JP6327732B1 - リードフレーム及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】設計の自由度が大きく、切断すべき金属体積を効率よく減少させて切断加工を容易化し、リードやダムバーの変形や反り及びねじれを十分に抑え、封止樹脂を移動し易くして封止樹脂の充填性を向上可能なリードフレームの提供。【解決手段】ダムバー2とリード1を有し、ダムバーにおけるリードのダムバーに接続する端部の幅方向の辺とダムバーにおける幅方向の辺とで囲まれた部位と、リードにおけるダムバーに接続する端部近傍部位と、を合わせてなる第1の部位2aに、リードのダムバーに接続する端部の幅方向の両端よりも内側に、ダムバーに接続する端部に比べて細い幅で、ダムバーを横断する横断部3を有し、横断部は、金属板の板厚と同程度の板厚を有し、第1の部位における横断部以外の部位と、ダムバーにおける第1の部位に隣接しリードと接続しない第2の部位2bが、金属板の板厚に比べて薄い板厚を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、エッチングにて形成される多列型リードフレームにおいて製品単位を構成するリードフレームであって、所定箇所にリードフレームの基材をなす金属板の板厚に比べて薄い板厚部分を有するダムバーと、ダムバーに接続し、ダムバーに接続する端部から所定範囲にかけて金属板の板厚と同程度の板厚部分を有するリードを具備するリードフレーム及びその製造方法に関する。
多列型リードフレームにおいて製品単位を構成するリードフレームであって複数の半田接続用端子を有する複数のフリップチップ実装用リードフレームにおける、主としてチップを搭載する部位や各端子用リードとなる部位は、支持体となるフレーム全体へと接続するためのリードを有している。これらの部位のリードはサポートリードと連結されて一体となっているが、形状によっては、強度不足のため変形の原因となることがある。QFN(Quad Flat Non-Leaded Package)タイプやLEDタイプのリードフレームは、これらの部位のリードやサポートリードが、表裏の少なくともいずれかにハーフエッチング加工を施され、例えば、長さが1mm以上、太さが0.3mm以下の細長い形状に形成されていることが多く、特に変形を起こし易い。
ハーフエッチング加工を施して形成されるリードにおいては、リードフレームの材料として使用される金属板の板厚の50〜70%程度がエッチングによって溶解するため、内部応力が開放され歪が発生する。この歪によって、フレーム全体がうねりを起こし変形を起こす現象が発生する。そして、ハーフエッチング加工の面積が広ければ広いほど、ハーフエッチング加工の深さが深ければ深いほど変形の程度は大きくなる。
また、ハーフエッチング加工を施して形成されるリードが細長い或いは屈曲している場合、リードの先端の例えば端子となる部分に段差を生じ易く、リードフレームの製造過程における搬送時にリードの先端の引っ掛かり等により、リードが連結された切断対象となる最も細いサポートリードに対し過剰な負荷がかかることによる、ねじれ変形が多く生じ易くなる。
一方、サポートリードのうち、切断対象となるサポートリードであるダムバーは、その一部又は全体がソーイング加工により除去される。このため、これらの部位にハーフエッチング加工を施さないで形成すると、リードフレームに半導体素子を搭載し封止樹脂で封止後に、製品単位に分離するための切断加工を行う際の、切断すべき金属部分の体積が大きくなることから、封止樹脂と金属を同時に切断するブレードが目詰まりを起こし易くなり、連続加工時間が延びない。
しかるに、従来、切断対象となるサポートリードであるダムバーの一部を薄肉化したリードフレームが例えば、次の特許文献1、2に提案されている。
特許文献1に記載のリードフレームは、例えば、図5に示すように、ダムバー50のうち個々の端子部のリード60と接続されている接続部51と、接続部51に接続されているリード60のうちダイシングで除去される部位とからなる第1の部位53では、当該第1の部位53における幅方向の端部寄りの部位がハーフエッチング加工を施されて薄肉化され、当該第1の部位53における幅方向の中央部が厚い部分となり、且つ、ダムバー50のうち接続部51の間に位置する第2の部位52では、当該第2の部位52における幅方向の両端部がハーフエッチング加工を施されて薄肉化され、当該第2の部位52における幅方向の中央部が第1の部位53における幅方向の中央部と同一幅を有する厚い部分となっている。
また、特許文献1に記載の他の例のリードフレームは、例えば、図6に示すように、第1の部位53、第2の部位52の両方において、幅方向の中央部寄りの部位がハーフエッチング部となっており、幅方向の端部寄りの部位が、ハーフエッチング加工を施されずにハーフエッチング部に比べて厚い部分となっている。
また、特許文献1に記載のさらに他の例のリードフレームは、例えば、図7に示すように、第1の部位53のみがハーフエッチング加工を施されて全体にわたって薄肉化され、第2の部位52は全くハーフエッチング加工を施されずに、その全体がハーフエッチング部に比べて厚い部分となっている。
