JP7281926B2 - 衣料用洗浄剤組成物 - Google Patents
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Description
レーヨンを含む繊維は、すべり感に優れるが、洗濯することで生地のごわつきが発生したり、生地に皺が発生しやすかったりして、すべり感が低減することが問題であった。
例えば、特許文献2には、特定の構造を有するポリマーと、ノニオン界面活性剤と、アニオン界面活性剤とを含有する衣料用洗剤が提案されている。特許文献2の衣料用洗剤は、綿タオルのふんわりとしたボリュームのある感触(ふんわり感)の向上が図られている。
加えて、衣料用洗剤等の衣料用繊維処理剤組成物には、固形分が析出せず、液が白濁しないこと(液体安定性)が求められる。
すなわち、本発明は、以下の態様を有する。
(B)成分:下記式(b-1)で表されるアルキルアミドアミンと、
(C)成分:下記式(c-1)で表されるノニオン界面活性剤(c1)と、前記ノニオン界面活性剤(c1)を除くノニオン界面活性剤(c2)と、を含有する、衣料用繊維処理剤組成物。
R21-O-(EO)m(PO)n-H ・・・(c-1)
[式(c-1)中、R21は、分岐鎖を有する炭素数10~16のアルキル基、又は炭素数8~16の直鎖アルキル基であり、前記直鎖アルキル基に酸素原子が結合する炭素原子は、2級の炭素原子である。EOは、オキシエチレン基を表し、POは、オキシプロピレン基を表す。mはEOの平均繰り返し数を表し、2~10の数である。nはPOの平均繰り返し数を表し、0~6の数である。]
[2]前記(A)成分が、下記式(a-3)で表される繰り返し単位をさらに有する、[1]に記載の衣料用繊維処理剤組成物。
[3]前記(A)成分における前記式(a-1)で表される繰り返し単位と、前記式(a-2)で表される繰り返し単位との合計の含有量と、前記式(a-3)で表される繰り返し単位の含有量との比が、10:90~80:20である、[2]に記載の衣料用繊維処理剤組成物。
[4](D)成分:高級脂肪酸塩を除くアニオン界面活性剤、をさらに含有する、[1]~[3]のいずれか一項に記載の衣料用繊維処理剤組成物。
[5](E)成分:キレート剤、をさらに含有する、[1]~[4]のいずれか一項に記載の衣料用繊維処理剤組成物。
[6]前記(B)成分/前記(A)成分で表される質量比が0.01~200である、[1]~[5]のいずれか一項に記載の衣料用繊維処理剤組成物。
[7]前記(c1)成分/前記(A)成分で表される質量比が0.1~500である、[1]~[6]のいずれか一項に記載の衣料用繊維処理剤組成物。
[8]前記(C)成分の含有量が、総質量に対して、1.1~50質量%である、[1]~[7]のいずれか一項に記載の衣料用繊維処理剤組成物。
[9]前記(E)成分/前記(A)成分で表される質量比が0.01~20である、[1]~[8]のいずれか一項に記載の衣料用繊維処理剤組成物。
[10]洗浄剤組成物である、[1]~[9]のいずれか一項に記載の衣料用繊維処理剤組成物。
「レーヨンを含む繊維」とは、総質量に対してレーヨンを0質量超含む繊維をいう。レーヨンを含む繊維におけるレーヨンの含有量は、特に限定されないが、本発明の効果が得られやすい観点から、例えば、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、100質量%でもよい。ここで、レーヨンの含有量は、JIS L1030-2:2012「繊維製品の混用率試験方法-第2部:繊維混用率」に記載の解じょ法、溶解法又は顕微鏡法のいずれかの試験方法で求めることができる。
「レーヨンを含む繊維」としては、例えば、ブラウス、カットソー、シャツ、下着、ジャケット、ドレス、スカーフ、ハンカチ、スーツの裏地、スカートの裏地等が挙げられる。
本発明の衣料用繊維処理剤組成物は、(A)成分、(B)成分、及び(C)成分を含有する組成物である。
なお、本明細書において、「衣料用繊維処理剤組成物」とは、衣料等の繊維製品に付着した汚れを洗浄できる洗浄剤に加え、衣料等の繊維製品に様々な機能を付与できる組成物をいうものとする。「様々な機能」としては、柔軟性、撥水性、耐久性、抗菌性等が挙げられる。「衣料等の繊維製品」としては、コート、ジャンパー、ジャケット、スーツ、セーター、シャツ、ズボン、スカート、下着、靴下等の衣料のほか、タオル、ハンカチ、ネクタイ、マフラー、帽子、手袋、帯、紐等、洗濯又はクリーニングの対象となる被洗物を含むものとする。
(A)成分は、下記式(a-1)で表される繰り返し単位、及び下記式(a-2)で表される繰り返し単位からなる群から選択される少なくとも1種の繰り返し単位を有するポリマーである。本発明の衣料用繊維処理剤組成物は、(A)成分を含有することで、洗濯後のレーヨンを含む繊維に対して、すべり感を向上させることができる。
式(a-2)中、R3、R4は、それぞれ独立して炭素数1~3のアルキル基又は炭素数1~3のヒドロキシアルキル基であり、X-は対イオンである。
(A)成分中の式(a-1)で表される繰り返し単位と、式(a-2)で表される繰り返し単位との合計の含有量と、式(a-3)で表される繰り返し単位の含有量との比は特に限定されない。式(a-1)で表される繰り返し単位と、式(a-2)で表される繰り返し単位との合計の含有量と、式(a-3)で表される繰り返し単位の含有量との比は、モル比で、10:90~80:20が好ましく、20:80~60:40がより好ましい。
これらのポリマーとしては、合成品を用いてもよいし、市販品を用いてもよい。
また、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド・アクリルアミド・アクリル酸ターポリマーの市販品としては、例えば、Lubrizol社製の商品名「マーコート3330」、「マーコート3940」等が挙げられる。
(A)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(B)成分は、下記式(b-1)で表されるアルキルアミドアミンである。本発明の衣料用繊維処理剤組成物は、(B)成分を含有することで、洗濯後のレーヨンを含む繊維に対して、すべり感を向上させることができる。
R10は、飽和炭化水素基でもよく、不飽和炭化水素基でもよい。
R11は、炭素数1~4の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基である。R11の炭素数は2~3が好ましい。R11の炭素数が上記数値範囲内であると、レーヨンを含む繊維のすべり感をより向上し、液体安定性をより向上できる。
