JP4991199B2 - 衣料用液体洗浄剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、衣料用液体洗浄剤組成物に関する。
近年、衣料用の液体洗浄剤組成物は、粉末洗浄剤組成物と比較して、粉むせがない、洗濯機槽内に充満させた水に溶けやすいなどの点から使用率が増加してきている。
今後は、特に、洗濯機槽内への洗浄剤組成物の自動投入システムを有する全自動洗濯機の更なる普及により、液体洗浄剤組成物の使用の伸び率が急速に高くなることが予想される。
一方、衣料用液体洗浄剤組成物には、従来から高い洗浄力が求められている。
これに対して、たとえば衿袖汚れに代表される皮脂汚れに対する洗浄力の向上等のために、特定のポリオキシエチレンアルキルエーテルおよび/または特定のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルカノールアミン、金属イオン捕捉剤、特定の酸性または油溶染料が配合された液体洗浄剤組成物が開示されている(特許文献1参照)。
また、頑固な汚れである泥汚れに対する洗浄力の向上のために、特定の双性イオン性ポリマー、ポリアミン分散剤、界面活性剤等の成分が組み合わされた液状洗濯用洗剤組成物が開示されている(特許文献2参照)。
また、たとえば各種汚れに適した酵素が配合された粉末状の洗浄剤組成物が提案されている。
特開2004−210961号公報 特表2003−524065号公報
ところで、衣料の洗濯においては、泥汚れ、皮脂汚れ等の油性汚れ、およびカレー汚れ等の食べこぼし汚れが落としにくい三大汚れとされており、該三大汚れのいずれの汚れに対しても高い洗浄効果を有することが求められている。
これに対し、特許文献1、2に記載の組成物は、いずれも泥汚れに対する洗浄効果は満足できるものではなく、更なる向上が望まれている。
また、酵素の配合は、酵素自体の保存安定性の点で、粉末状の洗浄剤組成物においてはそれほど問題とはならない。しかしながら、特に液体洗浄剤組成物においては、保存により酵素が失活しやすく、それに伴って洗浄力が低下してしまう等の問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、泥汚れ、皮脂汚れ等の油性汚れ、およびカレー汚れ等の食べこぼし汚れのいずれの汚れに対しても優れた洗浄効果を発揮する衣料用液体洗浄剤組成物を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明においては、非イオン界面活性剤(A)10質量%以上と、両性界面活性剤(B)と、プロテアーゼ、アミラーゼおよびリパーゼの群から選択される少なくとも1種の酵素(C)と、下記一般式(I)で表される化合物(D)とを含有することを特徴とする衣料用液体洗浄剤組成物を提案する。
Figure 0004991199
[式(I)中、X”、Y”、Z”はそれぞれ独立して水素原子、Cn”2n”+1(n”は1〜3の整数である。)または(CHCHであり;Mは水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、NH またはアルカノールアミン類を示す。]
また、本発明の衣料用液体洗浄剤組成物においては、前記両性界面活性剤(B)は、下記一般式(II)で表される化合物(B1)を含むことが好ましい。
Figure 0004991199
[式(II)中、Rは炭素数10〜20の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基またはアルケニル基であり;Rは炭素数1〜5の2価の炭化水素基であり;Rは水素原子またはR−COOM’を示す。M’は水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、NH またはアルカノールアミン類を示す。]
本発明によれば、泥汚れ、皮脂汚れ等の油性汚れ、およびカレー汚れ等の食べこぼし汚れのいずれの汚れに対しても優れた洗浄効果を発揮する衣料用液体洗浄剤組成物を提供することができる。
本発明の衣料用液体洗浄剤組成物は、非イオン界面活性剤(A)(以下、(A)成分という。)と、両性界面活性剤(B)(以下、(B)成分という。)と、特定の酵素(C)(以下、(C)成分という。)と、前記一般式(I)で表される化合物(D)(以下、(D)成分という。)とを含有するものである。
<(A)成分>
本発明において、(A)成分は非イオン界面活性剤である。該(A)成分の含有量は、本発明の衣料用液体洗浄剤組成物中、10質量%以上である。該範囲であることにより、泥汚れ、皮脂汚れ等の油性汚れ、およびカレー汚れ等の食べこぼし汚れの各種汚れ(特に泥汚れ)に対する洗浄効果を有する衣料用液体洗浄剤組成物が得られる。
(A)成分としては、特に限定されるものではなく、たとえば炭素数10〜20のアルキル基またはアルケニル基を有し、エチレンオキサイドの平均付加モル数3〜26のポリオキシエチレンアルキルエーテル;炭素数8〜18のアルキル基またはアルケニル基を有し、グルコースユニットの平均付加モル数1〜10のアルキルポリグルコシド;炭素数8〜18のアルキル基またはアルケニル基を有し、グリセリンユニットの平均付加モル数1〜3のアルキルグリセリルエーテル;炭素数10〜20の脂肪酸ジエタノールアミド;炭素数10〜18のアルキル基またはアルケニル基を有し、エチレンオキサイドの平均付加モル数1〜30のメトキシポリオキシエチレンアルカノエート等が挙げられる。
