JP2009144106A - α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩水性液の分離抑制方法及びアニオン界面活性剤組成物 - Google Patents
α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩水性液の分離抑制方法及びアニオン界面活性剤組成物 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】α-スルホ脂肪酸アルキルエステル塩を高濃度に含有した水性組成物において、流動性を保ち、かつ分離を抑制する方法及びそれを用いたアニオン界面活性剤組成物の提供。
【解決手段】α-スルホ脂肪酸アルキルエステル塩(A)が60〜70質量%、アルキレンオキサイド平均付加モル数2〜10モルのポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B)をα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩に対して 10〜35質量%、平均分子量1000以下のポリエチレングリコール(C)をα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩に対して 0.25〜35質量%含有するアニオン界面活性剤組成物。
【選択図】なし
【解決手段】α-スルホ脂肪酸アルキルエステル塩(A)が60〜70質量%、アルキレンオキサイド平均付加モル数2〜10モルのポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B)をα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩に対して 10〜35質量%、平均分子量1000以下のポリエチレングリコール(C)をα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩に対して 0.25〜35質量%含有するアニオン界面活性剤組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、α-スルホ脂肪酸アルキルエステル塩水性液に関し、より詳しくは、α-スルホ脂肪酸アルキルエステル塩を高濃度に含有した水性組成物において、流動性を保ち、かつ分離を抑制する方法及びそれを用いたアニオン界面活性剤組成物に関する。
α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩水性液は、一般に、アニオン界面活性剤の濃度が高くなるに従って粘度が増加し、該濃度が約30〜40質量%以上になると、アニオン界面活性剤がヘキサゴナル構造を形成し、流動性のないゲルとなる。このゲルを常圧下で加熱し、水分を蒸発させて濃縮していくと、やがて、50〜100℃の加温状態で軟らかくなり、粘度が低下し、ある濃度領域において、やや流動性のある状態となる。更に濃縮を続けると、再び粘度が上昇し、固体状へと変化するなど流動性が失われてしまう。
このように流動性のない状態では、タンクローリーや船での輸送が難しく、輸送コストがかかる。そのため、アニオン界面活性剤を高濃度で含有する水性スラリーの流動性を改善する目的で、種々の粘度低下剤が開発されている(たとえば特許文献1〜5参照)。
特開平2−3663号公報
特開昭62−108853号公報
特開昭59−157199号公報
特開昭58−118899号公報
特開昭62−116698号公報
このように流動性のない状態では、タンクローリーや船での輸送が難しく、輸送コストがかかる。そのため、アニオン界面活性剤を高濃度で含有する水性スラリーの流動性を改善する目的で、種々の粘度低下剤が開発されている(たとえば特許文献1〜5参照)。
本出願人は、上記水性液の流動性を向上させるため、高級アルコールのエチレンオキサイド付加体又は、ポリエチレングリコールを配合する方法を提案している(特許文献6、7参照)。
しかしながら、上記のような粘度低下剤は、流動性は向上するものの、上記水性液の成分が分離するという問題があることが判明した。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、上記水性液の流動性を保ち、かつ分離を抑制する方法及びそれを用いたアニオン界面活性剤組成物を提供することを目的とする。
特開平13−288500号公報
特開平16−210807号公報
