JP7138552B2 - 繊維製品用の液体洗浄剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、繊維製品用の液体洗浄剤組成物に関する。
衣料等を洗浄対象とする繊維製品用の洗浄剤組成物としては、粉末洗浄剤組成物と液体洗浄剤組成物との2種が一般的である。液体洗浄剤組成物は、溶け残りの懸念がないことや衣料等に塗布して使用できることから、その需要が高まっている。
洗浄剤組成物においては、界面活性剤が主な洗浄成分として働き、酵素等の種々の成分が配合されている。酵素は、少量で様々な性能を発揮する成分として重要な役割を担っている。
購入時の利便性等を考慮して、界面活性剤を高濃度に含有し、1回の使用量が少ない、いわゆる「コンパクト型」の液体洗浄剤組成物がある。コンパクト型の液体洗浄剤組成物は、界面活性剤を高濃度に含有する分、水の含有量が少ない。このため、コンパクト型の液体洗浄剤組成物に酵素を配合すると、酵素の析出や変性が生じやすく、保存安定性がさらに低くなる。
こうした問題に対し、特許文献1には、ノニオン界面活性剤40質量%以上と、アミノカルボン酸又はその塩、及びホスホン酸又はその塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の成分と、α-ヒドロキシ-モノカルボン酸又はその塩と、プロテアーゼ等の酵素とを含有する液体洗浄剤組成物が提案されている。
国際公開第2012/144601号
近年、環境への配慮から、界面活性剤の含有量が少なく、かつ洗浄力に優れる液体洗浄剤組成物が求められている。
しかしながら、単に界面活性剤の含有量を低減すると、洗浄力が低下する。
加えて、液体洗浄剤組成物には、析出物の発生、分離、ゲル化等を生じにくい(液安定性が高い)ことが求められる。
そこで、本発明は、洗浄力に優れかつ液安定性に優れる液体洗浄剤組成物を目的とする。
本発明は以下の態様を有する。
[1](A)成分:アニオン界面活性剤(但し、高級脂肪酸及びその塩を除く)1~15質量%と、
(B)成分:アミラーゼ0.05~3質量%と、
(C)成分:酸化防止剤と、
(D)成分:ノニオン界面活性剤と、
を含有し、
前記(A)成分と前記(D)成分との合計が10~26質量%であり、
25℃におけるpHが7超である、繊維製品用の液体洗浄剤組成物。
[2]前記(D)成分/前記(A)成分で表される質量比が、0.5~10である、[1]に記載の繊維製品用の液体洗浄剤組成物。
[3]前記(B)成分/前記(C)成分で表される質量比が、0.06~250である、[1]又は[2]に記載の繊維製品用の液体洗浄剤組成物。
[4]前記(A)成分/前記(B)成分で表される質量比が、0.33~300である,[1]~[3]のいずれかに記載の繊維製品用の液体洗浄剤組成物。
[5]前記(C)成分の含有量は、0.005~1質量%である、[1]~[4]のいずれかに記載の繊維製品用の液体洗浄剤組成物。
[6]前記(C)成分/前記(A)成分で表される質量比が、0.0004~0.65である[1]~[5]のいずれかに記載の繊維製品用の液体洗浄剤組成物。
本発明の繊維製品用の液体洗浄剤によれば、洗浄力に優れかつ液安定性に優れる。
(液体洗浄剤)
本発明の繊維製品用の液体洗浄剤組成物(以下、単に液体洗浄剤組成物ということがある)は、(A)~(D)成分を含有する。
<(A)成分>
(A)成分は、高級脂肪酸及びその塩を除くアニオン界面活性剤である。
(A)成分としては、従来、液体洗浄剤組成物に用いられているアニオン界面活性剤を用いることができる。例えば、直鎖アルキル(C8~16)ベンゼンスルホン酸又はその塩;α-オレフィン(C10~20)スルホン酸又はその塩;直鎖状又は分岐鎖状のアルキル(C10~20)硫酸エステル又はその塩;ポリオキシアルキレン(平均1~10モルのオキシエチレン)アルキル(C10~20)エーテル硫酸エステル又はその塩(即ち、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩);ポリオキシアルキレン(平均1~10モルのオキシエチレン)アルケニル(C10~20)エーテル硫酸エステル又はその塩(即ち、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル硫酸エステル塩);アルキル基(C10~20)を有するアルカンスルホン酸又はその塩;α-スルホ脂肪酸(C10~20)エステル又はその塩等が挙げられる。これらの中でも直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩が、食べ物汚れの一部であるタンパク質変性作用の観点から好ましい。()内の「C〇〇~〇〇」は炭素数を表す。
アニオン界面活性剤の塩の形態としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩;マグネシウム等のアルカリ土類金属塩;モノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム等のアルカノールアミン塩等が挙げられる。(A)成分は、1種単独でもよいし、2種以上の組み合わせでもよい。
(A)成分としては、上記以外に、例えば、アルキルエーテルカルボン酸又はその塩、ポリオキシアルキレンエーテルカルボン酸又はその塩、アルキルアミドエーテルカルボン酸又はその塩、アルケニルアミドエーテルカルボン酸又はその塩、アシルアミノカルボン酸又はその塩等のカルボン酸型アニオン界面活性剤;アルキルリン酸エステル又はその塩、ポリオキシアルキレンアルキルリン酸エステル又はその塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルリン酸エステル又はその塩、グリセリン脂肪酸エステルモノリン酸エステル又はその塩等のリン酸エステル型アニオン界面活性剤等が挙げられる。
これらのアニオン界面活性剤は、市販品を用いてもよい。