そして、特許文献1に記載のリードフレームは、ダムバー50を部分的に薄肉化することで切断を容易化するとともに、薄肉化された切断され易い部位と、切断され易い部位に比べて厚く強度を確保する部位とを形成することで多列型リードフレームの強度の確保を図っている。
特許文献2に記載のリードフレームは、例えば、図8に示すように、ダムバー70における、複数のリード80と接続する位置に各リード80と同じ厚さの支持部70aが形成され、かつ隣り合った支持部70a間に各リード80に比べて薄肉の樹脂通路部70bが形成されている。
そして、特許文献2に記載のリードフレームは、ダムバー70を部分的に薄肉化することで封止樹脂の移動を可能にして、封止樹脂の充填性の向上を図っている。
特許第5214911号公報 特開2007−281207号公報
しかし、特許文献1に記載のリードフレームは、例えば、図5に示すような、ダムバー50にハーフエッチング加工を施す部位の幅をダムバー50の幅より狭くする構成は、ダムバー50の幅が小さいリードフレームには適用することが難しい。また、ハーフエッチング加工を施す部位の数やハーフエッチング加工の幅にバリエーションを持たせることができず、設計の自由度が制限されてしまう。
また、例えば、図6に示すような、ダムバー50の長手方向にわたってハーフエッチング加工を施す部位と施さない個所を設ける構成は、ハーフエッチング加工を施さない厚い部分となる第1の部位53及び第2の部位52における幅方向の端部寄りの部位の全てが長手方向にわたってハーフエッチング加工されずに残るため、その分、切断すべき金属体積が増えて、ダムバー50を切断するブレードが目詰まりを起こし易くなり、連続加工時間が延び難い。
また、例えば、図7に示すような、リード60におけるダムバー50に連結される端部と、ダムバー50におけるリード60の端部と連結する部位との全て(第1の部位53)にハーフエッチング加工が施されていると、リードが細長い或いは屈曲している場合、リードの先端の例えば端子となる部分に段差を生じ易く、リードフレームの製造過程で、搬送時の引っ掛かり等により、リードが連結された切断対象となる最も細いサポートリードに対し過剰な負荷がかかり、ねじれ変形を生じる虞がある。
しかも、図5、図6、図7に示すような、ダムバーにおけるリードと接続していない部位に、ハーフエッチング加工が施されずに厚い部分を有する形状のリードフレームでは、ダムバーを隔てて隣り合うリードフレーム領域への封止樹脂の移動がダムバーにおける厚い部分に遮られて、樹脂未充填の箇所が発生する虞がある。
また、図8に示すような、ダムバー70における各リード80と接続する位置以外の部分にハーフエッチング加工を施して封止樹脂を移動させ易くし、ダムバー70における各リード80と接続する位置の支持部70aをリード80と同じ厚さに形成した構造では、ソーイング工程でのリードを切断する部位の断面が幅方向に広がって断面積が大きくなり、切断部に働く引長応力が集中せず、圧縮応力が増大して、切断後のリード80が変形する虞がある。
本発明は、上記従来の課題を鑑みてなされたものであり、切断対象となるリードの幅如何にかかわらず適用でき、設計の自由度が大きく、切断すべき金属体積を効率よく減少させて切断加工を容易化し、且つ、細長い或いは屈曲しているリードやダムバーの変形や反り及びねじれを十分に抑えることができ、封止樹脂を移動させ易くして、封止樹脂の充填性を向上させることが可能なリードフレーム及びその製造方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明によるリードフレームは、多列型リードフレームにおける製品単位を構成し、所定箇所にリードフレームの基材をなす金属板の板厚に比べて薄い板厚部分を有するダムバーと、前記ダムバーに接続し、該ダムバーに接続する端部から所定範囲にかけて前記金属板の板厚と同程度の板厚部分を有するリードを具備するリードフレームにおいて、前記ダムバーにおける、前記リードの該ダムバーに接続する端部の幅方向の辺と該ダムバーの幅方向の辺とで囲まれた部位と、該リードにおける、該ダムバーに接続する端部近傍部位と、を合わせてなる第1の部位に、該リードの該ダムバーに接続する端部の幅方向の両端よりも内側に形成された、該ダムバーに接続する端部に比べて細い幅で、該ダムバーを横断する横断部を有し、前記横断部は、前記金属板の板厚と同程度の板厚を有し、前記第1の部位における前記横断部以外の部位と、前記ダムバーにおける前記第1の部位に隣接し前記リードと接続しない第2の部位が、前記金属板の板厚に比べて薄い板厚を有することを特徴としている。
また、本発明によるリードフレームの製造方法は、多列型リードフレームにおける製品単位を構成し、所定箇所にリードフレームの基材をなす金属板の板厚に比べて薄い板厚部分を有するダムバーと、前記ダムバーに接続し、該ダムバーに接続する端部から所定範囲にかけて前記金属板の板厚と同程度の板厚部分を有するリードを具備するリードフレームの製造方法において、前記ダムバーにおける前記リードの該ダムバーに接続する端部の幅方向の辺と該ダムバーの幅方向の辺とで囲まれた部位と、該リードにおける、該ダムバーに接続する端部近傍部位と、を合わせてなる第1の部位に、該リードの該ダムバーに接続する端部の幅方向の両端よりも内側に形成された、該ダムバーに接続する端部に比べて細い幅で、該ダムバーを横断する横断部を有し、前記横断部が、前記金属板の板厚と同程度の板厚を有し、前記第1の部位における前記横断部以外の部位と、前記ダムバーにおける前記第1の部位に隣接し前記リードと接続しない第2の部位とが、前記金属板の板厚に比べて薄い板厚を有するように、該金属板の一方の側の該ダムバー及び該リードに対応する領域に対しハーフエッチング加工を施すことを特徴としている。
