JP2013177654A - 電解硬質金めっき液、めっき方法、及び、金−鉄合金被膜の製造方法 - Google Patents

電解硬質金めっき液、めっき方法、及び、金−鉄合金被膜の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】金めっき被膜が不要な部分には金の析出を抑制し、必要とする部分のみに金めっき被膜を形成することができ、かつ、安定性に優れた電解硬質金めっき液を提供する。
【解決手段】本発明の電解硬質金めっき液は、シアン化金塩と、有機酸伝導塩と、キレート化剤と、鉄イオンと、ホウ酸及びホウ酸塩の少なくとも何れかと、を含む。本発明のめっき方法は、本発明の電解硬質金めっき液を用いためっき方法であって、コネクタ素材のめっきが不必要な部分を遮蔽する工程と、部分的に遮蔽された前記コネクタ素材の接点部に前記電解硬質金めっき液を吹き付けて部分的にめっきを行なう工程と、を含む。本発明の金−鉄合金被膜の製造方法は、本発明の電解硬質金めっき液を用いて電解めっきを行なうことによって、めっき対象物に金−鉄合金被膜を析出させるものである。
【選択図】図2

Description

本発明は、コネクタ等の電子部品の接点部材として好適な硬質金めっき被膜を得るために用いられる電解硬質金めっき液、この電解硬質金めっき液を用いためっき方法、及び、金−鉄合金被膜の製造方法に関する。
電子機器や電子部品の製造分野においては、コネクタなどの接点部材を形成する際に、硬質金めっきが広く用いられている。硬質金めっきは、金(Au)と、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)などの金以外の金属との合金(Au合金)をめっき被膜として形成するものである。Au合金によるめっき被膜は、電気伝導性、耐食性、耐摩耗性、及び半田付け性等の種々の性能に優れている。これに対して、Au合金以外の金属では、金属表面に金属酸化膜が生じて不動態となり、例えば、携帯電話、パーソナルコンピューター等の電子機器の通信性能、耐久性に悪影響を及ぼす。そのため、Au合金によって被膜を形成する硬質金めっきは、コネクタなどの電子部品の接点部材の表面処理に好適に利用される。
上記したように、硬質金めっきにおいては、Au−Ni系またはAu−Co系等の合金めっき被膜が形成される。これらの合金めっき被膜を形成するためのめっき液組成では、電流密度0.2A/dm2〜2A/dm2位の微弱電流でもAu合金の析出があり、めっき液の接液部のほぼ全面にAu合金めっき被膜が施される。
コネクタ等の電子部品の形成には、接点部材の材料として銅又は銅合金などが用いられている。硬質金めっきを行う場合には、通常、銅または銅合金で形成された接点部材の表面に、ニッケルめっきを施すか、あるいは、物性改善のためにパラジウム合金めっき施す。その後、ニッケルめっきまたはパラジウム合金めっきの表面に、硬質金めっきが施される。
ところで、コネクタ等の電子部品に硬質金めっきを行う場合、選択的な硬質金めっき処理の方法が要求されている。つまり、電子部品における必要な部分にのみ硬質金めっき被膜が施され、不必要な部分には硬質金めっき被膜が形成されないことが要求されている。その理由は、不必要な部分にまで金めっきがされていると、配線形成に必要な半田処理を行う際に、高い半田濡れ性を有する金めっき被膜の影響によって不必要な部分にも半田が這い上がり、その結果電気的特性が低下するためである。
また、近年では、電子機器の小型化に伴い、接点部材も小型化および複雑化した微細構造とすることのへ要求が高まっている。この要求の高まりに伴って、硬質金めっきが必要とされる箇所と不要とされる箇所との間隔も狭くなり、選択的な硬質金めっき処理の高精度化への要望も高まっている。
さらに、不必要な部分に金めっきが析出すると使用する金量が多くなり、経済的でないという問題も生じる。
国際公開番号WO2009/150915号公報 特開2010−77527号公報 特開2011−21217号公報
このようなことから、必要部分のみに選択的に硬質金めっき処理がなされる技術が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。例えば、特許文献1には、ニッケルバリアめっきと呼ばれる電解硬質金めっき技術について開示されている。この技術では、1つの部品の中で金めっきが必要な部分と不必要な部分とを作るために、金めっきが不必要な部分(ニッケルバリア部分)にシリコンゴム等の部材を機械的に押さえつけてめっき処理を行なう。これにより、機械的に押さえつけられた部分では、めっき液と被めっき部品とが接触できないため、金析出が抑制され、金めっきが施されていない部分(ニッケルバリア部分)が形成される。
