JPWO2011046170A1 - 液体洗浄剤組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
本願は、2009年10月15日に日本に出願された特願2009−238354号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
例えば特許文献1には、非イオン性界面活性剤として、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドを付加させた第1級アルコールエトキシレートと、第2級アルコールエトキシレートとを併用した液体洗浄剤組成物が開示されている。
また、特許文献2には、陰イオン性界面活性剤としてα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩を35〜80質量%と、炭素数6〜22のアルコールを含有する、液体洗浄剤組成物への適用が容易な界面活性剤組成物が開示されている。
しかし、一般に、界面活性剤は高濃度の領域においてヘキサゴナル液晶などの高粘度の高次会合構造を形成しやすく、第1級アルコールエトキシレートの場合はその濃度が40質量%以上の高濃度になると、かなり広範な濃度領域で高粘度の液晶相を形成することが知られている。このように第1級アルコールエトキシレートは、その高粘度化領域が大きいため濃度が高くなるにつれて高粘度化しやすく、特に40質量%以上配合した濃縮型の液体洗浄剤組成物とすることは困難であった。
さらに、第1級アルコールエトキシレートを高濃度に含むと、洗濯浴中に投入された際の溶解性が低下しやすくなり、特に冬場において低温の水で洗濯した場合には、洗濯終了時に衣類にゲル状の付着物が残るなどの不具合が発生しやすかった。
しかし、より高濃度で溶解性に優れる液体洗浄剤組成物とするためには、組成物中のほとんどを第1級アルコールエトキシレートとハイドロトロープ剤とする必要があり、洗剤に必要な酵素やキレート剤などの機能成分を十分に配合できない。
特許文献3には、高濃度で陰イオン性界面活性剤を含有し、かつ経日での増粘を抑制するために、第1級アルコールエトキシレートと、50〜80質量%の陰イオン性界面活性剤(α−スルホ脂肪酸エステル塩など)と、平均分子量200〜800のポリエチレングリコールを含有する高濃度アニオン界面活性剤水性ペーストが開示されている。
特許文献4には、低濃度で高い洗浄性能を発現させるために、第1級アルコールエトキシレートと、ポリオキシアルキレンアミンを含有する衣料用液体洗浄剤組成物が開示されている。
特許文献5には、第1級アルコールエトキシレートと、アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)やポリオキシエチレンアルキルエーテルの硫酸エステル塩(AES)などの陰イオン性界面活性剤とを併用した液体洗浄剤組成物が開示されている。
特許文献6及び7には、第1級アルコールエトキシレートと、α−スルホ脂肪酸誘導体やポリアルキレングリコールモノメチルエーテル不飽和脂肪酸エステルのスルホン化物又はその塩などの陰イオン性界面活性剤とを含有する液体濃厚洗浄剤組成物が開示されている。
また、特許文献3に記載の高濃度アニオン界面活性剤水性ペーストは、陰イオン性界面活性剤を高濃度(50質量%以上)に含有させる場合の流動性を改善するものであって、低温(5℃程度)での保存安定性や低温溶解性(15℃程度)、皮脂洗浄力を満足するものではなかった。
特許文献4に記載の衣料用液体洗浄剤組成物では、低温保存時に高粘度化することがあった。
特許文献5に記載の液体洗浄剤組成物では、LASやAESを30質量%以上含有しており、必ずしも地球環境に配慮した組成物ではなかった。
特許文献6及び7に記載の液体濃厚洗浄剤組成物では、陰イオン性界面活性剤を合成する際にコストがかかりやすく、価格や汎用性の面で不十分であった。また、生分解性にも劣っていた。
R1O(CH2CH2O)nH ・・・(1)
R2CH(SO3M1)COOR3 ・・・(2)
R4CH(SO3M2)CONHR5 ・・・(3)
本発明の液体洗浄剤組成物は、以下に示す(A)〜(C)成分を含有する。
<(A)成分>
(A)成分は、下記一般式(1)で表される非イオン性界面活性剤である。
R1O(CH2CH2O)nH ・・・(1)
アルキル基の炭素数は10〜20が好ましく、10〜18がより好ましい。
R1は原料のアルコール(R1−OH)に由来し、前記アルコールとしては例えば1級の高級アルコール、高級脂肪酸、及び高級脂肪酸アミド等が挙げられる。
R1のアルキル基の具体例としては、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、ステアリル、イコシル等が挙げられる。
(A)成分は、1種類のみを単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
(B)成分は、下記一般式(2)及び(3)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の陰イオン性界面活性剤である。
R2CH(SO3M1)COOR3 ・・・(2)
R4CH(SO3M2)CONHR5 ・・・(3)
皮脂洗浄力や低温時の粘度の増加を防止する観点から、アルキル基の炭素数は10〜14が好ましく、10〜12がより好ましい。一方、アルケニル基の炭素数は10〜16が好ましく、10〜12がより好ましい。
アルキル基の炭素数は1〜2が好ましい。
アルカリ金属としてはナトリウム、及びカリウム等が挙げられ、アルカリ土類金属としてはカルシウム等が挙げられる。
総炭素数が1〜6であるプロトン化された1〜3級アミンは、水酸基を有していてもよいし、有していなくてもよいが、洗浄時の低温溶解性が良好になるという観点で水酸基を有していることが好ましい。このような1〜3級アミンとしてはアルカノールアミンが挙げられ、具体的にはモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、及びトリエタノールアミン等が挙げられる。
M1としては、ナトリウム、モノエタノールアミン、及びトリエタノールアミンが好ましい。
一般式(2)で表される化合物は、1種類のみを単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
