JP6352879B2 - 無電解白金めっき液 - Google Patents

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    • C23C18/16Chemical coating by decomposition of either liquid compounds or solutions of the coating forming compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating; Contact plating by reduction or substitution, e.g. electroless plating
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    • C23C18/42Coating with noble metals
    • C23C18/44Coating with noble metals using reducing agents

Description

本件発明は、無電解白金めっき液に関する。
従来、無電解白金めっき液は、白金塩としてのジニトロジアンミン白金又はジニトロテトラアンミン白金と、錯化剤としてのエチレンジアミン又はアンモニアと、還元剤としてのヒドラジン一水和物又は水素化ホウ素ナトリウムとを含むものが知られている(例えば、特許文献1〜4参照)。
ジニトロジアンミン白金及びジニトロテトラアンミン白金は、水に難溶性である。そこで、錯化剤としてエチレンジアミン又はアンモニアを当該無電解白金めっき液に添加することにより、白金にエチレンジアミン又はアンモニアが配位した白金錯体を形成して水に溶解させている。
一般に、無電解白金めっき液に還元剤を添加することにより、めっき基材の表面で金属イオン又は金属錯体を還元して金属を析出させることができる。白金にエチレンジアミン又はアンモニアが配位した上記白金錯体は還元を受けにくいため、還元剤として、還元作用が強いヒドラジン一水和物又は水酸化ホウ素ナトリウムが当該無電解白金めっき液に添加されている。しかしながら、ヒドラジン一水和物及び水素化ホウ素ナトリウムは、還元力が強すぎるため、上記白金錯体の還元によってめっき液中に白金が析出したり、還元反応に伴って水素が発生するという問題がある。
そこで、上記問題を解決するために、上記無電解白金めっき液では、鉛、タリウム等の重金属イオンやチオール化合物を安定剤として添加することにより、溶液の安定性を向上させている。
特開平5−222543号公報 特開平9−287078号公報 国際公開2014/162935号公報 国際公開2013/094544号公報
しかしながら、上記重金属イオンやチオール化合物の濃度管理が必要となるため、めっき液の操作が複雑になる。また、上記重金属イオンは人体に有害である上に、析出した白金皮膜に共析して皮膜純度を低下させることがある。また、使用に伴ってめっき液からアンモニアガスが発生するため、アンモニアガスの発生に伴う臭気によって作業環境が低下する。
そこで、本件発明の課題は、重金属イオンやチオール化合物を使用しなくても優れた溶液安定性を得ることができ、且つ、アンモニアガスの発生を防止することができる無電解白金めっき液を提供することにある。
本件発明者等は、鋭意検討を行った結果、従来の無電解白金めっき液では、以下の理由によって溶液の安定性が低下することを見出した。すなわち、従来の無電解白金めっき液では、錯化剤として用いるエチレンジアミン又はアンモニアが白金イオンに配位することにより白金錯体が形成される。エチレンジアミン又はアンモニアは白金イオンと強く錯体形成するため、当該白金錯体を還元してめっき基材の表面に析出させるためには、還元作用の強い還元剤が必要となる。この結果、還元作用の強い還元剤の還元力によって、当該無電解白金めっき液が還元されて分解されてしまう。
