JP3520288B2 - 車両懸架装置 - Google Patents

車両懸架装置

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JP3520288B2
JP3520288B2 JP8128496A JP8128496A JP3520288B2 JP 3520288 B2 JP3520288 B2 JP 3520288B2 JP 8128496 A JP8128496 A JP 8128496A JP 8128496 A JP8128496 A JP 8128496A JP 3520288 B2 JP3520288 B2 JP 3520288B2
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亮司 笠原
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ショックアブソー
バの減衰力特性を最適制御する車両の懸架装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、ショックアブソーバの減衰力特性
制御を行う車両懸架装置としては、例えば、特開昭63
−57308号公報に記載されたものが知られている。
この従来の車両懸架装置は、加速度センサで検出された
ばね上上下加速度信号からばね上共振周波数帯域成分と
ばね下共振周波数帯域成分を抽出するための信号処理回
路と、前記両成分値の少なくとも一方もしくは加算値に
応じた制御信号が基準値よりも高い時は、減衰力増大信
号を出力するコントローラと、を備えたものであった。
即ち、ばね上共振周波数帯域成分またはばね下共振周波
数帯域成分の少なくとも一方が大きいければ、減衰力を
大きくし、共に小さい時は減衰力を小さくすることがで
きるようにしたものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような従来の車両懸架装置では、ショックアブソーバの
減衰力特性を可変制御するための制御信号がばね上上下
加速度の大きさで決定されるため、ばね上上下加速度の
変化が少ないうねり路を高速で走行している時は、小さ
な制御信号しか検出されないため、ショックアブソーバ
の減衰力特性も小さな値となり、このため車両の制振性
が不足して車両の操縦安定性を悪化させることになる。
【0004】本発明は、上述の従来の問題点に着目して
なされたもので、スカイフック理論に基づいたショック
アブソーバの減衰力特性制御において、ばね上上下加速
度成分の小さいうねり路走行中においても、車両の制振
性を確保し、これにより、車両の操縦安定性を確保する
ことができる車両懸架装置を提供することを目的とする
ものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明請求項1記載の車両懸架装置は、図1のク
レーム対応図に示すように、車体側と各車輪側の間に介
在されていて一方の行程側の減衰力特性を可変制御する
時はその逆行程側の減衰力特性がソフト特性となる減衰
力特性変更手段aを有するショックアブソーバbと、ば
ね上上下速度を検出するばね上上下速度検出手段cと、
該ばね上上下速度検出手段cで検出されたばね上上下速
度に基づく制御信号の方向判別符号が上向きである時は
ショックアブソーバbの伸行程側の目標減衰力特性ポジ
ションを、下向きである時は圧行程側の目標減衰力特性
ポジションを、制御信号に基づいて可変設定制御する基
本制御部dを有する減衰力特性制御手段eと、車両の車
速を検出する車速検出手段gと、前記基本制御部dで可
変設定されたショックアブソーバbの目標減衰力特性ポ
ジションが所定の伸圧しきいポジション未満である時
は、前記車速検出手段gで検出された車速が所定の車速
以下の低速走行状態である場合はショックアブソーバb
の圧行程側の目標減衰力特性ポジションをまた所定の車
速を越えた高速走行状態である場合は伸行程側の目標減
衰力特性ポジションをそれぞれ所定のハード特性ポジシ
ョンに固定設定するように構成した。また、請求項
載の車両懸架装置では、前記補正制御部fを、前記基本
制御部dで可変設定されたショックアブソーバbの目標
減衰力特性ポジションが所定の伸圧しきいポジション未
満である時は、前記車速検出手段gで検出された車速が
所定の車速以下の低速走行状態である場合はショックア
ブソーバbの伸行程側の目標減衰力特性ポジションをま
た所定の車速を越えた高速走行状態である場合は圧行程
側の目標減衰力特性ポジションをそれぞれ所定のハード
特性ポジションに固定設定するように構成した。また、
請求項記載の車両懸架装置では、前記車速検出手段g
で検出された車速に応じ、前記補正制御部fにおける伸
圧しきいポジションを低速走行時には圧行程側が高く伸
行程側が低くなる方向に、また、高速走行時には伸行程
側が高く圧行程側が低くなる方向に可変設定するように
