JP3520287B2 - 車両懸架装置 - Google Patents

車両懸架装置

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JP3520287B2
JP3520287B2 JP28134095A JP28134095A JP3520287B2 JP 3520287 B2 JP3520287 B2 JP 3520287B2 JP 28134095 A JP28134095 A JP 28134095A JP 28134095 A JP28134095 A JP 28134095A JP 3520287 B2 JP3520287 B2 JP 3520287B2
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剛 淵田
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株式会社日立ユニシアオートモティブ
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ショックアブソー
バの減衰力特性を最適制御する車両の懸架装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、ショックアブソーバの減衰力特性
制御を行う車両懸架装置としては、例えば、特開平4−
63712号公報に記載されたものが知られている。
【0003】この従来の車両懸架装置は、伸側が高減衰
力特性で圧側が低減衰力特性の第1モードと、圧側が高
減衰力特性で伸側が低減衰力特性の第2モードとを有す
るショックアブソーバを用いると共に、ばね上上下速度
(以後、単にばね上速度と略称する場合がある)Δxの
方向に応じて両モード間の切り換え制御を行なうように
したものである。
【0004】即ち、この従来装置では、図26のタイム
チャートに示すように、ばね上速度Δxの方向判別符号
が上向き(+)である時は伸側が高減衰力特性となる第
1モードに切り換え、また、方向判別符合が下向き
(−)である時は圧側が高減衰力特性となる第2モード
に切り換え、その時の高減衰力特性側をばね上速度Δx
に比例した減衰力特性ポジションPに制御することによ
り、ばね上速度Δxとばね上ばね下間相対速度(以後、
単に相対速度と略称する場合がある)(Δx−Δx0
の方向判別符号が一致する制振域においてはその時の行
程側の減衰力特性をばね上速度Δxに比例した高減衰力
特性に制御し、また、方向判別符号が不一致の加振域に
おいてはその時の行程側を低減衰力特性に制御するとい
う基本的なスカイフック制御を簡単な構成で実現するこ
とができるようにしたものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来装
置にあっては、上述のように、ショックアブソーバの行
程に応じた基本的なスカイフック制御は可能であるが、
その制御力Fのコントロールは、理想のスカイフック比
例制御が、次式(1) に示すように、ばね上速度Δxに比
例したものであるのに対し、 F=g・Δx・・・・・・・・・・・・(1) (g:ゲイン) 従来装置においては、次式(2) に示すように、減衰係数
Cのコントロールがばね上速度Δxに比例したものとな
ってしまう(図26の(ロ) 参照)。
【0006】C=g・Δx・・・・・・・・・・・・(2) つまり、理想のスカイフック制御の式は、次式(3) に示
すように、 F=C(Δx−Δx0 )=g・Δx・・・・・・・・(3) となり、この式(3) から減衰係数Cを求めると、次式
(4) に示すように、ばね上速度Δxを相対速度(Δx−
Δx0 )で除算した信号に減衰係数Cを比例させること
になる。
【0007】 C=g・Δx/(Δx−Δx0 )・・・・・・・・・・(4) ところが、従来例では、前式(2) で示すように、減衰係
数Cをばね上速度Δxにのみ比例させるものであること
から、制御力Fは相対速度(Δx−Δx0 )が変動する
とそれに応じて変動してしまうことになる。
【0008】以上のことを、車両の現象で説明すると、
従来装置では、ばね上速度Δxに対し一意的に減衰係数
C(=ショックアブソーバの減衰力特性ポジションP)
を決定しているため、ばね上速度Δxの大きさが同じで
も、相対速度(Δx−Δx0)(=ショックアブソーバ
のストローク速度)が異なる場合には、制御力Fに過不
足が生じることになる。即ち、あるばね上速度Δxに対
し、ある減衰力特性ポジションP(減衰係数C)が決定
された場合において、その時の相対速度(Δx−Δx
0 )が小さい時は減衰力C(制御力F)としては小さな
値しか発生せず、このため、ばね上に対して制御力Fが
不足してフワフワ感が大きくなり、また、その時の相対
速度(Δx−Δx0 )が大きい時は減衰力C(制御力
F)としては大きな値となり、このため、ばね上に対し
て制御力Fが過剰ぎみとなって、ヒョコヒョコ感、ゴツ
ゴツ感が大きくなるという現象が生じる。なお、図26
の(ニ)の斜線で示す部分は、相対速度(Δx−Δx0
の変動に基づいて発生する制御力F(減衰力C)の過不
足分を示している。
【0009】そこで、図27のタイムチャートに示すよ
うに、従来装置において、ばね上速度Δxの他に、相対
速度(Δx−Δx0 )を検出し、前述の式(4) に示すよ
うに、ばね上速度Δx信号と相対速度(Δx−Δx0
信号を用いて作成した制御信号V(=C=g・Δx/
(Δx−Δx0 ))によりショックアブソーバの減衰力
特性制御を行なうことにより、理論的には上述の問題点
を解決することが可能であるが、制御信号Vの主成分
が、図27の(ハ) に示すように、相対速度(Δx−Δx
0 )信号に含まれるばね下共振周波数(10〜15Hz)によ
って高周波信号となることから、この高周波制御信号V
に即応してショックアブソーバの減衰力特性ポジション
Pの切り換え駆動を行なわせるためには、高応答のアク
チュエータが必要となる。
【0010】即ち、従来のばね下共振周波数には応答で
きない比較的応答性の低い安価なアクチュエータを用い
た場合においては、図27の(ハ),(ニ) に示すように、シ
ョックアブソーバの減衰力特性ポジションPの切り換え
を、制御信号Vの変化に追従させることができない。つ
まり、図23のタイムチャートに示すように、実線で示
す制御信号Vに対しアクチュエータにおける減衰力特性
ポジションPの切り換え遅れによって制御力が理想通り
には低下しきれず、このため、過剰の制御力が発生する
部分(左下がり斜線で示す部分)が生じることになる。
【0011】そこで、理論的には、ばね下共振周波数以
上の高応答を有するアクチュエータを用いれば、図28
に示すように、以上の問題点を解決することは可能であ
るが、そのような高応答を有するアクチュエータの製造
は極めて困難であるし、もし製造が可能であるとしても
非常に高価なものになってしまうと共に、切り換え駆動
回数が多くなることからアクチュエータの耐久性として
も非常に高いものが要求されることになり、従って、実
現性は非常に困難である。
【0012】本発明は、上述の従来の問題点に着目して
なされたもので、ばね下共振周波数には応答できない比
較的応答性の低い安価なアクチュエータを用いても、低
周波と高周波の混じった複合波入力に対しても理想のス
カイフック理論に基づいた制御力を発生させることが可