皮脂洗浄力や低温時の粘度の増加を防止する観点から、アルキル基の炭素数は10〜14が好ましく、12〜14がより好ましい。一方、アルケニル基の炭素数は10〜16が好ましく、12〜16がより好ましい。
なお、R2とR4は、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。
R2のアルキル基の具体例としては、ノニル、2級ノニル、デシル、2級デシル、ウンデシル、2級ウンデシル、ドデシル、2級ドデシル、トリデシル、イソトリデシル、2級トリデシル、テトラデシル、2級テトラデシル等が挙げられる。
R2のアルケニル基の具体例としては、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、テトラデセニル等が挙げられる。
R4のアルキル基の具体例としては、ノニル、2級ノニル、デシル、2級デシル、ウンデシル、2級ウンデシル、ドデシル、2級ドデシル、トリデシル、イソトリデシル、2級トリデシル、テトラデシル、2級テトラデシル等が挙げられる。
R4のアルケニル基の具体例としては、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、テトラデセニル等が挙げられる。
アルキル基の炭素数は2〜3が好ましい。
アルキル基は1個以上の水酸基を有していてもよいし、有していなくてもよいが、洗浄時の低温溶解性が良好になるという観点で水酸基を有していることが好ましい。直鎖状のアルキル基の方が分岐鎖状のアルキル基より低温保存安定性に優れている。
アルカリ金属としてはナトリウム、及びカリウム等が挙げられ、アルカリ土類金属としてはカルシウム等が挙げられる。
水酸基を有していてもよい総炭素数が1〜6であるプロトン化された1〜3級アミンは、水酸基を有していてもよいし、有していなくてもよいが、洗浄時の低温溶解性が良好になるという観点で水酸基を有していることが好ましい。このような1〜3級アミンとしてはアルカノールアミンが挙げられ、具体的にはモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、及びトリエタノールアミン等が挙げられる。
M2としては、ナトリウム、モノエタノールアミン、及びトリエタノールアミンが好ましい。
なお、M1とM2は、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。
一般式(3)で表される化合物は、1種類のみを単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
ただし、(A)成分を含有しても、(B)成分を含有しないと液体洗浄剤組成物を洗濯機等へ投入する際に、ゲル化が発生して水へ溶解しにくくなり、十分な皮脂洗浄力が発現されにくくなることがある。
また、(A)成分を含有せずに(B)成分を高濃度に含有すると、水に溶けにくい析出物が発生しやすくなり、低温保存安定性や溶解性が低下する。溶解性の低下は特に冬場などで低温の水を使用する場合に顕著である。
一方、(B)成分の含有量は、液体洗浄剤組成物100質量%中、4〜45質量%が好ましく、9〜40質量%がより好ましく、10〜35質量%が特に好ましい。(B)成分の含有量が4質量%以上であれば、低温時の粘度の増加を抑制できるので、液体洗浄剤組成物に保存安定性(特に低温保存安定性)及び溶解性を付与できる。一方、(B)成分の含有量が45質量%以下であれば、液体洗浄剤組成物の皮脂洗浄力を良好に維持できる。
なお、(A)成分と(B)成分の含有量の合計に対する(B)成分の質量比が上記範囲を満たしていても、(A)成分と(B)成分の含有量の合計が75質量%を超えると、流動性や低温溶解性が低下することがある。
(C)成分は、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ブチルカルビトール、フェノキシエタノール、及び平均分子量が570〜3800のポリエチレングリコールからなる群から選ばれる少なくとも2種の水性混和性溶剤である。
(C)成分は、液体洗浄剤組成物に低温保存安定性及び低温溶解性を付与するハイドロトロープ剤の役割を果たすが、上述した溶剤を1種単独で使用すると液体洗浄剤組成物が水へ溶けにくくなる。液体洗浄剤組成物の溶解性を上げるには(C)成分の割合を増やせばよいが、その分、界面活性剤の割合が減ったり、酵素やキレート剤などの機能成分の配合が困難になったりしやすい。
しかし、本発明であれば(C)成分として上述した溶剤を2種以上併用するので、必要以上に(C)成分の割合を増やすことなく液体洗浄剤組成物に溶解性を付与できる。また、(C)成分の割合を増やす必要がないので、界面活性剤の割合が減ることもないし、十分な量の機能成分を配合することもできる。
また、1価アルコールに分類されるメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、及びフェノキシエタノールの中から1種以上と、多価アルコールに分類されるエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ブチルカルビトール、及びポリエチレングリコールの中から1種以上とを組み合わせて用いるのが好ましい。
1価アルコールの中ではエタノールの他、フェノキシエタノールが好ましい。
一方、多価アルコールの中ではエチレングリコール、ポリエチレングリコール、及びプロピレングリコールが好ましく、増粘を抑制して液体洗浄剤組成物の低温溶解性や低温保存安定性をより向上させ、後述する任意成分を安定に溶解できる点で平均分子量が570〜3800のポリエチレングリコールが特に好ましい。平均分子量が570〜3800のポリエチレングリコールの中でも、より好ましくは570〜1050であり、特に好ましくは950〜1050である。
(C)成分としては、エタノールと、平均分子量が570〜1050のポリエチレングリコールの組み合わせが好ましく、エタノールと、平均分子量が950〜1050のポリエチレングリコールの組み合わせが特に好ましい。
なお、(C)成分としてエタノールを用いる場合、その含有量は液体洗浄剤組成物100質量%中、3〜10質量%が好ましい。また、(C)成分としてポリエチレングリコールを用いる場合、その含有量が液体洗浄剤組成物100質量%中、2〜8質量%が好ましい。
