JP6611374B2 - 繊維製品用の液体洗浄剤 - Google Patents
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Description
本願は、2015年3月30日に、日本に出願された特願2015−070314号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
かかる化粧品に由来する油性の汚れ(化粧品汚れ)に対し、自動洗濯機を用い、洗浄、濯ぎ、脱水を行う通常の洗濯を行っても充分に汚れを除去できないことがある。そのため、通常の洗濯を行うことに加えて、化粧品汚れが付着した部分に対して、手洗い洗濯をしたり、通常の洗濯に用いる洗浄剤とは別のしみ取り剤(漂白剤)を塗布する等の前処理をすることが必要である。しかしながら、このような手洗い洗濯や前処理を煩わしいと感じる生活者は少なくなく、通常の洗濯で化粧品汚れを充分に洗浄できる洗浄剤が求められている。
特許文献1には、ノニオン界面活性剤と、キサンタンガムと、特定のポリエステル樹脂を含有する液体洗浄剤組成物が開示されている。特許文献2には、分枝親水性封鎖基およびオリゴマーまたは重合体主鎖を有する特定のエステル化合物を含有する洗剤組成物が開示されている。
本発明は、以下の態様を有する。
[1](A)成分:アニオン界面活性剤と、
(B)成分:カチオン界面活性剤と、
(C)成分:アルキレンテレフタレート単位及びアルキレンイソフタレート単位からなる群より選択される少なくとも一種の繰り返し単位(c1)並びにオキシアルキレン単位(c2)を有し、重量平均分子量が1000〜10000であるポリマーと、を含有し、
(A)成分/(B)成分で表される質量比が1〜25であることを特徴とする、繊維製品用の洗浄剤。
[2]さらに(D)成分:ノニオン界面活性剤を含有することを特徴とする、[1]に記載の繊維製品用の洗浄剤。
[3](A)成分/(C)成分で表される質量比が1〜30である、請求項1又は2に記載の繊維製品用の洗浄剤。
[4]前記(A)成分が、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、α−スルホ脂肪酸メチルエステル塩、α−オレフィンスルホン酸塩、及びヤシ脂肪酸塩からなる群から選択される少なくとも1種のアニオン界面活性剤である、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の繊維製品用の洗浄剤。
[5]前記(B)成分が、下記一般式(25)で表されるカチオン界面活性剤である、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の繊維製品用の洗浄剤。
[6]前記(C)成分が、下記一般式(C1)又は下記一般式(C2)で表される高分子化合物を含む、[1]〜[5]のいずれか一項に記載の繊維製品用の洗浄剤。
[7]前記(A)成分の含有量が、洗浄剤の総質量に対し、1〜40質量%である、[1]〜[6]のいずれか一項に記載の繊維製品用の洗浄剤。
[8]前記(B)成分の含有量が、洗浄剤の総質量に対し、0.01〜15質量%である、[1]〜[7]のいずれか一項に記載の繊維製品用の洗浄剤。
[9]前記(C)成分の含有量が、洗浄剤の総質量に対し、0.1〜5質量%である、[1]〜[8]のいずれか一項に記載の繊維製品用の洗浄剤。
本発明の繊維製品用の洗浄剤(以下、単に「洗浄剤」ともいう。)は、(A)〜(C)成分を含有する組成物である。
(A)成分は、アニオン界面活性剤である。本発明の洗浄剤は、後述の(B)成分及び(C)成分とともに(A)成分を含有することで、油性汚れに対する洗浄力が高められる。
(A)成分としては、繊維製品用等の洗浄剤に用いられている公知のアニオン界面活性剤が挙げられる。
(A)成分としては、例えば、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩;α−オレフィンスルホン酸塩;直鎖または分岐鎖のアルキル硫酸エステル塩;アルキルエーテル硫酸エステル塩またはアルケニルエーテル硫酸エステル塩;アルカンスルホン酸塩;α−スルホ脂肪酸エステル塩;脂肪酸、アルキルエーテルカルボン酸、ポリオキシアルキレンエーテルカルボン酸、アルキル(又はアルケニル)アミドエーテルカルボン酸、アシルアミノカルボン酸又はこれらの塩等のカルボン酸型のアニオン界面活性剤;アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルリン酸エステル塩、グリセリン脂肪酸エステルモノリン酸エステル塩等のリン酸エステル型のアニオン界面活性剤等が挙げられる。
これらの塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩などのアルカノールアミン塩等が挙げられる。
α−オレフィンスルホン酸塩としては、炭素数10〜20のものが好ましい。
アルキル硫酸エステル塩としては、炭素数10〜20のものが好ましい。
アルキルエーテル硫酸エステル塩またはアルケニルエーテル硫酸エステル塩としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩又はポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸エステル塩が好ましく、炭素数10〜20の直鎖または分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基を有し、平均1〜5モルのアルキレンオキシド(例えば、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドからなる群から選択される少なくとも1種のアルキレンオキシド)を付加したポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩又はポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸エステル塩がより好ましい。
