JP6079700B2 - 車両用アブソーバシステム - Google Patents

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Description

本発明は、ばね上部とばね下部との相対動作に対する減衰力の大きさを変更可能に発生させる車両用アブソーバシステムに関する。
下記特許文献には、(A)作動液を収容するハウジングと、そのハウジング内に摺動可能に配設されたピストンと、一端部がピストンに連結されるとともに他端部がハウジングから延び出すロッドとを有し、車両のばね上部とばね下部と繋ぐようにして配設されてそれらばね上部とばね下部との相対移動によって伸縮するシリンダと、(B)そのシリンダの伸縮に伴う作動液の流れに対して抵抗を与えることで、シリンダの伸縮に対する減衰力を発生させるものであって、ソレノイドを有してそのソレノイドに供給される電流に応じて発生させる減衰力の大きさを変更可能な減衰力発生器とを備えたショックアブソーバが記載されている。
特開2011−007322号公報
一般的に、ショックアブソーバが発生させる減衰力は、シリンダが伸張する場合と収縮する場合とで異ならせることが望ましい。上記特許文献1に記載されたショックアブソーバは、シリンダの伸張時と収縮時との両者において、単一の減衰力発生器を通過するように構成されている。そのため、上記特許文献1に記載されたショックアブソーバを備えた車両用アブソーバシステムにおいては、減衰力発生器が発生させる減衰力を、伸張時と収縮時との各々において適切化することが望まれる。そのように、上記のような減衰力発生器を備えた車両用アブソーバシステムは、未だ開発途上であり、改良の余地を残すものとなっている。そのため、種々の改良を施すことによって、その車両用アブソーバシステムの実用性が向上すると考えられる。本発明は、そのような実情に鑑みてなされたものであり、実用性の高い車両用アブソーバシステムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の車両用アブソーバシステムは、(A)減衰力を制御するための制御量の目標である目標制御量を決定する際の基準となる基準制御量を決定し、(B)(I)シリンダの伸張時の動作に対する目標制御量を、基準制御量に決定し、(II)シリンダの収縮時の動作に対する目標制御量を、基準制御量に伸張収縮ゲインを乗じた値に決定するように構成されるとともに、(C)(i)操安性重視状況下にある場合と(ii)乗り心地重視状況下にある場合との少なくとも一方において、伸張収縮ゲインを変更するように構成され、操安性重視状況下にある場合に、減衰力発生器が発生させる減衰力が大きくなるように、伸張収縮ゲインを変更し、操安性重視状況下になく、かつ、乗り心地重視状況下にある場合に、減衰力発生器が発生させる減衰力が小さくなるように、伸張収縮ゲインを変更するように構成される。
本発明の車両用アブソーバシステムは、シリンダの伸張時の動作に対する減衰力発生特性を定め、シリンダの収縮時の動作に対しては伸収縮張ゲインを設定するのみであるため、シリンダの収縮時の動作に対する減衰力発生特性を予め定めておく場合に比較して、設計段階における工数を大幅に減少させるとともに、簡便な手法によって、車両が置かれている状況に応じて適切な減衰力を発生させることが可能である。そのような利点を有することで、本発明の車両用アブソーバシステムは、実用性の高いものとなる。
発明の態様
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、それらの発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から何某かの構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
なお、以下の各項において、(1)項,(2)項,(6)項,(11)項を合わせたものが請求項1に相当し、請求項1に(9)項に記載の技術的特徴を付加したものが請求項2に、請求項1または請求項2に(10)項に記載の技術的特徴を付加したものが請求項3に、請求項1ないし請求項3のいずれか1つに(12)項に記載の技術的特徴を付加したものが請求項4に、それぞれ相当する。
(1)作動液を収容するハウジングと、そのハウジング内に摺動可能に配設されたピストンと、一端部がピストンに連結されるとともに他端部がハウジングから延び出すロッドとを有し、車両のばね上部とばね下部と繋ぐようにして配設されてそれらばね上部とばね下部との相対移動によって伸縮するシリンダと、
そのシリンダの伸縮に伴う作動液の流れに対して抵抗を与えることで、シリンダの伸縮に対する減衰力を発生させるものであって、ソレノイドを有してそのソレノイドに供給される電流に応じて発生させる減衰力の大きさを変更可能な減衰力発生器と
前記減衰力発生器を制御することで、前記シリンダの伸縮に対する減衰力を制御する制御装置と
を備えた車両用アブソーバシステムであって、
前記制御装置が、
前記シリンダの伸縮に対する減衰力を制御するための制御量の目標である目標制御量を決定する際の、その目標制御量の基準となる基準制御量を決定する基準制御量決定部と、
