JP6086957B2 - 液体洗浄剤 - Google Patents
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Description
本願は、2011年4月18日に日本に出願された特願2011−092214号、2011年4月18日に日本に出願された特願2011−092215号、2011年4月18日に日本に出願された特願2011−092216号、及び2011年4月18日に日本に出願された特願2011−092217号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
一方、ドラム式洗濯機の普及等から、洗濯における浴比(被洗物に対する洗濯水の割合)の低下が進んでおり、洗浄剤には、洗浄力が高いことに加えて、洗濯一回当たりの使用量が少ないこと、又はすすぎに必要な水の使用量が少なくて済むこと等も望まれている。
これに対して、液体洗浄剤分野では、界面活性剤濃度の高い組成の開発(濃縮化)が進んでいる。
しかし、界面活性剤濃度が高くなると、組成物自体に粘度増加やゲル化等が生じて、液流動性が悪くなる。これに伴い、キャップへの計量、又は被洗物への塗布を行いにくくなる。また、濁りや沈殿が生じる等、透明均一な外観を確保するのが難しくなる。
これらの不具合は、特に冬場などの低温条件下で顕著になる。
たとえば、特定のポリオキシエチレン又はポリオキシアルキレンエーテル等の非イオン界面活性剤と、陰イオン界面活性剤(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、又はポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩)と、水混和性の有機溶剤と、を特定の配合比率で含有する液体洗浄剤が開示されている(特許文献1参照)。この液体洗浄剤によれば、組成物自体のゲル化ないし粘度増加が生じにくいとされている。
また、特定のアルキレンオキサイド付加体50〜70質量%と、非石鹸系アニオン界面活性剤1〜10質量%と、水混和性の有機溶剤と、を含有する液体洗浄剤が開示されている(特許文献2参照)。この液体洗浄剤によれば、均一な外観を呈し、経時に伴うゲル化等が起きにくいとされている。
洗濯後の衣類等から臭いが発生する原因の一つとして、洗濯で完全には除去されずに残った皮脂などの汚れが微生物によって分解されること、が知られている。このような臭いは、特に梅雨時などの湿度が高い日などに生じやすい。昨今の生活スタイルの変化に伴い、夜に洗濯した衣類等を室内で乾かす(部屋干しを行う)家庭が増加している中、洗濯後の衣類等から発生する臭い(部屋干し臭)の消臭が求められる。
さらに、ドラム式洗濯機に代表される大容量洗濯機でのまとめ洗いや、節水洗濯に伴う浴比の低下などによって、洗濯の際、衣類の再汚染が発生しやすくなっている。特に、ポリエステル等の疎水性の化学繊維においては再汚染が発生しやすい。
また、このような低浴比の条件下で洗濯した場合、洗濯槽内で被洗物同士が擦れ合うことによって、繊維が損傷し、繊維表面が毛羽立ち、光の乱反射によってその部分が白化したように見えたり、乾燥後の風合い(着心地)が悪くなったりするという問題を生じやすい。
かかる問題に対しては、カチオン性成分の配合により、被洗物に柔軟性を付与する方法が有用である。しかしながら、陰イオン界面活性剤として直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、又はポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩を含有する液体洗浄剤において、当該カチオン性成分を配合すると、沈殿や析出を生じやすく、液安定性の確保が困難である。
また、再汚染の防止を図るには、陰イオン界面活性剤として直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩を配合する方法が考えられる。
しかしながら、界面活性剤濃度の高い組成に、抗菌又は消臭成分としてカチオン性化合物と、再汚染防止の成分として直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩とを配合しても、それぞれの性能が充分に発揮されず、また、液体製剤としての液安定性を確保することが困難であった。
(1)下記一般式(a−1)で表される陰イオン界面活性剤(A)と、下記一般式(b−1)及び一般式(b−2)のいずれかの一般式で表される化合物からなる群より選択される少なくとも一種の非イオン界面活性剤(B)と、炭素数2〜4のアルコール及び下記一般式(c−1)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも一種の有機溶剤(C)とを含有し、前記(A)成分と前記(B)成分との合計が液体洗浄剤の総質量に対して40質量%以上である、液体洗浄剤。
(3)アルキレンテレフタレート単位及びアルキレンイソフタレート単位からなる群より選択される少なくとも一種の繰返し単位(d1)とオキシアルキレン単位(d2)とを有するポリマー(D)と、脂肪酸又はその塩(E)をさらに含有し、前記(A)成分/(B)成分で表される質量比が(A)成分/(B)成分=5/95〜50/50であり、かつ、前記[(A)成分+(B)成分]/(C)成分で表される質量比が14以下である、(1)に記載の液体洗浄剤。
(4)第3級アミン(F)をさらに含有し、前記(A)成分/(B)成分で表される質量比が(A)成分/(B)成分=5/95〜40/60であり、前記[(A)成分+(B)成分]/(C)成分で表される質量比が13以下であり、かつ、(A)成分/(F)成分で表される質量比が1〜15である、(1)に記載の液体洗浄剤。
(5)アミノ変性シリコーン化合物、カルボキシ変性シリコーン化合物及びポリエーテル変性シリコーン化合物からなる群より選択される少なくとも一種のシリコーン化合物(G)をさらに含有する、(4)に記載の液体洗浄剤。
(6)陽イオン界面活性剤(H)をさらに含有し、前記(A)成分/(B)成分で表される質量比が(A)成分/(B)成分=5/95〜40/60であり、前記[(A)成分+(B)成分]/(C)成分で表される質量比が10以下であり、かつ、(A)成分/(H)成分で表される質量比が1〜15である、(1)に記載の液体洗浄剤。
以下、これらの成分をそれぞれ(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、(E)成分、(F)成分、及び(H)成分ともいう。
本発明の液体洗浄剤においては、下記一般式(a−1)で表される陰イオン界面活性剤(A)を含有することにより、主として洗浄性能と再汚染防止性能が付与される。
R1の炭素数は8〜18であり、炭素数10〜16であることが好ましい。R1の炭素数が8以上であると、洗浄力が向上し、特に臭い除去性が高まる。一方、R1の炭素数が18以下であると、液安定性が向上し、特にゲル化、又は低温保存時の析出が抑制される。
アルカリ金属としては、ナトリウム、又はカリウム等が挙げられる。
アルカリ土類金属としては、カルシウム、又はマグネシウム等が挙げられる。
プロトン化されたアミンにおいて、アミンは、1〜3級のいずれであってもよく、総炭素数が1〜6であることが好ましい。前記アミンは、ヒドロキシ基を有していてもよいし、有していなくてもよいが、低温条件下での液体洗浄剤の水に対する溶解性が高まることから、ヒドロキシ基を有していることが好ましい。このようなプロトン化されたアミンとしては、アルカノールアミンが挙げられ、前記アルカノール基の炭素数は1〜3が好ましい。
アルカノールアミンの具体例としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、又はトリエタノールアミン等が挙げられる。
なかでも、Mとしては、アルカリ金属、又はプロトン化されたアミンが好ましく、そのなかでもナトリウム、カリウム、又はアルカノールアミンがより好ましく、ナトリウム、モノエタノールアミン、又はトリエタノールアミンがさらに好ましい。
次いで、得られたα−スルホ脂肪酸アルキルエステル(酸型)を水酸化ナトリウム等のアルカリにより中和すると、スルホン酸部分で塩を形成して、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩のペーストが得られる。中和の前後に過酸化水素等で漂白を行ってもよい。
R2がメチル基の場合を例にとると、通常、上記の反応により得られるα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩のペーストには、α−スルホ脂肪酸ジ塩(α−スルホ脂肪酸ジナトリウム塩ともいう)、又はメチルサルフェート(メチル硫酸ナトリウムともいう)等の副生成物、メタノール、水、又は未反応の原料脂肪酸メチルエステル等が含有される。
(A)成分のなかでも、α−スルホ脂肪酸メチルエステル塩がより好ましい。具体的には、C10H21−CH(SO3Na)−COOCH3、C12H25−CH(SO3Na)−COOCH3、C14H29−CH(SO3Na)−COOCH3、又はC16H33−CH(SO3Na)−COOCH3の式で表される化合物が挙げられる。
(A)成分のなかでも、α−スルホラウリン酸メチルエステルナトリウム塩、α−スルホミリスチン酸メチルエステルナトリウム塩、α−スルホパルミチン酸メチルエステルナトリウム塩、又はα−スルホステアリン酸メチルエステルナトリウム塩が特に好ましい。
本発明の第2の態様では、液体洗浄剤中、(A)成分の配合量は、前記液体洗浄剤の総質量に対して2〜42質量%であることが好ましく、より好ましくは4.2〜33質量%であり、特に好ましくは7.5〜26質量%である。
本発明の第3の態様では、液体洗浄剤中、(A)成分の配合量は、前記液体洗浄剤の総質量に対して2〜35質量%であることが好ましく、より好ましくは4.5〜29質量%であり、特に好ましくは7.5〜26質量%である。
本発明の第4の態様では、液体洗浄剤中、(A)成分の配合量は、前記液体洗浄剤の総質量に対して2〜26質量%であることが好ましく、より好ましくは4.2〜22質量%であり、特に好ましくは6.8〜18質量%である。
本発明の第5の態様では、液体洗浄剤中、(A)成分の配合量は、前記液体洗浄剤の総質量に対して2〜28質量%であることが好ましく、より好ましくは4.5〜23質量%であり、特に好ましくは7.5〜20質量%である。
(A)成分の配合量が前記液体洗浄剤の総質量に対して2質量%以上であると、洗浄力がより向上し、一方、上限値以下であると、液安定性がより向上する。
本発明の液体洗浄剤においては、下記の一般式(b−1)で表される化合物(以下この化合物を「(B1)成分」ともいう。)及び一般式(b−2)で表される化合物(以下この化合物を「(B2)成分」ともいう。)からなる群より選択される少なくとも一種の非イオン界面活性剤(B)を含有する。これにより、主として洗浄性能が付与される。
前記式(b−1)中、R3の炭化水素基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、又は環状の構造を含んでいてもよい。R3の炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であることが好ましく、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニル基がより好適なものとして挙げられる。
R3の炭素数は9〜13であり、炭素数10〜13であることが好ましく、炭素数11〜13であることがより好ましい。R3の炭素数が9以上であると、洗浄力が高まる。一方、R3の炭素数が13以下であると、液安定性が向上し、特にゲル化が抑制される。
式中の2以上のR4は、相互に同じであってもよく異なってもよい。すなわち、R4のアルキレン基は、1種単独であってもよく、2種以上が組み合わされていてもよい。なかでも、洗浄時の泡立ちが良く、安価であることから、式中のm個のOR4が、全てオキシエチレン基であるか、又はオキシエチレン基とオキシプロピレン基とが混在していることが好ましい。
R4のアルキレン基が2種以上組み合わされている場合、OR4の付加方法は特に限定されず、たとえばオキシエチレン基とオキシプロピレン基とが混在している場合の付加方法としては、ランダム付加であってもよく、ブロック付加であってもよい。
ブロック付加の方法としては、エチレンオキシドを付加した後にプロピレンオキシドを付加する方法、プロピレンオキシドを付加した後にエチレンオキシドを付加する方法、又はエチレンオキシドを付加した後にプロピレンオキシドを付加してさらにエチレンオキシドを付加する方法等が挙げられる。
