JP2018106145A - 液体現像剤の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】トナー粒子が小粒径であり、低粘度の液体現像剤を、特別な機器や有機溶剤を使用することなく、簡便に製造することができる方法に関すること。
【解決手段】酸性基を有する樹脂を含む結着樹脂、着色剤、塩基性分散剤、及び絶縁性液体を含有する液体現像剤の製造方法であって、
工程I:前記結着樹脂と前記着色剤と前記塩基性分散剤を含む原料を前記結着樹脂のガラス転移温度以上の温度で撹拌する工程、及び
工程II:工程Iの撹拌物に、該撹拌物100質量部に対して前記絶縁性液体50〜500質量部を前記結着樹脂のガラス転移温度以上の温度で滴下することにより転相乳化して、トナー粒子の分散液を得る工程
を含む、液体現像剤の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、例えば、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像に用いられる液体現像剤の製造方法に関する。
電子写真用現像剤としては、着色剤及び結着樹脂を含む材料からなるトナー成分を乾式状態で用いる乾式現像剤と、トナー成分が絶縁性液体中に分散した液体現像剤がある。
液体現像剤ではトナー粒子が絶縁性液体中に油中分散しているので、乾式現像剤と比べて小粒径化が可能である。従って、オフセット印刷を凌駕する高画質の印字物を得ることができるので、商業印刷用途に適している。また、近年、高速化への要求が高まっていることから、トナー粒子が小粒径、低粘度で安定に分散した液体現像剤が求められている。また、少ない熱量でトナー粒子が溶融定着可能な液体現像剤、すなわち低温定着性に優れる液体現像剤が求められている。
特許文献1には、コアセルベーション法を利用する液体現像剤の製造方法において、ポリアミン化合物とヒドロキシカルボン酸自己縮合物との反応物である粒子分散剤と酸基含有樹脂との存在下で、着色樹脂粒子を絶縁性炭化水素系分散媒体中に分散させることを特徴とする液体現像剤の製造方法が開示されている。
特許文献2には、着色樹脂を無極性分散媒体に添加する工程と、前記無極性分散媒体を前記樹脂の軟化点以上の温度に昇温する工程と、前記樹脂が添加されかつ昇温された前記無極性分散媒体を攪拌して樹脂エマルションを形成する工程と、前記樹脂エマルションを冷却して着色樹脂微粒子を固体化させる工程とを備えた液体現像剤の製造方法が開示されている。
特許文献3には、絶縁性液体中にトナー粒子が分散した液体現像剤を製造する方法であって、着色剤と樹脂材料とを含む混練物を用いて、前記絶縁性液体中に、溶融状態の前記混練物が微分散した溶融物分散液を調製する溶融物分散液調製工程と、前記溶融物分散液を冷却し、溶融状態の前記混練物を固化する冷却工程とを有し、前記絶縁性液体は、主として不揮発性の炭化水素で構成されていることを特徴とする液体現像剤の製造方法に関する。
国際公開第2009/041634号 特開平09−179354号公報 特開2006−251253号公報
特許文献1のようなコアセルベーション法によりトナー粒子を形成し、液体現像剤を製造する方法では、トナー粒子の小粒径化が十分ではない。また、特許文献2、3のように、機械的撹拌力による強制乳化によりトナー粒子を形成し、液体現像剤を製造する方法では、撹拌装置の導入にコストがかかる。
本発明は、トナー粒子が小粒径であり、低粘度の液体現像剤を、特別な機器や有機溶剤を使用することなく、簡便に製造することができる方法に関する。
本発明は、
〔1〕 酸性基を有する樹脂を含む結着樹脂、着色剤、塩基性分散剤、及び絶縁性液体を含有する液体現像剤の製造方法であって、
工程I:前記結着樹脂と前記着色剤と前記塩基性分散剤を含む原料を前記結着樹脂のガラス転移温度以上の温度で撹拌する工程、及び
工程II:工程Iの撹拌物に、該撹拌物100質量部に対して前記絶縁性液体50〜500質量部を前記結着樹脂のガラス転移温度以上の温度で滴下することにより転相乳化して、トナー粒子の分散液を得る工程
を含む、液体現像剤の製造方法、並びに
〔2〕 酸性基を有する樹脂を含む結着樹脂、着色剤、塩基性分散剤、及び絶縁性液体を含有する液体現像剤の製造方法であって、
工程i:前記結着樹脂と前記塩基性分散剤を含む原料を前記結着樹脂のガラス転移温度以上の温度で撹拌する工程、
工程ii:工程iの撹拌物に、該撹拌物100質量部に対して前記絶縁性液体50〜500質量部を前記結着樹脂のガラス転移温度以上の温度で滴下することにより転相乳化して、トナー粒子の分散液を得る工程、及び
工程iii:工程iiで得られた分散液と前記着色剤を混合する工程
を含む、液体現像剤の製造方法
に関する。
本発明の方法により、トナー粒子が小粒径であり、低粘度の液体現像剤を、特別な機器や有機溶剤を使用することなく、簡便に製造することができる。また、本発明の方法により得られる液体現像剤は、低温定着性及び分散安定性にも優れている。
プラネタリーミキサーの一例を示した斜視図である。 プラネタリーミキサーの一例の一部拡大図である。 プラネタリーミキサーの別の一例の一部拡大図である。
本発明は、酸性基を有する樹脂を含む結着樹脂、着色剤、塩基性分散剤、及び絶縁性液体を含有する液体現像剤を、後述の工程I、IIを含む方法により製造する方法であり、本発明の方法により、特別な機器や有機溶剤を使用することなく、トナー粒子が小粒径であり、低粘度な液体現像剤を簡便に製造することができる。
工程Iは、結着樹脂と着色剤と塩基性分散剤を含む原料を結着樹脂のガラス転移温度以上の温度で撹拌する工程である。
結着樹脂は、酸性基を有する樹脂を含有する。酸性基を有する樹脂は、酸と塩基の相互作用により塩基性分散剤が吸着することで、樹脂の絶縁性液体への分散性が向上する。
酸性基としては、カルボキシ基、スルホ基、リン酸基等が挙げられ、これらの中では、トナー粒子の分散安定性及び入手性の観点から、カルボキシ基が好ましい。
従って、酸性基を有する樹脂は、ポリエステル系樹脂を含むことが好ましい。
ポリエステル系樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂とスチレン系樹脂とを含有する複合樹脂等が挙げられる。
本発明において、ポリエステル樹脂は、2価以上のアルコールを含むアルコール成分と2価以上のカルボン酸系化合物を含むカルボン酸成分との重縮合物が好ましい。
2価のアルコールとしては、例えば、炭素数2以上20以下、好ましくは炭素数2以上15以下の脂肪族ジオールや、式(I):
Figure 2018106145
(式中、OR及びROはオキシアルキレン基であり、Rはエチレン及び/又はプロピレン基であり、x及びyはアルキレンオキサイドの平均付加モル数を示し、それぞれ正の数であり、xとyの和の値は、1以上、好ましくは1.5以上であり、そして、16以下、好ましくは8以下、より好ましくは6以下、さらに好ましくは4以下である)
で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。炭素数2以上20以下のジオールとして、具体的には、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。
アルコール成分としては、トナーの粉砕性を向上させて小粒径のトナー粒子を得る観点、液体現像剤の低温定着性を向上させる観点、及びトナー粒子の分散安定性を向上させて保存安定性を向上させる観点から、式(I)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物及び/又は1,2-プロパンジオールが好ましく、粉砕性の観点からは、式(I)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物がより好ましい。式(I)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物又は1,2-プロパンジオールの含有量は、アルコール成分中、好ましくは50モル%以上、より好ましくは70モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは95モル%以上、さらに好ましくは100モル%である。1,2-プロパンジオール及び式(I)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物が併用されている場合は、両者の総含有量が、上記範囲内であることが好ましい。
3価以上のアルコールとしては、炭素数3以上20以下、好ましくは炭素数3以上10以下の3価以上のアルコールが挙げられる。具体的には、ソルビトール、1,4-ソルビタン、ペンタエリスリトール、グリセロール、トリメチロールプロパン等が挙げられる。
2価のカルボン酸系化合物としては、例えば、炭素数3以上30以下、好ましくは炭素数3以上20以下、より好ましくは炭素数3以上10以下のジカルボン酸、それらの無水物、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を有するアルキルエステル等の誘導体等が挙げられる。具体的には、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸や、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、炭素数1以上20以下のアルキル基又は炭素数2以上20以下のアルケニル基で置換されたコハク酸等の脂肪族ジカルボン酸が挙げられる。
