JPH0732842A - 車両懸架装置 - Google Patents

車両懸架装置

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JPH0732842A
JPH0732842A JP17964793A JP17964793A JPH0732842A JP H0732842 A JPH0732842 A JP H0732842A JP 17964793 A JP17964793 A JP 17964793A JP 17964793 A JP17964793 A JP 17964793A JP H0732842 A JPH0732842 A JP H0732842A
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JP
Japan
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damping force
force characteristic
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unsprung
sprung
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Application number
JP17964793A
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English (en)
Inventor
Katsuya Iwasaki
克也 岩崎
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
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Unisia Jecs Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ばね上の制振性を確保しつつ、ばね下の荷重
変動を抑制してタイヤの接地性を高め、これにより、操
縦安定性及び制駆動力を向上させることができる車両懸
架装置の提供。 【構成】 ばね上上下速度検出手段cで検出されたばね
上上下速度と相対速度検出手段eで検出されたばね上・
ばね下間相対速度の方向判別符号が一致する時にはその
時のショックアブソーバbの行程側の減衰力特性を少な
くともばね上上下速度に基づいた値に可変設定し、方向
判別符号が不一致の時には所定の低減衰力特性に設定す
る基本制御部fを有する減衰力特性制御手段gと、減衰
力特性制御手段gに設けられ、基本制御部fで設定され
た減衰力特性の値に対し、ばね下上下速度検出手段dで
検出されたばね下上下速度の値に基づいて可変設定され
る低減衰力特性の値の方が高い値である時には、減衰力
特性の値を低減衰力特性の値に設定する補正制御部h
と、を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ショックアブソーバの
減衰力特性を最適制御する車両の懸架装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ショックアブソーバの減衰力特性
制御を行う車両懸架装置としては、例えば、実開昭63
−112112号公報に記載されたものが知られてい
る。
【0003】この従来の車両懸架装置は、ばね下上下速
度及びばね上・ばね下間相対速度を検出し、両者の方向
判別符号が一致する時には、ショックアブソーバの減衰
力特性をソフトに制御し、両者の方向判別符号が不一致
である時には、ショックアブソーバの減衰力特性をハー
ドに制御することによって、ばね下の荷重変動を抑制し
てタイヤの接地性を高め、これにより、操縦安定性及び
制駆動力を高めることができるようにしたものであっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来装置にあっては、上述のように、ショックアブソー
バの減衰力特性を、ばね下の挙動に基づいて制御するも
のであるため、ばね上に対する制振力が不足するという
問題点があった。
【0005】本発明は、上述の従来の問題点に着目して
なされたもので、ばね上の制振性を確保しつつ、ばね下
の荷重変動を抑制してタイヤの接地性を高め、これによ
り、操縦安定性及び制駆動力を向上させることができる
車両懸架装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明の車両懸架装置は、図1のクレーム対応図
に示すように、車体側と各車輪側の間に介在されていて