OR4が全てオキシエチレン基である場合、mは5〜20の整数であることが好ましく、12〜18の整数がより好ましい。
OR4がオキシエチレン基とオキシプロピレン基とが混在している場合、mは12〜21の整数が特に好ましい。このとき、オキシプロピレン基の平均繰返し数は、5以下の整数が好ましく、4以下の整数がより好ましく、3以下の整数がさらに好ましい。オキシプロピレン基の平均繰返し数が5を超えると、洗浄力、及び液体洗浄剤としての液安定性(透明均一性、又は経時安定性など)が悪くなるおそれがある。
iはアルキレンオキシドの付加モル数を示す。
Yiは、前記式(b−1)で表される成分全体の中に存在するアルキレンオキシドの付加モル数がiであるアルキレンオキシド付加体の割合(質量%)を示す。
前記ナロー率は、たとえば前記(B1)成分の製造方法等によって制御することができる。
かかる表面改質された複合金属酸化物触媒の好適なものとしては、具体的には、金属水酸化物等により表面改質された金属イオン(Al3+、Ga3+、In3+、Tl3+、Co3+、Sc3+、La3+、又はMn2+等)が添加された酸化マグネシウム等の複合金属酸化物触媒や、金属水酸化物及び/又は金属アルコキシド等により表面改質されたハイドロタルサイトの焼成物触媒である。
また、前記複合金属酸化物触媒の表面改質においては、複合金属酸化物と、金属水酸化物及び/又は金属アルコキシドとの混合割合を、複合金属酸化物100質量部に対して、金属水酸化物及び/又は金属アルコキシドの割合を0.5〜10質量部とすることが好ましく、1〜5質量部とすることがより好ましい。
前記式(b−2)中、R6の炭化水素基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、又は環状の構造を含んでいてもよい。R6の炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であることが好ましく、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニル基がより好適なものとして挙げられる。
R6の炭化水素基における炭素数は10〜20であり、炭素数12〜18であることが好ましく、炭素数12〜14であることがより好ましい。R6の炭素数が10以上であると、洗浄力が高まる。一方、R6の炭素数が20以下であると、液安定性が向上し、特にゲル化が抑制される。
(B2)成分は、単一鎖長の混合物であってもよく、2以上の鎖長の混合物であってもよい。R6は原料のアルコール(R6−OH)に由来し、前記アルコールとしては、ヤシ油、パーム油若しくは牛脂などの天然油脂由来のアルコール、又は石油由来の合成アルコールが挙げられる。
tは、PO(オキシプロピレン基)の平均繰返し数を示し、1〜4の整数であり、1〜3の整数であることが好ましい。tが前記範囲内にあると、液体洗浄剤のゲル化が抑制されやすくなり、また、すすぎ時に良好な泡切れ性が得られやすい。
前記式(b−2)において、EOとPOとは、ブロック状に付加していてもよく、ランダム状に付加していてもよい。EOとPOとがブロック状に付加している場合の付加方法としては、エチレンオキシドを付加した後にプロピレンオキシドを付加する方法、プロピレンオキシドを付加した後にエチレンオキシドを付加する方法、又はエチレンオキシドを付加した後にプロピレンオキシドを付加してさらにエチレンオキシドを付加する方法等が挙げられる。特に、全自動洗濯機での洗濯におけるすすぎ性がより良好なことから、エチレンオキシドを付加した後にプロピレンオキシドを付加してさらにエチレンオキシドを付加する方法(末端が−O−CH2CH2O−Hとなること)が好ましい。
たとえば、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等の一般的なアルカリ触媒を用いてアルキレンオキシドを疎水性原料に付加させた際には、比較的広い付加モル数分布となる傾向にある。また、特公平6−15038号公報に記載されたAl3+、Ga3+、In3+、Tl3+、Co3+、Sc3+、La3+、又はMn2+等の金属イオンを添加した酸化マグネシウム等の特定のアルコキシル化触媒を用いてアルキレンオキシドを疎水性原料に付加させた際には、比較的狭い付加モル数分布となる傾向にある。
本発明の第4の態様では、液体洗浄剤中、(B)成分の配合量((B1)成分と(B2)成分との合計)は、前記液体洗浄剤の総質量に対して24〜62質量%であることが好ましく、より好ましくは27〜57質量%であり、特に好ましくは32〜51質量%である。
本発明の第5の態様では、液体洗浄剤中、(B)成分の配合量((B1)成分と(B2)成分との合計)は、前記液体洗浄剤の総質量に対して24〜67質量%であることが好ましく、より好ましくは29〜59質量%であり、特に好ましくは35〜55質量%である。
(B)成分の配合量が下限値以上であると、洗浄力がより向上し、特に臭い除去性が高まる。一方、上限値以下であると、液安定性がより向上する。
[(B1)成分+(B2)成分]/非イオン界面活性剤で表される質量比が0.5以上1.0以下であると、洗浄力(特に臭い除去性)が向上しやすくなる。また、液体洗浄剤としての使用性が良くなる。前記質量比が0.5未満であると、洗浄力(特に臭い除去性)が低下する。
ここで「[(B1)成分+(B2)成分]/非イオン界面活性剤」は、液体洗浄剤中の非イオン界面活性剤の合計の含有量に対する、(B1)成分と(B2)成分との合計の含有量の割合(質量比)を表す。
本発明の第4の態様の液体洗浄剤において、前記(A)成分と前記(B)成分との合計は、前記液体洗浄剤の総質量に対して40質量%以上であり、前記液体洗浄剤の総質量に対して40〜65質量%であることが好ましく、42〜63質量%がより好ましく、45〜60質量%がさらに好ましい。
(A)成分と(B)成分との合計が前記液体洗浄剤の総質量に対して40質量%以上であると、本発明の効果が顕著に発揮される。また、液体洗浄剤に高い洗浄性能が付与される。一方、(A)成分と(B)成分との合計が好ましい上限値を超えると、ゲル化が生じにくく、液体洗浄剤の液安定性が低下するおそれがない。
本発明の第2の態様の液体洗浄剤において、(A)成分と(B)成分との配合比率は、(A)成分/(B)成分で表される質量比が(A)成分/(B)成分=5/95〜60/40であり、10/90〜50/50が好ましく、15/85〜40/60がより好ましく、20/80〜35/65が特に好ましく、20/80超、30/70以下が最も好ましい。
本発明の第3の態様の液体洗浄剤において、(A)成分と(B)成分との配合比率は、(A)成分/(B)成分で表される質量比が(A)成分/(B)成分=5/95〜50/50であり、10/90〜45/55が好ましく、15/85〜40/60がより好ましく、20/80〜35/65が特に好ましく、20/80超、30/70以下が最も好ましい。
本発明の第4の態様の液体洗浄剤において、(A)成分と(B)成分との配合比率は、(A)成分/(B)成分で表される質量比が(A)成分/(B)成分=5/95〜40/60であり、10/90〜35/65が好ましく、15/85〜30/70がより好ましく、20/80〜30/70が特に好ましく、20/80超、30/70以下が最も好ましい。
本発明の第5の態様の液体洗浄剤において、(A)成分と(B)成分との配合比率は、(A)成分/(B)成分で表される質量比が(A)成分/(B)成分=5/95〜40/60であり、10/90〜35/65が好ましく、15/85〜30/70がより好ましく、20/80〜30/70が特に好ましく、20/80超、30/70以下が最も好ましい。
(A)成分と(B)成分との配合比率が上記範囲内であることにより、特に、ポリエステル若しくはポリウレタンのような化学繊維、又はこれらの化学繊維と綿との混紡衣料に付着した汗や皮脂汚れに対する洗浄力が高まり、当該汗や皮脂汚れ残りに起因する臭い除去性が向上する。
本発明の液体洗浄剤は、炭素数2〜4のアルコール及び後述の一般式(c−1)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも一種の有機溶剤(C)を含有する。
炭素数2〜4のアルコールのうち、1価アルコールとしては、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、又は1−ブタノール等が挙げられる。
炭素数2〜4の多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、又はグリセリン等が挙げられる。
(C)成分のなかでも、液体洗浄剤の液流動性が向上しやすい点、臭気の穏やかな点、又は原料の入手のしやすさの点から、エタノール、プロピレングリコール、又はジエチレングリコールモノブチルエーテルが好ましい。
第2の態様の液体洗浄剤中、(C)成分の配合量は、前記液体洗浄剤の総質量に対して3〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは4〜18質量%であり、特に好ましくは5〜15質量%である。
第3及び第4の態様の液体洗浄剤中、(C)成分の配合量は、前記液体洗浄剤の総質量に対して5〜30質量%であることが好ましく、より好ましくは5〜25質量%であり、さらに好ましくは6〜23質量%であり、特に好ましくは7〜21質量%である。
第5の態様の液体洗浄剤中、(C)成分の配合量は、前記液体洗浄剤の総質量に対して7〜30質量%であることが好ましく、より好ましくは7〜25質量%であり、さらに好ましくは8〜23質量%であり、特に好ましくは9〜21質量%である。
(C)成分の配合量が下限値以上であると、液体洗浄剤の液流動性が良好となり、ゲル化せず、液体洗浄剤として使用しやすくなる。一方、上限値より多く配合しても、それに見合う液流動性の向上の効果は得られにくく、経済的にも不利になる。
本発明の第2の態様の液体洗浄剤において、(A)成分と(B)成分と(C)成分との配合比率は、[(A)成分+(B)成分]/(C)成分で表される質量比が23以下であり、2〜23であることが好ましく、2.5〜16.3であることがより好ましく、3.3〜13であることがさらに好ましい。
本発明の第3の態様の液体洗浄剤において、(A)成分と(B)成分と(C)成分との配合比率は、[(A)成分+(B)成分]/(C)成分で表される質量比が14以下であり、2〜14であることが好ましく、2〜13であることがより好ましく、2.4〜9.3であることがさらに好ましい。
本発明の第4の態様の液体洗浄剤において、(A)成分と(B)成分と(C)成分との配合比率は、[(A)成分+(B)成分]/(C)成分で表される質量比が13以下であり、1.6〜13であることが好ましく、1.8〜10.5であることがより好ましく、2.1〜8.6であることがさらに好ましい。
本発明の第5の態様の液体洗浄剤において、(A)成分と(B)成分と(C)成分との配合比率は、[(A)成分+(B)成分]/(C)成分で表される質量比が10以下であり、1.6〜10であることが好ましく、2〜8.1であることがより好ましく、2.4〜7.2であることがさらに好ましい。
[(A)成分+(B)成分]/(C)成分で表される質量比が上限値を超える((A)成分+(B)成分の比率が高すぎる)と、液体洗浄剤の粘度が高くなる(ゲル化を生じることがある)ため、液体洗浄剤の液流動性が低下しやすくなる。また、液体洗浄剤としての使用性が悪くなるおそれがある。一方、当該質量比が下限値未満である((C)成分の比率が高すぎる)と、液体洗浄剤の粘度が低くなりすぎて、被洗物に塗布しにくくなり、使用性や塗布洗浄力が低下しやすくなる。
本発明の第3の態様の液体洗浄剤は、アルキレンテレフタレート単位及びアルキレンイソフタレート単位からなる群より選択される少なくとも一種の繰返し単位(d1)とオキシアルキレン単位(d2)とを有するポリマー(D)を含有する。
本発明の液体洗浄剤においては、(D)成分と後述の(E)成分とを組み合わせて用いることにより、主として、衣類の再汚染防止性能が付与される。
アルキレンテレフタレート単位(以下この繰返し単位を「繰返し単位(d11)」ともいう)としては、下記一般式(d1−1)で表される繰返し単位が挙げられる。
繰返し単位(d11)として具体的には、エチレンテレフタレート単位、n−プロピレンテレフタレート単位、イソプロピレンテレフタレート単位、n−ブチレンテレフタレート単位、イソブチレンテレフタレート単位、sec−ブチレンテレフタレート単位、又はtert−ブチレンテレフタレート単位等が挙げられる。なかでも、イソプロピレンテレフタレート単位が好ましい。
