JP6230186B2 - 液体洗浄剤 - Google Patents

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本発明は液体洗浄剤に関する。
近年、衛生意識の高まりにより抗菌製品が多く世に出回るようになり、洗濯洗剤においても抗菌性能が求められている。洗濯物の室内干し頻度も近年増加し、より高い抗菌性能を持つ洗濯洗剤が求められている。抗菌性能を付与する抗菌剤として、例えばカチオン界面活性剤が用いられる。
従来、タンパク質汚れに対する洗浄力の向上のためにアニオン界面活性剤が用いられてきたが、アニオン界面活性剤を配合するによって抗菌剤の効果が低下してしまうという不都合があった。
特許文献1には、ノニオン界面活性剤を主要な成分とする液体洗浄剤が記載されている。実施例には、ステアリルアミンにアルキレンオキシドが開環付加したポリオキシアルキレンアミンと、第4級アンモニウム塩型のカチオン界面活性剤と、分散媒であるプロピレングリコール5部および水(残部)を含有する液体洗浄剤が記載されている。
特許文献の表1、2にはポリオキシアルキレンアミンにおけるオキシアルキレン基の繰返し数が50以上である実施例では油汚れの洗浄力、再汚染防止性、および抗菌性能が良好であるが、該オキシアルキレン基の繰返し数が4または13である比較例では、それらの特性が低下することが示されている。
特開2004−27181号公報
特許文献1に記載の液体洗浄剤では、タンパク質汚れに対する洗浄力および液の安定性が必ずしも充分ではない。特に低温下において液体洗浄剤の透明性や流動性が損なわれやすいという問題がある。
本発明は、タンパク質汚れに対する洗浄力、抗菌性能および液の保存安定性に優れた液体洗浄剤の提供を目的とする。
本発明の液体洗浄剤は、
下記一般式(I)で表されるノニオン界面活性剤(A1)と、
下記一般式(II)で表されるカチオン界面活性剤(B1)と、
水混和性有機溶剤(C)を含有し、水混和性有機溶剤(C)の含有量が5質量%を超えることを特徴とする。
Figure 0006230186
[式中、Rは炭素数12〜20のアルキル基またはアルケニル基であり、AOおよびAOはそれぞれ独立に炭素数2〜3のオキシアルキレン基を示し、pは(AO)の平均繰返し数を示し、qは(AO)の平均繰返し数を示し、p+qは10〜50である。]
Figure 0006230186
[式中、R〜Rのうちの1つは炭素数8〜20のアルキル基またはアルケニル基であり、それ以外はそれぞれ独立に炭素数1〜3のアルキル基またはベンジル基である。Xは対イオンを示す。]
さらに、酵素を0.01〜4質量%を含有することが好ましい。
本発明によれば、タンパク質汚れに対する洗浄力、抗菌性能および液の保存安定性に優れた液体洗浄剤が得られる。
本発明の液体洗浄剤は、前記一般式(I)で表されるノニオン界面活性剤(A1)(以下、(A1)成分という。)と、前記一般式(II)で表されるカチオン界面活性剤(B1)(以下、(B1)成分という。)と、水混和性有機溶剤(C)(以下、(C)成分という。)を含有する。
本発明の液体洗浄剤は、家庭用、商業用、工業用の用途として利用可能であり、なかでも家庭用として好適に利用可能であり、衣料用の液体洗浄剤として特に好適である。
洗浄対象物(被洗物)の種類は、家庭における洗濯で洗浄対象とされているものと同様のものが挙げられ、たとえば衣類、布巾、タオル類、シーツ、カーテン等の繊維製品等が例示される。
<(A1)成分>
(A1)成分は前記式(I)で表されるノニオン界面活性剤である。
式(I)において、Rは炭素数12〜20のアルキル基または炭素数12〜20のアルケニル基である。アルキル基は直鎖でもよく、分岐鎖でもよい。アルケニル基は直鎖でもよく、分岐鎖でもよい。Rの炭素数が12以上であると、(A1)成分の汚れへの良好な親和性が得られ、20以下であると良好な溶解性が得られる。
式(I)において、AO、AOは、それぞれ独立に炭素数2〜3のオキシアルキレン基(以下、AOともいう。)である。pはAOの平均繰返し数を示し、qはAOの平均繰返し数を示す。
(AO)を構成するAOがオキシエチレン基(以下、EOともいう。)のみでもよく、オキシプロピレン基(以下、POともいう。)のみでもよく、両方でもよい。両方の場合、(AO)はランダム鎖でもよく、ブロック鎖でもよい。
(AO)を構成するAOがオキシエチレン基(以下、EOともいう。)のみでもよく、オキシプロピレン基(以下、POともいう。)のみでもよく、両方でもよい。両方の場合、(AO)はランダム鎖でもよく、ブロック鎖でもよい。
p、qはそれぞれ0超である。p+qは10〜50であり、10〜40が好ましく、10〜30がより好ましい。
p+qの値が上範囲の下限値以上であると洗浄性能が良好となり、上限値以下であると液体洗浄剤の安定性に優れる。
(A1)成分は、好ましくは下記式(Ia)で表される化合物である。
Figure 0006230186
式(Ia)中のRは、好ましい態様も含めて式(I)におけるRと同じである。
POはオキシプロピレン基であり、x、yはPOの平均繰返し数(すなわちプロピレンオキシドの平均付加モル数)である。
EOはオキシエチレン基であり、a、bはEOの平均繰返し数(すなわちエチレンオキシドの平均付加モル数)である。
x≧0、y≧0、a≧1、b≧1であり、x+y=0〜10、a+b=2〜50、かつx+y+a+b=10〜50である。
x+yの値は2〜10が好ましく、2〜4がより好ましい。POの平均繰返し数の合計であるx+yの値が、2以上であるとタンパク質汚れ洗浄力に優れ、10以下であると液体洗浄剤の安定性に優れる。
a+bの値は10〜40が好ましく、10〜30がより好ましい。EOの平均繰返し数の合計であるa+bの値が、2以上であるとタンパク質汚れ洗浄力に優れ、50以下であると液体洗浄剤の安定性に優れる。
