染料。
シアントナー用顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー2、3、15:2、15:3、15:4、16、17;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45、フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料。
シアントナー用染料としては、C.I.ソルベントブルー70がある。
イエロートナー用顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、185;C.I.バットイエロー1、3、20。
イエロートナー用染料としては、C.I.ソルベントイエロー162がある。
着色剤の使用量は、結着樹脂100質量部に対して0.1質量部以上30質量部以下で使用されることが好ましい。
<荷電制御剤>
トナーには、必要に応じて荷電制御剤を含有させることもできる。トナーに含有される荷電制御剤としては、公知のものが利用できるが、特に、無色でトナーの帯電スピードが速くかつ一定の帯電量を安定して保持できる芳香族カルボン酸の金属化合物が好ましい。
ネガ系荷電制御剤としては、以下のものが挙げられる。サリチル酸金属化合物、ナフトエ酸金属化合物、ジカルボン酸金属化合物、スルホン酸又はカルボン酸を側鎖に持つ高分子型化合物、スルホン酸塩あるいはスルホン酸エステル化物を側鎖に持つ高分子型化合物、カルボン酸塩あるいはカルボン酸エステル化物を側鎖に持つ高分子型化合物、ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーン。
ポジ系荷電制御剤としては、四級アンモニウム塩、前記四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物が挙げられる。
荷電制御剤はトナー粒子に対して内添しても良いし外添しても良い。荷電制御剤の添加量は、結着樹脂100質量部に対し0.2質量部以上10質量部以下が好ましい。
<無機微粒子>
本発明のトナーには、必要に応じて無機微粒子を含有させることもできる。無機微粒子は、トナー粒子に内添しても良いし外添剤としてトナー粒子と混合してもよい。外添剤としては、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウムなどの無機微粉体が好ましい。無機微粉体は、シラン化合物、シリコーンオイル又はそれらの混合物などの疎水化剤で疎水化されていることが好ましい。
外添剤としては、流動性を向上させるためには、比表面積が50m/g以上400m/g以下の無機微粉体が好ましく、耐久性を安定化させるためには、比表面積が10m/g以上50m/g以下の無機微粉体が好ましい。流動性の向上と耐久性の安定化とを両立させるためには、比表面積が50m/g以上400m/gの無機微粉体と、比表面積が10m/g以上50m/g以下の無機微粉体とを併用してもよい。
外添剤は、トナー粒子100質量部に対して0.1質量部以上10.0質量部以下使用されることが好ましい。トナー粒子と外添剤との混合は、ヘンシェルミキサーなどの公知の混合機を用いることができる。
<現像剤>
本発明のトナーは、一成分系現像剤としても使用できるが、ドット再現性をより向上させるために、そして長期にわたり安定した画像が得られるため、磁性キャリアと混合して、二成分系現像剤として用いることが好ましい。
磁性キャリアとしては、例えば、以下のものを使用することができる。表面を酸化した鉄粉、あるいは、未酸化の鉄粉や、鉄、リチウム、カルシウム、マグネシウム、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム、希土類などの金属粒子、それらの合金粒子、酸化物粒子、フェライト等の磁性体や、磁性体と、この磁性体を分散した状態で保持する結着樹脂とを含有する磁性体分散樹脂キャリア(いわゆる樹脂キャリア)等。
本発明のトナーを磁性キャリアと混合して二成分系現像剤として使用する場合、その際のキャリア混合比率は、二成分系現像剤中のトナー濃度として、2質量%以上15質量%以下、好ましくは4質量%以上13質量%以下にすると通常良好な結果が得られる。
<製造方法>
次に、本発明のトナーを粉砕法によって製造する手順について説明する。
原料混合工程で、トナー粒子を構成する材料として、結着樹脂、着色剤、炭化水素ワックス、ワックス分散剤及びコレステロールまたはコレステロール誘導体を所定量秤量して配合し、混合する。混合装置の一例としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウタミキサ、メカノハイブリッド(三井鉱山(株)製)。