繰返し単位(d12)として具体的には、エチレンイソフタレート単位、プロピレンイソフタレート単位、n−ブチレンイソフタレート単位、sec−ブチレンイソフタレート単位、又はtert−ブチレンイソフタレート単位等が挙げられる。なかでも、プロピレンイソフタレート単位が好ましい。
すなわち、(D)成分は、その1分子中に、繰返し単位(d1)として、アルキレンテレフタレート単位のみを有していてもよく、アルキレンイソフタレート単位のみを有していてもよく、アルキレンテレフタレート単位とアルキレンイソフタレート単位との両方を有していてもよい。
(D)成分における1分子中、繰返し単位(d1)の繰返し数は、1〜10の整数であることが好ましく、1〜6の整数であることがより好ましく、2〜4の整数であることがさらに好ましい。
繰返し単位(d1)の繰返し数が1以上であると、再汚染防止性能がより向上し、一方、10以下であると、液安定性がより向上する。
オキシアルキレン単位(以下この繰返し単位を「繰返し単位(d2)」ともいう)としては、下記一般式(d2−1)で表される繰返し単位が挙げられる。
すなわち、(D)成分は、その1分子中に、繰返し単位(d2)として、たとえば、オキシエチレン単位のみを有していてもよく、オキシプロピレン単位のみを有していてもよく、オキシエチレン単位とオキシプロピレン単位との両方を有していてもよい。
(D)成分における1分子中、繰返し単位(d2)の繰返し数は、1〜100の整数であることが好ましく、1〜80の整数であることがより好ましく、1〜50の整数であることがさらに好ましい。
繰返し単位(d2)の繰返し数が1以上であると、液安定性がより向上し、一方、100以下であると、再汚染防止効果がより得られやすくなる。
また、(D)成分は、その1分子中に、繰返し単位(d2)として、オキシアルキレン基(繰返し数が1の場合)のみを有してもよく、ポリオキシアルキレン単位(繰返し数が2以上の場合)のみを有してもよく、オキシアルキレン基とポリオキシアルキレン単位との両方を有してもよい。
(D)成分は、繰返し単位(d1)及び繰返し単位(d2)以外のその他の単位を有していてもよい。その他の単位としては、重合開始剤や重合停止剤等に由来する単位、又は繰返し単位(d1)若しくは繰返し単位(d2)を提供するモノマーと共重合可能なモノマーに由来する繰返し単位等が挙げられる。
(D)成分中にその他の単位を有する場合、繰返し単位(d1)と繰返し単位(d2)との合計は、(D)成分を構成する全部の単位に対して、80モル%以上100モル%以下であることが好ましく、90モル%以上100モル%以下であることがより好ましい。繰返し単位(d1)と繰返し単位(d2)との合計が80モル%以上100モル%以下であると、衣類の再汚染防止性能がより高まる。一方、繰返し単位(d1)と繰返し単位(d2)との合計が80モル%未満であると、再汚染防止性能が低下する。
ここでいう「水溶性ポリマー」とは、1リットルビーカー内で、ポリマー10gを、40℃の条件で、水1000gに添加し、スターラー(太さ8mm、長さ50mm)により12時間撹拌(200rpm)したときに完全に溶解するものをいう。
ここでいう「重量平均分子量」は、溶媒としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いてGPC(ゲルパーミネーションクロマトグラフィー)により測定した値を、PEG(ポリエチレングリコール)における較正曲線により換算した値をいう。
(D)成分としては、その粘度(50℃で測定)が100〜1000mPa・sであるものが好ましい。この粘度は、ブルックフィールド粘度計にて2番ローターを用いて測定される値を示す。
(D)成分は、市場において容易に入手できるものを用いることができる。また、文献等に開示されている合成方法、たとえば、Journal of Polymer Science,第3巻,609〜630ページ(1948年);Journal of Polymer Science,第8巻,1〜22ページ(1951年);特開昭61−218699号公報に記載の方法等により製造することができる。
R24、R25及びR26は、それぞれ、炭素数2のアルキレン基、又は炭素数3のアルキレン基であることが好ましい。
x1は1〜10の整数であり、1〜6の整数であることが好ましく、2〜4の整数であることがより好ましい。
y1及びz1は、それぞれ、1〜100の整数であり、好ましくは1〜80の整数であり、より好ましくは1〜50の整数であり、さらに好ましくは10〜50の整数であり、特に好ましくは20〜30の整数である。
R27、R28及びR29は、それぞれ、炭素数2のアルキレン基、又は炭素数3のアルキレン基であることが好ましい。
ここで「比率(x:y)」は、式(d−1)で表される高分子においてはx1:y1を意味し、式(d−2)で表される高分子においてはx2:y2を意味する。
「比率(x:z)」は、式(d−1)で表される高分子においてはx1:z1を意味し、式(d−2)で表される高分子においてはx2:z2を意味する。
これらの中では、水への溶解性が高く、保存後の洗浄性能の低下が少ないTexCare SRN−100が好ましく、TexCare SRN−100の70質量%水溶液であって商品名TexCare SRN−170(クラリアント社製)として市販されているものが特に好ましい。
液体洗浄剤中、(D)成分の配合量は、前記液体洗浄剤の総質量に対して0.1〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜5質量%であり、特に好ましくは0.5〜3質量%である。
(D)成分の配合量が前記液体洗浄剤の総質量に対して0.1質量%以上であると、再汚染防止効果が得られやすくなる。また、洗浄力がより向上する。一方、10質量%以下であると、液体洗浄剤の液安定性をより良好に維持することができる。
(E)成分における脂肪酸としては、炭素数8〜18の鎖状モノカルボン酸が好適なものとして挙げられる。具体的には、一般式:R9−COOH[式中、R9は炭素数7〜17の脂肪族炭化水素基である。]で表される化合物が挙げられる。
前記式中、R9の脂肪族炭化水素基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニル基が好適なものとして挙げられる。R9の脂肪族炭化水素基における炭素数は7〜17であり、炭素数11〜17であることが好ましい。R9の脂肪族炭化水素基としては、ヤシ油由来であることが好ましい。R9の炭素数が7以上であると、再汚染防止効果がより向上する。一方、R9の炭素数が17以下であると、(E)成分の水への溶解性が高まる。
(E)成分における塩の形態としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アミン塩、又はアンモニウム塩等が挙げられる。アルカリ金属塩としては、ナトリウム塩、又はカリウム塩等が挙げられる。アルカリ土類金属塩としては、カルシウム塩、又はマグネシウム塩等が挙げられる。アミン塩としては、アルカノールアミン塩(モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、又はトリエタノールアミン塩など)等が挙げられる。
また、(E)成分は、単一鎖長の混合物であってもよく、2以上の鎖長の混合物であってもよい。
液体洗浄剤中、(E)成分の配合量は、前記液体洗浄剤の総質量に対して0.05〜5質量%であることが好ましく、より好ましくは0.05〜4質量%であり、特に好ましくは0.1〜3質量%である。
(E)成分の配合量が前記液体洗浄剤の総質量に対して0.05質量%以上であると、良好なすすぎ性が得られやすく、再汚染防止効果がより向上する。また、洗浄力がより向上する。一方、5質量%以下であると、液体洗浄剤の液安定性がより向上する。
(D)成分と(E)成分との配合比率が上記範囲内であることにより、低浴比下での洗濯条件においても、ポリエステルなどの疎水性繊維からなる衣料等に対して優れた再汚染防止効果が発揮されやすくなる。
また、(D)成分/(E)成分で表される質量比が50以下であると、より良好な再汚染防止能を示し、洗浄力もより向上する。一方、当該質量比が0.1以上であると、優れた再汚染防止効果とすすぎ性とがいずれも得られやすくなる。
ここで「(D)成分/(E)成分」は、液体洗浄剤中の(E)成分の含有量に対する、(D)成分の含有量の割合(質量比)を表す。
本発明の第4の態様の液体洗浄剤においては、第3級アミン(F)を含有することにより、主として、洗濯後の衣類等に柔軟性を付与する効果が発揮される。
本発明において「第3級アミン」とは、アンモニア(NH3)の水素原子3個を炭化水素基(当該炭化水素基は、置換基又は連結基を有していてもよい)で置換した化合物を包含する。当該炭化水素基が有していてもよい置換基としては、ヒドロキシ基、又はアミノ基などが挙げられる。当該炭化水素基が有していてもよい連結基としては、アミド基、エステル基、又はエーテル基などが挙げられる。
前記式(f−1)中、R13は、置換基又は連結基を有していてもよい、炭素数7〜27の炭化水素基である。R13の炭化水素基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、又は環状の構造を含んでいてもよく、飽和炭化水素基であっても不飽和炭化水素基であってもよい。R13の炭素数は7〜27であり、炭素数7〜25であることが好ましい。R13の炭素数が7以上であると、被洗物への柔軟性付与効果が高まる。一方、R13の炭素数が27以下であると、(F)成分の水への溶解性が高まる。R13の炭化水素基が置換基又は連結基を有している場合、「R13の炭素数」には、置換基又は連結基中の炭素は含まないものとする。R13の炭化水素基は、置換基としてヒドロキシ基等を有するものであってもよく、当該炭化水素鎖中に連結基としてアミド基、エステル基、又はエーテル基等を有するものであってもよい。
R15の炭化水素基は、直鎖状のアルキレン基、又は分岐鎖状のアルキレン基であることが好ましい。
R17の炭化水素基は、直鎖状のアルキレン基、又は分岐鎖状のアルキレン基であることが好ましい。
これらの脂肪酸又は脂肪酸誘導体は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
「ジアルキル(又はアルカノール)アミノアルキルアミン」とは、ジアルキルアミノアルキルアミン又はジアルカノールアミノアルキルアミンを示す。
「ジアルキル(又はアルカノール)アミノアルキルアミン」として具体的には、ジメチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノエチルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、又はジエチルアミノエチルアミン等が挙げられ、なかでもジメチルアミノプロピルアミンが特に好ましい。
長鎖脂肪族アミドジアルキル3級アミンの上記以外の製造条件は、適宜変更が可能であり、反応時の圧力は常圧でも減圧でもよく、反応時に窒素等の不活性ガスを吹き込むことにより導入することも可能である。
また、脂肪酸を用いる場合は、硫酸、若しくはp−トルエンスルホン酸等の酸触媒、又は脂肪酸誘導体を用いる場合は、ナトリウムメチラート、苛性カリ、若しくは苛性ソーダ等のアルカリ触媒を用いることで、低い反応温度で短時間により効率良く反応を進行させることができる。
また、得られる3級アミンが、融点が高い長鎖アミンの場合には、ハンドリング性を向上させるため、反応後、フレーク状若しくはペレット状に成形することが好ましく、又は、エタノール等の有機溶媒に溶解して液状にすることが好ましい。
上記のなかでも、(F)成分としては、被洗物への柔軟性付与効果、及び液安定性が共により良好であることから、長鎖脂肪族アミドジアルキル3級アミンが特に好ましい。
市販される長鎖脂肪族アミドジアルキル3級アミンの具体例としては、東邦化学(株)製のカチナールMPAS−R(商品名)等が挙げられる。
(F)成分の配合量が前記液体洗浄剤の総質量に対して0.1質量%以上であると、被洗物への柔軟性付与効果が得られやすくなる。一方、10質量%より多く配合しても、それに見合う被洗物への柔軟性付与効果は得られにくく、経済的にも不利になる。
本発明の液体洗浄剤において、(A)成分と(F)成分との配合比率は、(A)成分/(F)成分で表される質量比が1〜15であり、1.5〜10であることが好ましく、2〜8であることがより好ましい。
(A)成分/(F)成分で表される質量比が1未満である((F)成分の比率が高すぎる)と、液体洗浄剤の液安定性が低下するおそれがある。一方、当該質量比が15を超える((A)成分の比率が高すぎる)と、(F)成分の配合効果(被洗物への柔軟性付与効果)が得られにくい。
