JP2023073590A - 液体洗浄剤組成物 - Google Patents

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Satoshi Otsuka
志穂 岡崎
Shiho OKAZAKI
彰悟 猿渡
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Abstract

【課題】着色された液体洗浄剤組成物には、日光の曝露下又は高温下での保存後において、退色が起こるという問題がある。従来の技術では、液体洗浄剤組成物のpHをアルカリ性とした場合や、還元剤を配合した場合に、色素の退色の抑制が満足できるものではなかった。本発明は、液体洗浄剤組成物のpHをアルカリ性にした場合や、還元剤を配合した場合においても、色素安定性及び分散均一性により優れる液体洗浄剤組成物を目的とする。【解決手段】(A)成分:無機アルカリ剤と、(B)成分:構造化剤と、(C)成分:顔料及び油溶性染料から選択される1種以上の色素と、を含む、液体洗浄剤組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、液体洗浄剤組成物に関する。
審美性を高めることのみならず、透明容器に充填する際や、計量の際に測定しやすくするために、液体洗浄剤組成物を着色させることが知られている。水溶性色素(水溶性染料)で着色した場合、日光の曝露下又は高温下(例えば、50℃)での保存後において、退色が起こる(色素安定性に劣る)という問題がある。その問題は、洗浄力を高めるために液体洗浄剤組成物をアルカリ性とした場合や、液体洗浄剤組成物の黄変を防ぐために還元剤を配合した場合に、顕著に起こりやすい。
こうした問題に対し、例えば、特許文献1には、油溶性色素(油溶性染料)と、亜硫酸塩(還元剤)とを含有する液体洗浄剤組成物が提案されている。特許文献1の発明によれば、還元剤配合による色素への影響を少なくすることが図られている。特許文献2には、色素製剤と、炭酸水素塩と、特定の酸化防止剤とを含有する液体洗浄剤組成物が提案されている。特許文献2の発明によれば、炭酸水素塩と特定の酸化防止剤とを組み合わせることにより、着色した液体洗浄剤組成物の退色を抑制することが図られている。
特許第5419357号公報 特開2019-163430号公報
しかしながら、特許文献1で用いられる色素では、アルカリ性とした液体洗浄剤組成物において、色素の退色の抑制が満足できるものではなかった。特許文献2で用いられる色素製剤は、水溶性のため、退色の抑制が満足できるものではなかった。
加えて、液体洗浄剤組成物には、審美性をより高められることから、色素が液体洗浄剤組成物に対して均一に分散すること(分散均一性)が求められる。
そこで、本発明は、液体洗浄剤組成物のpHをアルカリ性にした場合や、還元剤を配合した場合においても、色素安定性及び分散均一性により優れる液体洗浄剤組成物を目的とする。
本発明者等は、鋭意検討した結果、特定の色素と構造化剤とを併用することで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の態様を有する。
[1](A)成分:無機アルカリ剤と、
(B)成分:構造化剤と、
(C)成分:顔料及び油溶性染料から選択される1種以上の色素と、
を含む、液体洗浄剤組成物。
[2]前記(C)成分の含有量が、総質量に対して0.00001~0.3質量%である、[1]に記載の液体洗浄剤組成物。
[3](D)成分:界面活性剤
をさらに含む、[1]又は[2]に記載の液体洗浄剤組成物。
[4](E)成分:無機還元剤
をさらに含む、[1]~[3]のいずれかに記載の液体洗浄剤組成物。
[5]前記(A)成分の少なくとも一部は固体状態で存在している、[1]~[4]のいずれかに記載の液体洗浄剤組成物。
本発明の液体洗浄剤組成物によれば、液体洗浄剤組成物のpHをアルカリ性にした場合や、還元剤を配合した場合においても、色素安定性及び分散均一性により優れる。
≪液体洗浄剤組成物≫
本発明の液体洗浄剤組成物(以下、「液体洗浄剤」ともいう。)は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分を含む組成物である。
<(A)成分>
(A)成分は、無機アルカリ剤である。
(A)成分は、液体洗浄剤に洗浄力、特に皮脂汚れに対する洗浄力(皮脂洗浄力)を付与する成分である。
液体洗浄剤中で、(A)成分は、溶解していてもよく、溶解しているものと溶解度を超え、一部が溶解せずに固体状態で存在していてもよい。液体洗浄剤に溶解度以下の量の(A)成分が含まれていると、液体洗浄剤の外観の透明性が増す。液体洗浄剤に溶解度を超えた量の(A)成分が含まれていると、(A)成分の配合量が増すため、洗浄力がより高まる。
以下、本明細書において、(A)成分のうち液体洗浄剤に溶解している(A)成分を「(A1)成分」ともいい、液体洗浄剤中に固体状態で存在する(A)成分を「(A2)成分」ともいう。
(A)成分の全量を、そのまま液体洗浄剤中に配合してもよいし、(A)成分の全量のうち、溶解度を超えない量を液体洗浄剤中に配合して溶解させた後、必要に応じて残りの量を液体洗浄剤中に配合してもよい。また、(A)成分の全量のうち、溶解度を超えない量を使用して水溶液を調製してから液体洗浄剤中に配合して溶解させた後、必要に応じて残りの量を液体洗浄剤中に配合してもよい。
無機アルカリ剤とは、水に全量又は一部が溶解して塩基性を示し、1質量%の水溶液の25℃におけるpHが8以上となる成分である。
このような成分としては、具体的に、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムの複塩(セスキ炭酸ナトリウム)、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム等の炭酸塩;メタケイ酸ナトリウム、層状ケイ酸ナトリウム等のケイ酸塩等が挙げられる。これらの中でも、洗浄力がより高まる観点から、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、メタケイ酸ナトリウム、層状ケイ酸ナトリウムが好ましい。
無機アルカリ剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(A2)成分の表面は、改質されていてもよい。(A2)成分の表面が改質されていると、(A2)成分が液体洗浄剤中で溶解せずに、粒子外観(粒子数、粒子サイズ等)を良好に維持でき、(A2)成分の外観安定性が高まる。加えて、(A2)成分が沈殿しにくく、分散安定性が向上する。さらに、(A2)成分の洗濯液(液体洗浄剤を水で希釈した液)中での溶解速度を制御できる。
(A2)成分の表面の改質方法としては、例えば無機アルカリ剤を焼成処理する方法等が挙げられる。
なお、本明細書において、表面が改質された無機アルカリ剤を「改質アルカリ剤」ともいう。改質アルカリ剤には、炭酸水素ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウムを一部含有する炭酸ナトリウムも含まれるものとする。
(A2)成分の表面は、被覆剤で被覆されていてもよい。(A2)成分の表面が被覆剤で被覆されていると、(A2)成分が液体洗浄剤中で溶解せずに、粒子外観(粒子数、粒子サイズ等)を良好に維持でき、(A2)成分の外観安定性が高まる。加えて、(A2)成分が沈殿しにくく、分散安定性が向上する。さらに、(A2)成分の洗濯液中での溶解速度を制御できる。ただし、本発明の液体洗浄剤を、洗剤自動投入装置を備えた洗濯機や自動ディスペンサーに使用する場合は、投入用配管やシリンジポンプ等の閉塞を防止する観点から、(A2)成分が存在しないことが好ましい。(A2)成分が存在する場合は、(A2)成分の粒子径は、200μm以下であることが好ましい。
なお、本明細書において、表面が被覆剤で被覆された無機アルカリ剤を「被覆アルカリ剤」ともいう。
被覆剤としては、液体洗浄剤中では溶解しにくく、無機アルカリ剤に付着しやすいが、洗濯液中では溶解あるいは膨潤、崩壊、分散しやすく、無機アルカリ剤から脱離しやすいものが好ましい。被覆剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリル酸又はその塩、アクリル酸-マレイン酸共重合体又はその塩、アクリル酸-無水マレイン酸共重合体又はその塩、脂肪酸又はその塩、ポリビニルアルコール、プルラン、キサンタンガム、デンプン、変性デンプン、硫酸ナトリウム、炭酸カルシウム、アルミノケイ酸塩(ゼオライト等)、酸化チタン等が挙げられる。これらの中でも、液体洗浄剤中における溶解性を制御し、粒子外観を維持する観点から、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリル酸又はその塩、アクリル酸-マレイン酸共重合体又はその塩、アクリル酸-無水マレイン酸共重合体又はその塩、脂肪酸又はその塩、ポリビニルアルコール、プルラン、キサンタンガム、デンプン、変性デンプン、硫酸ナトリウム、炭酸カルシウムが好ましく、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリアクリル酸又はその塩、アクリル酸-マレイン酸共重合体又はその塩、アクリル酸-無水マレイン酸共重合体又はその塩、硫酸ナトリウムがより好ましい。
被覆剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(A)成分の粒子径は、10~2000μmが好ましく、100~1500μmがより好ましく、200~1000μmがさらに好ましい。(A)成分の粒子径が上記下限値以上であると、溶解速度を制御しやすく、粒子外観の美麗さに優れる。(A)成分の粒子径が上記上限値以下であると、水に対する溶解速度が向上する。
一方で、(A)成分の溶解速度制御等を必要としない場合、(A)成分の粒子径は、200μm以下が好ましく、100μm以下がより好ましい。特に、表面が被覆されていない(A)成分の粒子径が200μm以下であることが好ましく、100μm以下であることがより好ましい。(A)成分の粒子径が上記上限値以下であると、液体洗浄剤を水で希釈したときに速やかに(A2)成分が溶解する。また、洗濯機の投入口や洗濯後の衣類に固体の(A2)成分が残りにくい。よって、(A)成分の粒子径が200μm以下であると、洗剤自動投入機能を備えた洗濯機や自動ディスペンサーでの使用に適している。
被覆アルカリ剤の粒子径は、10~2000μmが好ましく、100~1500μmがより好ましく、200~1000μmがさらに好ましい。被覆アルカリ剤の粒子径が上記下限値以上であると、溶解速度を制御しやすく、粒子外観の美麗さに優れる。被覆アルカリ剤の粒子径が上記上限値以下であると、水に対する溶解速度が向上する。
一方で、被覆アルカリ剤の溶解速度制御等を必要としない場合、被覆アルカリ剤の粒子径は、200μm以下が好ましく、100μm以下がより好ましい。
本明細書において、(A)成分の粒子径及び被覆アルカリ剤の粒子径は、粒度分布測定装置(例えば、ベックマン・コールター株式会社製、製品名「LS 13 320」)を用いた、レーザー回折散乱法による体積基準のメディアン径である。粒子径の測定は、(A)成分又は被覆アルカリ剤をそのままの状態で測定する乾式でもよいし、(A)成分又は被覆アルカリ剤を溶媒に分散させて測定する湿式でもよい。
