JP5736131B2 - 衣料用液体洗浄剤組成物 - Google Patents
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Description
衣料用の液体洗浄剤組成物としては、非イオン性界面活性剤を主基剤とするものが広く用いられており、従来、非イオン性界面活性剤としては、第1級アルコールエトキシレート等のアルコールアルコキシレートが用いられていた。
しかし、一般に、界面活性剤は高濃度の領域において、ヘキサゴナル液晶、ラメラ液晶に代表されるリオトロピック液晶などの高粘度の高次会合構造を形成し、典型的な非イオン性界面活性剤であるアルコールエトキシレートも、その濃度が40質量%以上の高濃度系では、かなり広範な濃度領域で高粘度の液晶相を形成することが知られている。このように、アルコールアルコキシレートは、そのゲル化領域が大きいために、濃度が高くなるにつれて液流動性と安定性が低下し、40%以上配合した濃縮洗剤とすることは困難である。また、アルコールアルコキシレートを高濃度に含むと、洗濯時に洗濯浴中に投入された際の溶解速度が遅く、特に低温の水で洗濯した場合には、洗濯終了時に衣類にゲル状の付着物が残るなどの不具合を生じやすい。
このような問題に対し、液流動性と安定性及び溶解速度の向上のために、ハイドロトロープ剤などを配合する方法が知られている。しかし、より高濃度の濃縮洗剤とするためには、洗浄剤組成物中のほとんどをアルコールエトキシレートとハイドロトロープ剤とする必要があり、酵素やキレート剤などの機能成分を配合することが困難となる。ハイドロトロープ剤は、溶解性改善効果はあるものの洗浄性能には全く影響しないことから、上記組成では充分な洗浄性能は得られない。
一方、脂肪酸アルキルエステルアルコキシレートは、そのゲル化領域が小さいことが知られており、特定の脂肪酸アルキルエステルアルコキシレートを高濃度に配合した洗浄剤組成物も提案されている(たとえば特許文献1〜3参照)。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、非イオン性界面活性剤を高濃度かつ安定に含み、洗浄時における溶解性及び洗浄性能に優れ、洗浄した麻製衣料の着心地も良好な衣料用液体洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明は、以下の態様を有する。
[1]R1−O(R2O)nH[式中、R1は炭素数10〜22の炭化水素基であり、R2は炭素数2〜4のアルキレン基であり、nは平均付加モル数を表し5〜25である。]で表される非イオン性界面活性剤(A)と、R3−CO(OR4)mOR5[式中、R3は炭素数9〜13のアルキル基又は炭素数9〜13のアルケニル基であり、R4は炭素数2〜4のアルキレン基であり、R5は炭素数1〜3のアルキル基であり、mは平均付加モル数を表し5〜25である。]で表される非イオン性界面活性剤(B)と、炭素数2〜4の一価アルコール、炭素数2〜4の多価アルコール及びR6−(OR7)lOH[式中、R6は炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基であり、R7は炭素数2〜4のアルキレン基であり、lは平均付加モル数を表し1〜5である。]で表されるグリコールエーテル系溶剤からなる群から選択される溶剤(C)とを含有し、
前記(A)成分及び前記(B)成分の配合量の合計が40〜75質量%であり、前記(A)成分と前記(B)成分との配合比率(質量比)が(A)/(B)=80/20〜10/90であり、前記(C)成分の配合量が3〜25質量%であり、
前記(B)成分において、アルキレンオキサイド(OR 4 )の付加モル数が異なるアルキレンオキサイド付加体の分布の割合を示す下記の数式(S)で表されるナロー率が20〜45質量%であることを特徴とする衣料用液体洗浄剤組成物。
iはアルキレンオキサイドの付加モル数を示す。
Yiは全体のアルキレンオキサイド付加体中に存在するアルキレンオキサイドの付加モル数がiであるアルキレンオキサイド付加体の割合(質量%)を示す。
[2]さらに、(D)SO3基又はSO4基を有する陰イオン性界面活性剤及び/又は(E)酵素を含有する[1]に記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
(A)成分は、R1−O(R2O)nHで表される非イオン性界面活性剤である。
(A)成分は、アルコール(R1−OH)に炭素数2〜4の酸化アルキレンが平均付加モル数nにて付加したアルコールアルコキシレートである。
式中、R1は炭素数10〜22の炭化水素基である。炭素数が10以上であることで皮脂汚れに対する洗浄力が向上し、22以下であることで溶解性と液安定性が向上する。該炭化水素基の炭素数は、10〜20が好ましく、10〜18がより好ましい。該炭化水素基は、脂肪族炭化水素基(芳香族性を有さない炭化水素基)であることが好ましい。該炭化水素基は、不飽和結合を有してよく、有さなくてもよい。該炭化水素基は、直鎖状または分岐鎖状であることが好ましい。
R1は、単一鎖長であってもよく、複数の鎖長の混合物であってもよい。
R1は原料のアルコール(R1−OH)に由来し、該アルコールとしては、ヤシ油、パーム油、牛脂などの天然油脂由来のアルコールや石油由来の合成アルコールが挙げられる。
複数種組み合わせる場合のR2Oの付加方法は特に限定されず、たとえばEOとPOを含む場合の付加方法は、例えばランダム付加であってもよく、ブロック付加でもよい。ブロック付加方法としては、たとえば、EOを付加した後、POを付加する方法、POを付加した後、EOを付加する方法、EOを付加した後、POを付加し、さらにEOを付加する方法等が挙げられる。
(A)成分は、洗浄時の泡立ちが良く、安価であることから、式中のn個のR2Oが全てEOであるEO付加体であるか、または式中のn個のR2OがEOとPOとの混合物であるEO・PO付加体であることが好ましい。