カルボン酸成分としては、トナーの低温定着性を向上させる観点、及びトナー粒子の分散安定性を向上させて保存安定性を向上させる観点から、テレフタル酸及び/又はフマル酸が好ましく、フマル酸がより好ましい。テレフタル酸もしくはフマル酸の含有量又は両者の合計含有量は、カルボン酸成分中、好ましくは40モル%以上、より好ましくは50モル%以上、さらに好ましくは70モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは95モル%以上、さらに好ましくは100モル%である。
3価以上のカルボン酸系化合物としては、例えば、炭素数4以上20以下、好ましくは炭素数6以上20以下、より好ましくは炭素数7以上15以下、さらに好ましくは炭素数8以上12以下、さらに好ましくは炭素数9以上10以下の3価以上のカルボン酸、それらの無水物、又は炭素数1以上3以下のアルキルエステル等の誘導体等が挙げられる。具体的には、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,2,4,5-ベンゼンテトラカルボン酸(ピロメリット酸)、又はそれらの酸無水物等が挙げられる。
3価以上のカルボン酸系化合物の含有量は、カルボン酸成分中、低温定着性の観点から、好ましくは40モル%以下、より好ましくは30モル%以下、さらに好ましくは20モル%以下、さらに好ましくは10モル%以下、さらに好ましくは5モル%以下である。
なお、アルコール成分には1価のアルコールが、カルボン酸成分には1価のカルボン酸系化合物が、ポリエステル樹脂の分子量及び軟化点を調整する観点から、適宜含有されていてもよい。
ポリエステル樹脂におけるカルボン酸成分とアルコール成分との当量比(COOH基/OH基)は、ポリエステル樹脂の軟化点を調整する観点から、好ましくは0.6以上、より好ましくは0.7以上、さらに好ましくは0.75以上であり、そして、好ましくは1.1以下、より好ましくは1.05以下である。
ポリエステル樹脂は、例えば、アルコール成分とカルボン酸成分とを不活性ガス雰囲気中、好ましくはエステル化触媒の存在下、さらに必要に応じて、エステル化助触媒、重合禁止剤等の存在下、130℃以上、好ましくは170℃以上、そして、250℃以下、好ましくは240℃以下の温度で重縮合させて製造することができる。
エステル化触媒としては、酸化ジブチル錫、2-エチルヘキサン酸錫(II)等の錫化合物、チタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネート等のチタン化合物等が挙げられ、錫化合物が好ましい。エステル化触媒の使用量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上であり、そして、好ましくは1.5質量部以下、より好ましくは1.0質量部以下である。エステル化助触媒としては、没食子酸等が挙げられる。エステル化助触媒の使用量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100質量部に対して、好ましくは0.001質量部以上、より好ましくは0.01質量部以上であり、そして、好ましくは0.5質量部以下、より好ましくは0.1質量部以下である。重合禁止剤としては、t-ブチルカテコール等が挙げられる。重合禁止剤の使用量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100質量部に対して、好ましくは0.001質量部以上、より好ましくは0.01質量部以上であり、そして、好ましくは0.5質量部以下、より好ましくは0.1質量部以下である。
なお、本発明において、ポリエステル系樹脂は、実質的にその特性を損なわない程度に変性されたポリエステル樹脂であってもよい。変性されたポリエステル樹脂としては、例えば、特開平11−133668号公報、特開平10−239903号公報、特開平8−20636号公報等に記載の方法によりフェノール、ウレタン、エポキシ等によりグラフト化やブロック化したポリエステル樹脂が挙げられるが、変性されたポリエステル樹脂のなかでは、ポリエステル樹脂をポリイソシアネート化合物でウレタン伸長したウレタン変性ポリエステル樹脂が好ましい。
酸性基を有する樹脂の軟化点は、トナー粒子の分散安定性を向上させて保存安定性を向上させる観点から、好ましくは70℃以上、より好ましくは75℃以上であり、そして、液体現像剤の低温定着性を向上させる観点から、好ましくは160℃以下、より好ましくは130℃以下、さらに好ましくは120℃以下、さらに好ましくは110℃以下である。
酸性基を有する樹脂のガラス転移温度は、トナー粒子の分散安定性を向上させて保存安定性を向上させる観点から、好ましくは40℃以上、より好ましくは45℃以上であり、そして、低温定着性を向上させる観点から、好ましくは80℃以下、より好ましくは70℃以下、さらに好ましくは60℃以下である。
酸性基を有する樹脂の酸価は、液体現像剤の粘度を低減する観点、及びトナー粒子の分散安定性を向上させて保存安定性を向上させる観点から、好ましくは3mgKOH/g以上、より好ましくは5mgKOH/g以上、さらに好ましくは8mgKOH/g以上であり、そして、好ましくは60mgKOH/g以下、より好ましくは50mgKOH/g以下、さらに好ましくは40mgKOH/g以下、さらに好ましくは30mgKOH/g以下である。酸性基を有する樹脂の酸価は、カルボン酸成分とアルコール成分の当量比を変化させる、樹脂製造時の反応時間を変化させる、又は3価以上のカルボン酸系化合物の含有量を変化させる等の方法で調整することができる。
酸性基を有する樹脂の含有量は、結着樹脂中、90質量%以上が好ましく、95質量%以上がより好ましく、100質量%、即ち、ポリエステル系樹脂のみを用いることがさらに好ましい。ただし、本発明の効果が損なわれない範囲において、酸性基を有する樹脂以外の他の樹脂を含有してもよい。酸性基を有する樹脂以外の樹脂としては、例えば、ポリスチレン、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体等のスチレンもしくはスチレン置換体を含む単重合体又は共重合体であるスチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂、フェノール系樹脂、ポリアミド樹脂、脂肪族又は脂環式炭化水素樹脂等の樹脂から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
着色剤としては、トナー用着色剤として用いられている染料、顔料等を使用することができる。例えば、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントブラウンFG、ブリリアントファーストスカーレット、ピグメントグリーンB、ローダミン−Bベース、ソルベントレッド49、ソルベントレッド146、ソルベントブルー35、キナクリドン、カーミン6B、イソインドリン、ジスアゾエロー等が挙げられる。なお、本発明において、トナー粒子は、黒用トナー、カラー用トナーのいずれであってもよい。
工程Iにおける着色剤の使用量は、画像濃度を向上させる観点から、結着樹脂100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上、さらに好ましくは15質量部以上であり、そして、トナーの粉砕性を向上させて小粒径にできる観点、低温定着性を向上させる観点、及びトナー粒子の分散安定性を向上させて保存安定性を向上させる観点から、結着樹脂100質量部に対して、好ましくは100質量部以下、より好ましくは70質量部以下、さらに好ましくは50質量部以下、さらに好ましくは25質量部以下である。
塩基性分散剤は、酸性基を有する樹脂への吸着性が高い観点から、塩基性窒素含有基を有することが好ましい。塩基性窒素含有基としては、アミノ基(-NH2、-NHR、-NHRR’)、アミド基(-C(=O)-NRR’)、イミド基(-N(COR)2)、ニトロ基(-NO2)、イミノ基(=NH)、シアノ基(-CN)、アゾ基(-N=N-)、ジアゾ基(=N2)、及びアジ基(-N3)からなる群より選ばれた少なくとも1種が好ましい。ここで、R、R’は炭素数1〜5の炭化水素基を表す。分散剤のトナー粒子への吸着性の観点からは、アミノ基及び/又はイミノ基が好ましく、トナー粒子の帯電性の観点からは、イミノ基がより好ましい。
塩基性窒素含有基以外に含まれる官能基としては、例えば、ヒドロキシ基、ホルミル基、アセタール基、オキシム基、チオール基等が挙げられる。
塩基性分散剤における塩基性窒素含有基の占める割合は、分散安定性の観点から、ヘテロ原子の個数換算で、好ましくは70個数%以上、より好ましくは80個数%以上、さらに好ましくは90個数%以上、さらに好ましくは95個数%以上、さらに好ましくは100個数%である。
塩基性分散剤は、液体現像剤の分散性の観点から、炭素数16以上の炭化水素、ハロゲン原子で一部置換された炭素数16以上の炭化水素、反応性の官能基を有する炭素数16以上の炭化水素、炭素数16以上のヒドロキシカルボン酸の重合体、炭素数2以上22以下の二塩基酸と炭素数2以上22以下のジオールの重合体、炭素数16以上のアルキル(メタ)アクリレートの重合体、ポリオレフィン等に由来する基(以下、「分散性基」ともいう)を含んでいることが好ましい。
炭素数16以上の炭化水素としては、炭素数16以上24以下の炭化水素が好ましく、例えば、ヘキサデセン、オクタデセン、エイコサン、ドコサン等が挙げられる。
