JP6082219B2 - 洗浄剤 - Google Patents

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Description

本発明は、洗浄剤に関する。
一般に、衣料用、食器や風呂等の硬質表面用の洗浄剤には、主な洗浄成分としてノニオン界面活性剤やアニオン界面活性剤等の界面活性剤が用いられている。
ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルアリルエーテル、アルキルグリコシド、脂肪酸ポリオキシアルキレンアルキルエーテル等が用いられている。
近年、環境負荷に対する意識の高まりから、少量の水ですすぐことができ、すすぎ性のよい洗浄剤が求められている。特に、衣料の洗浄には、ドラム式洗濯機等、水使用量の少ない洗濯機が用いられるようになっており、洗浄剤には、水使用量が少ない条件下でも、1回のすすぎで被洗浄物をすすげることが求められている。
従来、洗浄剤には、高級脂肪酸塩(石鹸)やシリコーン系消泡剤等の泡コントロール剤が配合されている。このような洗浄剤は、泡コントロール剤を含有することで、洗浄剤の泡立ちを抑えたり(抑泡性)、生じた泡を消泡したり(消泡性)して、すすぎ性の改善を図っている。
あるいは、特定の界面活性剤を組み合わせることで、抑泡性と消泡性との向上が図られた洗浄剤が提案されている。
例えば、アニオン界面活性剤と、脱泡剤と、特定のノニオン界面活性剤、アルキルオリゴグリコシド及びアルケニルオリゴグリコシドの少なくとも1種とを含有する洗剤が提案されている(例えば、特許文献1)。
また、例えば、特定のアルキルポリグリコシド及び特定の脂肪酸アルキルエステルアルコキシレートを含有する清浄組成物が提案されている(例えば、特許文献2)。
特表2003−507570号公報 特表平9−501195号公報
しかしながら、従来の技術では、すすぎ性が満足できるものとはいえず、より少量の水で、より速やかにすすげる洗浄剤が求められている。
そこで、本発明は、消泡性に優れ、すすぎ性が改善された洗浄剤を目的とする。
本発明の洗浄剤は、下記一般式(I)で表される化合物(A)と、前記(A)成分及び高級脂肪酸塩を除く界面活性剤(B)とを含有し、前記(B)成分/前記(A)成分で表される質量比が1以上であることを特徴とする。
−X−Y ・・・(I)
[(I)式中、 は、炭素数5〜21のアルキル基であり、Xは、−O−、−COO−及び−CONH−から選ばれる基である。Yは、炭素数3〜16のアルキル基又は−( O) −R は炭素数2〜4のアルキレン基であり、mは1〜5の数であり、 は炭素数1〜16のアルキル基、フェニル基又はベンジル基である。)。]
高級脂肪酸塩(C)を含有することが好ましく、前記(B)成分は、ノニオン界面活性剤とカチオン界面活性剤とを含有することが好ましい。
本発明の洗浄剤によれば、消泡性に優れ、すすぎ性の改善が図れる。
(洗浄剤)
本発明の洗浄剤は、下記一般式(I)で表される化合物(A)((A)成分)と、(A)成分及び高級脂肪酸塩を除く界面活性剤(B)((B)成分)とを含有するものである。
−X−Y ・・・(I)
本発明の洗浄剤の剤形は、液体であってもよいし、粒状、タブレット、ブリケット、シート又はバー等の固体であってもよく、製造性と使用性との観点から液体が好ましい。
液体の洗浄剤(以下、液体洗浄剤ということがある)の場合、(A)成分と(B)成分とが共に分散媒中に混在した一液型であってもよいし、(A)成分を含有する第一の液体と、(B)成分を含有する第二の液体とからなる二液型であってもよい。
粒状の洗浄剤(以下、粒状洗浄剤ということがある)の場合、(A)成分と(B)成分とは混合されていてもよいし、(A)成分と(B)成分とが各々別個の粒状物として用意されたものであってもよい。
液体洗浄剤は、粘度(25℃)が、10〜300mPa・sであることが好ましい。粘度が上記範囲内であれば、液体洗浄剤を計量する際の取り扱いが良好である。
なお、液体洗浄剤の粘度は、B型粘度計(TOKIMEC社製)により測定される値(測定条件:ロータNo.2、回転数30rpm、10回転後の粘度)を示す。
液体洗浄剤を一液型とする場合、pHは4〜11が好ましく、6〜10がより好ましい。pHが上記範囲内であれば、液体洗浄剤の外観安定性が良好に維持される。pH(25℃)は、pHメーター(HM−30G、東亜ディーケーケー株式会社製)等により測定される値を示す。
固体の洗浄剤(以下、固体洗浄剤ということがある)の水分含量は、例えば、10質量%以下とされる。
粒状洗浄剤の平均粒子径は、例えば、200〜1500μmが好ましく、250〜1000μmがより好ましい。平均粒子径が200μm以上であれば、使用時の粉立ちが抑制される。一方、1500μm以下であれば、水への溶解性が高まる。
本稿における平均粒子径は、下記測定方法により求められる値である。
平均粒子径は、目開き1680μm、1410μm、1190μm、1000μm、710μm、500μm、350μm、250μm及び149μmの9段の篩と、受け皿とを用いた分級操作により測定できる。分級操作では、受け皿に、目開きの小さな篩から目開きの大きな篩を順に積み重ね、最上部の1680μmの篩の上から100g/回のサンプルを入れ、蓋をしてロータップ型篩い振盪機(株式会社飯田製作所製、タッピング:156回/分、ローリング:290回/分)に取り付け、10分間振動させる。その後、それぞれの篩及び受け皿上に残留したサンプルを篩目ごとに回収して、サンプルの質量を測定する。そして、受け皿と各篩との質量頻度を積算し、積算の質量頻度が50%以上となる最初の篩の目開きを「aμm」とし、aμmよりも一段大きい篩の目開きを「bμm」とする。また、受け皿からaμmの篩までの質量頻度の積算値を「c%」とし、aμmの篩上の質量頻度を「d%」とする。そして、下記(1)式により平均粒子径(50質量%粒径)を求め、これを試料の平均粒子径とする。
Figure 0006082219
<(A)成分>
