JP2020003691A - 液体現像剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】樹脂フィルムへの定着性に優れた液体現像剤に関すること。【解決手段】ポリエステル系樹脂を含む結着樹脂及び着色剤を含有するトナー粒子、分散剤、イソシアネート系硬化剤、並びに絶縁性液体を含有する液体現像剤であって、前記分散剤が、3級アミノ基を有するモノマーAと、式(I):(式中、R1は水素原子又は炭素数1以上5以下の炭化水素基、R2は、置換基を有していてもよい、炭素数1以上22以下の炭化水素基を示す)で表されるモノマーBとを含む原料モノマーの共重合体Cを含有する、液体現像剤。【選択図】なし
Description
本発明は、例えば、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像に用いられる液体現像剤に関する。
電子写真用現像剤として、着色剤及び結着樹脂を含む材料からなるトナー粒子が絶縁性液体中に分散した液体現像剤が知られている。液体現像剤は、トナーの小粒径化が可能であることから、画質の面で優れている。
近年、紙だけでなく、ポリエチレンテレフタレート(PET)や、ポリプロピレン(PP)、ナイロン等の材質からなる樹脂フィルムの印刷物の用途が拡大している。これらの樹脂フィルムは、紙と比較して表面が平滑であるために、アンカー効果が働きにくく、画像の定着強度が低くなる。これに対して、樹脂フィルムに表面改質剤を塗布することで定着し易くする方法があるが、印刷装置の大型化やシステムの複雑化が要求されるだけでなく、画質が低下することもある。
特許文献1には、活性水素基を有するポリマー及びブロックイソシアネート基を有するポリマーを含むトナー粒子がキャリア液中に分散した液体現像剤が記載されている。該液体現像剤は、熱定着時の硬化反応によって、樹脂フィルムに対して低温定着性に優れることが記載されている。
特許文献2には、着色剤、活性水素基を含有する樹脂から成る着色粒子、及び、ポリイソシアネートから成る架橋剤粒子がキャリア液中に分散した液体現像剤が記載されている。該液体現像剤は、熱定着時の硬化反応によって、金属板に対する定着性に優れることが記載されている。
しかしながら、特許文献1、2に記載の技術では、熱定着時の硬化反応が十分進行せず、樹脂フィルムに対する定着性が不十分である。
本発明は、樹脂フィルムへの定着性に優れた液体現像剤に関する。
本発明は、ポリエステル系樹脂を含む結着樹脂及び着色剤を含有するトナー粒子、分散剤、イソシアネート系硬化剤、並びに絶縁性液体を含有する液体現像剤であって、前記分散剤が、3級アミノ基を有するモノマーAと、式(I):
(式中、R1は水素原子又は炭素数1以上5以下の炭化水素基、R2は、置換基を有していてもよい、炭素数1以上22以下の炭化水素基を示す)
で表されるモノマーBとを含む原料モノマーの共重合体Cを含有する、液体現像剤に関する。
で表されるモノマーBとを含む原料モノマーの共重合体Cを含有する、液体現像剤に関する。
本発明の液体現像剤は、樹脂フィルムへの定着性において優れた効果を奏するものである。
本発明の液体現像剤は、(以下、単に「液体現像剤」とも言う)は、ポリエステル系樹脂を含む結着樹脂及び着色剤を含有するトナー粒子、特定の分散剤、イソシアネート系硬化剤、並びに絶縁性液体を含有する。これらの構成により、熱定着時に硬化反応が十分進行することで、樹脂フィルムに対し優れた定着性を有する熱硬化型の液体現像剤が得られる。
その理由は定かではないが、次のように考えられる。
樹脂フィルムに対して画像が十分に定着するには、高い塗膜強度と、塗膜と樹脂フィルム間の高い接着力が求められる。従来のイソシアネート系化合物を含有する液体現像剤を用いて形成された塗膜は、定着時の熱によって硬化反応が進行し、高い塗膜強度が得られる一方で、塗膜と樹脂フィルム間の接着力が不十分であるために、塗膜が剥離しやすい。
これに対し、本発明の液体現像剤は、分散剤として3級アミノ基を有するモノマーAと後述の式(I)で表されるモノマーBとを含む原料モノマーの共重合体Cを含む。本発明者らが鋭意検討した結果、共重合体Cに含まれる3級アミノ基が、樹脂フィルム表面に存在する極性官能基とイソシアネート基の付加反応を触媒することで、樹脂フィルム表面と塗膜が化学結合を介して強固に接着することを見出した。
樹脂フィルムに対して画像が十分に定着するには、高い塗膜強度と、塗膜と樹脂フィルム間の高い接着力が求められる。従来のイソシアネート系化合物を含有する液体現像剤を用いて形成された塗膜は、定着時の熱によって硬化反応が進行し、高い塗膜強度が得られる一方で、塗膜と樹脂フィルム間の接着力が不十分であるために、塗膜が剥離しやすい。
これに対し、本発明の液体現像剤は、分散剤として3級アミノ基を有するモノマーAと後述の式(I)で表されるモノマーBとを含む原料モノマーの共重合体Cを含む。本発明者らが鋭意検討した結果、共重合体Cに含まれる3級アミノ基が、樹脂フィルム表面に存在する極性官能基とイソシアネート基の付加反応を触媒することで、樹脂フィルム表面と塗膜が化学結合を介して強固に接着することを見出した。
〔ポリエステル系樹脂〕
ポリエステル系樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂とスチレン系樹脂等の他の樹脂とを含有する複合樹脂等が挙げられる。
ポリエステル系樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂とスチレン系樹脂等の他の樹脂とを含有する複合樹脂等が挙げられる。
本発明において、ポリエステル樹脂由来の構成部位は、2価以上のアルコールを含むアルコール成分と2価以上のカルボン酸系化合物を含むカルボン酸成分との重縮合物が好ましい。
2価のアルコールとしては、例えば、脂肪族ジオール、好ましくは炭素数2以上20以下、より好ましくは炭素数2以上15以下の脂肪族ジオールや、式(II):
式中、OR及びROはオキシアルキレン基であり、Rはエチレン及び/又はプロピレン基であり、x及びyはアルキレンオキサイドの平均付加モル数を示し、それぞれ正の数であり、xとyの和の値は、1以上、好ましくは1.5以上であり、そして、16以下、好ましくは8以下、より好ましくは6以下、さらに好ましくは4以下である)
で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。炭素数2以上20以下の脂肪族ジオールとして、具体的には、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール等が挙げられる。
で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。炭素数2以上20以下の脂肪族ジオールとして、具体的には、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール等が挙げられる。
3価以上のアルコールとしては、炭素数3以上20以下、好ましくは炭素数3以上10以下の3価以上のアルコールが挙げられる。具体的には、ソルビトール、1,4-ソルビタン、ペンタエリスリトール、グリセロール、トリメチロールプロパン等が挙げられる。
2価のカルボン酸系化合物としては、炭素数3以上30以下、好ましくは炭素数3以上20以下、より好ましくは炭素数3以上10以下のジカルボン酸、それらの無水物、又はアルキル基の炭素数が1以上3以下のアルキルエステル等の誘導体等が挙げられる。具体的には、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸や、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、炭素数1以上20以下のアルキル基又は炭素数2以上20以下のアルケニル基で置換されたコハク酸等の脂肪族ジカルボン酸等が挙げられる。これらの中では、脂肪族ジカルボン酸系化合物が好ましい。