次に、混合した材料を溶融混練して、結着樹脂中に着色剤等を分散させる。その溶融混練工程では、加圧ニーダー、バンバリィミキサーなどのバッチ式練り機や、連続式の練り機を用いることができ、連続生産できる優位性から、1軸又は2軸押出機が主流となっている。例えば、KTK型2軸押出機((株)神戸製鋼所製)、TEM型2軸押出機(東芝機械(株)製)、PCM混練機((株)池貝製)、2軸押出機(ケイ・シー・ケイ社製)、コ・ニーダー(ブス社製)、ニーデックス(三井鉱山(株)製)。
さらに、溶融混練することによって得られる着色された樹脂組成物は、2本ロール等で圧延され、冷却工程で水などによって冷却してもよい。
ついで、冷却された混練物は、粉砕工程で所望の粒径にまで粉砕される。粉砕工程では、例えば、クラッシャー、ハンマーミル、フェザーミルなどの粉砕機で粗粉砕した後、さらに、例えば、クリプトロンシステム(川崎重工業(株)製)、スーパーローター(日清エンジニアリング(株)製)、ターボ・ミル(フロイント・ターボ(株)製)やエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕する。
その後、必要に応じて慣性分級方式のエルボージェット(日鉄鉱業(株)製)、遠心力分級方式のターボプレックス(ホソカワミクロン(株)製)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン(株)製)、ファカルティ(ホソカワミクロン(株)製)などの分級機や篩分機を用いて分級し、トナー粒子を得る。
また、必要に応じて、粉砕後に、ハイブリタイゼーションシステム(奈良機械製作所製)又はメカノフージョンシステム(ホソカワミクロン(株)製)、さらに熱を加えて処理するようなトナー粒子の表面改質処理を行うこともできる。本発明の熱処理工程は、熱処理工程でのトナー粒子の合一性、形状の均一性に優れるという観点から、熱風を利用したものであることがより好ましい。
以下、図1に示す熱処理装置を用いて、樹脂粒子に熱処理を実施する方法を具体的に例示する。
原料定量供給手段1により定量供給された樹脂粒子は、圧縮気体流量調整手段2により調整された圧縮気体によって、原料供給手段の鉛直線上に設置された導入管3に導かれる。導入管3を通過した混合物は、原料供給手段の中央部に設けられた円錐状の突起状部材4により均一に分散され、放射状に広がる8方向の供給管5に導かれ熱処理が行われる処理室6に導かれる。
このとき、処理室6に供給された樹脂粒子は、処理室6内に設けられた樹脂粒子の流れを規制するための規制手段9によって、その流れが規制される。このため処理室6に供給された樹脂粒子は、処理室6内を旋回しながら熱処理された後、冷却される。
供給された樹脂粒子を熱処理するための熱風は、熱風供給手段7から供給され、分配部材12で分配され、熱風を旋回させるための旋回部材13により、処理室6内に熱風を螺旋状に旋回させて導入される。その構成としては、熱風を旋回させるための旋回部材13が、複数のブレードを有しており、その枚数や角度により、熱風の旋回を制御することができる。処理室6内に供給される熱風は、熱風供給手段7の出口部における温度が100℃以上300℃以下であることが好ましく、130℃以上170℃以下であることがより好ましい。熱風供給手段7の出口部における温度が上記の範囲内であれば、樹脂粒子を加熱しすぎることによる粒子の融着や合一を防止しつつ、粒子を均一に処理することが可能となる。
熱風は熱風供給手段7から供給される。さらに熱処理された熱処理樹脂粒子は冷風供給手段8から供給される冷風によって冷却される。冷風供給手段8から供給される冷風の温度は−20℃以上30℃以下であることが好ましい。冷風の温度が上記の範囲内であれば、熱処理樹脂粒子を効率的に冷却することができ、樹脂粒子の均一な熱処理を阻害することなく、熱処理樹脂粒子の融着や合一を防止することができる。また、冷風の絶対水分量は、0.5g/m以上15.0g/m以下であることが好ましい。
次に、冷却された熱処理樹脂粒子は、処理室6の下端にある回収手段10によって回収される。なお、回収手段10の先にはブロワー(不図示)が設けられ、それにより吸引搬送される構成となっている。
また、粉体粒子供給口14は、供給された樹脂粒子の旋回方向と熱風の旋回方向が同方向になるように設けられており、回収手段10も、旋回された樹脂粒子の旋回方向を維持するように、処理室6の外周部に接線方向に設けられている。さらに、冷風供給手段8から供給される冷風は、装置外周部から処理室内周面に、水平かつ接線方向から供給されるよう構成されている。粉体粒子供給口14から供給される熱処理前樹脂粒子の旋回方向、冷風供給手段8から供給された冷風の旋回方向、熱風供給手段7から供給された熱風の旋回方向がすべて同方向である。そのため、処理室内で乱流が起こらず、装置内の旋回流が強化され、熱処理前樹脂粒子に強力な遠心力がかかり、熱処理前樹脂粒子の分散性がさらに向上するため、合一粒子の少ない、形状の揃った熱処理樹脂粒子を得ることができる。
