JP5851323B2 - 液体洗浄剤 - Google Patents
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Description
これに対して、液体洗浄剤分野では、界面活性剤濃度の高い組成の開発(濃縮化)が進んでいる。この濃縮化に用いられる界面活性剤として、ポリオキシアルキレンアルキルアミンが知られている。
このポリオキシアルキレンアルキルアミンは、1級アミン類に、アルキレンオキシドを無触媒で付加させた後、アルカリ触媒の存在下でアルキレンオキシドを付加させることにより得られ、少ない使用量で高い洗浄力を示す界面活性剤である。
特許文献1には、ポリオキシアルキレンアルキルアミンと、これ以外の界面活性剤とを併用した液体洗浄剤が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載の液体洗浄剤では、着用によるシワを衣類に付きにくくすることについて考慮されていない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、着用によるシワが衣類に付きにくくなる液体洗浄剤を提供することを課題とする。
即ち、本発明の液体洗浄剤は、下記一般式(a1)で表される化合物(A)と、炭素数4〜12の炭化水素及びアクリル酸から選ばれる少なくとも1種とマレイン酸との共重合体、並びにその塩(B)から選ばれる少なくとも1種とを含有することを特徴とする。
本発明の液体洗浄剤は、一般式(a1)で表される化合物(A)と、炭素数4〜12の炭化水素及びアクリル酸から選ばれる少なくとも1種とマレイン酸との共重合体、並びにその塩(B)から選ばれる少なくとも1種とを含有する。
本発明においては、これらの成分をそれぞれ(A)成分、(B)成分ともいう。
本発明の液体洗浄剤は、家庭用、商業用、工業用の用途として利用可能であり、なかでも家庭用として好適に利用可能であり、衣料用の液体洗浄剤として特に好適である。衣料用の濃縮タイプ(界面活性剤濃度の高い組成)の液体洗浄剤としても用いることができる。
被洗物の種類は、家庭における洗濯で洗浄対象とされているものと同様のものが挙げられ、たとえば衣類、布巾、タオル類、シーツ、カーテン等の繊維製品等が例示される。
本発明の液体洗浄剤において、(A)成分は、主として洗浄力を付与するために用いられる。
前記式(a1)中、R1は炭素数8〜22の炭化水素基である。
R1の炭素数は8〜22であり、10〜22が好ましく、12〜20がより好ましく、12〜18がさらに好ましく、12〜16が特に好ましい。
R1の炭素数が8以上であることにより、再汚染防止効果が高まり、洗浄力が向上する。一方、R1の炭素数が22以下であることにより、水への溶解性が向上する。R1の炭素数は12以上であることが特に再汚染防止効果の点から好ましく、20以下であることが水への溶解性の点から好ましい。
R1における炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であることが好ましく、そのなかでも、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルケニル基が好ましく、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基がより好ましい。
前記式(a1)中、pはA1Oの平均繰返し数、qはA2Oの平均繰返し数を表し、p及びqはそれぞれ独立に0以上の数である。p+qは10以上60未満の数である。p+qが10未満であると、洗浄効果が得られにくくなる。一方、p+qが60以上であると、(A)成分自体の分子量の増加に伴い、同じ配合量では組成物中の(A)成分のモル数が減少するために洗浄効果が低下しやすくなる。なかでも、p+qは、洗浄力と再汚染防止効果がより高まることから、好ましくは15以上40以下であり、より好ましくは15以上35以下である。
