JP2013203775A - 衣料用液体洗浄剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】α−スルホ脂肪酸エステル塩を含有し、洗浄力に優れ、しかも低温下においても保存安定性に優れる衣料用液体洗浄剤組成物を提供する。
【解決手段】(A1)成分:α−スルホパルミチン酸メチルエステル塩と、(A2)成分:α−スルホステアリン酸メチルエステル塩と、(B)成分:炭素数4〜6の直鎖または分岐鎖の飽和一価アルコールおよび下記一般式(1)で表される芳香族一価アルコールから選ばれる少なくとも1種の化合物とを含有し、かつ(A1)成分/(A2)成分で表される質量比率が90/10〜60/40であり、{(A1)成分+(A2)成分}/(B)成分で表される質量比率が50/50〜75/25であることよりなる。式(1)中、Rは水素原子またはメチル基であり、Xは酸素原子またはメチレン基であり、nは0〜1の数である。
[化1]
Figure 2013203775

【選択図】なし

Description

本発明は、衣料用液体洗浄剤組成物に関する。
α−スルホ脂肪酸メチルエステル塩(以下、「MES」という。)などのα−スルホ脂肪酸エステル塩は、植物油脂を原料として製造される、生分解性に優れた環境適合性型の界面活性剤である。α−スルホ脂肪酸エステル塩の洗浄剤としての用途は粉末状の衣料用洗浄剤が主であったが、近年では、液体状の衣料用洗浄剤への適用も検討されている。
α−スルホ脂肪酸エステル塩を界面活性剤として配合した液体洗浄剤としては、例えば特許文献1には、特定構造のアルキレングリコールエーテル系溶剤の混合物と、α−スルホ脂肪酸エステル塩などの陰イオン性界面活性剤とを含有する硬質表面洗浄剤組成物が開示されている。
また、特許文献2には、非イオン性界面活性剤と、α−スルホ脂肪酸エステル塩などの陰イオン性界面活性剤と、特定の水性混和性溶剤とを含有する液体洗浄剤組成物が開示されている。
また、特許文献3には、特定の溶解性改良剤と、α−スルホ脂肪酸エステル塩と、必要に応じてアルコール類などの添加剤とを含有する液体洗浄剤組成物が開示されている。
特開平8−20794号公報 国際公開第2011/046170号 特開2005−162932号公報
しかしながら、特許文献1に記載の硬質表面洗浄剤組成物は、浴室やキッチンなどの汚れを除去することを目的としたものであり、衣料等の洗濯を想定していない。そのため、特許文献1に記載の硬質表面洗浄剤組成物を直ちに衣料用に採用することはできない。
特許文献2、3に記載の液体洗浄剤組成物は、洗浄力や保存安定性の点で必ずしも十分ではなかった。
このように、α−スルホ脂肪酸エステル塩の衣料用液体洗浄剤への適用は十分であるとは言い難い。α−スルホ脂肪酸エステル塩を衣料用液体洗浄剤へ適用するのが困難である理由は以下の通りである。
例えば植物油脂を原料として製造されるα−スルホ脂肪酸エステル塩としては、疎水基の炭素数が10〜14のものと、疎水基の炭素数が16、18のものが挙げられる。このうち、疎水基の炭素数が10〜14のα−スルホ脂肪酸エステル塩は、水に対する溶解性に優れるので衣料用液体洗浄剤に配合してもα−スルホ脂肪酸エステル塩が析出することなく外観が均一透明となるものの、洗浄力が不十分であった。
一方、疎水基の炭素数が16であるα−スルホパルミチン酸メチルエステル塩や、疎水基の炭素数が18であるα−スルホステアリン酸メチルエステル塩は洗浄力に優れるため、衣料用洗浄剤の界面活性剤として好適であるが、低温での水に対する溶解性に劣り、通常、35℃以上に加温しておかないと沈殿、析出してしまう。ところで、株式会社ウェザーニューズ「2010年全国部屋の温度調査」によれば、日本国内での平均室温が15〜20℃である。従って、例えば15℃程度の低温で疎水基の炭素数が16、18であるα−スルホ脂肪酸エステル塩を配合した衣料用液体洗浄剤を保存しておくと、α−スルホ脂肪酸エステル塩が析出して不均一となったり、流動性が低下したり、液晶化したりするなど、衣料用液体洗浄剤の保存安定性が低下して、一定の品質を保てないことがあった。
従って、α−スルホ脂肪酸エステル塩を配合した衣料用液体洗浄剤組成物には、洗浄力は当然のことながら、少なくとも15℃の低温下においてα−スルホ脂肪酸エステル塩が溶解し、外観が均一透明で、かつ流動性を示し、しかも液晶化しにくいこと、すなわち保存安定性に優れることが求められる。
本発明は上記事情を鑑みてなされたものであり、α−スルホ脂肪酸エステル塩を含有し、洗浄力に優れ、しかも低温下においても保存安定性に優れる衣料用液体洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、疎水基の炭素数が16であるα−スルホパルミチン酸メチルエステル塩と、疎水基の炭素数が18であるα−スルホステアリン酸メチルエステル塩とを特定の比率で混合し、更に、特定のアルコールを併用することで、低温下においてもMESが析出しにくく、良好な流動性を示し、液晶化を抑制でき、かつ洗浄力を保てる組成物を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の衣料用液体洗浄剤組成物は、下記(A1)成分と(A2)成分と(B)成分とを含有し、かつ(A1)成分/(A2)成分で表される質量比率が90/10〜60/40であり、{(A1)成分+(A2)成分}/(B)成分で表される質量比率が50/50〜75/25であることを特徴とする。
(A1)成分:α−スルホパルミチン酸メチルエステル塩。
(A2)成分:α−スルホステアリン酸メチルエステル塩。
