JP6000491B1 - 液体現像剤 - Google Patents
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Abstract
Description
〔1〕 結着樹脂と顔料とを含有するトナー粒子が分散剤の存在下で、絶縁性液体中に分散してなる液体現像剤であって、
前記結着樹脂が、炭素数2以上6以下の脂肪族ジオールを70モル%以上100モル%以下含有するアルコール成分と、カルボン酸成分とを含む原料モノマーを重縮合して得られた、ガラス転移温度が35℃以上のポリエステル樹脂Pを含み、
前記分散剤が、アミノ基を有するモノマーAと、式(I):
で表されるモノマーBとを重合してなる共重合体Cを含み、該モノマーAと該モノマーBのモル比(モノマーA/モノマーB)が2/98以上50/50以下であり、該モノマーBにおける、R2が、炭素数が1以上9以下のアルキル基又は炭素数2以上9以下のアルケニル基であるモノマーB1と、R2が、炭素数が10以上22以下のアルキル基又はアルケニル基であるモノマーB2のモル比(モノマーB1/モノマーB2)が0以上0.1以下である、液体現像剤、並びに
〔2〕 工程1:少なくとも、結着樹脂と顔料とを溶融混練し、得られた混練物を、粉砕して、トナー粒子を得る工程、及び
工程2:工程1で得られたトナー粒子を、分散剤の存在下で、絶縁性液体中に分散させる工程
を含む液体現像剤の製造方法であって、
前記結着樹脂が、炭素数2以上6以下の脂肪族ジオールを70モル%以上100モル%以下含有するアルコール成分と、カルボン酸成分とを含む原料モノマーを重縮合して得られた、ガラス転移温度が35℃以上のポリエステル樹脂Pを含み、
前記分散剤が、アミノ基を有するモノマーAと、式(I):
で表されるモノマーBとを重合してなる共重合体Cを含み、該モノマーAと該モノマーBのモル比(モノマーA/モノマーB)が2/98以上50/50以下であり、該モノマーBにおける、R2が、炭素数が1以上9以下のアルキル基又は炭素数2以上9以下のアルケニル基であるモノマーB1とR2が、炭素数が10以上22以下のアルキル基又はアルケニル基であるモノマーB2のモル比(モノマーB1/モノマーB2)が0以上0.10以下である、液体現像剤の製造方法
に関する。
式(I):
で表されるモノマーBを2/98以上50/50以下のモル比(モノマーA/モノマーB)で重合した共重合体Cを含んでいる点に1つの特徴を有しており、絶縁性液体中への結着樹脂の溶出を抑制しつつ、小粒径、低粘度かつ保存安定性と低温定着性に優れるものである。
モノマーAとモノマーBが上記のモル比を有する共重合体Cは、非極性の絶縁性液体との親和性が高いため、分散性が高く、低粘度化し易く、保存安定性に優れる。さらに、該共重合体Cが、トナー粒子に吸着した際にトナー表面が改質され、トナー粒子中への絶縁性液体の浸透が促進されやすくなる。それによりトナー粒子の可塑化が起こり、低温定着性に優れると考えられる。
また、炭化水素鎖の短いモノマーB1を低減することで、トナーに吸着した分散剤による立体反発力が高まり、凝集や増粘を抑制することができ、低粘度化し易くなり、保存安定性及び低温定着性が向上すると考えられる。さらに、トナー中に炭素数2以上6以下の脂肪族ジオールを多く含む高極性のポリエステル樹脂Pを結着樹脂として用いることで、過剰な可塑化を防ぎ、絶縁性液体中への結着樹脂の溶出を抑制することができると考えられる。これにより、プリンター内の現像ローラー等へのフィルミングを抑制することができる。
さらに、共重合体Cはトナー粒子に速やかに吸着し立体反発効果をもたらすため、粒子の再凝集が抑制され小粒径化にも有効と考えられる。
第二級炭素原子に結合した水酸基を有する脂肪族ジオールの含有量は、樹脂の溶出抑制の観点から、アルコール成分中、好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは95モル%以上であり、好ましくは100モル%以下、より好ましくは100モル%である。
CH2=C(R5)COYR6NR3R4 (II)
(式中、R3及びR4は、それぞれ独立して、水素原子、又は炭素数1以上4以下の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基を示し、それらは互いに結合して環構造を形成していてもよく、R5は、水素原子又はメチル基を示し、R6は、炭素数2以上4以下の直鎖又は分岐のアルキレン基を示し、Yは−O−又は−NH−を示す)