ハロゲン原子で一部置換された炭素数16以上の炭化水素としては、ハロゲン原子で一部置換された炭素数16以上24以下の炭化水素が好ましく、例えば、クロロヘキサデカン、ブロモヘキサデカン、クロロオクタデカン、ブロモオクタデカン、クロロエイコサン、ブロモエイコサン、クロロドコサン、ブロモドコサン等が挙げられる。
反応性の官能基を有する炭素数16以上の炭化水素としては、反応性の官能基を有する炭素数16以上24以下の炭化水素が好ましく、例えば、ヘキサデセニルコハク酸、オクタデセニルコハク酸、エイコセニルコハク酸、ドコセニルコハク酸、ヘキサデシルグリシジルエーテル、オクタデシルグリシジルエーテル、エイコシルグリシジルエーテル、ドコシルグリシジルエーテル等が挙げられる。
炭素数16以上のヒドロキシカルボン酸の重合体としては、炭素数16以上24以下のヒドロキシカルボン酸の重合体が好ましく、例えば、18-ヒドロキシステアリン酸の重合体等が挙げられる。
炭素数2以上22以下の二塩基酸と炭素数2以上22以下のジオールの重合体としては、例えば、エチレングリコールとセバシン酸の重合体、1,4-ブタンジオールとフマル酸の重合体、1,6-ヘキサンジオールとフマル酸の重合体、1,10-デカンジオールとセバシン酸の重合体、1,12-ドデカンジオールと1,12-ドデカン二酸の重合体等が挙げられる。
炭素数16以上のアルキル(メタ)アクリレートの重合体としては、炭素数16以上24以下のアルキル(メタ)アクリレートの重合体が好ましく、例えば、ヘキサデシルメタクリレートの重合体、オクタデシルメタクリレートの重合体、ドコシルメタクリレートの重合体等が挙げられる。
ポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリイソブテン、ポリメチルペンテン、ポリテトラデセン、ポリヘキサデセン、ポリオクタデセン、ポリエイコセン、ポリドコセン等が挙げられる。
塩基性分散剤は、トナー粒子の分散性の観点から、ポリオレフィン骨格を有することが好ましく、ポリプロピレン骨格及び/又はポリイソブテン骨格を有することがより好ましく、分散剤の高融点化の観点から、ポリプロピレン骨格を有することがさらに好ましい。従って、前記分散性基のなかでは、ポリオレフィンに由来する基が好ましく、ポリプロピレンに由来する基及び/又はポリイソブテンに由来する基がより好ましく、ポリプロピレンに由来する基がさらに好ましい。
塩基性分散剤は、特に限定されるものではないが、例えば、塩基性窒素含有基原料と分散性基原料とを反応させて得られる。
塩基性窒素含有基原料としては、ポリエチレンイミン等のポリアルキレンイミン、ポリアリルアミン、ポリジメチルアミノエチルメタクリレート等のポリアミノアルキルメタクリレート等が挙げられる。
塩基性窒素含有基原料の数平均分子量は、酸性基の有する樹脂への吸着性の観点から、好ましくは100以上、より好ましくは500以上、さらに好ましくは1,000以上であり、そして、トナー粒子の分散性の観点から、好ましくは15,000以下、より好ましくは10,000以下、さらに好ましくは5,000以下である。
分散性基原料としては、ハロゲン化された炭素数16以上の炭化水素、反応性の官能基を有する炭素数16以上の炭化水素、炭素数16以上のヒドロキシカルボン酸の重合体、炭素数2以上22以下の二塩基酸と炭素数2以上22以下のジオールの重合体、反応性の官能基を有する炭素数16以上のアルキル(メタ)アクリレートの重合体、反応性の官能基を有するポリオレフィン等が挙げられる。これらのなかでは、原料の入手性及び反応性の観点から、ハロゲン化された炭素数16以上の炭化水素、反応性の官能基を有する炭素数16以上の炭化水素、反応性の官能基を有する炭素数16以上24以下のアルキル(メタ)アクリレートの重合体、又は反応性の官能基を有するポリオレフィンが好ましい。反応性の官能基としては、カルボキシ基、エポキシ基、ホルミル基、イソシアネート基等が挙げられ、これらの中では、安全性及び反応性の観点から、カルボキシ基又はエポキシ基が好ましい。従って、反応性の官能基を有する化合物としては、カルボン酸系化合物が好ましい。カルボン酸系化合物としては、フマル酸、マレイン酸、エタン酸、プロパン酸、ブタン酸、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、酒石酸、それらの無水物、又はそれらの炭素数1以上3以下のアルキルエステル等が挙げられる。分散性基原料の具体例としては、クロロオクタデカン等のハロゲン化アルカン、エポキシ変性されたポリオクタデシルメタクリレート、ポリエチレン無水コハク酸、塩素化ポリプロピレン、ポリプロピレン無水コハク酸、ポリイソブテン無水コハク酸等が挙げられる。
分散性基原料におけるポリオレフィン骨格を有する化合物の含有量は、トナー粒子の分散性の観点から、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは100質量%である。
ポリプロピレン骨格を有する分散性基原料としては、例えば、ユーメックス100TS、ユーメックス110TS、ユーメックス1001、ユーメックス1010(以上、三洋化成工業(株)製)、ハードレン13-LP、ハードレン13-LLP、ハードレン14-LWP、ハードレン15-LP、ハードレン15-LLP、ハードレン16-LP、ハードレンDX-526P、ハードレンCY-9122P、ハードレンCY-9124P、ハードレンHM-21P、ハードレンM-28P、ハードレンF-2P、ハードレンF-6P、トーヨータックM-100、トーヨータックM-300、トーヨータックM-312、トーヨータックPMA H1000P、トーヨータックPMA-F2(以上、東洋紡(株)製)、スーパークロンC、スーパークロンL-206、スーパークロン813A、スーパークロン803M、スーパークロン803MW、スーパークロン803LT、スーパークロン1026、スーパークロン803L、スーパークロン814H、スーパークロン390S、スーパークロン814B、スーパークロン360T、スーパークロン370M、スーパークロン2027MB、スーパークロン822、スーパークロン892L、スーパークロン930、スーパークロン842LM、スーパークロン851L(以上、日本製紙(株)製)、X-10065、X-10088、X-10082、X-10087、X-10053、X-10052(以上、Baker Hughes社製)等が挙げられる。
分散性基原料の数平均分子量は、トナー粒子の分散性の観点から、好ましくは500以上、より好ましくは700以上、さらに好ましくは900以上であり、そして、分散剤のトナー粒子への吸着性の観点から、好ましくは5,000以下、より好ましくは4,000以下、さらに好ましくは3,000以下である。
分散性基原料の融点は、分散剤の高融点化の観点から、好ましくは60℃以上、より好ましくは70℃以上、さらに好ましくは80℃以上であり、そして、トナー粒子の分散性の観点から、好ましくは160℃以下、より好ましくは150℃以下、さらに好ましくは140℃以下である。
塩基性分散剤の融点は、分散剤の高融点化の観点から、好ましくは34℃以上であり、より好ましくは50℃以上、さらに好ましくは65℃以上であり、そして、トナー粒子の分散性の観点から、好ましくは150℃以下、より好ましくは140℃以下、さらに好ましくは130℃以下である。
塩基性分散剤以外の分散剤が用いられていてもよく、他の分散剤としては、アルキルメタクリレート/アミノ基含有メタクリレートの共重合体、α-オレフィン/ビニルピロリドンの共重合体(アンタロンV-216)等が挙げられる。
工程Iにおける塩基性分散剤の使用量は、結着樹脂と着色剤の合計量100質量部に対して、トナー粒子の分散性の観点から、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは1質量部以上、さらに好ましくは2質量部以上であり、そして、トナー粒子の帯電性の観点から、好ましくは20質量部以下、より好ましくは15質量部以下、さらに好ましくは10質量部以下である。
工程Iにおける撹拌温度は、トナー原料の混合性の観点から、結着樹脂のガラス転移温度(Tg)以上であり、好ましくはTg+10℃以上、より好ましくはTg+20℃以上であり、そして、結着樹脂と分散剤の相互作用の観点から、好ましくはTg+150℃以下、より好ましくはTg+125℃以下、さらに好ましくはTg+100℃以下である。本発明において、結着樹脂が複数の樹脂からなる場合は、それぞれの樹脂のガラス転移温度の加重平均値を前記結着樹脂のガラス転移温度とする。
工程Iにおける撹拌時間は、トナー原料が均一混合される程度であれば特に限定されないが、好ましくは0.5分以上、より好ましくは5分以上、さらに好ましくは30分以上であり、そして、好ましくは180分以下、より好ましくは150分以下、さらに好ましくは120分以下である。
撹拌手段及び撹拌速度は、原料全体を撹拌可能な方法であれば、特に限定されない。
が、中でも、工程Iにおいては、着色剤や分散剤の分散性及びトナーの小粒径化の観点から、攪拌を公転軸に自転軸が2軸以上連結され、夫々の自転軸に設けられた攪拌羽根が遊星運動を行う混合機(以下、プラネタリーミキサーという)、カイ型攪拌機、ニーダー型ミキサー等を用いて行うことが好ましく、プラネタリーミキサーを用いて行うことがより好ましい。
すなわち、工程Iにおいては、固形分濃度が高い状態で混合(混練)を行うため、混合(混練)状態に依存して混合(混練)物の粘度が広い範囲で変化する。特に工程Iでは高粘度状態となるため、攪拌が不十分あるいは不均一となることがあり、その結果、着色剤や分散剤の分散及び転相乳化が充分に行われない場合がある。上記の点から、混合機として、上記のものを用いることが好ましく、低粘度から高粘度まで広範囲に対応することができる点から、プラネタリーミキサーが好ましい。