本発明の第5の態様の液体洗浄剤においては、陽イオン界面活性剤(H)を含有することにより、主として、洗濯後の衣類等から発生する臭いに対する消臭効果が発揮される。
前記式(h−1)中、R411〜R414における炭化水素基は、その炭素数が8〜22であり、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、又は環状の構造を含んでいてもよい。
R411〜R414における炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であることが好ましく、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニル基がより好適なものとして挙げられる。
Z−は対イオンであり、ハロゲンイオン、又はアルキル硫酸イオン等が挙げられる。Z−がハロゲンイオンである場合、ハロゲンイオンを構成するZとしては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子等が挙げられ、塩素原子が好ましい。Z−がアルキル硫酸イオンである場合、アルキル硫酸イオンを構成するZとしては、炭素数1〜3のアルキル基を有するものが好ましい。なかでも、Z−はハロゲンイオンであることが好ましい。
R411が、炭素数8〜22の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は炭素数8〜22の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニル基であり、R412〜R414がそれぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基である化合物(H11)(以下「(H11)成分」という);
R411及びR412がそれぞれ独立して、炭素数8〜22の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は炭素数8〜22の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニル基であり、R413及びR414がそれぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基である化合物(H12)(以下「(H12)成分」という)
等が挙げられる。
R412〜R414は、それぞれ炭素数1〜3のアルキル基であることが好ましく、それぞれメチル基であることがより好ましく、いずれもメチル基であることが特に好ましい。
R413及びR414は、それぞれ炭素数1〜3のアルキル基であることが好ましく、それぞれメチル基であることがより好ましく、いずれもメチル基であることが特に好ましい。
前記式(h−2)中、R415における炭化水素基は、その炭素数が10〜18であり、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、又は環状の構造を含んでいてもよい。R415における炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であることが好ましく、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニル基がより好適なものとして挙げられる。
R416における芳香族炭化水素基としては、フェニル基、又はナフチル基等が挙げられる。
当該芳香族炭化水素基が有していてもよい置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、又は炭素数1〜5のアルコキシ基等が挙げられる。R416の好適な具体例としては、メチル基、エチル基、フェニル基、又はトリル基などが挙げられる。
x+yは10以上の整数であり、好ましくは10〜50の整数である。x+yが10未満であると、当該化合物自体の水に対する溶解性が低下しやすくなり、液体洗浄剤の液安定性が悪くなるおそれがある。
Z−は、前記一般式(h−1)におけるZ−と同様である。
前記式(h−3)中、R417における炭化水素基は、その炭素数が8〜22であり、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、又は環状の構造を含んでいてもよい。R417における炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であることが好ましく、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニル基がより好適なものとして挙げられる。なかでも、R417としては、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基であることが好ましく、直鎖状のアルキル基であることがより好ましい。R417における炭化水素基の炭素数は8〜22であり、10〜18であることが好ましく、12〜14であることがより好ましい。
R418及びR419は、それぞれ炭素数1〜3のアルキル基であることが好ましく、それぞれメチル基であることがより好ましく、いずれもメチル基であることが特に好ましい。
R420は、メチレン基であることが好ましい。
Z−は、前記一般式(h−1)におけるZ−と同様である。
なかでも、(H)成分としては、消臭効果により優れ、液体洗浄剤の液安定性の確保が容易であることから、前記の一般式(h−1)で表される化合物、又は一般式(h−3)で表される化合物が好ましく、一般式(h−1)で表される化合物が特に好ましい。
(H)成分の好適なものとして具体的には、塩化アルキルトリメチルアンモニウム(たとえば、商品名「アーカードT−800」、ライオンアクゾ株式会社製など;(H11)成分)、塩化ジデシルジメチルアンモニウム(たとえば、商品名「アーカード210」、ライオンアクゾ株式会社製など;(H12)成分)、又は椰子アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド(たとえば、商品名「アーカードCB−50」、ライオンアクゾ株式会社製など)等が例示できる。
(H)成分の配合量が前記液体洗浄剤の総質量に対して0.1質量%以上であると、洗濯後の衣類等から発生する臭い(部屋干し臭など)の消臭効果がより向上する。一方、10質量%以下であると、被洗物に対する移染や再汚染等が抑制される。また、液体洗浄剤における着色の抑制、粘度低下の防止、香気安定化等の効果がより向上する。さらに、経済的にも有利となる。
本発明において「(A)成分/(H)成分」とは、液体洗浄剤中の(H)成分の含有量に対する、(A)成分の含有量の割合(質量比)を表す。
本発明の液体洗浄剤において、(A)成分と(H)成分との配合比率は、(A)成分/(H)成分で表される質量比が1〜15であり、1.5〜10であることが好ましく、2〜8であることがより好ましい。
(A)成分/(H)成分で表される質量比が1未満である((A)成分の比率が低すぎる)と、(A)成分の配合による再汚染防止効果が充分に得られにくく、また、液体洗浄剤として安定配合が難しくなるおそれがある。一方、当該質量比が15を超える((H)成分の比率が低すぎる)と、(H)成分の配合による抗菌性付与効果が低く、充分な消臭性能が付与されにくい。
本発明の液体洗浄剤は、液体洗浄剤の調製しやすさ、使用する際の水への溶解性、又は液安定性等の観点から、溶媒として水を含有することが好ましい。
本発明の第2〜第4の態様の液体洗浄剤中の水の配合量は、液体洗浄剤の総質量に対して5〜55質量%が好ましく、5〜45質量%がより好ましく、10〜45質量%がさらに好ましく、10〜40質量%が特に好ましい。
本発明の第5の態様の液体洗浄剤中の水の配合量は、液体洗浄剤の総質量に対して5〜53質量%が好ましく、5〜50質量%がより好ましく、10〜45質量%がさらに好ましい。
水の配合量が5質量%以上であると、経時に伴う液体洗浄剤の液安定性がより良好となり、上限値以下であれば、液粘度が適度に低くなり、使用性の観点から良好となる。
本発明の液体洗浄剤には、本発明の効果を損なわない範囲で所望により、上述した成分以外のその他の成分を配合してもよい。
その他の成分としては、特に限定されず、衣料用の液体洗浄剤組成物に通常用いられる成分を配合することができ、具体的には以下に示すものが挙げられる。
(A)成分及び(E)成分以外の陰イオン界面活性剤の例としては、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩若しくはアルケニルエーテル硫酸エステル塩、アルキル基を有するアルカンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシアルキレンエーテルカルボン酸塩、アルキルアミドエーテルカルボン酸塩、アルケニルアミドエーテルカルボン酸塩、若しくはアシルアミノカルボン酸塩等のカルボン酸型;又はアルキルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルリン酸エステル塩、若しくはグリセリン脂肪酸エステルモノリン酸エステル塩等のリン酸エステル型などが挙げられる。
これらの塩としては、ナトリウム、若しくはカリウムなどのアルカリ金属塩;マグネシウムなどのアルカリ土類金属塩;又はモノエタノールアミン、若しくはジエタノールアミンなどのアルカノールアミン塩等が挙げられる。
式(b’−3)で表される化合物は、平均付加モル数vのエチレンオキシドがアルコール(R10−OH)に付加したアルコールエトキシレート(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)である。
R10の炭化水素基における炭素数は10〜22であり、炭素数10〜20であることが好ましく、炭素数10〜18であることがより好ましい。R10の炭素数が10以上であると、特に皮脂汚れに対する洗浄力が高まる。一方、R10の炭素数が22以下であると、液安定性と水への溶解性がより向上する。
式(b’−3)で表される化合物は、単一鎖長の混合物であってもよく、2以上の鎖長の混合物であってもよい。R10は原料のアルコール(R10−OH)に由来し、前記アルコールとしては、ヤシ油、パーム油若しくは牛脂などの天然油脂由来のアルコール、又は石油由来の合成アルコールが挙げられる。
vが前記範囲内にあると、皮脂汚れに対して優れた洗浄力を示す。さらに、vが5以上であると、液体洗浄剤の臭気の劣化を防ぐことが容易となる。一方、vが20を超えると、HLB(Hydrophile−Lipophile Balance)が高くなりすぎて、皮脂汚れに対する洗浄力が低下するおそれがある。
式(b’−3)で表される化合物において、エチレンオキシドの付加モル数分布は、特に限定されず、式(b’−3)で表される化合物の製造方法等によって制御することができる。たとえば、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等の一般的なアルカリ触媒を用いてエチレンオキシドを疎水性原料に付加させた際には、比較的広い付加モル数分布となる傾向にある。また、特公平6−15038号公報に記載されたAl3+、Ga3+、In3+、Tl3+、Co3+、Sc3+、La3+、又はMn2+等の金属イオンを添加した酸化マグネシウム等の特定のアルコキシル化触媒を用いてエチレンオキシドを疎水性原料に付加させた際には、比較的狭い付加モル数分布となる傾向にある。
尚、「C12/C13」は、炭素数12のアルコールと炭素数13のアルコールとの混合物を意味する。
式(b’−3)で表される化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
R19のアルキル基、又はアルケニル基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。当該アルキル基、又はアルケニル基の炭素数が前記範囲内であれば、(G)成分自体の流動性が良く、その取り扱いが容易となる。
Yはポリオキシアルキレン基であり、当該オキシアルキレン基はオキシエチレン基、オキシプロピレン基、又はオキシブチレン基であることが好ましく、これらの2以上のオキシアルキレン基が混在していてもよい。当該オキシアルキレン基の繰返し数は、1〜50の整数であることが好ましく、5〜20の整数であることがより好ましい。
aは10〜10000の整数であり、20〜1000の整数であることが好ましい。bは1〜1000の整数であり、2〜100の整数であることが好ましい。a及びbがそれぞれ前記範囲内であれば、特にウール繊維からなる衣料を着用した際の着心地感がより向上する。