で表されるアミノ基を有するモノマー、又はこのモノマーの酸中和物(3級アミン塩)もしくは4級アンモニウム塩が好ましい。上記の酸中和物を得るための好ましい酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、ギ酸、マレイン酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、アジピン酸、スルファミン酸、トルエンスルホン酸、乳酸、ピロリドン-2-カルボン酸、コハク酸等が挙げられる。上記第4級アンモニウム塩を得るための好ましい4級化剤としては、塩化メチル、塩化エチル、臭化メチル、ヨウ化メチル等のハロゲン化アルキル、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、硫酸ジ-n-プロピル等の一般的なアルキル化剤が挙げられる。
工程1:少なくとも、ポリエステル樹脂Pを含む結着樹脂と顔料とを溶融混練し、得られた混練物を、粉砕して、トナー粒子を得る工程、及び
工程2:工程1で得られたトナー粒子を、分散剤の存在下で、絶縁性液体中に分散させる工程
を含む方法により製造することが好ましい。
工程2−2:工程2−1で得られたトナー粒子分散液を湿式粉砕し、液体現像剤を得る工程
また、本発明の液体現像剤中、共重合体Cの含有量は、液体現像剤中のトナー粒子の保存安定性を向上させ、低粘度化の観点から、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.2質量%以上、さらに好ましくは0.3質量%以上であり、液体現像剤の低温定着性を向上させる観点から、好ましくは8質量%以下、より好ましくは6質量%以下、さらに好ましくは4質量%以下である。
前記結着樹脂が、炭素数2以上6以下の脂肪族ジオールを70モル%以上100モル%以下含有するアルコール成分と、カルボン酸成分とを含む原料モノマーを重縮合して得られた、ガラス転移温度が35℃以上のポリエステル樹脂Pを含み、
前記分散剤が、アミノ基を有するモノマーAと、式(I)で表されるモノマーBとを重合してなる共重合体Cを含み、該モノマーAと該モノマーBのモル比(モノマーA/モノマーB)が2/98以上50/50以下であり、該モノマーBにおける、R2が、炭素数が1以上9以下のアルキル基又は炭素数2以上9以下のアルケニル基であるモノマーB1と、R2が、炭素数が10以上22以下のアルキル基又はアルケニル基であるモノマーB2のモル比(モノマーB1/モノマーB2)が0以上0.1以下である、液体現像剤。
<3> 脂肪族ジオールは、第二級炭素原子に結合した水酸基を有する脂肪族ジオールである、前記<1>又は<2>記載の液体現像剤。
<4> 炭素数2以上6以下の脂肪族ジオールの含有量は、アルコール成分中、80モル%以上、好ましくは90モル%以上、より好ましくは95モル%以上、さらに好ましくは99モル%以上であり、さらに好ましくは100モル%である、前記<1>〜<3>いずれか記載の液体現像剤。
<5> 第二級炭素原子に結合した水酸基を有する脂肪族ジオールの含有量は、アルコール成分中、80モル%以上、好ましくは90モル%以上、より好ましくは95モル%以上であり、好ましくは100モル%以下、好ましくは100モル%である、前記<3>又は<4>記載の液体現像剤。
<6> カルボン酸成分は、芳香族ジカルボン酸化合物を含有する、前記<1>〜<5>いずれか記載の液体現像剤。
<7> 芳香族ジカルボン酸化合物の含有量は、カルボン酸成分中、50モル%以上、好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは95モル%以上であり、好ましくは100モル%以下、より好ましくは実質的に100モル%、さらに好ましくは100モル%である、前記<6>記載の液体現像剤。
<8> ポリエステル樹脂Pは、ポリエステルユニットを含む樹脂であり、ポリエステルユニットの含有量は、ポリエステル樹脂中、60質量%以上、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上であり、好ましくは100質量%以下、より好ましくは100質量%である、前記<1>〜<7>いずれか記載の液体現像剤。
<9> ポリエステル樹脂Pの軟化点は、75℃以上、好ましくは80℃以上、より好ましくは85℃以上であり、120℃以下、好ましくは110℃以下、より好ましくは95℃以下、さらに好ましくは90℃以下である、前記<1>〜<8>いずれか記載の液体現像剤。
<10> ポリエステル樹脂Pのガラス転移温度は、35℃以上、好ましくは40℃以上であり、65℃以下、好ましくは60℃以下、より好ましくは50℃以下である、前記<1>〜<9>いずれか記載の液体現像剤。
<11> ポリエステル樹脂Pの酸価は、1mgKOH/g以上であり、好ましくは2mgKOH/g以上、より好ましくは3mgKOH/g以上であり、80mgKOH/g以下であり、好ましくは60mgKOH/g以下、より好ましくは50mgKOH/g以下、さらに好ましくは40mgKOH/g以下、さらに好ましくは30mgKOH/g以下、さらに好ましくは20mgKOH/g以下、さらに10mgKOH/g以下である、前記<1>〜<10>いずれか記載の液体現像剤。