プラネタリーミキサーは、各々自転と公転を行う2軸の攪拌羽根を使用して、攪拌槽中の混合物を攪拌、混合(混練)するものであり、攪拌槽中におけるデッドスペースを少なくできる構造を有し、均一な混合(混練)を得ることができる。また羽根の形状を肉厚とすることで高負荷をかけることができる。更に、高負荷領域から低負荷領域まで広い領域での混合(混練)が可能であり、混合時における高粘度から低粘度に至る全ての状態の場合を同一の攪拌槽内で行うことができる。
本発明において使用しうるプラネタリーミキサーの一例を図1に、またその攪拌羽根を含む一部拡大図を図2に示す。
図中符号1は撹拌槽であって、撹拌槽1は上方部材2と下方部材3からなり、上方部材2の内側には、例えば枠型ブレードからなる撹拌羽根4、5が一つのローター6に保持されている。ローター6が回転(公転)すると、撹拌羽根4、5は同一方向に回転(自転)する。そして、ローター6の公転運動とともに2本の撹拌羽根4、5がそれぞれ自転運動する、いわゆる遊星運動(プラネタリー運動)を行う。
プラネタリーミキサーにおいては、この様な撹拌羽根4、5のプラネタリー運動により、撹拌羽根4、5相互間、及びこれらと撹拌槽1内面との間で強力な剪断力が作用し、高度の撹拌、混練、分散作用が得られる。分散液を所定の温度に加温しつつ、混合すると、樹脂が粘ちょうとなり、着色剤や分散剤と混合されることにより、撹拌羽根4、5の回転に大きな負荷がかかる。このとき、撹拌羽根4、5相互間及びこれら撹拌羽根4、5と撹拌槽1との間において、材料に大きな剪断力が印加され、着色剤や分散剤が、充分に樹脂中に分散、混合される。さらに自転軸に設けられた攪拌羽根が遊星運動を行うことにより、均一かつ効率的な混合が可能となる。そして、特にプラネタリーミキサーなどの混練機を用いることにより、強力な攪拌を行うことなく、マイルドな攪拌により効率的な混合(混練)を行うことができ、樹脂、着色剤、分散剤等がほぼ充分に混合される。
本発明においては、上記自転軸に設けられた撹拌羽根の少なくとも1つとして、自転の回転方向と逆方向に捻転した形状のものを用いることが好ましい。ここで、「捻転した形状」とは、混合物を下方向に押さえ付ける動きを付加し上下に対流させうるように、図2に示されるようなフラットなブレードにその自転方向と逆方向の捻りを加えた形状であれば特に限定されないが、具体的には、上記フラットなブレードを含む自転軸に平行な平面に対し、その自転方向と逆方向に、該平面と一定の角度をなすように捻転した形状のものをいう。図3はこのような自転の回転方向と逆方向に捻転した形状の撹拌羽根の一例を示す拡大図である。このような構造により、混合物を下方向に押さえ付ける動きが付加され、上下に対流されるため更に均一な混合(混練)が可能となる。
上記捻転の程度は特に制限はなく、所望の攪拌の程度に応じ適宜調整することができるが、より均一な混合(混練)を可能とするように調整することが好ましい。具体的には、例えば、攪拌羽根が枠型ブレードの場合、混合性を向上させる観点から、捻転されないフラットなブレードを含む自転軸に平行な平面と、捻転した形状のブレード先端のなす捻じれ角度が、例えば10〜90°、さらには30〜80°であることが好ましい。上記自転軸に設けられた撹拌羽根の形状や大きさについては、特に制限はなく、所要の攪拌が得られるように、通常用いられるものから適宜選択することができる。
混合機の自転軸に設けられた攪拌羽根の攪拌周速は、自転軸に設けられた攪拌翼については、樹脂や着色剤の分散性、ひいては本発明の製造方法で得られるトナーの性能の観点から、0.4〜5m/secであることが好ましく、0.4〜4m/secであることがより好ましい。2以上の攪拌羽根は、その周速が同一でも異なっていてもよい。
本発明に使用できるカイ型攪拌機としては特に制限はなく、一般に使用されるものがいずれも使用できる。その攪拌周速は、樹脂や着色剤の分散性の観点から、0.5m/sec以上であることが好ましく、0.5〜3m/secであることがより好ましい。
工程Iの撹拌には、工程IIで説明する絶縁性液体が存在していてもよい。この絶縁性液体は、工程IIで用いる絶縁性液体と同一であっても、異なっていてもよい。
工程Iで用いる絶縁性液体の使用量は、結着樹脂と着色剤の合計量100質量部に対して、トナー原料の混合性の観点から、好ましくは1質量部以上、より好ましくは5質量部以上、さらに好ましくは10質量部以上であり、そして、トナーの転相乳化の観点から、好ましくは100質量部以下、より好ましくは80質量部以下、さらに好ましくは50質量部以下である。
工程Iの撹拌物中の、結着樹脂の含有量は、トナーの転相乳化の観点から、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上であり、そして、トナー原料の混合性の観点から、好ましくは99質量%以下、より好ましくは95質量%以下、さらに好ましくは90質量%以下である。
工程Iにおいて、結着樹脂と着色剤と塩基性分散剤は、これらの三者を一度に混合して結着樹脂のガラス転移温度以上の温度で撹拌しても、これらの原料の一部を予め混合した後、残りの原料と混合してガラス転移温度以上の温度で撹拌してもよいが、本発明においては、トナー粒子中の着色剤の分散性の観点から、予め粗大なトナー粒子(トナー粒子前駆体)を調製した後、撹拌を行うことが好ましく、工程Iは下記の第一の態様又は第二の態様であることが好ましい。
第一の態様は、工程Iが
工程I−1:結着樹脂と着色剤を含むトナー粒子前駆体を調製する工程、及び
工程I−2:工程I−1で得られたトナー粒子前駆体と塩基性分散剤を含む混合物を前記結着樹脂のガラス転移温度以上の温度で撹拌する工程
を含む態様である。
第二の態様は、工程Iが
工程I−3:結着樹脂と着色剤と塩基性分散剤を含むトナー粒子前駆体を調製する工程、及び
工程I−4:工程I−3で得られたトナー粒子前駆体を含む混合物を前記結着樹脂のガラス転移温度以上の温度で撹拌する工程
を含む態様である。
工程I−1及び工程I−3において、トナー粒子前駆体は、結着樹脂と着色剤を含む原料又は結着樹脂と着色剤と塩基性分散剤を含む原料を溶融混練し、粉砕する方法により調製することが好ましい。
溶融混練に供する結着樹脂、着色剤等は、あらかじめヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、ボールミル等の混合機で混合した後、混練機に供給することが好ましく、結着樹脂中での着色剤等の分散性を向上させる観点から、ヘンシェルミキサーがより好ましい。
ヘンシェルミキサーでの混合は、攪拌の周速度、及び攪拌時間を調整しながら行う。周速度は、着色剤等の分散性を向上させる観点から、好ましくは10m/sec以上30m/sec以下である。また、攪拌時間は、着色剤等の分散性を向上させる観点から、好ましくは1分以上10分以下である。
溶融混練は、密閉式ニーダー、一軸もしくは二軸の混練機、連続式オープンロール型混練機等の公知の混練機を用いて行うことができる。本発明の製造方法においては、着色剤等の分散性を向上させる観点、及び粉砕後のトナー粒子の収率を向上させる観点から、オープンロール型混練機が好ましい。
オープンロール型混練機とは、溶融混練部が密閉されておらず開放されているものをいい、溶融混練の際に発生する混練熱を容易に放熱することができる。本発明で使用するオープンロール型混練機は、ロールの軸方向に沿って設けられた複数の原料供給口と混練物排出口を備えており、生産効率の観点から、連続式オープンロール型混練機であることが好ましい。
オープンロール型混練機は、少なくとも温度の異なる2本の混練用ロールを有していることが好ましい。
トナー原料の混合性を向上させる観点から、ロールの設定温度は、樹脂の軟化点より10℃高い温度以下であることが好ましい。
また、上流側で混練物のロールへの張り付きを良好にして、下流側で強く混練する観点から、上流側のロールの設定温度は下流側のものよりも高いことが好ましい。
ロールは、互いに周速度が異なっていることが好ましい。前記の2本のロールを備えたオープンロール型混練機においては、液体現像剤の定着性を向上させる観点から、温度の高い加熱ロールが高回転側ロールであり、温度の低い冷却ロールが低回転側ロールであることが好ましい。
高回転側ロールの周速度は、好ましくは2m/min以上、より好ましくは5m/min以上であり、そして、好ましくは100m/min以下、より好ましくは75m/min以下である。低回転側ロールの周速度は、好ましくは2m/min以上、より好ましくは4m/min以上であり、そして、好ましくは100m/min以下、より好ましくは60m/min以下、さらに好ましくは50m/min以下である。また、2本のロールの周速度の比(低回転側ロール/高回転側ロール)は、好ましくは1/10以上、より好ましくは3/10以上であり、そして、好ましくは9/10以下、より好ましくは8/10以下である。
また、各ロールの構造、大きさ、材料等について特に限定はない。ロール表面は、混練に用いられる溝を有しており、この形状は直線状、螺旋状、波型、凸凹型等が挙げられる。
次いで、溶融混練物を粉砕が可能な程度に冷却した後、粉砕し、及び必要に応じて分級して、トナー粒子を得ることができる。
粉砕は、多段階に分けて行ってもよい。例えば、溶融混練物を、約1〜5mmに粗粉砕した後、さらに微粉砕してもよい。