なかでも、本発明の効果が良好なことから、炭素数10〜20のアルキル基またはアルケニル基を有し、エチレンオキサイドの平均付加モル数3〜26のポリオキシエチレンアルキルエーテルが特に好ましい。
前記ポリオキシエチレンアルキルエーテルにおいて、アルキル基またはアルケニル基は、それぞれ直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。アルキル基またはアルケニル基の炭素数は、それぞれ10〜20であり、12〜18であることが好ましく、12〜15であることがより好ましい。該炭素数が前記範囲であると、特に泥汚れに対する洗浄力が向上する。
また、エチレンオキサイドの平均付加モル数は3〜26であり、5〜26であることが好ましく、5〜20であることがより好ましく、5〜18であることがさらに好ましい。該平均付加モル数が前記範囲であると、特に泥汚れ、皮脂汚れ等の油性汚れに対する洗浄力が向上する。また、衣料用液体洗浄剤組成物の液安定性が向上する。
本発明において、前記ポリオキシエチレンアルキルエーテルは、高級アルコールにエチレンオキサイドを、アルカリ触媒等を用いた常法により付加反応させて付加し、製造したものを使用することができる。または、市販品を入手することによっても使用することができる。該製造において、高級アルコールとしては、直鎖1級アルコール、分岐1級アルコール、直鎖2級アルコール等が用いられる。
なお、エチレンオキサイドの平均付加モル数とは、前記高級アルコール1モルに対するエチレンオキサイドの付加モル数の平均値を示す。
該ポリオキシエチレンアルキルエーテルは、1種単独であってもよく、2種以上の混合物(たとえば、炭素数が異なるもの同士の混合物など)であってもよい。
(A)成分は、1種または2種以上混合して用いることができる。
(A)成分の含有量は、衣料用液体洗浄剤組成物中、10質量%以上であり、10〜45質量%であることが好ましく、より好ましくは15〜40質量%であり、特に好ましくは20〜40質量%である。該範囲の下限値以上であることにより、各種汚れに対する洗浄力(特に泥汚れに対する洗浄力)が向上する。また、洗濯の際、繊維からいったん剥がれた汚れが、洗濯液中で充分に分散されるようになって洗浄力が向上する。
<(B)成分>
本発明において、(B)成分は両性界面活性剤である。該(B)成分と、後述の(C)成分とを併用することにより、泥汚れ、皮脂汚れ等の油性汚れ、およびカレー汚れ等の食べこぼし汚れの各種汚れに対する洗浄力が向上する。また、該洗浄力が安定に得られる。
(B)成分としては、たとえばベタイン、N−アルキルもしくはアルケニルアミノ酸またはその塩等が挙げられる。
ベタインとしては、たとえばアルキルベタイン、カルボベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン、アミドスルホベタイン、イミダゾリニウムベタイン、ホスホベタイン等が挙げられる。
具体的には、ラウリン酸アミドプロピルベタイン等の脂肪酸アミドプロピルベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン、ラウリルジメチルベタイン等のアルキルジメチルベタイン等が挙げられる。
これらのベタインのなかでもアルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタインが好ましく、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルベタインが特に好ましい。
市販品としては、ラウリン酸アミドプロピルベタイン(商品名「ソフタゾリン LPB」;川研ファインケミカル(株)製)、ラウリルジメチルベタイン(商品名「アンヒトール24B」;花王(株)製)等が挙げられる。
N−アルキルもしくはアルケニルアミノ酸として具体的には、たとえば前記一般式(II)で表される化合物(B1)が好適なものとして挙げられる。
前記一般式(II)中、Rは、炭素数10〜20の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基、または炭素数10〜20の直鎖もしくは分岐鎖状のアルケニル基である。好ましくは、炭素数10〜20の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基である。
において、アルキル基、アルケニル基の炭素数は、それぞれ10〜20であり、10〜18であることが好ましく、10〜14であることがより好ましく、炭素数12であることが特に好ましい。
は、炭素数1〜5の2価の炭化水素基であり、好ましくはメチレン基、エチレン基であり、特に好ましくはエチレン基である。
M’は、水素原子;ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属原子;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属原子;NH ;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類が挙げられ、なかでもナトリウム、カリウム等のアルカリ金属原子であることが好ましく、ナトリウムであることが特に好ましい。
は、水素原子またはR−COOM’を示す。