しかしながら、このような選択的な硬質金めっき処理に使用されるめっき液、めっき方法は、数少ないのが現状である。
また、特許文献1〜3に記載の電解硬質金めっき液は、クエン酸などの有機酸を含む伝導塩、可溶性金塩(シアン化金塩など)、およびコバルト塩またはニッケル塩などを含むめっき液に、ニトロ安息香酸などのニトロ基含有化合物を加えたものである。この電解硬質金めっき液は、ニトロ基含有化合物を含むことで、選択的なめっき処理を可能とするものである。すなわち、この電解硬質金めっき液によれば、めっき浴中でのニトロ基の酸化還元作用により電流密度が低い箇所では金が析出しにくいという、ニトロ基のバリア特性を利用して、電子部品上の必要な箇所にのみ金めっき被膜を形成し、不要な箇所には金めっきの析出を抑制することができる。
しかしながら、ニトロ基含有化合物は強い酸化作用を及ぼすことから、自己分解をし易い成分であることが知られている。つまり、めっき浴中のニトロ基含有化合物は陽極酸化を受けて分解し易く、分解後に老廃物を生成する。そのため、めっき浴中に生じた老廃物を活性炭などで除去しなければならないという問題が生ずる。さらに、ニトロ基含有化合物のような有機化合物のバリア特性は不安定であるため、選択的な金の析出の安定度も低下するという問題がある。
また、ニトロ基含有化合物は、めっき作業中のみならず、保管中においても化学分解を起こす。そのため、長期間保管した場合に、めっき液の組成が変化してしまい、品質が低下してしまうという問題もある。しかも、ニトロ基(−NO2)は窒素酸化物であり、分解されて大気中に放出されると大気汚染の原因となるため、公害防止の観点からも好ましくない。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、選択的な硬質金めっき処理が可能であり、しかも安定性に優れた電解硬質金めっき液、この電解硬質金めっき液を用いためっき方法などを提供することを目的とする。
本発明にかかる電解硬質金めっき液は、上記の課題を解決するために、シアン化金塩と、有機酸伝導塩と、キレート化剤と、鉄イオンと、ホウ酸及びホウ酸塩の少なくとも何れかと、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、シアン化金塩、有機酸伝導塩、及びキレート化剤を含む電解硬質金めっき液に、鉄イオンとホウ酸及びホウ酸塩の少なくとも何れかを添加することで得られるホウ酸イオンとを含有させることで、所望とする部分に対して選択的な硬質金めっきが可能となる。これにより、不要な箇所への金の使用が抑えられ、金の使用量を減らすことができるため、より有効な部分めっき処理が可能となる。
また、本発明の電解硬質金めっき液は、めっき浴中の鉄イオンの電気化学的な作用(酸化還元作用)により低電流密度域において金めっき被膜などの析出を抑制するものである。そのため、特許文献1〜3のようなニトロ基含有化合物を用いて金めっき被膜析出のバリア効果を出すものと比較して、安定性に優れためっき液を提供することができる。また、ニトロ基含有化合物が分解しやすいという性質を有しているのに対して、本発明の電解硬質金めっき液に含まれる鉄イオンは安定して存在することができるため、長期保管した場合の品質を安定して維持することができる。
本発明の電解硬質金めっき液において、前記鉄イオンは、有機鉄塩を添加して生じたものであってもよい。これによれば、本発明の電解硬質金めっき液から得られる金−鉄合金被膜における金と鉄との合金割合を安定的に保つことができる。
本発明の電解硬質金めっき液においては、前記有機鉄塩が、クエン酸第一鉄、クエン酸第二鉄、グリコール酸鉄、乳酸鉄、EDTA−鉄、フマル酸鉄、及び、酒石酸鉄からなる群から選ばれる少なくとも1つであってもよい。
本発明の電解硬質金めっき液において、前記鉄イオンは、鉄換算で、0.2g/L〜10g/Lの濃度で含まれていることが好ましい。鉄換算で上記のような範囲の濃度で鉄イオンが含まれていることにより、電解硬質金めっき液中における鉄イオンによる酸化還元反応の作用をより良好に保ち、かつ、電解硬質金めっき液の安定性をより良好に維持することができる。
