JP2012008529A - トナー及びトナーの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】低温定着性及び保存安定性に優れ、画像濃度ムラが抑制されるトナー及びその製造方法を提供すること、及び加熱処理工程の時間が短く、生産性の高いトナーの製造方法を提供すること。
【解決手段】結着樹脂と着色剤を含有するトナーであって、該結着樹脂が結晶性樹脂と非晶質樹脂とからなり、該結晶性樹脂が炭素数2〜10の脂肪族ジオールを含有したアルコール成分と芳香族ジカルボン酸化合物を含有したカルボン酸成分とを縮重合させて得られる縮重合系樹脂成分と、スチレン系樹脂成分とを含む複合樹脂を含有し、該非晶質樹脂が脂肪族ジオールを60モル%以上含有するアルコール成分とカルボン酸成分とから得られるポリエステルを含有するトナー及びその製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像に用いられるトナー及びその製造方法に関する。
近年の高速化、小型化等の要求に対し、より低温定着可能なトナーが求められている。この要求に応えるために、結着樹脂に結晶性樹脂と非晶質樹脂を用いるトナーが提案されている。このような結晶性樹脂と非晶質樹脂を用いたトナーは、低温定着性は向上するが、トナー強度が低下する傾向がある。その結果、高速化、小型化に伴い、機械的又は熱的なストレスをより多く受けると、保存安定性等の耐久性の低下に関わる課題が発生している。
これらの課題に対し、炭素数2〜6の脂肪族ジオールを80モル%以上含有したアルコール成分と炭素数2〜8の脂肪族ジカルボン酸化合物を80モル%以上含有したカルボン酸成分とを縮重合させて得られた結晶性ポリエステルと、炭素数2〜6の脂肪族ジオールを20モル%以上含有したアルコール成分とカルボン酸成分とを縮重合させて得られた非晶質ポリエステルとが複合化されてなるポリエステル樹脂を含有するトナーが低温定着性及び保存安定性に優れ、色再現性に優れることが開示されている(特許文献1参照)。
また、結晶性ポリエステル3〜50重量部と、イオン架橋した無定形ビニル重合体97〜50重量部とが化学的に結合されてなり、クロロホルム不溶分が3〜10重量%であるブロック共重合体又はグラフト共重合体をバインダー樹脂として含有するトナーが耐オフセット性と低温定着性に優れていることが開示されている(特許文献2参照)。
さらに、結晶性ポリエステルと非晶質樹脂を溶融混練した後、加熱処理工程を行うことにより、低温定着性と保存性、耐久性を両立することが提案されている(特許文献3、4参照)。
特開2003−246920号公報 特開平4−81770号公報 特開2005−308995号公報 特開2009−116175号公報
しかしながら、これらのトナーは、低温定着性と保存安定性の両立が不十分であったり、帯電立ち上がり性が悪く、帯電初期と時間経過後とで帯電量の差が生じやすいため、画像濃度ムラが発生するという問題がある。また、保存安定性を改善するために長時間の加熱処理が必要となって生産性が低下するという問題がある。
本発明の課題は、低温定着性及び保存安定性に優れ、画像濃度ムラが抑制されるトナー及びその製造方法を提供することにあり、加熱処理工程の時間が短く、生産性の高いトナーの製造方法を提供することにある。
本発明は、
〔1〕 結着樹脂と着色剤を含有するトナーであって、該結着樹脂が結晶性樹脂と非晶質樹脂とからなり、該結晶性樹脂が炭素数2〜10の脂肪族ジオールを含有したアルコール成分と芳香族ジカルボン酸化合物を含有したカルボン酸成分とを縮重合させて得られる縮重合系樹脂成分と、スチレン系樹脂成分とを含む複合樹脂を含有し、該非晶質樹脂が脂肪族ジオールを60モル%以上含有するアルコール成分とカルボン酸成分とから得られるポリエステルを含有するトナー、並びに
〔2〕 少なくとも結着樹脂と着色剤とを溶融混練し混練物を得る工程(工程1)、及び工程1で得られた混練物を加熱処理する工程(工程2)を含む、トナーの製造方法であって、該結着樹脂が結晶性樹脂と非晶質樹脂とからなり、該結晶性樹脂が炭素数2〜10の脂肪族ジオールを含有したアルコール成分と芳香族ジカルボン酸化合物を含有したカルボン酸成分とを縮重合させて得られる縮重合系樹脂成分と、スチレン系樹脂成分とを含む複合樹脂を含有し、該非晶質樹脂が脂肪族ジオールを60モル%以上含有するアルコール成分とカルボン酸成分とから得られるポリエステルを含有する、トナーの製造方法
に関する。
本発明のトナーは、低温定着性に優れ、画像濃度ムラが抑制された効果を奏し、さらに、保存安定性に優れた効果を奏する。また、本発明の方法は、加熱処理工程の時間が短く、生産性の高いトナーの製造方法である。
本発明のトナーは、少なくとも結着樹脂と着色剤を含有するトナーであって、該結着樹脂が結晶性樹脂と非晶質樹脂とからなり、該結晶性樹脂が炭素数2〜10の脂肪族ジオールを含有したアルコール成分と芳香族ジカルボン酸化合物を含有したカルボン酸成分とを縮重合させて得られる縮重合系樹脂成分と、スチレン系樹脂成分とを含む複合樹脂を含有し、該非晶質樹脂が脂肪族ジオールを60モル%以上含有するアルコール成分とカルボン酸成分とから得られるポリエステルを含有する点に大きな特徴を有しており、本発明のトナーは、低温定着性及び保存安定性に優れ、画像濃度ムラが抑制される。
また、本発明のトナーの製造方法は、結着樹脂と着色剤とを溶融混練し混練物を得る工程(工程1)、工程1で得られた混練物を加熱処理する工程(工程2)を含む、トナーの製造方法であって、結着樹脂が結晶性樹脂と非晶質樹脂とからなり、結晶性樹脂が炭素数2〜10の脂肪族ジオールを含有したアルコール成分と芳香族ジカルボン酸化合物を含有したカルボン酸成分とを縮重合させて得られる縮重合系樹脂成分と、スチレン系樹脂成分とを含む複合樹脂を含有し、非晶質樹脂が脂肪族ジオール成分を60モル%以上含有するアルコール成分とカルボン成分から得られるポリエステルを含有する点に大きな特徴を有しており、本発明のトナーの製造方法は、加熱処理工程の時間が短く、生産性が高いトナーの製造方法である。
本発明の効果が奏される理由の詳細は明らかではないが、非晶質ポリエステルのアルコール成分として、脂肪族アルコールを60モル%以上含有することにより、立体障害や静電相互作用が小さくなり分子間相互作用が低下するため、溶融混練により崩れた結晶性樹脂の結晶性が回復しやすくなる。さらに、結晶性樹脂として、スチレン系樹脂成分を含む複合樹脂を用いることにより非晶質ポリエステルと結晶性樹脂の相溶性が低下するため、熱処理を行った際に、非晶質ポリエステルとの相分離構造の形成が促進され、結晶化速度が高くなる。そのために、加熱処理工程の時間が短くなり生産性が向上し、得られたトナーは保存安定性に優れると推測される。
また、芳香族系アルコールを用いた非晶質ポリエステルは、電荷を保持しやすい芳香環を多く含むため、トナーの帯電量が摩擦時間経過とともに上昇し、帯電初期と時間経過後で帯電量の差が生じ、画像濃度ムラが生じやすくなる。一方、脂肪族アルコールを用いた非晶質ポリエステルは、芳香環の濃度が低く、電荷がリークしやすい。そのため、初期の帯電量が低くなり、画像濃度ムラが生じやすくなる。しかし、脂肪族ジオールを60モル%以上含有するアルコール成分とカルボン酸成分とから得られる非晶質ポリエステルと、芳香環を含むスチレン系樹脂成分と炭素数2〜10の脂肪族ジオールを含有したアルコール成分と芳香族ジカルボン酸化合物を含有したカルボン酸成分とを縮重合させて得られる縮重合系樹脂成分とを含む結晶性複合樹脂を併用することにより、帯電量及び電気伝導性が適切となり、画像濃度ムラが抑制されると考えられる。
本発明において、結着樹脂は、トナーの低温定着性及び保存安定性を向上させる観点、トナーの画像濃度ムラを抑制する観点から、結晶性樹脂と非晶質樹脂とからなるものであり、結晶性樹脂として、炭素数2〜10の脂肪族ジオールを含有したアルコール成分と芳香族ジカルボン酸化合物を含有したカルボン酸成分とを縮重合させて得られる縮重合系樹脂成分と、スチレン系樹脂成分とを含む複合樹脂を主成分とし、非晶質樹脂として、脂肪族ジオールを60モル%以上含有するアルコール成分とカルボン酸成分とから得られるポリエステルを主成分とすることが好ましい。
ここで、樹脂の結晶性は、軟化点と示差走査熱量計による吸熱の最高ピーク温度との比、即ち[軟化点/吸熱の最高ピーク温度]の値で定義される結晶性指数によって表わされる。結晶性樹脂は、結晶性指数が0.6〜1.4、好ましくは0.7〜1.2、より好ましくは0.9〜1.2であり、非晶質樹脂は1.4を超えるか、0.6未満の樹脂である。樹脂の結晶性は、原料モノマーの種類とその比率、及び製造条件(例えば、反応温度、反応時間、冷却速度)等により調整することができる。なお、吸熱の最高ピーク温度とは、観測される吸熱ピークのうち、最も高温側にあるピークの温度を指す。最高ピーク温度は、軟化点との差が20℃以内であれば融点とし、軟化点との差が20℃を超える場合はガラス転移に起因するピーク温度とする。
本発明において、複合樹脂を構成する縮重合系樹脂成分は、トナーの保存安定性及び低温定着性を向上させる観点、トナーの画像濃度ムラを抑制する観点から、炭素数2〜10の脂肪族ジオールを含有したアルコール成分と芳香族ジカルボン酸化合物を含有したカルボン酸成分とを縮重合させて得られる樹脂である。
縮重合系樹脂成分としては、ポリエステル、ポリエステル・ポリアミド等が挙げられるが、トナーの低温定着性の観点から、ポリエステルが好ましい。
本発明において、縮重合系樹脂のアルコール成分は、複合樹脂の結晶性を高める観点から、炭素数2〜10、好ましくは炭素数4〜8、より好ましくは炭素数4〜6の脂肪族ジオールを含有する。
炭素数2〜10の脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、及び1,4-ブテンジオール等が挙げられ、特に複合樹脂の結晶性を高める観点から、α,ω−直鎖アルカンジオールが好ましく、1,4-ブタンジオール及び1,6-ヘキサンジオールがより好ましく、1,6-ヘキサンジオールがさらに好ましい。
炭素数2〜10の脂肪族ジオールの含有量は、複合樹脂の結晶性を高める観点から、アルコール成分中、好ましくは70モル%以上、より好ましくは80〜100モル%、さらに好ましくは90〜100モル%である。特に、アルコール成分に占める炭素数2〜10の脂肪族ジオールのなかの1種の割合が、好ましくは50モル%以上、より好ましくは60〜100モル%であり、実質的に100モル%がよりさらに好ましい。
アルコール成分には、炭素数2〜10の脂肪族ジオール以外の多価アルコール成分が含有されていてもよく、式(I):
Figure 2012008529
(式中、RO及びORはオキシアルキレン基であり、Rはエチレン及び/又はプロピレン基であり、x及びyはアルキレンオキサイドの付加モル数を示し、それぞれ正の数であり、xとyの和の平均値は1〜16が好ましく、1〜8がより好ましく、1.5〜4がさらに好ましい)