減衰力特性変更手段aを有する減衰力特性可変型ショッ
クアブソーバbと、ばね上上下速度を検出するばね上上
下速度検出手段cと、ばね下上下速度を検出するばね下
上下速度検出手段dと、ばね上・ばね下間の相対速度を
検出する相対速度検出手段eと、ばね上上下速度とばね
上・ばね下間相対速度の方向判別符号が一致する時には
その時のショックアブソーバbの行程側の減衰力特性を
少なくともばね上上下速度に基づいた値に可変設定し、
方向判別符号が不一致の時には所定の低減衰力特性に設
定する基本制御部fを有する減衰力特性制御手段gと、
減衰力特性制御手段gに設けられ、基本制御部fで設定
された減衰力特性の値に対し、ばね下上下速度の値に基
づいて可変設定される低減衰力特性の値の方が高い値で
ある時には、減衰力特性の値を低減衰力特性の値に設定
する補正制御部hと、を備えた手段とした。
【0007】
【作用】この発明の車両懸架装置では、各検出手段によ
りばね上上下速度,ばね下上下速度及びばね上・ばね下
間相対速度が検出されると、減衰力特性制御手段の基本
制御部及び補正制御部において、各ショックアブソーバ
の減衰力特性制御が行なわれる。
【0008】まず、基本制御部では、ばね上上下速度と
ばね上・ばね下間相対速度の方向判別符号が一致する時
にはその時のショックアブソーバの行程側の減衰力特性
を少なくともばね上上下速度に基づいたハード特性に可
変設定することにより、ばね上の振動抑制力(制振力)
高め、また、方向判別符号が不一致の時には所定のソフ
ト特性に設定することにより、ばね上への振動伝達力
(加振力)を弱めることができ、これにより、ばね上の
制振性を確保することができる。
【0009】また、補正制御部では、基本制御部で設定
された減衰力特性の値に対し、ばね下上下速度の値に基
づいて可変設定された低減衰力特性の値の方が高い値で
ある時には、減衰力特性の値を低減衰力特性の値に変更
設定するもので、これにより、ばね下の荷重変動を抑制
してタイヤの接地性を高めることができる。
【0010】
【実施例】本発明実施例を図面に基づいて説明する。ま
ず、実施例の構成について説明する。図2は、実施例の
車両懸架装置を示す構成説明図であり、車体と4つの車
輪との間に介在されて、4つのショックアブソーバSA
が設けられている。そして、各ショックアブソーバSA
の近傍位置の車体には、ばね上における上下方向の加速
度を検出するばね上上下加速度センサ(以後、ばね上G
センサという)1が設けられ、また、各車輪側には、ば
ね下における上下方向の加速度を検出するばね下加速度
検出手段(以後、ばね下Gセンサという)2が設けられ
ている。また、運転席の近傍位置には、各ばね上Gセン
サ1及びばね下Gセンサ2からの信号を入力して、各シ
ョックアブソーバSAのパルスモータ3に駆動制御信号
を出力するコントロールユニット4が設けられている。
【0011】図3は、上記構成を示すシステムブロック
図であって、コントロールユニット4は、インタフェー
ス回路4a,CPU4b,駆動回路4cを備え、前記イ
ンタフェース回路4aには、上述の各ばね上Gセンサ1
からの加速度信号と、ばね下Gセンサ2からの加速度信
号がそれぞれ入力される。そして、前記インタフェース
回路4a内には、図14に示すように、ばね上Gセンサ
1及びばね下Gセンサ2から送られる加速度信号Gn ,
Gr をそれぞれ積分してばね上上下速度Vu 及びばね下
上下速度Vr に変換すると共に、ばね上上下速度Vu と
ばね下上下速度Vr からばね上・ばね下間相対速度(V
u −Vr )を求める信号処理回路4dが設けられてい
る。
【0012】次に、図4は、ショックアブソーバSAの
構成を示す断面図であって、このショックアブソーバS
Aは、シリンダ30と、シリンダ30を上部室Aと下部
室Bとに画成したピストン31と、シリンダ30の外周
にリザーバ室32を形成した外筒33と、下部室Bとリ
ザーバ室32とを画成したベース34と、ピストン31
に連結されたピストンロッド7の摺動をガイドするガイ
ド部材35と、外筒33と車体との間に介在されたサス
ペンションスプリング36と、バンパラバー37とを備
えている。
【0013】次に、図5は前記ピストン31の部分を示
す拡大断面図であって、この図に示すように、ピストン
31には、貫通孔31a,31bが形成されていると共
に、各貫通孔31a,31bをそれぞれ開閉する伸側減
衰バルブ12及び圧側減衰バルブ20とが設けられてい
る。また、ピストンロッド7の先端に螺合されたバウン
ドストッパ41には、ピストン31を貫通したスタッド
38が螺合して固定されていて、このスタッド38に