(A)成分の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して、1~15質量%であり、3~10質量%が好ましく、4~6質量%以下がより好ましい。(A)成分の含有量が上記下限値以上であると、食べ物汚れの一部であるタンパク質に対する洗浄力をより高められる。(A)成分の含有量が上記上限値以下であると、液体洗浄剤組成物の液安定性をより高められる。
<(B)成分>
(B)成分は、アミラーゼである。(B)成分を含有することで、液体洗浄剤組成物は、食べ物汚れの一部であるデンプンに対する洗浄力を高められる。
(B)成分は、デンプン、グリコーゲン等のα-1,4結合を加水分解する酵素であればよい。(B)成分としては、α-アミラーゼ、β-アミラーゼ、α-グルコシターゼ、グルコアミラーゼ;デンプンやグリコーゲン等のα-1,6結合を加水分解するグルコアミラーゼ、プルラナーゼ、イソアミラーゼ、アミロ-1,6グルコシターゼ/4-αグルカノトランスフェラーゼ、オリゴ-1,6-グルコシターゼ等が挙げられる。
これらのアミラーゼは、1種単独でもよいし、2種以上の組み合わせでもよい。
(B)成分の市販酵素(アミラーゼ製剤)としては、ターマミルウルトラ(Termamyl Ultra)300L、デュラミル(Duramyl)16L、ステインザイム(Stainzyme)12L、プロモザイム(Promozyme)200L、アンプリファイプライム(Amplify Prime)100L、Medley Core210L(商品名、アミラーゼとプロテアーゼとの混合酵素、以上ノボザイムズ社製);マキサミル(Maxamyl)(商品名、ジェネンコア社製)、プルラナーゼアマノ(商品名、天野製薬社製)、DB-250(商品名、Aerobacter aerogenes ATCC9621由来のプルラナーゼ、クルード又は結晶化品、生化学工業社製)等が挙げられる。これらのアミラーゼ製剤の1g当たりの活性は、1~800(kAU/g)が好ましく、20~600(kAU/g)がより好ましく、50~400(kAU/g)がさらに好ましい。
これらのアミラーゼ製剤は、1種単独でもよいし、2種以上の組み合わせでもよい。
(B)成分の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対し、0.05~3質量%であり、0.05~2質量%が好ましく、0.1~1質量%がより好ましい。(B)成分の含有量が上記下限値以上であれば、洗浄力をより高められる。(B)成分の含有量が上記上限値以下であれば、析出をより抑制でき、液安定性をより高められる。
なお、(B)成分の含有量は、製剤としての含有量である。
(A)成分/(B)成分で表される質量比(A/B比)は、0.33~300が好ましく、1.5~200がより好ましく、4~60がさらに好ましく、5~30が特に好ましい。A/B比が上記下限値以上であれば、(A)成分の含有量が充分となり、タンパク質に対する洗浄力のさらなる向上を図れる。A/B比が上記上限値以下であれば、(B)成分の活性の低下をより抑制でき、デンプン等を含む食べ物汚れに対する洗浄力のさらなる向上を図れる。
また、液体洗浄剤組成物1g当たりのアミラーゼ活性(AU/g)は、0.0005~24(kAU/g)が好ましく、0.001~16(kAU/g)がより好ましく、0.05~8(kAU/g)がさらに好ましい。
≪アミラーゼ活性≫
アミラーゼ活性は、例えば、以下の方法で測定される。
本明細書において「アミラーゼ活性単位(AU)」とは、α-アミラーゼが、澱粉中のα-1,4-グルコシド結合を加水分解する活性である。アミラーゼ活性単位(AU)は、既知活性の標準酵素「ファデバスヒトα-アミラーゼコントロール」により作成された吸光度検量線(試薬付属)から換算した値である。なお、1U/Lが1AUである。
[洗浄剤組成物1g当たりのアミラーゼ活性Eaの測定方法]
洗浄剤組成物1g当たりのアミラーゼ活性Eaは、例えば、以下の方法で測定される値である。アミラーゼ活性Eaは、「ファデバスアミラーゼテスト」(Magle Life Sciences社製)を用いて測定される。
検量線の作成には、各濃度に希釈した標準酵素液を用いる。標準酵素液を入れた試験管に、緩衝液5g及び基質である青色澱粉ポリマーを含有した錠剤1錠を加える。緩衝液は、亜硫酸ナトリウム20g、リン酸二水素カリウム5g、リン酸水素二ナトリウム・12水和物10g、塩化カルシウム・2水和物0.05g、Brij35(30%水溶液)1mLをイオン交換水で1Lとした混合液である。
錠剤が崩壊するまで混和し、37℃の恒温槽で15分間正確に保温し酵素反応を行う。1mol/L水酸化ナトリウム溶液1mLを加えて、酵素反応を停止させた後、不溶成分をろ紙でろ過して取り除き、ろ液を回収する。回収したろ液の吸光度を波長620nmで測定することで検量線を得る。
液体洗浄剤組成物0.1gを緩衝液で300倍に希釈し、この溶液をサンプル溶液とした。緩衝液は、亜硫酸ナトリウム20g、リン酸二水素カリウム5g、リン酸水素二ナトリウム・12水和物10g、塩化カルシウム・2水和物0.05g、Brij35(30%水溶液)1mLをイオン交換水で1Lとした混合液である。
サンプル溶液1gに、上記緩衝液5g及びファデバスアミラーゼテスト(Magle Life Sciences社製)1錠を添加し、ボルテックスミキサーで10秒間撹拌した後、37℃、15分間静置して酵素反応を進める。その後、前記溶液に1N水酸化ナトリウム水溶液(関東化学製)1gを添加し、ボルテックスミキサーで10秒間撹拌して反応を停止する。その後、この溶液を37℃、15分間静置して、不溶成分をろ紙にてろ過し、ろ液を回収する。回収したろ液の620nmにおける吸光度(吸光度α)を、島津製作所社製の紫外可視分光光度計UV-160を用いて測定した。目的成分以外の吸収の影響を除くため、別途、各サンプル溶液1gに、1N水酸化ナトリウム水溶液1gを添加し、ボルテックスミキサーで10秒間撹拌した後、リン酸水溶液5g及びファデバスアミラーゼテスト50Tを1錠添加し、ボルテックスミキサーで10秒間撹拌し、37℃、15分間静置する。その後前記溶液の不溶成分をろ紙にてろ過した。前記ろ液の波長620nmの吸光度(吸光度β)を、UV-160を用いて測定する。次いで、吸光度αと吸光度βとの差を求める。この差を、アミラーゼを含有する洗浄剤組成物の吸収度値とする。