a、又はbが付された各繰返し単位の順序は異なっていてもよい。すなわち、aが付された繰返し単位と、bが付された繰返し単位とは、ランダム状に付加していてもよく、それぞれの繰返し単位がブロック状に付加していてもよい。
上記のなかでも、(G)成分としては、被洗物の着心地、及び液安定性が共により良好であることから、ポリエーテル変性シリコーン化合物が特に好ましい。
液体洗浄剤中、(G)成分の配合量は、前記液体洗浄剤の総質量に対して0.1〜5質量%であることが好ましく、より好ましくは0.2〜3質量%である。
(G)成分の配合量が前記液体洗浄剤の総質量に対して0.1質量%以上であると、特にウール繊維からなる衣料を着用した際の着心地感がより向上する。一方、5質量%より多く配合しても、それに見合う着心地感の向上効果が得られにくく、経済的にも不利になる。
(F)成分と(G)成分との配合比率は、(F)成分/(G)成分で表される質量比が1〜100であることが好ましく、1〜25であることがより好ましく、1〜20であることがさらに好ましく、1〜10であることが特に好ましい。
(F)成分/(G)成分で表される質量比が1未満である((F)成分の比率が低すぎる)と、ウール繊維からなる衣料に対して優れた着心地感が得られにくい。一方、当該質量比が100を超える((G)成分の比率が低すぎる)と、一度に大量の衣類等を詰め込んで洗濯する場合において、特にウール繊維からなる衣料に対する良好な着心地感が得られにくい。
本発明において「(F)成分/(G)成分」とは、液体洗浄剤中の(G)成分の含有量に対する、(F)成分の含有量の割合(質量比)を表す。
減粘剤及び可溶化剤としては、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、若しくは平均分子量が約200〜5000のポリエチレングリコール等のグリコール類;パラトルエンスルホン酸若しくはその塩、クメンスルホン酸若しくはその塩、キシレンスルホン酸若しくはその塩、安息香酸若しくはその塩(防腐剤としての効果もある)、又は尿素等が挙げられる。液体洗浄剤中、減粘剤及び可溶化剤の配合量は、前記液体洗浄剤の総質量に対して、好ましくは0.01〜15質量%である。
金属イオン捕捉剤としては、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、ジグリコール酸、酒石酸、クエン酸、又は乳酸等が挙げられる。液体洗浄剤中、金属イオン捕捉剤の配合量は、前記液体洗浄剤の総質量に対して、好ましくは0.1〜20質量%である。
酸化防止剤としては、ブチルヒドロキシトルエン、ジスチレン化クレゾール、亜硫酸ナトリウム、又は亜硫酸水素ナトリウム等が挙げられる。液体洗浄剤中、酸化防止剤の配合量は、前記液体洗浄剤の総質量に対して、好ましくは0.01〜2質量%である。
防腐剤としては、ローム・アンド・ハウス社製のケーソンCG(商品名)等を用いることができる。液体洗浄剤中、防腐剤の配合量は、前記液体洗浄剤の総質量に対して、好ましくは0.001〜1質量%である。
pH調整剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
プロテアーゼの具体例としては、プロテアーゼ製剤として、ノボザイムズ社から入手できるSavinase16L、Savinase Ultra 16L、Savinase Ultra 16XL,Everlase 16L TypeEX、Everlase Ultra 16L、Esperase 8L、Alcalase 2.5L、Alcalase Ultra 2.5L、Liquanase 2.5L、Liquanase Ultra 2.5L、Liquanase Ultra 2.5XL、若しくはCoronase 48L(以上、いずれも商品名);又はジェネンコア社から入手できるPurafect L、Purafect OX,若しくはProperase L(以上、いずれも商品名)等が挙げられる。
アミラーゼの具体例としては、アミラーゼ製剤として、ノボザイムズ社から入手できるTermamyl 300L、Termamyl Ultra 300L、Duramyl 300L、Stainzyme 12L、若しくはStainzyme Plus 12L(以上、いずれも商品名);ジェネンコア社から入手できるMaxamyl(商品名)、天野製薬社から入手できるプルラナーゼアマノ(商品名)、又は生化学工業社から入手できるDB−250(商品名)等が挙げられる。
リパーゼの具体例としては、リパーゼ製剤として、ノボザイムズ社から入手できるLipex 100L、Lipolase 100L(以上、いずれも商品名)等が挙げられる。
セルラーゼの具体例としては、セルラーゼ製剤として、ノボザイムズ社から入手できるEndolase 5000L、Celluzyme 0.4L、又はCarzyme 4500L(以上、いずれも商品名)等が挙げられる。
マンナナーゼの具体例としては、マンナナーゼ製剤として、ノボザイムズ社から入手できるMannaway 4L(商品名)等が挙げられる。
酵素は、1種単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。液体洗浄剤中、酵素の配合量は、前記液体洗浄剤の総質量に対して、好ましくは0.1〜3質量%である。
着香剤としては、代表的な例として特開2002−146399号公報や特開2009−108248号公報に記載の香料組成物などが挙げられる。
本発明の第2及び第3の態様の液体洗浄剤中、着香剤の配合量は、前記液体洗浄剤の総質量に対して、好ましくは0.1〜2質量%である。
本発明の第4及び第5の態様の液体洗浄剤中、着香剤の配合量は、前記液体洗剤の総質量に対して、好ましくは0.1〜3質量%である。
着色剤としては、アシッドレッド138、Polar Red RLS、アシッドイエロー203、アシッドブルー9、青色1号、青色205号、緑色3号、又はターコイズP−GR(以上、いずれも商品名)等の汎用の色素や顔料が挙げられる。液体洗浄剤中、着色剤の配合量は、前記液体洗浄剤の総質量に対して、好ましくは0.00005〜0.005質量%である。
乳濁剤としては、ポリスチレンエマルション、又はポリ酢酸ビニルエマルション等が挙げられ、通常、固形分30〜50質量%のエマルションが好適に用いられる。具体例としては、ポリスチレンエマルション(サイデン化学社製の商品名サイビノールRPX−196 PE−3、固形分40質量%)等が挙げられる。液体洗浄剤中、乳濁剤の配合量は、前記液体洗浄剤の総質量に対して、好ましくは0.01〜0.5質量%である。
天然物などのエキスとしては、イヌエンジュ、ウワウルシ、エキナセア、コガネバナ、キハダ、オウレン、オールスパイス、オレガノ、エンジュ、カミツレ、スイカズラ、クララ、ケイガイ、ケイ、ゲッケイジュ、ホオノキ、ゴボウ、コンフリー、ジャショウ、ワレモコウ、シャクヤク、ショウガ、セイタカアワダチソウ、セイヨウニワトコ、セージ、ヤドリギ、ホソバオケラ、タイム、ハナスゲ、チョウジ、ウンシュウミカン、ティーツリー、バーベリー、ドクダミ、ナンテン、ニュウコウ、ヨロイグサ、シロガヤ、ボウフウ、オランダヒユ、ホップ、ホンシタン、マウンテングレープ、ムラサキタガヤサン、セイヨウヤマハッカ、ヒオウギ、ヤマジソ、ユーカリ、ラベンダー、ローズ、ローズマリー、バラン、スギ、ギレアドバルサムノキ、ハクセン、ホウキギ、ミチヤナギ、ジンギョウ、フウ、ツリガネニンジン、ヤマビシ、ヤブガラシ、カンゾウ、又はセイヨウオトギリソウなどの植物のエキス等が挙げられる。
本発明の液体洗浄剤中、天然物などのエキスの配合量は、前記液体洗浄剤の総質量に対して、好ましくは0〜0.5質量%であり、より好ましくは0.0001〜0.5質量%である。
液体洗浄剤のpHの調整は、たとえば一定量の硫酸、水酸化ナトリウム、又はアルカノールアミン等を添加することにより制御した後、pHの微調整用として無機酸(好ましくは塩酸、若しくは硫酸)又は水酸化カリウム等をさらに添加して行うことが好ましい。
本発明において、液体洗浄剤(25℃に調温)のpHは、pHメーター(製品名:HM−30G、東亜ディーケーケー(株)製)等により測定される値を示す。
本発明の液体洗浄剤は、一般的な衣料用液体洗浄剤の通常の使用方法と同様の方法で使用できる。すなわち、液体洗浄剤を、洗濯時に被洗物と一緒に水に投入する方法、液体洗浄剤を被洗物の泥汚れ部位や皮脂汚れ部位に直接塗布する方法、又は液体洗浄剤を予め水に溶かして衣類を浸漬する方法等が挙げられる。また、液体洗浄剤を被洗物に塗布後、適宜放置し、その後、通常の洗濯液を用いて通常の洗濯を行う方法も好ましい。
その際、本発明の液体洗浄剤の使用量は、従来の液体洗浄剤の使用量よりも少なくすることができる。
前記ポリエーテル変性シリコーン化合物としては、前記一般式(g−3)で表されるシリコーン化合物(a=210、b=9、R18=C3H6、Y=(OC2H4)10、R19=CH3)などが挙げられる。
本発明の第3〜5の態様の非イオン界面活性剤(B)は、C11H23−CO−(OCH2CH2)m−OCH3;C11H23−CO−(OCH2CH2)m−OCH3とC13H27−CO−(OCH2CH2)m−OCH3との混合物;又は天然アルコール[炭素数12のアルコール(C12OH)と炭素数14のアルコール(C14OH)との混合物、C12OH/C14OH(質量比)=7/3]に、16モルのエチレンオキシドと2モルのプロピレンオキシドとをランダム付加させて得られた非イオン界面活性剤がより好ましい。
前記mはいずれも平均値で15である。
特に、本発明の液体洗浄剤は、液流動性と液安定性に加えて、洗濯後の汗や皮脂汚れ残りに起因する臭いの除去性と、被洗物に直接塗布して汚れを除去するのに必要な塗布洗浄力とに優れている。かかる効果が得られる理由は、以下のように推測される。
一般に、液体洗浄剤は、洗浄成分としての界面活性剤の濃度が高くなると、洗浄力が高まるものの、組成物自体に粘度増加やゲル化等が生じて、液流動性が悪くなる。これに対して、界面活性剤濃度の高い組成においては、従来、粘度を低減するために水混和性の有機溶剤が併用されている。しかし、水混和性の有機溶剤の併用により、洗浄力が低減しやすく、汚れの種類によっては、特に、被洗物に液体洗浄剤を直接塗布して汚れを除去するのに必要な洗浄力(塗布洗浄力)が充分でなくなる。加えて、ポリエステルやポリウレタン等の化学繊維に付着した、汗や皮脂汚れの除去が充分でないため、洗濯後に、汗や皮脂汚れの残りに起因する臭いを生じる場合がある。
水道水中に含まれるカルシウムイオンと(E)成分由来の脂肪酸陰イオンとは、互いに結合して、水不溶性の脂肪酸カルシウムを生成する。
(A)成分(脂肪酸アルキルエステルスルホネート)は、アルキルベンゼンスルホン酸塩などの陰イオン界面活性剤に比べて、非常に優れた石鹸分散能(スカム分散能)を有する。本発明においては、(A)成分と(E)成分とが組み合わせて用いられていることにより、洗浄処理の際、前記水不溶性の脂肪酸カルシウムの分散性が高まっている。これにより、洗濯時に泡立ちが抑えられ、すすぎ時に洗浄成分が速やかに排水されて、良好なすすぎ性が発現する。この良好なすすぎ性により、低浴比での洗濯条件下においても、特にポリエステル等の疎水性の化学繊維からなる衣類への(D)成分の吸着効率が高まる。このため、本発明の液体洗浄剤においては優れた再汚染防止性能が発現する、と推測される。
(A)成分(脂肪酸アルキルエステルスルホネート)は、アルキルベンゼンスルホン酸塩などの陰イオン界面活性剤に比べて、洗浄時に水中で(F)成分と複合体が良好に形成されやすい。この複合体は、適度な疎水性を有し、(F)成分単独よりも、特にポリエステル、又はポリウレタン等の疎水性の化学繊維からなる衣類表面に対して高い吸着性を示す。
このため、本発明の液体洗浄剤においては優れた柔軟性付与効果が発現する、と推測される。
本発明の第5の態様においては、所定の配合比率で(A)〜(C)及び(H)成分が配合されていることにより、アニオン性の(A)成分とカチオン性の(H)成分とが共に安定に溶存し得る。このため、以下に示す各成分の配合効果が発揮される。
(A)成分(脂肪酸アルキルエステルスルホネート)は、アルキルベンゼンスルホン酸塩などの陰イオン界面活性剤に比べて、洗浄時に水中で(H)成分と複合体が良好に形成されやすい。この複合体は、適度な疎水性を有し、(H)成分単独よりも、特にポリエステル、ポリウレタン等の疎水性の化学繊維からなる衣類表面に対して高い吸着性を示す。
当該複合体の衣類表面への吸着により抗菌性が高まる。このため、本発明の液体洗浄剤は、洗濯後の衣類等から発生する臭い(部屋干し臭など)の消臭に優れる、と推測される。
