JP6930850B2 - 液体洗浄剤組成物 - Google Patents

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本発明は、液体洗浄剤組成物に関する。
近年、省資源、環境負荷の低減(ごみの量の削減)を目的として、洗浄剤容器の小型化が図られており、これに伴って液体洗浄剤の濃縮化(界面活性剤の高濃度化)が求められている。
液体洗浄剤を濃縮するほど液体洗浄剤の液安定性が低下し、皮膜を形成したり、ゲル化を生じたりしやすい。液体洗浄剤が皮膜を形成したり、ゲル化を生じたりすると、液体洗浄剤を容器から注出しにくくなったり、水への分散性や被洗物への浸透性が損なわれたりする。
液体洗浄剤の皮膜形成やゲル化の防止を図るべく、ノニオン界面活性剤とアニオン界面活性剤とを併用し、特定の有機溶媒を含む液体洗浄剤が提案されている(特許文献1)。
国際公開第2014/050710号
ところで、環境意識の高まりから節水型の洗濯機が主流になっている。節水型の洗濯機では、水の量が少ないため、洗濯液中の汚れ濃度が高まる傾向にある。そのため、洗浄中に除去された汚れが、再度、衣類等(被洗物)に付着するという再汚染が生じやすい。
また、節水型の洗濯機で濃縮化された液体洗浄剤を用いた場合、被洗物に付着した液体洗浄剤を洗い流しにくく、すすぎ性が悪くなりやすい。
再汚染の抑制のためには、アニオン界面活性剤を増量することが有利となる。一方で、液体洗浄剤においてノニオン界面活性剤を減量し、アニオン界面活性剤を増量するとすすぎ性が低下する。
上述した特許文献1の発明は、被膜形成やゲル化を良好に防止し、液安定性を高めているものの、再汚染の抑制とすすぎ性は、まだ十分ではない。
そこで本発明は、再汚染を抑制し、かつ、すすぎ性及び液安定性により優れる液体洗浄剤組成物を目的とする。
本発明は、以下の態様を有する。
[1](A)成分:ポリアルキレンアミンのアルキレンオキシド付加体と、(B)成分:ノニオン界面活性剤と、(C)成分:アニオン界面活性剤と、(D)成分:下記一般式(d1)で表される有機溶媒及び下記一般式(d2)で表される有機溶媒から選択される少なくとも1種と、を含有し、(B)成分/(C)成分で表される質量比が0.5以上である、液体洗浄剤組成物。
Figure 0006930850
(式(d1)中、R〜Rは、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基、Rは、水素原子又はアセチル基である。)
O(CO)(CO)・・・(d2)
(式(d2)中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表し、R及びRが同時に水素原子であることはない。Xは、0≦X≦3の整数、Yは、0≦Y≦3の整数であり、X及びYが同時に0であることはない。)
[2]さらに、(E)成分:炭素数2〜3の1価アルコール及び炭素数2〜4の多価アルコールから選択される少なくとも1種を含有し、(E)成分/(D)成分で表される質量比が0より大きく3以下である、[1]に記載の液体洗浄剤組成物。
[3]界面活性剤の総含有量が、液体洗浄剤の総質量に対し、15〜85質量%である、[1]又は[2]に記載の液体洗浄剤組成物。
[4](D)成分/(A)成分で表される質量比が0.2以上500以下である、[1]〜[3]のいずれかに記載の液体洗浄剤組成物。
[5](D)成分/(B)成分で表される質量比が0.04以上1.0以下である、[1]〜[4]のいずれかに記載の液体洗浄剤組成物。
[6](D)成分/(C)成分で表される質量比が0.01以上50以下である、[1]〜[5]のいずれかに記載の液体洗浄剤組成物。
[7]25℃におけるpHが5以上9以下である、[1]〜[6]のいずれかに記載の液体洗浄剤組成物。
本発明の液体洗浄剤組成物によれば、再汚染を抑制し、かつ、すすぎ性及び液安定性により優れる。
[液体洗浄剤組成物]
本発明の液体洗浄剤組成物(以下、単に液体洗浄剤ということがある)は、(A)成分と、(B)成分と、(C)成分と、(D)成分とを含有する。
<(A)成分>
(A)成分は、ポリアルキレンアミンのアルキレンオキシド付加体である。(A)成分としては、例えば、下記の(a1)成分と(a2)成分とが挙げられる。
((a1)成分)
(a1)成分は、ポリアルキレンイミンのアルキレンオキシド付加体である。(a1)成分のポリアルキレンイミンは、例えば、下記一般式(I)で表される。
NH−R21−(NA−R21−NH・・・(I)
式(I)中、R21は、それぞれ独立に炭素数2〜6のアルキレン基であり、Aは、水素原子又は分岐によるポリアミン鎖を表し、nは、1以上の数である。ただし、前記Aが全て水素原子であることはない。
即ち、式(I)で表されるポリアルキレンイミンは、構造中に分岐したポリアミン鎖を有する。
21は、炭素数2〜6の直鎖アルキレン基又は炭素数3〜6の分岐アルキレン基である。R21は、炭素数2〜4のアルキレン基が好ましく、炭素数2のアルキレン基がより好ましい。
ポリアルキレンイミンは、炭素数2〜6のアルキレンイミンの1種又は2種以上を常法により重合して得られる。炭素数2〜6のアルキレンイミンとしては、エチレンイミン、プロピレンイミン、1,2−ブチレンイミン、2,3−ブチレンイミン、1,1−ジメチルエチレンイミン等が挙げられる。
ポリアルキレンイミンとしては、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリプロピレンイミンが好ましく、PEIがより好ましい。PEIは、エチレンイミンを重合することによって得られ、その構造中に、1級、2級及び3級アミン窒素原子を含む分岐鎖構造を有している。
ポリアルキレンイミンの質量平均分子量は、200〜2000が好ましく、300〜1500がより好ましく、400〜1000がさらに好ましく、500〜800が特に好ましい。
ポリアルキレンイミンとしては、その1分子中に活性水素を5〜30個有するものが好ましく、7〜25個有するものがより好ましく、10〜20個有するものがさらに好ましい。
(a1)成分は、ポリアルキレンイミンにアルキレンオキシドを付加して得られる。この方法としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート等の塩基性触媒の存在下、出発物質であるポリアルキレンイミンに対して、100〜180℃でエチレンオキシド等のアルキレンオキシドを付加させる方法等が挙げられる。
アルキレンオキシドとしては、炭素数2〜4のアルキレンオキシドが挙げられる。前記アルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドが挙げられ、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドが好ましく、エチレンオキシドがより好ましい。
(a1)成分としては、ポリアルキレンイミンのエチレンオキシド付加体、ポリアルキレンイミンのプロピレンオキシド付加体、ポリアルキレンイミンのエチレンオキシド−プロピレンオキシド付加体等が挙げられる。なお、前記ポリアルキレンイミンのエチレンオキシド−プロピレンオキシド付加体は、ポリアルキレンイミンにエチレンオキシド及びプロピレンオキシドを付加したものであり、ポリアルキレンイミンに対するエチレンオキシドとプロピレンオキシドの付加順序や付加形態(ブロック状、ランダム状)は任意である。
(a1)成分としては、ポリアルキレンイミンのエチレンオキシド付加体、ポリアルキレンイミンのエチレンオキシド−プロピレンオキシド付加体が好ましく、ポリアルキレンイミンのエチレンオキシド付加体がより好ましい。
(a1)成分としては、原料であるポリアルキレンイミンが有する活性水素1原子に対し、平均5〜40個のアルキレンオキシドが付加されたものが好ましく、平均10〜30個のアルキレンオキシドが付加されたものがより好ましい。即ち、原料であるポリアルキレンイミンが有する活性水素1モルあたりに、平均5〜40モルのアルキレンオキシドが付加されたものが好ましく、平均10〜30モルのアルキレンオキシドが付加されたものがより好ましい。
(a1)成分の質量平均分子量は、1000〜80000が好ましく、2000〜50000がより好ましく、5000〜30000がさらに好ましく、10000〜20000が特に好ましい。
なお、質量平均分子量は、溶媒としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いてGPC(ゲルパーミネーションクロマトグラフィー)により測定した値を、PEG(ポリエチレングリコール)における較正曲線に基づいて換算した値を示す。
(a1)成分としては、例えば、式(I−a)で示される化合物が挙げられる。
