JP5331332B2 - 液体洗浄剤組成物 - Google Patents
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Description
そのなかで、液体洗浄剤組成物としては、高い界面活性剤濃度をもつ、いわゆる「濃縮タイプ」が開発されている。具体例として、それぞれ特定の非イオン界面活性剤とポリオキシアルキレンアミンを含有してなる衣料用液体洗浄剤組成物が提案されている(特許文献1参照)。
従来、柔軟性付与成分としては、第4級アンモニウム塩型のカチオン界面活性剤、シリコーン等のポリマーが主に使用されている(たとえば特許文献2参照)。
特許文献1には、5〜80質量%の界面活性剤を含有する液体洗浄剤組成物についての記載があるものの、特定の2種の界面活性剤を併用することが必須であり、液体洗浄剤組成物中に、界面活性剤を1種単独で多量に含有するものではない。
かかる問題は、第4級アンモニウム塩型のカチオン界面活性剤、アミドアミン化合物などの柔軟性付与成分が配合された液体洗浄剤組成物においても起こりやすく、液体洗浄剤組成物の使用状況によっては、家庭用の洗濯機の自動投入口などで前記皮膜が形成するため、消費者クレームに繋がることが懸念される。
すなわち、本発明の液体洗浄剤組成物は、下記一般式(I)で表されるアルキレンオキサイド付加体(A)50〜70質量%と、アミドアミン化合物(B)と、アニオン界面活性剤(C)とを含有することを特徴とする。
本発明の液体洗浄剤組成物は、前記一般式(I)で表されるアルキレンオキサイド付加体(A)(以下、(A)成分という。)50〜70質量%と、アミドアミン化合物(B)(以下、(B)成分という。)と、アニオン界面活性剤(C)(以下、(C)成分という。)とを含有する。
本発明において、(A)成分は、前記一般式(I)で表されるアルキレンオキサイド付加体である。
該(A)成分を用いることにより、本発明の液体洗浄剤組成物は、高濃度の界面活性剤を含有してもゲル化等を生じず、界面活性剤を1種単独で多量に含有することができる。
ここで、「界面活性剤を1種単独で多量に含有する」とは、界面活性剤を1種単独で、液体洗浄剤組成物中に50質量%以上の量を含有することを意味する。
また、本発明の液体洗浄剤組成物は、該(A)成分を含有することにより、水への溶解性に優れ、高い洗浄力が得られやすくなる。さらに、高濃度の界面活性剤を含有しても粘度が著しく増大(ゲル化)せず、良好な流動性を有する濃縮型の液体洗浄剤組成物を製造することができる。
R1において、アルキル基、アルケニル基の炭素数は、洗浄力向上やゲル化防止の点から、それぞれ炭素数10〜13であることが好ましく、それぞれ炭素数11〜13であることがより好ましい。
R2は、炭素数2〜4のアルキレン基であり、炭素数2〜3のアルキレン基であることが好ましく、エチレン基であることがより好ましい。また、(A)成分中において、R2は、一種単独のアルキレン基であってもよく、二種以上のアルキレン基が混在していてもよい。
R3は、炭素数1〜3のアルキル基であり、好ましくはメチル基である。
nは、アルキレンオキサイドの平均付加モル数を示し、5〜30である。好ましくは、洗浄力や液体洗浄剤組成物の液安定性(特に、低温での経時安定性等)の向上の点から12〜18である。
当該ナロー率は高いほど、良好な洗浄力が得られる。また、当該ナロー率が20質量%以上、特に30質量%以上であると、界面活性剤の原料臭気の少ない液体洗浄剤組成物が得られやすくなる。これは、(A)成分の製造後、(A)成分と共存する(A)成分の原料である脂肪酸エステルと前記一般式(I)中のn=1および2のアルキレンオキサイド付加体が少なくなるためと考えられる。
(A)成分の製造方法としては、特に制限されるものではないが、たとえば表面改質された複合金属酸化物触媒を用いて、脂肪酸アルキルエステルにエチレンオキサイドを付加重合させる方法(特開2000−144179号公報参照)により容易に製造することができる。
かかる表面改質された複合金属酸化物触媒の好適なものとしては、具体的には、金属水酸化物等により表面改質された、金属イオン(Al3+、Ga3+、In3+、Tl3+、Co3+、Sc3+、La3+、Mn2+等)が添加された酸化マグネシウム等の複合金属酸化物触媒や、金属水酸化物及び/または金属アルコキシド等により表面改質されたハイドロタルサイトの焼成物触媒等である。
