JP5586422B2 - 液体現像剤の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式の複写機、プリンター等の画像形成装置に用いられる液体現像剤の製造方法に関する。
電子写真用現像剤には、着色剤及び結着樹脂を含む材料からなるトナーを乾式状態で用いる乾式現像剤と、トナーが絶縁性の担体液中に分散した液体現像剤がある。
液体現像剤は、トナーの小粒径化が可能であることから画質の面で優れているが、近年、高画質化への要求が高まっていることから、液体現像剤においても、さらにトナーの小粒径化が求められている。
小粒径のトナー粒子を有する液体現像剤の製造方法としては、水系液体で構成された水系分散媒中にトナー用材料で構成された分散質が分散した水系乳化液と、高絶縁性液体と1,2-ヒドロキシステアリン酸メチルを混合し、水系分散媒を除去する方法により、トナー粒子の平均粒子径が1.6〜4.2μm、トナー粒子の含有量が約3重量%である絶縁性液体が得られることが開示されている(特許文献1参照)。
また、水系乳化液中の分散質を会合させた後、水洗、乾燥を行って得られた会合粒子(トナー粒子)を、ポリアミン脂肪族縮重合体の分散剤を添加した絶縁性液体中で解砕する方法により、トナー粒子の平均粒子径が1.2〜1.8μm、トナー粒子の含有量が16.6重量%である絶縁性液体が得られることが開示されている(特許文献2参照)。
また、水系媒体中でトナー母粒子の表面をポリカルボン酸塩で化学修飾した後、さらにポリアルキレンイミンで化学修飾し、乾燥して得られたトナー粒子を、絶縁性液体中に分散させる方法により、トナー粒子の平均粒子径が1.95μm、トナー粒子の含有量が20重量%である絶縁性液体が得られることが開示されている(特許文献3参照)。
特開2006−195010号公報 特開2008−102292号公報 特開2010−060931号公報
しかしながら、小粒径トナー粒子を高濃度で含む液体現像剤を得るためには、特許文献1に開示された方法では、水系分散媒から絶縁性液体に溶媒を置換する際に凝集が起こり、トナー粒径が大きくなるために画質が悪化してしまうという問題がある。また、特許文献2、3に開示された方法では、水系媒体中で小粒径にした粒子を乾燥させるため、再度、絶縁性液体中で湿式粉砕する必要があり、現像剤の粘度が高くなり、現像性が悪化するという問題や、生産に必要なエネルギーが大きく、生産に長時間要するという問題がある。
本発明の課題は、水系分散媒中に分散したトナー粒子の溶媒を絶縁性液体に置換する際に、トナー粒子の凝集を抑制し、小粒径のトナー粒子を高濃度で含有し、粘度の低い液体現像剤の製造方法を提供することにある。
本発明は、
工程1:水系分散媒に、樹脂と顔料とを含有したトナー粒子が分散した水系トナー粒子分散液を得る工程、
工程2:工程1で得られた水系トナー粒子分散液と水系分散剤を混合する工程、
工程3:工程2で得られた混合液、絶縁性液体、及び油中分散剤を混合する工程、並びに
工程4:工程3で得られた混合液から水系分散媒を除去する工程
を含む、トナー粒子が絶縁性液体中に分散してなる液体現像剤の製造方法であって、前記水系分散剤がポリカルボン酸アミン塩であり、前記油中分散剤がポリイミンとカルボン酸の縮合物であり、液体現像剤中の、トナー粒子の含有量が10〜40重量%、トナー粒子の体積中位粒径が0.03〜2.5μmである液体現像剤の製造方法
に関する。
本発明の液体現像剤の製造方法は、水系分散媒中に分散したトナー粒子の溶媒を絶縁性液体に置換して液体現像剤を得る際に、トナー粒子の凝集を抑制し、小粒径のトナー粒子を高濃度で含有し、粘度の低い液体現像剤を得ることができるという効果を有するものである。さらに、水系分散媒中で作製したトナー粒子を乾燥後、絶縁性液体中で湿式粉砕することなく、直接絶縁性液体へと置換するため、エネルギー及び生産時間の点で効率よく小粒径のトナー粒子を得ることができる。
本発明は、
工程1:水系分散媒にトナー粒子が分散した水系トナー粒子分散液を得る工程、
工程2:工程1で得られた水系トナー粒子分散液と水系分散剤を混合する工程、
工程3:工程2で得られた混合液と絶縁性液体、及び油中分散剤を混合する工程、並びに
工程4:工程3で得られた混合液から水系分散媒を除去する工程
を含み、水系分散剤としてポリカルボン酸アミン塩、油中分散剤としてポリイミンとカルボン酸の縮合物を用いて、トナー粒子が絶縁性液体中に分散した液体現像剤を製造する方法であり、液体現像剤中の、トナー粒子の含有量が10〜40重量%、トナー粒子の体積中位粒径が0.03〜2.5μmである液体現像剤を得ることができるという優れた効果を奏するものである。
このような効果を奏する理由はさだかではないが、以下のように考えられる。
一般的に、水系分散剤と油中分散剤を併用すると、水系分散剤と油中分散剤の相互作用により、粒子同士の凝集を引き起こす。しかし、本発明の方法により得られる液体現像剤は、特定の構造の水系分散剤及び油中分散剤を併用して得られるために、水系分散剤と油中分散剤がそれぞれの機能を阻害することなく、水系分散媒から絶縁性液体に溶媒組成が変化していくなかで、いかなる溶媒組成においてもトナー粒子の凝集を抑制することができ、小粒径のトナー粒子が分散した液体現像剤が得られる。
<工程1>
工程1は、水系分散媒にトナー粒子が分散した水系トナー粒子分散液を得る工程である。