x+y+a+bの値は、好ましい態様も含めて式(I)におけるp+qの値と同じである。
x、yがそれぞれ1以上である場合、−(PO)(EO)−および−(PO)(EO)−は、ランダム鎖でもよく、ブロック鎖でもよい。
特に式(Ia)で表される化合物として、x、yがそれぞれ1以上であり、−(PO)(EO)−および−(PO)(EO)−が、N原子にPOが結合し、かつ水素原子にEOが結合するブロック鎖である化合物、すなわち末端EO型のブロック付加体の化合物が、タンパク質汚れ洗浄力に優れる点で好ましい。その理油は明らかではないが、N原子にPOが結合した構造を有することにより、タンパク質汚れとの親和性が高まり、洗濯液への汚れの分散力が増すことによって、タンパク質汚れ洗浄力が向上すると考えられる。
式(Ia)で表される、末端EO型のブロック付加体は、アルキルアミンにPOを付加させた後に、EOを付加させる方法で製造できる。
具体的には、ステアリルアミンにPOを2モル(すなわち、x+y=2(ただし、x=y=1))、EOを13モル(すなわち、a+b=13(ただし、a=6〜7、b=6〜7))付加させた末端EO型のブロック付加体;ヤシアルキルアミンにPOを2モル(すなわち、x+y=2(ただし、x=y=1))、EOを13モル(すなわち、a+b=13(ただし、a=6〜7、b=6〜7))付加させた末端EO型のブロック付加体が好ましい。
(A1)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
液体洗浄剤100質量%中の(A1)成分の含有量は、4〜50質量%が好ましく、4〜45質量%がより好ましい。上記範囲の下限値以上であるとタンパク質汚れ洗浄力に優れ、上限値以下であると液体洗浄剤の安定性に優れる。
また(A1)成分のうち、式(Ia)で表される化合物であって、末端EO型のブロック付加体である化合物が占める割合が10〜100質量%であることが好ましく、50〜100質量%がより好ましい。
<(A2)成分>
(A2)成分は、(A1)成分以外のノニオン界面活性剤である。本発明の液体洗浄剤に(A2)成分を含有させることができる。
(A2)成分は、従来、液体洗浄剤に用いられているものを適宜用いることができる。
例えば、ポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤、アルキルフェノール、高級脂肪酸、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、脂肪酸アルカノールアミン、脂肪酸アルカノールアミド、多価アルコール脂肪酸エステル又はそのアルキレンオキシド付加体、多価アルコール脂肪酸エーテル、アルキル(又はアルケニル)アミンオキシド、硬化ヒマシ油のアルキレンオキシド付加体、糖脂肪酸エステル、N−アルキルポリヒドロキシ脂肪酸アミド、アルキルグリコシド等が挙げられる。
(A2)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A2)成分としては、上記の中でも、粘度及び液安定性の点で、ポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤が好ましい。
ポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤としては、例えば、下記一般式(III)で表される化合物(以下、化合物(III)ともいう。)が挙げられる。
11−Q−(EO)(PO)−R12 ・・・(III)
[式中、R11は炭素数8〜22の1価の炭化水素基であり、−Q−は2価の連結基であり、R12は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数2〜6のアルケニル基である。EOはオキシエチレン基であり、POはオキシプロピレン基である。sはEOの平均繰返し数を示し、3〜20である。tはPOの平均繰返し数を示し、0〜6である。]
式(III)中、R11は炭素数8〜22の炭化水素から水素原子1個を除いた炭化水素基である。該炭化水素基は直鎖であっても分岐鎖であってもよく、不飽和結合を有していても有していなくてもよい。R11の炭素数は10〜18が好ましい。
式(III)中の−Q−は2価の連結基であり、例えば−O−、−COO−、−CONH−等が挙げられる。
12としてのアルキル基の炭素数は1〜6であり、1〜3が好ましい。
12としてのアルケニル基の炭素数は2〜6であり、2〜3が好ましい。
−Q−が−O−、−COO−又は−CONH−である化合物(III)は、1級もしくは2級の高級アルコール(R11−OH)、高級脂肪酸(R11−COOH)又は高級脂肪酸アミド(R11−CONH)を原料として得られる。
式(III)において、EOの平均繰返し数を表すsは、3〜20の数であり、5〜18が好ましい。上記上限値超では、HLB値が高くなりすぎて皮脂に対する洗浄力が低下するおそれがあり、上記下限値未満では、臭気の劣化を生じるおそれがある。
POの平均繰返し数を表すtは、0〜6の数であり、0〜3が好ましい。上記上限値超では、液体洗浄剤の高温下での液安定性が低下する傾向にある。
tが1以上の場合、即ち、化合物(III)が、EO及びPOを有する場合、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドの付加方法は、特に限定されず、例えば、ランダム付加方法でもよく、ブロック付加方法でもよい。ブロック付加方法としては、例えば、エチレンオキシドを付加した後、プロピレンオキシドを付加する方法、プロピレンオキシドを付加した後、エチレンオキシドを付加する方法、エチレンオキシドを付加した後、プロピレオキシドを付加し、さらにエチレンオキシドを付加する方法等が挙げられる。
