JP5312842B2 - 電解合金めっき液及びそれを用いるめっき方法 - Google Patents

電解合金めっき液及びそれを用いるめっき方法 Download PDF

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Description

本発明は、硬質金めっきが可能であり、かつめっき液の安定性が良好な、シアン化合物を用いない電解合金めっき液およびそれを用いた電解合金めっき方法に関する。
電気・電子部品のコネクター、小型リレー、プリント配線板等において、高信頼性を要求される部位の電気接点材料として、現在、特に硬質金めっき皮膜と呼ばれる金めっき皮膜が広く使用されている。硬質金めっき皮膜は、金とコバルト、ニッケル等の金属を含み、金本来の良好な導電性や化学的安定性を低下させることなく、硬度を向上させた皮膜である。この硬質金めっき皮膜は、金の微細結晶(結晶粒径:20〜30nm)が結合した微細構造を有しており、この微細構造により、接点材料に要求される耐摩耗性を得るための最低限必要とされる硬さ(ヌープ硬さが170Hk程度)が得られるものと考えられている。
従来、硬質金めっき皮膜を得るための方法として、主にシアン化合物を含むめっき浴が使用されてきた。シアンは金と強固な錯体を形成することから、シアン化合物を含む金めっき浴は、シアンの強い錯化作用により浴が極めて安定に保たれる。また、液組成によってはシアンが膜の高硬度化に寄与するという利点も有する。しかし、シアンは生物に対する毒性、有害性等の環境への負荷が大きく、また、電子材料分野において素材に対する攻撃性が問題となっている。したがって、シアンを含まないめっき液、すなわちノーシアンの金めっき液が強く望まれている。
しかしながら、めっき液からシアンを除いた場合、金はめっき液中にイオンとして安定に存在できないという問題がある。したがって、ノーシアン化を達成するためには、めっき液の安定化、すなわち、浴の安定化が重要となる。これまで、ノーシアン金めっき液としては、電解軟質金めっき液、無電解金めっき液、置換金めっき液といった各種金めっき液が提案されており、部分的に実用化されている。しかし、硬質金めっきの場合、膜の結晶性や膜中の副組成物量を制御する必要がある。例えば、金合金めっきの場合は、金のみの析出を目的とする軟質金めっきと異なり、他の金属(ニッケル、コバルト等)およびその錯化剤(クエン酸等)を浴に含むことが多く、これらが浴の安定性低下の原因となる。特に、亜硫酸を金の錯化剤とするめっき浴においては、浴の不安定化が顕著となるため、軟質金めっきよりも硬質金めっきの方が実現は困難である。
ノーシアン電解金めっきに関する浴の安定性の問題に対し、金の供給源としてアセチルシステイン金錯体、システイン金錯体、メルカプトコハク酸金錯体等の金錯体、および錯化剤としてアセチルシステインを用いる非シアン電気金めっき浴が報告されている(特許文献1)。また、同文献には硬質化や色調変化といった目的に応じて金以外の金属を添加して合金化することも記載されている。しかし、アセチルシステインは錯化剤として効果が十分でなく、一層の安定性の向上が望まれている。
また、パルス電解により結晶粒径を制御する、ノーシアン硬質金めっき法による金めっき膜が報告されている(特許文献2)。しかし、この方法はパルス電流を流すことによって結晶子を微細化し、それによって高硬度の金めっき膜を製造するものであり、定電流電解よりも難易度が高いという欠点を有する。また、同方法は単一金属元素からなる金めっき膜を製造するものであり、金合金めっきについては言及していない。さらに、金イオン源(可溶性金塩または金錯体)、有機酸塩および/または無機酸塩、硬質化剤(コバルト、ニッケルの可溶性塩)および脂肪族アルコールを含有する電解硬質金めっき液が報告されている(特許文献3)。しかし、この文献は可溶性金塩として亜硫酸金カリウム等、および無機酸塩として亜硫酸塩を例示しているものの、実施例はシアン化金カリウムおよびクエン酸三カリウムを用いるめっき液のみを示し、実現可能なノーシアン金めっき液の具体的な態様を全く示していない。