(A)成分の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して1~20質量%が好ましく、2~15質量%がより好ましく、3~10質量%がさらに好ましい。(A)成分の含有量が上記下限値以上であると、洗浄力がより高まる。(A)成分の含有量が上記上限値以下であると、液体洗浄剤の流動性を良好に維持できる。
また、溶解度を超えて(A)成分を配合する場合、(A2)成分の割合は、(A)成分の総質量に対して、10~80質量%が好ましく、20~70質量%がより好ましく、30~60質量%がさらに好ましい。(A2)成分の割合が上記下限値以上であると、粒子外観の美麗さに優れる。(A2)成分の割合が上記上限値以下であると、液体洗浄剤の流動性を良好に維持できる。
<(B)成分>
(B)成分は、構造化剤である。液体洗浄剤が(B)成分を含むことで、液体洗浄剤が構造化する。よって、液体洗浄剤が不溶粒子(例えば上述した(A2)成分や後述する顔料)を含有する場合、不溶粒子の分散安定性を高め、液体洗浄剤中に不溶粒子を均一に分散でき、その状態を良好に維持できる。すなわち、液体洗浄剤は、(B)成分を含むことで、分散均一性をより高められる。
なお、本明細書において「構造化」とは、外力が加わる前後において、粘度が変化する状態をいう。(B)成分としては、外力が加わると液体洗浄剤の粘度が低くなるものが好ましい。液体洗浄剤がこのような(B)成分を含むことで、保存時は不溶粒子の分散安定性を高められ、使用時は、液体洗浄剤の流動性(使用性)を良好にできる。
構造化剤としては、例えば、細菌セルロース、非細菌セルロース、下記化合物(1)、後述する架橋型のポリマー等が挙げられる。
構造化剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
細菌セルロースは、Acetobacter属の細菌の発酵によって生成されたセルロースである。
細菌セルロースとしては、水に不溶性である繊維が網状に分枝し、相互に噛み合ってネットワークを形成している、いわゆる網目状細菌セルロース等が挙げられる。
細菌セルロースの少なくとも一部は、増粘剤で被覆あるいは混合されていてもよい。
増粘剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、変性CMC、キサンタン生成物、ペクチン、アルギン酸塩、ジェランガム、ウェランガム、ダイユータンガム、ラムサンガム、カラゲナン、グアーガム、寒天、アラビアゴム、ガティガム、カラヤガム、トラガカントゴム、タマリンドガム、ローカストビーンガム等が挙げられる。
増粘剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
細菌セルロースとしては市販品を用いることでき、例えば、CPKelco U.S.社製の商品名「CELLULON(登録商標)」等が挙げられる。
非細菌セルロースは、野菜、果物、木材から得られるセルロースであり、セルロース繊維とも呼ばれる。
非細菌セルロースとしては市販品を用いることでき、例えば、FMC社製の商品名「Avicel(登録商標)」、Fiberstar社製の商品名「Citri-Fi」、Cosun社製の商品名「Betafib」等が挙げられる。
化合物(1)は、下記式(1)で表される化合物(トリグリセリド成分)である。
Figure 2023073590000001
式(1)中、Z~Zはそれぞれ独立して水素原子、ヒドロキシ基、又はカルボキシ基である。Z~Zは同一であってもよいし、異なっていてもよい。
式(1)中、a、b、c、d、e、fは自然数であり、a+b=7~19、c+d=7~19、及びe+f=7~19であり、好ましくはa+b=11~15、c+d=11~15、及びe+f=11~15であり、より好ましくはa+b=13~15、c+d=13~15、及びe+f=13~15である。a+b、c+d、e+fがそれぞれ7以上であると、疎水基部分の体積が十分に嵩高くなり、塗布洗浄力が高くなる。一方、a+b、c+d、及びe+fがそれぞれ19以下であると、疎水基部分の体積が嵩高くなることの固化性のリスクが低減する。
化合物(1)としては、Z~Zがヒドロキシ基である化合物(1-1)、Z~Zが水素原子である化合物(1-2)等が挙げられる。
化合物(1-1)としては、特に硬化ヒマシ油が好ましく、また、化合物(1-2)としては、特に硬化パーム油が好ましい。
硬化ヒマシ油としては、ヒドロキシ基を組み込む炭素数10~22アルキル又はアルケニル部分を含むグリセリド、特にトリグリセリドを挙げることができ、具体的には、トリヒドロキシステアリン、ジヒドロキシステアリン等が挙げられる。
硬化ヒマシ油は、ヒマシ油を水素化して、出発油中にリシノレイル部分として存在し得る二重結合を変換することで得られる。二重結合の変換により、リシノレイル部分は、飽和ヒドロキシアルキル部分、例えば、ヒドロキシステアリルに変換される。
硬化ヒマシ油は、固形の状態、溶融物の状態、又はこれらの混合物の状態で用いることができるが、これらに限定されない任意の好適な出発形態で加工することができる。
硬化ヒマシ油としては市販品を用いることでき、例えば、Rheox,Inc.製の商品名「THIXCIN(登録商標)」、日油株式会社製の商品名「カスターワックス A フレーク」等が挙げられる。
硬化パーム油としては市販品を用いることでき、例えば、新日本理化株式会社製の商品名「パーム極度硬化油A」等が挙げられる。
架橋型のポリマーとしては、下記式(a)で表されるモノマーから誘導された繰り返し単位と、下記式(b)で表されるモノマーから誘導された繰り返し単位とを有する架橋型のポリマーが挙げられる。構造内に式(a)で表されるモノマー(以下、モノマー(a)ともいう。)から誘導された繰り返し単位と、式(b)で表されるモノマー(以下、モノマー(b)ともいう。)から誘導された繰り返し単位とを有することにより、液体洗浄剤の増粘及び構造化の効果が得られる。架橋型のポリマーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
Figure 2023073590000002
式(a)中、Rは水素原子、又はメチル基を表し、Rは水素原子を表す。また式(b)中、Rは水素原子、又はメチル基を表し、Rは炭素数1~40のアルキル基、又は炭素数1~40のヒドロキシアルキル基を表す。
モノマー(a)は、上記式(a)で表されるモノマー、すなわち、(メタ)アクリル酸である。モノマー(a)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ここで、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸及びメタクリル酸の双方又はいずれか一方を意味する。
モノマー(b)は、上記式(b)で表される(メタ)アクリレートである。モノマー(b)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ここで、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びメタクリレートの双方又はいずれか一方を意味する。
上記式(b)において、Rの炭素数1~40のアルキル基は直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよく、環状構造を含んでいてもよい。Rのアルキル基の炭素数は1~40であり、1~30が好ましく、10~30がより好ましい。Rのアルキル基の炭素数が1以上であると、架橋型のポリマーが水に対して膨潤しやすくなり、(A2)成分の分散安定性が良好となりやすい。Rのアルキル基の炭素数が40以下であると、架橋型のポリマーの水への溶解性が良好となりやすい。
の炭素数1~40のヒドロキシアルキル基のアルキル基は直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよく、環状構造を含んでいてもよい。ヒドロキシアルキル基のアルキル基の炭素数は1~40であり、1~30が好ましく、10~30がより好ましい。Rのヒドロキシアルキル基のアルキル基の炭素数が1~40であると、液体洗浄剤の増粘及び構造化の効果が得られる。
本明細書において、「架橋型のポリマー」とは、部分的に又は実質的に架橋されたポリマーのことを指す。架橋型のポリマーは、モノマー(a)と、モノマー(b)と、架橋剤とを含むモノマー混合物を重合して得られるものであることが好ましい。
架橋剤としては、例えば、アリルエーテル化合物が挙げられる。
アリルエーテル化合物としては、アリルエーテル、糖のアリルエーテル、糖アルコールのアリルエーテル等が挙げられる。
糖のアリルエーテルにおける糖としては、例えば、スクロース等が挙げられる。
糖アルコールのアリルエーテルにおける糖アルコールとしては、例えば、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
架橋型のポリマーの市販品としては、例えば、Lubrizol社製のCarbopol(登録商標)シリーズ等が挙げられる。Carbopolシリーズとしては、例えば、Carbopol ETD 2623、Carbopol EZ3、Carbopol EZ4、Carbopol Ultrez20、Carbopol Ultrez21、Carbopol Aqua 30等が挙げられる。これらの中でも、Carbopol ETD 2623、Carbopol EZ4、Carbopol Aqua 30が好ましく、Carbopol EZ4がさらに好ましい。
(B)成分としては、(A2)成分や顔料等の不溶粒子の分散安定性を高める効果を少量でも充分に発揮できること、透明性の高い液体外観が得られやすいことから、細菌セルロース、非細菌セルロースが好ましく、細菌セルロースがより好ましい。
(B)成分の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して0.02~2質量%が好ましく、0.04~1.7質量%がより好ましく、0.05~1.5質量%がさらに好ましい。
また、例えば(B)成分として、市販品である「CELLULON(登録商標)」等の細菌セルロース製剤を使用する場合、(B)成分の含有量は商品の有り姿(有姿)の含有量として、液体洗浄剤の総質量に対して1~10質量%が好ましく、2~8質量%がより好ましく、2.5~7質量%がさらに好ましい。
ここで、「商品の有り姿の含有量」とは、商品中に含まれる水分等を含めた商品そのものの含有量のことをいう。
(B)成分の含有量が上記下限値以上であると、(A2)成分や顔料等の不溶粒子の分散安定性がより高まる。(B)成分の含有量が上記上限値以下であると、液体洗浄剤の粘度がより低くなり、使用性がより高まる。
<(C)成分>
(C)成分は、顔料及び油溶性染料から選択される1種以上の色素である。液体洗浄剤が(C)成分を含むことで、液体洗浄剤を着色し、審美性を高められる。
本明細書において、「顔料」とは、着色に用いる化合物で、水や有機溶剤(芳香族有機溶剤や油脂類等)に溶けない着色剤(色素)をいう。「油溶性染料」とは、有機溶剤には溶けるが、水には溶けない着色剤をいう。