しかしながら、上記のような粘度低下剤は、流動性は向上するものの、上記水性液の成分が分離するという問題があることが判明した。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、上記水性液の流動性を保ち、かつ分離を抑制する方法及びそれを用いたアニオン界面活性剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、特定付加モル数のアルキレンオキサイド付加体と特定分子量のポリエチレングリコールとを特定量併用することで上記目的を達成しうることを見出し、本発明を完成することに至った。
すなわち、本発明は、α-スルホ脂肪酸アルキルエステル塩(A)を60〜70質量%含有する水性液に、アルキレンオキサイド平均付加モル数2〜10モルのポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B)と平均分子量1000以下のポリエチレングリコール(C)を含有させることを特徴とするα-スルホ脂肪酸アルキルエステル塩水性液の分離抑制方法及び、α-スルホ脂肪酸アルキルエステル塩(A)が60〜70質量%、アルキレンオキサイド平均付加モル数2〜10モルのポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B)をα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩に対して 10〜35質量%、平均分子量1000以下 のポリエチレングリコール(C)をα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩に対して 0.25〜35質量%含有するアニオン界面活性剤組成物を提供する。
すなわち、本発明は、α-スルホ脂肪酸アルキルエステル塩(A)を60〜70質量%含有する水性液に、アルキレンオキサイド平均付加モル数2〜10モルのポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B)と平均分子量1000以下のポリエチレングリコール(C)を含有させることを特徴とするα-スルホ脂肪酸アルキルエステル塩水性液の分離抑制方法及び、α-スルホ脂肪酸アルキルエステル塩(A)が60〜70質量%、アルキレンオキサイド平均付加モル数2〜10モルのポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B)をα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩に対して 10〜35質量%、平均分子量1000以下 のポリエチレングリコール(C)をα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩に対して 0.25〜35質量%含有するアニオン界面活性剤組成物を提供する。
本発明によれば、α-スルホ脂肪酸アルキルエステル塩を高濃度に含有した水性組成物において、流動性を保ち、かつ分離を抑制する方法及びそれを用いたアニオン界面活性剤組成物を提供することができる。
本発明の(A)成分は、下記一般式(I)で表される化合物(以下、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩(I)ということがある。)が挙げられる。
または分岐鎖状のアルキル基を示し、Mは対イオンを示す。]
R1は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、炭素数8〜22であ
ることが好ましく、炭素数10〜18であることがより好ましい。
R1のアルケニル基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、炭素数8〜22で
あることが好ましく、炭素数14〜16であることがより好ましい。
特に、炭素数14と16との質量比C14/C16、即ち、脂肪酸としてC16/C18が70/30〜95/5が好適である。
R2のアルキル基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、炭素数1〜3である
ことが好ましく、1または2であることがより好ましい。
Mの対イオンとしては、R1−CH(CO−O−R2)−SO3−とともに水溶性の塩
を形成するものであればよい。該水溶性の塩としては、たとえば、ナトリウム塩、カリウ
ム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩;エタ
ノールアミン塩等が挙げられる。
ることが好ましく、炭素数10〜18であることがより好ましい。
R1のアルケニル基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、炭素数8〜22で