で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等の芳香族ジオール;グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ソルビトール、1,4−ソルビタン等の3価以上のアルコールが挙げられる。
本発明において、縮重合系樹脂のカルボン酸成分は、複合樹脂の結晶性を高める観点、トナーの画像濃度ムラを抑制する観点から、芳香族ジカルボン酸化合物を含有する。
芳香族ジカルボン酸化合物としては、炭素数8〜12のものが好ましく、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸及びこれらの酸の無水物、並びにそれらのアルキル(炭素数1〜8)エステルが挙げられる。なお、ジカルボン酸化合物とは、ジカルボン酸、その無水物及びそのアルキル(炭素数1〜8)エステルを指すが、これらの中では、ジカルボン酸が好ましい。また、好ましい炭素数とは、ジカルボン酸化合物のジカルボン酸部分の炭素数を意味する。
芳香族ジカルボン酸化合物の含有量は、複合樹脂の結晶性を高める観点、トナーの画像濃度ムラを抑制する観点から、カルボン酸成分中、好ましくは70〜100モル%、より好ましくは90〜100モル%であり、実質的に100モル%がさらに好ましい。
カルボン酸成分には、芳香族ジカルボン酸化合物以外の多価カルボン酸化合物が含有されていてもよく、該多価カルボン酸化合物としては、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アジピン酸、炭素数が1〜30のアルキル基又は炭素数2〜30のアルケニル基で置換されたコハク酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸、トリメリット酸、2,5,7-ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸等の3価以上の芳香族多価カルボン酸、及びこれらの酸無水物、アルキル(炭素数1〜8)エステル等が挙げられる。
また、アルコール成分には1価のアルコールが、カルボン酸成分には1価のカルボン酸化合物が、分子量調整等の観点から、適宜含有されていてもよい。
なお、本明細書においては、後述する両反応性モノマーは、アルコール成分やカルボン酸成分の含有量の計算には含まれないものとする。
縮重合系樹脂成分の原料成分であるカルボン酸成分とアルコール成分との合計モル数中、芳香族ジカルボン酸化合物と炭素数2〜10の脂肪族ジオールとの合計モル数は、複合樹脂の結晶性を高める観点から、好ましくは75〜100モル%、より好ましくは85〜100モル%、さらに好ましくは95〜100モル%である。
縮重合系樹脂成分におけるカルボン酸成分とアルコール成分とのモル比(カルボン酸成分/アルコール成分)において、複合樹脂の高分子量化を図る際には、カルボン酸成分よりもアルコール成分が多い方が好ましく、0.50〜0.89がより好ましく、0.70〜0.85がさらに好ましい。
縮重合系樹脂成分の原料モノマーの縮重合反応は、不活性ガス雰囲気中にて、必要に応じて、エステル化触媒、重合禁止剤等の存在下、180〜250℃程度の温度で行うことできる。エステル化触媒としては、酸化ジブチル錫、2-エチルヘキサン酸錫(II)等の錫化合物、チタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネート等のチタン化合物等が挙げられ、エステル化触媒とともに用い得るエステル化助触媒としては、没食子酸等が挙げられる。エステル化触媒の使用量は、アルコール成分とカルボン酸成分と両反応性モノマー成分の総量100重量部に対して、0.01〜1.5重量部が好ましく、0.1〜1.0重量部がより好ましい。エステル化助触媒の使用量は、アルコール成分とカルボン酸成分と両反応性モノマー成分の総量100重量部に対して、0.001〜0.5重量部が好ましく、0.01〜0.1重量部がより好ましい。
スチレン系樹脂成分の原料モノマーとしては、スチレン、又はα−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン誘導体(以下、スチレンとスチレン誘導体をまとめて「スチレン誘導体」という)が用いられる。
スチレン誘導体の含有量は、トナーの保存安定性を向上させる観点、トナーの画像濃度ムラを抑制する観点から、スチレン系樹脂成分の原料モノマー中、70重量%以上が好ましく、80重量%以上がより好ましく、90重量%以上がさらに好ましい。
スチレン誘導体以外に用いられるスチレン系樹脂成分の原料モノマーとしては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル;エチレン、プロピレン等のエチレン性不飽和モノオレフィン類;ブタジエン等のジオレフィン類;塩化ビニル等のハロビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル等のエチレン性モノカルボン酸エステル;ビニルメチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニリデンクロリド等のビニリデンハロゲン化物;N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物類等が挙げられる。
スチレン誘導体以外に用いられるスチレン系樹脂成分の原料モノマーは2種以上を組み合わせて使用することができる。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を意味する。
スチレン誘導体以外に用いられるスチレン系樹脂成分の原料モノマーの中では、トナーの低温定着性を向上させる観点から、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましい。(メタ)アクリル酸アルキルエステルにおけるアルキル基の炭素数は、上記の観点から1〜22が好ましく、8〜18がより好ましい。なお、該アルキルエステルの炭素数は、エステルを構成するアルコール成分由来の炭素数をいう。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、(イソ)プロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(イソ又はターシャリー)ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、(イソ)オクチル(メタ)アクリレート、(イソ)デシル(メタ)アクリレート、(イソ)ステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。ここで、「(イソ又はターシャリー)」、「(イソ)」は、これらの基が存在している場合とそうでない場合の双方を含むことを意味し、これらの基が存在していない場合には、ノルマルであることを示す。また、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートとメタクリレートの双方の場合を含むことを示す。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有量は、トナーの保存安定性を向上させる観点、トナーの画像濃度ムラを抑制する観点から、スチレン系樹脂成分の原料モノマー中、30重量%以下が好ましく、20重量%以下がより好ましく、10重量%以下がさらに好ましい。
なお、スチレン誘導体と(メタ)アクリル酸アルキルエステルとを含む原料モノマーを付加重合させて得られる樹脂をスチレン−(メタ)アクリル樹脂ともいう。
スチレン系樹脂成分の原料モノマーの付加重合反応は、例えば、ジクミルパーオキサイド等の重合開始剤、架橋剤等の存在下、有機溶媒存在下又は無溶媒下で、常法により行うことができるが、温度条件としては、110〜200℃が好ましく、140〜170℃がより好ましい。
付加重合反応の際に有機溶媒を使用する場合、キシレン、トルエン、メチルエチルケトン、アセトン等を用いることができる。有機溶媒の使用量は、スチレン系樹脂成分の原料モノマー100重量部に対して、10〜50重量部程度が好ましい。
スチレン系樹脂成分のガラス転移点(Tg)は、トナーの低温定着性を向上させ、保存安定性を向上させる観点から、好ましくは60〜130℃、より好ましくは80〜120℃、さらに好ましくは90〜110℃である。
スチレン系樹脂成分のTgは、高分子の場合は熱加成性式というTgを予測する経験式、Fox式(T.G.Fox、Bull.Am.Physics Soc.、第1巻、第3号、123ページ(1956))に従って、ポリマーを構成する各々の単量体の単独重合体のTgnより、下記式(1)から計算により求められる値を使用する。
1/Tg=Σ(Wn/Tgn) (1)
(式中、Tgnは、各単量体成分の単独重合体の絶対温度で表したTgであり、Wnは各単量体成分の重量分率である。)
なお、本明細書において、後述する両反応性モノマーは、スチレン系樹脂成分の含有量の計算に含まれないものとし、スチレン系樹脂成分のTgの計算に用いない。
本発明の実施例で用いられるFoxの式のガラス転移点(Tg)の計算には、スチレンのTgn:373K(100℃)、アクリル酸2-エチルヘキシルのTgn:223K(-50℃)を用いる。
複合樹脂において、縮重合樹脂成分とスチレン系樹脂成分とは、直接に又は連結基を介して結合していることが好ましい。連結基としては、後述する両反応性モノマーや連鎖移動剤等由来の化合物、他の樹脂等が挙げられる。
複合樹脂は、前記縮重合系樹脂成分とスチレン系樹脂成分とが相互に分散している状態が好ましく、前記分散状態は、以下のような、実施例で述べる方法で測定した複合樹脂のTgと前記Fox式の計算値との差で評価することができる。
すなわち、本発明における複合樹脂は結晶性樹脂であるが、スチレン系樹脂成分と縮重合系樹脂成分とに由来する非晶質部分とを有しており、スチレン系樹脂成分に由来するTgと縮重合系樹脂成分に由来するTgを持つ。複合樹脂中のスチレン系樹脂成分のTgと縮重合系樹脂成分のTgとは、別個に測定される値であるが、縮重合系樹脂成分とスチレン系樹脂成分との分散度が高まるにつれて、両Tgが相互に近づき、縮重合系樹脂成分とスチレン系樹脂成分とがほぼ均一な状態にまで分散すると、両Tgが重複し、測定値はほぼ一つになる。
従って、スチレン系樹脂成分と縮重合系樹脂成分とが相互に分散している状態では、後述する測定条件で測定した複合樹脂のTgは、前記スチレン系樹脂成分のFox式で計算したTgと異なった値となる。具体的には、複合樹脂のガラス転移点と、複合樹脂中のスチレン系樹脂成分のFox式で計算されたガラス転移点との差の絶対値は、10℃以上が好ましく、30℃以上がより好ましく、50℃以上がさらに好ましく、70℃以上がよりさらに好ましい。一般に、縮重合系樹脂成分のTgは、スチレン系樹脂成分のTgより低いことから、複合樹脂のTgの測定値は、スチレン系樹脂成分の計算値のTgより低くなることが多い。