そこで、本件発明者等は、以下の無電解白金めっき液を採用することで上記課題を達成するに至った。
本件発明の無電解白金めっき液は、水溶性白金化合物と、ホルマリン、グルコース、ギ酸、ギ酸塩からなる群から選択される1種以上の還元剤とを含み、前記水溶性白金化合物は、ヘキサヒドロキソ白金(IV)酸、ヘキサヒドロキソ白金(IV)酸塩、ジクロロテトラアンミン白金(II)からなる群から選択される1種以上の水溶性白金化合物であることを特徴とする。
本件発明に係る無電解白金めっき液において、錯化剤として有機酸を含むことが好ましい。前記有機酸として、分子量が90〜500の脂肪族ヒドロキシ酸から選択される1種以上の化合物が好ましい。
本件発明に係る無電解白金めっき液では、水溶性白金化合物を用いるので、エチレンジアミン、アンモニア等の白金イオンと強く錯体形成するような錯化剤を含まなくても、白金化合物は白金錯体を生成して水に容易に溶解する。水溶性白金化合物から生成される白金錯体は、従来の無電解白金めっき液で生成される白金にエチレンジアミン又はアンモニアが配位した白金錯体と比較して、還元され易い。このため、還元剤として、還元作用が弱いホルマリン、グルコース、ギ酸、ギ酸塩を用いても、白金錯体を還元し易い状態にすることができる。
また、還元剤としてのホルマリン、グルコース、ギ酸、ギ酸塩は、いずれも、ヒドラジン一水和物、水酸化ホウ素ナトリウムと比較して還元作用が弱い。このため、当該無電解白金めっき液は、当該還元剤によって分解されることがない。従って、当該無電解白金めっき液は、重金属イオンやチオール化合物を用いなくても、従来の無電解白金めっき液と比較して、優れた溶液安定性を得ることができる。また、ホルマリン、グルコース、ギ酸、ギ酸塩は、いずれも、従来の還元剤としてのヒドラジン一水和物、水酸化ホウ素ナトリウムと比較して水素発生量が少ないという点でも好適である。
さらに、当該無電解白金めっき液は、エチレンジアミン、アンモニア等のアンモニアガスを発生しうる化合物を含まないため、アンモニアガスの発生を防止することができる。
本実施形態の無電解白金めっき液による析出特性を示すグラフである。 実施例1の無電解白金めっき液による無電解めっき処理により得られた白金無電解皮膜のSEM画像である。 実施例2の無電解白金めっき液による無電解めっき処理により得られた白金無電解皮膜のSEM画像である。
以下、本件発明に係る無電解白金めっき液の実施の形態を説明する。
〔1.無電解白金めっき液〕
本件発明の無電解白金めっき液は、水溶性白金化合物と、ホルマリン、グルコース、ギ酸、ギ酸塩からなる群から選択される1種以上の還元剤とを含む水溶液である。
水溶性白金化合物として、例えば、塩化第一白金(II)、塩化白金(II)酸、塩化白金(II)酸塩、塩化第二白金(IV)、塩化白金(IV)酸、塩化白金(IV)酸塩、ヘキサヒドロキソ白金(IV)酸、ヘキサヒドロキソ白金(IV)酸塩、ジクロロテトラアンミン白金(II)からなる群から選択される1種以上の水溶性白金化合物を挙げることができる。
当該無電解白金めっき液は、上記水溶性白金化合物を0.0005mol/L以上0.05mol/L以下の範囲で含有することが好ましく、0.0025mol/L以上0.01mol/L以下の範囲で含有することがさらに好ましい。無電解白金めっき液における水溶性白金化合物の含有量が0.0005mol/L未満であると、白金無電解皮膜の形成が困難となったり、めっき速度の低下が生じることがあり、0.05mol/Lを上回ると、めっき自体は良好に行えるものの経済性が低下する。
塩化白金(IV)は、当該無電解白金めっき液に容易に溶解し、下記の式(1)で表される白金錯体を形成する。
ジクロロテトラアンミン白金(II)は、当該無電解白金めっき液に容易に溶解し、下記の式(2)で表される白金錯体を形成する。
上記式(1)及び式(2)で表される白金錯体は、いずれも、従来の無電解白金めっき液で生成される白金にエチレンジアミンが配位した白金錯体と比較して、還元を受け易い。このため、当該無電解白金めっき液は、還元作用が強い還元剤を用いる必要がなく、還元作用が弱い還元剤を用いても、白金錯体を還元し易い状態にすることができる。