R12及びR13は、それぞれ独立に炭素数1~4の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、炭素数1~4の直鎖もしくは分岐鎖のヒドロキシアルキル基、又はオキシエチレン基の平均繰り返し数が1~25の(ポリ)オキシエチレン基である。
R12及びR13は、メチル基又はエチル基であることが好ましい。
中でも、ミリスチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノプロピルアミド、オレイン酸ジメチルアミノプロピルアミドが好ましい。
(B)成分の塩としては、(B)成分を酸で中和した酸塩等が挙げられる。中和に用いられる酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、グリコール酸、乳酸、クエン酸、ポリアクリル酸、パラトルエンスルホン酸、クメンスルホン酸等が挙げられる。これらの酸は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
脂肪酸又は脂肪酸誘導体(脂肪酸低級アルキルエステル(ここで、「低級アルキル」は、炭素数7以下のアルキル基をいう。)、動物性油脂又は植物性油脂等)と、ジアルキル(又はアルカノール)アミノアルキルアミンとを縮合反応させ、その後、未反応のジアルキル(又はアルカノール)アミノアルキルアミンを減圧又は窒素ブローにて留去することにより脂肪族アミドアルキル3級アミンを製造できる。
ここで、脂肪酸又は脂肪酸誘導体としては、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸、エルカ酸、12-ヒドロキシステアリン酸、ヤシ油脂肪酸、綿実油脂肪酸、とうもろこし油脂肪酸、牛脂脂肪酸、パーム核油脂肪酸、大豆油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸、オリーブ油脂肪酸等の植物油又は動物油脂肪酸や、これらのメチルエステル、エチルエステル、グリセライド等が挙げられ、中でも、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸等が好ましい。これら脂肪酸又は脂肪酸誘導体は、1種単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
ジアルキル(又はアルカノール)アミノアルキルアミンとしては、例えば、ジメチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノエチルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノエチルアミン等が挙げられ、中でも、ジメチルアミノプロピルアミンが好ましい。
(B)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(B)成分/(A)成分で表される質量比(以下、B/A比ともいう。)は、0.01~200が好ましく、0.05~100がより好ましく、0.1~20がさらに好ましく、0.1~10が特に好ましい。B/A比が上記数値範囲内であると、レーヨンを含む繊維のすべり感をより向上できる。
(C)成分は、下記式(c-1)で表されるノニオン界面活性剤(c1)と、ノニオン界面活性剤(c1)を除くノニオン界面活性剤(c2)である。本発明の衣料用繊維処理剤組成物は、(C)成分を含有することで、繊維製品等から汚れを除去できる。また、(C)成分を含有することで、(A)成分と(B)成分とが繊維製品等に浸透しやすくなり、洗濯後のレーヨンを含む繊維のすべり感をより向上できる。
式(c-1)中、R21は、分岐鎖を有する炭素数10~16のアルキル基、又は炭素数8~16の直鎖アルキル基であり、前記直鎖アルキル基に酸素原子が結合する炭素原子は、2級の炭素原子である。EOは、オキシエチレン基を表し、POは、オキシプロピレン基を表す。mはEOの平均繰り返し数を表し、2~10の数である。nはPOの平均繰り返し数を表し、0~6の数である。
(c1)成分は、上記式(c-1)で表されるノニオン界面活性剤である。(c1)成分は、繊維製品等から汚れを除去する洗浄成分として機能する。また、衣料用繊維処理剤組成物は、(c1)成分を含有することで、(A)成分と(B)成分とが繊維製品等に浸透しやすくなり、洗濯後のレーヨンを含む繊維のすべり感をより向上できる。
mは、2~10の数であり、2~8が好ましい。
nは、0~6の数である。
m+nは、2~16が好ましく、2~14がより好ましく、2~10がさらに好ましい。
(c1)成分は、液体安定性に優れる観点から、オキシエチレン基のみであることが好ましい。(c1)成分が、オキシエチレン基とオキシプロピレン基の両方を有する場合、オキシエチレン基とオキシプロピレン基とは、ランダムに付加されていてもよく、ブロック付加であってもよい。
(c1)成分としては、式(c-1)におけるR21が、分岐鎖を有する炭素数12~14のアルキル基であり、mが2~8であるものが特に好ましい。
(c1)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(c1)成分/(A)成分で表される質量比(以下、c1/A比ともいう。)は、0.1~500が好ましく、0.3~200がより好ましく、1~50がさらに好ましく、1~20が特に好ましい。c1/A比が上記数値範囲内であると、レーヨンを含む繊維のすべり感の向上効果が充分に得られる。加えて、c1/A比が上記数値範囲内であると、液体安定性を向上しやすい。
(c2)成分は、(c1)成分を除くノニオン界面活性剤である。衣料用繊維処理剤組成物は、(c2)成分を含有することで、洗浄性能がより高められる。加えて、衣料用繊維処理剤組成物は、(c2)成分を含有することで、液体安定性がより高められる。
R23-J-(EO)p(PO)q-R24 ・・・(c-2)
式(c-2)中、R23は、炭素数8~22の炭化水素基であり、R24は、水素原子、炭素数1~6のアルキル基、又は炭素数2~6のアルケニル基である。
Jは、-O-、-COO-、-CONH-を表す。
EOは、オキシエチレン基を表し、POは、オキシプロピレン基を表す。
pは、EOの平均繰り返し数を表し、3~70の数である。
qは、POの平均繰り返し数を表し、0~6の数である。
R23としては、1級又は2級の高級アルコール、高級脂肪酸、高級脂肪酸アミド等に由来する炭化水素基が挙げられる。
R23は、不飽和結合を有していてもよく、有していなくてもよい。
R23としては、アルキル基又はアルケニル基が好ましい。
