JP6314282B1 - 液体現像剤の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
〔1〕 酸性基を有する樹脂を含む結着樹脂、着色剤、塩基性分散剤、及び絶縁性液体を含有する液体現像剤の製造方法であって、
工程I:前記結着樹脂と前記着色剤と前記塩基性分散剤を含む原料を前記結着樹脂のガラス転移温度以上の温度で撹拌する工程、及び
工程II:工程Iの撹拌物に、該撹拌物100質量部に対して前記絶縁性液体50〜500質量部を前記結着樹脂のガラス転移温度以上の温度で滴下することにより転相乳化して、トナー粒子の分散液を得る工程
を含む、液体現像剤の製造方法、並びに
〔2〕 酸性基を有する樹脂を含む結着樹脂、着色剤、塩基性分散剤、及び絶縁性液体を含有する液体現像剤の製造方法であって、
工程i:前記結着樹脂と前記塩基性分散剤を含む原料を前記結着樹脂のガラス転移温度以上の温度で撹拌する工程、
工程ii:工程iの撹拌物に、該撹拌物100質量部に対して前記絶縁性液体50〜500質量部を前記結着樹脂のガラス転移温度以上の温度で滴下することにより転相乳化して、トナー粒子の分散液を得る工程、及び
工程iii:工程iiで得られた分散液と前記着色剤を混合する工程
を含む、液体現像剤の製造方法
に関する。
で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。炭素数2以上20以下のジオールとして、具体的には、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。
が、中でも、工程Iにおいては、着色剤や分散剤の分散性及びトナーの小粒径化の観点から、攪拌を公転軸に自転軸が2軸以上連結され、夫々の自転軸に設けられた攪拌羽根が遊星運動を行う混合機(以下、プラネタリーミキサーという)、カイ型攪拌機、ニーダー型ミキサー等を用いて行うことが好ましく、プラネタリーミキサーを用いて行うことがより好ましい。
すなわち、工程Iにおいては、固形分濃度が高い状態で混合(混練)を行うため、混合(混練)状態に依存して混合(混練)物の粘度が広い範囲で変化する。特に工程Iでは高粘度状態となるため、攪拌が不十分あるいは不均一となることがあり、その結果、着色剤や分散剤の分散及び転相乳化が充分に行われない場合がある。上記の点から、混合機として、上記のものを用いることが好ましく、低粘度から高粘度まで広範囲に対応することができる点から、プラネタリーミキサーが好ましい。
工程I−1:結着樹脂と着色剤を含むトナー粒子前駆体を調製する工程、及び
工程I−2:工程I−1で得られたトナー粒子前駆体と塩基性分散剤を含む混合物を前記結着樹脂のガラス転移温度以上の温度で撹拌する工程
を含む態様である。
工程I−3:結着樹脂と着色剤と塩基性分散剤を含むトナー粒子前駆体を調製する工程、及び
工程I−4:工程I−3で得られたトナー粒子前駆体を含む混合物を前記結着樹脂のガラス転移温度以上の温度で撹拌する工程
を含む態様である。
工程i:結着樹脂と塩基性分散剤を含む原料を結着樹脂のガラス転移温度以上の温度で撹拌する工程、
工程ii:工程iの撹拌物に、結着樹脂のガラス転移温度以上の温度で絶縁性液体を滴下することにより転相乳化して、トナー粒子の分散液を得る工程、及び
工程iii:工程iiで得られた分散液と前記着色剤を混合する工程
を含む方法であってもよい。
工程I:前記結着樹脂と前記着色剤と前記塩基性分散剤を含む原料を前記結着樹脂のガラス転移温度以上の温度で撹拌する工程、及び
工程II:工程Iの撹拌物に、該撹拌物100質量部に対して前記絶縁性液体50〜500質量部を前記結着樹脂のガラス転移温度以上の温度で滴下することにより転相乳化して、トナー粒子の分散液を得る工程
を含む、液体現像剤の製造方法。
<3> 酸性基を有する樹脂の酸価が、3mgKOH/g以上、好ましくは5mgKOH/g以上、より好ましくは8mgKOH/g以上であり、そして、60mgKOH/g以下、好ましくは50mgKOH/g以下、より好ましくは40mgKOH/g以下、さらに好ましくは30mgKOH/g以下である、前記<1>又は<2>記載の製造方法。
<4> 塩基性分散剤が、アミノ基及び/又はイミノ基を有する塩基性分散剤を含む、前記<1>〜<3>いずれか記載の製造方法。