さらに、(A)成分は、アルキルベンゼンスルホン酸塩などの陰イオン界面活性剤に比べて、非常に優れた石鹸分散能(スカム分散能)を有する。これにより、洗濯時に泡立ちが抑えられ、すすぎ時に洗浄成分が速やかに排水されて、良好なすすぎ性が発現する。この良好なすすぎ性により、低浴比での洗濯条件下においても、優れた再汚染防止性能が発現する、と推測される。
本実施例において使用した原料は下記の通りである。
a−1:C10H21−CH(SO3Na)−COOCH3とC12H25−CH(SO3Na)−COOCH3との質量比で7/3の混合物。
a−2:C12H25−CH(SO3Na)−COOCH3。
a−3:C10H21−CH(SO3Na)−COOCH3と、C12H25−CH(SO3Na)−COOCH3と、C14H29−CH(SO3Na)−COOCH3と、C16H33−CH(SO3Na)−COOCH3との質量比で6/2/1/1の混合物。
a−4:C12H25−CH(SO3Na)−COOCH3とC14H29−CH(SO3Na)−COOCH3との質量比で2/8の混合物。
a−5:C14H29−CH(SO3Na)−COOCH3。
a−6:C14H29−CH(SO3Na)−COOCH3とC16H33−CH(SO3Na)−COOCH3との質量比で8/2の混合物。
C10H21−CH(SO3Na)−COOCH3(α−スルホラウリン酸メチルエステルナトリウム塩)の合成
温度計、撹拌機、滴下ロート及び乾燥用塩化カルシウム管を取り付けた1Lの4口フラスコに、ラウリン酸メチルエステル(ライオン株式会社製、商品名パステルM−12)54gと、四塩化炭素540gとを仕込み、反応温度が10〜15℃になるように維持しながら、無水硫酸(日曹金属化学株式会社製、商品名日曹サルファン)24gを滴下した。
滴下終了後、3時間還流撹拌した。
次に、反応溶媒(四塩化炭素)を、エバポレーターを用いて水浴50℃で留去した後、メタノール(関東化学株式会社製)500mLを添加して20分間還流撹拌した。その後、20質量%水酸化ナトリウム水溶液を用いて反応液をpH7に調整した。ついで、反応溶媒(メタノール)を減圧下で留去した。その際、発泡するため、イソプロパノールを加え、共沸しながら水も留去した。
次に、残渣(粗生成物)をエタノールと水との混合溶液(体積比:エタノール/水=9/1)で50〜60℃に加温、及び溶解し、不溶物を除去した。ついで、ろ液を5℃に冷却して再結晶した後、析出物をろ別し、真空乾燥することにより、α−スルホラウリン酸メチルエステルナトリウム塩(C12MES)を得た。
ラウリン酸メチルエステルの代わりに、ミリスチン酸メチルエステル(ライオン株式会社製、商品名パステルM−14)60gを用いた以外は、前記α−スルホラウリン酸メチルエステルナトリウム塩と同様の合成方法により、α−スルホミリスチン酸メチルエステルナトリウム塩(C14MES)を得た。
ラウリン酸メチルエステルの代わりに、パルミチン酸メチルエステル(ライオン株式会社製、商品名パステルM−16)68gを用いた以外は、前記α−スルホラウリン酸メチルエステルナトリウム塩と同様の合成方法により、α−スルホパルミチン酸メチルエステルナトリウム塩(C16MES)を得た。
ラウリン酸メチルエステルの代わりに、ステアリン酸メチルエステル(ライオン株式会社製、商品名パステルM−18)75gを用いた以外は、前記α−スルホラウリン酸メチルエステルナトリウム塩と同様の合成方法により、α−スルホステアリン酸メチルエステルナトリウム塩(C18MES)を得た。
a’−1:炭素数10〜14の直鎖状アルキル基を有する、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸(LAS)、商品名「ライポンLH−200」、ライオン株式会社製、平均分子量322。
・(B1)成分
b−1−1:C11H23−CO−(OCH2CH2)m−OCH3とC13H27−CO−(OCH2CH2)m−OCH3との質量比で8/2の混合物、いずれもm=15(平均値)、いずれもナロー率33質量%;各合成品。
b−1−2:C11H23−CO−(OCH2CH2)m−OCH3、m=15(平均値)、ナロー率33質量%;合成品。
b−1−3:C11H23−CO−(OCH2CH2)m−OCH3とC13H27−CO−(OCH2CH2)m−OCH3との質量比で8/2の混合物、いずれもm=15(平均値)、いずれもナロー率45質量%;各合成品。
b−1−4:C11H23−CO−(OCH2CH2)m−OCH3とC13H27−CO−(OCH2CH2)m−OCH3との質量比で8/2の混合物、いずれもm=15(平均値)、いずれもナロー率60質量%;各合成品。
b−2−1:天然アルコール[炭素数12のアルコール(C12OH)と炭素数14のアルコール(C14OH)との混合物、C12OH/C14OH(質量比)=7/3]に、16モルのエチレンオキシドと2モルのプロピレンオキシドとをランダム付加させて得られた非イオン界面活性剤。前記Cの後の数字は炭素数を表す。
b−1−1の合成
特開2000−144179号公報に記載された実施例における製造例1に準じて製造した合成品を用いた。
すなわち、化学組成が2.5MgO・Al2O3・nH2Oである水酸化アルミナ・マグネシウム(協和化学工業(株)製、商品名キョーワード300)を、600℃で1時間、窒素雰囲気下で焼成して得られた焼成水酸化アルミナ・マグネシウム(未改質)触媒2.2gと、0.5規定の水酸化カリウムエタノール溶液2.9mLと、ラウリン酸メチルエステル280g及びミリスチン酸メチルエステル70gとを、4リットルオートクレーブに仕込み、オートクレーブ内で触媒の改質を行った。次いで、オートクレーブ内を窒素で置換した後、昇温を行い、温度を180℃、圧力を3atmに維持しながら、エチレンオキシド1052gを導入し、撹拌しながら反応させた。
さらに、反応液を80℃に冷却し、水159gと、濾過助剤として活性白土及び珪藻土のそれぞれ5gとを添加した後、触媒を濾別してb−1−1を得た。
触媒に対するアルカリ添加量をコントロールすることにより、ナロー率33質量%のb−1−1を得た。
ラウリン酸メチルエステル280g及びミリスチン酸メチルエステル70gの代わりに、ラウリン酸メチルエステル350gを用いた以外は、前記b−1−1の合成方法と同様にしてb−1−2を得た。
触媒に対するアルカリ添加量をコントロールすることにより、ナロー率33質量%のb−1−2を得た。
前記b−1−1の合成方法と同様(ラウリン酸メチルエステルとミリスチン酸メチルエステルの仕込み量は同じ)にして合成を行い、触媒に対するアルカリ添加量をコントロールすることにより、ナロー率45質量%のb−1−3を得た。
前記b−1−1の合成方法と同様(ラウリン酸メチルエステルとミリスチン酸メチルエステルの仕込み量は同じ)にして合成を行い、触媒に対するアルカリ添加量をコントロールすることにより、ナロー率65質量%のb−1−4を得た。
P&G社製の「CO−1270」224.4gと、30質量%NaOH水溶液2.0gとを、耐圧型反応容器中に採取し、容器内を窒素置換した。次に、温度100℃、圧力2.0kPa以下で30分間脱水してから、温度を160℃まで昇温した。アルコールを撹拌しながら、エチレンオキシド(ガス状)704gとプロピレンオキシド116gとを、吹き込み管を使って、反応温度が180℃を超えないように添加速度を制御しながらアルコール液中に徐々に加えて反応させた。エチレンオキシドとプロピレンオキシドの添加終了後、温度180℃、圧力0.3MPa以下で30分間熟成した。その後、温度180℃、圧力6.0kPa以下で10分間、未反応のエチレンオキシドとプロピレンオキシドとを留去した。次に、温度を100℃以下まで冷却した後、反応物の1質量%水溶液のpHが約7になるように、70質量%p−トルエンスルホン酸を加えて中和することによりb−2−1を得た。
b’−1−1:C17H33−CO−(OCH2CH2)m−OCH3、m=9(平均値)、ナロー率65質量%;合成品。
b’−3−1:炭素数12〜14の2級アルコールに、平均付加モル数9モルでエチレンオキシドを付加させたポリオキシエチレンアルキルエーテル、株式会社日本触媒製、商品名「ソフタノール90」。
b’−3−2:P&G社製の天然アルコールCO−1270に、平均付加モル数15モル相当のエチレンオキシドを付加させたポリオキシエチレンアルキルエーテル。
b’−1−1の合成
ラウリン酸メチルエステル280g及びミリスチン酸メチルエステル70gの代わりに、オレイン酸メチルエステル350gを用い、エチレンオキシドの導入量を781gに変更した以外は、前記b−1−1の合成方法と同様にしてb’−1−1を得た。
触媒に対するアルカリ添加量をコントロールすることにより、ナロー率65質量%のb’−1−1を得た。
P&G社製の天然アルコールCO−1270の224.4gと、30質量%NaOH水溶液2.0gとを、耐圧型反応容器中に採取し、容器内を窒素置換した。次に、温度100℃、圧力2.0kPa以下で30分間脱水してから、温度を160℃まで昇温した。アルコールを撹拌しながら、エチレンオキシド(ガス状)760.4gを、吹き込み管を使って、反応温度が180℃を超えないように添加速度を制御しながらアルコール液中に徐々に加えて反応させた。エチレンオキシドの添加終了後、温度180℃、圧力0.3MPa以下で30分間熟成した。その後、温度180℃、圧力6.0kPa以下で10分間、未反応のエチレンオキシドを留去した。次に、温度を100℃以下まで冷却した後、反応物の1質量%水溶液のpHが約7になるように、70質量%p−トルエンスルホン酸を加えて中和することによりb’−3−2を得た。
下記測定条件により、エチレンオキシドの付加モル数が異なるエチレンオキシド付加体の分布を測定した。そして、(B)成分と(B’)成分のナロー率(質量%)を上記数式(S)に基づいてそれぞれ算出した。
[HPLCによるエチレンオキシド付加体の分布の測定条件]
装置:LC−6A(株式会社島津製作所製)
検出器:SPD−10A
測定波長:220nm
カラム:Zorbax C8(Du Pont株式会社製)
移動相:アセトニトリル/水=60/40(体積比)
流速:1mL/min.
温度:20℃
c−1:ジエチレングリコールモノブチルエーテル、日本乳化剤株式会社製、商品名「ブチルジグリコール」。
c−2:プロピレングリコール、BASF社製。
c−3:エタノール、日本アルコール販売株式会社製 商品名「特定アルコール95度合成」。
d−1:クラリアント社製、商品名「TexCare SRN−170」。重量平均分子量2000〜3000、pH4(20℃で測定、5質量%水溶液)、粘度300mPa・s(50℃で測定)。TexCare SRN−170は、商品名TexCare SRN−100[クラリアント社製、重量平均分子量2000〜3000、pH4(20℃で測定、5質量%水溶液)、粘度340mPa・s(50℃で測定)、上記式(d−1)で表される高分子を含む集合体]の70質量%水溶液である。
d−2:クラリアント社製、商品名「TexCare SRN−300」。重量平均分子量7000、pH5(20℃で測定、5質量%水溶液)、粘度650mPa・s(50℃で測定)、上記式(d−1)で表される高分子を含む集合体。
d−1、d−2はいずれも、上述した「水溶性ポリマー」の条件(1リットルビーカー内で、ポリマー10gを、40℃の条件で、水1000gに添加し、スターラー(太さ8mm、長さ50mm)により12時間撹拌(200rpm)したときに完全に溶解する)を満たすものであった。
e−1:ヤシ脂肪酸、商品名「椰子脂肪酸」日油株式会社製。
e−2:パルミチン酸、商品名「NAA−160」、日本油脂株式会社製。
f―1:脂肪酸(C16/C18)ジメチルアミノプロピルアミド、東邦化学(株)製、商品名「カチナールMPAS−R」;ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミドとパルミチン酸ジメチルアミノプロピルアミドとの質量比7/3の混合物。
f―2:C17H35CONH(CH2)3N(CH3)2、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド;合成品。
流冷却器を備えた1リットル四ツ口フラスコに、ステアリン酸360g(分子量284)を仕込み、80℃に加熱してステアリン酸を融解した。窒素置換を2回行った後、150℃に昇温し、ジメチルアミノプロピルアミン(分子量102)123g(ステアリン酸に対するモル比0.95)を1時間かけて滴下した。次に、150〜160℃で1時間保持した後、1時間かけて185℃に昇温し、更にジメチルアミノプロピルアミン45gを1時間かけて滴下した。滴下終了後、185〜190℃に保持し、7時間熟成して副生の水を系外に留去した。更に170〜190℃に保持したまま減圧(4.0kPa)し、1時間放置することにより未反応のジメチルアミノプロピルアミンを留去してf−2を得た。
