JP2620816B2 - パラジウム−ニッケル−リン合金電気メッキ液 - Google Patents
パラジウム−ニッケル−リン合金電気メッキ液Info
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Description
キ液に関する。
キが行われている。近年、経済的観点より金の薄膜化、
金以外の材料に関する研究が盛んに行われている。金の
特徴を合わせもつ金属や合金は見出されていないが、耐
食性、耐摩耗性および接触抵抗の特性に限り、70%以上
のPdを含有するPd−Ni合金の電気メッキ皮膜が金メッキ
皮膜に準ずる特性を有するとの報告がある。しかしなが
ら、一方では、Pd−Ni合金の電気メッキ皮膜について
は、耐食性に関しては、不充分であるとの報告もある。
気メッキ皮膜の耐食性の評価が異なる原因が、メッキ皮
膜に生じるクラックにあるものと考え、メッキ皮膜の応
力緩和について検討を行なった。その結果、Pd−Ni合金
メッキ皮膜に、更にリンを共析させることによって、応
力が緩和され、クラックのないPd−Ni−P合金の電気メ
ッキ皮膜が得られることを見出し、本発明を完成するに
至った。
1種からなる含リン化合物 0.001〜0.5モル/ を含有する水溶液からなることを特徴とするパラジウム
−ニッケル−リン合金電気メッキ液に係る。
ム化合物を用いることができ、具体的には、塩化パラジ
ウム、塩化パラジウムナトリウム、塩化パラジウムカリ
ウム、塩化パラジウムアンモニウム、硫酸パラジウム、
硝酸パラジウム、酢酸パラジウム、酸化パラジウム等の
パラジウム化合物を用いることができる。パラジウム化
合物の濃度は、要求される合金メッキ皮膜の組成、メッ
キ条件等に応じて広い範囲で決めることができるが、通
常0.01〜0.5モル/程度とし、好ましくは0.05〜0.2モ
ル/程度とすればよい。パラジウム化合物の濃度が低
すぎると、電流効率が悪くなるので実用的でなく、一
方、濃度が高すぎる場合には、電流効率がより向上する
ことはなく、かえってメッキ液の安定性を阻害すること
になるので好ましくない。
ことができ、具体的には、塩化ニッケル、塩化ニッケル
アンモニウム、臭化ニッケル、ヨウ化ニッケル、硫酸ニ
ッケル、硫酸ニッケルアンモニウム、硝酸ニッケル、炭
酸ニッケル、スルファミン酸ニッケル、酢酸ニッケル、
安息香酸ニッケル、クエン酸ニッケル、蟻酸ニッケル、
酒石酸ニッケル、蓚酸ニッケル等のニッケル化合物が使
用できる。ニッケル化合物の濃度は、要求される合金メ
ッキ皮膜の組成、メッキ条件等に応じて広い範囲で決め
ることができるが、通常は、0.01〜1モル/程度と
し、好ましくは、0.05〜0.8モル/程度とすればよ
い。ニッケル化合物の濃度が低すぎると、ニッケルが共
析し難くなり、一方濃度が高すぎる場合には、メッキ液
の安定性を阻害することになるので好ましくない。
液中のPd及びNiと錯体を形成してこれらの成分を液中に
安定に保持する作用をし、液の安定化に寄与する。
の安定性は良好になるが、高濃度となりすぎると不経済
であり、一方、エチレンジアミンの濃度が低すぎると、
液の安定性が低下して、分解しやすくなる。通常は、エ
チレンジアミン濃度を0.02〜1モル/程度、好ましく
は0.1〜0.8モル/程度とすればよい。
せるために、含リン化合物を配合することが必要であ
る。含リン化合物としては、亜リン酸化合物及び次亜リ
ン酸化合物の少なくとも1種を用いればよい。亜リン酸
化合物及び次亜リン酸化合物としては、亜リン酸、次亜
リン酸、及びそれぞれのアンモニウム、リチウム、ナト
リウム、カリウム、カルシウム塩等を用いることがで
き、正塩及び酸性塩のいずれでもよい。
濃度が増加すると、一般に増加する傾向にある。メッキ
液中の含リン化合物量が少な過ぎるとリンが共析し難く
なり、一方多すぎるとメッキ皮膜の外観が悪くなるの
で、要求されるリン含量等に応じて、適宜含リン化合物
濃度を設定すればよい。一般に、含リン化合物量は、0.