R23は、直鎖であってもよく、分岐鎖を有していてもよい。
ただし、Jが-O-のとき、(c2)成分は、式(c-1)で表されるノニオン界面活性剤を除く。
R24がアルキル基の場合、R24の炭素数は、1~3が好ましい。
R24がアルケニル基の場合、R24の炭素数は、2~3が好ましい。
Jが-O-の場合、洗浄力向上の観点から、R23は、炭素数10~20の直鎖アルキル基又は炭素数10~20の直鎖アルケニル基が好ましい。Jが-O-の場合、R24は、水素原子が好ましい。
Jが-COO-の場合、洗浄力向上の観点から、R23は、炭素数9~21の直鎖アルキル基もしくは炭素数9~21の分岐鎖状のアルキル基、又は炭素数9~21の直鎖アルケニル基もしくは炭素数9~21の分岐鎖状のアルケニル基が好ましく、炭素数11~17の直鎖アルキル基もしくは炭素数11~17の分岐鎖状のアルキル基、又は炭素数11~17の直鎖アルケニル基もしくは炭素数11~17の分岐鎖状のアルケニル基がより好ましい。Jが-COO-の場合、R24は、炭素数1~3のアルキル基が好ましい。
式(c-2)中、qは、0~6の数であり、1~3の数が好ましい。qが上記上限値以下であると、高温(例えば、50℃)条件下での保存安定性(長期(例えば、1ヶ月)の液体安定性)が低下しにくい。
「-(EO)p(PO)q-」は、EOとPOとが混在して配列するランダム鎖であってもよく、EOとPOとがブロック状に配列するブロック鎖であってもよい。
(c2)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の衣料用繊維処理剤組成物は、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、(A)成分、(B)成分、(C)成分以外の任意成分を含有してもよい。任意成分としては、洗浄剤組成物に通常用いられる成分を配合することができる。
任意成分としては、例えば、高級脂肪酸塩を除くアニオン界面活性剤((D)成分)、キレート剤((E)成分)、特定の構造を有するポリマー((F)成分)、高級脂肪酸又はその塩、両性界面活性剤、(B)成分を除くカチオン界面活性剤、水、有機溶剤、再汚染防止剤、減粘剤(可溶化剤ともいう。)、風合い向上剤、防腐剤、酸化防止剤、着色剤、香料、天然物等のエキス、pH調整剤等が挙げられる。
(D)成分は、高級脂肪酸塩を除くアニオン界面活性剤である。(D)成分としては、従来、衣料用等の洗浄剤組成物に用いられているアニオン界面活性剤の中から適宜選択して用いることができる。
(D)成分としては、例えば、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩;α-オレフィンスルホン酸又はその塩;内部オレフィンスルホン酸(二重結合をオレフィン鎖の末端ではなく内部に有するスルホン酸)又はその塩;ヒドロキシアルカンスルホン酸又はその塩;直鎖状又は分岐鎖状のアルキル硫酸エステル又はその塩;ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル又はその塩;ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸エステル又はその塩;アルキル基を有するアルカンスルホン酸又はその塩;α-スルホ脂肪酸エステル又はその塩;アルキルエーテルカルボン酸又はその塩、ポリオキシアルキレンエーテルカルボン酸又はその塩、アルキルアミドエーテルカルボン酸又はその塩、アルケニルアミドエーテルカルボン酸又はその塩、アシルアミノカルボン酸又はその塩等のカルボン酸型アニオン界面活性剤;アルキルリン酸エステル又はその塩、ポリオキシアルキレンアルキルリン酸エステル又はその塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルリン酸エステル又はその塩、グリセリン脂肪酸エステルモノリン酸エステル又はその塩等のリン酸エステル型アニオン界面活性剤等が挙げられる。
(D)成分の塩の形態としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩;マグネシウム等のアルカリ土類金属塩;モノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム等のアルカノールアミン塩等が挙げられる。
アルキル基の炭素数が上記数値範囲内であると、再汚染防止性(繊維製品等に付着した汚れが洗浄液で落ちて他の繊維製品等へ付着することを防止する性能)の向上を図ることができる。アルキル基としては、例えば、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基が挙げられる。
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩としては、市販品を用いてもよいし、公知の合成方法で製造してもよい。公知の合成方法としては、アルキルベンゼンを無水硫酸でスルホン化する方法が挙げられる。
アルキル硫酸エステル又はその塩としては、炭素数10~20のアルキル硫酸エステル又はその塩が好ましい。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル又はその塩は、例えば、下記式(d-1)で表される。
R41-O-[(EO)v/(PO)w]-SO3 -M+ ・・・(d-1)
vは、0以上であり、0以上10以下が好ましく、0.5以上5以下がより好ましく、1以上3以下がさらに好ましい。
wは、0~6であり、0~3が好ましく、0がより好ましい。
M+としては、ナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属イオン、マグネシウムイオン等のアルカリ土類金属イオン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアルカノールアミンから誘導されるカチオン等が挙げられる。
(EO)v/(PO)wにおいて、EOとPOとは、ランダムに付加されていてもよく、ブロック付加であってもよい。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル又はその塩としては、市販品を用いてもよいし、公知の合成方法で製造してもよい。公知の合成方法としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルに、無水硫酸を反応させるか、クロルスルホン酸を反応させる方法が挙げられる。
