JP6188223B2 - 繊維製品用の洗浄剤 - Google Patents
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例えば、非イオン性界面活性剤と、3級アミン化合物と、アルキレンテレフタレート単位及び/又はアルキレンイソフタレート単位とオキシアルキレン単位及び/又はポリオキシアルキレン単位とを有する水溶性ポリマーと、陰イオン性界面活性剤とを含有する衣料用液体洗浄剤組成物が提案されている(例えば、特許文献1)。特許文献1の発明によれば、ポリエステル衣料において、繰り返し洗濯によりごわつきを抑制することが図れられている。
また、例えば、アミノ変性シリコーンと、3種の特定の非イオン性界面活性剤と、アルキレンテレフタレート単位及び/又はアルキレンイソフタレート単位と、ポリオキシアルキレン単位とを含む高分子化合物とを含有する繊維製品処理剤組成物が提案されている(例えば、特許文献2)。特許文献2の発明によれば、繊維製品に滑らかな風合いを付与することが図られている。
そこで、本発明は、繊維製品の品位低下をより良好に防げる繊維製品用の洗浄剤を目的とする。
さらに、(D)成分:非イオン性界面活性剤を含有することが好ましい。
本発明の繊維製品用の洗浄剤(以下、単に洗浄剤ということがある)は、後述する(A)〜(C)成分を含有する。
固体の洗浄剤(固体洗浄剤)の場合、(A)〜(C)成分が混合されていてもよいし、(A)〜(C)成分が各々別個の固体として用意されたものでもよい。
固体洗浄剤の剤形としては、粉末が好ましい。
粉末の固体洗浄剤の平均粒子径は、200〜1500μmが好ましく、250〜1000μmがより好ましい。上記下限値以上であれば、使用時の粉立ちが抑制される。上記上限値以下であれば、水への溶解性が高まる。
粉末の固体洗浄剤の平均粒子径は、質量基準のメディアン径(質量頻度の積算値が50質量%になる粒子径)である。
本発明の洗浄剤は、液体洗浄剤が好ましい。液体洗浄剤であれば、水に対する溶け残りを生じにくい。
液体洗浄剤のpHは、特に限定されないが、1〜6が好ましく、2〜4がより好ましい。上記範囲内であれば、(A)成分の加水分解を良好に抑制し、液体洗浄剤の経時劣化をより抑制しやすい。
pHは、pHメーターを用いて25℃で測定される値である。
粘度は、株式会社東京計器製のBL型回転式粘度計を用いて測定される値である。
(A)成分は、アルキレンテレフタレート単位及び/又はアルキレンイソフタレート単位(以下、(a1)単位ということがある)を含有し、かつ(ポリ)オキシアルキレン単位(以下、(a2)単位ということがある)を有する水溶性ポリマーである。洗浄剤は、(A)成分を含有することで、繊維製品に品位低下の防止を図れる。
なお、「水溶性」とは、1000gの水(40℃)に10gの試料を加え、12時間、スターラー(太さ:8mm、長さ50mm)で攪拌(200rpm)した場合に、溶解するものをいう。
アルキレンテレフタレート単位は、下記一般式(a1−1)で表され、アルキレンイソフタレート単位は、下記一般式(a1−2)で表される。
アルキレンテレフタレート単位としては、例えば、エチレンテレフタレート単位、n−プロピレンテレフタレート単位、イソプロピレンテレフタレート単位、n−ブチレンテレフタレート単位、イソブチレンテレフタレート単位、sec−ブチレンテレフタレート単位、tert−ブチレンテレフタレート単位等が挙げられ、中でも、n−プロピレンテレフタレート単位、イソプロピレンテレフタレート単位が好ましく、イソプロピレンテレフタレート単位がより好ましい。
(A)成分は、これらのアルキレンテレフタレート単位を1種単独で有してもよいし、2種以上を有してもよい。
アルキレンイソフタレート単位としては、例えば、エチレンイソフタレート単位、n−プロピレンテレフタレート単位、イソプロピレンテレフタレート単位、n−ブチレンイソフタレート単位、sec−ブチレンイソフタレート単位、tert−ブチレンイソフタレート単位等が挙げられ、中でもn−プロピレンテレフタレート単位、イソプロピレンテレフタレート単位が好ましく、イソプロピレンテレフタレート単位がより好ましい。
(A)成分は、これらのアルキレンイソフタレート単位を1種単独で有してもよいし、2種以上を有してもよい。
(a2)単位は、下記一般式(a2−1)で表される。
uは、1以上の数である。uが1の場合、(a2)単位はオキシアルキレン単位であり、uが2以上の場合、(a2)単位はポリオキシアルキレン単位である。
uは、1〜100が好ましく、1〜80がより好ましく、1〜50がさらに好ましい。
(A)成分は、これらの(a2)単位を1種単独で有してもよいし、2種以上を有してもよい。
(A)成分は、(a1)単位及び(a2)単位以外の単位(例えば、重合開始剤、重合停止剤等に由来する単位、その他、(a1)単位又は(a2)単位と重合可能な単位)を含んでいてもよい。ただし、(A)成分における(a1)単位と(a2)単位との合計は80モル%以上が好ましく、90モル%以上がより好ましい。
R4及びR5はそれぞれ独立して、炭素数2〜4のアルキレン基、好ましくは炭素数2〜3のアルキレン基である。
x1は、構成単位の平均繰り返し数を表す0〜10の数であり、0.5〜5が好ましく、0.5〜2.5がより好ましい。上記上限値以下であれば、水への溶解性がより高まり、繊維製品の品位低下をより良好に防げる。
y1は、(R4O)の平均繰り返し数を表す数であり、それぞれ独立して1〜100が好ましく、1〜80がより好ましく、1〜50がさらに好ましく、10〜50が特に好ましく、20〜30が最も好ましい。上記範囲内であれば、水への溶解性がより高まり、繊維製品の品位低下をより良好に防げる。
(A1)式中、x1とy1との比率(x1:y1)は、1:5〜1:20が好ましく、1:8〜1:18がより好ましい。x1:y1が上記範囲内であれば、繊維製品の品位低下をより良好に防げ、かつ水に対する溶解性を高められる。
R6及びR7はそれぞれ独立して、炭素数2〜4のアルキレン基、好ましくは炭素数2〜3のアルキレン基である。
x2は、構成単位の平均繰り返し数を表す0〜10の数であり、0.5〜5が好ましく、0.5〜2.5がより好ましい。上記上限値以下であれば、水への溶解性がより高まり、繊維製品の品位低下をより良好に防げる。