そして、活性既知のアミラーゼ酵素で作成した検量線を基にして計算した濃度から、洗浄剤組成物1g当たりのプロテアーゼ活性(AU)を算出する。
[アミラーゼ製剤1g当たりの活性の測定方法]
(B)成分(アミラーゼ酵素製剤)1g当たりの活性は、例えば、以下の方法で測定される値である。
アミラーゼ酵素製剤0.1gを上記緩衝液に溶解して100mLに定容する。この酵素溶液1mLをイオン交換水に溶解して100mLに定容することにより、濃度0.001質量%のアミラーゼ酵素製剤水溶液を調製する。
このアミラーゼ酵素製剤水溶液1mLに上記緩衝液5g及びファデバスアミラーゼテスト(Magle Life Sciences社製)1錠を添加し、ボルテックスミキサーで10秒間撹拌した後、37℃、15分間静置して酵素反応を進める。その後、前記溶液に1N水酸化ナトリウム水溶液(関東化学製)1gを添加し、ボルテックスミキサーで10秒間撹拌して、反応を停止する。その後、この溶液を37℃、15分間静置して、不溶成分をろ紙にてろ過し、ろ液を回収する。回収したろ液の620nmにおける吸光度(吸光度a)を、島津製作所社製の紫外可視分光光度計UV-160で測定する。目的成分以外の吸収の影響を除くため、別途、各サンプル溶液1gに、1N水酸化ナトリウム水溶液1gを添加し、ボルテックスミキサーで10秒間撹拌した後、リン酸水溶液5g及びファデバスアミラーゼテスト50Tを1錠添加し、ボルテックスミキサーで10秒間撹拌し、37℃、15分間静置する。前記溶液の不溶成分をろ紙にてろ過する。前記ろ液の波長620nmの吸光度(吸光度b)を、UV-160で測定する。次いで、吸光度aと吸光度bとの差を求める。この差をアミラーゼ製剤の吸収度値とする。
活性既知のアミラーゼ酵素で作成した検量線を基にして計算した濃度から、(B)成分1g当たりのアミラーゼ活性(AU)を算出する。
<(C)成分:酸化防止剤>
(C)成分は、酸化防止剤である。液体洗浄剤組成物は、(C)成分を含有することで、(B)成分の活性の低下を抑制し、洗浄力を高められる。加えて、液体洗浄剤組成物は、(C)成分を含有することで、液体洗浄剤組成物を収容する容器のヘッドスペース中の酸素を吸収しにくくなる。即ち、ヘッドスペース中の酸素濃度低下を抑制できる。さらに、液体洗浄剤組成物が色素製剤を含有する場合、液体洗浄剤組成物が光に曝されたときの退色を抑制できる。
(C)成分としては、アスコルビン酸、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ジスチレン化クレゾール、亜硫酸ナトリウム、及び亜硫酸水素ナトリウム等が挙げられる。中でも、(C)成分としては、アスコルビン酸、BHT、BHAからなる群から選ばれる1種以上を含有することが好ましく、BHTがより好ましい。BHTは、酵素の安定化に優れ、かつ、ヘッドスペース中の酸素濃度の低下及び退色抑制にも優れる。
これらの(C)成分は、1種単独でもよいし、2種以上の組み合わせでもよい。
(C)成分の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して、0.005~1質量%であり、0.008~0.8質量%が好ましく、0.01~0.6質量%がより好ましい。(C)成分の含有量が上記範囲内であれば、(C)成分の活性の低下を抑制し、洗浄力を高められる。
(B)成分/(C)成分で表される質量比(B/C比)は、0.06~250が好ましく、0.2~100がより好ましく、0.2~30がさらに好ましく、1~20が特に好ましい。B/C比が上記下限値以上であれば、(B)成分の含有量が充分になり、デンプン等を含む食べ物汚れに対する洗浄力のさらなる向上を図れる。B/C比が上記上限値以下であれば、(C)成分が(B)成分の活性の低下をより抑制して、デンプン等を含む食べ物汚れに対する洗浄力のさらなる向上を図れる。
(C)成分/(A)成分で表される質量比(C/A比)は、0.0004~0.65が好ましく、0.0008~0.25がより好ましく、0.002~0.15がさらに好ましく、0.01~0.12が特に好ましい。C/A比が上記下限値以上であれば、(C)成分の含有量が充分になり、(B)成分の活性の低下をより抑制して、デンプン等を含む食べ物汚れに対する洗浄力のさらなる向上を図れる。C/A比が上記上限値以下であれば、(A)成分の含有量が充分となり、タンパク質汚れに対する洗浄力のさらなる向上を図れる。
<(D)成分>
(D)成分はノニオン界面活性剤である。ノニオン界面活性剤としては、例えば、下記一般式(d1)で表されるポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤が挙げられる。
11-X-[(EO)/(PO)]-R12・・・(d1)
(式(d1)中、R11は炭素数8~18の炭化水素基を表し、XはO、COO又はCONHを表し、R12は水素原子、炭素数1~6のアルキル基、又は炭素数2~6のアルケニル基を表す。sはEOの平均繰り返し数を表し、6~20の数である。tはPOの平均繰り返し数を表し、0~6の数である。EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基を表し、EOとPOとは混在して配列していてもよい。)
式(d1)中、R11は、洗浄力が良好であることから、炭素数10~18の炭化水素基であることが好ましく、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。炭化水素基としては、1級又は2級の高級アルコール、高級脂肪酸、高級脂肪酸アミド等の原料に由来するものが挙げられる。
12のアルキル基としては、炭素数1~3のアルキル基が好ましい。R12のアルケニル基としては、炭素数2~3のアルケニル基が好ましい。また、XはO、又はCOOが好ましい。
