JP2011137056A - 界面活性剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】洗浄力及び低温でのハンドリング性に優れたアミンオキシドを含む界面活性剤組成物を提供する。
【解決手段】〔1〕下記一般式(1)で表されるアミンオキシド(A)45〜85質量%、分子量400以下のポリエチレングリコール(B)2〜15質量%、及び水(C)を含有する界面活性剤組成物、〔2〕その界面活性剤組成物の製造方法、〔3〕アミンオキシド粉末又は造粒物の製造方法、及び〔4〕アミンオキシド粉末又は顆粒を含有する自動食器洗浄機用洗浄剤組成物である。
Figure 2011137056

(式中、R1は炭素数3〜8のアルキル基又はアルケニル基を示し、R2及びR3は、それぞれ独立に水素原子、又は炭素数1〜3のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基を示し、R4は炭素数2〜3のアルカンジイル基を示し、Xは−CONH−又は−O−を示し、nは0又は1である。)
【選択図】なし

Description

本発明は、洗浄力及びハンドリング性に優れた界面活性剤組成物に関する。
近年、様々な洗浄基剤の界面活性剤として短鎖のアミンオキシドが用いられている。
例えば、特許文献1には、(a)アミンオキシド、(b)カルボン酸モノマー単位と酸無水物モノマー単位の1種以上を有する構成単位と炭素数3〜10の脂肪族炭化水素モノマー構成単位とを含有する高分子化合物、及び(c)アルカリ剤及び金属イオン封鎖剤から選ばれる1種以上を含有する自動食器洗浄機用洗浄剤組成物が開示されている。
特許文献2には、(A)アルキルアミンオキシド等の界面活性剤1〜10重量%、(B)有機電解質高分子重合体5〜15重量%、及び(C)プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等の水溶性溶剤0.8〜5重量%等を含有する自動食器洗浄機用洗浄助剤組成物が開示されている。
自動食器洗浄機用洗浄剤組成物の一洗浄基剤としてアミンオキシドを配合する場合、その他の成分を配合可能にして洗浄剤組成物としての配合の自由度を広げる観点から、高濃度のアミンオキシドを用いることが必要となるが、一方で、アミンオキシドが45質量%以上では急激に粘度が上昇し、ハンドリング性が悪化する。しかし、これらの従来技術では、高濃度のアミンオキシドの低温でのハンドリング性についてなんら検討されていない。
特開2009−127018号公報 特開平11−117000号公報
本発明は、洗浄力及び低温でのハンドリング性に優れたアミンオキシドを含む界面活性剤組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、アミンオキシドに低分子量のポリエチレングリコールを少量配合することにより、上記課題を解決しうることを見出した。
すなわち、本発明は、次の〔1〕〜〔6〕を提供する。
〔1〕下記一般式(1)で表されるアミンオキシド(A)45〜85質量%、分子量400以下のポリエチレングリコール(B)2〜15質量%、及び水(C)を含有する界面活性剤組成物。
Figure 2011137056
(式中、R1は炭素数3〜8のアルキル基又はアルケニル基を示し、R2及びR3は、それぞれ独立に水素原子、又は炭素数1〜3のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基を示し、R4は炭素数2〜3のアルカンジイル基を示し、Xは−CONH−又は−O−を示し、nは0又は1である。)
〔2〕前記一般式(1)で表されるアミンオキシド(A)を10〜60質量%含有する水溶液又は懸濁液と、分子量400以下のポリエチレングリコール(B)を混合した後、水分を除去する、前記〔1〕の界面活性剤組成物の製造方法。
〔3〕前記一般式(1)で表されるアミンオキシド(A)を10〜60質量%含有する水溶液又は懸濁液の水分を除去した後、分子量400以下のポリエチレングリコール(B)と混合する、前記〔1〕の界面活性剤組成物の製造方法。
