JP6327732B1 - リードフレーム及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また、ハーフエッチング加工を施して形成されるリードが細長い或いは屈曲している場合、リードの先端の例えば端子となる部分に段差を生じ易く、リードフレームの製造過程における搬送時にリードの先端の引っ掛かり等により、リードが連結された切断対象となる最も細いサポートリードに対し過剰な負荷がかかることによる、ねじれ変形が多く生じ易くなる。
そして、特許文献2に記載のリードフレームは、ダムバー70を部分的に薄肉化することで封止樹脂の移動を可能にして、封止樹脂の充填性の向上を図っている。
図9は本発明を導出する過程において、本発明者が検討した一形態のリードフレームの要部構成を示す説明図で、(a)はハーフエッチング加工を施した部位を示す平面図、(b)は斜め下側からみた図、(c)は(a)のH−H断面図である。
図9に示すリードフレームは、ダムバー2が、リード1のダムバー2に接続する端部の幅方向の辺とダムバー2における幅方向の辺とで囲まれた第1の部位2a’と、第1の部位2a’に隣接しリード1と接続しない第2の部位2bの全領域にわたり、ハーフエッチング加工が施され、リード1に比べて薄肉に形成されている。また、リード1は、ダムバー2に接続する端部はハーフエッチング加工が施されず、厚肉に形成されている。
図9に示すリードフレームによれば、ダムバー2におけるリード1と接続しない第2の部位2bから隣り合うリードフレーム領域への封止樹脂の移動をさせ易くすることができる。
そして、リード1とダムバー2との境界となる角部が厚肉のままRが大きく形成されると、図10(c)に示すように、リード1を切断する断面が幅方向に広がり断面積が大きくなる。
リードを切断する部位の断面積が大きくなると、切断部に働く引長応力が集中せず、圧縮応力が増大して、切断後のリードが変形する虞がある。
詳しくは、ハーフエッチング加工を施して、薄肉の樹脂通路部70bを形成したときに、図11(a)に示すように、樹脂通路部70bと支持部70aとの境界面にRが形成され、リード80とダムバー70との境界となる部位の金属が殆どハーフエッチングされずに、厚肉のまま残る。そして、エッチング加工を施してリード80、ダムバー70の外形を形成したときに、図11(b)に示すように、リード80とダムバー70との境界となる角部にRが大きく形成される。
そして、リード80とダムバー70との境界となる角部のRが大きく形成されると、図11(c)に示すように、リード80を切断する切断対象部位の断面が幅方向に広がり断面積が大きくなる。
リードを切断する部位の断面積が大きくなり、また、樹脂通路部70bと支持部70aとの境界面にR形状が形成されると、切断部に働く引長応力が集中せず、圧縮応力が増大して、切断後のリード80が大きく変形する虞がある。
図12は本発明を導出する過程において、本発明者が導出した他の形態のリードフレームの要部構成を示す説明図で、(a)はハーフエッチング加工を施した部位を示す平面図、(b)は斜め下側からみた図、(c)は(a)のK−K断面図である。
図12に示すリードフレームは、リード1とダムバー2とが交差する領域(即ち、ダムバー2におけるリード1のダムバー2に接続する端部の幅方向の辺とダムバー2における幅方向の辺とで囲まれた部位)と、リード1における、ダムバー2に接続する端部近傍部位と、を合わせてなる第1の部位2aと、ダムバー2における第1の部位2aに隣接しリード1と接続しない第2の部位2bとが、金属板の板厚に比べて薄い板厚を有している。
図12に示すリードフレームによれば、切断対象部位の断面積が小さくなるため、切断部に働く引長応力を集中させ、圧縮応力を抑えて、切断後のリード1の変形を小さくすることができる。
詳しくは、図12に示すリードフレームは、ハーフエッチング加工を施したときに、図13(a)に示すように、リード1におけるダムバー2に接続する端部が薄肉に形成される構成としたので、エッチング加工を施してリード2、ダムバー1の外形を形成したときに、図13(b)に示すように、リード1とダムバー2との境界となる角部のRが小さく形成される。
そして、リード1とダムバー2との境界となる角部が薄肉でRが小さく形成されると、図13(c)に示すように、リード1を切断する切断対象部位の断面が幅方向に広がらず、しかも薄肉化されていることで、断面の高さも低くなり、断面積が小さくなる。
リードを切断する部位の断面積が小さくなると、切断部に働く引長応力が集中し、圧縮応力が減少して、切断後のリードが変形し難くなる。