ホルマリン、グルコース、ギ酸、ギ酸塩からなる群から選択される1種以上の還元剤は、いずれも、還元作用が小さいが、上記式(1)及び式(2)で表される白金錯体を還元し易い状態にすることができる。上記還元剤は、いずれも、還元反応に伴って生じる分解物が主に二酸化炭素及び水であり、ヒドラジン一水和物又は水酸化ホウ素ナトリウムと比較して水素発生量が少ないという利点がある。また、当該無電解白金めっき液は、後述するようにpH6.5〜12.0の範囲に調整されるが、上記還元剤はこのpH領域全体に亘って使用可能である。
当該無電解白金めっき液は、上記還元剤を0.1mol/L以上1.0mol/L以下の範囲で含有することが好ましく、0.2mol/L以上0.8mol/L以下の範囲で含有することがさらに好ましい。無電解白金めっき液における上記還元剤の含有量が0.1mol/L未満であると、未析出部が生じることがあり、1.0mol/Lを上回ると、上記還元剤の還元作用が過剰となり、溶液安定性を損なうことがある。
また、ギ酸塩としては、ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウム、ギ酸アンモニウムを用いることができる。水易溶性、取り扱い容易性の点で、ギ酸ナトリウムが好適である。
当該無電解白金めっき液では、水溶性白金化合物を用いるので、白金化合物を水に溶解するために必ずしも錯化剤を必要としない。しかし、錯化剤を添加することにより、当該無電解白金めっき液をさらに安定化させることができる。
錯化剤として、有機酸を用いることが好ましい。有機酸として、分子量が90〜500の脂肪族ヒドロキシ酸から選択される1種以上の化合物であることが好ましく、例えば、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、クエン酸3ナトリウム、クエン酸アンモニウム、グリシン、グルコン酸、マロン酸、シュウ酸、コハク酸、酢酸、マレイン酸、フマル酸からなる群から選択される1種以上の化合物を用いることができる。当該錯化剤は、pH緩衝材としても作用する。
当該無電解白金めっき液は、上記有機酸を0.01mol/L以上0.5mol/L以下の範囲で含有することが好ましく、0.02mol/L以上0.3mol/L以下の範囲で含有することがさらに好ましい。無電解白金めっき液における上記有機酸の含有量が0.01mol/Lを下回ると、錯化剤として作用しないことがあり、0.5mol/Lを超えると、めっき自体は良好に行えるものの経済性が低下する。
当該無電解白金めっき液は、さらに、界面活性剤、応力緩和剤、pH調整剤等の各種の成分を含む構成とすることができる。
界面活性剤として、ポリエチレングリコールを用いることができる他、従来公知の種々の界面活性剤を用いることができる。界面活性剤としてポリエチレングリコールを用いる場合、めっき基材の表面の濡れ性を向上すると共に、めっき基材の表面で気泡が生じたときに、その気泡をめっき基材の表面から離れ易くすることができる。
応力緩和剤として、サッカリン、14−ブチンジオール、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸を用いることができる他、従来公知の種々の応力緩和剤を用いることができる。
pH調整剤として、水酸化ナトリウム、硫酸等を用いることができる。当該無電解白金めっき液は、pH調整剤の添加によって、pH6.5〜13.0の範囲に調整されることが好ましい。当該無電解白金めっき液におけるpHが6.5未満であると、上記還元剤の還元作用が低下することがある。当該無電解白金めっき液におけるpHが13.0を上回ったとしても特に問題が生じることはないが、pH調整等の作業性や浴管理の点から13.0以下とすることが好ましい。