は、貫通孔31a,31bをバイパスして上部室Aと下
部室Bとを連通する流路(後述の伸側第2流路E,伸側
第3流路F,バイパス流路G,圧側第2流路J)を形成
するための連通孔39が形成されていて、この連通孔3
9内には前記流路の流路断面積を変更するための調整子
40が回動自在に設けられている。また、スタッド38
の外周部には、流体の流通の方向に応じて前記連通孔3
9で形成される流路側の流通を許容・遮断する伸側チェ
ックバルブ17と圧側チェックバルブ22とが設けられ
ている。尚、この調整子40は、前記パルスモータ3に
よりコントロールロッド70を介して回転されるように
なっている(図4参照)。また、スタッド38には、上
から順に第1ポート21,第2ポート13,第3ポート
18,第4ポート14,第5ポート16が形成されてい
る。
【0014】一方、調整子40は、中空部19が形成さ
れると共に、内外を連通する第1横孔24及び第2横孔
25が形成され、さらに、外周部に縦溝23が形成され
ている。
【0015】従って、前記上部室Aと下部室Bとの間に
は、伸行程で流体が流通可能な流路として、貫通孔31
bを通り伸側減衰バルブ12の内側を開弁して下部室B
に至る伸側第1流路Dと、第2ポート13,縦溝23,
第4ポート14を経由して伸側減衰バルブ12の外周側
を開弁して下部室Bに至る伸側第2流路Eと、第2ポー
ト13,縦溝23,第5ポート16を経由して伸側チェ
ックバルブ17を開弁して下部室Bに至る伸側第3流路
Fと、第3ポート18,第2横孔25,中空部19を経
由して下部室Bに至るバイパス流路Gの4つの流路があ
る。また、圧行程で流体が流通可能な流路として、貫通
孔31aを通り圧側減衰バルブ20を開弁する圧側第1
流路Hと、中空部19,第1横孔24,第1ポート21
を経由し圧側チェックバルブ22を開弁して上部室Aに
至る圧側第2流路Jと、中空部19,第2横孔25,第
3ポート18を経由して上部室Aに至るバイパス流路G
との3つの流路がある。
【0016】即ち、ショックアブソーバSAは、調整子
40を回動させることにより、伸側・圧側のいずれとも
図6に示すような特性で減衰力特性を多段階に変更可能
に構成されている。つまり、図7に示すように、伸側・
圧側いずれもソフトとした状態(以後、ソフト領域SS
という)から調整子40を反時計方向に回動させると、
伸側のみ減衰力特性を多段階に変更可能で圧側が低減衰
力特性に固定の領域(以後、伸側ハード領域HSとい
う)となり、逆に、調整子40を時計方向に回動させる
と、圧側のみ減衰力特性を多段階に変更可能で伸側が低
減衰力特性に固定の領域(以後、圧側ハード領域SHと
いう)となる構造となっている。
【0017】ちなみに、図7において、調整子40を
,,のポジションに配置した時の、図5における
K−K断面,L−L断面及びM−M断面,N−N断面
を、それぞれ、図8,図9,図10に示し、また、各ポ
ジションの減衰力特性を図11,12,13に示してい
る。
【0018】次に、パルスモータ3の駆動を制御するコ
ントロールユニット4の作動について、図15のフロー
チャートに基づき説明する。尚、この制御は、各ショッ
クアブソーバSA毎に別個に行う。
【0019】まず、ステップ101では、信号処理回路
において、各ばね上Gセンサ1から得られるばね上上下
加速度信号Gn 及び各ばね下Gセンサ2から得られるば
ね下上下加速度信号Gr から、ばね上上下速度Vu と、
ばね下上下速度Vr と、ばね上・ばね下間相対速度(V
u −Vr )を求める。尚、前記ばね上上下速度Vu と、
ばね下上下速度Vr は、その方向判別符号として各上下
加速度Gn ,Gr が上方向の時には正の値で、下方向の
時には負の値で与えられ、また、相対速度(Vu −Vr
)は伸方向の時には正の値で、圧方向の時には負の値
で与えられる。
【0020】続くステップ102では、各ばね下Gセン
サ2から得られるばね下上下速度Vr 信号から、次式
(1) に基づいて低減衰力特性Cmin の値を算出する。 Cmin =β・ |Vr| ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (1) 尚、βは比例定数(β>0)である。
【0021】続くステップ103では、ばね上上下速度
Vu と相対速度(Vu −Vr )の積が正の値であるか否
かを判定し、YESであればステップ104に進んで減
衰力特性Cを次式(2) により求めた後、ステップ105
に進み、また、NOであればステップ106に進む。 C=α・(Vu /(Vu −Vr ))・・・・・・ (2) 尚、αは比例定数(α>0)である。