Figure 0006930850
式(I−a)中、R22は、それぞれ独立に炭素数2〜6のアルキレン基であり、mは、それぞれ独立に1以上の数である。
22は、炭素数2又は3のアルキレン基が好ましく、炭素数2のアルキレン基がより好ましい。mは、(R22O)の平均繰り返し数であり、5〜40が好ましく、10〜30がより好ましい。
(a1)成分としては、合成品が用いられてもよいし、市販品が用いられてもよい。
市販品としては、例えばBASF社製の商品名「Sokalan HP20」等が挙げられる。
((a2)成分)
(a2)成分は、下記式(II)で表されるポリアルキレンアミンのアルキレンオキシド付加体である。
NH(R31NH)H・・・(II)
式(II)中、R31は、炭素数2〜6のアルキレン基であり、lは、1以上の数である。
31は、炭素数2〜6の直鎖アルキレン基又は炭素数3〜6の分岐アルキレン基である。R31は、炭素数2〜4のアルキレン基が好ましく、炭素数2のアルキレン基がより好ましい。
ポリアルキレンアミンとしては、ポリエチレンアミンが好ましい。ポリエチレンアミンとしては、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン等が挙げられる。なお、これらのポリエチレンアミンは、公知の製造方法、例えばアンモニア及びエチレンジクロリドを反応させることで得られる。
ポリアルキレンアミンの質量平均分子量は、60〜1800が好ましく、60〜1000がより好ましく、60〜800がさらに好ましい。
ポリアルキレンアミンとしては、その1分子中に活性水素を6〜30個有するものが好ましく、7〜20個有するものがさらに好ましい。
(a2)成分は、ポリアルキレンアミンにアルキレンオキシドを付加して得られる。この反応は、(a1)成分と同様に行える。アルキレンオキシドとしては、炭素数2〜4のアルキレンオキシドが挙げられる。前記アルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドが挙げられ、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドが好ましく、エチレンオキシドがより好ましい。
(a2)成分としては、ポリアルキレンアミンのエチレンオキシド付加体、ポリアルキレンアミンのプロピレンオキシド付加体、ポリアルキレンアミンのエチレンオキシド−プロピレンオキシド付加体等が挙げられる。
ポリアルキレンアミンのアルキレンオキシド付加体としては、ポリアルキレンアミンのエチレンオキシド付加体、ポリアルキレンアミンのエチレンオキシド−プロピレンオキシド付加体が好ましく、ポリアルキレンアミンのエチレンオキシド付加体がより好ましい。
(a2)成分としては、原料であるポリアルキレンアミンが有する活性水素1原子に対し、平均5〜40個のアルキレンオキシドが付加されたものが好ましく、平均10〜30個のアルキレンオキシドが付加されたものがより好ましい。即ち、原料であるポリアルキレンアミンが有する活性水素1モルあたりに、平均5〜40モルのアルキレンオキシドが付加されたものが好ましく、平均10〜30モルのアルキレンオキシドが付加されたものがより好ましい。
(a2)成分の質量平均分子量は、1000〜80000が好ましく、2000〜50000がより好ましく、5000〜30000がさらに好ましく、10000〜20000が特に好ましい。
(A)成分としては、(a1)成分が好ましい。(a1)成分の中でも、式(I−a)で表されるポリエチレンイミンのエチレンオキシド付加体が特に好ましい。
(A)成分は、1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
(A)成分の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対し、0.01〜5質量%が好ましく、0.05〜3質量%がより好ましく、0.1〜1.5質量%がさらに好ましい。
(A)成分の含有量が前記上限値以下であれば、他の成分の配合の自由度を保ちやすくなる。(A)成分の含有量が前記下限値以上であれば、再汚染防止性を高められやすくなり、保存安定性を高められやすくなる。
<(B)成分>
(B)成分は、ノニオン界面活性剤である。(B)成分としては、従来、液体洗浄剤に用いられているものであればよく、例えば、ポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤、アルキルフェノール、高級アミン等のアルキレンオキシド付加体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、脂肪酸アルカノールアミン、脂肪酸アルカノールアミド、多価アルコール脂肪酸エステル又はそのアルキレンオキシド付加体、多価アルコール脂肪酸エーテル、アルキル(又はアルケニル)アミンオキシド、硬化ヒマシ油のアルキレンオキシド付加体、糖脂肪酸エステル、N−アルキルポリヒドロキシ脂肪酸アミド、アルキルグリコシド等が挙げられる。
なお、高級アミンとは、炭素数8〜22の炭化水素基を有するアミンを意味する。
(B)成分としては、上記の中でも、粘度及び液安定性の点で、ポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤が好ましい。ポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤としては、例えば、下記一般式(III)で表される化合物(以下、化合物(b1)ということがある)が挙げられる。
41−X−(EO)(PO)−R42・・・(III)
式(III)中、R41は炭素数8〜22の炭化水素基であり、−X−は2価の連結基であり、R42は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数2〜6のアルケニル基である。EOはオキシエチレン基であり、sはEOの平均繰り返し数を表す3〜20の数である。POはオキシプロピレン基であり、tはPOの平均繰り返し数を表す0〜6の数である。
式(III)中、R41の炭化水素基の炭素数は、10〜18が好ましい。R41の炭化水素基は、直鎖であっても分岐鎖であってもよく、不飽和結合を有していても有していなくてもよい。
−X−としては、−O−、−COO−、−CONH−等が挙げられる。
42におけるアルキル基の炭素数は、1〜6であり、1〜3が好ましい。
42におけるアルケニル基の炭素数は、2〜6であり、2〜3が好ましい。
式(III)中、−X−が−O−、−COO−又は−CONH−である化合物(b1)は、1級もしくは2級の高級アルコール(R41−OH)、高級脂肪酸(R41−COOH)又は高級脂肪酸アミド(R41−CONH)を原料として得られる。
なお、「高級」化合物とは、「炭素数8〜22の炭化水素基を有する」化合物を意味する。
式(III)中、sは、EOの平均繰り返し数(即ち、エチレンオキシドの平均付加モル数)を表す3〜20の数であり、5〜18が好ましい。前記上限値超では、HLB値が高くなりすぎて皮脂に対する洗浄力が低下するおそれがあり、前記下限値未満では、臭気の劣化を生じるおそれがある。
tは、POの平均繰り返し数(即ち、プロピレンオキシドの平均付加モル数)を表す0〜6の数であり、0〜3が好ましい。前記上限値超では、液体洗浄剤の高温下での液安定性が低下する傾向にある。
tが1以上の場合、即ち、化合物(b1)が、EO及びPOを有する場合、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドの付加方法は、特に限定されず、例えば、ランダム付加方法でもよく、ブロック付加方法でもよい。ブロック付加方法としては、例えば、エチレンオキシドを付加した後、プロピレンオキシドを付加する方法、プロピレンオキシドを付加した後、エチレンオキシドを付加する方法、エチレンオキシドを付加した後、プロピレオキシドを付加し、さらにエチレンオキシドを付加する方法等が挙げられる。
エチレンオキシド又はプロピレンオキシドの付加モル数分布は特に限定されない。
付加モル数分布は、ノニオン界面活性剤を製造する際の反応方法によって変動しやすい。例えば、一般的な水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ触媒を用いて、エチレンオキシドやプロピレンオキシドを疎水性原料に付加させた際には、エチレンオキシド又はプロピレンオキシドの付加モル数分布が比較的広い分布となる傾向にある。また、特公平6−15038号公報に記載のAl3+、Ga3+、In3+、Tl3+、Co3+、Sc3+、La3+、Mn2+等の金属イオンを添加した酸化マグネシウム等の特定のアルコキシル化触媒を用いて、エチレンオキシドやプロピレンオキシドを疎水基原料に付加させた際には、エチレンオキシドやプロピレンオキシドの付加モル数分布が比較的狭い分布となる傾向にある。