また、前記複合金属酸化物触媒の表面改質においては、複合金属酸化物と、金属水酸化物及び/または金属アルコキシドとの混合割合を、複合金属酸化物100質量部に対して、金属水酸化物及び/または金属アルコキシドの割合を0.5〜10質量部とすることが好ましく、1〜5質量部とすることがより好ましい。
これらにより、かかる(A)成分は、水溶液系中で分子どうしの配向性が弱く、ミセルが不安定なノニオン界面活性剤であるため、高濃度でゲル化等を生じず、1種単独で多量に液体洗浄剤組成物中に配合することができると推測される。また、水への溶解性が向上すると推測される。さらに、高濃度での良好な流動性に寄与していると考えられる。したがって、かかる(A)成分が洗濯機槽内の水中へ投入された後、洗濯液中の(A)成分の濃度が早く均一となり、洗浄初期から所定の濃度で被洗物と接することができるため、高い洗浄力が得られると考えられる。
(A)成分の含有量は、液体洗浄剤組成物中、50〜70質量%であり、51〜65質量%であることが好ましい。
(A)成分の含有量が50質量%以上、好ましくは51質量%以上であると、良好な洗浄力が得られる。また、高濃度の界面活性剤を含有する濃縮タイプの液体洗浄剤組成物が得られる。また、濃縮タイプの液体洗浄剤組成物としての有効性(商品価値)が高くなる。
(A)成分の含有量が70質量%以下、好ましくは65質量%以下であると、液体洗浄剤組成物が低温時にも液表面でゲル化せずに皮膜が形成されにくくなる。
本発明において、(B)成分はアミドアミン化合物である。
該(B)成分を用いることにより、柔軟性付与効果が得られる。また、第4級アンモニウム塩型のカチオン界面活性剤などの柔軟性付与成分とは異なり、液体洗浄剤組成物が低温時に液表面でゲル化せずに皮膜が形成されにくくなる効果(以下、「皮膜形成の抑制の効果」ということがある。)が得られやすくなる。
かかる(B)成分の好適なものとしては、たとえば下記一般式(b−1)で表される3級アミン又はその塩(B1)(以下、(B1)成分という。)等が挙げられる。(B1)成分を用いると、柔軟性付与効果および皮膜形成の抑制の効果がより向上する。
R5としては、炭素数7〜23の炭化水素基であり、炭素数7〜21の炭化水素基であることが好ましい。たとえば、炭素数7〜23の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、又は炭素数7〜23の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルケニル基が挙げられる。
R7およびR8は、それぞれ独立して、炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐鎖状のヒドロキシアルキル基、又は−(CH2CH2O)n2−H(ただし、n2はエチレンオキサイドの付加モル数を示し、1〜25である。)であり、なかでも炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基であることが好ましい。
なかでも、カプリル酸ジメチルアミノプロピルアミド、カプリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ラウリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノプロピルアミド、オレイン酸ジメチルアミノプロピルアミド又はその塩が特に好ましい。
ここで、脂肪酸又は脂肪酸誘導体としては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸、エルカ酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ヤシ油脂肪酸、綿実油脂肪酸、とうもろこし油脂肪酸、牛脂脂肪酸、パーム核油脂肪酸、大豆油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、ひまし油脂肪酸、オリーブ油脂肪酸等の植物油又は動物油脂肪酸等、又はこれらのメチルエステル、エチルエステル、グリセライド等が具体的に挙げられ、中でも、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸等が特に好ましい。