なお、上記熱処理工程は上記微粉砕の後であってもよいし、分級の後でもよい。
<樹脂のガラス転移温度(Tg)の測定>
樹脂のガラス転移温度は、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、樹脂約5mgを精秤し、アルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/分で測定を行う。一度180℃まで昇温させ10分間保持し、続いて30℃まで降温し、その後に再度昇温を行う。この2度目の昇温過程で、温度30〜100℃の範囲において比熱変化が得られる。このときの比熱変化が出る前のベースラインを延長した直線を第1の直線とし、比熱変化が出た後のベースラインを延長した直線を第2の直線とし、第1の直線と第2の直線とから縦軸方向に等距離にある直線を第3の直線とする。第3の直線と、示差熱曲線の階段状変化部分との交点の温度(いわゆる、中間点ガラス転移温度)を、樹脂のガラス転移温度(Tg)とする。
<ワックスおよびコレステロール誘導体のDSC吸熱量(ΔH)の測定>
本発明におけるトナー等の最大吸熱ピークのピーク温度(Tp)は、DSC Q1000(TA Instruments社製)を使用して以下の条件にて測定を行う。
昇温速度:10℃/分
測定開始温度:20℃
測定終了温度:180℃
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、試料約5mgを精秤し、銀製のパンの中に入れ、一回測定を行う。リファレンスとしては銀製の空パンを用いる。
トナーを試料とする場合において、結着樹脂由来の最大吸熱ピークがワックス及び結晶性樹脂以外の樹脂の吸熱ピークと重なっていない場合には、得られた最大吸熱ピークの吸熱量をそのままワックス及び結晶性樹脂に由来する最大吸熱ピークの吸熱量として扱う。一方、トナーを試料とする場合において、ワックス及び結着樹脂以外の樹脂の吸熱ピークが結着樹脂の最大吸熱ピークと重なっている場合は、ワックス及び結着樹脂以外の樹脂に由来する吸熱量を、得られた最大吸熱ピークの吸熱量から差し引く必要がある。
なお、最大吸熱ピークとは、ピークが複数あった場合に、吸熱量が最大となるピークのことを意味する。また、最大吸熱ピークの吸熱量(ΔH)はピークの面積から装置付属の解析ソフトを用いて計算により求める。
<GPCによる樹脂の分子量測定>
樹脂のTHF可溶分の分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
まず、室温で24時間かけて、トナーをテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マエショリディスク」(東ソー(株)製)で濾過してサンプル溶液を得る。なお、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が約0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置:HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー(株)製)
カラム:Shodex KF−801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工(株)製)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/分
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:0.10mL
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」、東ソー(株)製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
<樹脂の軟化点の測定方法>
樹脂の軟化点の測定は、定荷重押し出し方式の細管式レオメータ「流動特性評価装置 フローテスターCFT−500D」((株)島津製作所製)を用い、装置付属のマニュアルに従って行う。本装置では、測定試料の上部からピストンによって一定荷重を加えつつ、シリンダに充填した測定試料を昇温させて溶融し、シリンダ底部のダイから溶融された測定試料を押し出し、この際のピストン降下量と温度との関係を示す流動曲線を得ることができる。
本発明においては、「流動特性評価装置 フローテスターCFT−500D」に付属のマニュアルに記載の「1/2法における溶融温度」を軟化点とする。なお、1/2法における溶融温度とは、次のようにして算出されたものである。まず、流出が終了した時点におけるピストンの降下量Smaxと、流出が開始した時点におけるピストンの降下量Sminとの差の1/2を求める(これをXとする。X=(Smax−Smin)/2)。そして、流動曲線においてピストンの降下量がXとなるときの流動曲線の温度が、1/2法における溶融温度である。