本発明の液体洗浄剤組成物は、上述した(A)〜(C)成分を必須の成分として含むものであり、(A)〜(C)成分のみから構成されていてもよく、本発明の効果を損なわない範囲内で必要に応じて、任意成分として水、(A)〜(B)成分以外のその他の界面活性剤、及びその他の成分などを含有してもよい。
本発明の液体洗浄剤組成物は、調製のしやすさや、保存安定性及び水への溶解性などの観点から、水を含有するのが好ましい。
水の含有量は、液体洗浄剤組成物100質量%中、15〜50質量%が好ましく、20〜45質量%がより好ましい。
その他の界面活性剤としては、(A)成分以外の非イオン性界面活性剤、(B)成分以外の陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤などが挙げられる。
(A)成分以外の非イオン性界面活性剤としては、例えばアルキルフェノール、高級脂肪酸又は高級アミン等のアルキレンオキサイド付加体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、脂肪酸アルカノールアミン、脂肪酸アルカノールアミド、多価アルコール脂肪酸エステル又はそのアルキレンオキサイド付加体、多価アルコール脂肪酸エーテル、アルキル(又はアルケニル)アミンオキサイド、硬化ヒマシ油のアルキレンオキサイド付加体、糖脂肪酸エステル、N−アルキルポリヒドロキシ脂肪酸アミド、及びアルキルグリコシド等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えばアルキルベタイン型、アルキルアミドベタイン型、イミダゾリン型、アルキルアミノスルホン型、アルキルアミノカルボン酸型、アルキルアミドカルボン酸型、アミドアミノ酸型、リン酸型両性界面活性剤等が挙げられる。
本発明の液体洗浄剤組成物は、洗浄性能がより向上する観点から、衣料用の液体洗浄剤に通常用いられる酵素を含有できる。
酵素としては、Novozymes(ノボザイムズ)社製の商品名「リカナーゼ(Liquanase)」、「サビナーゼ(Savinase)」、「アルカラーゼ(Alcalase)」、「エバラーゼ(Everlase)」、「カンナーゼ(Kannase)」、及び「エスペラーゼ(Esperaze)」;昭和電工(株)製の商品名「API21」;GENENCOR(ジェネンコア)社製の商品名「マクサターゼ(Maxtaze)」、「マクサカル(Maxacal)」、「ピュラフェクト(Purafect)」、「マクサぺム」、及び「プロペラーゼ(Properase)」;花王(株)製の商品名「KAP」;特開平5−25492号公報に記載の商品名「プロテアーゼK−14」、及び「K−16」;ノボザイムズ社製の商品名「ターマミル(Termamyl)」、「デュラミル(Duramyl)」、「ステインザイム(Stainzyme)」、「プロモザイム(Promozyme)200L」;ジェネンコア社製の商品名「マキサミル(Maxamyl)」;天野エンザイム(株)製の商品名「プルラナーゼアマノ」;生化学工業(株)製の商品名「DB−250(Aerobacter aerogenes ATCC9621由来のプルラナーゼ:クルード又は結晶化品)」;ノボザイムズ社製の商品名「リポラーゼ」、「リポラーゼウルトラ」、「ライペックス」、及び「ライペックス100L」;及び昭和電工(株)製の商品名「リポサム」等の市販のリパーゼ(リパーゼ製剤)が挙げられる。
また、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、ジグリコール酸、酒石酸、及びクエン酸等の金属イオン疎捕捉剤を、例えば0.1〜20質量%含むことができる。
また、ブチルヒドロキシトルエン、ジスチレン化クレゾール、亜硫酸ナトリウム及び亜硫酸水素ナトリウム等の酸化防止剤を、例えば0.01〜2質量%含むことができる。
また、ローム・アンド・ハウス社製の商品名「ケーソンCG」等の防腐剤を、例えば0.001〜1質量%含むことができる。
柔軟性付与剤としては、例えばカプリル酸ジメチルアミノプロピルアミド、カプリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ラウリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノプロピルアミド、及びオレイン酸ジメチルアミノプロピルアミド等の長鎖脂肪族アミドアルキル3級アミン又はこれらの塩;パルミチン酸ジエタノールアミノプロピルアミド;及びステアリン酸ジエタノールアミノプロピルアミド等が挙げられる。例えば、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミドを1〜5質量%含むことができる。
風合い向上剤としては、例えば東レ・ダウコーニング(株)製の商品名「CF1188HV」、「SH3748」、「SH3794」、「SH3772M」、「SH3775M」、「SF8410」、「SH8700」、「BY22−008」、「BY22−012」、「SILWET L−7001」、「SILWET L−7002」、「SILWET L−7602」、「SILWET L−7604」、「SILWET FZ−2104」、「SILWET FZ−2120」、「SILWET FZ−2161」、「SILWET FZ−2162」、「SILWET FZ−2164」、「SILWET FZ−2171」、「ABN SILWET FZ−F1−009−01」、及び「ABN SILWET FZ−F1−009−02」、「ABN SILWET FZ−F1−009−03」、「ABN SILWET FZ−F1−009−05」、「ABN SILWET FZ−F1−009−09」、「ABN SILWET FZ−F1−009−11」、「ABN SILWET FZ−F1−009−13」、「ABN SILWET FZ−F1−009−54」、「ABN SILWET FZ−22−22」;信越化学工業(株)製の商品名「X−20−8010B」、「KF352A」、「KF6008」、「KF615A」、「KF6012」、「KF6016」、及び「KF6017」;及びGE東芝シリコーン(株)製の商品名「TSF4450」、「TSF4452」、及び「TSF4445」等のポリエーテル変性シリコーンを用いることができる。前記ポリエーテル変性シリコーンは、液体洗浄剤組成物中、0.1〜3質量%含むことができる。