した。また、請求項記載の車両懸架装置では、前記
速検出手段gで検出された車速に応じ、前記補正制御部
fにおける伸圧しきいポジションを低速走行時には伸行
程側が高く圧行程側が低くなる方向に、また、高速走行
時には圧行程側が高く伸行程側が低くなる方向に可変設
定するようにした。
【0006】
【作用】本発明請求項1記載の車両懸架装置では、上述
のように構成されるので、前記基本制御部dで可変設定
されたショックアブソーバbの目標減衰力特性ポジショ
ンが所定の伸圧しきいポジション未満であり、車速検出
手段gで検出された車速が所定の車速以下の低速走行状
態である場合は、補正制御部fにおいてショックアブソ
ーバbの圧行程側の目標減衰力特性ポジションがまた所
定の車速を越えた高速走行状態である場合は伸行程側の
目標減衰力特性ポジションがそれぞれ所定のハード特性
ポジションに固定設定されるもので、これにより、ばね
上上下加速度の小さいうねり路を低速で走行する時は圧
行程側のハード特性により、また、うねり路を高速で走
行する時は伸行程側のハード特性によりばね上挙動を制
振して、車両の操縦安定性を確保することができる。
【0007】そして、目標減衰力特性ポジションが所定
の伸圧しきいポジション以上である時は、基本制御部d
において、ばね上上下速度の方向判別符号が上向きであ
る時はショックアブソーバbの伸行程側の減衰力特性
が、下向きである時は圧行程側の減衰力特性が、制御信
号に基づいて可変制御される一方で、その逆行程側はそ
れぞれソフト特性に固定制御された状態となるものであ
り、このため、ばね上上下速度とばね上ばね下間相対速
度の方向判別符号が一致する制振域においては、その時
のショックアブソーバbの行程側をハード特性側で可変
制御することで車両の制振力を高めると共に、両者の方
向判別符号が不一致となる加振域においては、その時の
ショックアブソーバbの行程側をソフト特性にすること
で車両の加振力を弱める、といったスカイフック理論に
基づいた基本的な減衰力特性の切り換え制御が行なわ
れ、これにより、ばね上挙動を制振して車両の乗り心地
および操縦安定性を確保することができる。
【0008】
【0009】また、請求項記載の車両懸架装置では、
目標減衰力特性ポジションが所定の伸圧しきいポジショ
ン未満である時は、前記車速検出手段gで検出された車
速が所定の車速以下の低速走行状態である場合はショッ
クアブソーバbの伸行程側の目標減衰力特性ポジション
がまた所定の車速を越えた高速走行状態である場合は圧
行程側の目標減衰力特性ポジションがそれぞれ所定のハ
ード特性ポジションに固定設定されるもので、これによ
り、うねり路を低速で走行する時は伸行程側のハード特
性により、また、うねり路を高速で走行する時は圧行程
側のハード特性によりばね上挙動を制振し、操縦安定性
を確保することができる。
【0010】また、請求項記載の車両懸架装置では、
前記補正制御部fにおける伸圧しきいポジションを低速
走行時には圧行程側が高く伸行程側が低くなる方向に、
また、高速走行時には伸行程側が高く圧行程側が低くな
る方向に可変設定されるもので、これにより、乗心地の
向上を図ることができる。
【0011】また、請求項記載の車両懸架装置では、
前記補正制御部fにおける伸圧しきいポジションを低速
走行時には伸行程側が高く圧行程側が低くなる方向に、
また、高速走行時には圧行程側が高く伸行程側が低くな
る方向に可変設定されるもので、これにより、車速によ
らず操安性の向上を図ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。 (発明の実施の形態1)図2は、本発明の実施の形態1
の車両懸架装置を示す構成説明図であり、車体と4つの
車輪との間に介在されて、4つのショックアブソーバS
FL,SAFR,SARL,SARR(なお、ショックアブソ
ーバを説明するにあたり、これら4つをまとめて指す場
合、およびこれらの共通の構成を説明する時にはただ単
にSAと表示する。また、右下の符号は車輪位置を示す
もので、FLは前輪左,FRは前輪右,RLは後輪左,RRは後
輪右をそれぞれ示している。)が設けられている。そし
て、各ショックアブソーバSAFL,SAFR,SARL,S
RR近傍位置の車体には、上下方向の加速度を検出する
ばね上上下加速度センサ(以後、上下Gセンサという)
FL,1FR,1RL,1RR(なお、右下の記
FLFRRLRR は各ショックアブソーバSAFL,S
FR,SARL,SARRの位置に対応している。以下も同
様である。)が設けられ、また、この図では図示を省略
したが車両の車速を検出する車速センサ2が設けられ、
さらに、運転席の近傍位置には、各上下Gセンサ1(1
FL,1FR,1RL,1RR)および車速センサ2からの信号
を入力して、各ショックアブソーバSAのパルスモータ
3に駆動制御信号を出力するコントロールユニット4が
設けられている。