本発明によれば、切断対象となるリードの幅如何にかかわらず適用でき、設計の自由度が大きく、切断すべき金属体積を効率よく減少させて切断加工を容易化し、且つ、細長い或いは屈曲しているリードやダムバーの変形や反り及びねじれを十分に抑えることができ、封止樹脂を移動させ易くして、封止樹脂の充填性を向上させることが可能なリードフレーム及びその製造方法が得られる。
本発明の一実施形態にかかるリードフレームの要部構成の一例を概念的に示す説明図で、(a)はハーフエッチング加工を施した部位を示す平面図、(b)は斜め下側からみた図、(c)は(a)のM−M断面図である。 図1のリードフレームにおけるリードがダムバーに接続する端部の構成をより詳しく示す説明図で、(a)はハーフエッチング加工を施した側を上にして示す斜視図、(b)はハーフエッチング加工を施した側を上にして示す平面図、(c)は(b)のN−N断面図である。 本発明の一実施例にかかるリードフレームの構成を概念的に示す説明図で、(a)は製品単位のリードフレーム領域におけるハーフエッチング加工を施した部位を示す平面図、(b)は(a)のリードフレームが多列配列された態様の一例を示す平面図である。 本発明の一比較例にかかるリードフレームの構成を概念的に示す説明図で、製品単位のリードフレーム領域におけるハーフエッチング加工を施した部位を示す平面図である。 従来のリードフレームの一例におけるダムバーの構成を示す説明図で、(a)はハーフエッチング加工を施した部位を示す平面図、(b)は(a)のA−A断面図、(c)は(a)のB−B断面図である。 従来のリードフレームの他の例におけるダムバーの構成を示す説明図で、(a)はハーフエッチング加工を施した部位を示す平面図、(b)は(a)のC−C断面図、(c)は(a)のD−D断面図である。 従来のリードフレームのさらに他の例におけるダムバーの構成を示す説明図で、(a)はハーフエッチング加工を施した部位を示す平面図、(b)は(a)のE−E断面図、(c)は(a)のF−F断面図である。 従来のリードフレームのさらに他の例におけるダムバーの構成を示す説明図で、(a)はハーフエッチング加工を施した部位を示す平面図、(b)は斜め下側からみた図、(c)は(a)のG−G断面図である。 本発明を導出する過程において、本発明者が検討した一形態のリードフレームの要部構成を示す説明図で、(a)はハーフエッチング加工を施した部位を示す平面図、(b)は斜め下側からみた図、(c)は(a)のH−H断面図である。 図9のリードフレームにおけるリードがダムバーに接続する端部の構成をより詳しく示す説明図で、(a)はハーフエッチング加工を施した側を上にして示す斜視図、(b)はハーフエッチング加工を施した側を上にして示す平面図、(c)は(b)のI−I断面図である。 図8のリードフレームにおけるリードがダムバーに接続する端部の構成をより詳しく示す説明図で、(a)はハーフエッチング加工を施した側を上にして示す斜視図、(b)はハーフエッチング加工を施した側を上にして示す平面図、(c)は(b)のJ−J断面図である。 本発明を導出する過程において、本発明者が導出した他の形態のリードフレームの要部構成を示す説明図で、(a)はハーフエッチング加工を施した部位を示す平面図、(b)は斜め下側からみた図、(c)は(a)のK−K断面図である。 図12のリードフレームにおけるリードがダムバーに接続する端部の構成をより詳しく示す説明図で、(a)はハーフエッチング加工を施した側を上にして示す斜視図、(b)はハーフエッチング加工を施した側を上にして示す平面図、(c)は(b)のL−L断面図である。
実施形態の説明に先立ち、本発明を導出するに至った経緯及び本発明の作用効果について説明する。
上述した、リードやサポートリードにハーフエッチング加工を施す目的は、リードフレームに半導体素子をフリップチップ実装する際の、半導体素子と接続するパッドや接続端子となる部分以外のリードへの半田の染み出し防止や、半導体素子へのノイズの影響の軽減や、半導体素子との接続部の周辺の隙間へ封止樹脂の充填性向上や、隣接する半導体素子搭載領域とを隔てるダムバー部分での封止樹脂の移動を容易とすることや、半導体素子を搭載し封止樹脂で封止後に樹脂と金属を同時に切断する際の金属体積を減少させて、切断加工の容易化等を図ることにある。
しかし、上述したように、図5、図6、図7に示した特許文献1に記載のような、ダムバー50におけるリード60と接続していない部位に、ハーフエッチング加工が施されずに厚い部分を有する形状のリードフレームでは、ダムバー50を隔てて隣り合うリードフレーム領域への封止樹脂の移動がダムバー50における厚い部分に遮られて、樹脂未充填の箇所が発生する虞がある。
そこで、本発明者は、ダムバーを隔てて隣り合うリードフレーム領域への封止樹脂の移動をさせ易くすべく図9に示す構成を検討した。
図9は本発明を導出する過程において、本発明者が検討した一形態のリードフレームの要部構成を示す説明図で、(a)はハーフエッチング加工を施した部位を示す平面図、(b)は斜め下側からみた図、(c)は(a)のH−H断面図である。