測定試料は、約1.0gの樹脂を、25℃の環境下で、錠剤成型圧縮機(例えば、NT−100H、エヌピーエーシステム(株)製)を用いて約10MPaで、約60秒間圧縮成型し、直径約8mmの円柱状としたものを用いる。
CFT−500Dの測定条件は、以下のとおりである。
試験モード:昇温法
開始温度:50℃
到達温度:200℃
測定間隔:1.0℃
昇温速度:4.0℃/分
ピストン断面積:1.000cm
試験荷重(ピストン荷重):10.0kgf(0.9807MPa)
予熱時間:300秒
ダイの穴の直径:1.0mm
ダイの長さ:1.0mm
<トナー粒子の重量平均粒径(D4)の測定方法>
トナー粒子の重量平均粒径(D4)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター(株)製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター(株)製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出する。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター(株)製)が使用できる。
なお、測定、解析を行う前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行う。
前記専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター(株)製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μm以上60μm以下に設定する。
具体的な測定法は以下のとおりである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250mL丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mLを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100mL平底ビーカーに前記電解水溶液約30mLを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業(株)製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3mL加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス(株)製)を用いる。この超音波分散器の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2mL添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。なお、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
<平均円形度の測定方法>
トナー粒子の平均円形度は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(シスメックス(株)製)によって、校正作業時の測定及び解析条件で測定する。
具体的な測定方法は、以下のとおりである。まず、ガラス製の容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水約20mLを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業(株)製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.2mL加える。さらに測定試料を約0.02g加え、超音波分散器を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となる様に適宜冷却する。超音波分散器としては、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散器(「VS−150」((株)ヴェルヴォクリーア製))を用い、水槽内には所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2mL添加する。