が水素原子の場合、化合物(B1)は、その分子中に1つのR−COOM’を有する(かかる化合物(B1)をモノ体と称する。)。
がR−COOM’の場合、化合物(B1)は、その分子中に2つのR−COOM’を有する(かかる化合物(B1)をジ体と称する。)。
化合物(B1)としては、モノ体、ジ体のいずれも用いることができる。
化合物(B1)の具体例としては、たとえばN−アルキルもしくはアルケニルアミノプロピオン酸またはその塩が挙げられる。
上記のなかでも、(B)成分としては、洗浄力(特に泥汚れに対する洗浄力)が向上することから、N−アルキルもしくはアルケニルアミノ酸またはその塩がより好ましく、前記一般式(II)で表される化合物(B1)がさらに好ましい。
市販品としては、たとえばラウリルアミノプロピオン酸Na(一方社油脂工業(株)製;モノ体とジ体との混合割合が90質量%:10質量%の混合物)等が好適なものとして挙げられる。
(B)成分は、1種または2種以上混合して用いることができる。
(B)成分の含有量は、衣料用液体洗浄剤組成物中、0.5〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量%である。該範囲の下限値以上であることにより、(B)成分を含有することによる効果が得られやすくなる。一方、上限値以下であることにより、(B)成分を含有することによる効果が充分に得られ、経済的にも有利となる。また、すすぎ時間が短くなり、より好ましい。
<(C)成分>
本発明において、(C)成分は、プロテアーゼ、アミラーゼおよびリパーゼの群から選択される少なくとも1種の酵素である。該(C)成分と前記(B)成分とを併用することにより、泥汚れ、皮脂汚れ等の油性汚れ、およびカレー汚れ等の食べこぼし汚れの各種汚れに対する洗浄力が向上する。また、該洗浄力が安定に得られる。
本発明において使用できるプロテアーゼは、通常洗剤に用いられているものであれば特に限定されない。プロテアーゼの具体例としては、ペプシン、トリプシン、キモトリプシン、コラーゲナーゼ、ケラチナーゼ、エラスターゼ、ズブチリシンBPN’、パパイン、プロメリン、カルボキシペプチターゼAおよびB、アミノペプチターゼ、アスパーギロペプチターゼAおよびB等が挙げられる。
本発明に使用されるプロテアーゼとしては、特開昭51−8401号公報、特開昭46−43551号公報、特開昭46−42956号公報、特開昭59−59189号公報、特開昭54−62386号公報、特開昭48−2794号公報、特開昭50−16435号公報、特開昭53−18594号公報、特開昭55−46711号公報、特開昭57−42310号公報、特開昭58−16200号公報、特開昭56−24512号公報、特開昭47−1832号公報、特開昭52−35758号公報、特開昭50−34633号公報、特公昭46−41596号公報、特開昭58−134990号公報、特開昭55−14086号公報、特開昭51−82783号公報、特開昭51−125407号公報、特開昭55−39794号公報、特開昭46−1840号公報、特開昭46−23989号公報、特開昭58−15282号公報、特開昭61−280278号公報、特開平4−197182号公報、特公平3−79987号公報、特開平5−25492号公報などに記載されているものも使用することができる。
また、これらの精製分画物は、勿論、粗酵素およびそれらの造粒物も当然使用することができる。入手可能な市販酵素(プロテアーゼ製剤)としては、サビナーゼ(Savinase)、アルカラーゼ(Alcalase)、エバラーゼ(Everlase)、カンナーゼ(Kannase)、エスペラーゼ(Esperaze)(以上、商品名;Novozymes(ノボザイムズ)社製);API21(昭和電工(株)製);マクサターゼ(Maxtaze)、マクサカル(Maxacal)、ピュラフェクト(Purafect)、マクサぺム、プロペラーゼ(Properase)(以上、商品名;GENENCOR(ジェネンコア)社製);KAP(商品名、花王(株)製);特開平5−25492号公報に記載のプロテアーゼK−14、K−16(以上、商品名)等を挙げることができる。このうち、1種類または2種類以上を組み合わせて使用することもできる。
本発明におけるプロテアーゼとしては、プロテアーゼ製剤を用いることができ、たとえば、Savinase16L、Everlase16L(以上、商品名;Novozymes社製);Purafect L、Purafect OX、Properase L(以上、商品名;GENENCOR社製)等が好適なものとして挙げられ、Savinase16L、Everlase16Lが特に好ましい。
本発明において使用できるアミラーゼとしては、デンプンやグリコーゲンなどのα−1,4結合を加水分解するα−アミラーゼ、β−アミラーゼ、α−グルコシターゼ、グルコアミラーゼ;デンプンやグリコーゲンなどのα−1,6結合を加水分解するグルコアミラーゼ、プルラナーゼ、イソアミラーゼ、アミロ−1,6グルコシターゼ/4−αグルカノトランスフェラーゼ、オリゴ−1,6−グルコシターゼ等が挙げられる。
かかるアミラーゼは、でんぷんを加水分解する酵素であれば特に限定されない。