本発明の電解硬質金めっき液において、前記ホウ酸及びホウ酸塩の少なくとも何れかは、ホウ酸として3g/L〜50g/Lの濃度で添加されていることが好ましい。このような範囲の濃度でホウ酸が添加されていることで、電解硬質金めっき液中における鉄イオンとの相互作用による金めっきのバリア効果をより良好に保ちつつ、ホウ酸の塩析を抑制することができる。
本発明の電解硬質金めっき液は、コバルト塩、ニッケル塩、及び、銀塩からなる群から選ばれる少なくとも1つの金属塩をさらに含んでもよい。
本発明の電解硬質金めっき液においては、前記有機酸伝導塩が、カルボン酸塩であってもよい。
本発明にかかるめっき方法は、上記した本発明の電解硬質金めっき液を用いためっき方法であって、コネクタ素材のめっきが不必要な部分を遮蔽する工程と、部分的に遮蔽された前記コネクタ素材の接点部に前記電解硬質金めっき液を吹き付けて部分的にめっきを行なう工程と、を含むことを特徴とする。
本発明にかかる金−鉄合金被膜の製造方法は、上記した本発明の電解硬質金めっき液を用いて電解めっきを行なうことによって、めっき対象物に金−鉄合金被膜を析出させることを特徴とする。
本発明にかかる金−鉄合金被膜の製造方法においては、ニッケル被膜、パラジウム被膜、及び、パラジウム合金被膜の少なくとも何れかの上に電解めっきを行うことにより、前記金−鉄合金被膜を析出させてもよい。
本発明にかかる金−鉄合金被膜の製造方法においては、該合金被膜中に0.01〜3.0%の含有量で鉄が含まれてもよい。
本発明にかかる電解硬質金めっき液によれば、コネクタ等の電子部品において、必要な部分にのみ金めっき被膜を形成することができる。また、本発明によれば、ニトロ基のバリア作用を利用したニトロ基含有化合物を含む電解硬質金めっき液と比較して、安定性に優れた電解硬質金めっき液を提供することができるとともに、ニトロ基の分解に起因した大気汚染をなくすことができる。
本実施例において行なったハルセル試験に使用するハルセル試験板における測定箇所を示す模式図である。 本実施例において行なったハルセル試験の結果を模式的に示す図である。
以下に、本発明について説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内で任意に変形して実施することができる。
本発明では、弱酸性溶液から、金と鉄との合金被膜を安定にしかも高速で有効な析出効率を得るための電解硬質金めっき液の組成を提供する。また、本発明では、本発明にかかる電解硬質金めっき液を用いて、特にコネクタ等の電子部品の接点材を形成する際に好適な金−鉄合金被膜を形成する方法を提供する。
本発明の電解硬質金めっき液(以下、単にめっき液とも呼ぶ。)は、シアン化金塩と、有機酸伝導塩と、キレート化剤と、鉄イオンと、ホウ酸及びホウ酸塩の少なくとも何れかと、を含んでいる。以下、本発明の電解硬質金めっき液に含まれる各成分について説明する。
(1)鉄イオン
本発明の電解硬質金めっき液に含まれる鉄イオンは、例えば、可溶性の有機鉄塩を当該めっき液に添加することによって得られる。本発明のめっき液から得られる金−鉄合金被膜における金と鉄との合金割合を安定的に保つためには、鉄イオンは有機鉄塩に由来するものであることが望ましい。この可溶性の有機鉄塩としては、例えば、クエン酸第一鉄、クエン酸第二鉄、グリコール酸鉄、乳酸鉄、EDTA−鉄、フマル酸鉄、酒石酸鉄が挙げられる。これらの有機鉄塩は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用して用いてもよい。
なお、有機酸またはその塩類の存在しているめっき液中に、無機鉄塩(例えば硫酸鉄等)を添加することにより、無機鉄塩はその一部または全部が有機鉄塩に変化する。すなわち、無機鉄塩が有機酸化合物によりキレートされる。
このことから、本発明の電解硬質金めっき液に含まれる鉄イオンは、可溶性の無機鉄塩と、有機酸または有機酸塩類とを当該めっき液中に添加することによって、めっき液中で無機鉄塩と有機酸塩類とを反応させて有機鉄塩のイオンとして存在させてもよい。この場合、可溶性の無機鉄塩としては、例えば、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄を挙げることができる。また、有機酸としては、クエン酸、酢酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、グリコール酸、コハク酸などのカルボン酸が挙げられる。また、有機酸塩類としては、クエン酸塩、酢酸塩、酒石酸塩、リンゴ酸塩、乳酸塩、グリコール酸塩、コハク酸塩などのカルボン酸系の塩が挙げられる。