測定には、標準対物レンズ(10倍)を搭載した前記フロー式粒子像分析装置を用い、シース液にはパーティクルシース「PSE−900A」(シスメックス(株)製)を使用した。前記手順に従い調製した分散液を前記フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて3000個のトナー粒子を計測する。そして、粒子解析時の2値化閾値を85%とし、解析粒子径を円相当径1.985μm以上、39.69μm未満に限定し、トナー粒子の平均円形度を求める。
測定にあたっては、測定開始前に下記の標準ラテックス粒子を用いて自動焦点調整を行う。
・標準ラテックス粒子:Duke Scientific社製の「RESEARCH AND TEST PARTICLES Latex Microsphere Suspensions 5200A」をイオン交換水で希釈したもの。
その後、測定開始から2時間毎に焦点調整を実施することが好ましい。
なお、本願実施例では、シスメックス(株)による校正作業が行われた、シスメックス(株)が発行する校正証明書の発行を受けたフロー式粒子像分析装置を使用した。解析粒子径を円相当径1.985μm以上、39.69μm未満に限定した以外は、校正証明を受けた時の測定及び解析条件で測定を行った。
<コレステロール及びコレステロール誘導体>
本実施例にて使用したコレステロール及びコレステロール誘導体の構造と融点を以下の表1に示した。
Figure 2018022111
<重合体1の製造例>
温度計及び攪拌機の付いたオートクレーブ反応槽中に、キシレン300質量部、ポリプロピレン(融点75℃)10質量部を入れ充分に溶解し、窒素置換した。その後、スチレン73.0質量部、メタクリル酸シクロヘキシル5.0質量部、ブチルアクリレート12.0質量部、及びキシレン250質量部の混合溶液を180℃で3時間滴下し重合した。さらにこの温度で30分間保持し、脱溶剤を行い、重合体1を得た。得られた重合体1の重量平均分子量Mwは、1.5×10であった。
<重合体2の製造例>
温度計及び攪拌機の付いたオートクレーブ反応槽中に、キシレン600質量部、ポリエチレン(融点128℃)120質量部を入れ充分に溶解し、窒素置換した。その後、スチレン1900質量部、アクリロニトリル170質量部、マレイン酸モノブチル240質量部、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート78質量部、ブチルアクリレート24.0質量部、及びキシレン455質量部の混合溶液を160℃で2時間滴下し重合した。さらにこの温度で30分間保持し、脱溶剤を行い、重合体2を得た。得られた重合体2の重量平均分子量Mwは、4.0×10であった。
<非晶性ポリエステル樹脂Aの製造例>
窒素導入管、冷却管、攪拌機及び熱電対を装備した5Lの四つ口フラスコを窒素で置換した後、表2に示した原料モノマー及びオクチル酸錫(II)を投入し、180℃で昇温後、10時間反応させた。さらに15mmHgで5時間反応させた後、第二の反応工程として、表2に従い無水トリメリット酸を加え、180℃で3時間反応させて、非晶性ポリエステル樹脂Aを得た。樹脂物性を表2に示した。
<非晶性ポリエステル樹脂Bの製造例>
表2に示した原材料を用い、第二の反応工程において、ASTM D36−86に従って測定した軟化点が表2に示す所望の温度に到達したのを確認して、反応を停止した以外は樹脂Aの製造例とほぼ同様にして、樹脂Bを得た。樹脂物性を表2に示した。
Figure 2018022111
<トナー1の製造例>
・非晶性ポリエステル樹脂A 62.5質量部
・非晶性ポリエステル樹脂B 30.0質量部
・コレステロール誘導体1 10.0質量部
・重合体1 10.0質量部
・ワックス(HNP51 日本精蝋(株)) 5.0質量部
・カーボンブラック Nipex35(デグサ社製) 9.0質量部
・3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物
(ボントロンE88 オリエント化学工業(株)製) 0.3質量部
上記材料をヘンシェルミキサー(FM−75型、三井鉱山(株)製)を用いて、回転数20s−1、回転時間5分で混合した後、温度145℃に設定した二軸混練機(PCM−30型、株式会社池貝製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られた粗砕物を、機械式粉砕機(T−250、フロイント・ターボ(株)製)にて微粉砕した。さらにファカルティF−300(ホソカワミクロン(株)製)を用い、分級を行い、トナー粒子1を得た。運転条件は、分級ローター回転数を130s−1、分散ローター回転数を120s−1とした。また、分級工程にてトナー粒子1と分別された微粒子側粉体については、別途回収し分析に供した。
得られたトナー粒子1に対し熱球形化処理を行った。図1に示す熱処理装置を用いて熱処理を行い熱処理されたトナー粒子を得た。運転条件はフィード量=5kg/時間とし、また、熱風温度C=170℃、熱風流量=6m/分、冷風温度E=−5℃、冷風流量=4m/分、ブロワー風量=20m/分、インジェクションエア流量=1m/分とした。