3価以上のカルボン酸系化合物としては、例えば、炭素数4以上20以下、好ましくは炭素数6以上20以下、より好ましくは炭素数9以上10以下の3価以上のカルボン酸、又はそれらの無水物、炭素数1以上3以下のアルキルエステル等の誘導体等が挙げられる。具体的には、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,2,4,5-ベンゼンテトラカルボン酸(ピロメリット酸)等が挙げられる。
カルボン酸成分のカルボキシ基とアルコール成分の水酸基との当量比〔COOH基/OH基〕は、好ましくは0.7以上、より好ましくは0.8以上であり、そして、好ましくは1.3以下、より好ましくは1.2以下である。ポリエステル樹脂の原料(アルコール成分及びカルボン酸成分)におけるCOOH基とOH基の当量比は、得られるポリエステル樹脂の軟化点を高める観点からは、COOH基が過剰(上記比〔COOH基/OH基〕が1.0を超える)であることが好ましい。また、得られるポリエステル樹脂の軟化点を低下させる観点からは、OH基が過剰(上記比〔COOH基/OH基〕が1.0未満である)であることが好ましい。
なお、本発明において、ポリエステル樹脂は、実質的にその特性を損なわない程度に変性されたポリエステル樹脂であってもよい。変性されたポリエステル樹脂としては、例えば、特開平11−133668号公報、特開平8−20636号公報等に記載の方法によりフェノール、エポキシ等によりグラフト化やブロック化したポリエステル樹脂が挙げられる。
ポリエステル樹脂は、例えば、アルコール成分とカルボン酸成分とを不活性ガス雰囲気下、好ましくはエステル化触媒の存在下、さらに必要に応じて、エステル化助触媒、重合禁止剤等の存在下、130℃以上250℃以下、好ましくは170℃以上240℃以下の温度で重縮合させて製造することができる。
エステル化触媒としては、酸化ジブチル錫、2-エチルヘキサン酸錫(II)等の錫化合物、チタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネート等のチタン化合物等が挙げられ、錫化合物が好ましい。エステル化触媒の使用量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上であり、そして、好ましくは1.5質量部以下、より好ましくは1質量部以下である。エステル化助触媒としては、没食子酸等が挙げられる。エステル化助触媒の使用量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100質量部に対して、好ましくは0.001質量部以上、より好ましくは0.01質量部以上であり、そして、好ましくは0.5質量部以下、より好ましくは0.1質量部以下である。
また、反応時間短縮のために、助触媒を使用してもよい。助触媒としては、没食子酸等が挙げられる。助触媒の使用量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100質量部に対して、好ましくは0.001質量部以上、より好ましくは0.01質量部以上であり、そして、好ましくは0.5質量部以下、より好ましくは0.3質量部以下である。助触媒とエステル化触媒の質量比(助触媒/エステル化触媒)は、0.01以上0.5以下が好ましい。
ポリエステル系樹脂の軟化点は、液体現像剤の低温定着性を向上させる観点から、好ましくは160℃以下、より好ましくは150℃以下であり、そして、液体現像剤を高温下で保存した場合にトナー粒子が凝集するのを防止する観点から、好ましくは70℃以上、より好ましくは80℃以上である。これらの観点を総合すると、ポリエステル系樹脂の軟化点は、好ましくは70℃以上160℃以下、より好ましくは80℃以上150℃以下である。
ポリエステル系樹脂のガラス転移温度は、液体現像剤の低温定着性を向上させる観点から、好ましくは80℃以下、より好ましくは75℃以下であり、そして、液体現像剤を高温下で保存した場合にトナー粒子が凝集するのを防止する観点から、好ましくは45℃以上、より好ましくは50℃以上である。これらの観点を総合すると、ポリエステル系樹脂のガラス転移温度は、好ましくは45℃以上80℃以下、より好ましくは50℃以上75℃以下である。
ポリエステル系樹脂の酸価は、液体現像剤中の分散剤を吸着し、分散安定性を向上させる観点から、好ましくは3mgKOH/g以上、より好ましくは5mgKOH/g以上、さらに好ましくは8mgKOH/g以上であり、そして、好ましくは60mgKOH/g以下、より好ましくは50mgKOH/g以下、さらに好ましくは40mgKOH/g以下、さらに好ましくは30mgKOH/g以下である。ポリエステル系樹脂の酸価は、カルボン酸成分とアルコール成分の当量比を変化させる、樹脂製造時の反応時間を変化させる、又は3価以上のカルボン酸系化合物の含有量を変化させる等の方法で調整することができる。
ポリエステル系樹脂の水酸基価は、液体現像剤中の分散剤を吸着し、分散安定性を向上させる観点から、好ましくは3mgKOH/g以上、より好ましくは5mgKOH/g以上、さらに好ましくは8mgKOH/g以上であり、そして、好ましくは40mgKOH/g以下、より好ましくは35mgKOH/g以下、さらに好ましくは30mgKOH/g以下、さらに好ましくは25mgKOH/g以下である。ポリエステル系樹脂の酸価は、カルボン酸成分とアルコール成分の当量比を変化させる、樹脂製造時の反応時間を変化させる、又は3価以上のカルボン酸系化合物の含有量を変化させる等の方法で調整することができる。
ポリエステル系樹脂の含有量は、結着樹脂中、90質量%以上が好ましく、95質量%以上がより好ましく、100質量%、即ち、ポリエステル系樹脂のみを用いることがさらに好ましい。ただし、本発明の効果が損なわれない範囲において、ポリエステル系樹脂以外の他の樹脂を含有してもよい。ポリエステル系樹脂以外の樹脂としては、例えば、ポリスチレン、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体等のスチレンもしくはスチレン置換体を含む単重合体又は共重合体であるスチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂、フェノール系樹脂、脂肪族又は脂環式炭化水素樹脂等の樹脂から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
〔着色剤〕
着色剤としては、トナー用着色剤として用いられている染料、顔料等を使用することができる。例えば、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントブラウンFG、ブリリアントファーストスカーレット、ピグメントグリーンB、ローダミン-Bベース、ソルベントレッド49、ソルベントレッド146、ソルベントブルー35、キナクリドン、カーミン6B、イソインドリン、ジスアゾエロー等が挙げられる。なお、本発明において、トナー粒子は、黒トナー、カラートナーのいずれであってもよい。
着色剤としては、トナー用着色剤として用いられている染料、顔料等を使用することができる。例えば、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントブラウンFG、ブリリアントファーストスカーレット、ピグメントグリーンB、ローダミン-Bベース、ソルベントレッド49、ソルベントレッド146、ソルベントブルー35、キナクリドン、カーミン6B、イソインドリン、ジスアゾエロー等が挙げられる。なお、本発明において、トナー粒子は、黒トナー、カラートナーのいずれであってもよい。