f’−1:ラウリルアミン、ライオンアクゾ株式会社製、商品名「アーミン12D」。
g−1:アミノ変性シリコーン、東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名「SZ8417」。
g−2:ポリエーテル変性シリコーン、東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名「SH3775M」。
g−3:ポリエーテル変性シリコーン、上記一般式(e−3)で表されるシリコーン化合物(a=210、b=9、R18=C3H6、Y=(OC2H4)10、R19=CH3);合成品。
攪拌装置、凝縮機、温度計及び窒素挿入口を備えた1Lの4つ口フラスコに、下記一般式(g−3−01)で表される、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(α=210、β=9)100gと、イソプロピルアルコール50gと、下記一般式(g−3−02)で表されるポリオキシアルキレン化合物(γ=10、Z=CH3)29gと、付加反応用白金系触媒0.2gと、2質量%酢酸ナトリウムのイソプロピルアルコール溶液0.3gとを投入し、これらを窒素雰囲気下、90℃で3時間反応させた。反応終了後、溶媒を減圧留去することによりg−3を得た。
h―1:塩化アルキル(炭素数C16〜C18)トリメチルアンモニウム、ライオンアクゾ株式会社製、商品名「アーカードT−800」。
h―2:塩化ジデシルメチルアンモニウム、ライオンアクゾ株式会社製、商品名「アーカード210」。
h―3:塩化ベンザルコニウム、ライオンアクゾ株式会社製、商品名「アーカードCB−50」。
安息香酸ナトリウム:東亜合成製、商品名「安息香酸ナトリウム」。
クエン酸:一方社油脂工業株式会社製、商品名「液体クエン酸」。
クエン酸3ナトリウム:マイルス社(米国)製、商品名「クエン酸ソーダ」。
パラトルエンスルホン酸:協和発酵工業株式会社製、商品名「PTS酸」。
ヤシ脂肪酸:日油株式会社製、商品名「椰子脂肪酸」。
ポリエチレングリコール:ライオン株式会社製、商品名PEG#1000。
ジブチルヒドロキシトルエン:住友化学株式会社製、商品名「SUMILZER BHT−R」。
モノエタノールアミン:株式会社日本触媒製。
香料:特開2009−108248号公報に記載の香料a。
色素:癸巳化成株式会社製、商品名「緑色3号」。
pH調整剤:水酸化ナトリウム(鶴見曹達株式会社製)、硫酸(東邦亜鉛株式会社製)又はモノエタノールアミン(株式会社日本触媒製)。
精製水。
表1〜13に示す組成の配合成分、及び配合量(質量%)に従い、下記の製造方法により各例の液体洗浄剤をそれぞれ調製した。表に示す配合量は、配合成分の配合量(純分換算量)を示す。表中、空欄は、その配合成分が配合されていないことを意味する。
また、表中、「(A)+(B)[質量%]」は、液体洗浄剤中の(A)成分と(B)成分との合計の含有量を示す。
「(A)/(B)」は、液体洗浄剤中の(B)成分の含有量に対する、(A)成分の含有量の質量比を意味する。
「[(A)+(B)]/(C)」は、液体洗浄剤中の(C)成分の含有量に対する、(A)成分と(B)成分との合計の含有量の質量比を意味する。
表4〜13における(B)成分の含有量は、(B1)成分と(B2)成分との合計の含有量を意味する。
「(D)/(E)」は、液体洗浄剤中の(E)成分の含有量に対する、(D)成分の含有量の質量比を意味する。
「(A)/(F)」は、液体洗浄剤中の(F)成分の含有量に対する、(A)成分の含有量の質量比を意味する。
「(F)/(G)」は、液体洗浄剤中の(G)成分の含有量に対する、(F)成分の含有量の質量比を意味する。
「(A)/(H)」は、液体洗浄剤中の(H)成分の含有量に対する、(A)成分の含有量の質量比を意味する。
pH調整剤の配合量を示す「適量」とは、液体洗浄剤のpH(25℃)を7.0に調整するために配合した量を示す。
精製水の配合量を示す「バランス」は、液体洗浄剤に含まれる全配合成分の合計の配合量(質量%)が100質量%となるように加えられる残部を意味する。
参考例1〜18、比較例1〜4における共通成分(X):安息香酸ナトリウム 1.5質量%、クエン酸 0.1質量%、パラトルエンスルホン酸 3.0質量%、ポリエチレングリコール 1.0質量%、ジブチルヒドロキシトルエン 0.05質量%、モノエタノールアミン 1.0質量%、香料 0.4質量%、色素 0.0003質量%、pH調整剤 適量、及び精製水 バランス。
参考例45〜76、比較例10〜15における共通成分(Y):安息香酸ナトリウム 0.5質量%、クエン酸 0.1質量%、パラトルエンスルホン酸 1.0質量%、ヤシ脂肪酸 1.0質量%、ポリエチレングリコール 4.0質量%、色素 0.0001質量%、香料 1.8質量%、及び精製水 バランス。
表1〜3に示す組成の配合成分、及び配合量(質量%)に従い、各例の液体洗浄剤を下記の手順で調製した。
500mLビーカーに、(A)成分又は(A’)成分と、(B)成分又は(B’)成分と、(C)成分とを入れ、マグネットスターラー(MITAMURA KOGYO INC.)で充分に撹拌した。続いて、pH調整剤と精製水を除く共通成分(X)を加えて撹拌しながら、全体量が98質量部になるように精製水を加え、さらによく撹拌した。25℃でのpHが7.0になるように、pH調整剤(水酸化ナトリウム又は硫酸)を適量添加した後、全体量が100質量部になるように精製水を加えて液体洗浄剤を得た。
表4〜6に示す組成の配合成分、及び配合量(質量%)に従い、各例の液体洗浄剤を下記の手順で調製した。
500mLビーカーに、(A)成分又は(A’)成分と、(B1)成分、(B2)成分又は(B’)成分と、(E)成分と、(C)成分とを入れ、マグネットスターラー(MITAMURA KOGYO INC.)で充分に撹拌した。続いて、(D)成分と、pH調整剤と精製水を除く共通成分(X)とを加えて撹拌しながら、全体量が98質量部になるように精製水を加え、さらによく撹拌した。25℃でのpHが7.0になるように、pH調整剤(水酸化ナトリウム又は硫酸)を適量添加した後、全体量が100質量部になるように精製水を加えて液体洗浄剤を得た。
表7〜10に示す組成の配合成分、及び配合量(質量%)に従い、各例の液体洗浄剤を下記の手順で調製した。
500mLビーカーに、(A)成分又は(A’)成分と;(B1)成分、(B2)成分又は(B’)成分と;実施例60〜64及び比較例15では(G)成分とを入れ、マグネットスターラー(MITAMURA KOGYO INC.)で充分に撹拌した。続いて、(C)成分と、(F)成分と、pH調整剤と精製水を除く共通成分(X)とを加えて撹拌しながら、全体量が98質量部になるように精製水を加え、さらによく撹拌した。25℃でのpHが7.0になるように、pH調整剤(水酸化ナトリウム又は硫酸)を適量添加した後、全体量が100質量部になるように精製水を加えて液体洗浄剤を得た。
表11〜13に示す組成の配合成分、及び配合量(質量%)に従い、各例の液体洗浄剤を下記の手順で調製した。
500mLビーカーに、(A)成分又は(A’)成分と;(B1)成分、(B2)成分又は(B’)成分と;(C)成分とを入れ、マグネットスターラー(MITAMURA KOGYO INC.)で充分に撹拌した。続いて、(H)成分と、pH調整剤と精製水を除く共通成分(X)とを加えて撹拌しながら、全体量が98質量部になるように精製水を加え、さらによく撹拌した。25℃でのpHが7.0になるように、pH調整剤(モノエタノールアミン又は硫酸)を適量添加した後、全体量が100質量部になるように精製水を加えて液体洗浄剤を得た。
参考例1〜18、比較例1〜4の液体洗浄剤について、以下に示す評価方法により「液流動性」、「液安定性」、「洗浄力」及び「使用性」の評価をそれぞれ行った。その結果を表1〜3に併記した。
上記手順で調製した液体洗浄剤500gの入ったビーカー(容量500mL)を25℃の恒温槽内に静置した。3時間後、そのビーカーを当該恒温槽から取り出し、そのビーカーを斜めに傾けて、内容物(液体洗浄剤)約100mLを透明のガラス瓶(広口規格びんPS−NO.11)に取り出す操作を行った。
このとき、内容物約100mLをビーカーからガラス瓶に取り出すのに要した時間を測定した。各サンプルについて取り出す操作を2回行い、要した時間をそれぞれ測定し、その平均値を用いて、下記の評価基準により、各液体洗浄剤の液流動性について評価した。
評価基準
B:要した時間が10秒間未満であった。
D:要した時間が10秒間以上であった。
かかる液流動性の評価で「D」と判定された液体洗浄剤については、後述の評価を実施しなかった。
液安定性の評価として、下記の方法により、初期外観と経時安定性の評価をそれぞれ行った。
・初期外観
上記の液流動性の評価において、ガラス瓶に取り出した液体洗浄剤の外観を目視にて観察し、下記の評価基準により、各液体洗浄剤における初期外観について評価した。
評価基準
B:透明均一であった。
D:濁り、又は浮遊・沈殿物の存在が認められた。
かかる液安定性の評価で「D」と判定された液体洗浄剤については、後述の評価を実施しなかった。
液体洗浄剤100mLを透明のガラス瓶(広口規格びん、PS−NO.11)に採り、蓋を閉めて密封し、この状態で5℃の恒温槽中に1ヵ月間置いて保存した。
その後、液体洗浄剤の入ったガラス瓶を当該恒温槽から取り出し、それから1分間以内に、室温(25℃)にて内容物の外観を目視で観察し、下記評価基準により、経時安定性について評価した。
評価基準
B:外観が透明均一であった。
D: 濁り、沈殿又はゲル化が認められたが、40℃の湯浴に1時間浸すと、外観が透明均一となった。
E:濁り、沈殿又はゲル化が認められ、40℃の湯浴に1時間浸しても、外観が透明均一にならなかった。
液体洗浄剤の洗浄力の評価として、液体洗浄剤における臭い除去性と、被洗物に塗布して汚れを除去するのに必要な塗布洗浄力とを下記の方法によりそれぞれ確認した。
参考例1〜18、比較例1〜4の臭い除去性は、下記の方法により確認した。
Terg−O−Tometer(UNITED STATES TESTING社製)に、湿式人工汚垢布(5cm×5cm)と、清浄メリヤス布と、液体洗浄剤を水道水(15℃)に溶解させた0.83質量%水溶液900mLとを入れて10分間洗浄した(浴比20、120rpm)。この洗浄後、水道水(15℃)900mLで3分間濯いだ。
湿式人工汚垢布として(財)洗濯科学協会製のものを用いた。
濯ぎ後、湿式人工汚垢布を取り出して自然乾燥させ、臭いの官能評価を被検者10人で実施した。臭いの官能評価は下記の評価基準(1)により行い、その平均点を算出し、下記の評価基準(2)により、臭い除去性について評価した。
評価基準(1)
5点:無臭、4点:やっと感知できる強さの臭い、3点:何の臭いかを感知できる程度の強さの臭い、2点:楽に感知できる強さの臭い、1点:強い臭い、0点:強烈な臭い
評価基準(2)
A:4点以上、B:3点以上、4点未満、C:2点以上、3点未満、D:2点未満
全自動電気洗濯機(Haier社製、JW−Z23A)に、湿式人工汚染布(10cm×10cm)2枚と市販の綿タオル(綿100%)を投入した(綿タオルの投入量は湿式人工汚染布と合わせてその合計が約800gとなるように調整した)。
湿式人工汚垢布として(財)洗濯科学協会製のものを用いた。
そこに、液体洗浄剤5mLを加え、標準コースで洗浄、すすぎ、及び脱水を順次行う洗浄操作を行った。洗浄時間、すすぎ、脱水、及び水量(低水位に設定、水量約12L)に関しては、一切調整せず、洗濯機の標準コース設定を使用した。
洗浄操作の終了後、当該洗浄操作が施された湿式人工汚染布を25℃、相対湿度65%RHの恒温恒湿室に放置して乾燥させた。
1日間の放置後、当該汚染布に残存する臭いを、対照布(洗浄操作を施していない湿式人工汚染布)と官能評価により比較し、下記の評価基準(3)により採点した。
評価基準(3)
1点:対照布とほぼ同等の臭いがする(臭いがほとんど落ちていない)。
2点:対照布に比べて、臭いがわずかに弱い(臭いがわずかに落ちている)。
3点:対照布に比べて、臭いがやや弱い(臭いがやや落ちている)。
4点:対照布に比べて、臭いがかなり落ちている。
5点:対照布に比べて、臭いがほとんど残っていない。
そして、パネラー5人の採点の平均点を算出し、下記の評価基準(4)により、臭い除去性について評価した。
評価基準(4)
A:4点以上、B:3.5点以上、4点未満、C:3点以上、3.5点未満、D:3点未満
a)試験布の調製