本実施形態の(C)成分は、光や熱に対して安定性が高いため、色素安定性に優れる。
加えて、本実施形態の(C)成分のうち、顔料は、水溶性染料に比べて水に対する溶解度が低く、液体洗浄剤中で分散しているため、(A)成分や、その他の成分と反応しにくい。このため、光や熱が供給された際に反応しにくく、日光の曝露下又は高温下(例えば、50℃)での保存後において、退色を抑制できる(色素安定性に優れる)。
顔料としては、例えば、C.I.77007(ピグメントブルー29、ウルトラマリンブルー、群青、CAS番号57455-37-5、Sodium Aluminum Sulfosilicate)、C.I.74160(ピグメントブルー15、フタロシアニンブルー、銅フタロシアニン、CAS番号147-14-8)、C.I.77346(ピグメントブルー28、CAS番号1345-16-0)、C.I.77343(ピグメントブルー36、CAS番号68187-11-1)、C.I.74260(ピグメントグリーン7、フタロシアニングリーン、CAS番号1328-53-6)、C.I.74265(ピグメントグリーン36、臭塩素化銅フタロシアニン、CAS番号14302-13-7)、C.I.21090(ピグメントイエロー12、黄色205号、CAS番号6358-85-6)、C.I.56110(ピグメントレッド254、CAS番号84632-65-5)、C.I.12490(ピグメントレッド5、CAS番号6410-41-9)等が挙げられる。
なお、本明細書において、「C.I.」は、カラーインデックスの略である。
油溶性染料としては、例えば、キノリン系色素、ピレン系色素等が挙げられる。各色素の構造は「法定色素ハンドブック」(日本化粧品工業連絡会編)、染料便覧(有機合成化学協会編)に記載されている。
キノリン系色素としては、C.I.47000(ソルベントイエロー33、黄色204号、CAS番号8003-22-3)等が挙げられる。
ピレン系色素としては、例えば、C.I.59040(ソルベントグリーン7、緑色204号、CAS番号6358-69-6)等が挙げられる。
(C)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(C)成分の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して0.00001~0.3質量%(0.1~3000質量ppm)が好ましく、0.00005~0.1質量%(0.5~1000質量ppm)がより好ましく、0.0001~0.05質量%(1~500質量ppm)がさらに好ましい。(C)成分の含有量が上記下限値以上であると、液体洗浄剤を着色し、審美性を高められる。(C)成分の含有量が上記上限値以下であると、色素の分散均一性をより高められる。
(B)成分の含有量に対する(C)成分の含有量の比((C)成分/(B)成分で表される質量比、「C/B比」ともいう。)は、0.000005~15が好ましく、0.000025~5がより好ましく、0.00005~2.5がさらに好ましい。C/B比が上記数値範囲内であると、色素安定性により優れ、分散均一性により優れる。
(B)成分の有り姿の含有量に対する(C)成分の含有量の比((C)成分/(B)成分の有り姿で表される質量比、「C/B有姿比」ともいう。)は、0.000001~0.3が好ましく、0.000005~0.1がより好ましく、0.00001~0.05がさらに好ましい。C/B有姿比が上記数値範囲内であると、色素安定性により優れ、分散均一性により優れる。
<任意成分>
液体洗浄剤は、(A)成分、(B)成分、(C)成分以外の他の成分(任意成分)を含有してもよい。任意成分としては、液体洗浄剤に一般に含まれる成分を利用できる。
任意成分としては、例えば、(D)成分(界面活性剤)、(E)成分(無機還元剤)、水、水混和性有機溶剤、(A)成分以外のビルダー成分、キレート剤、pH調整剤、減粘剤及び可溶化剤、抗菌剤、(B)成分以外の増粘剤、高級脂肪酸(炭素数8~22の脂肪酸)又はその塩、防腐剤、酸化防止剤、酵素、酵素安定化剤、風合い向上剤、蛍光増白剤、移染防止剤、再汚染防止剤、乳濁化剤、変色防止剤、ハイドロトロープ剤、漂白剤、蛍光剤、パール剤、着香剤、天然物等のエキス等が挙げられる。
任意成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
((D)成分)
(D)成分は、界面活性剤である。液体洗浄剤が(D)成分を含むことにより、洗浄力がより高まる。
界面活性剤としては、従来の液体洗浄剤に用いられる界面活性剤であれば特に制限されず、例えば、ノニオン界面活性剤、非石けん系アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、半極性界面活性剤等が挙げられる。
(D)成分として、1種の界面活性剤を用いてもよく、2種以上の界面活性剤を組み合わせてもよい。
洗浄力がより高まる観点から、(D)成分はノニオン界面活性剤及び非石けん系アニオン界面活性剤を含むことが好ましい。
(D)成分として、ノニオン界面活性剤及び非石けん系アニオン界面活性剤と、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤及び半極性界面活性剤の1つ以上を併用してもよい。
ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤、アルキルフェノール、炭素数8~22の脂肪酸又は炭素数8~22のアミン等のアルキレンオキサイド付加体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、脂肪酸アルカノールアミド、多価アルコール脂肪酸エステル又はそのアルキレンオキサイド付加体、硬化ヒマシ油のアルキレンオキサイド付加体、糖脂肪酸エステル、N-アルキルポリヒドロキシ脂肪酸アミド、アルキルグリコシド等が挙げられる。
ノニオン界面活性剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤が好ましく、その中でも特に、下記式(2)で表される化合物(以下、「化合物(2)」ともいう。)、下記式(3)で表される化合物(以下、「化合物(3)」ともいう。)がより好ましく、化合物(2)がさらに好ましい。
11-O-[(EO)/(A11O)]-(EO)-R12 ・・・(2)
式(2)中、R11は炭素数8~22の直鎖又は分岐鎖の炭化水素基である。R12は水素原子、炭素数1~6のアルキル基又は炭素数2~6のアルケニル基である。EOはオキシエチレン基である。sはEO平均繰り返し数を示す3~25の数である。A11OはPO(オキシプロピレン基)及びBO(オキシブチレン基)の少なくとも一方を表す。tはA11Oの平均繰り返し数を示す0~6の数である。uはEOの平均繰り返し数を表す0~20の数である。
11の炭化水素基における炭素数は8~22であり、10~18が好ましく、12~16がより好ましい。
12としては、水素原子、炭素数1~3のアルキル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
uが0の場合、sは4~20が好ましく、5~16がより好ましく、6~10がさらに好ましい。tは0~4が好ましく、0~2がより好ましく、0がさらに好ましい。
uが1以上の場合、sは4~16が好ましく、6~12がより好ましく、8~10がさらに好ましい。tは1~4が好ましく、2~3がより好ましい。uは4~16が好ましく、6~12がより好ましく、8~10がさらに好ましい。
tが1以上である場合、[(EO)/(A11O)]において、EOとPO、EOとBO、又はEOとPOとBOの分布(配列順)に特に限定はなく、これらはブロック状に配列していてもよく、ランダム状に配列していてもよい。
13-X-[(EO)/(A12O)]-(EO)-R14 ・・・(3)
式(3)中、R13は炭素数7~21の炭化水素基である。-X-は、-COO-又は-CONH-である。R14は水素原子、炭素数1~6のアルキル基又は炭素数2~6のアルケニル基である。EOはオキシエチレン基である。pはEO平均繰り返し数を示す3~25の数である。A12はPO(オキシプロピレン基)及びBO(オキシブチレン基)の少なくとも一方を表す。qはA12Oの平均繰り返し数を示す0~6の数である。
rはEOの平均繰り返し数を表す0~20の数である。
13の炭化水素基における炭素数は7~21であり、9~19が好ましく、11~17がより好ましい。
-X-としては、-COO-が好ましい。
14としては、水素原子、炭素数1~3のアルキル基が好ましく、炭素数1~2のアルキル基がより好ましい。
rが0の場合、pは6~22が好ましく、9~20がより好ましく、12~18がさらに好ましい。qは0~4が好ましく、0~2がより好ましく、0がさらに好ましい。
rが1以上の場合、pは4~16が好ましく、6~12がより好ましく、8~10がさらに好ましい。qは1~4が好ましく、2~3がより好ましい。rは4~16が好ましく、6~12がより好ましく、8~10がさらに好ましい。
qが1以上である場合、[(EO)/(A12O)]において、EOとPO、EOとBO、又はEOとPOとBOの分布(配列順)に特に限定はなく、これらはブロック状に配列していてもよく、ランダム状に配列していてもよい。
ノニオン界面活性剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して10~60質量%が好ましく、15~50質量%がより好ましく、20~40質量%がさらに好ましい。ノニオン界面活性剤の含有量が上記下限値以上であると、洗浄力がより高まる。ノニオン界面活性剤の含有量が上記上限値以下であると、低温時の液体安定性が向上する。
非石けん系アニオン界面活性剤としては、例えば、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩(LAS)、α-オレフィンスルホン酸又はその塩(AOS)、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル硫酸エステル又はその塩(AS)、ポリオキシアルキレンアルキル(アルケニル)エーテル硫酸エステル又はその塩(AES)、アルキル基を有するアルカンスルホン酸又はその塩、α-スルホ脂肪酸エステル又はその塩、内部オレフィンスルホン酸又はその塩(IOS)、アルキルエーテルカルボン酸又はその塩、ポリオキシアルキレンエーテルカルボン酸又はその塩、アルキルアミドエーテルカルボン酸又はその塩、アルケニルアミドエーテルカルボン酸又はその塩、アシルアミノカルボン酸又はその塩等のカルボン酸型アニオン界面活性剤;アルキルリン酸エステル又はその塩、ポリオキシアルキレンアルキルリン酸エステル又はその塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルリン酸エステル又はその塩、グリセリン脂肪酸エステルモノリン酸エステル又はその塩等のリン酸エステル型アニオン界面活性剤等が挙げられる。
非石けん系アニオン界面活性剤の塩の形態としては、例えば、アルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(マグネシウム塩等)、アルカノールアミン塩(モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩等)等が挙げられる。