<12> ポリエステル樹脂Pの含有量は、樹脂の総量中、90質量%以上、好ましくは95質量%以上であり、好ましくは100質量%以下、より好ましくは実質的に100質量%、さらに好ましくは100質量%である、前記<1>〜<11>いずれか記載の液体現像剤。
<13> 顔料の含有量は、ポリエステル樹脂P 100質量部に対して、100質量部以下、好ましくは70質量部以下、より好ましくは50質量部以下、さらに好ましくは25質量部以下であり、5質量部以上、好ましくは10質量部以上、より好ましくは15質量部以上である、前記<1>〜<12>いずれか記載の液体現像剤。
<14> アミノ基を有するモノマーAは、式(II)で表されるアミノ基を有するモノマー、このモノマーの酸中和物(3級アミン塩)及び4級アンモニウム塩からなる群より選ばれた少なくとも1種である、前記<1>〜<13>いずれか記載の液体現像剤。
<15> 式(II)において、R3及びR4は、それぞれ独立して、炭素数1以上4以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、NR3R4は3級アミノ基である、前記<14>記載の液体現像剤。
<16> 式(II)においてNR3R4が3級アミノ基であるモノマー(3級アミノ基を有するモノマー)は、ジアルキルアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル、及びジアルキルアミノ基を有する(メタ)アクリルアミドからなる群より選ばれた少なくとも1種である、前記<14>又は<15>記載の液体現像剤。
<17> ジアルキルアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステルは、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジイソプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジイソブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、及びジt−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる1種以上であり、好ましくはジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートである、前記<16>記載の液体現像剤。
<18> ジアルキルアミノ基を有する(メタ)アクリルアミドは、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジプロピルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジイソプロピルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジイソブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、及びジt−ブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドからなる群から選ばれる1種以上である、前記<16>又は<17>記載の液体現像剤。
<19> 式(I)において、R2で表されるアルキル基及びアルケニル基の炭素数は、10以上、好ましくは12以上であり、18以下、好ましくは16以下、より好ましくは14以下である、前記<1>〜<18>いずれか記載の液体現像剤。
<20> モノマーBにおいて、R2が、炭素数が1以上9以下のアルキル基又は炭素数2以上9以下のアルケニル基であるモノマーB1と炭素数が10以上22以下のアルキル基又はアルケニル基であるモノマーB2のモル比(モノマーB1/モノマーB2)は、0.07以下、好ましくは0.05以下、より好ましくは0.03以下、さらに好ましくは0.01以下であり、好ましくは0である、前記<1>〜<19>いずれか記載の液体現像剤。
<21> モノマーAとモノマーBのモル比(モノマーA/モノマーB)は、3/97以上、好ましくは5/95以上、より好ましくは7/93以上であり、40/60以下、好ましくは35/65以下、より好ましくは25/75以下、さらに好ましくは20/80以下、さらに好ましくは15/85以下である、前記<1>〜<20>いずれか記載の液体現像剤。
<22> 共重合体Cの重量平均分子量は、5,000以上、好ましくは10,000以上、より好ましくは15,000以上であり、100,000以下、好ましくは50,000以下、より好ましくは30,000以下である、前記<1>〜<21>いずれか記載の液体現像剤。