即ち、材料である金属板の一方の側からハーフエッチング加工を施すと、リードフレームの材料である圧延加工された金属板が持つ、圧延加工の際に生じた歪みが片側に集中する。その結果、ハーフエッチング加工により生じる強度の低下と片側に残った歪みにより、反りや変形が大きくなり易い。しかも、図12に示すリードフレームのように、リードにおけるダムバーに連結される端部と、ダムバーにおけるリードの端部と連結する部位との全てにハーフエッチングが施されていると、リードが細長い或いは屈曲している場合、リードの先端部分に段差を生じ易く、リードフレームの製造過程で、搬送時の引っかかり等により、リードが連結された切断対象となる最も細いサポートリードに対し過剰な負荷がかかり、ねじれ変形を生じさせる虞がある。
このため、図12に示したリードフレームと同様、切断部に働く引長応力を集中させ、圧縮応力を抑えて、切断後のリードの変形を小さくすることができる。
即ち、材料である金属板の一方の側からハーフエッチング加工を施した際に、圧延加工された金属板が持つ、圧延加工の際に生じた内部応力を相殺させて歪を発生させ難くすることができ、結果として歪みによる変形を発生し難くすることができる。そして、リードが細長い或いは屈曲している場合であっても、リードの先端部分に段差を生じ難く、リードフレームの製造過程で、搬送時の引っかかり等により、リードが連結された切断対象となる最も細いサポートリードに対し過剰な負荷がかかることがなく、ねじれ変形を生じさせ難くなる。
第1実施形態
図1は本発明の一実施形態にかかるリードフレームの要部構成の一例を概念的に示す説明図で、(a)はハーフエッチング加工を施す部位を示す平面図、(b)は斜め下側からみた図、(c)は(a)のM−M断面図である。図2は図1のリードフレームにおけるリードがダムバーに接続する端部の構成をより詳しく示す説明図で、(a)はハーフエッチング加工を施した側を上にして示す斜視図、(b)はハーフエッチング加工を施した側を上にして示す平面図、(c)は(b)のN−N断面図である。
ダムバー2とリード1は、リードフレームの基材をなす金属板を材料として形成されている。
ダムバー2におけるリード1のダムバー2に接続する端部の幅方向の辺とダムバー2における幅方向の辺とで囲まれた部位と、リード1における、ダムバー2に接続する端部近傍部位と、を合わせてなる第1の部位2aには、ダムバー2を横断する横断部3が形成されている。
横断部3は、ダムバー2に接続する端部の幅方向の両端よりも内側に形成された、ダムバーに接続する端部に比べて細い幅を有している。
そして、本実施形態のリードフレームでは、横断部3は、金属板の板厚と同程度の板厚を有し、第1の部位2aにおける横断部3以外の部位と、ダムバー2における第1の部位2aに隣接しリード1と接続しない第2の部位2bとが、金属板の板厚に比べて薄い板厚を有している。
そして、リード1とダムバー2との境界となる角部が薄肉でRが小さく形成されることで、図2(c)に示すように、リード1を切断する切断対象部位の断面が幅方向に広がらず、しかも第1の部位2aにおける横断部3以外の部位が薄肉化されていることで、その部位の断面の高さも低くなり、断面積が小さくなる。
その結果、切断部に働く引長応力が集中し、圧縮応力が減少して、切断後のリードが変形し難くなる。
このため、本実施形態のリードフレームによれば、図12に示したリードフレームと同様、切断部に働く引長応力を集中させ、圧縮応力を抑えて、切断後のリード1の変形を小さくすることができる。
即ち、材料である金属板の一方の側からハーフエッチング加工を施した際に、圧延加工された金属板が持つ、圧延加工の際に生じた内部応力を相殺させて歪を発生させ難くすることができ、結果として歪みによる変形を発生し難くすることができる。そして、リードが細長い或いは屈曲している場合であっても、リードの先端部分に段差を生じ難く、リードフレームの製造過程で、搬送時の引っかかり等により、リードが連結された切断対象となる最も細いサポートリードに対し過剰な負荷がかかることがなく、ねじれ変形を生じさせ難くなる。
実施例1のリードフレームとして、本実施形態の構成を備えた製品単位のリードフレーム(図3(a)参照)を行列方向に多数個(例えば、行列方向に夫々20〜30個。ここでは、25個)接続する多列型リードフレームを製造した。
また、比較例1のリードフレームとして、図12に示したリードフレームの基本構成、即ち、ダムバー2におけるリード1のダムバー2に接続する端部の幅方向の辺とダムバー2における幅方向の辺とで囲まれた部位と、リード1における、ダムバー2に接続する端部近傍部位と、を合わせてなる第1の部位2aと、ダムバー2における第1の部位2aに隣接しリード1と接続しない第2の部位2bとが、金属板の板厚に比べて薄い板厚を有する構成を備えた製品単位のリードフレーム(図4参照)を行列方向に多数個(例えば、行列方向に夫々20〜30個。ここでは、25個)接続する多列型リードフレームを製造した。