図9に示すリードフレームは、ダムバー2が、リード1のダムバー2に接続する端部の幅方向の辺とダムバー2における幅方向の辺とで囲まれた第1の部位2a’と、第1の部位2a’に隣接しリード1と接続しない第2の部位2bの全領域にわたり、ハーフエッチング加工が施され、リード1に比べて薄肉に形成されている。また、リード1は、ダムバー2に接続する端部はハーフエッチング加工が施されず、厚肉に形成されている。
図9に示すリードフレームによれば、ダムバー2におけるリード1と接続しない第2の部位2bから隣り合うリードフレーム領域への封止樹脂の移動をさせ易くすることができる。
しかし、図9に示すリードフレームは、ハーフエッチング加工を施したときに、図10(a)に示すように、リード1におけるダムバー2に接続する端部が厚肉に形成される構成であるため、エッチング加工を施してリード2、ダムバー1の外形を形成したときに、図10(b)に示すように、リード1とダムバー2との境界となる角部のRが大きく形成される。
そして、リード1とダムバー2との境界となる角部が厚肉のままRが大きく形成されると、図10(c)に示すように、リード1を切断する断面が幅方向に広がり断面積が大きくなる。
リードを切断する部位の断面積が大きくなると、切断部に働く引長応力が集中せず、圧縮応力が増大して、切断後のリードが変形する虞がある。
また、図8に示した、特許文献2に記載のような、ダムバー70における、複数のリード80と接続する位置に各リード80と同じ厚さの支持部70aが形成され、かつ隣り合った支持部70a間に各リード80に比べて薄肉の樹脂通路部70bが形成されたリードフレームは、封止樹脂を移動し易くして、封止樹脂の充填性を向上させることができる。
しかし、図8に示したリードフレームは、上述したように、ダムバー70における各リード80と接続する位置の支持部70aをリード80と同じ厚さに形成した構造であるため、ソーイング工程でのリードを切断する部位の断面が幅方向に広がり断面積が大きくなる。
詳しくは、ハーフエッチング加工を施して、薄肉の樹脂通路部70bを形成したときに、図11(a)に示すように、樹脂通路部70bと支持部70aとの境界面にRが形成され、リード80とダムバー70との境界となる部位の金属が殆どハーフエッチングされずに、厚肉のまま残る。そして、エッチング加工を施してリード80、ダムバー70の外形を形成したときに、図11(b)に示すように、リード80とダムバー70との境界となる角部にRが大きく形成される。
そして、リード80とダムバー70との境界となる角部のRが大きく形成されると、図11(c)に示すように、リード80を切断する切断対象部位の断面が幅方向に広がり断面積が大きくなる。
リードを切断する部位の断面積が大きくなり、また、樹脂通路部70bと支持部70aとの境界面にR形状が形成されると、切断部に働く引長応力が集中せず、圧縮応力が増大して、切断後のリード80が大きく変形する虞がある。
そこで、本発明者は、図8に示した、リードフレームのダムバー70における各リード80と接続する位置の支持部70aの厚みを薄肉化し、樹脂通路部70bと支持部70aとの境界面にR形状が形成されず、リード80とダムバー70との境界となる角部に形成されるRを小さくすることにより、切断対象部位の断面積を減らすべく、図12に示す構成を着想し、検討した。
図12は本発明を導出する過程において、本発明者が導出した他の形態のリードフレームの要部構成を示す説明図で、(a)はハーフエッチング加工を施した部位を示す平面図、(b)は斜め下側からみた図、(c)は(a)のK−K断面図である。
図12に示すリードフレームは、リード1とダムバー2とが交差する領域(即ち、ダムバー2におけるリード1のダムバー2に接続する端部の幅方向の辺とダムバー2における幅方向の辺とで囲まれた部位)と、リード1における、ダムバー2に接続する端部近傍部位と、を合わせてなる第1の部位2aと、ダムバー2における第1の部位2aに隣接しリード1と接続しない第2の部位2bとが、金属板の板厚に比べて薄い板厚を有している。
図12に示すリードフレームによれば、切断対象部位の断面積が小さくなるため、切断部に働く引長応力を集中させ、圧縮応力を抑えて、切断後のリード1の変形を小さくすることができる。
詳しくは、図12に示すリードフレームは、ハーフエッチング加工を施したときに、図13(a)に示すように、リード1におけるダムバー2に接続する端部が薄肉に形成される構成としたので、エッチング加工を施してリード2、ダムバー1の外形を形成したときに、図13(b)に示すように、リード1とダムバー2との境界となる角部のRが小さく形成される。
そして、リード1とダムバー2との境界となる角部が薄肉でRが小さく形成されると、図13(c)に示すように、リード1を切断する切断対象部位の断面が幅方向に広がらず、しかも薄肉化されていることで、断面の高さも低くなり、断面積が小さくなる。
リードを切断する部位の断面積が小さくなると、切断部に働く引長応力が集中し、圧縮応力が減少して、切断後のリードが変形し難くなる。
しかし、図12に示すリードフレームのように、リードとダムバーとが交差する領域に薄肉部を切断方向に沿って形成すると、ダムバーの長手方向にわたって薄肉部が偏る構成となるため、ダムバーの変形を十分に抑えることができない。