エチレンオキシド又はプロピレンオキシドの付加モル数分布は特に限定されない。付加モル数分布は、ノニオン界面活性剤を製造する際の反応方法によって変動しやすい。例えば、一般的な水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ触媒を用いて、エチレンオキシドやプロピレンオキシドを疎水性原料に付加させた際には、エチレンオキシド又はプロピレンオキシドの付加モル数分布が比較的広い分布となる傾向にある。また、特公平6−15038号公報に記載のAl3+、Ga3+、In3+、Tl3+、Co3+、Sc3+、La3+、Mn2+等の金属イオンを添加した酸化マグネシウム等の特定のアルコキシル化触媒を用いて、エチレンオキシドやプロピレンオキシドを疎水基原料に付加させた際には、エチレンオキシドやプロピレンオキシドの付加モル数分布が比較的狭い分布となる傾向にある。
化合物(III)としては、特に、−Q−が−O−である化合物(アルコール型ノニオン界面活性剤)、又は、−Q−が−COO−であり、R12が炭素数1〜6のアルキル基もしくは炭素数2〜6のアルケニル基である化合物(脂肪酸アルキル(アルケニル)エステル)が好ましい。
−Q−が−O−である場合、R11の炭素数は10〜22が好ましく、10〜20がより好ましく、10〜18がさらに好ましい。
−Q−が−O−である場合、R12は、水素原子が好ましい。
−Q−が−COO−である場合、R11の炭素数は9〜21が好ましく、11〜21がより好ましい。
−Q−が−COO−である場合、R12は炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数2〜6のアルケニル基が好ましく、炭素数1〜3のアルキル基がより好ましい。
−Q−が−O−又は−COO−である化合物(III)としては、例えば、三菱化学株式会社製のダイヤドール(商品名、C13(Cは炭素数を示す。以下同様。))、Shell社製のNeodol(商品名、C12とC13との混合物)、Sasol社製のSafol23(商品名、C12とC13との混合物)等のアルコールに対して、12モル相当、又は15モル相当のエチレンオキシドを付加したもの;プロクター・アンド・ギャンブル社製のCO−1214又はCO−1270(商品名)等の天然アルコールに対して、12モル相当又は15モル相当のエチレンオキシドを付加したもの;ブテンを3量化して得られるC12アルケンをオキソ法に供して得られるC13アルコールに対して、7モル相当のエチレンオキシドを付加したもの(商品名:Lutensol TO7、BASF社製);ペンタノールをガーベット反応に供して得られるC10アルコールに対して、9モル相当のエチレンオキシドを付加したもの(商品名:Lutensol XP90、BASF社製);ペンタノールをガーベット反応に供して得られるC10アルコールに対して、7モル相当のエチレンオキシドを付加したもの(商品名:Lutensol XL70、BASF社製);ペンタノールをガーベット反応に供して得られるC10アルコールに対して、6モル相当のエチレンオキシドを付加したもの(商品名:Lutensol XA60、BASF社製);炭素数12〜14の第2級アルコールに対して、9モル相当又は15モル相当のエチレンオキシドを付加したもの(商品名:ソフタノール90、ソフタノール150、株式会社日本触媒製);ヤシ脂肪酸メチル(ラウリン酸/ミリスチン酸=8/2)に対して、アルコキシル化触媒を用いて、15モル相当のエチレンオキシドを付加したもの(ポリオキシエチレンヤシ脂肪酸メチルエステル(EO15モル))等が挙げられる。
化合物(III)としては、上記の中でも、−Q−が−COO−でありRが炭素数1〜6のアルキル基であり、tが0である化合物、即ち、ポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステルが好ましく、Rがメチル基であるポリオキシエチレン脂肪酸メチルエステル(以下、MEEということがある。)がより好ましい。
(A2)成分として、ポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステルを用いることで、液体洗浄剤の水への溶解性を高め、洗浄力を高められる。
ポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステル、特にMEEは、水溶液系中で分子同士の配向性が弱く、ミセルが不安定なノニオン界面活性剤である。このため、ポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステルは、高濃度でゲル化等を生じず、1種単独で多量に液体洗浄剤中に配合されても、水への溶解性を高められると推測される。従って、ポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステルを含む液体洗浄剤が水に分散されると、洗浄液中のポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステルの濃度が速やかに均一となり、洗浄初期から任意の濃度で被洗物と接して高い洗浄力を発揮すると考えられる。
ポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステルの製造方法としては、特に制限されるものではないが、例えば、表面改質された複合金属酸化物触媒を用いて、脂肪酸アルキルエステルに酸化エチレンを付加重合させる方法(特開2000−144179号公報参照)が挙げられる。