オキシエチレン基とオキシプロピレン基とが混在している構造の場合、オキシエチレン基とオキシプロピレン基とがランダム状に繰り返されていてもよく、ブロック状に繰り返されていてもよい。この場合、(A)成分中のオキシエチレン基の総量が(A)成分中の全オキシアルキレン基の総質量に対して60質量%以上であることが、水への溶解性の点から好ましい。
(A2O)qは、前記(A1O)pと同様である。
液体洗浄剤中、(A)成分の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して10質量%以上が好ましく、より好ましくは10〜50質量%であり、さらに好ましくは20〜45質量%である。
(A)成分の含有量が10質量%以上であることにより、再汚染防止効果が高まり、洗浄力が向上する。一方、50質量%以下であることにより、液体洗浄剤の液外観(流動性、透明均一性)の安定化を図りやすい。
本発明の液体洗浄剤においては、(B)成分を(A)成分と組み合わせて用いることにより、着用によるシワを衣類に付きにくくする効果が発現する。加えて、(B)成分は、有機ビルダーとして作用するとともに、汚れの再付着防止効果を奏する。
(B)成分における、炭素数4〜12の炭化水素としては、マレイン酸と共重合可能なものであればよく、原料のハンドリング性の点から炭素数8以下の炭化水素が好ましく、そのなかでも(A)成分との相互作用の点から、炭素数4〜8の炭化水素がより好ましく、炭素数5の炭化水素が特に好ましい。該炭化水素として、具体的には、二重結合をもつ不飽和鎖式炭化水素が挙げられる。
繰返し単位(b3)を提供する単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル等が挙げられる。
その塩の形態としては、アルカリ金属塩、アンモニウム塩等が挙げられ、なかでもアルカリ金属塩が好ましい。
Mwがこの範囲の好ましい下限値以上であると、着用によるシワを衣類に付きにくくする効果が得られやすくなる。一方、好ましい上限値以下であると、液体洗浄剤の液外観(流動性、透明均一性)の安定化を図りやすい。
液体洗浄剤中、(B)成分の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して0.1〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜7質量%であり、さらに好ましくは0.2〜5質量%であり、特に好ましくは1〜6質量%である。
(B)成分の含有量が0.1質量%未満であると、着用によるシワを衣類に付きにくくする効果が発現しにくくなる。一方、10質量%を超えても、それ以上の配合効果が得られにくい。
アクリル酸とマレイン酸との共重合体又はその塩については、BASF社製のSokalan CP7(ナトリウム塩)、(株)日本触媒製のアクアリックTL−400(ナトリウム塩)(いずれも商品名)等が挙げられる。
アクリル酸とマレイン酸との共重合体における、アクリル酸とマレイン酸との共重合比(モル比)は、50:50〜80:20が好ましく、50:50〜70:30がより好ましく、55:45〜65:35がさらに好ましい。該共重合比が好ましい下限値以上(アクリル酸の割合が50以上)であれば、液体洗浄剤中での溶解性がより高まり、該共重合比が好ましい上限値以下(アクリル酸の割合が80以下)であれば、着用によるシワを衣類に付きにくくする効果がより高まる。
本発明の液体洗浄剤中、(A)成分と(B)成分との混合比率(質量比)は、(A)成分/(B)成分で表される質量比で3〜100であることが好ましく、10〜60であることがより好ましく、30〜45であることがさらに好ましい。
該質量比が好ましい下限値以上であれば、洗浄力がより高まる。一方、該質量比が好ましい上限値以下であれば、着用によるシワを衣類に付きにくくする効果がより高まる。
本発明の液体洗浄剤は、液体洗浄剤の調製しやすさ、使用する際の水への溶解性等の観点から、溶媒として水を含有することが好ましい。
液体洗浄剤中、水の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して20〜80質量%が好ましく、30〜75質量%がより好ましい。