化合物(b1)としては、特に、−X−が−O−である化合物(アルコール型ノニオン界面活性剤)、又は、−X−が−COO−であり、R42が炭素数1〜6のアルキル基もしくは炭素数2〜6のアルケニル基である化合物(脂肪酸アルキル(アルケニル)エステル型ノニオン界面活性剤)が好ましい。
−X−が−O−である場合、R41の炭素数は10〜22が好ましく、10〜20がより好ましく、10〜18がさらに好ましい。
−X−が−O−である場合、R42は、水素原子が好ましい。
−X−が−COO−である場合、R41の炭素数は9〜21が好ましく、11〜21がより好ましい。
−X−が−COO−である場合、R42は炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数2〜6のアルケニル基が好ましく、炭素数1〜3のアルキル基がより好ましい。
−X−が−O−又は−COO−である化合物(b1)としては、例えば、三菱化学株式会社製のダイヤドール(商品名、C13(Cは炭素数を示す。以下同様。))、Shell社製のNeodol(商品名、C12とC13との混合物)、Sasol社製のSafol23(商品名、C12とC13との混合物)等のアルコールに対して、12モル相当、又は15モル相当のエチレンオキシドを付加したもの;プロクター・アンド・ギャンブル社製のCO−1214又はCO−1270(商品名)等の天然アルコールに対して、12モル相当又は15モル相当のエチレンオキシドを付加したもの;ブテンを3量化して得られるC12アルケンをオキソ法に供して得られるC13アルコールに対して、7モル相当のエチレンオキシドを付加したもの(商品名:Lutensol TO7、BASF社製);ペンタノールをガーベット反応に供して得られるC10アルコールに対して、9モル相当のエチレンオキシドを付加したもの(商品名:Lutensol XP90、BASF社製);ペンタノールをガーベット反応に供して得られるC10アルコールに対して、7モル相当のエチレンオキシドを付加したもの(商品名:Lutensol XL70、BASF社製);ペンタノールをガーベット反応に供して得られるC10アルコールに対して、6モル相当のエチレンオキシドを付加したもの(商品名:Lutensol XA60、BASF社製);炭素数12〜14の第2級アルコールに対して、9モル相当又は15モル相当のエチレンオキシドを付加したもの(商品名:ソフタノール90、ソフタノール150、株式会社日本触媒製);ヤシ脂肪酸メチル(ラウリン酸/ミリスチン酸=8/2)に対して、アルコキシル化触媒を用いて、15モル相当のエチレンオキシドを付加したもの(ポリオキシエチレンヤシ脂肪酸メチルエステル(EO15モル))等が挙げられる。
化合物(b1)としては、上記の中でも、−X−が−COO−でありR42が炭素数1〜6のアルキル基であり、tが0である化合物、即ち、ポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステルが好ましく、R42がメチル基であるポリオキシエチレン脂肪酸メチルエステル(以下、MEEということがある)がより好ましい。
ノニオン界面活性剤としてポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステルを用いることで、液体洗浄剤の水への溶解性を高め、洗浄力を高められる。加えて、液体洗浄剤中の(B)成分の含有量を高めても、粘度の著しい増大(ゲル化)が生じにくく、良好な流動性を有する濃縮型の液体洗浄剤を得られる。
ポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステル、特にMEEは、水溶液系中で分子同士の配向性が弱く、ミセルが不安定なノニオン界面活性剤である。このため、ポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステルは、高濃度でゲル化等を生じず、1種単独で多量に液体洗浄剤中に配合されても、水への溶解性を高められると推測される。従って、ポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステルを含む液体洗浄剤が水に分散されると、洗浄液中のポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステルの濃度が速やかに均一となり、洗浄初期から任意の濃度で被洗物と接して高い洗浄力を発揮すると考えられる。
ポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステルにおいて、エチレンオキシドの付加モル数が異なる化合物の分布の割合を示すナロー率は、20質量%以上が好ましい。ナロー率の上限値は実質的に80質量%以下が好ましい。ナロー率は、20〜60質量%がより好ましい。ナロー率が高いほど良好な洗浄力が得られるが、高すぎると低温での液安定性が低下するおそれがあるため、30〜45質量%がさらに好ましい。
ポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステル等のポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤のナロー率は、下記の数式(S)で求められる値である。
Figure 0006930850
(S)式において、Smaxは、ポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤中に最も多く存在するアルキレンオキシド付加体におけるアルキレンオキシドの付加モル数(s+tの値)を示す。
iはアルキレンオキシドの付加モル数を示す。
Yiは、(S)式で表される成分全体の中に存在するアルキレンオキシドの付加モル数がiであるアルキレンオキシド付加体の割合(質量%)を示す。
前記ナロー率は、例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステルの製造方法等によって制御することができる。
ポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステルの製造方法としては、特に制限されるものではないが、例えば、表面改質された複合金属酸化物触媒を用いて、脂肪酸アルキルエステルに酸化エチレンを付加重合させる方法(特開2000−144179号公報参照)が挙げられる。
前記の表面改質された複合金属酸化物触媒の好適なものとしては、例えば、金属水酸化物等により表面改質された、金属イオン(Al3+、Ga3+、In3+、Tl3+、Co3+、Sc3+、La3+、Mn2+等)が添加された酸化マグネシウム等の複合金属酸化物触媒や、金属水酸化物及び/又は金属アルコキシド等により表面改質されたハイドロタルサイトの焼成物触媒等が挙げられる。
前記複合金属酸化物触媒の表面改質においては、複合金属酸化物100質量部に対して、金属水酸化物及び/又は金属アルコキシドの割合を0.5〜10質量部とすることが好ましく、1〜5質量部とすることがより好ましい。
その他の(B)成分の製造法としては、アルカリ土類金属化合物とオキシ酸等の混合物より調製されるアルコキシル化触媒により、脂肪酸アルキルエステルにアルキレンオキシドを付加する方法がある。前記アルコキシル化触媒については、特許第04977609号公報、国際公開第1993/004030号、国際公開第2002/038269号、国際公開第2012/028435号等で開示されており、例えば、カルボン酸のアルカリ土類金属塩及び/又はヒドロキシカルボン酸のアルカリ土類金属塩と硫酸等の混合物より調製したアルコキシル化触媒等が挙げられる。
(B)成分は、1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
例えば、(B)成分としては、MEEと、アルコールにエチレンオキシドを付加したアルコールエトキシレートとが併用されてもよい。
MEEと第1級アルコールエトキシレートとを併用する場合、(B)成分中、(MEE)/(アルコールエトキシレート)で表される質量比は、1/9以上10/0未満が好ましく、2/8以上10/0未満がより好ましく、3/7以上10/0未満がさらに好ましい。
(MEE)/(アルコールエトキシレート)で表される質量比が前記下限値以上であれば、液体洗浄剤のゲル化が起こりにくく、加えてすすぎ性が良好になる。
(B)成分の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対し、10〜60質量%が好ましく、15〜50質量%がより好ましく、30〜45質量%がさらに好ましい。(B)成分の含有量が前記範囲内であると、油性汚れに対する洗浄力に優れ、かつ、液安定性に優れる液体洗浄剤が得られやすくなる。