〔4〕前記〔1〕の界面活性剤組成物と、少なくともアルカリ性無機粉体を含む粉体原料とを混合又は造粒する、アミンオキシド粉末又は顆粒の製造方法。
〔5〕前記〔2〕又は〔3〕の製造方法で得られる界面活性剤組成物と、少なくともアルカリ性無機粉体を含む粉体原料とを混合又は造粒する、アミンオキシド粉末又は顆粒の製造方法。
〔6〕前記〔4〕又は〔5〕の製造方法により得られるアミンオキシド粉末又は顆粒を10〜80質量%含有する自動食器洗浄機用洗浄剤組成物。
本発明によれば、洗浄力及び低温でのハンドリング性に優れたアミンオキシドを含む界面活性剤組成物を提供することができる。この界面活性剤組成物は、特に自動食器洗浄機洗浄剤組成物として有効である。
本発明の界面活性剤組成物の1態様におけるアミンオキシドの含有量と粘度の関係を示すグラフである。
<界面活性剤組成物>
本発明の界面活性剤組成物は、前記一般式(1)で表されるアミンオキシド(A)45〜85質量%、分子量400以下のポリエチレングリコール(B)2〜15質量%、及び水(C)を含有することを特徴とする。
〔一般式(1)で表されるアミンオキシド(A)〕
本発明で用いられるアミンオキシドは、下記一般式(1)で表される。
Figure 2011137056
(式中、R1は炭素数3〜8のアルキル基又はアルケニル基を示し、R2及びR3は、それぞれ独立に水素原子、又は炭素数1〜3のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基を示し、R4は炭素数2〜3のアルカンジイル基を示し、Xは−CONH−又は−O−を示し、nは0又は1である。)
一般式(1)で表されるアミンオキシドは、nが0とnが1の混合物であってもよい。
従来、長鎖アルキル基を有するアミンオキシドが自動食器洗浄機用の洗浄剤成分として知られているが、本発明においては、R1であるアルキル基又はアルケニル基の炭素数を3〜8、好ましくは6〜8とすることで、泡立ちを抑制し、優れた洗浄力を発揮させ、自動食器洗浄機等で好適に使用することができる。R1であるアルキル基又はアルケニル基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。
一般式(1)中のR1〜R4の炭素数の合計は、水への溶解性及び洗浄性能の観点から、12以下であることが好ましい。特に、自動食器洗浄機用洗浄剤組成物に配合する場合は、一般式(1)中のR1〜R4の炭素数の合計が12以下であると、水への溶解性が良好で、食器表面での洗浄液の濡れ拡がり性を阻害せず、重なり合う皿の隙間にまで有効成分が到達し易くなり、結果的に良好な固着汚れ除去能が得られるという観点から好ましい。
一般式(1)において、n=0の場合のアミンオキシドの好適例としては、オクチルジメチルアミンオキシド、オクチルジエチルアミンオキシド、2−エチルヘキシルジメチルアミンオキシド、2−エチルヘキシルジエチルアミンオキシド、ヘキシルジメチルアミンオキシド、ヘキシルジエチルアミンオキシド、ブチルジメチルアミンオキシド、ブチルジエチルアミンオキシド等が挙げられる。
また、一般式(1)において、n=1の場合のアミンオキシドの好適例としては、ブチルアミドプロピルジメチルアミンオキシド等が挙げられる。
これらの中では、オクチルジメチルアミンオキシド、2−エチルヘキシルジメチルアミンオキシド、ヘキシルジメチルアミンオキシドがより好ましい。
〔分子量400以下のポリエチレングリコール(B)〕
本発明で用いられるポリエチレングリコール(B)は、低温でのハンドリング性向上の観点から、分子量が400以下が好ましく、300以下がより好ましく、200以下が更に好ましい。
〔界面活性剤組成物中の(A)、(B)成分の含有量〕
界面活性剤組成物中のアミンオキシド(A)の含有量は、45〜85質量%である。
例えば、一般式(1)において、n=0で、R1の炭素数が8の場合、この量が45質量%未満ではそもそも粘度が低く、課題とするハンドリング性に問題がない。一方、アミンオキシドが45質量%以上、更には50質量%以上、更には51質量%以上、更には52質量%以上、更には53質量%以上になるように水分を除去し、高濃度化を図ると急激に粘度が上昇するため、ポリエチレングリコール(B)を配合することが必要になる。