【0013】以上の構成を示すのが図3のシステムブロ
ック図であって、コントロールユニット4は、インタフ
ェース回路4a,CPU4b,駆動回路4cを備え、前
記インタフェース回路4aに、前記各上下Gセンサ1
(1FL,1FR,1RL,1RR)からのばね上上下加速度G
信号、および車速センサ2からの車速SV 信号が入力さ
れ、コントロールユニット4では、前記各入力信号に基
づいて各ショックアブソーバSA(SAFL,SAFR,S
RL,SARR)の減衰力特性制御を行なうための制御信
号V(VFL,VFR,VRL,VRR)、および、目標減衰力
特性ポジションPがそれぞれ求められる。なお、この制
御信号Vを作成するための信号処理回路の内容、およ
び、目標減衰力特性ポジションPの設定制御作動の内容
については後述する。
【0014】次に、図4は、ショックアブソーバSAの
構成を示す断面図であって、このショックアブソーバS
Aは、シリンダ30と、シリンダ30を上部室Aと下部
室Bとに画成したピストン31と、シリンダ30の外周
にリザーバ室32を形成した外筒33と、下部室Bとリ
ザーバ室32とを画成したベース34と、ピストン31
に連結されたピストンロッド7の摺動をガイドするガイ
ド部材35と、外筒33と車体との間に介在されたサス
ペンションスプリング36と、バンパラバー37とを備
えている。
【0015】次に、図5は前記ピストン31の部分を示
す拡大断面図であって、この図に示すように、ピストン
31には、貫通孔31a,31bが形成されていると共
に、各貫通孔31a,31bをそれぞれ開閉する圧側減
衰バルブ20および伸側減衰バルブ12が設けられてい
る。また、ピストンロッド7の先端に螺合されたバウン
ドストッパ41には、ピストン31を貫通したスタッド
38が螺合して固定されていて、このスタッド38に
は、貫通孔31a,31bをバイパスして上部室Aと下
部室Bとを連通する流路(後述の伸側第2流路E,伸側
第3流路F,バイパス流路G,圧側第2流路J)を形成
するための連通孔39が形成されていて、この連通孔3
9内には前記流路の流路断面積を変更するための調整子
40が回動自在に設けられている。また、スタッド38
の外周部には、流体の流通の方向に応じて前記連通孔3
9で形成される流路側の流通を許容・遮断する伸側チェ
ックバルブ17と圧側チェックバルブ22とが設けられ
ている。なお、この調整子40は、前記パルスモータ3
によりコントロールロッド70を介して回転されるよう
になっている(図4参照)。また、スタッド38には、
上から順に第1ポート21,第2ポート13,第3ポー
ト18,第4ポート14,第5ポート16が形成されて
いる。
【0016】一方、調整子40は、中空部19が形成さ
れると共に、内外を連通する第1横孔24および第2横
孔25が形成され、さらに、外周部に縦溝23が形成さ
れている。
【0017】従って、前記上部室Aと下部室Bとの間に
は、伸行程で流体が流通可能な流路として、貫通孔31
bを通り伸側減衰バルブ12の内側を開弁して下部室B
に至る伸側第1流路Dと、第2ポート13,縦溝23,
第4ポート14を経由して伸側減衰バルブ12の外周側
を開弁して下部室Bに至る伸側第2流路Eと、第2ポー
ト13,縦溝23,第5ポート16を経由して伸側チェ
ックバルブ17を開弁して下部室Bに至る伸側第3流路
Fと、第3ポート18,第2横孔25,中空部19を経
由して下部室Bに至るバイパス流路Gの4つの流路があ
る。また、圧行程で流体が流通可能な流路として、貫通
孔31aを通り圧側減衰バルブ20を開弁する圧側第1
流路Hと、中空部19,第1横孔24,第1ポート21
を経由し圧側チェックバルブ22を開弁して上部室Aに
至る圧側第2流路Jと、中空部19,第2横孔25,第
3ポート18を経由して上部室Aに至るバイパス流路G
との3つの流路がある。
【0018】即ち、ショックアブソーバSAは、調整子
40を回動させることにより、伸側・圧側のいずれとも
図6に示すような特性で減衰力特性を多段階に変更可能
に構成されている。つまり、図7に示すように、伸側・
圧側いずれもソフトとした状態(以後、ソフト領域SS
という)から調整子40を反時計方向に回動させると、
伸側のみ減衰力特性を多段階に変更可能で圧側が低減衰
力特性に固定の領域(以後、伸側ハード領域HSとい
う)となり、逆に、調整子40を時計方向に回動させる
と、圧側のみ減衰力特性を多段階に変更可能で伸側が低
減衰力特性に固定の領域(以後、圧側ハード領域SHと
いう)となる構造となっている。
【0019】ちなみに、図7において、調整子40を
,,のポジションに配置した時の、図5における
K−K断面,L−L断面およびM−M断面,N−N断面
を、それぞれ、図8,図9,図10に示し、また、各ポ
ジションの減衰力特性を図11,12,13に示してい
る。
【0020】次に、前記コントロールユニット4におけ
る制御作動のうち、各ショックアブソーバASの減衰力