【0022】ステップ105では、前記ステップ104
で求めた減衰力特性Cの値が、前記ステップ102で算
出された低減衰力特性Cmin の値より大であるか否かを
判定し、YESであれば減衰力特性として前記ステップ
104で求めた減衰力特性Cの値に設定した状態のまま
で、ステップ107に進み、また、NOであればステッ
プ106に進む。
【0023】ステップ106では、減衰力特性として前
記ステップ102で算出した低減衰力特性Cmin の値に
設定した状態で、ステップ107に進む。
【0024】ステップ107では、ばね上上下速度Vu
が正の値(上向き)であるか否か(Vu >0)を判定
し、YES(上向き)であればステップ108に進んで
ショックアブソーバSAを伸側ハード領域HS側に制御
して伸行程側を前記ステップ104または106で求め
られた減衰力特性Cに向けてパルスモータ3に駆動制御
信号を出力し、これで一回の制御フローを終了する。ま
た、NOであればステップ109に進む。
【0025】ステップ109では、ばね上上下速度Vu
が負の値(下向き)であるか否か(Vu <0)を判定
し、YES(下向き)であればステップ110に進んで
ショックアブソーバSAを圧側ハード領域SH側に制御
して圧行程側を前記ステップ104または106で求め
られた減衰力特性Cに向けてパルスモータ3に駆動制御
信号を出力し、これで一回の制御フローを終了する。ま
た、NOであればステップ111に進む。
【0026】ステップ111は、前記ステップ107及
びステップ109でNOと判定された場合、即ち、ばね
上上下速度Vu が0の時の処理ステップであり、このス
テップでは、ショックアブソーバSAをソフト領域SS
に制御した後、1回の制御フローを終了する。以後は以
上の制御フローを繰り返すものである。
【0027】次に、コントロールユニット4の制御作動
のうち、制御領域の切り換え内容を図16のタイムチャ
ートにより説明する。ばね上上下速度Vu がこの図に示
すように変化した場合、ばね上上下速度Vuが0である
時には、ショックアブソーバSAをソフト領域SSに制
御する。
【0028】また、ばね上上下速度Vu が正の値(上向
き)となると、ショックアブソーバSAを伸側ハード領
域HSに制御する。また、ばね上上下速度Vu が負の値
(下向き)となると、ショックアブソーバSAを圧側ハ
ード領域SHに制御する。
【0029】また、図16のタイムチャートにおいて、
領域aは、ばね上上下速度Vu が負の値(下向き)から
正の値(上向き)に逆転した状態であるが、この時はま
だ相対速度(Vu −Vr )は負の値(ショックアブソー
バSAの行程は圧行程側)となっている領域である。こ
の時のショックアブソーバSAの伸側は、ばね上上下速
度Vu の方向に基づいてショックアブソーバSAは伸側
ハード領域HSに制御されている。従って、この領域a
では、その時のショックアブソーバSAの行程である圧
行程側がソフト特性となり、逆行程の伸側では、伸側最
大減衰力特性に向って可変制御される。
【0030】また、領域bは、ばね上上下速度Vu が正
の値(上向き)のままで、相対速度(Vu −Vr )は負
の値から正の値(ショックアブソーバSAの行程は伸行
程側)に切り換わった領域であるため、この時は、ばね
上上下速度Vu の方向に基づいてショックアブソーバS
Aは伸側ハード領域HSに制御されており、かつ、ショ
ックアブソーバの行程も伸行程であり、従って、この領
域bでは、その時のショックアブソーバSAの行程であ
る伸行程側が、ハード特性側で可変制御される。
【0031】また、領域cは、ばね上上下速度Vu が正
の値(上向き)から負の値(下向き)に逆転した状態で
あるが、この時はまだ相対速度(Vu −Vr )は正の値
(ショックアブソーバSAの行程は伸行程側)となって
いる領域である。この時のショックアブソーバSAの圧
側は、ばね上上下速度Vu の方向に基づいて圧側ハード
領域SHに制御されている。従って、この領域cでは、
その時のショックアブソーバSAの行程である伸行程側
がソフト特性となり、逆行程の圧側では、圧側最大減衰
力特性に向って可変制御される。
【0032】また、領域dは、ばね上上下速度Vu が負
の値(下向き)のままで、相対速度(Vu −Vr )は正
の値から負の値(ショックアブソーバSAの行程は伸行
程側)になる領域であるため、この時は、ばね上上下速
度Vu の方向に基づいてショックアブソーバSAは圧側
ハード領域SHに制御されており、かつ、ショックアブ
ソーバの行程も圧行程であり、従って、この領域dで
は、その時のショックアブソーバSAの行程である圧行