能な車両懸架装置を提供することを目的とするものであ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明請求項1記載の車両懸架装置は、図1のク
レーム対応図に示すように、車体側と各車輪側の間に介
在されていて一方の行程側の減衰力特性を可変制御する
時はその逆行程側が低減衰力特性となる減衰力特性変更
手段aを有するショックアブソーバbと、ばね上上下速
度を検出するばね上速度検出手段cと、ばね上ばね下間
相対速度を検出する相対速度検出手段dと、該相対速度
検出手段dで検出されたばね上ばね下間相対速度の低周
波成分信号を抽出する相対速度低周波成分抽出手段e
と、前記相対速度検出手段dで検出されたばね上ばね下
間相対速度の高周波成分信号を抽出する相対速度高周波
成分抽出手段fと、該相対速度高周波成分抽出手段fで
抽出されたばね上ばね下間相対速度の高周波成分信号の
ピーク値から高周波成分低周波処理信号を形成する低周
波処理信号形成手段gと、前記ばね上速度検出手段cで
検出されたばね上上下速度信号と相対速度低周波成分抽
出手段eで抽出されたばね上ばね下間相対速度の低周波
成分信号と低周波処理信号形成手段gで形成された高周
波成分低周波処理信号から制御信号を求める制御信号作
成手段hと、前記ばね上速度検出手段cで検出されたば
ね上上下速度の方向判別符号が上向きである時はショッ
クアブソーバbの伸行程側の減衰力特性を、下向きであ
る時は圧行程側の減衰力特性を、前記制御信号作成手段
hで作成された制御信号に基づいて可変制御する減衰力
特性制御手段iと、を備えている手段とした。
【0014】また、請求項2記載の車両懸架装置では、
前記低周波処理信号形成手段gにおいて、相対速度高周
波成分抽出手段fで抽出されたばね上ばね下間相対速度
の高周波成分信号の伸側ピーク値または圧側ピーク値の
うちいずれか一方のピーク値から1つの高周波成分低周
波処理信号を形成するようにした。
【0015】また、請求項3記載の車両懸架装置では、
前記低周波処理信号形成手段gにおいて、相対速度高周
波成分抽出手段fで抽出されたばね上ばね下間相対速度
の高周波成分信号の伸側および圧側の両ピーク値の絶対
値から1つの高周波成分低周波処理信号を形成するよう
にした。
【0016】また、請求項4記載の車両懸架装置では、
前記低周波処理信号形成手段gにおいて、相対速度高周
波成分抽出手段fで抽出されたばね上ばね下間相対速度
の高周波成分信号の伸側ピーク値および圧側ピーク値か
らそれぞれ伸側および圧側の高周波成分低周波処理信号
を形成すると共に、前記制御信号作成手段hにおいて、
前記ばね上速度検出手段cで検出されたばね上上下速度
信号と相対速度低周波成分抽出手段eで抽出されたばね
上ばね下間相対速度の低周波成分信号と低周波処理信号
形成手段gでそれぞれ形成された伸側高周波成分低周波
処理信号または圧側高周波成分低周波処理信号とから伸
側制御信号および圧側制御信号をそれぞれ求め、前記減
衰力特性制御手段iにおいて、その時のばね上上下速度
の方向判別符号に対応した行程側の減衰力特性を伸側制
御信号または圧側制御信号に基づいて可変制御するよう
にした。
【0017】また、請求項5記載の車両懸架装置では、
前記低周波処理信号形成手段gにおいて、相対速度高周
波成分抽出手段fで抽出されたばね上ばね下間相対速度
の高周波成分信号の各ピーク値を線形補間することによ
り高周波成分低周波処理信号を形成するようにした。
【0018】また、請求項6記載の車両懸架装置では、
前記低周波処理信号形成手段gにおいて、相対速度高周
波成分抽出手段fで抽出されたばね上ばね下間相対速度
の高周波成分信号の各ピーク値を次のピーク値が検出さ
れるまでの間は保持させることにより高周波成分低周波
処理信号を形成するようにした。
【0019】また、請求項7記載の車両懸架装置では、
前記制御信号作成手段hにおいて、前記相対速度低周波
成分抽出手段eで抽出されたばね上ばね下間相対速度の
低周波成分信号に低周波処理信号形成手段gで形成され
た高周波成分低周波処理信号から求めた比例補正係数を
乗じた相対速度信号で、前記ばね上速度検出手段cで検
出されたばね上上下速度信号を除することにより制御信
号を作成するようにした。
【0020】また、請求項8記載の車両懸架装置では、
前記制御信号作成手段hにおいて、前記相対速度低周波
成分抽出手段eで抽出されたばね上ばね下間相対速度の
低周波成分信号に低周波処理信号形成手段gで形成され
た高周波成分低周波処理信号を加算した相対速度信号
で、前記ばね上速度検出手段cで検出されたばね上上下
速度信号を除することにより制御信号を作成するように
した。
【0021】また、請求項9記載の車両懸架装置では、
前記制御信号作成手段hにおいて、前記相対速度低周波
成分抽出手段eで抽出されたばね上ばね下間相対速度の
低周波成分信号に低周波処理信号形成手段gで形成され
た高周波成分低周波処理信号を乗じた相対速度信号か
ら、該相対速度信号に反比例した反比例補正係数を求
め、この反比例補正係数を前記ばね上速度検出手段cで
検出されたばね上上下速度信号に乗じることにより制御
信号を作成するようにした。
【0022】また、請求項10記載の車両懸架装置で
は、前記制御信号作成手段hにおいて、低周波処理信号
形成手段gで形成された高周波成分低周波処理信号を平
均化処理するようにした。
【0023】また、請求項11記載の車両懸架装置で
は、前記相対速度検出手段dとして、前記ばね上速度検
出手段cで検出されたばね上上下速度から所定の伝達関
数に基づいてばね上ばね下間相対速度を推定するように
した。
【0024】
【作用】本発明請求項1記載の車両懸架装置では、上述
のように、減衰力特性制御手段iにおいて、ばね上上下
速度の方向判別符号が上向きである時はショックアブソ
ーバbの伸行程側の減衰力特性が、下向きである時は圧
行程側の減衰力特性が、制御信号作成手段hで作成され
た制御信号に基づいて可変制御される一方で、その逆行
程側はそれぞれ低減衰力特性に固定制御された状態とな
るものであり、このため、ばね上上下速度とばね上ばね
下間相対速度の方向判別符号が一致する制振域において
は、その時のショックアブソーバbの行程側を高減衰力
特性側で可変制御することで車両の制振力を高めると共
に、両者の方向判別符号が不一致となる加振域において
は、その時のショックアブソーバbの行程側を低減衰力
特性にすることで車両の加振力を弱める、といったスカ
イフック理論に基づいた基本的な減衰力特性の切り換え
制御が行なわれることになる。
【0025】また、請求項1記載の車両懸架装置では、
制御信号の作成に際しては、まず、ばね上ばね下間相対
速度の低周波成分信号と高周波成分信号が抽出され、そ
のうち高周波成分信号はそのピーク値から高周波成分低
周波処理信号が形成され、次いで、ばね上上下速度と相
対速度の低周波成分信号および高周波成分低周波処理信
号から低周波状態の制御信号が求められるもので、これ
により、アクチュエータの応答性がそれほど高くなくて
も、減衰力特性ポジションの切り換えを、制御信号の変
化に追従させることができる。
【0026】即ち、ばね下共振周波数には応答できない
比較的応答性の低い安価なアクチュエータを用いても、
低周波と高周波の混じった複合波入力に対しても制御力
の過不足のない理想のスカイフック理論に基づいた制御
