JP2008096646A - 樹脂乳化液の製造方法 - Google Patents

樹脂乳化液の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】分散性が良好で、小粒径かつ均一な乳化粒子を含む樹脂乳化液、その製造方法、該樹脂乳化液から得られる画像性能及び耐久性に優れた電子写真用トナー、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】ポリエステルを含有する結着樹脂と着色剤とを含む樹脂乳化液であって、該樹脂乳化液中の乳化粒子の体積中位粒径(D50)が0.5μm以下であり、且つ、体積基準の粒度分布における変動係数が30以下であるトナー用樹脂乳化液、(1)ポリエステルを含有する結着樹脂と着色剤とを含む原料を、塩基性水性媒体中において分散させる工程、(2)得られた分散液を攪拌して中和させる工程、及び(3)中和された分散液に水性液を添加して水性媒体中で乳化する工程、を有する樹脂乳化液の製造方法であって、少なくとも前記工程(2)における攪拌を、公転軸に自転軸が2軸以上連結され、夫々の自転軸に設けられた攪拌羽根が遊星運動を行う混合機を用いて行うトナー用樹脂乳化液の製造方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法などにおいて使用される電子写真用トナーの製造に好適に用いられる樹脂乳化液、及びこれを製造する方法に関する。
ケミカルトナーの製造方法として、重合法や乳化分散法が知られている。これらの方法の中で乳化分散法によるトナーの製造方法は、例えば結着樹脂と着色剤などの混合物を水性媒体と混合し、乳化させてトナー粒子を得る方法である。この方法においては、例えば結着樹脂としてポリエステルを用い、ポリエステル乳化分散液を調製する場合、一般に有機溶剤を用いた転相乳化法や高圧/高温条件での強制乳化法が用いられているが、更に顔料の分散性等の向上が望まれていた。
このような技術として、例えば、樹脂(A)、顔料(B)を含有する有機溶媒(C)中の分散液(I)と分散剤(D)を含有する水系媒体を混合してなる水系分散体を造粒して樹脂組成物粒子を製造する方法において、(I)が、(A)、(B)、(C)及び必要により顔料分散剤(E)を自転公転機能を有する混合機で混合分散してなる固形分濃度50〜98重量%の混合分散物を必要により有機溶媒で希釈してなる固形分濃度20〜70%の調整液である樹脂組成物粒子の製造方法が開示されている(特許文献1参照)。
また、少なくともポリエステル樹脂を含有するトナー用原料を加熱溶融することにより該トナー用原料の溶融体を製造し、次いで該溶融体を水性媒体中に乳化させることにより樹脂微粒子を形成させ、その後、該樹脂微粒子を凝集させ、さらに融着させることにより該樹脂微粒子の会合体を製造する静電荷像現像用トナーの製造方法が開示されている(特許文献2参照)。
しかしながら、前記の特許文献1及び特許文献2の技術はいずれも、樹脂や顔料の分散性が未だ十分でなく、また得られるトナーの耐久性についても不十分であった。
特開2002−249591号公報 特開2002−351140号公報
本発明は、分散性が良好で、小粒径かつ均一な乳化粒子を含む樹脂乳化液、その製造方法、該樹脂乳化液から得られる画像性能及び耐久性に優れた電子写真用トナー、及びその製造方法に関する。
本発明は、
(1)ポリエステルを含有する結着樹脂と着色剤とを含む樹脂乳化液であって、該樹脂乳化液中の乳化粒子の体積中位粒径(D50)が0.5μm以下であり、且つ、体積基準の粒度分布における変動係数が30以下である、トナー用樹脂乳化液、
(2)(1)ポリエステルを含有する結着樹脂と着色剤とを含む原料を、塩基性水性媒体中において分散させる工程、(2)得られた分散液を攪拌して中和させる工程、及び(3)中和された分散液に水性液を添加して水性媒体中で乳化する工程、を有する樹脂乳化液の製造方法であって、少なくとも前記工程(2)における攪拌を、公転軸に自転軸が2軸以上連結され、夫々の自転軸に設けられた攪拌羽根が遊星運動を行う混合機を用いて行う、トナー用樹脂乳化液の製造方法、
(3)(a)上記(2)に記載の製造方法で樹脂乳化液を得る工程、及び(b)得られた樹脂乳化液中の乳化粒子を凝集、合一させる工程、を有する電子写真用トナーの製造方法、及び
(4)上記(3)に記載の製造方法で得られた電子写真用トナー、
に関する。
本発明によれば、分散性が良好で、小粒径かつ均一な乳化粒子を含む樹脂乳化液、及び該樹脂乳化液から得られる画像性能及び耐久性に優れた電子写真用トナーを得ることができる。
トナー用樹脂乳化液及びその製造方法
本発明のトナー用樹脂乳化液は、ポリエステルを含有する結着樹脂と着色剤とを含む樹脂乳化液であって、該樹脂乳化液中の乳化粒子の体積中位粒径(D50)が0.5μm以下であり、且つ、体積基準の粒度分布における変動係数が30以下のものである。すなわち、本発明のトナー用樹脂乳化液は小粒径でシャープな粒度分布を有しているために、乳化粒子を凝集・合一して得られるトナーの製造に用いた場合、均一な凝集が可能となり、得られるトナーは画像濃度が高く耐久性の高いものとなる。
本発明において、樹脂乳化液中の乳化粒子の体積中位粒径(D50)は、画像濃度が高く耐久性の高いトナーを得る観点から、0.5μm以下であるが、0.4μm以下であることが好ましく、0.3μm以下であることがより好ましく、0.2μm以下であることが更に好ましい。本明細書において、体積中位粒径(D50)とは、体積分率で計算した累積体積頻度が粒径の小さい方から計算して50%になる粒径を意味し、樹脂乳化液中の乳化粒子の体積中位粒径(D50)の値は後述するようにレーザー回折型粒径測定法で得ることができる。また、樹脂乳化液中の樹脂粒子の体積基準の粒度分布における変動係数は、画像濃度が高く耐久性の高いトナーを得る観点から30以下であるが、28以下であることが好ましく、27以下であることがより好ましい。粒度分布の変動係数は、上記体積基準の粒径の測定において得られた粒度分布から、下記の式に従って算出することができる。
変動係数=(粒径分布の標準偏差/体積平均粒径(D4))×100
なお、本発明において体積平均粒径(D4)とは、体積分率で計算した平均粒径を意味する。
本発明のトナー用樹脂乳化液は、(1)ポリエステルを含有する結着樹脂と着色剤とを含む原料を、塩基性水性媒体中において分散させる工程、(2)得られた分散液を攪拌して中和させる工程、及び(3)中和された分散液に水性液を添加して水性媒体中で乳化する工程、を有する樹脂乳化液の製造方法であって、少なくとも前記工程(2)における攪拌を、公転軸に自転軸が2軸以上連結され、夫々の自転軸に設けられた攪拌羽根が遊星運動を行う混合機を用いて行うことによって得られる。以下、各工程について説明する。
[工程(1)]
この工程は、ポリエステルを含有する結着樹脂と着色剤とを含む原料を、塩基性水性媒体中において分散させる工程である。