(B)成分:炭素数4〜6の直鎖または分岐鎖の飽和一価アルコールと、下記一般式(1)で表される芳香族一価アルコールとから選ばれる少なくとも1種の化合物。
Figure 2013203775
式(1)中、Rは水素原子またはメチル基であり、Xは酸素原子またはメチレン基であり、nは0〜1の数である。
また、前記(A1)成分と(A2)成分の含有量の合計が5〜25質量%であることが好ましい。
本発明の衣料用液体洗浄剤組成物は、α−スルホ脂肪酸エステル塩を含有し、洗浄力に優れ、しかも低温下においても保存安定性に優れる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の衣料用液体洗浄剤組成物(以下、「液体洗浄剤組成物」という。)は、α−スルホ脂肪酸エステル塩として以下の(A1)成分および(A2)成分と、以下の(B)成分とを含有する。
<α−スルホ脂肪酸エステル塩>
((A1)成分、(A2)成分)
(A1)成分は、α−スルホパルミチン酸メチルエステル塩である。
(A2)成分は、α−スルホステアリン酸メチルエステル塩である。
(A1)成分および(A2)成分は陰イオン性界面活性剤であり、水に溶解した状態で使用できれば、優れた洗浄力を発現する成分であるが、液体洗浄剤組成物の状態で15〜20℃に保存すると析出してしまい、再度、均一に溶解させるには35℃以上に加温する必要がある。
(A1)成分は、パルミチン酸メチルエステルを無水硫酸等に接触させてスルホン化することにより得られたα−スルホパルミチン酸メチルエステルを、水酸化ナトリウム等のアルカリにより中和してスルホン酸部分で塩を形成することで得られる。
一方、(A2)成分は、ステアリン酸メチルエステルを無水硫酸等に接触させてスルホン化することにより得られたα−スルホパルミチン酸メチルエステルを、水酸化ナトリウム等のアルカリにより中和してスルホン酸部分で塩を形成することで得られる。
(A1)成分および(A2)成分における塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン塩、アンモニウム塩などが挙げられる。これらの中でも、洗浄力、コスト、臭気の点で、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩が好ましい。
<(B)成分>
(B)成分は、炭素数4〜6の直鎖または分岐鎖の飽和一価アルコールと、下記一般式(1)で表される芳香族一価アルコールとから選ばれる少なくとも1種の化合物であり、(A1)成分および(A2)成分の低温下における析出防止剤として作用する。
Figure 2013203775
式(1)中、Rは水素原子またはメチル基であり、Xは酸素原子またはメチレン基であり、nは0〜1の数である。
飽和一価アルコールの炭素数が4未満であると析出防止の効果が得られず、6を超えると(A1)成分および(A2)成分と液晶を形成し、液体洗浄剤組成物の流動性を低下させる。また、炭素数4〜6の直鎖または分岐鎖の飽和一価アルコールが二価アルコール以上の多価アルコールとなっても、析出防止の効果は得られない。
一方、芳香族一価アルコールとしては、上記一般式(1)以外の芳香族一価アルコールを用いた場合、具体的には構造中の酸素原子や水酸基の数が増えた場合には析出防止の効果が得られず、構造中の炭素数のみが増えた場合にも(A1)成分および/または(A2)成分と液晶を形成し、液体洗浄剤組成物の流動性を低下させる。
(B)成分としては、理由は詳らかではないが、有機概念図から求められるα値が34〜60°である化合物が好ましい。言い換えると、(B)成分のα値が34〜60°の範囲内にある化合物が(A1)成分および(A2)成分の析出防止効果に好ましい。仮説ではあるが、(A1)成分と(A2)成分との混合によって形成された混合ミセルの内部にα値が34〜60°の範囲内にある領域が形成され、同じα値を示す(B)成分が混合ミセルのその領域へ取り込まれた((B)成分が可溶化した)結果として、(A1)成分および(A2)成分の析出防止に寄与したものと推察している。
ここで、α値とは、藤田穆により提案された「有機概念図」において用いられている値である。具体的には、有機化合物をその炭素領域の共有結合連鎖に起因する「有機性」と、置換基(官能基)に存在する静電性の影響による「無機性」との2因子に分けて数値化したものであって、tanα=(無機性値/有機性値)で表わされるものである。
無機性値、有機性値は個々の化合物の構造等から求められ、α値は化合物の「有機性」と「無機性」のバランスを定量的に示すパラメータとなる。また、無機性は親水性、有機性は疎水性でもあることから、tanαは親水性/疎水性のバランスでもあると言える。
なお、「有機概念図」については、藤田穆著「系統的有機定性分析(混合物編)」風間書房(1974)等に詳述されている。
炭素数4〜6の直鎖または分岐鎖の飽和一価アルコールとしては、例えば1−ブタノール(α値=51.3°)、t−ブタノール(α値=59°)、イソブタノール(α値=55°)、アミルアルコール(α値=45°)、イソアミルアルコール(α値=48°)、1−ヘキサノール(α値=39.8°)などが挙げられる。
一方、上記一般式(1)で表される芳香族一価アルコールとしては、例えば2−フェノキシエタノール(式(1)中、R=水素原子、X=酸素原子、n=1、α値=40.2°)、1−フェノキシ−2−プロパノール(式(1)中、R=メチル基、X=酸素原子、n=1、α値=34.1°)、ベンジルアルコール(式(1)中、X=メチレン基、n=0、α値=39.4°)などが挙げられる。