本発明に使用されるアミラーゼにおいて、入手可能な市販酵素(アミラーゼ製剤)としては、ターマミル(Termamyl)、デュラミル(Duramyl)、ステインザイム(Stainzyme)、プロモザイム(Promozyme)200L(以上、商品名;ノボザイムズ社製);マキサミル(Maxamyl)(商品名、ジェネンコア社製)、プルラナーゼアマノ(商品名、天野製薬社製)、DB−250(商品名、Aerobacter aerogenes ATCC9621由来のプルラナーゼ:クルードまたは結晶化品、生化学工業社製)等を挙げることができる。このうち、1種類または2種類以上を組み合わせて使用することもできる。
本発明におけるアミラーゼとしては、アミラーゼ製剤を用いることができ、たとえば、デュラミル16L、ステインザイム12L、ターマミルウルトラ300L(以上、商品名;ノボザイムズ社製)が好適なものとして挙げられ、ステインザイム12L、ターマミルウルトラ300Lが特に好ましい。
本発明において使用できるリパーゼとは、International Union of Biochemistry and Molecular Biology(IUBMB)の推薦(1992)に従って、Enzyme Classification番号E.C.3.1.1(カルボン酸エステルヒドロラーゼ)下で分類された酵素を示す。
つまり、リパーゼは、モノ−、ジ−およびトリグリセリド、リン脂質(すべての種類)、チオエステル、コレステロールエステル、ワックス−エステル、クチン、スベリン、合成エステル等の脂質の少なくとも1つに存在するエステル結合のタイプの少なくとも1つに対して加水分解活性を示す酵素である。つまり、リパーゼとは、従来、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼまたはクチナーゼ等として称せられているものを含んでおり、天然に存在する酵素、および天然に存在する酵素に比べて1または複数のアミノ酸残基が変性されている変異体を包含する。
リパーゼの具体例としては、リポラーゼ、リポラーゼウルトラ、ライペックス、ライペックス100L(以上、商品名;ノボザイムズ社製)、リポサム(商品名、昭和電工(株)製)等の市販のリパーゼ(リパーゼ製剤)を挙げることができる。
本発明におけるリパーゼとしては、たとえば、リポラーゼウルトラ、ライペックス、ライペックス100L(以上、商品名;ノボザイムズ社製)が好適なものとして挙げられ、ライペックス100Lが特に好ましい。
(C)成分は、1種または2種以上混合して用いることができる。
(C)成分の含有量は、衣料用液体洗浄剤組成物中、0.1〜3質量%であることが好ましく、0.1〜1質量%であることがより好ましい。該範囲の下限値以上であることにより、各種汚れに対する洗浄力(特に皮脂汚れ等の油性汚れに対する洗浄力)が向上する。一方、上限値以下であることにより、各種汚れに対する洗浄力が充分に得られ、経済的にも有利となる。
(C)成分は、通常の造粒法に基づき、安定剤、フィラー、増量剤、増白剤、バインダー、コーテイング剤等との造粒物としたものを用いることもできる。また、2種以上の酵素の造粒に際しては、別々に造粒してもよいし、酵素を混合し、同一造粒物としてもよい。通常、酵素造粒物中の酵素の含有量としては、酵素タンパク量として0.1〜10質量%程度であり、好ましくは0.5〜5質量%であり、より好ましくは1〜3質量%である。
酵素含有粒子の造粒方法としては、特開昭53−6484号公報、特開昭60−262900号公報、特開昭62−257990号公報、特開平1−112983号公報、特表平3−503775号公報、特表平4−503369号公報、特開2000−178593号公報記載の方法等が挙げられる。
上記酵素含有粒子の平均粒子径は、溶解性および保存安定性の点から、200〜1000μmが好ましく、より好ましくは300〜700μmである。
なお、衣料用液体洗浄剤組成物中の酵素タンパク量の定量は、必要に応じて塩析法、沈殿法、限外濾過法等の分離手段により粗酵素を得た後、公知の方法により精製結晶化するか、あるいはドデシル硫酸ナトリウム(SDS)−ポリアクリルアミドゲル電気泳動で形成されるバンドを公知の染色法によって染色し、染色の程度を既知の酵素精製品と比較することにより可能である。
本発明の衣料用液体洗浄剤組成物においては、(B)成分と(C)成分とを併用することにより、泥汚れ、皮脂汚れ等の油性汚れ、およびカレー汚れ等の食べこぼし汚れの各種汚れに対する洗浄力が安定に得られる。かかる理由については定かではないが、おそらく、(B)成分と(C)成分との併用により、液体洗浄剤組成物中で(C)成分が安定に溶存することができ、それによって経時による(C)成分の活性低下が抑制されるため、前記洗浄力が安定に得られるようになると推測される。
<(D)成分>
本発明において、(D)成分は、前記一般式(I)で表される化合物である。該(D)成分を含有することにより、泥汚れに対する洗浄力がより向上する。
前記一般式(I)中、X”、Y”、Z”は、それぞれ独立して水素原子、Cn”2n”+1(n”は1〜3の整数である。)または(CHCHであり、好ましくはCH、(CHCHであり、より好ましくはCHである。
Mは、前記一般式(II)中のM’と同様のものが挙げられ、好ましくはナトリウム、モノエタールアミン、ジエタノールアミンである。