アルカンスルホン酸塩としては、炭素数10〜20、好ましくは14〜17のアルキル基を有する2級アルカンスルホン酸塩が好ましい。
α−スルホ脂肪酸エステル塩としては、脂肪酸残基の炭素数が10〜20であるα−スルホ脂肪酸エステル塩が好ましい。
脂肪酸又はその塩としては、炭素数10〜20の脂肪酸又はその塩が好ましい。
これらのなかでも、より油性汚れに対する洗浄効果が高められる点から、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、アルケニルエーテル硫酸エステル塩、アルカンスルホン酸塩、及びα−スルホ脂肪酸エステル塩から選ばれる1種以上のアニオン界面活性剤が好ましく、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩、及びポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩から選ばれる1種以上のアニオン界面活性剤がより好ましい。
(A)成分は、1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
また、油性汚れに対する洗浄効果がより高められる点から、脂肪酸又はその塩の含有量は、(A)成分の総質量に対し、0〜30質量%とされるのが好ましく、0〜20質量%とされるのがより好ましい。
(B)成分は、カチオン界面活性剤である。本発明の洗浄剤は、上記(A)成分と後述の(C)成分とともに(B)成分を含有することで、油性汚れに対する洗浄力が高められる。
(B)成分としては、4級アンモニウム塩型の界面活性剤(以下、(b1)成分ということがある)等が挙げられる。
EOは、オキシエチレン基を表し、x及びyはオキシエチレン基の平均繰り返し数を表す0超の数である。x+y=10以上であり、10〜50が好ましい。Zb−は対イオンであり、(25)式中のZa−と同じ意味を有する。
(B)成分としては、一般式(25)で表される化合物が好ましい。一般式(25)で表される化合物のなかでも(b25−1)成分が好ましい。(b25−1)成分のなかでも、一般式(25)におけるR20が炭素数10〜18のアルキル基又はアルケニル基であり、R21〜R23がいずれもメチル基である化合物が好ましく、R20が炭素数10〜14のアルキル基又はアルケニル基であり、R21〜R23がいずれもメチル基である化合物がより好ましい。
上記化合物が、上記(A)成分及び後述の(C)成分とともに用いられると、油性汚れに対する洗浄効果がより高められやすくなる。
(C)成分は、アルキレンテレフタレート単位及びアルキレンイソフタレート単位からなる群より選択される少なくとも一種の繰り返し単位(c1)並びにオキシアルキレン単位(c2)を有するポリマーである。
本発明の洗浄剤は、上記(A)成分及び(B)成分とともに(C)成分を含有することで油性汚れに対する洗浄効果が高められる。
なお、本明細書において「繰り返し単位」とは、重合体を構成するモノマー単位をいう。
特定の繰り返し単位(c1)のうち、アルキレンテレフタレート単位(以下、この繰り返し単位を「繰り返し単位(c11)」ともいう)としては、下記一般式(c1−1)で表される繰り返し単位が挙げられる。
繰り返し単位(c11)として具体的には、エチレンテレフタレート単位、n−プロピレンテレフタレート単位、イソプロピレンテレフタレート単位、n−ブチレンテレフタレート単位、イソブチレンテレフタレート単位、sec−ブチレンテレフタレート単位、tert−ブチレンテレフタレート単位等が挙げられる。中でも、イソプロピレンテレフタレート単位が好ましい。
繰り返し単位(c11)は、1種が単独で用いられてもよく、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
繰り返し単位(c12)として具体的には、エチレンイソフタレート単位、n−プロピレンイソフタレート単位、イソプロピレンイソフタレート単位、n−ブチレンイソフタレート単位、sec−ブチレンイソフタレート単位、tert−ブチレンイソフタレート単位等が挙げられる。中でも、イソプロピレンイソフタレート単位が好ましい。
繰り返し単位(c12)は、1種が単独で用いられてもよく、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
繰り返し単位(c1)は、1分子中に、1単位で導入されてもよいし、2単位以上(即ちブロック状)で導入されてもよい。
繰り返し単位(c1)の数が、前記の好ましい範囲であると、油性汚れに対する洗浄効果が高められやすくなる。
オキシアルキレン単位(以下、この繰り返し単位を「繰り返し単位(c2)」ともいう)としては、下記一般式(c2−1)で表される繰り返し単位が挙げられる。
繰り返し単位(c2)としては、オキシエチレン単位、オキシプロピレン単位、オキシブチレン単位等が挙げられる。なかでも、オキシエチレン単位、オキシプロピレン単位が好ましい。
また、(C)成分は、その1分子中に、繰り返し単位(c2)として、オキシアルキレン基(繰り返し単位(c2)の繰り返し数が1のもの)を有していてもよく、ポリオキシアルキレン基(繰り返し単位(c2)の繰り返し数が2以上のもの)を有していてもよく、オキシアルキレン基とポリオキシアルキレン基との両方を有していてもよい。