着香剤としては、代表的な例として、特開2002−146399号公報に記載の香料組成物などが使用でき、好ましい配合量としては、0.1〜1質量%である。
着色剤としては、「アシッドレッド138」、「Polar Red RLS」、「アシッドイエロー203」、「アシッドブルー9」、「青色1号」、「青色205号」、「緑色3号」、及び「ターコイズP−GR」(いずれも商品名)等の汎用の色素や顔料を、例えば0.00005〜0.005質量%程度含むことができる。
乳濁剤は、ポリスチレンエマルション、及びポリ酢酸ビニルエマルジョン等が挙げられ、通常、固形分30〜50質量%のエマルションが好適に用いられる。具体例としては、ポリスチレンエマルション(サイデン化学社製の商品名「サイビノールRPX−196 PE−3」、固形分40質量%)等を、0.01〜0.5質量%含むことができる。
天然物などのエキスとしては、イヌエンジュ、ウワウルシ、エキナセア、コガネバナ、キハダ、オウレン、オールスパイス、オレガノ、エンジュ、カミツレ、スイカズラ、クララ、ケイガイ、ケイ、ゲッケイジュ、ホオノキ、ゴボウ、コンフリー、ジャショウ、ワレモコウ、シャクヤク、ショウガ、セイタカアワダチソウ、セイヨウニワトコ、セージ、ヤドリギ、ホソバオケラ、タイム、ハナスゲ、チョウジ、ウンシュウミカン、ティーツリー、バーベリー、ドクダミ、ナンテン、ニュウコウ、ヨロイグサ、シロガヤ、ボウフウ、オランダヒユ、ホップ、ホンシタン、マウンテングレープ、ムラサキタガヤサン、セイヨウヤマハッカ、ヒオウギ、ヤマジソ、ユーカリ、ラベンダー、ローズ、ローズマリー、バラン、スギ、ギレアドバルサムノキ、ハクセン、ホウキギ、ミチヤナギ、ジンギョウ、フウ、ツリガネニンジン、ヤマビシ、ヤブガラシ、カンゾウ、及びセイヨウオトギリソウなどの植物が挙げられ、これらを例えば、0〜0.5質量%程度含むことができる。
本発明の液体洗浄剤組成物は、25℃でのpHが4〜9であることが好ましく、4〜8であることがより好ましい。pHが上記範囲内であれば、特に液体洗浄剤組成物を長期間保存しても、経時安定性を良好に保つことができる。
液体洗浄剤組成物のpHはpH調整剤により調整できる。pH調整剤としては、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸;多価カルボン酸類、及びヒドロキシカルボン酸類等の有機酸;水酸化ナトリウム;水酸化カリウム;アルカノールアミン;及びアンモニア等が挙げられる。これらの中でも、液体洗浄剤組成物の経時安定性の面から、硫酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及びアルカノールアミンが好ましい。これらpH調整剤は、1種又は2種以上混合して用いることができる。
また、液体洗浄剤組成物のpHの微調整用として無機酸(好ましくは塩酸、硫酸)又は水酸化カリウム等をさらに添加することができる。
なお、本発明において、液体洗浄剤組成物(25℃に調温)のpHは、pHメーター(東亜ディーケーケー(株)製、製品名「HM−30G」)等により測定される値である。
特に濃縮型の液体洗浄剤は、計量キャップが小さく計り取る量(使用量)が少ないため、適度な粘性を有さない場合は所望の量に液体洗浄剤を計量しにくい。しかし、粘度が40mPa・s以上であれば、適度な粘性を保持できるので使用性が良好であり、適切な量を計量しやすくなる。一方、粘度が150mPa・s以下であれば、特に低温時において洗濯機の洗浄剤投入口から液体洗浄剤組成物を投入する際に、ゲル化するのを抑制できる。
まず、25℃に設定した恒温槽内にて測定試料を25℃に加温する。ついで、25℃に加温した測定試料をB型粘度計((株)東京計器製、製品名「VISCOMETER MODEL DVM−B」)にセットし、ローターNo.2〜4の回転数60rpm/minで回転を開始し、測定時間60秒間の条件にて粘度を測定する。
本発明の液体洗浄剤組成物は、常法に基づいて製造することができる。例えば上述した(A)〜(C)成分、及び必要に応じて任意成分を混合することにより製造できる。このとき、水を添加することが好ましい。
液状の洗剤は粘性を有するため、低温保存安定性に欠けると粘度が必要以上に上昇して容器から計り取る際に取り扱いにくくなることがある。このような傾向は冬場において顕著である。
しかし、本発明の液体洗浄剤組成物は低温保存安定性に優れるので、冬場などの低温環境下であっても適度な粘性を維持できるので、取り扱いやすい。
また、特に冬場においては洗剤の溶け残り成分が衣類へ付着することがあったが、本発明の液体洗浄剤組成物は低温溶解性に優れるので、洗剤の溶け残り成分が衣類へ付着しにくい。
(A)成分として、以下に示す化合物を用いた。
・a−1:P&G社製の天然アルコール「CO−1270」(炭素数12のアルコール/炭素数14のアルコール=70質量%/30質量%、直鎖率100%、中間鎖分岐率0%)に対して、平均付加モル数が15モルになるようにエチレンオキサイドを付加したもの(純分90%)。
・a−2:P&G社製の天然アルコール「CO−1214」(炭素数12のアルコール/炭素数14のアルコール=71質量%/29質量%、直鎖率100%、中間鎖分岐率0%)に対して、平均付加モル数が15モルになるようにエチレンオキサイドを付加したもの(純分90%)。
・a−3:P&G社製の天然アルコール「CO−1270」に対して、平均付加モル数が12モルになるようにエチレンオキサイドを付加したもの(純分90%)。
・a−4:P&G社製の天然アルコール「CO−1214」に対して、平均付加モル数が9モルになるようにエチレンオキサイドを付加したもの(純分90%)。
(a−1の合成)
原料アルコールとしてP&G社製の天然アルコール「CO−1270」224.4gと、30質量%水酸化ナトリウム水溶液2.0gを耐圧型反応容器中に採取し、容器内を窒素置換した。次に容器内を温度100℃、圧力1.5〜2.0kPaに維持しながら30分間脱水した後、温度を160℃まで昇温した。天然アルコールを攪拌しながらエチレンオキサイド(ガス状)760.4gを、吹き込み管を使って、反応温度が180℃を超えないように添加速度を調整しながら天然アルコールの液中に徐々に加えた。