これら(B)成分の中でも、析出防止効果に優れる点で1−ヘキサノール、2−フェノキシエタノール、1−フェノキシ−2−プロパノールが好ましく、さらに臭気が少ない点で2−フェノキシエタノールが特に好ましい。
(B)成分は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
<含有量>
(A1)成分と(A2)成分の質量比率((A1)成分/(A2)成分)は、90/10〜60/40であり、好ましくは80/20〜70/30である。(A1)成分と(A2)成分の質量比率が上記範囲内であれば、(B)成分と併用することで、外観が均一透明で、かつ流動性を示し、しかも液晶化しにくい、保存安定性に優れた液体洗浄剤組成物が得られる。
また、(A1)成分、(A2)成分の含有量は、これらの合計が液体洗浄剤組成物100質量%中、5質量%以上となる量であることが好ましく、より好ましくは10質量%以上である。また、25質量%以下となる量であることが好ましく、より好ましくは20質量%以下である。(A1)成分と(A2)成分の含有量の合計が5質量%以上であれば、洗浄力を発揮できる。一方、(A1)成分と(A2)成分の含有量の合計が25質量%以下であれば、低温下においても(A1)成分および(A2)成分が液体洗浄剤組成物中で良好に溶解した状態を維持できる。
一方、(B)成分の含有量は、{(A1)成分+(A2)成分}/(B)成分で表される質量比率が50/50〜75/25を満たす量であり、好ましくは55/45〜65/35である。(A1)成分と(A2)成分と(B)成分の含有量の合計を100質量%としたときの(B)成分の割合が50質量%を超えると、(A1)成分と(A2)成分との混合によって形成される混合ミセルに対して(B)成分が過剰すぎてしまい、(B)成分が相分離する。一方、(A1)成分と(A2)成分と(B)成分の含有量の合計を100質量%としたときの(B)成分の割合が25質量%未満であると、析出防止効果が不十分となる。
また、(B)成分の含有量は、液体洗浄剤組成物100質量%中、5質量%以上が好ましく、8質量%以上がより好ましい。また、20質量%以下が好ましく、12質量%以下がより好ましい。
本発明における構成要件を整理すると、疎水基の炭素数が16であるα−スルホパルミチン酸メチルエステル塩((A1)成分)と、疎水基の炭素数が18であるα−スルホステアリン酸メチルエステル塩((A2)成分)とを特定の比率範囲で混合し、更に、特定のアルコールを(A1)成分と(A2)成分の合計質量に対して特定の比率範囲で併用することで、低温下においてもMESが析出しにくく、良好な流動性を示し、液晶化を抑制でき、かつ洗浄力を保てる組成物を見出し、本発明を完成するに至ったものである。
(A1)成分と(A2)成分と(B)成分との併用によって、(A1)成分および(A2)成分を配合した液体洗浄剤が低温下でも析出しにくくなる理由については前述したように定かではないが、以下のように考えている。
α−スルホ脂肪酸エステル塩である(A1)成分、ならびに(A2)成分は、それぞれ分子間の凝集力が高いため、単独で水中に存在すると、15℃〜20℃の保存条件下では水和結晶を形成して析出してしまう。そして、一度析出すると35℃以上に温度を上げないと溶解しない。しかし、(A1)成分と(A2)成分とを特定の比率で混合させると、生成した混合ミセルが、それぞれ単独の(A1)ミセル、(A2)ミセルに比べてミセル内部の疎水基のパッキング性が乱れる結果、分子間の凝集力が弱まる。更に、混合ミセル中に(B)成分が取り込まれる(可溶化する)と、分子間の凝集力が一段と低下する。その結果、水和結晶を形成しにくくなるため、15℃〜20℃の低温下において析出しにくくなり、たとえ水和結晶を形成してもより少ない熱エネルギーで溶解できるようになる。即ち、析出温度が大幅に低下し、析出してもより低温で溶解できるようになると推察している。
<任意成分>
本発明の液体洗浄剤組成物は、(A1)成分、(A2)成分、および(B)成分に加え、発明の効果を阻害しない範囲内で、(A1)成分および(A2)成分以外の界面活性剤(任意界面活性剤)、酵素、ハイドロトロープ剤、pH安定化剤、酸化防止剤、防腐剤などの任意成分を含有できる。
また、本発明の液体洗浄剤組成物は、洗浄性能向上や安定性向上等を目的として、柔軟性付与剤、風合い向上剤、アルカノールアミン等のアルカリビルダー、pH調整剤、蛍光剤、移染防止剤、再汚染防止剤、パール剤、ソイルリリース剤や、商品の付加価値向上等を目的として、着香剤、着色剤、乳濁化剤、天然物などの任意成分を含有することもできる。
(任意界面活性剤)
任意界面活性剤としては、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられる。
陰イオン性界面活性剤としては、(A1)成分および(A2)成分以外のMES、例えばα−スルホラウリン酸メチルエステル塩、α−スルホミリスチン酸メチルエステル塩などが挙げられる。また、これら以外にも、例えば直鎖アルキルベンゼンスルホン酸またはその塩、α−オレフィンスルホン酸塩、直鎖または分岐鎖のアルキル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩またはアルケニルエーテル硫酸エステル塩、アルキル基を有するアルカンスルホン酸塩;アルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシアルキレンエーテルカルボン酸塩、アルキル(またはアルケニル)アミドエーテルカルボン酸塩、アシルアミノカルボン酸塩等のカルボン酸型陰イオン性界面活性剤;アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルリン酸エステル塩、グリセリン脂肪酸エステルモノリン酸エステル塩等のリン酸エステル型陰イオン性界面活性剤などが挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、アルキルフェノール、高級脂肪酸または高級アミン等のアルキレンオキサイド付加体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、脂肪酸アルカノールアミン、脂肪酸アルカノールアミド、多価アルコール脂肪酸エステル又はそのアルキレンオキサイド付加体、多価アルコール脂肪酸エーテル、アルキル(又はアルケニル)アミンオキサイド、硬化ヒマシ油のアルキレンオキサイド付加体、糖脂肪酸エステル、N−アルキルポリヒドロキシ脂肪酸アミド、アルキルグリコシドなどが挙げられる。