<5> 塩基性分散剤が、炭素数16以上の炭化水素、ハロゲン原子で一部置換された炭素数16以上の炭化水素、反応性の官能基を有する炭素数16以上の炭化水素、炭素数16以上のヒドロキシカルボン酸の重合体、炭素数2以上22以下の二塩基酸と炭素数2以上22以下のジオールの重合体、炭素数16以上のアルキル(メタ)アクリレートの重合体、及びポリオレフィンからなる群より選ばれた1種に由来する基を少なくとも1つ含む、前記<1>〜<4>いずれか記載の製造方法。
<6> 塩基性分散剤が、ポリオレフィン骨格、好ましくはポリプロピレン骨格及び/又はポリイソブテン骨格、より好ましくはポリプロピレン骨格を有する、前記<1>〜<5>いずれか記載の製造方法。
<7> 塩基性分散剤が、塩基性窒素含有基原料と分散性基原料との反応物である、前記<1>〜<6>いずれか記載の製造方法。
<8> 塩基性窒素含有基原料が、ポリアルキレンイミン、ポリアリルアミン、及びポリアミノアルキルメタクリレートからなる群より選ばれた少なくとも1種である、前記<7>記載の製造方法。
<9> 塩基性窒素含有基原料の数平均分子量が、100以上、好ましくは500以上、より好ましくは1,000以上であり、そして、15,000以下、好ましくは10,000以下、より好ましくは5,000以下である、前記<7>又は<8>記載の製造方法。
<10> 分散性基原料が、ハロゲン化された炭素数16以上の炭化水素、反応性の官能基を有する炭素数16以上の炭化水素、炭素数16以上のヒドロキシカルボン酸の重合体、炭素数2以上22以下の二塩基酸と炭素数2以上22以下のジオールの重合体、反応性の官能基を有する炭素数16以上のアルキル(メタ)アクリレートの重合体、及び反応性の官能基を有するポリオレフィンからなる群より選ばれた少なくとも1種である、前記<7>〜<9>いずれか記載の製造方法。
<11> 分散性基原料の数平均分子量が、500以上、好ましくは700以上、より好ましくは900以上であり、そして、5,000以下、好ましくは4,000以下、より好ましくは3,000以下である、前記<7>〜<10>いずれか記載の製造方法。
<12> 工程Iが、
工程I−1:結着樹脂と着色剤を含むトナー粒子前駆体を調製する工程、及び
工程I−2:工程I−1で得られたトナー粒子前駆体と塩基性分散剤を含む混合物を前記結着樹脂のガラス転移温度以上の温度で撹拌する工程
を含む、前記<1>〜<11>いずれか記載の製造方法。
<13> 工程Iが、
工程I−3:結着樹脂と着色剤と塩基性分散剤を含むトナー粒子前駆体を調製する工程、及び
工程I−4:工程I−3で得られたトナー粒子前駆体を含む混合物を前記結着樹脂のガラス転移温度以上の温度で撹拌する工程
を含む、前記<1>〜<11>いずれか記載の製造方法。
<14> 酸性基を有する樹脂を含む結着樹脂、着色剤、塩基性分散剤、及び絶縁性液体を含有する液体現像剤の製造方法であって、
工程i:前記結着樹脂と前記塩基性分散剤を含む原料を前記結着樹脂のガラス転移温度以上の温度で撹拌する工程、
工程ii:工程iの撹拌物に、該撹拌物100質量部に対して前記絶縁性液体50〜500質量部を前記結着樹脂のガラス転移温度以上の温度で滴下することにより転相乳化して、トナー粒子の分散液を得る工程、及び
工程iii:工程iiで得られた分散液と前記着色剤を混合する工程
を含む、液体現像剤の製造方法。
<15> 工程I又は工程iにおける撹拌温度が、結着樹脂のガラス転移温度(Tg)以上、好ましくはTg+10℃以上、より好ましくはTg+20℃以上、そして、Tg+150℃以下、好ましくはTg+125℃以下、より好ましくはTg+100℃以下である、前記<1>〜<14>いずれか記載の製造方法。
<16> 工程I又は工程iにおける撹拌時間が、0.5分以上、好ましくは5分以上、より好ましくは30分以上であり、そして、180分以下、好ましくは150分以下、より好ましくは120分以下である、請求項1〜6いずれか記載の製造方法、前記<1>〜<15>いずれか記載の製造方法。
<17> 工程I又は工程iの撹拌物中の結着樹脂の含有量が、50質量%以上である、前記<1>〜<16>いずれか記載の製造方法。
<18> 工程II又は工程iiにおける滴下温度が、結着樹脂のガラス転移温度(Tg)以上であり、好ましくはTg+10℃以上、より好ましくはTg+20℃以上、そして、Tg+150℃以下、好ましくはTg+125℃以下、より好ましくはTg+100℃以下である、前記<1>〜<17>いずれか記載の製造方法。