あることが好ましく、炭素数14〜16であることがより好ましい。
特に、炭素数14と16との質量比C14/C16、即ち、脂肪酸としてC16/C18が70/30〜95/5が好適である。
R2のアルキル基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、炭素数1〜3である
ことが好ましく、1または2であることがより好ましい。
Mの対イオンとしては、R1−CH(CO−O−R2)−SO3−とともに水溶性の塩
を形成するものであればよい。該水溶性の塩としては、たとえば、ナトリウム塩、カリウ
ム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩;エタ
ノールアミン塩等が挙げられる。
本発明の界面活性剤組成物中の(A)成分の含量は、界面活性剤組成物の総質量に対し
、60〜70質量%であり、60〜68質量%が好ましく、60〜65質量%がより好ましい。60質量%を下回る含量では(A)成分の含量が低く、経済的効果が充分でない。
70質量%を超える含量では、界面活性剤組成物の粘度および凝固点がともに高くなり、
50℃での流動性保持が困難である。
、60〜70質量%であり、60〜68質量%が好ましく、60〜65質量%がより好ましい。60質量%を下回る含量では(A)成分の含量が低く、経済的効果が充分でない。
70質量%を超える含量では、界面活性剤組成物の粘度および凝固点がともに高くなり、
50℃での流動性保持が困難である。
本発明の(B)成分は、アルキレンオキサイド平均2〜10モル のポリオキシアルキレンアルキルエーテルを(A)成分に対して 10〜35質量%配合する。アルキレンオキサイドの炭素数は、2〜4、好ましくは、2〜3、特に2のエチレンオキサイドが好適に使用できる。
平均付加モル数と配合量の関係については、好ましくは、エチレンオキサイドが、5〜9モルで、15〜25質量%、より好ましくは5〜7モルで、20〜25質量%である。
平均付加モル数が2モル未満では臭気に問題あり、10モルを超えると分離抑制効果が不十分になる。
平均付加モル数と配合量の関係については、好ましくは、エチレンオキサイドが、5〜9モルで、15〜25質量%、より好ましくは5〜7モルで、20〜25質量%である。
平均付加モル数が2モル未満では臭気に問題あり、10モルを超えると分離抑制効果が不十分になる。
(B)成分のアルキルの炭素数は、好ましくは10〜20であり、10未満は臭気に問題あり、20以上では低温安定性に問題がある。
本発明の(C)成分のポリエチレングリコールは、平均分子量1000以下、好ましくは、600以下である。平均分子量の下限値は、106、好ましくは200以上である。
ここで、平均分子量とは、化粧品原料基準 第ニ版 注解 937ページ「平均分子量試験」に記載の下記の試験法で測定したものである。
平均分子量試験
無水フタル酸42gをとり、新たに蒸留したピリジン300mlを正確に量って入れた1Lの遮光した共せんびんに加え、強く振り混ぜて溶かした後、16時間以上放置する。この液25mlを正確に量り、約200mlの耐圧共せんびんに入れ、これに本品約0.8gを精密に量って加え、密栓し、丈夫な布でこれを包み、あらかじめ98±2°に加熱した水浴中に入れる。この際びんの中の液が水浴の液の中に浸るようにする。98±2°で30分間保った後、水浴からびんを取り出し、室温になるまで空気中で放冷する。次に0.5N水酸化ナトリウム液50mlを正確に加え、この液につき、0.5N水酸化ナトリウム液で滴定する(指示薬:フェノールフタレイン・ピリジン溶液(1→100)5滴)。ただし、滴定の終点は液が15秒間持続する淡赤色を呈するときとする。同様の方法で空試験を行う。
平均分子量=試料の量(g)×4000/(a-b)
ただし、a:空試験における0.5N水酸化ナトリウム液の消費量(ml)
b:試料の試験における0.5N水酸化ナトリウム液の消費量(ml)
(c)成分の配合量は、(A)成分に対して5〜35質量%、好ましくは10〜35質量%、より好ましくは10〜20質量%である。5質量%未満では水性液の粘度が急増し、35質量%を超えると水性液の成分が非常に分離しやすくなる。
ここで、平均分子量とは、化粧品原料基準 第ニ版 注解 937ページ「平均分子量試験」に記載の下記の試験法で測定したものである。
平均分子量試験