工程I−1又は工程I−3で得られるトナー粒子前駆体の体積中位粒径(D50)は、トナー粒子前駆体の生産性の観点から、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.5mm以上であり、そして、好ましくは15mm以下、より好ましくは10mm以下である。なお、体積中位粒径(D50)とは、体積分率で計算した累積体積頻度が粒径の小さい方から計算して50%になる粒径を意味する。
工程I−2及び工程I−4における撹拌については、前記の通りである。
工程IIは、工程Iの撹拌物に、該撹拌物100質量部に対して前記絶縁性液体50〜500質量部を前記結着樹脂のガラス転移温度以上の温度で滴下することにより転相乳化して、トナー粒子の分散液を得る工程である。本発明において、転相乳化とは、元々連続相であったトナー粒子の原料が、絶縁性液体を連続相とした分散媒中にトナー粒子として分散することをいう。工程IIも、工程Iと同様に撹拌下で行うことが好ましい。
本発明における絶縁性液体とは、電気が流れにくい液体のことを意味するが、本発明においては、絶縁性液体の導電率は、好ましくは1.0×10-11S/m以下、より好ましくは5.0×10-12S/m以下であり、そして、好ましくは1.0×10-13S/m以上である。
絶縁性液体の具体例としては、例えば、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、ポリシロキサン、植物油等が挙げられる。特に、臭気、無害性及びコストの点から、流動パラフィン、イソパラフィン等の脂肪族炭化水素が好ましい。脂肪族炭化水素の市販品としては、アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL、アイソパーK(以上、エクソンモービル社製)、シェルゾール71(シェルケミカルズジャパン(株)製)、IPソルベント1620、IPソルベント2080(以上、出光興産(株)製)、モレスコホワイトP-55、モレスコホワイトP-70、モレスコホワイトP-100、モレスコホワイトP-150、モレスコホワイトP-260(以上、松村石油(株)製)、コスモホワイトP-60、コスモホワイトP-70(以上、コスモ石油ルブリカンツ(株)製)、ライトール(Sonneborn社製)等が挙げられる。これらのうちの1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
絶縁性液体の25℃における粘度は、現像性を向上させる観点、及び液体現像剤中でのトナー粒子の保存安定性を向上させる観点から、好ましくは0.5mPa・s以上、より好ましくは1mPa・s以上であり、そして、好ましくは100mPa・s以下、より好ましくは50mPa・s以下、さらに好ましくは30mPa・s以下である。
また、工程IIで滴下する絶縁性液体の使用量は、工程Iの撹拌物100質量部に対して、トナー粒子の安定性の観点から、50質量部以上、好ましくは80質量部以上、より好ましくは100質量部以上であり、トナー粒子の高固形分化の観点から、500質量部以下、好ましくは400質量部以下、より好ましくは300質量部以下である。
また、工程IIで滴下する絶縁性液体の使用量は、滴下後の液体現像剤の固形分濃度が、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上、さらに好ましくは20質量%以上であり、そして、好ましくは50質量%以下、より好ましくは45質量%以下、さらに好ましくは40質量%以下となる量に調整することが好ましい。工程IIの後、絶縁性液体でさらに希釈して、液体現像剤の固形分濃度を調整してもよい。
工程IIにおける滴下温度は、トナー粒子の原料と絶縁性液体の混合性の観点から、結着樹脂のガラス転移温度(Tg)以上であり、好ましくはTg+10℃以上、より好ましくはTg+20℃以上であり、そして、結着樹脂と分散剤の相互作用の観点から、好ましくはTg+150℃以下、より好ましくはTg+125℃以下、さらに好ましくはTg+100℃以下である。ここで、滴下温度とは、絶縁性液体を滴下する撹拌物の温度とする。
工程Iにおける撹拌温度と工程IIにおける滴下温度は、同じでも異なってよい。
工程IIにおける絶縁性液体の滴下は、工程Iの撹拌物をさらに撹拌しながら絶縁性液体を滴下する方法がより好ましい。
工程IIにおける絶縁性液体の滴下速度は、生産性の観点から、工程Iの撹拌物100gあたり、好ましくは0.1g/min以上、より好ましくは0.5g/min以上、さらに好ましくは1g/min以上、さらに好ましくは5g/min以上であり、そして、均一なトナー粒子を得る観点から、好ましくは100g/min以下、より好ましくは50g/min以下、さらに好ましくは30g/min以下である。
また、本発明の方法は、
工程i:結着樹脂と塩基性分散剤を含む原料を結着樹脂のガラス転移温度以上の温度で撹拌する工程、
工程ii:工程iの撹拌物に、結着樹脂のガラス転移温度以上の温度で絶縁性液体を滴下することにより転相乳化して、トナー粒子の分散液を得る工程、及び
工程iii:工程iiで得られた分散液と前記着色剤を混合する工程
を含む方法であってもよい。
工程iは、前記工程Iと同様にして行うことができるが、着色剤を使用しないため、トナー粒子前駆体を予め調製することなく、結着樹脂と分散剤、さらに好ましくは絶縁性液体を混合して撹拌を行う。工程iで用いる絶縁性液体の使用量は、結着樹脂100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは5質量部以上、さらに好ましくは10質量部以上であり、そして、トナーの転相乳化の観点から、好ましくは100質量部以下、より好ましくは80質量部以下、さらに好ましくは50質量部以下である。
工程iiは、前記工程IIと同様にして行うことができる。
工程iiiにおける着色剤の使用量は、分散液中のトナー粒子100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上であり、そして、好ましくは100質量部以下、より好ましくは80質量部以下である。
工程iiiの混合手段は特に限定されない。
本発明の方法により得られる液体現像剤は、結着樹脂、着色剤、塩基性分散剤、及び絶縁性液体に加えて、離型剤、荷電制御剤、荷電制御樹脂、磁性粉、流動性向上剤、導電性調整剤、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、クリーニング性向上剤等の添加剤を適宜含有していてもよい。
液体現像剤の固形分濃度は、画像濃度を向上させる観点から、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上、さらに好ましくは20質量%以上であり、そして、トナー粒子の分散安定性を向上させて保存安定性を向上させる観点から、好ましくは50質量%以下、より好ましくは45質量%以下、さらに好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下である。
液体現像剤中のトナー粒子の体積中位粒径(D50)は、液体現像剤の粘度を低減する観点から、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.5μm以上、さらに好ましくは1.0μm以上であり、そして、液体現像剤の画質を向上させる観点から、好ましくは5μm以下、より好ましくは4μm以下、さらに好ましくは3μm以下である。
固形分濃度が25質量%の液体現像剤の25℃における粘度は、トナー粒子の分散安定性を向上させて保存安定性を向上させる観点から、好ましくは0.5mPa・s以上、より好ましくは1mPa・s以上、さらに好ましくは2mPa・s以上であり、そして、液体現像剤の定着性を向上させる観点から、好ましくは50mPa・s以下、より好ましくは40mPa・s以下、さらに好ましくは30mPa・s以下である。
上述した実施形態に関し、本発明はさらに以下の液体現像剤の製造方法を開示する。
<1> 酸性基を有する樹脂を含む結着樹脂、着色剤、塩基性分散剤、及び絶縁性液体を含有する液体現像剤の製造方法であって、
工程I:前記結着樹脂と前記着色剤と前記塩基性分散剤を含む原料を前記結着樹脂のガラス転移温度以上の温度で撹拌する工程、及び
工程II:工程Iの撹拌物に、該撹拌物100質量部に対して前記絶縁性液体50〜500質量部を前記結着樹脂のガラス転移温度以上の温度で滴下することにより転相乳化して、トナー粒子の分散液を得る工程
を含む、液体現像剤の製造方法。
<2> 酸性基を有する樹脂が、ポリエステル系樹脂を含み、該ポリエステル系樹脂がポリエステル樹脂、又はポリエステル樹脂とスチレン系樹脂とを含有する複合樹脂である、前記<1>記載の製造方法。
<3> 酸性基を有する樹脂の酸価が、3mgKOH/g以上、好ましくは5mgKOH/g以上、より好ましくは8mgKOH/g以上であり、そして、60mgKOH/g以下、好ましくは50mgKOH/g以下、より好ましくは40mgKOH/g以下、さらに好ましくは30mgKOH/g以下である、前記<1>又は<2>記載の製造方法。
<4> 塩基性分散剤が、アミノ基及び/又はイミノ基を有する塩基性分散剤を含む、前記<1>〜<3>いずれか記載の製造方法。
<5> 塩基性分散剤が、炭素数16以上の炭化水素、ハロゲン原子で一部置換された炭素数16以上の炭化水素、反応性の官能基を有する炭素数16以上の炭化水素、炭素数16以上のヒドロキシカルボン酸の重合体、炭素数2以上22以下の二塩基酸と炭素数2以上22以下のジオールの重合体、炭素数16以上のアルキル(メタ)アクリレートの重合体、及びポリオレフィンからなる群より選ばれた1種に由来する基を少なくとも1つ含む、前記<1>〜<4>いずれか記載の製造方法。
