JP6418926B2 - 液体洗浄剤 - Google Patents
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Description
近年、環境負荷に対する意識の高まりから、少量の水ですすぐことができる、すすぎ性の良い液体洗浄剤が求められている。特に、衣料の洗浄には、ドラム式洗濯機等、水使用量の少ない洗濯機が用いられるようになっており、液体洗浄剤には、水使用量が少ない条件下でも、1回のすすぎで被洗浄物をすすげることが求められている。
特許文献2には、泡立ちが低減された液体洗浄剤として、特定のアルキレンオキサイド付加体(ノニオン界面活性剤)50〜70質量%と、非石鹸系アニオン界面活性剤1〜10質量%と、飽和脂肪酸0.05〜3質量%を含む組成物が提案されている。
また昨今の生活スタイルの変化に伴い、夜に洗濯を行い、洗濯後の被洗物を室内で乾かすという、部屋干し、を行う家庭が増えている。部屋干しは風通しが悪く、被洗物が乾きにくいことで、繊維に付着した微生物が増殖しやすい。このため、被洗物から不快な臭気(部屋干し臭)が発生しやすい。
さらに、カチオン界面活性剤(D)を含有することが好ましい。
<(A)成分>
(A)成分は、一般式(a1)で表される化合物(a1)(以下「(a1)成分」ともいう。)を含むノニオン界面活性剤である。(A)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(A)成分は、(a1)成分からなるものでもよく、(a1)成分とこれ以外のノニオン界面活性剤(以下「(a2)成分」ともいう。)とからなるものでもよい。
(a1)成分は、下記一般式(a1)で表される化合物である。
R1における炭化水素基は、飽和炭化水素基でもよく、不飽和炭化水素基でもよい。中でも、部屋干し臭の発生を抑制する効果、外観安定性の点から、飽和炭化水素基が好ましい。
R1である炭化水素基の炭素数は8〜22であり、11〜18が好ましく、12〜16がより好ましく、12〜14がさらに好ましい。
R1は直鎖状でもよく分岐鎖状でもよい。R1が直鎖状の場合、R1−O−における酸素原子(O)と結合する炭素原子は第二級炭素である。該酸素原子と結合する炭素原子が第二級炭素であると、被洗物への浸透性が向上しやすい。特に、衣類の汚れ等に直接塗布する方法で用いる場合に、高い塗布洗浄力が得られやすい。
好ましいR1−O−としては、下記一般式(a1−r−1)で表される基が挙げられる。
R101及びR102は、それぞれ、直鎖状炭化水素基でもよく、分岐鎖状炭化水素基でもよい。
R101とR102との合計の炭素数は、10〜17が好ましく、11〜15がより好ましく、11〜13がさらに好ましい。
qは、0〜3の数であり、被洗物への浸透性が高くなることから、0〜2が好ましく、0であることが特に好ましい。
qが0でない場合、つまり(a1)成分がEOとPOとの両方を有する場合、EOとPOとは、ブロック状に付加されていてもよく、ランダム状に付加されていてもよい。
EOとPOとをブロック状に付加する方法としては、例えば、エチレンオキシドを導入した後にプロピレンオキシドを導入する方法、プロピレンオキシドを導入した後にエチレンオキシドを導入する方法が挙げられる。
エチレンオキシド又はプロピレンオキシドの付加モル数分布は特に限定されない。
(a1)成分の具体例としては、炭素数12〜14の第2級アルコールに7モル相当のエチレンオキシドが付加したもの(例えば、株式会社日本触媒製の商品名ソフタノール70)、炭素数12〜14の第2級アルコールに9モル相当のエチレンオキシドが付加したもの(例えば、株式会社日本触媒製の商品名ソフタノール90)、炭素数12〜14の2級アルコールに、7モル相当のエチレンオキシドと2モル相当のプロピレンオキシドとが付加したもの、ペンタノールをガーベット反応に供して得られる炭素数10アルコールに7モル相当のエチレンオキシドが付加したもの(BASF社製の商品名Lutensol XL70)、ペンタノールをガーベット反応に供して得られる炭素数10アルコールに6モル相当のエチレンオキシドが付加したもの(BASF社製の商品名Lutensol XA60)等が挙げられる。