<23> 共重合体Cの数平均分子量は、2,000以上、好ましくは2,500以上、より好ましくは3,000以上、さらに好ましくは3,500以上であり、10,000以下、好ましくは9,000以下、より好ましくは8,000以下である、前記<1>〜<22>いずれか記載の液体現像剤。
<24> 共重合体Cの含有量は、ポリエステル樹脂P 100質量部に対して、1質量部以上、好ましくは5質量部以上、より好ましくは7質量部以上であり、25質量部以下、好ましくは20質量部以下、より好ましくは15質量部以下である、前記<1>〜<23>いずれか記載の液体現像剤。
<25> 絶縁性液体が炭化水素系溶媒、好ましくは脂肪族炭化水素、より好ましくはパラフィン系炭化水素を含む、前記<1>〜<24>いずれか記載の液体現像剤。
<26> 炭化水素系溶媒の含有量は、絶縁性液体中、60質量%以上、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上であり、好ましくは100質量%以下、より好ましくは実質的に100質量%、さらに好ましくは100質量%である、前記<25>記載の液体現像剤。
<27> 絶縁性液体の25℃における粘度は、100mPa・s以下、好ましくは50mPa・s以下、より好ましくは20mPa・s以下、さらに好ましくは10mPa・s以下、さらに好ましくは5mPa・s以下であり、1mPa・s以上、好ましくは1.5mPa・s以上である、前記<1>〜<26>いずれか記載の液体現像剤。
<28> 液体現像剤の固形分濃度は、10質量%以上、好ましくは15質量%以上、より好ましくは20質量%以上であり、50質量%以下、好ましくは45質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下である、前記<1>〜<27>いずれか記載の液体現像剤。
<29> 液体現像剤中、ポリエステル樹脂Pの含有量は、3質量%以上、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは15質量%以上であり、40質量%以下、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下である、前記<1>〜<28>いずれか記載の液体現像剤。
<30> 液体現像剤中、顔料の含有量は、1質量%以上、好ましくは1.5質量%以上、より好ましくは2質量%以上であり、10質量%以下、好ましくは8質量%以下、より好ましくは7質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下である、前記<1>〜<29>いずれか記載の液体現像剤。
<31> 液体現像剤中、分散剤の含有量は、0.05質量%以上、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上であり、8質量%以下、好ましくは6質量%以下、より好ましくは4質量%以下である、前記<1>〜<30>いずれか記載の液体現像剤。
<32> 液体現像剤中、共重合体Cの含有量は、0.05質量%以上、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、さらに好ましくは0.3質量%以上であり、8質量%以下、好ましくは6質量%以下、より好ましくは4質量%以下である、前記<1>〜<31>いずれか記載の液体現像剤。
<33> 液体現像剤中のトナー粒子の体積中位粒径(D50)は、5μm以下、好ましくは3μm以下、より好ましくは2.5μm以下であり、0.5μm以上、好ましくは1.0μm以上、より好ましくは1.5μm以上である、前記<1>〜<32>いずれか記載の液体現像剤。
<34> 液体現像剤の25℃における粘度は、30mPa・s以下、好ましくは20mPa・s以下、より好ましくは15mPa・s以下、さらに好ましくは10mPa・s以下であり、1mPa・s以上、好ましくは2mPa・s以上、より好ましくは3mPa・s以上、さらに好ましくは4mPa・s以上である、前記<1>〜<33>いずれか記載の液体現像剤。
<35> 工程1:少なくとも、結着樹脂と顔料とを溶融混練し、得られた混練物を、粉砕して、トナー粒子を得る工程、及び
工程2:工程1で得られたトナー粒子を、分散剤の存在下で、絶縁性液体中に分散させる工程
を含む液体現像剤の製造方法であって、
前記結着樹脂が、炭素数2以上6以下の脂肪族ジオールを70モル%以上100モル%以下含有するアルコール成分と、カルボン酸成分とを含む原料モノマーを重縮合して得られた、ガラス転移温度が35℃以上のポリエステル樹脂Pを含み、
前記分散剤が、アミノ基を有するモノマーAと、式(I)で表されるモノマーBとを重合してなる共重合体Cを含み、該モノマーAと該モノマーBのモル比(モノマーA/モノマーB)が2/98以上50/50以下であり、該モノマーBにおける、R2が、炭素数が1以上9以下のアルキル基又は炭素数2以上9以下のアルケニル基であるモノマーB1とR2が、炭素数が10以上22以下のアルキル基又はアルケニル基であるモノマーB2のモル比(モノマーB1/モノマーB2)が0以上0.10以下である、液体現像剤の製造方法。