<6> 塩基性分散剤が、ポリオレフィン骨格、好ましくはポリプロピレン骨格及び/又はポリイソブテン骨格、より好ましくはポリプロピレン骨格を有する、前記<1>〜<5>いずれか記載の製造方法。
<7> 塩基性分散剤が、塩基性窒素含有基原料と分散性基原料との反応物である、前記<1>〜<6>いずれか記載の製造方法。
<8> 塩基性窒素含有基原料が、ポリアルキレンイミン、ポリアリルアミン、及びポリアミノアルキルメタクリレートからなる群より選ばれた少なくとも1種である、前記<7>記載の製造方法。
<9> 塩基性窒素含有基原料の数平均分子量が、100以上、好ましくは500以上、より好ましくは1,000以上であり、そして、15,000以下、好ましくは10,000以下、より好ましくは5,000以下である、前記<7>又は<8>記載の製造方法。
<10> 分散性基原料が、ハロゲン化された炭素数16以上の炭化水素、反応性の官能基を有する炭素数16以上の炭化水素、炭素数16以上のヒドロキシカルボン酸の重合体、炭素数2以上22以下の二塩基酸と炭素数2以上22以下のジオールの重合体、反応性の官能基を有する炭素数16以上のアルキル(メタ)アクリレートの重合体、及び反応性の官能基を有するポリオレフィンからなる群より選ばれた少なくとも1種である、前記<7>〜<9>いずれか記載の製造方法。
<11> 分散性基原料の数平均分子量が、500以上、好ましくは700以上、より好ましくは900以上であり、そして、5,000以下、好ましくは4,000以下、より好ましくは3,000以下である、前記<7>〜<10>いずれか記載の製造方法。
<12> 工程Iが、
工程I−1:結着樹脂と着色剤を含むトナー粒子前駆体を調製する工程、及び
工程I−2:工程I−1で得られたトナー粒子前駆体と塩基性分散剤を含む混合物を前記結着樹脂のガラス転移温度以上の温度で撹拌する工程
を含む、前記<1>〜<11>いずれか記載の製造方法。
<13> 工程Iが、
工程I−3:結着樹脂と着色剤と塩基性分散剤を含むトナー粒子前駆体を調製する工程、及び
工程I−4:工程I−3で得られたトナー粒子前駆体を含む混合物を前記結着樹脂のガラス転移温度以上の温度で撹拌する工程
を含む、前記<1>〜<11>いずれか記載の製造方法。
<14> 酸性基を有する樹脂を含む結着樹脂、着色剤、塩基性分散剤、及び絶縁性液体を含有する液体現像剤の製造方法であって、
工程i:前記結着樹脂と前記塩基性分散剤を含む原料を前記結着樹脂のガラス転移温度以上の温度で撹拌する工程、
工程ii:工程iの撹拌物に、該撹拌物100質量部に対して前記絶縁性液体50〜500質量部を前記結着樹脂のガラス転移温度以上の温度で滴下することにより転相乳化して、トナー粒子の分散液を得る工程、及び
工程iii:工程iiで得られた分散液と前記着色剤を混合する工程
を含む、液体現像剤の製造方法。
<15> 工程I又は工程iにおける撹拌温度が、結着樹脂のガラス転移温度(Tg)以上、好ましくはTg+10℃以上、より好ましくはTg+20℃以上、そして、Tg+150℃以下、好ましくはTg+125℃以下、より好ましくはTg+100℃以下である、前記<1>〜<14>いずれか記載の製造方法。
<16> 工程I又は工程iにおける撹拌時間が、0.5分以上、好ましくは5分以上、より好ましくは30分以上であり、そして、180分以下、好ましくは150分以下、より好ましくは120分以下である、請求項1〜6いずれか記載の製造方法、前記<1>〜<15>いずれか記載の製造方法。
<17> 工程I又は工程iの撹拌物中の結着樹脂の含有量が、50質量%以上である、前記<1>〜<16>いずれか記載の製造方法。
<18> 工程II又は工程iiにおける滴下温度が、結着樹脂のガラス転移温度(Tg)以上であり、好ましくはTg+10℃以上、より好ましくはTg+20℃以上、そして、Tg+150℃以下、好ましくはTg+125℃以下、より好ましくはTg+100℃以下である、前記<1>〜<17>いずれか記載の製造方法。
<19> 工程II又は工程iiにおける絶縁性液体の滴下速度が、工程I又は工程iの撹拌物100gあたり、0.1g/min以上、好ましくは0.5g/min以上、より好ましくは1g/min以上、さらに好ましくは5g/min以上であり、そして、100g/min以下、好ましくは50g/min以下、より好ましくは30g/min以下である、前記<1>〜<18>いずれか記載の製造方法。
<20> 固形分濃度が25質量%の液体現像剤の25℃における粘度が、0.5mPa・s以上、好ましくは1mPa・s以上、より好ましくは2mPa・s以上であり、そして、50mPa・s以下、好ましくは40mPa・s以下、より好ましくは30mPa・s以下である、前記<1>〜<19>いずれか記載の製造方法。
以下に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。樹脂等の物性は、以下の方法により測定した。
〔樹脂の軟化点〕
フローテスター「CFT-500D」((株)島津製作所製)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/minで加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出す。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
〔樹脂のガラス転移温度〕
示差走査熱量計「Q20」(TA instruments社製)を用いて、試料0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/minで0℃まで冷却する。次に試料を昇温速度10℃/minで昇温し、吸熱ピークを測定する。吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度をガラス転移温度とする。
〔樹脂の酸価〕
JIS K0070の方法により測定する。但し、測定溶媒のみJIS K0070の規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更する。
〔塩基性窒素含有基原料の数平均分子量(Mn)〕
以下に示す、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法により分子量分布を測定し、数平均分子量を求める。
(1) 試料溶液の調製
濃度が0.2g/100mLになるように、試料を0.15mol/LでNa2SO4を1%酢酸水溶液に溶解させた溶液に溶解させる。次いで、この溶液をポアサイズ0.2μmのフッ素樹脂フィルター「FP-200」(住友電気工業(株)製)を用いて濾過して不溶解成分を除き、試料溶液とする。
(2) 分子量測定
下記の測定装置と分析カラムを用い、溶離液として0.15mol/LでNa2SO4を1%酢酸水溶液に溶解させた溶液を、毎分1mLの流速で流し、40℃の恒温槽中でカラムを安定させる。そこに試料溶液100μLを注入して測定を行う。試料の分子量は、あらかじめ作成した検量線に基づき算出する。このときの検量線には、数種類の標準プルラン(昭和電工(株)製のP-5(Mw 5.9×103)、P-50(Mw 4.73×104)、P-200(Mw 2.12×105)、P-800(Mw 7.08×105))を標準試料として作成したものを用いる。括弧内は分子量を示す。
測定装置:HLC-8320GPC(東ソー(株)製)
分析カラム:α+α-M+α-M(東ソー(株)製)
〔分散性基原料の数平均分子量(Mn)〕
(1) 試料溶液の調製
濃度が0.5g/100mLになるように、分散基原料をテトラヒドロフランに溶解させた。次いで、この溶液をポアサイズ2μmのフッ素樹脂フィルター「FP-200」(住友電気工業(株)製)を用いて濾過して不溶解成分を除き、試料溶液とした。
(2) 分子量分布測定
下記の測定装置と分析カラムを用い、溶離液としてテトラヒドロフランを、毎分1mLの流速で流し、40℃の恒温槽中でカラムを安定させる。そこに試料溶液100μLを注入して測定を行う。試料の分子量は、あらかじめ作成した検量線に基づき算出する。このときの検量線には、数種類の単分散ポリスチレン(東ソー(株)製のA-500(Mw 5.0×102)、A-1000(Mw 1.01×103)、A-2500(Mw 2.63×103)、A-5000(Mw 5.97×103)、F-1(Mw 1.02×104)、F-2(Mw 1.81×104)、F-4(Mw 3.97×104)、F-10(Mw 9.64×104)、F-20(Mw 1.90×105)、F-40(Mw 4.27×105)、F-80(Mw 7.06×105)、F-128(Mw 1.09×106))を標準試料として作成したものを用いる。括弧内は分子量を示す。
測定装置:HLC-8220GPC(東ソー(株)製)
分析カラム:GMHXL+G3000HXL(東ソー(株)製)
〔分散性基原料及び分散剤の融点〕
示差走査熱量計「Q20」(TA instruments社製)を用いて、試料0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、室温から降温速度10℃/minで-50℃まで冷却する。次に試料を-50℃から200℃まで昇温速度10℃/minで昇温し、吸熱ピークを測定する。吸熱ピークのピークトップを融点とする。
〔トナー粒子前駆体の体積中位粒径〕
測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター(株)製)