程側が、ハード特性側で可変制御される。
【0033】以上のように、この実施例では、ばね上上
下速度Vu とばね上・ばね下間相対速度(Vu −Vr )
の方向判別符号が同符号の時(領域b,領域d)は、そ
の時のショックアブソーバSAの行程側をハード特性に
制御し、異符号の時(領域a,領域c)は、その時のシ
ョックアブソーバSAの行程側をソフト特性に制御する
という、スカイフック理論に基づいた減衰力特性制御と
同一の制御が行なわれることになり、これにより、ばね
上の制振性を確保することができる。そして、さらに、
この実施例では、領域aから領域b,及び領域cから領
域dへ移行する時には、パルスモータ3を駆動させるこ
となしに減衰力特性の切り換えが行なわれることにな
る。
【0034】次に、減衰力特性可変制御の具体的内容
を、図17のタイムチャートに基づいて説明する。尚、
図17において、CdmaxはショックアブソーバSAの最
大減衰力、CdminはショックアブソーバSAの最小減衰
力を示す。
【0035】この図に示すように、ばね上上下速度Vu
と相対速度(Vu −Vr )の方向が一致する領域b,d
においては、その時のばね上上下速度Vu の方向と同一
の行程側の減衰力特性が、ばね上上下速度Vu の値を相
対速度(Vu −Vr )の値で除した値に所定の比例定数
αを乗じた値、または、その時のばね下上下速度Vrの
絶対値に所定の比例定数βを乗じて求められた低減衰力
特性Cmin の値のうち、いずれか大きい方の値の減衰力
特性となるように、ショックアブソーバSAのパルスモ
ータ3に駆動信号が出力される。
【0036】また、ばね上上下速度Vu と相対速度(V
u −Vr )の方向が不一致となる領域a,cにおいて
は、その時のばね上上下速度Vu の方向と同一の行程側
の減衰力特性が、その時のばね下上下速度Vr の絶対値
に所定の比例定数βを乗じて求められた低減衰力特性C
min の値となるように、ショックアブソーバSAのパル
スモータ3に駆動信号が出力される。
【0037】従って、ばね下の荷重変動が小さい時は、
ばね上上下速度Vu の値を基準とした減衰特性制御が行
なわれ、これにより、ばね上の制振性を確保することが
でき、また、ばね下の荷重変動が大きくなると、ばね下
上下速度Vr の値に基づく低減衰力特性Cmin の値を最
低の減衰力特性とする制御が行なわれるもので、これに
より、ばね下の荷重変動を抑制してタイヤの接地性を高
めることができる。
【0038】以上説明したように、この実施例では、以
下に列挙する効果が得られる。
【0039】 ばね上の制振性を確保しつつ、ばね下
の荷重変動を抑制してタイヤの接地性を高め、これによ
り、操縦安定性及び制駆動力を向上させることができる
ようになる。
【0040】 従来のスカイフック理論に基づいた減
衰力特性制御に比べ、減衰力特性の切り換え頻度が少な
くなるため、制御応答性を高めることができると共に、
パルスモータ3の耐久性を向上させることができる。
【0041】以上、実施例について説明してきたが具体
的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明
の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明
に含まれる。
【0042】例えば、実施例では、センサとしてばね上
Gセンサと、ばね下Gセンサを用い、両信号を信号処理
回路で処理することによってばね上上下速度とばね下上
下速度と相対速度とを求めるようにしたが、センサとし
てばね上Gセンサとストロークセンサを用い、両信号を
信号処理回路で処理することによっても、ばね上上下速
度とばね下上下速度と相対速度とを求めることができ
る。
【0043】また、実施例では、低減衰力特性Cmin を
その時点のばね下上下速度の値の絶対値に基づいて求め
るようにした場合を示したが、その他に、例えば、図1
8に示すように、ばね下上下速度Vr が変化した場合に
おいて、半周期前のばね下上下速度の絶対値のピーク値
Vrpに基づいて求めたり、または、図19に示すよう
に、n個前までのばね下上下速度の絶対値のピーク値の
移動平均値(Vrp-h=(Vrp-1+Vrp-2+ ・・・・・・ +Vr
p-n) /n)に基づいて求めることにより、急激な変化
を防止することができる。
【0044】また、実施例では、ばね上上下速度と相対
速度とに基づいて減衰力特性を求めるようにした場合を
示したが、ばね上上下速度のみに基づいて求めるように
することもできる。
【0045】また、実施例では、伸側・圧側の一方の行
程側の減衰力特性を可変制御するときには、その逆行程