即ち、材料である金属板の一方の側からハーフエッチング加工を施すと、リードフレームの材料である圧延加工された金属板が持つ、圧延加工の際に生じた歪みが片側に集中する。その結果、ハーフエッチング加工により生じる強度の低下と片側に残った歪みにより、反りや変形が大きくなり易い。しかも、図12に示すリードフレームのように、リードにおけるダムバーに連結される端部と、ダムバーにおけるリードの端部と連結する部位との全てにハーフエッチングが施されていると、リードが細長い或いは屈曲している場合、リードの先端部分に段差を生じ易く、リードフレームの製造過程で、搬送時の引っかかり等により、リードが連結された切断対象となる最も細いサポートリードに対し過剰な負荷がかかり、ねじれ変形を生じさせる虞がある。
しかるに、本発明者は、試行錯誤の末、切断対象部位の断面積を狭くして切断後のリードの変形を抑えると同時に、ダムバーの長手方向にわたって薄肉部が偏らず、細長い或いは屈曲しているリードやダムバーの変形や反り及びねじれを十分に抑えることができ、しかも、封止樹脂の移動を阻害しないハーフエッチング加工形状を着想し、本発明を導出するに至った。
本発明のリードフレームは、多列型リードフレームにおける製品単位を構成し、所定箇所にリードフレームの基材をなす金属板の板厚に比べて薄い板厚部分を有するダムバーと、ダムバーに接続し、ダムバーに接続する端部から所定範囲にかけて金属板の板厚と同程度の板厚部分を有するリードを具備するリードフレームにおいて、ダムバーにおけるリードのダムバーに接続する端部の幅方向の辺とダムバーの幅方向の辺とで囲まれた部位と、リードにおける該ダムバーに接続する端部近傍部位と、を合わせてなる第1の部位に、リードのダムバーに接続する端部の幅方向の両端よりも内側に形成された、ダムバーに接続する端部に比べて細い幅で、ダムバーを横断する横断部を有し、横断部は、金属板の板厚と同程度の板厚を有し、第1の部位における横断部以外の部位と、ダムバーにおける第1の部位に隣接しリードと接続しない第2の部位が、金属板の板厚に比べて薄い板厚を有する。
本発明のリードフレームのように、ダムバーにおけるリードのダムバーに接続する端部の幅方向の辺とダムバーの幅方向の辺とで囲まれた部位と、リードにおける、ダムバーに接続する端部近傍部位と、を合わせてなる第1の部位に、リードのダムバーに接続する端部の幅方向の両端よりも内側に形成された、ダムバーに接続する端部に比べて細い幅で、ダムバーを横断する横断部を有し、横断部が、金属板の板厚と同程度の板厚を有し、第1の部位における横断部以外の部位が、金属板の板厚に比べて薄い板厚を有する構成にすれば、リードとダムバーとの境界となる角部のRが小さく形成されて、リード1を切断する切断対象部位の断面が幅方向に広がらず、しかも横断部以外の部位が薄肉化されることで、その部位の断面の高さも低くなり、断面積が小さくなる。
このため、図12に示したリードフレームと同様、切断部に働く引長応力を集中させ、圧縮応力を抑えて、切断後のリードの変形を小さくすることができる。
また、本発明のリードフレームのように、ダムバーを横断する横断部が、金属板の板厚と同程度の板厚を有する構成にすれば、図12に示したリードフレームとは異なり、ダムバーの長手方向にわたって薄肉部が偏る構成とはならず、しかも、図12に示したリードフレームとは異なり、リードにおけるダムバーに連結される端部と、ダムバーにおけるリードの端部と連結する部位との全てにハーフエッチングが施された構成にはならないため、ダムバーの変形を十分に抑えることができる。
即ち、材料である金属板の一方の側からハーフエッチング加工を施した際に、圧延加工された金属板が持つ、圧延加工の際に生じた内部応力を相殺させて歪を発生させ難くすることができ、結果として歪みによる変形を発生し難くすることができる。そして、リードが細長い或いは屈曲している場合であっても、リードの先端部分に段差を生じ難く、リードフレームの製造過程で、搬送時の引っかかり等により、リードが連結された切断対象となる最も細いサポートリードに対し過剰な負荷がかかることがなく、ねじれ変形を生じさせ難くなる。
また、本発明のリードフレームのように、ダムバーにおける第1の部位に隣接しリードと接続しない第2の部位が、金属板の板厚に比べて薄い板厚を有する構成にすれば、切断個所の金属体積が減少し、切断加工を容易化できる。また、ダムバーにおける第2の部位により、隣り合うリードフレーム領域への封止樹脂の移動を容易にすることができる。
また、本発明のリードフレームのように第1の部位における横断部以外の部位と、ダムバーにおける第1の部位に隣接しリードと接続しない第2の部位が、金属板の板厚に比べて薄い板厚を有する構成にすれば、図5や図6に示した特許文献1に記載のようなリードフレームとは異なり、ハーフエッチング加工の深さ、幅、リードくびれ、ピッチ、数等をリードに応じて任意に設計することができ、設計の自由度を高く持つことができる。
その結果、本発明によれば、凹凸形状を形成する際のハーフエッチング加工の深さ、幅、リードくびれ、ピッチ、数等をリードに応じて任意に設計することによって、切断すべき金属体積を効率よく減少させて切断加工を容易化し、且つ、細長い或いは屈曲しているリードやダムバーの変形や反り及びねじれを十分に抑えることができ、封止樹脂を移動させ易くして、封止樹脂の充填性を向上させることが可能なリードフレームが得られる。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