陽イオン性界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩などが挙げられる。
両性界面活性剤としては、アルキルベタイン型、アルキルアミドベタイン型、イミダゾリン型、アルキルアミノスルホン型、アルキルアミノカルボン酸型、アルキルアミドカルボン酸型、アミドアミノ酸型、リン酸型などの両性界面活性剤が挙げられる。
(酵素)
酵素としては、Novozymes(ノボザイムズ)社製のサビナーゼ(Savinase)、アルカラーゼ(Alcalase)、エバラーゼ(Everlase)、カンナーゼ(Kannase)、エスペラーゼ(Esperaze)、リカナーゼ(Liquanase)(以上、商品名);昭和電工株式会社製のAPI21(商品名);GENENCOR(ジェネンコア)社製のマクサターゼ(Maxtaze)、マクサカル(Maxacal)、ピュラフェクト(Purafect)、マクサぺム、プロペラーゼ(Properase)(以上、商品名);花王株式会社製のKAP(商品名);特開平5−25492号公報に記載のプロテアーゼK−14、K−16(以上、商品名);ノボザイムズ社製のターマミル(Termamyl)、デュラミル(Duramyl)、ステインザイム(Stainzyme)、プロモザイム(Promozyme)200L(以上、商品名);ジェネンコア社製のマキサミル(Maxamyl)(商品名)、天野製薬株式会社製のプルラナーゼアマノ(商品名)、生化学工業株式会社製のDB−250(商品名、Aerobacter aerogenes ATCC9621由来のプルラナーゼ:クルード又は結晶化品);ノボザイムズ社製のリポラーゼ、リポラーゼウルトラ、ライペックス、ライペックス100L(以上、商品名);昭和電工株式会社製のリポサム(商品名)等の市販のリパーゼ(リパーゼ製剤)などが挙げられる。
酵素として例えばエバラーゼ(Everlase)を含有する場合、その含有量は、液体洗浄剤組成物100質量%中、0.1〜3質量%であることが好ましい。酵素の含有量が0.1質量%以上であれば、各種汚れに対する洗浄力(特に皮脂汚れ等の油性汚れに対する洗浄力)が向上する。また、酵素の含有量が3質量%以下であれば、各種汚れに対する洗浄力が十分に得られやすく、経済的にも有利となる。
(ハイドロトロープ剤)
ハイドロトロープ剤としては、パラトルエンスルホン酸、安息香酸塩(防腐剤としての効果もある)、尿素などが挙げられる。
ハイドロトロープ剤の含有量は、液体洗浄剤組成物100質量%中、0.01〜15質量%であることが好ましい。
(pH安定化剤)
pH安定化剤としては、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、ジグリコール酸、酒石酸、クエン酸などが挙げられる。
pHの安定化剤の含有量は、液体洗浄剤組成物100質量%中、0.1〜20質量%であることが好ましい。
(酸化防止剤)
酸化防止剤としては、ジブチルヒドロキシトルエン、ジスチレン化クレゾール、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウムなどが挙げられる。
酸化防止剤の含有量は、液体洗浄剤組成物100質量%中、0.01〜2質量%であることが好ましい。
(防腐剤)
防腐剤としては、ローム・アンド・ハース社製のケーソンCG(商品名)などが挙げられる。
防腐剤の含有量は、液体洗浄剤組成物100質量%中、0.001〜1質量%であることが好ましい。
(柔軟性付与剤)
柔軟性付与剤としては、カプリル酸ジメチルアミノプロピルアミド、カプリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ラウリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノプロピルアミド、オレイン酸ジメチルアミノプロピルアミド等の長鎖脂肪族アミドアルキル3級アミンまたはこれらの塩;パルミチン酸ジエタノールアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジエタノールアミノプロピルアミドなどが挙げられる。
柔軟性付与剤として例えばステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミドを含有する場合、その含有量は、液体洗浄剤組成物100質量%中、1〜5質量%であることが好ましい。
(風合い向上剤)