前記の表面改質された複合金属酸化物触媒の好適なものとしては、例えば、金属水酸化物等により表面改質された、金属イオン(Al3+、Ga3+、In3+、Tl3+、Co3+、Sc3+、La3+、Mn2+等)が添加された酸化マグネシウム等の複合金属酸化物触媒や、金属水酸化物及び/又は金属アルコキシド等により表面改質されたハイドロタルサイトの焼成物触媒等が挙げられる。
(A2)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
液体洗浄剤に(A2)成分を含有させる場合、液体洗浄剤100質量%中の(A2)成分の含有量は、(A2)成分を用いることによる洗浄力の向上効果が十分に得られる点で、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましい。該(A2)成分の含有量の上限は特に限定されず、他の成分とのバランスを考慮して適宜設定することができる。例えば70質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましい。
また、(A1)/[(A1)+(A2)]で表される、液体洗浄剤中の(A1)成分と(A2)成分の合計量に対する、(A1)成分含有量の割合(質量比)は、0.1〜1.0が好ましい。特に、該質量比が0.5〜1.0であると、優れた抗菌性能およびタンパク質汚れ洗浄力が得られやすい。
液体洗浄剤100質量%中の、(A1)成分と(A2)成分の合計の含有量は特に限定されないが、液体洗浄剤の洗浄力の点からは15質量%以上が好ましく、25質量%以上がより好ましい。また液体洗浄剤の外観安定性の点からは、60質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましい。
<(B1)成分>
(B1)成分は前記式(II)で表されるカチオン界面活性剤である。
式(II)において、R〜Rの中の1つは炭素数8〜20のアルキル基または炭素数8〜20のアルケニル基であり、それ以外はそれぞれ独立に炭素数1〜3のアルキル基またはベンジル基である。すなわち、R〜Rのうちの1つのみが炭素数8〜20の長鎖である。
〜Rの中の1つが炭素数8〜20のアルキル基または炭素数8〜20のアルケニル基であり、それ以外はそれぞれ独立に炭素数1〜3のアルキル基であることが好ましい。
炭素数8〜20のアルキル基としては、炭素数12〜18のアルキル基が好ましい。アルキル基は直鎖でもよく分岐鎖でもよい。炭素数8〜20のアルケニル基としては、炭素数12〜18のアルケニル基が好ましい。アルケニル基は直鎖でもよく分岐鎖でもよい。特に炭素数14または16のアルキル基であると抗菌性能に優れる。
炭素数1〜3のアルキル基は、メチル基、エチル基、またはプロピル基である。これらのうち原料入手のしやすさの点でメチル基が好ましい。
(B1)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
液体洗浄剤100質量%中の(B1)成分の含有量は、0.1〜20質量%が好ましく、1〜10質量%がより好ましく、1〜5質量%がさらに好ましい。上記範囲の下限値以上であると抗菌性能に優れ、上限値以下であると液体洗浄剤の安定性に優れる。
また、(A1)/(B1)で表される、液体洗浄剤中の(B1)成分の含有量に対する、(A1)成分の含有量の割合(質量比)は、0.5〜20が好ましく、1〜20がより好ましく、1超かつ20以下がさらに好ましい。(A1)/(B1)が上記下限値以上であるとタンパク質汚れ洗浄力に優れ、上記上限値以下であると抗菌性能に優れる。
<(C)成分>
(C)成分は水混和性有機溶媒である。「水混和性有機溶媒」とは、25℃のイオン交換水1Lに50g以上溶解する有機溶媒をいう。
(C)成分としては、例えば、炭素数2〜4の一価アルコール、炭素数2〜4の多価アルコール、及び下記式(IV)で表されるグリコールエーテル系溶剤からなる群から選択される1種以上が好ましい。
−(ORO−R…(IV)
[式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基、またはカルボニル基であり、Rは炭素数2〜4のアルキレン基であり、Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基である。mは平均繰返し数を表し、1〜5である。]
炭素数2〜4の1価アルコールとしては、たとえば、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール等が挙げられる。
炭素数2〜4の多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、平均分子量約200〜5000のポリエチレングリコール、メトキシポリエチレングリコール、グリセリン等が挙げられる。
前記式(IV)で表されるグリコールエーテル系溶剤としては、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ダイセル社製セルトールEDGAC(ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート)等が挙げられる。
(C)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
液体洗浄剤100質量%中の(C)成分の含有量は、2〜40質量%が好ましく、5〜30質量%がより好ましく、6〜25質量%がさらに好ましい。(C)成分の含有量が上記下限値以上であると液状洗浄剤の安定性に優れる。上記上限値より多く(C)成分を含有させても、経済的に見合う効果は得られない。
<(D)成分>
本発明の液体洗浄剤に酵素(D)(以下(D)成分という)を含有させることができる。(D)成分としてはプロテアーゼが好ましい。プロテアーゼを配合することにより、(B)成分による抗菌効果を損なうことなく、タンパク汚れに対する洗浄力をさらに向上させるができる。また菌の繁殖の一因であるタンパク質汚れに対する洗浄力が高まる結果、抗菌性能も向上する。