このような複合樹脂は、例えば、(1)カルボキシ基や水酸基を有するスチレン系樹脂の存在下で、縮重合系樹脂成分の原料モノマーを縮重合させる方法、カルボキシ基や水酸基は後述する両反応性モノマーや連鎖移動剤など由来のものを用いることができる。(2)反応性不飽和結合を有する縮重合系樹脂の存在下で、スチレン系樹脂成分の原料モノマーを付加重合させる方法などで得ることができる。
複合樹脂は、トナーの低温定着性を向上させ、保存安定性を向上させる観点、トナーの画像濃度ムラを抑制する観点から、縮重合系樹脂成分の原料モノマーとスチレン系樹脂成分の原料モノマーに加えて、さらに縮重合系樹脂成分の原料モノマー及びスチレン系樹脂成分の原料モノマーのいずれとも反応し得る、両反応性モノマーを用いて得られる樹脂(ハイブリッド樹脂)であることが好ましい。従って、縮重合系樹脂成分の原料モノマー及びスチレン系樹脂成分の原料モノマーを重合させて複合樹脂を得る際に、縮重合反応及び/又は付加重合反応は、両反応性モノマーの存在下で行うことが好ましい。これにより、複合樹脂は、両反応性モノマー由来の構成単位を介して縮重合系樹脂成分とスチレン系樹脂成分とが結合した樹脂(ハイブリッド樹脂)となり、縮重合系樹脂成分とスチレン系樹脂成分とがより微細に、かつ均一に分散したものとなる。
即ち、複合樹脂は、(イ)炭素数2〜10の脂肪族ジオールを含有したアルコール成分と芳香族ジカルボン酸化合物を含有したカルボン酸成分とを含む、縮重合系樹脂成分の原料モノマー、(ロ)スチレン系樹脂成分の原料モノマー、及び(ハ)縮重合系樹脂成分の原料モノマー及びスチレン系樹脂成分の原料モノマーのいずれとも反応し得る両反応性モノマーを重合させることにより得られる樹脂であることが好ましい。
両反応性モノマーとしては、分子内に、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、第1級アミノ基及び第2級アミノ基からなる群より選ばれた少なくとも1種の官能基、好ましくは水酸基及び/又はカルボキシル基、より好ましくはカルボキシル基と、エチレン性不飽和結合とを有する化合物が好ましく、このような両反応性モノマーを用いることにより、分散相となる樹脂の分散性をより向上させることができる。両反応性モノマーは、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸及び無水マレイン酸からなる群より選ばれた少なくとも1種であることが好ましいが、縮重合反応及び付加重合反応の反応性の観点から、アクリル酸、メタクリル酸又はフマル酸がより好ましい。但し、重合禁止剤と共に用いた場合は、フマル酸等のエチレン性不飽和結合を有する多価カルボン酸は、縮重合系樹脂成分の原料モノマーとして機能する。この場合、フマル酸等は両反応性モノマーではなく、縮重合系樹脂成分の原料モノマーである。
両反応性モノマーの使用量は、スチレン系樹脂成分と縮重合系樹脂成分との分散性を高め、トナーの低温定着性を向上させ、保存安定性を向上させる観点、トナーの画像濃度ムラを抑制する観点から、縮重合系樹脂成分のアルコール成分の合計100モルに対して、1〜30モルが好ましく、2〜25モルがより好ましく、2〜20モルがさらに好ましく、スチレン系樹脂成分の原料モノマーの合計(重合開始剤を含めない)100モルに対して、2〜30モルが好ましく、5〜25モルがより好ましく、10〜20モルがさらに好ましい。
両反応性モノマーを用いて得られるハイブリッド樹脂は、具体的には、以下の方法により製造することが好ましい。両反応性モノマーは、トナーの低温定着性向上させ、保存安定性を向上させる、トナーの画像濃度ムラを抑制する観点から、スチレン系樹脂成分の原料モノマーとともに付加重合反応に用いることが好ましい。
(i) 縮重合系樹脂成分の原料モノマーによる縮重合反応の工程(A)の後に、スチレン系樹脂成分の原料モノマー及び両反応性モノマーによる付加重合反応の工程(B)を行う方法
この方法では、縮重合反応に適した反応温度条件下で工程(A)を行い、反応温度を低下させ、付加重合反応に適した温度条件下で工程(B)を行う。スチレン系樹脂成分の原料モノマー及び両反応性モノマーは、付加重合反応に適した温度で反応系内に添加にすることが好ましい。両反応性モノマーは付加重合反応をすると共に縮重合系樹脂成分とも反応する。
工程(B)の後に、再度反応温度を上昇させ、必要に応じて架橋剤となる3価以上等の縮重合系樹脂成分の原料モノマー等を重合系に添加し、工程(A)の縮重合反応や両反応性モノマーとの反応をさらに進めることができる。
(ii) スチレン系樹脂成分の原料モノマー及び両反応性モノマーによる付加重合反応の工程(B)の後に、縮重合系樹脂成分の原料モノマーによる縮重合反応の工程(A)を行う方法
この方法では、付加重合反応に適した反応温度条件下で工程(B)を行い、反応温度を上昇させ、縮重合反応に適した温度条件下で、工程(A)の縮重合反応を行う。両反応性モノマーは付加重合反応と共に縮重合反応にも関与する。
縮重合系樹脂成分の原料モノマーは、付加重合反応時に反応系内に存在してもよく、縮重合反応に適した温度条件下で反応系内に添加してもよい。前者の場合は、縮重合反応に適した温度でエステル化触媒を添加することで縮重合反応の進行を調節できる。
(iii) 縮重合系樹脂成分の原料モノマーによる縮重合反応の工程(A)とスチレン系樹脂成分の原料モノマー及び両反応性モノマーによる付加重合反応の工程(B)とを並行して行う方法
この方法では、付加重合反応に適した反応温度条件下で工程(A)と工程(B)とを行い、反応温度を上昇させ、縮重合反応に適した温度条件下で、必要に応じて架橋剤となる3価以上の縮重合系樹脂成分の原料モノマーを重合系に添加し、工程(A)の縮重合反応をさらに行うことが好ましい。その際、縮重合反応に適した温度条件下では、ラジカル重合禁止剤を添加して縮重合反応だけを進めることもできる。両反応性モノマーは付加重合反応と共に縮重合反応にも関与する。
上記(i)の方法においては、縮重合反応を行う工程(A)の代わりに、予め重合した縮重合系樹脂を用いてもよい。上記(iii)の方法において、工程(A)と工程(B)を並行して行う際には、縮重合系樹脂成分の原料モノマーを含有した混合物中に、スチレン系樹脂成分の原料モノマーを含有した混合物を滴下して反応させることもできる。
上記(i)〜(iii)の方法は、同一容器内で行うことが好ましい。
複合樹脂において、縮重合系樹脂成分のスチレン系樹脂成分に対する重量比[縮重合系樹脂成分/スチレン系樹脂成分](本発明においては、縮重合系樹脂成分の原料モノマーのスチレン系樹脂成分の原料モノマーに対する重量比とする)、すなわち[縮重合系樹脂成分の原料モノマーの合計重量/スチレン系樹脂成分の原料モノマーの合計重量]は、連続相が縮重合系樹脂であり、分散相がスチレン系樹脂であることにより、トナーの保存安定性、低温定着性を向上させる観点、トナーの画像濃度ムラを抑制する観点、及びトナーの生産性を向上させる観点から、50/50〜95/5が好ましく、60/40〜95/5がより好ましく、70/30〜95/5がさらに好ましく、70/30〜90/10がよりさらに好ましい。なお、上記の計算において、両反応性モノマーの量は、縮重合系樹脂成分の原料モノマー量に含める。また、重合開始剤の量はスチレン系樹脂成分の原料モノマー量量に含めない。
高分子量化した複合樹脂を得るためには、前記のようにカルボン酸成分とアルコール成分のモル比を調整する、反応温度を上げる、触媒量を増やす、減圧下、長時間脱水反応を行う等の反応条件を選択すればよい。なお、高出力のモーターを用いて、反応原料混合物を攪拌し、高分子量化した結晶性樹脂を製造することもできるが、製造設備を特に選択せずに製造する際には、原料モノマーを非反応性低粘度樹脂や溶媒とともに反応させる方法も有効な手段である。
複合樹脂の軟化点は、トナーの保存安定性を向上させる観点から、80℃以上が好ましく、90℃以上がより好ましく、100℃以上がさらに好ましく、110℃以上がよりさらに好ましい。また、トナーの低温定着性を向上させる観点から、160℃以下が好ましく、150℃以下がより好ましく、140℃以下がさらに好ましく、130℃以下がよりさらに好ましい。これらの観点を総合すると、複合樹脂の軟化点は、80〜160℃が好ましく、90〜150℃がより好ましく、100〜150℃がさらに好ましく、100〜140℃がさらに好ましく、110〜140℃がさらに好ましく、110〜130℃がさらに好ましい。
また、複合樹脂の融点(=吸熱の最高ピーク温度)は、トナーの保存安定性を向上させる観点から、80℃以上が好ましく、100℃以上がより好ましく、110℃以上がさらに好ましく、120℃以上がよりさらに好ましい。また、トナーの低温定着性を向上させる観点から、150℃以下が好ましく、140℃以下がより好ましく、135℃以下がさらに好ましく、130℃以下がよりさらに好ましい。これらの観点を総合すると、複合樹脂の融点は、好ましくは80〜150℃、より好ましくは100〜140℃、さらに好ましくは110〜135℃、よりさらに好ましくは120〜130℃である。
複合樹脂の軟化点及び融点は、原料モノマー組成、重合開始剤、分子量、触媒量等の調整又は反応条件の選択により調整することができる。
また、複合樹脂のTgは、トナーの保存安定性を向上させる観点から、-10℃以上が好ましく、-5℃以上がより好ましく、0℃以上がさらに好ましい。また、トナーの低温定着性を向上させる観点から、50℃以下が好ましく、40℃以下がより好ましく、30℃以下がさらに好ましい。これらの観点を総合すると、複合樹脂のTgは、好ましくは-10〜50℃、より好ましくは-5〜40℃、さらに好ましくは0〜30℃である。
本発明において、結晶性樹脂は、結晶性ポリエステル等を含有していてもよいが、トナーの保存安定性を向上させる観点、トナーの画像濃度ムラを抑制する観点から、前記複合樹脂の含有量は、結晶性樹脂中、80重量%以上が好ましく、90重量%以上がより好ましく、95重量%以上がさらに好ましく、実質的に100重量%がよりさらに好ましい。
結着樹脂中の複合樹脂の含有量は、トナーの低温定着性を向上させる観点、トナーの画像濃度ムラを抑制する観点から、5重量%以上が好ましく、7重量%以上がより好ましく、8重量%以上がさらに好ましく、10重量%以上がよりさらに好ましい。また、トナーの保存安定性を向上させる観点、トナーの画像濃度ムラを抑制する観点から、40重量%以下が好ましく、35重量%以下がより好ましく、30重量%以下がさらに好ましく、25重量%以下がよりさらに好ましい。これらの観点を総合すると、結着樹脂中の複合樹脂の含有量は、5〜40重量%が好ましく、7〜35重量%がより好ましく、7〜30重量%がさらに好ましく、8〜30重量%がさらに好ましく、8〜25重量%がさらに好ましく、10〜25重量%がさらに好ましい。