エチレンオキサイドの添加終了後、容器内を温度180℃、圧力0.2〜0.3MPaに維持しながら30分間熟成した後、容器内の圧力を5.5〜6.0kPaに下げ、10分間未反応のエチレンオキサイドを留去した。
次に、容器内の温度を80〜100℃まで下げた後、反応物の1質量%水溶液のpHが約7になるように、70質量%p−トルエンスルホン酸を加えて中和し、a−1を得た。
原料アルコールとしてP&G社製の天然アルコール「CO−1214」224.4gを用い、エチレンオキサイドの量を760.6gに変更した以外はa−1と同様にして、a−2を得た。
エチレンオキサイドの量を610.2gに変更した以外はa−1と同様にして、a−3を得た。
原料アルコールとしてP&G社製の天然アルコール「CO−1214」224.4gを用い、エチレンオキサイドの量を457.2gに変更した以外はa−1と同様にして、a−4を得た。
・a−5:ポリオキシエチレンラウリルエーテル、EO(エチレンオキサイド)平均3モル付加体(日本エマルジョン(株)製、商品名「EMALEX703」)(純分100%)。
・a−6:ポリオキシエチレンラウリルエーテル、EO平均25モル付加体(日本エマルジョン(株)製、商品名「EMALEX725」)(純分100%)。
・a−7:C12H25O(CH2CH2O)10(CH2CH(CH3)O)H、(純分100%)。
・a−8:C14H29O(CH2CH2O)7(CH2CH(CH3)O)(CH2CH2O)3H、(純分100%)。
・a−9:ポリオキシエチレン(15)牛脂アルキルアミン(牛脂アルキルの組成:炭素数12のアルキル基1質量%、炭素数14のアルキル基3質量%、炭素数16のアルキル基31質量%、炭素数18のアルキル基20質量%、炭素数20のアルキル基1質量%、及び炭素数18のアルケニル基44質量%)、EO平均15モル付加体(ライオンアクゾ社製、商品名「エソミンT/25」)(純分100%)。
(a−7の合成)
原料アルコールとして新日本理化社製のアルコール「コノール20P」1026gを耐圧型反応容器中に採取し、容器内を窒素置換した。次に容器内を温度100℃、圧力1.5〜2.0kPaに維持しながら30分間脱水した後、温度を140℃まで昇温した。アルコールを攪拌しながらエチレンオキサイド(ガス状)2063gを、吹き込み管を使って、反応温度が180℃を超えないように添加速度を調整しながらアルコールの液中に徐々に加えた。
エチレンオキサイドの添加終了後、容器内を温度180℃、圧力0.2〜0.3MPaに維持しながら30分間熟成した後、容器内の圧力を5.5〜6.0kPaに下げ、10分間未反応のエチレンオキサイドを留去した。
次に、容器内の温度を80〜100℃まで下げた後、粗反応物1231gを容器から抜き出し、容器内の温度を120℃まで昇温させた。残留反応物を攪拌しながらプロピレンオキサイド(ガス状)173gを、吹き込み管を使って、反応温度が125℃を超えないように添加速度を調整しながら反応物中に徐々に加えた。
プロピレンオキサイドの添加終了後、容器内を温度120℃、圧力0.25〜0.30MPaに維持しながら2時間熟成した後、容器内の圧力を5.5〜6.0kPaに下げ、10分間未反応のプロピレンオキサイドを留去し、a−7を得た。
原料アルコールとして新日本理化社製のアルコール「コノール1495」1004gと、水酸化カリウム10.0gを耐圧型反応容器中に採取し、容器内を窒素置換した。次に容器内を温度100℃、圧力1.5〜2.0kPaに維持しながら30分間脱水した後、温度を140℃まで昇温した。アルコールを攪拌しながらエチレンオキサイド(ガス状)1444gを、吹き込み管を使って、反応温度が180℃を超えないように添加速度を調整しながらアルコールの液中に徐々に加えた。
エチレンオキサイドの添加終了後、容器内を温度180℃、圧力0.2〜0.3MPaに維持しながら30分間熟成した後、容器内の圧力を5.5〜6.0kPaに下げ、10分間未反応のエチレンオキサイドを留去した。
次に、容器内の温度を80〜100℃まで下げた後、粗反応物1463gを容器から抜き出し、容器内の温度を120℃まで昇温させた。残留反応物を攪拌しながらプロピレンオキサイド(ガス状)110gを、吹き込み管を使って、反応温度が125℃を超えないように添加速度を調整しながら反応物中に徐々に加えた。
プロピレンオキサイドの添加終了後、容器内を温度120℃、圧力0.2〜0.3MPaに維持しながら2時間熟成した後、容器内の圧力を5.5〜6.0kPaに下げ、10分間未反応のプロピレンオキサイドを留去した。
次に、容器内の温度を140℃まで昇温させ、反応物を攪拌しながらエチレンオキサイド(ガス状)251gを、吹き込み管を使って、反応温度が180℃を超えないように添加速度を調整しながら反応物中に徐々に加えた。
エチレンオキサイドの添加終了後、容器内を温度180℃、圧力0.2〜0.3MPaに維持しながら30分間熟成した後、容器内の圧力を5.5〜6.0kPaに下げ、10分間未反応のエチレンオキサイドを留去し、a−8を得た。
・b−1:C10H21CH(SO3NH3CH2CH2OH)COOCH3、(純分100%)。
・b−2:C10H21CH(SO3Na)COOCH3、(純分100%)。
・b−3:C14H29CH(SO3NH3CH2CH2OH)COOCH3、(純分100%)。
・b−4:C10H21CH(SO3Na)CONHCH2CH2OH、(純分100%)。
・b−5:C10H21CH(SO3Na)CONHCH2CH(OH)CH3、(純分100%)。
(b−1の合成)
温度計、攪拌器、滴下ロート、乾燥用塩化カルシウム管を取り付けた1Lの4口フラスコに、ラウリン酸メチルエステル54g(0.25mol)、及び四塩化炭素540gを仕込み、反応温度が10〜15℃になるように維持しながら無水硫酸24g(0.3mol)を滴下した。滴下終了後、3時間還流攪拌した。
次に、反応溶媒(四塩化炭素)をエバポレーターを用いて水浴50℃で留去したのち、メタノール500mLを添加して20分間還流攪拌した。その後、0.5mol/Lのモノエタノールアミン水溶液で反応液をpH7に調整した。ついで、反応溶媒(メタノール)を減圧下で留去した。その際、発泡するので、イソプロパノールを加え共沸しながら水も留去した。