また、例えば自動食器洗浄機用洗浄剤組成物の一洗浄基剤としてアミンオキシド(A)を配合する場合は、その他の成分を配合可能にして洗浄剤組成物としての配合の自由度を広げる観点から、アミンオキシド(A)の含有量は60質量%以上が好ましく、65質量%以上がより好ましく、70質量%以上が更に好ましい。
一方、アミンオキシド(A)の含有量が85質量%を超えると、ポリエチレングリコール(B)を配合してもハンドリング性が著しく低下する。なかでも、生産性及び設備負荷の観点から、85質量%以下が好ましく、80質量%以下がより好ましい。
また、図1に、シグマアルドリッチジャパン株式会社製、ポリエチレングリコール(商品名:PEG200、重量平均分子量(Mw):200)を9質量%含有する界面活性剤組成物を用いて、横軸にアミンオキシドの含有量、縦軸に剪断速度が10[1/s]の時の粘度をとったグラフを示す。
図1から、30℃での界面活性剤組成物の粘度挙動としては、二山構造をとることを見出した。界面活性剤組成物の粘度は、ハンドリング時の50〜60℃においては、より低粘度であり、粉末化又は顆粒化後の温度域(30℃前後)においては、より高粘度となり液成分のしみだしによる固化を抑制できる領域が好ましい。
また、界面活性剤組成物中のポリエチレングリコール(B)の含有量は、2〜15質量%である。この量が2質量%未満では、ハンドリング性に乏しく、また15質量%を超えて配合しても、ハンドリング性の向上効果は頭打ちとなる上、配合の自由度が低下する等の問題が生じる。そのため、ポリエチレングリコール(B)の含有量は、ハンドリング性向上の観点から、3〜14質量%が好ましく、5〜13質量%がより好ましい。
水(C)の含有量は、界面活性剤組成物の全量から、アミンオキシド(A)とポリエチレングリコール(B)の量を差し引いた残余の量であり、界面活性剤組成物を調製する際に水溶液等の形態で各成分から持ち込まれる水や、単独で加えられる水の総和である。
本発明における界面活性剤組成物の粘度は、ハンドリング性向上の観点から50〜60℃において、200mPa・s以下が好ましく、150mPa・s以下がより好ましく、100mPa・s以下が特に好ましい。
一方、粉末化、又は顆粒化後のエージングの観点からは、30℃前後において顆粒化後のしみだしによる固化抑制の観点から1000mPa・s以上が好ましく、3000mPa・s以上がより好ましく、5000mPa・s以上がより好ましい。
<界面活性剤組成物の製造方法>
本発明の界面活性剤組成物の製造方法に特に制限はないが、次の(1)又は(2)の方法によれば効率的に製造することができる。
(1)アミンオキシド(A)を10〜60質量%含有する水溶液又は懸濁液と、ポリエチレングリコール(B)を混合した後、水分を除去する方法。
(2)アミンオキシド(A)を10〜60質量%含有する水溶液又は懸濁液の水分を除去した後、ポリエチレングリコール(B)と混合する方法。
アミンオキシド水溶液又は懸濁液の水分を除去する方法に特に制限はなく、例えば加熱により水分を除去する方法、減圧下で水分を除去する方法、通風条件下で水分を除去する方法等が挙げられる。
例えば、薄膜乾燥法、フラッシュ乾燥法、噴霧乾燥法等を採用することができる。これらの中でも、アミンオキシド(A)の分解、変質を抑制する観点から、熱履歴を少なくすることが望ましく、薄膜乾燥法を用いることが好ましい。
薄膜乾燥法に用いる薄膜乾燥機に特に制限はない。例えば円錐型の蒸発管を高速で回転させ、円錐内部に溶液を供給し、遠心力を利用して円錐状の蒸発管に薄い液膜を形成させ、効率的に濃縮する薄膜乾燥機が挙げられる。このタイプの薄膜乾燥機としては株式会社大川原製作所製の商品名:エバポール等が挙げられる。
また、外面に加熱手段、上部に液供給口と蒸気抜出口、下部に残渣排出口を有し、主体部が円筒状の乾燥器本体と、その内部に設置されている回転軸と、この回転軸に取り付けられていて乾燥器本体の内壁面に沿って周方向に移動する攪拌翼やワイパーが設置されており、内壁面に供給液の薄膜を形成して蒸発、乾燥させるようになっている公知の縦型薄膜乾燥機が挙げられる。この代表例としては、スミス式薄膜乾燥機やLuwa薄膜乾燥機等が挙げられる。また、市販の薄膜乾燥機としては、関西化学機械製作株式会社製の商品名:Hi−Uブラッシャー等が挙げられる。