nはアルキレンオキサイドの平均付加モル数を表し、5〜25である。nが該範囲内であると、皮脂汚れに対し優れた洗浄性能を示す。また、nが5以上であると、さらに、臭気の劣化を防ぐこともできる。一方、nが25を超えると、HLB(Hydrophile-Lipophile Balance)が高くなりすぎて皮脂汚れに対する洗浄性能が低下する。
EO付加体である場合、nは5〜20が好ましく、8〜18が好ましく、10〜16が特に好ましい。
EO・PO付加体である場合、nは5〜25であり、8〜22が好ましく、10〜19が特に好ましい。また、このとき、POの付加モル数は、5以下が好ましく、4以下がより好ましく、3以下がさらに好ましい。POの付加モル数が5を超えると、洗浄力、液体洗剤としての初期外観と安定性が悪くなるおそれがある。
本発明の液体洗浄剤組成物において、(A)成分は、一種類のみを単独で用いてもよく、複数種類を組み合わせて使用してもよい。
(B)成分は、R3−CO(OR4)mOR5で表される非イオン性界面活性剤である。
式中、R3は炭素数9〜13のアルキル基又は炭素数9〜13のアルケニル基である。炭素数が上記範囲内であることにより、洗浄性能やゲル化防止性に優れる。該アルキル基およびアルケニル基の炭素数は、それぞれ、10〜13であることが好ましく、11〜13であることがより好ましい。
該アルキル基およびアルケニル基は、それぞれ、直鎖状又は分岐鎖状であることが好ましい。
R4は炭素数2〜4のアルキレン基であり、エチレン基またはプロピレン基が好ましい。式中の複数のR4はそれぞれ同じであってもよく異なってもよい。すなわち、R4のアルキレン基として、1種類のみを単独で用いてもよく、複数種組み合わせてもよい。たとえば式中のアルキレンオキサイド(OR4)が、EOとPOとの混合物であってもよい。
複数種組み合わせる場合のOR4の付加方法は特に限定されず、たとえばEOとPOを含む場合の付加方法は、例えばランダム付加であってもよく、ブロック付加でもよい。ブロック付加方法としては、たとえば、EOを付加した後、POを付加する方法、POを付加した後、EOを付加する方法、EOを付加した後、POを付加し、さらにEOを付加する方法等が挙げられる。
(B)成分は、洗浄時の泡立ちが良く、安価であることから、式中のm個のOR4が全てEOであるEO付加体であるか、または式中のm個のOR4がEOとPOとの混合物であるEO・PO付加体であることが好ましい。
mはアルキレンオキサイドの平均付加モル数を表し、5〜25である。mが前記範囲内であることで、洗浄力、特に皮脂汚れに対する洗浄力が向上する。また、洗浄剤組成物の溶解性が向上する。
EO付加体である場合、mは5〜20であり、12〜18が好ましい。
EO・PO付加体である場合、mは5〜25であり、12〜21が特に好ましい。また、このとき、POの付加モル数は、5以下が好ましく、4以下がより好ましく、3以下がさらに好ましい。POの付加モル数が5を超えると、洗浄力、液体洗剤としての初期外観と安定性が悪くなるおそれがある。
R5は炭素数1〜3のアルキル基であり、メチル基が好ましい。
該ナロー率は高いほど、良好な洗浄力が得られる。また、当該ナロー率が20質量%以上、特に30質量%以上であると、界面活性剤の原料臭気の少ない液体洗浄剤組成物が得られやすくなる。これは、(B)成分の製造後、(B)成分と共存する(B)成分の原料である脂肪酸エステルと前記式中のmが1または2のアルキレンオキサイド付加体が少なくなるためである。
ここで、本明細書において「ナロー率」とは、アルキレンオキサイドの付加モル数が異なるアルキレンオキサイド付加体の分布の割合を示す下記の数式(S)で表されるものを意味する。
iはアルキレンオキサイドの付加モル数を示す。
Yiは全体のアルキレンオキサイド付加体中に存在するアルキレンオキサイドの付加モル数がiであるアルキレンオキサイド付加体の割合(質量%)を示す。
前記ナロー率は、例えば該(B)成分の製造方法等によって制御することができる。
(B)成分の製造方法としては、特に限定されるものではないが、例えば表面改質された複合金属酸化物触媒を用いて、脂肪酸アルキルエステルにアルキレンオキサイドを付加重合させる方法(特開2000−144179号公報参照)により容易に製造することができる。
かかる表面改質された複合金属酸化物触媒の好適なものとしては、具体的には、金属水酸化物等により表面改質された金属イオン(Al3+、Ga3+、In3+、Tl3+、Co3+、Sc3+、La3+、Mn2+等)が添加された酸化マグネシウム等の複合金属酸化物触媒や金属水酸化物及び/または金属アルコキシド等により表面改質されたハイドロタルサイトの焼成物触媒である。
また、前記複合金属酸化物触媒の表面改質においては、複合金属酸化物と、金属水酸化物及び/または金属アルコキシドとの混合割合を、複合金属酸化物100質量部に対して、金属水酸化物及び/または金属アルコキシドの割合を0.5〜10質量部とすることが好ましく、1〜5質量部とすることがより好ましい。
本発明の液体洗浄剤組成物において、(B)成分は、一種類のみを単独で用いてもよく、複数種類を組み合わせて使用してもよい。
これらのうち、(A)成分の配合量は、該液体洗浄剤組成物の総質量に対して、4〜60質量%が好ましく、9〜49質量%がより好ましく、15〜36質量%がさらに好ましい。
また、(B)成分の配合量は、該液体洗浄剤組成物の総質量に対して、8〜67.5質量%が好ましく、13.5〜56質量%がより好ましく、20〜42質量%がさらに好ましい。
ただし、本発明の液体洗浄剤組成物においては、(A)成分及び(B)成分の配合量の合計が、該液体洗浄剤組成物の総質量に対し、40〜75質量%であることが必要である。該合計量は、45〜70質量%が好ましく、50〜65質量%がより好ましい。該合計が40質量%以上であると、液体洗浄剤組成物に高い洗浄性能を与えることができる。一方、75質量%を超えると、ゲル化が生じやすく、液体洗浄剤組成物としての安定性が低下する。
また、本発明の液体洗浄剤組成物中、(A)成分と(B)成分との配合比率(質量比)は、(A)/(B)=80/20〜10/90であり、70/30〜20/80が好ましく、60/40〜20/80がより好ましい。(A)の比率が高すぎると、ゲル化を生じるため液体洗浄剤組成物としての液流動性と安定性が低下し、また、洗濯後の衣料にゴワツキがあるなど、着心地に劣る。また、(B)の比率が高すぎると、洗濯後の衣料のハリ感が少なく、着心地に劣る。