(D)成分としてのプロテアーゼは、例えば、市販のプロテアーゼ製剤を用いることができる。具体例としては、Savinase16L、Savinase Ultra 16L、Savinase Ultra 16XL、Everlase 16L TypeEX、Everlase Ultra 16L、Esperase 8L、Alcalase 2.5L、Alcalase Ultra 2.5L、Liquanase 2.5L、Liquanase Ultra 2.5L、Liquanase Ultra 2.5XL、Coronase 48L(いずれも商品名、ノボザイムズ社製)、Purafect L、Purafect OX、Properase L(いずれも商品名、ジェネンコア社製)等が挙げられる。
酵素は1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
液体洗浄剤100質量%中の(D)成分の含有量は、0.01〜4質量%が好ましく、0.05〜2質量%がより好ましく、0.1〜1質量%がさらに好ましい。(D)成分の含有量が上記下限値以上であるとタンパク質汚れ洗浄力の向上効果に優れる。(D)成分を上記上限値より多く含有させても、経済的に見合う効果は得られない。
<水>
本発明の液体洗浄剤は、さらに分散媒として水を含有してもよい。水を含有する場合、液体洗浄剤中の水の含有量は他の成分とのバランスを考慮して適宜設定することができる。例えば液体洗浄剤100質量%に対して、10〜80質量%が好ましく、15〜75質量%がより好ましい。
<その他の任意成分>
本発明の液体洗浄剤は、上記の(A1)〜(D)成分および水以外に、液体洗浄剤に用いられている公知の成分を適宜用いることができる。
例えば(C)成分以外の可溶化剤(又は減粘剤)、金属イオン捕捉剤、酸化防止剤、防腐剤、風合い向上剤、移染防止剤、再汚染防止剤、パール剤、ソイルリリース剤、着香剤、着色剤、乳濁剤、蛍光剤、酵素、エキス等の任意成分を含有できる。
これらは液体洗浄剤において公知の成分を適宜用いることができる。
その他の任意成分の含有量は特に限定されないが、例えば、液体洗浄剤100質量%中、10質量%以下が好ましく、7質量%以下がより好ましく、5質量%以下がさらに好ましい。
液体洗浄剤のpHはpH調整剤により調整できる。pH調整剤としては、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸;多価カルボン酸類、ヒドロキシカルボン酸類等の有機酸;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルカノールアミン、アンモニア等が挙げられる。これらのなかでも、液体洗浄剤の経時安定性の面から、硫酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルカノールアミンが好ましく、硫酸、水酸化ナトリウムが好ましい。
pH調整剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。たとえば一定量の硫酸、水酸化ナトリウム等を添加することにより制御した場合、さらに、pHの微調整用として無機酸(好ましくは塩酸、硫酸)又は水酸化カリウム等をさらに添加することができる。
本発明の液体洗浄剤は、アニオン界面活性剤を含まないか、含む場合は脂肪酸塩に限定される。好ましくは、炭素数が8〜20の脂肪酸塩である。これらの塩としては、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩;マグネシウムなどのアルカリ土類金属塩;モノエタノールアミン、ジエタノールアミンなどのアルカノールアミン塩等が挙げられる。
またアニオン界面活性剤を含む場合、少量であることが好ましい。具体的に液体洗浄剤100質量%中のアニオン界面活性剤の含有量は、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、3質量%以下がさらに好ましい。
<好ましい組成>
本発明の液体洗浄剤の好ましい組成として以下の組成(i)〜(iii)が挙げられる。
組成(i):
(A1)成分1〜10質量%、好ましくは2〜8質量%、
(A2)成分10〜70質量%、好ましくは20〜50質量%、
(B1)成分0.1〜20質量%、好ましくは1〜5質量%、
(C)成分5〜30質量%、好ましくは6〜25質量%、さらに好ましくは8〜15質量%、および
(D)成分0〜3質量%、好ましくは0〜1質量%を含む液体洗浄剤。
組成(i)において、(A1)/(B1)は0.1〜5が好ましく、0.1〜2がより好ましい。
組成(i)において、(A1)/[(A1)+(A2)]は0.05〜0.5が好ましく、0.05〜0.3がより好ましい。
組成(i)において、(A2)成分としてはMEEが特に好ましい。
組成(ii):
(A1)成分5〜60質量%、好ましくは30〜50質量%、
(B1)成分0.1〜10質量%、好ましくは1〜5質量%、
(C)成分5〜30質量%、好ましくは6〜25質量%、さらに好ましくは15〜25質量%、および
(D)成分0〜3質量%、好ましくは0〜1質量%を含む液体洗浄剤。
組成(ii)において、(A1)/(B1)は5〜25が好ましく、10〜15がより好ましい。組成(ii)は(A2)成分を含まない配合である。
組成(iii):
(A1)成分2〜35質量%、好ましくは20〜35質量%、
(A2)成分5〜35質量%、好ましくは5〜20質量%、
(B1)成分0.1〜10質量%、好ましくは1〜5質量%、
(C)成分5〜30質量%、好ましくは6〜25質量%、さらに好ましくは15〜25質量%および
