JP6604735B2 - 液体現像剤 - Google Patents
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Description
〔1〕 酸価が3mgKOH/g以上80mgKOH/g以下のポリエステル樹脂Pと顔料とを含有するトナー粒子が分散剤の存在下で、絶縁性液体中に分散してなる液体現像剤であって、前記分散剤が、シリコーン鎖の片末端及び側鎖の少なくとも一方にアミノ基を含む変性基が置換してなるアミノ変性シリコーンAを含有し、該アミノ変性シリコーンAの動粘度が200mm2/s以上10000mm2/s以下である、液体現像剤、並びに
〔2〕 工程1:少なくとも、酸価が3mgKOH/g以上80mgKOH/g以下のポリエステル樹脂Pと顔料とを溶融混練し、得られた混練物を、粉砕して、トナー粒子を得る工程、及び
工程2:工程1で得られたトナー粒子を、分散剤の存在下で、絶縁性液体中に分散させる工程
を含む、液体現像剤の製造方法であって、前記分散剤が、シリコーン鎖の片末端及び側鎖の少なくとも一方にアミノ基を含む変性基が置換してなるアミノ変性シリコーンAを含有し、該アミノ変性シリコーンAの動粘度が200mm2/s以上10000m2/s以下である、液体現像剤の製造方法
に関する。
即ち、前記アミノ変性シリコーン中のアミノ基がポリエステル樹脂Pのカルボキシ基と適度な親和性を有することで、アミノ変性シリコーンが前記トナー粒子に適度に吸着しており、また、前記アミノ変性シリコーン中のシリコーン鎖が絶縁性液体と適度な親和性を有することで、該トナー粒子が、アミノ変性シリコーンを介して、絶縁性液体中に分散されていると考えられ、本発明の液体現像剤は低粘度でありながら、粉砕性、低温定着性、及び耐擦過性に優れる。
本発明の液体現像剤が低粘度であるのは、トナー粒子に吸着したアミノ変性シリコーンのシリコーン鎖同士が立体反発することによるものであると考えられる。
また、粉砕性が向上するのは、粉砕により生じたトナー粒子の界面に存在するポリエステル樹脂Pのカルボキシ基とアミノ変性シリコーンのアミノ基とが結合することで、アミノ変性シリコーンが素早く吸着し、再凝集を抑制できるためと考えられる。
さらに、低温定着性が向上するのは、定着時の熱により、トナー粒子からアミノ変性シリコーンが脱離するとともに、絶縁性液体が気化することで、トナー粒子同士がポリエステル樹脂Pを介して、容易に凝集・融着するためと考えられる。
また、耐擦過性に優れるのは、定着時に画像表面にブリードしたアミノ変性シリコーンのシリコーン鎖が画像表面上に広がるためと推定される。
で表される基が好ましい。
従って、式(I)で表される変性基において、アミノ基を1個含む基(モノアミノ基)としては、3-アミノプロピル基、N-アルキル(炭素数1以上22以下)アミノプロピル基、N,N-ジメチルアミノプロピル基、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-3-アミノプロピル基等が、アミノ基を2個含む基(ジアミノ基)としては、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピル基、N-(2-ジメチルアミノエチル)-3-アミノプロピル基等が挙げられる。これらのなかでは、3-アミノプロピル基、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピル基、及びN-(2-ジメチルアミノエチル)-3-アミノプロピル基が好ましく、入手し易さの観点から、3-アミノプロピル基がより好ましい。
で表されるアミノ変性シリコーンが好ましい。式(II)において、X1を含む繰り返し単位とX1を含まない繰り返し単位は、ランダムに並んでいてもよい。
で表されるアミノ変性シリコーンが、好ましい。
同じ分子量のアミノ変性シリコーンの場合、アミン価が小さいことは、1分子中のアミノ基の存在量が少ないことを意味し、アミン価が大きいことは、1分子中のアミノ基の存在量が多いことを意味する。