具体的な化合物の例としては、たとえばベンゼンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、ベンゼンスルホン酸カリウム塩、ベンゼンスルホン酸アンモニウム塩、ベンゼンスルホン酸マグネシウム塩、ベンゼンスルホン酸カルシウム塩、ベンゼンスルホン酸モノエタノールアミン塩、ベンゼンスルホン酸ジエタノールアミン塩、ベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン塩、p−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸ナトリウム塩、p−トルエンスルホン酸カリウム塩、p−トルエンスルホン酸アンモニウム塩、p−トルエンスルホン酸マグネシウム塩、p−トルエンスルホン酸カルシウム塩、p−トルエンスルホン酸モノエタノールアミン塩、p−トルエンスルホン酸ジエタノールアミン塩、p−トルエンスルホン酸トリエタノールアミン塩、o−またはm−またはp−キシレンスルホン酸、o−またはm−またはp−キシレンスルホン酸ナトリウム塩、o−またはm−またはp−キシレンスルホン酸カリウム塩、o−またはm−またはp−キシレンスルホン酸アンモニウム塩、o−またはm−またはp−キシレンスルホン酸マグネシウム塩、o−またはm−またはp−キシレンスルホン酸カルシウム塩、o−またはm−またはp−キシレンスルホン酸モノエタノールアミン塩、o−またはm−またはp−キシレンスルホン酸ジエタノールアミン塩、o−またはm−またはp−キシレンスルホン酸トリエタノールアミン塩、キュメンスルホン酸、キュメンスルホン酸ナトリウム塩、キュメンスルホン酸カリウム塩、キュメンスルホン酸アンモニウム塩、キュメンスルホン酸マグネシウム塩、キュメンスルホン酸カルシウム塩、キュメンスルホン酸モノエタノールアミン塩、キュメンスルホン酸ジエタノールアミン塩、キュメンスルホン酸トリエタノールアミン塩等が挙げられる。
なかでもp−トルエンスルホン酸、m−キシレンスルホン酸、キュメンスルホン酸もしくはこれらのモノエタノールアミン塩が好ましく、p−トルエンスルホン酸、キュメンスルホン酸、m−キシレンスルホン酸がより好ましい。
(D)成分は、1種または2種以上混合して用いることができる。
(D)成分の含有量は、衣料用液体洗浄剤組成物中、好ましくは1〜15質量%であり、より好ましくは、2〜10質量%であり、特に好ましいのは2〜6質量%である。(D)成分がこの範囲にあると、泥汚れに対する洗浄力がより向上する。また、衣料用液体洗浄剤組成物の液表面において、該衣料用液体洗浄剤組成物がゲル化することにより形成される皮膜の生成抑制効果も向上する。
<任意成分>
本発明の衣料用液体洗浄剤組成物には、前記(A)〜(D)成分以外に必要に応じて、その他の任意成分を配合することができる。
具体的には、たとえばアルカリ剤を配合することができる。
アルカリ剤としては、たとえばアルカノールアミン等が挙げられ、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンが好ましい。
アルカリ剤は、1種または2種以上混合して用いることができる。
アルカリ剤の含有量は、衣料用液体洗浄剤組成物中、好ましくは0.5〜15質量%である。
また、衣料用液体洗浄剤組成物は、抑泡剤として好ましくは炭素数8〜22の脂肪酸および/またはその塩を含有してもよい。
脂肪酸は、炭素数が8〜22のものが好ましく、たとえばカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の飽和脂肪酸;オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸等の不飽和脂肪酸のいずれであってもよい。なかでもパルミチン酸が最も好ましい。
塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;アンモニウム塩;モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩などが挙げられる。
抑泡剤は、1種または2種以上混合して用いることができる。
抑泡剤の含有量は、衣料用液体洗浄剤組成物中、好ましくは0〜1質量%である。
また、ハイドロトロープ剤としてエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のグリコール系溶剤;エタノールなどのアルコール等が挙げられる。なかでも、液安定性がより向上することから、重量平均分子量400〜5000(好ましくは1000程度)のポリエチレングリコールが好ましい。また、液安定性と防腐力とがより向上することから、エタノールも好ましい。
ハイドロトロープ剤は、1種または2種以上混合して用いることができる。
ハイドロトロープ剤の含有量は、衣料用液体洗浄剤組成物中、0.5〜10質量%であることが好ましい。
また、衣料用液体洗浄剤組成物は、アニオン界面活性剤を配合することができる。
アニオン界面活性剤としては、たとえば炭素数8〜16のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸塩、炭素数10〜20のアルキル基を有するアルキル硫酸塩;炭素数10〜20のアルキル基を有し、エチレンオキサイドの平均付加モル数1〜10のポリオキシエチレンアルキルエ−テル硫酸塩;炭素数10〜20のアルキル基を有するα−オレフィンスルホン酸塩、炭素数10〜20のアルキル基を有するアルカンスルホン酸塩、炭素数10〜20のアルキル基を有するα−スルホ脂肪酸メチルエステル塩;炭素数10〜20のアルキル基を有し、エチレンオキサイドの平均付加モル数1〜10のポリオキシエチレンアルキルエ−テルカルボン酸塩等が挙げられる。