無水フタル酸42gをとり、新たに蒸留したピリジン300mlを正確に量って入れた1Lの遮光した共せんびんに加え、強く振り混ぜて溶かした後、16時間以上放置する。この液25mlを正確に量り、約200mlの耐圧共せんびんに入れ、これに本品約0.8gを精密に量って加え、密栓し、丈夫な布でこれを包み、あらかじめ98±2°に加熱した水浴中に入れる。この際びんの中の液が水浴の液の中に浸るようにする。98±2°で30分間保った後、水浴からびんを取り出し、室温になるまで空気中で放冷する。次に0.5N水酸化ナトリウム液50mlを正確に加え、この液につき、0.5N水酸化ナトリウム液で滴定する(指示薬:フェノールフタレイン・ピリジン溶液(1→100)5滴)。ただし、滴定の終点は液が15秒間持続する淡赤色を呈するときとする。同様の方法で空試験を行う。
平均分子量=試料の量(g)×4000/(a-b)
ただし、a:空試験における0.5N水酸化ナトリウム液の消費量(ml)
b:試料の試験における0.5N水酸化ナトリウム液の消費量(ml)
(c)成分の配合量は、(A)成分に対して5〜35質量%、好ましくは10〜35質量%、より好ましくは10〜20質量%である。5質量%未満では水性液の粘度が急増し、35質量%を超えると水性液の成分が非常に分離しやすくなる。
本発明では、上記(A)、(B)、(C)成分の他に、水を含有する。水の含有量は、好ましくは5〜25質量%、より好ましくは、8〜15質量%である。
5質量%未満及び25質量%を超えると水性液の粘度が急増する。
5質量%未満及び25質量%を超えると水性液の粘度が急増する。
その他に、例えば、少量成分として、メタノール:約0.5%、α−スルホ脂肪酸アルキルエステルジ塩:約3%対(A)成分、芒硝:約2%対(A)成分、メチルサルフェート:約4%対(A)成分などが含まれる。
本発明の水性組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で任意の成分を配合することができる。
たとえば、エタノール、メタノール、イソプロパノール等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール、酸化防止剤、防腐剤、殺菌剤、染料、蛍光剤、着色剤、着香剤などである。
たとえば、エタノール、メタノール、イソプロパノール等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール、酸化防止剤、防腐剤、殺菌剤、染料、蛍光剤、着色剤、着香剤などである。
本発明の水性液は、具体的には、以下のように調製できる。
パーム油をメタノールでエステル交換して得られたパーム油脂肪酸メチルエステルをC14、C16、C18の飽和脂肪酸メチルエステルに分留し、このうち C14/C16=20/80 質量%あるいは C16/C18=80/20、90/10 質量%の割合で混合した飽和脂肪酸メチルエステルを槽型反応器を用いて、窒素で希釈したSO3ガスでスルホン化し、さらに、熟成反応を行い、α-スルホ脂肪酸メチルエステルを得る。
続いて過酸化水素水で漂白を行って得られた漂白酸に、所定の配合量になるようにまず(B)成分、(C)成分、メタノールを加えて混合後に、水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH7に調整する。ここで得られた組成物を濃縮装置を用いてメタノール除去しながら所定濃度まで濃縮する。
パーム油をメタノールでエステル交換して得られたパーム油脂肪酸メチルエステルをC14、C16、C18の飽和脂肪酸メチルエステルに分留し、このうち C14/C16=20/80 質量%あるいは C16/C18=80/20、90/10 質量%の割合で混合した飽和脂肪酸メチルエステルを槽型反応器を用いて、窒素で希釈したSO3ガスでスルホン化し、さらに、熟成反応を行い、α-スルホ脂肪酸メチルエステルを得る。
続いて過酸化水素水で漂白を行って得られた漂白酸に、所定の配合量になるようにまず(B)成分、(C)成分、メタノールを加えて混合後に、水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH7に調整する。ここで得られた組成物を濃縮装置を用いてメタノール除去しながら所定濃度まで濃縮する。
本発明の水性組成物は、衣料用洗浄剤、食器・台所用洗浄剤などの原料として好適に使用されるものであり、その使用方法は、特に制限されず、常法により使用することができる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
(各α-スルホ脂肪酸アルキルエステル塩含有組成物の製造方法、各界面活性剤組成物の調製法)
パーム油をメタノールでエステル交換して得られたパーム油脂肪酸メチルエステルを分留し、C14、C16、C18の飽和脂肪酸メチルエステルを得た。このうち C14/C16=20/80 (質量比)あるいは C1/C18=80/20、90/10 (質量比)で混合した飽和脂肪酸メチルエステル(ライオンオレオケミカル社製)を槽型反応器を用いて、窒素で希釈したSO3ガスで反応モル比(SO3/飽和脂肪酸メチルエステル)=1.2、反応温度80℃の条件にてスルホン化し、スルホン化生成物を得た。