非石けん系アニオン界面活性剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
非石けん系アニオン界面活性剤としては、LAS、AOS、AS、AES、IOSが好ましく、なかでも、洗浄力がより高まる観点から、LAS、AES、IOSがより好ましい。液体洗浄剤は少なくともAESを含むことが好ましく、LASとAESの両方を含むことがより好ましい。
ポリオキシアルキレンアルキル(アルケニル)エーテル硫酸エステル又はその塩(AES)は、下記式(4)で表される。
15-O-[(EO)/(PO)]-SO ・・・(4)
式(4)中、R15は、炭素数8~20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基又は炭素数8~20の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルケニル基である。EOはオキシエチレン基である。POはオキシプロピレン基である。mはEOの平均繰り返し数を表す0.1以上の数である。nはPOの平均繰り返し数を表す0~6の数である。[(EO)/(PO)]は、EOとPOの配列順に限定がないことを示し、Mは対カチオンである。
内部オレフィンスルホン酸又はその塩(IOS)は、下記式(5)で表されるアルケンスルホン酸(以下、「化合物(5)」ともいう。)と、下記式(6)で表されるヒドロキシアルカンスルホン酸(以下、「化合物(6)」ともいう。)との混合物である。内部オレフィンとは、二重結合が2位より内部に存在するオレフィンを表す。
16-CH=CH(CHCH(SOM)-R17 ・・・(5)
式(5)中、R16はアルキル基であり、R17は炭素数1~5のアルキル基であり、炭素数の総数は8~24である。xは0~4の数であり、Mは対イオンを表す。
化合物(5)の炭素数は、8~24であり、10~20が好ましく、12~18がより好ましく、14~18がさらに好ましい。炭素数が上記下限値以上であると、IOSの親油性が高まり、界面活性剤としての機能が高まる。炭素数が上記上限値以下であると、IOSの親水性が高まり、界面活性剤としての機能が高まる。
式(5)中のR16は、アルキル基を表す。R16の炭素数は、1~21が好ましく、3~17がより好ましく、7~15がさらに好ましい。
式(5)中のR17は、炭素数1~5のアルキル基を表す。R17の炭素数は、1~3が好ましい。
式(5)中のxは、0~4であり、0~2が好ましい。xが上記下限値以上であると、洗浄力がより高まる。xが上記上限値以下であると、色素安定性がより高まる。
式(5)中のMとしては、例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、アンモニウムイオン等が挙げられる。
18-CH(OH)(CHCH(SOM)-R19 ・・・(6)
式(6)中、R18はアルキル基であり、R19は炭素数1~5のアルキル基であり、炭素数の総数は8~24である。yは0~4の数であり、Mは対イオンを表す。
化合物(6)は、化合物(5)のヒドロキシ体である。
化合物(6)の炭素数は、8~24であり、10~20が好ましく、12~18がより好ましく、14~18がさらに好ましい。炭素数が上記下限値以上であると、IOSの親油性が高まり、界面活性剤としての機能が高まる。炭素数が上記上限値以下であると、IOSの親水性が高まり、界面活性剤としての機能が高まる。
式(6)中のR18は、アルキル基を表す。R18の炭素数は、2~22が好ましく、4~18がより好ましく、8~16がさらに好ましい。
式(6)中のR19は、炭素数1~5のアルキル基を表す。R19の炭素数は、1~3が好ましい。
式(6)中のyは、0~4であり、0~2が好ましい。yが上記下限値以上であると、洗浄力がより高まる。yが上記上限値以下であると、色素安定性がより高まる。
式(6)中のMとしては、例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、アンモニウムイオン等が挙げられる。
IOSの内、スルホン酸基が2位以上4位以下に存在するIOS((IO-1S)成分)と、スルホン酸基が5位以上に存在するIOS((IO-2S)成分)との質量比((IO-2S)/(IO-1S)比)は、0.3~5が好ましく、1~3がより好ましい。
(IO-2S)/(IO-1S)比が上記下限値以上であると、被洗浄物の滑り性がより高まる。(IO-2S)/(IO-1S)比が上記上限値以下であると、色素安定性がより高まる。
なお、(IO-1S)成分は、式(5)中のR17、式(6)中のR19の炭素数が1~3のIOSである。(IO-2S)成分は、式(5)中のR17、式(6)中のR19の炭素数が4以上のIOSである。
IOSは、内部オレフィンをスルホン化して得られる。内部オレフィンの炭素数の総数は、8~24であり、10~20が好ましく、12~18がより好ましく、14~18がさらに好ましい。
内部オレフィンは、例えば、1-アルコールを脱水して得られた1-オレフィンを、異性化して得ることができる。内部オレフィンをスルホン化すると、定量的にβ-サルトンが生成し、β-サルトンの一部は、γ-サルトン、オレフィンスルホン酸へと変化し、次いで、これらは中和加水分解工程において、化合物(5)と化合物(6)とへ転換する(例えば、J.Am.Oil Chem.Soc.69,39(1992))。ここで、得られる化合物(6)のヒドロキシ基は、アルカン鎖の内部にあり、化合物(5)の二重結合は、オレフィン鎖の内部にある。また、得られる生成物は、主にこれらの混合物であり、また、その一部には、炭素鎖の末端にヒドロキシ基を有するヒドロキシアルカンスルホン酸塩、又は炭素鎖の末端に二重結合を有するα-オレフィンスルホン酸塩が微量に含まれる場合もある。本明細書では、これらの各生成物及びそれらの混合物を総称してIOSという。
IOS100質量%に対し、化合物(6)の質量に対する化合物(5)の質量比、すなわち、化合物(5)/化合物(6)で表される質量比(化合物(5)/化合物(6)比)は、1/99~50/50が好ましく、1/99~30/70がより好ましく、5/95~20/80がさらに好ましく、10/90~15/85が特に好ましい。化合物(5)/化合物(6)比が上記下限値以上であると、色素安定性がより高まる。化合物(5)/化合物(6)比が上記上限値以下であると、洗浄力がより高まる。
非石けん系アニオン界面活性剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して5~40質量%が好ましく、10~30質量%がより好ましく、15~25質量%がさらに好ましい。
非石けん系アニオン界面活性剤の含有量が上記下限値以上であると、洗浄力がより高まる。加えて、再汚染防止性が向上する。非石けん系アニオン界面活性剤の含有量が上記上限値以下であると、低温(例えば、5℃)時の液体安定性が向上する。
また、非石けん系アニオン界面活性剤の質量に対するノニオン界面活性剤の質量比、すなわち、ノニオン界面活性剤/非石けん系アニオン界面活性剤で表される質量比(ノニオン/アニオン比)は、0.25~12が好ましく、0.5~5がより好ましく、0.8~2.7がさらに好ましい。ノニオン/アニオン比が上記数値範囲内であると、低温時の液体安定性が向上する。加えて、液体洗浄剤がゲル化しにくく、流動性をより良好に維持できる。
カチオン界面活性剤としては、例えば、カプリル酸ジメチルアミノプロピルアミド、カプリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ラウリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノプロピルアミド、オレイン酸ジメチルアミノプロピルアミド等の長鎖脂肪族アミドアルキル3級アミン又はその塩;パルミテートエステルプロピルジメチルアミン、ステアレートエステルプロピルジメチルアミン等の脂肪族エステルアルキル3級アミン又はその塩;パルミチン酸ジエタノールアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジエタノールアミノプロピルアミド;テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、テトラプロピルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩等のテトラ短鎖(炭素数1~4のアルキル)アンモニウム塩;オクチルトリメチルアンモニウム塩、デシルトリメチルアンモニウム塩、ドデシルトリメチルアンモニウム塩、テトラデシルトリメチルアンモニウム塩、ラウリルトリメチルアンモニウム塩、セチルトリメチルアンモニウム塩、パルミチルトリメチルアンモニウム塩、ステアリルトリメチルアンモニウム塩、オクチルジメチルエチルアンモニウム塩、デシルジメチルエチルアンモニウム塩、ドデシルジメチルエチルアンモニウム塩、テトラデシルジメチルエチルアンモニウム塩、ラウリルジメチルエチルアンモニウム塩、セチルジメチルエチルアンモニウム塩、ステアリルジメチルエチルアンモニウム塩、オクチルジエチルメチルアンモニウム塩、デシルジエチルメチルアンモニウム塩、ドデシルジエチルメチルアンモニウム塩、テトラデシルジエチルメチルアンモニウム塩、セチルジエチルメチルアンモニウム塩、ステアリルジエチルメチルアンモニウム塩等の長鎖(炭素数8~18のアルキル)トリ短鎖(炭素数1又は2のアルキル)アンモニウム塩;ジオクチルジメチルアンモニウム塩、ジデシルジメチルアンモニウム塩、N,N-ジデシル-N-メチル-ポリ(オキシエチル)アンモニウム塩、ジドデシルジメチルアンモニウム塩、ジテトラデシルジメチルアンモニウム塩、ジセチルジメチルアンモニウム塩、ジステアリルジメチルアンモニウム塩、ジオクチルメチルエチルアンモニウム塩、ジデシルメチルエチルアンモニウム塩、ジドデシルメチルエチルアンモニウム塩、ジテトラデシルメチルエチルアンモニウム塩、ジセチルメチルエチルアンモニウム塩、ジステアリルメチルエチルアンモニウム塩等のジ長鎖(炭素数8~18のアルキル)ジ短鎖(炭素数1又は2のアルキル)アンモニウム塩;ステアリルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム等の長鎖(炭素数8~18のアルキル)ジ短鎖(炭素数1又は2のアルキル)ヒドロキシアルキル(炭素数1又は2)アンモニウム塩;[3(トリメトキシシリル)]プロピル(ジメチル)オクタデシルアンモニウム塩等のトリアルコキシシリルアルキル基(炭素数4~10)を有するジ短鎖(炭素数1又は2のアルキル)長鎖(炭素数8~18のアルキル)アンモニウム塩;アミンナイトレート;ベンジルトリメチルアンモニウム塩;ベンザルコニウム塩;ベンゼトニウム塩等が挙げられる。
カチオン界面活性剤の塩の形態としては、例えば、アルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(マグネシウム塩等)、アルカノールアミン塩(モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩等)等が挙げられる。