100質量部の熱処理トナー粒子に、100質量部に、疎水性シリカ(BET:200m/g)1.0質量部、イソブチルトリメトキシシランで表面処理した酸化チタン微粒子(BET:80m/g)を1.0質量部、ヘンシェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機(株)製)で回転数30s−1、回転時間10分で混合して、トナー1を得た。トナー1の重量平均粒径(D4)は6.2μmであり、平均円形度は0.970であった。トナーの物性を表3に示した。BETとは、BET法で測定した窒素吸着による比表面積(m/g)である。
<トナー2〜15の製造例>
トナー1の製造例において、表3に記載の材料を、表3に従い配合して製造した以外は、トナー1の製造例とほぼ同様にして、トナー2〜15を得た。
Figure 2018022111
<磁性コア粒子1の製造例>
・工程1(秤量・混合工程):
Fe 62.7質量部
MnCO 29.5質量部
Mg(OH) 6.8質量部
SrCO 1.0質量部
上記材料を上記組成比となるようにフェライト原材料を秤量した。その後、直径1/8インチのステンレスビーズを用いた乾式振動ミルで5時間粉砕・混合した。
・工程2(仮焼成工程):
得られた粉砕物をローラーコンパクターにて、約1mm角のペレットにした。このペレットを目開き3mmの振動篩にて粗粉を除去し、次いで目開き0.5mmの振動篩にて微粉を除去した後、バーナー式焼成炉を用いて、窒素雰囲気下(酸素濃度0.01体積%)で、温度1000℃で4時間焼成し、仮焼フェライトを作製した。得られた仮焼フェライトの組成は、下記のとおりであった。
(MnO)(MgO)(SrO)(Fe
上記式において、a=0.257、b=0.117、c=0.007、d=0.393
・工程3(粉砕工程):
クラッシャーで0.3mm程度に粉砕した後に、直径1/8インチのジルコニアビーズを用い、仮焼フェライト100質量部に対し、水を30質量部加え、湿式ボールミルで1時間粉砕した。そのスラリーを、直径1/16インチのアルミナビーズを用いた湿式ボールミルで4時間粉砕し、フェライトスラリー(仮焼フェライトの微粉砕品)を得た。
・工程4(造粒工程):
フェライトスラリーに、仮焼フェライト100質量部に対して分散剤としてポリカルボン酸アンモニウム1.0質量部、バインダーとしてポリビニルアルコール2.0質量部を添加し、スプレードライヤー(製造元:大川原化工機(株))で、球状粒子に造粒した。得られた粒子を粒度調整した後、ロータリーキルンを用いて、650℃で2時間加熱し、分散剤やバインダーの有機成分を除去した。
・工程5(焼成工程):
焼成雰囲気をコントロールするために、電気炉にて窒素雰囲気下(酸素濃度1.00体積%)で、室温から温度1300℃まで2時間かけて昇温し、その後、温度1150℃で4時間焼成した。その後、4時間かけて、温度60℃まで降温し、窒素雰囲気から大気に戻し、温度40℃以下で取り出した。
・工程6(選別工程):
凝集した粒子を解砕した後に、磁力選鉱により低磁力品をカットし、目開き250μmの篩で篩分して粗大粒子を除去し、体積分布基準の50%粒径(D50)37.0μmの磁性コア粒子1を得た。
<被覆樹脂1の調製>
シクロヘキシルメタクリレートモノマー 26.8質量%
メチルメタクリレートモノマー 0.2質量%
メチルメタクリレートマクロモノマー 8.4質量%
(片末端にメタクリロイル基を有する重量平均分子量5000のマクロモノマー)
トルエン 31.3質量%
メチルエチルケトン 31.3質量%
アゾビスイソブチロニトリル 2.0質量%
上記材料のうち、シクロヘキシルメタクリレート、メチルメタクリレート、メチルメタクリレートマクロモノマー、トルエン、メチルエチルケトンを、還流冷却器、温度計、窒素導入管及び攪拌装置を取り付けた四つ口のセパラブルフラスコに入れた。そして、窒素ガスを導入して窒素ガスで系内を置換した。その後、80℃まで加温し、アゾビスイソブチロニトリルを添加して5時間還流し重合させた。得られた反応物にヘキサンを注入して共重合体を沈殿析出させ、沈殿物を濾別後、真空乾燥して被覆樹脂1を得た。
得られた被覆樹脂1を30質量部、トルエン40質量部、メチルエチルケトン30質量部に溶解させて、重合体溶液1(固形分30質量%)を得た。
<被覆樹脂溶液1の調製>
重合体溶液1(樹脂固形分濃度30質量%) 33.3質量%
トルエン 66.4質量%
カーボンブラック(Regal330;キャボット社製) 0.3質量%
(一次粒径25nm、窒素吸着比表面積94m/g、DBP吸油量75mL/100g)