001〜0.5モル/程度とすればよく、好ましくは、0.00
5〜0.2モル/程度とすればよい。
水溶液であり、極めて安定性に優れ、メッキ液中のパラ
ジウム化合物、ニッケル化合物及びリン化合物の濃度比
を変化させることにより、析出皮膜中のパラジウム、ニ
ッケル及びリンの比率を調整でき、任意の組成のメッキ
皮膜を容易に得ることができる。
観を有し、低応力でクラックが全くないため、耐食性、
ハンダ付け性に優れ、接触抵抗も低い値となる。
が、好ましくはpH7以下とする。pH7を上回ると液の安定
性が低下して、多層のエチレンジアミンが必要となり不
経済である。メッキ液のpHの調整は、例えば、HCl、H2S
O4等の酸やNaOH等のアルカリ化合物によって行なえばよ
い。
おいてメッキ可能であり、特に25〜70℃程度の液温のと
きに、平滑で光沢のある最も良好なメッキ皮膜を得るこ
とができる。
により広い範囲で選択することができるが、通常0.1〜2
0A/dm2程度、好ましくは0.5〜10A/dm2程度とすればよ
い。
液は、以下のような優れた特性を有する。
気、揮発がなく作業環境が良好である。
沢外観を有する。
ダ付け性に優れている。
及び含リン化合物の濃度比を変化させることにより、析
出皮膜中のパラジウム−ニッケル−リンの比率を調整で
き、用途に応じた任意の組成のメッキ皮膜を容易に得る
ことができる。
の触媒作用のために、皮膜表面にポリマーが形成され
て、接触障害が生じるという欠点があるが、本発明のメ
ッキ液では、Pd、Ni及びPの合金皮膜が形成されるた
め、有機性ガス雰囲気中でも析出皮膜の表面にポリマー
が生じることがなく、信頼性の要求される電気接点部品
への応用に最適である。
被処理物、レジストインキ等の種類が多くなり、又メッ
キ設備の材質としても多種類のものが使用できる。
るものであり、電子部品において高い信頼性を要求され
る接点部品への応用や金メッキ皮膜の長寿命化のための
下地メッキ皮膜としての応用等に極めて有用であり、更
に、その他、特に耐食性が要求される部品等に対して広
く使用し得るものである。
金メッキ液を調製した。
極電流密度を変えて、白金板(25×25mm)に17クローン
めっきをした後、得られた皮膜を濃硝酸に溶解し、高周
波プラズマ発光分析法により、皮膜組成を求めるととも
に、電流効率を求めた。電流効率についての測定結果を
第1図に、皮膜組成についての測定結果を第2図に示
す。第1図から、電流密度の増大に伴い、電流効率が増
大することがわかる。また、第2図から判る様に、電流
密度の増大に伴い、電析物中のNi含量の増大、Pd含量の
低下が認められたが、1A/dm2以上では組成変化の度合が
小さくなった。リン含量は、1A/dm2において極大値を示
し、これは低電流密度領域において亜リン酸の還元など
の副反応が起こっていることを示唆している。
させて、亜リン酸濃度の異なるメッキ液を調製し、pH
4、液温40℃、陰極電流密度2A/dm2の条件でメッキを行
ない、電流効率、メッキ皮膜の組成、クラックの有無、
耐食性、結晶構造及び内部応力を評価した。
同様にして求めた。
延銅板(25×25mm)にメッキを行なった試料について評
価した。クラックの有無については、2μm厚のメッキ
を行なった試料について、走査型電子顕微鏡により観察
した。結晶構造は、5μm厚のメッキを行なった試料に
ついて、X線回折法により求めた。また、耐食性は、1
μm厚のメッキを行なった圧延銅板を用いて、JISに基
づく塩水噴霧試験により評価した。
被覆した試験片に、3.5μmのメッキを行ない、試験片
の湾曲度から算出した。
うに、亜リン酸濃度の増大に伴い、電析物中のP含量の
増大、Ni含量の増大、Pd含量の低下が認められた。亜リ
ン酸を0.02mol/以上添加することにより、Pd60mol
%、Ni30mol%程度を含有するメッキ皮膜が形成され
た。
流効率は、亜リン酸濃度の増大に伴いわずかに増大し、
60〜70%の値を示すことがわかる。
ろ、リン含量が少ない場合には、試料の周辺部にクラッ
クが認められたが、リン含量の増大に伴って、クラック
が全く認められなくなった。
回折パターンから、P含量の増大に伴い、回折線がブロ
ードになり、P含量が低い皮膜では(220)面の優先配
向が認められるが、P含量5mol%以上の皮膜では、(11
1)面の優先配合が認められることがわかる。
ら、P含量の増大に伴い、内部応力が急激に低下するこ
とが判る。この結果から、P含量の増大により内部応力
が低下し、これにより、メッキ皮膜におけるクラックが