これら脂肪酸又は脂肪酸誘導体は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
反応温度は、通常100〜220℃であることが好ましく、より好ましくは150〜200℃である。反応温度が100℃以上であると、反応が遅くなりすぎることがなく、220℃以下であると、得られる3級アミンの着色が抑制される。
長鎖脂肪族アミドアルキル3級アミンの上記以外の製造条件は、適宜変更が可能であり、反応時の圧力は常圧であっても減圧であってもよく、反応時に窒素等の不活性ガスを吹き込むことにより導入することも可能である。
また、得られる(B1)成分が、融点が高い長鎖アミンの場合には、ハンドリング性を向上させるため、反応後、フレーク状もしくはペレット状に成形することが好ましく、又は、エタノール等の有機溶媒に溶解して液状にすることが好ましい。
中和に用いる酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、グリコール酸、乳酸、クエン酸、ポリアクリル酸、パラトルエンスルホン酸、クメンスルホン酸等が挙げられ、これらは1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
(B)成分の含有量は、液体洗浄剤組成物中、0.1〜5質量%であることが好ましく、0.2〜4質量%であることがより好ましく、1〜4質量%であることがさらに好ましい。
(B)成分の含有量が0.1質量%以上であると、柔軟性付与効果がより得られやすくなる。(B)成分の含有量が5質量%以下であると、液体洗浄剤組成物が低温時にも液表面でゲル化せずに皮膜が形成されにくくなる。また、他の成分との配合バランスをとりやすくなる。
本発明において、(C)成分はアニオン界面活性剤である。
該(C)成分を用いることにより、液体洗浄剤組成物が低温時に液表面でゲル化せず、皮膜を形成しにくいという効果(皮膜形成の抑制の効果)が得られる。
(1)高級脂肪酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシアルキレンエーテルカルボン酸塩、アルキルアミドエーテルカルボン酸塩、アルケニルアミドエーテルカルボン酸塩、アシルアミノカルボン酸塩等のカルボン酸型。
(2)高級アルコール硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレン高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、グリセリン脂肪酸エステルモノ硫酸エステル塩等の硫酸エステル型。
(3)アルキルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸エステル塩、ジアルキルスルホコハク酸塩等のスルホン酸型。
(4)アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルリン酸エステル塩、グリセリン脂肪酸エステルモノリン酸エステル塩等のリン酸エステル型。
R4において、炭素数は6〜24であり、炭素数10〜18であることが好ましい。炭素数が6以上であると、皮膜形成の抑制の効果がより向上する。一方、炭素数が24以下であると、(C1)成分自体の溶解性が向上し、保存時における析出が抑制され、経時安定性が向上する。
また、R4におけるアルキル基又はアルケニル基としては、1級もしくは2級のアルキル基、又は1級もしくは2級のアルケニル基であることが好ましい。好適な具体例としては、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、オレイル基、アラキル基、ベヘニル基等が挙げられる。
これらのアルキル基またはアルケニル基は、一種単独であっても混合されていてもよく、天然原料由来のものであっても合成のものであってもよい。たとえば、市販されているドバノックス(登録商標)、ダイヤドール(登録商標)、ネオドール(登録商標)、サフォール(登録商標)等の1級合成アルコール由来;椰子油高級アルコール等の天然アルコール、ソフタノール(登録商標)等の2級アルコール由来のものは非常に好適である。