水の含有量が好ましい下限値以上であると、経時に伴う液体洗浄剤の液安定性がより良好となり、一方、好ましい上限値以下であれば、液粘度が適度に低くなり、使用性の観点から良好である。
本発明の液体洗浄剤には、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて、上述した(A)成分及び(B)成分以外のその他の成分を配合してもよい。
その他の成分としては、特に限定されず、衣料用などの液体洗浄剤に通常用いられる成分を配合することができ、具体的には以下に示すものが挙げられる。
本発明の液体洗浄剤は、水混和性有機溶媒(以下「(C)成分」ともいう)をさらに含有することが好ましい。(C)成分をさらに含有することにより、液体洗浄剤の液外観(流動性、透明均一性)がより安定に維持される。
本発明において「水混和性有機溶媒」とは、25℃のイオン交換水1Lに50g以上溶解する有機溶媒をいう。
(C)成分としては、水と混合した際に均一な溶液となるものであればよく、そのなかでも、炭素数2〜4の一価アルコール、炭素数2〜4の多価アルコール及び下記一般式(c1)で表される化合物(グリコールエーテル系溶媒)からなる群から選択される少なくとも一種を用いることが好ましい。
炭素数2〜4の1価アルコールとしては、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール等が挙げられる。
炭素数2〜4の多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン等が挙げられる。
[式中、R2は炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基である。OR3は炭素数2〜4のオキシアルキレン基である。rはOR3の平均繰返し数を表し、1〜5である。]
前記式(c1)中、rは1〜5であり、1〜3が好ましく、1又は2がより好ましい。
OR3は、前記式(a1)におけるA1O、A2Oと同様である。
前記式(c1)で表されるグリコールエーテル系溶媒としては、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。
液体洗浄剤中、(C)成分の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して3〜30質量%が好ましく、より好ましくは5〜25質量%であり、さらに好ましくは10〜20質量%である。
(C)成分の含有量が好ましい下限値以上であると、液体洗浄剤の液外観(流動性、透明均一性)がより安定に維持されやすい。一方、好ましい上限値以下であれば、(A)成分と(B)成分との配合バランスをとりやすい。
該界面活性剤としては、陰イオン界面活性剤、(A)成分以外の非イオン界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
(A)成分以外の界面活性剤を含有する場合、(A)成分以外の界面活性剤を、たとえば液体洗浄剤の総質量に対して、好ましくは30質量%以下、より好ましくは3〜20質量%含むことができる。
これらの塩の形態としては、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩、マグネシウムなどのアルカリ土類金属塩、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンなどのアルカノールアミン塩等が挙げられる。
該質量比が好ましい下限値以上であれば、特に皮脂汚れ等に対する洗浄力がより高まる。一方、該質量比が好ましい上限値以下であれば、着用によるシワを衣類に付きにくくする効果が得られやすい。
非イオン界面活性剤を用いる場合、非イオン界面活性剤と(B)成分との混合比率(質量比)は、非イオン界面活性剤/(B)成分で表される質量比で500以下であることが好ましく、0.05〜50であることがより好ましく、0.1〜25であることがさらに好ましい。
該質量比が好ましい下限値以上であれば、特に皮脂汚れ等に対する洗浄力がより高まる。一方、該質量比が好ましい上限値以下であれば、着用によるシワを衣類に付きにくくする効果が得られやすい。