消失したものと考えられる。
は、メッキ厚1μmの試料について行なった。結果は、
JIS H 8502に規定されるレイティングナンバー法に
準じた基準で評価し、下記の各記号で表わす。
下) 以上の結果から、メッキ皮膜におけるP含量の増大に
より、耐食性の向上が認められる。
ラフ、第2図は実施例1における皮膜組成の測定結果を
示すグラフ、第3図は実施例2における皮膜組成の測定
結果を示すグラフ、第4図は実施例2における電流効率
の測定結果を示すグラフ、第5図は実施例2におけるX
線回折パターンを示す図面、第6図は実施例2における
応力側定結果を示すグラフである。
Claims (3)
- 【請求項1】a)パラジウム化合物 0.01〜0.5モル/
、 b)ニッケル化合物 0.01〜1モル/、 c)エチレンジアミン 0.02〜1モル/、並びに d)亜リン酸化合物及び次亜リン酸化合物の少なくとも
1種からなる含リン化合物 0.001〜0.5モル/ を含有する水溶液からなることを特徴とするパラジウム
−ニッケル−リン合金電気メッキ液。 - 【請求項2】a)パラジウム化合物 0.05〜0.2モル/
、 b)ニッケル化合物 0.05〜0.8モル/、 c)エチレンジアミン 0.1〜0.8モル/、並びに d)亜リン酸化合物及び次亜リン酸化合物の少なくとも
1種からなる含リン化合物 0.005〜0.2モル/ を含有する水溶液からなることを特徴とする請求項1に
記載のパラジウム−ニッケル−リン合金電気メッキ液。 - 【請求項3】含リン化合物が亜リン酸化合物である請求
項1又は2に記載のパラジウム−ニッケル−リン合金電
気メッキ液。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2243481A JP2620816B2 (ja) | 1990-09-12 | 1990-09-12 | パラジウム−ニッケル−リン合金電気メッキ液 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2243481A JP2620816B2 (ja) | 1990-09-12 | 1990-09-12 | パラジウム−ニッケル−リン合金電気メッキ液 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04124294A JPH04124294A (ja) | 1992-04-24 |
JP2620816B2 true JP2620816B2 (ja) | 1997-06-18 |
Family
ID=17104532
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2243481A Expired - Fee Related JP2620816B2 (ja) | 1990-09-12 | 1990-09-12 | パラジウム−ニッケル−リン合金電気メッキ液 |
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Country | Link |
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Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012241260A (ja) * | 2011-05-23 | 2012-12-10 | Kanto Gakuin | 電解パラジウム−リン合金めっき液、めっき被膜及びめっき製品 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6154879A (ja) * | 1984-08-22 | 1986-03-19 | Ricoh Co Ltd | 高電圧装置の輻射ノイズの低減方法 |
JPH0219197A (ja) * | 1988-07-08 | 1990-01-23 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 洗濯機の制御装置 |
-
1990
- 1990-09-12 JP JP2243481A patent/JP2620816B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH04124294A (ja) | 1992-04-24 |
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