y2は、(R6O)の平均繰り返し数を表す数であり、それぞれ独立して1〜100が好ましく、1〜80がより好ましく、1〜50がさらに好ましく、10〜50が特に好ましく、20〜30が最も好ましい。上記範囲内であれば、水への溶解性がより高まり、繊維製品の品位低下をより良好に防げる。
(A2)式中、x2とy2との比率(x2:y2)は、1:5〜1:20が好ましく、1:8〜1:18がより好ましい。x2:y2が上記範囲内であれば、繊維製品の品位低下をより良好に防げ、かつ水に対する溶解性を高められる。
質量平均分子量の下限値は、800以上がより好ましく、1000以上がさらに好ましい。
質量平均分子量の上限値は、9000以下がより好ましく、8000以下がさらに好ましい。
従って、(A)成分の質量平均分子量は、800〜9000がより好ましく、1000〜8000がさらに好ましい。
(A)成分としては、TexCare SRN−100(商品名、クラリアントジャパン株式会社製、質量平均分子量:2000〜3000)や、TexCare SRN−300(商品名、クラリアントジャパン株式会社製、質量平均分子量:7000)、Repel−O−Tex Crystal(商品名、ローディア社製、質量平均分子量:未定)、Repel−O−Tex QCL(商品名、ローディア社製、質量平均分子量:未定)等が挙げられる。これらの中では、水への溶解性が高く、保存後の洗浄性能の低下が少ないTexCare SRN−100が好ましい。特に好ましくは、TexCare SRN−100の70質量%水溶液であり、TexCare SRN−170C(商品名、クラリアントジャパン株式会社製)が挙げられる。
液体洗浄剤中の(A)成分の含有量は、0.05〜10質量%が好ましく、0.05〜5質量%がより好ましく、0.1〜5質量%が特に好ましい。
固体洗浄剤中の(A)成分の含有量は、1〜20質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましく、0.1〜5質量%が特に好ましい。
洗浄剤中の(A)成分の含有量が上記下限値以上であれば、洗濯中に被洗物に吸着して、繊維製品の品位低下をより良好に防げ、上記上限値以下であれば、液体洗浄剤の粘度が高くなりすぎず、使用性をより高められる。
(B)成分は、下記一般式(b1)で表される化合物及びその塩から選ばれる1種以上の3級アミン(塩)である。洗浄剤は、(B)成分を含有することで、ウール等の獣毛繊維に対し、(A)成分や(C)成分を吸着しやすくして、繊維製品の品位低下の防止を図れる。
R10は、飽和炭化水素基でもよく、不飽和炭化水素基でもよい。
R11は、炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基である。R11の炭素数は、2〜3が好ましい。上記範囲内であれば、繊維製品の品位低下をより良好に防ぎ、かつ液体洗浄剤の液安定性を良好にできる。
R12及びR13は、それぞれ独立に炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐鎖のヒドロキシアルキル基、又はオキシエチレン基の平均繰り返し数が1〜25の(ポリ)オキシエチレン基である。
(b1)成分の塩としては、(b1)成分を酸で中和した酸塩等が挙げられる。中和に用いられる酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、グリコール酸、乳酸、クエン酸、ポリアクリル酸、パラトルエンスルホン酸、クメンスルホン酸等が挙げられる。これらの酸は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
上述の(B)成分は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
脂肪酸又は脂肪酸誘導体(脂肪酸低級アルキルエステル、動物性油脂もしくは植物性油脂等)と、ジアルキル(又はアルカノール)アミノアルキルアミンとを縮合反応させ、その後、未反応のジアルキル(又はアルカノール)アミノアルキルアミンを減圧又は窒素ブローにて留去することにより脂肪族アミドアルキル3級アミンを製造できる。
ここで、脂肪酸又は脂肪酸誘導体としては、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸、エルカ酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ヤシ油脂肪酸、綿実油脂肪酸、とうもろこし油脂肪酸、牛脂脂肪酸、パーム核油脂肪酸、大豆油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、ひまし油脂肪酸、オリーブ油脂肪酸等の植物油又は動物油脂肪酸や、これらのメチルエステル、エチルエステル、グリセライド等が挙げられ、中でも、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸等が好ましい。これら脂肪酸又は脂肪酸誘導体は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
ジアルキル(又はアルカノール)アミノアルキルアミンとしては、例えば、ジメチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノエチルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノエチルアミン等が挙げられ、中でも、ジメチルアミノプロピルアミンが好ましい。
脂肪酸を用いる場合は、硫酸、p−トルエンスルホン酸等の酸触媒を用い、脂肪酸誘導体を用いる場合は、ナトリウムメチラート、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ触媒を用いることで、低い反応温度で短時間により効率よく反応を進行させることができる。
得られる3級アミンが、高い融点の長鎖アミンの場合には、ハンドリング性を向上させるため、反応後、フレーク状又はペレット状に成形してもよく、エタノール等の有機溶媒に溶解し液状にしてもよい。