(A)成分は、上記(I)式で表される化合物である。本発明の洗浄剤は、(A)成分を含有することで、(B)成分が起泡して形成された泡を速やかに消泡し、すすぎ性を改善できる。
(I)式中、 は、炭素数5〜21のアルキル基であり、好ましくは炭素数5〜13のアルキル基であり、より好ましくは炭素数7〜11のアルキル基である。炭素数が上記範囲内であれば、すすぎ性を改善でき、また、原料を容易に入手できる。
は直鎖であってもよく、分岐鎖であってもよい。
(I)式中、Xは、−O−、−COO−及び−CONH−から選ばれる基であり、中でも、−COO−が好ましい。
(I)式中、Yは、アルキル基又は−(R O) −R である。
Yがアルキル基である場合、Yは、炭素数3〜16であり、より好ましくは炭素数6〜10である。炭素数が上記下限値未満では消泡性が不十分になるおそれがあり、炭素数が上記上限値超では疎水性が強くなりすぎて、液体洗浄剤の安定性が損なわれるおそれがある。
Yがアルキル基である場合、Yは直鎖であってもよく、分岐鎖であってもよく、中でも分岐鎖が好ましい。Yが分岐鎖のアルキル基であれば、消泡性をさらに高められる。
Yが分岐鎖である場合、側鎖の数は、1〜4が好ましく、1がより好ましい。側鎖の数が上記範囲内であれば、十分な消泡性を発揮できる。
好ましいYとしては、例えば、イソトリデシル基、エチルヘキシル基、ヘキシルデシル基、イソブチル基、イソプロピル基等が挙げられ、中でも、消泡性、及び液体洗浄剤とした場合の液安定性の観点から、エチルヘキシル基がより好ましい。
Yがアルキル基である場合、 のアルキル基は、炭素数5〜21であり、炭素数5〜13が好ましく、7〜11がより好ましく、7〜9が特に好ましい。 の炭素数が上記範囲内であれば、親水性と疎水性とのバランスが良好となり、消泡性を高められる。
Yが−(R O) −R である場合、 は、炭素数2〜4のアルキレン基であり、好ましくは炭素数2〜3のアルキレン基であり、より好ましくは炭素数3のアルキレン基である。炭素数が上記範囲内であれば、親水性と疎水性とのバランスが良好となり、消泡性を高められる。
mは1〜5の数であり、2〜5が好ましく、3がより好ましい。上記下限値未満では、疎水性が強くなり、液体洗浄剤の安定性が損なわれるおそれがあり、上記上限値超では、親水性が強くなりすぎて、消泡性が不十分になるおそれがある。
は炭素数1〜16のアルキル基、フェニル基又はベンジル基であり、中でもアルキル基が好ましい。 がアルキル基の場合、 の炭素数は、1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1(即ち、メチル基)がさらに好ましい。上記範囲内であれば、液体洗浄剤の液安定性が良好になる。
Yが−(R O) −R である場合、 のアルキル基は、炭素数5〜21であり、炭素数5〜13が好ましく、炭素数9がより好ましい。 の炭素数が上記範囲内であれば、親水性と疎水性とのバランスがより良好となり、消泡性をより高められる。
(A)成分は、従来公知の方法により製造することができる。
例えば、(I)式において、Xが−COO−基であり、Yがアルキル基である(A)成分の製造方法としては、例えば、油脂と1価アルコールとのエステル交換による方法、廃食用油と1価アルコールとのエステル交換による方法、脂肪酸を1価アルコールでエステル化する方法、脂肪酸アルキルエステルと1価アルコールとのエステル交換による方法等が挙げられる。(A)成分を構成する脂肪酸残基の炭素数は、例えば、(A)成分を蒸留することにより炭素留分をカットしたり、所望の炭素数を有する脂肪酸アルキルエステルの炭素留分を2種以上配合した原料を用いることにより調整できる。
(A)成分の製造方法に用いられる油脂としては、特に限定されないが、植物油及び動物油が好ましく、植物油がより好ましい。植物油としては、ナタネ油、ひまわり油、大豆油、綿実油、サンフラワー油、ヒマシ油、オリーブ油、とうもろこし油、ヤシ油、パーム油、パーム核油等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。中でも、炭素数6〜14の脂肪酸の含有量が多い点でパーム核油、ヤシ油が好ましい。動物油としては、牛脂、豚脂、魚油等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
また、(A)成分の製造方法に用いられるアルコールとしては、特に限定されないが、プロクター・アンド・ギャンブル社製のCO−1214(商品名)又はCO−1270(商品名)等の天然アルコールや、三菱化学株式会社製のDiadol(商品名、C13、Cは炭素数を示す。以下同様。)、Shell社製のNeodol(商品名、C12とC13との混合物)、Sasol社製のSafol23(商品名、C12とC13との混合物)等のアルコール等が好ましい。
このような(A)成分としては、例えば、カプリル酸2−エチルヘキシル、ミリスチン酸イソトリデシル、ドデカン酸2−ヘキシルデシル、カプリル酸プロピレングリコールメチルエーテル、カプリル酸ジプロピレン、グリコールメチルエーテル、カプリル酸トリプロピレングリコールメチルエーテル、カプリン酸プロピレングリコールメチルエーテル、カプリン酸ジプロピレングリコールメチルエーテル、カプリン酸トリプロピレングリコールメチルエーテル、ラウリン酸プロピレングリコールメチルエーテル、ラウリン酸ジプロピレングリコールメチルエーテル、ラウリン酸トリプロピレングリコールメチルエーテル、カプリル酸エチレングリコールメチルエーテル、カプリル酸ジエチレングリコールメチルエーテル、カプリル酸トリエチレングリコールメチルエーテル、カプリン酸エチレングリコールメチルエーテル、カプリン酸ジエチレングリコールメチルエーテル、カプリン酸トリエチレングリコールメチルエーテル、ラウリン酸エチレングリコールメチルエーテル、ラウリン酸ジエチレングリコールメチルエーテル、ラウリン酸トリエチレングリコールメチルエーテル、カプリル酸プロピレングリコールエチルエーテル、カプリル酸ジプロピレングリコールエチルエーテル、カプリル酸トリプロピレングリコールエチルエーテル、カプリン酸プロピレングリコールエチルエーテル、カプリン酸ジプロピレングリコールエチルエーテル、カプリン酸トリプロピレングリコールエチルエーテル、ラウリン酸プロピレングリコールエチルエーテル、ラウリン酸ジプロピレングリコールエチルエーテル、ラウリン酸トリプロピレングリコールエチルエーテル、カプリル酸エチレングリコールエチルエーテル、カプリル酸ジエチレングリコールエチルエーテル、カプリル酸トリエチレングリコールエチルエーテル、カプリン酸エチレングリコールエチルエーテル、カプリン酸ジエチレングリコールエチルエーテル、カプリン酸トリエチレングリコールエチルエーテル、ラウリン酸エチレングリコールエチルエーテル、ラウリン酸ジエチレングリコールエチルエーテル、ラウリン酸トリエチレングリコールエチルエーテル等が挙げられる。