アルカンスルホン酸又はその塩としては、炭素数は10~20のアルカンスルホン酸又はその塩が挙げられ、炭素数14~17のアルカンスルホン酸又はその塩が好ましく、第2級アルカンスルホン酸又はその塩が特に好ましい。
α-スルホ脂肪酸エステル又はその塩としては、炭素数10~20のα-スルホ脂肪酸エステル塩が好ましい。
(D)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(E)成分は、キレート剤である。(E)成分は、金属イオン捕捉剤として機能する。
(E)成分としては、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、ジグリコール酸、酒石酸、クエン酸等が挙げられる。(E)成分としては、液体安定性に優れる観点から、クエン酸が好ましい。
(E)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(F)成分は、下記式(f-1)で表される繰り返し単位、下記式(f-2)で表される繰り返し単位、及び下記式(f-3)で表される繰り返し単位からなる群から選択される少なくとも1種の繰り返し単位を有するポリマーである。(F)成分は、レーヨンを含む繊維のすべり感を向上する効果を有する。
また、(F)成分としては、上記式(f-1)で表される繰り返し単位と上記式(f-3)で表される繰り返し単位とを有するポリマー、上記式(f-2)で表される繰り返し単位と上記式(f-3)で表される繰り返し単位とを有するポリマー、上記式(f-1)で表される繰り返し単位と上記式(f-2)で表される繰り返し単位と上記式(f-3)で表される繰り返し単位とを有するポリマー(以下、「ターポリマーf123」ともいう。)がより好ましい。
また、(F)成分としては、ターポリマーf123がさらに好ましい。
(F)成分の重合の形態は、特に限定されず、ブロック重合、ランダム重合又はグラフト重合のいずれであってもよい。
また、(F)成分が、ターポリマーf123の場合、ターポリマーf123の総質量を100質量%として、式(f-2)で表される繰り返し単位の構成割合は、0.1~30質量%が好ましい。
また、(F)成分が、ターポリマーf123の場合、ターポリマーf123の総質量を100質量%として、式(f-3)で表される繰り返し単位の構成割合は、0.1~20質量%が好ましい。
また、(F)成分しては、(F)成分の総質量を100質量%として、AAPTCを50~99質量%、AMPSを0.1~30質量%、塩化アルキルジメチルアミノプロピルメタクリルアミドを0.1~20質量%含有するターポリマーf123が最も好ましい。
R38の炭素数は、6~18であり、10~18が好ましい。
(F)成分として、式(f-3)で表される繰り返し単位を有しない場合、すべり感の向上は得られにくいものと考えられる。
高級脂肪酸又はその塩としては、炭素数10~20の高級脂肪酸又はその塩が好ましく、例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸等の単一脂肪酸又はその塩、ヤシ油脂肪酸、牛脂脂肪酸等の混合脂肪酸又はその塩等が挙げられる。
高級脂肪酸の塩の形態としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩;マグネシウム等のアルカリ土類金属塩;モノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム等のアルカノールアミン塩等が挙げられる。
衣料用繊維処理剤組成物が高級脂肪酸又はその塩を含有する場合、高級脂肪酸又はその塩の含有量は、衣料用繊維処理剤組成物の総質量に対して、0.1~5.0質量%が好ましく、0.2~3.0質量%がより好ましい。
高級脂肪酸又はその塩は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
両性界面活性剤としては、従来、衣料用等の洗浄剤組成物に用いられている両性界面活性剤の中から適宜選択して用いることができる。
両性界面活性剤としては、例えば、アルキルベタイン型、アルキルアミドベタイン型、イミダゾリン型、アルキルアミノスルホン酸型、アルキルアミノカルボン酸型、アルキルアミドカルボン酸型、アミドアミノ酸型又はリン酸型等の両性界面活性剤が挙げられる。
両性界面活性剤の含有量は、衣料用繊維処理剤組成物の総質量に対して、0~10質量%が好ましい。
両性界面活性剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(B)成分を除くカチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、特開2003-12471号公報に記載のカチオン界面活性剤等が挙げられる。
(B)成分を除くカチオン界面活性剤の含有量は、衣料用繊維処理剤組成物の総質量に対して、0~20質量%が好ましい。
(B)成分を除くカチオン界面活性剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
衣料用繊維処理剤組成物は、水を含むことが好ましい。水の含有量は、洗浄剤組成物の総質量に対し、10~95質量%が好ましく、20~90質量%がより好ましく、40~90質量%がさらに好ましい。水の含有量が上記下限値以上であると、製造時のハンドリングのしやすさ及び使用する際の水への溶解性がより優れる。水の含有量が上記上限値以下であると、衣料用繊維処理剤組成物の洗浄力を高めやすい。
衣料用繊維処理剤組成物は、有機溶剤を含んでいてもよい。有機溶剤としては、例えば、炭素数2~4の一価アルコール、炭素数2~4の多価アルコール、下記式(g-1)で表されるグリコールエーテル系溶剤、下記式(g-2)で表される溶剤等が挙げられる。
R51-(OR52)sOH ・・・(g-1)
CH3OCR53(CH3)CHR54CHR55OR56 ・・・(g-2)
式(g-2)中、R53~R55は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1~3のアルキル基であり、R56は水素原子又はアセチル基である。
炭素数2~4の多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン等が挙げられる。
式(g-1)で表されるグリコールエーテル系溶剤としては、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。