風合い向上剤としては、東レ・ダウコーニング株式会社製のCF1188HV、SH3748、SH3794、SH3772M、SH3775M、SF8410、SH8700、BY22−008、BY22−012、SILWET L−7001、SILWET L−7002、SILWET L−7602、SILWET L−7604、SILWET FZ−2104、SILWET FZ−2120、SILWET FZ−2161、SILWET FZ−2162、SILWET FZ−2164、SILWET FZ−2171、ABN SILWET FZ−F1−009−01、ABN SILWET FZ−F1−009−02、ABN SILWET FZ−F1−009−03、ABN SILWET FZ−F1−009−05、ABN SILWET FZ−F1−009−09ABN SILWET FZ−F1−009−11、ABN SILWET FZ−F1−009−13、ABN SILWET FZ−F1−009−54、ABN SILWET FZ−22−22(以上、商品名);信越化学工業株式会社製のX−20−8010B、KF352A、KF6008、KF615A、KF6012、KF6016、KF6017(以上、商品名);GE東芝シリコーン株式会社製のTSF4450、TSF4452、TSF4445(以上、商品名)などのポリエーテル変性シリコーンが挙げられる。
ポリエーテル変性シリコーンの含有量は、液体洗浄剤組成物中、0.1〜3質量%であることが好ましい。
(pH調整剤)
pH調整剤としては、無機酸(例えば塩酸、硫酸、リン酸等)、有機酸(例えば多価カルボン酸類、ヒドロキシカルボン酸類等)、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルカノールアミン、アンモニアなどが挙げられる。これらの中でも、液体洗浄剤組成物の経時安定性の点で、硫酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルカノールアミンが好ましい。
(着香剤)
着香剤の代表的な例としては、特開2002−146399号公報に記載の香料組成物などが挙げられる。
着香剤の含有量は、液体洗浄剤組成物中、0.1〜1質量%であることが好ましい。
(着色剤)
着色剤としては、アシッドレッド138、Polar Red RLS、アシッドイエロー203、アシッドブルー9、青色1号、青色205号、緑色3号、ターコイズP−GR(以上、商品名)等の汎用の色素や顔料などが挙げられる。
着色剤の含有量は、液体洗浄剤組成物中、0.00005〜0.005質量%であることが好ましい。
(乳濁化剤)
乳濁化剤としては、ポリスチレンエマルション、ポリ酢酸ビニルエマルジョンなどが挙げられ、通常、固形分30〜50質量%のエマルションが好適に用いられる。例えば固形分30〜50質量%のポリスチレンエマルションとしては、サイデン化学株式会社製のサイビノールRPX−196 PE−3(商品名、固形分40質量%)などが挙げられる。
乳濁化剤の含有量は、液体洗浄剤組成物中、0.01〜0.5質量%であることが好ましい。
(天然物)
天然物などのエキスとしては、イヌエンジュ、ウワウルシ、エキナセア、コガネバナ、キハダ、オウレン、オールスパイス、オレガノ、エンジュ、カミツレ、スイカズラ、クララ、ケイガイ、ケイ、ゲッケイジュ、ホオノキ、ゴボウ、コンフリー、ジャショウ、ワレモコウ、シャクヤク、ショウガ、セイタカアワダチソウ、セイヨウニワトコ、セージ、ヤドリギ、ホソバオケラ、タイム、ハナスゲ、チョウジ、ウンシュウミカン、ティーツリー、バーベリー、ドクダミ、ナンテン、ニュウコウ、ヨロイグサ、シロガヤ、ボウフウ、オランダヒユ、ホップ、ホンシタン、マウンテングレープ、ムラサキタガヤサン、セイヨウヤマハッカ、ヒオウギ、ヤマジソ、ユーカリ、ラベンダー、ローズ、ローズマリー、バラン、スギ、ギレアドバルサムノキ、ハクセン、ホウキギ、ミチヤナギ、ジンギョウ、フウ、ツリガネニンジン、ヤマビシ、ヤブガラシ、カンゾウ、セイヨウオトギリソウなどの植物が挙げられる。
天然物の含有量は、液体洗浄剤組成物中、0〜0.5質量%であることが好ましい。
<液体洗浄剤組成物の製造方法>
本発明の液体洗浄剤組成物の製造方法は特に制限されず、常法に準じて製造することができる。
例えば、(A1)成分、(A2)成分、および(B)成分と、必要に応じて任意成分とを、各成分の純分換算量で所望の含有量になるように水(例えばイオン交換水など)等の溶媒に混合して溶解し、さらに必要に応じてpH調整剤を用いて所定のpHになるように調整することにより、製造することができる。
なお、(A1)成分、(A2)成分については予め混合しておいてもかまわないし、予め50℃以上に加熱して十分に透明溶解させてから使用してもかまわない。
<使用方法>
本発明の液体洗浄剤組成物の使用方法は、通常の使用方法、すなわち本発明の液体洗浄剤組成物(本発明品)を、洗濯時に洗濯物と一緒に水に投入する方法、泥汚れや皮脂汚れに本発明品を直接塗布する方法、本発明品を予め水に溶かして衣類を浸漬する方法等が挙げられる。また、本発明品を洗濯物に塗布後、適宜放置し、その後、通常の洗濯液を用いて通常の洗濯を行う方法も好ましい。
<作用効果>
以上説明した本発明の液体洗浄剤組成物は、(A1)成分と(A2)成分と(B)成分とを含有するので、低温下においても(A1)成分および(A2)成分が液体洗浄剤組成物中で良好に溶解し、保存安定性に優れる。よって、本発明の液体洗浄剤組成物は、低温下においても(A1)成分および(A2)成分が析出することなく外観が均一透明であり、かつ流動性を示し、しかも液晶化しにくい。
また、本発明の液体洗浄剤組成物は(A1)成分および(A2)成分を含有するので、洗浄力にも優れる。
このように、本発明によれば、従来、衣料用液体洗浄剤への適用が困難とされていたMESなどのα−スルホ脂肪酸エステル塩のうち、洗浄力には優れるが低温での溶解性には劣る(A1)成分および(A2)成分の溶解温度を、(B)成分の併用によって大幅に下げることで、低温下においても析出することなく(A1)成分および(A2)成分を溶解性よく衣料用液体洗浄剤へ配合できる。