中でも、カプリル酸2−エチルヘキシル、カプリン酸トリプロピレングリコールメチルエーテルが好ましく、カプリル酸2−エチルヘキシルがより好ましい。このような(A)成分を用いることで、消泡性をさらに高められる。
これらの(A)成分は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
液体洗浄剤中の(A)成分の含有量は、0.01〜20質量%が好ましく、0.1〜20質量%がより好ましい。上記下限値未満では消泡性が不十分になるおそれがあり、上記上限値超では洗浄性が低下したり、液安定性が損なわれるおそれがある。
固体洗浄剤中の(A)成分の含有量は、0.01〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましい。上記下限値未満では消泡性が不十分になるおそれがあり、上記上限値超では洗浄性が低下したり、粒状洗浄剤において流動性等の粉体物性が低下するおそれがある。
<(B)成分>
(B)成分は、(A)成分及び高級脂肪酸塩を除く界面活性剤である。洗浄剤は、(B)成分を含有することで、優れた洗浄性を発揮できる。
(B)成分は、(A)成分及び高級脂肪酸塩を除く界面活性剤であればよく、例えば、非石鹸系アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤(ただし、(A)成分を除く)、両性界面活性剤等、従来、洗浄剤に用いられる界面活性剤が挙げられる。(B)成分としては、ノニオン界面活性剤とカチオン界面活性剤とを含むものが好ましい。ノニオン界面活性剤とカチオン界面活性剤とが共存すると、安定した泡膜が形成されやすくなるため、本発明の効果が顕著に表れる。
非石鹸系アニオン界面活性剤は、高級脂肪酸塩に分類されないアニオン界面活性剤である。
非石鹸系アニオン界面活性剤としては、以下のアニオン界面活性剤が挙げられる。
(1)炭素数8〜18のアルキル基を有する直鎖又は分岐鎖のアルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS又はABS)。
(2)炭素数10〜20のアルカンスルホン酸塩。
(3)炭素数10〜20のα−オレフィンスルホン酸塩(AOS)。
(4)炭素数10〜20のアルキル硫酸塩又はアルケニル硫酸塩(AS)。
(5)炭素数2〜4のアルキレンオキシドのいずれか、又はエチレンオキシドとプロピレンオキシド(モル比EO/PO=0.1/9.9〜9.9/0.1)を、平均0.5〜10モル付加した炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル(又はアルケニル)基を有するアルキル(又はアルケニル)エーテル硫酸塩(AES)。
(6)炭素数2〜4のアルキレンオキシドのいずれか、又はエチレンオキシドとプロピレンオキシド(モル比EO/PO=0.1/9.9〜9.9/0.1)を、平均3〜30モル付加した炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル(又はアルケニル)基を有するアルキル(又はアルケニル)フェニルエーテル硫酸塩。
(7)炭素数2〜4のアルキレンオキシドのいずれか、又はエチレンオキシドとプロピレンオキシド(モル比EO/PO=0.1/9.9〜9.9/0.1)を、平均0.5〜10モル付加した炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル(又はアルケニル)基を有するアルキル(又はアルケニル)エーテルカルボン酸塩。
(8)炭素数10〜20のアルキルグリセリルエーテルスルホン酸のようなアルキル多価アルコールエーテル硫酸塩。
(9)長鎖モノアルキル、ジアルキル又はセスキアルキルリン酸塩。
(10)ポリオキシエチレンモノアルキル、ジアルキル又はセスキアルキルリン酸塩。
(11)炭素数14〜18の脂肪酸メチルエステルスルホン酸塩(MES)。
これらのアニオン界面活性剤は、ナトリウム、カリウムといったアルカリ金属塩や、アミン塩、アンモニウム塩等として用いることができる。
(B)成分中の非石鹸系アニオン界面活性剤の含有量は、特に限定されないが、1〜80質量%が好ましく、1〜50質量%がより好ましい。上記範囲内であれば、種々の汚れに対して、より高い洗浄性が得られる。
ノニオン界面活性剤としては、(A)成分を除くものであれば特に限定されず、例えば、以下のものが挙げられる。
(1)炭素数6〜22、好ましくは8〜18の脂肪族アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキシドを平均3〜30モル、好ましくは3〜20モル、さらに好ましくは5〜20モル付加したポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテル。この中でも、ポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)エーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキル(又はアルケニル)エーテルが好適である。ここで使用される脂肪族アルコールとしては、第1級アルコールや、第2級アルコールが挙げられる。また、そのアルキル基は、分岐鎖を有していてもよい。脂肪族アルコールとしては、第1級アルコールが好ましい。