その理由としては以下のことが考えられる。
洗濯後の衣料に残留した非イオン性界面活性剤は、硬さ(きしみ感)を与える。(B)成分は、(A)成分に比べて、すすぎ性に優れるために、洗濯後の衣料に(B)成分はほとんど残留しない。(B)成分単独で液体洗浄剤組成物とした場合、界面活性剤はほとんど残留しないため、麻のような硬い繊維からなる衣料に対する仕上がり感に劣り、適度な着心地感が損なわれる。一方、(A)成分単独で液体洗浄剤組成物とした場合、洗濯後の衣料に残留する(A)成分量は比較的多く、硬く(きしむ)なる。そのため、(A)成分と(B)成分とを特定比率で併用することで、残留量が適度な範囲内となり、少なくなるため、適度な仕上がり感となると推測される。
したがって、本発明の液体洗浄剤組成物は、特に、麻を用いた衣料用としての有用性が高い。麻は吸湿性に優れ、さらに繊維表面が硬いため、肌に触れたときに冷感を与え、春夏物衣料に適する。
(C)成分は、炭素数2〜4の一価アルコール、炭素数2〜4の多価アルコール及びR6−(OR7)lOH[式中、R6は炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基であり、R7は炭素数2〜4のアルキレン基であり、lは平均付加モル数を表し1〜5である。]で表されるグリコールエーテル系溶剤からなる群から選択される溶剤である。
炭素数2〜4の1価アルコールとしては、たとえば、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール等が挙げられる。
炭素数2〜4の多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン等が挙げられる。
前記式R6−(OR7)lOHで表されるグリコールエーテル系溶剤としては、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。
これらのなかでも、臭気の穏やかな点や原料の入手のしやすさから、一価アルコール、多価アルコールが好ましく、特にエタノール、プロピレングリコールが好ましい。
本発明の液体洗浄剤組成物において、(C)成分は、一種類のみを単独で用いてもよく、複数種類を組み合わせて使用してもよい。
本発明の液体洗浄剤組成物は、さらに、SO3基又はSO4基を有する陰イオン性界面活性剤(D)(以下、(D)成分という。)及び/又は酵素(E)(以下、(E)成分という。)を含有することが好ましい。これにより、洗浄性能がさらに向上する。特に、(A)〜(E)成分を全て配合すると、皮脂汚れ等の油性汚れ、カレー汚れ等の食べこぼし汚れなど、多様な汚れに対する洗浄性能を向上させることができる。また該洗浄性能が安定して得られる。
(D)成分としては、特に限定されず、公知のものを利用できる。
(D)成分の具体例としては、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩;α−オレフィンスルホン酸塩;直鎖または分岐鎖のアルキル硫酸エステル塩;アルキルエーテル硫酸エステル塩またはアルケニルエーテル硫酸エステル塩;アルキル基を有するアルカンスルホン酸塩;α−スルホ脂肪酸エステル塩などが挙げられる。
これらの塩としては、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩、マグネシウムなどのアルカリ土類金属塩、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンなどのアルカノールアミン塩等が挙げられる。
上記のうち、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩としては、直鎖アルキル基の炭素数が8〜16のものが好ましく、炭素数10〜14のものが特に好ましい。
α−オレフィンスルホン酸塩としては、炭素数10〜20のものが好ましい。
アルキル硫酸エステル塩としては、炭素数10〜20のものが好ましい。
アルキルエーテル硫酸エステル塩又はアルケニルエーテル硫酸エステル塩としては、炭素数10〜20の直鎖または分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基を有し、平均1〜10モルの酸化エチレンを付加したもの(すなわち、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩又はポリオキシエチレンアルケニルエーテル硫酸エステル塩)が好ましい。
アルカンスルホン酸塩の炭素数は10〜20、好ましくは14〜17であり、2級アルカンスルホン酸塩が特に好ましい。
α−スルホ脂肪酸エステル塩としては、炭素数10〜20のものが好ましい。
これらの(D)成分は市場において容易に入手することができる。また、公知の方法により合成してもよい。
(D)成分としては、上記のなかでも、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩、アルカンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、及びα−オレフィンスルホン酸塩からなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
本発明の液体洗浄剤組成物中、(D)成分の配合量は、該液体洗浄剤組成物の総質量に対して、1〜10質量%であることが好ましく、1〜5質量%であることがより好ましく、2〜5質量%であることがさらに好ましい。(D)成分の含有量が1質量%以上であれば、洗浄性能、特に塗布洗浄力が向上する。また、(D)成分の含有量が10質量%以下であれば、本組成物の液安定性が向上する。
(E)成分は、特に限定されず、従来、衣料用洗浄剤組成物等に配合されている酵素を使用できる。