5cm×5cmに裁断したポリエステルジャージ布(ポリエステル100%)に、当該ポリエステルジャージ布質量に対してオレイン酸(関東化学1級試薬)が1質量%(1%owf)となるように、オレイン酸/エタノール混合液を塗布し、一晩乾燥させてエタノールを蒸発させて試験布を調製した。
全自動電気洗濯機(Haier社製、JW−Z23A)に、上記の試験布5枚と、試験布に用いたものと同じポリエステルジャージ布(ポリエステル100%)を20cm×20cmに裁断した柔軟性評価用布2枚と、市販の綿タオル(綿100%)とを投入した(綿タオルの投入量は、全部の布質量が約800gとなるように調整した)。
そこに、液体洗浄剤5mLを加え、ソフトコースで洗浄、すすぎ、及び脱水を順次行う洗浄操作を行った。洗浄時間、すすぎ、脱水、及び水量(低水位に設定、水量約12L)に関しては、一切調整せず、洗濯機のソフトコース設定を使用した。
洗濯終了後、上記の洗浄処理が施された試験布を25℃、相対湿度65%RHの恒温恒湿室に1日間放置し、乾燥させた。
全自動電気洗濯機(Haier社製、JW−Z23A)に、上記の試験布に用いたものと同じポリエステルジャージ布(ポリエステル100%)を5cm×5cmに裁断した臭い除去性評価用の対照布2枚と、20cm×20cmに裁断した柔軟性評価用の対照布2枚と、市販の綿タオル(綿100%)とを投入した(綿タオルの投入量は、全部の布質量が約800gとなるように調整した)。
そこに、対照布洗浄用の液体洗浄剤10mLを加え、ソフトコースで洗浄、すすぎ、及び脱水を順次行う洗浄操作を行った。洗浄時間、すすぎ、脱水、及び水量(低水位に設定、水量約12L)に関しては、一切調整せず、洗濯機のソフトコース設定を使用した。
洗濯終了後、かかる洗浄処理が施された対照布を25℃、相対湿度65%RHの恒温恒湿室に放置し、乾燥させた。
対照布洗浄用の液体洗浄剤としては、アルコールエトキシレート(商品名:EMALEX715、日本エマルジョン)の20質量%水溶液を用いた。
上記b)で洗浄処理した試験布について、1日間放置後、当該試験布に残存する臭いを、対照布と比較し、下記の評価基準(5)により採点した。
評価基準(5)
1点:対照布に比べて、強烈に臭いがする(汚れ(オレイン酸)がほとんど落ちていない)。
2点:対照布に比べて、かなり臭いがする(汚れ(オレイン酸)がわずかに落ちている)。
3点:対照布に比べて、やや臭いが弱い(汚れ(オレイン酸)がやや落ちている)。
4点:対照布に比べて、かなり臭いが落ちている。
5点:対照布に比べて、ほとんど臭いが残っていない。
そして、パネラー5人の採点の平均点を算出し、下記の評価基準(6)により、臭い除去性について評価した。
評価基準(6)
A:4点以上、B:3.5点以上、4点未満、C:3点以上、3.5点未満、D:3点未満。
ステンレスバットに、ママーミートソース(商品名、日清フーズ社製)をガーゼでろ過したものを入れ、その中に、100番手の綿平織り布(原布)を約1時間浸漬した。その後、ブラッシングして過剰に付着したミートソース汚れを落として一夜風乾し、10cm×10cmに裁断した前記布6枚をミートソース汚れ布(汚染布)とした。
次いで、15℃で24時間保存後の液体洗浄剤0.1gを6枚の汚染布にそれぞれ塗布(液体洗浄剤0.1g/汚染布1枚)し、5分間放置後、Terg−O−Tometer(UNITED STATES TESTING社製)に、前記汚染布と、清浄メリヤス布と、水道水(25℃、硬度3°DH)900mLとを入れて10分間撹拌した(浴比20、120rpm)。その後、二槽式洗濯機(三菱電機社製、CW−C30A1型)に移し、1分間脱水した。次いで、1分間流水ですすぎ、1分間脱水をした後、風乾した。
そして、ミートソース汚れの付着前の原布と、洗浄前後のミートソース汚れ布(汚染布)のZ値(反射率)とを、測色色差計(日本電色社製、製品名SE2000)を用いてそれぞれ測定し、下式により洗浄率(%)を算出した。
洗浄率(%)=(洗浄後の汚染布のZ値−洗浄前の汚染布のZ値)/(原布のZ値−洗浄前の汚染布のZ値)×100
ミートソース汚れに対する塗布洗浄力の評価は、上式により算出される洗浄率(%)を用いて、下記評価基準においてC、B、又はAであれば塗布洗浄力が良好であると判定した。
洗浄率(%)には、汚染布6枚の平均点を用いた。
評価基準
A:洗浄率が20%以上。
B:洗浄率が15%以上、20%未満。
C:洗浄率が10%以上、15%未満。
D:洗浄率が10%未満。
参考例19〜44、比較例5〜9の再汚染防止性能は、下記の方法により確認した。
Terg−O−Tometer(UNITED STATES TESTING CO.INC.モデル243S)に、水道水(25℃、硬度3°DH)900mLと、液体洗浄剤0.3mLとを入れ、60rpmで3分間撹拌した。
次いで、赤土汚垢布(3cm×4cm)5枚、油汚垢布(5cm×5cm)8枚、白色ポリエステルジャージの試験布(5cm×5cm)2枚、及び浴比を20に調整するための綿布片(赤土汚垢布と油汚垢布と試験布と綿布片とを合わせて合計45g)を入れ、10分間洗浄(120rpm、15℃)した。
洗浄終了後、洗浄液を除去して前記試験布を取り出し、当該試験布を2槽式洗濯機(三菱電機製、CW−C30A1)の脱水槽で1分間脱水した。さらに、当該試験布を、水道水900mLを入れたTerg−O−Tometer浴中で3分間すすぎ、2槽式洗濯機の脱水槽で1分間脱水した。その後、この操作を2回繰り返した(計3回すすぎ)。
次いで、上記操作が施された試験布2枚と、前記白色ポリエステルジャージの試験布の未処理のもの(白色布)との反射率を測定した。
そして、上記操作が施された試験布2枚と白色布とのそれぞれの反射率の差(平均値)を「再汚染度(ΔZ)」として算出した。
尚、反射率は、色差計SE2000(NIPPON DENSHOKU)を用いて測定し、ΔZ値が9未満(C、B、又はA)を合格範囲とした。
評価基準
A:ΔZ値が3未満。
B:ΔZ値が3以上6未満。
C:ΔZ値が6以上9未満。
D:ΔZ値が9以上。
Terg−O−Tometer(UNITED STATES TESTING CO.INC.モデル243S)に、水道水(25℃、硬度3°DH)900mLと、液体洗浄剤0.3mLとを入れ、60rpmで3分間撹拌した。
次いで、赤土汚垢布(3cm×4cm)2枚、油汚垢布(5cm×5cm)2枚、白色ポリエステルトロピカルの試験布(5cm×5cm)2枚、及び浴比を30に調整するための綿布片(赤土汚垢布と油汚垢布と試験布と綿布片とを合わせて合計30g)を入れ、10分間洗浄(120rpm、25℃)した。
洗浄終了後、洗浄液を除去して前記試験布を取り出し、当該試験布を2槽式洗濯機(三菱電機製、CW−C30A1)の脱水槽で1分間脱水した。さらに、当該試験布を、水道水900mLを入れたTerg−O−Tometer浴中で3分間すすぎ、2槽式洗濯機の脱水槽で1分間脱水した。その後、この操作を2回繰り返した(計3回すすぎ)。
次いで、上記操作が施された試験布2枚と、前記白色ポリエステルトロピカルの試験布の未処理(洗浄前)のもの(白色布)との反射率を測定した。
そして、上記操作が施された試験布2枚と白色布とのそれぞれの反射率の差(平均値)を「再汚染度(ΔZ)」として算出した。
尚、反射率は、色差計SE2000(NIPPON DENSHOKU)を用いて測定し、ΔZ値が9未満(C、B、又はA)を合格範囲とした。
評価基準
A:ΔZ値が3未満。
B:ΔZ値が3以上6未満。
C:ΔZ値が6以上9未満。
D:ΔZ値が9以上。
上記の臭い除去性の評価におけるb)の洗浄処理を施して1日間放置した試験布の柔軟性(柔らかさ)について、官能による対照布との1対比較を、下記の評価基準(7)により行った。
評価基準(7)
1点:対照布よりかたい。
2点:対照布と同等。
3点:対照布よりやや柔らかい。
4点:対照布よりかなり柔らかい。
5点:対照布より非常に柔らかい。
そして、パネラー5人の採点の平均点を算出し、下記の評価基準(8)により、柔軟性付与効果について評価した。下記評価基準(8)においてC、B、又はAであれば柔軟性付与効果が良好であるとして判定した。
評価基準(8)
A:4点以上、B:3.5点以上、4点未満、C:3点以上、3.5点未満、D:3点未満。
薄桃色のカーディガンブラウス(ウール100%)と、全布量が6kgとなるように質量を調整するためのTシャツ(綿100%)及び綿タオル(綿100%)とを、ドラム式洗濯機(松下電器産業株式会社製、National NA−VR1100型)に投入し、洗剤投入口に液体洗浄剤25gを入れ、おまかせコースで洗濯(詰め込み洗濯)を行った。
この洗濯操作を5回繰り返して洗濯した前記カーディガンブラウスを25℃、相対湿度65%RHの恒温恒湿室に放置した。1日間の放置後、パネラー(5人)にカーディガンブラウス(ウール衣料)の着心地について、前記洗濯操作を施していない新品(対照品)と比較し、下記の評価基準(9)により採点した。
評価基準(9)
1点:対照品より、着心地がかなりよくない。
2点:対照品より、着心地がややよくない。
3点:対照品と着心地が同等である。
4点:対照品より、着心地がややよい。
5点:対照品より、着心地がかなりよい。
そして、パネラー5人の採点の平均点を算出し、下記の評価基準(10)により、着心地感について評価した。
評価基準(10)
A:4点以上、B:3.5点以上、4点未満、C:3点以上、3.5点未満、D:3点未満。
ひどい皮脂汚れ等が付着した衣料は、洗濯後、湿度の高い室内で乾燥させたとき、菌に由来する異臭や悪臭が発生しやすい。本評価においては、前記の菌に由来する異臭や悪臭が発生しやすい現象を、モデル化(実験室レベルで再現)した評価方法を用いた。
全自動電気洗濯機(Haier社製、JW−Z23A)に、実家庭にて1週間使用済みの汚れが付着した綿タオル約100gと、全部の布質量が約800gとなるように1日間着用した綿肌シャツと、液体洗浄剤10mLとを入れ、標準コースで洗浄、すすぎ、及び脱水を順次行う洗浄操作を行った。洗浄、すすぎ、脱水、及び水量(低水位に設定、水量約12L)に関しては、一切調整せず、洗濯機の標準コース設定を使用した。
洗濯終了後、25℃、相対湿度85%以上の恒温恒湿室内で一昼夜乾燥した。乾燥後の衣料のそれぞれの「イヤな臭い」を、官能により、下記に示す6段階の評価基準(11)に従って評価した。当該評価は専門パネラー5人により行った。
評価基準(11)
0点:無臭。
1点:やっと感知できる臭い。
2点:何の臭いであるか分かる臭い。
3点:楽に感知できる臭い。
4点:強い臭い。
5点:強烈な臭い。
前記6段階の評価基準(11)による評価結果を基に、専門パネラー5人の平均点を算出し、下記の評価基準(12)により、消臭性能について評価した。当該評価の平均点が3.0点未満(C、B、又はA)であれば、消臭性能が良好であると判定した。
評価基準(12)
A:1.5点未満。
B:1.5点以上、2.5点未満。
C:2.5点以上、3.0点未満。
D:3.0点以上。
各例の液体洗浄剤約300gを、市販の液体洗剤トップNANOX(ライオン株式会社製)の容器(中身の洗剤を全て排出して水洗いし、乾燥させたもの)に入れてキャップをした後、この状態で5℃の恒温槽に置いた。3時間後、液体洗浄剤が入った当該容器を恒温槽から取り出した。
その後、キャップを開けて、キャップに印字されている「−45」の線まで液体洗浄剤を注ぎ、その際の計量のしやすさ(計量性)と、市販のTシャツ(綿100%、B.V.D.社製)の首周りの部分への液体洗浄剤の塗布しやすさ(塗布性)との評価をパネラー10人で実施した。計量性と塗布性の評価は、下記の評価基準(13)により行い、その平均点を算出し、下記の評価基準(14)により、使用性について評価した。
評価基準(13)
5点:計量性と塗布性が共に、非常によい。
4点:計量性と塗布性が共に、ややよい。
3点:どちらともいえない。
2点:計量性と塗布性が共に、ややよくない。
1点:計量性と塗布性が共に、非常によくない。
評価基準(14)
A:平均点が4点以上。
B:平均点が3.5点以上、4点未満。
C:平均点が3点以上、3.5点未満。
D:平均点が3点未満。
Claims (1)
- 下記一般式(a−1)で表される陰イオン界面活性剤(A)と、
下記一般式(b−1)及び一般式(b−2)のいずれかの一般式で表される化合物からなる群より選択される少なくとも一種の非イオン界面活性剤(B)と、
炭素数2〜4のアルコール及び下記一般式(c−1)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも一種の有機溶剤(C)と、
陽イオン界面活性剤(H)とを含有し、
前記(A)成分と前記(B)成分との合計が液体洗浄剤の総質量に対して40質量%以上である、液体洗浄剤。
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