<36> 工程1により得られるトナー粒子の体積中位粒径(D50)は、3μm以上、好ましくは4μm以上であり、15μm以下、好ましくは12μm以下である、前記<35>記載の液体現像剤の製造方法。
<37> 工程2が
工程2−1:工程1で得られたトナー粒子に分散剤を加え、絶縁性液体中に分散させ、トナー粒子分散液を得る工程、及び
工程2−2:工程2−1で得られたトナー粒子分散液を湿式粉砕し、液体現像剤を得る工程
を含む、前記<35>又は<36>記載の液体現像剤の製造方法。
フローテスター「CFT-500D」(株式会社島津製作所製)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/minで加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出す。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
示差走査熱量計「Q20」(TA instruments社製)を用いて、試料0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/minで0℃まで冷却する。次に試料を昇温速度10℃/minで昇温し、吸熱ピークを測定する。吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度をガラス転移温度とする。
JIS K0070の方法に基づき測定する。ただし、測定溶媒のみJIS K0070の規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更する。
以下の方法により、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法により分子量分布を測定し、数平均分子量及び重量平均分子量(Mw)を求める。
(1) 試料溶液の調製
濃度が0.5g/100mLになるように、分散剤(分散剤溶液から絶縁性液体を留去)をテトラヒドロフランに溶解させた。次いで、この溶液をポアサイズ2μmのフッ素樹脂フィルター「FP-200」(住友電気工業社製)を用いて濾過して不溶解成分を除き、試料溶液とした。
(2) 分子量分布測定
下記の測定装置と分析カラムを用い、溶離液としてテトラヒドロフランを、毎分1mLの流速で流し、40℃の恒温槽中でカラムを安定させる。そこに試料溶液100μLを注入して測定を行う。試料の分子量は、あらかじめ作成した検量線に基づき算出する。このときの検量線には、数種類の単分散ポリスチレン(東ソー株式会社製のA-500(5.0×102)、A-1000(1.01×103)、A-2500(2.63×103)、A-5000(5.97×103)、F-1(1.02×104)、F-2(1.81×104)、F-4(3.97×104)、F-10(9.64×104)、F-20(1.90×105)、F-40(4.27×105)、F-80(7.06×105)、F-128(1.09×106))を標準試料として作成したものを用いる。括弧内は分子量を示す。
測定装置:HLC-8220GPC(東ソー株式会社製)
分析カラム:TSKgel GMHXL+TSKgel G3000HXL(東ソー株式会社製)
測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター株式会社製)
アパチャー径:100μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマンコールター株式会社製)
電解液:アイソトンII(ベックマンコールター株式会社製)
分散液:電解液にエマルゲン109P(花王株式会社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB(グリフィン):13.6)を溶解して5質量%に調整したもの
分散条件:前記分散液5mLに測定試料10mgを添加し、超音波分散機(機械名:(株)エスエヌディー社製US-1、出力:80W)にて1分間分散させ、その後、前記電解液25mLを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させて、試料分散液を調製する。
測定条件:前記電解液100mLに、3万個の粒子の粒径を20秒間で測定できる濃度となるように、前記試料分散液を加え、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求める。