式(g-2)で表される溶剤としては、例えば、3-メトキシメタノール、3-メトキシ-3-メチルブタノール、3-メトキシ-3-エチルブタノール、3-メトキシ-3-プロピルブタノール、3-メトキシ-2-メチルブタノール、3-メトキシ-2-エチルブタノール、3-メトキシ-2-プロピルブタノール、3-メトキシ-1-メチルブタノール、3-メトキシ-1-エチルブタノール、3-メトキシ-1-プロピルブタノール、3-メトキシブチルアセテート、3-メトキ-3-メチルブチルアセテート、3-メトキシ-3-エチルブチルアセテート、3-メトキシ-3-プロピルブチルアセテート、3-メトキシ-2-メチルブチルアセテート、3-メトキシ-2-エチルブチルアセテート、3-メトキシ-2-プロピルブチルアセテート、3-メトキシ-1-メチルブチルアセテート、3-メトキシ-1-エチルブチルアセテート、3-メトキシ-1-プロピルブチルアセテート等が挙げられる。
有機溶剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
再汚染防止剤としては、アルキレンテレフタレート単位、及びアルキレンイソフタレート単位からなる群から選択される少なくとも一種の繰り返し単位と、オキシアルキレン単位、及びポリオキシアルキレン単位からなる群から選択される少なくとも一種の繰り返し単位と、を有する水溶性ポリマーが挙げられる。
具体的には、商品名「TexCare SRN-100」(クラリアント社製、質量平均分子量2000~3000)、商品名「TexCare SRN-300」(クラリアント社製、質量平均分子量7000)、商品名「Repel-O-Tex Crystal」(ローディア社製)、商品名「Repel-O-Tex QC」(ローディア社製)等が挙げられる。
他の再汚染防止剤としては、ポリアルキレンイミンのアルキレンオキシド付加体、ポリアルキレンアミンのアルキレンオキシド付加体が挙げられる。具体的には、商品名「Sokalan HP20」(BASF社製)等が挙げられる。
衣料用繊維処理剤組成物が再汚染防止剤を含有する場合、再汚染防止剤の含有量は、衣料用繊維処理剤組成物の総質量に対し、0.01~5質量%が好ましい。
減粘剤(可溶化剤ともいう。ただし、上述した有機溶剤を除く。)としては、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、平均分子量約200のポリエチレングリコール、平均分子量約400のポリエチレングリコール、平均分子量約1000のポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のグリコール類、パラトルエンスルホン酸又はその塩、クメンスルホン酸又はその塩、安息香酸又はその塩、尿素等が挙げられる。
衣料用繊維処理剤組成物が減粘剤を含有する場合、減粘剤の含有量は、衣料用繊維処理剤組成物の総質量に対し、0.01~15質量%が好ましい。
衣料用繊維処理剤組成物は、乾燥後の風合いを良くするために、風合い向上剤を配合してもよい。風合い向上剤としては、変性基を有するシリコーンオイルが挙げられ、例えば、ポリエーテル変性シリコーン、アミノポリエーテル変性シリコーン、アミドポリエーテル変性シリコーン、アルキルポリエーテル変性シリコーン等が挙げられる。風合い向上剤が配合されていることで、繊維製品等の浴中摩擦が低減し、レーヨンを含む繊維のすべり感がより高まる。
衣料用繊維処理剤組成物が風合い向上剤を含有する場合、風合い向上剤の含有量は、衣料用繊維処理剤組成物の総質量に対して、0.5~5質量%が好ましい。
防腐剤としては、例えば、ダウ・ケミカル社製の商品名「ケーソンCG」、商品名「ROCIMA640」、ソー・ジャパン(株)製の商品名「アクチサイドMBS」、商品名「アクチサイドM20」、クラリアント社製の商品名「NIPACIDE BIT 20」等が挙げられる。
衣料用繊維処理剤組成物が防腐剤を含有する場合、防腐剤の含有量は、衣料用繊維処理剤組成物の総質量に対して、0.001~1質量%が好ましい。
酸化防止剤としては、ブチルヒドロキシトルエン、ジスチレン化クレゾール、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム等が挙げられる。
衣料用繊維処理剤組成物が酸化防止剤を含有する場合、酸化防止剤の含有量は、衣料用繊維処理剤組成物の総質量に対して、0.01~2質量%が好ましい。
着色剤としては、例えば、アシッドレッド138、Polar Red RLS、アシッドイエロー203、アシッドブルー9、青色1号、青色205号、青色403号、緑色3号、緑色202号、赤色106号、黄色203号、ターコイズP-GR(いずれも商品名)、BLUE HP(ミリケン社製、商品名「LIQUITINT Blue HP」)等の汎用の色素や顔料等が挙げられる。
衣料用繊維処理剤組成物が着色剤を含有する場合、着色剤の含有量は、衣料用繊維処理剤組成物の総質量に対して、0.00005~0.005質量%が好ましい。
香料としては、例えば、特開2002-146399号公報に記載の香料成分、特開2018-178305号公報に記載の香料成分等が挙げられる。また、カプセル香料(香料を含むカプセル粒子)を配合してもよい。
衣料用繊維処理剤組成物が香料を含有する場合、香料の含有量は、衣料用繊維処理剤組成物の総質量に対して、0.01~2質量%が好ましい。
天然物等のエキスとしては、イヌエンジュ、ウワウルシ、エキナセア、コガネバナ、キハダ、オウレン、オールスパイス、オレガノ、エンジュ、カミツレ、スイカズラ、クララ、ケイガイ、ケイ、ゲッケイジュ、ホオノキ、ゴボウ、コンフリー、ジャショウ、ワレモコウ、シャクヤク、ショウガ、セイタカアワダチソウ、セイヨウニワトコ、セージ、ヤドリギ、ホソバオケラ、タイム、ハナスゲ、チョウジ、ウンシュウミカン、ティーツリー、バーベリー、ドクダミ、ナンテン、ニュウコウ、ヨロイグサ、シロガヤ、ボウフウ、オランダヒユ、ホップ、ホンシタン、マウンテングレープ、ムラサキタガヤサン、セイヨウヤマハッカ、ヒオウギ、ヤマジソ、ユーカリ、ラベンダー、ローズ、ローズマリー、バラン、スギ、ギレアドバルサムノキ、ハクセン、ホウキギ、ミチヤナギ、ジンギョウ、フウ、ツリガネニンジン、ヤマビシ、ヤブガラシ、カンゾウ、セイヨウオトギリソウ等の植物が挙げられる。
天然物等のエキスの含有量は、衣料用繊維処理剤組成物の総質量に対して、0~0.5質量%が好ましい。
天然物等のエキスは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