(E)成分としては、たとえば、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、マンナナーゼ等が挙げられる。これらの中でも、上記効果に優れることから、プロテアーゼ、アミラーゼ及びリパーゼからなる群から選択される1種以上の酵素が好ましい。
アミラーゼとしては、アミラーゼ製剤としてノボザイムズ社から入手できる商品名Termamyl 300L、Termamyl Ultra 300L、Duramyl 300L、Stainzyme 12L、Stainzyme Plus 12L、ジェネンコア社から入手できる商品名Maxamyl、天野製薬社から入手できる商品名プルラナーゼアマノ、生化学工業社から入手できる商品名DB−250等が挙げられる。
リパーゼとしては、リパーゼ製剤としてノボザイムズ社から入手できる商品名Lipex 100L、Lipolase 100L等が挙げられる。
セルラーゼとして、セルラーゼ製剤としてノボザイムズ社から入手できる商品名Endolase 5000L、Celluzyme 0.4L、Carzyme 4500L等が挙げられる。
マンナナーゼとして、マンナナーゼ製剤としてノボザイムズ社から入手できる商品名Mannaway 4L等が挙げられる。
本発明の液体洗浄剤組成物中、(E)成分の含有量は、該液体洗浄剤組成物の総質量に対して、0.1〜3質量%であることが好ましく、0.1〜1質量%であることがより好ましい。(E)成分の含有量が0.1質量%以上であれば、各種汚れに対する洗浄力(特に皮脂汚れ等の油性汚れに対する洗浄力)が充分に向上する。また、(E)成分の含有量が3質量%以下であれば、各種汚れに対する洗浄力が充分に得られやすく、経済的にも有利となる。
たとえば、本発明の液体洗浄剤組成物は、液体洗浄剤組成物の調製しやすさ、洗浄剤組成物としての水への溶解性や保存安定性等から、さらに、水を含むことが好ましい。本発明の液体洗浄剤組成物中、水の含有量は、該液体洗浄剤組成物の総質量に対して、0〜57質量%であることが好ましく、25〜46質量%であることがより好ましい。
該界面活性剤としては、(A)成分及び(B)成分以外の非イオン性界面活性剤、(D)成分以外の陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
(A)成分及び(B)成分以外の非イオン性界面活性剤の例としては、アルキルフェノール、高級脂肪酸又は高級アミン等のアルキレンオキサイド付加体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、脂肪酸アルカノールアミン、脂肪酸アルカノールアミド、多価アルコール脂肪酸エステル又はそのアルキレンオキサイド付加体、多価アルコール脂肪酸エーテル、アルキル(又はアルケニル)アミンオキサイド、硬化ヒマシ油のアルキレンオキサイド付加体、糖脂肪酸エステル、N−アルキルポリヒドロキシ脂肪酸アミド、アルキルグリコシド等が挙げられる。
(D)成分以外の陰イオン性界面活性剤の例としては、高級脂肪酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシアルキレンエーテルカルボン酸塩、アルキル(又はアルケニル)アミドエーテルカルボン酸塩、アシルアミノカルボン酸塩等のカルボン酸型、アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルリン酸エステル塩、グリセリン脂肪酸エステルモノリン酸エステル塩等のリン酸エステル型陰イオン性界面活性剤等が挙げられる。
陽イオン性界面活性剤の例としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩の陽イオン性界面活性剤等が挙げられる。
両性界面活性剤の例としては、アルキルベタイン型、アルキルアミドベタイン型、イミダゾリン型、アルキルアミノスルホン型、アルキルアミノカルボン酸型、アルキルアミドカルボン酸型、アミドアミノ酸型、リン酸型両性界面活性剤等が挙げられる。
また、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、ジグリコール酸、酒石酸、クエン酸等の金属イオン疎捕捉剤を、例えば0.1〜20質量%含むことができる。
また、ブチルヒドロキシトルエン、ジスチレン化クレゾール、亜硫酸ナトリウム及び亜硫酸水素ナトリウム等の酸化防止剤を、例えば0.01〜2質量%含むことができる。
また、ローム・アンド・ハウス社製ケーソンCG(商品名)等の防腐剤を、例えば0.001〜1質量%含むことができる。
柔軟性付与剤としては、カプリル酸ジメチルアミノプロピルアミド、カプリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ラウリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノプロピルアミド、オレイン酸ジメチルアミノプロピルアミド等の長鎖脂肪族アミドアルキル3級アミン又はこれらの塩;パルミチン酸ジエタノールアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジエタノールアミノプロピルアミド等が挙げられる。例えば、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミドを1〜5質量%含むことができる。
風合い向上剤としては、東レ・ダウコーニング(株)製のCF1188HV、SH3748、SH3794、SH3772M、SH3775M、SF8410、SH8700、BY22−008、BY22−012、SILWET L−7001、SILWET L−7002、SILWET L−7602、SILWET L−7604、SILWET FZ−2104、SILWET FZ−2120、SILWET FZ−2161、SILWET FZ−2162、SILWET FZ−2164、SILWET FZ−2171、ABN SILWET FZ−F1−009−01、ABN SILWET FZ−F1−009−02、ABN SILWET FZ−F1−009−03、ABN SILWET FZ−F1−009−05、ABN SILWET FZ−F1−009−09ABN SILWET FZ−F1−009−11、ABN SILWET FZ−F1−009−13、ABN SILWET FZ−F1−009−54、ABN SILWET FZ−22−22、;信越化学工業(株)製のX−20−8010B、KF352A、KF6008、KF615A、KF6012、KF6016、KF6017;GE東芝シリコーン(株)製のTSF4450、TSF4452、TSF4445(以上、商品名)等のポリエーテル変性シリコーンを用いることができ、当該ポリエーテル変性シリコーンは、液体洗浄剤組成物中、0.1〜3質量%含むことができる。