(a2)成分は、(a1)成分以外のノニオン界面活性剤である。(a1)成分以外のノニオン界面活性剤であれば特に限定されない。(a2)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
[(a2−1)成分]
例えば、下記一般式(a2−1)で表される化合物(以下「(a2−1)成分」ともいう。)が挙げられる。
前記式(a2−1)中、tは、0〜6の数であり、0〜3の数が好ましい。tが6を超えると、液体洗浄剤の高温下での保存安定性が低下する傾向にある。
前記式(a2−1)中、uは、0〜20の数であり、0〜18の数が好ましい。uが20を超えると、油汚れの洗浄力が低下しやすくなる。
tが0でない場合、つまり(a2−1)成分がEOとPOとの両方を有する場合、EOとPOとは、ブロック状に付加されていてもよく、ランダム状に付加されていてもよい。
EOとPOとをブロック状に付加する方法としては、例えば、エチレンオキシドを導入した後にプロピレンオキシドを導入する方法、プロピレンオキシドを導入した後にエチレンオキシドを導入する方法、エチレンオキシドを導入した後にプロピレンオキシドを導入してさらにエチレンオキシドを導入する方法等が挙げられる。
エチレンオキシド又はプロピレンオキシドの付加モル数分布は特に限定されない。
該付加モル数分布は、上記(a1)成分と同様、(a2−1)成分を製造する際の反応方法によって変動しやすい。
前記式(a2−1)中のR2の炭素数は、8〜22が好ましく、10〜20がより好ましく、10〜18がさらに好ましい。R3は、水素原子が好ましく、この場合、一般式(a2−1)で表される化合物はアルコールアルコキシレートである(但し、(a1)成分に該当する化合物を除く)。この中でも、t=0である化合物(即ち、アルコールエトキシレート)がより好ましく、第1級アルコールにエチレンオキシドを付加した第1級アルコールエトキシレートがさらに好ましい。
前記式(a2−1)中のR2の炭素数は、9〜21が好ましく、11〜21がより好ましく、11〜17がさらに好ましい。R3は、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数2〜6のアルケニル基が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜3のアルキル基がさらに好ましく、この場合、一般式(a2−1)で表される化合物はポリオキシアルキレン脂肪酸アルキル又はアルケニルエステルである。
(a2−1)成分の中でも、外観安定性の観点から、式(a2−1)中の−X−が−O−でありR3が水素原子である化合物が好ましい。
また、(a2−1)成分の中でも、洗浄力の観点から、式(a2−1)中の−X−が−C(=O)−O−である化合物が好ましく、その中でも、式(a2−1)中のR3が炭素数1〜6のアルキル基である化合物がより好ましく、式(a2−1)中のtが0である化合物(即ち、ポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステル)がさらに好ましく、式(a2−1)中のR3がメチル基であるポリオキシエチレン脂肪酸メチルエステル(以下「MEE」と表記する。)が特に好ましい。
本発明の液体洗浄剤は、ポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステルを含有することにより、水への溶解性に優れ、高い洗浄力が得られやすくなる。また、高濃度で界面活性剤を含有しても、粘度の著しい増大(ゲル化)が生じにくく、良好な流動性を有する濃縮タイプの液体洗浄剤とすることができる。
(a2−2)成分は、下記一般式(a2−2)で表されるポリオキシアルキレンアルキルアミン型ノニオン界面活性剤である。
前記式(a2−2)中、(A1O)i及び(A2O)jは、それぞれ、オキシエチレン基(EO’)のみの繰り返し構造でもよく、オキシプロポレン基(PO’)のみの繰り返し構造でもよく、EO’とPO’とが混在して配列していてもよい。両者が混在して配列している場合、EO’とPO’とは、ランダム状に付加していてもよく、ブロック状に付加していてもよい。なかでも、(A1O)i及び(A2O)jは、それぞれ、皮脂汚れに対して高い洗浄力を有する点で、EO’のみの繰り返し構造であることが好ましい。