結着樹脂は、ポリエステルを含有するが、ポリエステルとともに、トナーに用いられる公知の樹脂、例えば、スチレン−アクリル共重合体、エポキシ、ポリカーボネート、ポリウレタン等が使用できる。なかでも、着色剤分散性、定着性及び耐久性の観点から、ポリエステル以外にスチレン−アクリル共重合体が好ましく、ポリエステルを主成分とするものがより好ましい。結着樹脂中におけるポリエステルの含有量は60重量%以上が好ましく、より好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは80重量%以上である。本発明においては、結着樹脂としてポリエステルとともに上記他の樹脂を1種組み合わせて用いても良いが、2種以上組み合わせて用いてもよい。
ポリエステルは、結晶性ポリエステル及び非晶質ポリエステルのいずれであってもよいが、耐久性、帯電性及び保存性の観点から、非晶質ポリエステルが好ましい。ポリエステルの結晶化の度合いは、軟化点と示差走査熱量計による吸熱の最高ピーク温度との比(軟化点/吸熱の最高ピーク温度)で定義される結晶性指数によって表すことができ、一般にこの値が1.5を超えると樹脂は非晶質であり、0.6未満のときは結晶性が低く非晶質部分が多い。従って、本発明における結晶性ポリエステルとしては、この結晶性指数が0.6〜1.5のものが好ましく用いられ、低温定着性の観点からは、0.8〜1.3がより好ましく、さらに好ましくは0.9〜1.1である。
この結晶化の度合いは、原料モノマーの種類とその比率、及び製造条件(例えば、反応温度、反応時間、冷却速度)等により調整することができる。ここで、吸熱の最高ピーク温度とは、観測される吸熱ピークのうち、最も高温側にあるピークの温度を指す。吸熱の最高ピーク温度が軟化点と20℃以内の差であれば、このピーク温度を融点とし、軟化点との差が20℃を超える場合は、このピークをガラス転移に起因するピークとする。結晶性指数を規定する軟化点及び吸熱の最高ピーク温度の測定方法については後で説明する。
ポリエステルの原料モノマーは、特に限定されないが、公知のアルコール成分と、カルボン酸、カルボン酸無水物、カルボン酸エステル等の公知のカルボン酸成分が用いられる。
アルコール成分としては、ポリオキシプロピレン−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレン(炭素数2〜3)オキサイド(平均付加モル数1〜16)付加物、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、水素添加ビスフェノールA、ソルビトール、又はそれらのアルキレン(炭素数2〜4)オキサイド(平均付加モル数1〜16)付加物等が挙げられる。
このアルコール成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、カルボン酸成分としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フマル酸、マレイン酸、アジピン酸、コハク酸等のジカルボン酸、ドデセニルコハク酸、オクテニルコハク酸等の炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の3価以上の多価カルボン酸、それらの酸の無水物及びそれらの酸のアルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられる。
このカルボン酸成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリエステルは、例えば、アルコール成分とカルボン酸成分とを不活性ガス雰囲気中にて、必要に応じエステル化触媒を用いて、180〜250℃程度の温度で縮重合することにより製造することができる。
エステル化触媒としては、酸化ジブチル錫、ジオクチル酸錫等の錫化合物やチタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネート等のチタン化合物等のエステル化触媒を使用することができる。エステル化触媒の使用量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100重量部に対して、0.01〜1重量部が好ましく、0.1〜0.6重量部がより好ましい。
トナーの保存性の観点から、ポリエステルの軟化点は70〜165℃が好ましく、ガラス転移点は50〜85℃が好ましい。酸価は、乳化する際の製造性の観点から、6〜35mgKOH/gが好ましく、10〜35mgKOH/gがより好ましく、15〜35mgKOH/gがさらに好ましい。軟化点や酸価は縮重合の温度、反応時間を調節することにより所望のものを得ることができる。
トナーの耐久性の観点から、ポリエステルの数平均分子量は1,000〜10,000が好ましく、2,000〜8,000がより好ましい。
尚、結着樹脂が複数の樹脂を含有する場合には、前記結着樹脂の軟化点、ガラス転移点、酸価及び数平均分子量は、各結着樹脂の混合物としての軟化点、ガラス転移点、酸価及び数平均分子量を意味し、各々の値は上記ポリエステルの値と同様の値であることが好ましい。
さらに、本発明のトナー用結着樹脂は、定着性及び耐久性の観点から、軟化点が異なる2種類のポリエステルを含有することができ、一方のポリエステル(イ)の軟化点は70以上115℃未満が好ましく、他方のポリエステル(ロ)の軟化点のポリエステルの軟化点は115℃以上165℃以下が好ましい。ポリエステル(イ)とポリエステル(ロ)の重量比(イ/ロ)は、10/90〜90/10が好ましく、50/50〜90/10がより好ましい。
また、樹脂粒子を迅速かつ均一に分散させる観点から、結着樹脂として、開口径5.6mmのJIS Z 98801の篩いを95重量%以上、更に98重量%以上通過する粒度を有する樹脂粒子を用いることが好ましい。このような粒度を有する樹脂粒子を用いることにより、均一に分散することができ、次の中和工程において、均一な中和が可能となり、均質な乳化粒子を作製することができる。
非晶質ポリエステルのアルコール成分には、ポリオキシプロピレン−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレン(炭素数2〜3)オキサイド(平均付加モル数1〜16)付加物等の、前記式(I)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物が含有されていることが好ましい。
非晶質ポリエステルとしては、その軟化点が70〜165℃、ガラス転移点が50〜75℃、酸価は1〜40mgKOH/g、及び水酸基価は3〜60mgKOH/gの少なくとも一つの性状を有するものが好ましく用いられる。
非晶質ポリエステルの数平均分子量は、耐久性及び定着性の観点から、1,000〜100,000が好ましく、1,000〜50,000がより好ましく、1,000〜12,000が更に好ましい。
上記非晶質ポリエステルは、トナーの耐久性及び帯電性の点から、結着樹脂中好ましくは60重量%以上、更に好ましくは70重量%以上の割合で含有される。
結晶性ポリエステルを使用する場合、結晶性を促進する観点から、アルコール成分には、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール等の脂肪族ジオールが、カルボン酸成分には、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、アジピン酸、テレフタル酸等の脂肪族ジカルボン酸が含有されているのが好ましい。