そして、実施例1、比較例1の多列型リードフレームにおける夫々の歪みによる変形量を比較した。
歪みによる変形量の確認には、エッチング加工を施した多列型リードフレームの上方より光を照射し、斜め側方から光の反射度合いを目視で観察するとともに、基準面からのパッドの高さを測定して行った。歪みによる変形量が大きい多列型リードフレームは、目視による観察において、多列型リードフレームの面で反射した照明光の形状に変形が認められた。
詳しくは、比較例と実施例1の多列型リードフレームを1000シートずつ製造し、比較例と実施例1のリードフレームの夫々1000シートに対し、変形不良の有無を検査し、比較例1と実施例1のリードフレームの変形不良の発生シート数、発生率について比較を行った。
その結果、比較例1のリードフレームでは、1000シート全てに変形不良が発生し、変形不良発生率は100%であった。これに対し、実施例1のリードフレームでは、変形不良シート数は1000シート中2シートで、変形不良発生率は0.2%となり、変形に対する抑制効果があることが確認された。
金属板として厚さが0.200mmに銅材を用いて、両面にドライフィルムレジストを貼り付け、レジスト層を形成した。
次に、リードフレームの形状が形成されたガラスマスクを用意した。その際、金属板の一方の側の第1の部位2aにおける、リード1のダムバー2に接続する端部の幅方向の両端よりも内側に形成された、ダムバー2に接続する端部に比べて細い幅で、ダムバー2を横断する横断部3に対応する領域と、金属板の一方の側のリード1の先端の端子となる部分に対応する領域とがハーフエッチング加工されず、金属板の一方の側の第1の部位2aにおける、横断部3以外の部位に対応する領域と、金属板の一方の側の第2の部位2bに対応する領域と、金属板の一方の側のリード1の先端の端子となる部分以外の所定部位に対応する領域がハーフエッチング加工される、レジストマスクが形成されるように、ガラスマスクのパターンを設計した。
そして、金属板の一方の側からのハーフエッチング加工の深さが共に0.110mmとなるようにガラスマスクのパターンを設計した。
2 ダムバー
2a、2a’ 第1の部位
2b 第2の部位
3 横断部
50、70 ダムバー
51 接続部
52 第2の部位
53 第1の部位
60 (端子部の)リード
70a 支持部
70b 樹脂通路部
80 リード
Claims (2)
- 多列型リードフレームにおける製品単位を構成し、所定箇所にリードフレームの基材をなす金属板の板厚に比べて薄い板厚部分を有するダムバーと、前記ダムバーに接続し、該ダムバーに接続する端部から所定範囲にかけて前記金属板の板厚と同程度の板厚部分を有するリードを具備するリードフレームにおいて、
前記ダムバーにおける、前記リードの該ダムバーに接続する端部の幅方向の辺と該ダムバーの幅方向の辺とで囲まれた部位と、該リードにおける、該ダムバーに接続する端部近傍部位と、を合わせてなる第1の部位に、該リードの該ダムバーに接続する端部の幅方向の両端よりも内側に形成された、該ダムバーに接続する端部に比べて細い幅で、該ダムバーを横断する横断部を有し、
前記横断部は、前記金属板の板厚と同程度の板厚を有し、
前記第1の部位における前記横断部以外の部位と、前記ダムバーにおける、前記第1の部位に隣接し前記リードと接続しない第2の部位とが、前記金属板の板厚に比べて薄い板厚を有することを特徴とするリードフレーム。 - 多列型リードフレームにおける製品単位を構成し、所定箇所にリードフレームの基材をなす金属板の板厚に比べて薄い板厚部分を有するダムバーと、前記ダムバーに接続し、該ダムバーに接続する端部から所定範囲にかけて前記金属板の板厚と同程度の板厚部分を有するリードを具備するリードフレームの製造方法において、
前記ダムバーにおける、前記リードの該ダムバーに接続する端部の幅方向の辺と該ダムバーの幅方向の辺とで囲まれた部位と、該リードにおける、該ダムバーに接続する端部近傍部位と、を合わせてなる第1の部位に、該リードの該ダムバーに接続する端部の幅方向の両端よりも内側に形成された、該ダムバーに接続する端部に比べて細い幅で、該ダムバーを横断する横断部を有し、前記横断部が、前記金属板の板厚と同程度の板厚を有し、前記第1の部位における前記横断部以外の部位と、前記ダムバーにおける、前記第1の部位に隣接し前記リードと接続しない第2の部位とが、前記金属板の板厚に比べて薄い板厚を有するように、該金属板の一方の側の該ダムバー及び該リードに対応する領域に対しハーフエッチング加工を施すことを特徴とするリードフレームの製造方法。
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