ここで、アミノ変性シリコーンAのアミノ基のモル数は、前記の通り、アミン価(mgKOH/g)/56000×使用量(g)より算出できる。また、ポリエステル樹脂Pのカルボキシ基のモル数も、酸価を用いて同様に算出することでき、即ち、酸価(mgKOH/g)/56000×使用量(g)より算出できる。
工程1:少なくとも、ポリエステル樹脂Pと顔料とを溶融混練し、得られた混練物を、粉砕して、トナー粒子を得る工程、及び
工程2:トナー粒子を、分散剤の存在下で、絶縁性液体中に分散させる工程
を含む方法により製造することが好ましい。
工程2−2:工程2−1で得られたトナー粒子分散液を湿式粉砕し、液体現像剤を得る工程
また、本発明の液体現像剤中、アミノ変性シリコーンAの含有量は、液体現像剤中のトナー粒子の分散安定性を向上させ、低粘度化の観点及び耐擦過性の観点から、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.2質量%以上、さらに好ましくは0.3質量%以上であり、液体現像剤の低温定着性を向上させる観点から、好ましくは8質量%以下、より好ましくは6質量%以下、さらに好ましくは4質量%以下である。
<3> ポリエステル樹脂Pが、脂肪族ジオールを含むアルコール成分とカルボン酸成分とを重縮合して得られた樹脂である、前記<1>又は<2>記載の液体現像剤。
<4> ポリエステル樹脂Pが、アルコール成分と芳香族ジカルボン酸化合物を含むカルボン酸成分とを重縮合して得られた樹脂である、前記<1>〜<3>いずれか記載の液体現像剤。
<5> ポリエステル樹脂Pが、脂肪族ジオールを含むアルコール成分と芳香族ジカルボン酸化合物を含むカルボン酸成分とを重縮合して得られた樹脂である、前記<1>〜<4>いずれか記載の液体現像剤。
<6> 脂肪族ジオールの炭素数が、2以上、好ましくは3以上であり、6以下、好ましくは4以下である、前記<3>〜<5>いずれか記載の液体現像剤。
<7> 脂肪族ジオールが、第二級炭素原子に結合した水酸基を有する脂肪族ジオールを含む、前記<3>〜<6>いずれか記載の液体現像剤。
<8> 脂肪族ジオールの含有量が、アルコール成分中、80モル%以上、好ましくは90モル%以上、より好ましくは95モル%以上であり、100モル%以下、好ましくは実質的に100モル%、より好ましくは100モル%である、前記<3>〜<7>いずれか記載の液体現像剤。
<9> 第二級炭素原子に結合した水酸基を有する脂肪族ジオールの含有量が、アルコール成分中、80モル%以上、好ましくは90モル%以上、より好ましくは95モル%以上であり、100モル%以下、好ましくは実質的に100モル%、より好ましくは100モル%である、前記<7>又は<8>記載の液体現像剤。
<10> 芳香族ジカルボン酸化合物の含有量が、カルボン酸成分中、50モル%以上、好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは95モル%以上であり、100モル%以下、好ましくは実質的に100モル%、より好ましくは100モル%である、前記<4>〜<9>いずれか記載の液体現像剤。
<11> ポリエステル樹脂Pが、ポリエステルユニットを含む樹脂であり、該ポリエステルユニットの含有量が、ポリエステル樹脂中、好ましくは60質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上であり、好ましくは100質量%以下、より好ましくは100質量%である、前記<1>〜<10>いずれか記載の液体現像剤。
<12> ポリエステル樹脂Pの軟化点が、75℃以上、好ましくは80℃以上、より好ましくは85℃以上であり、120℃以下、好ましくは110℃以下、より好ましくは95℃以下、さらに好ましくは90℃以下である、前記<1>〜<11>いずれか記載の液体現像剤。
<13> ポリエステル樹脂Pのガラス転移温度が、40℃以上、好ましくは43℃以上、より好ましくは45℃以上であり、65℃以下、好ましくは60℃以下、より好ましくは55℃以下である、前記<1>〜<12>いずれか記載の液体現像剤。