前記シリンダの伸張時の動作と収縮時の動作との一方の動作に対しては、目標制御量を前記基準制御量に決定し、前記シリンダの伸張時の動作と収縮時の動作との他方の動作に対しては、前記シリンダの伸張時動作において実現させるべき減衰力と収縮時動作において実現させるべき減衰力との比に基づく伸張収縮ゲインを前記基準制御量に乗じた値に決定する目標制御量決定部と、
(i)車両の操縦安定性が良好であることを重視すべき状況下である操安性重視状況下にある場合と(ii) 車両の乗り心地が良好であることを重視すべき状況下である乗り心地重視状況下にある場合との少なくとも一方において、前記伸張収縮ゲインを変更する伸張収縮ゲイン変更部と
を含んで構成された車両用アブソーバシステム。
本項に記載の車両用アブソーバシステムは、単一の減衰力発生器が、シリンダの伸張時と収縮時との両者において減衰力を発生させるものとされ、その単一の減衰力発生器によって、シリンダの伸張時の減衰力と収縮時の減衰力とを別々に制御する構成のものを前提としている。
本項に記載の「基準制御量」は、上述のように、シリンダの伸張時の動作(以下、リバウンド動作という場合がある)と収縮時の動作(以下、バウンド動作という場合がある)との一方の動作に対する目標制御量である。つまり、シリンダのリバウンド動作とバウンド動作との一方の動作に対して減衰力発生特性が定められていると考えることができる。なお、基準制御量は、固定値に限らず、何らかのパラメータに応じて変化させられる値であってもよい。その基準制御量を変化させるためのパラメータは、リバウンド動作,バウンド動作のいずれの動作であっても、減衰力の大きさを増加させるか減少させるかが同じであるものが望ましい。具体的には、例えば、車両の走行速度、ステアリング操作部材の操作速度、ばね上振動の強度などを採用することが可能である。
そして、本項に記載の車両用アブソーバシステムは、リバウンド動作とバウンド動作との一方の動作に対する減衰力発生特性を定めて、それらの他方の動作に対しては、伸張収縮ゲインを設定するのみとなっている。つまり、他方の動作に対する減衰力発生特性を予め定めておく場合に比較して、設計段階における工数を大幅に減少させるとともに、その設定した伸張収縮ゲインを増減させるという簡便な手法によって、車両が置かれている状況に応じて適切な減衰力を発生させることが可能である。
本項に記載の「制御量」は、減衰力の大きさを表すものであればよく、その制御量として、減衰力の大きさそのもの、減衰係数、ソレノイドへの供給電流等を採用することができる。
(2)前記伸張収縮ゲイン変更部が、
前記操安性重視状況下にある場合に、前記減衰力発生器が発生させる減衰力が大きくなるように、前記伸張収縮ゲインを変更する(1)項に記載の車両用アブソーバシステム。
本項に記載の態様は、伸張収縮ゲインの変更方法を具体化した態様である。本項に記載の態様によれば、操安性の低下を抑えることが可能である。
(3)前記伸張収縮ゲイン変更部が、
操舵速度が設定速度より高い場合に、前記操安性重視状況下にあるとして、前記伸張収縮ゲインを変更する(2)項に記載の車両用アブソーバシステム。
(4)当該車両用アブソーバシステムが搭載された車両に、旋回時の横滑りを抑えて車両の安定性を確保するためのシステムである横滑り防止システムが搭載されており、
前記伸張収縮ゲイン変更部が、
前記横滑り防止システムが作動している場合に、前記操安性重視状況下にあるとして、前記伸張収縮ゲインを変更する(2)項または(3)項に記載の車両用アブソーバシステム。
(5)前記伸張収縮ゲイン変更部が、
車両の走行速度が設定速度より高い場合に、前記操安性重視状況下にあるとして、前記伸張収縮ゲインを変更する(2)項ないし(4)項のいずれか1つに記載の車両用アブソーバシステム。
上記3つの項に記載の態様は、操安性重視状況下あるか否かを判断する条件を具体化した態様である。それらの態様によれば、操安性重視状況化にあるか否かを適切に判断することが可能である。
(6)前記伸張収縮ゲイン変更部が、
前記操安性重視状況下になく、かつ、前記乗り心地重視状況下にある場合に、前記減衰力発生器が発生させる減衰力が小さくなるように、前記伸張収縮ゲインを変更する(2)項ないし(5)項のいずれか1つに記載の車両用アブソーバシステム。
本項に記載の態様は、伸張収縮ゲインの変更方法をさらに具体化した態様であり、本項に記載の態様によれば、乗り心地を良好な状態を確保することより、操安性の低下を抑えることが優先され、操安性の低下を確実に抑えることが可能である。ちなみに、本項に記載の態様とは逆に、乗り心地重視状況下になく、かつ、操安性重視状況下にある場合に、減衰力大きくなるように伸張収縮ゲインを変更する態様を、請求可能発明の一態様とすることができる。
(7)前記伸張収縮ゲイン変更部が、
ばね上部の振動の強度が設定された程度より高い場合に、前記乗り心地重視状況下にあるとして、前記伸張収縮ゲインを変更する(6)項に記載の車両用アブソーバシステム。
(8)前記伸張収縮ゲイン変更部が、
車両の走行速度が設定速度より低い場合に、前記乗り心地重視状況下にあるとして、前記伸張収縮ゲインを変更する(6)項または(7)項に記載の車両用アブソーバシステム。