ここで「非イオン界面活性剤/(A)成分で表される質量比」又は「非イオン界面活性剤/(B)成分で表される質量比」とは、液体洗浄剤中の(A)成分又は(B)成分の含有量に対する、非イオン界面活性剤の含有量の割合(質量比)をそれぞれ表す。
両性界面活性剤としては、アルキルベタイン型、アルキルアミドベタイン型、イミダゾリン型、アルキルアミノスルホン型、アルキルアミノカルボン酸型、アルキルアミドカルボン酸型、アミドアミノ酸型又はリン酸型の両性界面活性剤等が挙げられる。
また、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、ジグリコール酸、酒石酸、クエン酸等の金属イオン捕捉剤を、たとえば0.1〜20質量%含むことができる。
また、ブチルヒドロキシトルエン、ジスチレン化クレゾール、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム等の酸化防止剤を、たとえば0.01〜2質量%含むことができる。
また、ローム・アンド・ハース社製のケーソンCG(商品名)等の防腐剤を、たとえば液体洗浄剤の総質量に対して0.001〜1質量%含むことができる。
プロテアーゼの具体例としては、プロテアーゼ製剤としてノボザイムズ社から入手できる商品名Savinase16L、Savinase Ultra 16L、Savinase Ultra 16XL,Everlase 16L TypeEX、Everlase Ultra 16L、Esperase 8L、Alcalase 2.5L、Alcalase Ultra 2.5L、Liquanase 2.5L、Liquanase Ultra 2.5L、Liquanase Ultra 2.5XL、Coronase 48L;ジェネンコア社から入手できる商品名Purafect L、Purafect OX、Properase L等が挙げられる。
アミラーゼの具体例としては、アミラーゼ製剤としてノボザイムズ社から入手できる商品名Termamyl 300L、Termamyl Ultra 300L、Duramyl 300L、Stainzyme 12L、Stainzyme Plus 12L;ジェネンコア社から入手できる商品名Maxamyl、天野製薬社から入手できる商品名プルラナーゼアマノ、生化学工業社から入手できる商品名DB−250等が挙げられる。
リパーゼの具体例としては、リパーゼ製剤としてノボザイムズ社から入手できる商品名Lipex 100L、Lipolase 100L等が挙げられる。
セルラーゼの具体例としては、セルラーゼ製剤としてノボザイムズ社から入手できる商品名Endolase 5000L、Celluzyme 0.4L、Carzyme 4500L等が挙げられる。
マンナナーゼの具体例としては、マンナナーゼ製剤としてノボザイムズ社から入手できる商品名Mannaway 4L等が挙げられる。
これらの酵素は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。該酵素は、たとえば液体洗浄剤の総質量に対して0.1〜3質量%含むことができる。
着色剤としては、アシッドレッド138、Polar Red RLS、アシッドイエロー203、アシッドブルー9、青色1号、青色205号、緑色3号、ターコイズP−GR(いずれも商品名)等の汎用の色素や顔料を、たとえば液体洗浄剤の総質量に対して0.00005〜0.005質量%程度含むことができる。
乳濁化剤としては、ポリスチレンエマルション、ポリ酢酸ビニルエマルジョン等が挙げられる。乳濁化剤は、液体洗浄剤の総質量に対して通常、固形分30〜50質量%のエマルションが好適に用いられる。乳濁化剤の具体例としては、ポリスチレンエマルション(サイデン化学社製の商品名サイビノールRPX−196 PE−3、固形分40質量%)等を、液体洗浄剤の総質量に対して0.01〜0.5質量%含むことができる。