<14> 顔料の含有量が、ポリエステル樹脂P 100質量部に対して、100質量部以下、好ましくは70質量部以下、より好ましくは50質量部以下、さらに好ましくは25質量部以下であり、5質量部以上、好ましくは10質量部以上、より好ましくは15質量部以上である、前記<1>〜<13>いずれか記載の液体現像剤。
<15> アミノ基を含む変性基が、式(I)で表される基である、前記<1>〜<14>いずれか記載の液体現像剤。
<16> 式(I)で表される変性基が、3-アミノプロピル基、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピル基、及びN-(2-ジメチルアミノエチル)-3-アミノプロピル基からなる群より選ばれた少なくとも1種、好ましくは3-アミノプロピル基である、前記<15>記載の液体現像剤。
<17> アミノ基を含む変性基がシリコーン鎖の側鎖に置換してなる、前記<1>〜<16>いずれか記載の液体現像剤。
<18> シリコーン鎖の側鎖にアミノ基を含む変性基が置換したアミノ変性シリコーンAが、式(II)で表されるアミノ変性シリコーンである、前記<1>〜<17>いずれか記載の液体現像剤。
<19> シリコーン鎖の片末端にアミノ基を含む変性基が置換したアミノ変性シリコーンAが、式(III)で表されるアミノ変性シリコーンである、前記<1>〜<18>いずれか記載の液体現像剤。
<20> アミノ変性シリコーンAの動粘度が、300mm2/s以上、好ましくは500mm2/s以上、より好ましくは700mm2/s以上、さらに好ましくは800mm2/s以上、さらに好ましくは1000mm2/s以上であり、5000mm2/s以下、好ましくは3000mm2/s以下、より好ましくは2000mm2/s以下、さらに好ましくは1500mm2/s以下である、前記<1>〜<19>いずれか記載の液体現像剤。
<21> アミノ変性シリコーンAのアミン価が、2mgKOH/g以上、好ましくは3mgKOH/g以上であり、150mgKOH/g以下、好ましくは120mgKOH/g以下、より好ましくは100mgKOH/g以下、さらに好ましくは80mgKOH/g以下、さらに好ましくは60mgKOH/g以下である、前記<1>〜<20>いずれか記載の液体現像剤。
<22> アミノ変性シリコーンAの含有量が、ポリエステル樹脂P 100質量部に対して、1質量部以上、好ましくは2質量部以上、より好ましくは4質量部以上であり、50質量部以下、好ましくは30質量部以下、より好ましくは10質量部以下、さらに好ましくは8質量部以下である、前記<1>〜<21>いずれか記載の液体現像剤。
<23> アミノ変性シリコーンAのアミノ基とポリエステル樹脂Pのカルボキシ基のモル比(アミノ変性シリコーンAのアミノ基/ポリエステル樹脂Pのカルボキシ基)が、0.01以上、好ましくは0.05以上、より好ましくは0.10以上、さらに好ましくは0.15以上であり、5以下、好ましくは3以下、より好ましくは1以下、さらに好ましくは0.7以下、さらに好ましくは0.5以下、さらに好ましくは0.3以下である、前記<1>〜<22>いずれか記載の液体現像剤。
<24> アミノ変性シリコーンAの含有量が、分散剤中、50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上であり、100質量%以下、好ましくは実質的に100質量%、より好ましくは100質量%である、前記<1>〜<23>いずれか記載の液体現像剤。
<25> 絶縁性液体が、炭化水素系溶媒及びポリシロキサンからなる群から選ばれる1種以上、好ましくは炭化水素系溶媒、より好ましくは脂肪族炭化水素、さらに好ましくはパラフィン系炭化水素及び/又は炭素数12以上18以下のオレフィン、さらに好ましくはパラフィン系炭化水素である、前記<1>〜<24>いずれか記載の液体現像剤。
<26> 炭化水素系溶媒の含有量が、絶縁性液体中、60質量%以上、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上であり、100質量%以下、好ましくは実質的に100質量%、より好ましくは100質量%である、前記<25>記載の液体現像剤。