本発明における非晶質樹脂は、結晶性樹脂の結晶化を促進し、トナーの保存安定性を向上させる観点、トナーの画像濃度ムラを抑制する観点、及びトナーの生産性を向上させる観点から、脂肪族ジオールを60モル%以上含有するアルコール成分とカルボン酸成分とから得られるポリエステル(非晶質ポリエステル)を含有する。
本発明に用いられる非晶質ポリエステルは、結晶性樹脂の結晶化を促進し、トナーの保存安定性を向上させる観点、トナーの画像濃度ムラを抑制する観点、及びトナーの生産性を向上させる観点から、アルコール成分中の脂肪族ジオールの含有量は、60モル%以上であり、80モル%以上が好ましく、90モル%以上がより好ましく、実質的に100モル%がさらに好ましい。
前記脂肪族ジオールは、結晶性樹脂の結晶化を促進し、トナーの保存安定性を向上させる観点、トナーの画像濃度ムラを抑制する観点、及びトナーの生産性を向上させる観点から、好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは炭素数3〜8、さらに好ましくは炭素数3〜6、よりさらに好ましくは炭素数3〜4の脂肪族ジオールを含有することが望ましい。
炭素数2〜10の脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、2,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、及び1,4-ブテンジオール等が挙げられ、特に結晶性樹脂の結晶化を促進する観点から、1,2-プロパンジオール、2,3-ブタンジオール、1,3-プロパンジオールが好ましい。
アルコール成分には、炭素数2〜10の脂肪族ジオール以外の多価アルコール成分が含有されていてもよく、前記結晶性樹脂に用いられるのと同様の多価アルコールを例示することができる。
カルボン酸成分中には、トナーの保存安定性を向上させる観点、トナーの画像濃度ムラを抑制する観点から、芳香族ジカルボン酸化合物を含有することが好ましく、より好ましくはテレフタル酸を含有する。芳香族ジカルボン酸化合物の含有量は、カルボン酸成分中、好ましくは30〜100モル%、より好ましくは50〜100モル%、さらに好ましくは60〜100モル%であり、よりさらに好ましくは85〜100モル%である。
芳香族ジカルボン酸化合物以外の使用し得る多価カルボン酸化合物としては、前記結晶性樹脂に用いられるのと同様の多価カルボン酸化合物を例示することができる。
前記非晶質ポリエステルは、例えば、アルコール成分とカルボン酸成分とを不活性ガス雰囲気中にて、必要に応じて、エステル化触媒、重合禁止剤等の存在下、180〜250℃程度の温度で縮重合させて製造することができる。エステル化触媒としては、酸化ジブチル錫、2-エチルヘキサン酸錫(II)等の錫化合物、チタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネート等のチタン化合物等が挙げられる。エステル化触媒とともに用い得るエステル化助触媒としては、没食子酸等が挙げられる。エステル化触媒の使用量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100重量部に対して、0.01〜1重量部が好ましく、0.1〜0.6重量部がより好ましい。エステル化助触媒の使用量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100重量部に対して、0.001〜0.5重量部が好ましく、0.01〜0.1重量部がより好ましい。
前記非晶質ポリエステルの酸価は、トナーの帯電量の環境安定性を向上させる観点から、60mgKOH/g以下が好ましく、50mgKOH/g以下がより好ましく、40mgKOH/g以下がさらに好ましい。
前記非晶質ポリエステルの軟化点は、トナーの耐高温オフセット性を向上させる観点から、80℃以上が好ましく、100℃以上がより好ましく、120℃以上がさらに好ましい。また、トナーの低温定着性を向上させる観点から、180℃以下が好ましく、150℃以下がより好ましく、140℃以下がさらに好ましい。これらの観点を総合すると、該非晶質ポリエステルの軟化点は、好ましくは80〜180℃、より好ましくは100〜150℃、さらに好ましくは120〜140℃である。2種以上の非晶質ポリエステルを含有する場合は、軟化点の加重平均値が上記範囲にあることが好ましい。
また、本発明において、非晶質樹脂は、トナーの耐高温オフセット性を向上させる観点から、軟化点が好ましくは5℃以上、より好ましくは10℃以上、さらに好ましくは20℃以上異なる2種類以上の非晶質樹脂を含有してもよい。2種類以上の非晶質樹脂のうち、最も低い軟化点を持つ樹脂の軟化点は、トナーの低温定着性の観点から、好ましくは80〜135℃、より好ましくは95〜120℃、さらに好ましくは105〜115℃であり、最も高い軟化点を持つ樹脂の軟化点は、トナーの耐高温オフセット性を向上させる観点から、好ましくは120〜170℃、より好ましくは130〜160℃、さらに好ましくは140〜150℃である。2種類以上の非晶質樹脂を含有する場合は、トナーの生産性を向上させる観点から、2種類が好ましい。
2種類の非晶質樹脂を用いる場合は、高軟化点樹脂と低軟化点樹脂との重量比(高軟化点樹脂/低軟化点樹脂)は、1/9〜9/1が好ましく、2/8〜8/2がより好ましい。
また、前記非晶質樹脂の吸熱の最高ピーク温度は、トナーの耐高温オフセット性を向上させる観点から、50℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましく、65℃以上がさらに好ましい。また、トナーの低温定着性を向上させる観点から、90℃以下が好ましく、85℃以下がより好ましく、80℃以下がさらに好ましい。これらの観点を総合すると、非晶質樹脂の吸熱の最高ピーク温度は、好ましくは50〜90℃、より好ましくは60〜85℃、さらに好ましくは65〜80℃である。
前記非晶質ポリエステルのTgは、トナーの保存安定性を向上させる観点から、45℃以上が好ましく、55℃以上がより好ましい。また、トナーの低温定着性を向上させる観点から、80℃以下が好ましく、75℃以下がさらに好ましい。これらの観点を総合すると、該非晶質ポリエステルのTgは、好ましくは45〜80℃、より好ましくは55〜75℃である。なお、Tgは非晶質相に特有の物性であり、吸熱の最高ピーク温度とは区別される。
非晶質樹脂には、脂肪族ジオールを60モル%以上含有するアルコール成分とカルボン酸成分とから得られる非晶質ポリエステル以外の非晶質ポリエステルやビニル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂等の非晶質樹脂を含有してもよい。結晶性樹脂の結晶化を促進し、トナーの保存安定性を向上させる観点、トナーの画像濃度ムラを抑制する観点、及びトナーの生産性を向上させる観点から、脂肪族ジオールを60モル%以上含有するアルコール成分とカルボン酸成分とから得られる非晶質ポリエステルの非晶質樹脂中の含有量は、80重量%以上が好ましく、90重量%以上がより好ましく、95重量%以上がさらに好ましく、実質的に100重量%がよりさらに好ましい。
結晶性樹脂と非晶質樹脂の結着樹脂中の重量比(結晶性樹脂/非晶質樹脂)は、トナーの低温定着性を向上させ、保存安定性を向上させる観点、トナーの画像濃度ムラを抑制する観点、及びトナーの生産性を向上させる観点から、重量比で5/95〜40/60が好ましく、5/95〜35/65がより好ましく、5/95〜30/70がさらに好ましく、7/93〜30/70がさらに好ましく、8/92〜25/75がさらに好ましく、10/90〜25/75がさらに好ましい。
着色剤としては、トナー用着色剤として用いられている染料、顔料等のすべてを使用することができ、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントブラウンFG、ブリリアントファーストスカーレット、ピグメントグリーンB、ローダミン−Bベース、ソルベントレッド49、ソルベントレッド146、ソルベントブルー35、キナクリドン、カーミン6B、イソインドリン、ジスアゾエロー等が用いることができる。着色剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、1〜40重量部が好ましく、2〜10重量部がより好ましい。本発明のトナーは、黒トナー、カラートナーのいずれであってもよい。
本発明のトナーは、結着樹脂及び着色剤以外に、離型剤、荷電制御剤等を含有していてもよい。
離型剤としては、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレンポリエチレン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の脂肪族炭化水素系ワックス及びそれらの酸化物、カルナウバワックス、モンタンワックス、サゾールワックス及びそれらの脱酸ワックス、脂肪酸エステルワックス等のエステル系ワックス、脂肪酸アミド類、脂肪酸類、高級アルコール類、脂肪酸金属塩等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を混合して用いられていてもよい。脂肪族炭化水素系ワックスとエステル系ワックスを併用することが好ましく、パラフィンワックスとカルナウバワックスを併用することがさらに好ましい。脂肪族炭化水素系ワックスとエステル系ワックスの重量比(脂肪族炭化水素系ワックス/エステル系ワックス)は、70/30〜30/70が好ましく、60/40〜40/60がより好ましい。
離型剤の融点は、トナーの低温定着性と耐高温オフセット性を向上させる観点から、60〜160℃が好ましく、60〜150℃がより好ましい。
離型剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、トナーの感光体へのフィルミングを防止する観点から、10重量部以下が好ましく、8重量部以下がより好ましく、7重量部以下がさらに好ましい。また、トナーの耐高温オフセット性を向上させる観点から、0.5重量部以上が好ましく、1.0重量部以上がより好ましく、1.5重量部以上がさらに好ましい。したがって、これらの観点を総合すると、離型剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、0.5〜10重量部が好ましく、1.0〜8重量部より好ましく、1.5〜7重量部がさらに好ましい。また、トナーをオイルレス定着させる観点から、3重量部以上が好ましく、3.5重量部以上がより好ましく、4重量部以上がさらに好ましい。したがって、これらの観点を総合すると、離型剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、3〜10重量部が好ましく、3.5〜8重量部より好ましく、4〜7重量部がさらに好ましい。