着色剤の含有量は、画像濃度を向上させる観点から、結着樹脂100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上、さらに好ましくは15質量部以上であり、そして、トナーの粉砕性を向上させて小粒径にできる観点、低温定着性を向上させる観点、及びトナー粒子の分散安定性を向上させて保存安定性を向上させる観点から、結着樹脂100質量部に対して、好ましくは100質量部以下、より好ましくは70質量部以下、さらに好ましくは50質量部以下、さらに好ましくは30質量部以下である。
トナー粒子は、結着樹脂及び着色剤に加えて、離型剤、荷電制御剤、荷電制御樹脂、磁性粉、流動性向上剤、導電性調整剤、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、クリーニング性向上剤等の添加剤を適宜含有していてもよい。
トナー粒子の製造方法としては、結着樹脂及び着色剤を含有するトナー原料を溶融混練し、得られた溶融混練物を粉砕、好ましくは湿式粉砕して得る方法等が挙げられる。現像性及び定着性を向上させる観点から、トナー原料を溶融混練した後に粉砕、好ましくは湿式粉砕する方法が好ましい。
先ず、結着樹脂、着色剤、必要に応じて用いる添加剤等を含有するトナー原料は、あらかじめヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、ボールミル等の混合機で混合した後、混練機に供給することが好ましく、結着樹脂中での着色剤の分散性を向上させる観点から、ヘンシェルミキサーがより好ましい。
ヘンシェルミキサーでの混合は、攪拌の周速度、及び攪拌時間を調整しながら行う。周速度は、着色剤の分散性を向上させる観点から、好ましくは10m/sec以上30m/sec以下である。また、攪拌時間は、着色剤の分散性を向上させる観点から、好ましくは1分以上10分以下である。
次いで、トナー原料の溶融混練は、密閉式ニーダー、一軸もしくは二軸の混練機、連続式オープンロール型混練機等の公知の混練機を用いて行うことができる。本発明の製造方法においては、着色剤の分散性を向上させる観点、及び粉砕後のトナー粒子の収率を向上させる観点から、オープンロール型混練機が好ましい。
次いで、溶融混練物を粉砕が可能な程度に冷却した後、粉砕工程、及び必要に応じて分級工程等を経て、トナー粒子を得ることができる。
粉砕工程は、多段階に分けてもよい。例えば、溶融混練物を、約1〜5mmに粗粉砕した後、さらに微粉砕してもよい。また、粉砕工程時の生産性を向上させるために、溶融混練物を疎水性シリカ等の無機微粒子と混合した後、粉砕してもよい。
粗粉砕に好適に用いられる粉砕機としては、例えば、アトマイザー、ロートプレックス等が挙げられるが、ハンマーミル等を用いてもよい。また、微粉砕に好適に用いられる粉砕機としては、流動層式ジェットミル、気流式ジェットミル、機械式ミル等が挙げられる。
分級工程に用いられる分級機としては、気流式分級機、慣性式分級機、篩式分級機等が挙げられる。なお、必要に応じて粉砕工程と分級工程とを繰り返してもよい。
この工程で得られるトナー粒子の体積中位粒径(D50)は、後述の湿式粉砕工程の生産性を向上させる観点から、好ましくは3μm以上、より好ましくは4μm以上であり、そして好ましくは15μm以下、より好ましくは12μm以下である。なお、体積中位粒径(D50)とは、体積分率で計算した累積体積頻度が粒径の小さい方から計算して50%になる粒径を意味する。トナー粒子は、分散剤及び絶縁性液体と混合後、湿式粉砕等によりさらに微細化されることが好ましい。
トナー粒子の含有量は、絶縁性液体100質量部に対して、高速印刷性の観点から、好ましくは10質量部以上、より好ましくは20質量部以上、さらに好ましくは30質量部以上であり、そして、分散安定性の向上の観点から、好ましくは100質量部以下、より好ましくは80質量部以下、さらに好ましくは70質量部以下、さらに好ましくは60質量部以下である。
〔分散剤〕
本発明における分散剤は、3級アミノ基を有するモノマーAと、式(I):
本発明における分散剤は、3級アミノ基を有するモノマーAと、式(I):
(式中、R1は水素原子又は炭素数1以上5以下の炭化水素基、好ましくはメチル基、R2は、置換基を有していてもよい、炭素数1以上22以下の炭化水素基、好ましくは炭素数1以上22以下のアルキル基又は炭素数2以上22以下のアルケニル基を示す)
で表されるモノマーBとを含む原料モノマーの重合物である、共重合体Cを含有する。
で表されるモノマーBとを含む原料モノマーの重合物である、共重合体Cを含有する。
3級アミノ基を有するモノマーAとしては、式(III):
CH2=C(R5)COYR6NR3R4 (III)
(式中、R3及びR4は、それぞれ独立して、炭素数1以上4以下の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基を示し、それらは互いに結合して環構造を形成していてもよく、R5は、水素原子又は炭素数1以上5以下のアルキル基、好ましくはメチル基を示し、R6は、炭素数2以上4以下の直鎖又は分岐のアルキレン基を示し、Yは−O−又は−NH−、好ましくは−O−を示す)
で表される化合物が好ましい。
CH2=C(R5)COYR6NR3R4 (III)
(式中、R3及びR4は、それぞれ独立して、炭素数1以上4以下の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基を示し、それらは互いに結合して環構造を形成していてもよく、R5は、水素原子又は炭素数1以上5以下のアルキル基、好ましくはメチル基を示し、R6は、炭素数2以上4以下の直鎖又は分岐のアルキレン基を示し、Yは−O−又は−NH−、好ましくは−O−を示す)
で表される化合物が好ましい。
式(III)において、R3及びR4は、それぞれ独立して、炭素数1以上4以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が好ましい。R3及びR4の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等が挙げられ、メチル基が好ましい。
R6としては、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等が挙げられ、エチレン基が好ましい。
式(III)で表される3級アミノ基を有するモノマー)の具体例としては、ジアルキルアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル、ジアルキルアミノ基を有する(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。なお、「(メタ)アクリル酸エステル」は、アクリル酸エステルとメタクリル酸エステル、「(メタ)アクリルアミド」は、アクリルアミドとメタクリルアミドの双方の場合を含むことを示す。
ジアルキルアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジイソプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジイソブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、及びジt−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる1種以上等が挙げられる。