(D)成分0〜3質量%、好ましくは0〜1質量%を含む液体洗浄剤。
組成(iii)において、(A1)/(B1)は1〜20が好ましく、5〜15がより好ましい。
組成(iii)において、(A1)/[(A1)+(A2)]は0.1〜2が好ましく、0.5〜1がより好ましい。
組成(iii)において、(A2)成分としてはLutensol TO7またはLutensol XL70が特に好ましい。
<製造方法>
液体洗浄剤は、従来公知の液体洗浄剤の製造方法に準じて製造される。
液体洗浄剤の製造方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。まず、分散媒である水の一部に(C)成分を分散した後、(A)〜(B)成分を加え、混合する。任意のpHに調整した後、必要に応じて任意成分を加える。水の残部を加えて全体量を100質量%として、液体洗浄剤とする。
本発明の液体洗浄剤は、後述の実施例に示されるように、タンパク質汚れに対する洗浄力、抗菌性能および液の保存安定性に優れる。
上記組成(i)では、優れた液の保存安定性、優れたタンパク質洗浄力が得られ易い。(A1)成分の含有量を少なくして、(A2)成分を多くすると、(C)成分の含有量を少なくしても液外観が保たれ易い。
組成(ii)では、(A2)成分を用いなくても、良好なタンパク質洗浄力、抗菌性が得られやすい。組成(iii)であると(A2)成分を追加することでさらにタンパク汚れ洗浄力が高くなり、特に優れた抗菌性が得られ易い。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。本実施例において「%」は特に断りがない限り「質量%」を示す。
各例の液体洗浄剤の組成を表1〜3に示す。表中、各配合成分の含有量の単位は「質量%」であっていずれも純分換算量を示す。表中、空欄の配合成分がある場合、その配合成分は配合されていない。
表中、「(A1)/(B1)」は、液体洗浄剤中の(B1)成分の含有量に対する、(A1)成分の含有量の割合(質量比)を意味する。
「(A1)/[(A1)+(A2)]」は、液体洗浄剤中の(A1)成分と(A2)成分の合計量に対する、(A1)成分含有量の割合(質量比)を意味する。
本実施例において使用した原料は下記の通りである。
<(A1)成分>
(a−1):ステアリルアミンのエチレンオキシド(13モル)プロピレンオキシド(2モル)付加物(末端EO型のブロック付加体)。上記一般式(Ia)中のR=炭素数18のアルキル基、x+y=2、a+b=13である化合物。
(a−2): ステアリルアミンのエチレンオキシド(18モル)プロピレンオキシド(2モル)付加物(末端EO型のブロック付加体)。上記一般式(Ia)中のR=炭素数18のアルキル基、x+y=2、a+b=18である化合物。
(a−3): ステアリルアミンのエチレンオキシド(18モル)プロピレンオキシド(4モル)付加物(末端EO型のブロック付加体)。上記一般式(Ia)中のR=炭素数18のアルキル基、x+y=4、a+b=18である化合物。
(a−4):ヤシアルキルアミンのエチレンオキシド(13モル)プロピレンオキシド(2モル)付加物(末端EO型のブロック付加体)。上記一般式(Ia)中のR=炭素数12/14のアルキル基、x+y=2、a+b=13である化合物。
(a−5):ポリオキシエチレン(20)ヘキサデシルアミン(上記一般式(a1)中のR=炭素数16のアルキル基、オキシエチレン基の平均繰返し数20、p+q=20に相当)合成品。
<(A2)成分>
MEE:ヤシ脂肪酸メチル(質量比でラウリン酸メチル/ミリスチン酸メチル=8/2の混合物)に対して、アルコキシル化触媒を用いて、15モル相当のエチレンオキシドを付加したもの。下記合成方法により合成されたもの。
[MEEの合成方法]
特開2000−144179号公報に記載の合成方法に準じて合成した。
組成が2.5MgO・Al・wHOである水酸化アルミナ・マグネシウム(キョーワード300(商品名)、協和化学工業株式会社製)を600℃で1時間、窒素雰囲気下で焼成して、焼成水酸化アルミナ・マグネシウム(未改質)触媒を得た。焼成水酸化アルミナ・マグネシウム(未改質)触媒2.2gと、0.5N水酸化カリウムエタノール溶液2.9mLと、ラウリン酸メチルエステル280gと、ミリスチン酸メチルエステル70gとを4Lオートクレーブに仕込み、オートクレーブ内で触媒の改質を行った。次いで、オートクレーブ内を窒素で置換した後、温度を180℃、圧力を0.3MPaに維持しつつ、エチレンオキシド1052gを導入し、撹拌しながら反応させた。
得られた反応液を80℃に冷却し、水159gと、濾過助剤として活性白土及び珪藻土をそれぞれ5g添加した後、触媒を濾別して、MEEを得た。
LMAO:天然アルコールに15モル相当のエチレンオキシドが付加したもの。下記合成方法により合成されたもの
[LMAOの合成方法]
プロクター・アンド・ギャンブル社製のCO−1214(商品名)861.2gと、30質量%NaOH水溶液2.0gとを耐圧型反応容器中に仕込み、容器内を窒素置換した。次に、温度100℃、圧力2.0kPa以下で30分間脱水した後、温度を160℃まで昇温した。次いで、反応液を撹拌しながら、エチレンオキシド(ガス状)760.6gを反応液中に徐々に加えた。この時、反応温度が180℃を超えないように添加速度を調節しながら、エチレンオキシドを吹き込み管で加えた。
エチレンオキシドの添加終了後、温度180℃、圧力0.3MPa以下で30分間熟成した後、温度180℃、圧力6.0kPa以下で10分間、未反応のエチレンオキシドを留去した。
次に、温度を100℃以下まで冷却した後、反応物の1質量%水溶液のpHが約7になるように、70質量%p−トルエンスルホン酸を加えて中和し、LMAOを得た。