絶縁性液体25gを40mL容のガラス製サンプル管「スクリューNo.7」(マルエム社製)に入れ、非水系導電率計「DT-700」(Dispersion Technology社製)を用いて、電極を液体現像剤に浸し、20回測定を行って平均値を算出し、導電率を測定する。数値が小さいほど高抵抗であることを示す。
6mL容のガラス製サンプル管「スクリューNo.2」(マルエム社製)に測定液を4〜5mL入れ、回転振動式粘度計「ビスコメイトVM-10A-L」(セコニック社製)を用いて、25℃にて粘度を測定する。
試料10質量部をヘキサン90質量部で希釈し、遠心分離装置「H-201F」(コクサン社製)を用いて、回転数25000r/minにて、20分間回転させる。静置後、上澄み液をデカンテーションにて除去した後、90質量部のヘキサンで希釈し、同様の条件で再び遠心分離を行う。上澄み液をデカンテーションにて除去した後、下層を真空乾燥機にて0.5kPa、40℃にて8時間乾燥させ、以下の式より固形分濃度を計算する。
レーザー回折/散乱式粒径測定装置「マスターサイザー2000」(マルバーン社製)を用いて、測定用セルにアイソパーL(エクソンモービル社製、イソパラフィン、25℃における粘度1mPa・s)を加え、散乱強度が5〜15%になる濃度で、粒子屈折率1.58(虚数部0.1)、分散媒屈折率1.42の条件にて、体積中位粒径(D50)を測定する。
表1に示す原料モノマー及びエステル化触媒(酸化ジブチル錫)50gを、窒素導入管、脱水管、攪拌機及び熱電対を装備した10L容の四つ口フラスコに入れ、マントルヒーターを用いて、180℃に昇温した後、220℃まで10時間かけて昇温を行い、220℃にて反応率が90%に到達するまで反応させ、さらに8.3kPaにて、表1に示す軟化点に達するまで反応を行って、表1に示す物性を有するポリエステルを得た。なお、反応率とは、生成反応水量(mol)/理論生成水量(mol)×100の値をいう。
表1に示す原料モノマー、エステル化触媒(酸化ジブチル錫)30g及びエステル化助触媒(没食子酸)3gを、窒素導入管、脱水管、攪拌機及び熱電対を装備した10L容の四つ口フラスコに入れ、230℃に昇温して反応率が90%に達するまで反応させ、さらに8.3kPaにて、表1に示す軟化点に達するまで反応を行って、表1に示す物性を有するポリエステルを得た。
溶媒(メチルエチルケトン)100gを、冷却管、窒素導入管、撹拌機及び熱電対を装備した2L容の四つ口フラスコに入れ、窒素ガスで反応容器内を置換した。反応容器内を80℃に加温して、表2に示す原料モノマーと、重合開始剤の混合物を2時間かけて滴下し、重合反応を行った。滴下終了後、80℃でさらに3時間反応させた。80℃で溶媒を留去し、表2に示す物性を有する共重合体からなる分散剤を得た。
表4に示す結着樹脂85質量部及び顔料「ECB-301」(大日精化社製、フタロシアニンブルー15:3)15質量部を、予め20L容のヘンシェルミキサーを使用し、回転数1500r/min(周速度21.6m/sec)で3分間攪拌混合後、以下に示す条件で溶融混練した。
連続式二本オープンロール型混練機「ニーデックス」(日本コークス工業社製、ロール外径:14cm、有効ロール長:55cm)を使用した。連続式二本オープンロール型混練機の運転条件は、高回転側ロール(フロントロール)回転数75r/min(周速度32.4m/min)、低回転側ロール(バックロール)回転数35r/min(周速度15.0m/min)、原料投入側端部のロール間隙0.1mmであった。ロール内の加熱媒体温度及び冷却媒体温度は、高回転側ロールの原料投入側が90℃及び混練物排出側が85℃であり、低回転側ロールの原料投入側が35℃及び混練物排出側が35℃であった。また、原料混合物の上記混練機への供給速度は10kg/h、上記混練機中の平均滞留時間は約3分間であった。
液体現像剤に使用した結着樹脂をロートプレックス(ホソカワミクロン社製)で粗粉砕し、得られた粗粉砕物を気流式ジェットミル「IDS」(日本ニューマチック社製)により微粉砕及び分級し、体積中位粒径(D50)が10μmの樹脂微粒子を得た。
得られた樹脂微粒子3.75gと液体現像剤に使用した絶縁性液体11.25gを50mL容のポリエチレン製容器に入れ、T-25 digital ULTRA-TURRAX(IKA社製)により水冷下、7000r/minで10分間撹拌した。撹拌後の懸濁液10gを遠心分離装置「3-30KS」(SIGMA社製)を用いて、回転数25000r/minで1時間回転させた。遠心分離後の上澄み液を4g採取し、真空乾燥機にて0.5kPa、100℃にて8時間乾燥させ、乾燥後の残留物の質量から結着樹脂の絶縁性液体中への溶出性を評価した。結果を表4に示す。数値が0に近いほど溶出性が低いことを示す。