ジアルキルアミノ基を有する(メタ)アクリルアミドとしては、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジプロピルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジイソプロピルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジイソブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、及びジt−ブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドからなる群から選ばれる1種以上等が挙げられる。
これらの中では、ジアルキルアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステルが、小粒径、低粘度、保存安定性、及び低温定着性の観点から好ましく、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートがより好ましい。
モノマーBは、前記式(I)で表されるものであり、前記式(I)において、R2で表されるアルキル基及びアルケニル基の炭素数は、低粘度化の観点から、好ましくは10以上、より好ましくは12以上、さらに好ましくは14以上であり、トナー粒子への吸着性の観点から、好ましくは20以下である。R2のアルキル基又はアルケニル基は、直鎖であっても分岐鎖であってもよく、水酸基等の置換基を有していてもよい。
従って、モノマーBは、R2が、炭素数が10以上22以下のアルキル基又はアルケニル基であるモノマーB2を少なくとも含むことが好ましい。
モノマーBにおいて、R2が、炭素数が1以上9以下のアルキル基又は炭素数2以上9以下のアルケニル基であるモノマーB1と炭素数が10以上22以下のアルキル基又はアルケニル基であるモノマーB2のモル比(モノマーB1/モノマーB2)は、低粘度化、保存安定性、及び低温定着性の観点から、好ましくは0.1以下、より好ましくは0.07以下、さらに好ましくは0.05以下、さらに好ましくは0.03以下、さらに好ましくは0.01以下であり、0以上、好ましくは0である。
モノマーBの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、(イソ)プロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(イソ又はターシャリー)ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、(イソ)オクチル(メタ)アクリレート、(イソ)ノニル(メタ)アクリレート、(イソ)デシル(メタ)アクリレート、(イソ)ウンデシル(メタ)アクリレート、(イソ)ドデシル(メタ)アクリレート、(イソ)トリデシル(メタ)アクリレート、(イソ)テトラデシル(メタ)アクリレート、(イソ)ペンタデシル(メタ)アクリレート、(イソ)ヘキサデシル(メタ)アクリレート、(イソ)ヘプタデシル(メタ)アクリレート、(イソ)オクタデシル(メタ)アクリレート、(イソ)ノナデシル(メタ)アクリレート、(イソ)イコシル(メタ)アクリレート、(イソ)エイコシル(メタ)アクリレート、(イソ)ヘンイコシル(メタ)アクリレート、(イソ)ドコシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの1種又は2種以上を用いることができる。ここで、「(イソ又はターシャリー)」、「(イソ)」は、これらの基が存在している場合とそうでない場合の双方を含むことを意味し、これらの基が存在していない場合には、ノルマルであることを示す。また、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートとメタクリレートの双方の場合を含むことを示す。
モノマーBに対するモノマーAの質量比(モノマーA/モノマーB)は、3級アミンの触媒効果を向上させる観点から、好ましくは10/90以上、より好ましくは30/70以上、さらに好ましくは40/60以上、さらに好ましくは50/50以上であり、そして、トナー粒子の分散安定性を向上させ保存安定性を向上させる観点、及び液体現像剤の高抵抗化の観点から、好ましくは90/10以下、より好ましくは80/20以下、さらに好ましくは70/30以下である。
共重合体Cに用いられる原料モノマー中のモノマーAとモノマーBの合計含有量は、液体トナーの分散性を向上させる観点から、好ましくは80質量%以上、より好ましくは85質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上であり、好ましくは100質量%以下、より好ましくは100質量%である。
モノマーAやモノマーB以外の原料モノマーとしては、スチレン、α-メチルスチレン、(メタ)アクリル酸、塩化ビニル、アクリロニトリル等のビニル系モノマー等が挙げられる。
モノマーAとモノマーBの重合は、例えば、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)等の重合開始剤の存在下、溶媒中で、40〜140℃程度に加熱して、反応させることができる。
共重合体Cのアミン価は、トナーの帯電性を向上させる観点から、好ましくは30mgKOH/g以上であり、より好ましくは80mgKOH/g以上、さらに好ましくは120mgKOH/g以上、さらに好ましくは160mgKOH/g以上、さらに好ましくは165mgKOH/g以上であり、そして、トナー粒子の分散安定性を向上させ保存安定性を向上させる観点、及び液体現像剤の高抵抗化の観点から、好ましくは300mgKOH/g以下、より好ましくは250mgKOH/g以下、さらに好ましくは200mgKOH/g以下である。
また、共重合体Cの数平均分子量は、低粘度化及び低温定着性の観点から、好ましくは2,000以上、より好ましくは2,500以上、さらに好ましくは3,000以上、さらに好ましくは3,500以上であり、同様の観点から、好ましくは10,000以下、より好ましくは9,000以下、さらに好ましくは8,000以下である。
共重合体Cの重量平均分子量は、低粘度化及び低温定着性の観点から、好ましくは5,000以上、より好ましくは10,000以上、さらに好ましくは12,000以上であり、同様の観点から、好ましくは100,000以下、より好ましくは50,000以下、さらに好ましくは20,000以下である。
共重合体Cの含有量は、トナー粒子100質量部に対して、小粒径化、低粘度化、及び定着性向上の観点から、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上、さらに好ましくは4質量部以上であり、トナーの帯電性を向上させる観点、及び液体現像剤の高抵抗化の観点から、好ましくは10質量部以下、より好ましくは8質量部以下、さらに好ましくは7質量部以下である。
本発明の液体現像剤には、本発明の効果を損なわない範囲で、前記共重合体C以外の分散剤が含まれていてもよいが、共重合体Cの含有量は、分散剤中、好ましくは40質量%以上、より好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上、さらに好ましくは97質量%以上であり、さらに好ましくは100質量%である。
他の分散剤としては、例えば、酸化合物等が挙げられる。酸化合物としては、脂肪酸、脂肪族ジカルボン酸、芳香族モノカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、及びそれらの無水物、カルボキシ基を有する高分子化合物、カルボキシ基を有する高分子化合物と塩基性窒素含有基を有する高分子化合物との反応物等が挙げられる。
本発明における分散剤の含有量は、トナー粒子100質量部に対して、トナー粒子の分散安定性を向上させ保存安定性を向上させる観点から、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上、さらに好ましくは3質量部以上、さらに好ましくは4質量部以上であり、トナーの帯電性を向上させる観点、及び液体現像剤の高抵抗化の観点から、好ましくは10質量部以下、より好ましくは8.5質量部以下、さらに好ましくは7質量部以下である。