液体洗浄剤中の(B)成分の含有量は、例えば、0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましい。上記下限値以上であれば、繊維製品に対して(A)成分や(C)成分をより良好に吸着でき、繊維製品の品位低下をより良好に防げる。上記上限値超としても、それに見合う効果の向上が図れないおそれがあり、液体洗浄剤の低温(−5℃以下)での液安定性が低下するおそれがある。
固体洗浄剤中の(B)成分の含有量は、例えば、0.5〜10質量%が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましい。上記下限値以上であれば、繊維製品に対して(A)成分や(C)成分をより良好に吸着でき、繊維製品の品位低下をより良好に防げる。上記上限値超としても、それに見合う効果の向上が図れないおそれがある。
(C)成分は、水不溶性シリコーンである。(C)成分は、繊維製品に滑らかさを付与し、繊維製品の品位低下を防ぐ。
「水不溶性」とは、1000gの水(40℃)に10gの試料を入れ、12時間、スターラー(太さ:8mm、長さ50mm)で攪拌(200rpm)した場合に、溶解しないものをいう。
(C)成分としては、例えば、未変性ジメチルシリコーン、アミノ変性シリコーン、アミノ・ポリエーテル変性シリコーン、アミド変性シリコーン、アミド・ポリエーテル変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルキル・ポリエーテル変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等が挙げられる。中でも、液体洗浄剤の外観安定性の観点からは、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーンが好ましく、ポリエーテル変性シリコーンがより好ましい。
これらの(C)成分は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
(c1)成分の比重は、25℃において、1.00〜1.09が好ましく、1.04〜1.09が好ましい。なお、前記比重は、日本薬局方一般試験法の比重測定法に従い、25℃で比重瓶を用いて測定した値である。
これらの(c1)成分は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
液体洗浄剤中の(C)成分の含有量は、0.01〜5質量%が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましく、0.1〜3質量%が特に好ましい。
固体洗浄剤中の(C)成分の含有量は、例えば、0.2〜5質量%が好ましく、0.2〜1質量%がより好ましい。
洗浄剤中の(C)成分の含有量が上記下限値以上であれば、繊維製品をより滑らかに仕上げられ、繊維製品の品位低下をより良好に防げる。洗浄剤中の(C)成分の含有量を上記上限値超としても、それに見合う効果の向上が図れないおそれがある。
本発明の洗浄剤は、(D)成分:非イオン性界面活性剤を含有してもよい。洗浄剤は、(D)成分を含有することで、毛玉防止性能をより高められる。
(D)成分としては、特に限定されず、例えば、脂肪酸アルキルエステル、高級アルコール、アルキルフェノール、高級脂肪酸、高級脂肪酸アルキルエステル又は高級アミン等のアルキレンオキシド付加体;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、脂肪酸アルカノールアミン、脂肪酸アルカノールアミド、多価アルコール脂肪酸エステル又はそのアルキレンオキシド付加体、多価アルコール脂肪酸エーテル、アルキルアミンオキシド、アルケニルアミンオキシド、硬化ヒマシ油のアルキレンオキシド付加体、糖脂肪酸エステル、N−アルキルポリヒドロキシ脂肪酸アミド、アルキルグルコシド等が挙げられる。中でも、下記一般式(d1)で表されるポリオキシアルキレン型非イオン性界面活性剤(以下、(d1)成分ということがある)が好ましい。
R25の炭素数は8〜22であり、好ましくは10〜18である。炭素数が上記範囲内であれば、洗浄力をより高められる。
R25は、不飽和結合を有していてもよいし、有していなくてもよい。
R25としては、アルキル基又はアルケニル基が好ましい。
R25は、直鎖であっても分岐鎖であってもよい。
R25としては、1級又は2級の高級アルコール、高級脂肪酸、高級脂肪酸アミド等に由来する炭化水素基が挙げられる。
R26がアルキル基である場合、R26の炭素数は1〜3が好ましい。
R26がアルケニル基である場合、R26の炭素数は2〜3が好ましい。
(d1)式中、X3が−O−の場合、(d1)成分は、アルキルエーテル型非イオン性界面活性剤である。
X3が−O−の場合、洗浄力向上の観点から、R26は、直鎖もしくは分岐鎖の炭素数10〜20のアルキル基、又は直鎖もしくは分岐鎖の炭素数10〜20のアルケニル基が好ましく、直鎖もしくは分岐鎖の炭素数10〜18のアルキル基、又は直鎖もしくは分岐鎖の炭素数10〜18のアルケニル基がより好ましい。X3が−O−の場合、R26は水素原子が好ましい。
(d1)式中、X3が−COO−の場合、(d1)成分は脂肪酸エステル型非イオン性界面活性剤である。X3が−COO−の場合、洗浄力向上の観点から、R26は、直鎖もしくは分岐鎖の炭素数9〜21のアルキル基、又は直鎖もしくは分岐鎖の炭素数9〜21のアルケニル基が好ましく、直鎖もしくは分岐鎖の炭素数11〜17のアルキル基、又は直鎖もしくは分岐鎖の炭素数11〜17のアルケニル基がより好ましい。X3が−COO−の場合、R26は、炭素数1〜3のアルキル基が好ましい。
nは、EOの平均繰り返し数(即ち、エチレンオキシドの平均付加モル数)を表す3〜20の数であり、5〜18の数が好ましい。nが上記上限値超では、HLB値が高くなりすぎて、洗浄力が低下する傾向にある。nが上記下限値未満では、(d1)成分自体の原料臭気が劣化しやすくなる傾向にある。また、毛玉防止性能をより高めるには、nが3〜9の数がより好ましい。これは、EOの平均繰返し数が低いほど、親水性が低下するため被洗物に吸着しやすくなるためである。
mは、POの平均繰り返し数(即ち、プロピレンオキシドの平均付加モル数)を表す0〜6の数であり、0〜3の数が好ましい。mが上記上限値超では、液体洗浄剤の高温下での保存安定性が低下する傾向にある。