特性制御作動の内容を図14のフローチャートに基づい
て説明する。
【0021】ステップ101では、制御信号Vが正の制
御不感帯VNCを越えているか否かを判定し、YESであ
ればステップ102へ進んで各ショックアブソーバSA
を伸側ハード領域HSに制御し、NOであればステップ
103へ進む。
【0022】ステップ103では、制御信号Vが負の制
御不感帯−VNCを下回っているか否かを判定し、YES
であればステップ104へ進んで各ショックアブソーバ
SAを圧側ハード領域SHに制御し、NOであればステ
ップ105へ進む。
【0023】ステップ105は、ステップ101および
ステップ103でNOと判断された時、即ち、制御信号
Vの値が、負の制御不感帯−VNCから正の制御不感帯V
NCまでの範囲内にある時の処理ステップであり、この時
は、各ショックアブソーバSAをソフト領域SSに制御
する。
【0024】次に、減衰力特性制御の作動を図15のタ
イムチャートにより説明する。ばね上上下速度Δxに基
づく制御信号Vが、この図に示すように変化した場合、
図に示すように、制御信号Vの値が負の制御不感帯−V
NCから正の制御不感帯VNCまでの範囲内にある時には、
ショックアブソーバSAをソフト領域SSに制御する。
【0025】また、制御信号Vの値が正の制御不感帯V
NCを越えると、伸側ハード領域HSに制御して、圧側を
低減衰力特性に固定する一方、伸側の減衰力特性(=目
標減衰力特性ポジションPT )を、次式(1) に基づき、
制御信号Vに比例させて変更する。 PT =((V−VNC)/(VH −VNC))・Pmax-T ・・・・・・・・・・・・(1) なお、Pmax-T は伸側最大減衰力特性ポジション、VNC
は制御不感帯、VH は比例範囲である。
【0026】また、制御信号Vの値が負の制御不感帯−
NCを下回ると、圧側ハード領域SHに制御して、伸側
を低減衰力特性に固定する一方、圧側の減衰力特性(=
目標減衰力特性ポジションPC )を、次式(2) に基づ
き、制御信号Vに比例させて変更する。 PC =((V−VNC)/(VH −VNC))・Pmax-C ・・・・・・・・・・・・(2) なお、Pmax-C は圧側最大減衰力特性ポジションであ
る。
【0027】次に、コントロールユニット4の減衰力特
性制御作動のうち、主にショックアブソーバSAの制御
領域の切り換え作動状態を図15のタイムチャートに基
づいて説明する。
【0028】図15のタイムチャートにおいて、領域a
は、ばね上上下速度Δxに基づく制御信号Vが負の値
(下向き)から正の値(上向き)に逆転した状態であ
る、この時はまだ相対速度は負の値(ショックアブソー
バSAの行程は圧行程側)となっている領域であるた
め、この時は、制御信号Vの方向に基づいてショックア
ブソーバSAは伸側ハード領域HSに制御されており、
従って、この領域ではその時のショックアブソーバSA
の行程である圧行程側がソフト特性となる。
【0029】また、領域bは、制御信号Vが正の値(上
向き)のままで、相対速度は負の値から正の値(ショッ
クアブソーバSAの行程は伸行程側)に切り換わった領
域であるため、この時は、制御信号Vの方向に基づいて
ショックアブソーバSAは伸側ハード領域HSに制御さ
れており、かつ、ショックアブソーバの行程も伸行程で
あり、従って、この領域ではその時のショックアブソー
バSAの行程である伸行程側が、制御信号Vの値に比例
したハード特性となる。
【0030】また、領域cは、制御信号Vが正の値(上
向き)から負の値(下向き)に逆転した状態であるが、
この時はまだ相対速度は正の値(ショックアブソーバS
Aの行程は伸行程側)となっている領域であるため、こ
の時は、制御信号Vの方向に基づいてショックアブソー
バSAは圧側ハード領域SHに制御されており、従っ
て、この領域ではその時のショックアブソーバSAの行
程である伸行程側がソフト特性となる。
【0031】また、領域dは、制御信号Vが負の値(下
向き)のままで、相対速度は正の値から負の値(ショッ
クアブソーバSAの行程は伸行程側)になる領域である
ため、この時は、制御信号Vの方向に基づいてショック
アブソーバSAは圧側ハード領域SHに制御されてお
り、かつ、ショックアブソーバの行程も圧行程であり、
従って、この領域ではその時のショックアブソーバSA
の行程である圧行程側が、制御信号Vの値に比例したハ
ード特性となる。
【0032】以上のように、この発明の実施の形態1で
は、ばね上上下速度Δx基づく制御信号Vと相対速度と
が同符号の時(領域b,領域d)は、その時のショック
アブソーバSAの行程側をハード特性に制御し、異符号
の時(領域a,領域c)は、その時のショックアブソー
バSAの行程側をソフト特性に制御するという、スカイ
フック理論に基づいた減衰力特性制御と同一の制御が行
なわれることになる。そして、さらに、この発明の実施
の形態1では、ショックアブソーバSAの行程が切り換