第1実施形態
図1は本発明の一実施形態にかかるリードフレームの要部構成の一例を概念的に示す説明図で、(a)はハーフエッチング加工を施す部位を示す平面図、(b)は斜め下側からみた図、(c)は(a)のM−M断面図である。図2は図1のリードフレームにおけるリードがダムバーに接続する端部の構成をより詳しく示す説明図で、(a)はハーフエッチング加工を施した側を上にして示す斜視図、(b)はハーフエッチング加工を施した側を上にして示す平面図、(c)は(b)のN−N断面図である。
本実施形態のリードフレームは、多列型リードフレームにおける製品単位を構成するリードフレームであって、図1に示すように、ダムバー2と、ダムバー2に接続するリード1を具備する。なお、図1では図示を省略したが、リード1の先端側の部分は、長リードと短リードとを組み合わせたフリップチップ実装用の所定形状に形成されていてもよい。
ダムバー2とリード1は、リードフレームの基材をなす金属板を材料として形成されている。
ダムバー2におけるリード1のダムバー2に接続する端部の幅方向の辺とダムバー2における幅方向の辺とで囲まれた部位と、リード1における、ダムバー2に接続する端部近傍部位と、を合わせてなる第1の部位2aには、ダムバー2を横断する横断部3が形成されている。
横断部3は、ダムバー2に接続する端部の幅方向の両端よりも内側に形成された、ダムバーに接続する端部に比べて細い幅を有している。
そして、本実施形態のリードフレームでは、横断部3は、金属板の板厚と同程度の板厚を有し、第1の部位2aにおける横断部3以外の部位と、ダムバー2における第1の部位2aに隣接しリード1と接続しない第2の部位2bとが、金属板の板厚に比べて薄い板厚を有している。
本実施形態のリードフレームによれば、ダムバー2におけるリード1のダムバー2に接続する端部の幅方向の辺とダムバー2の幅方向の辺とで囲まれた部位と、リード1における、ダムバー2に接続する端部近傍部位と、を合わせてなる第1の部位2aに、リード1のダムバー2に接続する端方向の両端よりも内側に形成された、ダムバー2に接続する端部に比べて細い幅で、ダムバー2を横断する横断部3を有し、横断部3が、金属板の板厚と同程度の板厚を有し、第1の部位2aにおける横断部3以外の部位が、金属板の板厚に比べて薄い板厚を有する構成にしたので、図2(a)、図2(b)に示すように、リード1とダムバー2との境界となる角部のRが小さく形成される。
そして、リード1とダムバー2との境界となる角部が薄肉でRが小さく形成されることで、図2(c)に示すように、リード1を切断する切断対象部位の断面が幅方向に広がらず、しかも第1の部位2aにおける横断部3以外の部位が薄肉化されていることで、その部位の断面の高さも低くなり、断面積が小さくなる。
その結果、切断部に働く引長応力が集中し、圧縮応力が減少して、切断後のリードが変形し難くなる。
このため、本実施形態のリードフレームによれば、図12に示したリードフレームと同様、切断部に働く引長応力を集中させ、圧縮応力を抑えて、切断後のリード1の変形を小さくすることができる。
また、本実施形態のリードフレームによれば、ダムバー2を横断する横断部3が、金属板の板厚と同程度の板厚を有する構成にしたので、図12に示したリードフレームとは異なり、ダムバーの長手方向にわたって薄肉部が偏る構成とはならず、しかも、図12に示したリードフレームとは異なり、リード1におけるダムバー2に連結される端部と、ダムバー2におけるリード1の端部と連結する部位との全てにハーフエッチングが施された構成にはならないため、ダムバーの変形を十分に抑えることができる。
即ち、材料である金属板の一方の側からハーフエッチング加工を施した際に、圧延加工された金属板が持つ、圧延加工の際に生じた内部応力を相殺させて歪を発生させ難くすることができ、結果として歪みによる変形を発生し難くすることができる。そして、リードが細長い或いは屈曲している場合であっても、リードの先端部分に段差を生じ難く、リードフレームの製造過程で、搬送時の引っかかり等により、リードが連結された切断対象となる最も細いサポートリードに対し過剰な負荷がかかることがなく、ねじれ変形を生じさせ難くなる。
また、本実施形態のリードフレームによれば、ダムバー2における第1の部位2aに隣接しリード1と接続しない第2の部位2bが、金属板の板厚に比べて薄い板厚を有する構成にしたので、切断個所の金属体積が減少し、切断加工を容易化できる。また、ダムバー2における第2の部位2bにより、隣り合うリードフレーム領域への封止樹脂の移動を容易にすることができる。
また、本実施形態のリードフレームによれば、第1の部位2aにおける横断部3以外の部位と、ダムバー2における第1の部位2aに隣接しリード1と接続しない第2の部位2bが、金属板の板厚に比べて薄い板厚を有する構成にしたので、図5や図6に示した特許文献1に記載のようなリードフレームとは異なり、ハーフエッチング加工の深さ、幅、リードくびれ、ピッチ、数等をリードに応じて任意に設計することができ、設計の自由度を高く持つことができる。