EOとPOとは混在して配列してもよく、EOとPOとは、ランダム状に付加していてもよく、ブロック状に付加していてもよい。
EO又はPOの繰り返し数の分布は、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の一般的なアルカリ触媒を用いて、エチレンオキシド又はプロピレンオキシドを原料(1級又は2級の高級アルコール、高級脂肪酸、高級脂肪酸アミド等)に付加させた際には、比較的広い分布となる傾向にある。
EO又はPOの繰り返し数の分布は、例えば、特公平6−15038号公報に記載のAl3+、Ga3+、In3+、Tl3+、Co3+、Sc3+、La3+、Mn2+等の金属イオンを添加した酸化マグネシウム等の特定のアルコキシル化触媒を用いて、エチレンオキシド又はプロピレンオキシドを原料に付加させた際には、比較的狭い分布となる傾向にある。
液体洗浄剤中の(D)成分の含有量は、10〜60質量%が好ましく、10〜50質量%がより好ましい。
固体洗浄剤中の(D)成分の含有量は、1〜20質量%が好ましく、1〜10質量%がより好ましい。
洗浄剤中の(D)成分の含有量が上記下限値以上であれば、より高い洗浄力を発揮でき、上記上限値以下であれば、液安定性を高められる。
洗浄剤は、(A)〜(D)成分以外に、(B)成分及び(D)成分を除く界面活性剤(任意界面活性剤)、分散媒、溶剤、安定化剤、金属イオン捕捉剤、酸化防止剤、防腐剤、安定性向上剤、酵素、着香剤、着色剤、乳濁剤、天然エキス、pH調整剤等の任意成分を含有してもよい。
任意界面活性剤は、(B)成分及び(D)成分を除く界面活性剤であればよく、陰イオン性界面活性剤、4級アンモニウム塩等の陽イオン性界面活性剤(ただし、(B)成分を除く)、半極性界面活性剤等が挙げられる。中でも、任意界面活性剤としては、陰イオン性界面活性剤が好ましく、高級脂肪酸塩を除く陰イオン性界面活性剤((E)成分)が好ましい。洗浄剤は、陰イオン性界面活性剤を含有することで、洗浄力をより高められる。
(E)成分としては、高級脂肪酸塩を除く、公知の陰イオン性界面活性剤の中から適宜選択される。
好ましい(E)成分としては、例えば、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩;α−オレフィンスルホン酸塩;直鎖又は分岐鎖のアルキル硫酸エステル塩;アルキルエーテル硫酸エステル塩又はアルケニルエーテル硫酸エステル塩;アルキル基を有するアルカンスルホン酸塩;α−スルホ脂肪酸エステル塩等が挙げられる。これらの陰イオン性界面活性剤における塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアルカノールアミン塩等が挙げられる。
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩としては、直鎖アルキル基の炭素数が8〜16のものが好ましく、炭素数10〜14のものがより好ましい。
α−オレフィンスルホン酸塩としては、炭素数10〜20のものが好ましい。
アルキル硫酸エステル塩としては、アルキル基の炭素数が10〜20のものが好ましい。
アルキルエーテル硫酸エステル塩又はアルケニルエーテル硫酸エステル塩としては、炭素数10〜20の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、又は炭素数10〜20の直鎖もしくは分岐鎖のアルケニル基を有し、オキシエチレン基一部がオキシプロピレン基であってもよい、平均1〜5モルのポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩が好ましい。
アルカンスルホン酸塩としては、アルキル基の炭素数が10〜20のものが好ましく、14〜17のものがより好ましい。中でも、該アルキル基が2級アルキル基であるもの(即ち、2級アルカンスルホン酸塩)がさらに好ましい。
α−スルホ脂肪酸エステル塩としては、脂肪酸残基の炭素数が10〜20のものが好ましい。
これらの(E)成分の中でも、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩、アルカンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、及びα−オレフィンスルホン酸塩から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
(E)成分として、上記以外の他の陰イオン性界面活性剤を用いてもよい。該他の陰イオン性界面活性剤としては、アルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシアルキレンエーテルカルボン酸塩、アルキル(又はアルケニル)アミドエーテルカルボン酸塩、アシルアミノカルボン酸塩等のカルボン酸型陰イオン性界面活性剤;アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルリン酸エステル塩、グリセリン脂肪酸エステルモノリン酸エステル塩等のリン酸エステル型陰イオン性界面活性剤;等が挙げられる。
これらの(E)成分は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
液体洗浄剤中の(E)成分の含有量は、0.1〜20質量%が好ましく、0.1〜10質量%がより好ましく、1〜5質量%がさらに好ましい。
固体洗浄剤中の(E)成分の含有量は、0.1〜20質量%が好ましく、0.1〜10質量%がより好ましく、1〜5質量%がさらに好ましい。
(E)成分の含有量が上記下限値以上であれば、洗浄力をより高められる。(E)成分の含有量が上記上限値以下であれば、液体洗浄剤の粘度が高くなり過ぎず、使用性をより高められる。
液体洗浄剤は、分散媒として水を含有してもよい。液体洗浄剤中の分散媒の含有量は、例えば、25〜85質量%とされる。
pH調整剤としては、例えば、硫酸、塩酸等の酸性化合物;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ性化合物が挙げられる。液体洗浄剤の経時安定性を高める観点から、pH調整剤としては、硫酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルカノールアミンが好ましく、硫酸、水酸化ナトリウムがより好ましい。