〔イソシアネート系硬化剤〕
本発明におけるイソシアネート系硬化剤としては、1分子中に2個以上、好ましくは5個以下のイソシアネート基を有する化合物が好ましい。
本発明におけるイソシアネート系硬化剤としては、1分子中に2個以上、好ましくは5個以下のイソシアネート基を有する化合物が好ましい。
1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート系化合物及びこれらのジイソシアネートのビウレット(biuret)タイプ付加物又はイソシアヌレート環付加物;イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,6−ジイソシアネート、1,3−ジ(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−ジ(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,2−シクロヘキサンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート系化合物及びこれらのジイソシアネートのビウレットタイプ付加物及びイソシアヌレート環付加物;キシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,4−ナフタレンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、ビス(4−イソシアナトフェニル)スルホン、イソプロピリデンビス(4−フェニルイソシアネート)等の芳香族ジイソシアネート化合物及びこれらのジイソシアネートのビウレットタイプ付加物又はイソシアヌレート環付加物;トリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアナトベンゼン、2,4,6−トリイソシアナトトルエン、4,4’−ジメチルジフェニルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネート等の1分子中に3個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート系化合物及びこれらのポリイソシアネートのビウレットタイプ付加物又はイソシアヌレート環付加物;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ジメチロールプロピオン酸、ポリアルキレングリコール、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール等のポリオールの水酸基にイソシアネート基が過剰量となる比率でポリイソシアネート化合物を反応させてなるウレタン化付加物及びこれらのポリイソシアネートのビウレットタイプ付加物又はイソシアヌレート環付加物等が挙げられる。これらは1種又は2種以上の混合物として使用できる。なかでも、絶縁性液体への溶解性の点から、脂肪族ジイソシアネート系化合物のビウレットタイプ型付加物又はイソシアヌレート環付加物が好ましく、ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレットタイプ型付加物がより好ましい。なお、ビウレット(biuret)タイプ付加物とは、3分子のジイソシアネートに1分子の水が付加することで3量体化した化合物であり、ポリイソシアネート構造の一つである。
イソシアネート系硬化剤の含有量は、トナー粒子100質量部に対して、塗膜強度を向上させる観点から、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上、さらに好ましくは15質量部以上であり、トナー粒子の分散安定性を向上させ保存安定性を向上させる観点から、好ましくは40質量部以下、より好ましくは30質量部以下、さらに好ましくは25質量部以下である。
本発明における絶縁性液体とは、電気が流れにくい液体のことを意味するが、本発明においては、絶縁性液体の導電率は、好ましくは1.0×10-11S/m以下、より好ましくは5.0×10-12S/m以下であり、そして、好ましくは1.0×10-13S/m以上である。
絶縁性液体の具体例としては、例えば、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、ポリシロキサン等が挙げられる。特に、臭気、無害性及びコストの点から、ノルマルパラフィン系溶媒、イソパラフィン系溶媒等の脂肪族炭化水素が好ましい。具体的には、アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL、アイソパーK(以上、いずれもエクソンモービル社製)、シェルゾール71(シェル石油化学社製)、IPソルベント1620、IPソルベント2080(以上、いずれも出光石油化学社製)、モレスコホワイトP-55、モレスコホワイトP-70(以上、いずれも松村石油社製)、コスモホワイトP-60、コスモホワイトP-70(以上、いずれもコスモ石油ルブリカンツ社製)等が挙げられる。
絶縁性液体の25℃における粘度は、液体現像剤中でのトナー粒子の保存安定性を向上させる観点から、好ましくは100mPa・s以下、より好ましくは50mPa・s以下、さらに好ましくは20mPa・s以下、さらに好ましくは10mPa・s以下、さらに好ましくは5mPa・s以下であり、そして、好ましくは0.01mPa・s以上、より好ましくは0.1mPa・s以上である。
液体現像剤は、トナー粒子を分散剤とイソシアネート系硬化剤の存在下で絶縁性液体中に分散させて得られる。トナー粒子の粒径を小さくする観点、及び液体現像剤の粘度を低減する観点から、トナー粒子を絶縁性液体中に分散させた後、湿式粉砕して液体現像剤を得ることが好ましい。
トナー粒子、分散剤、イソシアネート系硬化剤及び絶縁性液体の混合方法としては、攪拌混合装置により攪拌する方法等が好ましい。
撹拌混合装置は、特に限定はされないが、トナー粒子分散液の生産性及び保存安定性を向上させる観点から、高速攪拌混合装置が好ましく、具体的には、デスパ(浅田鉄工(株)製)、T.K.ホモミクサー、T.K.ホモディスパー、T.K.ロボミックス(以上、いずれもプライミクス(株)製)、クレアミックス(エム・テクニック(株)製)、ケイディーミル(ケイディー・インターナショナル社製)等が好ましい。
高速攪拌混合装置による混合によって、トナー粒子が予備分散され、トナー粒子分散液を得ることができ、次の湿式粉砕による液体現像剤の生産性が向上する。
トナー粒子分散液の固形分濃度は、画像濃度を向上させる観点から、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは20質量%以上であり、そして、トナー粒子の分散安定性を向上させ保存安定性を向上させる観点から、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下である。
湿式粉砕とは、絶縁性液体中に分散させたトナー粒子を、絶縁性液体に分散した状態で機械的に粉砕処理する方法である。
使用する装置としては、例えば、アンカー翼等の一般に用いられている撹拌混合装置を用いることができる。撹拌混合装置の中では、デスパ(浅田鉄工(株)製)、T.K.ホモミクサー(プライミクス(株)製)等の高速攪拌混合装置、ロールミル、ビーズミル、ニーダー、エクストルーダ等の粉砕機又は混練機等が挙げられる。これらの装置は複数を組み合わせることもできる。
これらの中では、トナー粒子の粒径を小さくする観点、及びトナー粒子の分散安定性を向上させて保存安定性を向上させる観点、及びその分散液の粘度を低減する観点から、ビーズミルの使用が好ましい。