上記の材料を、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、ペイントシェーカーで1時間分散を行った。得られた分散液を、5.0μmのメンブランフィルターで濾過をおこない、被覆樹脂溶液1を得た。
<磁性キャリア1の製造例>
(樹脂被覆工程):
常温で維持されている真空脱気型ニーダーに被覆樹脂溶液1を充填コア粒子1の100質量部に対して樹脂成分として2.5質量部になるように投入した。投入後、回転速度30rpmで15分間撹拌し、溶媒が一定以上(80質量%)揮発した後、減圧混合しながら80℃まで昇温し、2時間かけてトルエンを留去した後に冷却した。得られた磁性キャリアを、磁力選鉱により低磁力品を分別し、開口70μmの篩を通した後、風力分級器で分級し、体積分布基準の50%粒径(D50)38.2μmの磁性キャリア1を得た。
<二成分系現像剤1の製造例>
磁性キャリア1を92.0質量部に対し、トナー1を8.0質量部加え、V型混合機(V−20、(株)セイシン企業製)により混合し、二成分系現像剤1を得た。
<二成分系現像剤2〜15の製造例>
二成分系現像剤1の製造例において、表4のようにトナーの組合せを変更した以外は同様の操作を行い、二成分系現像剤2〜15を得た。
〔実施例1〕
上記二成分系現像剤1を用いて、評価を行った。
画像形成装置として、キヤノン(株)製デジタル商業印刷用プリンターimageRUNNER ADVANCE C9075 PRO改造機を用い、シアン位置の現像器に二成分系現像剤を入れた。そして、静電潜像担持体又は紙上のトナーの載り量が所望になるように現像剤担持体の直流電圧VDC、静電潜像担持体の帯電電圧VD、レーザーパワーを調整し、後述の評価を行った。改造点としては、定着温度、及びプロセススピードを自由に設定できるように変更したことである。
以下の評価方法に基づいて評価し、その結果を表4に示す。
<評価1:耐ブロッキング性(残存率)>
100mLのプラスティック容器(樹脂製カップ)にトナー5gを入れ、温度及び湿度可変型の恒温槽(設定;温度55℃、相対湿度41%)に48時間静置し、静置後にトナーの凝集性を評価した。
凝集性は、ホソカワミクロン(株)製パウダーテスタPT−Xにて0.5mmの振幅にて10秒間、目開き20μmのメッシュで篩った際に、残ったトナーの残存率を評価指標とした。
(評価基準)
A:残存率が2.0%未満
B:残存率が2.0%以上、10.0%未満
C:残存率が10.0%以上、15.0%未満
D:残存率が15.0%以上
<評価2:帯電性(帯電維持率)>
静電潜像担持体上のトナーを金属円筒管と円筒フィルターを用いて吸引捕集することにより、トナーの摩擦帯電量及びトナー載り量を算出した。
具体的には、静電潜像担持体上のトナーの摩擦帯電量及びトナー載り量は、ファラデー・ケージ(Faraday−Cage)によって測定した。
ファラデー・ケージとは、同軸の2重筒のことで内筒と外筒は絶縁されている。この内筒の中に電荷量Qの帯電体を入れたとすると、静電誘導によりあたかも電荷量Qの金属円筒が存在するのと同様になる。この誘起された電荷量をエレクトロメーター(ケスレー6517A ケスレー社製)で測定し、内筒中のトナー質量M(kg)で電荷量Q(mC)を割ったもの(Q/M)をトナーの摩擦帯電量とした。
また、吸引した面積Sを測定することで、トナー質量Mを吸引した面積S(cm)で除して、単位面積あたりのトナー載り量とした。
トナーは静電潜像担持体上に形成されたトナー層が中間転写体に転写される前に静電潜像担持体の回転を止め、静電潜像担持体上のトナー像を直接、エアー吸引して測定した。
トナーの載り量(mg/cm)=M/S
トナーの摩擦帯電量(mC/kg)=Q/M
上記画像形成装置において、高温高湿環境下(温度32.5℃、相対湿度80%)で静電潜像担持体上のトナーの載り量が0.35mg/cmとなるように調整し、上記金属円筒管と円筒フィルターにより吸引捕集した。その際、金属円筒管を通じてコンデンサーに蓄えられた電荷量Q、及び捕集されたトナー質量Mを測定し、単位質量当たりの電荷量Q/M(mC/kg)を計算し、静電潜像担持体上の単位質量当たりの電荷量Q/M(mC/kg)とした(初期評価)。
上記の評価(初期評価)を行った後に、現像器を機外に取り外し、高温高湿環境下(温度32.5℃、相対湿度80%)に72時間静置し、再度現像器を機内に装着した。そして、初期評価と同じ直流電圧VDCで静電潜像担持体上の単位質量当たりの電荷量Q/Mを測定した(静置後評価)。
上記の初期評価における静電潜像担持体上の単位質量当たりのQ/Mを100%とし、72時間静置後(静置後評価)の静電潜像担持体上の単位質量当たりの電荷量Q/Mの維持率(静置後評価/初期評価×100)を算出して以下の基準で判断した。
(評価基準)
A:維持率が80%以上
B:維持率が70%以上、80%未満
C:維持率が60%以上、70%未満
D:維持率が60%未満
<評価3:低温定着性(定着可能下限温度)>