これらのpH調整剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
ただし、上述した各成分のみで液体洗浄剤が所望のpHとなる場合は、pH調整剤を用いなくてもよい。
液体洗浄剤は、溶剤を含有してもよい。
溶剤は、炭素数2〜4の一価アルコール、炭素数2〜4の多価アルコール及びR27−(OR28)mOH(式中、R27は炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基であり、R28は炭素数2〜4のアルキレン基であり、mは平均付加モル数を表し1〜5である。]で表されるグリコールエーテル系溶剤からなる群から選択される化合物が好ましい。
炭素数2〜4の1価アルコールとしては、たとえば、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール等が挙げられる。
炭素数2〜4の多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン等が挙げられる。
前記式R27−(OR28)mOHで表されるグリコールエーテル系溶剤としては、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。
これらの中でも、液体洗浄剤としての流動性、臭気の穏やかな点や原料の入手のしやすさから、エタノール、プロピレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテルが好ましい。
液体洗浄剤において、溶剤成分は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
液体洗浄剤中、溶剤の含有量は、5〜25質量%が好ましく、6〜23質量%がより好ましく、7〜21質量%がさらに好ましい。上記下限値以上であれば、液体洗浄剤の液流動性が良好となり、ゲル化せず、使用性が高まる。上記上限値超としても、それに見合う液流動性の改善効果は見られず、経済的にも不利になる。
液体洗浄剤は、安定化剤を含有してもよい。安定化剤は、液体洗浄剤の液安定性をより高めるために用いられる。安定化剤としては、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、平均分子量約200〜5000のポリエチレングリコール等のグリコール類、パラトルエンスルホン酸、クメンスルホン酸塩、安息香酸塩(防腐剤としての効果もある)、尿素等、いわゆる減粘剤又は可溶化剤が挙げられる。
液体洗浄剤中の安定化剤の含有量は、例えば、0.01〜15質量%が好ましい。
洗浄剤は、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、ジグリコール酸、酒石酸、クエン酸等の金属イオン疎捕捉剤を、例えば、0.1〜20質量%含有できる。
洗浄剤は、ブチルヒドロキシトルエン、ジスチレン化クレゾール、亜硫酸ナトリウム及び亜硫酸水素ナトリウム等の酸化防止剤を、例えば、0.01〜2質量%含有できる。
洗浄剤は、イソチアゾロン液(例えばローム・アンド・ハース社製のケーソンCG(商品名))等の防腐剤を、例えば0.001〜1質量%含有できる。
液体洗浄剤は、洗浄力向上や安定性向上等を目的として、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチル−ジエタノールアミン、N,N−ジメチルモノエタノールアミン等のアルカノールアミン等のアルカリビルダー、pH調整剤、ハイドロトロープ剤、蛍光剤、酵素、移染防止剤、再汚染防止剤(例えばマレイン酸とオレフィン系モノマーとの共重合体、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース等)、パール剤等の品質向上剤を含有できる。
酵素としては、従来、洗浄剤に含有される酵素が用いられ、例えば、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、マンナナーゼ等が挙げられる。
プロテアーゼとしては、プロテアーゼ製剤としてノボザイムズ社から入手できる商品名Savinase16L、Savinase Ultra 16L、Savinase Ultra 16XL、Everlase 16L TypeEX、Everlase Ultra 16L、Esperase 8L、Alcalase 2.5L、Alcalase Ultra 2.5L、Liquanase 2.5L、Liquanase Ultra 2.5L、Liquanase Ultra 2.5XL、Coronase 48L、ジェネンコア社から入手できる商品名Purafect L、Purafect OX,Properase L等が挙げられる。
アミラーゼとしては、アミラーゼ製剤としてノボザイムズ社から入手できる商品名Termamyl 300L、Termamyl Ultra 300L、Duramyl 300L、Stainzyme 12L、Stainzyme Plus 12L、ジェネンコア社から入手できる商品名Maxamyl、天野製薬株式会社から入手できる商品名プルラナーゼアマノ、生化学工業株式会社から入手できる商品名DB−250等が挙げられる。
リパーゼとしては、リパーゼ製剤としてノボザイムズ社から入手できる商品名Lipex 100L、Lipolase 100L等が挙げられる。
セルラーゼとしては、セルラーゼ製剤としてノボザイムズ社から入手できる商品名Endolase 5000L、Celluzyme 0.4L、Carzyme 4500L、Carzyme Premium4500L等が挙げられる。
マンナナーゼとしては、マンナナーゼ製剤としてノボザイムズ社から入手できる商品名Mannaway 4L等が挙げられる。
酵素は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。洗浄剤中の酵素の含有量は、例えば、0.1〜3質量%が好ましい。
洗浄剤は、着香剤を含有してもよい。着香剤としては、例えば、特開2002−146399号公報の表11〜18に記載の香料組成物A〜Dや、特開2009−108248号公報に記載の香料a〜d等が挙げられる。