力を発生させることが可能となる。
【0027】また、請求項10記載の車両懸架装置で
は、高周波成分低周波処理信号を平均化処理することに
より、さらに低周波状態になめされた制御信号が得られ
るもので、これにより、滑らかな減衰力特性制御が行な
える。
【0028】また、請求項11記載の車両懸架装置で
は、相対速度をばね上上下速度から所定の伝達関数を用
いて推定することで、センサの個数が低減される。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。 (実施の形態1)図2は、本発明の実施の形態1の車両
懸架装置を示す構成説明図であり、車体と4つの車輪と
の間に介在されて、4つのショックアブソーバSAFL
SAFR,SARL,SARR(なお、ショックアブソーバを
説明するにあたり、これら4つをまとめて指す場合、お
よびこれらの共通の構成を説明する時にはただ単にSA
と表示する。)が設けられている。そして、各ショック
アブソーバSAの近傍位置の車体には、上下方向の加速
度Gを検出する上下加速度センサ(以後、上下Gセンサ
という)1が設けられ、また、運転席の近傍位置には、
各上下Gセンサ1、およびストロークセンサ2からの信
号を入力して、各ショックアブソーバSAのパルスモー
タ3に駆動制御信号を出力するコントロールユニット4
が設けられている。
【0030】以上の構成を示すのが図3のシステムブロ
ック図であって、コントロールユニット4は、インタフ
ェース回路4a,CPU4b,駆動回路4cを備え、前
記インタフェース回路4aに、前記各上下Gセンサ1か
らのばね上加速度G信号が入力される。そして、前記イ
ンタフェース回路4aには、図14に示すように、各シ
ョックアブソーバSAの減衰力特性制御を行なうための
ばね上速度Δxおよび制御信号Vを求める信号処理回路
が設けられている。なお、この信号処理回路の詳細につ
いては後述する。
【0031】次に、図4は、ショックアブソーバSAの
構成を示す断面図であって、このショックアブソーバS
Aは、シリンダ30と、シリンダ30を上部室Aと下部
室Bとに画成したピストン31と、シリンダ30の外周
にリザーバ室32を形成した外筒33と、下部室Bとリ
ザーバ室32とを画成したベース34と、ピストン31
に連結されたピストンロッド7の摺動をガイドするガイ
ド部材35と、外筒33と車体との間に介在されたサス
ペンションスプリング36と、バンパラバー37とを備
えている。
【0032】次に、図5は前記ピストン31の部分を示
す拡大断面図であって、この図に示すように、ピストン
31には、貫通孔31a,31bが形成されていると共
に、各貫通孔31a,31bをそれぞれ開閉する圧側減
衰バルブ20および伸側減衰バルブ12が設けられてい
る。また、ピストンロッド7の先端に螺合されたバウン
ドストッパ41には、ピストン31を貫通したスタッド
38が螺合して固定されていて、このスタッド38に
は、貫通孔31a,31bをバイパスして上部室Aと下
部室Bとを連通する流路(後述の伸側第2流路E,伸側
第3流路F,バイパス流路G,圧側第2流路J)を形成
するための連通孔39が形成されていて、この連通孔3
9内には前記流路の流路断面積を変更するための調整子
40が回動自在に設けられている。また、スタッド38
の外周部には、流体の流通の方向に応じて前記連通孔3
9で形成される流路側の流通を許容・遮断する伸側チェ
ックバルブ17と圧側チェックバルブ22とが設けられ
ている。なお、この調整子40は、前記パルスモータ3
によりコントロールロッド70を介して回転されるよう
になっている(図4参照)。また、スタッド38には、
上から順に第1ポート21,第2ポート13,第3ポー
ト18,第4ポート14,第5ポート16が形成されて
いる。
【0033】一方、調整子40は、中空部19が形成さ
れると共に、内外を連通する第1横孔24および第2横
孔25が形成され、さらに、外周部に縦溝23が形成さ
れている。
【0034】従って、前記上部室Aと下部室Bとの間に
は、伸行程で流体が流通可能な流路として、貫通孔31
bを通り伸側減衰バルブ12の内側を開弁して下部室B
に至る伸側第1流路Dと、第2ポート13,縦溝23,
第4ポート14を経由して伸側減衰バルブ12の外周側
を開弁して下部室Bに至る伸側第2流路Eと、第2ポー
ト13,縦溝23,第5ポート16を経由して伸側チェ
ックバルブ17を開弁して下部室Bに至る伸側第3流路
Fと、第3ポート18,第2横孔25,中空部19を経
由して下部室Bに至るバイパス流路Gの4つの流路があ
る。また、圧行程で流体が流通可能な流路として、貫通
孔31aを通り圧側減衰バルブ20を開弁する圧側第1
流路Hと、中空部19,第1横孔24,第1ポート21
を経由し圧側チェックバルブ22を開弁して上部室Aに
至る圧側第2流路Jと、中空部19,第2横孔25,第
3ポート18を経由して上部室Aに至るバイパス流路G
との3つの流路がある。
【0035】即ち、ショックアブソーバSAは、調整子
40を回動させることにより、伸側・圧側のいずれとも
図6に示すような特性で減衰力特性を多段階に変更可能
に構成されている。つまり、図7に示すように、伸側・
圧側いずれもソフトとした状態(以後、ソフト領域SS
という)から調整子40を反時計方向に回動させると、
伸側のみ減衰力特性を多段階に変更可能で圧側が低減衰
力特性に固定の領域(以後、伸側ハード領域HSとい
う)となり、逆に、調整子40を時計方向に回動させる
と、圧側のみ減衰力特性を多段階に変更可能で伸側が低
減衰力特性に固定の領域(以後、圧側ハード領域SHと
いう)となる構造となっている。
【0036】ちなみに、図7において、調整子40を
,,のポジションに配置した時の、図5における
K−K断面,L−L断面およびM−M断面,N−N断面
を、それぞれ、図8,図9,図10に示し、また、各ポ
ジションの減衰力特性を図11,12,13に示してい
る。
【0037】次に、コントロールユニット4の減衰力特
性制御作動のうち、ばね下共振周波数には応答できない
比較的応答性の低いパルスモータ3を用いても、ばね上
速度Δxと相対速度(Δx−Δx0 )による理想のスカ
イフック理論に基づいた制御力の発生が可能な制御信号
V(VT ,VC )を作成するための信号処理回路の構成
を、図14のブロック図および図15のタイムチャート
に基づいて説明する。なお、この実施の形態においては
この信号処理回路は、各ショックアブソーバSAごとに
設けられる。
【0038】まず、各上下Gセンサ1で検出されたばね
上上下加速度G信号は、B1において、積分しもしくは
ローパスフィルタを通過させることでばね上速度に変換
され、続くB2において、バンドパスフィルタBPF処
理を行なうことにより、制御対象周波数であるばね上共
振周波数帯のみを抽出したばね上速度Δx信号を求める
(図15の(イ) 参照)。即ち、この実施の形態1では、
上下GセンサとB1とB2とで請求の範囲のばね上速度
検出手段を構成している。
【0039】一方、B3においては、次式(5) に示すよ
うに、各ばね上上下加速度からばね上ばね下間相対速度
までの伝達関数G(S) を用い、各上下Gセンサ1で検出
されたばね上加速度G信号から各車輪位置のばね上ばね
下間相対速度(Δx−Δx0)信号を求める(図15の
(ロ) 参照)。即ち、この実施の形態1では、上下Gセン