<27> 絶縁性液体の25℃における粘度が、100mPa・s以下、好ましくは50mPa・s以下、より好ましくは20mPa・s以下、さらに好ましくは10mPa・s以下、さらに好ましくは5mPa・s以下であり、1mPa・s以上、好ましくは1.5mPa・s以上である、前記<1>〜<26>いずれか記載の液体現像剤。
<28> 液体現像剤中、ポリエステル樹脂Pの含有量が、3質量%以上、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは15質量%以上であり、40質量%以下、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下である、前記<1>〜<27>いずれか記載の液体現像剤。
<29> 液体現像剤中、顔料の含有量が、1質量%以上、好ましくは1.5質量%以上、より好ましくは2質量%以上であり、10質量%以下、好ましくは8質量%以下、より好ましくは6質量%以下である、前記<1>〜<28>いずれか記載の液体現像剤。
<30> 液体現像剤中、分散剤の含有量が、0.05質量%以上、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、さらに好ましくは0.3質量%以上であり、8質量%以下、好ましくは6質量%以下、より好ましくは4質量%以下である、前記<1>〜<29>いずれか記載の液体現像剤。
<31> 液体現像剤中、アミノ変性シリコーンAの含有量が、0.05質量%以上、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、さらに好ましくは0.3質量%以上であり、8質量%以下、好ましくは6質量%以下、より好ましくは4質量%以下である、前記<1>〜<30>いずれか記載の液体現像剤。
<32> 液体現像剤の25℃における粘度が、30mPa・s以下、好ましくは20mPa・s以下、より好ましくは15mPa・s以下、さらに好ましくは10mPa・s以下であり、1mPa・s以上、好ましくは2mPa・s以上、より好ましくは3mPa・s以上、さらに好ましくは4mPa・s以上である、前記<1>〜<31>いずれか記載の液体現像剤。
<33> 工程1:少なくとも、酸価が3mgKOH/g以上80mgKOH/g以下のポリエステル樹脂Pと顔料とを溶融混練し、得られた混練物を、粉砕して、トナー粒子を得る工程、及び
工程2:工程1で得られたトナー粒子を、分散剤の存在下で、絶縁性液体中に分散させる工程
を含む、液体現像剤の製造方法であって、前記分散剤が、シリコーン鎖の片末端及び側鎖の少なくとも一方にアミノ基を含む変性基が置換してなるアミノ変性シリコーンAを含有し、該アミノ変性シリコーンAの動粘度が200mm2/s以上10000m2/s以下である、液体現像剤の製造方法。
<34> 工程1における溶融混練を、オープンロール型混練機を用いて行う、前記<33>記載の液体現像剤の製造方法。
<35> 工程2が、
工程2−1:工程1で得られたトナー粒子に分散剤を加え、絶縁性液体中に分散させ、トナー粒子分散液を得る工程、及び
工程2−2:工程2−1で得られたトナー粒子分散液を湿式粉砕し、液体現像剤を得る工程
を含む、前記<33>又は<34>記載の液体現像剤の製造方法。
フローテスター「CFT-500D」(株式会社島津製作所製)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/minで加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出す。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
示差走査熱量計「Q20」(TA instruments社製)を用いて、試料0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/minで0℃まで冷却する。次に試料を昇温速度10℃/minで昇温し、吸熱ピークを測定する。吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度をガラス転移温度とする。