繰り返し単位(c2)の繰り返し数が、前記の好ましい範囲であると、油性汚れに対する洗浄効果が高められやすくなる。
(C)成分中にその他の繰り返し単位を有する場合、繰り返し単位(c1)と繰り返し単位(c2)との合計は、(C)成分を構成する全部の繰り返し単位の合計モル数に対して、80モル%以上であることが好ましく、90モル%以上であることがより好ましく、100モル%であってもよい。繰り返し単位(c1)と繰り返し単位(c2)との合計モル数が、前記の好ましい下限値以上であると、油性汚れに対する洗浄効果が高められやすくなる。
ここでいう「水溶性ポリマー」とは、1リットルビーカー内で、ポリマー10gを、40℃の条件で、水1000gに添加し、スターラー(太さ8mm、長さ50mm)により12時間撹拌(200rpm)した後に溶解しているものをいう。
なお、本発明における重量平均分子量は、溶媒としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いてGPC(ゲルパーミネーションクロマトグラフィー)により測定した値を、PEG(ポリエチレングリコール)における較正曲線に基づいて換算した値を示す。
R34及びR37は、それぞれメチル基又は水素原子であり、それぞれメチル基であることが好ましい。
R35、R36、R38及びR39は、それぞれ独立して、炭素数2〜4のアルキレン基である。
s1及びs2は、それぞれ0〜10であり、好ましくは0.5〜5であり、より好ましくは0.5〜2.5である。t1、t2、u1及びu2は、それぞれ独立して1〜100であり、好ましくは1〜80であり、より好ましくは1〜50であり、さらに好ましくは10〜50であり、特に好ましくは、20〜30である。s1、s2、t1、t2、u1及びu2が前記の好ましい範囲であると、(C)成分の配合効果が充分に発揮されやすくなる。また、水に対する溶解性がより向上し、液体洗浄剤に配合した際に透明感に優れる洗浄剤が得られやすくなる。
(C2)中のs2と(t2+u2)の比[s2:(t2+u2)]は、上記[s1:(t1+u1)]の比と同様の範囲が好ましい。
また、(C)成分としては、合成品が用いられてもよく、市販品が用いられてもよい。
(C)成分の市販品としては、商品名TexCare SRN−100(クラリアント社製、重量平均分子量2000〜3000)、商品名TexCare SRN−300(クラリアント社製、重量平均分子量7000)、商品名Repel−O−Tex Crystal(ローディア社製)、商品名Repel−O−Tex QC(ローディア社製)等が挙げられる。
これらのなかでは、水への溶解性が高く、保存安定性にも優れる点から、TexCare SRN−100が好ましい。また、取り扱い性に優れる点から、前記TexCare SRN−100の70%水溶液として市販されている商品名TexCare SRN−170(クラリアント社製)が用いられることが好ましい。
(C)成分の含有量が、前記の好ましい下限値以上であると、油性汚れに対する洗浄効果が高められやすくなる。前記の好ましい上限値以下であると、配合安定性に優れる洗浄剤が得られやすくなる。
本発明の洗浄剤は、上記(A)〜(C)成分以外に、洗浄剤に通常用いられるその他の成分を含有してもよい。
その他の成分としては、例えば、(A)成分及び(B)成分以外の界面活性剤、水混和性有機溶剤、溶媒、金属イオン捕捉剤(キレート剤)、無機塩、酸化防止剤、プロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ等の酵素、アルカリビルダー、ハイドロトロープ剤、防腐剤、酵素安定化剤、風合い向上剤、保存安定性向上剤、蛍光剤、移染防止剤、再汚染防止剤(但し(C)成分は含まれない)、パール剤、ソイルリリース剤(但し(C)成分は含まれない)、着香剤、着色剤、乳濁化剤、天然物等のエキス、pH調整剤等が挙げられる。
<(D)成分>
ノニオン界面活性剤としては、例えば炭素数10〜20の高級アルコール、アルキルフェノール、炭素数10〜20の高級脂肪酸、炭素数10〜20の高級脂肪酸のアルキルエステル又は炭素数10〜20の高級アミン等にアルキレンオキシドを付加したポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、脂肪酸アルカノールアミン、脂肪酸アルカノールアミド、多価アルコール脂肪酸エステル又はそのアルキレンオキシド付加体、硬化ヒマシ油のアルキレンオキシド付加体、糖脂肪酸エステル、N−アルキルポリヒドロキシ脂肪酸アミド、アルキルグリコシド等が挙げられる。
R41−X2−[(EO)p/(PO)q]−R42 ・・・(d1)
(式(d1)中、R41は、炭素数8〜22の炭化水素基であり、X2は、O又はCOOである。EOは、オキシエチレン基を表し、POは、オキシプロピレン基を表す。[(EO)p/(PO)q]中、EOとPOはランダム重合でもよくブロック重合でもよい。X2がOの場合、R42は水素原子であり、pは、3〜20の数であり、qは、0〜6の数である。X2がCOOの場合、R42は炭素数1〜2のアルキル基であり、pは、6〜20の数であり、qは、0〜6の数である。)
X2がOの場合、R42は水素原子である。即ち、X2がOの場合、(d1)成分はアルコールアルコキシレートである。
X2がOの場合、洗浄力のさらなる向上を図る観点から、R41は、直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基又は直鎖もしくは分岐鎖のアルケニル基が好ましい。
X2がOの場合、R41の炭素数は、10〜22が好ましく、10〜20がより好ましく、10〜18がさらに好ましい。