よって、株式会社ウェザーニューズ「2010年全国部屋の温度調査」によれば、日本国内での平均室温が15〜20℃とされているが、本発明の液体洗浄剤組成物であれば、15℃の低温において長期保存しても、沈殿物の発生を抑制でき、均一透明な外観を有し、かつ初期の流動性を維持でき、しかも液晶化しにくい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[使用原料]
(A1)成分、(A2)成分として、以下に示す化合物を用いた。
・A1−1:α−スルホパルミチン酸メチルエステルナトリウム塩(C1429CH(SONa)COOCH、純分100質量%)。
・A2−1:α−スルホステアリン酸メチルエステルナトリウム塩(C1633CH(SONa)COOCH、純分100質量%)。
前記A1−1、A2−1は、それぞれ以下のようにして合成した。
(A1−1の合成)
パルミチン酸メチルエステル(ライオン株式会社製、「パステルM−16」)1kg(3.7mol)を容量3Lの反応器に入れた。無水硫酸(日曹金属化学株式会社製、「日曹サルファン」)449g(5.6mol)を加熱してガス化し、これを開放系で窒素フローにより反応器内に流し込むことでスルホン化を行った。スルホン化の反応温度は80℃、無水硫酸の供給速度は10g/分とした。スルホン化後、80℃で30分間熟成反応を行うことでα−スルホパルミチン酸メチルエステルを得た。
得られたα−スルホパルミチン酸メチルエステル100質量%に対して、メタノール(関東化学株式会社製)20質量%(290g)と、純分換算で過酸化水素2質量%(35質量%H(関東化学株式会社製)として83g)とを添加した後、80℃で60分間反応させることによりエステル化と漂白とを行った。
得られた漂白酸を水酸化ナトリウム水溶液でpH7.0に調整し、反応溶媒を減圧下で留去した。なお、途中で発泡するので、イソプロパノールを加え共沸しながら水を留去した。残渣をエタノール/水=90/10(質量比率)の混合液に60℃で加温溶解し、不溶物を濾過により除去した。濾液を5℃に冷却して再結晶した後、析出物を濾別、真空乾燥することでα−スルホパルミチン酸メチルエステルナトリウム塩を得た。
(A2−1の合成)
パルミチン酸メチルエステルの代わりに、ステアリン酸メチルエステル(ライオン株式会社製、「パステルM−18」)を用い、A1−1の合成と同様にしてα−スルホステアリン酸メチルエステルナトリウム塩を得た。
(B)成分またはその比較品((B’)成分)として、以下に示す化合物を用いた。
・B−1:1−ブタノール(関東化学株式会社製、試薬特級、純分100質量%)。
・B−2:1−ヘキサノール(関東化学株式会社製、試薬特級、純分100質量%)。
・B−3:2−フェノキシエタノール(東京化成工業株式会社製、試薬、純分98.5質量%)。
・B−4:1−フェノキシ−2−プロパノール(東京化成工業株式会社製、試薬、純分95質量%)。
・B−5:ベンジルアルコール(関東化学株式会社製、試薬特級、純分100質量%)。
・B−6:t−ブタノール(東京化成工業株式会社製、試薬、純分100質量%)。
・B−7:アミルアルコール(東京化成工業株式会社製、試薬、純分98質量%)。
・B−8:イソブタノール(東京化成工業株式会社製、試薬、純分100質量%)。
・B−9:イソアミルアルコール(東京化成工業株式会社製、試薬、純分98質量%)。
・B−10:エタノール(関東化学株式会社製、試薬1級、純分99.5質量%)。
・B−11:1−オクタノール(関東化学株式会社製、試薬特級、純分98質量%)。
・B−12:ジエチレングリコールモノフェニルエーテル(日本乳化剤株式会社製、「PhDG」、純分90質量%)。
任意成分として、以下に示す任意界面活性剤、および共通成分(s)を用いた。
・C124AE(3):炭素数12〜14のアルキル基を有し、エチレンオキサイドの平均付加モル数3のポリオキシエチレンアルキルエーテル(ライオンケミカル株式会社製、「レオックスCL−30」、純分85質量%)。
・C124AE(6):炭素数12〜14のアルキル基を有し、エチレンオキサイドの平均付加モル数6のポリオキシエチレンアルキルエーテル(ライオンケミカル株式会社製、「レオックスCL−60」、純分95質量%)。
・C124AE(15):炭素数12〜14のアルキル基を有し、エチレンオキサイドの平均付加モル数15のポリオキシエチレンアルキルエーテル(ライオンケミカル株式会社製、「レオックスCC−150−90」、純分90質量%)。
・C124MEE(15):炭素数12〜14のアルキル基を有し、エチレンオキサイドの平均付加モル数15のポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステル(ライオンケミカル株式会社製、「CEAO−90」、純分90質量%)。
・C124APG:炭素数12〜14のアルキル基を有するアルコールに、グルコースが結合したアルキルポリグルコシド(コグニス社製、「グルコポン600CSUP」、純分50質量%)。
・C124AES(2):炭素数12〜14のアルキル基を有し、エチレンオキサイドの平均付加モル数2のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩(テイカ株式会社製、「テイカポールNE1325」、純分28質量%)。
・C12AX:炭素数12のアルキル基を有するアルキルジメチルアミンオキシド(ライオン・アクゾ株式会社製、「アロモックスDM12D−W」、純分33.3質量%)。