(B)成分の含有量が前記下限値以上であれば、液体洗浄剤に高い洗浄性能を付与することができる。(B)成分の含有量が前記上限値以下であれば、ゲル化が起こりにくくなり、液安定性が向上しやすい。
<(C)成分>
(C)成分は、アニオン界面活性剤である。(C)成分としては、衣料用などの液体洗浄剤に通常用いられているアニオン界面活性剤を用いることができる。(C)成分としては、例えば、下記の(c1)成分と(c2)成分とが挙げられる。
((c1)成分)
(c1)成分は、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸又はその塩(AES)である。(c1)成分のAESは、例えば、下記一般式(IV)で表される。
51−O−[(EO)/(PO)]−SO−M・・・(IV)
式(IV)中、R51は、炭素数8〜20の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基である。EOはオキシエチレン基を表し、POはオキシプロピレン基を表す。uは、EOの平均繰り返し数を表し、0以上の数である。vは、POの平均繰り返し数を表し、0〜6の数である。0<u+vである。Mは対カチオンである。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩としては、炭素数10〜20の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基を有し、平均1〜5モルのアルキレンオキシドが付加されたものが好ましい。
アルキル基の炭素数としては、10〜20が好ましく、12〜14がより好ましい。具体的には、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基等が挙げられる。なかでもドデシル基が好ましい。
EOの平均繰り返し数は、0〜5であることが好ましく、0.5〜3がより好ましく、0.5〜1.5が特に好ましい。POの平均繰り返し数は0〜3であることが好ましく、0がより好ましい。
塩としては、ナトリウム、カリウム等とのアルカリ金属塩、マグネシウム等とのアルカリ土類金属塩、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等とのアルカノールアミン塩等が挙げられる。
(c1)成分としてポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸又はその塩を用いることにより、液体洗浄剤中でのアニオン界面活性剤による酵素の変性を抑制することができる。
(c1)成分としては、市販品を用いてもよいし、公知の合成方法で製造してもよい。公知の合成方法としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルに、無水硫酸を反応させるか、クロロスルホン酸を反応させる方法が挙げられ、これらの方法により製造することができる。
((c2)成分)
(c2)成分は、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩(LAS)である。(c2)成分としては、直鎖アルキル基の炭素数が8〜16のものが好ましく、炭素数10〜14のものがより好ましい。前記範囲内であれば再汚染防止性の向上を図ることができる。直鎖アルキル基としては、例えば、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基が挙げられる。塩としては、ナトリウム、カリウム等とのアルカリ金属塩、マグネシウム等とのアルカリ土類金属塩、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等とのアルカノールアミン塩等が挙げられる。
(c2)成分としては、市販品を用いてもよいし、公知の合成方法で製造してもよい。公知の合成方法としては、アルキルベンゼンを無水硫酸でスルホン化する方法が挙げられ、この方法により製造することができる。
(c1)成分、(c2)成分以外の(C)成分としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステルのモノエタノールアミン塩(AEPS)等が挙げられる。
(C)成分としては、この他に、例えば、α−オレフィンスルホン酸塩;直鎖状又は分岐鎖状のアルキル硫酸エステル塩;アルキルエーテル硫酸エステル塩;アルケニルエーテル硫酸エステル塩;アルキル基を有するアルカンスルホン酸塩;α−スルホ脂肪酸エステル塩;高級脂肪酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシアルキレンエーテルカルボン酸塩、アルキルアミドエーテルカルボン酸塩、アルケニルアミドエーテルカルボン酸塩、アシルアミノカルボン酸塩等のカルボン酸型アニオン界面活性剤;アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルリン酸エステル塩、グリセリン脂肪酸エステルモノリン酸エステル塩等のリン酸エステル型アニオン界面活性剤等が挙げられる。
(C)成分の塩の形態としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩;マグネシウム等のアルカリ土類金属塩;モノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム等のアルカノールアミン塩等が挙げられる。
α−オレフィンスルホン酸塩としては、炭素数10〜20のα−オレフィンスルホン酸塩が好ましい。
アルキル硫酸エステル塩としては、炭素数10〜20のアルキル硫酸エステル塩が好ましい。
アルキルエーテル硫酸エステル塩又はアルケニルエーテル硫酸エステル塩としては、炭素数10〜20の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、又は炭素数10〜20の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルケニル基を有し、平均1〜10モルのエチレンオキシドを付加したアルキルエーテル硫酸エステル塩又はアルケニルエーテル硫酸エステル塩(すなわち、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩又はポリオキシエチレンアルケニルエーテル硫酸エステル塩)が好ましい。また、炭素数2〜4のアルキレンオキシドのいずれか、又はエチレンオキシドとプロピレンオキシド(モル比がエチレンオキシド/プロピレンオキシド=0.1/9.9〜9.9/0.1)を平均0.5〜10モル付加した、炭素数10〜20の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基を有するアルキルエーテル硫酸エステル塩、又は炭素数10〜20の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルケニル基を有するアルケニルエーテル硫酸エステル塩が好ましい。
アルカンスルホン酸塩としては、炭素数は10〜20のアルカンスルホン酸塩が挙げられ、炭素数14〜17のアルカンスルホン酸塩が好ましく、2級アルカンスルホン酸塩が特に好ましい。
α−スルホ脂肪酸エステル塩としては、炭素数10〜20のα−スルホ脂肪酸エステル塩が好ましい。
高級脂肪酸塩としては、炭素数10〜20の炭化水素基を有する高級脂肪酸塩が好ましい。
これらの(C)成分は、市場において容易に入手することができる。また、公知の方法により合成したものを用いてもよい。
(C)成分は、1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
例えば、(C)成分としては、(c1)成分(炭素数2〜4のアルキレンオキシドのいずれか、もしくはエチレンオキシドとプロピレンオキシド(モル比がエチレンオキシド/プロピレンオキシド=0.1/9.9〜9.9/0.1)を平均0.5〜10モル付加したアルキルエーテル硫酸エステル塩(アルキル基は、炭素数10〜20で、直鎖もしくは分岐鎖状)、又は炭素数2〜4のアルキレンオキシドのいずれか、もしくはエチレンオキシドとプロピレンオキシド(モル比がエチレンオキシド/プロピレンオキシド=0.1/9.9〜9.9/0.1)を平均0.5〜10モル付加したアルケニルエーテル硫酸エステル塩(アルケニル基は、炭素数10〜20で、直鎖もしくは分岐鎖状));(c2)成分;アルカンスルホン酸塩;α−オレフィンスルホン酸塩;及び高級脂肪酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。この中でも、(c2)成分及び高級脂肪酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種がより好ましい。