X2がCOOの場合、洗浄力のさらなる向上を図る観点から、R41は、直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基又は直鎖もしくは分岐鎖のアルケニル基が好ましい。
X2がCOOの場合、R41の炭素数は、9〜21が好ましく、11〜21がより好ましい。
X2がOの場合、pは3〜20の数であり、5〜18が好ましく、6〜18がより好ましく、11〜18がさらに好ましく、14〜18が特に好ましい。上記下限値未満では、親水性が低くなり、系中の自由水が増加することにより、酵素の安定性が悪化する傾向にあり、上記上限値超では、親水性が高くなりすぎて、洗浄力が低下するおそれがある。
X2がCOOの場合、pは6〜20の数であり、6〜18が好ましく、11〜18がより好ましい。上記下限値未満では、親水性が低くなり、系中の自由水が増加することにより、酵素の安定性が悪化する傾向にあり、上記上限値超では、親水性が高くなりすぎて、洗浄力が低下するおそれがある。
X2がOの場合、qは0〜6の数であり、0〜3が好ましい。上記上限値以下であると、液体洗浄剤に配合した場合の液安定性を向上しやすくなる。
X2がCOOの場合、qは0〜6の数であり、0〜3が好ましい。上記上限値以下であると、液体洗浄剤に配合した場合の液安定性を向上しやすくなる。
qが1以上である場合、オキシエチレン基とオキシプロピレン基とは、ランダム重合であってもよいし、ブロック重合であってもよい。
上記下限値以上であれば、洗浄剤の洗浄力のさらなる向上が図られやすくなり、上記上限値以下であれば、洗浄剤の配合安定性が高められやすくなる。
また、(A)成分/(D)成分で表される質量比[(D)成分の含有量に対する(A)成分の質量比、以下「A/D比」ともいう。]は、0.1〜5であることが好ましく、0.15〜1がより好ましい。A/D比がこの範囲内であると、液の粘度が好適に保たれつつ、油性汚れに対する洗浄効果が充分に発揮できる。
水混和性有機溶剤としては、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール等のアルコール類、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール等のグリコール類;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、重量平均分子量約200〜1000のポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のポリグリコール類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のアルキルエーテル類等が挙げられる。
これらの中でも、臭気の少なさ、入手のしやすさ、液体洗浄剤とした場合の液安定性、流動性等から、エタノール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)が好ましい。
水混和性有機溶剤は、1種が単独で用いられても、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
水混和性有機溶剤の含有量は、洗浄剤の総質量に対して、3〜20質量%が好ましい。
なお、本発明において、水混和性有機溶剤とは、25℃のイオン交換水1Lに50g以上溶解する有機溶剤をいう。
液体洗浄剤とした場合の水の含有量は、(A)〜(C)成分及びその他の任意成分の含有量に応じて適宜に設定できるが、通常、液体洗浄剤の総質量に対して、10〜90質量%であり、20〜80質量%が好ましい。
金属イオン捕捉剤は、1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
金属イオン捕捉剤の含有量は、洗浄剤の総質量に対して0.1〜20質量%が好ましい。
酸化防止剤は、1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
酸化防止剤の含有量は、洗浄剤の総質量に対して、0.01〜2質量%が好ましい。
プロテアーゼとしては、市販のプロテアーゼ製剤を用いることができ、例えば、Savinase16L、Savinase Ultra 16L、Savinase Ultra 16XL、Everlase 16L TypeEX、Everlase Ultra 16L、Esperase 8L、Alcalase 2.5L、Alcalase Ultra 2.5L、Liquanase 2.5L、Liquanase Ultra 2.5L、Liquanase Ultra 2.5XL、Coronase 48L(いずれも商品名、ノボザイムズ社製)、Purafect L、Purafect OX、Properase L(いずれも商品名、ジェネンコア社製)等が挙げられる。
酵素は1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
本発明の洗浄剤に酵素を含有させる場合、その合計の含有量は、洗浄剤の総質量に対して0.01〜4質量%が好ましく、0.1〜2質量%がより好ましく、0.4〜1質量%がさらに好ましい。
アルカリビルダーは、1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
アルカリビルダーの含有量は、洗浄剤の総質量に対して、0.5〜5質量%が好ましい。
塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、またはアルカノールアミン塩等が挙げられる。
ハイドロトロープ剤は、1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