共通成分(s)は以下の組成を示す(液体洗浄剤組成物100質量部あたり)。
・安息香酸ナトリウム:1.8質量%。
・クエン酸:0.3質量%。
・パラトルエンスルホン酸:1.0質量%。
・リカナーゼ:0.5質量%。
・ジブチルヒドロキシトルエン:0.05質量%。
・モノエタノールアミン:1.0質量%。
・着香剤(香料):0.4質量%。
・緑色3号:0.0003質量%。
・水酸化ナトリウム:適量。
・硫酸:適量。
・水(精製水):バランス(液体洗浄剤組成物全体の量を100質量%とするための量)。
なお、共通成分(s)における、各成分の詳細は以下の通りとした。
・安息香酸ナトリウム:東亞合成株式会社製、「安息香酸ナトリウム」、純分100質量%。
・クエン酸:一方社油脂工業株式会社製、「液体クエン酸」、純分50質量%。
・パラトルエンスルホン酸:協和発酵工業株式会社製、「PTS酸」、純分70質量%。
・リカナーゼ:ノボザイム社製、「リカナーゼ ウルトラ2.5XL」、純分100質量%。
・ジブチルヒドロキシトルエン:住友化学株式会社製、「SUMILZER BHT−R」、純分100質量%。
・モノエタノールアミン:株式会社日本触媒製、純分75質量%。
・着香剤(香料):特開2002−146399号公報の表11〜18記載の香料組成物A、純分100質量%。
・緑色3号:癸巳化成株式会社製、「緑色3号」、純分100質量%。
・水酸化ナトリウム:鶴見曹達株式会社製、純分48質量%。
・硫酸:東邦亜鉛株式会社製、純分9質量%。
[評価方法]
<保存安定性の評価>
(外観の評価)
液体洗浄剤組成物100mLを透明のガラス瓶(広口規格びんPS−NO.11)に取り、蓋を閉めて密封した。次いで、15℃の恒温槽中に置いて1ヶ月間低温保存した後、内容物の液外観を目視にて観察し、下記基準にて液体洗浄剤組成物の外観を評価した。
◎:液が均一透明であり、沈殿物の発生や相分離は確認できない。
○:微量の沈殿物や相分離を確認できたが、20℃に加温すると溶解して均一透明な溶液となった。
×:沈殿物および/または相分離を確認でき、20℃に加温しても溶解しない。
(流動性の評価)
外観の評価と同様にして、液体洗浄剤組成物を低温保存した後、20℃にて1時間放置した。次いで、ガラス瓶を上下反転させたときの内容物の状態を目視にて観察し、下記基準にて液体洗浄剤組成物の流動性を評価した。
◎:良好な流動性を有しており、速やかに反対側に流れ落ちた。
○:粘度がやや高く、ゆっくりと反対側に流れ落ちた。
×:流動性がなく、ガラス瓶上部から落ちてこない。
(液晶形成の評価)
外観の評価と同様にして、液体洗浄剤組成物を低温保存した後、20℃にて1時間放置した。次いで、内容物を0.05g取り出し、偏光顕微鏡観察を行い、光学異方性の有無を確認し、下記基準にて液晶形成を評価した。
○:光学異方性は認められず、液晶形成していない。
×:光学異方性が認められ、液晶形成している。
<溶解性の評価>
液体洗浄剤組成物を0℃以下の温度で強制的に凍結させ、結晶が析出したサンプルが再び溶解するのに必要な温度を以下の方法で測定した。
液体洗浄剤組成物100mLを透明のガラス瓶(広口規格びんPS−NO.11)に取り、蓋を閉めて密封した。この状態で−20℃の冷凍庫にて一晩静置して水和固体を完全に析出させた。その後、0℃に設定した恒温槽に入れ、この温度から1℃ずつ上昇させていき、それぞれの温度で1時間静置後に、内容物の水和固体が完全に消失したかどうかを目視で評価した。完全に透明に溶解した温度(溶解温度)を記録し、下記基準にて溶解性を評価した。
◎:溶解温度が5℃未満。
○:溶解温度が5℃以上、15℃未満。
×:溶解温度が15℃以上。
<洗浄力の評価>
予め、液体洗浄剤組成物100mLを透明のガラス瓶に取り、蓋を閉めて密封し、この状態で15℃の恒温槽中に置いて1ヶ月間低温保存した。その後、恒温槽から取り出し、室温(25℃)にて1時間放置した液体洗浄剤組成物を均一に攪拌し、洗浄力評価用の液体洗浄剤組成物を得た。
顔面の皮脂汚れを擦り付けた綿布(綿平織り布、100番手)を20cm角の大きさに裁断したもの10枚と、市販のTシャツ(綿100%、B.V.D.社製)4枚とを電気洗濯機(三菱電機株式会社製、「CW−C30A1型」)に投入した。
次いで、20℃の水道水約30Lに対し、各例の洗浄力評価用の液体洗浄剤組成物10mLを添加し、標準水流で洗浄(10分)、脱水(1分)、標準水流でためすすぎ(2回繰り返し)、脱水(1分)で順次行う洗浄操作を行った。
洗浄処理後の綿布を洗浄布、洗浄処理前の綿布を汚染布、皮脂汚れを擦り付けていない綿布を未汚染布とした。これら未汚染布、汚染布、洗浄布の反射率について、分光式色差計(日本電色工業株式会社製、「SE2000」)にて測定し、洗浄率(%)を下記式(i)に基づいて算出した。
洗浄率(%)=(汚染布のK/S−洗浄布のK/S)/(汚染布のK/S−未汚染布のK/S)×100 ・・・(i)
上記式(i)中、K/Sは、(1−R/100)/(2R/100)である(ただし、Rは未汚染布、汚染布、洗浄布のそれぞれの反射率(%)を示す。)。
皮脂汚れに対する洗浄力の評価は、上記式(i)により算出される洗浄率(%)を用いて、下記基準において、◎または○であれば洗浄力が良好であると判断した。なお、洗浄率(%)は、汚染布10枚の平均値を用いた。
◎:洗浄率が70%以上。
○:洗浄率が50%以上、70%未満。
×:洗浄率が50%未満。
[実施例1〜25、比較例1〜9]