また、当該無電解白金めっき液は、pHを上記範囲で調整することにより、得られる白金無電解皮膜の外観を変えることができる。例えば、当該無電解白金めっき液のpHが7の場合には、灰色の白金無電解皮膜を得ることができ、pHが12の場合には白色の白金無電解皮膜を得ることができる。
本実施形態の無電解白金めっき液によれば、塩化第一白金(II)、塩化第二白金(IV)、ヘキサヒドロキソ白金(IV)酸塩、ジクロロテトラアンミン白金(II)等の水溶性白金化合物を用いるので、錯化剤を含まなくても、この白金化合物は白金錯体を形成して水に容易に溶解することができる。また、上記水溶性白金化合物から生成する白金錯体は、従来の無電解白金めっき液で生成される白金にエチレンジアミンが配位した白金錯体と比較して、還元を受け易い。このため、還元剤として、還元作用が弱いホルマリン、グルコース、ギ酸、ギ酸塩を用いても、白金錯体を還元し易い状態にすることができる。
また、還元剤としてのホルマリン、グルコース、ギ酸、ギ酸塩は、いずれも、ヒドラジン一水和物、水酸化ホウ素ナトリウムと比較して還元作用が弱い。このため、当該無電解白金めっき液は、当該還元剤によって分解されることがない。従って、当該無電解白金めっき液は、重金属イオンやチオール化合物を用いなくても、従来の無電解白金めっき液と比較して、優れた溶液安定性を得ることができる。また、ホルマリン、グルコース、ギ酸、ギ酸塩は、いずれも、従来の還元剤としてのヒドラジン一水和物、水酸化ホウ素ナトリウムと比較して水素発生量が少ないという点でも好適である。
さらに、当該無電解白金めっき液は、エチレンジアミン等のアンモニアガスを発生しうる化合物を含まないため、アンモニアガスの発生を防止することができる。
〔2.無電解白金めっき液による無電解めっき処理〕
本実施形態の無電解白金めっき液によるめっき方法の一例を以下に説明する。ここでは、被めっき物であるめっき基材として、無電解めっき処理によって、絶縁基材の表面に銅皮膜及びニッケル皮膜を順に形成しためっき基材を用いる場合について説明する。めっき基材は、上記のものに限定されず、従来公知のめっき基材を用いることができる。
まず、めっき基材に対して電解めっきを行うことにより、ニッケル皮膜の表面に白金皮膜(白金電解皮膜)を形成する。
続いて、ニッケル皮膜の表面に白金電解皮膜が形成されためっき基材を、本実施形態の無電解白金めっき液に浸漬することにより、無電解めっき処理を行う。無電解白金めっき液中の白金錯体が、白金電解皮膜の表面で還元されて析出することにより、白金電解皮膜の表面に白金皮膜(白金無電解皮膜)を形成することができる。
本実施形態の無電解白金めっき液を用いる無電解めっき処理は、析出速度が1〜2μm/時間であり、従来のジニトロジアンミン白金又はジニトロテトラアンミン白金を含む無電解白金めっき液と同程度の析出速度を得ることができる。
当該無電解白金めっき液の使用温度は、40〜90℃の範囲であることが好ましい。温度が40℃未満であると、めっき速度が遅いことがあり、90℃を上回ると、水分蒸発量が多くなり組成変動が大きくなることがある。
当該無電解白金めっき液によるめっき時間は、形成する白金無電解皮膜の厚さに依存する。例えば、水溶性白金化合物としてジクロロテトラアンミン白金(II)を0.005mol/L含有する無電解白金めっき液(白金換算で1.0g/L)の場合には、めっき時間を30分とすることにより、厚さ0.5μmの白金無電解皮膜を形成することができる。
上記還元剤は、還元反応に伴って主に二酸化炭素及び水を生成する。二酸化炭素及び水は当該無電解白金めっき液に蓄積しないため、当該無電解白金めっき液が変質することはなく長期間使用することができる。
〔3.無電解白金めっき液の用途〕
本実施形態の無電解白金めっき液は、金属等からなる電子部品、電極材料、ABS樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂等の合成樹脂、アルミナ、ジルコニア等の導電性を持たないセラミックス等のめっきに好適である。特に、ジルコニア等のセラミックス等からなる酸素センサの電極や、種々の宝飾品等の用途に好適に使用することができる。