得られたスルホン化生成物を、80〜85℃で30分間熟成反応を行い、スルホン化を完結し、α-スルホ脂肪酸メチルエステルを得た。
続いてα-スルホ脂肪酸メチルエステル100質量部に対してメタノールを20質量部導入した後に、35%過酸化水素水を5.7質量部導入して、そのまま80〜85℃で30分間漂白を行った。
パーム油をメタノールでエステル交換して得られたパーム油脂肪酸メチルエステルを分留し、C14、C16、C18の飽和脂肪酸メチルエステルを得た。このうち C14/C16=20/80 (質量比)あるいは C1/C18=80/20、90/10 (質量比)で混合した飽和脂肪酸メチルエステル(ライオンオレオケミカル社製)を槽型反応器を用いて、窒素で希釈したSO3ガスで反応モル比(SO3/飽和脂肪酸メチルエステル)=1.2、反応温度80℃の条件にてスルホン化し、スルホン化生成物を得た。
得られたスルホン化生成物を、80〜85℃で30分間熟成反応を行い、スルホン化を完結し、α-スルホ脂肪酸メチルエステルを得た。
続いてα-スルホ脂肪酸メチルエステル100質量部に対してメタノールを20質量部導入した後に、35%過酸化水素水を5.7質量部導入して、そのまま80〜85℃で30分間漂白を行った。
このようにして得られた漂白酸に、各々の原料界面活性剤組成となるようにメタノール、ポリエチレングリコール、非イオン界面活性剤を導入し、そして最後に所定濃度の水酸化ナトリウム水溶液を導入、SHIMAZAKI製ジェットアジター(TYPE:SJ)により激しく攪拌してpH7に調整した。得られたα-スルホ脂肪酸メチルエステル塩水性組成物を蒸発皿上で蒸発し、メタノールの除去及び濃縮化を行い、下記表1−4に示す種々の水性組成を調製した。得られた高濃度α-スルホ脂肪酸メチルエステル塩含有組成物の水分量、濃縮物粘度、さらに分離についての評価結果を下記表1−4に示す。
水性液の調製方法
パーム油をメタノールでエステル交換して得られたパーム油脂肪酸メチルエステルを分留し、C14、C16、C18の飽和脂肪酸メチルエステルを得た。このうち C14/C16=20/80 (質量比)あるいは C16/C18=80/20、90/10 (質量比)で混合した飽和脂肪酸メチルエステル(ライオンオレオケミカル社製)を槽型反応器を用いて、窒素で希釈したSO3ガスで反応モル比(SO3/飽和脂肪酸メチルエステル)=1.2、反応温度80℃の条件にてスルホン化し、スルホン化生成物を得た。
得られたスルホン化生成物を、80〜85℃で30分間熟成反応を行い、スルホン化を完結し、α-スルホ脂肪酸メチルエステルを得た。
続いてα-スルホ脂肪酸メチルエステル100質量部に対してメタノールを20質量部導入した後に、35%過酸化水素水を5.7質量部導入して、そのまま80〜85℃で30分間漂白を行った。
このようにして得られた漂白酸に、各々の原料界面活性剤組成となるようにまず非イオン界面活性剤、ポリエチレングリコール、メタノールを導入し、その時点でSHIMAZAKI製ジェットアジター(TYPE:SJ)により激しく攪拌した。そして最後に2質量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液を導入、激しく攪拌してpHが7を超えないようにして最終的にpH7に調整した。室温で24時間静置しておくとpHが下がるので、再度2質量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液でpH7に調整する。ここで得られたα-スルホ脂肪酸メチルエステル塩含有組成物を蒸発皿上で赤外線ランプを用いて蒸発し、メタノールの除去及び所定濃度になるまで濃縮化を行ないα-スルホ脂肪酸アルキルエステル塩水性組成物を得た。
パーム油をメタノールでエステル交換して得られたパーム油脂肪酸メチルエステルを分留し、C14、C16、C18の飽和脂肪酸メチルエステルを得た。このうち C14/C16=20/80 (質量比)あるいは C16/C18=80/20、90/10 (質量比)で混合した飽和脂肪酸メチルエステル(ライオンオレオケミカル社製)を槽型反応器を用いて、窒素で希釈したSO3ガスで反応モル比(SO3/飽和脂肪酸メチルエステル)=1.2、反応温度80℃の条件にてスルホン化し、スルホン化生成物を得た。
得られたスルホン化生成物を、80〜85℃で30分間熟成反応を行い、スルホン化を完結し、α-スルホ脂肪酸メチルエステルを得た。