表1〜3の組成に従い、500mLビーカーに(A1)成分と、(A2)成分と、(B)成分またはその比較品とを入れ、50℃の恒温槽中にてマグネットスターラー(MITAMURA KOGYO INC.製)で十分に攪拌した。次いで、水、水酸化ナトリウム、硫酸以外の任意成分を加えて攪拌しながら、全体量が98質量%になるように水を入れ、さらによく攪拌した。次いで、25℃でのpHが7.0になるようにpH調整剤(水酸化ナトリウムまたは塩酸)を添加し、全体量が100質量%になるように水をさらに加えて、各例の液体洗浄剤組成物を得た。
得られた液体洗浄剤組成物について、保存安定性、溶解性、および洗浄力の評価を行った。結果を表1〜3に示す。
なお、表1〜3中の配合量の単位は質量%であり、純分換算の値である。
Figure 2013203775
Figure 2013203775
Figure 2013203775
表1〜3から明らかなように、各実施例で得られた液体洗浄剤組成物は、いずれも保存安定性、溶解性、および洗浄力に優れていた。
特に、実施例1〜4を比較すると、(A1)/(A2)で表される質量比率が80/20〜70/30である実施例2、3は、15℃の低温保存下においても沈殿物や相分離が発生しにくく、溶解温度がより低かった。
また、実施例2、5〜8を比較すると、{(A1)成分+(A2)成分}/(B)成分で表される質量比率が55/45〜65/35である実施例2、6、7は、外観、流動性、溶解性がバランスよく優れていた。それに比較して実施例8は(B)成分が上限であるためか、微量の相分離がみられたが20℃にすれば均一外観となった。また、実施例5は(B)成分が下限であるためか、微量の沈殿がみられたが20℃にすれば均一外観となった。
また、実施例2、9、10を比較すると、(A1)成分と(A2)成分の含有量の合計が15%である実施例2は保存安定性、溶解性、洗浄力がいずれも優れていたが、含有量の合計が8%である実施例9は洗浄力において実施例2よりやや劣るものであった。また、含有量の合計が25%である実施例10は外観において微量の沈殿がみられたが20℃にすれば均一外観となった。
また、実施例2、11〜18を比較すると、保存安定性、溶解性の点で特に優れる(B)成分は2−フェノキシエタノールであり、1−ブタノール、1−ヘキサノール、1−フェノキシ−2−プロパノールが次善であった。
なお、実施例19以外は任意界面活性剤を配合している。実施例19に対して実施例2ならびに20〜25を対比してみると、任意界面活性剤の添加、および任意界面活性剤の種類の変更によって実施例19の保存安定性、溶解性はやや改善されていることがわかる。しかしながら、後述する比較例1の保存安定性、溶解性、洗浄力を基準としてみると、保存安定性、溶解性、洗浄力の顕著な改善は(A1)/(A2)で表される質量比率の適切な選択と、{(A1)成分+(A2)成分}/(B)成分で表される質量比率の適切な選択との組み合わせで実現されており、任意界面活性剤の添加、および任意界面活性剤の種類の変更で実現されたのではないことは明らかである。
次に、比較例について説明する。
(A2)成分と(B)成分を含有しない比較例1、(A1)/(A2)で表される質量比率は80/20であるものの(B)成分を含有しない比較例2、3は、沈殿物が発生しやすく、溶解温度も高く、液体洗浄剤組成物として実用に耐えないものであった。特に、実施例1〜18において、任意界面活性剤として用いたC124AE(6)を多量に配合した比較例3は、流動性が悪化し、液晶化しやすかった。
(B)成分以外のアルコール等を用いた比較例4〜6で得られた液体洗浄剤組成物は、保存安定性、溶解性、洗浄力を全て満足することはできなかった。
{(A1)成分+(A2)成分}/(B)成分で表される質量比率が83/17である比較例7で得られた液体洗浄剤組成物は、沈殿物が発生しやすく、溶解温度も合格基準である15℃未満を達成できなかった。
{(A1)成分+(A2)成分}/(B)成分で表される質量比率が37/63である比較例8で得られた液体洗浄剤組成物は、相分離が発生しやすかった。
(A2)成分を含有しない比較例9で得られた液体洗浄剤組成物は、沈殿物が発生しやすく、溶解温度も高かった。
(A1)/(A2)で表される質量比率が50/50である比較例10で得られた液体洗浄剤組成物は、沈殿物が発生しやすく、溶解温度も15℃未満を達成できなかった。
また、各比較例で得られた液体洗浄剤組成物は、(A1)成分および(A2)成分が析出しやすかったため、十分な量を含有しているにもかかわらず、洗浄力に劣っていた。ただし、比較例8の場合は溶解温度が低く、溶解しやすかったため、実施例9と同程度の洗浄力を有していた。

Claims (2)

  1. 下記(A1)成分と(A2)成分と(B)成分とを含有し、かつ(A1)成分/(A2)成分で表される質量比率が90/10〜60/40であり、{(A1)成分+(A2)成分}/(B)成分で表される質量比率が50/50〜75/25であることを特徴とする衣料用液体洗浄剤組成物。
    (A1)成分:α−スルホパルミチン酸メチルエステル塩。
    (A2)成分:α−スルホステアリン酸メチルエステル塩。
    (B)成分:炭素数4〜6の直鎖または分岐鎖の飽和一価アルコールと、下記一般式(1)で表される芳香族一価アルコールとから選ばれる少なくとも1種の化合物。
    Figure 2013203775
    (式(1)中、Rは水素原子またはメチル基であり、Xは酸素原子またはメチレン基であり、nは0〜1の数である。)
  2. 前記(A1)成分と(A2)成分の含有量の合計が5〜25質量%であることを特徴とする請求項1に記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
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