以下では実施例を挙げて、本件発明をより具体的に説明するが、下記実施例に本件発明が限定されるものではないのは勿論である。
〔めっき基材の作成〕
まず、電解めっき処理によって銅板上に厚さ3μmのニッケル皮膜を形成した。次に、電解めっき処理によってニッケル皮膜の表面に厚さ0.1μmの白金皮膜(白金電解皮膜)を形成することにより、めっき基材を作成した。
〔無電解白金めっき液の調製〕
本実施例では、水に、水溶性白金化合物としてジクロロテトラアンミン白金(II)0.005mol/L(白金換算で1.0g/L)と、還元剤としてギ酸ナトリウム0.5mol/Lと、錯化剤としてリンゴ酸0.1mol/Lとを溶解して、無電解白金めっき液を調製した。続いて、pH調整剤として水酸化ナトリウム及び硫酸を用いて、無電解白金めっき液のpH(温度25℃)を7.0に調整した。
〔無電解めっき処理〕
得られた無電解白金めっき液を温度70℃に加温し、白金電解皮膜が形成されためっき基材を当該無電解白金めっき液に浸漬して無電解めっき処理を行うことにより、白金電解皮膜の表面に白金皮膜(白金無電解皮膜)を形成した。
このとき、浸漬時間が60分に達するまでの間、10分毎に白金無電解皮膜の厚さを測定した。結果を図1に示す。図1から、当該無電解めっき処理における析出速度は、1.0μm/時間であることが確認された。
また、60分間無電解めっき処理を行うことにより、厚さ0.5μmの白金無電解皮膜を形成した。得られた白金無電解皮膜は、灰色を呈することが目視で確認された。また、得られた白金無電解皮膜の表面を、走査型電子顕微鏡(SEM)で倍率3万倍で観察したところ、図2に示すように、白金粒子の粒径が大きく、凹凸を有する表面形態であった。
次に、当該無電解白金めっき液の温度を50℃、60℃、70℃、80℃に変化させて、白金電解皮膜が形成されためっき基材を当該無電解白金めっき液に2時間浸漬して無電解めっき処理を行った。このとき、当該無電解白金めっき液中に白金析出物が生じたか否かを観察することにより、当該無電解白金めっき液の分解の有無を判定した。表1に結果を示す。表1において、×印は当該無電解白金めっき液が1時間以内に分解したことを意味し、△印は2時間以内に分解したことを意味し、○印は2時間経過後も全く分解しなかったことを意味する。
次に、温度50〜80℃に2時間保持された上記無電解白金めっき液を、自然冷却させた後、翌日、同一の温度に再び加温し、めっき基材を2時間浸漬して無電解めっき処理を行った。当該無電解白金めっき液は、いずれの温度に加温されたものでも、無電解めっき処理を正常に行うことができた。このことから、当該無電解白金めっき液は連続使用が可能であることが明らかである。
本実施例では、pH(温度25℃)を11.0に調整した以外は、実施例1と全く同一にして、無電解白金めっき液を調製した。
得られた無電解白金めっき液を温度70℃に加温し、白金電解皮膜が形成されためっき基材を当該無電解白金めっき液に60分間浸漬して無電解めっき処理を行うことにより、白金電解皮膜の表面に厚さ0.5μmの白金無電解皮膜を形成した。得られた白金無電解皮膜は、白色の光沢外観を呈することが目視で確認された。また、得られた白金無電解皮膜の表面を、SEMで倍率3万倍で観察したところ、図3に示すように、白金粒子の粒径が小さく、平滑性を有する表面形態であった。
次に、得られた無電解白金めっき液を用いて、実施例1と全く同一にして、当該無電解白金めっき液の分解の有無を判定した。表1に結果を示す。
次に、温度50〜80℃に2時間保持された上記無電解白金めっき液を、実施例1と全く同一にして、翌日、無電解めっき処理を行った。当該無電解白金めっき液は、いずれの温度に加温されたものでも、無電解めっき処理を正常に行うことができた。このことから、当該無電解白金めっき液は連続使用が可能であることが明らかである。
〔比較例1〕