特許第3671102号公報 特開2007−177291号公報 特開2004−76026号公報
したがって、本発明の目的は、硬質金めっきが可能であり、かつめっき液の安定性が良好な、シアン化合物を用いない電解合金めっき液およびそれを用いた電解合金めっき方法を提供することである。
上記目的に鑑み鋭意検討を行った結果、本発明者らは、亜硫酸金塩を含有する電気めっき液を用いることによりめっき液を安定に保つとともに、所定の陰極電流密度および温度で電気めっきを行うことにより、120Hk以上の高硬度な金合金めっき皮膜を形成できることを見出し、非シアン化硬質金合金めっき液を達成するに至った。
すなわち、本発明は、金イオンと、ニッケルまたはコバルトを含む少なくとも1種の金以外の金属イオンと、金亜硫酸塩以外の亜硫酸塩と、チオ硫酸塩および/またはチオシアン酸塩とを含有し、浴組成物にシアン化合物を含有しない、電解金合金めっき液に関する。
また、本発明は、クエン酸、グリシン、コハク酸およびこれらの塩からなる群から選ばれた少なくとも1種をさらに含有する、前記電解金合金めっき液に関する。
さらに、本発明は、定電流電解によりヌープ硬さ(JIS Z2251に記載のヌープ硬さ試験−試験方法−による)が120Hk以上の金合金析出物が得られる、前記電解金合金めっき液に関する。
また、本発明は、金イオンと、ニッケルまたはコバルトを含む少なくとも1種の金以外の金属イオンと、金亜硫酸塩以外の亜硫酸塩と、チオ硫酸塩および/またはチオシアン酸塩とを含有し、浴組成物にシアン化合物を含有しない電解金合金めっき液を用いる、電解金合金めっき方法に関する。
さらに、本発明は、使用電流密度を10mA/cm以下とする、前記電解金合金めっき方法に関する。
また、本発明は、めっき時の液温度を50℃未満とする、前記電解金合金めっき方法に関する。
さらに、本発明は、めっき液が、クエン酸、グリシン、コハク酸およびそれらの塩からなる群から選ばれた少なくとも1種をさらに含有する、前記電解金合金めっき方法に関する。
本発明の電解金合金めっき液は、シアン化合物を含有せず、金イオン、第二金属元素(金以外の金属元素:ニッケル、コバルト等)イオンおよび錯化剤を含有し、錯化剤の組合せを選択することにより、めっき液中に微粒子が発生することのない、安定なめっき液を達成するとともに、膜の硬度が120Hk以上の高硬度の硬質金合金めっき膜を形成することができる。
[1]電解金合金めっき液
本発明の電解金合金めっき液は、金イオンと、ニッケルまたはコバルトを含む少なくとも1種の金以外の金属またはそのイオンと、金亜硫酸塩以外の亜硫酸塩と、チオ硫酸塩および/またはチオシアン酸塩とを含有し、シアンを含有しない。本発明のめっき液は、水、親水性有機溶媒(メタノール、エタノール等のアルコール類、エチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類、フェノール等のフェノール類等)、それらの混合液等の溶媒を含む。めっき液は、好ましくは水溶液である。
本発明の電解金合金めっき液は金イオンとして、好ましくはシアンを含有しない水溶性金塩を含有する。シアンを含有しない水溶性金塩の例としては、亜硫酸金ナトリウム、亜硫酸金カリウム、亜硫酸金アンモニウム、塩化金酸ナトリウム、塩化金酸カリウム、塩化金酸アンモニウム等が挙げられ、その濃度は特に限定されないが、金基準で好ましくは約0.0001〜0.5mol/dm、より好ましくは約0.001〜0.5mol/dm、さらに好ましくは約0.01〜0.1mol/dmである。金濃度が高すぎると、浴は不安定になりやすい。