水系分散媒にトナー粒子が分散した水系トナー粒子分散液(以下、水系トナー粒子分散液という)は、水系分散媒中に、少なくとも樹脂と顔料とを含有するトナー粒子が分散したものである。トナー粒子には、顔料、樹脂以外に離型剤、荷電制御剤等が含まれていてもよい。
本発明に用いられる水系分散媒とは、水を主成分とするもの、すなわち、水の含有量が50重量%以上のものである。トナー粒子の凝集を抑制する観点、水系媒体の除去を容易にする観点、及び環境にやさしいという観点から、水性分散媒中の水の含有量は80重量%以上が好ましく、90重量%以上がより好ましく、100重量%がさらに好ましい。水以外の成分としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン等の水に溶解する有機溶媒が挙げられる。
樹脂は、トナー粒子の結着樹脂として用いられている樹脂であれば特に限定されず、例えば、ポリスチレン、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体等のスチレン又はスチレン置換体を含む単重合体又は共重合体であるスチレン系樹脂、ポリエステル、エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェニール樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記樹脂の中では、液体現像剤の定着性を向上させる観点から、ポリエステルが好ましい。ポリエステルは、実質的にポリエステルの特性を損なわない程度に変性されたポリエステルであってもよい。変性されたポリエステルとしては、例えば、特開平11−133668号公報、特開平10−239903号公報、特開平8−20636号公報等に記載の方法によりフェノール、ウレタン、エポキシ等によりグラフト化やブロック化したポリエステルをいう。
本発明において、ポリエステルは、2価以上のアルコールからなるアルコール成分と2価以上のカルボン酸化合物からなるカルボン酸成分とを縮重合することにより得られるものである。
2価のアルコールとしては、炭素数2〜20、好ましくは炭素数2〜15のジオールや、式(I):
Figure 0005586422
(式中、RO及びORはオキシアルキレン基であり、Rはエチレン及び/又はプロピレン基であり、x及びyはアルキレンオキサイドの付加モル数を示し、それぞれ正の数であり、xとyの和の平均値は1〜16が好ましく、1〜8がより好ましく、1.5〜4がさらに好ましい)
で表されるビスフェノールのアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。炭素数2〜20の2価のアルコールとして、具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。
3価以上のアルコールとしては、例えば、炭素数3〜20、好ましくは炭素数3〜10の3価以上の多価アルコールが挙げられる。具体的には、ソルビトール、1,4-ソルビタン、ペンタエリスリトール、グリセロール、トリメチロールプロパン等が挙げられる。
小粒径のトナー粒子を得る観点から、アルコール成分としては、式(I)で表されるビスフェノールのアルキレンオキサイド付加物が好ましい。
2価のカルボン酸化合物としては、炭素数3〜30、好ましくは炭素数3〜20、さらに好ましくは炭素数3〜10のジカルボン酸、及びそれらの酸無水物、アルキル(炭素数1〜8)エステル等の誘導体等が挙げられる。具体的には、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸や、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、炭素数1〜20のアルキル基又はアルケニル基で置換されたコハク酸等の脂肪族ジカルボン酸が挙げられる。
3価以上のカルボン酸化合物としては、炭素数4〜30、好ましくは炭素数4〜20、さらに好ましくは炭素数4〜10の3価以上の多価カルボン酸、及びそれらの酸無水物、アルキル(炭素数1〜8)エステル等の誘導体等が挙げられる。具体的には、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,2,4,5-ベンゼンテトラカルボン酸(ピロメリット酸)等が挙げられる。
小粒径のトナー粒子を得る観点から、カルボン成分としては、フマル酸、テレフタル酸及び無水トリメリット酸が好ましい。
なお、アルコール成分には1価のアルコールが、カルボン酸成分には1価のカルボン酸化合物が、ポリエステルの軟化点を調整する観点から、適宜含有されていてもよい。
ポリエステルは、例えば、アルコール成分とカルボン酸成分とを不活性ガス雰囲気中、必要に応じてエステル化触媒、重合禁止剤等の存在下、180〜250℃程度の温度で縮重合させて製造することができる。
エステル化触媒としては、酸化ジブチル錫、2-エチルヘキサン酸錫(II)等の錫化合物、チタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネート等のチタン化合物等が挙げられる。エステル化触媒の使用量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100重量部に対して、0.01〜1重量部が好ましく、0.1〜0.7重量部がより好ましい。
また、反応時間短縮のために、助触媒を使用してもよい。助触媒としては、没食子酸等が挙げられる。助触媒の使用量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100重量部に対して、0.001〜0.5重量部が好ましく、0.01〜0.3重量部がより好ましい。助触媒と触媒の重量比(助触媒/触媒)は、0.01〜0.5が好ましい。