ハイドロトロープ剤の含有量は、洗浄剤の総質量に対して、0.01〜15質量%が好ましい。
また、保存安定性向上を目的として安息香酸又はその塩(防腐剤としての効果もある)を含有してもよい。塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、アルカノールアミン塩等が挙げられる。
安息香酸またはその塩の含有量は、洗浄剤の総質量に対して0.1〜5質量%が好ましく、0.15〜2質量%がより好ましい。
風合い向上を目的として、ジメチルシリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン等のシリコーンを、洗浄剤の総質量に対して好ましくは0〜5質量%含有してもよい。
白色衣類の白度向上を目的としてジスチリルビフェニル型等の蛍光増白剤を、洗浄剤の総質量に対して好ましくは0〜1質量%含有してもよい。
移染防止又は再汚染防止を目的としてポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース等の(C)成分以外の再汚染防止剤を、それぞれ洗浄剤の総質量に対して好ましくは0〜2質量%以下含有してもよい。
また、パール剤、(C)成分以外のソイルリリース剤等を含有してもよい。
着香剤としては、例えば、特開2002−146399号公報の表11〜18に記載の香料組成物A、B、C、D等が挙げられる。着香剤の配合量は、洗浄剤の総質量に対して0.1〜1質量%が好ましい。
着色剤としては、アシッドレッド138、Polar Red RLS、アシッドイエロー203、アシッドブルー9、青色1号、青色205号、緑色3号、ターコイズP−GR(いずれも商品名)等の汎用の色素や顔料が挙げられる。着色剤の配合量は、洗浄剤の総質量に対して0.00005〜0.005質量%が好ましい。
乳濁化剤としては、ポリスチレンエマルション、ポリ酢酸ビニルエマルジョン等が挙げられ、通常、固形分30〜50質量%のエマルションが好適に用いられる。乳濁化剤としては、例えば、ポリスチレンエマルション(サイデン化学社製:商品名サイビノールRPX−196 PE−3、固形分40質量%)等が挙げられる。
エキス類としては、イヌエンジュ、ウワウルシ、エキナセア、コガネバナ、キハダ、オウレン、オールスパイス、オレガノ、エンジュ、カミツレ、スイカズラ、クララ、ケイガイ、ケイ、ゲッケイジュ、ホオノキ、ゴボウ、コンフリー、ジャショウ、ワレモコウ、シャクヤク、ショウガ、セイタカアワダチソウ、セイヨウニワトコ、セージ、ヤドリギ、ホソバオケラ、タイム、ハナスゲ、チョウジ、ウンシュウミカン、ティーツリー、バーベリー、ドクダミ、ナンテン、ニュウコウ、ヨロイグサ、シロガヤ、ボウフウ、オランダヒユ、ホップ、ホンシタン、マウンテングレープ、ムラサキタガヤサン、セイヨウヤマハッカ、ヒオウギ、ヤマジソ、ユーカリ、ラベンダー、ローズ、ローズマリー、バラン、スギ、ギレアドバルサムノキ、ハクセン、ホウキギ、ミチヤナギ、ジンギョウ、フウ、ツリガネニンジン、ヤマビシ、ヤブガラシ、カンゾウ、セイヨウオトギリソウ等の植物エキス等が挙げられる。エキス類の配合量は、洗浄剤の総質量に対して、0〜0.5質量%が好ましい。
pH調整剤は、1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
本発明の洗浄剤に含まれる成分(A)〜(C)、水、及び任意成分の含有量の合計は、100質量%を超えない。
なお、本発明における洗浄剤の25℃におけるpHは、試料を25℃に調整し、pHメーター(例えば、東亜ディーケーケー株式会社製の製品名「HM−30G」を使用)等により測定される値を示す。
なお、本発明における液体洗浄剤の25℃での粘度は、試料を25℃に調整し、B型粘度計(TOKIMEC社製)を用いて測定される値を示す(測定条件の一例:ロータNo.2、回転数60rpm、回転開始から1分後の粘度を測定する)。
本発明の洗浄剤の使用方法は、例えば、洗浄剤を洗濯時に被洗濯物と一緒に水に投入する方法、予め水に溶解しこれに被洗濯物を浸漬する方法等が挙げられる。また、本発明の洗浄剤が液体洗浄剤の場合、該液体洗浄剤を被洗濯物に塗布して一定時間放置し、その後、通常の洗濯を行ってもよい。かかる塗布による洗浄が行われると、油性汚れに対する洗浄効果がより高められやすくなる。
本発明の洗浄剤の洗浄対象としては、特に限定されないが、例えば、衣料、布帛、カーテン、シーツ等の繊維製品が挙げられる。なかでも、本発明の洗浄剤は油性汚れに対する洗浄効果に優れるため、例えば、衣服等、人の着用等により化粧品汚れ等の油性汚れが付着した繊維製品用の洗浄剤として好適に用い得る。
本発明の洗浄剤において、(A)〜(C)成分を併用することにより、油性汚れに対する洗浄効果が高められる理由の詳細は明らかでないが、以下のように推定される。(A)成分と(B)成分とにより形成されたコンプレックスが油性汚れに作用し、該コンプレックス中に油性汚れが巻き込まれる。(C)成分は、この油性汚れを巻き込んだコンプレックスを効果的に繊維(被洗物)から引き剥がす作用を有する。さらに、(C)成分は、再付着防止効果を有し、繊維から引き剥がされた前記コンプレックスが繊維に再付着することを抑制する。
前記(A)成分が直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、α−スルホ脂肪酸メチルエステル塩、α−オレフィンスルホン酸塩、及びヤシ脂肪酸塩からなる群から選択される少なくとも1種であり、
前記(B)成分が上記一般式(25)で表される化合物であり、
前記(C)成分が上記一般式(C1)又は上記一般式(C2)で表される高分子化合物を含み、