ビーズミルでは、用いるメディアの粒径や充填率、ローターの周速度、滞留時間等を制御することにより所望の粒径、粒径分布を持ったトナー粒子を得ることができる。
以上のように、本発明の液体現像剤は、
工程1:ポリエステル系樹脂を含む結着樹脂及び着色剤を溶融混練し、粉砕してトナー粒子を得る工程、
工程2:工程1で得られたトナー粒子に分散剤及びイソシアネート系硬化剤を加え、絶縁性液体中に分散させ、トナー粒子分散液を得る工程、及び
工程3:工程2で得られたトナー粒子分散液を湿式粉砕し、液体現像剤を得る工程
を含む方法により製造することが好ましい。
工程1:ポリエステル系樹脂を含む結着樹脂及び着色剤を溶融混練し、粉砕してトナー粒子を得る工程、
工程2:工程1で得られたトナー粒子に分散剤及びイソシアネート系硬化剤を加え、絶縁性液体中に分散させ、トナー粒子分散液を得る工程、及び
工程3:工程2で得られたトナー粒子分散液を湿式粉砕し、液体現像剤を得る工程
を含む方法により製造することが好ましい。
液体現像剤の固形分濃度は、画像濃度を向上させる観点から、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上、さらに好ましくは20質量%以上であり、そして、トナー粒子の分散安定性を向上させて保存安定性を向上させる観点から、好ましくは50質量%以下、より好ましくは45質量%以下、さらに好ましくは40質量%以下である。
液体現像剤中のトナー粒子の体積中位粒径(D50)は、液体現像剤の粘度を低減する観点から、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1.0μm以上、さらに好ましくは1.5μm以上であり、そして、液体現像剤の画質を向上させる観点から、好ましくは5μm以下、より好ましくは3μm以下、さらに好ましくは2.7μm以下である。
固形分濃度が25質量%の液体現像剤の25℃における粘度は、トナー粒子の分散安定性を向上させて保存安定性を向上させる観点から、好ましくは3mPa・s以上、より好ましくは5mPa・s以上、さらに好ましくは6mPa・s以上、さらに好ましくは7mPa・s以上であり、そして、液体現像剤の定着性を向上させる観点から、好ましくは35mPa・s以下、より好ましくは32mPa・s以下、さらに好ましくは28mPa・s以下、さらに好ましくは24mPa・s以下、さらに好ましくは20mPa・s以下、さらに好ましくは16mPa・s以下である。
本発明の液体現像剤は、樹脂フィルムへの定着性に優れている。樹脂フィルムとしては、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、酢酸セルローズ、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)、ポリカーボネート等のフィルムが挙げられるが、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムが好ましい。
以下に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。樹脂等の物性は、以下の方法により測定した。
〔樹脂の軟化点〕
フローテスター「CFT-500D」((株)島津製作所製)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/minで加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出す。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
フローテスター「CFT-500D」((株)島津製作所製)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/minで加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出す。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
〔樹脂のガラス転移温度〕
示差走査熱量計「DSC210」(セイコー電子工業(株)製)を用いて、試料0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/minで0℃まで冷却する。次に試料を昇温速度10℃/minで昇温し、吸熱ピークを測定する。吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度をガラス転移温度とする。
示差走査熱量計「DSC210」(セイコー電子工業(株)製)を用いて、試料0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/minで0℃まで冷却する。次に試料を昇温速度10℃/minで昇温し、吸熱ピークを測定する。吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度をガラス転移温度とする。
〔樹脂の酸価及び水酸基価〕
JIS K 0070:1992の方法に基づき測定する。但し、測定溶媒のみJIS K0070の規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、酸価はアセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に、水酸基価はテトラヒドロフランに、それぞれ変更する。
JIS K 0070:1992の方法に基づき測定する。但し、測定溶媒のみJIS K0070の規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、酸価はアセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に、水酸基価はテトラヒドロフランに、それぞれ変更する。
〔絶縁性液体と混合する前のトナー粒子の体積中位粒径〕
測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター(株)製)
アパチャー径:100μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマンコールター(株)製)
電解液:アイソトンII(ベックマンコールター(株)製)
分散液:電解液にエマルゲン109P(花王(株)製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB(グリフィン):13.6)を溶解して5質量%に調整したもの
分散条件:前記分散液5mLに測定試料10mgを添加し、超音波分散機(機械名:(株)エスエヌディー製US-1、出力:80W)にて1分間分散させる。その後、前記電解液25mLを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させて、試料分散液を調製する。
測定条件:前記電解液100mLに、3万個の粒子の粒径を20秒間で測定できる濃度となるように、前記試料分散液を加え、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求める。
測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター(株)製)
アパチャー径:100μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマンコールター(株)製)
電解液:アイソトンII(ベックマンコールター(株)製)