本比較例では、還元剤としてギ酸ナトリウムに代えてヒドラジン一水和物0.5mol/Lを用いたこと以外は、実施例2と全く同一にして、無電解白金めっき液を調製し、続いて、pH(温度25℃)を11.0に調製した。次に、得られた無電解白金めっき液を用いて、実施例1と全く同一にして、当該無電解白金めっき液の分解の有無を判定した。表1に結果を示す。
〔比較例2〕
本比較例では、還元剤としてギ酸ナトリウムに代えて水酸化ホウ素ナトリウム0.5mol/Lを用いたこと以外は、実施例2と全く同一にして、無電解白金めっき液を調製し、続いて、pH(温度25℃)を11.0に調製した。次に、得られた無電解白金めっき液を用いて、実施例1と全く同一にして、当該無電解白金めっき液の分解の有無を判定した。表1に結果を示す。
〔比較例3〕
本比較例では、白金化合物としてジクロロテトラアンミン白金(II)に代えてジニトロジアンミン白金(II)0.005mol/L(白金換算で1.0g/L)を用いたこと以外は、比較例1と全く同一にして、無電解白金めっき液を調製し、続いて、pH(温度25℃)を11.0に調製した。次に、得られた無電解白金めっき液を用いて、実施例1と全く同一にして、当該無電解白金めっき液の分解の有無を判定した。表1に結果を示す。
〔比較例4〕
本比較例では、白金化合物としてジクロロテトラアンミン白金(II)に代えてジニトロジアンミン白金(II)0.005mol/L(白金換算で1.0g/L)を用いたこと以外は、比較例2と全く同一にして、無電解白金めっき液を調製し、続いて、pH(温度25℃)を11.0に調製した。次に、得られた無電解白金めっき液を用いて、実施例1と全く同一にして、当該無電解白金めっき液の分解の有無を判定した。表1に結果を示す。
表1に示すように、白金化合物がジクロロテトラアンミン白金(II)であり、還元剤がギ酸ナトリウムである実施例1及び実施例2の無電解白金めっき液は、いずれも、50〜80℃の温度範囲で2時間経過しても分解せず、優れた溶液安定性を備えることが明らかである。一方、還元剤がヒドラジン一水和物又は水素化ホウ素ナトリウムである比較例1〜比較例4の無電解白金めっき液は、いずれも、70〜80℃の温度範囲で1時間以内に分解し、50〜60℃の温度範囲でも2時間以内に分解し、溶液安定性が劣ることが明らかである。
以上説明したとおり、本件発明の無電解白金めっき液は、優れた溶液安定性を備えるので、長時間の使用に耐えることができる。また、当該無電解白金めっき液は、エチレンジアミン、アンモニア等のアンモニアガスを発生しうる化合物を含まないので、アンモニアガスの発生を防止することができる。このため、アンモニアガスの発生に伴う臭気による作業環境の低下を防ぐことができる。また、当該無電解白金めっき液では、エチレンジアミン、アンモニア等の白金イオンと強く錯体形成するような錯化剤を用いないため、ホルマリン、グルコース、ギ酸、ギ酸塩等の還元作用が弱い還元剤を使用することができる。また、これらの還元剤は、ヒドラジン一水和物、水酸化ホウ素ナトリウムと比較して、水素ガスの発生量を減らすことができる。
また、本実施形態の無電解白金めっき液は、金属等からなる電子部品、電極材料、種々の合成樹脂やセラミックス等のめっきに好適である。特に、ジルコニア等のセラミックス等からなる酸素センサの電極や、種々の宝飾品等の用途に好適に使用することができる。

Claims (3)

  1. 水溶性白金化合物と、ホルマリン、グルコース、ギ酸、ギ酸塩からなる群から選択される1種以上の還元剤とを含み、
    前記水溶性白金化合物は、ヘキサヒドロキソ白金(IV)酸、ヘキサヒドロキソ白金(IV)酸塩、ジクロロテトラアンミン白金(II)からなる群から選択される1種以上の水溶性白金化合物であることを特徴とする無電解白金めっき液。
  2. 錯化剤として有機酸を含む請求項1に記載の無電解白金めっき液。
  3. 前記有機酸は、分子量が90〜500の脂肪族ヒドロキシ酸から選択される1種以上の化合物である請求項に記載の無電解白金めっき液。
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