前記式(d1)中、XがOの場合、ノニオン界面活性剤はアルキルエーテル型ノニオン界面活性剤である。XがOの場合、洗浄力向上の観点から、R11は炭素数10~18の炭化水素基であることが好ましい。また、R11は不飽和結合を有していてもよい。また、sは10~20であることが好ましく、14~18がより好ましく、R12は、水素原子であることが好ましい。
式(d1)中、XがCOOの場合、ノニオン界面活性剤は脂肪酸エステル型ノニオン界面活性剤である。XがCOOの場合、洗浄力の更なる向上の観点から、R11は炭素数9~18の炭化水素基であることが好ましく、炭素数11~18の炭化水素基であることがより好ましい。また、R11は不飽和結合を有していてもよい。また、R12は、炭素数1~3のアルキル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。
式(d1)中、sは、6~20の数であり、10~18が好ましく、14~18がより好ましい。sが前記範囲内であれば、洗浄力のさらなる向上を図れる。
式(d1)中、tは、0~6の数であり、0~3が好ましく、0がより好ましい。tが前記範囲内であれば、高温下での液安定性が良好となりやすい。
式(d1)中の[(EO)/(PO)]において、EOとPOとは混在して配列していてもよい。EOとPOが混在して配列している場合、ランダム状であってもよく、ブロック状であってもよい。
式(d1)で表されるノニオン界面活性剤において、EOの繰り返し数s(即ち、エチレンオキシドの平均付加モル数)又はPOの繰り返し数t(即ち、プロピレンオキシドの平均付加モル数)の分布は、本発明の効果を有する限り特に限定されない。前記付加モル数分布は、ノニオン界面活性剤を製造する際の反応方法によって変動する。例えば、エチレンオキシド又はプロピレンオキシドの付加モル数分布は、一般的な水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ触媒を用いて、エチレンオキシド又はプロピレンオキシドを炭化水素基の原料(1級又は2級の高級アルコール、高級脂肪酸、高級脂肪酸アミド等)に付加させた際には、比較的広い分布となる傾向にある。また、特公平6-15038号公報に記載のAl3+、Ga3+、In3+、Tl3+、Co3+、Sc3+、La3+、Mn2+等の金属イオンを添加した酸化マグネシウム等の特定のアルコキシル化触媒を用いて、エチレンオキシド又はプロピレンオキシドを前記炭化水素基の原料に付加させた際には、比較的狭い分布となる傾向にある。
式(d1)で表される成分としては、市販品であってもよい。市販品の具体例としては、三菱化学社製のDiadol(登録商標)(商品名、C13、Cは炭素数を示す。以下同様。)、Shell社製のNeodol(登録商標)(商品名、C12とC13との混合物)、Sasol社製のSafol(登録商標)23(商品名、C12とC13との混合物)等のアルコールに対して、12モル相当、又は15モル相当のエチレンオキシドを付加したもの;P&G社製のCO-1214(商品名)又はCO-1270(商品名)等の天然アルコールに対して、12モル相当、又は15モル相当のエチレンオキシドを付加したもの;炭素数12~14の第2級アルコールに対して、15モル相当のエチレンオキシドを付加したもの(日本触媒(株)社製のソフタノール(登録商標)150(商品名))等が挙げられる。さらには、ヤシ脂肪酸メチル(ラウリン酸/ミリスチン酸=8/2)に対して、アルコキシル化触媒を用いて、15モル相当の酸化エチレンを付加したもの(ポリオキシエチレンヤシ脂肪酸メチルエステル(EO15モル))が挙げられる。
これらの(D)成分は、1種単独でもよいし、2種以上の組み合わせでもよい。
(D)成分としては、液体洗浄剤組成物の洗浄力向上の観点から、式(d1)で表されるノニオン界面活性剤が好ましく、中でも、式(d1)において、XがOで、sが6~20で、tが0であるポリオキシエチレンアルキルエーテルがより好ましい。皮脂洗浄力の観点から、式(d1)において、EOの平均繰り返し数sは、10~20が好ましく、14~18がより好ましい。sが大きいと(B)成分の安定性が悪くなる傾向がある。このため、(B)成分の活性の低下をより抑制する観点から、EOの平均繰り返し数sは、6~16が好ましく、8~16がより好ましい。
(D)成分の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して、6~20質量%が好ましく、7~16質量%がより好ましく、8~12質量%がさらに好ましい。(D)成分の含有量が上記下限値以上であると、液安定性をより高められ、食べ物由来の汚れに対する洗浄力を向上しやすい。(D)成分の含有量が上記上限値以下であると、液体洗浄剤組成物のゲル化を抑制し、他の成分を充分に含有でき、(A)成分との相乗効果がられやすい。
(D)成分と(A)成分との合計量(AD合計量)は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して、10~26質量%であり、12~18質量%がより好ましい。AD合計量が上記下限値以上であると、皮脂汚れやタンパク質に対する洗浄力のさらなる向上を図れる。AD合計量が上記上限値以下であると、液体洗浄剤組成物の液安定性のさらなる向上を図れ、すすぎ性を高められる。すすぎ性を高めると、洗浄処理後のすすぎ処理の回数を減らすことができる。
(D)成分/(A)成分で表される質量比(D/A比)は、0.5~10が好ましく、1~10が好ましく、1.5~5がさらに好ましい。D/A比が上記下限値以上であれば、(B)成分の活性の低下をより抑制でき、デンプン等を含む食べ物汚れに対する洗浄力のさらなる向上を図れる。D/A比が上記上限値以下であれば、タンパク質汚れに対する洗浄力のさらなる向上を図れる。
<任意成分>