本発明の電解硬質金めっき液において、鉄イオンは、Fe換算で0.2g/L〜10g/Lの範囲の濃度で存在することが望ましい。ここで、「Fe換算で0.2g/L〜10g/Lの範囲の濃度で存在する」とは、例えば、有機鉄塩であるクエン酸第一鉄をめっき液中に投与する場合に、クエン酸第一鉄中の鉄成分がめっき液中で0.2g/L〜10g/Lの濃度となるように投与されることを意味する。
本発明のめっき液中の鉄イオンの濃度が0.2g/L未満となると、鉄イオンによる酸化還元反応による作用効果が減少する。また、本発明のめっき液中の鉄イオンの濃度が10g/Lよりも高くなると、電解硬質金めっき液の安定性が低下する傾向にある。また、本発明のめっき液において、より好ましいFe濃度は1g/L〜6g/Lである。
(2)ホウ酸、ホウ酸塩
本発明の電解硬質金めっき液には、ホウ酸及びホウ酸塩の少なくとも何れかが含まれている。本発明のめっき液に、ホウ酸及びホウ酸塩の少なくとも何れかを添加することにより、めっき液中ではホウ酸イオンが含まれることになる。本発明の電解硬質金めっき液は、当該めっき液中に含まれる鉄イオン及びホウ酸イオンの電気化学的な作用効果により、低電流密度において金などの析出が抑制される。これにより、必要な箇所に対してのみ金−鉄合金被膜を形成することができる。
本発明の電解硬質金めっき液に含まれるホウ酸及びホウ酸塩としては、例えば、可溶性ホウ酸化合物が挙げられる。より具体的には、ホウ酸、四ホウ酸カリウム、硼砂(Na247・10H2O)等が挙げられる。
本発明の電解硬質金めっき液中に含まれるホウ酸及び/ホウ酸塩は、ホウ酸として3g/L〜50g/Lの範囲の濃度で含まれていることが望ましい。本発明のめっき液中のホウ酸の濃度が3g/L未満であると、Feイオンとの作用効果によるバリア効果が低下する。また、本発明のめっき液中のホウ酸の濃度が50g/Lよりも高くとなると、めっき液中のホウ酸が過飽和の状態となり塩析し易い傾向にある。また、本発明のめっき液において、より好ましいホウ酸濃度は、5g/L〜35g/Lである。
(3)シアン化金塩
本発明の電解硬質金めっき液においては、金イオン源としてシアン化金塩が用いられる。シアン化金塩としては、例えば、シアン化第一金カリウム、シアン化第二金カリウム、シアン化金アンモニウム、シアン化金ナトリウム等が挙げられる。
本発明の電解硬質金めっき液中に含まれる金イオンは、金換算で1g/L〜20g/Lの範囲の濃度で含まれていることが望ましい。本発明のめっき液中の金の濃度が1g/L未満となると、高電流密度での析出が不安定となる。また、本発明のめっき液中の金の濃度が20g/Lを超えると、製造コストが増加し経済的に不利である。また、本発明のめっき液において、より好ましい金濃度は、3g/L〜12g/Lである。
(4)有機酸伝導塩
本発明の電解硬質金めっき液には、有機酸伝導塩が含まれる。有機酸伝導塩とは、導電性を有する有機酸塩であり、例えば、クエン酸(具体的には、クエン酸カリウム、クエン酸アンモニウムなど)、酢酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、グリコール酸、コハク酸(具体的には、コハク酸カリウムなど)等のカルボン酸系の有機酸の塩が挙げられる。なお、本発明のめっき液においては、有機酸伝導塩を、塩の形態でめっき液中に添加してもよいし、有機酸と無機化合物(例えば、アルカリ金属塩、金属水酸化物、無機酸塩など)とをめっき液中に添加し、液中で結果的に伝導塩の状態となるようにしてもよい。有機酸伝導塩は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、本発明のめっき液中にニトロ基が含まれると、酸化作用を呈し、金被膜の析出が抑制される可能性がある。そのため、本発明のめっき液に含まれる有機酸伝導塩は、ニトロ基を有さないカルボン酸塩であることが好ましい。
また、本発明のめっき液では、上記した有機酸伝導塩に対して無機化合物を混合して用いることもできる。無機化合物としては硫酸、リン酸、スルファミン酸等の塩が挙げられる。
本発明の電解硬質金めっき液中に含まれる有機酸伝導塩は、1g/L〜300g/Lの範囲の濃度で含まれていることが望ましい。本発明のめっき液において、より好ましい有機酸伝導塩の濃度は、10g/L〜200g/Lである。