その結果、本実施形態のリードフレームによれば、凹凸形状を形成する際のハーフエッチング加工の深さ、幅、リードくびれ、ピッチ、数等をリードに応じて任意に設計することによって、切断すべき金属体積を効率よく減少させて切断加工を容易化し、且つ、細長い或いは屈曲しているリードやダムバーの変形や反り及びねじれを十分に抑えることができ、封止樹脂を移動させ易くして、封止樹脂の充填性を向上させることが可能となる。
図3は本発明の一実施例にかかるリードフレームの構成を概念的に示す説明図で、(a)は製品単位のリードフレーム領域におけるハーフエッチング加工を施した部位を示す平面図、(b)は(a)のリードフレームが多列配列された態様の一例を示す平面図である。図4は本発明の一比較例にかかるリードフレームの構成を概念的に示す説明図で、製品単位のリードフレーム領域におけるハーフエッチング加工を施した部位を示す平面図である。
実施例及び比較例のリードフレームに生ずる歪みによる変形量の比較試験
実施例1のリードフレームとして、本実施形態の構成を備えた製品単位のリードフレーム(図3(a)参照)を行列方向に多数個(例えば、行列方向に夫々20〜30個。ここでは、25個)接続する多列型リードフレームを製造した。
また、比較例1のリードフレームとして、図12に示したリードフレームの基本構成、即ち、ダムバー2におけるリード1のダムバー2に接続する端部の幅方向の辺とダムバー2における幅方向の辺とで囲まれた部位と、リード1における、ダムバー2に接続する端部近傍部位と、を合わせてなる第1の部位2aと、ダムバー2における第1の部位2aに隣接しリード1と接続しない第2の部位2bとが、金属板の板厚に比べて薄い板厚を有する構成を備えた製品単位のリードフレーム(図4参照)を行列方向に多数個(例えば、行列方向に夫々20〜30個。ここでは、25個)接続する多列型リードフレームを製造した。
そして、実施例1、比較例1の多列型リードフレームにおける夫々の歪みによる変形量を比較した。
実施例1のリードフレームの薄肉部は、材料である金属板の一方の面の所定部位にハーフエッチング加工を施して製造した。詳しくは、全長13.0mm×幅0.200mmのダムバー2に対して、ダムバー2におけるリード1のダムバー2に接続する端部の幅方向の辺とダムバー2の幅方向の辺とで囲まれた部位と、リード1におけるダムバー2に接続する端部近傍部位(ダムバー2の幅方向の両端部から外側に向けて0.050mmまでの部位)と、を合わせてなる第1の部位2aにおいて、リード1の幅方向の両端部から0.050mmまでの、リード1のダムバー2に接続する端部の幅に比べて細い幅0.100mmでダムバー2を横断する横断部3の部位以外の部位に対応する領域と、ダムバー2における第1の部位2aに隣接しリード1と接続しない第2の部位2bに対応する領域とに、材料である金属板の一方の側から、0.110mmの深さでハーフエッチング加工を施した。また、ダムバー2に接続するリード1に対しては、金属板の一方の側から、リード1の先端の端子となる部分以外の所定部位に対応する領域にも、0.110mmの深さでハーフエッチング加工を施した。なお、材料である金属板は、板厚が0.200mmの銅板を用いた。次に、エッチング加工を施してリード2、ダムバー1の外形を形成し、実施例1の多列型リードフレームを完成させた。
比較例1のリードフレーム薄肉部は、材料である金属板の一方の面の所定部位にハーフエッチング加工を施して製造した。詳しくは、全長13.0mm×幅0.200mmのダムバー2に対して、ダムバー2におけるリード1のダムバー2に接続する端部の幅方向の辺とダムバー2における幅方向の辺とで囲まれた部位と、リード1における、ダムバー2に接続する端部近傍部位(ダムバー2の幅方向の両端部から外側に向けて0.050mmまでの部位)と、を合わせてなる第1の部位2aに対応する領域と、ダムバー2における第1の部位2aに隣接しリード1と接続しない第2の部位2bに対応する領域とに、材料である金属板の一方の側から0.110mmの深さでハーフエッチング加工を施した。ダムバー2に接続するリード1に対しては、金属板の一方の側から、リード1の先端の端子となる部分以外の所定部位に対応する領域にも、0.110mmの深さでハーフエッチング加工を施した。なお、材料である金属板は、板厚が0.200mmの銅板を用いた。次に、エッチング加工を施してリード2、ダムバー1の外形を形成し、比較例1の多列型リードフレームを完成させた。
そして、夫々エッチング加工を施して完成させた実施例1、比較例1の多列型リードフレームにおける歪みによる変形量を比較した。
歪みによる変形量の確認には、エッチング加工を施した多列型リードフレームの上方より光を照射し、斜め側方から光の反射度合いを目視で観察するとともに、基準面からのパッドの高さを測定して行った。歪みによる変形量が大きい多列型リードフレームは、目視による観察において、多列型リードフレームの面で反射した照明光の形状に変形が認められた。
詳しくは、比較例と実施例1の多列型リードフレームを1000シートずつ製造し、比較例と実施例1のリードフレームの夫々1000シートに対し、変形不良の有無を検査し、比較例1と実施例1のリードフレームの変形不良の発生シート数、発生率について比較を行った。