(2)ポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)フェニルエーテル。
(3)長鎖脂肪酸アルキルエステルのエステル結合間にアルキレンオキシドが付加した脂肪酸アルキルエステルアルコキシレート。
(4)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル。
(5)ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル。
(6)ポリオキシエチレン脂肪酸エステル。
(7)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油。
(8)グリセリン脂肪酸エステル。
ノニオン界面活性剤としては、上記(1)又は(3)のものが好ましく、中でも、下記一般式(b1)で表されるポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤(以下、(b1)成分ということがある)、下記一般式(b2)で表されるポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤(以下、(b2)成分ということがある)がより好ましい。
11 −X −[(EO) /(PO) ]−R 12 ・・・(b1)
[式中、 11 は炭素数8〜18のアルキル基又はアルケニル基である。 は−O−、−COO−又は−CONH−である。 12 は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数2〜6のアルケニル基である。sはEOの平均繰返し数を表す3〜20の数である。tはPOの平均繰返し数を表す0〜6の数である。EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基を表し、EOとPOとは混在していてもよい。]
(b1)式中、 11 は、洗浄性の観点から、炭素数10〜18のアルキル基又はアルケニル基が好ましく、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。 11 としては、1級又は2級の高級アルコール、高級脂肪酸、高級脂肪酸アミド等の原料に由来するアルキル基又はアルケニル基が挙げられる。
12 がアルキル基である場合、 12 は、炭素数1〜3のアルキル基が好ましい。 12 がアルケニル基である場合、 12 は、炭素数2〜3のアルケニル基が好ましい。
としては、−O−又は−COO−が好ましい。
が−O−の場合、(b1)成分は、アルキルエーテル型ノニオン界面活性剤である。 が−O−の場合、洗浄性の観点から、 11 の炭素数は10〜18が好ましい。また、 11 は不飽和結合を有していてもよい。また、 が−O−の場合、 12 は、水素原子が好ましい。
が−COO−の場合、(b1)成分は脂肪酸エステル型ノニオン界面活性剤である。 が−COO−の場合、洗浄性の観点から、 11 の炭素数は9〜17が好ましく、11〜17がより好ましい。また、 11 は不飽和結合を有していてもよい。 が−COO−の場合、 12 は、炭素数1〜3のアルキル基が好ましい。
(b1)式中、sは、3〜20の数であり、好ましくは5〜18の数である。sが20を超えると、HLB値が高くなりすぎて、洗浄力が低下する傾向にある。一方、sが3未満であると、(A)成分自体の原料臭気が劣化しやすくなる傾向にある。
tは、0〜6の数であり、好ましくは0〜3の数である。tが6を超えると、液体洗浄剤の高温下での保存安定性が低下する傾向にある。
EOとPOとは混在して配列してもよく、(EO) /(PO) は、EOとPOとがランダム状に付加していてもよく、ブロック状に付加していてもよい。
(b1)成分において、EO又はPOの付加モル数分布は特に限定されず、(b1)成分を製造する際の反応方法によって変動しやすい。例えば、EO又はPOの付加モル数分布は、一般的な水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ触媒を用いて、エチレンオキシド又はプロピレンオキシドを疎水基原料(1級又は2級の高級アルコール、高級脂肪酸、高級脂肪酸アミド等)に付加させた際には、比較的広い分布となる傾向にある。また、特公平6−15038号公報に記載のAl 3+ Ga 3+ In 3+ Tl 3+ Co 3+ Sc 3+ La 3+ Mn 2+ 等の金属イオンを添加した酸化マグネシウム等の特定のアルコキシル化触媒を用いて、エチレンオキシド又はプロピレンオキシドを該疎水基原料に付加させた場合には、比較的狭い分布となる傾向にある。
(b1)成分としては、例えば、三菱化学株式会社製のDiadol(商品名、C13)、Shell社製のNeodol(商品名、C12とC13との混合物)、Sasol社製のSafol23(商品名、C12とC13との混合物)等のアルコールに対して、12モル相当又は15モル相当のエチレンオキシドを付加したもの;プロクター・アンド・ギャンブル社製のCO−1214(商品名)又はCO−1270(商品名)等の天然アルコールに対して、12モル相当、又は15モル相当のエチレンオキシドを付加したもの;ブテンを3量化して得られるC12アルケンをオキソ法に供して得られるC13アルコールに対して、7モル相当のエチレンオキシドを付加したもの(商品名:Lutensol TO7、BASF社製);ペンタノールをガーベット反応に供して得られるC10アルコールに対して、9モル相当のエチレンオキシドを付加したもの(商品名:Lutensol XP90、BASF社製);ペンタノールをガーベット反応に供して得られるC10アルコールに対して、7モル相当のエチレンオキシドを付加したもの(商品名:Lutensol XL70、BASF社製の);ペンタノールをガーベット反応に供して得られるC10アルコールに対して、6モル相当のエチレンオキシドを付加したもの(商品名:Lutensol XA60、BASF社製);炭素数12〜14の第2級アルコールに対して、9モル相当、又は15モル相当のエチレンオキシドを付加したもの(商品名:ソフタノール90、ソフタノール150、株式会社日本触媒製)等が挙げられる。