サとB3とで請求の範囲の相対速度検出手段を構成して
いる。 G(S) =−m・s/(c・s+k)・・・・・・・・・・・・(5) なお、mはばね上マス、cはサスペンションの減衰係
数、kはサスペンションばね定数、sはラプラス演算子
である。
【0040】続くB4においては、ばね上ばね下間相対
速度(Δx−Δx0 )信号をバンドパスフィルタBPF
処理することにより、ばね上共振周波数付近(1Hz付
近)の相対速度低周波成分信号VLST を求める(図15
の(ハ) 参照)。即ち、この実施の形態1では、このB4
で請求の範囲の相対速度低周波成分抽出手段を構成して
いる。
【0041】一方、B5においては、ばね上ばね下間相
対速度(Δx−Δx0 )信号をバンドパスフィルタBP
F処理することにより、ばね下共振周波数付近(10Hz付
近)の相対速度高周波成分信号VHST を求め(図15の
(ニ) 参照)、続くB6において、相対速度高周波成分信
号VHST の伸側および圧側のピーク値をそれぞれ検出
し、各ピーク値の線形補間を行なうと共に、続くB7に
おいてローパスフィルタLPF処理することにより、伸
側および圧側の高周波成分低周波処理信号VHST- T ,V
HST-C をそれぞれ独立して求める(図15の(ホ) 参
照)。即ち、この実施の形態1では、前記B5で請求の
範囲の相対速度高周波成分抽出手段を、また、B6,B
7で低周波処理信号形成手段をそれぞれ構成している。
【0042】そして、続くB8においては、B8のマッ
プに基づき、伸側および圧側の高周波成分低周波処理信
号VHST-T ,VHST-C に比例した高周波成分補正係数k
-T,ku-Cを求める。
【0043】B9においては、前記B8において求めら
れた伸側および圧側の高周波成分補正係数ku-T,ku
-Cを、前記B4において求められた相対速度低周波成分
信号VLST に乗じることにより伸側および圧側の相対速
度信号VST-T,VST-Cをそれぞれ求める(図15の(ヘ)
参照)。
【0044】最後にB10においては、前記B2におい
て求められたばね上共振周波数帯のみを抽出したばね上
速度Δx信号を、前記B8において求められた伸側また
は圧側の相対速度信号VST-T,VST-Cで除することによ
り、伸側および圧側の制御信号VT ,VC を求める(図
15の(ト) 参照)。即ち、この実施の形態1では、前記
B9とB10とで請求の範囲の制御信号作成手段を構成
している。
【0045】以上のように、相対速度低周波成分信号V
LST を、相対速度の高周波成分低周波処理信号VH
ST-T ,VHST-C に比例した高周波成分補正係数k
-T,ku-Cで補正することにより、相対速度信号V
ST-T,VST-Cを求めるようにしたことで、図15の(ヘ)
の実線で示すように、相対速度信号VST-T,VST-Cとし
て低周波状態のものが得られ、これにより、図15の
(ト) の実線で示すように、制御信号VT ,VC も低周波
状態で得られることになる。
【0046】従って、図15の(チ) の実線で示すよう
に、ショックアブソーバSAの減衰力特性ポジションP
の切り換えを制御信号VT ,VC の変化に追従させるこ
とができるようになる。
【0047】そして、さらに、図15の(ヘ) ,(ト) の一
点鎖線および図15の(チ) の点線で示す、相対速度の高
周波成分低周波処理信号VHST-T ,VHST-C に比例した
高周波成分補正係数ku-T,ku-Cによる補正を行なわ
ずに、相対速度低周波成分信号VLST のみを用いた場合
の相対速度信号VST-T,VST-C、制御信号VT ,VC
よび減衰力特性ポジションPと比べて見ると明らかなよ
うに、相対速度の高周波レベル変動に応じた補正が行な
われ、これにより、相対速度高周波成分の増加による制
御力の過剰状態の発生が防止された状態となっている。
【0048】次に、前記コントロールユニット4におけ
る制御作動のうち、請求の範囲の減衰力特性制御手段を
構成する部分による各ショックアブソーバASの減衰力
特性制御作動の内容を図16のフローチャートに基づい
て説明する。
【0049】ステップ101では、ばね上速度Δxが正
の不感帯しきい値VNC-T以上である否かを判定し、YE
Sであればステップ102へ進んで各ショックアブソー
バSAを伸側ハード領域HSに制御し、NOであればス
テップ103へ進む。
【0050】ステップ103では、ばね上速度Δxが負
の不感帯しきい値VNC-C以下であるか否かを判定し、Y
ESであればステップ104へ進んで各ショックアブソ
ーバSAを圧側ハード領域SHに制御し、NOであれば
ステップ105へ進む。
【0051】ステップ105は、ステップ101および
ステップ103でNOと判断された時、即ち、ばね上速
度Δxが負の不感帯しきい値と正の不感帯しきい値との
間の値(VNC-C<Δx<VNC-T)である時の処理ステッ
プであり、この時は、各ショックアブソーバSAをソフ
ト領域SSに制御する。
【0052】次に、減衰力特性制御の作動を図17のタ
イムチャートにより説明する。
【0053】ばね上速度Δxが、この図に示すように変
化した場合、図に示すように、制御信号Vが負の不感帯
しきい値と正の不感帯しきい値との間の値である時に
は、ショックアブソーバSAをソフト領域SSに制御す
る。
【0054】また、ばね上速度Δxが正の値となると、
伸側ハード領域HSに制御して、圧側を低減衰力特性に
固定する一方、伸側の減衰力特性(目標減衰力特性ポジ
ションPT )を次式(6) に基づいて求めたポジションに
設定する。 PT =PTmax(VT −VNC-T)/(VH-T −VNC-T)・・・・・・・・・・・・(6) なお、PTmaxは伸側の最大減衰力特性ポジション、V
H-T は伸側の比例範囲上限値である。
【0055】また、ばね上速度Δxが負の値となると、
圧側ハード領域SHに制御して、伸側を低減衰力特性に
固定する一方、圧側の減衰力特性(目標減衰力特性ポジ
ションPC )を次式(7) に基づいて求めたポジションに
設定する。 PC =PCmax(VC −VNC-C)/(VH-C −VNC-C)・・・・・・・・・・・・(7) なお、PCmaxは圧側の最大減衰力特性ポジション、V
H-C は圧側の比例範囲上限値である。
【0056】次に、コントロールユニット4の減衰力特
性制御作動のうち、主にショックアブソーバSAの制御
領域の切り換え作動状態を図17のタイムチャートに基
づいて説明する。
【0057】図17のタイムチャートにおいて、領域a
は、ばね上速度Δxが負の値(下向き)から正の値(上
向き)に逆転した状態である、この時はまだ相対速度
(Δx−Δx0 )は負の値(ショックアブソーバSAの
行程は圧行程側)となっている領域であるため、この時
は、ばね上速度Δxの方向に基づいてショックアブソー
バSAは伸側ハード領域HSに制御されており、従っ
て、この領域ではその時のショックアブソーバSAの行
程である圧行程側がソフト特性となる。
【0058】また、領域bは、ばね上速度Δxが正の値
(上向き)のままで、相対速度(Δx−Δx0 )は負の
値から正の値(ショックアブソーバSAの行程は伸行程
側)に切り換わった領域であるため、この時は、ばね上
速度Δxの方向に基づいてショックアブソーバSAは伸
側ハード領域HSに制御されており、かつ、ショックア
ブソーバの行程も伸行程であり、従って、この領域では