本発明の電解金合金めっき液に含まれる第二金属元素は、少なくともニッケルまたはコバルトを含む、金と合金を形成することが可能な金属であり、好ましくは周期表6族〜13族に属する金属である。ニッケルまたはコバルト以外の第二金属元素の好ましい例としては、チタン、鉄、銅、亜鉛、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、インジウム、スズ、タングステン、レニウム、白金等が挙げられる。第二金属元素が2種以上の元素の組み合わせである場合、その好ましい例としては、ニッケルとチタン、鉄、コバルト、銅、亜鉛、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、インジウム、スズ、タングステン、レニウム、または白金との組み合わせ、コバルトとチタン、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、インジウム、スズ、タングステン、レニウム、または白金との組み合わせ等が挙げられる。
本発明の電解金合金めっき液は、金以外の金属イオンとして、好ましくは第二金属元素の水溶性塩を含有する。例えば、第二金属元素としてニッケルを用いる場合、水溶性ニッケル塩としては、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、硝酸ニッケル等が挙げられ、その濃度はニッケル基準で約0.001〜1mol/dm、好ましくは約0.01〜0.5mol/dmである。めっき液中の金とニッケルとの比率(Au/Ni)は、モル比として好ましくは約0.1〜2、より好ましくは約0.2〜0.7の範囲である。また、第二金属元素としてコバルトを用いる場合、その濃度はコバルト基準で約0.001〜1mol/dm、好ましくは約0.01〜0.5mol/dmである。めっき液中の金とコバルトとの比率(Au/Co)は、モル比として好ましくは約0.01〜2、より好ましくは約0.05〜0.5の範囲である。第二金属元素が少ないと、めっき皮膜は高硬度化しない。
本発明の電解金合金めっき液は、上記のように金塩として金亜硫酸塩を含有してもよいが、これとは別に錯化剤として金亜硫酸塩以外の亜硫酸塩を含有する。亜硫酸塩の例としては、亜硫酸リチウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム等の亜硫酸塩のアルカリ金属塩、亜硫酸カルシウム、亜硫酸マグネシウム等の亜硫酸塩のアルカリ土類金属塩、亜硫酸アンモニウム等が挙げられる。電解金合金めっき液中の亜硫酸塩の濃度は、好ましくは約0.01〜2.0mol/dmであり、より好ましくは約0.1〜1.0mol/dmである。めっき液中での亜硫酸塩と金とのモル比(亜硫酸塩/金)は好ましくは1〜200の範囲、より好ましくは2〜100の範囲である。
本発明の電解金合金めっき液は、一価あるいは三価の金イオンと錯体形成可能なチオ硫酸塩および/またはチオシアン酸塩をさらに含有する。チオ硫酸塩および/またはチオシアン酸塩は、好ましくは金塩(チオ硫酸金等)以外の塩である。チオ硫酸塩の好ましい例としては、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム等のチオ硫酸のアルカリ金属塩、チオ硫酸カルシウム、チオ硫酸マグネシウム等のチオ硫酸のアルカリ土類金属塩、チオ硫酸アンモニウム等が挙げられ、チオシアン酸塩の好ましい例としては、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸カリウム等のチオシアン酸のアルカリ金属塩、チオシアン酸カルシウム、チオシアン酸マグネシウム等のチオシアン酸のアルカリ土類金属塩、チオシアン酸アンモニウム等が挙げられる。