液体洗浄剤のpHは、pH調整剤により調整できる。pH調整剤としては、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸;多価カルボン酸類、ヒドロキシカルボン酸類等の有機酸;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルカノールアミン、アンモニア等が挙げられる。これらのなかでも、液体洗浄剤の経時安定性の面から、硫酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルカノールアミンが好ましく、硫酸、水酸化ナトリウムが好ましい。
pH調整剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
液体洗浄剤のpHは、たとえば、一定量の硫酸、水酸化ナトリウム等を添加し、その後、pHの微調整用として無機酸(好ましくは塩酸、硫酸)又は水酸化カリウム等をさらに添加することにより調整できる。
本明細書において、液体洗浄剤(25℃に調温)のpHは、pHメータ(製品名:HM−30G、東亜ディーケーケー(株)製)により測定される値を示す。
本発明の液体洗浄剤は、衣料用液体洗浄剤の通常の使用方法と同様の方法で用いることができる。すなわち、液体洗浄剤を、洗濯時に洗濯物と一緒に水に投入する方法、液体洗浄剤を泥汚れや皮脂汚れ等の汚れ部位に直接塗布する方法、液体洗浄剤を予め水に溶かして衣類を浸漬する方法等が挙げられる。また、液体洗浄剤を洗濯物に塗布し、又は、液体洗浄剤の希釈液中に被洗物を浸漬して適宜放置した後、洗濯機により洗濯する方法等も挙げられる。
かかる液体洗浄剤は、前記の(A)成分と(B)成分とを含有する。
(A)成分は、少ない使用量(低濃度)でも高い洗浄効果を発揮する。加えて、他の非イオン界面活性剤(汎用のアルコールエトキシレート等)に比べて、被洗物に吸着しにくいという特性を有する。
本発明においては、(A)成分と(B)成分とを組み合わせることにより、被洗物に(A)成分が吸着しにくいことで、(B)成分が効率的に吸着しやすくなる。加えて、(A)成分と(B)成分との相互作用により、被洗物に吸着した(B)成分を介して(A)成分が吸着し、(A)成分と(B)成分との複合体が形成される。該複合体の形成により、単なる(B)成分の吸着によるハリ・コシ様の風合い付与のみならず、優れた繊維弾性回復力が付与されることで、着用によるシワが衣類に付きにくくなるという特異な効果も発現すると推測される。
加えて、本発明の液体洗浄剤は、液外観(流動性、透明均一性)及び洗浄力も良好である。
表中、各配合成分の含有量の単位は「質量%」であって純分換算量を示す。表中、空欄の配合成分がある場合、その配合成分は配合されていない。
また、表中、「(A)成分/(B)成分」は、液体洗浄剤中の(B)成分の含有量に対する、(A)成分の含有量の割合(質量比)を意味する。
本実施例において使用した原料は下記の通りである。
a−1:ポリオキシエチレン(20)ヘキサデシルアミン(上記一般式(a1)中のR1=炭素数16のアルキル基、オキシエチレン基の平均繰返し数20、p+q=20に相当)合成品。なお、a−1は、以下のようにして合成した。
a−1の合成:
脂肪酸アミン(東京化成工業社製、n−ヘキサデシルアミン)をオートクレーブ(耐圧硝子工業社製)に仕込み、系内を窒素で置換した後、150℃に加熱し、エチレンオキシドを所定量に達するまで少量ずつ添加して、エチレンオキシド(EO)の平均付加モル数が2モルの3級アミンを合成した(一段階目)。
次に、得られた3級アミンと、アルカリ触媒(NaOH;該3級アミン100質量部に対して0.8質量部、40質量%NaOH水溶液を使用)とをオートクレーブに仕込み、系内を窒素で置換し、加温減圧による脱水を行った後、150℃に加熱し、エチレンオキシドを所定量に達するまで少量ずつ添加して、EOの平均付加モル数が20モルのa−1を得た(二段階目)。
反応後は、生成物を酢酸により中和処理した。また、アミン価測定により、分子量を算出したところ、1121であった。
a−2の合成:
対応する脂肪酸アミンを用い、所定量のEO及びプロピレンオキシド(PO)を付加させた以外は、a−1と同様にして合成し、a−2を得た。
a−3の合成:
脂肪酸アミン(東京化成工業社製、n−ヘキサデシルアミン)を用い、所定量のEO及びPOを付加させた以外は、a−1と同様にして合成し、a−3を得た。
a’−1:ポリオキシエチレン(4)硬化牛脂アルキルアミン(上記一般式(a1)中のR1=炭素数14〜18(牛脂由来)、オキシエチレン基の平均繰返し数4、p+q=4に相当)ライオン・アクゾ(株)製の商品名「エソミン HT14」。
b−1:炭素数5のオレフィンとマレイン酸との共重合体ナトリウム塩、日本ゼオン(株)製の商品名「クインフロー542」。
b−2:オレフィンとマレイン酸との共重合体ナトリウム塩、BASF社製の商品名「Sokalan CP9」。
b−3:アクリル酸とマレイン酸との共重合体ナトリウム塩(アクリル酸とマレイン酸とのモル比60:40)質量平均分子量50000、BASF社製の商品名「Sokalan CP7」。
b−4:アクリル酸とマレイン酸との共重合体ナトリウム塩(アクリル酸とマレイン酸とのモル比60:40)質量平均分子量50000、(株)日本触媒製の商品名「アクアリックTL−400」。
b’−1:ポリアクリル酸、東亜合成(株)製の商品名「ジュリマーAC−10S」。
(C)成分として、以下に示すc−1、c−2、c−3を用いた。
c−1:プロピレングリコール、BASF社製。
c−2:エタノール、日本アルコール販売(株)製の商品名「特定アルコール95度合成」。
c−3:ジエチレングリコールモノブチルエーテル、日本乳化剤(株)製の商品名「ブチルジグリコール」。
ノニオンa(非イオン界面活性剤)の合成:
P&G社製の天然アルコールCO−1270を224.4gと、30%NaOH水溶液2.0gとを耐圧型反応容器中に採取し、該容器内を窒素置換した。次に、温度100℃、圧力2.0kPa以下で30分間脱水してから、温度を160℃まで昇温した。次いで、アルコールを撹拌しながらエチレンオキシド(ガス状)457.2gを、吹き込み管を使って、反応温度が180℃を超えないように添加速度を調整しながら、アルコールの液中に徐々に加えた。
エチレンオキシドの添加終了後、温度180℃、圧力0.3MPa以下で30分間熟成した後、温度180℃、圧力6.0kPa以下で10分間、未反応のエチレンオキシドを留去した。
次に、温度を100℃以下まで冷却した後、反応物の1%水溶液のpHが約7になるように、70%p−トルエンスルホン酸を加えて中和し、非イオン界面活性剤aを得た。
安息香酸ナトリウム:東亜合成製の商品名「安息香酸ナトリウム」。
クエン酸3ナトリウム:マイルス社(米国)製の商品名「クエン酸ソーダ」。
ヤシ脂肪酸:日油(株)製の商品名「NAA−415TC」。
ポリエチレングリコール:ライオン(株)製の商品名「PEG#1000」。
パラトルエンスルホン酸:協和発酵工業(株)製の商品名「PTS酸」。
ジブチルヒドロキシトルエン:住友化学(株)製の商品名「SUMILZER BHT−R」。
色素(緑3号):癸巳化成(株)製の商品名「緑色3号」。
香料:特開2002−146399号公報の表11〜18に記載の香料組成物A。
水酸化ナトリウム:鶴見曹達(株)製、pH調整剤。
硫酸:東邦亜鉛(株)製、pH調整剤。
水:精製水。
各配合成分の含有量(質量%)は液体洗浄剤中の割合を示す。
安息香酸ナトリウム 0.5質量%、クエン酸3ナトリウム 0.1質量%、ヤシ脂肪酸 1.0質量%、ポリエチレングリコール 2.0質量%、パラトルエンスルホン酸 1.0質量%、ジブチルヒドロキシトルエン 0.05質量%、色素(緑3号) 0.0001質量%、香料 0.4質量%、pH調整剤(水酸化ナトリウム又は硫酸)、水 バランス(液体洗浄剤全体の量を100質量部とするのに必要な量)。
各例の液体洗浄剤のpH(25℃)はいずれも、pH調整剤を添加してpH7.0となるように調整した。
表1、2に示す組成(配合成分、含有量)に従い、各例の液体洗浄剤を下記の手順で調製した。
1Lビーカーに、(C)成分と、(A)成分又は(A’)成分と、ノニオンa(実施例5及び比較例3の場合)とを入れ、マグネットスターラー(MITAMURA KOGYO INC.製)で充分に撹拌した。続いて、共通成分と、(B)成分又は(B’)成分とを添加した後、全体量(100質量部とする)が98質量部となるように水を入れ、さらによく撹拌した。次いで、25℃でのpHが7.0になるようにpH調整剤を適量添加した。その後、全体量が100質量部になるように水を入れて液体洗浄剤を調製した。