<19> 工程II又は工程iiにおける絶縁性液体の滴下速度が、工程I又は工程iの撹拌物100gあたり、0.1g/min以上、好ましくは0.5g/min以上、より好ましくは1g/min以上、さらに好ましくは5g/min以上であり、そして、100g/min以下、好ましくは50g/min以下、より好ましくは30g/min以下である、前記<1>〜<18>いずれか記載の製造方法。
<20> 固形分濃度が25質量%の液体現像剤の25℃における粘度が、0.5mPa・s以上、好ましくは1mPa・s以上、より好ましくは2mPa・s以上であり、そして、50mPa・s以下、好ましくは40mPa・s以下、より好ましくは30mPa・s以下である、前記<1>〜<19>いずれか記載の製造方法。
フローテスター「CFT-500D」((株)島津製作所製)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/minで加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出す。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
示差走査熱量計「Q20」(TA instruments社製)を用いて、試料0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/minで0℃まで冷却する。次に試料を昇温速度10℃/minで昇温し、吸熱ピークを測定する。吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度をガラス転移温度とする。
JIS K0070の方法により測定する。但し、測定溶媒のみJIS K0070の規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更する。
以下に示す、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法により分子量分布を測定し、数平均分子量を求める。
(1) 試料溶液の調製
濃度が0.2g/100mLになるように、試料を0.15mol/LでNa2SO4を1%酢酸水溶液に溶解させた溶液に溶解させる。次いで、この溶液をポアサイズ0.2μmのフッ素樹脂フィルター「FP-200」(住友電気工業(株)製)を用いて濾過して不溶解成分を除き、試料溶液とする。
(2) 分子量測定
下記の測定装置と分析カラムを用い、溶離液として0.15mol/LでNa2SO4を1%酢酸水溶液に溶解させた溶液を、毎分1mLの流速で流し、40℃の恒温槽中でカラムを安定させる。そこに試料溶液100μLを注入して測定を行う。試料の分子量は、あらかじめ作成した検量線に基づき算出する。このときの検量線には、数種類の標準プルラン(昭和電工(株)製のP-5(Mw 5.9×103)、P-50(Mw 4.73×104)、P-200(Mw 2.12×105)、P-800(Mw 7.08×105))を標準試料として作成したものを用いる。括弧内は分子量を示す。
測定装置:HLC-8320GPC(東ソー(株)製)
分析カラム:α+α-M+α-M(東ソー(株)製)
(1) 試料溶液の調製
濃度が0.5g/100mLになるように、分散基原料をテトラヒドロフランに溶解させた。次いで、この溶液をポアサイズ2μmのフッ素樹脂フィルター「FP-200」(住友電気工業(株)製)を用いて濾過して不溶解成分を除き、試料溶液とした。
(2) 分子量分布測定
下記の測定装置と分析カラムを用い、溶離液としてテトラヒドロフランを、毎分1mLの流速で流し、40℃の恒温槽中でカラムを安定させる。そこに試料溶液100μLを注入して測定を行う。試料の分子量は、あらかじめ作成した検量線に基づき算出する。このときの検量線には、数種類の単分散ポリスチレン(東ソー(株)製のA-500(Mw 5.0×102)、A-1000(Mw 1.01×103)、A-2500(Mw 2.63×103)、A-5000(Mw 5.97×103)、F-1(Mw 1.02×104)、F-2(Mw 1.81×104)、F-4(Mw 3.97×104)、F-10(Mw 9.64×104)、F-20(Mw 1.90×105)、F-40(Mw 4.27×105)、F-80(Mw 7.06×105)、F-128(Mw 1.09×106))を標準試料として作成したものを用いる。括弧内は分子量を示す。