Lutensol TO7:ブテンを3量化して得られるC12アルケンをオキソ法に供して得られるC13アルコールに対して、7モル相当のエチレンオキシドを付加したもの(Lutensol TO7(商品名)、BASF社製)。
Lutensol XL70:ペンタノールをガーベット反応に供して得られるC10アルコールに対して、7モル相当のエチレンオキシドを付加したもの(Lutensol XL70(商品名)、BASF社製)。
<(B1)成分>
(b−1)塩化アルキル(炭素数12)トリメチルアンモニウム、ライオンアクゾ社製、商品名「アーカード12−37W」。
(b−2)塩化アルキル(炭素数14)トリメチルアンモニウム、市販品。
(b−3)塩化アルキル(炭素数16)トリメチルアンモニウム、ライオンアクゾ社製、商品名「アーカード16」。
(b−4):塩化アルキル(炭素数16〜18)トリメチルアンモニウム、ライオンアクゾ社製、商品名「アーカードT−800」。
(b−5):塩化ベンザルコニウム、ライオンアクゾ社製、商品名「アーカードCB」。
(b’−1):(比較成分)塩化ジデシルジメチルアンモニウム、ライオンアクゾ社製 商品名:アーカード210。
<(C)成分>
(c−1)ジエチレングリコールモノブチルエーテル:日本乳化剤社製、商品名「ブチルジグリコール」。
(c−2)3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール:クラレ社製、商品名「ソルフィット」。
(c−3)プロピレングリコール:BASF社製。
(c−4)エタノール:日本アルコール販売社製、商品名「特定アルコール95度合成」。
(c−5)PEG1000:ポリエチレングリコール、ライオン社製。
(c−6)メトキシポリエチレングリコール:東邦化学工業(株)製、商品名「メトキシPEG−1000」。
<アニオン界面活性剤>
LAS:直鎖アルキルベンゼンスルホン酸、商品名「ライポンLS−200」、ライオン株式会社製。
<(D)成分>
プロテアーゼ:ノボザイムズ社製、商品名「Coronase 48L」
<任意成分>
PTS:パラトルエンスルホン酸(協和発酵工業(株)製、商品名「PTS酸」)
NaOH:鶴見曹達(株)製、商品名「水酸化ナトリウム」。
<合成例>
[合成例1:(a−1)の合成]
脂肪酸アミン(ライオンアクゾ社製、アーミン18D)をオートクレーブ(耐圧硝子工業社製)に仕込み、系内を窒素で置換した後、150℃に加熱し、プロピレンオキシドを所定量に達するまで少量ずつ添加して、オキシプロピレン基(PO)の平均繰返し数が2モルの3級アミンを合成した(一段階目)。
次に、得られた3級アミンと、アルカリ触媒(40質量%NaOH水溶液を用いて0.8質量%分)とをオートクレーブに仕込み、系内を窒素で置換し、加温減圧による脱水を行った後、150℃に加熱し、エチレンオキシドを所定量に達するまで少量ずつ添加して、POの平均繰返し数が2モル、EOの平均繰返し数が13モルのポリオキシアルキレンステアリルアミン)を得た(二段階目)。
反応後は、生成物を酢酸により中和処理した。
[合成例1:(a−2)の合成]
脂肪族アミン(ライオンアクゾ社製、アーミン18D)を用いて、合成例1と同様にして、POの平均繰返し数が2モル、EOの平均繰返し数が18モルのポリオキシアルキレンステアリルアルキルアミンを得た。
[合成例1:(a−3)の合成]
脂肪族アミン(ライオンアクゾ社製、アーミン18D)を用いて、合成例1と同様にして、POの平均繰返し数が4モル、EOの平均繰返し数が18モルのポリオキシアルキレンステアリルアルキルアミンを得た。
[合成例1:(a−4)の合成]
脂肪族アミン(ライオンアクゾ社製、アーミンCD)を用いて、合成例1と同様にして、POの平均繰返し数が2モル、EOの平均繰返し数が13モルのポリオキシアルキレンヤシアルキルアミンを得た。
[合成例1:(a−5)の合成]
脂肪酸アミン(東京化成工業社製、n−ヘキサデシルアミン)をオートクレーブ(耐圧硝子工業社製)に仕込み、系内を窒素で置換した後、150℃に加熱し、エチレンオキシドを所定量に達するまで少量ずつ添加して、エチレンオキシド(EO)の平均付加モル数が2モルの3級アミンを合成した(一段階目)。
次に、得られた3級アミンと、アルカリ触媒(NaOH;該3級アミン100質量部に対して0.8質量部、40質量%NaOH水溶液を使用)とをオートクレーブに仕込み、系内を窒素で置換し、加温減圧による脱水を行った後、150℃に加熱し、エチレンオキシドを所定量に達するまで少量ずつ添加して、EOの平均付加モル数が20モルのa−5を得た(二段階目)。
反応後は、生成物を酢酸により中和処理した。また、アミン価測定により、分子量を算出したところ、1121であった。
<液体洗浄剤の調製>
[実施例1〜24、比較例1〜5]
実施例1〜15、17、19、21、23、24は参考例である。
表1〜3の組成に従い、500mLビーカーに、(C)成分、(A1)成分と、任意成分である(A2)成分を加え攪拌した。次いで(B1)成分を加えた後、表中のpHになるようにpH調整剤(PTSまたは水酸化ナトリウム)を添加し、攪拌した。その後、全体量が100質量%となるようにイオン交換水を加えて、各例の液体洗浄剤を得た。


<液体洗浄剤の評価>
各例の液体洗浄剤について、下記の評価方法で低温条件での液安定性(低温安定性)、タンパク質汚れ洗浄力、および抗菌性能の評価をそれぞれ行った。
[低温安定性(液外観)の評価]
各例の液体洗浄剤30mLを、円筒ガラス瓶に取り、蓋を閉めて密閉した。この状態で5℃の恒温槽中に放置し、1ヶ月間保存した。その後、該恒温槽より取り出し、5℃の液体洗浄剤の透明均一性と流動性を観察し、下記基準に基づいて、各例の液体洗浄剤の外観安定性の評価をそれぞれ行った。
◎:透明均一であり、流動性を示した。