残渣(粗生成物)をエタノールと水の混合溶液(体積比:エタノール/水=9/1)で50〜60℃に加温、溶解し、不溶物を除去した。ついで、ろ液を5℃に冷却して再結晶した後、析出物を濾別、真空乾燥することでα−スルホラウリン酸メチルエステルモノエタノールアミン塩(b−1)を58g得た。なお、b−1は、上記一般式(2)に該当する化合物である。
0.5mol/Lのモノエタノールアミン水溶液の代わりに、20質量%水酸化ナトリウム水溶液を用いて反応液をpH7に調整した以外はb−1と同様にして、α−スルホラウリン酸メチルエステルナトリウム塩(b−2)を得た。なお、b−2は、上記一般式(2)に該当する化合物である。
ラウリン酸メチルエステル54g(0.25mol)の代わりに、パルミチン酸メチルエステル68g(0.25mol)を用いた以外はb−1と同様にして、α−スルホパルミチン酸メチルエステルモノエタノールアミン塩(b−3)を得た。なお、b−3は、上記一般式(2)に該当する化合物である。
Dean−Stark装置と攪拌子を取り付けた300mL一口ナスフラスコに、α−スルホラウリン酸メチルエステルナトリウム塩20g(63.2mmol)とトルエン150mLを仕込み、1時間還流して脱水した。
その後、室温まで冷却してDean−Stark装置を取り外し、ジムロート冷却管を取り付けた。反応溶液に2−アミノエタノール4.05g(66.4mmol)とナトリウムメトキシド342mg(6.3mmoL)を仕込み、90℃で4時間攪拌した。その後室温まで放冷して、5N塩酸水溶液1.3mLを加え、イソプロパノールと共沸しながら溶媒(トルエン)を完全に留去し、固体の粗生成物を得た。
得られた粗生成物をメタノールと水の混合溶液(体積比:メタノール/水=9/1)で50℃〜60℃に加温溶解し、−20℃で再結晶して析出物を濾別した。この残渣を再度メタノールと水の混合溶液で50℃〜60℃に加温溶解した後、−20℃で再結晶して析出物を濾別、真空乾燥することでb−4を15.44g得た。
得られたb−4(15mg)を0.5mLの重水に溶解し、1H−NMR(270MHz、日本電子データム製、製品名「FT NMR SYSTEM JNM−EX270」)にて、測定温度25℃の条件で測定した。重水のピークを4.75ppm基準としたきのケミカルシフトは、δ0.73(br,3H)、δ1.15(br,16H)、δ1.88(br,2H)、δ3.24(m,1H)、δ3.33(m,1H),3.58(br,3H)であった。この結果より、得られたb−4は、α−スルホラウリン酸モノエタノールアミドナトリウム塩であることが確認できた。なお、b−4は、上記一般式(3)に該当する化合物である。
2−アミノエタノール4.05g(66.4mmol)に代えて、3−アミノ−2-プロパノール4.98g(66.4mmol)を用いた以外はb−4と同様にして、固体の粗生成物を得た。
得られた粗生成物をクロロホルムとメタノールと水の混合溶液(体積比:クロロホルム/メタノール/水=1/1/8)で抽出し、水層を分液してイソプロパノールと共沸しながら減圧下、溶媒(混合溶液)を留去し、真空乾燥することでb−5を18.9g得た。
得られたb−5(15mg)を0.5mLの重水に溶解し、1H−NMR(270MHz、日本電子データム製、製品名「FT NMR SYSTEM JNM−EX270」)にて、測定温度25℃の条件で測定した。重水のピークを4.75ppm基準としたきのケミカルシフトは、δ0.71(br,3H)、δ1.05−1.15(m+br,19H)、δ1.87(br,2H)、δ3.18(br,2H)、3.60(br,1H)、δ3.82(br,1H)であった。この結果より、得られたb−5は、α−スルホラウリン酸イソプロパノールアミドナトリウム塩であることが確認できた。なお、b−5は、上記一般式(3)に該当する化合物である。
・b−6:ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(AES)(シェルケミカルズ社製のアルコール「ネオドール23」(炭素数12のアルコールと炭素数13のアルコールとの質量比が1:1の混合物、分岐率20%)に対して、平均付加モル数が2モルになるようにエチレンオキサイドを付加したもの(純分66.3%))。
4Lのオートクレーブ中に、原料アルコールとしてシェルケミカルズ社製の「Neodol23」400gと、触媒として水酸化カリウム0.8gとを仕込み、オートクレーブ内を窒素置換し、攪拌しながら昇温した。その後、温度180℃、圧力0.3MPaに維持しながらエチレンオキサイド272gを導入し、エチレンオキサイドの平均付加モル数2の反応物(アルコールエトキシレート)を得た。
次に、上記で得られたアルコールエトキシレート280gを、攪拌装置付の500mLフラスコにとり、窒素置換後、液体無水硫酸(サルファン)67gを反応温度40℃に保ちながらゆっくりと滴下した。滴下終了後、1時間攪拌を続け(硫酸化反応)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸を得た。さらに、これを水酸化ナトリウム水溶液で中和することにより、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(b−6)を得た。
・c−1:エタノール(日本アルコール販売(株)製、商品名「特定アルコール95度合成」)(純分95%)。
・c−2:プロピレングリコール(BASF社製)(純分100%)。
・c−3:メタノール(純正化学製)(純分100%)。
・c−4:ブタノール(東京化成(株)製、商品名「1−ブタノール」)(純分100%)。
・c−5:フェノキシエタノール(東京化成(株)製、商品名「エチレングリコールモノフェニルエーテル」)(純分100%)。
・c−6:ブチルカルビトール(東京化成(株)製、商品名「ジエチレングリコールモノブチルグリコール」)(純分100%)。
・c−7:プロパノール(東京化成(株)製、商品名「1−プロパノール」)(純分100%)。
・c−8:エチレングリコール(東京化成(株)製)(純分100%)。
・c−9:ブチレングリコール(東京化成(株)製、商品名「1,3−ブタンジオール」)(純分100%)。
・c−10:ポリエチレングリコール(ライオン(株)製、商品名「PEG#1000−L60」、平均分子量:950〜1050)(純分60%)。
・c−11:ポリエチレングリコール(ライオン(株)製、商品名「PEG#600」、平均分子量570〜630)(純分60%)