カチオン界面活性剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
カチオン界面活性剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して0.1~5質量%が好ましく、0.2~3質量%がより好ましい。カチオン界面活性剤の含有量が上記数値範囲内であると、衣類の柔軟性付与や抗菌性、防臭効果を高めることができる。
両性界面活性剤としては、例えば、アルキルベタイン型、アルキルアミドベタイン型、イミダゾリン型、アルキルアミノスルホン型、アルキルアミノカルボン酸型、アルキルアミドカルボン酸型、アミドアミノ酸型、リン酸型両性界面活性剤等が挙げられる。
両性界面活性剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
半極性界面活性剤としては、例えば、アルキルアミンオキシド、アルキルアミドプロピルジメチルアミンオキシド等が挙げられる。
半極性界面活性剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(D)成分の含有量は、特に使用量の少ない濃縮コンパクト洗剤の場合、液体洗浄剤の総質量に対して15~80質量%が好ましく、25~75質量%がより好ましく、35~65質量%がさらに好ましく、45~55質量%が特に好ましい。(D)成分の含有量が上記下限値以上であると、洗浄力がより高まる。(D)成分の含有量が上記上限値以下であると、液体洗浄剤がゲル化しにくく、流動性をより良好に維持できる。特に、開放系で液体洗浄剤を放置しても、液体洗浄剤がゲル化するのをより抑制できる。
((E)成分)
(E)成分は、無機還元剤である。液体洗浄剤が(E)成分を含有すると、液体洗浄剤が熱や光に曝されたときの黄変や褐変をより抑制できる。かかる理由は、以下のように考えられる。
液体洗浄剤に熱や光が当たったときに、液体洗浄剤中の成分が酸化し黄色や褐色へ変色することがあるが、その反応を(E)成分が抑制することができ、かつ(E)成分は自身が酸化されても着色しないためと考えられる。
なお、還元剤とは、物質を還元させる働きを持ち自身は酸化する剤を意味する。無機還元剤とは炭素原子を含まない還元剤を意味する。
(E)成分としては、例えば、亜硫酸塩、ピロ亜硫酸塩、亜硫酸水素塩等が挙げられる。亜硫酸塩としては、例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム等が挙げられる。ピロ亜硫酸塩としては、例えば、ピロ亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸カリウム等が挙げられる。亜硫酸水素塩としては、例えば、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム等が挙げられる。これらの中でも、液安定性に優れる観点から、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウムが好ましく、亜硫酸ナトリウムがより好ましい。
(E)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(E)成分の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して0.001~3質量%が好ましく、0.01~1質量%がより好ましく、0.02~0.5質量%がさらに好ましい。(E)成分の含有量が上記下限値以上であると、液体洗浄剤の熱や光に対する安定性がより向上し、熱や光に曝されたときの黄変や褐変をより抑制できる。(E)成分の含有量が上記上限値以下であると、低温時の液体安定性が向上する。
(水)
水としては、精製水、イオン交換水、蒸留水、水道水等を使用することができる。
水の含有量は、特に限定するものではないが、界面活性剤濃度が高い液体洗浄剤(例えば、総質量に対して界面活性剤の含有量が30質量%以上)の場合、液体洗浄剤の総質量に対して7質量%超、40質量%未満が好ましく、10~30質量%がより好ましく、15~28質量%がさらに好ましい。水の含有量は、界面活性剤濃度が低い液体洗浄剤(例えば、総質量に対して界面活性剤の含有量が30質量%未満)の場合は、液体洗浄剤の総質量に対して60%超85%未満が好ましく、65~83質量%がより好ましく、70~80質量%がさらに好ましい。水の含有量が上記下限値以上であると、液体洗浄剤の粘度を下げられるため使用性が向上する。水の含有量が上記上限値以下であると、洗浄力や液体安定性がより高まる。
水の質量に対する(D)成分の質量比、すなわち、(D)成分/水で表される質量比(D/水比)は、界面活性剤濃度が高い液体洗浄剤の場合、0.3~12が好ましく、0.5~8がより好ましく、1~7がさらに好ましい。D/水比は、界面活性剤濃度が低い液体洗浄剤の場合、0.15~1.2が好ましく、0.2~1.1がより好ましく、0.25~1がさらに好ましい。D/水比が上記数値範囲内であると、液体洗浄剤の流動性を良好に維持できる。
(水混和性有機溶剤)
水混和性有機溶剤は、25℃の水1Lに25g以上溶解する有機溶剤をいう。
水混和性有機溶剤としては、例えば、エタノール、グリセリン、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール(ソルフィット、商品名)等のアルコール類;プロピレングリコール(PG)、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール等のグリコール類;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、分子量約200~1000のポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のポリグリコール類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のアルキルエーテル類等が挙げられる。これらの中でも、臭気の少なさ、入手のしやすさ、液体洗浄剤の流動性の観点等から、エタノール、グリセリン、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール、プロピレングリコール、分子量約200~1000のポリエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)が好ましく、エタノール、グリセリン、プロピレングリコールがより好ましい。
水混和性有機溶剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。水混和性有機溶剤としては、色素安定性、液体洗浄剤の流動性の観点からプロピレングリコールとグリセリンとを併用することが好ましい。
水混和性有機溶剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して2~50質量%が好ましく、3~30質量%がより好ましく、4~20質量%がさらに好ましい。
水と水混和性有機溶剤の含有量の合計は、界面活性剤濃度が高い液体洗浄剤の場合、液体洗浄剤の総質量に対して9~90質量%が好ましく、13~60質量%がより好ましく、19~48質量%がさらに好ましい。水と水混和性有機溶剤の含有量の合計は、界面活性剤濃度が低い液体洗浄剤の場合、液体洗浄剤の総質量に対して62~98質量%が好ましく、68~97質量%がより好ましく、74~95質量%がさらに好ましい。水と水混和性有機溶剤の含有量の合計が上記数値範囲内であると、洗浄力を確保するのに充分な量の(D)成分を含有する液体洗浄剤組成であっても、流動性に優れる。
水混和性有機溶剤の質量に対する水の質量比、すなわち、水/水混和性有機溶剤で表される質量比(水/有機溶剤比)は、界面活性剤濃度が高い液体洗浄剤の場合、0.5~8が好ましく、1~4がより好ましい。水/有機溶剤比は、界面活性剤濃度が低い液体洗浄剤の場合、1.2~17が好ましく、2~8.5がより好ましい。水/有機溶剤比が上記数値範囲内であると、色素安定性がより向上する。加えて、液体洗浄剤の流動性に優れる。
(他のビルダー成分)
(A)成分及び(E)成分以外のビルダー成分(「他のビルダー成分」ともいう。)としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、亜硫酸ナトリウム、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、四ホウ酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルミノケイ酸塩(例えばゼオライト等)等が挙げられる。
他のビルダー成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
他のビルダー成分は、液体洗浄剤に溶けていてもよいし、固体の状態で存在してもよい。
他のビルダー成分の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して20質量%以下が好ましく、0.5~10質量%がより好ましい。
(キレート剤)
キレート剤としては、例えば、3~4価のカルボン酸基又はその塩を有するキレート剤が好ましい。その具体例としては、クエン酸又はその塩、アミノカルボン酸系キレート剤又はその塩が挙げられる。アミノカルボン酸とは、1分子中に1~3級のアミノ基と、カルボキシル基とを、それぞれ少なくとも1個ずつ含む化合物をいい、アミノカルボン酸系キレート剤とはアミノカルボン酸であるキレート剤をいう。
アミノカルボン酸系キレート剤は、洗浄剤の分野で公知のものを使用できる。具体例としては、メチルグリシンジ酢酸(MGDA)、メチルグリシンジ酢酸塩、L-グルタミン酸ジ酢酸(GLDA)、L-グルタミン酸ジ酢酸塩、ジエチレントリアミン5酢酸(DTPA)、ジエチレントリアミン5酢酸塩、エチレンジアミンコハク酸(EDDS)、エチレンジアミンコハク酸塩、3-ヒドロキシ-2,2’-イミノジコハク酸(HIDS)、3-ヒドロキシ-2,2’-イミノジコハク酸塩、L-アスパラギン酸-N,N-2酢酸(ASDA)、L-アスパラギン酸-N,N-2酢酸塩等が挙げられる。これらの中でも、クエン酸又はその塩、MGDA又はその塩が好ましく、メチルグリシンジ酢酸3ナトリウムがより好ましい。
キレート剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
キレート剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して0.01質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましい。0.1質量%以上がさらに好ましい。キレート剤の含有量が上記下限値以上であれば、洗浄力向上効果、保存安定性の向上効果、色素安定性の向上効果が充分に得られやすい。
(pH調整剤)