分散液:電解液にエマルゲン109P(花王(株)製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB(グリフィン):13.6)を溶解して5質量%に調整したもの
分散条件:前記分散液5mLに測定試料10mgを添加し、超音波分散機(機械名:(株)エスエヌディー製US-1、出力:80W)にて1分間分散させる。その後、前記電解液25mLを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させて、試料分散液を調製する。
測定条件:前記電解液100mLに、3万個の粒子の粒径を20秒間で測定できる濃度となるように、前記試料分散液を加え、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求める。
〔共重合体Cのアミン価〕
ASTM D2074の方法により測定する。但し、試料の溶解溶媒にはクロロホルムを用い、滴定溶液には0.1mol/L過塩素酸酢酸標準溶液を用いる。
ASTM D2074の方法により測定する。但し、試料の溶解溶媒にはクロロホルムを用い、滴定溶液には0.1mol/L過塩素酸酢酸標準溶液を用いる。
〔共重合体Cの平均分子量〕
以下の方法により、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法により分子量分布を測定し、数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)を求める。
下記の測定装置と分析カラムを用い、溶離液としてテトラヒドロフランを、毎分1mLの流速で流し、40℃の恒温槽中でカラムを安定させる。そこに試料溶液100μLを注入して測定を行う。試料の分子量は、あらかじめ作成した検量線に基づき算出する。このときの検量線には、数種類の単分散ポリスチレン(東ソー(株)製のA-500(Mw 5.0×102)、A-1000(Mw 1.01×103)、A-2500(Mw 2.63×103)、A-5000(Mw 5.97×103)、F-1(Mw 1.02×104)、F-2(Mw 1.81×104)、F-4(Mw 3.97×104)、F-10(Mw 9.64×104)、F-20(Mw 1.90×105)、F-40(Mw 4.27×105)、F-80(Mw 7.06×105)、F-128(Mw 1.09×106))を標準試料として作成したものを用いる。括弧内は分子量を示す。
測定装置:HLC-8220GPC(東ソー(株)製)
分析カラム:GMHXL+G3000HXL(東ソー(株)製)
以下の方法により、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法により分子量分布を測定し、数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)を求める。
下記の測定装置と分析カラムを用い、溶離液としてテトラヒドロフランを、毎分1mLの流速で流し、40℃の恒温槽中でカラムを安定させる。そこに試料溶液100μLを注入して測定を行う。試料の分子量は、あらかじめ作成した検量線に基づき算出する。このときの検量線には、数種類の単分散ポリスチレン(東ソー(株)製のA-500(Mw 5.0×102)、A-1000(Mw 1.01×103)、A-2500(Mw 2.63×103)、A-5000(Mw 5.97×103)、F-1(Mw 1.02×104)、F-2(Mw 1.81×104)、F-4(Mw 3.97×104)、F-10(Mw 9.64×104)、F-20(Mw 1.90×105)、F-40(Mw 4.27×105)、F-80(Mw 7.06×105)、F-128(Mw 1.09×106))を標準試料として作成したものを用いる。括弧内は分子量を示す。
測定装置:HLC-8220GPC(東ソー(株)製)
分析カラム:GMHXL+G3000HXL(東ソー(株)製)
〔絶縁性液体の導電率〕
絶縁性液体25gを40mL容のガラス製サンプル管「スクリューNo.7」((株)マルエム製)に入れ、非水系導電率計「DT-700」(Dispersion Technology社製)を用いて、電極を絶縁性液体に浸し、25℃で20回測定を行って平均値を算出し、導電率を測定する。数値が小さいほど高抵抗であることを示す。
絶縁性液体25gを40mL容のガラス製サンプル管「スクリューNo.7」((株)マルエム製)に入れ、非水系導電率計「DT-700」(Dispersion Technology社製)を用いて、電極を絶縁性液体に浸し、25℃で20回測定を行って平均値を算出し、導電率を測定する。数値が小さいほど高抵抗であることを示す。
〔絶縁性液体及び液体現像剤の25℃における粘度〕
10mL容のスクリュー管に測定液を6〜7mL入れ、回転振動式粘度計「ビスコメイトVM-10A-L」((株)セコニック製)を用いて、25℃にて粘度を測定する。
10mL容のスクリュー管に測定液を6〜7mL入れ、回転振動式粘度計「ビスコメイトVM-10A-L」((株)セコニック製)を用いて、25℃にて粘度を測定する。
〔トナー粒子分散液及び液体現像剤の固形分濃度〕
試料10質量部をヘキサン90質量部で希釈し、遠心分離装置「H-201F」((株)コクサン製)を用いて、回転数25,000r/minにて、20分間回転させる。静置後、上澄み液をデカンテーションにて除去した後、90質量部のヘキサンで希釈し、同様の条件で再び遠心分離を行う。上澄み液をデカンテーションにて除去した後、下層を真空乾燥機にて0.5kPa、40℃にて8時間乾燥させ、以下の式より固形分濃度を計算する。
試料10質量部をヘキサン90質量部で希釈し、遠心分離装置「H-201F」((株)コクサン製)を用いて、回転数25,000r/minにて、20分間回転させる。静置後、上澄み液をデカンテーションにて除去した後、90質量部のヘキサンで希釈し、同様の条件で再び遠心分離を行う。上澄み液をデカンテーションにて除去した後、下層を真空乾燥機にて0.5kPa、40℃にて8時間乾燥させ、以下の式より固形分濃度を計算する。
〔液体現像剤中のトナー粒子の体積中位粒径(D50)〕
レーザー回折/散乱式粒径測定装置「マスターサイザー2000」(マルバーン社製)を用いて、測定用セルにアイソパーL(エクソンモービル社製、イソパラフィン、25℃における粘度1mPa・s)を加え、散乱強度が5〜15%になる濃度で、粒子屈折率1.58(虚数部0.1)、分散媒屈折率1.42の条件にて、体積中位粒径(D50)を測定する。
レーザー回折/散乱式粒径測定装置「マスターサイザー2000」(マルバーン社製)を用いて、測定用セルにアイソパーL(エクソンモービル社製、イソパラフィン、25℃における粘度1mPa・s)を加え、散乱強度が5〜15%になる濃度で、粒子屈折率1.58(虚数部0.1)、分散媒屈折率1.42の条件にて、体積中位粒径(D50)を測定する。
樹脂製造例
表1に示す原料モノマー、エステル化触媒、及び重合禁止剤を、窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した10リットル容の四つ口フラスコに入れ、230℃に昇温して反応を行い、12時間後、軟化点が100℃に達した時点で反応を終了し、表1に示す物性を有する樹脂Aを得た。
表1に示す原料モノマー、エステル化触媒、及び重合禁止剤を、窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した10リットル容の四つ口フラスコに入れ、230℃に昇温して反応を行い、12時間後、軟化点が100℃に達した時点で反応を終了し、表1に示す物性を有する樹脂Aを得た。
トナー粒子製造例
結着樹脂として樹脂A 80質量部及び着色剤「ECB-301」(大日精化工業(株)製、フタロシアニンブルー15:3)20質量部を、予め20L容のヘンシェルミキサーを使用し、回転数1500r/min(周速度21.6m/sec)で3分間攪拌混合後、以下に示す条件で溶融混練した。