前記式(a2−2)中、i+jは、10〜50の数であり、10〜40が好ましく、10〜30がより好ましい。i+jが前記範囲の下限値以上であると、洗浄性能がより良好となり、i+jが前記範囲の上限値以下であると、液体洗浄剤の保存安定性がより高まる。
(a2−2)成分の好ましいものとしては、例えば、炭素数16のアルキルアミンに対して、20(i+j=20)モル相当のエチレンオキシドを付加したもの等が挙げられる。
液体洗浄剤中の(A)成分の含有量が上記範囲の下限値以上である、良好な消臭効果が得られやすく、上限値以下であると沈殿の生成が良好に抑えられる。
(A)成分中の(a2)成分の量比(a2)/(A)は0.9〜0が好ましく、0.85〜0.1がさらに好ましく、0.8〜0.2が特に好ましい。
液体洗浄剤中の(a1)成分の含有量が、前記範囲の下限値以上であると、皮脂洗浄力がより高まる。加えて、液体洗浄剤の外観安定性がより向上する。一方、前記範囲の上限値以下であると、液体洗浄剤の流動性がより高まり、外観安定性がより向上する。
(a1)成分と(a2−1)成分との組合せとしては、(a1)成分とポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステルとの組合せ、(a1)成分とポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステルとアルコールエトキシレートとの組合せ、が好ましく、これらの中でも、(a1)成分とポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステルとの組合せがより好ましい。
上記の(a1)成分と(a2−1)成分との組合せによれば、高濃度においてもゲル化を生じにくいため、(A)成分として多くの量を配合しやすい。加えて、液体洗浄剤の界面活性剤濃度を容易に高くできることから、少量の使用量で洗濯が行える、又は、洗剤容器のコンパクト化が図れる。
液体洗浄剤は高級脂肪酸塩を除くアニオン界面活性剤を含有する。液体洗浄剤は、(B)成分を含有することで、衣類の消臭性がより高められる。
好ましい(B)成分としては、例えば、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩;α−オレフィンスルホン酸塩;直鎖又は分岐鎖のアルキル硫酸エステル塩;アルキルエーテル硫酸エステル塩又はアルケニルエーテル硫酸エステル塩;アルキル基を有するアルカンスルホン酸塩;α−スルホ脂肪酸エステル塩等が挙げられる。これらのアニオン界面活性剤における塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアルカノールアミン塩等が挙げられる。
α−オレフィンスルホン酸塩としては、炭素数10〜20のものが好ましい。
アルキル硫酸エステル塩としては、アルキル基の炭素数が10〜20のものが好ましい。
アルキルエーテル硫酸エステル塩又はアルケニルエーテル硫酸エステル塩としては、炭素数10〜20の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有し、平均1〜10モルのアルキレンオキサイドを付加したもの(即ち、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩又はポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸エステル塩)が好ましい。
アルカンスルホン酸塩としては、アルキル基の炭素数が10〜20のものが好ましく、14〜17のものがより好ましく、中でも、該アルキル基が2級アルキル基であるもの(即ち、2級アルカンスルホン酸塩)がさらに好ましい。
α−スルホ脂肪酸エステル塩としては、脂肪酸残基の炭素数が10〜20のものが好ましい。
(B)成分としては、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩、アルカンスルホン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、及びα−オレフィンスルホン酸塩から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