pH調整剤としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、イソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン等のアルカノールアミン:水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物:アルギニン、リジン等の塩基性アミノ酸:アンモニア;硫酸、塩酸、リン酸、クエン酸等の酸剤等が挙げられる。これらの中でも、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン、ジイソプロパツールアミン、水酸化ナトリウム、硫酸、塩酸が好ましい。
pH調整剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
pH調整剤の添加量は、液体洗浄剤を所定のpHに調整する量を適宜設定すればよい。
(減粘剤及び可溶化剤)
減粘剤及び可溶化剤としては、例えば、芳香族スルホン酸又はその塩が挙げられる。具体的には、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、クメンスルホン酸、置換もしくは非置換ナフタレンスルホン酸又はこれらの塩が挙げられる。芳香族スルホン酸の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、又はアルカノールアミン塩等が挙げられる。
減粘剤及び可溶化剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
減粘剤及び可溶化剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して0.1~15質量%が好ましい。
(抗菌剤)
抗菌剤としては、例えば、ダイクロサン、トリクロサン等が挙げられる。
抗菌剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
抗菌剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して0.001~10質量%が好ましく、0.01~3質量%がより好ましく、0.03~2質量%がさらに好ましい。
(他の増粘剤)
(B)成分以外の増粘剤(「他の増粘剤」ともいう。)としては、例えば、キサンタンガム、ガラギーナン等が挙げられる。
他の増粘剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
他の増粘剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して6質量%以下が好ましく、0.2~4質量%がより好ましい。
(高級脂肪酸又はその塩)
液体洗浄剤が高級脂肪酸又はその塩を含有していると、消泡性が高まる。なお、「消泡性」とは、液体洗浄剤を用いて洗濯する際、具体的には液体洗浄剤が水道水等で希釈されて使用されるときの泡立ちを抑える性質のことである。
高級脂肪酸又はその塩としては、例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸等の単一脂肪酸又はその塩;ヤシ油脂肪酸、牛脂脂肪酸等の混合脂肪酸又はその塩等が挙げられる。
高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ヤシ油脂肪酸が好ましく、ヤシ油脂肪酸がより好ましい。
高級脂肪酸の塩の形態としては、例えば、アルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(マグネシウム塩等)、アルカノールアミン塩(モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩等)等が挙げられる。
高級脂肪酸又はその塩は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
高級脂肪酸又はその塩の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して0.5~10質量%が好ましく、2~8質量%がより好ましく、3~5質量%がさらに好ましい。高級脂肪酸又はその塩の含有量が上記下限値以上であると、消泡性が高まる。高級脂肪酸又はその塩の含有量が上記上限値以下であると、低温時の液体安定性が向上する。
(防腐剤)
防腐剤としては、例えば、2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3-ジオール、3-ヨードプロピニルブチルカーバメート、ジンクピリチオン、ナトリウムピリチオン、オクチルイソチアゾリン-3-オン、1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン(BIT)、5-クロロ-2-メチルイソチアゾリン-3-オン(CMIT)、2-メチルイソチアゾリン-3-オン(MIT)、エトキシル化ココアミン、オクタンジオール、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、安息香酸ナトリウム等が挙げられる。
防腐剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
防腐剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して、0.001~2質量%が好ましい。
(酸化防止剤)
液体洗浄剤が酸化防止剤を含有していると、液体洗浄剤を収容する容器のヘッドスペース中の酸素の吸収を抑制できる。加えて、光や熱による退色、変色を抑制できる。
酸化防止剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール等のモノフェノール系酸化防止剤;2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール等のビスフェノール系酸化防止剤;dl-α-トコフェロール等の高分子型フェノール系酸化防止剤等が挙げられる。これらの中でも、モノフェノール系酸化防止剤、高分子型酸化防止剤が好ましい。モノフェノール系酸化防止剤の中では、ジブチルヒドロキシトルエンが特に好ましい。高分子型フェノール系酸化防止剤の中では、dl-α-トコフェロールが特に好ましい。
酸化防止剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
酸化防止剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して0.01~2質量%が好ましい。
(酵素)
液体洗浄剤が酵素を含有していると、皮脂汚れ、タンパク汚れ、食べこぼしの汚れ等に対する洗浄力をより高められる。
酵素としては、例えば、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、マンナナーゼ等が挙げられる。
本明細書において、「酵素」とは、酵素製剤のことを意味する。酵素製剤は、液体であってもよく、固体であってもよい。
プロテアーゼとしては、プロテアーゼ製剤としてノボザイムズ社から入手できる商品名Savinase16L、Savinase Ultra 16L、Savinase Ultra 16XL、Savinase Evity 16L、Everlase 16L TypeEX、Everlase Ultra 16L、Esperase 8L、Alcalase 2.5L、Alcalase Ultra 2.5L、Liquanase 2.5L、Liquanase Ultra 2.5L、Liquanase Ultra 2.5XL、Coronase 48L、Progress Uno 100L、Deozyme、Savinase Evity 12T、Kannase Evity 24T;デュポン社から入手できる商品名EFFECTENZ P150、EFFECTENZ P100、PREFERENZ P100等が挙げられる。
アミラーゼとしては、アミラーゼ製剤としてノボザイムズ社から入手できる商品名Termamyl 300L、Termamyl Ultra 300L、Duramyl 300L、Stainzyme 12L、Stainzyme Plus 12L、Amplify 12L、Amplify Prime 100L、Stainzyme Plus 12T;デュポン社から入手できる商品名EFFECTENZ S100;天野エンザイム株式会社から入手できる商品名プルラナーゼアマノ;生化学工業株式会社から入手できる商品名DB-250等が挙げられる。
リパーゼとしては、リパーゼ製剤としてノボザイムズ社から入手できる商品名Lipex 100L、Lipolase 100L、Lipex 100T等が挙げられる。
セルラーゼとしては、セルラーゼ製剤としてノボザイムズ社から入手できる商品名Endolase 5000L、Celluzyme 0.4L、Carezyme 4500L、Celluclean 4500T、デュポン社から入手できる商品名REVITALENTZ 2000等が挙げられる。
マンナナーゼとしては、マンナナーゼ製剤としてノボザイムズ社から入手できる商品名Mannaway 4L、Mannaway 4.0T等が挙げられる。
酵素が2種以上配合されたマルチ酵素としては、Medley Core 210L、Medley Core 200L、Medley Boost 300L、Medley Advance 200T、Medley Glow 200L、Medley Brilliant 100L、Medley Essential 150L、Medley Core 200T、Medley CleanR、Medley Essential 200T、Medley SmartR、Medley Advance 200T、Medley Boost 200L、Medley Boost 200T、Medley SuperioR 100T等が挙げられる。
酵素は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
酵素の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して0.1~5質量%が好ましく、0.3~3質量%がより好ましく、0.4~2.5質量%がさらに好ましい。酵素の含有量が上記数値範囲内であると、洗浄力がより高まり、経済的にも有利となる。
(酵素安定化剤)
酵素安定化剤としては、例えば、ホウ酸、ホウ砂、ギ酸又はその塩、乳酸又はその塩、塩化カルシウム、硫酸カルシウム等のカルシウム塩類等が挙げられる。
酵素安定化剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
酵素安定化剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して2質量%以下が好ましい。
(風合い向上剤)
風合い向上剤としては、例えば、ジメチルシリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン等のシリコーン等が挙げられる。
風合い向上剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
風合い向上剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して5質量%以下が好ましい。
(蛍光増白剤)