上記2つの項に記載の態様は、乗り心地重視状況下にあるか否かを判断する条件を具体化した態様である。それらの態様によれば、乗り心地重視状況化にあるか否かを適切に判断することが可能である。なお、前者の態様における「振動の強度」は、振動の激しさの程度をいい、その前者の態様においては、例えば、振幅、ばね上部の動作の速度,加速度等が比較的高い状況である場合に、上記乗り心地重視状況下にあると判断することができる。なお、その前者の態様においては、ばね上振動のうちの特に乗り心地に影響のある特定の周波数成分(例えば、8Hz程度)の強度を用いることが望ましい。
(9)前記制御装置が、前記制御量として、前記ソレノイドへの供給電流を用いるように構成された(1)項ないし(8)項のいずれか1つに記載の車両用アブソーバシステム。
本項に記載の態様は、制御量を限定した態様である。本項に記載の態様においては、基準制御量決定部が、基準供給電流を決定し、目標制御量決定部が、目標供給電流を決定することになる。なお、シリンダの構造により、同じ大きさの供給電流であっても、リバウンド動作に対する減衰力とバウンド動作に対する減衰力が異なる。本項に記載の態様によれば、伸張収縮ゲインを定めるだけで、そのシリンダの構造上生じる減衰力の差を含めたものとすることができる。
(10)前記基準制御量決定部が、
車両の走行速度が高くなるほど、前記減衰力発生器が発生させる減衰力が大きくなるように、前記基準制御量を決定する(1)項ないし(9)項のいずれか1つに記載の車両用アブソーバシステム。
本項に記載の態様は、基準制御量の決定方法を具体化した態様である。本項の態様によれば、車速が低い場合には、小さな減衰力で、乗り心地を良好とし、車速が高くなるほど、減衰力を大きくして、操安性を高めることが可能である。
(11)前記シリンダの伸張時の動作と収縮時の動作との一方の動作が、前記シリンダの伸張時の動作とされ、前記シリンダの伸張時の動作と収縮時の動作との他方の動作が、前記シリンダの収縮時の動作とされた(1)項ないし(10)項のいずれか1つに記載の車両用アブソーバシステム。
本項に記載の態様においては、リバウンド動作に対する減衰力は調整されず、バウンド動作に対する減衰力が調整されることになる。バウンド動作に対する減衰力の調整は、リバウンド動作に対する減衰力の調整に比較して、乗り心地の向上に有効である。したがって、本項に記載の態様においては、リバウンド動作に対する減衰力の調整を行う場合に比較して、車両の乗り心地を良好なものとすることができる。
(12)前記減衰力発生器が、
前記シリンダの伸縮に伴って流れる作動液を通過させることでその作動液の流れに抵抗を与える弁機構を有し、前記ソレノイドが発生させる電磁力に依拠した力を前記弁機構に作用させることにより前記弁機構の開弁圧が変更されるように構成されることで、前記ソレノイドに供給される電流に応じて減衰力を変更するように構成された(1)項ないし(11)項のいずれか1つに記載の車両用アブソーバシステム。
本項に記載の態様は、減衰力発生器を具体化した態様である。本項に記載の「減衰力発生器」は、弁体の開弁圧を変更するために、ソレノイドが直接的に弁体に力を作用させるような構造のものであってもよく、弁体の前方側と後方側との差圧を調整するような構造のものであってもよい。
(13)前記減衰力発生器が、
(a)前記シリンダの伸縮時に作動液が流れる主流路と、(b)その主流路に設けられた前記弁機構としてのメインバルブと、(c)そのメインバルブをバイパスするように設けられたバイパス路と、(d)そのバイパス路に設けられ、前記メインバルブに対してそれを閉弁させる方向の内圧を作用させるパイロット室と、(e)前記ソレノイドを含んで構成されてそのソレノイドに供給される電流に応じて前記パイロット室の内圧を変更するパイロットバルブとを有し、
前記パイロットバルブによって前記パイロット室の内圧を変更ことで前記メインバルブの開弁圧を変更するように構成された(12)項に記載の車両用アブソーバシステム。
本項に記載の態様は、減衰力発生器をさらに具体化した態様であり、減衰力発生器が、いわゆるパイロット式の電磁弁を主体として構成されている。本項に記載の減衰力発生器は、弁体の前方側と後方側との差圧を調整するような構造のものであるため、本項に記載の車両用アブソーバシステムによれば、応答性の高い減衰力制御が可能となる。
請求可能発明の実施例である車両用アブソーバシステムを示す概略図である。 本実施例の車両用アブソーバシステムの構成要素であるショックアブソーバの概略断面図である。 図2に示す減衰力発生器の断面図である。 図3に示す減衰力発生器の減衰特性を示すグラフである。 基準供給電流と車速との関係を示すグラフである。 図1に示す制御装置よって実行される減衰力制御プログラムを示すフローチャートである。 図1に示す制御装置よって実行される伸張収縮ゲイン変更プログラムを示すフローチャートである。 図1に示す制御装置の機能を示すブロック図である。
以下、請求可能発明を実施するための形態として、請求可能発明の実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、請求可能発明は、下記実施例の他、前記〔発明の態様〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することができる。また、〔発明の態様〕の各項の説明に記載されている技術的事項を利用して、下記の実施例の変形例を構成することも可能である。