ただし、当該(C1)成分を構成する全エチレンオキサイド付加体中に質量を基準として最も多く存在するエチレンオキサイド付加体のエチレンオキサイドの付加モル数を「n1max」とした際、全エチレンオキサイド付加体に対する、エチレンオキサイドの付加モル数が(n1max−1)とn1maxと(n1max+1)のエチレンオキサイド付加体の合計の割合が55質量%以上であり、55〜75質量%の範囲であることが好ましい。前記範囲であると、皮膜形成の抑制の効果がより得られやすくなる。
具体的には、ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属原子;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属原子;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン;アンモニウム等が挙げられ、これらが一種単独であっても混在していてもよい。なかでも、Mとしては、アルカリ金属原子が好ましく、ナトリウムが特に好ましい。
高級アルコール、好ましくは下記(a)〜(e)から選択される高級アルコールに、エチレンオキサイドを付加させてポリオキシエチレンアルキルエーテル(アルコールエトキシレート)を得る。エチレンオキサイドを付加させる際に用いる触媒としては、たとえば特許第3312883号公報に記載のAl/Mg/Mnで構成される複合金属酸化物ルイス酸焼結固体触媒が好ましい。これにより、エチレンオキサイドの付加モル数分布の狭いものが得られる。
次いで、得られたポリオキシエチレンアルキルエーテルを、サルファンでスルホン化あるいは硫酸化して中和処理することにより、(C1)成分が製造できる。
(b)ブテンの3量体からオキソ法により得られる炭素数13アルコール(分岐率:100質量%)。
c)中鎖アルコールからガーベット反応により得られる高級アルコール(分岐率:100質量%)。
(d)Sasol社製、商品名 Safol23(分岐率:50質量%)。これは、石炭のガス化から得られるオレフィンをオキソ法によりアルコールを得て、更に水素化したものである。
(e)天然油脂から合成された天然系高級アルコール(分岐率:0質量%)。
なお、「分岐率」とは、全高級アルコールに対する、分岐鎖をもつ高級アルコールの割合(質量%)を示す。
(C)成分の含有量は、液体洗浄剤組成物中、0.5〜10質量%であることが好ましく、1〜5質量%であることがより好ましい。
(C)成分の含有量が0.5質量%以上であると、液体洗浄剤組成物が低温時にも液表面でゲル化せずに皮膜が形成されにくくなる効果がより得られやすくなる。一方、(C)成分の含有量が10質量%以下であると、充分に皮膜形成の抑制の効果が得られる。また、他の成分との配合バランスをとりやすくなる。
かかる効果が得られる理由としては、定かではないが、液体洗浄剤組成物を水に溶解した洗濯液中で、(B)成分と(C)成分とが静電的に相互作用することにより、液体洗浄剤組成物に配合された成分が混合した際の相状態が、(C)成分を欠く際の相状態に比べて変化するためと推測される。
本発明の液体洗浄剤組成物には、前記(A)〜(C)成分以外に必要に応じて、その他の成分を適宜、配合することができる。
本発明の液体洗浄剤組成物においては、前記(A)〜(C)成分を除く界面活性剤を用途に応じて配合してもよく、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤なども用いることができる。
ノニオン界面活性剤としては、長鎖アルコールにエチレンオキシドを付加したアルコールエトキシレート、アルキルフェノール、高級脂肪酸又は高級アミン等のアルキレンオキサイド付加体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、脂肪酸アルカノールアミン、脂肪酸アルカノールアミド、多価アルコール脂肪酸エステル又はそのアルキレンオキサイド付加体、多価アルコール脂肪酸エーテル、アルキルアミンオキサイド、アルケニルアミンオキサイド、硬化ヒマシ油のアルキレンオキサイド付加体、糖脂肪酸エステル、N−アルキルポリヒドロキシ脂肪酸アミド、アルキルグリコシド等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、アルキルベタイン型、アルキルアミドベタイン型、イミダゾリン型、アルキルアミノスルホン型、アルキルアミノカルボン酸型、アルキルアミドカルボン酸型、アミドアミノ酸型又はリン酸型の両性界面活性剤等が挙げられる。