低温定着性の観点から、結晶性ポリエステルを用いる場合は、結晶性ポリエステルの数平均分子量は、2,000〜100,000が好ましく、2,000〜20,000がより好ましく、2,000〜10,000が更に好ましく、2,000〜8,000が更に好ましい。
当該工程(1)で用いられる塩基性水性媒体とは、塩基性化合物を含む水性媒体を指す。塩基性化合物としては、無機塩基性化合物及び有機塩基性化合物のいずれであってもよい。無機塩基性化合物としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等の水酸化アルカリ金属、それらの炭酸塩や酢酸塩などの弱酸の塩あるいは部分中和塩、及びアンモニアなどが挙げられる。有機塩基性化合物としては、例えばメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアルキルアミン類、ジエタノールアミン等のアルカノールアミン類、コハク酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウムなどの脂肪酸塩等が挙げられる。これらの塩基性化合物は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
一方、水性媒体は、水を主成分とするものであり、環境保全の観点から、水の含有量は、水性媒体中80重量%以上が好ましく、90重量%以上がより好ましく、100重量%がさらに好ましい。本発明では、実質的に有機溶媒を用いることなく水のみを用いて結着樹脂を分散させることが好ましい。水以外の成分を使用する場合は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン等の水に溶解する有機溶媒が挙げられる。これらのなかでは、トナーへの混入を防止する観点から、樹脂を溶解しない有機溶媒である、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール系有機溶媒が好ましい。
塩基性水性媒体における塩基性化合物の含有量は、用いる塩基性化合物の種類により左右されるが、結着樹脂の加水分解の抑制の点から、通常1〜30重量%、好ましくは3〜20重量%、より好ましくは5〜10重量%である。
また、塩基性水性媒体の使用量は、均一な粒子を有する樹脂乳化液を効果的に調製し得る点から、結着樹脂100重量部に対して、5〜100重量部が好ましく、10〜90重量部がより好ましく、20〜80重量部がさらに好ましく、25〜70重量部がさらに好ましい。
また、本発明においては、界面活性剤を分散処理時に加えることができる。その添加量は、分散工程での発泡抑制の観点及び最終的に得られる樹脂乳化液の乳化安定性の向上などを目的として、樹脂に対して好ましくは5重量%以下、より好ましくは0.2〜5重量%、更に好ましくは0.5〜4重量%、より好ましくは1〜3重量%である。この界面活性剤としては、例えばドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクタデシル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム等のアニオン性界面活性剤;ラウリルアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド等のカチオン性界面活性剤;ラウリルジメチルアミンオキサイド等の両性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンアルキルアミン等のノニオン性界面活性剤が挙げられる。これらの中で、乳化安定性などの観点から、アニオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤が好ましい。これらの界面活性剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
当該工程(1)においては、結着樹脂に着色剤を加え、さらに必要に応じて離型剤、荷電制御剤などの添加剤を加え、これらの混合物を分散処理する。
着色剤としては、特に制限はなく公知の着色剤がいずれも使用でき、適宜選択することができる。具体的には、カーボンブラック、無機系複合酸化物、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオクサレート等の種々の顔料やアクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、インジコ系、チオインジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、チアゾール系等の各種染料を1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
結着樹脂と着色剤との使用割合は、トナーの帯電性、耐久性、印字濃度などの観点から、重量比で70:30〜97:3が好ましく、80:20〜97:3がより好ましい。
離型剤の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;加熱により軟化点を有するシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス;ミツロウ等の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物・石油系ワックスなどが挙げられる。これらの離型剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
離型剤の含有量は、添加効果及び帯電性への悪影響を考慮して、結着樹脂100重量部に対して、通常1〜20重量部程度、好ましくは2〜15重量部である。
荷電制御剤としては、例えば安息香酸の金属塩、サリチル酸の金属塩、アルキルサリチル酸の金属塩、カテコールの金属塩、含金属ビスアゾ染料、テトラフェニルボレート誘導体、第四級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩などが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
荷電制御剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、通常10重量部以下、好ましくは0.01〜5重量部である。
工程(1)においては、樹脂粒子と着色剤と必要に応じて用いられる各種添加剤との混合物を、均一に分散させる観点から、該樹脂粒子のガラス転移点以下の温度で分散処理を行うことが好ましい。該樹脂粒子のガラス転移点以下、好ましくはガラス転移点より10℃低い温度(以下、「ガラス転移点−10℃」と記す)以下の温度で分散処理することにより、樹脂粒子同士の融着を抑制し、均一な樹脂分散液を調製することができる。混合樹脂を用いる場合は、その混合比率で混合し溶融した混合樹脂のガラス転移点を結着樹脂のガラス転移点とする。また、マスターバッチを使用する場合は、それに用いた樹脂をも含めた混合樹脂のガラス転移点とする。
具体的には、界面活性剤を含む塩基性水性媒体中において、例えばポリエステルなどの樹脂粒子を着色剤などと共に、該樹脂粒子のガラス転移点以下、例えば10〜50℃程度の温度で攪拌して分散処理するなどの通常の方法により、均一な樹脂分散液を調製することができる。