蛍光増白剤としては、例えば、ジスチリルビフェニル型の蛍光増白剤、ビス(トリアジニルアミノ)スチルベンジスルホン酸型の蛍光増白剤等が挙げられる。
蛍光増白剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
蛍光増白剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して1質量%以下が好ましい。
(移染防止剤)
移染防止剤としては、例えば、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ポリアルキレンアミン等が挙げられる。
移染防止剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
移染防止剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して3質量%以下が好ましい。
(再汚染防止剤)
再汚染防止剤としては、例えば、アルキレンテレフタレート単位及びアルキレンイソフタレート単位からなる群から選択される少なくとも一種の繰り返し単位と、オキシアルキレン単位及びポリオキシアルキレン単位からなる群から選択される少なくとも一種の繰り返し単位とを有する水溶性ポリマー等が挙げられる。このような水溶性ポリマーとしては、具体的に、商品名「TexCare SRN-100」(クラリアント社製、質量平均分子量2000~3000)、商品名「TexCare SRN-300」(クラリアント社製、質量平均分子量7000)、商品名「Repel-O-Tex Crystal」(ローディア社製)、商品名「Repel-O-Tex QC」(ローディア社製)等が挙げられる。これらの中でも、水への溶解性が高く、保存安定性にも優れる点から、TexCare SRN-100が好ましい。また、取り扱い性に優れる点から、前記TexCare SRN-100の70%水溶液として市販されている商品名TexCare SRN-170(クラリアント社製)を再汚染防止剤として用いることが好ましい。
再汚染防止剤としては、上述した以外にも、例えば、ポリアルキレンイミンのアルキレンオキシド付加体、ポリアルキレンアミンのアルキレンオキシド付加体等を用いることができる。具体的には、商品名「Sokalan HP20」(BASF社製)等が挙げられる。
再汚染防止剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
再汚染防止剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して0.01~5質量%が好ましい。
(乳濁化剤)
乳濁化剤としては、例えば、ポリスチレンエマルション、ポリ酢酸ビニルエマルション等が挙げられ、通常、固形分30~50質量%のエマルションが好適に用いられる。具体例としては、ポリスチレンエマルション(商品名:サイビノール(登録商標)RPX-196 PE-3、固形分40質量%、サイデン化学株式会社製)、Opulyn 301、Acusol OP 301等が挙げられる。
乳濁化剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
乳濁化剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して0.001~0.5質量%が好ましい。
(着香剤)
着香剤としては、例えば、1996年化学工業日報社刊、印藤元一著「合成香料 化学と商品知識」;1969年MONTCLAIR,N.J.刊、STEFFEN ARCTANDER著「Perfume and Flavor Chemicals」等に記載のものが挙げられる。より具体的には、合成香料、動物もしくは植物からの天然香料、天然香料及び/又は合成香料を含む調合香料や、例えば、特開2002-146399号公報に記載の香料成分等が挙げられる。
着香剤は、高分子化合物で形成されたカプセルに内包されたカプセル香料として、配合されてもよい。
着香剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
着香剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して0.01~2質量%が好ましい。
<物性>
(pH)
液体洗浄剤の25℃におけるpHは8.5以上が好ましく、8.5~11がより好ましく、8.5~10.5がさらに好ましく、8.5~10が特に好ましい。液体洗浄剤のpHが上記下限値以上であると、洗浄力がより高まる。液体洗浄剤のpHが上記上限値以下であると、衣類等の繊維製品に対するダメージを防止できる。
液体洗浄剤のpHは、必要に応じて、pH調整剤を添加することにより調整できる。
液体洗浄剤のpHは、測定対象を25℃とし、pHメーター(東亜ディーケーケー株式会社製、製品名「HM-30G」)により測定される値である。
(粘度)
液体洗浄剤の25℃における粘度は100~2000mPa・sが好ましく、150~1000mPa・sがより好ましい。液体洗浄剤の粘度が上記数値範囲内であると、液体洗浄剤を計量キャップ等で計り取りやすくなる。また、塗布洗浄に用いる際に、液体洗浄剤を繊維製品等に塗布しやすくなる。
液体洗浄剤の粘度は、試料を25℃に調整し、粘度計(例えば、TVB-25L)を用いて測定される値を示す。以下に、粘度の測定条件の一例を示す。
《測定条件の一例》
・ローター:2番ローター(ローターNo.2)。
・回転数:60rpm。
・測定温度:25℃。
・粘度の読み取り:ローターの回転開始5分後。
(TI値)
液体洗浄剤のチキソトロピーインデックス(TI値)は、1.5~5.0が好ましく、1.8~4.0がより好ましい。TI値が上記下限値以上であると、優れたチキソトロピー性を有し、固体状態の(A)成分及び顔料の分散均一性がより向上する。TI値が上記上限値以下であると、液体洗浄剤の流動性が損なわれにくい。
液体洗浄剤のTI値は、下記式(i)より求められる。
TI値=(6rpmで5分後の粘度)/(60rpmで5分後の粘度) ・・・(i)
粘度は、測定対象を25℃に調整し、粘度計(例えば、TVB-25L)でローターNo.2を用いて測定される値(mPa・s)である。
≪液体洗浄剤の製造方法≫
液体洗浄剤の製造方法は特に制限されるものではなく、液体洗浄剤は常法に準じて製造することができる。
例えば、液体洗浄剤は、上述した(A)成分と、(B)成分と、(C)成分と、必要に応じてpH調整剤以外の任意成分の1つ以上とを混合することで製造できる。
液体洗浄剤が水混和性有機溶剤を含む場合、水混和性有機溶剤で液体洗浄剤の総質量が100質量%となるように調整することが好ましい。
以下に、(A)成分と(C)成分と(D)成分と水と水混和性有機溶剤とを含有する液体洗浄剤の製造方法の一例について説明する。
まず、(D)成分と、水と、水混和性有機溶剤の一部と、必要に応じてpH調整剤以外の任意成分とを混合し、必要に応じてpH調整剤を用いて所定のpH、好ましくはpHが6.0~10.0になるように調整する。次いで、(B)成分を加えて混合する。次いで、(A)成分と(C)成分と、必要に応じて任意成分を加えて混合し、液体洗浄剤を得る。
≪液体洗浄剤の使用方法≫
液体洗浄剤の使用方法としては、例えば、液体洗浄剤を洗濯機の液体洗浄剤の投入口に入れてから洗濯機を稼働させる方法、液体洗浄剤を洗濯時に被洗物と一緒に水に投入する方法、液体洗浄剤を予め水に溶解して調製される洗浄液に被洗物を浸漬する方法、液体洗浄剤を被洗物に直接塗布して、例えば、3分~24時間放置し、その後、通常の洗濯を行う方法等が挙げられる。
また、近年実用化された洗剤自動投入装置を備えた洗濯機を使用することも好ましい。
洗剤自動投入装置は、液体洗浄剤を収容したタンクから、タンクの底に設けられたゴミ取り用のフィルター、及び投入用配管を経由して、自動的に洗濯槽に液体洗浄剤を投入する装置である。投入用配管の途中には、シリンジポンプ等の計量手段が設けられており、洗濯物の量等に応じて設定された一定量を、タンクから洗濯槽へと移送できるようになっている。
洗剤自動投入装置を利用すれば、計量の手間が省けるだけでなく、計量時に液体洗浄剤が手に付着したり、こぼれて洗濯機や周囲を汚してしまったりすることを回避できる。
また、自動で所定の量の液体を吐出できる自動ディスペンサーを使用することも好ましい。自動ディスペンサーを使用する場合も、少量の液体洗浄剤でも正確に計量することができるため、充分な洗浄力を発揮しやすく、使いすぎによる無駄も回避できるので好ましい。
自動ディスペンサーの中には、赤外線センサ等を利用して、スイッチ等に触れなくとも自動的に吐出するものも市販されている。このような自動ディスペンサーを使用すれば、片手に保持した容器を差し出すだけで液体洗浄剤を計量することができ、使用者の負担軽減効果が大きい。
また、自動ディスペンサーを使用する場合、軟質容器に吐出された液体洗浄剤を受け、その軟質容器をそのまま洗濯機に投入することも好ましい。これにより、吐出された液体洗浄剤の全量を、確実に洗浄液中に溶解させることができる。
そのまま洗濯機に投入可能な軟質容器の材質としては、例えば、シリコ-ン樹脂、ポリ塩化ビニル、エラストマー、軟質ポリエステル、軟質ポリプロピレン、ポリウレタン等が挙げられる。
被洗物の例としては、例えば、衣類(衣料)、布巾、タオル類、シーツ、カーテン等の繊維製品等が挙げられる。繊維製品の素材は特に限定されず、綿、絹、羊毛等の天然繊維、ポリエステル、ポリアミド等の化学繊維等のいずれでもよい。
液体洗浄剤を水に溶解して使用する場合、例えば、5~6000倍(体積基準)に希釈することが好ましい。
衣類量あたりの水量である浴比(洗濯時の洗浄液の質量/衣類の質量)は、ドラム型洗濯機であれば5以上、縦型洗濯機であれば10以上が好ましい。
液体洗浄剤は、繊維製品用の洗浄剤として好適である。特に、液体洗浄剤が被覆されていない(A)成分を含有し、その(A)成分の粒子径が200μm以下、より好ましくは100μm以下であれば、洗剤自動投入機能を備えた洗濯機や自動ディスペンサーでの使用に適している。
≪作用効果≫
以上説明した本発明の液体洗浄剤は、(A)成分を含有するので、洗浄力が高い。
さらに、液体洗浄剤中で、(A)成分の少なくとも一部が固体状態で存在していれば、液体洗浄剤には、溶解度を超えた量の(A)成分が含まれていることになり、洗浄力がより高まる。
なお、液体洗浄剤を洗濯に使用するときには、液体洗浄剤が水により希釈されるので、固体状態で存在する(A)成分が洗濯液中に徐々に溶けて、(A)成分の周辺の濃度が濃くなり、汚れや繊維製品に対して高濃度に作用し、高い洗浄力を発揮できる。
本発明の液体洗浄剤は、(B)成分を含有するので、液体洗浄剤が不溶粒子を含有する場合、不溶粒子の分散安定性を高め、液体洗浄剤中に不溶粒子を均一に分散でき、その状態を良好に維持できる。そのため、分散均一性に優れる。
本発明の液体洗浄剤は、(C)成分を含有するので、液体洗浄剤を着色し、審美性を高められる。
加えて、本実施形態の(C)成分は、光や熱に対して安定性が高いため、色素安定性に優れる。
さらに、本実施形態の(C)成分は、水溶性染料に比べて水に対する溶解度が低く、液体洗浄剤中で分散しているため、(A)成分や、その他の成分との反応を抑制できる。そのため、光や熱が供給された際に反応しにくく、色素安定性に優れる。