(c1)成分/(c2)成分で表される質量比(以下、(c1)/(c2)比ということがある)は、1/9〜9/1が好ましく、1/9〜8/2がより好ましく、1/9〜7/3がさらに好ましい。(c1)/(c2)比が、前記下限値以上であれば、再汚染防止性がより向上しやすくなる。(c1)/(c2)比が、前記上限値以下であれば、液安定性がより向上しやすくなる。
(C)成分の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対し、0.5〜60質量%が好ましく、0.5〜50質量%がより好ましく、0.5〜40質量%がさらに好ましい。
(C)成分の含有量が前記下限値以上であれば、洗浄性能、特に再汚染防止性が向上しやすい。(C)成分の含有量が前記上限値以下であれば、ゲル化が起こりにくくなり、液安定性が向上しやすい。
(B)成分の含有量と、(C)成分の含有量との合計は、液体洗浄剤の総質量に対し、15〜80質量%が好ましく、15〜75質量%がより好ましく、30〜70質量%がさらに好ましい。
(B)成分の含有量と(C)成分の含有量との合計が、前記下限値以上であれば、液体洗浄剤に高い洗浄性能を付与し、かつ、再汚染防止性を向上しやすい。(B)成分の含有量と(C)成分の含有量との合計が、前記上限値以下であれば、液安定性が向上しやすい。
(B)成分/(C)成分で表される質量比(以下、(B)/(C)比ということがある)は、0.5〜30が好ましく、0.5〜20がより好ましく、0.5〜10がさらに好ましい。(B)/(C)比が、前記下限値以上であれば、すすぎ性がより向上しやすくなる。(B)/(C)比が、前記上限値以下であれば、再汚染防止性がより向上しやすくなる。
<(D)成分>
(D)成分は、下記一般式(d1)で表される有機溶媒及び下記一般式(d2)で表される有機溶媒から選択される少なくとも1種である。
Figure 0006930850
(式(d1)中、R〜Rは、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基、Rは、水素原子又はアセチル基である。)
O(CO)(CO)・・・(d2)
(式(d2)中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表し、R及びRが同時に水素原子であることはない。Xは、0≦X≦3の整数、Yは、0≦Y≦3の整数であり、X及びYが同時に0であることはない。)
一般式(d1)で表される有機溶媒を(d1)成分、一般式(d2)で表される有機溶媒を(d2)成分とする。(d1)成分としては、例えば、3−メトキシブタノ−ル、3−メトキシ−3−メチルブタノ−ル、3−メトキシ−3−エチルブタノ−ル、3−メトキシ−3−プロピルブタノ−ル、3−メトキシ−2−メチルブタノ−ル、3−メトキシ−2−エチルブタノ−ル、3−メトキシ−2−プロピルブタノ−ル、3−メトキシ−1−メチルブタノ−ル、3−メトキシ−1−エチルブタノ−ル、3−メトキシ−1−プロピルブタノ−ル、3−メトキシブチルアセテート、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、3−メトキシ−3−エチルブチルアセテート、3−メトキシ−3−プロピルブチルアセテート、3−メトキシ−2−メチルブチルアセテート、3−メトキシ−2−エチルブチルアセテート、3−メトキシ−2−プロピルブチルアセテート、3−メトキシ−1−メチルブチルアセテート、3−メトキシ−1−エチルブチルアセテート、3−メトキシ−1−プロピルブチルアセテートが拳げられ、3−メトキシブタノール、3−メトキシ−3−メチルブタノール、3−メトキシ−2メチルブタノール、3メトキシ−1−メチルブタノール、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテートが好ましく、3−メトキシ−3―メチルブタノールがより好ましい。
(d2)成分としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。
(D)成分は、1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
(D)成分は、後述する(E)成分と併用することが好ましい。中でも、エタノールと併用することが好ましい。
(D)成分の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対し、1〜30質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましく、1〜15質量%がさらに好ましい。
(D)成分の含有量が前記下限値以上であれば、ゲル化が抑制されて、液体洗浄剤の流動性がより維持され、すすぎ性が向上しやすい。(D)成分の含有量が前記上限値以下であれば、液流動性が高まり過ぎず、使用性の向上を図りやすく、コストを抑えることができる。
(D)成分/(A)成分で表される質量比(以下、(D)/(A)比ということがある)は、0.2〜500が好ましく、0.2〜300がより好ましく、0.5〜50がさらに好ましい。(D)/(A)比が、前記下限値以上であれば、ゲル化が抑制されて、液体洗浄剤の流動性がより維持され、すすぎ性が向上しやすい。(D)/(A)比が、前記上限値以下であれば、再汚染防止性の向上を図りやすい。
(D)成分/(B)成分で表される質量比(以下、(D)/(B)比ということがある)は、0.04〜1.0が好ましく、0.04〜0.8がより好ましく、0.04〜0.5がさらに好ましい。(D)/(B)比が、前記下限値以上であれば、ゲル化が抑制されて、液体洗浄剤の流動性がより維持され、すすぎ性が向上しやすい。(D)/(B)比が、前記上限値以下であれば、洗浄性能の向上を図りやすい。
(D)成分/(C)成分で表される質量比(以下、(D)/(C)比ということがある)は、0.01〜50が好ましく、0.01〜30がより好ましく、0.1〜10がさらに好ましい。(D)/(C)比が、前記下限値以上であれば、ゲル化が抑制されて、液体洗浄剤の流動性がより維持され、すすぎ性が向上しやすい。(D)/(C)比が、前記上限値以下であれば、洗浄性能の向上を図りやすい。
<(E)成分>
(E)成分は、炭素数2〜3の1価アルコール及び炭素数2〜4の多価アルコールから選択される少なくとも1種である。
(E)成分のうち、炭素数2〜3の1価アルコールとしては、例えば、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールが挙げられる。
(E)成分のうち、炭素数2〜4の多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン等が挙げられる。
これらのアルコールの中でも、エタノールが好ましい。
(E)成分は、1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
(E)成分の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対し、0.5〜30質量%が好ましく、0.5〜20質量%がより好ましく、1〜15質量%がさらに好ましい。
(E)成分の含有量が前記下限値以上であれば、ゲル化が抑制されて、液体洗浄剤の流動性がより維持され、すすぎ性が向上しやすい。(E)成分の含有量が前記上限値以下であれば、液流動性が高まり過ぎず、使用性を向上でき、コストを抑えることができる。
(D)成分の含有量と(E)成分の含有量の合計は、液体洗浄剤の総質量に対して、1〜30質量%が好ましく、2〜25質量%がより好ましく、2〜20質量%がさらに好ましい。(D)成分の含有量と(E)成分の含有量の合計が、前記下限値以上であれば、ゲル化が抑制されて、液体洗浄剤の流動性がより維持され、すすぎ性が向上しやすい。(D)成分の含有量と(E)成分の含有量の合計が、前記上限値以下であれば、液流動性が高まり過ぎず、使用性を向上でき、コストを抑えることができる。
(E)成分/(D)成分で表される質量比(以下、(E)/(D)比ということがある)は、0超3以下が好ましく、0超1以下がより好ましく、0超0.8以下がさらに好ましい。(E)/(D)比が、前記下限値以上であれば、ゲル化が抑制されて、液体洗浄剤の流動性がより維持され、すすぎ性が向上しやすい。(E)/(D)比が、前記上限値以下であれば、液流動性が高まり過ぎず、使用性を向上しやすい。