測定装置:HLC-8220GPC(東ソー(株)製)
分析カラム:GMHXL+G3000HXL(東ソー(株)製)
示差走査熱量計「Q20」(TA instruments社製)を用いて、試料0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、室温から降温速度10℃/minで-50℃まで冷却する。次に試料を-50℃から200℃まで昇温速度10℃/minで昇温し、吸熱ピークを測定する。吸熱ピークのピークトップを融点とする。
測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター(株)製)
アパチャー径:100μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマンコールター(株)製)
電解液:アイソトンII(ベックマンコールター(株)製)
分散液:電解液にエマルゲン109P(花王(株)製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB(グリフィン):13.6)を溶解して5質量%に調整したもの
分散条件:前記分散液5mLに測定試料10mgを添加し、超音波分散機(機械名:(株)エスエヌディー製US-1、出力:80W)にて1分間分散させる。その後、前記電解液25mLを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させて、試料分散液を調製する。
測定条件:前記電解液100mLに、3万個の粒子の粒径を20秒間で測定できる濃度となるように、前記試料分散液を加え、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求める。
絶縁性液体25gを40mL容のガラス製サンプル管「スクリューNo.7」((株)マルエム製)に入れ、非水系導電率計「DT-700」(Dispersion Technology社製)を用いて、電極を絶縁性液体に浸し、25℃で20回測定を行って平均値を算出し、導電率を測定する。数値が小さいほど高抵抗であることを示す。
10mL容のスクリュー管に測定液を6〜7mL入れ、回転振動式粘度計「ビスコメイトVM-10A-L」((株)セコニック製)を用いて、25℃にて粘度を測定する。
試料10質量部をヘキサン90質量部で希釈し、遠心分離装置「H-201F」((株)コクサン製)を用いて、回転数25,000r/minにて、20分間回転させる。静置後、上澄み液をデカンテーションにて除去した後、90質量部のヘキサンで希釈し、同様の条件で再び遠心分離を行う。上澄み液をデカンテーションにて除去した後、下層を真空乾燥機にて0.5kPa、40℃にて8時間乾燥させ、以下の式より固形分濃度を計算する。
レーザー回折/散乱式粒径測定装置「マスターサイザー2000」(マルバーン社製)を用いて、測定用セルにアイソパーL(エクソンモービル社製、イソパラフィン、25℃における粘度1mPa・s)を加え、散乱強度が5〜15%になる濃度で、粒子屈折率1.58(虚数部0.1)、分散媒屈折率1.42の条件にて、体積中位粒径(D50)を測定する。
表1に示す原料モノマー、エステル化触媒、及び重合禁止剤を、窒素導入管、脱水管、攪拌機及び熱電対を装備した10L容の四つ口フラスコに入れ、210℃で反応を行い、反応率が90%に達するまで反応させ、さらに8.3kPaにて反応を行い、目的の軟化点に達した時点で反応を終了し、表1に示す物性を有するポリエステル樹脂を得た。なお、樹脂製造例において、反応率とは、生成反応水量(mol)/理論生成水量(mol)×100の値をいう。
表1に示すポリエステル樹脂の原料モノマー、及びエステル化触媒を窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した10L容の四つ口フラスコに入れ、マントルヒーターを用いて、230℃まで昇温し230℃で8時間反応させ、さらに8.3kPaにて表1に示す軟化点に達するまで反応を行って、表1に示す物性を有するポリエステル樹脂を得た。