液体洗浄剤組成物は、(A)~(D)成分以外の任意成分を含有してもよい。任意成分としては、水、(A)成分及び(D)成分を除く界面活性剤(任意界面活性剤)、キレート剤、(B)成分以外の酵素(任意酵素)、抗菌剤、アルカリ剤、キレート剤、ハイドロトロープ剤、香料、色素等が挙げられる。
≪水≫
液体洗浄剤組成物は、水を含有してもよい。水の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して、60~90質量%が好ましく、70~90質量%がより好ましく、75~85質量%がさらに好ましい。
≪任意界面活性剤≫
任意界面活性剤としては、高級脂肪酸又はその塩(高級脂肪酸(塩))、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
「高級脂肪酸」とは、炭素数8~22の脂肪酸である。高級脂肪酸(塩)を含有することで、液体洗浄剤組成物は、すすぎ性を高められる。すすぎ性を高めると、洗浄処理後のすすぎ処理の回数を減らすことができる。
高級脂肪酸(塩)を配合すると、液安定性が低下しやすい。液体洗浄剤組成物のpHを7超にすることで液安定性を高められる。
高級脂肪酸としては、炭素数8~18の鎖状モノカルボン酸が好ましい。高級脂肪酸は、下記式(1)で表される。
-COOH・・・(1)
[式(1)中、Rは炭素数7~17の脂肪族炭化水素基である。]
式(1)中、Rの脂肪族炭化水素基は、直鎖状でもよく、分岐鎖状でもよい。Rとしては、直鎖又は分岐鎖のアルキル基、直鎖又は分岐鎖のアルケニル基が好ましい。
の炭素数は、7~17であり、11~17が好ましい。Rの炭素数が上記下限値以上であれば、再汚染防止効果が高まる。Rの炭素数が上記上限値以下であれば、水への溶解性が高まる。
高級脂肪酸(塩)における塩の形態としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アミン塩又はアンモニウム塩等が挙げられる。アルカリ金属塩としては、ナトリウム塩又はカリウム塩等が挙げられる。アルカリ土類金属塩としては、カルシウム塩又はマグネシウム塩等が挙げられる。アミン塩としては、アルカノールアミン塩(モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、又はトリエタノールアミン塩等)等が挙げられる。
これらの高級脂肪酸(塩)は、1種単独でもよいし、2種以上の組み合わせでもよい。 また、高級脂肪酸(塩)は、単一鎖長の混合物でもよく、2以上の鎖長の混合物でもよい。
高級脂肪酸(塩)としては、ヤシ脂肪酸又はその塩を含むことが好ましい。
高級脂肪酸(塩)の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して、0.5~3質量%が好ましく、0.7~2質量%がより好ましく、0.8~1.5質量%がさらに好ましい。高級脂肪酸(塩)の含有量が上記下限値以上であると、すすぎ性をより高められる。高級脂肪酸(塩)の含有量が上記上限値以下であると液安定性をより高められる。
≪キレート剤(金属封鎖剤)≫
キレート剤としては有機キレート剤が挙げられる。キレート剤としては、クエン酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、リンゴ酸、グルコン酸、ニトリロ三酢酸、イミノ二酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、トリエチレンテトラアミン六酢酸、エタン-1,1-ジホスホン酸、エタン-1,1,2-トリホスホン酸、メチルグリシンジ酢酸3ナトリウム、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸、エタンヒドロキシ-1,1,2-トリホスホン酸、エタン-1,2-ジカルボキシ-1,2-ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸、アミノトリメチレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラキシメチレンスルホン酸等の有機ホスホン酸誘導体又はこれらの塩等が挙げられる。中でも、クエン酸、メチルグリシンジ酢酸3ナトリウムが、低温安定性の観点からより好ましい。キレート剤は、1種単独でもよいし、2種以上の組み合わせでもよい。
≪任意酵素≫
液体洗浄剤組成物が任意酵素を含有していると、皮脂洗浄力やタンパク洗浄力のさらなる向上を図れる。
任意酵素としては、例えば、プロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、マンナナーゼ、セルラーゼ等が挙げられる。任意酵素としては、食べ物汚れの一部であるタンパク質分解の観点から、プロテアーゼがより好ましい。
プロテアーゼとしては、セリンプロテアーゼのように、分子内にセリン、ヒスチジン、及びアスパラギン酸を有するプロテアーゼが好ましい。
一般に、プロテアーゼを含有する製剤(プロテアーゼ製剤)が市販されている。液体洗浄剤を調製する際、プロテアーゼは、通常、このプロテアーゼ製剤を用いて配合される。
プロテアーゼ製剤としては、例えば、ノボザイムズ社から入手できる商品名Savinase16L、Savinase Ultra 16L、Savinase Ultra 16XL、Everlase 16L TypeEX、Everlase Ultra 16L、Esperase 8L、Alcalase 2.5L、Alcalase Ultra 2.5L、Liquanase 2.5L、Liquanase Ultra 2.5L、Liquanase Ultra 2.5XL、Coronase 48L Progress Uno 100L、Medley Core210L(アミラーゼとプロテアーゼとの混合酵素);ジェネンコア社から入手できる商品名Purafect L、Purafect OX、Properase L等が挙げられる。
リパーゼ製剤としては、例えば、ノボザイムズ社から入手できる商品名Lipex 100L、Lipolase 100L等が挙げられる。