わった時点、即ち、領域aから領域b,および領域cか
ら領域d(ソフト特性からハード特性)へ移行する時に
は、切り換わる行程側の減衰力特性ポジションは前の領
域a,cで既にハード特性側への切り換えが行なわれて
いるため、ソフト特性からハード特性への切り換えが時
間遅れなく行なわれることになる。
【0033】次に、前記コントロールユニット4におけ
る制御信号Vを求める信号処理回路の内容を、図16の
ブロック図に基づいて説明する。まず、A1では、各上
下Gセンサ1(1FL,1FR,1RL,1RR)からの入力信
号をA/D変換してばね上上下加速度G(GFL,GFR
RL,GRR)信号を求め、続くA2,A3では、ばね上
上下加速度信号G(GFL,GFR,GRL,GRR)をばね上
上下速度Δx(ΔxFL,ΔxFR,ΔxRL,ΔxRR)信号
に変換するための速度変換処理が行なわれる。即ち、こ
の速度変換処理部は、まずA2において、ローパスフィ
ルタLPFで速度変換が行なわれ、続くA3において、
バンドパスフィルタを構成するローパスフィルタLPF
とハイパスフィルタHPFとでばね上共振周波数帯以外
の周波数をカットする処理が行なわれる。そして、最後
にA4において、ばね上上下速度Δx(ΔxFL,Δ
FR,ΔxRL,ΔxRR)信号からショックアブソーバS
Aの減衰力特性制御に用いられる制御信号V(VFL,V
FR,VRL,VRR)が求められる。
【0034】 前輪 左 VFL=αF ・ΔxFL・・・・・・・・・・・・・・・・・・(3) 前輪 右 VFR=αF ・ΔxFR・・・・・・・・・・・・・・・・・・(4) 後輪 左 VRL=αR ・ΔxFL・・・・・・・・・・・・・・・・・・(5) 後輪 右 VRR=αR ・ΔxFR・・・・・・・・・・・・・・・・・・(6) なお、αF は前輪側ゲイン、αR は後輪側ゲインであ
る。
【0035】次に、ショックアブソーバSAの目標減衰
力特性ポジションの可変設定制御作動の内容を、図1
7、図18のフローチャートおよび図19のタイムチャ
ートに基づいて説明する。
【0036】まず、図17は、T0(ms) 毎の演算周期で
行なわれるパルスモータ3の駆動目標を算出するメイン
ルーチンであり、このステップ201では、各上下Gセ
ンサ1(1FL,1FR,1RL,1RR)からの入力信号をA
/D変換してばね上上下加速度G(GFL,GFR,GRL
RR)信号を求め(図16のA1)、続くステップ20
2では、車速センサ2の入力パルス信号から車両の車速
V を算出し、続くステップ203では、ばね上上下加
速度信号G(GFL,GFR,GRL,GRR)をばね上共振周
波数帯のばね上上下速度Δx(ΔxFL,ΔxFR,Δ
RL,ΔxRR)信号に変換するための速度変換処理が行
なわれ、これから、制御信号V(VFL,VFR,VRL,V
RR)が求められ(図16のA2〜A4)、続くステップ
204では、ショックアブソーバSAの目標減衰力特性
ポジションPT ,PC が求められる(図14のフローチ
ャート)。
【0037】続くステップ205では、前記ステップ2
02で算出された車速SV に基づいて伸圧しきいポジシ
ョンSPT ,SPC の設定および固定ポジションKP
T ,KPC の可変設定が行なわれる。即ち、図20の車
速SV に対する可変特性図に示すように、低速走行時に
は圧行程側が高く伸行程側が低くなる方向に、また、高
速走行時には伸行程側が高く圧行程側が低くなる方向に
伸圧しきいポジションSPT ,SPC を可変設定する処
理が行なわれると共に、目標減衰力特性ポジションを固
定設定するための固定ポジションKPの設定が行なわれ
る。即ち、この発明の実施の形態1では、固定ポジショ
ンKPが、50km/h未満の低速走行時においては圧行程
側固定ポジションKPC に、また、50km/hを越える高
速走行時においては伸行程側固定ポジションKPT に設
定される。なお、50km/h前後では圧行程側固定ポジシ
ョンKPC と伸行程側固定ポジションKPT との間を緩
やかに接続した可変特性としている。
【0038】続くステップ206では、伸側の目標減衰
力特性ポジションPT が伸側しきいポジションSPT
満であるか否かを判定し、YESである時は、ステップ
207に進み、また、NOである時は、前記ステップ2
01に戻る。
【0039】前記ステップ207では、圧側の目標減衰
力特性ポジションPC の絶対値が圧側しきいポジション
SPC 未満であるか否かを判定し、YESである時は、
ステップ208に進み、また、NOである時は、前記ス
テップ201に戻る。
【0040】前記ステップ208では、ショックアブソ
ーバSAの目標減衰力特性ポジションを前記ステップ2
05で設定された固定ポジションKP(伸側固定ポジシ
ョンKPT 〜圧側固定ポジションKPC )に変更設定す
る処理を行なった後、これで一回の制御フローを終了
し、以後は以上の制御フローを繰り返すものである。
【0041】次に、図18は、T1 ( μs) 毎に割り込