着香剤としては、代表的な例として、特開2002−146399号公報に記載の香料組成物などが使用でき、好ましい配合量としては、0.1〜2質量%である。
着色剤としては、アシッドレッド138、Polar Red RLS、アシッドイエロー203、アシッドブルー9、青色1号、青色205号、緑色3号、ターコイズP−GR(いずれも商品名)等の汎用の色素や顔料を、例えば0.00005〜0.005質量%程度含むことができる。
乳濁剤は、ポリスチレンエマルション、ポリ酢酸ビニルエマルジョン等が挙げられ、通常、固形分30〜50質量%のエマルションが好適に用いられる。具体例としては、ポリスチレンエマルション(サイデン化学社製(商品名)サイビノールRPX−196 PE−3、固形分40質量%)等を、0.01〜0.5質量%含むことができる。
天然物などのエキスとしては、イヌエンジュ、ウワウルシ、エキナセア、コガネバナ、キハダ、オウレン、オールスパイス、オレガノ、エンジュ、カミツレ、スイカズラ、クララ、ケイガイ、ケイ、ゲッケイジュ、ホオノキ、ゴボウ、コンフリー、ジャショウ、ワレモコウ、シャクヤク、ショウガ、セイタカアワダチソウ、セイヨウニワトコ、セージ、ヤドリギ、ホソバオケラ、タイム、ハナスゲ、チョウジ、ウンシュウミカン、ティーツリー、バーベリー、ドクダミ、ナンテン、ニュウコウ、ヨロイグサ、シロガヤ、ボウフウ、オランダヒユ、ホップ、ホンシタン、マウンテングレープ、ムラサキタガヤサン、セイヨウヤマハッカ、ヒオウギ、ヤマジソ、ユーカリ、ラベンダー、ローズ、ローズマリー、バラン、スギ、ギレアドバルサムノキ、ハクセン、ホウキギ、ミチヤナギ、ジンギョウ、フウ、ツリガネニンジン、ヤマビシ、ヤブガラシ、カンゾウ、セイヨウオトギリソウなどの植物のエキスが挙げられ、これらを例えば、0〜0.5質量%程度含むことができる。
pHはpH調整剤により調整できる。pH調整剤としては、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸;多価カルボン酸類、ヒドロキシカルボン酸類等の有機酸;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルカノールアミン、アンモニア等が挙げられる。これらのなかでも、液体洗浄剤組成物の経時安定性の面から、硫酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルカノールアミンが好ましく、硫酸、水酸化ナトリウムが好ましい。
pH調整剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。たとえば一定量の硫酸、水酸化ナトリウム等を添加することにより制御した場合、さらに、pHの微調整用として無機酸(好ましくは塩酸、硫酸)または水酸化カリウム等をさらに添加することができる。
本明細書において、液体洗浄剤組成物(25℃に調温)のpHは、pHメーター(製品名:HM−30G、東亜ディーケーケー(株)製)等により測定される値を示す。
その際、本発明の液体洗浄剤組成物の使用量は、従来の液体洗浄剤組成物の使用量よりも少なくすることができる。
<実施例1〜18、参考例19、実施例20〜21、比較例1〜8、実施例22〜43>
表1〜2に示す組成の液体洗浄剤組成物を下記の手順で調製した。
500mLビーカーに(A)成分、(B)成分及び(C)成分を入れ、マグネットスターラー(MITAMURA KOGYO INC.製)で充分に攪拌した。続いて、その他の成分((D)成分、(E)成分、共通添加成分)を加えて攪拌しながら、全体量が98質量部になるように精製水を入れ、さらによく攪拌した。25℃でのpHが7.0になるように、pH調整剤(水酸化ナトリウム又は硫酸)を適量添加した後、全体量が100質量部になるように精製水を加えて、液体洗浄剤組成物を得た。
表1〜2中、各成分の配合量の単位は「質量%」である。 また、表1〜2に、液体洗浄剤組成物中の(A)成分および(B)成分の合計の割合(A+B)(質量%)と、(A)成分および(B)成分の配合量の比(A/B)を併記する。
得られた液体洗浄剤組成物について、以下の評価を行った。その結果を表1〜2に併記する。
上記手順で調製した液体洗浄剤組成物500gの入ったビーカー(容量500mL)を斜めに傾けて、内容物約100mLを透明のガラス瓶(広口規格びんPS−NO.11)に取り出す操作を行った。
このとき、ガラス瓶に取り出せた液体洗浄剤組成物を流動性あり、取り出せなかったものを流動性なしと判定した。
また、ガラス瓶に取り出せた液体洗浄剤組成物の外観を目視にて観察した。
それらの結果から、各液体洗浄剤組成物の初期外観を下記基準で評価した。
○:流動性があり、かつ外観が透明均一である。
×:流動性がない(ガラス瓶に取り出せない)。または、流動性はあるものの、外観に濁り、浮遊・沈殿物がある。
液体洗浄剤組成物100mLを透明のガラス瓶(広口規格びんPS−NO.11)に取り、蓋を閉めて密封し、この状態で−5℃の恒温槽中に置いて1ヵ月保存した。その後、恒温槽から取り出し、それから1分以内に室温(25℃)にて内容物の外観を目視で観察し下記基準により評価した。
○:外観が透明均一であった。
△:沈殿またはゲル化が認められたが、40℃の湯浴に1時間浸すと外観が透明均一となった。
×:沈殿またはゲル化が認められ、40℃の湯浴に1時間浸しても外観が透明均一にならなかった。