13 −O−[(EO) /(PO) ]−(EO) −H ・・・(b2)
[式中、 13 は炭素数8〜18のアルキル基又はアルケニル基である。pはEOの平均繰返し数を表し、qはPOの平均繰返し数を表し、rはEOの平均繰返し数を表し、p、q、rはp>1、r>1、0<q≦3、p+r=10〜20を満たす数である。EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基を表し、(EO) /(PO) におけるEOとPOとは混在していてもよい。]
(b2)式中、 13 は、炭素数8〜18のアルキル基又はアルケニル基であることが好ましく、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。
(b2)式中、EOとPOとの比率は、q/(p+r)で表される比で0.1〜0.5であることが好ましく、より好ましくは0.1〜0.3である。上記下限値以上であると、泡が立ちすぎず、泡立ちの適正化が図られやすい。上記上限値以下であると、適度な粘度が得られやすくなり、ゲル化が抑制されやすい。
(EO) /(PO) におけるEOとPOとは、いずれか一方のみが存在していてもよく、混在していてもよい(EO) /(PO) は、EOとPOとがランダム状に付加していてもよく、ブロック状に付加していてもよい。
(b2)成分は、従来公知の方法で製造することができる。例えば、天然油脂から誘導された 13 を有するアルコールに対して、エチレンオキシド、プロピレンオキシドの順に付加反応した後、又はエチレンオキシドとプロピレンオキシドとを混合付加(ランダム付加)した後、再度、エチレンオキシドを付加して製造できる。
(b2)成分を用いると、液体洗浄剤は適度な粘度が得られやすくなり、ゲル化も抑制される。また、泡立ち性が向上し、生分解性もより良好になる。
上述のノニオン界面活性剤の中でも、洗浄性、液体洗浄剤の低温安定性が良好である点から、前記式(b1)中、 が−O−で炭素数12〜14の第2級アルコールに対して、9モル相当、又は15モル相当のエチレンオキシドを付加したもの(株式会社日本触媒社製のソフタノール90、ソフタノール150)もしくは、前記式(b1)中、 が−COO−の脂肪酸エステル型ノニオン界面活性剤が好ましく、より好ましくは脂肪酸エステル型ノニオン界面活性剤である。
(B)成分中のノニオン界面活性剤の含有量は、特に限定されないが、10〜95質量%が好ましく、30〜90質量%がより好ましい。上記範囲内であれば、各種汚れに対して、より高い洗浄性が得られる。
カチオン界面活性剤としては、従来、洗浄剤において使用されるものであれば、特に限定されることなく、各種のカチオン界面活性剤を使用することができる。
カチオン界面活性剤としては、例えば、以下のものが挙げられる。
(1)ジ長鎖アルキルジ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩。
(2)モノ長鎖アルキルトリ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩。
(3)トリ長鎖アルキルモノ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩。
これら(1)〜(3)における「長鎖アルキル」は、炭素数10〜26のアルキル基を示す。該アルキル基の炭素数は12〜18が好ましい。
「短鎖アルキル」は、置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキル基を示す。該アルキル基の炭素数は1又は2が好ましい。該アルキル基が有していてもよい置換基としては、フェニル基、ベンジル基、水酸基、ヒドロキシアルキル基、ポリオキシアルキレン基等が挙げられる。ヒドロキシアルキル基の炭素数は2〜4が好ましく、2又は3がより好ましい。ポリオキシアルキレン基におけるアルキレン基の炭素数は2〜4が好ましく、2又は3がより好ましい。
(B)成分中のカチオン界面活性剤の含有量は、特に限定されないが、0.01〜30質量%が好ましく、0.1〜20質量%がより好ましい。上記範囲内であれば、衣類を洗浄した際に、衣類に良好な柔軟性を与えられる。
両性界面活性剤としては、従来、洗浄剤において使用されるものであれば、特に限定されることなく、各種の両性界面活性剤を使用することができる。
両性界面活性剤としては、例えばイミダゾリン系の両性界面活性、アミドベタイン系の両性界面活性剤等が挙げられる。具体的には、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタインが好適なものとして挙げられる。
これらの(B)成分は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
(B)成分中の両性界面活性剤の含有量は、特に限定されないが、0.01〜60質量%が好ましく、0.1〜30質量%がより好ましい。上記範囲内であれば洗浄性と消泡性とをより高められる。
液体洗浄剤中の(B)成分の含有量は、0.01〜80質量%が好ましく、0.1〜70質量%がより好ましい。上記範囲内であれば、良好な洗浄性と外観安定性とが得られる。
固体洗浄剤中の(B)成分の含有量は、0.1〜60質量%が好ましく、1〜40質量%がより好ましい。上記範囲内であれば、良好な洗浄性と、良好な粉体物性とが得られる。
洗浄剤中、(B)成分/(A)成分で表される質量比(以下、(B)/(A)比ということがある)は、1以上であり、5以上が好ましく、10以上がより好ましい。上記下限値未満では、洗浄剤の洗浄性が損なわれるおそれがある。(B)/(A)比の上限値は、特に限定されないが、200以下が好ましく、100以下がより好ましい。上記上限値超であると、消泡性が不十分になるおそれがある。
<(C)成分:高級脂肪酸塩>
洗浄剤は、高級脂肪酸塩(C)((C)成分)を任意成分として含有してもよい。洗浄剤は、(C)成分を含有することで、消泡性をさらに高められる。