[工程(2)]
この工程は、前記工程(1)で得られた樹脂分散液を、攪拌して実質的に中和させる工程である。樹脂を均一に中和する観点から、該攪拌時間は好ましくは30分以上、より好ましくは1時間以上である。
中和は、前記結着樹脂のガラス転移点以上かつ軟化点以下の温度で行うことが好ましい。前記範囲の温度で行うことにより、中和が十分に行われ、次工程の乳化処理で大きな乳化粒子の生成が抑制され、また、加熱に特別な装置を必要としない。この点で、中和温度は、該樹脂のガラス転移点+10℃以上の温度であることが好ましく、また軟化点−5℃(以下、「軟化点−5℃」と記す)以下の温度であることが好ましい。
この中和工程における中和の度合いは、次工程で乳化粒子を作製するのに必要な親水性を樹脂に付与できる程度でよく、必ずしも100%中和する必要はない。例えば、極性基を多く有する親水性の高い樹脂を用いる場合は、中和度は低くてもよく、逆に親水性の低い樹脂を用いる場合は、中和度は高くするほうが好ましい。本発明においては、上記中和度は、乳化性、小粒径かつ均一な粒子を得る観点から、50%以上であることが好ましく、60〜100%であることがより好ましく、70〜100%であることが更に好ましい。中和度は、一般に中和前後の酸基のモル数の比(中和後の酸基のモル数/中和前の酸基のモル数)で表わすことができる。
具体的には、前記工程(1)で分散された樹脂分散液を、攪拌しながら好ましくは該樹脂のガラス転移点以上かつ軟化点以下の温度、例えばガラス転移点が60〜65℃程度で軟化点が110〜120℃程度のカルボキシル基をもつポリエステルを用いた場合には、90〜100℃程度の温度に昇温し、所定の中和度に達するまで、その温度で適当な時間保持することにより中和を行う。
工程(2)においては、着色剤や樹脂の分散性及びトナーの耐久性の観点から、攪拌を公転軸に自転軸が2軸以上連結され、夫々の自転軸に設けられた攪拌羽根が遊星運動を行う混合機(以下、プラネタリーミキサーということがある)、カイ型攪拌機、ニーダー型ミキサー等を用いて行うことが好ましく、プラネタリーミキサーを用いて行うことがより好ましい。
すなわち、本発明においては、着色剤と樹脂からなる固形分濃度が高い状態で混合(混練)を行うため、混合(混練)状態に依存して混合(混練)物の粘度が広い範囲で変化する。特に当該工程(2)では高粘度状態となるため、攪拌が不十分あるいは不均一となることがあり、その結果、樹脂や着色剤の分散及び乳化が充分に行われない場合がある。上記の点から、混合機として、上記のものを用いることが好ましく、低粘度から高粘度まで広範囲に対応することができる点から、プラネタリーミキサーが好ましい。
プラネタリーミキサーは、各々自転と公転を行う2軸の攪拌羽根を使用して、攪拌槽中の混合物を攪拌、混合(混練)するものであり、攪拌槽中におけるデッドスペースを少なくできる構造を有し、均一な混合(混練)を得ることができる。また羽根の形状を肉厚とすることで高負荷をかけることができる。更に、高負荷領域から低負荷領域まで広い領域での混合(混練)が可能であり、混合時における高粘度から低粘度に至る全て状態の場合を同一の攪拌槽内で行うことができる。
本発明において使用されるプラネタリーミキサーは、公転軸に自転軸が2軸以上連結され、夫々の自転軸に設けられた攪拌羽根が遊星運動を行う混合機であり、攪拌翼を供えた2軸以上の自転軸が公転軸に連結されており、夫々の自転軸が遊星運動を行うことで槽内にデッドスペースがない状態で均一な混合(混練)を行うものである。
本発明において使用しうるプラネタリーミキサーの一例を図1に、またその攪拌羽根を含む一部拡大図を図2に示す。
図中符号1は撹拌槽であって、撹拌槽1は上方部材2と下方部材3からなり、上方部材2の内側には、例えば枠型ブレードからなる撹拌羽根4、5が一つのローター6に保持されている。ローター6が回転(公転)すると、撹拌羽根4、5は同一方向に回転(自転)する。そして、ローター6の公転運動とともに2本の撹拌羽根4、5がそれぞれ自転運動する、いわゆる遊星運動(プラネタリー運動)を行う。
プラネタリーミキサーにおいては、この様な撹拌羽根4、5のプラネタリー運動により、撹拌羽根4、5相互間、およびこれらと撹拌槽1内面との間で強力な剪断力が作用し、高度の撹拌、混練、分散作用が得られる。分散液を所定の温度に加温しつつ、混合すると、樹脂が粘ちょうとなり、着色剤と混合されることにより、撹拌羽根4、5の回転に大きな負荷がかかる。このとき、撹拌羽根4、5相互間およびこれら撹拌羽根4、5と撹拌槽1との間において、材料に大きな剪断力が印加され、樹脂及び着色剤は、充分に分散、混合される。更に自転軸に設けられた攪拌羽根が遊星運動を行うことにより、均一かつ効率的な混合が可能となる。そして、特にプラネタリーミキサーなどの混練機を用いることにより、強力な攪拌を行うことなく、マイルドな攪拌により効率的な混合(混練)を行うことができ、樹脂、着色剤、水性媒体、あるいは分散粒子等がほぼ充分に混合される。
本発明においては、上記自転軸に設けられた撹拌羽根の少なくとも1つとして、自転の回転方向と逆方向に捻転した形状のものを用いることが好ましい。ここで、「捻転した形状」とは、混合物を下方向に押さえ付ける動きを付加し上下に対流させうるように、図2に示されるようなフラットなブレードにその自転方向と逆方向の捻りを加えた形状であれば特に限定されないが、具体的には、上記フラットなブレードを含む自転軸に平行な平面に対し、その自転方向と逆方向に、該平面と一定の角度をなすように捻転した形状のものをいう。図3はこのような自転の回転方向と逆方向に捻転した形状の撹拌羽根の一例を示す拡大図である。このような構造により、混合物を下方向に押さえ付ける動きが付加され、上下に対流されるため更に均一な混合(混練)が可能となる。
上記捻転の程度は特に制限はなく、所望の攪拌の程度に応じ適宜調整することができるが、より均一な混合(混練)を可能とするように調整することが好ましい。具体的には、例えば、攪拌羽根が枠型ブレードの場合、混合性を向上させる観点から、捻転されないフラットなブレードを含む自転軸に平行な平面と、捻転した形状のブレード先端のなす捻じれ角度が、例えば10〜90°、更には30〜80°であることが好ましい。上記自転軸に設けられた撹拌羽根の形状や大きさについては、特に制限はなく、所要の攪拌が得られるように、通常用いられるものから適宜選択することができる。
混合機の自転軸に設けられた攪拌羽根の攪拌周速は、自転軸に設けられた攪拌翼については、樹脂や着色剤の分散性、ひいては本発明の製造方法で得られるトナーの性能の観点から、0.4〜5m/secであることが好ましく、0.4〜4m/secであることがより好ましい。2以上の攪拌羽根は、その周速が同一でも異なっていてもよい。
本発明に使用できるカイ型攪拌機としては特に制限はなく、一般に使用されるものがいずれも使用できる。その攪拌周速は、樹脂や着色剤の分散性の観点から、0.5m/sec以上であることが好ましく、0.5〜3m/secであることがより好ましい。