チオ硫酸塩および/またはチオシアン酸塩のめっき液中の使用濃度は、好ましくは約0.001〜2.0mol/dm、より好ましくは約0.01〜1.5mol/dmの範囲である。チオ硫酸塩および/またはチオシアン酸塩は、金とのモル比(チオ硫酸塩および/またはチオシアン酸塩/金)で好ましくは約0.5〜200の範囲、より好ましくは約1〜30の範囲で用いることができる。亜硫酸塩、チオ硫酸塩及びチオシアン酸塩は、金イオンに対する錯体形成能が高く、本明細書ではこれらの塩を便宜上金の錯化剤とも記す。金の錯化剤の濃度が低いと浴は不安定化しやすい。金の錯化剤の濃度が高くても特に問題はないが、溶解度や廃液処理の観点から、過剰な添加は避けるのが望ましい。
第二金属元素の錯化剤としては、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、グリシン、エチレンジアミン四酢酸またはこれらの塩、例えば、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩やカルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩、クエン酸三アンモニウム等のアンモニウム塩等を用いることができる。中でもクエン酸、グリシン、コハク酸またはこれらの塩が好ましい。第二金属元素の錯化剤の濃度範囲は、好ましくは約0〜3mol/dm、より好ましくは約0.01〜0.5mol/dmの範囲である。また、第二金属元素の錯化剤は、めっき液中での第二金属とのモル比(第二金属元素の錯化剤/第二金属)が好ましくは約0〜50、より好ましくは約0.5〜10の範囲で用いることができる。第二金属元素の錯化剤濃度が高すぎると、第二金属元素の析出量が少なくなり、高硬度なめっき皮膜は得られない。
なお、本発明のめっき液には、必要に応じ他の成分、例えば、リン酸、ホウ酸、炭酸等の緩衝剤、塩酸、硫酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のpH調整剤、硫酸アンモニウム等の塩等を本発明の目的を損なわない範囲で添加してもよい。めっき液のpHは好ましくは約5.5〜11であり、より好ましくは約6〜9である。
本発明のめっき液の好ましい一つの実施形態は、金イオン(亜硫酸金ナトリウム等)、第二金属イオン(ニッケルイオン、コバルトイオン等)、亜硫酸塩(亜硫酸金カリウム等)、ならびにチオ硫酸塩および/またはチオシアン酸塩(チオ硫酸ナトリウム、チオシアン酸カリウム等)をめっき液中に含有する。錯化剤の濃度比(亜硫酸塩:チオ硫酸塩および/またはチオシアン酸塩)は、好ましくは約1:0.0005〜40、より好ましくは約1:0.01〜15、さらに好ましくは約1:0.1〜5である。
本発明のめっき液の別の実施形態は、金イオン(亜硫酸金ナトリウム等)、第二金属イオン(ニッケルイオン、コバルトイオン等)、亜硫酸塩(亜硫酸金カリウム等)、チオ硫酸塩および/またはチオシアン酸塩(チオ硫酸ナトリウム、チオシアン酸カリウム等)、ならびに第二金属元素の錯化剤(クエン酸、グリシン、コハク酸、これらの塩等)をめっき液中に含有する。めっき液中の金イオン、第二金属イオンおよび錯化剤の好ましい濃度範囲、ならびに亜硫酸塩とチオ硫酸塩および/またはチオシアン酸塩の濃度比は、上記範囲と同様である。
[2]電解金合金めっき方法
本発明のめっき方法は、上述のめっき液に被めっき物を陰極として浸漬して電解めっきを行う。陽極としては、白金、白金被覆チタン等の不溶性陽極やニッケル等の水溶性陽極を使用することができる。本発明のめっき方法において、めっき液の温度は10℃〜70℃、好ましくは20℃〜50℃未満、特に好ましくは25℃〜40℃である。めっき液の温度が低いとめっき速度が遅くなり、めっき液の温度が高いと安定なめっき浴が得られない。陰極電流密度は50mA/cm以下、好ましくは1〜10mA/cmである。例えば、金とニッケルを用いた金合金めっき液の場合、陰極電流密度が高いとめっき膜中のニッケル比率は増加し、硬度が高くなる反面、めっき液は不安定化し、微粒子が発生しやすくなる。陰極電流密度が低いと浴が安定化する反面、膜中のニッケル比率は低下し、硬度が低下する傾向がある。本発明のめっき液を用いて得られる金合金めっき皮膜は、好ましくは金を30重量%以上含み、硬度は好ましくは120Hk以上である。