ポリエチレングリコール(B)の混合は、水分を除去する工程の前後いずれであってもよいが、乾燥機内にアミンオキシド(A)が付着するのを抑制する観点から、水分を除去する前にポリエチレングリコール(B)を添加する方が好ましい。すなわち、前記(1)アミンオキシド(A)を10〜60質量%含有する水溶液又は懸濁液と、ポリエチレングリコール(B)を混合した後、水分を除去する方法がより好ましい。
また、水分を除去する際の温度は、アミンオキシド(A)の熱安定性や変色の観点から、125℃以下が好ましく、120℃以下がより好ましく、110℃以下が更に好ましく、90℃以下が特に好ましい。
<アミンオキシド粉末又は顆粒>
本発明の界面活性剤組成物は、少なくともアルカリ性無機塩を含む粉体原料と混合、造粒することにより、自動食器洗浄機用洗浄剤として好適に用いることができるアミンオキシド粉末又は顆粒を得ることができる。混合するアルカリ性無機塩は、特に制限されず、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等を用いることができる。
なお、本発明において、「粉末」とは、常温で固体の粒子状である形態を意味し、通常、平均粒径が0.1μm以上300μm未満の粒子状であることを意味する。また「顆粒」とは、常温で固体の顆粒状である形態を意味し、通常、平均粒径が0.3〜10mmの粒子状、又は直径0.3〜10mm、長さ0.3〜10mmのペレット状等であることを意味する。粒子状又は顆粒の形状は特に限定されず、球形、不定形、円筒形等のいずれであってもよい。
本発明のアミンオキシド粉末又は顆粒の製造方法においては、前記アルカリ性無機粉体の他に、通常の洗浄剤に用いることのできるその他の任意成分を配合することができる。
その他の任意成分としては、高分子化合物、消泡剤、増量剤又は希釈剤、表面改質剤、カルシウム塩や蟻酸等の酵素安定化剤、香料、防菌・防黴剤、色素等が挙げられる。
高分子化合物としては、ジイソブチレン/マレイン酸共重合体の粉末等が挙げられる。
消泡剤としては、質量平均分子量が好ましくは600〜20、000、より好ましくは2、000〜12、000のポリプロピレングリコールが消泡効果の点で好ましい。ポリプロピレングリコールの質量平均分子量は、ダイナミック光散乱光度計(DLS−8000シリーズ、大塚電子株式会社製等)等を用いて、光散乱法により測定することができる。
増量剤又は希釈剤としては、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム等の硫酸塩等が挙げられる。増量剤又は希釈剤を配合すれば、各成分を希釈し、適度な濃度に分散させることで、使用に適した量に設計することができ、また、各成分の安定性を保持させるためにも有効である。
表面改質剤としては、ベントナイト、ゼオライト等が挙げられる。また、吸油性粉体の1種である非晶質シリカ(株式会社トクヤマ製、商品名:トクシール等)も表面改質剤として用いることができる。
本発明のアミンオキシド粉末又は顆粒の造粒方法としては、攪拌造粒法、押出造粒法、転動造粒法、真空転動造粒法、解砕造粒法、流動層造粒法、噴霧造粒法、破砕造粒法等が挙げられるが、攪拌造粒法、転動造粒法、及び真空転動造粒法がより好ましく、これら造粒方法に好適な機器としては、例えば、混合性や設置面積の観点から、ナウターミキサー、ハイスピードミキサー等が挙げられる。
本発明の方法により製造されたアミンオキシド粉末又は顆粒は、洗浄剤組成物の配合成分として有用であり、これを配合した洗浄剤組成物は、食器用、衣料用、住居用等の洗浄剤として好適に使用することができ、特に自動食器洗浄機用洗浄剤組成物として好適である。
<自動食器洗浄機用洗浄剤組成物>
本発明で得られた界面活性剤組成物を用いて得られたアミンオキシド粉末又は顆粒は、その他、洗浄基剤と混合することにより、自動食器洗浄機用洗浄剤組成物として好適に用いることができる。
その他洗浄基剤としては、アルカリ剤及び/又は金属イオン封鎖剤等が挙げられる。