アニオン界面活性剤は、1種または2種以上混合して用いることができる。
アニオン界面活性剤の含有量は、衣料用液体洗浄剤組成物中、0〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは1〜5質量%である。
また、衣料用液体洗浄剤組成物は、金属イオン捕捉剤を配合することができる。
金属イオン捕捉剤としては、たとえばクエン酸;1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、ニトリロトリメチレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラキスメチレンホスホン酸等の有機ホスホン酸誘導体;ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン3酢酸、ジエチレントリアミン5酢酸、トリエチレンテトラミン6酢酸等のアミノポリ酢酸類;ジカルボキシメチルグルタミン酸等の有機酸類、ポリアクリル酸等の高分子キレート剤等が挙げられる。なかでも、衣料用液体洗浄剤組成物の保存安定性の向上効果が良好な点から、有機ホスホン酸誘導体が好ましく、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸がより好ましい。
金属イオン捕捉剤は、1種または2種以上混合して用いることができる。
金属イオン捕捉剤の含有量は、衣料用液体洗浄剤組成物中、0.1〜5質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜3質量%である。
さらに、本発明にかかる衣料用液体洗浄剤組成物は、再汚染防止を目的としてポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース等の再汚染防止剤を0〜2質量%;洗浄力向上を目的としてセルラーゼ等の酵素(プロテアーゼ、アミラーゼおよびリパーゼを除く。)を0〜1質量%;酵素安定化を目的としてホウ酸、ホウ砂、蟻酸またはその塩、塩化カルシウム、硫酸カルシウム等のカルシウム塩類を0〜3質量%;風合い向上を目的としてジメチルシリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン等のシリコーンを0〜5質量%;白色衣料の白度向上を目的としてジスチリルビフェニル型等の蛍光増白剤を0〜1質量%;衣料用液体洗浄剤組成物の着色を目的として酸性染料等の色素を0.0001〜0.001質量%;香気安定化を目的としてジブチルヒドロキシトルエン等の酸化防止剤を0.0001〜0.5質量%;液安定性や防腐性を目的として安息香酸ナトリウム、ケーソンCG(商品名)等の防腐剤を0.001〜1質量%等を配合することができる。
また、芳香のための香料としては、特開2002−146399号公報に記載の香料成分、溶剤および安定化剤を含有する香料組成物等が挙げられ、本発明の衣料用液体洗浄剤組成物中に0.01〜1質量%を配合することができる。
さらに、pH調整剤として塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸;多価カルボン酸類(コハク酸、マレイン酸、フマル酸またはそれらの塩など)、ヒドロキシカルボン酸類(クエン酸、リンゴ酸、グリコール酸、p−ヒドロキシ安息香酸またはそれらの塩など)等の有機酸;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等が挙げられる。
pH調整剤は、1種または2種以上混合して用いることができる。
本発明の衣料用液体洗浄剤組成物(25℃に調温)のpHは、洗浄力(特に泥汚れに対する洗浄力)と、衣料用液体洗浄剤組成物の保存後(経時で)の洗浄力維持の観点から、pH7〜11であることが好ましく、pH9〜10.5であることがより好ましい。
なお、ここで「衣料用液体洗浄剤組成物(25℃に調温)のpH」は、pHメーター(製品名:HM−30G、東亜ディーケーケー(株)製)等により測定される値を示す。
本発明の衣料用液体洗浄剤組成物は、好適には水を溶剤として、常法に基づいて製造することができる。
使用方法は、通常の使用方法、すなわち本発明の衣料用液体洗浄剤組成物(本発明品)を、洗濯時に洗濯物と一緒に水に投入する方法、洗濯物の各種汚れ部位に本発明品を直接塗布する方法、本発明品を予め水に溶かして衣類を浸漬する方法等が挙げられる。また、本発明品を洗濯物に塗布後、適宜放置し、その後、通常の洗濯液(たとえば、従来のアニオン界面活性剤を含有する洗浄剤組成物を溶解させた洗濯液など)を用いて通常の洗濯を行う方法も好ましい。
本発明によれば、泥汚れ、皮脂汚れ等の油性汚れ、およびカレー汚れ等の食べこぼし汚れのいずれの汚れに対しても優れた洗浄効果を発揮する衣料用液体洗浄剤組成物を提供することができる。
また、本発明によれば、液体洗浄剤組成物において酵素を安定に配合することができ、良好な洗浄力が得られる。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、「%」は特に断りがない限り「質量%」を示す。
≪衣料用液体洗浄剤組成物の製造:実施例1〜16,比較例1〜12≫
表1、2に示す組成の衣料用液体洗浄剤組成物を、常法に準じて、以下のように製造した。ただし、実施例5、6、8、13、14、16はいずれも参考例である。