荷電制御剤としては、特に限定されないが、負帯電性荷電制御剤としては、含金属アゾ染料、例えば「ボントロンS-28」(オリエント化学工業社製)、「T-77」(保土谷化学工業社製)、「ボントロンS-34」(オリエント化学工業社製)、「アイゼンスピロンブラックTRH」(保土谷化学工業社製)等;銅フタロシアニン染料;サリチル酸のアルキル誘導体の金属錯体、例えば「ボントロンE-81」、「ボントロンE-84」、「ボントロンE-304」(以上、オリエント化学工業社製)等;ニトロイミダゾール誘導体;ベンジル酸ホウ素錯体、例えば、「LR-147」(日本カーリット社製)等;無金属系荷電調整剤、例えば「ボントロンF-21」、「ボントロンE-89」(以上、オリエント化学工業社製)、「T-8」(保土ヶ谷化学工業社製)、「FCA-2521NJ」、「FCA-2508N」(以上、藤倉化成社製)等が挙げられる。
正帯電性荷電制御剤としては、ニグロシン染料、例えば「ボントロンN-01」、「ボントロンN-04」、「ボントロンN-07」(以上、オリエント化学工業社製)、「CHUO CCA-3」(中央合成社製)等;3級アミンを側鎖として含有するトリフェニルメタン系染料;4級アンモニウム塩化合物、例えば「ボントロンP-51」(オリエント化学工業社製)、「TP-415」(保土谷化学工業社製)、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、「COPYCHARGEPXVP435」(クラリアント社製);イミダゾール誘導体、例えば「PLZ-2001」、「PLZ-8001」(以上、四国化成社製)等の高分子化合物ではない正帯電性荷電制御剤や、ポリアミン樹脂、例えば「AFP-B」(オリエント化学工業社製)等;スチレンアクリル系樹脂、例えば「FCA-201-PS」(藤倉化成社製)等の高分子化合物の正帯電性荷電制御剤(以後、正帯電性荷電制御樹脂と記す)等が挙げられる。
負帯電性荷電制御剤の含有量は、トナーの帯電量を適性にして、カブリを抑制する観点から、結着樹脂100重量部に対して、0.1重量部以上が好ましく、より好ましくは0.2重量部以上である。また、トナーの帯電量を適性にして現像性を向上させる観点から、結着樹脂100重量部に対して、5重量部以下が好ましく、より好ましくは3重量部以下である。すなわち、これらの観点を総合すると、負帯電性荷電制御剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、0.1〜5重量部が好ましく、0.2〜3重量部がより好ましい。
正帯電性荷電制御剤の含有量は、トナーの帯電量を適性にして、カブリを抑制する観点から、結着樹脂100重量部に対して、0.3重量部以上が好ましく、1重量部以上がより好ましく、2重量部以上がさらに好ましい。また、トナーの帯電量を適性にして現像性を向上させる観点から、結着樹脂100重量部に対して、20重量部以下が好ましく、15重量部以下がより好ましく、10重量部以下がさらに好ましい。すなわち、これらの観点を総合すると、正帯電性荷電制御剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、0.3〜20重量部が好ましく、1〜15重量部がより好ましく、2〜10重量部がさらに好ましい。
高分子化合物ではない正帯電性荷電制御剤の含有量は、トナーの帯電量を適性にして、カブリを抑制する観点、現像性を向上させる観点から、結着樹脂100重量部に対して、0.3〜10重量部が好ましく、0.5〜5重量部がより好ましく、1〜3重量部がさらに好ましい。
また、正帯電性荷電制御樹脂の含有量は、トナーの帯電量を適性にして、カブリを抑制する観点、現像性を向上させる観点から、から、結着樹脂100重量部に対して、1〜20重量部が好ましく、2〜10重量部がより好ましく、3〜8重量部がさらに好ましい。
高分子化合物ではない正帯電性荷電制御剤と正帯電性荷電制御樹脂を併用して用いてもよく、その場合、高分子化合物ではない正帯電性荷電制御剤の含有量は、同様の観点から、結着樹脂100重量部に対して、0.3〜10重量部が好ましく、0.5〜5重量部がより好ましく、1〜3重量部がさらに好ましい。また、正帯電性荷電制御樹脂の含有量は、同様の観点から、結着樹脂100重量部に対して、1〜20重量部が好ましく、2〜10重量部がより好ましく、3〜8重量部がさらに好ましい。高分子タイプではない正帯電性荷電制御剤と正帯電性荷電制御樹脂を合わせた含有量は、同様の観点から、結着樹脂100重量部に対して、1〜20重量部が好ましく、2〜15重量部がより好ましく、3〜10重量部がさらに好ましい。
本発明のトナーには、さらに、磁性粉、流動性向上剤、導電性調整剤、体質顔料、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、老化防止剤、クリーニング性向上剤等の添加剤が適宜含有されていてもよい。
本発明のトナーは、少なくとも、結晶性樹脂及び非晶質樹脂からなる結着樹脂と着色剤を溶融混練する工程(工程1)を含む方法により得られる。さらに、該工程1で得られた混練物を加熱処理する工程(工程2)を含む方法により得られる。工程2を含むことにより、トナーの低温定着性と保存安定性を両立する。
少なくとも結着樹脂と着色剤、即ち、結晶性樹脂、非晶質樹脂、着色剤等を含むトナー原料を溶融混練する工程1は、密閉式ニーダー、1軸もしくは2軸の押出機、連続式オープンロール型混練機等の公知の混練機を用いて行うことができるが、混練の繰り返しや分散助剤の使用をしなくても、結着樹脂に添加剤を効率よく高分散させることができることから、ロールの軸方向に沿って設けられた供給口と混練物排出口を備えた連続式オープンロール型混練機を用いることが好ましい。
トナー原料は、予めヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等を用いて均一に混合した後、オープンロール型混練機に供することが好ましく、1箇所の供給口から混練機に供給してもよく、複数の供給口から分割して混練機に供給してもよいが、操作の簡便性及び装置の簡略化の観点からは、1箇所の供給口から混練機に供給することが好ましい。
連続式オープンロール型混練機とは、混練部が密閉されておらず開放されているものをいい、混練の際に発生する混練熱を容易に放熱することができる。また、連続式オープンロール型混練機は、少なくとも2本のロールを備えた混練機であることが望ましく、本発明に用いられる連続式オープンロール型混練機は、周速度の異なる2本のロール、即ち、周速度の高い高回転側ロールと周速度の低い低回転側ロールとの2本のロールを備えた混練機である。本発明においては、着色剤や離型剤等のトナー原料の結着樹脂への分散性を向上させる観点から、高回転側ロールは加熱ロール、低回転側ロールは冷却ロールであることが望ましい。
ロールの温度は、例えば、ロール内部に通す熱媒体の温度により調整することができ、各ロールには、ロール内部を2以上に分割して温度の異なる熱媒体を通じてもよい。
高回転側ロールの原料投入側端部温度は100〜160℃が好ましく、低回転側ロールの原料投入側端部温度は35〜100℃が好ましい。
高回転側ロールは、原料投入側端部と混練物排出側端部の設定温度の差が、混練物のロールからの脱離防止の観点から、20〜60℃であることが好ましく、20〜50℃であることがより好ましく、30〜50℃であることがさらに好ましい。低回転側ロールは、原料投入側端部と混練物排出側端部の設定温度の差が、着色剤や離型剤等のトナー原料の結着樹脂への分散性を向上させる観点から、0〜50℃であることが好ましく、0〜40℃であることがより好ましく、0〜20℃であることがさらに好ましい。
高回転側ロールの周速度は、2〜100m/minであることが好ましく、4〜50m/minがより好ましい。低回転側ロールの周速度は1〜90m/minが好ましく、2〜60m/minがより好ましく、2〜50m/minがさらに好ましい。また、2本のロールの周速度の比(低回転側ロール/高回転側ロール)は、1/10〜9/10が好ましく、3/10〜8/10がより好ましい。
ロールの構造、大きさ、材料等は特に限定されず、ロール表面も、平滑、波型、凸凹型等のいずれであってもよいが、混練シェアを高めるために、各ロールの表面には複数の螺旋状の溝が刻んであることが好ましい。
工程2は、工程1で得られた混練物を加熱処理する工程であるが、加熱処理工程は、混練工程以降のいずれかの工程において行えばよく、粉砕してトナーとする粉砕トナーの製造や、溶媒に粒子として分散させて得られる重合トナーの製造にも、本発明の方法を適用することができるが、加熱処理工程以外に熱処理を行う工程を含まないような粉砕トナーの製造に用いることが好ましい。本発明では、加熱処理により、混練物中の結晶性樹脂と非晶質樹脂との相分離構造が安定化し、結晶性樹脂の再結晶化が促進されればよいので、粉砕トナーの製造においては、溶融混練工程により得られた混練物を粉砕後、得られた粉砕物に加熱処理工程を行ってもよい。トナーの保存安定性を向上させる観点及び生産性を向上させる観点からは、加熱処理工程は、混練工程後、粉砕工程前に行うことが好ましい。
粉砕トナーの一般的なトナーの製造方法では、得られた混練物を粉砕可能な硬度に達するまで冷却し、粉砕工程及び分級工程に供するが、本発明では、混練工程後、前記の如く、得られた混練物を加熱処理工程に供してから、粉砕工程を行うことが好ましい。
本発明において、加熱処理工程の温度は、トナーの添加剤の分散性を維持する観点と結着樹脂分子の再配列性によって、トナーの保存安定性を向上させる観点、加熱処理時間を短くし、トナーの生産性を向上させる観点から、好ましくは混練物のガラス転移点以上が好ましく、ガラス転移点より10℃以上高い温度がより好ましく、15℃以上高い温度がさらに好ましい。また、結晶の溶解に伴う配列の乱れによるトナーの保存安定性の低下を防止する観点から、結晶性樹脂の融点以下の温度が好ましく、融点より10℃以上低い温度が好ましく、15℃以上低い温度がさらに好ましい。具体的には、50〜80℃、より好ましくは60〜80℃の温度で加熱処理工程を行うことが望ましい。
また、加熱処理時間は、結晶性樹脂の結晶化を促進し、トナーの保存安定性を向上させる観点から、1時間以上が好ましく、3時間以上がより好ましく、6時間以上がさらに好ましい。また、トナーの生産性を向上させる観点から、12時間以下が好ましく、8時間以下がさらに好ましい。すなわち、これらの観点を総合すると、加熱処理時間は、1〜12時間が好ましく、3〜8時間がより好ましく、6〜8時間がさらに好ましい。なお、この時間は当該温度範囲内(混練物のガラス転移点以上、結晶性樹脂の融点以下)となる累計の時間である。また、トナーの添加剤の分散性を維持する観点から、加熱処理工程の開始から終了までに当該温度範囲の上限値を超えないことが好ましい。