洗浄剤中の着香剤の含有量は、例えば、0.1〜1質量%が好ましい。
洗浄剤は、着色剤を含有してもよい。着色剤としては、アシッドレッド138、Polar Red RLS、アシッドイエロー203、アシッドブルー9、青色1号、青色205号、緑色3号、ターコイズP−GR(いずれも商品名)等の汎用の色素や顔料が挙げられる。
洗浄剤中の着色剤の含有量は、例えば、0.00005〜0.005質量%が好ましい。
液体洗浄剤は、乳濁剤を含有してもよい。乳濁剤としては、ポリスチレンエマルション、ポリ酢酸ビニルエマルション等が挙げられ、通常、固形分30〜50質量%のエマルションが好適に用いられる。エマルションの乳濁剤としては、ポリスチレンエマルション(商品名:サイビノールRPX−196 PE−3、固形分40質量%、サイデン化学株式会社製)等が挙げられる。
液体洗浄剤中の乳濁剤の含有量は、0.01〜0.5質量%が好ましい。
洗浄剤は、エキス類を含有してもよい。エキス類としては、イヌエンジュ、ウワウルシ、エキナセア、コガネバナ、キハダ、オウレン、オールスパイス、オレガノ、エンジュ、カミツレ、スイカズラ、クララ、ケイガイ、ケイ、ゲッケイジュ、ホオノキ、ゴボウ、コンフリー、ジャショウ、ワレモコウ、シャクヤク、ショウガ、セイタカアワダチソウ、セイヨウニワトコ、セージ、ヤドリギ、ホソバオケラ、タイム、ハナスゲ、チョウジ、ウンシュウミカン、ティーツリー、バーベリー、ドクダミ、ナンテン、ニュウコウ、ヨロイグサ、シロガヤ、ボウフウ、オランダヒユ、ホップ、ホンシタン、マウンテングレープ、ムラサキタガヤサン、セイヨウヤマハッカ、ヒオウギ、ヤマジソ、ユーカリ、ラベンダー、ローズ、ローズマリー、バラン、スギ、ギレアドバルサムノキ、ハクセン、ホウキギ、ミチヤナギ、ジンギョウ、フウ、ツリガネニンジン、ヤマビシ、ヤブガラシ、カンゾウ、セイヨウオトギリソウ等の植物エキス等が挙げられる。
洗浄剤中のエキス類の含有量は、0〜0.5質量%が好ましい。
<(A)成分>
・A−1:TexCare SRN−170C(商品名、クラリアントジャパン社製、質量平均分子量=2000〜3000、pH(20℃の5質量%水溶液)=4、粘度(20℃)=300mPa・s)。TexCare SRN−170Cは、TexCare SRN−100(商品名、クラリアントジャパン社製、質量平均分子量=2000〜3000)の70質量%水溶液である。TexCare SRN−100は、(A1)式で表される化合物に相当する。
・B−1:カチナールMPAS−R(商品名、脂肪酸(C16/C18)ジメチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸/パルミチン酸の質量比=7/3、東邦化学工業株式会社製)。
・B−2:カチナールBMPA(K)(商品名、脂肪酸(C22)ベヘミドプロピルジメチルアミン、東邦化学工業株式会社製)。
・C−1:CF1188N(商品名、東レ・ダウコーニング株式会社製)。
・C−2:BY16−906(商品名、東レ・ダウコーニング株式会社製)。
・C−3:FZ−2203(商品名、東レ・ダウコーニング株式会社製)。
・D−1:Lutensol TO−7(商品名、C13H27O(CH2CH2O)7H(分岐型アルコールの平均エチレンオキシド7モル付加物)、BASF社製)。
≪D−2の合成方法≫
天然アルコールCO−1270を224.4gと、30質量%NaOH水溶液2.0gとを耐圧型反応容器中に仕込み、容器内を窒素置換した。次に温度100℃、圧力2.0kPa以下で30分間脱水した後、容器内を160℃まで昇温して反応液を得た。次いで、反応液を攪拌しながらエチレンオキシド(ガス状)610.2gを、反応液中に徐々に加えた。この時、反応温度が180℃を超えないように添加速度を調節しながら、エチレンオキシドを吹き込み管で加えた。
エチレンオキシドの添加終了後、温度180℃、圧力0.3MPa以下で30分間熟成した後、温度180℃、圧力6.0kPa以下で10分間、未反応のエチレンオキシドを留去した。
次に、温度を100℃以下に冷却した後、反応物の1質量%水溶液のpHが約7になるように、70質量%p−トルエンスルホン酸を加えて中和し、D−2を得た。
≪D−3の合成方法≫
224.4gの天然アルコールCO−1270を861.2gの天然アルコールCO−1214とし、エチレンオキシドを760.6gとした以外は、D−2の合成方法と同様にして、D−3を得た。
≪D−4の合成方法≫
224.4gの天然アルコールCO−1270を861.2gの天然アルコールCO−1214とし、エチレンオキシドを508.50gとした以外は、D−2の合成方法と同様にして、D−4を得た。
なお、ナロー率は、アルキレンオキシド付加体の分布の割合を示すものであり、特開2011−137112号公報に記載の方法により求めた値である。
≪D−6の合成方法≫
特開2000−144179号公報に記載の実施例における製造例1に準じて製造した合成品を用いた。
組成が2.5MgO・Al2O3・wH2Oである水酸化アルミナ・マグネシウム(キョーワード300(商品名、協和化学工業株式会社製))を600℃で1時間、窒素雰囲気下で焼成して、焼成水酸化アルミナ・マグネシウム(未改質)触媒を得た。焼成水酸化アルミナ・マグネシウム(未改質)触媒2.2gと、0.5N水酸化カリウムエタノール溶液2.9mLと、ラウリン酸メチルエステル280gと、ミリスチン酸メチルエステル70gとを4Lオートクレーブに仕込み、オートクレーブ内で触媒の改質を行った。次いで、オートクレーブ内を窒素で置換した後、温度を180℃、圧力を3atm(0.3MPa)に維持しつつ、エチレンオキシド1052gを導入し、撹拌しながら反応させた。
得られた反応液を80℃に冷却し、水159gと、濾過助剤として活性白土及び珪藻土をそれぞれ5g添加した後、触媒を濾別して、D−6を得た。D−6のナロー率は、33質量%であった。
・E−1:ライポンLH−200(商品名、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸(LAS)、炭素数10〜14、平均分子量322、ライオン株式会社製)。
・E−2:SAS30(商品名、2級アルカンスルホン酸ナトリウム、クラリアントジャパン株式会社製)。
≪E−3の合成方法≫