アルカリ剤は特に制限されず、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属珪酸塩、結晶性層状珪酸ナトリウム(株式会社トクヤマシルテック製、商品名:プリフィード)等が挙げられ、非晶質のものを用いることができる。アルカリ剤は粉末のものが好ましいが、造粒処理等により粒子径や嵩密度を調製したものであってもよい。これらの中では、アルカリ金属炭酸塩が好ましく、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムがより好ましい。
また、アルカリ剤として、アミン化合物も使用することができる。アミン化合物としては、アルカノールアミンが好ましく、1級のアルカノールアミンがより好ましく、モノエタノールアミンがより好ましい。
金属イオン封鎖剤も特に制限されず、トリポリリン酸ナトリウム等のリン酸塩等が好ましく挙げられる。無リンの洗浄剤とする場合は、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、琥珀酸、L−グルタミン酸二酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、エチレンジアミン二琥珀酸、ニトリロ三酢酸、メチルグリシン三酢酸、1、3−プロパンジアミン三酢酸、1、3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラアミン六酢酸、ジヒドロキシエチルグリシン、ヒドロキシエチルエチレンジアミンジカルボキシメチルグルタミン酸等のポリカルボン酸又はその塩が用いられる。
これらの中では、クエン酸、コハク酸、エチレンジアミン四酢酸、ジヒドロキシエチルグリシン、及びヒドロキシエチルエチレンジアミンジカルボキシメチルグルタミン、並びにそれらのアルカリ金属塩が好ましい。
本発明の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物には、漂白剤、漂白活性化剤、酵素、高分子重合体等の公知の洗浄補助成分を配合することができる。
漂白剤としては、溶解することで過酸化水素又は過酸種を生成する固体物質が好ましく、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウムの粒状物等が挙げられ、漂白活性化剤としては、テトラアセチルエチレンジアミン、アルカノイルオキシベンゼンカルボン酸又はその塩、アルカノイルオキシベンゼンスルホン酸塩等が挙げられる。
酵素としては、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、エステラーゼ、ペルオキシダーゼ等の粒状化したもの等が挙げられる。アミラーゼは糊化したでんぷんへの作用があり、プロテアーゼは変性蛋白等に対する作用があるため好ましい。
高分子重合体としては、アミンオキシド粉末又は顆粒の欄で説明したジイソブチレン/マレイン酸共重合体の粉末等の他、ポリアルキレングリコール、特にはポリプロピレングリコール、陽イオン性基を有するモノマー構成単位と陰イオン性基を有するモノマー構成単位を含有する両性高分子重合体、架橋ポリアクリル酸等が挙げられる。これらの中では、洗浄効果及び低泡性の観点から、重量平均分子量(Mw)が600〜20000、好ましくは2000〜12000のポリプロピレングリコールが好ましい。
その他、増量剤又は希釈剤、グリセリンやエタノール等の有機溶剤、カルシウム塩や蟻酸等の酵素安定化剤、香料、防菌・防黴剤、色素等を配合することができる。
以下の実施例、比較例において、特記しない限り「%」は「質量%」を意味する。
なお、界面活性剤組成物の粘度と水分、得られた粉末又は顆粒の破壊荷重、平均粒径は、以下の方法により測定した。
(1)界面活性剤組成物の粘度
レオメーター(フィジカ社製 、MCR300、φ50mmコーンプレート使用、剪断速度10[1/s])を用いて測定した。
(2)界面活性剤組成物の水分
JIS K 0068に規定されたカールフィッシャー法で測定した。