続いてα-スルホ脂肪酸メチルエステル100質量部に対してメタノールを20質量部導入した後に、35%過酸化水素水を5.7質量部導入して、そのまま80〜85℃で30分間漂白を行った。
このようにして得られた漂白酸に、各々の原料界面活性剤組成となるようにまず非イオン界面活性剤、ポリエチレングリコール、メタノールを導入し、その時点でSHIMAZAKI製ジェットアジター(TYPE:SJ)により激しく攪拌した。そして最後に2質量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液を導入、激しく攪拌してpHが7を超えないようにして最終的にpH7に調整した。室温で24時間静置しておくとpHが下がるので、再度2質量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液でpH7に調整する。ここで得られたα-スルホ脂肪酸メチルエステル塩含有組成物を蒸発皿上で赤外線ランプを用いて蒸発し、メタノールの除去及び所定濃度になるまで濃縮化を行ないα-スルホ脂肪酸アルキルエステル塩水性組成物を得た。
α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩含有量:MB(メチレンブルー)逆滴定法により定量
純分として約0.4gを100mlのビーカーに精秤し、適量の水に加熱溶解し、冷却した後500mlのメスフラスコに移し入れ、水を標線まで加える。この中から5mlをホールピペットで滴定瓶にとり、メチレンブルー指示薬(水約500mlに硫酸12gを徐々に注意して加え、冷却する。これにメチレンブルー 0.03g、無水硫酸ナトリウムを50gを溶解し、水を加えて1lとする)25ml及びクロロホルム(特級)15mlを加え、次に4mM塩化ベンゼトニウム溶液5mlをホールピペットで加えた後、アニオン界面活性剤(2mM LAS-Na溶液)で滴定する。
滴定はその都度栓をして激しく振とうした後静置し、白色板を背景として両層が同一色調となった点を終点とする。同時に空試験を行い、次の式により有効成分(%)を算出する。
有効成分(%)=((B-A)*(1/500)*f*M)/(δ*1000*(5/500))*100
B:空試験の滴定に要したアニオン界面活性剤標準液の量(ml)
A:試料溶液の滴定に要したアニオン界面活性剤液標準液の量(ml)
f:アニオン界面活性剤標準液の力価
M:アニオン界面活性剤の分子量
S:試料(g)
純分として約0.4gを100mlのビーカーに精秤し、適量の水に加熱溶解し、冷却した後500mlのメスフラスコに移し入れ、水を標線まで加える。この中から5mlをホールピペットで滴定瓶にとり、メチレンブルー指示薬(水約500mlに硫酸12gを徐々に注意して加え、冷却する。これにメチレンブルー 0.03g、無水硫酸ナトリウムを50gを溶解し、水を加えて1lとする)25ml及びクロロホルム(特級)15mlを加え、次に4mM塩化ベンゼトニウム溶液5mlをホールピペットで加えた後、アニオン界面活性剤(2mM LAS-Na溶液)で滴定する。
滴定はその都度栓をして激しく振とうした後静置し、白色板を背景として両層が同一色調となった点を終点とする。同時に空試験を行い、次の式により有効成分(%)を算出する。
有効成分(%)=((B-A)*(1/500)*f*M)/(δ*1000*(5/500))*100
B:空試験の滴定に要したアニオン界面活性剤標準液の量(ml)
A:試料溶液の滴定に要したアニオン界面活性剤液標準液の量(ml)
f:アニオン界面活性剤標準液の力価
M:アニオン界面活性剤の分子量
S:試料(g)
水分:HIRANUMA製水分計AQV-7により定量
純水を測定することによりFactorの補正を行った後(98〜102%)、試料を約0.1g精秤し測定する。
純水を測定することによりFactorの補正を行った後(98〜102%)、試料を約0.1g精秤し測定する。
[使用原料]
メタノール:関東化学試薬一級、純度99.5%
過酸化水素:純正化学試薬一級、純度35%
トリエチレングリコール:関東化学試薬
PEG 200:関東化学試薬 ポリエチレングリコール 平均分子量200
PEG 400:関東化学試薬 ポリエチレングリコール 平均分子量400
PEG 600:関東化学試薬 ポリエチレングリコール 平均分子量600
PEG 1000:関東化学試薬 ポリエチレングリコール 平均分子量1000
PEG 1500:関東化学試薬 ポリエチレングリコール 平均分子量1500
レオックスcc-30:ライオン化学株式会社製 ラウリルアルコールEO(平均3モル)付加物
レオックスcc-50:ライオン化学株式会社製 ラウリルアルコールEO(平均5モル)付加物
レオックスcc-70:ライオン化学株式会社製 ラウリルアルコールEO(平均7モル)付加物