表2に示すポリエチレンイミン、ポリプロピレン無水コハク酸(PPSA)、及びキシレン(和光純薬工業(株)製)を、冷却管、窒素導入管、撹拌機、脱水管及び熱電対を装備した2L容の四つ口フラスコに入れ、窒素ガスで反応容器内を置換した。その後、反応容器内を150℃に加温して1時間保持した後、160℃に昇温して1時間保持した。160℃で8.3kPaに減圧して溶剤を留去し、IR分析からPPSA由来の酸無水物のピーク(1780cm-1)が消失し、イミド結合由来のピーク(1700cm-1)が生じた時点を反応終点として、表2に示す物性を有する分散剤を得た。
表2に示すポリエチレンイミン、ポリイソブテン無水コハク酸(PIBSA)、及びキシレン(和光純薬工業(株)製)を、冷却管、窒素導入管、撹拌機、脱水管及び熱電対を装備した2L容の四つ口フラスコに入れ、窒素ガスで反応容器内を置換した。その後、反応容器内を150℃に加温して1時間保持した後、160℃に昇温して1時間保持した。160℃で8.3kPaに減圧して溶剤を留去し、IR分析からPIBSA由来の酸無水物のピーク(1780cm-1)が消失し、イミド結合由来のピーク(1700cm-1)が生じた時点を反応終点として、表2に示す物性を有する分散剤を得た。
〔工程I−1〕
表3〜5に示す結着樹脂85質量部及び着色剤「ECB-301」(大日精化工業(株)製、フタロシアニンブルー15:3)15質量部を、予め20L容のヘンシェルミキサーを使用し、回転数1500r/min(周速度21.6m/sec)で3分間混合した。その後、以下に示す条件で溶融混練した。
連続式二本オープンロール型混練機「ニーデックス」(日本コークス工業(株)製、ロール外径:14cm、有効ロール長:55cm)を使用した。連続式二本オープンロール型混練機の運転条件は、高回転側ロール(フロントロール)回転数75r/min(周速度32.4m/min)、低回転側ロール(バックロール)回転数35r/min(周速度15.0m/min)、混練物供給口側端部のロール間隙0.1mmであった。ロール内の加熱媒体温度及び冷却媒体温度は、高回転側ロールの原料投入側が90℃及び混練物排出側が85℃であり、低回転側ロールの原料投入側が35℃及び混練物排出側が35℃であった。また、原料混合物の上記混練機への供給速度は10kg/h、上記混練機中の平均滞留時間は約3分間であった。
脱水管、撹拌装置及び熱電対を装備した1L容の4つ口フラスコ中で、トナー粒子前駆体1 100g、表3〜5に記載の分散剤10g(比較例3では使用せず)と表3〜5に示す絶縁性液体「アイソパーL」(エクソンモービル社製、イソパラフィン、導電率:6.2×10-13S/m、25℃における粘度:1mPa・s)を混合し、表3〜5に示す温度、時間で撹拌した。
羽根:径=Φ70mm、回転数=300r/min
ホモミキサー(PRIMIX社製:ホモミクサーMARK II 2.5型)
羽根:径=Φ30mm、回転数=10000r/min
なお、周速(m/s)は下記式で求めた。
周速(m/s)=径(m)×π×回転数(r/min)/60
工程1の攪拌物を表3〜5に示す滴下温度に調整し、工程I−4と同じ条件で撹拌しながら、絶縁性液体「アイソパーL」を表3〜5に示す条件で滴下して、固形分濃度が30質量%のトナー粒子の分散液を得た。
分散液を、室温(25℃)まで冷却し、さらに絶縁性液体で希釈して、固形分濃度を25質量%に調整して表3〜5に示す液体現像剤を得た。
なお、実施例1〜4、6〜8及び比較例1では、絶縁性液体の滴下とともに、転相乳化によりトナー粒子の分散液を得たが、比較例4では、工程IIで滴下した絶縁性液体が少量であるため、転相乳化は生じず、いわゆるコアセルベーション法によりトナー粒子の分散液を得た。また、比較例3及び5では、絶縁性液体の滴下途中で混合液が固化し、液体現像剤は得られなかった。
〔工程I−3〕
表3に示す結着樹脂85質量部、分散剤10質量部、及び着色剤「ECB-301」(大日精化工業(株)製、フタロシアニンブルー15:3)15質量部を、予め20L容のヘンシェルミキサーを使用し、回転数1500r/min(周速度21.6m/sec)で3分間攪拌混合後、以下に示す条件で溶融混練した。