[A]車両用アブソーバシステムの構成
図1に、請求可能発明の実施例である液圧式アブソーバシステムを含んで構成される車両用サスペンションシステム10を模式的に示す。本サスペンションシステム10は、独立懸架式の4つのサスペンション装置12を、前後左右の車輪14の各々に対応して備えており、それらサスペンション装置12の各々は、車輪14を保持してばね下部の一部分を構成するサスペンションロアアームと、車体に設けられてばね上部の一部分を構成するマウント部との間に、それらを連結するようにして配設されている。それらサスペンション装置12の各々は、サスペンションスプリングとしてのコイルスプリング16と、液圧式ショックアブソーバ20とを有しており、それらが互いに並列的に、ロアアームとマウント部との間に配設されている。車輪14,サスペンション装置12は総称であり、4つの車輪14のいずれに対応するものであるかを明確にする必要のある場合には、図に示すように、車輪位置を示す添え字として、左前輪,右前輪,左後輪,右後輪の各々に対応するものにFL,FR,RL,RRを付す場合がある。
上記の液圧式ショックアブソーバ20は、図2に示すように、シリンダ22と、減衰力発生器24とを主要構成要素として構成されている。シリンダ22は、ハウジング30と、ハウジング30の内部において上下方向に移動可能に配設されたピストン32と、一端部(下端部)がピストン32に連結されて他端部(上端部)がハウジング30から上方に延び出すロッド34とを含んで構成されている。ハウジング30は、ロアアームに、ロッド34の上端部は、マウント部に、それぞれ連結される。つまり、ばね上部とばね下部とが離間する方向に相対移動する場合(以下、「リバウンド動作時」若しくは「リバウンド時」と言う場合がある)に伸長し、接近する方向に相対移動する場合(以下、「バウンド動作時」若しくは「バウンド時」と言う場合がある)に収縮する。
ハウジング30は、有底のメインチューブ40と、それの外周側に付設されたアウターチューブ42と、それらメインチューブ40とアウターチューブ42との間に設けられたインターチューブ44とを有しており、概して三重管構造をなしている。ピストン32は、メインチューブ40の内側に摺動可能に配設されている。そして、メインチューブ40の内部は、ピストン32によって、2つの液室であるロッド側室50および反ロッド側室52が区画形成されている。また、メインチューブ40とアウターチューブ42との間には、作動液を収容するバッファ室(「リザーバ」と呼ぶこともできる)54が区画形成されている。また、インターチューブ44の内周面とメインチューブ40の外周面との間には、環状の液通路56が区画形成されている。また、メインチューブ40の内底部には、反ロッド側室52の底を区画する仕切部材58が設けられており、仕切部材58とメインチューブ40の底壁との間には、底部液通路60が形成されている。
メインチューブ40の上部には、液通路56とロッド側室50との間の作動液の流通のために、流通穴70が設けられている。また、メインチューブ40の下端に近い部分には、バッファ室54と底部液通路60との間の作動液の流通のために、底部流通穴72が設けられている。インターチューブ44の下部には、液通路56から減衰力発生器24への作動液の流出を許容する流出口74が設けられている。そして、アウターチューブ42には、減衰力発生器24からのバッファ室54への作動液の流入を許容する流入口76が設けられている。
後に詳しく説明するが、減衰力発生器24は、上記の流出口74および流入口76を覆うようにして配設されており、ロッド側室52から流出して、液通路56を介してバッファ室54に流入する作動液の通過を許容するとともに、その作動液の流れに対して抵抗を与える機能を有している。
シリンダ22において、バウンド動作時には、図2に実線の矢印で示すように、まず、ロッド側室50に、反ロッド側室52から、ピストン32に設けられたチェック弁80を介して、作動液が流入する。そして、そのロッド側室50に流入する作動液の量は、ロッド側室50のピストン32の動作に伴って増加する容積よりも多いため、そのロッド側室50から、流通穴70,液通路56を介しかつ減衰力発生器24を通過して、バッファ室54に作動液が流出する。その際、減衰力発生器24によって作動液の流れに対して与えられる抵抗により、シリンダ22の収縮に対する減衰力、つまり、バウンド動作に対する減衰力が発生させられることになる。
一方、リバウンド動作時には、バウンド動作時と同様に、ロッド側室50から、流通穴70,液通路56,減衰力発生器24を介して、バッファ室54に作動液が流出する。その際、減衰力発生器24によって作動液の流れに対して与えられる抵抗により、シリンダ22の伸長に対する減衰力、つまり、リバウンド動作に対する減衰力が発生させられることになる。なお、シリンダ22の反ロッド側室52には、図2に破線の矢印で示すように、バッファ室54から、底部流通穴60,底部液通路60,仕切部材58に設けられたチェック弁82を介して、作動液が流入するようになっている。