本発明の液体洗浄剤は、(B)成分及び(C)成分以外の任意界面活性剤を含有することができる。任意界面活性剤としては、例えば、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
(カチオン界面活性剤)
カチオン界面活性剤としては、衣料用などの液体洗浄剤に通常用いられているカチオン界面活性剤を用いることができ、例えば、カプリル酸ジメチルアミノプロピルアミド、カプリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ラウリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノプロピルアミド、オレイン酸ジメチルアミノプロピルアミド等の長鎖脂肪族アミドアルキル3級アミン又はその塩;パルミテートエステルプロピルジメチルアミン、ステアレートエステルプロピルジメチルアミン等の脂肪族エステルアルキル3級アミン又はその塩;パルミチン酸ジエタノールアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジエタノールアミノプロピルアミド;アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩などの第4級化物等が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、長鎖脂肪族アミドアルキル3級アミン又はその塩が好ましく、カプリル酸ジメチルアミノプロピルアミド、カプリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ラウリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノプロピルアミド、オレイン酸ジメチルアミノプロピルアミド又はこれらの塩がより好ましい。
これらのカチオン界面活性剤は、1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
(両性界面活性剤)
両性界面活性剤としては、衣料用などの液体洗浄剤に通常用いられている両性界面活性剤を用いることができ、例えば、アルキルベタイン型、アルキルアミドベタイン型、イミダゾリン型、アルキルアミノスルホン酸型、アルキルアミノカルボン酸型、アルキルアミドカルボン酸型、アミドアミノ酸型又はリン酸型等の両性界面活性剤が挙げられる。
これらの両性界面活性剤は、1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
(B)成分、(C)成分及び任意界面活性剤の総含有量(界面活性剤の総含有量)は、液体洗浄剤の総質量に対して、15〜85質量%が好ましく、15〜80質量%がより好ましく、30〜75質量%がさらに好ましい。
界面活性剤の総含有量が、前記下限値以上であれば、界面活性剤の高濃度化が達成されやすい。界面活性剤の総含有量が、前記上限値以下であれば、すすぎ性が向上しやすい。
界面活性剤の総含有量に対する(B)成分及び(C)成分の含有量の割合は、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、100質量%であってもよい。
界面活性剤の総含有量に対する(B)成分及び(C)成分の含有量の割合が、前記下限値以上であれば、液体洗浄剤に高い洗浄性能を付与し、かつ、再汚染防止性を向上しやすい。
<任意成分>
本発明の液体洗浄剤は、(A)成分〜(E)成分以外に、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲内で液体洗浄剤に通常用いられる成分を配合することができる。
このような任意成分としては、例えば、酵素、ハイドロトロープ剤(例えば、ポリエチレングリコール、芳香族スルホン酸又はその塩など)、洗浄性ビルダー、安定化剤、アルカリ剤(例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミン等)、金属イオン捕捉剤、シリコーン等の風合い向上剤、防腐剤、蛍光剤、移染防止剤、パール剤、酸化防止剤、着色剤として汎用の色素又は顔料、乳濁化剤、香料、pH調整剤などが挙げられる。
(酵素)
本発明の液体洗浄剤は、従来、衣料用などの洗浄剤等に配合されている酵素を含有してもよい。酵素を含有することで、液体洗浄剤を被洗物に直接塗布した際の塗布洗浄力がより向上する。
酵素としては、例えば、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、マンナナーゼ等が挙げられる。
プロテアーゼとしては、セリンプロテアーゼのように、分子内にセリン、ヒスチジン、及びアスパラギン酸を有するプロテアーゼが好ましい。
一般に、プロテアーゼを含有する製剤(プロテアーゼ製剤)が市販されている。液体洗浄剤を調製する際、プロテアーゼは、通常、このプロテアーゼ製剤を用いて配合される。
プロテアーゼ製剤としては、例えば、ノボザイムズ社から入手できる商品名Savinase16L、Savinase Ultra 16L、Savinase Ultra 16XL、Everlase 16L TypeEX、Everlase Ultra 16L、Esperase 8L、Alcalase 2.5L、Alcalase Ultra 2.5L、Liquanase 2.5L、Liquanase Ultra 2.5L、Liquanase Ultra 2.5XL、Coronase 48L;ジェネンコア社から入手できる商品名Purafect L、Purafect OX、Properase L等が挙げられる。
アミラーゼ製剤としては、例えば、ノボザイムズ社から入手できる商品名Termamyl 300L、Termamyl Ultra 300L、Duramyl 300L、Stainzyme 12L、Stainzyme Plus 12L;ジェネンコア社から入手できる商品名Maxamyl;天野エンザイム株式会社から入手できる商品名プルラナーゼアマノ;生化学工業株式会社から入手できる商品名DB−250等が挙げられる。
リパーゼ製剤としては、例えば、ノボザイムズ社から入手できる商品名Lipex 100L、Lipolase 100L等が挙げられる。
セルラーゼ製剤としては、例えば、ケアザイム4500L(商品名、ノボザイムズ社製)、ケアザイムプレミアム4500L(商品名、ノボザイムズ社製)、エンドラーゼ5000L(商品名、ノボザイムズ社製)、セルクリーン4500T(商品名、ノボザイムズ社製)等が挙げられる。
マンナナーゼ製剤としては、例えば、ノボザイムズ社から入手できる商品名Mannaway 4L等が挙げられる。
前記酵素は、1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
液体洗浄剤中の前記酵素の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して、酵素製剤として0.1〜3質量%が好ましい。
(pH調整剤)
本発明の液体洗浄剤のpHを所望の値とするために、pH調整剤を配合してもよい。ただし、上述した各成分のみで液体洗浄剤が所望のpHとなる場合は、pH調整剤を用いなくてもよい。
pH調整剤としては、例えば、硫酸、塩酸などの酸性化合物;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム等のアルカリ性化合物が挙げられる。液体洗浄剤の液安定性を高める観点から、硫酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム又はアルカノールアミンが好ましく、硫酸又は水酸化ナトリウムがより好ましい。
これらのpH調整剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。液体洗浄剤中のpH調整剤の含有量は、目的とするpHに応じて適宜選択される。
本発明の液体洗浄剤は、例えば、前記(A)成分〜(E)成分と、必要に応じて任意成分とを、溶媒である水に溶解し、pH調整剤を用いて所定のpHに調整することによって製造できる。
本発明の液体洗浄剤の25℃でのpHは、5〜9が好ましく、pH6〜8がより好ましい。
液体洗浄剤の25℃でのpHが前記範囲内にあれば、液体洗浄剤の保存安定性がより良好に維持される。
本発明において、液体洗浄剤のpHは、液体洗浄剤を25℃に調整し、pHメーター等により測定される値を示す。
なお、液体洗浄剤に含まれる全ての成分の含有量の合計が、100質量%となるものとする。
以上説明した本発明の液体洗浄剤は、特定量の(A)成分、(B)成分、(C)成分および(D)成分を含有し、(B)成分/(C)成分で表される質量比が0.5以上であるので、再汚染を抑制し、かつ、すすぎ性及び液安定性により優れる。特に、液体洗浄剤が(E)成分を含有していれば、ゲル化を抑制でき、液体洗浄剤の流動性がより維持される。