連続式二本オープンロール型混練機「ニーデックス」(日本コークス工業(株)製、ロール外径:14cm、有効ロール長:55cm)を使用した。連続式二本オープンロール型混練機の運転条件は、高回転側ロール(フロントロール)回転数75r/min(周速度32.4m/min)、低回転側ロール(バックロール)回転数35r/min(周速度15.0m/min)、混練物供給口側端部のロール間隙0.1mmであった。ロール内の加熱媒体温度及び冷却媒体温度は、高回転側ロールの原料投入側が90℃及び混練物排出側が85℃であり、低回転側ロールの原料投入側が35℃及び混練物排出側が35℃であった。また、原料混合物の上記混練機への供給速度は10kg/h、上記混練機中の平均滞留時間は約3分間、混練物の温度は85℃であった。
脱水管、撹拌装置及び熱電対を装備した1L容の4つ口フラスコに、トナー粒子前駆体2 110g、表3に記載の絶縁性液体「アイソパーL」を混合し、表3に示す温度、時間で撹拌した。
工程1の攪拌物を表3に示す滴下温度に調整し、工程I−4と同じ条件で撹拌しながら、絶縁性液体「アイソパーL」を表3に示す条件で滴下して、転相乳化により、固形分濃度が30質量%のトナー粒子の分散液を得た。
分散液を、室温(25℃)まで冷却し、さらに絶縁性液体で希釈して、固形分濃度を25質量%に調整して表3に示す液体現像剤を得た。
〔工程i〕
脱水管、撹拌装置及び熱電対を装備した1L容の4つ口フラスコ中で、樹脂A 85g、表4に記載の分散剤10g、及び絶縁性液体「アイソパーL」(エクソンモービル社製、イソパラフィン、導電率:6.2×10-13S/m、25℃における粘度:1mPa・s)20gを混合し、表4に示す温度、時間で撹拌した。
工程iの攪拌物を表4に示す滴下温度に調整し、工程iと同じ条件で撹拌しながら、絶縁性液体「アイソパーL」を表4に示す条件で滴下して、トナー粒子の分散液を得た。
工程iiで得られたトナー粒子の分散液352質量部に、着色剤「ECB-301」(大日精化工業(株)製、フタロシアニンブルー15:3)15質量部を入れ、「T.K.ロボミックス」(プライミクス(株)製)を用いて、氷冷下、回転数10000r/minにて30分間攪拌を行い、固形分濃度30質量%のトナー粒子の分散液を得た。室温(25℃)まで冷却し、さらに絶縁性液体で希釈して、固形分濃度を25質量%に調整して表4に示す液体現像剤を得た。
工程I、IIで使用した攪拌機をカイ型攪拌機からプラネタリーミキサーに変更し、工程I−2の撹拌温度及び工程IIの滴下温度を変更した以外は実施例1と同様に行い、表4に示す液体現像剤を得た。
プラネタリーミキサー(PRIMIX社製:1L容ハイビスミックス2P-1型)
公転:径=Φ134mm、回転数=100r/min
自転:径=Φ71mm、回転数=243r/min
(公転、自転は同一方向)
プラネタリーミキサーの周速は、公転の周速と自転の周速を足し合わせた値とする。
結着樹脂を樹脂Aから樹脂Bに変更した以外は実施例10と同様に行い、表4に示す液体現像剤を得た。
〔工程I〕
脱水管、撹拌装置及び熱電対を装備した1L容の4つ口フラスコに、トナー粒子前駆体1 100gと表5に記載の絶縁性液体「アイソパーL」20gを120℃でカイ型攪拌機(周速1.1m/s)を用いて混合した。
工程Iの混合物を120℃で工程Iと同じ条件で撹拌しながら、120℃に加熱した絶縁性液体「アイソパーL」237gと分散剤A 10gの混合液を滴下して、転相乳化により、トナー粒子の分散液を得た。
分散液を、室温(25℃)まで冷却し、さらに絶縁性液体で希釈して、固形分濃度を25質量%に調整して表5に示す液体現像剤を得た。
1L容のビーカーにトナー粒子前駆体1 100g、表5に記載の分散剤A 10gと表5に示す絶縁性液体「アイソパーL」(エクソンモービル社製、イソパラフィン、導電率:6.2×10-13S/m、25℃における粘度:1mPa・s)257gを混合し、ホモミキサー10000r/minの条件で、120℃で1分間撹拌し、固形分濃度が30質量%のトナー粒子の分散液を得た。分散液を、室温(25℃)まで冷却し、さらに絶縁性液体で希釈して、固形分濃度を25質量%に調整して表5に示す液体現像剤を得た。
「PODグロスコート紙」(王子製紙(株)製)に液体現像剤を滴下し、ワイヤーバーにより乾燥後の質量が1.2g/m2になるように薄膜を作製した。その後、80℃の恒温槽中で10秒間保持した。