これらの(B)成分は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
化合物(C)(以下、(C)成分ともいう。)は、下記一般式(c1)で表される化合物である。(C)成分は消泡効果の向上に寄与する。
MO3S−(AO)m−SO3M ・・・(c1)
式(c1)中、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基を表す。AOの炭素数は2または3が好ましい。
式(c1)中、mは、1以上20以下の整数であり、液体洗浄剤の外観安定性の点から、1〜15の整数が好ましく、1〜10がより好ましい。mが2以上の場合、複数のAOは互いに同じであってもよく異なってもよい。同じであることが好ましい。
Mはアルカリ金属または−NH4を表す。Mであるアルカリ金属としては、ナトリウム、カリウム、リチウムなどを例示することができる。ナトリウムまたはカリウムが好ましく、ナトリウムがより好ましい。
液体洗浄剤に対する(C)成分の含有量は、消泡効果を十分に向上できる点からは、0.01質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上がさらに好ましい。また液体洗浄剤の外観安定性の点からは、該(C)成分の含有量は3質量%以下が好ましく、2質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましい。
また消泡効果の観点から、(A)成分と(B)成分の合計量に対する(C)成分の質量比を表す、((A)成分+(B)成分)/(C)成分の値が20〜8000が消泡効果の観点から好ましく、30〜7000がより好ましい。さらに好ましくは40〜7000である。
(D)成分としては、例えば、4級アンモニウム塩型の界面活性剤、前記(a2−2)成分以外の3級アミン型の界面活性剤が挙げられ、中でも、消臭作用をより高める点で、4級アンモニウム塩型の界面活性剤が好ましい。
(d1−1)成分としては、R23の炭素数が、好ましくは8〜22、より好ましくは12〜18である。R23の炭素数が、上記範囲内であれば、消臭作用をより高められる。
(d1−1)成分としては、R23が、好ましくは直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、より好ましくは直鎖のアルキル基である。R23が上記のアルキル基であれば、消臭作用をより高められる。
(d1−2)成分としては、R22及びR23の炭素数が、好ましくはそれぞれ独立に8〜12、より好ましくは8〜10である。R22及びR23の炭素数が上記範囲内であれば、消臭作用をより高められる。
(d1−2)成分としては、R22及びR23が、好ましくはそれぞれ独立に直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、より好ましくはいずれか1つが直鎖のアルキル基であり、さらに好ましくはいずれも直鎖のアルキル基である。R22及びR23が上記のアルキル基であれば、消臭作用をより高められる。
式(d2)中、x+yは10〜50が好ましい。x+yが上記下限値以上であれば、液安定性がより良好であり、上記上限値以下であれば、消臭作用をより高められる。
(d2)成分としては、R24及びR25のいずれか一方が炭素数10〜18の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基、他方がメチル基又はトリル基であることが好ましい。上記の組み合わせであれば、消臭作用をより高められる。
式(d3)中、R26及びR27は、それぞれ独立に炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、いずれか一方がメチル基であることがより好ましく、いずれもメチル基であることがさらに好ましい。R26及びR27が上記のアルキル基であれば、液安定性をより高められる。