ポリエステルの軟化点は、液体現像剤の低温定着性を向上させる観点から、160℃以下が好ましく、150℃以下がより好ましい。また、工程4において水系媒体を除去する際にトナー粒子が凝集するのを防止する観点から、70℃以上が好ましく、80℃以上がより好ましい。これらの観点を総合すると、70〜160℃が好ましく、80〜150℃がより好ましい。
ポリエステルのガラス転移点は、液体現像剤の低温定着性を向上させる観点から80℃以下が好ましく、75℃以下がより好ましい。また、工程4において水系媒体を除去する際にトナー粒子が凝集するのを防止する観点から、45℃以上が好ましく、50℃以上がより好ましい。これらの観点を総合すると、45〜80℃が好ましく、50〜75℃がより好ましい。
ポリエステルの酸価は、ポリエステルの水系分散媒への分散性を向上させる観点から、120mgKOH/g以下が好ましく、60mgKOH/g以下がより好ましい。また、液体現像剤の定着性を向上させる観点、及びポリエステルの水系分散媒への分散性を向上させる観点から、1mgKOH/g以上が好ましく、10mgKOH/g以上がより好ましい。これらの観点を総合すると、ポリエステルの酸価は、1〜120mgKOH/gが好ましく、10〜60mgKOH/gがより好ましい。
顔料としては、トナー用着色剤として用いられている顔料のすべてを使用することができ、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントブラウンFG、ブリリアントファーストスカーレット、ピグメントグリーンB、ローダミン−Bベース、ソルベントレッド49、ソルベントレッド146、ソルベントブルー35、キナクリドン、カーミン6B、イソインドリン、ジスアゾエロー等が用いることができる。本発明のトナーは、黒トナー、カラートナーのいずれであってもよい。
顔料の含有量は、液体現像剤の定着性を向上させる観点から、樹脂100重量部に対して、100重量部以下が好ましく、70重量部以下がより好ましい。また、液体現像剤の画像濃度を向上させる観点から、5重量部以上が好ましく、15重量部以上がより好ましい。これらの観点を総合すると、5〜100重量部が好ましく、15〜70重量部がより好ましい。
工程1の水系トナー粒子分散液を得る方法としては、樹脂や顔料とを含有するトナー原料を溶融混練し得られた溶融混練物を水系媒体中で湿式粉砕し分散させる方法、水系樹脂分散液と水系顔料分散液を混合し樹脂粒子と顔料粒子を合一させる方法、及び水系樹脂分散液と顔料を高速攪拌する方法等が挙げられる。水系トナー粒子分散液中のトナー粒子を小粒径化させる観点及び粒度分布を狭くする観点から、水系樹脂分散液と顔料を高速攪拌する方法が好ましい。
水系樹脂分散液を得る方法としては、水系分散媒中で重合性単量体を重合させる方法、有機溶媒中に溶解させた樹脂を水系分散媒中に転相乳化させる方法等が挙げられるが、水系樹脂分散液中の樹脂を小粒径化させる観点及び粒度分布を狭くする観点から、有機溶媒中に溶解させた樹脂を水系分散媒中に転相乳化させる方法が好ましい。特に、ポリエステル樹脂を用いる場合は、有機溶媒中に溶解させた樹脂を水系分散媒中に転相乳化させる方法が好ましい。
有機溶媒中に溶解させた樹脂を水系分散媒中に転相乳化させる方法は、樹脂、例えば、ポリエステルを有機溶媒に溶解させ、中和剤を加えて該ポリエステルのカルボキシル基をイオン化し、次いで水系分散媒を加えた後、有機溶媒を除去して水系に転相する方法が好ましい。
なお、顔料以外のトナー原料、例えば、離型剤、荷電制御剤等を予め樹脂に混合してもよい。
樹脂を溶解させる有機溶媒としては、水系分散媒中に樹脂を分散させる観点から、沸点が水よりも低いものが好ましい。また、ポリエステルの溶解性の観点からケトン系溶媒が好ましい。用いられるケトン系溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルイソプロピルケトン等が挙げられ、ポリエステルの溶解性及び溶媒の除去の容易性の観点から、メチルエチルケトンが好ましい。
水系分散媒としては、水系樹脂分散液の分散性を向上させる観点から脱イオン水が好ましい。
有機溶媒の除去は、有機溶媒中に溶解させた樹脂に水系媒体を添加した後で、顔料との混合前、又は顔料との混合後に行うことができる。
水系樹脂分散液中の樹脂の体積中位粒径(D50W)は、液体現像剤中のトナー粒子の粒子径を小さくする観点から、1μm以下が好ましく、0.5μm以下がより好ましく、0.2μm以下がさらに好ましい。なお、樹脂の体積中位粒径は、後述の実施例に記載の方法により測定される。
水系樹脂分散液中の固形分濃度は、得られる液体現像剤の生産性を向上させる観点から、10重量%以上が好ましく、15重量%以上がより好ましい。また、水系分散媒中への樹脂の分散性を向上させる観点から、45重量%以下が好ましく、40重量%以下がより好ましい。これらの観点を総合すると、10〜45重量%が好ましく、15〜40重量%以下がより好ましい。
また、有機溶媒中に溶解させた樹脂を水系分散媒中に転相乳化させて得られた水系樹脂分散液であって、有機溶媒を除去しない場合であっても、水系樹脂分散液中の固形分濃度は上記の範囲が好ましい。
水系樹脂分散液と顔料とは、攪拌混合装置により高速で攪拌を行いながら混合することが好ましい。その際、離型剤等の他のトナー原料の水系分散液を一緒に混合してもよい。