上記のような混合機を使用することにより、工程(1)、(2)の各々において得られる分散液中の粒子(分散粒子)は、分散性が良好であることから、工程(3)において得られる乳化粒子はその粒径が小さく、かつ粒度分布の変動が少ない均一なものとなり、更に乳化安定性にも優れ、凝集性の高いものとなる。またこのような乳化粒子を用いて得られたトナーは、着色剤の分散性が良好であり、高画像濃度が実現できる。また、均一な凝集が可能となるため、トナー中の空隙も少なくなり、耐久性に優れたものとなる。更に、このような乳化粒子は、凝集の立ち上がりも早く効率的なトナーの製造が可能とする。
上記混合機を用いた攪拌は、工程(2)で行えば十分に上記本発明の効果を得ることができるが、上記の観点及び、製造時の原料の移送に伴う原料のロスやコンタミの防止の観点から、工程(2)と共に、工程(1)及び/又は後述の工程(3)においても行うことがより好ましく、工程(1)〜工程(3)の全ての工程の混合(混練)を上記混合機で行うことが更に好ましい。
[工程(3)]
この工程は、前記工程(2)で中和された分散液に水性液を添加して水性媒体中で乳化する工程であるが、該工程は、微細な樹脂乳化液を調製する観点から、工程(2)で中和された樹脂分散液を、該樹脂のガラス転移点以上かつ軟化点以下の温度に保持し、攪拌しながら、これに水性液を添加し、水性媒体中で乳化を行うことが好ましい。
乳化を前記範囲の温度で行うことにより、乳化がスムーズに行われ、又加熱に特別の装置を必要としない。このことから、乳化を行う際の温度は、ガラス転移点+10℃以上の温度であることが好ましく、また、軟化点−5℃以下の温度であることが好ましい。
この乳化工程においては、乳化開始直前では、転相が容易である等の点から、分散液中の樹脂含有量が好ましくは50〜90重量%程度、より好ましくは50〜80重量%である。ここで乳化開始直前とは、系内の粘度が全工程中で最も高くなる時点をいい、したがって、攪拌機に例えばトルクメーターなどを取り付けておくことで、その時点を容易に知ることができる。
乳化開始時点は、用いる樹脂の酸価や中和度などにより任意に調整することができる。例えば、樹脂の酸価を高くしたり、中和度を高くすると樹脂の親水性が高くなり、少量の水性媒体と接触させることで乳化を開始させることができる。
乳化に用いられる水性液としては、水を主成分とするものであり、環境保全の観点から、水の含有量は、水性媒体中80重量%以上が好ましく、90重量%以上がより好ましく、100重量%がさらに好ましく、具体的には脱イオン水が好ましい。本発明では、実質的に有機溶媒を用いることなく水のみを用いて結着樹脂を分散させることが好ましい。水以外の成分を使用する場合は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン等の水に溶解する有機溶媒が挙げられる。該水性液の添加速度は、乳化を効果的に実施し得る点から、樹脂100g当たり、好ましくは0.5〜50g/分、より好ましくは0.5〜30g/分、さらに好ましくは1〜20g/分である。この添加速度は、一般にO/W型の乳化液を実質的に形成するまで維持されていればよく、O/W型の乳化液を形成した後の水性液の添加速度に特に制限はない。
このようにして得られた樹脂乳化液の固形分濃度は、乳化液の安定性及び後で実施される凝集工程での樹脂乳化液の取扱い性の観点から、7〜50重量%が好ましく、7〜45重量%がより好ましく、10〜40重量%がさらに好ましい。
また、O/W型の乳化液を形成した後の乳化粒子の体積中位粒径(D50)は、凝集工程での均一な凝集を行うために、好ましくは0.02〜2μm、より好ましくは0.05〜1μm、さらに好ましくは0.05〜0.5μmである。
本発明のトナー用樹脂乳化液は、ポリエステルを含有する結着樹脂と着色剤とを含む樹脂乳化液であって、該樹脂乳化液中の乳化粒子の体積中位粒径(D50)が0.5μm以下であり、且つ、体積基準の粒度分布における変動係数が30以下である。
ポリエステルを含有する結着樹脂及び着色剤については前述のとおりである。本発明において、樹脂乳化液中の乳化粒子の体積中位粒径(D50)は、画像濃度が高く耐久性の高いトナーを得る観点から0.5μm以下であるが、0.4μm以下であることが好ましく、0.3μm以下であることがより好ましく、0.2μm以下であることが更に好ましい。
また、樹脂乳化液中の樹脂粒子の体積基準の粒度分布における変動係数は、画像濃度が高く耐久性の高いトナーを得る観点から30以下であるが、28以下であることが好ましく、27以下であることがより好ましい。粒度分布の変動係数は、上記体積基準の粒度分布の測定において得られた粒度分布から、下記の式に従って算出することができる。
変動係数=(粒径分布の標準偏差/体積平均粒径(D4))×100
乳化粒子の体積中位粒径(D50)及び粒度分布における変動係数を、上記特定の値とするためには、例えば、前述の混合機を使用する、攪拌を前述のような攪拌強度(攪拌周速等)で行う、分散液の中和度を上げる等の方法、あるいはこれらの方法を適宜組み合わせた方法が用いられる。
電子写真用トナー及びその製造方法
次に、(a)上記製造方法で樹脂乳化液を得る工程、及び(b)得られた樹脂乳化液中の乳化粒子を凝集する工程(以下、凝集工程という)、合一する工程(以下、合一工程という)、を有する方法により、本発明の電子写真用トナーが得られる。着色剤は前述のように樹脂乳化液に含有されていてもよいし、着色剤の分散液を樹脂乳化液と混合して凝集、合一させてもよい。
凝集工程においては、混合液の分散安定性と、結着樹脂及び着色剤等の微粒子の凝集性とを両立させる観点から、系内のpH値は2〜10が好ましく、2〜9がより好ましく、3〜8がさらに好ましい。
同様の観点から、凝集工程における系内の温度は、結着樹脂のガラス転移点以下が好ましく、ガラス転移点−10℃以下がより好ましい。
凝集工程においては、凝集を効果的に行うために凝集剤を添加することが好ましい。凝集剤としては、4級塩のカチオン性界面活性剤、ポリエチレンイミン等の有機系凝集剤、無機金属塩、アンモニウム塩、2価以上の金属錯体等の無機系凝集剤が用いられる。無機金属塩としては、例えば、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム等の金属塩、及びポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム、多硫化カルシウム等の無機金属塩重合体などが挙げられる。
アンモニウム塩としては、ハロゲン化アンモニウム、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、酢酸アンモニウム、安息香酸アンモニウム、サリチル酸アンモニウム等が、4級アンモニウム塩としては、テトラアルキルアンモニウムハライド等が挙げられるが、生産性の点から、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、テトラアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムブロマイドが好ましく挙げられる。これらの凝集剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
凝集剤の使用量は、使用する凝集剤の電荷の価数により異なるが、1価の凝集剤を用いた場合、凝集性の観点から、結着樹脂100重量部に対して、2重量以上50重量部以下が好ましく、3.5重量部以上40重量部以下がより好ましく、3.5重量部以上30重量部以下がさらに好ましい。