その時のショックアブソーバSAの行程である伸行程側
が、制御信号Vの値に比例したハード特性となる。
【0059】また、領域cは、ばね上速度Δxの値が正
の値(上向き)から負の値(下向き)に逆転した状態で
あるが、この時はまだ相対速度(Δx−Δx0 )は正の
値(ショックアブソーバSAの行程は伸行程側)となっ
ている領域であるため、この時は、ばね上速度Δxの方
向に基づいてショックアブソーバSAは圧側ハード領域
SHに制御されており、従って、この領域ではその時の
ショックアブソーバSAの行程である伸行程側がソフト
特性となる。
【0060】また、領域dは、ばね上速度Δxが負の値
(下向き)のままで、相対速度(Δx−Δx0 )は正の
値から負の値(ショックアブソーバSAの行程は圧行程
側)になる領域であるため、この時は、ばね上速度Δx
の方向に基づいてショックアブソーバSAは圧側ハード
領域SHに制御されており、かつ、ショックアブソーバ
の行程も圧行程であり、従って、この領域ではその時の
ショックアブソーバSAの行程である圧行程側が、制御
信号Vの値に比例したハード特性となる。
【0061】以上のように、この実施の形態では、ばね
上速度Δxと相対速度(Δx−Δx0 )とが同符号の時
(領域b,領域d)は、その時のショックアブソーバS
Aの行程側をハード特性に制御し、異符号の時(領域
a,領域c)は、その時のショックアブソーバSAの行
程側をソフト特性に制御するという、スカイフック理論
に基づいた減衰力特性制御と同一の制御が行なわれるこ
とになる。そして、さらに、この実施の形態では、ショ
ックアブソーバSAの行程が切り換わった時点、即ち、
領域aから領域b,および領域cから領域d(ソフト特
性からハード特性)へ移行する時には、切り換わる行程
側の減衰力特性ポジションは前の領域a,cで既にハー
ド特性側への切り換えが行なわれているため、ソフト特
性からハード特性への切り換えが時間遅れなく行なわれ
ることになる。
【0062】以上説明してきたように、この発明の実施
の形態1によると、以下に列挙するような効果が得られ
る。 低周波および高周波の入り混じった複合波路面入力
に対しても制御力の過不足を生じさせることなしに、ば
ね上上下速度とばね上ばね下間相対速度に基づいた理想
のスカイフック理論に基づいた最適な減衰力特性制御を
行なうことができるようになる。
【0063】 ばね下共振周波数には応答できない比
較的応答性の低い安価なパルスモータを用いることがで
きるため、パルスモータの耐久性アップとコストダウン
が可能となる。
【0064】 路面入力が微小でも十分な制御量を得
られるため、よりフラットな乗り心地が得られるように
なる。 制御信号の低周波処理化によりパルスモータの急激
な駆動がないため、油撃振動に伴う乗り心地の悪化を生
じさせることもない。
【0065】次に、本発明の他の実施の形態について説
明する。なお、この他の実施の形態は、コントロールユ
ニット4における制御信号を形成するための信号処理回
路の内容を異にするもので、その他の構成は前記実施の
形態1と同様であるため、同様の構成部分には同一の符
号を用いてその説明を省略し、相違点についてのみ説明
する。
【0066】(実施の形態2)この実施の形態2の車両
懸架装置では、制御信号Vを求める信号処理回路を示す
図18のブロック図に示すように、そのC1〜C7まで
は、前記図14に示した実施の形態1における信号処理
回路のB1〜B7と同様であるが、それ以後(C9,C
10)がB8〜B10の内容と相違している。
【0067】即ち、この実施の形態2では、補正係数を
求めることなく、C9において、C4で求めた相対速度
低周波成分信号VLST (図19の(ハ) 参照)に、C6,
C7で求めた伸側または圧側の高周波成分低周波処理信
号VHST-T ,VHST-C (図19の(リ) 参照)をそれぞれ
加算することにより、伸側および圧側の相対速度信号V
ST-T,VST-Cをそれぞれ求める(図19の(ヘ) 参照)。
【0068】最後にC10においては、前記C2におい
て求められたばね上共振周波数帯のみを抽出したばね上
速度Δx信号を、前記C9において求められた伸側また
は圧側の相対速度信号VST-T,VST-Cで除することによ
り、伸側および圧側の制御信号VT ,VC (図19の
(ト) 参照)を求めるようにしたものである。
【0069】そして、図19の(チ) に示すように、相対
速度高周波成分信号VHST のレベル変動に応じ、減衰力
特性ポジションPの補正が行なわれ、これにより、相対
速度高周波成分信号VHST の増加による制御力の過剰状
態の発生を防止することができる。従って、この実施の
形態2においても、前記実施の形態1とほぼ同様の効果
が得られる。
【0070】(実施の形態3)この実施の形態3の車両
懸架装置では、図20の信号処理回路を示すブロック図
に示すように、そのD1〜D7までは、前記図14に示
した実施の形態1における信号処理回路のB1〜B7と
同様であるが、それ以後(D8〜D10)がB8〜B1
0の内容と相違している。
【0071】即ち、この実施の形態3では、D8におい
て、D4で求めた相対速度低周波成分信号VLST に、D
6,D7で求めた伸側または圧側の高周波成分低周波処
理信号VHST-T ,VHST-C を乗じることにより、伸側お
よび圧側の相対速度信号VST -T,VST-Cをそれぞれ求め
ると共に、続くD9において、D9のマップに基づき、
伸側および圧側の相対速度信号VST-T,VST-Cに反比例
した高周波成分補正係数ku-T,ku-Cを求める。
【0072】最後にD10においては、前記D2におい
て求められたばね上共振周波数帯のみを抽出したばね上
速度Δx信号に、前記D9において求められた伸側また
は圧側の高周波成分補正係数ku-T,ku-Cを乗じるこ
とにより、伸側および圧側の制御信号VT ,VC を求め
るようにしたものである。
【0073】従って、この実施の形態3においても、前
記実施の形態1とほぼ同様の効果が得られる。
【0074】(実施の形態4)この実施の形態4の車両
懸架装置では、図21の信号処理回路を示すブロック図
に示すように、そのE1〜E5,E7は、前記図14に
示した実施の形態1における信号処理回路のB1〜B
5,B7と同様であるが、その他のE6とE8〜E10
の内容を異にするものである。
【0075】即ち、この実施の形態4では、E6におい
て、図22の(ロ),(ハ) に示すように、相対速度高周波成
分信号VHST の判別符号(伸行程側がプラス、圧行程側
がマイナス)により、相対速度高周波成分信号VHST
伸側のピーク値XPT と圧側のピーク値XPC とをそれぞれ
検出すると共に、伸側のピーク値XPT と圧側のピーク値
XPC をそれぞれ次のピーク値が検出されるまでの間は保
持させた伸側処理信号XP'Tと圧側処理信号XP'Cとをそれ
ぞれ作成する。
【0076】続くE8においては、E4で求めた相対速
度低周波成分信号VLST に、E6で求めた伸側処理信号
XP'Tまたは圧側処理信号XP'Cを乗じることにより、伸側
および圧側の相対速度信号VST-T,VST-Cをそれぞれ求
める。
【0077】続くE9においては、伸側の相対速度信号
ST-Tと圧側の相対速度信号VST-Cにそれぞれ反比例し
た伸側再処理信号KUS-Tと圧側再処理信号KUS-Cを形成