その後、定着ロール温度を160℃まで10℃ずつ上昇させながら、上記のような定着処理を行い、各温度毎に定着画像を得た。
液体現像剤10gを20mL容のガラス製サンプル管「スクリューNo.5」((株)マルエム製)に入れた後に、50℃の恒温槽にて48時間保存した。保存前後のトナー粒子の体積中位粒径(D50)を測定し、その差分〔(保存後のD50)−(保存前のD50)〕の値から分散安定性を評価した。その結果を表3〜5に示す。数値が0に近いほど分散安定性に優れることを示している。
これに対し、工程Iと工程IIをガラス転移温度未満の温度で行った比較例1では、小粒径のトナー粒子が得られていない。また、分散剤を工程IIで使用した比較例2では、小粒径のトナー粒子が得られておらず、特にその傾向が顕著である。また、分散剤を使用していない比較例3では、混合液の固化により液体現像剤が得られていない。また、コアセルベーション法により液体現像剤を製造した比較例4では、小粒径のトナー粒子は得られていない。また、工程Iはガラス転移温度以上の温度であるものの、工程IIはガラス転移温度未満の温度で行った比較例5では、混合液の固化により液体現像剤が得られていない。また、ホモミキサーを使用したために工程IIを有しない比較例6では、小粒径のトナー粒子が得られていない。
2 撹拌槽の上方部材
3 撹拌槽の下方部材
4 撹拌羽根
5 撹拌羽根
6 ローター
Claims (11)
- 酸性基を有する樹脂を含む結着樹脂、着色剤、塩基性分散剤、及び絶縁性液体を含有する液体現像剤の製造方法であって、
工程I:前記結着樹脂と前記着色剤と前記塩基性分散剤を含む原料を前記結着樹脂のガラス転移温度以上の温度で撹拌する工程、及び
工程II:工程Iの撹拌物に、該撹拌物100質量部に対して前記絶縁性液体50〜500質量部を前記結着樹脂のガラス転移温度以上の温度で滴下することにより転相乳化して、トナー粒子の分散液を得る工程
を含む、液体現像剤の製造方法。 - 工程Iが、
工程I−1:結着樹脂と着色剤を含むトナー粒子前駆体を調製する工程、及び
工程I−2:工程I−1で得られたトナー粒子前駆体と塩基性分散剤を含む混合物を前記結着樹脂のガラス転移温度以上の温度で撹拌する工程
を含む、請求項1記載の製造方法。 - 工程Iが、
工程I−3:結着樹脂と着色剤と塩基性分散剤を含むトナー粒子前駆体を調製する工程、及び
工程I−4:工程I−3で得られたトナー粒子前駆体を含む混合物を前記結着樹脂のガラス転移温度以上の温度で撹拌する工程
を含む、請求項1記載の製造方法。 - 工程I及び/又は工程IIを、公転軸に自転軸が2軸以上連結され、夫々の自転軸に設けられた攪拌羽根が遊星運動を行う混合機を用いた撹拌下で行う、請求項1〜3いずれか記載の製造方法。
- 酸性基を有する樹脂を含む結着樹脂、着色剤、塩基性分散剤、及び絶縁性液体を含有する液体現像剤の製造方法であって、
工程i:前記結着樹脂と前記塩基性分散剤を含む原料を前記結着樹脂のガラス転移温度以上の温度で撹拌する工程、
工程ii:工程iの撹拌物に、該撹拌物100質量部に対して前記絶縁性液体50〜500質量部を前記結着樹脂のガラス転移温度以上の温度で滴下することにより転相乳化して、トナー粒子の分散液を得る工程、及び
工程iii:工程iiで得られた分散液と前記着色剤を混合する工程
を含む、液体現像剤の製造方法。 - 工程i及び/又は工程iiを、公転軸に自転軸が2軸以上連結され、夫々の自転軸に設けられた攪拌羽根が遊星運動を行う混合機を用いた撹拌下で行う、請求項5記載の製造方法。
- 酸性基を有する樹脂が、ポリエステル系樹脂を含む、請求項1〜6いずれか記載の製造方法。
- 塩基性分散剤が、アミノ基及び/又はイミノ基を有する塩基性分散剤を含む、請求項1〜7いずれか記載の製造方法。
- 工程I又は工程iにおける撹拌時間が、0.5分以上180分以下である、請求項1〜8いずれか記載の製造方法。
- 工程II又は工程iiにおける絶縁性液体の滴下速度が、工程I又は工程iの撹拌物100gあたり、0.1g/min以上100g/min以下である、請求項1〜9いずれか記載の製造方法。
- 工程I又は工程iの撹拌物中の結着樹脂の含有量が、50質量%以上である、請求項1〜10いずれか記載の製造方法。
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