式(d3)中、R28の炭素数は、10〜18が好ましく、12〜14がより好ましい。R28の炭素数が上記範囲内であれば、消臭作用をより高められる。
またR28は、直鎖又は分岐鎖のアルキル基であることが好ましく、直鎖のアルキル基であることがより好ましい。R28が上記のアルキル基であれば、消臭作用をより高められる。
式(d3)式中、R29は、メチレン基であることが好ましい。R29がメチレン基であれば、液安定性をより高められる。
3級アミン化合物は、そのまま用いられてもよく、塩として用いられてもよい。該塩としては、3級アミン化合物を酸で中和した酸塩等が挙げられる。中和に用いる酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、グリコール酸、乳酸、クエン酸、ポリアクリル酸、パラトルエンスルホン酸、クメンスルホン酸等が挙げられる。これらの3級アミン型の界面活性剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
(d1−1)成分としては、例えば、アーカード12−37W(商品名、ライオンアクゾ株式会社製)やアーカードT−800(商品名、ライオンアクゾ株式会社製)等の塩化アルキルトリメチルアンモニウム等が挙げられる。
(d1−2)成分としては、アーカード210(商品名、ライオンアクゾ株式会社製)等の塩化ジデシルジメチルアンモニウム等が挙げられる。
(d−3)成分としては、アーカードCB−50(商品名、ライオンアクゾ株式会社製)等の椰子アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
上述した(D)成分は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
本発明の液体洗浄剤には、液外観の安定性向上の点から、水以外の溶媒として水混和性有機溶媒を用いてもよい。
「水混和性有機溶媒」とは、25℃のイオン交換水1Lに50g以上溶解する有機溶媒をいう。
水混和性有機溶媒としては、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール等のアルコール類;プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール等のグリコール類;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、重量平均分子量が約200のポリエチレングリコール、重量平均分子量が約400のポリエチレングリコール、重量平均分子量が約1000のポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のポリグリコール類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のアルキルエーテル類などが挙げられる。
水混和性有機溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
水混和性有機溶剤の配合量は、液体洗浄剤の総質量に対して、0.1〜15質量%が好ましい。
本発明の液体洗浄剤は、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、上記(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、水混和性有機溶媒以外の他の成分を含有してもよい。該他の成分としては、液体洗浄剤に通常用いられる成分を配合することができる。
例えば、両性界面活性剤、酵素安定化剤、防腐剤、アルカリ剤、酸化防止剤、水混和性有機溶媒、着香剤、減粘剤又は可溶化剤、着色剤、洗浄性ビルダー、消泡剤、pH調整剤、シリコーン、蛍光増白剤、移染防止剤、再汚染防止剤、パール剤、ソイルリリース剤、泡コントロール剤、キレート剤、乳濁化剤、エキス類などが挙げられる。
液体洗浄剤のpHは、必要に応じて、pH調整剤を配合することにより調整できる。pH調整剤としては、本発明の効果を損なわない限りにおいて随意であるが、硫酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルカノールアミン等が、(A)成分の安定性の面から好ましい。