また、本発明の液体洗浄剤組成物においては、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール等のアルコール類;プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール等のグリコール類;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、重量平均分子量が約200のポリエチレングリコール、重量平均分子量が約400のポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のポリグリコール類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のアルキルエーテル類などの水混和性の有機溶剤を用いることができる。当該有機溶剤の含有量は、液体洗浄剤組成物中、0.1〜15質量%であることが好ましい。
また、本発明の液体洗浄剤組成物においては、東レ・ダウコーニング(株)製のCF1188HV、SH3748、SH3749、SH3772M、SH3775M、SF8410、SH8700、BY22−008、BY22−012、SILWET L−7001、SILWET L−7002、SILWET L−7602、SILWET L−7604、SILWET FZ−2104、SILWET FZ−2120、SILWET FZ−2161、SILWET FZ−2162、SILWET FZ−2164、SILWET FZ−2171、ABN SILWET FZ−F1−009−01、ABN SILWET FZ−F1−009−02、ABN SILWET FZ−F1−009−03、ABN SILWET FZ−F1−009−05、ABN SILWET FZ−F1−009−09、ABN SILWET FZ−F1−009−11、ABN SILWET FZ−F1−009−13、ABN SILWET FZ−F1−009−54、ABN SILWET FZ−22−22;
信越化学工業(株)製のX−20−8010B、KF352A、KF6008、KF615A、KF6012、KF6016、KF6017;
GE東芝シリコーン(株)製のTSF4450、TSF4452、TSF4445(以上、商品名)等のポリエーテル変性シリコーンを用いることができる。当該ポリエーテル変性シリコーンの含有量は、液体洗浄剤組成物中、0.1〜3質量%であることが好ましい。
また、本発明の液体洗浄剤組成物においては、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、ジグリコール酸、酒石酸、クエン酸等の金属イオン捕捉剤を用いることができる。当該金属イオン捕捉剤の含有量は、液体洗浄剤組成物中、0.1〜20質量%であることが好ましい。
また、本発明の液体洗浄剤組成物においては、ブチルヒドロキシトルエン、ジスチレン化クレゾール、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム等の酸化防止剤を用いることができる。当該酸化防止剤の含有量は、液体洗浄剤組成物中、0.01〜2質量%であることが好ましい。
また、本発明の液体洗浄剤組成物においては、ローム・アンド・ハウス社製のケーソンCG(商品名)等の防腐剤を用いることができる。当該防腐剤の含有量は、液体洗浄剤組成物中、0.001〜1質量%であることが好ましい。
その他、商品の付加価値向上等を目的として、着色剤、乳濁化剤、芳香のための香料等も含むことができる。
着色剤としては、アシッドレッド138、Polar Red RLS、アシッドイエロー203、アシッドブルー9、青色1号、青色205号、緑色3号、ターコイズP−GR(いずれも商品名)等の汎用の色素や顔料を用いることができる。当該着色剤の含有量は、液体洗浄剤組成物中、0.00005〜0.005質量%であることが好ましい。