本発明の液体洗浄剤は、家庭用、商業用、工業用のいずれの用途にも利用可能である。中でも家庭用として好適に利用可能であり、衣料用の液体洗浄剤として特に好適である。
被洗物の種類は、家庭における洗濯で洗浄対象とされているものと同様のものが挙げられ、例えば、衣類、布巾、タオル類、シーツ、カーテン等の繊維製品等が例示される。
液体洗浄剤の使用方法は、例えば、液体洗浄剤を洗濯時に被洗物と一緒に水に投入する方法、液体洗浄剤を予め水に溶解して調製される洗浄剤水溶液に被洗物を浸漬する方法等が挙げられる。また、液体洗浄剤を被洗物に直接塗布して一定時間放置し、その後、通常の洗濯を行ってもよい(塗布洗浄)。
前記洗浄剤水溶液中の液体洗浄剤の含有量は、特に限定されない。水に対する液体洗浄剤の添加量は、例えば、水10L当たり、2〜10mLが好ましい。
以下、実施例を示して本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によって限定されるものではない。
各実施例および比較例で使用した原料、測定・評価方法は、以下の通りである。
[使用原料]
<(A)成分>
A−1:ポリエチレンイミンのエチレンオキシド付加体、BASF社製、商品名「Sokalan HP20」。式(I−a)において、R22がエチレン基、mが20である化合物。
<比較成分((A’)成分>
A’−1:ポリエチレンイミン(PEI)、BASF社製、商品名「ルパゾールP」。重量平均分子量約750000。
<(B)成分>
B−1:MEE(ポリオキシエチレン脂肪酸メチルエステル)。ヤシ脂肪酸メチル(質量比でラウリン酸メチル/ミリスチン酸メチル=8/2の混合物)に、アルコキシル化触媒を用いて、15モル相当のエチレンオキシドを付加したもの。一般式(III)中、R41=炭素数11のアルキル基及び炭素数13のアルキル基、R42=メチル基、s=15、t=0、ナロー率33%。
(B−1の製造方法)
1Lセパラブルフラスコに、イソプロピルアルコール(IPA)(一級試薬、関東化学株式会社製)525gと、酢酸カルシウム一水和物(特級試薬、関東化学株式会社製)150gを入れ、ディスパー攪拌翼により20℃で混合して分散物を得た(分散工程)。前記分散物を3000rpmで攪拌しながら、滴下ロートによって、硫酸(特級試薬、関東化学株式会社製)75gを60分間かけて添加し混合した(混合工程)。混合工程では硫酸の添加で発熱するので、セパラブルフラスコを温浴で、反応温度を15〜25℃に制御した。硫酸を添加した後、20℃に保ちながら、さらに2時間攪拌し(触媒熟成工程)、アルコキシル化触媒を得た。
オートクレーブに、前記アルコキシル化触媒2.1gと、ラウリン酸メチル(パステルM12、ライオンケミカル株式会社製)462gと、ミリスチン酸メチル(パステルM14、ライオンケミカル株式会社製)166gとを入れ、攪拌した。攪拌しながら、オートクレーブ内を窒素置換し、160℃に昇温し、0.1〜0.5MPaの条件で、エチレンオキシド(EO)1876g(ラウリン酸メチルとミリスチン酸メチルとの合計の15倍モル)を導入して攪拌した(付加反応工程)。さらに、付加反応温度で0.5時間攪拌した(熟成工程)後、80℃に冷却し、反応粗製物(脂肪酸メチルエステルエトキシレート(MEE)、EO平均付加モル数=15)2516gを得た。前記反応粗製物をろ過して触媒を除去し、B−1を得た。
(ナロー率の測定方法)
B−1のナロー率は、以下の手順で測定した。
下記測定条件により、酸化エチレンの付加モル数が異なる酸化エチレン付加体の分布を測定し、前記数式(S)によりナロー率(質量%)を算出した。
[HPLCによる酸化エチレン付加体の分布の測定条件]
装置:LC−6A((株)島津製作所製)。
検出器:SPD−10A。
測定波長:220nm。
カラム:Zorbax C8(Du Pont(株)製)。
移動相:アセトニトリル/水=60/40(体積比)。
流速:1mL/分。
温度:20℃。
B−2:AE(15EO)。炭素数12及び14の天然アルコール(第1級アルコール)に15モル相当のエチレンオキシドを付加したもの。一般式(III)中、R41=炭素数12のアルキル基及び炭素数14のアルキル基、R42=水素原子、s=15、t=0。
(B−2の製造方法)
プロクター・アンド・ギャンブル社製のCO−1214(商品名)861.2gと、30質量%NaOH水溶液2.0gとを耐圧型反応容器内に仕込み、該反応容器内を窒素置換した。次に、温度100℃、圧力2.0kPa以下で30分間脱水した後、温度を160℃まで昇温した。次いで、反応液を撹拌しながら、エチレンオキシド(ガス状)760.6gを反応液中に徐々に加えた。この時、反応温度が180℃を超えないように添加速度を調節しながら、エチレンオキシドを吹き込み管で加えた。
エチレンオキシドの添加終了後、温度180℃、圧力0.3MPa以下で30分間熟成した後、温度180℃、圧力6.0kPa以下で10分間、未反応のエチレンオキシドを留去した。次に、温度を100℃以下まで冷却した後、反応物の1質量%水溶液のpHが約7になるように、70質量%p−トルエンスルホン酸を加えて中和し、B−2を得た。
B−3:AE(7EO)。炭素数12及び14の天然アルコール(第1級アルコール)に7モル相当のエチレンオキシドを付加したもの。一般式(III)中、R41=炭素数12のアルキル基及び炭素数14のアルキル基、R42=水素原子、s=7、t=0。
B−4:EO/POノニオン。天然アルコール(質量比で炭素数12アルコール/炭素数14アルコール=7/3)に、8モル相当のエチレンオキシド、2モル相当のプロピレンオキシド、8モル相当のエチレンオキシドを、この順にブロック付加したもの。下記一般式(V)中、R61=炭素数12のアルキル基及び炭素数14のアルキル基、p=8、q=2、r=8。
61−O−[(EO)/(PO)]−(EO)−H・・・(V)
[式(V)中、R61は炭素数6〜22の炭化水素であり、pはEOの平均繰り返し数を表し、3〜20の数であり、qはPOの平均繰り返し数を表し、0〜6の数であり、rはEOの平均繰り返し数を表し、0〜20の数であり、EOはオキシエチレン基を表し、POはオキシプロピレン基を表す。]
B−5:ソフタノール。炭素数12〜14の第2級アルコールに、7モル相当のエチレンオキシドを付加したもの、ソフタノール70(商品名)、株式会社日本触媒製。一般式(V)中、R61=炭素数12のアルキル基及び炭素数14のアルキル基、p=7、q=0、r=0。
B−6:ルテンゾール(C13オキソアルコールエトキシレート)。ブテンを3量化して得られるC12アルケンをオキソ法に供して得られるC13アルコールに対して、10モル相当のエチレンオキシドを付加したもの(商品名:Lutensol TO10、BASF社製)。下記一般式(VI)中、m=6、n=10。
71−CH(R72)−CH−O−(CHCHO)−H・・・(VI)
[式(VI)中、R71はC2m+1で表され、R72はC(m−2)2(m−2)+1で表され、m=4〜6であり、n=3〜10である。]
このような成分を供給する原料は、例えば、ガーベット反応により得られる。ここで、ガーベット反応とは、第1級アルコールを金属ナトリウム又は金属カリウムの存在下で加熱すると、2分子縮合を起こしてβ位に分岐した第1級アルコールが生成する反応をいう。ガーベット反応により得られるアルコールは、下記一般式(VII)の構造を有する。
73−CH(R74)−CH−OH・・・(VII)
[式(VII)中、R73はC2m+1で表され、R74はC(m−2)2(m−2)+1で表される。]
<(C)成分>
C−1:AES、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩(天然アルコール(P&G社製の商品名「CO−1270」)に1モル相当のEOを付加した化合物)(ライオン(株)社製、商品名:BRES(1))。
C−2:LAS、炭素数10〜14のアルキル基を有する直鎖状又は分岐鎖状のアルキルベンゼンスルホン酸塩(ライオン(株)社製、商品名:ライポン(登録商標)LH−200)。
C−3:AEPS、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステルのモノエタノールアミン塩(1−ドデカノールに平均付加モル数1.0モルのプロピレンオキシドと、平均付加モル数2.0モルのエチレンオキシドをこの順に付加したのち、これを硫酸化したモノエタノールアミンで中和することにより製造したもの)。
C−4:ヤシ脂肪酸ナトリウム、日油株式会社製、商品名「椰子脂肪酸」。
<(D)成分>
D−1:3−メトキシ−3−メチルブタノール(クラレ社製、商品名「ソルフィット」)。一般式(d1)中、R=メチル基、R=R=R=水素原子。