セルラーゼ製剤としては、例えば、ケアザイム4500L(商品名、ノボザイムズ社製)、ケアザイムプレミアム4500L(商品名、ノボザイムズ社製)、エンドラーゼ5000L(商品名、ノボザイムズ社製)、セルクリーン4500T(商品名、ノボザイムズ社製)等が挙げられる。
マンナナーゼ製剤としては、例えば、ノボザイムズ社から入手できる商品名Mannaway 4L等が挙げられる。
これらの任意酵素は、1種単独でもよいし、2種以上の組み合わせでもよい。
任意酵素の含有量は酵素製剤として、液体洗浄剤組成物の総質量に対して0.01~1.5質量%が好ましい。任意酵素の含有量は、製剤としての含有量である。
≪抗菌剤≫
液体洗浄剤組成物は、抗菌剤を含有することで、抗菌性能を付与することができる。
抗菌剤としては、公知の第4級アンモニウム塩、フェノール誘導体又はジフェニル化合物が挙げられる。抗菌剤としては、例えば、塩化アルキル(炭素数12~16)トリメチルアンモニウム、5-クロロ-2-(2,4-ジクロロフェノキシ)フェノール(慣用名:トリクロサン)、5-クロロ-2-(4-クロロフェノキシ)フェノール(慣用名:ダイクロサン)等が挙げられる。
抗菌剤の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して0.05~5.0質量%が好ましい。抗菌剤は、1種単独でもよいし、2種以上の組み合わせでもよい。
≪アルカリ剤≫
液体洗浄剤組成物は、アルカリ剤を含有することで、pHをより高く調整できる。即ち、アルカリ剤は、pH調整剤として機能する。
アルカリ剤としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、セスキ炭酸ナトリウム等の炭酸水素塩等が挙げられる。アルカリ剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
アルカリ剤を用いることで、製剤のpHを高めることができ、液体洗浄剤の保存安定性が良好になる。またこれらの中でも、水道水中の塩素を捕捉することで、(B)成分の効果を最大限発揮させる点からアルカノールアミンがより好ましい。
アルカリ剤の含有量は、液体洗浄剤組成物を目的のpHにできる量であれば特に限定されないが、液体洗浄剤組成物の総質量に対して、0.5~5質量%が好ましい。
≪ハイドロトロープ剤≫
液体洗浄剤組成物は、ハイドロトロープ剤を含有することで、液安定性のさらなる向上を図れる。
ハイドロトロープ剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のグリコール系溶剤、エタノール等のアルコール系溶剤、パラトルエンスルホン酸等のスルホン酸又はその塩が挙げられる。中でも、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のグリコール系溶剤は、液安定性のさらなる向上を図れ、かつ(B)成分の活性の低下をさらに抑制できる。
グリコール系溶剤の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して、2~5質量%が好ましい。グリコール系溶剤の含有量が上記下限値以上であれば、液安定性のさらなる向上が図れる。グリコール系溶剤の含有量が上記上限値以下であれば、(B)成分の活性の低下をさらに抑制できる。
なお、(A)~(D)成分及び任意成分の合計量は、100質量%を超えない。
<物性>
液体洗浄剤組成物の25℃におけるpHが、7超であり、8以上11以下がより好ましい。pHが上記範囲内であれば、(B)成分の活性の低下を抑制して洗浄力を高め、かつ、液安定性を高められる。
pHは、測定対象を25℃とし、pHメーター(製品名:HM-30G、東亜ディーケーケー株式会社製)により測定される値である。
(製造方法)
液体洗浄剤の製造方法としては、(A)~(D)成分、及び必要に応じて任意成分を混合し、pH調整剤であるアルカリ剤で所望するpHに調整する方法が挙げられる。
(使用方法)
液体洗浄剤組成物の使用方法(即ち、洗濯方法)は、例えば、液体洗浄剤組成物と被洗物とを水に投入しこれを洗濯機等で撹拌する方法(通常洗浄)が挙げられる。また、例えば、液体洗浄剤組成物を予め水に溶解して洗浄液を調製し、この洗浄液に被洗物を浸漬する方法等が挙げられる。あるいは、液体洗浄剤組成物を被洗物に直接塗布し、一定時間放置し、その後、通常の洗濯を行ってもよい(塗布洗浄)。
被洗物としては、例えば、衣類、布巾、タオル類、シーツ等の繊維製品が挙げられる。液体洗浄剤組成物は、繊維製品用の液体洗浄剤として好適である。
液体洗浄剤組成物を水に溶解して使用する場合、例えば、5~5000倍(体積基準)に希釈することが好ましい。
以下、実施例を示して本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によって限定されるものではない。なお、実施例10、11、14は参考例である。
(使用原料)
<(A)成分:アニオン界面活性剤>
・A-1:直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(ライオン(株)社製、商品名:ライポンLH-200)。
・A-2:ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸、エチレンオキシドの平均付加モル数が1.0。
・A-3:ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸、エチレンオキシドの平均付加モル数が2.0。
<(B)成分:アミラーゼ>
・B-1:Amplify Prime100L(商品名、ノボザイムズ社製)、アミラーゼ活性:350kAU/g。
・B-2:Medley Core210L(商品名、プロテアーゼとアミラーゼとの混合品、ノボザイムズ社製)、アミラーゼ活性:70kAU/g、プロテアーゼ活性:1440kPU/g(「プロテアーゼ活性単位(PU)」はタンパク分子中のペプチド結合を加水分解する活性の単位を表す。なお、カゼイン中のチロシンを1分間に1μg遊離させる活性が、1PUであり、ミルクカゼイン法にて算出。)。