乳濁化剤としては、ポリスチレンエマルション、ポリ酢酸ビニルエマルジョン等が挙げられ、通常、固形分30〜50質量%のエマルションが好適に用いられる。具体例としては、ポリスチレンエマルション(サイデン化学社製、商品名:サイビノールRPX−196 PE−3、固形分40質量%)等を用いることができる。当該乳濁化剤の含有量は、液体洗浄剤組成物中、0.01〜0.5質量%であることが好ましい。
香料としては、特開2002−146399号公報に記載の香料成分が挙げられる。当該香料の含有量は、液体洗浄剤組成物中、0.01〜2質量%であることが好ましい。
pH調整剤は、1種または2種以上混合して用いることができる。
pH調整剤は、液体洗浄剤組成物の25℃でのpHを、好ましくはpH4〜9に調整する量が適宜添加される。
前記pHの調整は、たとえば一定量の硫酸、水酸化ナトリウム等を添加することにより制御することができる。また、pHの微調整用として無機酸(好ましくは塩酸、硫酸)または水酸化カリウム等をさらに添加することもできる。
本発明において、液体洗浄剤組成物(25℃に調温)のpHは、pHメーター(製品名:HM−30G、東亜ディーケーケー(株)製)等により測定される値を示す。
使用方法は、通常の使用方法、すなわち本発明の液体洗浄剤組成物(本発明品)を、洗濯時に洗濯物と一緒に水に投入する方法、泥汚れや皮脂汚れに本発明品を直接塗布する方法、本発明品を予め水に溶かして衣類を浸漬する方法等が挙げられる。また、本発明品を洗濯物に塗布後、適宜放置し、その後、通常の洗濯液を用いて通常の洗濯を行う方法も好ましい。その際、本発明品の使用量は、従来の液体洗浄剤組成物の使用量よりも、実質上半量以下に少なくすることができる。
本発明の液体洗浄剤組成物は、特に衣料用として好適なものである。
表1、2に示す組成の液体洗浄剤組成物を、常法に準じて、以下のように製造した。
まず、2cmの撹拌子の入った円筒ガラス瓶(直径50mm、高さ100mm)に、(A)成分を入れた。次に、任意成分の混合溶液を入れて、400rpmで撹拌子を撹拌させた。次いで、(B)成分を入れて撹拌し、続けて(C)成分を順次入れて撹拌混合した。その後、全体量(全体量を100質量部とする。)が95質量部になるように精製水を入れ、撹拌混合した後、pHを調整し、全体量が100質量%になるようにエタノールを加えて液体洗浄剤組成物を製造した。
pHの調整は、液体洗浄剤組成物の25℃でのpHが7.0となるように、pH調整剤(水酸化ナトリウムまたは硫酸)を適量添加することにより行った。
なお、表1、2中の配合量の単位は質量%であり、純分換算量を示す。
以下に、(A)成分のナロー率の測定方法、および表中に示した成分について説明する。
下記測定条件により、エチレンオキサイドの付加モル数が異なるエチレンオキサイド付加体の分布を測定した。そして、(A)成分のナロー率(質量%)を前記数式(S)に基づいて算出した。
[HPLCによるエチレンオキサイド付加体の分布の測定条件]
装置 :LC−6A((株)島津製作所製)
検出器 :SPD−10A
測定波長:220nm
カラム :Zorbax C8 (Du Pont(株)製)
移動相 :アセトニトリル/水=60/40(体積比)
流速 :1mL/min
温度 :20℃
・(A)成分
A−1:C11H23CO(OC2H4)15OCH3と、C13H27CO(OC2H4)15OCH3との質量比で8/2の混合物、ナロー率 33質量%;合成品。
A−2:C11H23CO(OC2H4)15OCH3、ナロー率 37質量%;合成品。
A−3(比較品):C12H25O(C2H4O)15H、ナロー率 30質量%;合成品。
さらに、反応液を80℃に冷却し、水159gと、濾過助剤として活性白土および珪藻土をそれぞれ5g添加した後、触媒を濾別し、A−1を得た。
なお、触媒に対するアルカリ添加量をコントロールすることにより、ナロー率33質量%のA−1を得た。
なお、触媒に対するアルカリ添加量をコントロールすることにより、ナロー率37質量%のA−2を得た。
ラウリルアルコール186g、30質量%NaOH水溶液2.0gを、耐圧型反応容器中にそれぞれ採取し、容器内を窒素置換した。
次に、温度100℃、圧力2.0kPa以下で30分間脱水してから、温度を160℃まで昇温した。アルコールを撹拌しながら酸化エチレン(ガス状)660gを、吹き込み管を使って、反応温度が180℃を超えないように添加速度を調整しながらアルコールの液中に徐々に加えた。