凝集剤は、水性媒体に溶解させて添加することが好ましく、凝集剤の添加時及び添加終了後には十分な攪拌をすることが好ましい。得られた凝集粒子は、凝集粒子を合一させる工程(合一工程)に供される。
合一工程においては、系内の温度は凝集工程の系内の温度と同じかそれ以上であることが好ましいが,目的とするトナーの粒径、粒度分布、形状制御、及び粒子の融着性の観点から、結着樹脂のガラス転移点以上、軟化点+20℃以下が好ましく、ガラス転移点+5℃以上、軟化点+15℃以下がより好ましく、ガラス転移点+10℃以上、軟化点+10℃以下が更に好ましい。また、攪拌速度は凝集粒子が沈降しない速度であることが好ましい。
合一工程は、例えば昇温を連続的に行うことにより、あるいは凝集かつ合一が可能な温度まで昇温後、その温度で攪拌を続けることにより、凝集工程と同時に行うこともできる。
得られた合一粒子を、必要に応じ、適宣、ろ過などの固液分離工程、洗浄工程、乾燥工程に供することにより、トナー母粒子を得ることができる。
洗浄工程では、トナーとして十分な帯電特性及び信頼性を確保する目的から、トナー母粒子表面の金属イオンを除去するため酸を用いることが好ましく、洗浄は複数回行うことが好ましい。
また、乾燥工程では、振動型流動乾燥法、スプレードライ法、冷凍乾燥法、フラッシュジェット法等、任意の方法を採用することができる。トナー母粒子の乾燥後の水分含量は、帯電性の観点から、好ましくは1.5重量%以下、さらには1.0重量%以下に調整することが好ましい。
本発明の電子写真用トナーは、上述のようにして得られた合一粒子を含むものであるが、該合一粒子のトナー中における含有量は、トナーの帯電性及び定着性の点から、95〜100重量%であることが好ましく、96.5〜99重量%であることが更に好ましい。
また、高画質化と生産性の観点から、トナー粒子の体積中位粒径(D50)は1〜10μmが好ましく、2〜8μmがより好ましく、3〜7μmがさらに好ましい。粒度分布は、同様の観点から、変動係数(粒度分布の標準偏差/体積体積中位粒径(D50)×100)は25以下が好ましく、23以下がより好ましく、22以下がより好ましく、19以下が更に好ましい。
また、トナーの軟化点は、低温定着性の観点から、60〜140℃あることが好ましく、より好ましくは60〜130℃、さらに好ましくは60〜120℃である。また、示差走査熱量計による吸熱の最大ピーク温度は、同様の観点から、60〜140℃であることが好ましく、より好ましくは60〜130℃、さらに好ましくは60〜120℃である。
本発明のトナーには、外添剤として流動化剤等の助剤を合一粒子表面に添加処理することができる。外添剤としては、表面を疎水化処理したシリカ微粒子、酸化チタン微粒子、アルミナ微粒子、酸化セリウム微粒子、カーボンブラック等の無機微粒子やポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、シリコーン等のポリマー微粒子等、公知の微粒子が使用できる。
外添剤の配合量は、外添剤による処理前のトナー母粒子100重量部に対して、1〜5重量部が好ましく、1.5〜3.5重量部がより好ましい。ただし、外添剤として疎水性シリカを用いる場合は、外添剤による処理前のトナー母粒子100重量部に対して、疎水性シリカを1〜3重量部用いることが好ましい。
本発明の電子写真用トナーが適用される被転写体(記録材)としては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンターなどに使用される普通紙、OHPシートなどが挙げられる。本発明により得られる電子写真用トナーは、一成分系現像剤として、又はキャリアと混合して二成分系現像剤として使用することができる。
各性状値は以下の方法により測定、評価した。
[樹脂の酸価]
JIS K0070に従って測定する。但し、測定溶媒のみJIS K0070に規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更した。
[樹脂及びトナーの軟化点、吸熱の最高ピーク温度及びガラス転移点]
(1)軟化点
フローテスター(島津製作所、「CFT−500D」)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出す。温度に対し、フローテスターのブランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
(2)吸熱の最高ピーク温度
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却した試料を昇温速度10℃/分で測定する。観測される吸熱ピークのうち、最も高温側にあるピークの温度を吸熱の最高ピーク温度とする。最高ピーク温度が軟化点と20℃以内の差のときには該ピーク温度を融点とし、軟化点より20℃以上低いときには該ピークはガラス転移に起因するピークとする。
(3)ガラス転移点
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却した試料を昇温速度10℃/分で測定する。軟化点より20℃以上低い温度でピークが観測される場合にはそのピークの温度を、また軟化点より20℃以上低い温度でピークが観測されずに段差が観測されるときは該段差部分の曲線の最大傾斜を示す接線と該段差の高温側のベースラインの延長線との交点の温度を、ガラス転移点として読み取る。なお、ガラス転移点は、樹脂の非晶質部分に特有の物性であり、一般には非晶質ポリエステルで観測されるが、結晶性ポリエステルでも非晶質部分が存在する場合には観測されることがある。
[結着樹脂の数平均分子量]
以下の方法により、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより分子量分布を測定し、数平均分子量を算出する。
(1)試料溶液の調製
濃度が0.5g/100mlになるように、結着樹脂をクロロホルムに溶解させる。次いで、この溶液をポアサイズ2μmのフッ素樹脂フィルター[住友電気工業(株)製、「FP−200」]を用いて濾過して不溶解成分を除き、試料溶液とする。
(2)分子量分布測定
下記装置を用いて、クロロホルムを毎分1mlの流速で流し、40℃の恒温槽中でカラムを安定させる。そこに試料溶液100μlを注入して測定を行う。試料の分子量は、あらかじめ作成した検量線に基づき算出する。このときの検量線には、数種類の単分散ポリスチレン(東ソー(株)製の2.63×103、2.06×104、1.02×105、ジーエルサイエンス社製の2.10×103、7.00×103、5.04×104)を標準試料として作成したものを用いる。
測定装置:CO−8010(東ソー社製)
分析カラム:GMHLX+G3000HXL(東ソー社製)
[乳化粒子の粒径]
レーザー回折型粒径測定機(HORIBA製、「LA−920」)を用いて、測定用セルに蒸留水を加え、水に対する相対屈折率を1.2として、吸光度が適正範囲になる濃度で得られた粒径分布からメジアン径(すなわち、体積中位粒径(D50))、及び、体積平均粒径(D4)及び標準偏差を測定、算出する。また、変動係数は下記の式に従って算出する。
変動係数=(粒径分布の標準偏差/体積平均粒径(D4))×100
[乳化液の固形濃度]