(C)成分としては、例えば、炭素数10〜20の高級脂肪酸のアルカリ金属塩、アミン塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
液体洗浄剤中の(C)成分の含有量は、例えば、0.01〜20質量%が好ましく、0.05〜10質量%がより好ましい。上記下限値未満では消泡性のさらなる向上が図れないおそれがあり、上記上限値超では外観安定性が低下するおそれがある。
固体洗浄剤中の(C)成分の含有量は、例えば、0.01〜60質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましい。上記下限値未満では消泡性のさらなる向上が図れないおそれがあり、上記上限値超では粉体物性が低下するおそれがある。
洗浄剤中、(A)成分/(C)成分で表される質量比(以下、(A)/(C)比ということがある)は、例えば、0.05〜100が好ましく、0.1〜80がより好ましい。上記範囲内であれば、消泡性をより高められる。
洗浄剤中、(B)成分/(C)成分で表される質量比(以下、(B)/(C)比ということがある)は、例えば、0.05〜400が好ましく、0.1〜250がより好ましい。上記範囲内であれば、消泡性をより高められる。
<その他の任意成分>
本発明の洗浄剤は、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて、上述した(A)〜(C)成分以外の任意成分を含有してもよい。任意成分としては、特に限定されず、洗浄剤に通常用いられる成分を配合することができる。
任意成分としては、例えば、分散媒、ハイドロトロープ剤、洗浄性ビルダー、安定化剤(安息香酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、多価アルコール、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールアルキルエーテル等)、アルカリ剤(モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン等)、金属イオン捕捉剤(マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、ジグリコール酸、酒石酸、クエン酸、又はそれらの塩等)、シリコーン等の風合い向上剤、防腐剤、蛍光剤、移染防止剤、パール剤、酸化防止剤(ジブチルヒドロキシトルエン、ジスチレン化クレゾール、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム等)、酵素、着色剤として汎用の色素や顔料、着香剤又は乳濁化剤等の添加剤、pH調整剤等が挙げられる。
≪分散媒≫
液体洗浄剤は、分散媒を含有してもよい。分散媒としては、水、アルコール、ポリエチレングリコール等が挙げられ、中でも水が好ましい。
液体洗浄剤中の水の含有量は、10〜90質量%が好ましく、20〜70質量%がより好ましい。上記下限値未満では、経時に伴う液体洗浄剤の液安定性が低下するおそれがあり、上記上限値超では粘度が高くなりすぎて、使用性が低下するおそれがある。
≪ハイドロトロープ剤≫
液体洗浄剤は、ハイドロトロープ剤を含有してもよい。ハイドロトロープ剤としては、従来公知の成分を用いることができる。ハイドロトロープ剤を含有することで、液体洗浄剤の貯蔵安定性の向上が図れる。
ハイドロトロープ剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等、炭素数1〜6の低級アルコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール等のグリコール類、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール等のポリグリコール、p−トルエンスルホン酸等が挙げられる。これらのハイドロトロープ剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
≪洗浄性ビルダー≫
洗浄性ビルダーとしては、無機ビルダーと有機ビルダーとに大別される。無機ビルダーとしては、例えば、非晶質アルミノケイ酸塩;オルソリン酸塩、ピロリン酸塩、トリポリリン酸塩、メタリン酸塩、ヘキサメタリン酸塩、フィチン酸塩等のリン酸塩;結晶性ケイ酸塩、炭酸塩と非晶質アルカリ金属ケイ酸塩との複合体が挙げられる。塩の形態は、特に限定されず、例えばアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、プロトン化されたアミン塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
有機ビルダーとしては、例えば、ニトリロトリ酢酸塩、エチレンジアミンテトラ酢酸塩、β−アラニンジ酢酸塩、アスパラギン酸ジ酢酸塩、メチルグリシンジ酢酸塩、イミノジコハク酸塩等のアミノカルボン酸塩;セリンジ酢酸塩、ヒドロキシイミノジコハク酸塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸塩、ジヒドロキシエチルグリシン塩等のヒドロキシアミノカルボン酸塩;ヒドロキシ酢酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、グルコン酸塩等のヒドロキシカルボン酸塩;ピロメリット酸塩、ベンゾポリカルボン酸塩、シクロペンタンテトラカルボン酸塩等のシクロカルボン酸塩;カルボキシメチルタルトロネート、カルボキシメチルオキシサクシネート、オキシジサクシネート、酒石酸モノ又はジサクシネート等のエーテルカルボン酸塩;重量平均分子量1万以下のカルボキシ基を有するポリマー等が挙げられる。
これらの洗浄性ビルダーは、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
(製造方法)
本発明の洗浄剤の製造方法は、洗浄剤の剤形に応じ、常法に準じて製造することができる。