その結果、比較例1のリードフレームでは、1000シート全てに変形不良が発生し、変形不良発生率は100%であった。これに対し、実施例1のリードフレームでは、変形不良シート数は1000シート中2シートで、変形不良発生率は0.2%となり、変形に対する抑制効果があることが確認された。
なお、実施例1のリードフレームの製造は、次のようにして行った。
金属板として厚さが0.200mmに銅材を用いて、両面にドライフィルムレジストを貼り付け、レジスト層を形成した。
次に、リードフレームの形状が形成されたガラスマスクを用意した。その際、金属板の一方の側の第1の部位2aにおける、リード1のダムバー2に接続する端部の幅方向の両端よりも内側に形成された、ダムバー2に接続する端部に比べて細い幅で、ダムバー2を横断する横断部3に対応する領域と、金属板の一方の側のリード1の先端の端子となる部分に対応する領域とがハーフエッチング加工されず、金属板の一方の側の第1の部位2aにおける、横断部3以外の部位に対応する領域と、金属板の一方の側の第2の部位2bに対応する領域と、金属板の一方の側のリード1の先端の端子となる部分以外の所定部位に対応する領域がハーフエッチング加工される、レジストマスクが形成されるように、ガラスマスクのパターンを設計した。
そして、金属板の一方の側からのハーフエッチング加工の深さが共に0.110mmとなるようにガラスマスクのパターンを設計した。
なお、実施例1では切断加工の対象となるダムバー2に対して長手方向に沿う断面が、第1の部位2aにおける横断部3と、第1の部位2aにおける横断部3以外の部位及び第2の部位2bとで連続した凹凸の波形状となる。
このように形成されたガラスマスクを使用してエッチング形成したリードフレームは一方の側にハーフエッチング加工面が第1の部位2aにおける横断部3以外の部位と、ダムバー2の第1の部位2aに隣接しリード1と接続しない第2の部位2bとに存在するとともに、リード1における先端の端子となる部分以外の所定領域に存在し、断面をダムバー2の長手方向に沿って観察した場合、ダムバー2はハーフエッチング加工による断線がなく第1の部位2aにおける横断部3と、第1の部位2aにおける横断部3以外の部位及び第2の部位2bとで連続した凹凸が波状に形成される。このとき、第1の部位2aにおける横断部3以外の部位及び第2の部位2bにおけるハーフエッチング加工後の残り板厚は0.090mmとなった。
本発明のリードフレームは、エッチングにて形成される多列型リードフレームにおいて製品単位を構成するリードフレームであって、細長い或いは屈曲しているリード及びそのリードと接続するダムバーを有し、半導体素子搭載側を封止樹脂で封止する半導体製造に用いるリードフレームが必要とされる分野に有用である。
1 リード
2 ダムバー
2a、2a’ 第1の部位
2b 第2の部位
3 横断部
50、70 ダムバー
51 接続部
52 第2の部位
53 第1の部位
60 (端子部の)リード
70a 支持部
70b 樹脂通路部
80 リード

Claims (2)

  1. 多列型リードフレームにおける製品単位を構成し、所定箇所にリードフレームの基材をなす金属板の板厚に比べて薄い板厚部分を有するダムバーと、前記ダムバーに接続し、該ダムバーに接続する端部から所定範囲にかけて前記金属板の板厚と同程度の板厚部分を有するリードを具備するリードフレームにおいて、
    前記ダムバーにおける、前記リードの該ダムバーに接続する端部の幅方向の辺と該ダムバーの幅方向の辺とで囲まれた部位と、該リードにおける、該ダムバーに接続する端部近傍部位と、を合わせてなる第1の部位に、該リードの該ダムバーに接続する端部の幅方向の両端よりも内側に形成された、該ダムバーに接続する端部に比べて細い幅で、該ダムバーを横断する横断部を有し、
    前記横断部は、前記金属板の板厚と同程度の板厚を有し、
    前記第1の部位における前記横断部以外の部位と、前記ダムバーにおける、前記第1の部位に隣接し前記リードと接続しない第2の部位とが、前記金属板の板厚に比べて薄い板厚を有することを特徴とするリードフレーム。
  2. 多列型リードフレームにおける製品単位を構成し、所定箇所にリードフレームの基材をなす金属板の板厚に比べて薄い板厚部分を有するダムバーと、前記ダムバーに接続し、該ダムバーに接続する端部から所定範囲にかけて前記金属板の板厚と同程度の板厚部分を有するリードを具備するリードフレームの製造方法において、
    前記ダムバーにおける、前記リードの該ダムバーに接続する端部の幅方向の辺と該ダムバーの幅方向の辺とで囲まれた部位と、該リードにおける、該ダムバーに接続する端部近傍部位と、を合わせてなる第1の部位に、該リードの該ダムバーに接続する端部の幅方向の両端よりも内側に形成された、該ダムバーに接続する端部に比べて細い幅で、該ダムバーを横断する横断部を有し、前記横断部が、前記金属板の板厚と同程度の板厚を有し、前記第1の部位における前記横断部以外の部位と、前記ダムバーにおける、前記第1の部位に隣接し前記リードと接続しない第2の部位とが、前記金属板の板厚に比べて薄い板厚を有するように、該金属板の一方の側の該ダムバー及び該リードに対応する領域に対しハーフエッチング加工を施すことを特徴とするリードフレームの製造方法。
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