(5)キレート剤
本発明の電解硬質金めっき液には、キレート化剤が含まれている。キレート化剤としては、例えば、クエン酸、EDTA、酢酸、リンゴ酸などのカルボキシル基含有の化合物、エチレンジアミン、トリエタノールアミンなどのアミン塩が挙げられる。また、これらのキレート化剤を2種以上組み合わせて用いることもできる。
本発明の電解硬質金めっき液中に含まれるキレート化剤は、0.5g/L〜300g/Lの範囲の濃度で含まれていることが望ましい。本発明のめっき液中のキレート化剤の濃度が0.5g/L未満であると、キレート化の作用効果が低減する傾向となる。また、本発明のめっき液中のキレート化剤の濃度が300g/Lよりも高くとなると、キレート化剤がめっき液中に溶解しなくなる傾向になる。また、本発明のめっき液において、キレート化剤のより好ましい濃度は、1g/L〜200g/Lである。
(6)金属塩
本発明の電解硬質金めっき液には、上記した各成分以外に金属塩が含まれていてもよい。この金属塩としては、例えば、コバルト塩、ニッケル塩、及び、銀塩が挙げられ、これらの金属塩を、1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用して用いてもよい。
本発明の電解硬質金めっき液にコバルト塩を含有させる場合には、可溶性のコバルト塩を用いることができる。可溶性のコバルト塩として具体的には、硫酸コバルト、塩化コバルト、スルファミン酸コバルト、酢酸コバルトが挙げられる。
本発明の電解硬質金めっき液中に含まれるコバルト塩は、コバルト換算で0.05g/L〜10g/Lの範囲の濃度で含まれていることが望ましい。本発明のめっき液において、より好ましいコバルトの濃度は、0.2g/L〜3g/Lである。
本発明の電解硬質金めっき液にニッケル塩を含有させる場合には、可溶性のニッケル塩を用いることができる。可溶性のニッケル塩として具体的には、例えば、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、スルファミン酸ニッケル、酢酸ニッケルが挙げられる。
本発明の電解硬質金めっき液中に含まれるニッケル塩は、ニッケル換算で0.05g/L〜10g/Lの範囲の濃度で含まれていることが望ましい。本発明のめっき液において、より好ましいニッケルの濃度は、0.2g/L〜3g/Lである。
本発明に係る電解硬質金めっき液に銀塩を含有させる場合には、可溶性の銀塩を用いることができる。可溶性の銀塩としては、シアン化銀カリウムが望ましい。
本発明の電解硬質金めっき液中に含まれる銀塩は、銀換算で0.05g/L〜5g/Lの範囲の濃度で含まれていることが望ましい。本発明のめっき液において、より好ましい銀の濃度は、0.1g/L〜1g/Lである。
(7)めっき方法
続いて、本発明のめっき方法について説明する。本発明にかかるめっき方法は、上述した本発明の電解硬質金めっき液を用いためっき方法である。本発明のめっき方法は、コネクタ素材のめっきが不必要な部分を遮蔽する工程と、部分的に遮蔽された前記コネクタ素材の接点部に前記電解硬質金めっき液を吹き付けて部分的にめっきを行なう工程と、を含んでいる。具体的には、このめっき方法は、噴射式装置(スパージャー等)を用いてコネクタ素材のめっきが不必要な部分を機械的に押さえることによってめっきが不必要な部分を遮蔽する方式により行なわれる。この方式は、例えば特許文献1に記載されているように、コネクタ素材に対して必要な部分にのみめっき被膜を形成する部分的なめっき処理の手法として公知のものである。特許文献1に示すニッケルバリアめっき技術においては、金めっきを施したくない部分にシリコンゴム部材を押し付けて、ジェット噴流式金めっき法で電解硬質金めっき被膜を部分的に形成している。
上記した本発明のめっき方法では、噴射式装置(スパージャー等)を用いてコネクタ素材のめっきが不必要な部分を機械的に遮蔽する工程と、部分的に遮蔽された前記コネクタ素材の接点部に電解硬質金めっき液を吹き付けて部分的にめっきを行なう工程と、いう工程を少なくとも含んでいる。
ここで説明した本発明のめっき方法は、本発明の電解硬質金めっき液を使用しためっき方法の一例であり、本発明の電解硬質金めっき液を使用しためっき方法はこれに限定はされない。