赤外線水分計(株式会社ケツト科学研究所:FD−230)を用いて、乳化液5gを乾燥温度150℃,測定モード96(監視時間2.5分/変動幅0.05%)にて、ウェットベースの水分%を測定する。固形分は下記の式に従って算出した。
固形分(%)=100−M
M:ウェットベース水分(%)=[(W−W0)/W]×100
W:測定前の試料重量(初期試料重量)
W0:測定後の試料重量(絶対乾燥重量)
[トナーの粒径]
測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)
アパチャー径:50μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマンコールター社製)
電解液:アイソトンII(ベックマンコールター社製)
分散液:エマルゲン109P(花王社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB:13.6)を5重量%の濃度となるよう前記電解液に溶解させて分散液を得る。
分散条件:前記分散液5mLに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、電解液25mLを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させて、試料分散液を調製する。
測定条件:前記試料分散液を前記電解液100mLに加えることにより、3万個の粒子の粒径を20秒で測定できる濃度に調整した後、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求める。また、トナーの変動係数は下記の式に従って算出する。
変動係数=(粒径分布の標準偏差/体積中位粒径(D50))×100
製造例1 ポリエステル樹脂Aの製造
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン8320g、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン80g、テレフタル酸1592g及びジブチル錫オキサイド(エステル化触媒)32gを窒素雰囲気下、常圧下230℃で5時間反応させ、更に減圧下で反応させた。210℃に冷却し、フマル酸1672g、ハイドロキノン8gを加え、5時間反応させた後に、更に減圧下で反応させて、ポリエステル樹脂Aを得た。ポリエステル樹脂Aの軟化点は110℃、ガラス転移点は66℃、酸価は24.4mgKOH/g、数平均分子量は3760であった。
製造例2 ポリエステル樹脂Bの製造
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン17500g、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン16250g、テレフタル酸11454g、ドデセニルコハク酸無水物1608g、トリメリット酸無水物4800g及びジブチル錫オキサイド15gを窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、220℃で攪拌し、ASTM D36−86に準拠して測定した軟化点が120℃に達するまで反応させて、ポリエステル樹脂Bを得た。ポリエステル樹脂Bの軟化点は121℃、ガラス転移点は65℃、酸価は18.5mgKOH/g、数平均分子量は3394であった。
製造例3 マスターバッチ1の製造
製造例1で得たポリエステル樹脂Aの微粉末70重量部及び大日精化製銅フタロシアニンのスラリー顔料(ECB−301:固形分46.2重量%)を顔料分30重量部になる様にヘンシェルミキサーに仕込み5分間混合し湿潤させた。次にこの混合物をニーダー型ミキサーに仕込み徐々に加熱した。ほぼ90〜110℃にて樹脂が溶融し、水が混在した状態で混練し、水を蒸発させながら20分間90〜110℃で混練を続けた。
更に120℃にて混練を続け残留している水分を蒸発させ、脱水乾燥させた。更に120〜130℃にて10分間混練を続けた。冷却後更に加熱三本ロールにより混練し、冷却、粗砕して青色顔料を30重量%の濃度で含有する高濃度着色組成物の粗砕品(マスターバッチ1)を得た。これをスライドグラスに乗せて加熱溶融させて顕微鏡で観察したところ、顔料粒子は全て微細に分散しており、粗大粒子は認められなかった。
実施例1 樹脂乳化液1の製造
プラネタリーミキサー(PRIMIX社製:5L容T.K.ハイビスミックス)の攪拌槽(図1の下方部材3)で、ポリエステル樹脂A 640g、ポリエステル樹脂B 420g、マスターバッチ1 200g(ポリエステル樹脂A、ポリエステル樹脂B及びマスターバッチ1に用いた樹脂を前記配合割合で混合溶融した混合樹脂の軟化点は114℃、ガラス転移点は64℃であった)、及び、アニオン性界面活性剤「ネオペレックス G−15(花王社製)」ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(固形分:15重量%)80g、および、非イオン性界面活性剤「エマルゲン 430(花王社製)」ポリオキシエチレン(26mol)オレイルエーテル(HLB:16.2)12g、及び5重量%水酸化カリウム水溶液551gを、2軸の攪拌羽根が遊星運動を行う、上記プラネタリーミキサー(PRIMIX社製:5L容T.K.ハイビスミックス)にて、攪拌羽根が図3に示すような自転方向と逆向きに捻転した形状のブレード状の羽根を用い、攪拌周速1.2m/sec(自転周速:0.7m/sec、公転周速:0.5m/sec)の攪拌下、25℃で分散させた後、95℃まで昇温して2時間中和を行った。続いて、脱イオン水を12g/min(樹脂100gあたり1g/分)で2276g滴下し、乳化を行った。得られた乳化液を室温まで冷却し200メッシュ(目開き:105μm)の金網を通して、微粒化した樹脂乳化液(1)を得た。得られた樹脂乳化液(1)中の樹脂粒子の体積中位粒径(D50)は0.13μm、体積基準における変動係数は25であり、金網上に樹脂成分は何も残らなかった。結果を表1に示す。
実施例2
プラネタリーミキサーの攪拌羽根の攪拌周速を、0.4m/secとした以外は、実施例1と同様にして樹脂乳化液(2)を調製した。得られた樹脂乳化液(2)中の樹脂粒子の体積中位粒径(D50)、体積基準における変動係数を表1に示す。また、金網上に樹脂成分は何も残らなかった。
実施例3
プラネタリーミキサーの攪拌羽根として、その形状を捻転していないフラットなブレード状の羽根とした以外は、実施例1同様にして樹脂乳化液(3)を調製した。得られた樹脂乳化液(3)中の樹脂粒子の体積中位粒径(D50)、体積基準における変動係数を表1に示す。また、金網上に樹脂成分は何も残らなかった。
実施例4
実施例1において、乳化時の「5重量%水酸化カリウム水溶液」の量を370g、脱イオン水の滴下量を2,449gとした以外は、実施例1同様にして樹脂乳化液(4)を調製した。得られた樹脂乳化液(4)中の樹脂粒子の体積中位粒径(D50)、体積基準における変動係数を表1に示す。また、金網上に樹脂成分は何も残らなかった。
実施例5
実施例1において、5リットル容のステンレス釜を有するカイ型の攪拌機に代えて、その周速を1.2m/secとした以外は、実施例1と同様にして樹脂乳化液(5)を調製した。得られた樹脂乳化液(5)中の樹脂粒子の体積中位粒径(D50)、体積基準における変動係数を表1に示す。また、金網上に樹脂成分は何も残らなかった。