D−2:ブチルカルビトール(ジエチレングリコールモノブチルエーテル、日本乳化剤株式会社製)。一般式(d2)中、R=水素原子、X=2、Y=0、R=ブチル基。
<(E)成分>
E−1:エタノール、日本アルコール販売株式会社製、商品名「特定アルコール95度合成」。
<pH調整剤>
水酸化ナトリウム又は硫酸:適量(pH7に調整するために必要な量)。各例の液体洗浄剤中のpH調整剤の合計は、0〜3質量%であった。
<水>
水:蒸留水、関東化学株式会社製。バランス(液体洗浄剤全体の量を100質量%とするための量)。
<任意成分>
以下、各成分の末尾に記載した「質量%」は、各例の最終的に調整された液体洗浄剤中の含有量である。
MEA(株式会社日本触媒製、商品名:「モノエタノールアミン」)、0.5質量%。
アルカラーゼ(ノボザイムズ社製、商品名:「Alcalase 2.5L」)、0.5質量%。
パラトルエンスルホン酸、PTS(協和発酵工業(株)製、商品名「PTS酸」)、0.2質量%。
TexCare SRN−170C(商品名、クラリアントジャパン社製、質量平均分子量:2000〜3000、pH(20℃の5質量%水溶液):4、粘度(20℃):300mPa・s)。TexCare SRN−170Cは、商品名:TexCare SRN−100(クラリアントジャパン社製、質量平均分子量:2000〜3000)の70質量%水溶液である、0.5質量%。
PPG:ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、アクトコールT−4000(商品名)、三井化学株式会社製、重量平均分子量4000、1質量%。
メチルグリシン2酢酸3ナトリウム、BASF社製、商品名「Trilon M Liquid」、0.5質量%。
安息香酸ナトリウム、東亞合成株式会社製、商品名「安息香酸ナトリウム」、0.3質量%。
塩化カルシウム、関東化学株式会社製、商品名「塩化カルシウム」、0.01質量%。
乳酸ナトリウム、関東化学株式会社製、商品名「乳酸ナトリウム」、0.5質量%。
香料、特開2002−146399号公報の表11〜18に記載の香料組成物A、0.5質量%。
色素、癸巳化成株式会社製、商品名「緑色3号」、0.0005質量%。
[実施例1〜25、比較例1〜5]
表1から表3の組成に従い、(A)成分〜(D)成分、(E)成分と任意成分とを水に加えて混合し、液体洗浄剤を得た。得られた液体洗浄剤について下記評価法により、すすぎ性、再汚染防止性、5℃又は25℃における液安定性、を評価した。結果を表1から表3に併記する。なお、実施例4〜6、8、9、10、21、23及び24は、参考例である。
なお、表中の含有量の単位は「質量%」であり、純分換算量を示す。任意成分は、pH調整剤と水を除く任意成分が所定量添加されていることを示す。pH調整剤は適量添加されていることを示す。「バランス」は、各例の組成物に含まれる全配合成分の合計の配合量(質量%)が100質量%となるように水が配合されていることを意味する。
Figure 0006930850
Figure 0006930850
Figure 0006930850
<評価方法>
[すすぎ性の評価]
表1〜3の各例に示す液体洗浄剤0.5gを、25℃に調温した水道水に溶解して洗浄液を調製した。この洗浄液20mLをエプトン管に入れ、このエプトン管を手で1ストローク/秒で20回振とうした。振とう終了から1分後のそれぞれの泡の高さ(泡と洗浄液との境界から、泡の上端面までの体積)を読み取り、下記評価基準に従って、すすぎ性を評価した。下記評価基準において、◎◎◎、◎◎、◎、○○及び○を合格とした。
(評価基準)
◎◎◎:泡の高さが30mm未満。
◎◎ :泡の高さが30mm以上50mm未満。
◎ :泡の高さが50mm以上70mm未満。
○○ :泡の高さが70mm以上90mm未満。
○ :泡の高さが90mm以上120mm未満。
△ :泡の高さが120mm以上150mm未満。
× :泡の高さが150mm以上。
[再汚染防止性の評価]
各例の液体洗浄剤を用いて、以下に示す洗浄工程、すすぎ工程、乾燥工程をこの順序で3回繰り返す洗濯処理を行った。
(洗浄工程)
被洗物として、下記の綿布、湿式人工汚染布及び肌シャツを用いた。
・綿布:再汚染判定布として綿メリヤス(谷頭商店製)5cm×5cmを5枚。
・湿式人工汚染布:財団法人洗濯科学協会製の汚染布(オレイン酸28.3質量%、トリオレイン15.6質量%、コレステロールオレート12.2質量%、流動パラフィン2.5質量%、スクアレン2.5質量%、コレステロール1.6質量%、ゼラチン7.0質量%、泥29.8質量%、カーボンブラック0.5質量%の組成の汚れが付着した布)を20枚。
・肌シャツ:肌シャツ(LLサイズ、DVD社製)を細かく(3cm×3cm程度)裁断したものを150枚。
Terg−o−tometer(UNITED STATES TESTING社製)内に、25℃の3°DH硬水900mLを入れ、ここに液体洗浄剤0.6gを加えた。次いで、前記被洗物を加えて浴比を20倍に調整し、120rpm、25℃で10分間洗浄した。
(すすぎ工程)
洗浄後の被洗物を、1分間脱水した後、25℃の3°DH硬水900mLを入れ、120rpm、25℃で3分間すすいだ。この操作(脱水、すすぎ)を2回繰り返した。2回目には、25℃の3°DH硬水900mLに、所定量の柔軟剤を添加してすすぎを行った。柔軟剤には、部屋干しソフラン(ライオン株式会社製)を用いた。
(乾燥工程)
すすいだ被洗物を1分間脱水した後、再汚染判定布(綿布)のみを取り出し、濾紙に挟み、アイロンで乾燥した。
(反射率の測定)
反射率計(分光式色差計SE2000、日本電色工業株式会社製)を用い、洗濯処理前後の再汚染判定布の反射率(Z値)を測定し、下式よりΔZを求めた。
ΔZ=(洗濯処理前のZ値)−(洗濯処理後のZ値)
綿布の再汚染判定布におけるΔZについて、5枚の平均値を求めた。そして、この平均値を指標とした下記判定基準に従い、液体洗浄剤による綿布への再汚染防止性を評価した。下記評価基準において、◎及び○を合格とした。
(評価基準)
◎:ΔZが5未満。
○:ΔZが5以上7未満。
△:ΔZが7以上9未満。
×:ΔZが9以上。
[液安定性の評価]
透明のガラス瓶(広口規格びん、PS−NO.11)に、各例の液体洗浄剤100mLを充填し、蓋を閉めて密封した。この状態で5℃又は25℃の恒温槽内に7日間静置して保存した。
かかる保存の後、液の外観を目視で観察し、下記評価基準に従って、液体洗浄剤の液安定性を評価した。△以上を合格とした。
(評価基準)
○:ガラス瓶の底部に沈殿物質が認められず、液の流動性がある。
△:ガラス瓶の底部に沈殿物質が認められるが、ガラス瓶を軽く振ると、その沈殿物質は消失(溶解)する。
×:ガラス瓶の底部に沈殿物質が認められ、ガラス瓶を軽く振ってもその沈殿物質は消失しない、又は、液体洗浄剤の製造直後にゲル化もしくは白濁を生じる。
表1から表3に示すように、本発明を適用した実施例1〜25は、すすぎ性、再汚染防止性に優れ、かつ液安定性も良好であることが確認できた。
一方、(A)成分を含有しない比較例1は、再汚染防止性が「△」だった。(D)成分を含有しない比較例2は、すすぎ性が「△」だった。(A)成分の代わりに(A’)成分を使用した比較例3は、再汚染防止性が「△」だった。(B)成分を含有しない比較例4は、すすぎ性が「×」だった。(B)成分/(C)成分で表される質量比が0.5未満である比較例5は、すすぎ性が「△」だった。
これらの結果から、本発明の液体洗浄剤組成物によれば、再汚染を抑制し、かつ、すすぎ性及び液安定性により優れることが分かった。

Claims (2)

  1. (A)成分:ポリアルキレンアミンのアルキレンオキシド付加体と、
    (B)成分:ノニオン界面活性剤と、
    (C)成分:アニオン界面活性剤と、
    (D)成分:下記一般式(d1)で表される有機溶媒と、を含有し、
    前記(B)成分/前記(C)成分で表される質量比が1.76以上30以下であり、
    前記(D)成分/前記(A)成分で表される質量比が1.67超50以下である、液体洗浄剤組成物。
    Figure 0006930850
    (式(d1)中、R〜Rは、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基、Rは、水素原子又はアセチル基である。)
  2. さらに、(E)成分:炭素数2〜3の1価アルコール及び炭素数2〜4の多価アルコールから選択される少なくとも1種を含有し、前記(E)成分/前記(D)成分で表される質量比が0より大きく3以下である、請求項1に記載の液体洗浄剤組成物。
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