本発明の電解硬質金めっき液を用いてめっき処理を行なう場合には、めっき処理条件として、めっき液のpHを3以上にすることが好ましく、また、液温度5℃〜90℃の範囲とすることが好ましい。めっき液のpHを3以上にすることが好ましい理由は、pH3未満ではシアンガスの発生が生じやすくなる傾向になるためである。また、より好ましいめっき処理条件は、pH3.2以上であり、めっき液の温度が20℃〜70℃の範囲にあることである。
本発明の電解硬質金めっき液は、めっき処理時の電流密度の適用範囲が広く、めっき対象物、めっき装置、めっき液流速等の条件に合わせて最適な電流密度を選択することができる。例えば、本発明の電解硬質金めっき液は、4A/dm2〜100A/dm2の範囲でめっきを行うことができる。そして、高い電流密度でめっきをするほどめっき被膜形成速度が速くなるため、適した電流密度を選択することで、めっき被膜の膜厚の調整、および、めっき時間のコントロールが容易になる。
(8)金−鉄合金被膜の製造方法
続いて、本発明の金−鉄合金被膜の製造方法について説明する。本発明にかかる金−鉄合金被膜の製造方法は、上記した本発明の電解硬質金めっき液を用いて電解めっきを行なうことによって、めっき対象物に金−鉄合金被膜を析出させるというものである。
本発明の鉄−金合金被膜の製造方法は、例えば特許文献1に記載されているようなニッケルバリアめっきの技術を適用することによって、めっき対象物に対して、必要な箇所にのみ選択的に合金被膜を析出させることができる。
なお、ニッケルバリアめっき技術においては、硬質電解金めっきを施す際の下地層としてニッケル被膜(Niバリア層)を形成することで、選択的なめっき被膜形成を行なっている。しかし、本発明の金−鉄合金被膜の製造方法においては、下地層としてニッケル被膜の代わりに、パラジウム被膜、または、パラジウム合金被膜を形成してもよい。下地としてパラジウム被膜またはパラジウム合金被膜を形成することで、ニッケル被膜を用いた場合と同様に、選択的なめっき被膜形成を行なうことができる。下地として用いられるニッケル被膜、パラジウム被膜、及びパラジウム合金被膜は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、本発明の金−鉄合金被膜の製造方法においては、該合金被膜中に0.01〜3.0%の含有量で鉄が含まれることが好ましい。鉄の含有量が0.01%未満では、金合金被膜の硬度が低くなり硬質金にならない。また、合金被膜中の鉄の含有量が3%を超えると、耐薬品性が悪化する傾向にある。本発明にかかる電解硬質金めっき液中に、上述した濃度範囲で金と鉄を含有させることで、析出する合金被膜中の鉄合金割合を0.01〜3%の範囲とすることができる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例について説明する。
本実施例では、本発明の電解硬質金めっき液を用いて電解めっき処理を行って金−鉄合金被膜を形成し、得られた被膜の特性を調査した。その結果について、以下に説明する。
〔実施例A〕
実施例Aでは、本発明の電解硬質金めっき液における鉄イオンとホウ酸の作用効果を、ハルセル試験により確認した。本実施例Aで使用した硬質電解金めっき液の組成は以下の通りである。
(組成A)
(1)シアン化第一金カリウム 12g/L(金換算で8g/L)
(2)クエン酸第二鉄アンモニウム 24g/L(鉄換算で4g/L)
(3)クエン酸 180g/L
(4)水酸化カリウム 16g/L
(5)ホウ酸 20g/L
上記の組成Aにおいて、(3)のクエン酸が本発明の電解硬質金めっき液におけるキレート剤に相当する。また、(3)のクエン酸および(4)の水酸化カリウムをめっき液中に投与して得られる塩が、本発明の電解硬質金めっき液における有機酸伝導塩に相当する。
また、本実施例Aにおけるめっき処理の条件は以下の通りである。
(めっき処理の条件)
pH3.5
液温度 50℃
また、本実施例Aにおいて行なったハルセル試験の方法は以下の通りである。
(ハルセル試験の方法)
市販のハルセル試験器(株式会社山本鍍金試験器社製)を用い、めっき対象基材は、真鍮製ハルセル試験板(縦70mm、横100mm、厚さ0.3mm)にニッケルめっき(厚み3μm)を両面に施したものを使用した。めっき条件はめっき液を約300rpmで攪拌し、陽極にPt−Ti電極を用いてめっき時間35秒、通電電流2Aとした。