○:一部にゲル化が認められた。
×:固化または析出が認められた。もしくは、製造後に均一液体製剤にならなかった。
[タンパク質汚れ洗浄力の評価]
(洗浄力の評価)
タンパク質汚れ布であるEMPA117(EMPA Testmaterialien社製)を5cm×5cmに裁断したものをタンパク質汚れ布とした。液体洗浄剤としては、製造直後の各例の液体洗浄剤を用いた。洗濯液は、水30Lに対して液体洗浄剤10mLの割合で、両者を30秒間撹拌して調製した。
次いで、Terg−O−tometer(UNITED STATES TESTING社製)を洗浄試験器として用い、上記のタンパク質汚れ布10枚と、洗浄メリヤス布と、前記洗濯液とを該洗浄試験器に入れ、浴比30倍に合わせて、120rpm、15℃で10分間洗浄した。
その後、二槽式洗濯機(三菱電機(株)製、品番:CW−C30A1−H1)に移し、1分間脱水後、水道水(15℃、4゜DH)30L中で3分間濯ぎ、風乾した。
未洗浄の汚染布および洗浄後の汚染布について、それぞれ反射率を日本電色社製の色差計(製品名:SE200型)で測定し、洗浄率(%)を以下の式で算出した。
洗浄率(%)=(洗浄前の汚染布のK/S−洗浄後の汚染布のK/S)/(洗浄前の汚染布のK/S−未汚れ布のK/S)×100。
ただし、K/Sは式:(1−R/100)/(2R/100)で求められる値であり、Rは未汚染布、汚染布または洗浄布の反射率(%)である。
また、汚染布5枚について洗浄率(%)を算出し、その平均値を用いて以下の基準で判定し、○、◎を合格とした。
◎:65%以上
○:55以上65%未満
△:45%以上55%未満
×:45%未満
[抗菌性能の評価]
黄色ブドウ球菌を37℃で培養し、650nmの吸光度が0.1になるよう滅菌水で調整した。調整した菌液1Lに対して各例で液体洗浄剤0.33mLの割合で加えて試験液とし、37℃6h後の吸光度X(650nm)を測定した。
比較洗浄剤としてTween80(製品名、東京化成工業社製、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート)を用いて比較試験液を調製した。すなわち、上記と同様にして調整した菌液1Lに対してTween80を0.5mLの割合で加えて比較試験液とし、37℃6h後の吸光度Y(650nm)を測定した。
「液体洗浄剤を添加した試験液の吸光度X/Tween80を添加した比較試験液の吸光度Y」の比率を算出し、以下の基準に従って抗菌性能を判定し、○、◎を合格とした。
◎:0.15未満
○:0.15以上0.5未満
△:0.5以上1.0未満
×:1.0以上
Figure 0006230186
Figure 0006230186
Figure 0006230186
表1〜3に示されるように、実施例1〜24では、タンパク質汚れに対する洗浄力、抗菌性能および液安定性に優れる液状洗浄剤が得られた。
これらに比べて、(A1)成分を含有しない比較例1は、タンパク質汚れ洗浄力に劣る。すなわち、(A1)成分を配合することにより、液安定性および抗菌性能を低下させずにタンパク質汚れ洗浄力を向上させることができる。
(B1)成分を含有しない比較例2は、抗菌性能に劣る。すなわち(B1)成分を配合することにより、液安定性およびタンパク質汚れ洗浄力を低下させずに抗菌性能を向上させることができる。
(A1)成分を含有せず、アニオン界面活性剤を含む比較例3は、液安定性およびタンパク質汚れ洗浄力は良好であるが、抗菌性能が劣る。
(C)成分の含有量が少ない比較例4は液体製剤を作ることが困難であったため、タンパク質汚れ洗浄力および抗菌性能の評価は行わなかった。
比較例5は、(B1)成分の比較成分として、長鎖(炭素数10)のアルキル基を2本有するアンモニウム塩を用いた例である。この比較例5では、液体製剤を作ることが困難であったため、タンパク質汚れ洗浄力および抗菌性能の評価は行わなかった。

Claims (2)

  1. 下記一般式(I)で表されるノニオン界面活性剤(A1)を20〜35質量%と、
    下記一般式(IIIa)で表されるノニオン界面活性剤(A2)を5〜20質量%と、
    下記一般式(II)で表されるカチオン界面活性剤(B1)を0.1〜10質量%と、
    水混和性有機溶剤(C)と水を含有し、水混和性有機溶剤(C)の含有量が5質量%を超え、30質量%以下である液体洗浄剤。
    11 −Q−(EO) (PO) −R 12 ・・・(IIIa)
    [式中、 11 は炭素数10〜18の1価の炭化水素基であり、−Q−は−O−であり、 12 は水素原子である。EOはオキシエチレン基であり、POはオキシプロピレン基である。sはEOの平均繰返し数を示し、5〜18である。tはPOの平均繰返し数を示し、0である。]
    Figure 0006230186
    [式中、Rは炭素数12〜20のアルキル基またはアルケニル基であり、POはオキシプロピレン基であり、EOはオキシエチレン基であり、x、yはPOの平均繰返し数を示し、a、bはEOの平均繰返し数を示し、x≧1、y≧1、a≧1、b≧1であり、x+y=2〜10、a+b=2〜50、かつx+y+a+b=10〜50であり、−(PO) (EO) −および−(PO) (EO) −は、N原子にPOが結合し、かつ水素原子にEOが結合するブロック鎖である。
    Figure 0006230186
    [式中、R〜Rのうちの1つは炭素数8〜20のアルキル基またはアルケニル基であ
    り、それ以外はそれぞれ独立に炭素数1〜3のアルキル基またはベンジル基である。Xは対イオンを示す。]
  2. さらに、酵素を0.01〜4質量%を含有する、請求項1記載の液体洗浄剤。
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