<(C)成分:酸化防止剤>
・C-1:ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)(住友化学株式会社製、商品名:SUMILZER BHT-R)。
・C-2:亜硫酸ナトリウム。
・C-3:アスコルビン酸ナトリウム。
<(D)成分:ノニオン界面活性剤>
・D-1:ポリオキシエチレンアルキル(炭素数12~14)エーテル(エチレンオキシドの平均付加モル数15)「AE(15EO)」、天然アルコールに15モル相当のエチレンオキシドを付加したもの。式(d1)において、R11が炭素数12のアルキル基及び炭素数14のアルキル基から選ばれる1種以上のアルキル基であり、R12が水素であり、XがOであり、sが15であり、tが0である化合物。後述する合成方法により合成されたもの。
≪合成方法≫
プロクター・アンド・ギャンブル社製の天然アルコールCO-1214(商品名)861.2gと、30質量%NaOH水溶液2.0gとを耐圧型反応容器内に仕込み、この反応容器内を窒素置換した。次に、温度100℃、圧力2.0kPa以下で30分間脱水した後、温度を160℃まで昇温した。次いで、反応液を撹拌しながら、エチレンオキシド(ガス状)760.6gを反応液中に徐々に加えた。この時、反応温度が180℃を超えないように添加速度を調節しながら、エチレンオキシドを吹き込み管で加えた。
エチレンオキシドの添加終了後、温度180℃、圧力0.3MPa以下で30分間熟成した後、温度180℃、圧力6.0kPa以下で10分間、未反応のエチレンオキシドを留去した。
次に、温度を100℃以下まで冷却した後、反応物の1質量%水溶液のpHが7になるように、70質量%p-トルエンスルホン酸を加えて中和し、D-1とした。
<任意成分>
・ヤシ脂肪酸:日油株式会社製、商品名「椰子脂肪酸」。
・モノエタノールアミン(MEA):日本触媒社製、商品名「モノエタノールアミン」。
・プロテアーゼ:ノボザイムズジャパン株式会社製、Progress Uno 100L、プロテアーゼ活性:1800kPU/g。
・抗菌剤:5-クロロ-2-(4-クロロフェノキシ)フェノール(慣用名:ダイクロサン)、BASF社製、商品名「Tinosan HP100」。
・ポリエチレングリコール:ポリエチレングリコール#1000(PEG1000)、三井化学製、商品名「PEG#1000-60L」。
・安息香酸ナトリウム:東亞合成社製、商品名「安息香酸ナトリウム」。
・クエン酸:磐田化学製、商品名「無水クエン酸」。
・エタノール:日本アルコール販売社製、商品名「特定アルコール95度合成」。
・シリコーンエマルジョン:信越化学工業株式会社製、商品名「KM-90」。
・香料:特開2002-146399号公報記載の香料組成物A。
・防腐剤1:1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン(BIT)、THOR社製、商品名「ACTICIDE B20」。
・防腐剤2:2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン(MIT)/1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン(BIT)、THOR社製、商品名「ACTICIDE MBS」。
・色素:癸巳化成社製、商品名「緑色3号」。
・アルカリ剤:水酸化ナトリウム、鶴見曹達社製、商品名「水酸化ナトリウム」。
(評価方法)
<アミラーゼ活性測定法>
液体洗浄剤組成物0.1gを緩衝液で300倍に希釈し、この溶液をサンプル溶液とした。緩衝液は、亜硫酸ナトリウム20.0g、リン酸二水素カリウム6.15g、リン酸水素二ナトリウム・12水和物10.86g、塩化カルシウム・2水和物0.015g、Brij35(30%水溶液)0.75mLをイオン交換水で1Lとした混合液である。
サンプル溶液1gに、上記リン酸水溶液5g及びファデバスアミラーゼテスト50T(Magle Life Sciences社製)1錠を添加し、ボルテックスミキサーで10秒間撹拌した後、37℃、15分間静置して酵素反応を進めた。その後、前記溶液に1N水酸化ナトリウム水溶液(関東化学製)1gを添加、ボルテックスミキサーで10秒間撹拌し、反応を停止した。その後、この溶液を37℃、15分間静置して、不溶成分をろ紙(アドバンテック社製のNo.131)でろ過して、ろ液を回収した。回収したろ液の620nmにおける吸光度(吸光度α)を、島津製作所社製の紫外可視分光光度計UV-160を用いて測定した。目的成分以外の吸収の影響を除くため、別途、各サンプル溶液1gに、1N水酸化ナトリウム水溶液1gを添加し、ボルテックスミキサーで10秒間撹拌した後、リン酸水溶液5g及びファデバスアミラーゼテスト50Tを1錠添加し、ボルテックスミキサーで10秒間撹拌し、37℃、15分間静置した。前記溶液の不溶性分をろ紙(アドバンテック社製のNo.131)でろ過してろ液を回収した。前記ろ液の波長620nmの吸光度(吸光度β)を、UV-160を用いて測定した。
<アミラーゼの保存安定性の評価>
製造後、37℃で1週間保存した液体洗浄剤組成物(37℃保存品)及び5℃で1週間保存した液体洗浄剤組成物(5℃保存品)について上記アミラーゼ活性の測定を行い、それらの測定結果から、下記(s1)式により、アミラーゼ活性残存率(%)を求めた。
アミラーゼ活性残存率(%)=(37℃保存品の吸光度α-37℃保存品の吸光度β)/(5℃保存品の吸光度α-5℃保存品の吸光度β)×100 ・・・(s1)
求めたアミラーゼ活性残存率(%)から、アミラーゼの保存安定性を以下の評価基準で評価し、「I」、「II」であれば保存安定性が良好であると判定した。
I:90%以上。
II:80%以上90%未満。
III:80%未満。
<液安定性の評価>