本発明のめっき方法の好ましい一つの実施態様は、めっき液に少なくとも1種の非シアン系の金化合物および水溶性ニッケル塩または水溶性コバルト塩を含有し、浴中で起こる金属微粒子生成すなわち浴分解反応抑制のため、以下の条件:(1)a)亜硫酸塩、b)チオ硫酸塩および/またはチオシアン酸塩、およびc)クエン酸塩、グリシン、コハク酸およびこれらの塩の少なくとも1種をそれぞれ0.01〜2mol/dm含む、(2)使用電流密度を1〜10mA/cmとする、(3)めっき時のめっき液のpHを5.5〜11およびめっき液の温度を10〜50℃未満とする、のうち2つ以上の条件を含み、より好ましくは上記条件(1)〜(3)をすべて含む。
本発明のめっき方法の好ましい別の実施態様は、めっき液に少なくとも1種の非シアン系の金化合物および水溶性ニッケル塩または水溶性コバルト塩を含有し、浴中で起こる金属微粒子生成すなわち浴分解反応抑制のため、以下の条件:(1)a)亜硫酸塩を0.01〜2mol/dm、b)チオ硫酸塩および/またはチオシアン酸塩を0.001〜2mol/dm、およびc)クエン酸塩、グリシン、コハク酸およびこれらの塩の少なくとも1種をそれぞれ0.001〜3mol/dm含む、(2)使用電流密度 を0.1〜50mA/cmとする、(3)めっき時のめっき液のpHを6〜9およびめっき液の温度を10〜70℃とする、を含む。
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
各実施例および比較例において、分析または測定の方法および条件は、以下のとおりである。
(a)金属組成:
セイコーナノテクノロジース製蛍光X線マイクロエレメントモニターSEA−5100により、Au/Ni or Co比を測定した。
(b)ヌープ硬さ:
島津製作所製HMV−2000により測定した。荷重5gf、荷重保持時間30秒、ニッケル被覆銅またはニッケル板上に形成された厚さ30μmのめっき皮膜断面を測定した。
(c)耐食性:25重量%のNaCl水溶液中で腐食電位測定(アノード部分分極測定)した。
北斗電工製HZ−5000を使用し、走査範囲−1〜+0.5V、スキャン速度10mV/秒、対極Pt、参照電極Ag/AgCl、室温(20〜30℃)、窒素雰囲気中で実施した。
(d)めっき液中微粒子観察:パーティクルカウンターにより微粒子を観察した。
実施例1
亜硫酸金ナトリウム水溶液を金として0.035mol/dm、NiSO・6HOを0.076mol/dm、クエン酸三アンモニウムを0.21mol/dm、(NHSOを0.015mol/dm、KSOを0.35mol/dm、およびNa・5HOを0.07mol/dm含有し、HSOまたはKOHによりpHを8に調整した電気めっき液を用い、温度30℃、電流密度5mA/cmで純度99.99%のニッケル、チタンまたは金板上に金−ニッケル合金めっき皮膜を形成した。なお、アノードには白金被覆チタン板を用い、めっき液はマグネチックスターラーにより撹拌した。浴スケールは0.1〜1Lの範囲で実施した。
得られた金−ニッケル合金めっき皮膜の組成を分析した。めっき皮膜のヌープ硬さを測定したところ、237Hkであった。金板上に得られた皮膜を作用極として、25wt%NaCl水溶液中で腐食電位を測定したところ、99.99%の金板と同様の良好な耐食性を示した。使用前後においてめっき液中に微粒子はなく、安定であった。結果を表1および表2に示す。
実施例2