pH調整剤としては、例えば、硫酸、塩酸等の酸性化合物;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ性化合物が挙げられる。pH調整剤としては、硫酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルカノールアミンが好ましく、硫酸、水酸化ナトリウムがより好ましい。
pH調整剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ただし、pH調整剤を除く上述した各成分のみで、衣料用繊維処理剤組成物が所望のpHとなる場合は、pH調整剤を用いなくてもよい。
衣料用繊維処理剤組成物が洗浄剤組成物の場合、25℃におけるpHは4~10が好ましく、4~9がより好ましく、4~8がさらに好ましい。
衣料用繊維処理剤組成物が柔軟剤組成物の場合、25℃におけるpHは1~6が好ましく、2~4がより好ましい。
25℃におけるpHが上記数値範囲内であると、衣料用繊維処理剤組成物の保存安定性を良好に維持できる。
衣料用繊維処理剤組成物のpHは、必要に応じて、pH調整剤を添加することにより調整できる。
なお、本明細書において、pHは、測定対象を25℃とし、pHメーター(製品名:HM-30G、東亜ディーケーケー(株)製)により測定される値を意味する。
本発明の衣料用繊維処理剤組成物は、従来公知の方法により、(A)成分、(B)成分、(C)成分と、必要に応じて任意成分とを混合し、pH調整剤を用いて所定のpHに調整することによって製造できる。
衣料用繊維処理剤組成物の使用方法は、例えば、衣料用繊維処理剤組成物を洗濯機の洗浄剤の投入口に入れてから洗濯機を稼働させる方法、衣料用繊維処理剤組成物を洗濯時に被洗物と一緒に水に投入する方法、衣料用繊維処理剤組成物を予め水に溶解して調製される衣料用繊維処理剤組成物の水溶液に被洗物を浸漬する方法等が挙げられる。また、衣料用繊維処理剤組成物を被洗物に直接塗布して、例えば、3分~24時間放置し、その後、通常の洗濯を行ってもよい(塗布洗浄)。
前記衣料用繊維処理剤組成物の水溶液中の衣料用繊維処理剤組成物の含有量は、特に限定されない。水に対する衣料用繊維処理剤組成物の添加量は、例えば、水30L当たり、40mLが好ましい。
本実施例において使用した原料は、下記の[使用原料]に示す通りである。
<(A)成分>
A-1:ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミドコポリマー(ジメチルジアリルアンモニウムとアクリルアミドとのモル比30:70、質量平均分子量160万)、商品名「Noverite300」、Lubrizol社製。
A-2:ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸コポリマー(ジメチルジアリルアンモニウムとアクリル酸とのモル比80:20、質量平均分子量50万)、商品名「Noverite301」、Lubrizol社製。
A-3:ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミドコポリマー(ジメチルジアリルアンモニウムとアクリルアミドとのモル比30:
70、質量平均分子量12万)、商品名「Noverite302」、Lubrizol社製。
A-4:ジメチルジアリルアンモニウムポリマー(質量平均分子量15万)、商品名「マーコート100」、Lubrizol社製。
A’-1((A)成分の比較成分):カチオン化ヒドロキシエチルセルロース(質量平均分子量20万~80万)、商品名「HCG SUPRACARE212」、ダウ・ケミカル社製。
B-1:ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、商品名「アミドアミンAPA168-65E」、脂肪酸(C16/C18)ジメチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸/パルミチン酸の質量比=7/3、ライオン(株)製。
((c1)成分)
c1-1:C13H27O(EO)7H(式(c-1)中、R21が分岐鎖を有する炭素数13のアルキル基であり、mが7、nが0である化合物)、商品名「Lutensol(登録商標)TO-7」、BASF社製。
c1-2:式(c-1)中、R21が炭素数12~14の第2級アルコールに、3モル相当のエチレンオキシドを付加した化合物(式(c-1)中、R21が炭素数12~14の第2級アルキル基であり、mが3、nが0である化合物)、商品名「ソフタノール(登録商標)30」、(株)日本触媒製。
c1-3:式(c-1)中、R21が炭素数12~14の第2級アルコールに、5モル相当のエチレンオキシドと、3.5モル相当のプロピレンオキシドとを付加した化合物(式(c-1)中、R21が炭素数12~14の第2級アルキル基であり、mが5、nが3.5である化合物)、商品名「ソフタノール(登録商標)EP5035」、(株)日本触媒製。
((c2)成分)
c2-1:炭素数12又は14の直鎖状の天然アルコール(商品名「CO-1270」、プロクター・アンド・ギャンブル社製)に対して、平均12モル相当のエチレンオキシドを付加したもの。
c2-2:炭素数12又は14の直鎖状の天然アルコール(商品名「CO-1270」、プロクター・アンド・ギャンブル社製)に対して、平均10モル相当のエチレンオキシドを付加したもの。
c2-3:1級イソトリデシルアルコール(商品名「Lutensol(登録商標)TO3」、BASF社製)に対して、平均60モル相当のエチレンオキシドを付加したもの。
((D)成分)
D-1:炭素数10~14の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸(LAS)、商品名「ライポン(登録商標)LH-200」、ライオン(株)製。
((E)成分)
E-1:クエン酸、商品名「クエン酸」、ライオン(株)製。
((F)成分)
F-1:ポリクオタニウム-113(AAPTAC、AMPS、塩化ドデシルジメチルアミノプロピルメタクリルアミドの共重合体)の20質量%水溶液、商品名「クロモハンス113」、アッシュランド・ジャパン(株)製。
(その他の任意成分)
ヤシ脂肪酸:商品名「椰子脂肪酸」、日油(株)製。
POE変性シリコーン:ポリエーテル変性シリコーン、商品名「CF1188N」、東レ・ダウコーニング(株)製。
再汚染防止剤:ソイルリリースポリマー(質量平均分子量2000~5000)、商品名「TexCare SRN-170C」、クラリアントジャパン(株)製。
安息香酸Na:商品名「安息香酸ナトリウム」、東亞合成(株)製。
香料1:特開2002-146399号公報の表11~18に記載の香料組成物A。
香料2:特開2018-178305号公報の表1に記載の香料組成物。