み、パルスモータ3に駆動目標を出力する割込ルーチン
であり、そのステップ301では、前記図17のメイン
ルーチンのステップ204で求められた目標減衰力特性
ポジションPT ,PC または図18の割込ルーチンのス
テップ208で変更設定された固定ポジションKPに向
けてパルスモータ3を駆動させるため、現在の減衰力特
性ポジションと目標減衰力特性ポジションPT ,PC
たは固定ポジションKPとを比較し、パルスモータ3へ
の出力信号を決定し、続くステップ302では、前記出
力信号をパルスモータ3を駆動する駆動回路への駆動パ
ターンに変換する処理が行なわれ、これに基づいてパル
スモータ3の駆動が行なわれる。
【0042】そして、最後のステップ303では、前記
図17のメインルーチンのステップ202で車速SV
算出するために、車速センサ2からの入力パルス信号の
読み取りを行なった後、これで、一回の制御フローを終
了する。
【0043】次に、ショックアブソーバSAの目標減衰
力特性ポジションの可変設定制御作動の内容を、図19
のタイムチャートに基づいて説明する。 (イ)うねり路低速走行時 うねり路を低速走行する時は、制御信号Vの値も小さ
く、目標減衰力特性ポジションPT ,PC の絶対値が所
定の伸圧しきいポジションSPT ,SPC 未満となるた
め、この時は、ショックアブソーバSAの目標減衰力特
性ポジションが圧側固定ポジションKPC に変更設定さ
れる。
【0044】従って、ばね上上下加速度Gの小さいうね
り路を低速で走行する時でもショックアブソーバSAの
圧行程側のハード減衰力特性により、ばね上挙動を制振
し、これにより、車両の操縦安定性を確保することがで
きるようになる。
【0045】(ロ)うねり路高速走行時 うねり路を高速走行する時は、低速走行時に比べると制
御信号Vの値は大きくなるが、目標減衰力特性ポジショ
ンPT ,PC の絶対値が所定の伸圧しきいポジションS
T ,SPC 未満となるため、この時は、ショックアブ
ソーバSAの目標減衰力特性ポジションが伸側固定ポジ
ションKPT に変更設定される。
【0046】従って、ばね上上下加速度Gの小さいうね
り路を高速で走行する時でもショックアブソーバSAの
伸行程側のハード減衰力特性により、ばね上挙動を制振
し、これにより、車両の操縦安定性を確保することがで
きるようになる。
【0047】なお、目標減衰力特性ポジションPT ,P
C の絶対値が所定の伸圧しきいポジションSPT ,SP
C 以上である時は、その目標減衰力特性ポジションP
T ,PC に向けて各ショックアブソーバSAにおけるパ
ルスモータ3の駆動が行なわれ、その結果、前述のよう
なスカイフック理論に基づいた減衰力特性制御が行なわ
れる。
【0048】以上説明してきたように、この発明の実施
の形態1の車両懸架装置では、以下に列挙する効果が得
られる。 スカイフック理論に基づいたショックアブソーバの
減衰力特性制御により車両の乗り心地と操縦安定性を確
保することができると共に、ばね上上下加速度成分の小
さいうねり路走行中においても、車両の制振性を確保
し、これにより、車両の操縦安定性を確保することがで
きるようになる。
【0049】 車両の車速に応じて伸圧しきいポジシ
ョンを可変設定するようにしたことで、車両ごとの減衰
力特性のばらつきが微調整可能となる。
【0050】以上、発明の実施の形態について説明して
きたが具体的な構成はこの発明の実施の形態に限られる
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変
更等があっても本発明に含まれる。
【0051】例えば、発明の実施の形態では、上下Gセ
ンサを各車輪位置に設ける場合を示したがその設置個数
は任意であり、前輪側左右2個所または前輪左右と後輪
右の3個所に設け、残りの車輪位置のばね上上下加速度
は伝達関数等により推定するようにしてもよい。
【0052】また、発明の実施の形態では、ショックア
ブソーバの目標減衰力特性ポジションが所定の伸圧しき
いポジション未満である時は、車速が所定の車速以下の
低速走行状態である場合はショックアブソーバの圧行程
側の目標減衰力特性ポジションをまた所定の車速を越え
た高速走行状態である場合は伸行程側の目標減衰力特性
ポジションをそれぞれ所定のハード特性ポジションに固
定設定するように構成したが、以上とは逆に、低速走行
状態で伸行程側の目標減衰力特性ポジションをまた高速
走行状態で圧行程側の目標減衰力特性ポジションをそれ
ぞれハード特性ポジションに固定設定したり、全車速域
において伸行程側または圧行程側のいずれか一方のみを
ハード特性ポジションに固定設定させるようにしてもよ
い(図21の可変特性図参照)。
【0053】また、発明の実施の形態では、伸圧しきい
ポジションを低速走行時には圧行程側が高く伸行程側が
低くなる方向に、また、高速走行時には伸行程側が高く
圧行程側が低くなる方向に可変設定するようにしたが、