JIS K0070の方法に基づき測定する。ただし、測定溶媒のみJIS K0070の規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更する。
JIS Z 8803に従って測定する。
200mL容のマイヤーフラスコに試料1gを精秤し、これにイソプロピルアルコール25mL、トルエン25mLを加え充分撹拌する。次に、自動適定装置を用いて0.1N塩酸水溶液で当量点まで滴定し、次式によりアミン価を算出する。
アミン価(mgKOH/g)=0.1N塩酸使用量(mL)/1000×56000)
測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター株式会社製)
アパチャー径:100μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマンコールター株式会社製)
電解液:アイソトンII(ベックマンコールター株式会社製)
分散液:電解液にエマルゲン109P(花王株式会社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB(グリフィン):13.6)を溶解して5質量%に調整したもの
分散条件:前記分散液5mLに測定試料10mgを添加し、超音波分散機(機械名:(株)エスエヌディー社製US-1、出力:80W)にて1分間分散させ、その後、前記電解液25mLを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させて、試料分散液を調製する。
測定条件:前記電解液100mLに、3万個の粒子の粒径を20秒間で測定できる濃度となるように、前記試料分散液を加え、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求める。
絶縁性液体25gを40mL容のガラス製サンプル管「スクリューNo.7」(マルエム社製)に入れ、非水系導電率計「DT-700」(Dispersion Technology社製)を用いて、電極を液体現像剤に浸し、20回測定を行って平均値を算出し、導電率を測定する。数値が小さいほど高抵抗であることを示す。
6mL容のガラス製サンプル管「スクリューNo.2」(マルエム社製)に測定液を4〜5mL入れ、回転振動式粘度計「ビスコメイトVM-10A-L」(セコニック社製)を用いて、25℃にて粘度を測定する。
試料10質量部をヘキサン90質量部で希釈し、遠心分離装置「H-201F」(コクサン社製)を用いて、回転数25000r/minにて、20分間回転させる。静置後、上澄み液をデカンテーションにて除去した後、90質量部のヘキサンで希釈し、同様の条件で再び遠心分離を行う。上澄み液をデカンテーションにて除去した後、下層を真空乾燥機にて0.5kPa、40℃にて8時間乾燥させ、以下の式より固形分濃度を計算する。
レーザー回折/散乱式粒径測定装置「マスターサイザー2000」(マルバーン社製)を用いて、測定用セルにアイソパーL(エクソンモービル社製、イソパラフィン、25℃における粘度1mPa・s)を加え、散乱強度が5〜15%になる濃度で、粒子屈折率1.58(虚数部0.1)、分散媒屈折率1.42の条件にて、体積中位粒径(D50)を測定する。
表1に示す原料モノマーPと、エステル化触媒(2-エチルヘキサン酸錫(II))50gを、窒素導入管、98℃の熱水を通した分留管を装備した脱水管、攪拌機及び熱電対を装備した10L容の四つ口フラスコに入れ、180℃まで昇温した後、210℃まで5時間かけて昇温を行い、反応率が90%に達するまで反応させ、さらに8.3kPaにて反応を行い、目的の軟化点に達した時点で反応を終了し、表1に示す物性を有するポリエステル樹脂を得た。なお、反応率とは、生成反応水量(mol)/理論生成水量(mol)×100の値をいう。