酸化エチレンの添加終了後、温度180℃、圧力0.3MPa以下で30分間熟成した後、温度180℃、圧力6.0kPa以下で10分間、未反応の酸化エチレンを留去した。
次に、温度を100℃以下まで冷却した後、反応物の1質量%水溶液のpHが約7になるように、p−トルエンスルホン酸(70質量%水溶液)を加えて中和し、A−3(比較品)を得た。
なお、A−1、A−2、A−3において、ナロー率は、上記のナロー率の測定方法により、得られた合成品におけるエチレンオキサイドの付加モル数が異なるエチレンオキサイド付加体の分布を測定して算出した。
B−1:Cm’H2m’+1CONH(CH2)3N(CH3)2(m’=15とm’=17との質量比で3/7の混合物)、東邦化学(株)製、商品名「カチナールMPAS−R」。
B−2:C17H35CONH(CH2)3N(CH3)2、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド;合成品。
還流冷却器を備えた1リットル四ツ口フラスコに、ステアリン酸(分子量284)360gを仕込み、80℃に加熱してステアリン酸を融解した。窒素置換を2回行った後、150℃に昇温し、ジメチルアミノプロピルアミン(分子量102)123g(ステアリン酸に対するモル比:0.95)を1時間かけて滴下した。
次に、150〜160℃で1時間保持した後、1時間かけて185℃に昇温し、さらにジメチルアミノプロピルアミン45gを1時間かけて滴下した。
滴下終了後、185〜190℃に保持し、7時間熟成して副生の水を系外に留去した。 さらに、170〜190℃に保持したまま減圧(4.0kPa)し、1時間放置することにより未反応のジメチルアミノプロピルアミンを留去し、B−2を得た。
酸価から算出したステアリン酸の転化率は99.6%であった。
C−1:ポリオキシエチレンアルキル(炭素数12)エーテル硫酸ナトリウム(AES)(エチレンオキサイドの平均付加モル数2);合成品。
4Lのオートクレーブ中に、ラウリルアルコール400gと、水酸化カリウム触媒0.8gとを仕込み、オートクレーブ内を窒素置換し、撹拌しながら昇温した。その後、温度180℃、圧力0.3mPaに維持しながらエチレンオキサイド54gを導入し、エチレンオキサイドの平均付加モル数2の反応物を得た。
次に、上記で得られたアルコールエトキシレート274gを、撹拌装置付の500mLフラスコにとり、窒素置換後、液体無水硫酸(サルファン)81gを反応温度40℃に保ちながらゆっくりと滴下した。滴下終了後、1時間撹拌を続け(硫酸化反応)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸を得た。さらに、これを水酸化ナトリウム水溶液で中和することにより、C−1を得た。
4Lのオートクレーブ中に、ラウリルアルコール400gと、Al/Mg/Mnで構成される複合金属酸化物ルイス酸焼結固体触媒0.4gとを仕込み、オートクレーブ内を窒素置換し、撹拌しながら昇温した。その後、温度180℃、圧力を0.3mPaに維持しながらエチレンオキサイド54gを導入し、反応物を得た。
次に、上記で得られたアルコールエトキシレート274gを、撹拌装置付の500mLフラスコにとり、窒素置換後、液体無水硫酸(サルファン)81gを反応温度40℃に保ちながらゆっくりと滴下した。滴下終了後、1時間撹拌を続け、目的とするポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸を得た。さらに、これを水酸化ナトリウム水溶液で中和することにより、C−2を得た。
POEシリコーン:東レ・ダウコーニング(株)社製、商品名「SH3375M」。
エタノール:NEDO製、商品名「95vol%合成エタノール」。
p−トルエンスルホン酸:協和発酵工業(株)製。
クエン酸3Na2水塩:マイルス社(米国)製、商品名「クエン酸ソーダ」。
安息香酸Na:東亞合成製、商品名「安息香酸ナトリウム」。
香料組成物:特開2002−146399号公報の表11〜18に記載の香料組成物A。
色素:癸巳化成(株)製、商品名「青色1号」。
ケーソンCG:ローム・アンド・ハース社製。
水酸化ナトリウム:鶴見曹達(株)製。