(A)成分/(B)成分で表される質量比が1〜25であることが好ましい。
前記(A)成分が直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、α−スルホ脂肪酸メチルエステル塩、α−オレフィンスルホン酸塩、及びヤシ脂肪酸塩からなる群から選択される少なくとも1種であり、
前記(B)成分が塩化アルキルトリメチルアンモニウムであり、
前記(C)成分が上記一般式(C1)で表される高分子化合物を含み、
(A)成分/(B)成分で表される質量比が1〜25であることが好ましい。
前記(A)成分が直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、α−スルホ脂肪酸メチルエステル塩、α−オレフィンスルホン酸塩、及びヤシ脂肪酸塩からなる群から選択される少なくとも1種であり、
前記(B)成分が塩化アルキルトリメチルアンモニウムであり、
前記(C)成分が上記一般式(C1)で表される高分子化合物を含み、
前記(D)成分が上記一般式(d1)で表されるノニオン界面活性剤であり、
(A)成分/(B)成分で表される質量比が1〜25であることが好ましい。
前記(A)成分が直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、α−スルホ脂肪酸メチルエステル塩、α−オレフィンスルホン酸塩、及びヤシ脂肪酸塩からなる群から選択される少なくとも1種であり、
前記(B)成分が塩化アルキルトリメチルアンモニウムであり、
前記(C)成分が上記一般式(C1)で表される高分子化合物を含み、
前記(D)成分が上記一般式(d1)で表されるノニオン界面活性剤であり、
前記(A)成分の含有量は、洗浄剤の総質量に対し、1〜40質量%であり、
前記(B)成分の含有量は、洗浄剤の総質量に対し、0.01〜15質量%であり、
前記(C)成分の含有量は、洗浄剤の総質量に対し、0.1〜5質量%であり、
前記(D)成分の含有量は、洗浄剤の総質量に対し、1〜80質量%であり、
前記成分(A)、成分(B)、成分(C)、及び成分(D)の含有量の合計は100質量%を超えることはなく、
(A)成分/(B)成分で表される質量比が1〜25であることが好ましい。
本実施例において使用した原料は下記の通りである。
A−1:直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(LAS)、ライオン株式会社製、商品名「ライポンLH−200」。
A−2:ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(AES)、新日本理化株式会社製、商品名「シノリンSPE−1150」。
A−3:ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステルのモノエタノールアミン塩(AEPS)、常法により、1−ドデカノールに平均付加モル数1.0モルのプロピレンオキシドと、平均付加モル数2.0モルのエチレンオキシドをこの順に付加したのち、これを硫酸化しモノエタノールアミンで中和することにより製造したもの。
A−4:α−スルホ脂肪酸メチルエステル塩(MES)、特開平8−81694号公報に記載の方法で製造したもの。
A−5:α−オレフィンスルホン酸ナトリウム(AOS)、ライオン株式会社製、商品名「リポランLB−840」。
A−6:ヤシ脂肪酸ナトリウム、日油株式会社製。
B−1:塩化アルキルトリメチルアンモニウム(ライオンアクゾ社製、アルキル基炭素鎖長12〜14「アーカード12−37w」。
B−2:塩化アルキルトリメチルアンモニウム(ライオンアクゾ社製、アルキル基炭素鎖長16〜18「アーカードT−800」。
C−1:特定の繰り返し単位(c1)とオキシアルキレン単位(c2)とを有するポリマー。クラリアント社製、商品名「TexCare SRN−170」、重量平均分子量2000〜3000、上記一般式(C1)で表される高分子化合物を含む。
C−2:特定の繰り返し単位(c1)とオキシアルキレン単位(c2)とを有するポリマー。クラリアント社製、商品名「TexCare SRN−300」、重量平均分子量7000、上記一般式(C1)で表される高分子化合物を含む。
C−3:特定の繰り返し単位(c1)とオキシアルキレン単位(c2)とを有するポリマー。互応化学工業株式会社社製、商品名「プラスコートFR−627」、重量平均分子量15,000〜24,000、上記一般式(C1)で表される高分子化合物を含む。
C−1〜C−3は、上述した「水溶性ポリマー」の条件(すなわち、1リットルビーカー内で、ポリマー10gを、40℃の条件で、水1000gに添加し、スターラー(太さ8mm、長さ50mm)により12時間撹拌(200rpm)した後に溶解していること)を満たすことを確認した。
D−1:脂肪酸メチルエステルエトキシレート(脂肪酸の炭素数16〜18、EOの平均付加モル数15)、ライオンケミカル株式会社製、商品名「CEAO−90」。
D−2:ポリオキシエチレンアルキル(炭素数12〜14)エーテル(EOの平均付加モル数15)、ライオンケミカル株式会社製、商品名「LMAO−90」。
D−3:ポリオキシエチレンアルキル(炭素数12〜14)エーテル(EOの平均付加モル数7)、ライオンケミカル株式会社製、商品名「レオックスCL−70」。
D−4:炭素数10〜14の第1級アルコールに対して、平均付加モル数5のエチレンオキシドと、平均付加モル数2モルのプロピレンオキシドをブロック付加したノニオン界面活性剤。
D−5:炭素数12〜14の第2級アルコールに対して、平均付加モル数9モルのエチレンオキシドを付加したノニオン界面活性剤、株式会社日本触媒製、商品名「ソフタノール90」。