レオックスcc-90:ライオン化学株式会社製 ラウリルアルコールEO(平均9モル)付加物
LMAO 90:ライオン化学株式会社製 ラウリルミリスチルアルコールEO(平均15モル)付加物
メタノール:関東化学試薬一級、純度99.5%
過酸化水素:純正化学試薬一級、純度35%
トリエチレングリコール:関東化学試薬
PEG 200:関東化学試薬 ポリエチレングリコール 平均分子量200
PEG 400:関東化学試薬 ポリエチレングリコール 平均分子量400
PEG 600:関東化学試薬 ポリエチレングリコール 平均分子量600
PEG 1000:関東化学試薬 ポリエチレングリコール 平均分子量1000
PEG 1500:関東化学試薬 ポリエチレングリコール 平均分子量1500
レオックスcc-30:ライオン化学株式会社製 ラウリルアルコールEO(平均3モル)付加物
レオックスcc-50:ライオン化学株式会社製 ラウリルアルコールEO(平均5モル)付加物
レオックスcc-70:ライオン化学株式会社製 ラウリルアルコールEO(平均7モル)付加物
レオックスcc-90:ライオン化学株式会社製 ラウリルアルコールEO(平均9モル)付加物
LMAO 90:ライオン化学株式会社製 ラウリルミリスチルアルコールEO(平均15モル)付加物
製造性評価基準:
60℃における粘度 10 Pa・s 未満 : ◎流動非常に良好
10〜20 Pa・s : ○ 流動好
20 Pa・s超え〜30 Pa・s : △ 流動やや良好
30 Pa・s 超える: × 流動不良
TOKI SANGYO製、BH型粘度計で20rpm、測定時間1分、ローターNo6 を使用して粘度を測定
60℃における粘度 10 Pa・s 未満 : ◎流動非常に良好
10〜20 Pa・s : ○ 流動好
20 Pa・s超え〜30 Pa・s : △ 流動やや良好
30 Pa・s 超える: × 流動不良
TOKI SANGYO製、BH型粘度計で20rpm、測定時間1分、ローターNo6 を使用して粘度を測定
分離評価基準:
コクサン製遠心機(型式H-175)で80℃、
3000 rpmで5分間遠心後、目視確認 分離なし : ◎
3000 rpmで5分間遠心後、目視確認 分離あり、
2000 rpmで5分間遠心後、目視確認 分離なし : ○
2000 rpmで5分間遠心後、目視確認 分離あり、
1000 rpmで5分間遠心後、目視確認 分離なし : △
1000 rpmで5分間遠心後、目視確認 分離あり : ×
コクサン製遠心機(型式H-175)で80℃、
3000 rpmで5分間遠心後、目視確認 分離なし : ◎
3000 rpmで5分間遠心後、目視確認 分離あり、
2000 rpmで5分間遠心後、目視確認 分離なし : ○
2000 rpmで5分間遠心後、目視確認 分離あり、
1000 rpmで5分間遠心後、目視確認 分離なし : △
1000 rpmで5分間遠心後、目視確認 分離あり : ×
A成分の含量は、比較例4のように70質量%を超える含量では、水性液の粘度が急増し、流動不良となる。
B成分は、(A)成分に対して35質量%を超えて配合すると、比較例8のように、分離抑制効果が不十分になり、一方、10質量%未満では比較例4のように高粘度となる。
C成分は、比較例7に示すように、EO1モル品は流動性が良好で、分離安定性も優れるのだが、臭気に問題がある。そのため衣料用洗浄剤、食器・台所用洗浄剤などの原料として使用するには不適である。一方、比較例6のように10モルを超えると分離抑制効果が不十分になる。
また、C成分は、平均分子量が1000を越えると、比較例5のように、流動性が低下する。
また、配合量が(A)成分に対して0.25質量%未満では比較例2のように、流動性が低下し、35質量%を超えると比較例9のように、分離しやすくなる。
水の含有量は、好ましくは5〜25質量%で、実施例15、16のように、それぞれ、5質量%未満及び25質量%を超えると水性液の粘度が増大する。
B成分は、(A)成分に対して35質量%を超えて配合すると、比較例8のように、分離抑制効果が不十分になり、一方、10質量%未満では比較例4のように高粘度となる。
C成分は、比較例7に示すように、EO1モル品は流動性が良好で、分離安定性も優れるのだが、臭気に問題がある。そのため衣料用洗浄剤、食器・台所用洗浄剤などの原料として使用するには不適である。一方、比較例6のように10モルを超えると分離抑制効果が不十分になる。
また、C成分は、平均分子量が1000を越えると、比較例5のように、流動性が低下する。
また、配合量が(A)成分に対して0.25質量%未満では比較例2のように、流動性が低下し、35質量%を超えると比較例9のように、分離しやすくなる。