以下に、減衰力発生器24の構成および作用について、図3を参照しつつ説明する。なお、減衰力発生器24は、既知のもの(例えば、特開2011−132995号公報等に記載されたもの)であるため、それの説明は簡略に行うものとする。その減衰力発生器24は、自身を通過する作動液に抵抗を与えるためのメインバルブ90と、そのメインバルブ90の開弁圧を調整するためのパイロットバルブ92とを、主要構成要素とするものであり、いわゆるパイロット式の電磁弁を主体として構成されたものである。
上記のメインバルブ90およびパイロットバルブ92は、概して有蓋円筒形状のハウジング100内に設けられている。そのハウジング100内には、図3に破線の矢印で示すような、シリンダ22の伸縮時に作動液が流れる流路の主体となる主流路102が設けられている。その主流路102には、メインバルブ90が設けられており、そのメインバルブ90を構成する弁体104が圧縮コイルスプリング106によって着座する方向に付勢されている。そして、メインバルブ90は、開弁した場合に、主流路102の作動液の流れを許容するとともに、その作動液の流れに対して抵抗を与えるようになっている。
また、ハウジング100内には、図3に実線の矢印で示すような、メインバルブ90を迂回するバイパス路110が設けられている。そのバイパス路110には、上流側から順に、固定オリフィス112,パイロット室114,パイロットバルブ92が設けられている。パイロット室114は、メインバルブ90に対してそれを閉弁させる方向の内圧をさせるものである。つまり、上記のメインバルブ90は、自身の前方側(図3におけるメインバルブ90の左側)の液室である前方室116の液圧とパイロット室114の液圧との差圧によって作用する力が、スプリング106の付勢力を超えた場合に開弁するようになっているのである。固定オリフィス112は、メインバルブ90の弁体104を貫通するように設けられたものであり、前方室116からパイロット室114への作動液の流れに抵抗を与えるようになっている。
パイロットバルブ92は、弁可動体120と、励磁されることで弁可動体120を作動させるための電磁力を発生させるソレノイド122とを含んで構成され、バイパス路110におけるパイロット室114の下流側に設けられている。弁可動体120は、ポペット型の弁頭124を備えており、その弁頭124が弁座126に離着座することでパイロット室114を開閉することができるようになっている。その弁可動体120は、圧縮コイルスプリング128によって、弁頭124が離座する方向に付勢されている。一方、ソレノイド122が励磁されることで、弁可動体120には、弁頭124が着座する方向の付勢力が作用するようになっている。
パイロットバルブ92は、上記のような構成から、パイロット室114の開度、換言すれば、パイロット室114から下流側への流出量を調整することできる。つまり、パイロットバルブ92は、パイロット室114の液圧を調整して、メインバルブ90の開弁圧を調整することができるようになっているのである。なお、メインバルブ90の開弁圧は、パイロットバルブ92のソレノイド122に供給される電流の大きさに依存している。その電流が大きいほど、パイロットバルブ92の開度は小さく、パイロット室114の液圧が高くなり、メインバルブ90の開弁圧も高くなる。
以上のように構成された減衰力発生器24は、図4に示すような減衰特性(リバウンド動作時)を有するものとなっている。ばね上部とばね下部との相対動作の速度vst(以下、ストローク速度という場合がある。)が低い場合には、メインバルブ90は開弁しておらず、減衰力Fは、メインバルブ90に設けられた固定オリフィス112を通過する作動液の流れに対する抵抗に依存したものとなる。そして、前方室116とパイロット室114との差圧が大きくなり、メインバルブ90が開弁すると、減衰力Fは、そのメインバルブ90を通過する作動液の流れに対する抵抗に依存したものとなるのである。そして、上述したように、ソレノイド122に供給される電流が大きくなるほど、メインバルブ90の開弁圧は高くなる、つまり、減衰力は大きくなるのである。
ちなみに、前述のようなショックアブソーバ20の構造上、リバウンド動作時とバウンド動作時とでは、ストローク量に対するハウジング30内の容積の変化量が異なり、同じ量だけストロークしても、減衰力発生器24に流れる作動液の量が異なることになる。つまり、ソレノイド122への供給電流を一定とした場合、リバウンド動作時とバウンド動作時とでは、減衰力発生器24が発生させる減衰力の大きさは異なるのである。具体的には、バウンド動作時の方が、リバウンド動作時に比較して、作動液の流量が少なくなるため、減衰力発生器24が発生させる減衰力も小さくなるのである。換言すれば、バウンド動作に対する減衰力を、リバウンド動作に対する減衰力と同じ大きさにするためには、バウンド動作時の供給電流は、リバウンド動作時の供給電流より大きくする必要がある。