アパチャー径:100μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマンコールター(株)製)
電解液:アイソトンII(ベックマンコールター(株)製)
分散液:電解液にエマルゲン109P(花王(株)製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB(グリフィン):13.6)を溶解して5質量%に調整したもの
分散条件:前記分散液5mLに測定試料10mgを添加し、超音波分散機(機械名:(株)エスエヌディー製US-1、出力:80W)にて1分間分散させる。その後、前記電解液25mLを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させて、試料分散液を調製する。
測定条件:前記電解液100mLに、3万個の粒子の粒径を20秒間で測定できる濃度となるように、前記試料分散液を加え、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求める。
〔絶縁性液体の導電率〕
絶縁性液体25gを40mL容のガラス製サンプル管「スクリューNo.7」((株)マルエム製)に入れ、非水系導電率計「DT-700」(Dispersion Technology社製)を用いて、電極を絶縁性液体に浸し、25℃で20回測定を行って平均値を算出し、導電率を測定する。数値が小さいほど高抵抗であることを示す。
〔絶縁性液体及び固形分濃度が25質量%の液体現像剤の25℃における粘度〕
10mL容のスクリュー管に測定液を6〜7mL入れ、回転振動式粘度計「ビスコメイトVM-10A-L」((株)セコニック製)を用いて、25℃にて粘度を測定する。
〔液体現像剤の固形分濃度〕
試料10質量部をヘキサン90質量部で希釈し、遠心分離装置「H-201F」((株)コクサン製)を用いて、回転数25,000r/minにて、20分間回転させる。静置後、上澄み液をデカンテーションにて除去した後、90質量部のヘキサンで希釈し、同様の条件で再び遠心分離を行う。上澄み液をデカンテーションにて除去した後、下層を真空乾燥機にて0.5kPa、40℃にて8時間乾燥させ、以下の式より固形分濃度を計算する。
Figure 2018106145
〔液体現像剤中のトナー粒子の体積中位粒径(D50)〕
レーザー回折/散乱式粒径測定装置「マスターサイザー2000」(マルバーン社製)を用いて、測定用セルにアイソパーL(エクソンモービル社製、イソパラフィン、25℃における粘度1mPa・s)を加え、散乱強度が5〜15%になる濃度で、粒子屈折率1.58(虚数部0.1)、分散媒屈折率1.42の条件にて、体積中位粒径(D50)を測定する。
樹脂製造例1〔樹脂A〕
表1に示す原料モノマー、エステル化触媒、及び重合禁止剤を、窒素導入管、脱水管、攪拌機及び熱電対を装備した10L容の四つ口フラスコに入れ、210℃で反応を行い、反応率が90%に達するまで反応させ、さらに8.3kPaにて反応を行い、目的の軟化点に達した時点で反応を終了し、表1に示す物性を有するポリエステル樹脂を得た。なお、樹脂製造例において、反応率とは、生成反応水量(mol)/理論生成水量(mol)×100の値をいう。
樹脂製造例2〔樹脂B〕
表1に示すポリエステル樹脂の原料モノマー、及びエステル化触媒を窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した10L容の四つ口フラスコに入れ、マントルヒーターを用いて、230℃まで昇温し230℃で8時間反応させ、さらに8.3kPaにて表1に示す軟化点に達するまで反応を行って、表1に示す物性を有するポリエステル樹脂を得た。
Figure 2018106145
分散剤の製造例1〔分散剤A〕
表2に示すポリエチレンイミン、ポリプロピレン無水コハク酸(PPSA)、及びキシレン(和光純薬工業(株)製)を、冷却管、窒素導入管、撹拌機、脱水管及び熱電対を装備した2L容の四つ口フラスコに入れ、窒素ガスで反応容器内を置換した。その後、反応容器内を150℃に加温して1時間保持した後、160℃に昇温して1時間保持した。160℃で8.3kPaに減圧して溶剤を留去し、IR分析からPPSA由来の酸無水物のピーク(1780cm-1)が消失し、イミド結合由来のピーク(1700cm-1)が生じた時点を反応終点として、表2に示す物性を有する分散剤を得た。
分散剤の製造例2〔分散剤B〕
表2に示すポリエチレンイミン、ポリイソブテン無水コハク酸(PIBSA)、及びキシレン(和光純薬工業(株)製)を、冷却管、窒素導入管、撹拌機、脱水管及び熱電対を装備した2L容の四つ口フラスコに入れ、窒素ガスで反応容器内を置換した。その後、反応容器内を150℃に加温して1時間保持した後、160℃に昇温して1時間保持した。160℃で8.3kPaに減圧して溶剤を留去し、IR分析からPIBSA由来の酸無水物のピーク(1780cm-1)が消失し、イミド結合由来のピーク(1700cm-1)が生じた時点を反応終点として、表2に示す物性を有する分散剤を得た。
Figure 2018106145
実施例1〜4、6〜8及び比較例1、3〜5
〔工程I−1〕
表3〜5に示す結着樹脂85質量部及び着色剤「ECB-301」(大日精化工業(株)製、フタロシアニンブルー15:3)15質量部を、予め20L容のヘンシェルミキサーを使用し、回転数1500r/min(周速度21.6m/sec)で3分間混合した。その後、以下に示す条件で溶融混練した。
(溶融混練条件)
連続式二本オープンロール型混練機「ニーデックス」(日本コークス工業(株)製、ロール外径:14cm、有効ロール長:55cm)を使用した。連続式二本オープンロール型混練機の運転条件は、高回転側ロール(フロントロール)回転数75r/min(周速度32.4m/min)、低回転側ロール(バックロール)回転数35r/min(周速度15.0m/min)、混練物供給口側端部のロール間隙0.1mmであった。ロール内の加熱媒体温度及び冷却媒体温度は、高回転側ロールの原料投入側が90℃及び混練物排出側が85℃であり、低回転側ロールの原料投入側が35℃及び混練物排出側が35℃であった。また、原料混合物の上記混練機への供給速度は10kg/h、上記混練機中の平均滞留時間は約3分間であった。
上記で得られた混練物を冷却ロールで圧延冷却した後、ハンマーミルを用いて1mm程度に粗粉砕し、体積中位粒径(D50)1mm程度のトナー粒子前駆体1を得た。
〔工程I−2〕
脱水管、撹拌装置及び熱電対を装備した1L容の4つ口フラスコ中で、トナー粒子前駆体1 100g、表3〜5に記載の分散剤10g(比較例3では使用せず)と表3〜5に示す絶縁性液体「アイソパーL」(エクソンモービル社製、イソパラフィン、導電率:6.2×10-13S/m、25℃における粘度:1mPa・s)を混合し、表3〜5に示す温度、時間で撹拌した。
カイ型攪拌機による撹拌条件は、以下の通りである。
羽根:径=Φ70mm、回転数=300r/min
ホモミキサー(PRIMIX社製:ホモミクサーMARK II 2.5型)
羽根:径=Φ30mm、回転数=10000r/min
なお、周速(m/s)は下記式で求めた。
周速(m/s)=径(m)×π×回転数(r/min)/60
〔工程II〕
工程1の攪拌物を表3〜5に示す滴下温度に調整し、工程I−4と同じ条件で撹拌しながら、絶縁性液体「アイソパーL」を表3〜5に示す条件で滴下して、固形分濃度が30質量%のトナー粒子の分散液を得た。
分散液を、室温(25℃)まで冷却し、さらに絶縁性液体で希釈して、固形分濃度を25質量%に調整して表3〜5に示す液体現像剤を得た。
なお、実施例1〜4、6〜8及び比較例1では、絶縁性液体の滴下とともに、転相乳化によりトナー粒子の分散液を得たが、比較例4では、工程IIで滴下した絶縁性液体が少量であるため、転相乳化は生じず、いわゆるコアセルベーション法によりトナー粒子の分散液を得た。また、比較例3及び5では、絶縁性液体の滴下途中で混合液が固化し、液体現像剤は得られなかった。
実施例5
〔工程I−3〕
表3に示す結着樹脂85質量部、分散剤10質量部、及び着色剤「ECB-301」(大日精化工業(株)製、フタロシアニンブルー15:3)15質量部を、予め20L容のヘンシェルミキサーを使用し、回転数1500r/min(周速度21.6m/sec)で3分間攪拌混合後、以下に示す条件で溶融混練した。
(溶融混練条件)
連続式二本オープンロール型混練機「ニーデックス」(日本コークス工業(株)製、ロール外径:14cm、有効ロール長:55cm)を使用した。連続式二本オープンロール型混練機の運転条件は、高回転側ロール(フロントロール)回転数75r/min(周速度32.4m/min)、低回転側ロール(バックロール)回転数35r/min(周速度15.0m/min)、混練物供給口側端部のロール間隙0.1mmであった。ロール内の加熱媒体温度及び冷却媒体温度は、高回転側ロールの原料投入側が90℃及び混練物排出側が85℃であり、低回転側ロールの原料投入側が35℃及び混練物排出側が35℃であった。また、原料混合物の上記混練機への供給速度は10kg/h、上記混練機中の平均滞留時間は約3分間、混練物の温度は85℃であった。
上記で得られた混練物を冷却ロールで圧延冷却した後、ハンマーミルを用いて1mm程度に粗粉砕し、体積中位粒径(D50)が1mm程度のトナー粒子前駆体2を得た。
〔工程I−4〕
脱水管、撹拌装置及び熱電対を装備した1L容の4つ口フラスコに、トナー粒子前駆体2 110g、表3に記載の絶縁性液体「アイソパーL」を混合し、表3に示す温度、時間で撹拌した。