BHT:ジブチルヒドロキシトルエン、商品名「SUMILZER BHT-R」、住友化学(株)製。
色素:C.I.(カラーインデックス)アシッドレッド138、商品名「カヤノール(登録商標)ミリング」、日本化薬(株)製。
BIT:防腐剤、1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン、商品名「NIPACIDE
BIT 20」、クラリアントジャパン(株)製。
MBS:防腐剤、2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンと1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オンとの混合物、商品名「アクチサイドMBS」、ソー・ジャパン(株)製。
NaOH:商品名「水酸化ナトリウム」、東亞合成(株)製。
(B)成分を除くカチオン界面活性剤:特開2003-12471号公報の実施例4に記載のカチオン界面活性剤。
アミノ変性シリコーン:アミノ変性シリコーン、商品名「X528369」、信越化学(株)製。
塩化カルシウム:商品名「塩化カルシウム」、富士フィルム和光純薬(株)製。
エタノール:商品名「特定アルコール95度合成」、日本アルコール販売(株)製。
PEG#1000:ポリエチレングリコール、商品名「PEG#1000-L60」、ライオン(株)製。
水:イオン交換水。
表1~4の組成に従い、(A)成分~(C)成分、及び任意成分を水に加えて混合し、混合液を得た。この混合液のpHが7.3となるようにpH調整剤を適量添加して衣料用繊維処理剤組成物を得た。
得られた各組成物について下記評価法により、すべり感、液体安定性、洗浄力を評価した。結果を表1~5に示す。
なお、表中の各成分の配合量の単位は「質量%」であり、純分換算量を示す。表中の「適量」は、各例の衣料用繊維処理剤組成物のpHを7.3にするのに要したpH調整剤の量である。表中の「バランス」は、各例の衣料用繊維処理剤組成物に含まれる全配合成分の合計の配合量(質量%)が100質量%となるように水が配合されていることを意味する。表中の「-」は、その成分が配合されていないことを示す。なお、実施例5、6、7、11、12、14は、参考例である。
(官能評価)
全自動電気洗濯機(パナソニック(株)製、品番「NA-VX7600L」)に、各例の衣料用繊維処理剤組成物を40g投入し、そこへ市販のレーヨンブラウス((株)ユニクロ製、レーヨン100質量%)、レーヨンエアリーブラウス((株)ユニクロ製、レーヨン76質量%、ポリエステル24質量%)各1枚を入れた。さらに、衣類量が合計1.5kgになるように市販のシャツ((株)フジボウアパレル製、「B.V.D GOLD 丸首半袖シャツ」(綿100%))を7枚入れた。15℃の3°DH硬水を使用し、おうちクリーニングコース(洗濯10分、注水すすぎ1回、脱水3分設定)にてこれらの衣類を洗濯処理した。
洗濯後の各ブラウスを、直射日光の当たらない場所で一晩平干しして乾燥させた。この洗濯と乾燥を3回繰り返した後、上記の各ブラウスを手のひらでなぞるように触り、すべり感を下記評価基準に基づいて評価した。
対照布は、各例の衣料用繊維処理剤組成物に代えて、標準洗剤(ラウリルアルコール1モル当たり平均15モルのエチレンオキシドを付加させたアルコールエトキシレートの20質量%水溶液)を用いて、上記と同様に洗濯処理したレーヨンブラウス及びレーヨンエアリーブラウスとした。各ブラウスと、対照布とを一対比較により官能評価を行い、専門パネラー6名の採点結果の平均点を求め、レーヨンを含む繊維のすべり感を判定した。平均点が2点以上の場合を合格とした。
《評価基準》
1点:対照布と同等。
2点:対照布よりややすべり感がある。
3点:対照布よりすべり感がある。
4点:対照布よりかなりすべり感がある。
5点:対照布より非常にすべり感がある。
《判定基準》
◎◎:平均点4点以上。
◎ :平均点3点以上4点未満。
○ :平均点2点以上3点未満。
× :平均点2点未満。
上記と同様に洗濯処理した市販のレーヨンブラウス((株)ユニクロ製、レーヨン100質量%)を20℃相対湿度65%の恒温室にて一晩放置後、平均摩擦係数(MIU)の測定を行った。表面試験機KES-FB4にレーヨンブラウスの布片をセットし、測定速度0.1cm/s、初期張力400g、摩擦静荷重50g、接触端子はピアノ線ワイヤーを用いた。測定部位を変えて5カ所測定し、その平均値を算出した。
対照布は、各例の衣料用繊維処理剤組成物に代えて、標準洗剤(ラウリルアルコール1モル当たり平均15モルのエチレンオキシドを付加させたアルコールエトキシレートの20質量%水溶液)を用いて、上記と同様に洗濯処理したレーヨンブラウスとした。対照布のMIUを100としたときのMIU相対値を求め、下記評価基準に基づいてレーヨンを含む繊維のすべり感を評価した。MIU相対値が100未満の場合を合格とした。
《評価基準》
◎◎:MIU相対値が90未満。
◎ :MIU相対値が90以上95未満。
○ :MIU相対値が95以上100未満。
× :MIU相対値が100以上。
各例の衣料用繊維処理剤組成物100mLを透明のガラス瓶(広口規格びんPS-NO.11)に取り、蓋を閉めて5℃の恒温槽で1か月間保存した。保存後の外観を目視で観察し、下記評価基準に基づいて液体安定性(保存安定性)を評価した。判定が◎、○のものを合格とした。
《評価基準》
◎:均一で液体の分離がない。
○:均一だがやや濁りが見られる。
×:液体の分離又は固形分の析出が見られる。
モデル皮脂汚れ(質量比:コレステロール/トリオレイン/オレイン酸/スクアレン=1/1/1/1)を用意し、モデル皮脂汚れを希釈して着色した液体(質量比:モデル皮脂汚れ/ヘキサン/カーボンブラック=1/2/0.001)をレーヨン布(市販のレーヨンブラウス((株)ユニクロ製、レーヨン100質量%)を5cm×5cmに裁断したもの)に0.05g/枚ずつ塗布し、一晩乾燥させて汚染布とした。洗浄試験器として、Terg-O-tometer(UNITED STATES TESTING社製)を用いた。洗濯液として、水(15℃、5゜DH)900mLに対して、各例の衣料用繊維処理剤組成物を1300ppmになる様に加え、30秒間撹拌して調製したものを用いた。
洗浄試験器に、洗濯液と、上記の汚染布10枚と、洗浄メリヤス布とを投入し、浴比30倍に合わせて、60rpm、15℃で10分間洗浄した。その後、二槽式洗濯機(三菱電機(株)製、製品名「CW-C30A1-H1」)に移し、1分間脱水後、水30L中で1分間濯ぎ、風乾した。