キシレン1567gを窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5L容の四つ口フラスコに入れ、130℃に昇温した。表1に示す原料モノマーS及び重合開始剤(ジブチルパーオキサイド)193gの混合液を130℃で攪拌しながら1.5時間かけて滴下し、さらに1.5時間同温度を保持して付加重合反応を行った。160℃に昇温し、1時間反応を行った後、200℃に昇温し、1時間保持してキシレンを除去した。さらに8.3kPaにて残りのキシレンを除去し、表1に示す物性を有するスチレンアクリル樹脂を得た。
表1に示す原料モノマーPと、エステル化触媒(2-エチルヘキサン酸錫(II))50gを、窒素導入管、脱水管、攪拌機及び熱電対を装備した10L容の四つ口フラスコに入れ、235℃で反応を行い、反応率が90%に達するまで反応させ、さらに8.3kPaにて反応を行い、目的の軟化点に達した時点で反応を終了し、表1に示す物性を有するポリエステル樹脂を得た。なお、反応率とは、生成反応水量(mol)/理論生成水量(mol)×100の値をいう。
表4〜6に示す樹脂 85質量部及び顔料「ECB-301」(大日精化社製、フタロシアニンブルー15:3)15質量部を、予め20L容のヘンシェルミキサーを使用し、1500r/min(21.6m/sec)で3分間攪拌混合後、以下に示す条件で溶融混練した。
連続式二本オープンロール型混練機「ニーデックス」(三井鉱山社製、ロール外径:14cm、有効ロール長:55cm)を使用した。連続式二本オープンロール型混練機の運転条件は、高回転側ロール(フロントロール)周速度75r/min(32.4m/min)、低回転側ロール(バックロール)周速度35r/min(15.0m/min)、混練物供給口側端部のロール間隙0.1mmであった。ロール内の加熱媒体温度及び冷却媒体温度は、高回転側ロールの原料投入側が90℃及び混練物排出側が85℃であり、低回転側ロールの原料投入側が35℃及び混練物排出側が35℃であった。また、原料混合物の上記混練機への供給速度は10kg/h、上記混練機中の平均滞留時間は約3分間であった。
液体現像剤中のトナー粒子の体積中位粒径(D50)、即ち液体現像剤の製造過程において、4時間湿式粉砕した後のトナー粒子の体積中位粒径(D50)の値から粉砕性を評価した。結果を表4〜6に示す。体積中位粒径が小さいほど粉砕性、即ち分散剤の分散性能に優れることを示し、その値は、3.0μm以下が好ましく、2.5μm以下がより好ましく、2.0μm以下がさらに好ましい。
液体現像剤を白紙「OK金藤」(王子製紙社製、坪量:84.9g/m2、紙厚:75μm)に滴下し、ワイヤーバーにより乾燥後重量が1.2g/m2になるように薄膜を作製した。
得られた定着画像にメンディングテープ「Scotchメンディングテープ810」(3M社製、幅18mm)を貼り付け、500gの荷重がかかるようにローラーでテープに圧力をかけた後、テープを剥離した。テープ剥離前と剥離後の画像濃度を、色彩計「GretagMacbeth Spectroeye」(グレタグ社製)にて測定した。画像印字部は各3点測定し、その平均値を画像濃度として算出した。剥離後の画像濃度/剥離前の画像濃度×100の値から定着率(%)を算出し、定着率が90%以上の温度を最低定着温度として定着性を評価した。結果を表4〜6に示す。最低定着温度が低いほど定着性に優れることを示し、その温度は、120℃以下が好ましく、110℃以下がより好ましく、105℃以下がさらに好ましい。
底面が20mm×20mmの500gの重りに、白紙「OK金藤」(王子製紙社製、坪量:84.9g/m2、紙厚:75μm)を巻きつけ、試験例2において最低定着温度で定着された印字物の上に、紙同士が擦れるように置き、10cmの幅を10往復させた。その後、重りから紙を剥がし、擦れた部分の画像濃度3点の平均値をDaとし、擦れていない部分の画像濃度3点の平均値をDbとし、その差ΔD(Db−Da)を算出した。結果を表4〜6に示す。ΔDが小さいほど、耐紙擦り性、即ち耐擦過性に優れることを示し、その値は、0.21以下が好ましく、0.15以下がより好ましく、0.10以下がさらに好ましく、0.07以下がさらに好ましい。