・安息香酸ナトリウム:東亜合成製、商品名「安息香酸ナトリウム」(純分100%)。
・クエン酸:一方社油脂工業(株)製、商品名「液体クエン酸」(純分50%)。
・パルミチン酸:日本油脂(株)製、商品名「NAA−160」(純分100%)。
・パラトルエンスルホン酸:協和発酵キリン(株)製、商品名「PTS酸」(純分70%)。
・リカナーゼ:ノボザイム社製、商品名「リカナーゼ ウルトラ2.5XL」(純分100%)。
・ジブチルヒドロキシトルエン:住友化学(株)製、商品名「SUMILZER BHT−R」(純分100%)。
・モノエタノールアミン:(株)日本触媒製(純分75%)。
・香料:特開2002−146399号公報の表11〜18記載の香料組成物A(純分100%)。
・緑3号(色素):癸巳化成(株)製、商品名「緑色3号」(純分100%)。
<粘度の測定>
液体洗浄剤組成物100gの入ったビーカーを25℃の恒温槽中に入れて1時間加温した。加温後の液体洗浄剤組成物をB型粘度計((株)東京計器製、製品名「VISCOMETER MODEL DVM−B」)にセットし、ローターNo.2あるいは3を用い、ローターの回転数60rpm/minで回転を開始し、測定時間60秒間の条件にて粘度を測定した。なお比較例3では、ローターNo.4を用い、ローターの回転数60rpm/minで回転を開始し、測定時間60秒間の条件にて粘度を測定した。
液体洗浄剤組成物100gの入ったビーカーを斜めに傾けたときの外観を目視にて観察し、下記基準により初期外観を評価した。
A:流動性がある。
B:流動性がない。
液体洗浄剤組成物100mLを透明のガラス瓶(広口規格びんPS−NO.11)に取り、蓋を閉めて密封した。この状態で室温(25℃)にて1ヵ月放置し、これを室温保存サンプルとした。
別途、液体洗浄剤組成物100mLを透明のガラス瓶に取り、蓋を閉めて密封した。この状態で5℃の恒温槽中に置いて1ヶ月保存した。その後、恒温槽から取り出し、室温(25℃)にて1時間放置した。放置後の内容物の液外観と液粘性を目視にて観察し、下記基準にて低温保存安定性を評価した。
A:外観は透明均一であり、かつ液粘性は室温保存サンプルと同等である。
B:外観は透明均一であり沈殿物質を認めないが、液粘性が室温保存サンプルよりやや増加したが問題のないレベルであった。
C:沈殿及び/又は高粘度化が認められた。
500mLビーカーに15℃のイオン交換水300mLを入れ、マグネットスターラー(MITAMURA KOGYO INC.)を用い、回転数:500rpm/minで攪拌させながら、スポイトを用いて液体洗浄剤組成物0.1gを滴下した。液体洗浄剤組成物が完全に溶解するまでの時間(溶解時間)を測定し、下記基準にて低温溶解性を評価した。
A:溶解時間が50秒間未満。
B:溶解時間が50秒間以上、100秒間未満。
C:溶解時間が100秒間以上。
顔面の皮脂汚れを擦り付けた綿布(綿平織り布、100番手)を20cm角の大きさに裁断したものを10枚と、市販のTシャツ(綿100%、B.V.D.社製)4枚とを電気洗濯機(三菱電機社製、「CW−C30A1型」)に投入した。
ついで、25℃の水道水約30Lに対し、液体洗浄剤組成物を10mLの割合で添加し、標準水流で洗浄(10分間)、脱水(1分間)、標準水流でためすすぎ(2回繰り返し)、脱水(1分間)で順次行う洗浄操作を行った。
皮脂汚れを擦り付けていない綿布を未汚染布、洗浄処理前の綿布を汚染布、洗浄処理後の綿布を洗浄布とした。
未汚染布、汚染布、及び洗浄布それぞれについて、反射率を分光式色差計(日本電色工業社製、「SE2000」)にて測定し、下記式(I)より洗浄率(%)を算出した。
洗浄率(%)={(汚染布のK/S−洗浄布のK/S)/(汚染布のK/S−未汚染布のK/S)}×100 ・・・(I)
式(I)中、「K/S」は、(1−R/100)2/(2R/100)である(ただし、Rは未汚染布、汚染布、又は洗浄布の反射率(%)を示す。)。
A:洗浄率の平均値が70%以上。
B:洗浄率の平均値が50%以上、70%未満。
C:洗浄率の平均値が50%未満。
500mLビーカーに、表2〜5に示す配合組成に従って各成分を入れ、マグネットスターラー(MITAMURA KOGYO INC.)で十分に攪拌した。続いて、表1に示す配合量に従って任意成分(精製水を除く)を加えて攪拌しながら、合計が98質量%になるように精製水を入れ、さらによく攪拌した。25℃でのpHが7.0になるように、pH調整剤(水酸化ナトリウム又は硫酸)を適量添加した後、合計が100質量%になるようにさらに精製水を加えて、液体洗浄剤組成物を得た。
得られた液体洗浄剤組成物について、各測定及び評価を行った。結果を表2〜5に示す。
なお、表2〜5中の配合量の単位は質量%であり、いずれの成分も純分換算量を示す。
特に、実施例1〜8を比較すると、界面活性剤のうち(A)成分の割合が多くなると皮脂洗浄力が向上する傾向にあり、(B)成分の割合が多くなると低温溶解性が向上する傾向にあった。また、(B)成分として上記一般式(3)で表される化合物を用いた方が、一般式(2)で表される化合物を用いた場合よりも粘度の増加が抑制され、低温保存安定性に優れていた。
実施例9〜14を比較すると、液体洗浄剤組成物中の界面活性剤の濃度(すなわち、(A)成分と(B)成分の含有量の合計)が多くなると皮脂洗浄力が向上する傾向にあった。また、(B)成分として一般式(3)で表される化合物を用いた方が、低温保存安定性に優れていた。
実施例3と、16とを比較すると、(B)成分として上記一般式(2)で表される化合物のR2の炭素数が10の方が皮脂洗浄力に優れていた。
実施例7と、17とを比較すると、(B)成分として上記一般式(3)で表される化合物の中でもR5が直鎖状のCH2CH2OHの化合物を用いた方が、分岐鎖状のCH2CH(OH)CH3の化合物を用いる場合よりも低温保存安定性に優れていた。
実施例3と、18〜19とを比較すると、エタノールの含有量が多い実施例3の方が、低温溶解性に優れていた。
実施例7と20とを比較すると、エタノールの含有量が多い実施例7の方が、低温保存安定性に優れていた。
実施例21〜36を比較すると、(B)成分として一般式(3)で表される化合物を用いた方が、低温保存安定性に優れていた。また、(C)成分として2種類の溶剤を用いた場合でも3種類の溶剤を用いた場合でも、同様の傾向が見られた。