液体洗浄剤の製造方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。まず、(A)成分及び(B)成分と、必要に応じて(C)成分及び任意成分とを、各成分の純分換算量で所望の配合量になるように分散媒に分散又は溶解する。次いで、pH調整剤を用いて任意のpHに調整することで、液体洗浄剤を得られる。
固体洗浄剤の製造方法としては、従来公知の固体洗浄剤等の製造方法と同様の製造方法が挙げられる。例えば、(A)成分及び(B)成分と、必要に応じて(C)成分及び任意成分とを混合するドライブレンド法、乾式造粒法や、攪拌造粒法及び破砕造粒法等の乾燥/造粒法、ペースト造粒/乾燥法及び湿式造粒/乾燥法等の湿式造粒/乾燥法、噴霧乾燥法、捏和物の押出し造粒法等が挙げられ、これらの複数の方法を適宜組み合わせることができる。
例えば、(A)成分及び(B)成分と、粒状の任意成分をドライブレンドし、これにノニオン界面活性剤を噴霧して粒状洗浄剤を得る方法が挙げられる。
さらに得られた粒状洗浄剤をタブレット、ブリケット、シート又はバー等、所望する形状に成形してもよい。
上述したように、本発明の洗浄剤は、(A)成分を含有し、かつ(B)/(A)比を特定の範囲とすることで、(B)成分が起泡して生じた泡を速やかに消泡し、すすぎ性の改善を図れる。
さらに、(C)成分を含有することで、より速やかに消泡でき、すすぎ性のさらなる改善を図れる。
本発明の洗浄剤は、例えば、衣料用洗浄剤、食器用洗浄剤、台所用洗浄剤、風呂用洗浄剤、トイレ洗浄剤等として用いられ、中でも衣料用洗浄剤として好適に用いられる。衣料用洗浄剤は、より少ない水で、より速やかに消泡することが求められ、本発明の効果が顕著に発揮されるためである。
以下、実施例を示して本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によって限定されるものではない。
(使用原料)
<(A)成分>
A−1:カプリル酸2−エチルヘキシル、商品名;パステル2H−08、ライオン株式会社製。
A−2:カプリン酸2−エチルヘキシル(2H−10、下記合成方法により合成したもの)。
≪A−2の合成方法≫
5Lの四つ口フラスコに、カプリン酸メチルエステル(ライオン株式会社製、商品名;パステルM10)1700gと、2エチルヘキサノール1425gと、触媒としてp−トルエンスルホン酸(関東化学株式会社製)17gとを仕込み、窒素置換を行った。その後、窒素を1mL/秒の流量で流通させながら、液温が140℃になるまで昇温してエステル化反応を行い、反応により生成した水を蒸留により除去した。水を除去した後、0.6kPaまで徐々に減圧しながら200℃になるまで昇温して粗製物を得た。次いで、粗製物1500gに対し、濾過助剤としてハイフロスーパーセル(商品名、ナカライテスク株式会社製)を22.5g(粗製物100質量部に対し1.5質量部)添加し、10分攪拌して均一に分散させた後、80℃で加圧濾過して、カプリン酸2−エチルヘキシルを得た。
A−3:ラウリン酸イソトリデシル(M12−TD、下記合成方法により合成したもの)。
≪A−3の合成方法≫
5Lの四つ口フラスコに、ラウリン酸2114gと、イソトリデカノール(協和発酵ケミカル株式会社製)1470gと、触媒としてp−トルエンスルホン酸(関東化学株式会社製)17gとを仕込み、窒素置換を行った。その後、窒素を1mL/秒の流量で流通させながら、液温が140℃になるまで昇温してエステル化反応を行い、反応により生成した水を蒸留により除去した。水を除去した後、0.6kPaまで徐々に減圧しながら200℃になるまで昇温し粗製物を得た。次いで、粗製物1500gに対し、濾過助剤としてハイフロスーパーセル(商品名、ナカライテスク株式会社製)を22.5g(粗製物100質量部に対し1.5質量部)添加し、10分攪拌して均一に分散させた後、80℃で加圧濾過して、ラウリン酸イソトリデシルを得た。
A−4:カプリン酸トリプロピレングリコールメチルエーテル(M10−3PO、下記合成方法により合成したもの)。
≪A−4の合成方法≫
5Lの四つ口フラスコに、カプリン酸メチルエステル(ライオン株式会社製、商品名、パステルM10)1400gと、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(日本乳化剤株式会社製)1860gと、触媒としてp−トルエンスルホン酸(関東化学株式会社製)17gとを仕込み、窒素置換を行った。その後、窒素を1mL/秒の流量で流通させながら、液温が140℃になるまで昇温してエステル化反応を行い、反応により生成した水を蒸留により除去した。水を除去した後、0.6kPaまで徐々に減圧しながら200℃になるまで昇温し粗製物を得た。次いで、粗製物1500gに対し、濾過助剤としてハイフロスーパーセル(商品名、ナカライテスク株式会社製)を22.5g(粗製物100質量部に対し1.5質量部)添加し、10分攪拌して均一に分散させた後、80℃で加圧濾過して、カプリン酸トリプロピレングリコールモノメチルエーテルを得た。
<(A’)成分:(A)成分の比較品>
A’−1:酢酸エチル、純正化学株式会社製。
<(B)成分>
B−1:LMAO(C12/14−15EO)、(b1)式における =−O−、 11 =炭素数12,14のアルキル基、 12 =水素原子、s=15、t=0(下記合成方法により合成したもの)。
≪B−1の合成方法≫
天然アルコール(商品名:CO−1214、プロクター・アンド・ギャンブル社製)861.2gと、30質量%NaOH水溶液2.0gとを耐圧型反応容器中に採取し、容器内を窒素置換した。次いで、温度100℃、圧力2.0kPa以下で30分間脱水した後、温度を160℃まで昇温した。反応液を撹拌しながら、エチレンオキシド(ガス状)760.6gを反応液中に徐々に加えた。この時、吹き込み管を使って、反応温度が180℃を超えないように添加速度を調節しながら加えた。エチレンオキシドの添加終了後、温度180℃、圧力0.3MPa以下で30分間熟成した後、温度180℃、圧力6.0kPa以下で10分間、未反応のエチレンオキシドを留去した。次に、温度を100℃以下まで冷却した後、反応物の1質量%水溶液のpHが約7になるように、70質量%p−トルエンスルホン酸を加えて中和し、LMAO(C12/14−15EO)を得た。