PG:プロピレングリコール、BASF社製。
BC:ブチルカルビトール、商品名「ブチルカルビトール」、三協化学株式会社製。
[共通成分X]
各成分の末尾に記載の数値は、洗浄剤中の含有量である。
・金属イオン補足剤(キレート剤):クエン酸(一方社油脂工業株式会社製)・・・・0.1質量%。
・保存安定性向上剤:安息香酸ナトリウム(東亜合成株式会社製)・・・・0.5質量%。
・酵素:商品名「コロナーゼ48L」(ノボザイムズ社製)・・・・0.5質量%。
・酸化防止剤:ジブチルヒドロキシトルエン(商品名「K−NOX BHT」、Degussa社製)・・・・0.01質量%。
・水混和性有機溶剤:エタノール(商品名「特定アルコール95度合成」、日本アルコール販売株式会社製)・・・・5質量%。
・香料:特開2003−268398号公報の表7〜14に記載の香料組成物A・・・・0.7質量%。
・色素:着色剤、商品名「緑色3号」、癸巳化成株式会社製・・・・0.0002質量%。
・pH調整剤:水酸化ナトリウム(鶴見曹達株式会社製)・・・・適量、モノエタノールアミン(株式会社日本触媒製)・・・・適量。
・溶媒:水(精製水)・・・・バランス。
pH調整剤の含有量「適量」は、洗浄剤を表中のpHにするのに要した量である。
水の含有量「バランス」は、洗浄剤全体で100質量%とするのに必要な量である。
[共通成分Y]
各成分の末尾に記載の数値は、洗浄剤中の含有量である。
・無機塩:硫酸ナトリウム・・・・1質量%、硫酸マグネシウム・・・・2質量%。
・蛍光剤:ジスチリルビフェニル誘導体、商品名「チノパールCBS−X」(BASF社製)・・・・0.01%。
・防腐剤:商品名「アクチサイドMBS」(ソー・ジャパン社製)。
・pH調整剤:水酸化ナトリウム(鶴見曹達株式会社製)・・・・適量、モノエタノールアミン(株式会社日本触媒製)・・・・適量。
・溶媒:水(精製水)・・・・バランス。
pH調整剤の含有量「適量」は、洗浄剤を表中のpHにするのに要した量である。
水の含有量「バランス」は、洗浄剤全体で100質量%とするのに必要な量である。
<繊維製品用の洗浄剤の製造>
表1〜4に示す組成に従い、(A)〜(C)成分と、任意成分(水及びpH調整剤を除く)とを水に加え混合した。これをpH調整剤で表中のpH値に調整して、実施例1〜24、比較例5〜7の洗浄剤を得た。
また、(A)〜(C)成分のいずれかを水に加えなかったこと以外は、実施例1と同様にして比較例1〜3の洗浄剤を得た。(C)成分に代えて(C’)成分を用いたこと以外は、実施例1と同様にして比較例4の洗浄剤を得た。
表1〜4に、得られた各例の洗浄剤の組成(配合成分、含有量(質量%))を示す。
表中、空欄の配合成分がある場合、その配合成分は配合されていない。
表中、配合成分の含有量は純分換算量を示す。
表中、比較例4の「A/C比」、「B/C比」、「(A+B)/C比」は、それぞれ(C)成分に代えて用いた(C’)成分に対する、(A)成分、(B)成分、[(A)成分+(B)成分]の質量比を示す。
落とし難い油性状複合汚れの代表的な例として、口紅およびリキッドファンデーションを付着させた評価布を以下のように作製した。
・口紅汚垢布
口紅(商品名「マキアージュ モイスチャールージュカラーオンタイプ赤」、株式会社資生堂製)を指に移しとり、これを、ポリエステルトロピカル白布の布地表面に直径約3cmの円状に塗りつけたものを、口紅汚垢布とした。
・ファンデーション汚垢布
リキッドファンデーション(商品名「マキアージュ モイスチャークリームファンデーションUVオークル10」、株式会社資生堂製)を手の甲に塗り、これを綿メリヤスの布地表面に直径約5cmの円状となるように移しとったものを、ファンデーション汚垢布とした。
[口紅汚垢布に対する洗浄試験]
Terg−O−meter(UNITED STATES TESTING社製)を洗浄試験器として用いた。上記の口紅汚垢布10枚と、洗浄メリヤス布と、各例の洗浄剤10mLとを前記洗浄試験器に入れ、浴比30倍に合わせて、120rpm、15℃で20分間洗浄した。
その後、二槽式洗濯機(三菱電機株式会社製、品番:CW−C30A1−H1)に移し、1分間脱水後、水道水(15℃、4°DH)30L中で3分間濯ぎ、風乾した。
洗浄前の口紅汚垢布および洗浄後の口紅汚垢布について、それぞれの反射率を日本電色社製の色差計(製品名:SE200型)で測定し、a値(赤み)を用いて洗浄率(%)を以下の式で算出した。
洗浄率(%)=100×[(洗浄前の口紅汚垢布のa値)−(洗浄後の口紅汚垢布のa値)]/(洗浄前の口紅汚垢布のa値)。
10枚の口紅汚垢布について洗浄率(%)を算出し、その平均値を用いて、下記基準で判定し、○、◎を合格とした。
◎:60%以上。
○:50%以上60%未満。
△:40%以上50%未満。
×:40%未満。
口紅汚垢布に代えて、ファンデーション汚垢布を用いたこと、反射率(%)を以下の式で算出したこと以外は、上記口紅汚垢布に対する洗浄試験と同様にして、ファンデーション汚垢布に対する洗浄効果を評価した。
洗浄率(%)=100×(洗浄前のファンデーション汚垢布のK/S−洗浄後のファンデーション汚垢布のK/S)/(洗浄前のファンデーション汚垢布のK/S−未汚れ布のK/S)。
ただし、K/Sは式:(1−R/100)2/(2R/100)で求められる値であり、Rは、未汚れ布、洗浄前のファンデーション汚垢布または洗浄後のファンデーション汚垢布の反射率(%)である。
10枚のファンデーション汚垢布について洗浄率(%)を算出し、その平均値を用いて下記基準で判定し、○、◎を合格とした。
◎:80%以上。
○:70%以上80%未満。
△:60%以上70%未満。
×:60%未満。
[口紅汚垢布に対する塗布洗浄試験]