する。即ち、この実施の形態4では、次式(8),(9) に示
すように、反比例関数を用いて伸側再処理信号KUS-T
圧側再処理信号KUS-Cをそれぞれ求める。 KUS-T=1/VST-T ・・・・・・・・・・・・(8) KUS-C=1/VST-C ・・・・・・・・・・・・(9) ただし、伸側の相対速度信号VST-Tまたは圧側の相対速
度信号VST-Cの値が所定のミニマム値MIN 以下である時
(VST-T,VST-C≦MIN )は、伸側再処理信号KUS-T
圧側再処理信号KUS-Cの値をマックス値MAX に設定(K
US-T,KUS-C=MAX (1.0,0.9))する処理が行なわれ
る。これは、分母側の各相対速度信号VST-T,VST-C
値が0に近くなるにつれて再処理信号KUS-T,KUS-C
値が無限大に発散するのを防止する意味を持つ。
【0078】続くE10においては、前記E2で形成さ
れたばね上共振周波数帯のみ抽出したばね上速度Δx信
号と、E3〜E9で形成された相対速度(Δx−Δx
0 )に基づく伸側再処理信号KUS-Tおよび圧側再処理信
号KUS-Cから、次式(10),(11)に基づいて伸側および圧
側の制御信号VT ,VC を求める。
【0079】 VT =g・Δx・KUS-T ・・・・・・・・・・・・・(10) VC =g・Δx・KUS-C ・・・・・・・・・・・・・(11) 即ち、この実施の形態4では、本来は前式(8),(9) に示
したように、ばね上速度Δx信号に対し除算すべき相対
速度信号VST-T,VST-Cを、一旦反比例信号である再処
理信号KUS-T,KUS-Cに変換した形でばね上速度Δxに
乗じるという乗算形式に変形することにより、制御信号
Vの0割りの発生を防止するようにしたものである。
【0080】また、制御信号Vの形成に際し、相対速度
高周波成分信号VHST のピーク値を伸行程側と圧行程側
とで別々に検出すると共に、ばね上速度Δxの方向判別
符号と一致する行程側のピーク値XPT ,XPC を用いるよ
うにすることで、図22の(ハ) に示すように、低周波状
態の伸側処理信号XP'Tおよび圧側処理信号XP'Cを得るこ
とができるもので、これにより、図22の(ニ) に示すよ
うに、低周波状態の制御信号Vを形成することができ
る。
【0081】従って、パルスモータ3の応答性がそれほ
ど高くなくても、同図(ホ) に示すように減衰力特性ポジ
ションPの切り換えを、制御信号Vの変化に追従させる
ことが可能となる。
【0082】以上の作用を、図23の(イ) 〜(ハ) のタイ
ムチャートに基づき、従来例との比較において詳述す
る。なお、図において、実線は従来例における制御信号
(図27の(ハ) )、一点鎖線は従来例の減衰力特性ポジ
ションP(図27の(ニ) )、点線は本実施の形態におけ
る制御信号Vおよび減衰力特性ポジションPをそれぞれ
示している。
【0083】まず、図23の(イ) は、相対速度高周波成
分信号VHST の伸行程側のピーク値XPT が大から小へと
変動した場合を示しており、この場合は、高周波で変動
する従来例の制御信号Vによると、パルスモータ3にお
ける減衰力特性ポジションPの切り換え遅れによって制
御力が理想通りには低下しきれず、このため、左下がり
斜線で示すように制御力が過剰になる部分が生じるのに
対し、本実施の形態の制御信号Vによると、水平線で示
すように制御力が不足する部分が生じる。
【0084】また、図23の(ロ) は、相対速度高周波成
分信号VHST の伸行程側のピーク値XPT が小から大へと
変動した場合を示している。この場合は、高周波で変動
する従来例の制御信号によると、パルスモータ3におけ
る減衰力特性ポジションPの切り換え遅れによって制御
力が理想通りには低下しきれず、このため、左下がり斜
線で示すように制御力が過剰になる部分が生じるのに対
し、本実施の形態の制御信号Vによると、右下がり斜線
で示すように制御力が過剰になる部分と、水平線で示す
ように、制御力が不足する部分が生じることになる。
【0085】また、図23の(ハ) は、相対速度高周波成
分信号VHST の伸行程側のピーク値XPT が変動しなかっ
た場合を示しており、この場合は、従来例の制御信号に
よると、左下がり斜線で示すように制御力が過剰になる
部分が生じるのに対し、本実施の形態の制御信号Vによ
ると、水平線で示すように制御力が不足する部分が生じ
る。
【0086】以上のように、本実施の形態の場合におい
ても、制御力の過不足が生じるが、従来例に比べると、
その過不足部分の面積(=エネルギー)が小さくなって
いることから、余計な制御力が発生しずらい状態となっ
ており、その結果は図25のシュミレーション結果にも
明確な形で表われている。即ち、図25の(イ),(ロ) は、
本実施の形態に沿った実ばね上加速度、および、アクチ
ュエータACTRの目標ポジションと実ポジションを示すタ
イムチャート、図25の(イ)',(ロ)',(ハ)'は、従来例に沿
った実ばね上加速度、および、アクチュエータACTRの目
標ポジションと実ポジションを示すタイムチャートであ
り、従来例では斜線で示す過剰な制御力の発生により実
ばね上加速度の信号波形に大きなゆがみを生じさせるの
に対し、本実施の形態ではそのゆがみが少なくなってい
る。
【0087】なお、図23において、Sの部分は、ばね
上速度Δxの方向判別符号(伸側のプラス)とは相対速
度高周波成分信号VHST の方向判別符号(圧側のマイナ
ス)が不一致の加振域部分であって、この時は逆行程
(圧行程)側の低減衰力特性が作用しているため、制御
行程(伸行程)側の減衰力特性ポジションPを従来例に
おけるように可変制御する必要性はない領域であるか
ら、該領域におけるパルスモータ3の駆動を省略するこ
とで、上述のように、制御信号Vに対するパルスモータ
3の駆動応答性を確保することができるようになると共
に、次に述べるように、パルスモータ3の駆動/保持デ
ューティ比を大幅に低下させることができるようにな
る。
【0088】即ち、図24の(ハ) は従来例における制御
信号(実線)と減衰力特性ポジション(一点鎖線)Pの
切り換え状態を示すもので、この図に示す例では、パル
スモータ3の駆動/保持デューティ比は30〜50%となっ
ている。この例は最低の場合を示すもので、制御信号の
振幅が大きくなるとパルスモータ3の応答が間に合わな
くなってデューティ比はほぼ 100%となってしまう。
【0089】また、上述の例は、パルスモータ3の最低
応答性として、ばね下共振周期の半周期の間に、伸側ハ
ード領域HSとソフト領域SSとの間または圧側ハード
領域SHとソフト領域SSとの間を往復駆動する応答性
が要求され、例えば、ばね下共振周波数が10Hzとする
と、25msで往復駆動する必要があることになる。
【0090】これに対し、本実施の形態の場合は、図2
4の(イ) に示すように、相対速度高周波成分信号VHST
の伸行程側のピーク値XPT の変動が微小な場合は、パル
スモータ3の駆動/保持デューティ比は0%となり、ま
た、図24の(ロ) に示すように、伸行程側のピーク値XP
T が変動した場合においても、デューティ比は50%程度
ですむことになる。
【0091】また、パルスモータ3の最低応答性として
も、次のピーク値が判断されるまでの間、つまり、ばね
下共振周期の間に伸側ハード領域HSとソフト領域SS
との間または圧側ハード領域SHとソフト領域SSとの