B−2:MEE(C12/14−15EO)、(b1)式における =−COO−、 11 =炭素数11,13のアルキル基、 12 =メチル基、s=15、t=0(下記合成方法により合成したもの)。
≪B−2の合成方法≫
特開2000−144179号公報に記載の合成方法(サンプルDに対応するもの)に準じ、ヤシ脂肪酸メチル(質量比でラウリン酸メチル/ミリスチン酸メチル=8/2の混合物)に、アルコキシル化触媒を用いて、15モル相当のエチレンオキシドを付加して合成した。
化学組成が2.5MgO・Al ・nH である水酸化アルミナ・マグネシウム(協和化学工業株式会社製、商品名;キョーワード330)を600℃で1時間、窒素雰囲気下で焼成して得られた焼成水酸化アルミナ・マグネシウム(未改質)触媒2.2gと、0.5N水酸化カリウムエタノール溶液2.9mLと、ラウリン酸メチルエステル280gと、ミリスチン酸メチルエステル70gとを4Lオートクレーブに仕込み、オートクレーブ内で触媒の改質を行った。次いで、オートクレーブ内を窒素で置換した後、昇温し、温度180℃、圧力3×10 Paに維持しつつ、エチレンオキシド1052gを導入し、撹拌しながら反応させた。さらに、反応液を80℃に冷却し、水159gと、濾別助剤として活性白土及び珪藻土をそれぞれ5gとを添加した後、触媒を濾別し、MEE(C12/14−15EO)を得た。
B−3:LAS(直鎖アルキル(炭素数10〜14)ベンゼンスルホン酸)、商品名;ライポンLH−200(LAS−H、純分:96質量%)、平均分子量322(pH調整剤である水酸化ナトリウムにより中和され、ナトリウム塩となる)、ライオン株式会社製。
B−4:SAS(セカンダリーアルカンスルホン酸Na)、商品名;SAS30、クラリアントジャパン株式会社製。
B−5:C12カチオン( 2z+1 (CH Cl (z=12))、商品名;アーカード12−37w、ライオンアクゾ株式会社製。
B−6:C18カチオン( 2z+1 (CH Cl (z=16/18混合品、z=16とz=18との質量比2/8))、商品名;アーカードT−800、ライオンアクゾ株式会社製。
B−7:LAP(ラウリン酸アミドプロピルベタイン)、商品名;ソフタゾリンLPB、川研ファインケミカル株式会社製。
<(C)成分>
C−1:椰子脂肪酸ナトリウム(椰子脂肪酸(商品名、日油株式会社製)をナトリウムで中和したもの)。
C−2:C16石鹸(パルミチン酸ナトリウム)、試薬、関東化学株式会社製。
<任意成分>
ポリエチレングリコール:商品名;PEG#1000−L60、重合度20、ライオン株式会社製。
エタノール:商品名;特定アルコール95度合成、日本アルコール販売株式会社製。
クエン酸:商品名;液体クエン酸、一方社油脂工業株式会社製。
p−トルエンスルホン酸:商品名;PTS酸、協和発酵ケミカル株式会社製。
pH調整剤:水酸化ナトリウム(鶴見曹達株式会社製)、塩酸(純正化学株式会社製)。
安息香酸ナトリウム:東亜合成株式会社製。
酵素:商品名;coronase 48L、ノボザイムズ社製。
(実施例1〜18、比較例1〜5)
表1〜3に示す組成に従い、各成分を25℃に調温した精製水に溶解して洗浄液を調製した。この洗浄液20mLをエプトン管に入れ、このエプトン管を手で1ストローク/秒で20回震盪した1分後、2分後、5分後に、それぞれの泡の量(泡と洗浄液との境界から、泡の上端面までの体積)をエプトン管の目盛で読み取った。測定した泡の量を表中に示す。
Figure 0006082219
Figure 0006082219
Figure 0006082219
表1〜3に示すように、本発明を適用した実施例1〜18は、(B)成分の種類にかかわらず、消泡効果が認められた。例えば、実施例1〜4と、(A)成分を含有しない比較例1及び(A)成分に換えて(A’)成分を含有する比較例2との比較から、(A)成分を含む実施例1〜4は比較例1〜2に比べて、消泡効果が高まっていた。
加えて、実施例16と実施例18との比較において、(C)成分を用いた実施例18は、2分後及び5分後における泡の量が実施例16よりも少なかった。このことから(C)成分を併用することで、消泡性を高められることが判った。
実施例17と比較例5との比較から、(A)成分は、(C)成分に比べ、5分後の消泡効果が高まっていた。
(実施例19〜22)
表4に示す組成に従い、各成分を精製水に溶解して液体洗浄剤を調製した。得られた液体洗浄剤は、いずれも良好な消泡効果を発揮した。
なお、表4中、pH調整剤の配合量「適量」は、液体洗浄剤をpH7に調整するのに用いられた量を意味し、精製水の配合量「バランス」は、液体洗浄剤の全体量を100質量%とするのに用いられた量である。
Figure 0006082219

Claims (3)

  1. 下記一般式(I)で表される化合物(A)と、
    前記(A)成分及び高級脂肪酸塩を除く界面活性剤(B)とを含有し、
    前記(B)成分/前記(A)成分で表される質量比が10以上であることを特徴とする洗浄剤。
    −X−Y ・・・(I)
    [(I)式中、Rは、炭素数5〜11のアルキル基であり、Xは、−O−、−COO−及び−CONH−から選ばれる基である。Yは、炭素数3〜10のアルキル基又は−(RO)−R(Rは炭素数3のアルキレン基であり、mは1〜5の数であり、Rは炭素数1〜16のアルキル基、フェニル基又はベンジル基である。)。]
  2. 高級脂肪酸塩(C)を含有することを特徴とする請求項1に記載の洗浄剤。
  3. 前記(B)成分は、ノニオン界面活性剤を含有し、前記(B)成分100質量%に対する前記ノニオン界面活性剤の含有量は10〜95質量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の洗浄剤。
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