水の含有量は、好ましくは5〜25質量%で、実施例15、16のように、それぞれ、5質量%未満及び25質量%を超えると水性液の粘度が増大する。
Claims (3)
- α-スルホ脂肪酸アルキルエステル塩(A)を60〜70質量%含有する水性液に、アルキレンオキサイド平均付加モル数2〜10モルのポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B)と平均分子量1000以下のポリエチレングリコール(C)を含有させることを特徴とするα-スルホ脂肪酸アルキルエステル塩水性液の分離抑制方法。
- α-スルホ脂肪酸アルキルエステル塩(A)が60〜70質量%、アルキレンオキサイド平均付加モル数2〜10モルのポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B)をα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩に対して 10〜35質量%、平均分子量1000以下 のポリエチレングリコール(C)をα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩に対して 0.25〜35質量%含有するアニオン界面活性剤組成物。
- 上記(B)成分のアルキレンオキサイドが炭素数2〜3アルキレンであり、上記(C)成分が平均分子量1000以下であり、α-スルホ脂肪酸アルキルエステル塩に対して5〜35質量%含有する請求項2に記載のアニオン界面活性剤組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007325342A JP2009144106A (ja) | 2007-12-18 | 2007-12-18 | α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩水性液の分離抑制方法及びアニオン界面活性剤組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007325342A JP2009144106A (ja) | 2007-12-18 | 2007-12-18 | α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩水性液の分離抑制方法及びアニオン界面活性剤組成物 |
Publications (1)
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JP2007325342A Pending JP2009144106A (ja) | 2007-12-18 | 2007-12-18 | α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩水性液の分離抑制方法及びアニオン界面活性剤組成物 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2009144106A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011046170A1 (ja) * | 2009-10-15 | 2011-04-21 | ライオン株式会社 | 液体洗浄剤組成物 |
JP2011137056A (ja) * | 2009-12-25 | 2011-07-14 | Kao Corp | 界面活性剤組成物 |
JP2013194118A (ja) * | 2012-03-19 | 2013-09-30 | Kao Corp | 界面活性剤混合物の製造方法 |
-
2007
- 2007-12-18 JP JP2007325342A patent/JP2009144106A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011046170A1 (ja) * | 2009-10-15 | 2011-04-21 | ライオン株式会社 | 液体洗浄剤組成物 |
JP5613677B2 (ja) * | 2009-10-15 | 2014-10-29 | ライオン株式会社 | 液体洗浄剤組成物 |
KR101791707B1 (ko) * | 2009-10-15 | 2017-10-30 | 라이온 가부시키가이샤 | 액체 세정제 조성물 |
JP2011137056A (ja) * | 2009-12-25 | 2011-07-14 | Kao Corp | 界面活性剤組成物 |
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