間を往復駆動すればよく、例えば、ばね下共振周波数が
10Hzとすると、100ms で往復駆動すればよいことにな
る。以上説明してきたように、この実施の形態4の車両
懸架装置においても、前記実施の形態1と同様の効果を
得ることができる。
【0092】(実施の形態5)この実施の形態5の車両
懸架装置では、前記実施の形態1〜3における信号処理
回路のB6,C6,D6の内容に代えて、前記実施の形
態4のE6を適用するようにしたものである。
【0093】(実施の形態6)この実施の形態6の車両
懸架装置では、前記実施の形態4における信号処理回路
のE6の内容に代え、相対速度高周波成分信号VHST
ピーク値の絶対値を検出し該ピーク値の絶対値を次のピ
ーク値の絶対値が検出されるまでの間は保持させた1つ
の処理信号を作成するようにしたものである。
【0094】以上、発明の実施の形態について説明して
きたが具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更
等があっても本発明に含まれる。
【0095】例えば、実施の形態では、ばね上ばね下間
相対速度検出手段として、上下Gセンサで検出されたば
ね上上下加速度信号から、伝達関数を用いてばね上ばね
下間相対速度を推定する場合を示したが、これに代えて
以下に述べる手段を用いることもできる。
【0096】 ばね下の上下加速度を検出するばね下
加速度検出手段を設け、ばね上上下加速度信号からばね
下上下加速度信号を減算して得られた相対変位量信号を
積分しもしくはローパスフィルタを通過させることによ
ってばね上ばね下間相対速度を求める。 ストロークセンサを用いてばね上ばね下間相対速度
を求める。
【0097】また、実施の形態1および実施の形態2で
は、その信号処理回路のB4において、伸側処理信号X
P'Tと圧側処理信号XP'Cに反比例した伸側再処理信号KU
S-Cと圧側再処理信号KUS-Tを形成する手段として、反
比例関数式(5),(6) を用いたが、反比例マップを用いる
こともできる。
【0098】また、高周波成分低周波処理信号VHST
平均化処理することにより、さらに低周波状態になめさ
れた制御信号Vが得られるようになる。また、制御信号
Vを求める前記式(10),(11) のゲインgを車速によって
変化させるようにしてもよい。
【0099】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明請求項1
記載の車両懸架装置は、上述のように、制御信号形成手
段において、ばね上速度検出手段で検出されたばね上上
下速度信号と相対速度低周波成分抽出手段で抽出された
ばね上ばね下間相対速度の低周波成分信号と低周波処理
信号形成手段で形成された高周波成分低周波処理信号か
ら制御信号を求めるようにしたことで、ばね下共振周波
数には応答できない比較的応答性の低い安価なアクチュ
エータを用いても、低周波と高周波の混じった複合波入
力に対しても制御力の過不足のない理想のスカイフック
理論に基づいた制御力を発生させることが可能になると
いう効果が得られる。
【0100】なお、アクチュエータの駆動/保持デュー
ティ比を高めることはないので、電源消費量の増大や耐
久性の低下をきたすこともない。
【0101】また、請求項9記載の車両懸架装置では、
前記制御信号作成手段において、前記相対速度低周波成
分抽出手段で抽出されたばね上ばね下間相対速度の低周
波成分信号に低周波処理信号形成手段で形成された高周
波成分低周波処理信号を乗じた相対速度信号から、該相
対速度信号に反比例した反比例補正係数を求め、この反
比例補正係数を前記ばね上速度検出手段で検出されたば
ね上上下速度信号に乗じることにより制御信号を作成す
るようにしたことで、制御信号の0割りの発生を防止す
ることができるようになる。
【0102】また、請求項10記載の車両懸架装置で
は、前記制御信号作成手段において、低周波処理信号形
成手段で形成された高周波成分低周波処理信号を平均化
処理するようにしたことで、さらに低周波状態になめさ
れた制御信号が得られるもので、これにより、滑らかな
減衰力特性制御が行なえるようになる。
【0103】また、請求項11記載の車両懸架装置で
は、前記相対速度検出手段として、前記ばね上速度検出
手段で検出されたばね上上下速度から所定の伝達関数に
基づいてばね上ばね下間相対速度を推定するようにした
ことで、センサの個数の低減によるコストダウンが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両懸架装置を示すクレーム対応図で
ある。
【図2】本発明の実施の形態1の車両懸架装置を示す構
成説明図である。
【図3】実施の形態1の車両懸架装置を示すシステムブ
ロック図である。
【図4】実施の形態1に適用したショックアブソーバを
示す断面図である。
【図5】前記ショックアブソーバの要部を示す拡大断面
図である。
【図6】前記ショックアブソーバのピストン速度に対応
した減衰力特性図である。
【図7】前記ショックアブソーバのパルスモータのステ
ップ位置に対応した減衰力特性図である。
【図8】前記ショックアブソーバの要部を示す図5のK
−K断面図である。
【図9】前記ショックアブソーバの要部を示す図5のL
−L断面およびM−M断面図である。
【図10】前記ショックアブソーバの要部を示す図5の
N−N断面図である。
【図11】前記ショックアブソーバの伸側ハード時の減
衰力特性図である。
【図12】前記ショックアブソーバの伸側・圧側ソフト
状態の減衰力特性図である。
【図13】前記ショックアブソーバの圧側ハード状態の
減衰力特性図である。
【図14】実施の形態1における信号処理回路を示すブ
ロック図である。
【図15】実施の形態1におけるコントロールユニット
の減衰力特性制御作動を示すタイムチャートである。
【図16】実施の形態1におけるコントロールユニット
の減衰力特性制御作動のうち、制御領域の切り換え作動
状態を示すフローチャートである。
【図17】実施の形態1におけるコントロールユニット
の減衰力特性制御作動のうち、制御領域の切り換え作動
状態を示すタイムチャートである。
【図18】実施の形態2における信号処理回路を示すブ
ロック図である。
【図19】実施の形態2におけるコントロールユニット
の減衰力特性制御作動を示すタイムチャートである。
【図20】実施の形態3における信号処理回路を示すブ
ロック図である。
【図21】実施の形態4における信号処理回路を示すブ
ロック図である。
【図22】実施の形態4の信号処理回路における制御信
号の形成状態を示すタイムチャートである。
【図23】実施の形態4における制御力の過不足状態を
従来例との比較において説明するためのタイムチャート
である。
【図24】実施の形態4におけるパルスモータの駆動/
保持デューティ比を従来例との比較において説明するた
めのタイムチャートであり、(イ),(ロ) は実施の形態4、
(ハ) は従来例を示している。
【図25】シュミレーション結果を示すタイムチャート
であり、(イ),(ロ) は実施の形態4、(イ)',(ロ)',(ハ)'は従
来例である。
【図26】従来例の車両懸架装置における減衰力特性制
御作動を示すタイムチャートである。
【図27】従来例の車両懸架装置においてばね上速度信
号と相対速度信号によって形成された制御信号を用いる
と共に、低応答アクチュエータを用いた場合の減衰力特