粉末又は顆粒の水分は赤外線水分計法により行う。即ち、試料3gを重量既知の試料皿にはかり採り、赤外線水分計(ケット科学研究所株式会社製、FD−240)を用いて80℃で加熱し、30秒間重量変化がなくなった時点を乾燥終了とした。そして、乾燥後の重量と乾燥前重量から水分量を算出した。
(3)破壊荷重
レオメーター(株式会社レオテック製FUDOHレオメーターRT-2200ND・D-CW)に直径30mmのアダプタを取り付け、金属製の筒状容器にアミンオキシド粉末、又は顆粒30gをセットし、25℃で1kg/cm2(9800mN)の荷重を3分間かけ、圧縮する。次に圧縮によって成型されたアミンオキシド粉末又は顆粒を容器から取り出し、昇台速度を2cm/minに合わせて台を上昇させ、成型体に力を加えて成型体が壊れる時の力を測定し、この値を破壊荷重とした。
(4)平均粒径
JIS K 8801の標準篩(目開き2000〜125μm)を用いて5分間振動させた後、篩目のサイズによる重量分率からメジアン径を算出した。
実施例1〜2、及び比較例1〜4
50%アミンオキシド水溶液をスミス式薄膜乾燥機(伝熱面積約0.04m2、ヒーター温度:120℃、機内圧力7kPa)を用いて水分18%まで脱水し、表1に示す添加剤をそれぞれを5%添加し 表1に示す実施例1〜2及び、比較例1〜4の界面活性剤組成物を調製し、50℃での粘度測定を行った。結果を表1に示す。
なお、表中の各成分の詳細は以下のとおりである。
・アミンオキシド:オクチルジメチルアミンオキシド〔CH3−(CH27−N(CH32→O〕、有効分50%の水溶液。
・PEG200:シグマアルドリッチジャパン株式会社製、商品名、ポリエチレングリコール(Mw:200)
・PEG400:シグマアルドリッチジャパン株式会社製、商品名、ポリエチレングリコール(Mw:400)
・PPG400:和光純薬工業株式会社製、商品名、ポリプロピレングリコール(Mw:400)
・デキストリン:松谷化学株式会社製、商品名「パインフローKH」
・ポリオキシエチレンラウリルエーテル:花王株式会社製、商品名「エマルゲン106」
Figure 2011137056
表1から、分子量400以下のポリエチレングリコール(B)を含有させると、顕著な減粘効果が得られ、ハンドリング性が向上することが分かる。
実施例3〜8、及び比較例5〜8
実施例1と同様の方法で、表2示す実施例3〜8、及び比較例5〜8の界面活性剤組成物を調製し、60℃での粘度測定を行った。結果を表2に示す。
Figure 2011137056
表2の実施例3〜4と比較例5〜6の対比から、ポリエチレングリコール(B)を含有させると、顕著な減粘効果が得られ、ハンドリング性が向上することが分かる。
また、実施例5〜8と比較例7〜8の対比から、ポリエチレングリコール(B)を2〜15質量%含有させると、顕著な減粘効果が得られ、ハンドリング性が向上することが分かる。
実施例9
実施例1と同様の方法で、50%アミンオキシド水溶液にPEG200を3%添加し、混合液をスミス式薄膜乾燥機を用いて脱水した。得られた界面活性剤組成物の組成は、アミンオキシドが78%、PEG200が5%、水が17%であり、その粘度は60℃で106mPa・s、色はほとんど透明であった。
実施例10
実施例1と同様の方法で、50%アミンオキシド水溶液をスミス式薄膜乾燥機を用いて水分15%まで脱水した。脱水品の60℃での粘度は、5000mPa・sであった。
脱水品にイオン交換水を添加し、水分を18%に調整した後に、PEG200を5%添加した。得られた界面活性剤組成物の組成は、アミンオキシドが78%、PEG200が5%、水が17%であり、その粘度は60℃で78mPa・s、色はほとんど透明であった。
実施例11
50%アミンオキシド水溶液にPEG200を6%添加し、混合液を薄膜乾燥機(Hi−Uブラッシャー、関西化学機械製作株式会社製、伝熱面積約0.3m2、熱媒温度:125℃、機内圧力7kPa)を用いて脱水した。得られた界面活性剤組成物の組成は、アミンオキシドが77%、PEG200が9%、水が13%であった。また、その粘度は60℃で58mPa・sであり、低粘度のものは得られたが、界面活性剤組成物に多少変色がみられた。
実施例12