実施例3、7及び21〜36と、37〜42とを比較すると、(C)成分としてエタノール及び/又はポリエチレングリコール以外の溶剤を用いた場合、増粘して低温溶解性や低温保存安定性が低下する傾向にあった。
実施例7と、43、44とを比較すると、(C)成分としてポリエチレングリコールの含有量が2〜8%の範囲内では、低温溶解性及び低温保存安定性の点でいずれも良好な結果が得られた。
実施例7と、45とを比較すると、(C)成分として平均分子量570〜630のポリエチレングリコールであるポリエチレングリコール600を用いるよりも、平均分子量950〜1050のポリエチレングリコール1000を用いた方が低温保存安定性に優れていた。
実施例3及び7と、46〜51とを比較すると、(A)成分としてエチレンオキサイドの平均付加モル数(n)が15の化合物(a−1及びa−2)を用いた方が、n=12及び9の化合物(a−3及びa−4)を用いた場合よりも低温溶解性及び皮脂洗浄力に優れていた。また、(B)成分として一般式(3)で表される化合物を用いた方が、低温保存安定性に優れていた。
(A)成分を含有しない比較例2は、皮脂洗浄力が低かった。また、(B)成分を高濃度に含有するため、水に溶けにくい析出物が発生し、低温保存安定性及び低温溶解性も低かった。
(C)成分として1種類の溶剤を用いた比較例3及び4は、低温保存安定性、低温溶解性、および皮脂洗浄力が低かった。特にエタノールを含有しない比較例3は、初期外観が悪かった。
(A)成分の代わりに(A’)成分を用いた比較例5及び6は、(B)成分の効果により室温では高粘度化が抑制されるが、水で希釈するとゲル化が発生しやすく、低温溶解性及び皮脂洗浄力が低下した。特に、(A)成分の代わりにa−6を用いた比較例6は、低温で高粘度化が発生しやすいため、低温保存安定性も低かった。
(B)成分の代わりに(B’)成分を用いた比較例7は、高粘度化しやすく低温保存安定性、および低温溶解性が低かった。特に、液体洗浄剤組成物を投入した際にゲル化してしまったため、水へほとんど溶解せず、その結果、皮脂洗浄力も低下した。
(B)成分を含有せず、代わりに(A’)成分を用いた比較例8〜10は、高粘度化しやすく低温保存安定性、及び低温溶解性が低かった。
(A)成分と(B)成分の含有量の合計が35質量%の比較例11は、皮脂洗浄力が低かった。
(A)成分と(B)成分の含有量の合計が80質量%の比較例12は、高粘度化しやすく低温保存安定性が低かった。また、初期外観が悪く、低温溶解性も低かった。
(A)成分と(B)成分の含有量の合計に対する(B)成分の質量比が0.5/10の比較例13は、低温保存安定性及び低温溶解性が低かった。
(A)成分と(B)成分の含有量の合計に対する(B)成分の質量比が7/10の比較例14は、低温保存安定性及び皮脂洗浄力が低かった。
Claims (5)
- (A)成分:下記一般式(1)で表される非イオン性界面活性剤と、(B)成分:下記一般式(2)及び(3)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の陰イオン性界面活性剤と、(C)成分:メタノ−ル、エタノ−ル、プロパノ−ル、ブタノ−ル、エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、ブチレングリコ−ル、ブチルカルビト−ル、フェノキシエタノ−ル、及び平均分子量570〜3800のポリエチレングリコールからなる群から選ばれる少なくとも2種の水性混和性溶剤とを含有し、
前記(A)成分と前記(B)成分の含有量の合計が40〜75質量%であり、かつ前記(A)成分と前記(B)成分の含有量の合計に対する前記(B)成分の質量比が、(B)成分/{(A)成分+(B)成分}=1/10〜6/10であることを特徴とする液体洗浄剤組成物。
R1O(CH2CH2O)nH ・・・(1)
R2CH(SO3M1)COOR3 ・・・(2)
R4CH(SO3M2)CONHR5 ・・・(3)
(式(1)〜(3)中、R1は炭素数10〜22の直鎖状のアルキル基であり、R2は炭素数9〜14の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、又は炭素数9〜16の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルケニル基であり、R3は炭素数1〜3の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基であり、R4は炭素数9〜14の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、又は炭素数9〜16の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルケニル基であり、R5は水素、又は水酸基を有していてもよい炭素数1〜3の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基であり、M1及びM2はそれぞれ同一又は異なって、アルカリ金属、アルカリ土類金属、水酸基を有していてもよい総炭素数が1〜6であるプロトン化された1〜3級アミン、又はアンモニウムであり、nはエチレンオキサイドの平均付加モル数を示し、5〜20である。) - 前記(C)成分が、少なくともエタノールを含むことを特徴とする請求項1に記載の液体洗浄剤組成物。
- 前記(C)成分が、少なくともエタノールと、平均分子量が570〜1050のポリエチレングリコールを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の液体洗浄剤組成物。
- 前記(A)成分の含有量が20〜60質量%、前記(B)成分の含有量が4〜45質量%、前記(C)成分の含有量が2〜20質量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の液体洗浄剤組成物。
- 前記(A)成分と前記(B)成分の含有量の合計に対する前記(B)成分の質量比が、(B)成分/{(A)成分+(B)成分}=2/10〜5/10であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の液体洗浄剤組成物。
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