性制御作動を示すタイムチャートである。
【図28】従来例の車両懸架装置においてばね上速度信
号と相対速度信号によって形成された制御信号を用いる
と共に、高応答アクチュエータを用いた場合の減衰力特
性制御作動を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
a 減衰力特性変更手段 b ショックアブソーバ c ばね上速度検出手段 d 相対速度検出手段 e 相対速度低周波成分抽出手段 f 相対速度高周波成分抽出手段 g 低周波処理信号形成手段 h 制御信号作成手段 i 減衰力特性制御手段

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体側と各車輪側の間に介在されていて
    一方の行程側の減衰力特性を可変制御する時はその逆行
    程側が低減衰力特性となる減衰力特性変更手段を有する
    ショックアブソーバと、 ばね上上下速度を検出するばね上速度検出手段と、 ばね上ばね下間相対速度を検出する相対速度検出手段
    と、 該相対速度検出手段で検出されたばね上ばね下間相対速
    度の低周波成分信号を抽出する相対速度低周波成分抽出
    手段と、 前記相対速度検出手段で検出されたばね上ばね下間相対
    速度の高周波成分信号を抽出する相対速度高周波成分抽
    出手段と、 該相対速度高周波成分抽出手段で抽出されたばね上ばね
    下間相対速度の高周波成分信号のピーク値から高周波成
    分低周波処理信号を形成する低周波処理信号形成手段
    と、 前記ばね上速度検出手段で検出されたばね上上下速度信
    号と相対速度低周波成分抽出手段で抽出されたばね上ば
    ね下間相対速度の低周波成分信号と低周波処理信号形成
    手段で形成された高周波成分低周波処理信号から制御信
    号を求める制御信号作成手段と、 前記ばね上速度検出手段で検出されたばね上上下速度の
    方向判別符号が上向きである時はショックアブソーバの
    伸行程側の減衰力特性を、下向きである時は圧行程側の
    減衰力特性を、前記制御信号作成手段で作成された制御
    信号に基づいて可変制御する減衰力特性制御手段と、を
    備えていることを特徴とする車両懸架装置。
  2. 【請求項2】 前記低周波処理信号形成手段において、
    相対速度高周波成分抽出手段で抽出されたばね上ばね下
    間相対速度の高周波成分信号の伸側ピーク値または圧側
    ピーク値のうちいずれか一方のピーク値から1つの高周
    波成分低周波処理信号を形成するようにしたことを特徴
    とする請求項1記載の車両懸架装置。
  3. 【請求項3】 前記低周波処理信号形成手段において、
    相対速度高周波成分抽出手段で抽出されたばね上ばね下
    間相対速度の高周波成分信号の伸側および圧側の両ピー
    ク値の絶対値から1つの高周波成分低周波処理信号を形
    成するようにしたことを特徴とする請求項1記載の車両
    懸架装置。
  4. 【請求項4】 前記低周波処理信号形成手段において、
    相対速度高周波成分抽出手段で抽出されたばね上ばね下
    間相対速度の高周波成分信号の伸側ピーク値および圧側
    ピーク値からそれぞれ伸側および圧側の高周波成分低周
    波処理信号を形成すると共に、前記制御信号作成手段に
    おいて、前記ばね上速度検出手段で検出されたばね上上
    下速度信号と相対速度低周波成分抽出手段で抽出された
    ばね上ばね下間相対速度の低周波成分信号と低周波処理
    信号形成手段でそれぞれ形成された伸側高周波成分低周
    波処理信号または圧側高周波成分低周波処理信号とから
    伸側制御信号および圧側制御信号をそれぞれ求め、前記
    減衰力特性制御手段において、その時のばね上上下速度
    の方向判別符号に対応した行程側の減衰力特性を伸側制
    御信号または圧側制御信号に基づいて可変制御するよう
    にしたことを特徴とする請求項1記載の車両懸架装置。
  5. 【請求項5】 前記低周波処理信号形成手段において、
    相対速度高周波成分抽出手段で抽出されたばね上ばね下
    間相対速度の高周波成分信号の各ピーク値を線形補間す
    ることにより高周波成分低周波処理信号を形成するよう
    にしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載
    の車両懸架装置。
  6. 【請求項6】 前記低周波処理信号形成手段において、
    相対速度高周波成分抽出手段で抽出されたばね上ばね下
    間相対速度の高周波成分信号の各ピーク値を次のピーク
    値が検出されるまでの間は保持させることにより高周波
    成分低周波処理信号を形成するようにしたことを特徴と
    する請求項1〜4のいずれかに記載の車両懸架装置。
  7. 【請求項7】 前記制御信号作成手段において、前記相
    対速度低周波成分抽出手段で抽出されたばね上ばね下間
    相対速度の低周波成分信号に低周波処理信号形成手段で
    形成された高周波成分低周波処理信号から求めた比例補
    正係数を乗じた相対速度信号で、前記ばね上速度検出手
    段で検出されたばね上上下速度信号を除することにより
    制御信号を作成するようにしたことを特徴とする請求項
    1〜6のいずれかに記載の車両懸架装置。
  8. 【請求項8】 前記制御信号作成手段において、前記相
    対速度低周波成分抽出手段で抽出されたばね上ばね下間
    相対速度の低周波成分信号に低周波処理信号形成手段で
    形成された高周波成分低周波処理信号を加算した相対速
    度信号で、前記ばね上速度検出手段で検出されたばね上
    上下速度信号を除することにより制御信号を作成するよ
    うにしたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記
    載の車両懸架装置。
  9. 【請求項9】 前記制御信号作成手段において、前記相
    対速度低周波成分抽出手段で抽出されたばね上ばね下間
    相対速度の低周波成分信号に低周波処理信号形成手段で
    形成された高周波成分低周波処理信号を乗じた相対速度
    信号から、該相対速度信号に反比例した反比例補正係数
    を求め、この反比例補正係数を前記ばね上速度検出手段
    で検出されたばね上上下速度信号に乗じることにより制
    御信号を作成するようにしたことを特徴とする請求項1
    〜6のいずれかに記載の車両懸架装置。
  10. 【請求項10】 前記制御信号作成手段において、低周
    波処理信号形成手段で形成された高周波成分低周波処理
    信号を平均化処理することを特徴とする請求項1〜9の
    いずれかに記載の車両懸架装置。
  11. 【請求項11】 前記相対速度検出手段として、前記ば
    ね上速度検出手段で検出されたばね上上下速度から所定
    の伝達関数に基づいてばね上ばね下間相対速度を推定す
    るようにしたことを特徴とする請求項1〜10のいずれ
    かに記載の車両懸架装置。
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