50%アミンオキシド水溶液にPEG200を6%添加し、混合液を薄膜乾燥機(エバポール CEP-5S型、株式会社大川原製作所製、伝熱面積約0.4m2、熱媒温度:80℃、機内圧力12kPa)を用いて脱水した。得られた界面活性剤組成物の組成は、アミンオキシドが66%、PEG200が8%、水が26%であり、その粘度は60℃で43mPa・sであり、色は透明であった。また、脱水速度は92kg/(hr・m2)であった。
比較例9
50%アミンオキシド水溶液を伝熱面積約0.04m2、熱媒温度:80℃、機内圧力36kPaの条件で、1Lフラスコとマントルヒーターを用いて脱水した。得られた界面活性剤組成物の組成は、アミンオキシドが74%、水が26%であり、その粘度は60℃で4200mPa・sであり、色は透明であった。また、脱水速度は4kg/(hr・m2)と低速であった。
実施例13(自動食器洗浄機用洗浄剤組成物の調製)
PEG200の添加を3%、熱媒温度を115℃にした以外は実施例12と同様の条件で脱水した。得られた界面活性剤組成物の組成は、アミンオキシドが78%、PEG200が5%、水が17%であり、その粘度は60℃で54mPa・s、30℃で3691mPa・sであり、色は透明であった。
アルカリ性の無機粉体である炭酸ナトリウム63%と、ジイソブチレン/マレイン酸共重合体の粉末(ロームアンドハース社製、ACUSOL460ND、ジイソブチレン/マレイン酸(モル比)=50/50、質量平均分子量15、000、有効分84%)16%とを、ナウターミキサー(ホソカワミクロン株式会社製)に仕込み、ジャケットなし(30℃)、主軸回転数4rpm、スクリュー回転数110rpmの条件で、1分間混合した。そこに、60℃に昇温した、調整した界面活性剤組成物:9%と、PPG10000:5%とを添加しながら、上記と同じ条件で混合、造粒を行った。造粒後、非晶質シリカ:7%添加し、5分間上記と同じ条件で混合してアミンオキシド顆粒を得た。得られたアミンオキシド顆粒は、破壊荷重の高い、付着性に優れたものであった。エージングすると破壊荷重が低下し、自動食器洗浄機用洗浄剤組成物に好適に配合される安定的なものとなった。
実施例14(自動食器洗浄機用洗浄剤組成物の調製)
熱媒温度を115℃にした以外は実施例12と同様の条件で脱水した。得られた組成物の組成は、アミンオキシドが72%と高濃度であり、PEG200が9%、水が19%であった。また、その粘度は60℃で50mPa・s、30℃で8552mPa・sであり、色は透明であった。
アルカリ性の無機粉体である炭酸ナトリウム(セントラル硝子株式会社社製、デンス灰)63%と、前記ジイソブチレン/マレイン酸共重合体の粉末16%とを、ナウターミキサー(ホソカワミクロン株式会社製)に仕込み、ジャケットなし(30℃)、主軸回転数4rpm、スクリュー回転数110rpmの条件で、1分間混合した。そこに、60℃に昇温した、調整した界面活性剤組成物:9%と、PPG10000:5%とを添加しながら、上記と同じ条件で混合、造粒を行った。造粒後、非晶質シリカ:7%添加し、5分間上記と同じ条件で混合してアミンオキシド顆粒を得た。
得られたアミンオキシド顆粒は、破壊荷重が初期から低く、エージングする必要のない、また、自動食器洗浄機用洗浄剤組成物に好適に配合される安定的なものが得られた。
実施例15(自動食器洗浄機用洗浄剤組成物の調製)
熱媒温度を115℃にした以外は実施例12と同様の条件で脱水した。得られた組成物の組成は、アミンオキシドが54%、PEG200が6%、水が40%であった。また、その粘度は60℃で38mPa・s、30℃で20790mPa・sであり、色は透明であった。
アルカリ性の無機粉体である炭酸ナトリウム(セントラル硝子株式会社社製、デンス灰)59%と、前記ジイソブチレン/マレイン酸共重合体の粉末16%とを、ナウターミキサー(ホソカワミクロン株式会社製)に仕込み、ジャケットなし(30℃)、主軸回転数4rpm、スクリュー回転数110rpmの条件で、1分間混合した。そこに、60℃に昇温した、調整した界面活性剤組成物:13%と、PPG10000:5%とを添加しながら、上記と同じ条件で混合、造粒を行った。造粒後、非晶質シリカ:7%添加し、5分間上記と同じ条件で混合してアミンオキシド顆粒を得た。