4Lのオートクレーブ中に、原料アルコールとしてNeodol23(商品名、シェルケミカルズ社製:C12、13アルコール(炭素数12のアルコールと、炭素数13のアルコールとの質量比1/1の混合物)、分岐率20質量%)400gと、水酸化カリウム触媒0.8gとを仕込み、オートクレーブ内を窒素置換し、撹拌しながら昇温した。その後、温度180℃、圧力0.3mPaに維持しながらエチレンオキシド272gを導入し、エチレンオキシドの平均付加モル数2の反応物(アルコールエトキシレート)を得た。
次に、上記で得られたアルコールエトキシレート280gを、撹拌装置付の500mLフラスコにとり、窒素置換後、液体無水硫酸(サルファン)67gを反応温度40℃に保ちながらゆっくりと滴下した。滴下終了後、1時間撹拌を続け(硫酸化反応)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸を得た。さらに、これを水酸化ナトリウム水溶液で中和することにより、E−3(AES)を得た。
≪E−4の合成方法≫
エチレンオキシドを408.0gとした以外は、E−3の合成方法と同様にして、E−4を得た。
各成分の末尾の数値は、各例の洗浄剤中の含有量である。
≪共通成分α≫
安息香酸ナトリウム・・・・・・・0.5質量%
ヤシ脂肪酸・・・・・・・・・・・0.5質量%
クエン酸3ナトリウム・・・・・・0.13質量%
95質量%エタノール・・・・・・5.0質量%
ポリエチレングリコール・・・・・1.5質量%
イソチアゾロン液・・・・・・・・0.01質量%
香料・・・・・・・・・・・・・・0.3質量%
水・・・・・・・・・・・・・・・バランス(洗浄剤を100質量%とするための量)
安息香酸ナトリウム・・・・・・・0.5質量%
クエン酸3ナトリウム・・・・・・0.13質量%
95質量%エタノール・・・・・・5質量%
パラトルエンスルホン酸・・・・・1.0質量%
ポリエチレングリコール・・・・・2.0質量%
イソチアゾロン液・・・・・・・・0.01質量%
マレイン酸とオレフィン系モノマーとのコポリマーのナトリウム塩・・・0.2質量%
香料・・・・・・・・・・・・・・1.0質量%
水・・・・・・・・・・・・・・・バランス(洗浄剤を100質量%とするための量)
95質量%エタノール・・・・・・2.0質量%
フェノキシエタノール・・・・・・1.0質量%
モノエタノールアミン・・・・・・0.5質量%
クエン酸3ナトリウム・・・・・・0.5質量%
香料・・・・・・・・・・・・・・0.5質量%
水・・・・・・・・・・・・・・・バランス(洗浄剤を100質量%とするための量)
ヤシ脂肪酸・・・・・・・・・・・0.4質量%
グリセリン・・・・・・・・・・・1.9質量%
クエン酸3ナトリウム・・・・・・15質量%
ギ酸・・・・・・・・・・・・・・1.3質量%
香料・・・・・・・・・・・・・・0.4質量%。
水・・・・・・・・・・・・・・・バランス(洗浄剤を100質量%とするための量)
ジエタノールアミン・・・・・・・0.9質量%
95質量%エタノール・・・・・・1.5質量%
ヒドロキシエタンジホスホン酸・・0.1質量%
2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン/1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン・・・・・0.16質量%
香料・・・・・・・・・・・・・・0.4質量%
水・・・・・・・・・・・・・・・バランス(洗浄剤を100質量%とするための量)
・安息香酸ナトリウム:安息香酸ナトリウム(商品名)、東亞合成化学株式会社製。
・ヤシ脂肪酸:椰子脂肪酸(PKO)TC(商品名)、日油株式会社製。
・クエン酸3ナトリウム:クエン酸ソーダ(商品名)、マイルス社(米国)製。
・95質量%エタノール:特定アルコール95度合成(商品名)、日本アルコール販売株式会社製。
・パラトルエンスルホン酸:PTS酸(商品名)、協和発酵工業株式会社製。
・ポリエチレングリコール:PEG#1000−L60(商品名)、ライオン株式会社製。
・イソチアゾロン液:ケーソンCG(5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン/2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン/マグネシウム塩/水混合液)、ローム・アンド・ハース社製。
・マレイン酸とオレフィン系モノマーとのコポリマーのナトリウム塩:ソカランCP9(商品名、分子量12000)、BASF社製。
・フェノキシエタノール:2−フェノキシエタノール(商品名)、和光純薬工業株式会社製。
・モノエタノールアミン:モノエタノールアミン水割り品(75%)、株式会社日本触媒製。
・ジエタノールアミン:ジエタノールアミン(商品名)、三井化学株式会社製。
・グリセリン:グリセリン(商品名)、関東化学株式会社製。
・ギ酸:ギ酸ナトリウム(商品名)、東京化成株式会社製。
・ヒドロキシエタンジホスホン酸:’BRIQUEST’ADPA−60A、ローディア社製。
・2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン/1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン:ACTICIDE MBS(商品名)、THOR GmbH社製。
・香料:特開2009−108248号公報に記載の香料a。
・水:イオン交換水。
各例の液体洗浄剤について、下記の手順で毛玉防止性能、滑らかさ付与性能、回復性能、ハリ付与性能を評価した。
<洗濯処理>
全自動電気洗濯機(AW−80VC、株式会社東芝製)に、繊維製品として市販のウールカーディガン(UNIQLO製「エクストラファインメリノVネックカーディガン(長袖)」(ウール100%))1枚、35×20cmにカットしたウール生地(アザトいのうえ製「ニット ウール 鹿の子編み イタリー」(ウール100%))1枚、35×20cmにカットしたポリエステル生地(アザトいのうえ製「ポリエステル フリース ニット 起毛」(ポリエステル100%))1枚を投入した。そこに、各例の液体洗浄剤45.3mLを添加し、ドライコース設定で洗浄、すすぎ、脱水を順次行う洗濯操作を行った。洗浄時間、すすぎ、脱水、水量(36Lに設定)に関しては、一切調整せず、洗濯機の標準設定を使用した。用いた水道水の温度は、25℃であった。この洗濯操作を10回繰り返した。10回の洗濯処理を終えた後、繊維製品を平干しにて一晩乾燥させた。その後、25℃、湿度65%RHの恒温恒湿室に、繊維製品を2日間静置した(以上、洗濯処理)。