結着樹脂として樹脂A 80質量部及び着色剤「ECB-301」(大日精化工業(株)製、フタロシアニンブルー15:3)20質量部を、予め20L容のヘンシェルミキサーを使用し、回転数1500r/min(周速度21.6m/sec)で3分間攪拌混合後、以下に示す条件で溶融混練した。
〔溶融混練条件〕
連続式二本オープンロール型混練機「ニーデックス」(日本コークス工業(株)製、ロール外径:14cm、有効ロール長:55cm)を使用した。連続式二本オープンロール型混練機の運転条件は、高回転側ロール(フロントロール)回転数75r/min(周速度32.4m/min)、低回転側ロール(バックロール)回転数35r/min(周速度15.0m/min)、混練物供給口側端部のロール間隙0.1mmであった。ロール内の加熱媒体温度及び冷却媒体温度は、高回転側ロールの原料投入側が90℃及び混練物排出側が85℃であり、低回転側ロールの原料投入側が35℃及び混練物排出側が35℃であった。また、原料混合物の上記混練機への供給速度は10kg/h、上記混練機中の平均滞留時間は約3分間であった。
連続式二本オープンロール型混練機「ニーデックス」(日本コークス工業(株)製、ロール外径:14cm、有効ロール長:55cm)を使用した。連続式二本オープンロール型混練機の運転条件は、高回転側ロール(フロントロール)回転数75r/min(周速度32.4m/min)、低回転側ロール(バックロール)回転数35r/min(周速度15.0m/min)、混練物供給口側端部のロール間隙0.1mmであった。ロール内の加熱媒体温度及び冷却媒体温度は、高回転側ロールの原料投入側が90℃及び混練物排出側が85℃であり、低回転側ロールの原料投入側が35℃及び混練物排出側が35℃であった。また、原料混合物の上記混練機への供給速度は10kg/h、上記混練機中の平均滞留時間は約3分間であった。
上記で得られた混練物を冷却ロールで圧延冷却した後、ハンマーミルを用いて1mm程度に粗粉砕した。得られた粗粉砕物を気流式ジェットミル「IDS」(日本ニューマチック(株)製)により微粉砕及び分級し、体積中位粒径(D50)が10μmのトナー粒子Aを得た。
分散剤の製造例
溶媒(メチルエチルケトン)100gを、冷却管、窒素導入管、撹拌機及び熱電対を装備した2L容の四つ口フラスコに入れ、窒素ガスで反応容器内を置換した。反応容器内を80℃に加温して、表2に示す原料モノマーと重合開始剤の混合物を2時間かけて滴下し、重合反応を行った。滴下終了後、80℃でさらに3時間反応させた。80℃で溶媒を留去し、表2に示す物性を有する共重合体(分散剤A〜D)を得た。
溶媒(メチルエチルケトン)100gを、冷却管、窒素導入管、撹拌機及び熱電対を装備した2L容の四つ口フラスコに入れ、窒素ガスで反応容器内を置換した。反応容器内を80℃に加温して、表2に示す原料モノマーと重合開始剤の混合物を2時間かけて滴下し、重合反応を行った。滴下終了後、80℃でさらに3時間反応させた。80℃で溶媒を留去し、表2に示す物性を有する共重合体(分散剤A〜D)を得た。
実施例1〜5及び比較例1、2
表3に示す、トナー粒子、分散剤、イソシアネート系硬化剤「D-165N」(三井化学(株)製、ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット型付加物)、及び絶縁性液体「アイソパーL」(エクソンモービル社製、イソパラフィン、導電率6.2×10-13S/m、25℃における粘度1mPa・s)を2L容のポリエチレン製容器に入れた。「T.K.ロボミックス」(プライミクス(株)製)を用いて、氷冷下、回転数7000r/minにて30分間攪拌を行い、トナー粒子分散液を得た。
表3に示す、トナー粒子、分散剤、イソシアネート系硬化剤「D-165N」(三井化学(株)製、ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット型付加物)、及び絶縁性液体「アイソパーL」(エクソンモービル社製、イソパラフィン、導電率6.2×10-13S/m、25℃における粘度1mPa・s)を2L容のポリエチレン製容器に入れた。「T.K.ロボミックス」(プライミクス(株)製)を用いて、氷冷下、回転数7000r/minにて30分間攪拌を行い、トナー粒子分散液を得た。
次に、得られたトナー粒子分散液を、直径0.8mmのジルコニアビーズを用いて、体積充填率60体積%にて、6筒式サンドミル「TSG-6」(アイメックス(株)製)で回転数1300r/min(周速度4.8m/sec)にて4時間湿式粉砕した。ビーズをろ過により除去し、表3に示す物性を有する、固形分濃度が25質量%の液体現像剤を得た。
試験例〔樹脂フィルムへの定着性〕
PETフィルム「FE2000-25」(フタムラ化学(株)製)に、液体現像剤を滴下し、ワイヤーバーにより乾燥後の質量が1.2g/m2になるように薄膜を作製した。その後、120℃の恒温槽中で6分間保持して、定着させた。
PETフィルム「FE2000-25」(フタムラ化学(株)製)に、液体現像剤を滴下し、ワイヤーバーにより乾燥後の質量が1.2g/m2になるように薄膜を作製した。その後、120℃の恒温槽中で6分間保持して、定着させた。
得られた定着画像にメンディングテープ「Scotchメンディングテープ810」(スリーエム ジャパン(株)製、幅18mm)を貼り付け、500gの荷重がかかるようにローラーでテープに圧力をかけた後、テープを剥離した。テープ剥離前と剥離後の画像濃度は、色彩計「GretagMacbeth Spectroeye」(グレタグ社製)を用いて測定した。画像印刷部分を各3点測定し、その平均値を画像濃度として算出した。定着率(%)は、剥離後の画像濃度/剥離前の画像濃度×100の値から算出した。結果を表3に示す。定着率の数値が大きいほど定着性に優れることを示している。
以上の結果より、実施例1〜5の液体現像剤は、樹脂フィルムへの定着性に優れていることが分かる。これに対し、硬化剤を含まない比較例1の液体現像剤、及び、3級アミン基を含まない分散剤を含む比較例2の液体現像剤は定着できない。
本発明の液体現像剤は、例えば、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像等に好適に用いられるものである。
Claims (6)
- 式(I)において、R2の炭化水素基の炭素数が14以上22以下である、請求項1記載の液体現像剤。
- 3級アミノ基を有するモノマーAが、式(III):
CH2=C(R5)COYR6NR3R4 (III)
(式中、R3及びR4は、それぞれ独立して、炭素数1以上4以下の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基を示し、それらは互いに結合して環構造を形成していてもよく、R5は、水素原子又は炭素数1以上5以下のアルキル基を示し、R6は、炭素数2以上4以下の直鎖又は分岐のアルキレン基を示し、Yは−O−又は−NH−を示す)
で表される化合物である、請求項1又は2記載の液体現像剤。 - モノマーBに対するモノマーAの質量比が、40/60以上90/10以下である、請求項1〜3いずれか記載の液体現像剤。
- イソシアネート系硬化剤が、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物である、請求項1〜4いずれか記載の液体現像剤。
- 1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物が、脂肪族ジイソシアネート系化合物のビウレットタイプ型付加物又はイソシアヌレート環付加物である、請求項5記載の液体現像剤。
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