以上とは逆に、低速走行時には伸行程側が高く圧行程側
が低くなる方向に、また、高速走行時には圧行程側が高
く伸行程側が低くなる方向に可変設定するようにしても
よい(図21の可変特性図参照)。
【0054】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明請求項1
記載の車両懸架装置では、上述のように、車体側と各車
輪側の間に介在されていて一方の行程側の減衰力特性を
可変制御する時はその逆行程側の減衰力特性がソフト特
性となる減衰力特性変更手段を有するショックアブソー
バと、ばね上上下速度を検出するばね上上下速度検出手
段と、該ばね上上下速度検出手段で検出されたばね上上
下速度に基づく制御信号の方向判別符号が上向きである
時はショックアブソーバの伸行程側の目標減衰力特性ポ
ジションを、下向きである時は圧行程側の目標減衰力特
性ポジションを、制御信号に基づいて可変設定制御する
基本制御部を有する減衰力特性制御手段と、前記基本制
御部で可変設定されたショックアブソーバの目標減衰力
特性ポジションが所定の伸圧しきいポジション未満であ
り、前記車速検出手段で検出された車速が所定の車速以
下の低速走行状態である場合はショックアブソーバの圧
行程側の目標減衰力特性ポジションをまた所定の車速を
越えた高速走行状態である場合は伸行程側の目標減衰力
特性ポジションをそれぞれ所定のハード特性ポジション
に固定設定する補正制御部と、備えている構成したこと
で、スカイフック理論に基づいたショックアブソーバの
減衰力特性制御により車両の乗り心地と操縦安定性を確
保することができると共に、ばね上上下加速度成分の小
さいうねり路を低速で走行する時は圧行程側のハード特
性により、また、うねり路を高速で走行する時は伸行程
側のハード特性によりばね上挙動を制振することがで
、これにより、車両の操縦安定性を確保することがで
きるようになるという効果が得られる。
【0055】
【0056】また、請求項記載の車両懸架装置では、
前記補正制御部を、前記基本制御部で可変設定されたシ
ョックアブソーバの目標減衰力特性ポジションが所定の
伸圧しきいポジション未満である時は、前記車速検出手
段で検出された車速が所定の車速以下の低速走行状態で
ある場合はショックアブソーバの伸行程側の目標減衰力
特性ポジションをまた所定の車速を越えた高速走行状態
である場合は圧行程側の目標減衰力特性ポジションをそ
れぞれ所定のハード特性ポジションに固定設定するよう
に構成したことで、うねり路を低速で走行する時は伸行
程側のハード特性により、また、うねり路を高速で走行
する時は圧行程側のハード特性によりばね上挙動を制振
することができ、これにより、操縦安定性を確保するこ
とができるようになる。
【0057】また、請求項記載の車両懸架装置では、
前記車速検出手段で検出された車速に応じ、前記補正制
御部における伸圧しきいポジションを低速走行時には圧
行程側が高く伸行程側が低くなる方向に、また、高速走
行時には伸行程側が高く圧行程側が低くなる方向に可変
設定し、一方、請求項記載の車両懸架装置では車速に
応じ、前記補正制御部における伸圧しきいポジションを
低速走行時には伸行程側が高く圧行程側が低くなる方向
に、また、高速走行時には圧行程側が高く伸行程側が低
くなる方向に可変設定するようにしたことで、例えば、
セダンでは請求項4のようなセッティングで乗心地の向
上を図り、一方、スポーツタイプの自動車では請求項5
のようなセッティングで操縦安定性およびフラット感の
向上を図るというように、目的に応じた乗心地および操
縦安定性を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両懸架装置を示すクレーム対応図で
ある。
【図2】本発明の実施の形態1の車両懸架装置を示す構
成説明図である。
【図3】発明の実施の形態1の車両懸架装置を示すシス
テムブロック図である。
【図4】発明の実施の形態1に適用したショックアブソ
ーバを示す断面図である。
【図5】前記ショックアブソーバの要部を示す拡大断面
図である。
【図6】前記ショックアブソーバのピストン速度に対応
した減衰力特性図である。
【図7】前記ショックアブソーバのパルスモータのステ
ップ位置に対応した減衰力特性図である。
【図8】前記ショックアブソーバの要部を示す図5のK
−K断面図である。
【図9】前記ショックアブソーバの要部を示す図5のL
−L断面およびM−M断面図である。
【図10】前記ショックアブソーバの要部を示す図5の
N−N断面図である。
【図11】前記ショックアブソーバの伸側ハード時の減
衰力特性図である。
【図12】前記ショックアブソーバの伸側・圧側ソフト
状態の減衰力特性図である。
【図13】前記ショックアブソーバの圧側ハード状態の
減衰力特性図である。
【図14】発明の実施の形態1におけるコントロールユ
ニットの減衰力特性制御作動を示すフローチャートであ