実施例1、6の対比において、ポリエステル樹脂のアルコール成分が、脂肪族アルコールである実施例1が、芳香族アルコールである実施例6よりも、粘度、粉砕性、及び低温定着性により優れることがわかる。
実施例1、7の対比において、ポリエステル樹脂のカルボン酸成分中、芳香族ジカルボン酸化合物が80モル%以上含む実施例1が、50モル%である実施例6よりも、粘度、粉砕性、及び低温定着性により優れることがわかる。
実施例1、8、10〜11の対比において、ポリエステル樹脂の酸価が10mgKOH/gである実施例1が低粘度、粉砕性、低温定着性、及び耐擦過性のバランスにより優れることがわかる。
実施例1、12、13の対比において、ポリエステル樹脂P100質量部に対してアミノ変性シリコーンAを5.9質量部用いた実施例1が粘度、粉砕性、及び低温定着性、耐擦過性のバランスにより優れることがわかる。
実施例1、14、15の対比において、絶縁性液体としてパラフィン系炭化水素を用いた実施例1が、低粘度、粉砕性、低温定着性及び耐擦過性のバランスに優れることがわかる。
比較例5、6の液体現像剤は、アミノ変性シリコーンの変性基をシリコーン鎖の両末端に有しているため、トナー粒子が凝集し、現像剤として使用することができないことが分かる。
比較例7の液体現像剤は、ポリエステル樹脂ではなくスチレン樹脂を含有しているため、トナー粒子が凝集し、液体現像剤として使用できないことがわかる。
Claims (8)
- 酸価が3mgKOH/g以上80mgKOH/g以下のポリエステル樹脂Pと顔料とを含有するトナー粒子が分散剤の存在下で、絶縁性液体中に分散してなる液体現像剤であって、前記ポリエステル樹脂Pが、第二級炭素原子に結合した水酸基を有する脂肪族ジオールを80モル%以上含むアルコール成分とカルボン酸成分とを重縮合して得られた樹脂であり、前記分散剤が、シリコーン鎖の側鎖にアミノ基を含む変性基が置換してなる、式(II):
で表されるアミノ変性シリコーンAを含有し、該アミノ変性シリコーンAの動粘度が200mm2/s以上10000mm2/s以下であり、前記絶縁性液体の量を変化させ、固形分濃度を25質量%に調整した場合の、回転振動式粘度計により測定した液体現像剤の25℃における粘度が30mPa・s以下1mPa・s以上である、液体現像剤。 - アミノ変性シリコーンAの含有量が、ポリエステル樹脂P 100質量部に対して、1質量部以上50質量部以下である、請求項1記載の液体現像剤。
- カルボン酸成分が、芳香族ジカルボン酸化合物を80モル%以上含む、請求項1又は2記載の液体現像剤。
- アミノ変性シリコーンAのアミノ基とポリエステル樹脂Pのカルボキシ基のモル比(アミノ変性シリコーンAのアミノ基/ポリエステル樹脂Pのカルボキシ基)が、0.01以上5以下である、請求項1〜3いずれか記載の液体現像剤。
- ポリエステル樹脂Pが、ポリエステルユニットを60質量%以上含む樹脂である、請求項1〜4いずれか記載の液体現像剤。
- 工程1:少なくとも、酸価が3mgKOH/g以上80mgKOH/g以下のポリエステル樹脂Pと顔料とを溶融混練し、得られた混練物を、粉砕して、トナー粒子を得る工程、及び
工程2:工程1で得られたトナー粒子を、分散剤の存在下で、絶縁性液体中に分散させる工程
を含む、液体現像剤の製造方法であって、前記ポリエステル樹脂Pが、第二級炭素原子に結合した水酸基を有する脂肪族ジオールを80モル%以上含むアルコール成分とカルボン酸成分とを重縮合して得られた樹脂であり、前記分散剤が、シリコーン鎖の側鎖にアミノ基を含む変性基が置換してなる、式(II):
で表されるアミノ変性シリコーンAを含有し、該アミノ変性シリコーンAの動粘度が200mm2/s以上10000m2/s以下であり、前記絶縁性液体の量を変化させ、固形分濃度を25質量%に調整した場合の液体現像剤の、回転振動式粘度計により測定した25℃における粘度が30mPa・s以下1mPa・s以上である、液体現像剤の製造方法。 - 工程1における溶融混練を、オープンロール型混練機を用いて行う、請求項7記載の製造方法。
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