500mLビーカーに25℃のイオン交換水300mLを入れ、マグネットスターラー(MITAMURA KOGYO INC.)を用いて攪拌(500rpm)しつつ、そこに、ポリスポイトを用いて液体洗浄剤組成物0.1mLを滴下し、液体洗浄剤組成物が完全に溶解するまでの時間(溶解時間)を目視にて測定した。
測定した溶解時間から、各液体洗浄剤組成物の溶解性を下記基準により評価した。
◎:50秒未満。
○:50秒〜100秒未満。
△:100秒〜150秒未満。
×:150秒以上。
上記初期外観の評価にて流動性ありと判定された液体洗浄剤組成物について、下記の手順で皮脂洗浄力を評価した。
顔面の皮脂汚れを擦り付けた綿布(綿平織り布、100番手)を20cm角の大きさに裁断したものを10枚と、市販のTシャツ(綿100%、B.V.D.社製)4枚とを電気洗濯機(三菱電機社製、「CW−C30A1型」)に投入した。
ついで、25℃の水道水約30Lに対し、液体洗浄剤組成物を10mLの割合で添加し、標準水流で洗浄(10分)、脱水(1分)、標準水流でためすすぎ(2回繰り返しを各5分)、脱水(1分)、を順次行う洗浄操作を行った。
皮脂汚れを擦り付けていない綿布を未汚染布、洗浄処理前の綿布を汚染布、洗浄処理後の綿布を洗浄布とした。未汚染布、汚染布、洗浄布それぞれについて、分光式色差計(日本電色工業社製、「SE2000」)にてZ値(反射率)を測定し、下記式(I)により洗浄率(%)を算出した。
◎:洗浄率が70%以上。
○:洗浄率が60%以上70%未満。
△:洗浄率が50%以上60%未満。
×:洗浄率が50%未満。
25℃で示される液粘度で塗布した際の洗浄力を評価するため、上記初期外観の評価にて流動性ありと判定された液体洗浄剤組成物のうち、実施例22〜40の液体洗浄剤組成物を25℃で24時間保存し、該保存後の液体洗浄剤組成物について、下記の手順でカレー汚れに対する皮脂洗浄力を評価した。
ボンカレーゴールド中辛口(商品名、大塚食品社製)をガーゼでろ過し、これをステンレスバットに開けた。その中に綿布(綿平織り布、100番手)を約1時間浸漬した後、ブラッシングして過剰に付着した汚れを脱落させ、一夜風乾した。このカレー汚れが付着した綿布を10cm×10cmに裁断し、これを汚染布とした。
該汚染布6枚に、25℃で24時間保存後の液体洗浄剤組成物0.1gを塗布し、5分間放置した。その後、該汚染布をTerg−O−Tometer(UNITED STATES TESTING社製)に投入し、25℃水道水(硬度3DH)0.9Lを入れ、120rpmで10分間撹拌した後、二槽式洗濯機(三菱電機社製、CW−C30A1型)に移し、1分間脱水した。その後、1分間流水ですすぎ、1分間脱水をした後、風乾した。
カレー汚れ付着前の綿布を未汚染布、洗浄処理後の汚染布を洗浄布とした。未汚染布、汚染布(洗浄処理前)、洗浄布それぞれについて、前記皮脂洗浄力の評価と同様にしてZ値を測定し、洗浄率(%)を算出した。
求めた洗浄率(%)(同時に洗浄処理した6枚の平均値)から、下記基準により液体洗浄剤組成物のカレー汚れに対する塗布洗浄力を評価した。
◎:洗浄率が40%以上。
○:洗浄率が35%以上40%未満。
△:洗浄率が30%以上35%未満。
×:洗浄率が30%未満。
全自動電気洗濯機(Haier社製JW−Z23A)に、市販のシャツ(麻100%)1枚、及び市販の綿タオル(綿100%)を投入した(綿タオルの投入量は全布質量が約800gとなるように調整した)。そこに、上記初期外観の評価にて流動性ありと判定された液体洗浄剤組成物5mLを添加し、標準コースで洗浄、すすぎ、脱水を順次行う洗浄操作を行った。洗浄時間、すすぎ、脱水、水量(低水位に設定、水量約12L)に関しては、一切調整せず、洗濯機の標準コース設定を使用した。洗濯終了後、上記の洗浄処理が施された布を25℃、湿度65%RHの恒温恒湿室に放置した。
1日後、室温28℃の室内でパネラー(5人)に着用してもらい、肌に触れたときの感触(着心地)を、対照布(洗濯処理をしていない新品シャツ)と比較し、下記基準により採点した。
1点:対照布に比べてハリ感がないか、または顕著なゴワつきがあり、かなり着心地がよくない。
2点:対照布に比べてハリ感が少ないか、または若干ゴワつきがあり、やや着心地がよくない。
3点:対照布と同等の着心地。
4点:対照布よりやや着心地がよい。
5点:対照布よりかなり着心地がよい。
パネラー5人の採点結果の平均値から、下記基準により洗濯後の衣類の着心地を評価した。
◎:4点以上、○:3.5点以上4点未満、△:3点以上3.5点未満、×:3点未満。
一方、A+Bが30質量%の比較例1は皮脂洗浄力が低かった。また、A+Bが78質量%の比較例2、(C)成分の配合量が2質量%以下の比較例3〜4、(B)成分を配合していない比較例5、本発明の(B)成分に該当しない脂肪酸メチルエステルエトキシレートを配合した比較例6、A/Bが84/16の比較例7は、それぞれ、初期外観や保存安定性が悪く、溶解速度も遅かった。さらに、A/Bが7/93の比較例8は、洗浄した麻衣料の着心地に劣っていた。
<(A)成分>
(a−1):P&G社製の天然アルコールCO−1270(商品名)に対して平均15モル相当の酸化エチレンを付加したもの。
(a−2):P&G社製の天然アルコールCO−1214(商品名)に対して平均15モル相当の酸化エチレンを付加したもの。
(a−3):P&G社製の天然アルコールCO−1270(商品名)に対して平均12モル相当の酸化エチレンを付加したもの。
(a−4):P&G社製の天然アルコールCO−1270(商品名)に対して平均9モル相当の酸化エチレンを付加したもの。
(a−5):ソフタノール120(商品名、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(C12〜14第2級アルコール)、日本触媒(株)製)。
(a−6):天然アルコール(C12/C14=7/3)に、16モルのエチレンオキサイドと2モルのプロピレンオキサイドをランダム付加させて得られたノニオン界面活性剤。
(a−7):天然アルコール(C12/C14=7/3)に、8モルのエチレンオキサイド、2モルのプロピレンオキサイド、8モルのエチレンオキサイドの順にブロック付加させて得られたノニオン界面活性剤。
(a−1)の合成:
P&G社製の天然アルコールCO−1270の224.4gと、30質量%NaOH水溶液の2.0gとを耐圧型反応容器中に採取し、容器内を窒素置換した。次に温度100℃、圧力2.0kPa以下で30分間脱水してから、温度を160℃まで昇温した。アルコールを攪拌しながら酸化エチレン(ガス状)760.4gを、吹き込み管を使って、反応温度が180℃を超えないように添加速度を調整しながらアルコールの液中に徐々に加えた。
酸化エチレンの添加終了後、温度180℃、圧力0.3MPa以下で30分間熟成した後、温度180℃、圧力6.0kPa以下で10分間未反応の酸化エチレンを留去した。
次に温度を100℃以下まで冷却した後、反応物の1質量%水溶液のpHが約7になるように、70質量%p−トルエンスルホン酸を加えて中和し、(a−1)を得た。
天然アルコールCO−1270の代わりにP&G社製の天然アルコールCO−1214を224.4g用い、酸化エチレンを760.6g用いた以外は、(a−1)と同様に合成した。
(a−3)の合成:
酸化エチレンを610.2g用いた以外は、(a−1)と同様に合成した。
(a−4)の合成:
酸化エチレンを457.2g用いた以外は、(a−1)と同様に合成した。
(a−6)の合成:
酸化エチレン760.4gの代わりに、酸化エチレン820gおよび酸化プロピレン(ガス状)130gを同時に添加した以外は、(a−1)と同様に合成した。
(a−7)の合成:
P&G社製の天然アルコールCO−1270の224.4gと、30質量%NaOH水溶液の2.0gとを耐圧型反応容器中に採取し、容器内を窒素置換した。次に温度100℃、圧力2.0kPa以下で30分間脱水してから、温度を160℃まで昇温した。アルコールを攪拌しながら酸化エチレン(ガス状)405gを、吹き込み管を使って、反応温度が180℃を超えないように添加速度を調整しながらアルコールの液中に徐々に加えて反応させた。
酸化エチレンの添加終了後、温度180℃、圧力0.3MPa以下で30分間熟成した後、さらに酸化プロピレン(ガス状)130gを、吹き込み管を使って、反応温度が180℃を超えないように添加速度を調整しながら徐々に加えて反応させた。温度180℃、圧力0.3MPa以下で30分間熟成した後、さらに酸化エチレン405gを反応させた。熟成後、未反応の酸化エチレンを留去した後、温度を100℃以下まで冷却し、反応物の1質量%水溶液のpHが約7になるように、70質量%p−トルエンスルホン酸を加えて中和し、(a−7)を得た。
(b−1):C11H23CO(OCH2CH2)mOCH3とC13H27CO(OCH2CH2)mOCH3との質量比で8/2の混合物、m=平均15、ナロー率33質量%、合成品。
(b−2):C11H23CO(OCH2CH2)mOCH3、m=平均15、ナロー率33質量%、合成品。
(b−3):C11H23CO(OCH2CH2)mOCH3とC13H27CO(OCH2CH2)mOCH3との質量比で8/2の混合物、m=平均15、ナロー率45質量%、合成品。
(b−4):C11H23CO(OCH2CH2)mOCH3とC13H27CO(OCH2CH2)mOCH3との質量比で8/2の混合物、m=平均15、ナロー率60質量%、合成品。
(b−5(比較品)):C17H33CO(OCH2CH2)mOCH3、m=平均9、ナロー率65質量%、合成品。
(b−6):C11H23CO(OCH2CH(CH3))n(OCH2CH2)mOCH3とC13H27CO(OCH2CH(CH3))n(OCH2CH2)mOCH3との質量比で8/2の混合物、m=平均15、n=平均1(ランダム)、ナロー率37質量%、合成品。
下記測定条件により、酸化エチレンの付加モル数が異なる酸化エチレン付加体の分布を測定し、前記数式(S)によりナロー率(質量%)を算出した。
[HPLCによる酸化エチレン付加体の分布の測定条件]
装置:LC−6A((株)島津製作所製)、
検出器:SPD−10A、
測定波長:220nm、
カラム:Zorbax C8(Du Pont(株)製)、
移動相:アセトニトリル/水=60/40(体積比)、
流速:1mL/分、
温度:20℃
(b−1)の合成:
特開2000−144179号公報に記載の実施例における製造例1に準じて合成した。
すなわち、化学組成が2.5MgO・Al2O3・nH2Oである水酸化アルミナ・マグネシウム(協和化学工業(株)製、商品名:キョーワード300)を、600℃で1時間、窒素雰囲気下で焼成して得られた焼成水酸化アルミナ・マグネシウム(未改質)触媒2.2gと、0.5規定の水酸化カリウムエタノール溶液2.9mLと、ラウリン酸メチルエステル280gおよびミリスチン酸メチルエステル70gとを4リットルオートクレーブに仕込み、オートクレーブ内で触媒の改質を行った。次いで、オートクレーブ内を窒素で置換した後、昇温を行い、温度を180℃、圧力を3atmに維持しつつ、酸化エチレン1052gを導入し、撹拌しながら反応させた。さらに、反応液を80℃に冷却し、水159gと、濾過助剤として活性白土および珪藻土をそれぞれ5g添加した後、触媒を濾別して、(b−1)を得た。
触媒に対するアルカリ添加量は、(b−1)のナロー率が33質量%となるように調節した。
ラウリン酸メチルエステル280gおよびミリスチン酸メチルエステル70gの代わりに、ラウリン酸メチルエステル350gを用い、酸化エチレン1079gを導入し、触媒に対するアルカリ添加量をナロー率が33質量%となるように調整した以外は、上記(b−1)の合成方法と同様にして(b−2)を製造した。
(b−3)の合成:
ラウリン酸メチルエステル280gおよびミリスチン酸メチルエステル70gを用い、酸化エチレン1052gを導入し、触媒に対するアルカリ添加量をナロー率が45質量%となるように調整した以外は、上記(b−1)の合成方法と同様にして(b−3)を製造した。
(b−4)の合成:
ラウリン酸メチルエステル280gおよびミリスチン酸メチルエステル70gを用い、酸化エチレン1052gを導入し、触媒に対するアルカリ添加量をナロー率が65質量%となるように調整した以外は、上記(b−1)の合成方法と同様にして(b−4)を製造した。
(b−5)の合成:
オレイン酸メチルエステル350gを用い、酸化エチレン468gを導入し、触媒に対するアルカリ添加量をナロー率が65質量%となるように調整した以外は、上記(b−1)の合成方法と同様にして(b−5)を製造した。
(b−6)の合成:
ラウリン酸メチルエステル280gおよびミリスチン酸メチルエステル70gを用い、酸化エチレン1052gおよび酸化プロピレン93gを導入し、触媒に対するアルカリ添加量をナロー率が37質量%となるように調整した以外は、上記(b−1)の合成方法と同様にして(b−6)を製造した。
(c−1):エタノール(日本アルコール販売(株)製 商品名、特定アルコール95度合成)。
(c−2):プロピレングリコール(BASF社製)。
(d−1):ライポンLH−200(商品名、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸(LAS)、炭素数10〜14、平均分子量322、ライオン社製)。
(d−2):HOSTAPUR SAS30A(商品名、セカンダリーアルカンスルホン酸ナトリウム(SAS)、クラリアント・ジャパン社製)。
(d−3):ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(AES)(合成品、炭素数12〜13、EOの平均付加モル数2モル、原料アルコール:ネオドール23(商品名、シェルケミカルズ社製))。
4Lのオートクレーブ中に、Neodol23アルコール[商品名、シェルケミカルズ社製;C12、13アルコール(炭素数12のアルコールと、炭素数13のアルコールとの質量比1/1の混合物)、分岐率20質量%]400gと水酸化カリウム触媒0.8gとを仕込み、オートクレーブ内を窒素置換し、攪拌しながら昇温した。その後、温度180℃、圧力0.3mPaに維持しながら酸化エチレン272gを導入し、酸化エチレンの平均付加モル数2の反応物を得た。
次に、上記で得られたアルコールエトキシレート280gを、攪拌装置付の500mLフラスコにとり、窒素置換後、液体無水硫酸(サルファン)67gを反応温度40℃に保ちながらゆっくりと滴下した。滴下終了後、1時間攪拌を続け(硫酸化反応)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸を得た。さらに、これを水酸化ナトリウム水溶液で中和することにより、(d−3)を得た。
(e−1):エバラーゼ16L TypeEX(商品名、プロテアーゼ、ノボザイムス社製)。
(e−2):リカナーゼ ウルトラ2.5XL(商品名、プロテアーゼ、ノボザイムス社製)。
(e−3):ライペックス100L(商品名、リパーゼ、ノボザイムス社製)。
(e−4):ステインザイム12L(商品名、アミラーゼ、ノボザイムス社製)。
安息香酸ナトリウム:1.8質量%、
クエン酸:0.3質量%、
パルミチン酸:0.1質量%、
パラトルエンスルホン酸:1.0質量%、
ポリエチレングリコール:1.0質量%、
ジブチルヒドロキシトルエン:0.05質量%、
モノエタノールアミン:1.0質量%、
香料:0.4質量%、
緑3号:0.0003質量%、
水(精製水):バランス(液体洗浄剤組成物全体の量を100質量%とするための量)。
安息香酸ナトリウム:東亜合成製、商品名「安息香酸ナトリウム」。
クエン酸:一方社油脂工業(株)製、商品名「液体クエン酸」。
パルミチン酸:日本油脂(株)、商品名「NAA−160」。
パラトルエンスルホン酸:協和発酵工業(株)製、商品名「PTS酸」。
ポリエチレングリコール:ライオン(株)製、商品名「PEG#1000−L60」。
ジブチルヒドロキシトルエン:住友化学(株)製、商品名「SUMILZER BHT−R」。
モノエタノールアミン:(株)日本触媒製。
香料 特願2002−146399号公報の表11〜18記載の香料組成物A。
緑3号(色素):癸巳化成(株)製、商品名「緑色3号」。
また、pH調整剤として用いた水酸化ナトリウム及び硫酸の詳細は以下の通りである。
水酸化ナトリウム:鶴見曹達(株)製。
硫酸:東邦亜鉛(株)製。
Claims (2)
- R1−O(R2O)nH[式中、R1は炭素数10〜22の炭化水素基であり、R2は炭素数2〜4のアルキレン基であり、nは平均付加モル数を表し5〜25である。]で表される非イオン性界面活性剤(A)と、R3−CO(OR4)mOR5[式中、R3は炭素数9〜13のアルキル基又は炭素数9〜13のアルケニル基であり、R4は炭素数2〜4のアルキレン基であり、R5は炭素数1〜3のアルキル基であり、mは平均付加モル数を表し5〜25である。]で表される非イオン性界面活性剤(B)と、炭素数2〜4の一価アルコール、炭素数2〜4の多価アルコール及びR6−(OR7)lOH[式中、R6は炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基であり、R7は炭素数2〜4のアルキレン基であり、lは平均付加モル数を表し1〜5である。]で表されるグリコールエーテル系溶剤からなる群から選択される溶剤(C)とを含有し、
前記(A)成分及び前記(B)成分の配合量の合計が40〜75質量%であり、前記(A)成分と前記(B)成分との配合比率(質量比)が(A)/(B)=80/20〜10/90であり、前記(C)成分の配合量が3〜25質量%であり、
前記(B)成分において、アルキレンオキサイド(OR 4 )の付加モル数が異なるアルキレンオキサイド付加体の分布の割合を示す下記の数式(S)で表されるナロー率が20〜45質量%であることを特徴とする衣料用液体洗浄剤組成物。
iはアルキレンオキサイドの付加モル数を示す。
Yiは全体のアルキレンオキサイド付加体中に存在するアルキレンオキサイドの付加モル数がiであるアルキレンオキサイド付加体の割合(質量%)を示す。 - さらに、(D)SO3基又はSO4基を有する陰イオン性界面活性剤及び/又は(E)酵素を含有する請求項1に記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
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