水としては、精製水、蒸留水、イオン交換水、純水、超純水等が挙げられる。
本発明の液体洗浄剤は、上記(A)〜(D)成分、必要に応じてその他の成分を、水と混合することにより調製される。
本発明において、アニオン界面活性剤(B)として高級脂肪酸塩は用いないが、液体洗浄剤が高級脂肪酸塩を含んでもよい。例えばドロ洗浄性能向上のための成分として、液体洗浄剤に対して20質量%以下の割合で高級脂肪酸塩を含有させることができる。該高級脂肪酸塩の含有量は、好ましくは0.5質量%以上であり、1〜15質量%が好ましい。
なお、液体洗浄剤が高級脂肪酸塩を含む場合、界面活性剤の合計を求める際には該高級脂肪酸塩も界面活性剤の一部として該合計に含める。
下記の評価方法を用いた。
[洗浄性能の評価方法]
液体洗浄剤を15℃で24時間保存した後、該液体洗浄剤を湿式人工汚染布(5cm×5cm)対して均等となるように塗布し、5分間放置した。液体洗浄剤の使用量は汚染布10枚当たり0.3gである。その後、洗浄試験機(Terg−O−Tometer、UNITED STATES TESTING社製)に、該汚染布と、市販のTシャツ(綿100%、B.V.D.社製)を投入し、洗浄操作を行った。操作条件は、前記洗浄試験機の標準コースにより、洗浄10分間(水量は900mL)、すすぎ2回、脱水3分間を順次行う洗浄操作を1回行った。洗浄操作後の汚染布を25℃、湿度65%RHの恒温恒湿室に24時間放置して乾燥させて洗浄布を得た。
洗浄率(%)=(汚染布のK/S−洗浄布のK/S)/(汚染布のK/S−未汚染布のK/S)×100 ・・・(i)
式(i)中、K/Sは、(1−R/100)2/(2R/100)である(ただし、Rは未汚染布、汚染布または洗浄布の反射率(%)を示す。)
≪評価基準≫
○:洗浄率が60%以上。
△:洗浄率が50%以上60%未満。
×:洗浄率が50%未満。
25℃に調温した精製水に液体洗浄剤を10g/30Lの濃度となるように溶解して洗浄液を調製した。この洗浄液20mLをエプトン管に入れ、このエプトン管を手で震盪した2分後に、泡の量を測定した。震盪は1ストローク/秒で20回行った。泡の量の測定は、泡と洗浄液との境界から、泡の上端面までの体積(高さ)をエプトン管の目盛で読み取った。泡と洗浄液との境界からの高さ(泡高、単位:mm)に基づいて、下記の基準で評価した。
○:50mm未満。
×:50mm以上。
液体洗浄剤30mLを、円筒ガラス瓶に取り、蓋を閉めて密閉した。この状態で5℃の恒温槽中に放置し、1ヶ月間保存した。
その後、該恒温槽より取り出し、5℃の液体洗浄剤の透明均一性と流動性を目視で観察し、下記基準に基づいて液体洗浄剤の外観安定性を評価した。
○:透明均一であり、流動性を示した。
×:固化又は析出が認められた。
家庭で半年間使用した手拭きタオル10枚を、それぞれ通常生活で約2日間使用したものを試験布とした。液体洗浄剤を用いて、該試験布を洗濯機(JW−Z23A型、ハイアール社製)の通常コースで洗濯処理(水温約20℃、硬度約3゜DHの水道水を注水、浴比20倍)を行った。その際、液体洗浄剤の洗濯機への投入量を10mL/水道水30Lとして洗濯処理を行った。
なお、浴比合わせの衣料には、新品の綿100%の肌シャツ(BVD製)を、全自動洗濯機(松下電器産業(株)製、NA−F70SD1)のおまかせコースで洗濯処理(水温約20℃、硬度約3゜DHの水道水を注水)5回行ったものを用いた。その際の洗濯処理は、洗浄剤として市販の粉末洗浄剤(商品名:トップ、ライオン(株)製)を用い、1回の洗濯当たりの洗浄剤使用量を25g/水道水30Lとして洗濯処理を行った。
上記手拭きタオルの洗濯処理終了後、該手拭きタオルを室温約23℃、相対湿度90%RHの室内に干して5時間乾燥を行った。
洗濯処理終了直後(乾燥前)と、5時間乾燥後の手拭きタオルについて、それぞれ6名の専門パネラーが臭気強度を官能評価し、6名の官能評価の平均点を消臭効果の評価結果とした。
洗濯直後(乾燥前)の臭気強度の点数が高いことは、洗濯による消臭効果が優れていることを意味する。乾燥後の臭気強度の点数が高いことは、部屋干し時に発生する部屋干し臭が抑制されたことを意味する。
また官能評価の平均点(6名の平均点)に基づいて、下記の基準で消臭効果を評価した。