未汚れ布、及び洗浄前後の汚染布について、それぞれ反射率を色差計(日本電色工業(株)製、製品名「SE2000」)で測定し、下記式により洗浄率(%)を求めた。ただし、K/Sは、(1-R/100)2/(2R/100)である(Rは、未汚れ布、及び洗浄前後の汚染布の反射率(%)を示す。)。
洗浄率(%)=(洗浄前の汚染布のK/S-洗浄後の汚染布のK/S)/(洗浄前の汚染布のK/S-未汚れ布のK/S)×100。
汚染布10枚についてそれぞれ洗浄率を求め、その平均値を算出し、衣料用繊維処理剤組成物の洗浄率とした。そして、下記評価基準に基づいて洗浄力を評価した。洗浄力が◎、○のものを合格とした。
《評価基準》
◎:洗浄率が45%以上。
○:洗浄率が30%以上45%未満。
×:洗浄率が30%未満。
一方、(A)成分を含有しない比較例1、6、(A)成分の代わりに比較成分を用いた比較例2は、レーヨンを含む繊維のすべり感が「×」だった。(B)成分を含有しない比較例3は、レーヨンを含む繊維のすべり感が「×」だった。(c1)成分を含有しない比較例4は、レーヨンを含む繊維のすべり感が「×」だった。(c2)成分を含有しない比較例5は、洗浄力が「×」だった。
これらの処方例について、上述の実施例における「すべり感」の評価を行ったところ、いずれの処方例も、良好な結果が得られた。なお、これらの処方例で用いた各成分は、上述の実施例における[使用原料]の段落に記載した。
処方例の各成分の配合量の単位は「質量%」であり、純分換算量を示す。処方例の配合の「適量」は、組成物のpHを各例に記載の値にするのに要したpH調整剤の量である。処方例の配合の「バランス」は、各処方例に含まれる全配合成分の合計の配合量(質量%)が100質量%となるように水が配合されていることを意味する。
(B)成分:B-1 1.2
(c1)成分:c1-1 5
(c2)成分:c2-1 12
(D)成分:D-1 2
(E)成分:E-1 0.2
(F)成分:F-1 0.3
ヤシ脂肪酸 0.5
エタノール 2
PEG#1000 1.5
安息香酸Na 0.5
香料1 0.3
BHT 0.03
色素 0.0002
BIT 0.01
MBS 0.01
pH調整剤 適量
水 バランス
合計 100.00質量%。
pH=7.3。
(B)成分:B-1 0.3
(c1)成分:c1-2 2
(c2)成分:c2-2 20
(D)成分:D-1 2
(E)成分:E-1 0.2
(F)成分:F-1 0.3
ヤシ脂肪酸 0.5
エタノール 2
PEG#1000 1.5
安息香酸Na 0.5
香料1 0.3
BHT 0.03
色素 0.0002
BIT 0.01
MBS 0.01
pH調整剤 適量
水 バランス
合計 100.00質量%。
pH=7.3。
(B)成分:B-1 0.3
(c1)成分:c1-3 2
(c2)成分:c2-2 20
(D)成分:D-1 2
(E)成分:E-1 0.2
(F)成分:F-1 0.3
ヤシ脂肪酸 0.5
エタノール 2
PEG#1000 1.5
安息香酸Na 0.5
香料1 0.3
BHT 0.03
色素 0.0002
BIT 0.01
MBS 0.01
pH調整剤 適量
水 バランス
合計 100.00質量%。
pH=7.3。
(B)成分:B-1 1.2
(c1)成分:c1-1 5.0
(c2)成分:c2-3 2.0
(F)成分:F-1 0.3
(B)成分を除くカチオン界面活性剤 15
アミノ変性シリコーン 2.0
エタノール 2.0
塩化カルシウム 0.5
香料2 1.0
色素 0.001
BIT 0.015
pH調整剤 適量
水 バランス
合計 100.00質量%。
pH=2.5。
Claims (3)
- (A)成分:ジメチルジアリルアンモニウムポリマー、ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミドコポリマー及びジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸コポリマーから選択される少なくとも1種のポリマーと、
(B)成分:下記式(b-1)で表されるアルキルアミドアミンと、
(C)成分:下記式(c-1)で表されるノニオン界面活性剤(c1)と、下記式(c-2)で表される、前記ノニオン界面活性剤(c1)以外のポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤(c2)と、を含有し、
前記(A)成分の含有量が総質量に対して0.1~1質量%であり、
前記(B)成分の含有量が総質量に対して0.1~5質量%であり、
前記(C)成分の含有量が総質量に対して12~40質量%であり、
前記ノニオン界面活性剤(c1)の含有量が総質量に対して2~10質量%であり、
前記ポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤(c2)の含有量が総質量に対して10~30質量%であり、
前記(B)成分/前記(A)成分で表される質量比が0.4~20であり、
前記ノニオン界面活性剤(c1)/前記(A)成分で表される質量比が6.7~20であり、
前記ノニオン界面活性剤(c1)/前記(C)成分で表される質量比が0.1~0.3である、衣料用洗浄剤組成物。
R21-O-(EO)m(PO)n-H ・・・(c-1)[式(c-1)中、R21は、分岐鎖を有する炭素数12~14のアルキル基、又は炭素数12~14の直鎖アルキル基であり、前記直鎖アルキル基に酸素原子が結合する炭素原子は、2級の炭素原子である。EOは、オキシエチレン基を表し、POは、オキシプロピレン基を表す。mはEOの平均繰り返し数を表し、3~7の数である。nはPOの平均繰り返し数を表し、0~3.5の数である。]
R23-J-(EO)p(PO)q-R24 ・・・(c-2)[式(c-2)中、R23は、炭素数12~14の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、R24は、水素原子である。Jは、-O-を表す。EOは、オキシエチレン基を表し、POは、オキシプロピレン基を表す。pは、EOの平均繰り返し数を表し、10~60の数である。qは、POの平均繰り返し数を表し、0である。] - (D)成分:高級脂肪酸塩を除くアニオン界面活性剤をさらに含有し、
前記(D)成分/前記(A)成分で表される質量比が0.1~200である、請求項1に記載の衣料用洗浄剤組成物。 - (E)成分:キレート剤をさらに含有し、
前記(E)成分/前記(A)成分で表される質量比が0.01~20である、請求項1又は2に記載の衣料用洗浄剤組成物。
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