本発明では、加熱処理工程を、前記温度で、かつ前記時間行うことにより、混練物中の樹脂の再配列を促し、一旦低下したガラス転移点の回復によりトナーの保存安定性がより顕著に向上するものと推定される。さらに、可塑部分、即ち低ガラス転移点の部分は、粉砕の際、衝撃を吸収しやすく、粉砕効率の低下の原因となるが、本発明では、粉砕工程前に加熱処理工程を行うことにより、可塑化が抑制されるため、粉砕性も向上させることができる。
加熱処理工程には、オーブン等を用いることができる。例えば、オーブンを用いる場合、混練物をオーブン内で、一定温度に保持することにより、加熱処理工程を行うことができる。
加熱処理工程を行う態様は特に限定されないが、例えば、
態様1:混練工程後、粉砕工程で混練物を粉砕し、粉砕された混練物を前記加熱処理条件下に保持する態様、
態様2:混練工程後、得られた混練物を冷却する過程で、混練物を前記加熱処理条件下に保持し、次いで粉砕可能な硬度に達するまでさらに冷却し、粉砕工程等の次の工程に供する態様、
態様3:混練工程後、得られた混練物を粉砕可能な硬度まで一旦冷却した後、冷却した混練物を前記加熱処理工程に供し、次いで混練物を再び冷却し、粉砕工程等の次の工程に供する態様
等が挙げられる。本発明ではいずれの態様で加熱処理工程を行ってもよいが、トナー中の添加剤の分散性を維持する観点から、態様3が好ましい。
本発明は粉砕工程において製造中間体は無機微粒子と混合して粉砕を行ってもよい。例えば、シリカと製造中間体を混合し粉砕してもよい。
粉砕工程は、多段階に分けて行ってもよい。例えば、加熱処理工程後の加熱処理物を、1〜5mm程度に粗粉砕した後、さらに所望の粒径に微粉砕してもよい。
粉砕工程に用いられる粉砕機は特に限定されないが、例えば、粗粉砕に好適に用いられる粉砕機としては、アトマイザー、ロートプレックス等が、微粉砕に好適に用いられる粉砕機としては、ジェットミル、衝突板式ミル、回転型機械ミル等が挙げられる。
分級工程に用いられる分級機としては、風力分級機、慣性式分級機、篩式分級機等が挙げられる。分級工程の際、粉砕が不十分で除去された粉砕物は再度粉砕工程に供してもよい。
本発明により得られるトナーの体積中位粒径(D50)は、トナーの画質品質を向上させる観点から、3.0〜12μmが好ましく、3.5〜10μmがより好ましく、4〜9μmがさらに好ましい。なお、本明細書において、体積中位粒径(D50)とは、体積分率で計算した累積体積頻度が粒径の小さい方から計算して50%になる粒径を意味する。
本発明のトナーは、粉砕、分級工程後、さらにシリカ等の無機微粒子や、ポリテトラフルオロエチレン等の樹脂微粒子等の外添剤と混合する工程を含む方法により得られるものであってもよい。
外添剤としてはシリカが好ましい。平均粒径の異なる2種以上のシリカを併用することがより好ましく、平均粒子径が20nm未満のシリカと20nm以上のシリカを、90/10〜10/90の重量比で併用することがさらに好ましい。
粉砕物や分級工程後に得られたトナー粒子と外添剤との混合には、回転羽根等の攪拌具を有する攪拌装置を用いることが好ましく、より好適な攪拌装置として、ヘンシェルミキサーが挙げられる。
本発明のトナーは、そのまま一成分現像用トナーとして、又はキャリアと混合して用いられる二成分現像用トナーとして、それぞれ一成分現像方式又は二成分現像方式の画像形成装置に用いることができる。
〔樹脂の軟化点〕
フローテスター(島津製作所、CFT-500D)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押出す。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
〔樹脂の吸熱の最高ピーク温度及び融点〕
示差走査熱量計(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製、Q-100)を用いて、試料0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、室温から降温速度10℃/分で0℃まで冷却しそのまま1分間静止させた。その後、昇温速度50℃/分で測定した。観測される吸熱ピークのうち、最も高温側にあるピークの温度を吸熱の最高ピーク温度とした。最高ピーク温度が軟化点と20℃以内の差であれば、そのピーク温度を融点とする。
〔非晶質樹脂及び混練物のガラス転移点〕
示差走査熱量計(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製、Q-100)を用いて、試料を0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、昇温速度10℃/分200℃まで昇温して測定した。吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度をガラス転移点とする。
〔結晶性樹脂(複合樹脂)のガラス転移点〕
示差走査熱量計(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製、Q-100)を用いて、試料を0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、200℃まで昇温し、その温度から降温速度100℃/分で-80℃まで冷却した。次に試料を昇温速度1℃/分でモジュレーティッドモードにて測定した。リバースヒートフロー曲線の吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度をガラス転移点とする。
〔樹脂の酸価〕
JIS K0070の方法により測定する。但し、測定溶媒のみJIS K0070の規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更する。
〔離型剤の融点〕
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で昇温し、融解熱の最大ピーク温度を融点とする。
〔トナーの体積中位粒径(D50)〕
測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)
アパチャー径:100μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマンコールター社製)
電解液:アイソトンII(ベックマンコールター社製)
分散液:エマルゲン109P(花王社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB:13.6)を5重量%の濃度となるよう前記電解液に溶解させる。
分散条件:前記分散液5mlに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、前記電解液25mlを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させて、試料分散液を調製する。
測定条件:前記電解液100mlに、3万個の粒子の粒径を20秒間で測定できる濃度となるように、前記試料分散液を加え、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求める。
〔外添剤の平均粒子径〕
走査型電子顕微鏡(SEM)写真から500個の粒子の粒径(長径と短径の平均値)を測定し、それらの平均値を平均一次粒子径とする。
[結晶性樹脂の製造例1]
表1に示す両性反応モノマーであるアクリル酸以外の縮重合系樹脂成分の原料モノマーを所定量、窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した10リットル容の四つ口フラスコに入れ160℃に加熱し、溶解させた。予め混合したスチレン、ジクミルパーオキサイド及びアクリル酸の溶液を滴下ロートにより1時間かけて滴下した。170℃に保持したまま1時間攪拌を続け、スチレン及びアクリル酸を重合させた後、2-エチルヘキサン酸錫(II)40g、没食子酸3gを加えて210℃に昇温し8時間反応を行った。さらに8.3kPaにて1時間反応を行い、結晶性の複合樹脂(樹脂A)を得た。得られた樹脂Aの樹脂物性を表1に示す。
Figure 2012008529
[結晶性樹脂の製造例2]
1,6-ヘキサンジオール870g、1,4-ブタンジオール1575g、フマル酸 2950g、ハイドロキノン 2g、2-エチルヘキサン酸錫(II) 40g、及び没食子酸3gを、窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、160℃で5時間かけて反応させ、さらに200℃に昇温して1時間反応を行った。さらに8.3kPaにて軟化点が112℃になるまで反応を行い、結晶性ポリエステル(樹脂B)を得た。得られた樹脂Bの軟化点は112℃、吸熱の最高ピーク温度は110℃及び[軟化点/吸熱の最高ピーク温度]の値は1.02であった。
[結晶性樹脂の製造例3]
表1に示す量の原料と用いた以外は結晶性樹脂の製造例1と同様に行い、結晶性の複合樹脂(樹脂C〜E)を得た。得られた樹脂C〜Eの樹脂物性を表1に示す。
[非晶質樹脂の製造例1]
1,2-プロパンジオール1368g、テレフタル酸2151g、テトラプロペニル無水コハク酸482g及び酸化ジブチル錫4gを100℃の熱水を通水した蒸留塔を装備した脱水管、窒素導入管、攪拌機及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、180℃から230℃まで8時間かけて昇温し、反応させた。さらに、8.3kPaにて1時間反応させた後、無水トリメリット酸346gを添加し、220℃、40kPaにて、軟化点が130℃に達するまで反応させて非晶質ポリエステル(樹脂a)を得た。樹脂aのガラス転移点は65℃、軟化点は130℃、吸熱の最高ピーク温度は69℃、[軟化点/吸熱の最高ピーク温度]の値は1.9、酸価は32.7mgKOH/gであった。
[非晶質樹脂の製造例2]
1.3-プロパンジオール152g、2.3-ブタンジオール1620g、イソフタル酸1992g及び酸化ジブチル錫4gを100℃の熱水を通水した蒸留塔を装備した脱水管、窒素導入管、攪拌機及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、180℃から230℃まで8時間かけて昇温し、反応させた。さらに、8.3kPaにて1時間反応させた後、無水トリメリット酸499gを添加し、220℃、40kPaにて軟化点が142℃に達するまで反応させて非晶質ポリエステル(樹脂b)を得た。樹脂bのガラス転移点は64℃、軟化点は142℃、吸熱の最高ピーク温度は70℃、[軟化点/吸熱の最高ピーク温度]の値は2.0、酸価は11.3mgKOH/gであった。