(臭気強度の評価)
5点:異臭が全くしない。
4点:異臭がやっと感知できる程度に感じられる。
3点:異臭が弱く感じられる。
2点:異臭がやや強く感じられる。
1点:異臭が強く感じられる。
0点:異臭が強烈に感じられる。
[洗濯終了直後]
◎:官能評価の平均点が4.0以上。
○:官能評価の平均点が3.0−3.9。
△:官能評価の平均点が2.5−2.9。
×:官能評価の平均点が2.4以下。
[乾燥後]
◎:官能評価の平均点が3.0以下。
○:官能評価の平均点が2.5−2.9。
△:官能評価の平均点が2.0−2.4。
×:官能評価の平均点が1.9以下。
[(A)成分]
(A1):式(a1)で表され、R1−O−が、一般式(a1−r−1)で表される化合物(a1)。炭素数12〜14の第2級アルコールに、9モル相当のエチレンオキシドを付加したノニオン界面活性剤、ソフタノール90(商品名)、株式会社日本触媒製。
式(a2−1)で表され、R2が、炭素数12のアルキル基および炭素数14のアルキル基、Xが酸素原子、R3が水素原子、s=15、t=0、u=0である化合物。
[LMAOの合成方法]
プロクター・アンド・ギャンブル社製のCO−1214(商品名)861.2gと、30質量%NaOH水溶液2.0gとを耐圧型反応容器内に仕込み、該反応容器内を窒素置換した。次に、温度100℃、圧力2.0kPa以下で30分間脱水した後、温度を160℃まで昇温した。次いで、反応液を撹拌しながら、エチレンオキシド(ガス状)760.6gを反応液中に徐々に加えた。この時、反応温度が180℃を超えないように添加速度を調節しながら、エチレンオキシドを吹き込み管で加えた。
エチレンオキシドの添加終了後、温度180℃、圧力0.3MPa以下で30分間熟成した後、温度180℃、圧力6.0kPa以下で10分間、未反応のエチレンオキシドを留去した。
次に、温度を100℃以下まで冷却した後、反応物の1質量%水溶液のpHが約7になるように、70質量%p−トルエンスルホン酸を加えて中和し、LMAOを得た。
式(a2−1)で表され、R2が、炭素数11のアルキル基および炭素数13のアルキル基、Xが−C(=O)O−、R3がメチル基、s=15、t=0、u=0である化合物。
[MEEの合成方法]
特開2000−144179号公報に記載の合成方法に準じて合成した。
組成が2.5MgO・Al2O3・wH2Oである水酸化アルミナ・マグネシウム(キョーワード300(商品名)、協和化学工業株式会社製)を600℃で1時間、窒素雰囲気下で焼成して、焼成水酸化アルミナ・マグネシウム(未改質)触媒を得た。焼成水酸化アルミナ・マグネシウム(未改質)触媒2.2gと、0.5N水酸化カリウムエタノール溶液2.9mLと、ラウリン酸メチルエステル280gと、ミリスチン酸メチルエステル70gとを4Lオートクレーブに仕込み、オートクレーブ内で触媒の改質を行った。次いで、オートクレーブ内を窒素で置換した後、温度を180℃、圧力を0.3MPaに維持しつつ、エチレンオキシド1052gを導入し、撹拌しながら反応させた。
得られた反応液を80℃に冷却し、水159gと、濾過助剤として活性白土及び珪藻土をそれぞれ5gとを添加し混合した後、触媒を濾別してMEEを得た。
式(a2−1)で表され、R2が、炭素数12のアルキル基および炭素数14のアルキル基、Xが酸素原子、R3が水素原子、s=8、t=2、u=8である化合物。
式(a2−1)で表され、R2が、炭素数12のアルキル基および炭素数14のアルキル基、Xが酸素原子、R3が水素原子、s=5、t=0、u=0である化合物。
(B1):AEPS
炭素数12の直鎖一級アルコール〔東京化成工業株式会社製、商品名:1−ドデカノール(分子量186.33)、純度>99%〕640g及びKOH1.0gを攪拌装置、温度制御装置、自動導入装置を備えたオートクレーブに仕込み、110℃、1.3kPaにて30分間脱水を行った。脱水後窒素置換を行い、120℃まで昇温した後、プロパン−1,2−ジイルオキサイドを199g仕込んだ。120℃にて付加反応・熟成を行った後、145℃に昇温し、エチレンオキサイド(以下「EO」という)を303g仕込んだ。145℃にて付加反応・熟成を行った後、80℃まで冷却し、4.0kPaで未反応のEOを除去した。未反応EO除去後、1.0gの酢酸をオートクレーブ内に加え、80℃で30分間攪拌した後、抜き出しを行い、平均PO付加モル数pが1.0、平均EO付加モル数qが2.0であるアルコキシレートを得た。