洗濯処理を施したウール生地及びポリエステル生地をそれぞれ直径140mmの円状に2枚ずつカットし、マーチンデール摩耗試験機(James H.Heal&Co.Ltd.Halifax,England製、「Max−Martindale909」)の上部(試験片ホルダ)と下部(ピリングテーブル)にセットした。摩耗方法はJIS L1076のJ法(修正マーチンデール法)に準拠し、300ピリング摩擦を行い、毛玉を発生させた。
毛玉防止性能について、10名の専門パネラーが、下記評価基準に従って、ウール生地及びポリエステル生地と基準布とを目視で比較し、その平均点を求めた。なお、評価基準の基準布は、比較例1の液体洗浄剤を用い、ウール生地及びポリエステル生地に対して上記洗濯操作を施し、下記評価基準に記載のピリング摩耗を施したものである。平均点が3点以上の場合を合格とした(◎:平均点4点以上、○:平均点3点以上4点未満、△:平均点2点以上3点未満、×:平均点2点未満)。
1点:マーチンデール摩耗試験機で500ピリング摩耗した基準布と同等
2点:マーチンデール摩耗試験機で300ピリング摩耗した基準布と同等
3点:マーチンデール摩耗試験機で100ピリング摩耗した基準布と同等
4点:マーチンデール摩耗試験機で50ピリング摩耗した基準布と同等
5点:マーチンデール摩耗試験機で0ピリング摩耗した基準布と同等
洗濯処理を施したウール生地及びポリエステル生地を、対照布(比較例1の液体洗浄剤で上記洗濯操作を施したウール生地及びポリエステル生地)との一対比較により官能評価を行い、下記の評価基準により専門パネラー10名で採点した。専門パネラー10名の採点結果の平均点を求め、平均点が3点以上の場合を合格とした(◎:平均点4点以上、○:平均点3点以上4点未満、△:平均点2点以上3点未満、×:平均点2点未満)。
1点:対照布の方が滑らか。
2点:対照布と同等。
3点:対照布よりやや滑らか。
4点:対照布より滑らか。
5点:対照布よりかなり滑らか。
洗濯処理を施したウールカーディガンのウェストまわりの長さL1を計測した。このウェストまわりを635×439×326(H)mmのタッグボックス(伸和株式会社製)の439×326(H)mmの面まわりに被せ、24時間静置し、ウールカーディガンに伸び及びヨレを発生させた。その後、ウールカーディガンに対し上記洗濯操作を1回施した後、ウェストまわりの長さL2を測定し、長さL1と長さL2との差ΔL(=L2−L1)を算出した。求めたΔLを下記の評価基準により採点した。同様の評価を10回行い、その平均値が3点以上の場合を合格とした(◎:4点以上、○:3点以上4点未満、△:2点以上3点未満、×:2点未満)。
1点:ΔLが3cm超。
2点:ΔLが2cm超3cm以下。
3点:ΔLが1cm超2cm以下。
4点:ΔLが0超1cm以下。
5点:ΔLが0cm。
洗濯処理を施したウール生地及びポリエステル生地を、対照布(比較例1の液体洗浄剤を用い、洗濯操作を施したウール生地及びポリエステル生地)との一対比較により官能評価を行い、下記の評価基準により専門パネラー10名で採点し、その平均値を求めた。その結果を表に示す。なお、上記平均値が3点以上の場合を合格とした(◎:4点以上、○:3点以上4点未満、△:2点以上3点未満、×:2点未満)。
≪評価基準≫
1点:対照布の方が、ハリがある
2点:対照布と同等
3点:対照布よりややハリがある
4点:対照布よりハリがある
5点:対照布よりかなりハリがある
表1〜5の組成に従い、300mLビーカーに共通成分中のエタノールと(C)成分とを入れ、これらをマグネットスターラー(MITAMURA KOGYO INC.)で攪拌した。次いで、(B)成分、(D)成分、(E)成分を加え、攪拌した後、共通成分中の水の半量を入れ、攪拌した。残りの共通成分を入れ、攪拌し、水酸化ナトリウム水溶液でpHを7に調製した。(A)成分を加え、攪拌し、各例の液体洗浄剤を得た。pHは、pHメーター(製品名:HM−30G、東亜ディーケーケー(株)製)を用い、25℃で測定された値である。表中の配合量は純分換算量であり、表中に記載のない成分は配合されていない。
得られた液体洗浄剤について、毛玉防止性能、滑らかさ付与性能、回復性能及びハリ付与性能を評価し、その結果を表中に示す。表中、「(ウール)」と記載された評価項目はウール生地に対する評価であり、「(PE)」と記載された評価項目は、ポリエステル生地に対する評価である。
一方、(A)〜(C)成分の少なくとも1種を含有しない比較例1〜9は、毛玉防止性能、滑らかさ付与性能、回復性能及びハリ付与性能の評価のいずれもが「×」又は「△」であった。
B/A比及びA/C比が本願発明の範囲外である比較例10〜11は、毛玉防止性能、回復性能、ハリ付与性能の評価のいずれもが「△」であった。
B/A比が本願発明の上限値超である比較例12は、毛玉防止性能及び滑らかさ付与性能が「×」は「△」であった。
A/C比が本願発明の範囲外である比較例13〜14は、回復性能及びハリ付与性能が「×」であった。
これらの結果から、本願発明を適用することで、繊維製品の品位低下を良好に防げることが確認された。
Claims (3)
- (A)成分:アルキレンテレフタレート単位及び/又はアルキレンイソフタレート単位を含有し、かつ(ポリ)オキシアルキレン単位を有する水溶性ポリマーと、
(B)成分:下記一般式(b1)で表される化合物及びその塩から選ばれる1種以上と、
(C)成分:水不溶性シリコーンと、を含有し、
前記(B)成分/前記(A)成分で表される質量比は0.5〜5、前記(A)成分/前記(C)成分で表される質量比は0.2〜14である、繊維製品用の洗浄剤。
- さらに、(D)成分:非イオン性界面活性剤を含有する、請求項1に記載の繊維製品用の洗浄剤。
- さらに、(E)成分:高級脂肪酸塩を除く陰イオン性界面活性剤0.1〜10質量%を含有する、請求項1又は2に記載の繊維製品用の洗浄剤。
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