撹拌混合装置は、特に限定はされないが、工程1の生産性を向上させる観点から、ウルトラディスパー(浅田鉄工社製)、エバラマイルダー(荏原製作所社製)、T.K.ホモミクサー、T.K.ホモディスパー、T.K.ロボミックス(以上、プライミックス社製)、クリアミックス(エム・テクニック社製)、ケイディーミル(キネティック・ディスパージョン社製)等の高速攪拌混合装置が好ましい。
水系樹脂分散液と顔料を高速攪拌混合装置により混合した後、さらに高圧湿式微粒化機により分散するのが好ましい。
高圧湿式微粒化機としては、処理液の流路が固定されたチャンバーを有するもの、処理液の流路の幅を調整しうる均質バルブを有するもの等が挙げられる。処理液の流路が固定されたチャンバーを有する高圧湿式微粒化機としては、マイクロフルイダイザー(マイクロフルイディクス社製)、ナノマイザー(ナノマイザー社製)、アルティマイザー(スギノマシン社製)等が挙げられる。均質バルブを有する高圧湿式微粒化機としては、高圧ホモジナイザー(ラニー社製)、高圧ホモジナイザー(三丸機械工業社製)、高圧ホモゲナイザー(イズミフードマシナリ社製)等が挙げられる。高圧で処理することにより、樹脂の顔料に対する吸着状態が変化し、安定にトナー粒子が分散し、結果として液体現像剤の粘度が低下すると考えられる。液体現像剤中のトナー粒子の粒子径を小さくし、液体現像剤の粘度を下げる観点から、処理液の流路が固定されたチャンバーを有する高圧湿式微粒化機が好ましい。
水系樹脂分散液中に有機溶媒が含まれる場合は、顔料との混合後に有機溶媒を除去することにより、水系トナー粒子分散液を得る。有機溶媒の除去は、例えば、水系樹脂分散液と顔料の混合液を加熱する方法や、減圧雰囲気下に置く方法により行うことができるが、樹脂粒子の凝集を抑制する観点から、減圧下で加熱する方法が好ましい。
工程1で得られる水系トナー粒子分散液中のトナー粒子の体積中位粒径(D50W)は、液体現像剤中のトナー粒子の粒子径を小さくする観点から、2μm以下が好ましく、0.5μm以下がより好ましく、0.2μm以下がさらに好ましい。なお、水系トナー粒子分散液中のトナー粒子の平均粒子径は、後述の実施例に記載の方法により測定される。
工程1で得られる水系トナー粒子分散液の粘度は、液体現像剤の粘度を小さくする観点から、300mPa・s以下が好ましく、150mPa・s以下がより好ましい。また、同様の観点から、5mPa・s以上が好ましく、10mPa・s以上がより好ましい。なお、工程1で得られる水系トナー粒子分散液の粘度は、後述の実施例に記載の方法により測定される。
工程1で得られる水系トナー粒子分散液中のトナー粒子の固形分濃度は、得られる液体現像剤の生産性を向上させる観点から、15重量%以上が好ましく、20重量%以上がより好ましい。また、水系トナー粒子分散液中のトナー粒子の分散性を向上させる観点から、50重量%以下が好ましく、45重量%以下がより好ましい。これらの観点を総合すると、水系トナー粒子分散液中のトナー粒子の固形分濃度は、15〜50重量%が好ましく、20〜45重量%以下がより好ましい。
<工程2>
工程2は、工程1で得られた水系トナー粒子分散液と水系分散剤を混合する工程である。
工程2で用いられる水系分散剤は、小粒径のトナー粒子を高濃度で含有し、粘度の低い液体現像剤を得る観点から、ポリカルボン酸アミン塩である。
ポリカルボン酸アミン塩を構成するポリカルボン酸としては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリマレイン酸、ポリフタル酸、アクリル酸/マレイン酸共重合体等が挙げられる。液体現像剤の粘度を下げる観点、液体現像剤中のトナー粒子の分散性を向上させる観点から、ポリアクリル酸が好ましい。
ポリカルボン酸アミン塩を構成するアミンとしては、1級アルキルアミン、2級アルキルアミン、3級アルキルアミン等が挙げられる。液体現像剤の粘度を下げる観点、液体現像剤中のトナー粒子の分散性を向上させる観点から、3級アルキルアミンが好ましい。
ポリカルボン酸とアミンとは等量である必要はなく、ポリカルボン酸が過剰であっても、アミンが過剰であっても良い。
ポリカルボン酸アミン塩の酸価は、液体現像剤の分散性を向上させる観点から、5mgKOH/g以上が好ましく、10mgKOH/g以上がより好ましい。また、液体現像剤中の現像性を向上させる観点から、60mgKOH/g以下が好ましく、40mgKOH/g以下がより好ましく、20mgKOH/g以下がさらに好ましい。これらの観点を総合すると、ポリカルボン酸アミン塩の酸価は、5〜60mgKOH/gが好ましく、10〜40mgKOH/gがより好ましく、10〜20mgKOH/gがさらに好ましい。ポリカルボン酸アミン塩の酸価は、[ポリカルボン酸アミン塩水溶液の酸価]/[ポリカルボン酸アミン塩水溶液の濃度]×100で求められる。
ポリカルボン酸アミン塩のアミン価は、液体現像剤中のトナー粒子の分散性を向上させる観点から、5mgKOH/g以上が好ましく、10mgKOH/g以上がより好ましい。また、液体現像剤の現像性を向上させる観点から、60mgKOH/g以下が好ましく、40mgKOH/g以下がより好ましく、30mgKOH/g以下がさらに好ましい。これらの観点を総合すると、ポリカルボン酸アミン塩のアミン価は、5〜60mgKOH/gが好ましく、10〜40mgKOH/gがより好ましく、10〜30mgKOH/gがさらに好ましい。ポリカルボン酸アミン塩のアミン価は、[ポリカルボン酸アミン塩水溶液のアミン価]/[ポリカルボン酸アミン塩水溶液の濃度]×100で求められる。