キヤノン(株)製フルカラー複写機imagePRESS C1+のシアンステーションに二成分系現像剤1を入れた現像器を搭載し、定着器を取り外した状態で画像形成できるように改造した。そして、評価紙上に定着されていないトナー像(以下、未定着画像)を形成した。評価には、カラー複写機・プリンター用普通紙 GF−C104(A4104g/cm)(キヤノンマーケティングジャパン(株)より販売)を用いた。
実際には、FFh画像のトナーの紙上への載り量が1.2mg/cmとなるように現像条件を適宜調整し、A4縦評価紙先端から3cm、評価紙の中心の位置に2cm×10cmの未定着画像を形成した。未定着画像は低湿低温環境下(温度15℃/相対湿度10%)に24時間調湿した。なお、FFhとは、256階調を16進数で表示した値であり、00hが256階調の1階調目(白地部)であり、FFhが256階調の256階調目(ベタ部)である。
続いて、キヤノン(株)製フルカラー複写機imageRUNNER ADVANCE C9075PROから定着器を取り出し、プロセススピード、上下の定着部材温度を独立に制御できるよう定着試験用治具を準備した。定着性評価は、低温低湿環境下(温度15℃/相対湿度10%)で実施し、定着試験用治具をプロセススピードが450mm/秒となるよう調整した前記定着試験用治具を用いた。実際の評価では、前記定着試験用治具の上ベルト温度を100℃〜200℃の範囲で5℃おきに調整しながら未定着画像を通紙し、その間、下ベルト温度は100℃に固定した状態で評価を行った。定着器を通過させた定着画像を4.9kPaの荷重をかけたレンズクリーニングワイパー(ダスパー 小津産業(株)製)で5往復摺擦し、摺擦前後の画像濃度の濃度低下率が10%以下になる点を定着温度とした。10%を超えて濃度低下がおこると定着できていないとの判定基準のもと、画像濃度低下率10%を超えない最も低い上ベルト設定温度を低温定着温度とし、下記の評価基準に従って評価した。
(評価基準:低温定着性)
A:120℃未満
B:120℃以上140℃未満
C:140℃以上160℃未満
D:160℃以上
<評価4:定着画像保存性>
定着可能下限温度から20℃高い温度を定着適正温度として設定し、カラー複写機・プリンター用普通紙 GF−C104(A4 104g/cm)(キヤノンマーケティングジャパン(株)より販売)上に、A4片面にトナー載り量が0.90mg/cmのベタ画像(4cm×4cm)を2枚形成した。ベタ画像が形成された記録紙を、ベタ画像同士が接触するように向かいあわせに重ね、垂直荷重100g/cmをかけて温度55℃/相対湿度41%の環境下で1日静置した。その後、2枚の画像をはなし、画像付着による画像の表面の欠陥を評価した。
(評価基準:定着画像保存性)
A:画像欠陥がない。
B:部分的に画像の光沢が変化した箇所(光沢度が変化した面積比率5%未満)が認められる。
C:画像の光沢が低下(面積比率5%以上10%未満)するなどの画像欠陥が認められる。
D:画像欠陥が多い。
〔実施例2〜12、比較例1〜3〕
表4に示す二成分現像剤2〜15を用いて、実施例1と同様に評価を行った。評価結果は表4に示した。
Figure 2018022111
1.原料定量供給手段、2.圧縮気体流量調整手段、3.導入管、4.突起状部材、5.供給管、6.処理室、7.熱風供給手段、8.冷風供給手段、9.規制手段、10.回収手段、11.熱風供給手段出口、12.分配部材、13.旋回部材、14.粉体粒子供給口、

Claims (5)

  1. 結着樹脂、着色剤、スチレンアクリル系ポリマー部位とポリオレフィン部位とを有する重合体及び、コレステロールまたはコレステロール誘導体を含有するトナー粒子を有することを特徴とするトナー。
  2. 前記コレステロールまたはコレステロール誘導体の融点が80℃以上130℃以下である請求項1に記載のトナー。
  3. 前記重合体のスチレンアクリル系ポリマー部位が、飽和脂環式化合物由来のユニットを含有する請求項1または請求項2に記載のトナー。
  4. 前記コレステロールまたはコレステロール誘導体は、脂肪酸とコレステロールが縮合した脂肪酸コレステリルエステル化合物である請求項1〜3のいずれか一項に記載のトナー。
  5. 前記コレステロールまたはコレステロール誘導体の含有量は、前記結着樹脂100.0質量部に対して、1.0質量部以上30.0質量部以下であり、
    前記スチレンアクリル系ポリマー部位とポリオレフィン部位とを有する重合体の含有量をDw[質量%]とし、前記コレステロールまたはコレステロール誘導体の含有量をCw[質量%]とするとき、DwとCwの比(Dw/Cw)が、0.5以上2.0以下である請求項1〜4のいずれか一項に記載のトナー。
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