本サスペンションシステム10は、制御装置としてのサスペンション電子制御ユニット200(以下、「サスペンションECU200」という場合がある)によって、ショックアブソーバ20の制御が行われる。ECU200は、CPU,ROM,RAM等を備えたコンピュータを主体として構成されたものである。そのECU200には、各ショックアブソーバ20が有する減衰力発生器24に対応して設けられて、それぞれが、対応する減衰力発生器24への電流を調整可能な駆動回路202が接続されている。それら駆動回路202は、バッテリ[BAT]204に接続されており、各ショックアブソーバ20の減衰力発生器24には、そのバッテリ204から電流が供給される。
車両には、車両走行速度(以下、「車速」と略す場合がある)を検出するための車速センサ[V]210,各車輪14に対応する車体の各ばね上部の上下加速度を検出する4つのばね上加速度センサ[Gz]212,ステアリング操作部材の操作角を検出する操舵角センサ[δ]214等が設けられており、それらはECU200のコンピュータに接続されている。また、車両には、乗員によって操作されるモード選択スイッチ216が設けられており、そのモード選択スイッチ216の操作によって、(i)操安性を重視する操安性重視モードと(ii)乗り心地を重視する乗り心地重視モードとの一方をON状態とすること、あるいは、両者とも選択しないOFF状態とすることが可能となっている。サスペンションECU200は、それらのセンサからの信号に基づいて、ショックアブソーバの制御を行うものとされている。ちなみに、[ ]の文字は、上記センサ等を図面において表わす場合に用いる符号である。また、サスペンションECU200のコンピュータが備えるROMには、ショックアブソーバ20の制御に関するプログラム,各種のデータ等が記憶されている。
さらに、車両には、旋回時の横滑りを抑えて車両の安定性を確保するためのシステムであるVSC(Vehicle Stability Control)システムが搭載されており、そのシステムの制御を司るVSC−ECU220は、サスペンションECU200と接続されている。そして、サスペンションECU200は、そのVSC−ECU220から情報を取得することが可能となっている。
[B]減衰力の制御
a)基準供給電流の決定
サスペンションECU200は、制御量としてソレノイド122への供給電流を用い、そのソレノイド122への供給電流Iを制御することで、減衰力発生器24が発生させる減衰力を制御する。本サスペンションシステム10における制御は、基本的には、車速Vに応じた減衰力を発生させることで、車両に生じる振動を抑制するものである。詳しくは、車速Vが高くなるほど、減衰力Fが大きくなるように、つまり、メインバルブ90の開弁圧が高くなるように、供給電流Iが制御される。具体的には、ECU200のRAMには、図5に示したマップデータが格納されており、そのマップデータを参照して、車速センサ210により検出された車速Vに対して、ソレノイド122への供給電流の基準となる基準供給電流IBASEが、つまり、基準制御量が決定される。
b)目標供給電流の決定
本アブソーバシステムにおいて、上記の基準供給電流は、リバウンド動作時に実現させるべき大きさの減衰力を発生させるように設定されている。つまり、シリンダ22がリバウンド動作している場合には、ソレノイド122への目標供給電流Iが、基準供給電流Iに決定される。一方、シリンダ22がバウンド動作している場合には、ソレノイドへの目標供給電流が、予め設定された伸張収縮ゲインKを基準供給電流に乗じた値に決定される。
=IBASE (リバウンド動作時)
=K・IBASE (バウンド動作時)
上記の伸張収縮ゲインKは、先に述べたショックアブソーバ20の構造に起因して生じるリバウンド動作時の減衰力とバウンド動作時の減衰力の比、および、リバウンド動作において実現させるべき減衰力とバウンド動作において実現させるべき減衰力との比に基づいて、設定されている。したがって、本車両用アブソーバシステムは、バウンド動作に対して、図5のようなマップデータが設定されていないため、設計段階の工数が大幅に減らされたものとなっている。
なお、本車両用アブソーバシステムは、基準供給電流がリバウンド動作時に実現させるべき大きさの減衰力を発生させるように設定され、バウンド動作に対する目標供給電流を決定する際に、その基準供給電流に伸張収縮ゲインを乗じるように構成されているが、基準供給電流がバウンド動作時に実現させるべき大きさの減衰力を発生させるように設定され、リバウンド動作に対する目標供給電流を決定する際に、その基準供給電流に伸張収縮ゲインを乗じるように構成することもできる。
c)伸張収縮ゲインの変更
本アブソーバシステムでは、車両の操安性および車両の乗り心地が良好な状態を実現すべく、上記伸張収縮ゲインKが通常時の値である基準ゲイン値Kから変更されるようになっている。まず、モード選択スイッチ216が操作されているか否かが確認される。操安性重視モードがON状態とされている場合には、伸張収縮ゲインKが、基準ゲイン値Kより大きな値である操安性重視ゲイン値Kに変更されるようになっている。一方、乗り心地重視モードがON状態とされている場合には、伸張収縮ゲインKが、基準ゲイン値Kより小さな値である乗り心地重視ゲイン値Kに変更されるようになっている。