ポリアクリル酸アミン塩の具体的な例としては、DISPERBYK-191、DISPERBYK-2010、DISPERBYK-2015(以上、いずれもビックケミー社製)等が挙げられる。
水系分散剤の混合量は、トナー粒子の凝集を抑制する観点から、トナー粒子100重量部に対して、4重量部以上が好ましく、6重量部以上がより好ましい。また、液体現像剤の現像性を向上させる観点から、16重量部以下が好ましく、14重量部以下がより好ましい。これらの観点を総合すると、4〜16重量部が好ましく、6〜14重量部がより好ましい。
水系分散剤の混合方法は、水系トナー粒子分散液中に添加し、攪拌混合装置により攪拌する方法が好ましい。
<工程3>
工程3は、工程2で得られた混合液、絶縁性液体、及び油中分散剤を混合する工程である。
当該工程において、顔料以外のトナー原料、例えば、荷電制御剤等を絶縁性液体に溶解、あるいは分散させて、工程2で得られた混合液、及び油中分散剤と混合してもよい。
絶縁性液体としては、誘電率3.5以下、体積抵抗率107Ωcm以上の液体であればよい。
絶縁性液体の具体例としては、例えば、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、ポリシロキサン等が挙げられる。特に、臭気、無害性及びコストの点から、ノルマルパラフィン系溶媒、イソパラフィン系溶媒等の脂肪族炭化水素が好ましい。具体的には、アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL、アイソパーK(以上、いずれもエクソン化学社製)、シェルゾール71(シェル石油化学社製)、IPソルベント1620、IPソルベント2080(以上、いずれも出光石油化学社製)、モレスコホワイトP-55、モレスコホワイトP-70(以上、いずれも松村石油社製)、コスモホワイトP-60、コスモホワイトP-70(以上、いずれもコスモ石油ルブリカンツ社製)等が挙げられる。
絶縁性液体の25℃における粘度は、液体現像剤の現像性を向上させる観点から、100mPa・s以下が好ましく、50mPa・s以下がより好ましく、20mPa・s以下がさらに好ましい。また、液体現像剤中でのトナー粒子の分散安定性を向上させる観点から、1mPa・s以上が好ましく、3mPa・s以上がより好ましく、5mPa・s以上がさらに好ましい。これらの観点を総合すると、液体現像剤の25℃における粘度は、1〜100mPa・sが好ましく、3〜50mPa・sがより好ましく、5〜20mPa・sがさらに好ましい。なお、絶縁性液体の粘度は、後述の実施例に記載の方法により測定される。
工程3で用いられる油中分散剤は、小粒径のトナー粒子を高濃度で含有し、粘度の低い液体現像剤を得る観点から、ポリイミンとカルボン酸の縮合物である。
ポリイミンとしては、ポリエチレンイミン、ポリプロピレンイミン、ポリブチレンイミン等が挙げられるが、液体現像剤の粘度を下げる観点、液体現像剤中のトナー粒子の分散性を向上させる観点から、ポリエチレンイミンが好ましい。
カルボン酸としては、液体現像剤の粘度を下げる観点、液体現像剤中のトナー粒子の分散性を向上させる観点から、長鎖のカルボン酸が好ましい。長鎖のカルボン酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の飽和脂肪酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の不飽和脂肪酸、メバロン酸、リシノール酸、12-ヒドロキシステアリン酸等のヒドロキシカルボン酸(及びその縮合体)が挙げられる。この中でも、液体現像剤の粘度を下げる観点、液体現像剤中のトナー粒子の分散性を向上させる観点から、ヒドロキシカルボン酸が好ましく、その中でも、12-ヒドロキシステアリン酸がより好ましい。
ポリイミンとカルボン酸の縮合物の酸価は、液体現像剤中のトナー粒子の分散性を向上させる観点から、1mgKOH/g以上が好ましく、5mgKOH/g以上がより好ましい。また、液体現像剤の現像性を向上させる観点から、40mgKOH/g以下が好ましく、20mgKOH/g以下がより好ましい。これらの観点を総合すると、ポリイミンとカルボン酸の縮合物の酸価は、1〜40mgKOH/gが好ましく、5〜20mgKOH/gがより好ましい。ポリイミンとカルボン酸の縮合物の酸価は、[ポリイミンとカルボン酸の縮合物の溶液の酸価]/[ポリイミンとカルボン酸の縮合物の溶液の濃度]×100で求められる。
ポリイミンとカルボン酸の縮合物のアミン価は、液体現像剤中のトナー粒子の分散性を向上させる観点から、50mgKOH/g以上が好ましく、70mgKOH/g以上がより好ましく、90mgKOH/g以上がさらに好ましい。また、液体現像剤の現像性を向上させる観点から、160mgKOH/g以下が好ましく、150mgKOH/g以下がより好ましく、140mgKOH/g以下がさらに好ましい。これらの観点を総合すると、ポリイミンとカルボン酸の縮合物のアミン価は、50〜160mgKOH/gが好ましく、70〜150mgKOH/gがより好ましく、90〜140mgKOH/gがさらに好ましい。ポリイミンとカルボン酸の縮合物のアミン価は、[ポリイミンとカルボン酸の縮合物の溶液のアミン価]/[ポリイミンとカルボン酸の縮合物の溶液の濃度]×100で求められる。