〔工程II〕
工程1の攪拌物を表3に示す滴下温度に調整し、工程I−4と同じ条件で撹拌しながら、絶縁性液体「アイソパーL」を表3に示す条件で滴下して、転相乳化により、固形分濃度が30質量%のトナー粒子の分散液を得た。
分散液を、室温(25℃)まで冷却し、さらに絶縁性液体で希釈して、固形分濃度を25質量%に調整して表3に示す液体現像剤を得た。
実施例9
〔工程i〕
脱水管、撹拌装置及び熱電対を装備した1L容の4つ口フラスコ中で、樹脂A 85g、表4に記載の分散剤10g、及び絶縁性液体「アイソパーL」(エクソンモービル社製、イソパラフィン、導電率:6.2×10-13S/m、25℃における粘度:1mPa・s)20gを混合し、表4に示す温度、時間で撹拌した。
〔工程ii〕
工程iの攪拌物を表4に示す滴下温度に調整し、工程iと同じ条件で撹拌しながら、絶縁性液体「アイソパーL」を表4に示す条件で滴下して、トナー粒子の分散液を得た。
〔工程iii〕
工程iiで得られたトナー粒子の分散液352質量部に、着色剤「ECB-301」(大日精化工業(株)製、フタロシアニンブルー15:3)15質量部を入れ、「T.K.ロボミックス」(プライミクス(株)製)を用いて、氷冷下、回転数10000r/minにて30分間攪拌を行い、固形分濃度30質量%のトナー粒子の分散液を得た。室温(25℃)まで冷却し、さらに絶縁性液体で希釈して、固形分濃度を25質量%に調整して表4に示す液体現像剤を得た。
実施例10
工程I、IIで使用した攪拌機をカイ型攪拌機からプラネタリーミキサーに変更し、工程I−2の撹拌温度及び工程IIの滴下温度を変更した以外は実施例1と同様に行い、表4に示す液体現像剤を得た。
プラネタリーミキサーによる撹拌条件は、以下の通りである。
プラネタリーミキサー(PRIMIX社製:1L容ハイビスミックス2P-1型)
公転:径=Φ134mm、回転数=100r/min
自転:径=Φ71mm、回転数=243r/min
(公転、自転は同一方向)
プラネタリーミキサーの周速は、公転の周速と自転の周速を足し合わせた値とする。
実施例11
結着樹脂を樹脂Aから樹脂Bに変更した以外は実施例10と同様に行い、表4に示す液体現像剤を得た。
比較例2
〔工程I〕
脱水管、撹拌装置及び熱電対を装備した1L容の4つ口フラスコに、トナー粒子前駆体1 100gと表5に記載の絶縁性液体「アイソパーL」20gを120℃でカイ型攪拌機(周速1.1m/s)を用いて混合した。
〔工程II〕
工程Iの混合物を120℃で工程Iと同じ条件で撹拌しながら、120℃に加熱した絶縁性液体「アイソパーL」237gと分散剤A 10gの混合液を滴下して、転相乳化により、トナー粒子の分散液を得た。
分散液を、室温(25℃)まで冷却し、さらに絶縁性液体で希釈して、固形分濃度を25質量%に調整して表5に示す液体現像剤を得た。
比較例6
1L容のビーカーにトナー粒子前駆体1 100g、表5に記載の分散剤A 10gと表5に示す絶縁性液体「アイソパーL」(エクソンモービル社製、イソパラフィン、導電率:6.2×10-13S/m、25℃における粘度:1mPa・s)257gを混合し、ホモミキサー10000r/minの条件で、120℃で1分間撹拌し、固形分濃度が30質量%のトナー粒子の分散液を得た。分散液を、室温(25℃)まで冷却し、さらに絶縁性液体で希釈して、固形分濃度を25質量%に調整して表5に示す液体現像剤を得た。
試験例1〔低温定着性〕
「PODグロスコート紙」(王子製紙(株)製)に液体現像剤を滴下し、ワイヤーバーにより乾燥後の質量が1.2g/m2になるように薄膜を作製した。その後、80℃の恒温槽中で10秒間保持した。
続いて、「OKI MICROLINE 3010」((株)沖データ製)から取り出した定着機を用いて、定着ロールの温度が80℃、定着速度が280mm/secで定着処理を行った。
その後、定着ロール温度を160℃まで10℃ずつ上昇させながら、上記のような定着処理を行い、各温度毎に定着画像を得た。
得られた定着画像にメンディングテープ「Scotchメンディングテープ810」(スリーエム ジャパン(株)製、幅18mm)を貼り付け、500gの荷重がかかるようにローラーでテープに圧力をかけた後、テープを剥離した。テープ剥離前と剥離後の画像濃度は、色彩計「GretagMacbeth Spectroeye」(グレタグ社製)を用いて測定した。画像印字部分を各3点測定し、その平均値を画像濃度として算出した。定着率(%)は、剥離後の画像濃度/剥離前の画像濃度×100の値から算出し、定着率が90%以上となる温度を最低定着温度とし、これを低温定着性とした。その結果を表3〜5に示す。数値が小さいほど低温定着性に優れることを示している。
試験例2〔分散安定性〕
液体現像剤10gを20mL容のガラス製サンプル管「スクリューNo.5」((株)マルエム製)に入れた後に、50℃の恒温槽にて48時間保存した。保存前後のトナー粒子の体積中位粒径(D50)を測定し、その差分〔(保存後のD50)−(保存前のD50)〕の値から分散安定性を評価した。その結果を表3〜5に示す。数値が0に近いほど分散安定性に優れることを示している。
Figure 2018106145
Figure 2018106145
Figure 2018106145
以上の結果より、実施例1〜11の液体現像剤は、低粘度かつ低温定着性及び分散安定性が良好であり、またトナー粒子が小粒径であることが分かる。
これに対し、工程Iと工程IIをガラス転移温度未満の温度で行った比較例1では、小粒径のトナー粒子が得られていない。また、分散剤を工程IIで使用した比較例2では、小粒径のトナー粒子が得られておらず、特にその傾向が顕著である。また、分散剤を使用していない比較例3では、混合液の固化により液体現像剤が得られていない。また、コアセルベーション法により液体現像剤を製造した比較例4では、小粒径のトナー粒子は得られていない。また、工程Iはガラス転移温度以上の温度であるものの、工程IIはガラス転移温度未満の温度で行った比較例5では、混合液の固化により液体現像剤が得られていない。また、ホモミキサーを使用したために工程IIを有しない比較例6では、小粒径のトナー粒子が得られていない。
本発明の方法により得られる液体現像剤は、例えば、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像等に好適に用いられるものである。
1 撹拌槽
2 撹拌槽の上方部材
3 撹拌槽の下方部材
4 撹拌羽根
5 撹拌羽根
6 ローター

Claims (11)

  1. 酸性基を有する樹脂を含む結着樹脂、着色剤、塩基性分散剤、及び絶縁性液体を含有する液体現像剤の製造方法であって、
    工程I:前記結着樹脂と前記着色剤と前記塩基性分散剤を含む原料を前記結着樹脂のガラス転移温度以上の温度で撹拌する工程、及び
    工程II:工程Iの撹拌物に、該撹拌物100質量部に対して前記絶縁性液体50〜500質量部を前記結着樹脂のガラス転移温度以上の温度で滴下することにより転相乳化して、トナー粒子の分散液を得る工程
    を含む、液体現像剤の製造方法。
  2. 工程Iが、
    工程I−1:結着樹脂と着色剤を含むトナー粒子前駆体を調製する工程、及び
    工程I−2:工程I−1で得られたトナー粒子前駆体と塩基性分散剤を含む混合物を前記結着樹脂のガラス転移温度以上の温度で撹拌する工程
    を含む、請求項1記載の製造方法。
  3. 工程Iが、
    工程I−3:結着樹脂と着色剤と塩基性分散剤を含むトナー粒子前駆体を調製する工程、及び
    工程I−4:工程I−3で得られたトナー粒子前駆体を含む混合物を前記結着樹脂のガラス転移温度以上の温度で撹拌する工程
    を含む、請求項1記載の製造方法。
  4. 工程I及び/又は工程IIを、公転軸に自転軸が2軸以上連結され、夫々の自転軸に設けられた攪拌羽根が遊星運動を行う混合機を用いた撹拌下で行う、請求項1〜3いずれか記載の製造方法。
  5. 酸性基を有する樹脂を含む結着樹脂、着色剤、塩基性分散剤、及び絶縁性液体を含有する液体現像剤の製造方法であって、
    工程i:前記結着樹脂と前記塩基性分散剤を含む原料を前記結着樹脂のガラス転移温度以上の温度で撹拌する工程、
    工程ii:工程iの撹拌物に、該撹拌物100質量部に対して前記絶縁性液体50〜500質量部を前記結着樹脂のガラス転移温度以上の温度で滴下することにより転相乳化して、トナー粒子の分散液を得る工程、及び
    工程iii:工程iiで得られた分散液と前記着色剤を混合する工程
    を含む、液体現像剤の製造方法。
  6. 工程i及び/又は工程iiを、公転軸に自転軸が2軸以上連結され、夫々の自転軸に設けられた攪拌羽根が遊星運動を行う混合機を用いた撹拌下で行う、請求項5記載の製造方法。
  7. 酸性基を有する樹脂が、ポリエステル系樹脂を含む、請求項1〜6いずれか記載の製造方法。
  8. 塩基性分散剤が、アミノ基及び/又はイミノ基を有する塩基性分散剤を含む、請求項1〜7いずれか記載の製造方法。
  9. 工程I又は工程iにおける撹拌時間が、0.5分以上180分以下である、請求項1〜8いずれか記載の製造方法。
  10. 工程II又は工程iiにおける絶縁性液体の滴下速度が、工程I又は工程iの撹拌物100gあたり、0.1g/min以上100g/min以下である、請求項1〜9いずれか記載の製造方法。
  11. 工程I又は工程iの撹拌物中の結着樹脂の含有量が、50質量%以上である、請求項1〜10いずれか記載の製造方法。
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