亜硫酸金ナトリウム水溶液を金として0.035mol/dm、NiSO・6HOを0.076mol/dm、コハク酸を0.21mol/dm、(NHSOを0.33mol/dm、KSOを0.35mol/dm、Na・5HOを0.07mol/dm含有し、HSOまたはKOHによりpHを8に調整した電気めっき液とした以外、実施例1と同様にして金−ニッケル合金めっき皮膜を形成し、得られためっき皮膜について分析、測定した。めっき皮膜のヌープ硬さを測定したところ、221Hkであった。使用前後においてめっき液中に微粒子はなく、安定であった。結果を表1および表2に示す。
実施例3
亜硫酸金ナトリウム水溶液を金として0.035mol/dm、NiSO・6HOを0.076mol/dm、グリシンを0.21mol/dm、(NHSOを0.33mol/dm、KSOを0.35mol/dm、Na・5HOを0.07mol/dm含有し、HSOまたはKOHによりpHを8に調整した電気めっき液とした以外、実施例1と同様にして金−ニッケル合金めっき皮膜を形成し、得られためっき皮膜について分析、測定した。めっき皮膜のヌープ硬さを測定したところ、230Hkであった。使用前後においてめっき液中に微粒子はなく、安定であった。結果を表1および表2に示す。
実施例4
亜硫酸金ナトリウム水溶液を金として0.06mol/dm、NiSO・6HOを0.076mol/dm、クエン酸を0.21mol/dm、KSOを0.42mol/dm、Na・5HOを1.26mol/dm含有し、HSOまたはKOHによりpHを8に調整した電気めっき液を60℃で用いた以外、実施例1と同様にして金−ニッケル合金めっき皮膜を形成し、得られためっき皮膜について分析、測定した。めっき皮膜のヌープ硬さを測定したところ、164Hkであった。使用前後においてめっき液中に微粒子はなく、安定であった。結果を表1および表2に示す。
実施例5
亜硫酸金ナトリウム水溶液を金として0.06mol/dm、NiSO・6HOを0.076mol/dm、クエン酸を0.21mol/dm、(NHSOを0.33mol/dm、KSOを0.42mol/dm、Na・5HOを1.26mol/dm含有し、HSOまたはKOHによりpHを8に調整した電気めっき液を60℃で用いた以外、実施例1と同様にして金−ニッケル合金めっき皮膜を形成し、得られためっき皮膜について、分析、測定した。めっき皮膜のヌープ硬さを測定したところ、140Hkであった。使用前後においてめっき液中に微粒子はなく、安定であった。結果を表1および表2に示す。
実施例6
亜硫酸金ナトリウム水溶液を金として0.035mol/dm、CoSO・7HOを0.076mol/dm、クエン酸3アンモニウムを0.21mol/dm、(NHSOを0.015mol/dm、KSOを0.35mol/dm、Na・5HOを0.07mol/dm含有し、HSOまたはKOHによりpHを8に調整した電気めっき液とした以外、実施例1と同様にして金−コバルト合金めっき皮膜を形成し、得られためっき皮膜について、分析、測定した。また、めっき皮膜のヌープ硬さを測定したところ、128Hkであった。使用前後においてめっき液中に微粒子はなく、安定であった。結果を表1および表2に示す。
実施例7
亜硫酸金ナトリウム水溶液を金として0.035mol/dm、CoSO・7HOを0.207mol/dm、クエン酸3アンモニウムを0.21mol/dm、(NHSOを0.015mol/dm、KSOを0.35mol/dm、Na・5HOを0.07mol/dm含有し、HSOまたはKOHによりpHを8に調整した電気めっき液とした以外、実施例1と同様にして金−コバルト合金めっき皮膜を形成し、得られためっき皮膜について、分析、測定した。また、めっき皮膜のヌープ硬さを測定したところ、121Hkであった。使用前後においてめっき液中に微粒子はなく、安定であった。結果を表1および表2に示す。
実施例8