ハルセル評価は、めっき処理後のハルセル試験板の9個所のめっき膜厚を測定することにより行った。図1には、本実施例において行なったハルセル試験に使用したハルセル試験板1を模式的に示す。図1に示すハルセル試験板1の寸法は、縦(A)70mm、横(D)100mmである。また、ハルセル試験板1のBに示す位置(底辺から47mmの位置)までめっき液に浸漬させた。そして、ハルセル試験器内部の底面に接したハルセル試験板1の底辺から約25mmの位置(図1中、Cで示しためっき液に浸漬した箇所)において、水平方向に所定間隔(10mm)をあけて測定点を選択した。具体的には、図1に示すように、低電流部から高電流部に向かって順に測定点No.1〜9とする9箇所の測定点を設けた。
これら9箇所の測定点において金めっき被膜の膜厚を測定した。膜厚は、蛍光X線膜厚測定器(株式会社フィッシャー・インストルメンツ社製)によって測定した。膜厚を測定した9箇所の測定点におけるおおよその各電流密度値は、No.1が0.2A/dm2、No.2が0.65A/dm2、No.3が1.5A/dm2、No.4が2.6A/dm2、No.5が3.8A/dm2、No.6が5.0A/dm2、No.7が6.5A/dm2、No.8が8.0A/dm2、No.9が10A/dm2であった。なお、この電流密度値はハルセル試験板の表面側の電流密度を示すもので、ハルセル試験板の裏面側の電流密度は不明である。蛍光X線膜厚測定の評価はハルセル試験板の表面と、その裏側との両面について行った。
〔実施例B〕
実施例Bでは、硬質電解金めっき液の組成を以下に示す組成Bとした以外は、実施例Aと同様の方法にて、電解硬質金めっき液における鉄イオンとホウ酸の作用効果を、ハルセル試験により確認した。
(組成B)
(1)シアン化第一金カリウム 11.8g/L(金換算で8g/L)
(2)硫酸コバルト・7水和物 0.95g/L(コバルト換算で0.2g/L)
(3)クエン酸鉄(III)アンモニウム 23.5g/L(鉄換算で4g/L)
(4)グリコール酸 100g/L
(5)クエン酸二アンモニウム 50g/L
(6)ホウ酸 20g/L
(7)水酸化カリウム 4g/L
(8)スルファミン酸アンモニウム 50g/L
(9)EDTA・2Na 10g/L
上記の組成Bにおいて、(2)の硫酸コバルト・7水和物が本発明の電解硬質金めっき液におけるコバルト塩に相当する。また、(9)のEDTA・2Naが本発明の電解硬質金めっき液におけるキレート剤に相当する。また、(5)のクエン酸二アンモニウムが、本発明の電解硬質金めっき液における有機酸伝導塩に相当する。また、(4)のグリコール酸および(7)の水酸化カリウムをめっき液中に投与して得られる塩も、本発明の電解硬質金めっき液における有機酸伝導塩に相当する。
また、本実施例Bにおけるめっき処理の条件は以下の通りである。
(めっき処理の条件)
pH3.5
液温度 50℃
〔比較例C〕
比較例Cでは、実施例Bの組成中からバリア効果の成分である、クエン酸鉄(III)アンモニウム及びホウ酸を加えない以下の組成Cとした。電解硬質金めっき液の組成を変更した以外は、実施例Bと同様の条件にてハルセル試験を行なった。
(組成C)
(1)シアン化第一金カリウム 11.8g/L(金換算で8g/L)
(2)硫酸コバルト・7水和物 0.95g/L(コバルト換算で0.2g/L)
(3)グリコール酸 100g/L
(4)クエン酸二アンモニウム 50g/L
(5)水酸化カリウム 4g/L
(6)スルファミン酸アンモニウム 50g/L
(7)EDTA・2Na 10g/L
比較例Cにおけるめっき処理の条件は以下の通りである。
(めっき処理の条件)
pH3.5
液温度 50℃
〔結果〕
表1には、実施例A,B、比較例Cにおいて、ハルセル試験板の各測定点の膜厚を測定した結果を示す。表1に示すA〜Cおよび数字は、それぞれ以下のものを意味する。
A:実施例Aの組成
B:実施例Bの組成
C:比較例Cの組成
1〜9:測定ポイントN0.1〜9
表1に示すように、ハルセル試験板の表面に関しては、実施例AおよびBでは、低電流密度域(測定点No.1〜4)では金めっき被膜がほとんど形成されなかった。これに対して、比較例Cでは、低電流密度域の方が高電流密度域と比較して膜厚が薄いものの、低電流密度域(測定点No.1〜4)でも金めっき被膜が形成されることが確認された。
また、ハルセル試験板の裏面に関しては、実施例AおよびBでは、裏面全体にわたって金めっき被膜がほとんど形成されなかった。これに対して、比較例Cでは、表面と比較して膜厚は薄いものの、裏面全体にわたって金めっき被膜が形成されていた。