ポリイミンとカルボン酸の縮合物の具体的な例としては、ソルスパース11200、ソルスパース13940(以上、いずれも日本ルーブリゾール社製)等が挙げられる。
油中分散剤の混合量は、液体現像剤の粘度を下げる観点から、トナー粒子100重量部に対して、4重量部以上が好ましく、7重量部以上がより好ましい。また、液体現像剤の現像性を向上させる観点から、23重量部以下が好ましく、20重量部以下がより好ましい。これらの観点を総合すると、4〜23重量部が好ましく、7〜20重量部がより好ましい。
工程2で得られた混合液、絶縁性液体、及び油中分散剤の混合方法としては、油中分散剤をあらかじめ絶縁性液体中に溶解させて工程2で得られた混合液に添加する方法、絶縁性液体と油中分散剤を同時に工程2で得られた混合液に添加する方法等が挙げられるが、トナー粒子の凝集を抑制する観点から、油中分散剤をあらかじめ絶縁性液体中に溶解させて工程2で得られた混合液に添加する方法が好ましく、工程2で得られた混合液を攪拌混合装置により攪拌しながら、油中分散剤を溶解させた絶縁性液体を徐々に滴下する方法が好ましい。
工程3で得られた混合物における油中分散剤と水系分散剤の重量比(油中分散剤/水系分散剤)は、液体現像剤の粒径を小さくする観点、及び液体現像剤の粘度を低減する観点から、90/10〜20/80が好ましく、80/20〜40/60がより好ましく、70/30〜55/45がさらに好ましい。
<工程4>
工程4は、工程3で得られた混合液から水系分散媒を除去する工程である。これにより、トナー粒子が、絶縁性液体中に分散した液体現像剤が得られる。本発明では、水系分散媒中で作製したトナー粒子を乾燥後、絶縁性液体中で湿式粉砕することなく、直接絶縁性液体へと置換するため、エネルギー及び生産時間の点で効率よく小粒径のトナー粒子を得ることができる。また、小粒径のトナー粒子を高濃度で含有し、粘度の低い液体現像剤を得ることができる。
水系分散媒の除去は、例えば、水系トナー粒子分散液と絶縁性液体の混合液を加熱する方法や、減圧雰囲気下に置く方法により行うことができるが、トナー粒子の凝集を抑制する観点から、混合液を減圧下で加熱する方法が好ましい。
混合液を加熱する場合、加熱温度は、溶媒の除去の容易性の観点から、40℃以上が好ましく、50℃以上がより好ましい。また、トナー粒子の凝集を抑制する観点から、80℃以下が好ましく、65℃以下がより好ましい。これらの観点を総合すると、40〜80℃が好ましく、50〜65℃以下がより好ましい。
また、混合液を減圧雰囲気下に置く場合、その圧力は、溶媒の除去の容易性の観点から、45kPa以下が好ましく、35kPa以下がより好ましい。また、トナー粒子の凝集を抑制する観点から、0.5kPa以上が好ましく、1kPa以上がより好ましい。これらの観点を総合すると、0.5〜45kPaが好ましく、1〜35kPaがより好ましい。
以上の工程を経て得られる液体現像剤中のトナー粒子の体積中位粒径(D50O)は、液体現像剤の画質を向上させる観点から、2.5μm以下であり、1.5μm以下が好ましく、0.8μm以下がより好ましく、0.6μm以下がさらに好ましい。また、液体現像剤の生産性を向上させる観点、液体現像剤中でのトナー粒子の分散安定性を向上させる観点から、0.03μm以上であり、0.05μm以上が好ましく、0.1μm以上がより好ましい。これらの観点を総合すると、液体現像剤中のトナー粒子の体積中位粒径(D50O)は、0.03〜2.5μmであり、0.05〜1.5μmが好ましく、0.1〜0.8μmがより好ましく、0.1〜0.6μm以下がさらに好ましい。なお、トナー粒子の体積中位粒径は、後述の実施例に記載の方法により測定される。
本発明の方法ではトナー粒子の凝集を抑制することができるため、小粒径のトナー粒子を高濃度で含有し、粘度の低い液体現像剤を得ることができる。
液体現像剤中のトナー粒子の体積中位粒径(D50O)と、工程1で得られる水系トナー粒子分散液中のトナー粒子の体積中位粒径(D50W)の比(D50O/D50W)は、液体現像剤の画質を向上させる観点から、13以下が好ましく、10以下がより好ましく、6以下がさらに好ましい。また、液体現像剤中でのトナー粒子の分散安定性を向上させる観点から、1以上が好ましく、1.5以上がより好ましく、2以上がさらに好ましい。これらの観点を総合すると、液体現像剤中のトナー粒子の体積中位粒径(D50O)と、工程1で得られる水系トナー粒子分散液中のトナー粒子の体積中位粒径(D50W)の比(D50O/D50W)は、1〜13が好ましく、1.5〜10がより好ましく、2〜6がさらに好ましい。
液体現像剤中のトナー粒子の含有量は、液体現像剤の消費量を低減する観点から、10重量%以上であり、20重量%以上が好ましく、22重量%以上がより好ましい。また、液体現像剤の粘度を低減する観点から、40重量%以下であり、35重量%以下が好ましく、30重量%以下がより好ましい。これらの観点を総合すると、液体現像剤中のトナー粒子の含有量は、10〜40重量%であり、20〜35重量%が好ましく、22〜30重量%が好ましい。なお、液体現像剤のトナー粒子の含有量は、後述の実施例に記載の方法により測定される。
液体現像剤の25℃における粘度は、液体現像剤の現像性を向上させる観点から、200mPa・s以下が好ましく、100mPa・s以下がより好ましく、70mPa・s以下がさらに好ましく、45mPa・s以下がよりさらに好ましい。また、液体現像剤中でのトナー粒子の分散安定性を向上させる観点から、5mPa・s以上が好ましく、10mPa・s以上がより好ましく、20mPa・s以上がさらに好ましい。これらの観点を総合すると、液体現像剤の25℃における粘度は、5〜200mPa・sが好ましく、10〜100mPa・sがより好ましく、20〜70mPa・sがさらに好ましく、20〜45mPa・sがさらに好ましい。なお、液体現像剤の粘度は、後述の実施例に記載の方法により測定される。