透明のガラス瓶(広口規格びんPS-NO.11)に、各例の液体洗浄剤組成物100mLを入れ、蓋を閉めて密封した。この状態で0℃の恒温槽中に置いて1ヵ月保存した後、液の外観を目視で観察し、下記評価基準に基づき「I」を合格とした。
I:固化及び析出のいずれも認められない。
III:固化又は析出が認められた。
<タンパク質洗浄力の評価>
タンパク質汚れ布であるEMPA117(EMPA Testmaterialien社製)を5×5cmに裁断したものを「タンパク質汚れ布」とした。液体洗浄剤組成物としては、製造直後の各例の液体洗浄剤組成物と、(B)成分を無配合とした以外は同じ組成の液体洗浄剤組成物((B)成分無配合組成品)をそれぞれ用いた。なお、各液体洗浄剤組成物は、製造直後の液体洗浄剤組成物を用いた。洗濯液は、水30Lに対して液体洗浄剤組成物10mLの割合で、両者を30秒間撹拌して調製した。次いで、Terg-O-tometer(UNITED STATES TESTING社製)を洗浄試験器として用い、上記のタンパク質汚れ布10枚と、洗浄メリヤス布と、前記洗濯液とを前記洗浄試験器に入れ、浴比30倍に合わせて、120rpm、15℃で10分間洗浄した。
その後、二槽式洗濯機(三菱電機(株)製、品番:CW-C30A1-H1)に移し、1分間脱水後、水道水(15℃、4゜DH)30L中で3分間濯ぎ、風乾した。
未洗浄の汚染布及び洗浄後の汚染布について、それぞれ反射率を日本電色社製の色差計(製品名:SE200型)で測定し、洗浄率(%)を以下の式(s2)で算出した。
洗浄率(%)=(洗浄前の汚染布のK/S-洗浄後の汚染布のK/S)/(洗浄前の汚染布のK/S-未汚れ布のK/S)×100 ・・・(s2)
ただし、K/Sは式:(1-R/100)/(2R/100)で求められる値であり、Rは未汚染布、汚染布又は洗浄布の反射率(%)である。
また、汚染布5枚について洗浄率(%)を算出し、その平均値から下記式(s3)で相対洗浄力(%)を算出した。求めた値を下記評価基準に従って、タンパク質洗浄力を評価した。
相対洗浄率(%)=(液体洗浄剤組成物の洗浄率)/((B)成分無配合組成品の洗浄率)×100 ・・・(s3)
≪評価基準≫
I:洗浄率が60%以上。
II:洗浄率が50%以上60%未満。
III:洗浄率が50%未満。
<食べ物汚れ洗浄力の評価方法>
中濃ソース(大塚食品(株))をガラス棒にくくりつけた布にしみこませ、綿平織り布(100番、5cm×5cm)へ塗布し、一夜風乾し食べ物汚れ汚染布とした。
この汚染布10枚を、製造後、37℃で1週間保存した液体洗浄剤組成物0.75gを溶解させた水道水(15℃、4゜DH)900mL中に投入し、Terg-O-Tometer(UNITED STATES TESTING社製)を用いて、120rpmで10分間洗浄した。次いで、脱水後、水道水(15℃、4゜DH)30L中で3分間濯ぎ、最後にアイロンを用いて乾燥させた。中濃ソース汚れ洗浄力は、汚れ付着前の原布と、洗浄前後の汚染布のZ値(反射率)を測色色差計(日本電色株式会社製:SE2000)で測定し、下記式(s4)により食べ物汚れに対する洗浄率(%)を算出した。
食べ物汚れに対する洗浄率(%)=(洗浄後の汚染布のZ値-洗浄前の汚染布のZ値)÷(原布のZ値-洗浄前の汚染布のZ値)×100・・・(s4)
食べ物汚れに対する洗浄率(%)の平均値を下記評価基準に分類し、「I」、「II」であれば洗浄力が良好であると判定した。
≪評価基準≫
I:洗浄率が60%以上。
II:洗浄率が50%以上60%未満。
III:洗浄率が50%未満。
(実施例1~14、比較例1~4)
表1~3に示す組成に従い、各成分を水に入れ、混合して各例の液体洗浄剤組成物を調製した。
なお、表中の配合量は、酵素を除き、純分換算値である。酵素の配合量は、製剤としての量である。但し、B-2に関しては、製剤の配合量を(B)成分の配合量として記載した。
また、表中に配合量が記載されていない成分は、配合されていない。
表中、水の配合量「バランス」は、全体を100質量%とするのに必要な量である。表中、水酸化ナトリウムの配合量「適量」は、液体洗浄剤組成物を表に記載のpHとするのに必要な量である。
各例の液体洗浄剤組成物について、アミラーゼ安定性、液安定性、タンパク質汚れ洗浄力、食べ物汚れ洗浄力を評価し、その結果を表中に示す。
Figure 0007138552000001
Figure 0007138552000002
Figure 0007138552000003
表1~3に示すように、本発明を適用した実施例1~14は、アミラーゼ安定性が「I」又は「II」であり、タンパク質洗浄力、食べ物汚れ洗浄力が「I」又は「II」であった。加えて実施例1~14は、液安定性が「I」であった。
(C)成分を欠く比較例1は、アミラーゼ安定性が「III」で食べ物汚れ洗浄力が「III」であった。(A)成分の含有量が下限値未満の比較例2は、タンパク質汚れ洗浄力が「III」であった。pHが7以下である比較例3は、液安定性が「III」であった。(B)成分の含有量が下限値以下である比較例4は、食べ物汚れ洗浄力が「III」であった。
これらの結果から、本発明を適用することで、洗浄力に優れかつ液安定性に優れる液体洗浄剤組成物を得られることを確認できた。

Claims (3)

  1. (A)成分:アニオン界面活性剤(但し、高級脂肪酸及びその塩を除く)4~6質量%と、
    (B)成分:アミラーゼ0.05~3質量%と、
    (C)成分:酸化防止剤と、
    (D)成分:ノニオン界面活性剤と、
    を含有し、
    前記(A)成分と前記(D)成分との合計が10~26質量%であり、
    25℃におけるpHが8~11である、繊維製品用の液体洗浄剤組成物。
  2. 前記(D)成分/前記(A)成分で表される質量比が、1~5である、請求項1に記載の繊維製品用の液体洗浄剤組成物。
  3. 前記(B)成分/前記(C)成分で表される質量比が、0.06~250である、請求項1又は2に記載の繊維製品用の液体洗浄剤組成物。
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