また、モード選択スイッチ216がOFF状態とされている場合には、操安性重視状況下にあるか否かが判断される。具体的には、VSC−ECU220からVSC作動中であることを受信した場合、操舵角センサ214の検出値から推定された操舵速度δ’が設定操舵速度δ’を超えた場合、車速センサ210によって検出された車速Vが設定速度Vを超えた場合のうちのいずれか1つが満たされた場合には、操安性重視状況下にあると判断される。そして、操安性重視状況下にあると判断された場合に、伸張収縮ゲインKが、操安性重視ゲイン値Kに変更される。
上記の判定で、操安性重視状況下にないと判断された場合には、乗り心地重視状況下にあるか否かが判断される。具体的には、まず、ばね上加速度センサに210により検出されたばね上加速度にフィルタ処理が施され、車両の乗り心地に影響の大きい周波数域(8Hz程度)の成分が抽出される。そして、その抽出された周波数成分の振幅aが取得され、その特定周波数成分の振幅aが設定振幅aより大きいか否かが判定される。そして、特定周波数成分の振幅aが設定振幅aより大きい場合には、乗り心地重視状況下にあるとして、伸張収縮ゲインKが、乗り心地重視ゲイン値Kに変更される。また、車速Vが設定速度Vより低い場合にも、乗り心地重視ゲイン値Kに変更される。
[C]制御プログラム
本実施例の車両用アブソーバシステム10の制御は、ECU20が、図6にフローチャートを示す減衰力制御プログラムショックアブソーバ20ごとに実行されるとともに、図7にフローチャートを示す伸張収縮ゲイン変更プログラムが、実行されることによって行われる。なお、これらのプログラムは、短い時間ピッチ(例えば、数μsec〜数十μsec)で繰り返し実行される。
上記減衰力制御プログラムに従えば、まず、ステップ1(以下、「ステップ」を「S」と省略する)において、車速センサ210から車速Vが取得され、S2において、その車速Vに基づき、図5に示したマップデータを参照して、基準供給電流IBASEが決定される。次いで、S3において、ばね上加速度センサ112の検出値が取得され、S4において、実際のストローク速度vstが推定される。次いで、S5において、推定されたストローク速度vstの正負に基づいて、ストロークの方向が判断される。そして、ストローク速度vstが正でリバウンド動作している場合には、S6において、ソレノイド122への目標供給電流Iが、基準供給電流IBASEに決定される。一方、ストローク速度vstが負でバウンド動作している場合には、S7において、ソレノイド122への目標供給電流Iが、基準供給電流IBASEに伸張収縮ゲイン変更プログラムにおいて決定された伸張収縮ゲインKを乗じた値に決定される。
ソレノイド122への目標供給電流Iが決定されれば、S8において、その決定された大きさの電流をソレノイド122に供給すべく、駆動回路202への指令が出力される。以上で、減衰力制御プログラムの1回の実行が終了する。
また、伸張収縮ゲイン変更プログラムでは、まずS11において、モード選択スイッチ216において操安性重視モードがON状態とされているか否かが判断され、ON状態とされている場合には、S19において、伸張収縮ゲインKが操安性重視ゲイン値Kに設定される。また、S12において、モード選択スイッチ216において乗り心地重視モードがON状態とされているか否かが判断され、ON状態とされている場合には、S20において、伸張収縮ゲインKが乗り心地重視ゲイン値K2に設定される。
さらに、モード選択スイッチ216がOFF状態である場合には、S13〜S15において、操安性を重視する状況下にあるか否かの判断が行われる。具体的には、S13において、VSCが作動しているか否かが判断され、S14において、操舵速度δ’が設定操舵速度δ’より高いか否かが判断され、S15において、車速Vが設定速度Vより高いか否が判断される。VSCが作動していること,操舵速度δ’が設定操舵速度δ’より高いこと,車速Vが設定速度Vより高いことのいずれかの状態にある場合には、操安性重視状況下にあるため、S19において、伸張収縮ゲインKが操安性重視ゲイン値Kに設定される。
操安性重視状況下にない場合には、S16,S17において、乗り心地を重視する状況下にあるか否かの判断が行われる。具体的には、S16においては、ばね上加速度センサに210により検出されたばね上加速度にフィルタ処理が施され、車両の乗り心地に影響の大きい周波数域(8Hz程度)の成分が抽出される。そして、その抽出された周波数成分の振幅aが取得され、その特定周波数成分の振幅aが設定振幅aより大きいか否かが判定される。そして、特定周波数成分の振幅aが設定振幅aより大きい場合には、乗り心地重視状況下にあるとして、S20において、伸張収縮ゲインKが乗り心地重視ゲイン値K2に設定される。
また、特定周波数成分の振幅aが設定振幅a以下である場合には、S17において、車速Vが設定速度Vより低いか否かが判定される。そして、車速Vが設定速度Vより低い場合には、乗り心地重視状況下にあるとして、S20において、伸張収縮ゲインKが乗り心地重視ゲイン値K2に設定される。
操安性重視状況下になく、かつ、乗り心地重視状況下にもない場合には、S18において、伸張収縮ゲインKが基準ゲイン値Kに設定される。以上で、伸張収縮ゲイン変更プログラムの一回の実行が終了し、本プログラムで設定された伸張収縮ゲインKが、減衰力制御プログラムで用いられるようになっている。
[D]制御装置の機能構成