〔樹脂の軟化点〕
フローテスター(島津製作所製、CFT-500D)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押出す。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
〔樹脂のガラス転移点〕
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で昇温し、吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度とする。
〔樹脂、水系分散剤、油中分散剤の酸価〕
JIS K0070の方法により測定する。但し、測定溶媒のみJIS K0070の規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更した。
〔水系分散剤、油中分散剤のアミン価〕
JIS K2501の方法に基づいて測定する。電位差滴定装置を用い0.2mol/Lエタノール性塩酸標準溶液又は0.1mol/L過塩素酸酢酸標準溶液で滴定し、滴定量から算出する。
〔水系樹脂分散液中の樹脂及び工程1により得られる水系トナー粒子分散液中のトナー粒子の体積中位粒径(D50W)〕
レーザー回折/散乱式粒径測定装置(堀場製作所製、LA-920)を用いて、測定用セルに蒸留水を加え、透過率が50〜95%になる濃度で、体積中位粒径(D50W)を測定する。
〔工程1により得られる水系トナー粒子分散液、絶縁性液体及び液体現像剤の粘度〕
回転振動式粘度計(CBC社製、ビスコメイトVM-10A-L)を用いて、25℃にて粘度を測定する。
〔液体現像剤中のトナー粒子の濃度〕
液体現像剤10重量部をヘキサン90重量部で希釈し、遠心分離装置(コクサン社製、H-201F)を用いて、回転数3000r/minにて、20分間回転させる。上澄み液をデカンテーションにて除去した後、90重量部のヘキサンで希釈し、同様の条件で再び遠心分離を行う。上澄み液をデカンテーションにて除去した後、真空乾燥機にて0.5kPa、40℃にて3時間乾燥させ、乾燥後の重量÷液体現像剤の重量をトナー粒子の濃度とする。
〔液体現像剤中のトナー粒子の体積中位粒径(D50O)〕
レーザー回折/散乱式粒径測定装置(マルバーン社製、マスターサイザー2000)を用いて、測定用セルにアイソパーG(エクソン化学社製)を加え、散乱強度が5〜15%になる濃度で、粒子屈折率1.58(虚数部0.1)、分散媒屈折率1.42の条件にて、体積中位粒径(D50O)を測定する。
樹脂製造例1
表1に示す、無水トリメリット酸以外の原料モノマーと、エステル化触媒(酸化ジブチル錫)50.0g、助触媒(没食子酸)3.0gを、窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した10リットル容の四つ口フラスコに入れ、230℃に昇温して反応率が90%に達するまで反応させ、さらに8.3kPaにて1時間反応を行った。その後、無水トリメリット酸を投入し、1時間常圧で反応させた後、8.3kPaにて反応を行い、軟化点が144℃に達した時点で反応を終了し、表1に示す物性を有するポリエステル1を得た。なお、反応率とは、生成反応水量(mol)/理論生成水量(mol)×100の値をいう。
樹脂製造例2
表1に示す、フマル酸以外の原料モノマーと、エステル化触媒(酸化ジブチル錫)50.0g及び助触媒(没食子酸)3.0gを、窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した10リットル容の四つ口フラスコに入れ、230℃に昇温して反応率が90%に達するまで反応させ、さらに8.3kPaにて1時間反応を行った。180℃まで冷却した後、フマル酸を投入し、180℃にて反応させ、軟化点が85℃に達した時点で反応を終了し、表1に示す物性を有するポリエステル2を得た。
Figure 0005586422
実施例、比較例に用いた水系分散剤、油中分散剤の構造と物性を表2、表3に示す。
Figure 0005586422
Figure 0005586422
実施例1〜3、比較例1〜12
[工程1]
攪拌器を装備した三つ口フラスコに、表4に示す所定量のポリエステルとメチルエチルケトンを入れ、25℃でメチルエチルケトンにポリエステルを溶解させた。次いで、所定量の25重量%アンモニア水を添加して撹拌した後、攪拌下で所定量の脱イオン水を滴下し、表4に示す物性を有する水系樹脂分散液1、2をそれぞれ得た。
Figure 0005586422
次に、表5に示す所定量の水系樹脂分散液と顔料「クロモファインブルー6337JC」(フタロシアニンブルー15:3、大日精化社製)を3リットル容のポリエチレン製容器に入れ、「T.K.ロボミックス」(プライミックス社製)を用いて、氷冷下、回転数8000r/minにて2時間攪拌を行い、表5に示す物性を有する顔料と樹脂の混合物1、2を得た。
Figure 0005586422