ニッケルバリアめっき技術においては、低電流密度域が金めっき被膜を施さない部分に相当し、高電流密度域が金めっき被膜を施す部分に相当する。ニッケルバリアめっき技術においては、金めっき被膜を施さない部分を選択的に形成することが求められるため、低電流密度域においては金めっき被膜が形成されない性質を有するめっき液が望まれる。このことから、測定点No.1〜4において金めっき被膜がほとんど形成されない実施例AおよびBは、測定点No.1〜4において金めっき被膜が形成される比較例Cに比べて、選択的な硬質金めっき処理であるニッケルバリアめっき技術に適しためっき液であると言える。
図2には、実施例Aおよび比較例Cの結果を示すものであり、実施例Aおよび比較例Cでのハルセル試験によって得られたハルセル試験板の表面及び裏面を模式的に示したものである。この図では、めっき処理によって析出した金めっき被膜の状態をドットで示している。各ハルセル試験板の表面は、図1に示すハルセル試験板と同様に、右側が低電流密度側であり、左側が高電流密度側である。一方、各ハルセル試験板の裏面は、図1に示すハルセル試験板とは逆に、右側が高電流密度側であり、左側が低電流密度側である。この図においても、実施例Aでは、ハルセル試験板の表面において低電流密度域では金めっき被膜が形成されないことがわかる。一方、比較例Cでは、ハルセル試験板の表面においては低電流密度域から高電流密度域の全体にわたって金めっき被膜が形成されていることがわかる。また、比較例Cでは、ハルセル試験板の裏面にも主に板の周囲に金めっき被膜が形成されていることがわかる。
以上の結果より、本発明の電解硬質金めっき液に含まれる鉄イオンおよびホウ酸イオンの電気化学的な作用効果により、低電流密度において金めっき被膜の析出が抑制されることが確認された。
本発明によれば、コネクタ等の電子部品に対して金めっき処理を行なう際に、必要な部分にのみ、硬質金めっき処理を行うことが可能となる。これにより、金めっき被膜部分の面積が縮小化され、金の使用量を低減させることができるため、コスト削減という利益を産業界にもたらすことができる。

Claims (11)

  1. シアン化金塩と、
    有機酸伝導塩と、
    キレート化剤と、
    鉄イオンと、
    ホウ酸及びホウ酸塩の少なくとも何れかと、
    を含む、電解硬質金めっき液。
  2. 前記鉄イオンは、
    有機鉄塩を添加して生じたものである、請求項1に記載の電解硬質金めっき液。
  3. 前記有機鉄塩が、クエン酸第一鉄、クエン酸第二鉄、グリコール酸鉄、乳酸鉄、EDTA−鉄、フマル酸鉄、及び、酒石酸鉄からなる群から選ばれる少なくとも1つである、請求項2に記載の電解硬質金めっき液。
  4. 前記鉄イオンは、鉄換算で、0.2g/L〜10g/Lの濃度で含まれている、請求項1から3の何れか1項に記載の電解硬質金めっき液。
  5. 前記ホウ酸及びホウ酸塩の少なくとも何れかは、ホウ酸として3g/L〜50g/Lの濃度で添加されている、請求項1から4の何れか1項に記載の電解硬質金めっき液。
  6. コバルト塩、ニッケル塩、及び、銀塩からなる群から選ばれる少なくとも1つの金属塩をさらに含む請求項1から5の何れか1項に記載の電解硬質金めっき液。
  7. 前記有機酸伝導塩が、カルボン酸塩である、請求項1から6の何れか1項に記載の電解硬質金めっき液。
  8. 請求項1〜7の何れか1項に記載の電解硬質金めっき液を用いためっき方法であって、
    コネクタ素材のめっきが不必要な部分を遮蔽する工程と、部分的に遮蔽された前記コネクタ素材の接点部に前記電解硬質金めっき液を吹き付けて部分的にめっきを行なう工程と、を含むめっき方法。
  9. 請求項1から7の何れか1項に記載の電解硬質金めっき液を用いて電解めっきを行なうことによって、めっき対象物に金−鉄合金被膜を析出させる、金−鉄合金被膜の製造方法。
  10. 請求項9に記載の金−鉄合金被膜の製造方法であって、
    ニッケル被膜、パラジウム被膜、及び、パラジウム合金被膜の少なくとも何れかの上に電解めっきを行うことにより、前記金−鉄合金被膜を析出させる、金−鉄合金被膜の製造方法。
  11. 請求項9または10に記載の金−鉄合金被膜の製造方法であって、該合金被膜中に0.01〜3.0%の含有量で鉄が含まれる、金−鉄合金被膜の製造方法。
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