硫酸:東邦亜鉛(株)製。
得られた液体洗浄剤組成物について、以下に示す方法及び評価基準によって評価を行い、その結果を表1、2に併記した。
市販Tシャツ(綿100%、B.V.D社製)7枚を二槽式洗濯機(商品名:CW−C30A1、三菱電機製)に入れ、水道水30Lに各例の液体洗浄剤組成物15mLを溶かした水溶液を、前記二槽式洗濯機に入れ、弱水流で、洗浄時間10分間、脱水1分間、ためすすぎ(2回繰返し、各5分間)および脱水1分間を1工程とした洗濯操作を行った。用いた水道水の温度は、25℃になるように調整した。
前記洗濯操作1工程により処理したTシャツを陰干しして、12時間乾燥させた。その後、当該Tシャツを、25℃、湿度65%RHの恒温恒湿室に2日間放置した。以上の処理を施したTシャツを試験布として柔軟性付与効果の評価に用いた。
なお、上記洗濯操作において、ノニオン界面活性剤(ラウリルアルコール1モルあたり平均15モルのエチレンオキサイドを付加させたアルコールエトキシレート)の20質量%水溶液30mLを液体洗浄剤組成物として用いて、上記と同様に処理したTシャツを評価対照布とした。
柔軟性付与効果の評価は、下記の評価基準に従って、前記評価対照布との1対比較を官能により行い、専門パネラー10人の平均値を求めることにより行った。かかる平均値は、小数点第1位を四捨五入し、3点以上を合格レベルとした。
(評価基準)
3点:対照布より非常に柔らかいと感じられた。
2点:対照布よりやや柔らかいと感じられた。
1点:対照布と同等であった。
各例の液体洗剤組成物15gを20mLカップにそれぞれ採取し、5℃恒温室に1日間放置し、1日後の液体洗剤組成物の外観(ゲル化度合い)を観察し、下記の評価基準に従って、低温時のゲル化防止性を評価した。
(評価基準)
◎:全くゲル化が認められなかった。
○:一部ゲル化が認められる程度であった。
△:半分程度ゲル化していた。
×:全体がゲル化していた。
(1)洗浄処理方法
10cm角に裁断した100番手の綿平織り布(未汚染布)に、顔面の皮脂汚れを擦りつけて皮脂汚れ布10枚を、各例についての評価ごとに作製した。合わせて全量2kg分の当該皮脂汚れ布10枚と市販のTシャツ(綿100%、B.V.D社製)とを、全自動洗濯機(商品名:NA−F802P、松下電気産業(株)製)に入れた。
そして、浴比30倍に合わせ、20℃の水道水(硬度3゜DH)30Lに、各例の液体洗浄剤組成物15mLを溶かし、洗浄時間10分間、脱水1分間、ためすすぎ(2回繰返し、各5分間)および脱水1分間を1工程とした洗濯操作を行った。
(2)洗浄力の評価方法
前記洗濯操作1工程により処理した皮脂汚れ布の反射率を、色差計(商品名:SE200型、日本電色(株)製)により測定し、洗浄率(%)を以下の式で算出した。
洗浄率(%)=(洗浄処理前の皮脂汚れ布のK/S−洗浄処理後の皮脂汚れ布のK/S)/(洗浄処理前の皮脂汚れ布のK/S−未汚染布のK/S)×100
ここで、式中、K/S=(1−R/100)2/(2R/100)である。ただし、Rは反射率(%)を示す。
洗浄力の評価は、上記式により算出される洗浄率(%)を用いて、下記の評価基準に従って行った。なお、洗浄率(%)は皮脂汚れ布10枚の平均値を用いた。
(評価基準)
◎:洗浄率が70%以上であった。
○:洗浄率が65%以上70%未満であった。
△:洗浄率が60%以上65%未満であった。
×:洗浄率が60%未満であった。
また、(C)成分として(C1)成分に該当するNRESを用いた実施例7の液体洗浄剤組成物は、低温時のゲル化防止性が特に優れていることが確認できた。
また、本発明に係る(A)成分とは異なる比較品を用いた比較例4の液体洗浄剤組成物は、低温時のゲル化防止性が悪いことが確認された。
また、(B)成分を欠く比較例5の液体洗浄剤組成物は、柔軟性付与効果が悪く、(C)成分を欠く比較例6の液体洗浄剤組成物は、低温時のゲル化防止性が悪いことが確認された。
Claims (2)
- 前記アニオン界面活性剤(C)が、下記一般式(II)で表されるポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩(C1)を含む請求項1記載の液体洗浄剤組成物。
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