[非晶質樹脂の製造例3]
エチレングリコール495g、ネオペングリコール795g、テレフタル酸2205g及び酸化ジブチル錫4gを100℃の熱水を通水した蒸留塔を装備した脱水管、窒素導入管、攪拌機及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、180℃から230℃まで8時間かけて昇温し、反応させた。さらに、8.3kPaにて1時間反応させた後、無水トリメリット酸300gを添加し、220℃、40kPaにて、軟化点が132℃に達するまで反応させて非晶質ポリエステル(樹脂c)を得た。樹脂cのガラス転移点は66℃、軟化点は132℃、吸熱の最高ピーク温度は70℃、[軟化点/吸熱の最高ピーク温度]の値は1.9、酸価は28.8mgKOH/gであった。
[非晶質樹脂の製造例4]
テレフタル酸1660g、イソフタル酸1660g、ポリオキシプロピレン(2,2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン2800g,エチレングリコール744g及びオクチル酸錫(2-エチルヘキサン酸錫(II))10gを100℃の熱水を通水した蒸留塔を装備した脱水管、窒素導入管、攪拌機及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、180℃から230℃まで8時間かけて昇温し、230℃にて常圧下で5時間エステル化反応を行った。次に、240℃で真空度が0.133kPaになるまで40分かけて徐々に減圧し、軟化点が122℃に達するまで反応させて非晶質ポリエステル(樹脂d)を得た。樹脂dのガラス転移点は63℃、軟化点は122℃、吸熱の最高ピーク温度は68℃、[軟化点/吸熱の最高ピーク温度]の値は1.8、酸価は20.2mgKOH/gであった。
[非晶質樹脂の製造例5]
ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン 3486g、ポリオキシエチレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン 3240g、テレフタル酸1881g、テトラプロペニル無水コハク酸 269g、2-エチルヘキサン酸錫(II)30g及び没食子酸 2gを、窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した10リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、230℃で反応率が90%に達するまで反応させた後、8.3kPaにて1時間反応させた。次に、無水トリメリット酸 789gを投入し、220℃にて軟化点が122℃に達するまで反応を行い、非晶質ポリエステル(樹脂e)を得た。樹脂eのガラス転移点は64℃、軟化点は122℃、吸熱の最高ピーク温度は65℃、[軟化点/吸熱の最高ピーク温度]の値は1.9、酸価は18.9mgKOH/gであった。なお、反応率とは、生成反応水量/理論生成水量×100の値をいう。
[非晶質樹脂の製造例6]
1,2-プロパンジオール2169g、テレフタル酸3362g、2-エチルヘキサン酸錫(II)30.3g及び没食子酸3.0gを100℃の熱水を通水した蒸留塔を装備した脱水管、窒素導入管、攪拌機及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、180℃から230℃まで8時間かけて昇温し、反応させた。さらに、8.3kPaにて1時間反応させた後、無水トリメリット酸528gを添加し、220℃、40kPaにて、軟化点が148℃に達するまで反応させて非晶質ポリエステル(樹脂f)を得た。樹脂fのガラス転移点は70℃、軟化点は148℃、吸熱の最高ピーク温度は80℃、[軟化点/吸熱の最高ピーク温度]の値は1.9、酸価は9.3mgKOH/gであった。
[非晶質樹脂の製造例7]
1,2-プロパンジオール1918g、テレフタル酸3187g、2-エチルヘキサン酸錫(II)26.4g及び没食子酸2.6gを100℃の熱水を通水した蒸留塔を装備した脱水管、窒素導入管、攪拌機及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、180℃から230℃まで8時間かけて昇温し、反応させた。さらに、8.3kPaにて1時間反応させた後、無水トリメリット酸161gを添加し、220℃、40kPaにて、軟化点が112℃に達するまで反応させて非晶質ポリエステル(樹脂g)を得た。樹脂gのガラス転移点は67℃、軟化点は112℃、吸熱の最高ピーク温度は75℃、[軟化点/吸熱の最高ピーク温度]の値は1.5、酸価は4.9mgKOH/gであった。
[実施例A1〜A8及び比較例A1〜A4]
表2に示す所定量の非晶質樹脂、結晶性樹脂、及び負帯電性荷電制御剤「ボントロン E-304」(オリエント化学社製)0.2重量部、カルナウバワックスC1(加藤洋行社製、融点:88℃)3重量部、パラフィンワックス「HNP-9」(日本精鑞社製、融点:75℃)3重量部、及び着色剤「ECB-301」(大日精化社製、フタロシアニンブルー(P.B.15:3))4.5重量部を、ヘンシェルミキサーを用いて1分間混合後、以下に示す条件で溶融混練した。
連続式二本オープンロール型混練機「ニーデックス」(三井鉱山社製、ロール外径:14cm、有効ロール長:80cm)を使用した。連続式二本オープンロール型混練機の運転条件は、高回転側ロール(フロントロール)周速度75r/min(32.97m/min)、低回転側ロール(バックロール)周速度50r/min(21.98m/min)、混練物供給口側端部のロール間隙0.1mmであった。ロール内の加熱媒体温度及び冷却媒体温度は、高回転側ロールの原料投入側が135℃及び混練物排出側が90℃であり、低回転側ロールの原料投入側が35℃及び混練物排出側が35℃であった。また、原料混合物の供給速度は10kg/時間、平均滞留時間は約10分間であった。
上記で得られた混練物を冷却ロールで圧延し、20℃以下に冷却した後、オーブン内で、70℃で12時間加熱処理を行った。
加熱処理後の加熱処理物を30℃まで冷却し、ロートプレックス(東亜機械社製)で3mmに粗粉砕し、その後、流動槽式ジェットミル「AFG-400」(ホソカワアルピネ社製)で粉砕し、ローター式分級機「TTSP」(ホソカワアルピネ社製)で分級して、体積中位粒径(D50)が8.0μmのトナー母粒子を得た。そのトナー母粒子100重量部に疎水性シリカ「RY50」(日本アエロジル社製、平均粒子径40nm)1.0重量部、疎水性シリカ「R972」(日本アエロジル社製、平均粒子径16nm)0.5重量部をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)にて1500r/min(16m/sec)で1分間混合し、負帯電性のトナーを得た。
[実施例A9及び比較例A5、A6]
表2に示す所定量の非晶質樹脂、結晶性樹脂、及び正帯電性荷電制御剤「FCA-201」(藤倉化成社製)3重量部、「ボントロンP-51」(オリエント化学社製)1重量部、カルナウバワックスC1(加藤洋行社製、融点:88℃)3重量部、パラフィンワックス「HNP-9」(日本精鑞社製、融点:75℃)3重量部、及び着色剤「ECB-301」(大日精化社製、フタロシアニンブルー(P.B.15:3))7.0重量部を、ヘンシェルミキサーを用いて1分間混合後、以下に示す条件で溶融混練した。
連続式二本オープンロール型混練機「ニーデックス」(三井鉱山社製、ロール外径:14cm、有効ロール長:80cm)を使用した。連続式二本オープンロール型混練機の運転条件は、高回転側ロール(フロントロール)周速度75r/min(32.97m/min)、低回転側ロール(バックロール)周速度50r/min(21.98m/min)、混練物供給口側端部のロール間隙0.1mmであった。ロール内の加熱媒体温度及び冷却媒体温度は、高回転側ロールの原料投入側が135℃及び混練物排出側が90℃であり、低回転側ロールの原料投入側が35℃及び混練物排出側が35℃であった。また、原料混合物の供給速度は10kg/時間、平均滞留時間は約10分間であった。
上記で得られた混練物を冷却ロールで圧延し、20℃以下に冷却した後、オーブン内で、70℃で12時間加熱処理を行った。
加熱処理後の加熱処理物を30℃まで冷却し、ロートプレックス(東亜機械社製)で3mmに粗粉砕し、その後、粗粉砕品100重量部に対し、正帯電性シリカ「REA90」(日本アエロジル社製、平均粒子径20nm)を1.0重量部ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)にて1200r/minにて1分間混合し、流動槽式ジェットミル「AFG-400」(ホソカワアルピネ社製)で粉砕し、ローター式分級機「TTSP」(ホソカワアルピネ社製)で分級して、体積中位粒径(D50)が8.0μmのトナー母粒子を得た。そのトナー母粒子100重量部に疎水性シリカ「NA50H」(日本アエロジル社製、平均粒子径40nm)1.0重量部、疎水性シリカ「RA200HS」(日本アエロジル社製、平均粒子径12nm))0.5重量部をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)にて1500r/min(16m/sec)で1分間混合し、正帯電性のトナーを得た。
試験例1[画像濃度ムラ]
有機感光体(OPC)を備えた非磁性一成分現像装置「OKI MICROLINE 5400」(沖データ社製)に実施例A1〜A8及び比較例A1〜A4のトナーを実装し、25℃/50%RH環境下に12時間放置した。放置した後、A4用紙縦送りでベタ画像を印字した。ベタ画像の上部から1cmの部分と、A4用紙中央部分の画像濃度を色差計「X-Rite」(X-Rite社製)にて測定した。上部の画像濃度と中央部の画像濃度の差(上部の画像濃度−中央部の画像濃度)を画像濃度ムラの指標とした。絶対値が小さいほど、画像濃度ムラが抑制されている。結果を表2に示す。
また、有機感光体(OPC)を備えた非磁性一成分現像装置「HL-2040」(ブラザー工業社製)に、実施例A9、比較例A5、A6のトナーを実装したこと以外は、同様にして行い、画像濃度ムラを測定した。結果を表2に示す。
試験例2[保存安定性]
トナー10gを200ml容のポリ瓶に投入し、温度55℃、湿度60%の環境下で48時間放置したのち、75μm目開きの篩でパウダーテスタ(ホソカワミクロン社製)を用い、1mmの振幅で10秒間篩を行い、篩上に残ったトナー量を測定した。測定値を保存安定性の指標とした。値が小さいほど、保存安定性に優れる。結果を表2に示す。
試験例3[低温定着性]