口紅汚垢布1枚につき各例の洗浄剤を0.5mLずつ塗布した。その際、前記汚垢布に付着した口紅汚れが中心となるように前記洗浄剤を塗布した。10分間静置した後、洗浄メリヤス布と共にTerg−O−meterに入れ、浴比30倍に合わせて、120rpm、15℃で10分間洗浄した。その後、二槽式洗濯機(三菱電機株式会社製、品番:CW−C30A1−H1)に移し、1分間脱水後、水道水(15℃、4°DH)30L中で3分間濯ぎ、風乾した。
10人のパネラーが、洗浄後の口紅汚垢布の状態を、洗浄前の口紅汚垢布及び未汚れのポリエステルトロピカル白布(口紅汚垢が塗り付けられていないポリエステルトロピカル白布)と目視により対比し、下記の判断基準により採点した。10人の採点結果の平均値を下記評価基準に分類して、洗浄効果(2)を評価した。○、◎、◎◎を合格とした。
(判断基準)
5点:汚れが全く残っていない(未汚れのポリエステルトロピカル白布と同等である)。
4点:汚れがほとんど残っていない。
3点:汚れがやや残っている。
2点:汚れがかなり残っている。
1点:汚れが全く落ちていない(洗浄前の口紅汚垢布と同等である)。
(評価基準)
◎◎:4.5点以上。
◎:4点以上4.5点未満。
○:3.5点以上4点未満。
△:3点以上3.5点未満。
×:3点未満。
一方、比較例1、3〜4、6の洗浄剤は、口紅汚れ及びファンデーション汚れに対する洗浄力が充分に得られなかった。比較例2、7の洗浄剤は、塗布洗浄をした場合には、口紅汚れに対して良好な洗浄効果が得られたが、塗布洗浄をしなかった場合には、口紅汚れ及びファンデーション汚れに対する洗浄効果が充分に得られなかった。比較例5の洗浄剤は、口紅汚れに対する洗浄効果が充分に得られなかった。
以上の結果から、本発明を適用した洗浄剤は、油性汚れに対する洗浄効果により優れることが確認できた。
Claims (13)
- (A)成分:アニオン界面活性剤と、
(B)成分:カチオン界面活性剤と、
(C)成分:アルキレンテレフタレート単位及びアルキレンイソフタレート単位からなる群より選択される少なくとも一種の繰り返し単位(c1)並びにオキシアルキレン単位(c2)を有し、重量平均分子量が1000〜10000であるポリマーと、を含有し、
(A)成分/(B)成分で表される質量比が1〜25であり、
(B)成分/(C)成分で表される質量比が0.1〜2であることを特徴とする、繊維製品用の液体洗浄剤。 - さらに(D)成分:ノニオン界面活性剤を含有することを特徴とする、請求項1に記載の繊維製品用の液体洗浄剤。
- 前記(D)成分が、下記一般式(d1)で表されるポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤である、請求項2に記載の繊維製品用の液体洗浄剤。
R 41 −X 2 −[(EO) p /(PO) q ]−R 42 ・・・(d1)
(式(d1)中、R 41 は、炭素数8〜22の炭化水素基であり、X 2 は、COOである。EOは、オキシエチレン基を表し、POは、オキシプロピレン基を表す。[(EO) p /(PO) q ]中、EOとPOはランダム重合でもよくブロック重合でもよい。R 42 は炭素数1〜2のアルキル基であり、pは、6〜20の数であり、qは、0〜6の数である。) - 前記(D)成分が、下記一般式(d1)で表されるポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤である、請求項2に記載の繊維製品用の液体洗浄剤。
R 41 −X 2 −[(EO) p /(PO) q ]−R 42 ・・・(d1)
(式(d1)中、R 41 は、炭素数8〜22の炭化水素基であり、X 2 は、Oである。EOは、オキシエチレン基を表し、POは、オキシプロピレン基を表す。[(EO) p /(PO) q ]中、EOとPOはランダム重合でもよくブロック重合でもよい。R 42 は水素原子であり、pは、3〜20の数であり、qは、0〜6の数である。) - 界面活性剤の合計含有量が、液体洗浄剤の総質量に対して1〜80質量%である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の繊維製品用の液体洗浄剤。
- 前記ノニオン界面活性剤の含有量が、液体洗浄剤の総質量に対し、12〜70質量%である、請求項2〜4のいずれか一項に記載の繊維製品用の液体洗浄剤。
- 前記(A)成分が、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、α−スルホ脂肪酸メチルエステル塩、α−オレフィンスルホン酸塩、及びヤシ脂肪酸塩からなる群から選択される少なくとも1種のアニオン界面活性剤である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の繊維製品用の液体洗浄剤。
- (A)成分/(C)成分で表される質量比が1〜30である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の繊維製品用の液体洗浄剤。
- ((A)成分+(B)成分)/(C)成分で表される質量比が1〜30である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の繊維製品用の液体洗浄剤。
- 25℃での粘度が、10〜300mPa・sである、請求項1〜11のいずれか一項に記載の繊維製品用の液体洗浄剤。
- 塗布洗浄用である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の繊維製品用の液体洗浄剤。
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