次に、得られた混合物を高圧湿式微粒化機「マイクロフルイダイザーM-140K」(マイクロフルイディックス社製)により、150MPaにて15パス処理を行った。次に、処理物を2リットル容のナスフラスコに入れ、「ロータリーエバポレーターN-1000」(東京理化器械社製)を用いて、40℃、40kPaで減圧蒸留を行い、メチルエチルケトンを除去し、混合物1から水系トナー粒子分散液1を、混合物2から水系トナー粒子分散液2をそれぞれ得た。得られた水系トナー粒子分散液の粘度及びトナー粒子の体積中位粒径(D50W)を表6に示す。
Figure 0005586422
[工程2及び工程3]
次に、表7及び表8に示す所定量の水系トナー粒子分散液と水系分散剤を500ミリリットル容のポリエチレン製容器に入れ、「T.K.ロボミックス」(プライミックス社製)を用いて、20℃、回転数1400r/minにて、10分間攪拌を行った。さらに20℃、回転数5000r/minにて攪拌下で、予め表7及び表8に示す所定量の油中分散剤と絶縁性液体「コスモホワイトP-70」(コスモ石油ルブリカンツ社製、25℃における粘度:15mPa・s)を混合した混合液を滴下後、氷冷下、回転数8000r/minにて、6時間攪拌を行い、混合液を得た。
[工程4]
次に、得られた混合液を1リットル容のナスフラスコに入れ、「ロータリーエバポレーターN-1000」(東京理化器械社製)を用いて、55℃、10kPaで減圧蒸留を行い、水を除去し、表7及び表8に示す物性を有する液体現像剤を得た。
Figure 0005586422
Figure 0005586422
実施例4、比較例13、14
[工程1]
実施例1で調製した樹脂分散液1 100重量部と顔料「クロモファインブルー6337JC」(フタロシアニンブルー15:3、大日精化社製)12重量部を3リットル容のポリエチレン製容器に入れ、ホモジナイザー「ULT25デジタル インラインウルトラタラックス」(IKA社製)でジェネレータにS25KV-25FILを用い、氷冷下、回転数15000r/minで3時間攪拌を行い、顔料と樹脂の混合物を得た。
次に、得られた混合物を1リットル容のナスフラスコに入れ、「ロータリーエバポレーターN-1000」(東京理化器械社製)を用いて、40℃、40kPaで減圧蒸留を行い、メチルエチルケトンを除去し、水系トナー粒子分散液3を得た。得られた水系トナー粒子分散液3の粘度及びトナー粒子の体積中位粒径(D50W)を表9に示す。
Figure 0005586422
[工程2〜4]
次に、この水系トナー粒子分散液を用いて、実施例1と同様の工程2〜4を行い、表10に示す物性を有する液体現像剤を得た。
Figure 0005586422
表7、8、10から明らかなように、実施例1〜4の液体現像剤は、比較例1〜14と対比して、液体現像剤中のトナー粒子の体積中位粒径(D50O)と水系トナー粒子分散液中のトナー粒子の体積中位粒径(D50W)の比(D50O/D50W)が小さいことがわかる。
さらに水系分散剤と油中分散剤の混合比を調整することにより、実施例1、3、4のように、より粘度の低い液体現像剤が得られる。
本発明の方法により得られる液体現像剤は、電子写真方式の複写機、プリンター等の画像形成装置に用いられる。

Claims (7)

  1. 工程1:有機溶媒中に溶解させたポリエステル樹脂を水系分散媒中に転相乳化させて、水系分散媒にポリエステル樹脂と顔料とを含有したトナー粒子が分散した水系トナー粒子分散液を得る工程、
    工程2:工程1で得られた水系トナー粒子分散液と水系分散剤を混合する工程、
    工程3:工程2で得られた混合液、絶縁性液体、及び油中分散剤を混合する工程、並びに
    工程4:工程3で得られた混合液から水系分散媒を除去する工程
    を含む、トナー粒子が絶縁性液体中に分散してなる液体現像剤の製造方法であって、前記水系分散剤がポリカルボン酸アミン塩であり、前記油中分散剤がポリイミンとカルボン酸の縮合物であり、液体現像剤中の、トナー粒子の含有量が10〜40重量%、トナー粒子の体積中位粒径が0.03〜2.5μmである液体現像剤の製造方法。
  2. 工程3で得られた混合物における油中分散剤と水系分散剤の重量比(油中分散剤/水系分散剤)が90/10〜20/80である請求項1記載の液体現像剤の製造方法。
  3. 液体現像剤の25℃における粘度が5〜200mPa・sである請求項1又は2記載の液体現像剤の製造方法。
  4. ポリエステルが式(I):
    Figure 0005586422
    (式中、RO及びORはオキシアルキレン基であり、Rはエチレン及び/又はプロピレン基であり、x及びyはアルキレンオキサイドの付加モル数を示し、それぞれ正の数であり、xとyの和の平均値は1〜16である)
    で表されるビスフェノールのアルキレンオキサイド付加物を含むアルコール成分とカルボン酸成分とを縮重合して得られたものである、請求項1〜3いずれか記載の液体現像剤の製造方法。
  5. ポリカルボン酸アミン塩が、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリマレイン酸、ポリフタル酸、及びアクリル酸/マレイン酸共重合体からなる群より選ばれたポリカルボン酸のアミン塩である、請求項1〜4いずれか記載の液体現像剤の製造方法。
  6. ポリカルボン酸アミン塩の酸価が5〜60mgKOH/gである、請求項1〜5いずれか記載の液体現像剤の製造方法。
  7. ポリカルボン酸アミン塩のアミン価が5〜60mgKOH/gである、請求項1〜6いずれか記載の液体現像剤の製造方法。
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