比較例1
実施例5において、乳化時の「5重量%水酸化カリウム水溶液」の量を275g、脱イオン水の滴下量を2,539gとした以外は、実施例5と同様にして樹脂乳化液(6)を調製した。得られた樹脂乳化液(6)中の樹脂粒子の体積中位粒径(D50)、体積基準における変動係数を表1に示す。また、金網上には樹脂成分が確認された。
比較例2
実施例5において、カイ型の攪拌機の攪拌周速を0.4m/secに変更した以外は実施例5と同様にして樹脂乳化液(7)を調製した。得られた樹脂乳化液(7)中の樹脂粒子の体積中位粒径(D50)、体積基準における変動係数を表1に示す。また、金網上には樹脂成分は何も残らなかった。
なお、上記実施例及び比較例で使用した混合機の攪拌条件は以下のようなものであった。
[攪拌条件]
プラネタリーミキサー(T.K.ハイビスミックス)
公転:径=φ242mm 回転数=40r/min
自転:径=φ132mm 回転数=100r/min
(公転,自転は同一方向)
プラネタリーミキサーの周速は、公転の周速と自転の周速を足し合わせた値とする。
カイ型攪拌機
羽根:径=φ115mm,回転数=200r/min
なお、周速(m/s)は下記式で求めた。
周速(m/s)=径(m)×π×回転数(r/min)/60
実施例1〜5及び比較例1、2で得られた樹脂乳化液(1)〜(7)の各々について、下記のようにして乳化液濃度を測定した、結果を表1に示す。
[樹脂乳化液の反射濃度評価]
樹脂乳化液をアクリル板に設けたφ8mm、深さ8mmの穴に満たし、測色計(Gretag−Macbeth社製 SpectroEye)を用いて、光射条件を標準光源D50、観察視野2°、濃度基準DIN NBにおいて絶対白基準で測色し、反射濃度を測定する。
Figure 2008096646
実施例6(トナーの製造)
樹脂乳化液(1)500gを、2リットル容の容器に入れ室温下攪拌した。次に、カイ型の攪拌機で100/minの攪拌下、凝集剤として硫酸アンモニウム(シグマアルドリッチジャパン社製 特級)25gを1179gの脱イオン水に溶かし水溶液にしたものを室温で10分かけて滴下した。室温から80℃まで1時間で昇温し、80℃で3時間保持した。次に攪拌しながら室温まで冷却した。内容物を、吸引ろ過、洗浄、乾燥して着色樹脂粒子を得た。着色樹脂粒子の体積中位粒径(D50)は4.8μm、変動係数は19、軟化点は99.8℃、ガラス転移点は53.7℃であった。
この着色樹脂微子100重量部に対して1.0重量部の疎水性シリカ(日本アエロジル社製、R972、個数平均粒子径16nm)をヘンシェルミキサーを用いて外添しトナー(1)とした。
実施例7〜10及び比較例3、4(トナーの製造)
樹脂乳化液(2)〜(7)の各々を用いた以外は、実施例6と同様にして、それぞれに対応するトナー(2)〜(7)を調製した。各着色樹脂粒子の体積中位粒径(D50)、変動係数、軟化点、ガラス転移点は表2に示す通りであった。
上記得られたトナー(1)〜(7)の各々について、画像濃度及び耐久性を下記の方法で評価した。結果を表2に示す。
[画像濃度]
非磁性一成分現像装置「MICROLINE 5400」(沖データ社製)にトナーを実装し、付着量0.3mg/cm2でベタ画像を印字した。得られたベタ画像を測色計(Gretag−Macbeth社製、SpectroEye)を用いて、光射条件を標準光源D50、観察視野2°、濃度基準DIN NBにおいて絶対白基準で測色し画像濃度を測定した。
[耐久性]
非磁性一成分現像装置「MICROLINE 5400」(沖データ社製)にトナーを実装し、印字率5%のチャートを10,000枚印刷した。印刷後、感光体ドラム表面への残留トナーの融着の発生状況とプリントアウトした画像への影響を目視で観察し、以下の評価基準に従って、耐久性(耐フィルミング性)を評価する。
◎:トナー融着は未発生
○:トナー融着が感光体上に1〜2箇所確認されるが、画像への影響は無い
△:トナー融着が感光体上に3〜5箇所確認されるが、画像への影響は無い
×:トナー融着が感光体上に6箇所以上確認され、画像に欠陥が生じている
Figure 2008096646
本発明の樹脂乳化液及びその製造方法は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法などにおいて使用される電子写真用トナーの製造に好適に用いることができる。
本発明において使用するプラネタリーミキサーの一例を示した斜視図。 本発明において使用するプラネタリーミキサーの一例の一部拡大図。 本発明において使用するプラネタリーミキサーの別の一例の一部拡大図。
符号の説明
1・・・・・撹拌槽
2・・・・・撹拌槽の上部
3・・・・・撹拌槽の下部
4及び5・・撹拌羽根
6・・・・・ローター

Claims (9)

  1. ポリエステルを含有する結着樹脂と着色剤とを含む樹脂乳化液であって、該樹脂乳化液中の乳化粒子の体積中位粒径(D50)が0.5μm以下であり、且つ、体積基準の粒度分布における変動係数が30以下である、トナー用樹脂乳化液。
  2. (1)ポリエステルを含有する結着樹脂と着色剤とを含む原料を、塩基性水性媒体中において分散させる工程、(2)得られた分散液を攪拌して中和させる工程、及び(3)中和された分散液に水性液を添加して水性媒体中で乳化する工程、を有する方法により得られるトナー用樹脂乳化液であって、少なくとも前記工程(2)における攪拌を、公転軸に自転軸が2軸以上連結され、夫々の自転軸に設けられた攪拌羽根が遊星運動を行う混合機を用いて行う、トナー用樹脂乳化液。
  3. (1)ポリエステルを含有する結着樹脂と着色剤とを含む原料を、塩基性水性媒体中において分散させる工程、(2)得られた分散液を攪拌して中和させる工程、及び(3)中和された分散液に水性液を添加して水性媒体中で乳化する工程、を有する樹脂乳化液の製造方法であって、少なくとも前記工程(2)における攪拌を、公転軸に自転軸が2軸以上連結され、夫々の自転軸に設けられた攪拌羽根が遊星運動を行う混合機を用いて行う、トナー用樹脂乳化液の製造方法。
  4. 前記工程(2)と工程(1)及び/又は(3)における攪拌を、公転軸に自転軸が2軸以上連結され、夫々の自転軸に設けられた攪拌羽根が遊星運動を行う混合機を用いて行う、請求項3記載のトナー用樹脂乳化液の製造方法。
  5. 塩基性水性媒体が有機溶剤を含有しない、請求項3又は4に記載のトナー用樹脂乳化液の製造方法。
  6. 混合機の自転軸に設けられた攪拌羽根の攪拌周速が0.5〜5m/secである、請求項3〜5のいずれかに記載のトナー用樹脂乳化液の製造方法。
  7. 混合機の自転軸に設けられた攪拌羽根の少なくとも一つが、自転の回転方向と逆方向に捻転した形状を有する、請求項3〜6のいずれかに記載のトナー用樹脂乳化液の製造方法。
  8. (a)請求項3〜7のいずれかに記載の製造方法で樹脂乳化液を得る工程、及び(b)得られた樹脂乳化液中の乳化粒子を凝集、合一させる工程、を有する電子写真用トナーの製造方法。
  9. 請求項8に記載の製造方法で得られた電子写真用トナー。
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