得られたアルコキシレートを、SO3ガスを用いて下降薄膜式反応器により硫酸化した。得られた硫酸化物をモノエタノールアミンにて中和し、ポリオキシプロパン−1,2−ジイルアルキルエーテル硫酸エステル塩〔(B1)〕を含む組成物を得た。
(C1):ジプロピレングリコール硫酸エステル塩(化合物(C))。
[(C1)成分の合成]
SO3ガスを用いて、薄膜式硫酸化反応器にて、ジプロピレングリコールの硫酸化を行った。その際、ジプロピレングリコールに対して、SO3が2モル倍以上となるようにSO3ガスを加えて硫酸化を行った。よって本例で得られる硫酸化物は、ジエステル型である。得られた硫酸化物に、水酸化ナトリウム水溶液を加えて、(C1)成分を得た。
得られた(C1)成分は、式(c1)において、AOがオキシプロピレン基、mが2、MがNaの化合物(C)に該当する。
(D1):塩化アルキル(炭素数C12)トリメチルアンモニウム、ライオンアクゾ社製、商品名:アーカード12−37W。
(D2):塩化アルキル(炭素数C14)トリメチルアンモニウム、市販品。
(D3):塩化アルキル(炭素数C16〜C18)トリメチルアンモニウム、ライオンアクゾ社製、商品名「アーカードT−800」。
エタノール:日本アルコール販売(株)製、商品名「特定アルコール95度合成」。
グリセリン:関東化学株式会社。
ジエチレングリコールモノブチルエーテル:日本乳化剤(株)製、商品名「ブチルジグリコール」。
プロピレングリコール:1,2−プロパンジオール(ダウ・ケミカル社製)。
ヤシ脂肪酸塩(高級脂肪酸塩):ヤシ脂肪酸(日油株式会社製)を表に示す含有量で配合した。ヤシ脂肪酸は水酸化ナトリウムで中和されてナトリウム塩となっている。
モノエタノールアミン(MEA):(株)日本触媒製。
ジブチルヒドロキシトルエン(BHT、フェノール系酸化防止剤):住友化学(株)製、商品名「SUMILZER BHT−R」。
色素:癸巳化成(株)製、商品名「緑色3号」。
香料:特開2002−146399号公報の表11〜18に記載の香料組成物A。
pH調整剤:塩酸(関東化学株式会社)または水酸化ナトリウム(鶴見曹達(株)製)。
水:精製水。
表1〜4の組成に従って液体洗浄剤を調製した。例1〜18は実施例、例19〜21は比較例である。
まず、500mLビーカーに水、水混和性有機溶媒を入れ、マグネットスターラー(MITAMURA KOGYO INC.製)で十分に攪拌した。次いで、A成分、B成分、C成分、D成分を加え攪拌し、さらにその他の任意成分を加えた後、全体量が95質量%になるように水を入れ、さらによく攪拌した。攪拌後、さらにpH7(25℃)になるようにpH調整剤(水酸化ナトリウム又は塩酸、表には記載せず)を添加し、全体量が100質量%になるように精製水を加えて、各例の液体洗浄剤を得た。
例19は(A)成分を含まない比較例である。消泡性は良好であるが、洗浄性能が不十分であった。部屋干し臭の抑制効果も不充分であった。
例20は化合物(C)を含まない比較例である。洗浄性能は良好であったが、消泡性が不十分であった。部屋干し臭の抑制効果も不充分であった。
これらの結果から、(A)成分と化合物(C)を併用することにより、洗浄性、消泡性、および消臭効果(洗濯直後および部屋干し後)を同時に満たす液体洗浄剤が得られることがわかる。
例18は、化合物(C)の含有量を増加させた実施例である。洗浄性能、消泡性、および消臭性は良好であるが、外観安定性が低下した。
Claims (2)
- 下記一般式(a1)で表される化合物(a1)を含むノニオン界面活性剤(A)と、高級脂肪酸塩を除くアニオン界面活性剤(B)と、下記一般式(c1)で表される化合物(C)とを含有し、前記ノニオン界面活性剤(A)に対する前記化合物(a1)の質量比を表す(a1)/(A)が0.1以上である、液体洗浄剤。
- さらに、カチオン界面活性剤(D)を含有する、請求項1記載の液体洗浄剤。
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