まず、(A)成分とポリエチレングリコールとを50℃以下で撹拌、溶解した後、40℃以下まで冷却した。その後の工程は、すべて室温〜40℃の間で行った。
次に、(B)成分、モノエタノ−ルアミンを加え、撹拌した。次いで、全体量(全体量を100質量部とする。)が90質量部になる様に精製水を加えた後、香料を加え撹拌した。
その後、(C)成分、(D)成分、その他の任意成分を加え、撹拌した後、pHを調整し、残りの精製水を加えて衣料用液体洗浄剤組成物を製造した。
pHの調整は、衣料用液体洗浄剤組成物の25℃でのpHが、表1、2にそれぞれ示すpHとなるように、pH調整剤(水酸化ナトリウムまたは硫酸)を適宜添加することにより行った。
なお、表1、2中の配合量の単位は質量%であり、純分換算量を示す。また、総量が100質量%となるように水量を調整した。下記に、表中に示した成分について説明する。
・(A)成分
A−1:C2n+1O(EO)15H(n=12の化合物と、n=13の化合物との質量比で55/45の混合物);合成品。
(A−1の合成方法)
Sasol製の「Safol23アルコ−ル」(商品名;炭素数12のアルコールと炭素数13のアルコールとの質量比で55/45の混合物、分岐率*1 50質量%)224.4g、30質量%NaOH水溶液2.0gを、耐圧型反応容器中に採取し、容器内を窒素置換した。
次に、温度100℃、圧力2.0kPa以下で30分間脱水してから、温度を160℃まで昇温した。アルコ−ルを撹拌しながら酸化エチレン(ガス状)763.6gを、吹き込み管を使って、反応温度が180℃を超えないように添加速度を調整しながらアルコ−ルの液中に徐々に加えた。
酸化エチレンの添加終了後、温度180℃、圧力0.3MPa以下で30分間熟成した後、温度180℃、圧力6.0kPa以下で10分間未反応の酸化エチレンを留去した。
次に、温度を100℃以下まで冷却した後、反応物の1質量%水溶液のpHが約7になるように、p−トルエンスルホン酸(70質量%)を加えて中和し、A−1を得た。
*1分岐率:分岐率とは、全炭素数に対する分岐鎖を構成する炭素数の割合を示す。
A−2:(C2n+1)CH (C2m+1)O(EO)H(m+n=11〜13;炭素数12〜14の分岐鎖状のアルキル基を有するポリオキシエチレンアルキルエーテル)、分岐鎖含有2級アルコ−ルの平均EO(エチレンオキシド)9モル付加物、日本触媒(株)製、商品名「ソフタノ−ル90」。
A−3:C2n+1O(EO)15H(n=12の化合物と、n=14の化合物との質量比で71/29の混合物;合成品。
(A−3の合成方法)
A−1の合成方法において、P&G製のC12,14アルコール(炭素数12のアルコールと炭素数14のアルコールとの質量比で71/29の混合物;商品名:CO−1214、分岐率*1 0質量%)224.4gと、酸化エチレン(ガス状)760.4gとを用いた以外は、A−1の合成方法と同様の方法により合成した。
A−4:C1327O(EO)H(分岐型の炭素鎖)、BASF社製、商品名「Lutenzol TO7」。
・(B)成分
B−1:ラウリルアミノプロピオン酸Na、一方社油脂工業(株)製。
B−2:ラウリン酸アミドプロピルベタイン、川研ファインケミカル(株)製、商品名「ソフタゾリン LPB」。
B−3:ラウリルジメチルベタイン、花王(株)製、商品名「アンヒト−ル24B」。
・(C)成分
C−1:プロテアーゼ、ノボザイムズ製、商品名「エバラーゼ16L TypeEX」。
C−2:アミラーゼ、ノボザイムズ製、商品名「ステインザイム12L」。
C−3:プロテアーゼ、ノボザイムズ製、商品名「サビナーゼ16L」。
C−4:アミラ−ゼ、ノボザイムズ製、商品名「ターマミルウルトラ300L」。
C−5:リパーゼ、ノボザイムズ製、商品名「ライペックス100L」。
・(D)成分
D−1:p−トルエンスルホン酸、協和発酵工業(株)製。
D−2:キュメンスルホン酸、テイカ(株)製、商品名「テイカトックス 500」。
D−3:m−キシレンスルホン酸、三菱ガス化学(株)製、商品名「SXA−60」。
・任意成分
モノエタノ−ルアミン:(株)日本触媒製。
パルミチン酸:日本油脂(株)製。
エタノ−ル:NEDO製、商品名「95vol%合成エタノール」。
ポリエチレングリコ−ル:日本油脂(株)製、商品名「PEG#1000」。
HEDP:1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、ALBRITE&WILSON製、商品名「BRIQUEST ADPA−A」。
香料組成物:特開2002−146399号公報記載の表11〜18記載の香料組成物A〜D。
硫酸:東邦亜鉛(株)製。
水酸化ナトリウム:鶴見曹達(株)製。
≪評価≫
得られた衣料用液体洗浄剤組成物について、以下に示す方法及び評価基準によって、泥汚れ、油性汚れの代表として皮脂汚れ、食べこぼし汚れの代表としてカレー汚れに対する洗浄力の評価を行い、その結果を表1、2にそれぞれ併記した。
<泥汚れ汚染布の調製>
園芸用黒土(kyotochiya製)10gを秤量し、水道水500g中に投入し、ホモジナイザー(KINEMATICAスイス)社製、商品名「ポリトロン Type PT 10/35」にて、80rpmで約5分間分散させた。
得られた泥分散液中に、10cm×25cmに裁断した綿メリヤスニット布((株)谷頭商店製 染色試材、綿ニット未シル晒)(以下、「原布」という。)15枚を浸漬させ、かかる綿メリヤスニット布を手で良く揉み、綿メリヤスニット布全体に均一に泥分散液を含ませた。そして、その綿メリヤスニット布を取り出し、ロ−ラ−で軽く絞った。1時間自然乾燥させた後、105℃の恒温槽にて、さらに1時間乾燥させた。