上記手順で調製した液体洗浄剤500gの入ったビーカー(容量500mL)を斜めに傾けて、内容物約100mLを透明のガラス瓶(広口規格びんPS−NO.11)に取り出す操作を行った。
このとき、液体洗浄剤を、ビーカーからガラス瓶に取り出すことができた場合を「流動性あり」、取り出すことができなかった場合を「流動性なし」、と判定した。
以上の結果から、各例の液体洗浄剤についての液外観を下記基準で評価した。
○:流動性あり、かつ、外観が透明均一であった。
×:流動性なし、又は、流動性はあるものの、外観に濁り、浮遊・沈殿物が認められた。
かかる液外観の評価の結果、「×」と判定された液体洗浄剤については、以下の評価(洗浄力の評価、着用によるシワの付きにくさの評価)を実施しなかった。
全自動電気洗濯機(Haier社製の製品名JW−Z23A)に、湿式人工汚染布(5cm×5cm)5枚と、市販の綿タオル(綿100%)とを投入した(綿タオルの投入量を、湿式人工汚染布5枚と綿タオルとの全質量が約800gとなるように調整した)。
そこに、上記液外観の評価にて「流動性あり」と判定された液体洗浄剤5mLを添加し、洗浄、すすぎ、脱水を順次行う洗浄操作を行った。洗浄時間、すすぎ、脱水、水量(低水位に設定、水量約12L)に関しては、一切調整せず、前記全自動電気洗濯機の標準コース設定を使用した。
洗濯終了後、上記の洗浄処理が施された湿式人工汚染布(以下「洗浄布」という)をろ紙に挟み、アイロンがけを行い、乾燥させた。
洗浄率(%)=(湿式人工汚染布のK/S−洗浄布のK/S)/(湿式人工汚染布のK/S−未汚染布のK/S)×100
式中、K/Sは、(1−R/100)2/(2R/100)である(ただし、Rは未汚染布、湿式人工汚染布、洗浄布の反射率(%)をそれぞれ示す)。
洗浄力の評価は、上式により算出される洗浄率(%)を用い、下記基準で△、○、◎であれば洗浄力が良好であると判断した。なお、洗浄率(%)は、湿式人工汚染布5枚の平均値を用いた。
◎:洗浄率が70%以上、○:洗浄率が65%以上70%未満、△:洗浄率が60%以上65%未満、×:洗浄率が60%未満。
試験布及び対照布の洗濯方法:
全自動電気洗濯機(Haier社製の製品名JW−Z23A)に、評価用の長袖シャツ(ユニクロ製のソフトタッチクルーネックT(長袖)、綿100%)1枚と、市販の綿タオル(綿100%)とを投入した(綿タオルの投入量を、長袖シャツ1枚と綿タオルとの全質量が約800gとなるように調整した)。
そこに、上記液外観の評価にて「流動性あり」と判定された液体洗浄剤5mLを添加し、洗浄、すすぎ、脱水を順次行う洗浄操作を行った。洗浄時間、すすぎ、脱水、水量(低水位に設定、水量約12L)に関しては、一切調整せず、前記全自動電気洗濯機の標準コース設定を使用した。
洗濯終了後、上記の洗浄処理が施された評価用の長袖シャツを、25℃、相対湿度65%RHの恒温恒湿室に放置し、乾燥させた。
その3時間後、該長袖シャツを脱ぎ、両方の袖を軽く伸ばしたときに肘から袖口の間に付いているシワの程度を、目視により、左右を比べて下記基準で評価した。
5点:左と比べて、右はシワの程度が同程度であった(シワがほとんど付いていなかった)。
4点:左に比べて、右はわずかにシワが付いていた。
3点:左に比べて、右はややシワが付いていた(気になる程度のシワではなかった)。
2点:左に比べて、右はかなりシワが付いていた(気になる程度にシワがついていた)。
1点:左に比べて、右は非常にシワが付いていた(非常に気になる程度のシワがついていた)。
◎:4点以上、○:3.5点以上4点未満、△:3点以上3.5点未満、×:3点未満。
Claims (2)
- (A)成分/(B)成分で表される質量比が3〜100であることを特徴とする、請求項1記載の液体洗浄剤。
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