めっき液の温度を70℃で用いた以外、実施例1と同様にして金−ニッケル合金めっき皮膜を形成し、得られためっき皮膜について、分析、測定した。Au/Ni比(wt)は99.5/0.5だった。使用後に加温を3時間継続しても、浴中に微粒子は発生せず、安定であった。ヌープ硬さは196Hkだった。比較例2と比べ、亜硫酸塩、チオ硫酸塩により浴が安定化したことは明らかであった。使用前後においてめっき液中に微粒子はなく、安定であった。結果を表1および表2に示す。
実施例9
亜硫酸金ナトリウム水溶液を金として0.035mol/dm、NiSO・6HOを0.076mol/dm、クエン酸3アンモニウムを0.21mol/dm、(NHSOを0.015mol/dm、KSOを0.35mol/dm、KSCNを0.35mol/dm含有し、HSOまたはKOHによりpHを8に調整した電気めっき液とした以外、実施例1と同様にして金−ニッケル合金めっき皮膜を形成し、得られためっき皮膜について、分析、測定した。また、めっき皮膜のヌープ硬さを測定したところ、421Hkであった。使用前後においてめっき液中に微粒子はなく、安定であった。結果を表1および表2に示す。
比較例1
亜硫酸金ナトリウム水溶液を金として0.06mol/dm、KSOを0.42mol/dm、Na・5HOを1.26mol/dm含有し、HSOまたはKOHによりpHを8に調整した電気めっき液を60℃で用いた以外、実施例1と同様にして金めっき皮膜を形成し、得られためっき皮膜について、分析、測定した。ニッケル上に析出しためっき皮膜のヌープ硬さを測定したところ、92Hkであった。結果を表1および表2に示す。
比較例2
亜硫酸金ナトリウム水溶液を金として0.035mol/dm、NiSO・6HOを0.076mol/dm、クエン酸3アンモニウムを0.21mol/dm、(NHSOを0.015mol/dm含有し、HSOまたはKOHによりpHを7に調整した電気めっき液を70℃、電流密度50mA/cmで用いた以外、実施例1と同様にして金−ニッケル合金めっき皮膜を形成し、得られためっき皮膜について、分析、測定した。めっき皮膜のヌープ硬さを測定したところ、261Hkであった。めっき液は、30分程度の使用で浴中に微粒子が発生し、不安定であった。結果を表1および表2に示す。
比較例3
めっき液の温度を温度30℃で用い、電流密度5mA/cmで用いた以外、比較例2と同様にして金−ニッケル合金めっき皮膜を形成し、得られためっき皮膜について、分析、測定した。30min.程度の使用で浴中に微粒子が発生し、浴は不安定だった。結果を表1および表2に示す。
Figure 0005312842
Figure 0005312842

Claims (5)

  1. 金イオンと、
    ニッケルまたはコバルトを含む少なくとも1種の金以外の金属イオンと、
    金亜硫酸塩以外の亜硫酸塩と、
    チオ硫酸塩および/またはチオシアン酸塩と
    前記金属イオンに対するモル比が0.5〜10のクエン酸、グリシン、コハク酸およびこれらの塩からなる群から選ばれた少なくとも1種とを含有し、
    浴組成物にシアン化合物を含有しない、電解金合金めっき液。
  2. 定電流電解によりヌープ硬さ(JIS Z2251による)が120Hk以上の金合金析出物が得られる、請求項に記載の金合金めっき液。
  3. 金イオンと、ニッケルまたはコバルトを含む少なくとも1種の金以外の金属イオンと、金亜硫酸塩以外の亜硫酸塩と、チオ硫酸塩および/またはチオシアン酸塩と、前記金属イオンに対するモル比が0.5〜10のクエン酸、グリシン、コハク酸およびこれらの塩からなる群から選ばれた少なくとも1種とを含有し、浴組成物にシアン化合物を含有しない電解金合金めっき液を用いる、電解金合金めっき方法。
  4. 使用電流密度を10mA/cm以下とする、請求項に記載の電解金合金めっき方法。
  5. めっき時の液温度を50℃未満とする、請求項またはに記載の電解金合金めっき方法。
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