側が所定の低減衰力特性に維持される構造のショックア
ブソーバを用いる場合を示したが、伸側と圧側の減衰力
特性が同時に変化する構造のショックアブソーバを用い
た制御を行なう場合にも本発明を適用することができ
る。
【0046】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明の車両懸
架装置では、ばね上上下速度とばね上・ばね下間相対速
度の方向判別符号が一致する時にはその時のショックア
ブソーバbの行程側の減衰力特性を少なくともばね上上
下速度に基づいた値に可変設定し、方向判別符号が不一
致の時には所定の低減衰力特性に設定する基本制御部を
有する減衰力特性制御手段を備えると共に、該減衰力特
性制御手段には、基本制御部で設定された減衰力特性の
値に対し、ばね下上下速度の値に基づいて可変設定され
る低減衰力特性の値の方が高い値である時には、減衰力
特性の値を低減衰力特性の値に設定する補正制御部を備
えた構成としたことで、ばね上の制振性を確保しつつ、
ばね下の荷重変動を抑制してタイヤの接地性を高め、こ
れにより、操縦安定性及び制駆動力を向上させることが
できるようになるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両懸架装置を示すクレーム概念図で
ある。
【図2】本発明実施例の車両懸架装置を示す構成説明図
である。
【図3】実施例の車両懸架装置を示すシステムブロック
図である。
【図4】実施例装置に適用したショックアブソーバを示
す断面図である。
【図5】前記ショックアブソーバの要部を示す拡大断面
図である。
【図6】前記ショックアブソーバのピストン速度に対応
した減衰力特性図である。
【図7】前記ショックアブソーバのパルスモータのステ
ップ位置に対応した減衰力特性図である。
【図8】前記ショックアブソーバの要部を示す図5のK
−K断面図である。
【図9】前記ショックアブソーバの要部を示す図5のL
−L断面及びM−M断面図である。
【図10】前記ショックアブソーバの要部を示す図5の
N−N断面図である。
【図11】前記ショックアブソーバの伸側ハード時の減
衰力特性図である。
【図12】前記ショックアブソーバの伸側・圧側ソフト
状態の減衰力特性図である。
【図13】前記ショックアブソーバの圧側ハード状態の
減衰力特性図である。
【図14】実施例装置における信号処理回路を示すブロ
ック図である。
【図15】実施例装置におけるコントロールユニットの
制御作動を示すフローチャートである。
【図16】実施例装置におけるコントロールユニットの
制御作動のうち制御領域の切り換え内容を示すタイムチ
ャートである。
【図17】実施例装置におけるコントロールユニットの
制御作動のうち減衰力特性可変制御の具体内容を示すタ
イムチャートである。
【図18】低減衰力特性の求め方の他の例を示す説明図
である。
【図19】低減衰力特性の求め方の他の例を示す説明図
である。
【符号の説明】
a 減衰力特性変更手段 b ショックアブソーバ c ばね上上下速度検出手段 d ばね下上下速度検出手段 e 相対速度検出手段 f 基本制御部 g 減衰力特性制御手段 h 補正制御部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体側と各車輪側の間に介在されていて
    減衰力特性変更手段を有する減衰力特性可変型ショック
    アブソーバと、 ばね上上下速度を検出するばね上上下速度検出手段と、 ばね下上下速度を検出するばね下上下速度検出手段と、 ばね上・ばね下間の相対速度を検出する相対速度検出手
    段と、 ばね上上下速度とばね上・ばね下間相対速度の方向判別
    符号が一致する時にはその時のショックアブソーバの行
    程側の減衰力特性を少なくともばね上上下速度に基づい
    た値に可変設定し、方向判別符号が不一致の時には所定
    の低減衰力特性に設定する基本制御部を有する減衰力特
    性制御手段と、 減衰力特性制御手段に設けられ、基本制御部で設定され
    た減衰力特性の値に対し、ばね下上下速度の値に基づい
    て可変設定される低減衰力特性の値の方が高い値である
    時には、減衰力特性の値を低減衰力特性の値に設定する
    補正制御部と、を備えたことを特徴とする車両懸架装
    置。
JP17964793A 1993-07-21 1993-07-21 車両懸架装置 Pending JPH0732842A (ja)

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