非磁性一成分現像装置「OKI MICROLINE 5400」(沖データ社製)に実施例A1〜A8及び比較例A1〜A4のトナーを実装し、トナー付着量を0.50mg/cm2に調整して、30mm×80mmのベタ画像をXerex L紙に印字した。定着機を通過する前にベタ画像を取りだして未定着画像を得た。得られた未定着画像を「OKI MICROLINE 3010」(沖データ社製)の定着機を外部に取り出した外部定着機にて、定着ロールの温度を100℃に設定し、100mm/secの定着速度で定着させた。その後、定着ロール温度を105℃に設定し、同様の操作を行った。これを200℃まで5℃ずつ上昇させながら行った。
底面が20mm×20mmの500gの重りに白紙(Xerex L紙)を巻き付け、各温度で定着させたベタ画像の部分に置き、14cmの幅にて20往復させた。その後、べた画像の擦られた部分と擦られていない部分の画像濃度をそれぞれ反射濃度計「RD-915」(マクベス社製)を用いて測定し、画像濃度比[擦られた部分の画像濃度/擦られていない部分の画像濃度×100]を求めた。画像濃度比が70%以上である最も低い温度を最低定着温度とした。結果を表2に示す。
また、非磁性一成分現像装置「HL-2040」(ブラザー工業社製)に、実施例A9、比較例A5、A6のトナーを実装したこと以外は、同様にして行い、最低定着温度を測定した。結果を表2に示す。
Figure 2012008529
表2に示すように、非晶質樹脂が芳香族アルコールを主成分とする非晶質ポリエステルである比較例A1及びA6のトナー、結晶性樹脂が結晶性ポリエステルである比較例A3、A4及びA5のトナー、非晶質樹脂が芳香族アルコールを主成分とする非晶質ポリエステルであり、結晶性樹脂が結晶性ポリエステルである比較例A2のトナーに比べ、脂肪族アルコールを主成分とする非晶質ポリエステルと、炭素数2〜10の脂肪族ジオールを含有したアルコール成分と芳香族ジカルボン酸化合物を含有したカルボン酸成分とを縮重合させて得られる縮重合系樹脂成分と、スチレン系樹脂成分とを含む結晶性複合樹脂を含有した実施例A1〜A9のトナーは、画像濃度ムラが抑制され、低温定着性、保存安定性に優れる。
[実施例B1〜B8及び比較例B1〜B4]
表3に示す所定量の非晶質樹脂、結晶性樹脂、及び負帯電性荷電制御剤「ボントロン E-304」(オリエント化学社製)0.2重量部、カルナウバワックスC1(加藤洋行社製、融点:88℃)3重量部、パラフィンワックス「HNP-9」(日本精鑞社製、融点:75℃)3重量部、及び着色剤「ECB-301」(大日精化社製、フタロシアニンブルー(P.B.15:3))4.5重量部を、ヘンシェルミキサーを用いて1分間混合後、以下に示す条件で溶融混練した。
連続式二本オープンロール型混練機「ニーデックス」(三井鉱山社製、ロール外径:14cm、有効ロール長:80cm)を使用した。連続式二本オープンロール型混練機の運転条件は、高回転側ロール(フロントロール)周速度75r/min(32.97m/min)、低回転側ロール(バックロール)周速度50r/min(21.98m/min)、混練物供給口側端部のロール間隙0.1mmであった。ロール内の加熱媒体温度及び冷却媒体温度は、高回転側ロールの原料投入側が135℃及び混練物排出側が90℃であり、低回転側ロールの原料投入側が35℃及び混練物排出側が35℃であった。また、原料混合物の供給速度は10kg/時間、平均滞留時間は約10分間であった。
上記で得られた混練物を冷却ロールで圧延し、20℃以下に冷却した後、オーブン内で、70℃にて表3に示す所定の時間(実施例B1〜B4及び比較例B1〜B4については、1、3、6、12、24時間、実施例B5〜B8については、1、12時間)、加熱処理を行った。
各時間で加熱処理後の加熱処理物を30℃まで冷却し、ロートプレックス(東亜機械社製)で3mmに粗粉砕し、その後、流動槽式ジェットミル「AFG-400」(ホソカワアルピネ社製)で粉砕し、ローター式分級機「TTSP」(ホソカワアルピネ社製)で分級して、体積中位粒径(D50)が8.0μmのトナー母粒子を得た。そのトナー母粒子100重量部に疎水性シリカ「RY50」(日本アエロジル社製、平均粒子径40nm)1.0重量部、疎水性シリカ「R972」(日本アエロジル社製、平均粒子径16nm)0.5重量部をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)にて1500r/min(16m/sec)で1分間混合し、負帯電性のトナーを得た。
[実施例B9及び比較例B5]
表3に示す所定量の非晶質樹脂、結晶性樹脂、及び正帯電性荷電制御剤「FCA-201」(藤倉化成社製)3重量部、「ボントロンP-51」(オリエント化学社製)1重量部、カルナウバワックスC1(加藤洋行社製、融点:88℃)3重量部、パラフィンワックス「HNP-9」(日本精鑞社製、融点:75℃)3重量部、及び着色剤「ECB-301」(大日精化社製、フタロシアニンブルー(P.B.15:3))7.0重量部を、ヘンシェルミキサーを用いて1分間混合後、以下に示す条件で溶融混練した。
連続式二本オープンロール型混練機「ニーデックス」(三井鉱山社製、ロール外径:14cm、有効ロール長:80cm)を使用した。連続式二本オープンロール型混練機の運転条件は、高回転側ロール(フロントロール)周速度75r/min(32.97m/min)、低回転側ロール(バックロール)周速度50r/min(21.98m/min)、混練物供給口側端部のロール間隙0.1mmであった。ロール内の加熱媒体温度及び冷却媒体温度は、高回転側ロールの原料投入側が135℃及び混練物排出側が90℃であり、低回転側ロールの原料投入側が35℃及び混練物排出側が35℃であった。また、原料混合物の供給速度は10kg/時間、平均滞留時間は約10分間であった。
上記で得られた混練物を冷却ロールで圧延し、20℃以下に冷却した後、オーブン内で、70℃にて表3に示す所定の時間(1、12時間)、加熱処理を行った。
加熱処理後の加熱処理物を30℃まで冷却し、ロートプレックス(東亜機械社製)で3mmに粗粉砕し、その後、粗粉砕品100重量部に対し、正帯電性シリカ「REA90」(日本アエロジル社製、平均粒子径20nm)を1.0重量部ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)にて1200r/minにて1分間混合し、流動槽式ジェットミル「AFG-400」(ホソカワアルピネ社製)で粉砕し、ローター式分級機「TTSP」(ホソカワアルピネ社製)で分級して、体積中位粒径(D50)が8.0μmのトナー母粒子を得た。そのトナー母粒子100重量部に疎水性シリカ「NA50H」(日本アエロジル社製、平均粒子径40nm)1.0重量部、疎水性シリカ「RA200HS」(日本アエロジル社製、平均粒子径12nm)0.5重量部をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)にて1500r/min(16m/sec)で1分間混合し、正帯電性のトナーを得た。
試験例4
得られた各トナーのガラス転移点と保存安定性を測定した。保存安定性は試験例2と同様にして評価した。結果を表3に示す。
Figure 2012008529
表3に示すように、脂肪族アルコールを主成分とする非晶質ポリエステルと、縮重合系樹脂成分とスチレン系樹脂成分とを含む結晶性複合樹脂を含有した実施例B1〜B9のトナーは、1〜6時間という短時間の熱処理でも、Tgが早く回復し、保存安定性が良好であり、トナーの生産性に優れる。一方、非晶質樹脂が芳香族アルコールを主成分とする非晶質ポリエステルであり、結晶性樹脂が結晶性ポリエステルである比較例B1のトナー、結晶性樹脂が結晶性ポリエステルである比較例B2〜B5のトナーでは、熱処理による結晶の回復が遅く、12〜24時間という長時間の熱処理を行っても、十分な保存安定性は得られていない。
試験例5
実施例B1において、混練物を冷却ロールで圧延し、20℃以下に冷却した後、加熱処理を行わない(0時間)で得たトナー、加熱処理を6時間、12時間行ったトナーについて、画像濃度ムラ及び低温定着性を測定した。画像濃度ムラは試験例1と同様に、低温定着性は試験例3と同様に行い評価した。結果を表4に示す。
Figure 2012008529
表4に示すように、いずれのトナーも画像濃度ムラ及び低温定着性に優れている。従って、画像濃度ムラ及び低温定着性は、熱処理の時間に関係なく優れていることがわかる。
本発明のトナーは、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像等に好適に用いられる。

Claims (6)

  1. 結着樹脂と着色剤を含有するトナーであって、該結着樹脂が結晶性樹脂と非晶質樹脂とからなり、該結晶性樹脂が炭素数2〜10の脂肪族ジオールを含有したアルコール成分と芳香族ジカルボン酸化合物を含有したカルボン酸成分とを縮重合させて得られる縮重合系樹脂成分と、スチレン系樹脂成分とを含む複合樹脂を含有し、該非晶質樹脂が脂肪族ジオールを60モル%以上含有するアルコール成分とカルボン酸成分とから得られるポリエステルを含有するトナー。
  2. 複合樹脂における縮重合系樹脂成分とスチレン系樹脂成分との重量比(縮重合系樹脂成分/スチレン系樹脂成分)が50/50〜95/5である請求項1記載のトナー。
  3. 結晶性樹脂と非晶質樹脂の重量比(結晶性樹脂/非晶質樹脂)が5/95〜40/60である請求項1又は2記載のトナー。
  4. 複合樹脂が、(イ)炭素数2〜10の脂肪族ジオールを含有したアルコール成分と芳香族ジカルボン酸化合物を含有したカルボン酸成分とを含む、縮重合系樹脂成分の原料モノマー、(ロ)スチレン系樹脂成分の原料モノマー、及び(ハ)縮重合系樹脂成分の原料モノマー及びスチレン系樹脂成分の原料モノマーのいずれとも反応し得る両反応性モノマーを重合させることにより得られる樹脂である、請求項1〜3いずれか記載のトナー。
  5. 少なくとも結着樹脂と着色剤とを溶融混練し混練物を得る工程(工程1)、及び工程1で得られた混練物を加熱処理する工程(工程2)を含む製造方法によって得られる、請求項1〜4いずれか記載のトナー。
  6. 少なくとも結着樹脂と着色剤とを溶融混練し混練物を得る工程(工程1)、及び工程1で得られた混練物を加熱処理する工程(工程2)を含む、トナーの製造方法であって、該結着樹脂が結晶性樹脂と非晶質樹脂とからなり、該結晶性樹脂が炭素数2〜10の脂肪族ジオールを含有したアルコール成分と芳香族ジカルボン酸化合物を含有したカルボン酸成分とを縮重合させて得られる縮重合系樹脂成分と、スチレン系樹脂成分とを含む複合樹脂を含有し、該非晶質樹脂が脂肪族ジオールを60モル%以上含有するアルコール成分とカルボン酸成分とから得られるポリエステルを含有する、トナーの製造方法。
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