得られたアミンオキシド顆粒は、破壊荷重が初期から低く、エージングする必要のない、自動食器洗浄機用洗浄剤組成物に好適に配合される安定的なものが得られた。
比較例10(自動食器洗浄機用洗浄剤組成物の調製)
アルカリ性の無機粉体である炭酸ナトリウム59%と、前記ジイソブチレン/マレイン酸共重合体の粉末16%とを、ナウターミキサーに仕込み、主軸回転数4rpm、スクリュー回転数110rpmの条件で、1分間混合した。次に、界面活性剤組成物中にアミンオキシドが75質量%、水が25質量%の界面活性剤組成物:40%と、ポリプロピレングリコール:5%とを添加しながら、上記と同じ条件で混合、造粒を行った。造粒後、非晶質シリカを7%添加し、5分間上記と同じ条件混合したが、塊状となり、粉末化しなかった。
Figure 2011137056
表3から、実施例13〜15の界面活性剤組成物は60℃における粘度が低く、30℃における粘度が高いため造粒が容易であり、粉末化又は顆粒化後の破壊荷重も実用上好適な範囲であることが分かる。
これは比較例10に比べて実施例13〜15の粘度比(30℃粘度÷60℃粘度)が極めて大きいことからも分かる。
実施例16(自動食器洗浄機用洗浄剤組成物の調製)
実施例15で得られたアミンオキシド粉末又は顆粒を61%用いて、アミンオキシド造粒物61%、シリケート(結晶性珪酸塩、株式会社トクヤマシルテック製、プリフィード)6%、クエン酸10%、過炭酸ナトリウム(メタホウ酸ナトリウムで表面を被覆した過炭酸ナトリウム、平均粒径700μm)20%、アミラーゼ(ノボノルディスクバイオインダストリー株式会社製、デュラミル120T、平均粒径600μm)1%、プロテアーゼ(ノボノルディスクバイオインダストリー株式会社製、サビナーゼ18.0T、平均粒径600μm)2%を含有する組成物を、ナウターミキサー中で主軸回転数4rpm、スクリュー回転数110rpmの条件で混合して自動食器洗浄機用洗浄剤組成物を得た。
得られた洗浄剤組成物は汚れへ自発的に濡れ広がり、こびり付いた汚れを膨潤させ、優れた洗浄力であった。また、自動食器洗浄機内への再付着防止も優れており、自動食器洗浄機用洗浄剤として好適に用いることができた。

Claims (8)

  1. 下記一般式(1)で表されるアミンオキシド(A)45〜85質量%、分子量400以下のポリエチレングリコール(B)2〜15質量%、及び水(C)を含有する界面活性剤組成物。
    Figure 2011137056
    (式中、R1は炭素数3〜8のアルキル基又はアルケニル基を示し、R2及びR3は、それぞれ独立に水素原子、又は炭素数1〜3のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基を示し、R4は炭素数2〜3のアルカンジイル基を示し、Xは−CONH−又は−O−を示し、nは0又は1である。)
  2. 前記一般式(1)で表されるアミンオキシド(A)を10〜60質量%含有する水溶液又は懸濁液と、分子量400以下のポリエチレングリコール(B)を混合した後、水分を除去する、請求項1に記載の界面活性剤組成物の製造方法。
  3. 前記一般式(1)で表されるアミンオキシド(A)を10〜60質量%含有する水溶液又は懸濁液の水分を除去した後、分子量400以下のポリエチレングリコール(B)と混合する、請求項1に記載の界面活性剤組成物の製造方法。
  4. 水分を除去する際の熱媒の温度が120℃以下である、請求項2又は3に記載の界面活性剤組成物の製造方法。
  5. 薄膜乾燥機を用いて水分を除去する、請求項2又は3に記載の界面活性剤組成物の製造方法。
  6. 請求項1に記載の界面活性剤組成物と、少なくともアルカリ性無機粉体を含む粉体原料とを混合又は造粒する、アミンオキシド粉末又は顆粒の製造方法。
  7. 請求項2又は3に記載の製造方法で得られる界面活性剤組成物と、少なくともアルカリ性無機粉体を含む粉体原料とを混合又は造粒する、アミンオキシド粉末又は顆粒の製造方法。
  8. 請求項6又は7に記載の製造方法により得られるアミンオキシド粉末又は顆粒を10〜80質量%含有する自動食器洗浄機用洗浄剤組成物。
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