以下、実施例を示して本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によって限定されるものではない。
各実施例及び比較例で使用した原料、測定・評価方法は、以下の通りである。
[使用原料]
<(A)成分>
炭酸Na粒子:炭酸ナトリウム(ソーダアッシュジャパン株式会社製、商品名「粒灰」、粒子径330μm)。
<(B)成分>
Cellulon R-27:細菌セルロース(CPKelco U.S.社製、商品名「Cellulon(登録商標) R-27」、水分量80質量%)。ここで、表中「Cellulon R-27」の含有量は、商品の有り姿の含有量である。
なお、Cellulon R-27の水分量は、自動水分測定装置(平沼産業株式会社製、製品名「AQUACOUNTER AQV-2200」)を用いて測定した。
<(C)成分>
L-280 BLUE U:顔料、C.I.77007(ピグメントブルー29、大日精化工業株式会社製)。
Irgazin Red K3842:顔料、C.I.56110(ピグメントレッド254、BASF社製)。
黄色205号:顔料、C.I.21090(ピグメントイエロー12、癸巳化成株式会社製)。
黄色204号:油溶性染料、C.I.47000(ソルベントイエロー33、癸巳化成株式会社製)。
<(C’)成分>
青色1号:水溶性染料、C.I.42090(ブリリアントブルーFCF、癸巳化成株式会社製)。
赤色106号:水溶性染料、C.I.45100(アシッドレッド52、癸巳化成株式会社製)。
黄色4号:水溶性染料、C.I.19140(アシッドイエロー23、癸巳化成株式会社製)。
<任意成分>
((D)成分)
AE7:ノニオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(式(2)において、R11が炭素数12の直鎖状のアルキル基(C12)及び炭素数14の直鎖状のアルキル基(C14)であり(質量比でC12:C14=75:25)、酸素原子に結合するR11の炭素原子は第一級炭素原子であり、R12が水素原子であり、s=7、t=u=0であるアルコールアルコキシレート、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製、商品名「レオックスCL-70」)。
LAS-H:非石けん系アニオン界面活性剤、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸(アルキル基の炭素数10~14)、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、商品名「ライポンLH-200」。
AES-1:非石けん系アニオン界面活性剤、下記合成方法例で合成したポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩(AES)(ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸エステルナトリウムとポリオキシエチレンミリスチルエーテル硫酸エステルナトリウムとの混合物、EOの平均付加モル数1)。
IOS:非石けん系アニオン界面活性剤、下記合成例で合成した内部オレフィンスルホン酸のナトリウム塩。
《AES-1の合成》
容量4Lのオートクレーブ中に、原料アルコールとしてプロクター・アンド・ギャンブル社製の商品名「CO1270アルコール」(炭素数12のアルコールと炭素数14のアルコールとの質量比75/25の混合物)400gと、反応用触媒として水酸化カリウム触媒0.8gとを仕込み、オートクレーブ内を窒素で置換した後、撹拌しながら昇温した。続いて、温度を180℃、圧力を0.3MPa以下に維持しながらエチレンオキシド91gを導入し、反応させることによりアルコールエトキシレートを得た。ガスクロマトグラフ(Hewlett-Packard社製、商品名「GC-5890」)と、検出器:水素炎イオン化型検出器(FID)と、カラム(Hewlett-Packard社製、商品名「Ultra-1」、L25m×φ0.2mm×T0.11μm)と、を用いて分析した結果、得られたアルコールエトキシレートは、エチレンオキシドの平均付加モル数が1.0であった。また、エチレンオキシドが付加していない化合物の量が得られたアルコールエトキシレート全体に対して43質量%であった。次に、上記で得たアルコールエトキシレート237gを、撹拌装置付の500mLフラスコに採り、窒素で置換した後、液体無水硫酸(サルファン)96gを、反応温度40℃に保ちながらゆっくりと滴下した。滴下終了後、1時間撹拌を続け(硫酸化反応)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸を得た。次いで、これを水酸化ナトリウム水溶液で中和することによりAES-1を得た。
《IOSの合成》
二重結合が2位に存在する割合の合計が26質量%であり、かつ、シス体/トランス体の質量比が27/73であり、パラフィン成分を2.0質量%含む内部オレフィン混合物を内部オレフィンとして用いた。この内部オレフィンは、C14(炭素数)以下が3質量%、C15が33質量%、C16が39質量%、C17が24質量%、C18以上が1質量%からなる内部オレフィン混合物であった。この内部オレフィン混合物を用い、内径6mmφ、長さ1.2mのガラス製薄膜式スルホン化装置を使用して、窒素で希釈したSOガス(SO濃度:5体積%)により、反応器温度10℃、SO/内部オレフィンのモル比1.1の条件下で、常法通りスルホン化反応を行い、内部オレフィンスルホン酸を得た。得られた反応生成物である内部オレフィンスルホン酸を5℃で1時間熟成し、次いで、1.11倍モル(対内部オレフィンスルホン酸)の15%水酸化ナトリウム水溶液を加え、30℃で30分間攪拌して中和反応を行い、中和生成物を得た。その後、この中和生成物をオートクレーブ中で、160℃で40分間加熱し、加水分解してIOSを得た。
((E)成分)
亜硫酸Na:亜硫酸ナトリウム(三井化学株式会社製、商品名「亜硫酸ナトリウム」)。
モノエタノールアミン:株式会社日本触媒製、商品名「モノエタノールアミン」。
エタノール:日本アルコール販売株式会社製、商品名「特定アルコール95度合成」。
グリセリン:富士フイルム和光純薬株式会社製、商品名「グリセリン」。
プロピレングリコール:ダウ・ケミカル社製、商品名「プロピレングリコール」。
ヤシ油脂肪酸:日油株式会社製、商品名「椰子脂肪酸」。
クエン酸:一方社油脂工業株式会社製、商品名「液体クエン酸」。
ダイクロサン:BASF株式会社製、商品名「Tinosan HP100」。
酵素1:プロテアーゼ製剤(顆粒)、ノボザイムズジャパン株式会社製、商品名「Savinase Evity 12T」。
酵素2:プロテアーゼ、アミラーゼの混合製剤(液体)、ノボザイムズジャパン株式会社製、商品名「Medley Core 210L」。
香料:特開2002-146399号公報の表11~18に記載の香料組成物A。
水:表に記載する水は、液体洗浄剤組成物中の水分の合計である。水分には、イオン交換水として添加する以外に、他の原料から持ち込まれる水が含まれる。
[測定・評価方法]
<日光曝露後の色素安定性>
液体洗浄剤50mLを、日光を透過する円筒ガラス瓶に取り、蓋を閉めて密閉した。この状態で、日光が当たる場所(建物の屋上)に1週間静置した。
その後、液体洗浄剤の色を目視で観察し、1週間静置する前の液体洗浄剤の色素由来の色の変化を比較し、下記評価基準に基づいて液体洗浄剤の色素安定性(退色の程度)を評価した。下記評価基準において、○を合格とした。
《評価基準》
○:1週間静置する前と比較して、ほぼ退色がない。
△:1週間静置する前と比較して、やや退色している。
×:1週間静置する前と比較して、はっきりと退色している。
<色素の分散均一性>
液体洗浄剤50mLを、円筒ガラス瓶に取り、蓋を閉めて密閉した。この状態で、40℃の恒温器に入れ、1週間静置保存した。保存後の液体洗浄剤の外観を目視にて確認し、下記評価基準に基づいて、液体洗浄剤中に固体状態で存在している顔料(色素)の分散均一性を評価した。下記評価基準において、○を合格とした。
《評価基準》
○:保存前と比較して、ほぼ変化なく顔料が均一に分散している。
×:顔料が完全に沈降している。
[実施例1~13、比較例1~4]
500mLのビーカーに、表1の配合組成に従い、(D)成分と、(E)成分と、イオン交換水と、グリセリンの一部と、pH調整剤及びグリセリン以外の任意成分とを投入し、スリーワンモーター撹拌機(アズワン株式会社製)で充分に攪拌し、混合物を得た。この時点で、混合物の25℃におけるpHが7であることを確認した。なお、表1中の水の配合量(質量%)には、(B)成分から持ち込まれる水の量は含まれない。
次いで、混合物に(B)成分を投入して充分に攪拌した。さらに、(A)成分と(C)成分を投入して充分に攪拌した後、全体量が100質量%になるように残りのグリセリンを加えて、液体洗浄剤を得た。
実施例1~13及び比較例1で得られた液体洗浄剤は、(A)成分及び(C)成分の一部が固体状態で存在していた。
比較例2~4で得られた液体洗浄剤は、(A)成分の一部が固体状態で存在していた。
得られた液体洗浄剤の25℃におけるpHをpHメーター(東亜ディーケーケー株式会社製、製品名「HM-30G」)を用いて測定した。結果を表1に示す。
得られた液体洗浄剤について、日光曝露後の色素安定性、色素の分散均一性を評価した。
これらの結果を表1~2に示す。表中の配合量は、純分換算値である(ただし、(B)成分の配合量を除く。)。表中「-」は、その成分を含有しないことを示す。
Figure 2023073590000003
Figure 2023073590000004
表1~2に示すように、本発明を適用した実施例1~13は、日光曝露後の色素安定性の評価が「○」又は「△」、色素の分散均一性の評価が「○」で、良好な評価結果が得られた。
これに対して、(B)成分を含有しない比較例1は、色素の分散均一性の評価が「×」だった。(C)成分に代えて(C’)成分を配合した比較例2~4は、日光曝露後の色素安定性の評価が「×」だった。
これらの結果から、本発明によれば、液体洗浄剤組成物のpHをアルカリ性にした場合や、還元剤を配合した場合においても、色素安定性及び分散均一性により優れることが分かった。

Claims (5)

  1. (A)成分:無機アルカリ剤と、
    (B)成分:構造化剤と、
    (C)成分:顔料及び油溶性染料から選択される1種以上の色素と、
    を含む、液体洗浄剤組成物。
  2. 前記(C)成分の含有量が、総質量に対して0.00001~0.3質量%である、請求項1に記載の液体洗浄剤組成物。
  3. (D)成分:界面活性剤
    をさらに含む、請求項1又は2に記載の液体洗浄剤組成物。
  4. (E)成分:無機還元剤
    をさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の液体洗浄剤組成物。
  5. 前記(A)成分の少なくとも一部は固体状態で存在している、請求項1~4のいずれか一項に記載の液体洗浄剤組成物。
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