液体現像剤10gを20mL容のガラス製サンプル管「スクリューNo.5」(マルエム社製)に入れ、40℃の恒温槽にて24時間保存した。保存前後のトナー粒子の体積粒度分布を、前記トナー粒子の体積中位粒径の測定方法と同様にして測定し、得られた体積粒度分布から粒径が10μm以上の粒子の割合(体積%)を算出して、保存前(X)と保存後(Y)の差分(Y−X)の値から保存安定性を評価した。結果を表4に示す。粒径が10μm以上の粒子の割合の増加は、保存によるトナー粒子の凝集の発生が顕著であることを意味する。保存前後の差分の値が0に近いほどトナー粒子の保存安定性に優れることを示す。
「PODグロスコート紙」(王子製紙社製)に液体現像剤を滴下し、ワイヤーバーにより乾燥後の質量が1.2g/m2になるように薄膜を作製した。
実施例1〜4、比較例5を対比すると、モノマーA/モノマーB(モル比)が10/90である共重合体を含む実施例1のトナーが、トナー粒子の小粒径化、液体現像剤の低粘度化、保存安定性、及び低温定着性により優れることが分かる。
実施例1、5、比較例2を対比すると、モノマーBとして炭素数12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを用いた共重合体を含む実施例1のトナーが、トナー粒子の小粒径化、液体現像剤の低粘度化、保存安定性、及び低温定着性により優れることが分かる。
実施例1、比較例3、4を対比すると、アルコール成分として炭素数2〜6の脂肪族ジオールを100モル%用いたポリエステル樹脂を含む実施例1のトナーが、結着樹脂の溶出抑制及び液体現像剤の低粘度化に優れることが分かる。
実施例1と比較例1とを対比すると、モノマーB1/モノマーB2(モル比)が0である共重合体を含む実施例1のトナーが、トナー粒子の小粒径化、液体現像剤の低粘度化、保存安定性、及び低温定着性により優れることが分かる。
実施例1と実施例7とを対比すると、重量平均分子量が25,000である共重合体を含む実施例1のトナーが、低粘度化及び低温定着性により優れることが分かる。
Claims (7)
- 結着樹脂と顔料とを含有するトナー粒子が分散剤の存在下で、絶縁性液体中に分散してなる液体現像剤であって、
前記結着樹脂が、炭素数2以上6以下の脂肪族ジオールを70モル%以上100モル%以下含有するアルコール成分と、カルボン酸成分とを含む原料モノマーを重縮合して得られた、ガラス転移温度が35℃以上のポリエステル樹脂Pを含み、
前記分散剤が、アミノ基を有するモノマーAと、式(I):
で表されるモノマーBとを重合してなる共重合体Cを含み、該モノマーAと該モノマーBのモル比(モノマーA/モノマーB)が2/98以上50/50以下であり、該モノマーBにおける、R2が、炭素数が1以上9以下のアルキル基又は炭素数2以上9以下のアルケニル基であるモノマーB1と、R2が、炭素数が10以上22以下のアルキル基又はアルケニル基であるモノマーB2のモル比(モノマーB1/モノマーB2)が0以上0.1以下である、液体現像剤。 - 共重合体Cの重量平均分子量が、5,000以上100,000以下である、請求項1記載の液体現像剤。
- 炭素数2以上6以下の脂肪族ジオールが第二級炭素原子に結合した水酸基を有する脂肪族ジオールであり、ポリエステル樹脂Pが、第二級炭素原子に結合した水酸基を有する脂肪族ジオールを80モル%以上含むアルコール成分とカルボン酸成分とを重縮合して得られたポリエステル樹脂である、請求項1又は2記載の液体現像剤。
- 共重合体Cの含有量が、ポリエステル樹脂P 100質量部に対して、1質量部以上25質量部以下である、請求項1〜3いずれか記載の液体現像剤。
- ポリエステル樹脂Pが、ポリエステルユニットを60質量%以上含む樹脂である、請求項1〜4いずれか記載の液体現像剤。
- 絶縁性液体が、炭化水素系溶媒を含む、請求項1〜5いずれか記載の液体現像剤。
- 工程1:少なくとも、結着樹脂と顔料とを溶融混練し、得られた混練物を、粉砕して、トナー粒子を得る工程、及び
工程2:工程1で得られたトナー粒子を、分散剤の存在下で、絶縁性液体中に分散させる工程
を含む液体現像剤の製造方法であって、
前記結着樹脂が、炭素数2以上6以下の脂肪族ジオールを70モル%以上100モル%以下含有するアルコール成分と、カルボン酸成分とを含む原料モノマーを重縮合して得られた、ガラス転移温度が35℃以上のポリエステル樹脂Pを含み、
前記分散剤が、アミノ基を有するモノマーAと、式(I):
で表されるモノマーBとを重合してなる共重合体Cを含み、該モノマーAと該モノマーBのモル比(モノマーA/モノマーB)が2/98以上50/50以下であり、該モノマーBにおける、R2が、炭素数が1以上9以下のアルキル基又は炭素数2以上9以下のアルケニル基であるモノマーB1とR2が、炭素数が10以上22以下のアルキル基又はアルケニル基であるモノマーB2のモル比(モノマーB1/モノマーB2)が0以上0.10以下である、液体現像剤の製造方法。
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