る。
【図15】発明の実施の形態1におけるコントロールユ
ニットの減衰力特性制御作動を示すタイムチャートであ
る。
【図16】発明の実施の形態1における信号処理回路を
示すブロック図である。
【図17】発明の実施の形態1におけるコントロールユ
ニット4の減衰力特性制御作動のうち、ショックアブソ
ーバの目標減衰力特性ポジションの可変設定制御作動の
内容を示すフローチャート(メインルーチン)である。
【図18】コントロールユニット4の減衰力特性制御作
動のうち、ショックアブソーバの目標減衰力特性ポジシ
ョンの可変設定制御作動の内容を示すフローチャート
(割込ルーチン)である。
【図19】コントロールユニット4の減衰力特性制御作
動のうち、ショックアブソーバの目標減衰力特性ポジシ
ョンの可変設定制御作動の内容を示すタイムチャートで
ある。
【図20】発明の実施の形態1における車速に対する伸
圧しきいポジションおよび固定ポジションの可変設定特
性図である。
【図21】他の実施の形態における車速に対する伸圧し
きいポジションおよび固定ポジションの可変設定特性図
である。
【符号の説明】
a 減衰力特性変更手段 b ショックアブソーバ c ばね上上下速度検出手段 d 基本制御部 e 減衰力特性制御手段 f 補正制御部 g 車速検出手段

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車体側と各車輪側の間に介在されていて一
    方の行程側の減衰力特性を可変制御する時はその逆行程
    側の減衰力特性がソフト特性となる減衰力特性変更手段
    を有するショックアブソーバと、 ばね上上下速度を検出するばね上上下速度検出手段と、 該ばね上上下速度検出手段で検出されたばね上上下速度
    に基づく制御信号の方向判別符号が上向きである時はシ
    ョックアブソーバの伸行程側の目標減衰力特性ポジショ
    ンを、下向きである時は圧行程側の目標減衰力特性ポジ
    ションを、制御信号に基づいて可変設定制御する基本制
    御部を有する減衰力特性制御手段と、車両の車速を検出する車速検出手段と、 前記基本制御部で可変設定されたショックアブソーバの
    目標減衰力特性ポジションが所定の伸圧しきいポジショ
    ン未満である時は、前記車速検出手段で検出された車速
    が所定の車速以下の低速走行状態である場合はショック
    アブソーバの圧行程側の目標減衰力特性ポジションを
    た所定の車速を越えた高速走行状態である場合は伸行程
    側の目標減衰力特性ポジションをそれぞれ所定のハード
    特性ポジションに固定設定する補正制御部と、を備えて
    いることを特徴とする車両懸架装置。
  2. 【請求項2】車体側と各車輪側の間に介在されていて一
    方の行程側の減衰力特性を可変制御する時はその逆行程
    側の減衰力特性がソフト特性となる減衰力特性変更手段
    を有するショックアブソーバと、 ばね上上下速度を検出するばね上上下速度検出手段と、 該ばね上上下速度検出手段で検出されたばね上上下速度
    に基づく制御信号の方向判別符号が上向きである時はシ
    ョックアブソーバの伸行程側の目標減衰力特性ポジショ
    ンを、下向きである時は圧行程側の目標減衰力特性ポジ
    ションを、制御信号に基づいて可変設定制御する基本制
    御部を有する減衰力特性制御手段と、 車両の車速を検出する車速検出手段と、 前記基本制御部で可変設定されたショックアブソーバの
    目標減衰力特性ポジションが所定の伸圧しきいポジショ
    ン未満である時は、前記車速検出手段で検出された車速
    が所定の車速以下の低速走行状態である場合は ショックアブソーバの行程側の目標減衰力特性ポジシ
    ョンをまた所定の車速を越えた高速走行状態である場合
    行程側の目標減衰力特性ポジションをそれぞれ所定
    のハード特性ポジションに固定設定するように構成され
    ていることを特徴とする車両懸架装置。
  3. 【請求項3】 前記車速検出手段で検出された車速に応
    じ、前記補正制御部における伸圧しきいポジションを低
    速走行時には圧行程側が高く伸行程側が低くなる方向
    に、また、高速走行時には伸行程側が高く圧行程側が低
    くなる方向に可変設定するようにしたことを特徴とする
    請求項1に記載の車両懸架装置。
  4. 【請求項4】 前記車速検出手段で検出された車速に応
    じ、前記補正制御部における伸圧しきいポジションを低
    速走行時には伸行程側が高く圧行程側が低くなる方向
    に、また、高速走行時には圧行程側が高く伸行程側が低
    くなる方向に可変設定するようにしたことを特徴とする
    請求項2に記載の車両懸架装置。
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