上述したような制御を実行する制御装置としてのサスペンションECU200は、前述した各種の処理を実行する各種の機能部を有していると考えることができる。詳しく言えば、図8に示すように、(A)目標供給電流を決定する際の基準となる基準供給電流を決定する基準制御量決定部としての基準供給電流決定部250と、(B)リバウンド動作に対しては目標供給電流を基準供給電流に決定し、バウンド動作に対しては、伸張収縮ゲインを基準供給電流に乗じた値に決定する目標制御量決定部としての目標供給電流決定部252と、(C)操安性重視状況下にある場合および乗り心地重視状況下にある場合において、伸張収縮ゲインを変更する伸張収縮ゲイン変更部254とを有している。
なお、本車両用アブソーバシステム10のECU200においては、基準供給電流決定部250は、減衰力制御プログラムのS1,S2の処理を実行する部分を含んで構成される。また、目標供給電流制御部252は、減衰力制御プログラムのS3〜S7の処理を実行する部分を含んで構成される。さらに、伸張収縮ゲイン変更部254は、伸張収縮ゲイン変更プログラムを実行する部分を含んで構成される。
10:車両用サスペンションシステム 12:サスペンション装置 14:車輪
16:サスペンションスプリング 20:液圧式ショックアブソーバ 22:シリンダ 24:減衰力発生器 30:ハウジング 32:ピストン 34:ロッド 4 90:メインバルブ 92:パイロットバルブ 100:ハウジング 102:主流路 104:弁体 106:圧縮コイルスプリング 110:バイパス路 112:固定オリフィス 114:パイロット室 116:前方室 120:弁可動体 122:ソレノイド 200:サスペンション電子制御ユニット[サスペンションECU]〔制御装置〕 210:車速センサ[V] 212:ばね上加速度センサ[Gz] 214:操舵角センサ[δ] 220:VSC−ECU 250:基準供給電流決定部〔基準制御量決定部〕 252:目標供給電流決定部〔目標制御量決定部〕 254:伸張収縮ゲイン変更部

Claims (4)

  1. 作動液を収容するハウジングと、そのハウジング内に摺動可能に配設されたピストンと、一端部がピストンに連結されるとともに他端部がハウジングから延び出すロッドとを有し、車両のばね上部とばね下部と繋ぐようにして配設されてそれらばね上部とばね下部との相対移動によって伸縮するシリンダと、
    そのシリンダの伸縮に伴う作動液の流れに対して抵抗を与えることで、シリンダの伸縮に対する減衰力を発生させるものであって、ソレノイドを有してそのソレノイドに供給される電流に応じて発生させる減衰力の大きさを変更可能な減衰力発生器と
    前記減衰力発生器を制御することで、前記シリンダの伸縮に対する減衰力を制御する制御装置と
    を備えた車両用アブソーバシステムであって、
    前記制御装置が、
    (A)前記シリンダの伸縮に対する減衰力を制御するための制御量の目標である目標制御量を決定する際の、その目標制御量の基準となる基準制御量を決定する基準制御量決定部と、
    (B) (I)前記シリンダの伸張時の動作に対する目標制御量を、前記基準制御量に決定し、(II)前記シリンダ収縮時の動作に対する目標制御量を、前記基準制御量に前記シリンダの伸張時動作において実現させるべき減衰力と収縮時動作において実現させるべき減衰力との比に基づく伸張収縮ゲインを乗じた値に決定する目標制御量決定部と、
    (C)(i)車両の操縦安定性が良好であることを重視すべき状況下である操安性重視状況下にある場合と(ii) 車両の乗り心地が良好であることを重視すべき状況下である乗り心地重視状況下にある場合との少なくとも一方において、前記伸張収縮ゲインを変更する伸張収縮ゲイン変更部と
    を含んで構成され
    前記伸張収縮ゲイン変更部が、
    前記操安性重視状況下にある場合に、前記減衰力発生器が発生させる減衰力が大きくなるように、前記伸張収縮ゲインを変更し、
    前記操安性重視状況下になく、かつ、前記乗り心地重視状況下にある場合に、前記減衰力発生器が発生させる減衰力が小さくなるように、前記伸張収縮ゲインを変更するように構成された車両用アブソーバシステム。
  2. 前記制御装置が、前記制御量として、前記ソレノイドへの供給電流を用いるように構成された請求項1に記載の車両用アブソーバシステム。
  3. 前記基準制御量決定部が、
    車両の走行速度が高くなるほど、前記減衰力発生器が発生させる減衰力が大きくなるように、前記基準制御量を決定する請求項1または請求項2に記載の車両用アブソーバシステム。
  4. 前記減衰力発生器が、
    前記シリンダの伸縮に伴って流れる作動液を通過させることでその作動液の流れに抵抗を与える弁機構を有し、前記ソレノイドが発生させる電磁力に依拠した力を前記弁機構に作用させることにより前記弁機構の開弁圧が変更されるように構成されることで、前記ソレノイドに供給される電流に応じて減衰力を変更するように構成された請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の車両用アブソーバシステム。
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