最後に、綿メリヤスニット布表面をウレタンスポンジで擦り、余分な泥粒子を落としたものをモデル泥汚れ布として、評価に供した。
上記で調製した各モデル泥汚れ布を5枚(各2×2cm)に分断し、これを評価布(汚染布)として、実験に使用した。
洗浄方法としては、汚染布5枚あたり、各例の衣料用液体洗浄剤組成物0.6gを塗布し、5分間放置後、5枚の汚染布をそのままTerg−O−Tometerに投入し、25℃水道水(硬度3DH)0.9Lを入れ、120rpmで10分間撹拌した後、二槽式洗濯機(三菱電機(株)製、品番:CW−C30A1−H1)に移し、1分間脱水した。その後、1分間流水すすぎ、1分間脱水をした後、風乾した。
<皮脂汚れ汚染布の調製>
10cm角に裁断した100番手の綿平織り布(原布)に、顔面の皮脂汚れを擦りつけて皮脂汚れ布(汚染布)10枚を作製し、実験に使用した。
各例の衣料用液体洗浄剤組成物としては、30℃で1週間保存する前と後のものをそれぞれ用いた。
洗浄方法としては、前記保存前後の各例の衣料用液体洗浄剤組成物0.6gをTerg−O−Tometerに投入し、30秒間撹拌した後、10枚の汚染布をそのままTerg−O−Tometerに投入し、15℃水道水(硬度3DH)0.9Lを入れ、120rpmで10分間撹拌した後、二槽式洗濯機(三菱電機(株)製、品番:CW−C30A1−H1)に移し、1分間脱水した。その後、1分間流水すすぎ、1分間脱水をした後、風乾した。
<カレー汚れ汚染布の調製>
ボンカレーゴ−ルド中辛口(商品名、大塚食品(株))をガーゼでろ過したものをステンレスバットに開けた中に、100番手の綿平織り布(原布)を約1時間浸漬した後、ブラッシング過剰に付着した汚れを脱落させ、一夜風乾し、10cm×10cmに裁断したもの10枚をカレー汚れ布(汚染布)とした。
各例の衣料用液体洗浄剤組成物としては、30℃で1週間保存する前と後のものをそれぞれ用いた。
洗浄方法としては、前記保存前後の各例の衣料用液体洗浄剤組成物0.6gを用い、上記皮脂汚れ汚染布の調製における洗浄方法と同様の方法を用いた。
<洗浄力の評価方法>
泥汚れ、皮脂汚れおよびカレー汚れの各汚れ付着前の原布と、各汚れ付着後の洗浄前後の汚染布のZ値(反射率)を、測色色差計(日本電色社製、製品名:SE2000)を用いて測定し、次式により洗浄率(%)を算出した。
洗浄率(%)=(洗浄後の各汚れ汚染布のZ値−洗浄前の各汚れ汚染布のZ値)/(原布のZ値−洗浄前の各汚れ汚染布のZ値)×100
各汚れに対する洗浄力の評価は、上式により算出される洗浄率(%)を用いて、下記基準において△、○、◎であれば洗浄力が良好であると判定した。なお、洗浄率(%)は、各汚れ汚染布10枚の平均値を用いた。
(泥汚れに対する洗浄力)
◎:洗浄率が30%以上。
○:洗浄率が25%以上30%未満。
△:洗浄率が20%以上25%未満。
×:洗浄率が20%未満。
(皮脂汚れに対する洗浄力)
◎:洗浄率が60%以上。
○:洗浄率が50%以上60%未満。
△:洗浄率が40%以上50%未満。
×:洗浄率が40%未満。
(カレー汚れに対する洗浄力)
◎:洗浄率が40%以上。
○:洗浄率が35%以上40%未満。
△:洗浄率が30%以上35%未満。
×:洗浄率が30%未満。
Figure 0004991199
Figure 0004991199
表1、2の結果から、本発明にかかる実施例1〜16は、泥汚れ、皮脂汚れ等の油性汚れ、カレー汚れ等の食べこぼし汚れのいずれの汚れに対しても優れた洗浄効果を発揮することが確認できた。
また、表1において、B−1を含有する実施例1〜4および実施例7は、保存後の皮脂汚れに対する洗浄力が、保存前の皮脂汚れに対する洗浄力に比べて低下することなく、優れた洗浄効果を発揮することが確認できた。
また、表2において、B−1を含有する実施例9〜12および実施例15は、保存後のカレー汚れに対する洗浄力が、保存前のカレー汚れに対する洗浄力に比べて低下することなく、優れた洗浄効果を発揮することが確認できた。
一方、比較例1〜12は、いずれかの評価項目が悪いことが確認できた。

Claims (1)

  1. 非イオン界面活性剤(A)10質量%以上と、下記一般式(II)で表される化合物(B1)と、プロテアーゼ、アミラーゼおよびリパーゼの群から選択される少なくとも1種の酵素(C)と、下記一般式(I)で表される化合物(D)とを含有することを特徴とする衣料用液体洗浄剤組成物。
    Figure 0004991199
    [式(II)中、Rは炭素数10〜20の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基またはアルケニル基であり;Rは炭素数1〜5の2価の炭化水素基であり;Rは水素原子またはR−COOM’を示す。M’は水素原子、アルカリ金属原子、N またはアルカノールアミン類を示す。]
    Figure 0004991199
    [式(I)中、X”、Y”、Z”はそれぞれ独立して水素原子、Cn”2n”+1(n”は1〜3の整数である。)または(CHCHであり;Mは水素原子、アルカリ金属原子、N またはアルカノールアミン類を示す。]
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