JP2015200345A - 車両用ショックアブソーバ - Google Patents
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Abstract
【課題】 車両用ショックアブソーバの実用性を向上させる。【解決手段】 VSC機能を有する車両に搭載される車両用ショックアブソーバにおいて、それが有する減衰力特性変更器を、VSC制御が実行されている際に、アブソーバ本体が発生させる減衰力の特性が設定特性となるように制御する。VSC制御が実行されている際には、アブソーバ本体が発生させる減衰力の特性を固定的なものとすることができ、VSC制御によって、車両の旋回方向の安定性が適切に担保されることになる。【選択図】 図4
Description
本発明は、車両に搭載されるショックアブソーバに関する。
減衰力特性が可変のショックアブソーバでは、例えば、下記特許文献に記載されているように、車体の運動状態に基づいて目標減衰力ベース値を設定し、車両の横滑り状態に応じてその目標減衰力ベース値を補正するような技術が存在する。
車両の旋回方向の安定性を確保するためのブレーキ制御として、いわゆるVSC制御(後に詳しく説明する)がよく知られている。一方で、ショックアブソーバの減衰力特性は、そのVSC制御に影響を与える。したがって、VSC制御が実行されているときに、上記特許文献に記載の技術のように減衰力特性を変更すると、VSC制御によっても車両の旋回方向の安定性が担保されない虞がある。したがって、その問題に適切に対処することにより、ショックアブソーバの実用性は向上する。本発明は、そのような実情に鑑みてなされたものであり、実用性の高いショックアブソーバを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明の車両用ショックアブソーバは、VSC機能を有する車両に搭載される車両用ショックアブソーバであって、(A)車体と車輪との間に配設され、それらの相対動作に対する減衰力を発生させるアブソーバ本体と、(B)そのアブソーバ本体が発生させる減衰力の特性を変更する減衰力特性変更器と、(C)その減衰力特性変更器を制御する制御装置とを備え、前記制御装置が、VSC制御が実行されている際に、前記アブソーバ本体が発生させる減衰力の特性が設定特性となるように、前記減衰力特性変更器を制御することを特徴とする。
本発明の車両用ショックアブソーバ(以下、単に、「ショックアブソーバ」という場合がある)によれば、VSC制御が実行されている際には、アブソーバ本体が発生させる減衰力の特性を固定的なものとすることができ、VSC制御によって、車両の旋回方向の安定性が適切に担保されることになる。
以下、本発明を実施するための形態として、実施例の車両用ショックアブソーバを、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、本発明は、下記実施例の他、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の形態で実施することができる。
[1]ショックアブソーバの全体構成
実施例のショックアブソーバ20(以下、単に、「アブソーバ20」と言う場合がある)は、図1に示すように、ショックアブソーバ本体であるシリンダ22と、そのシリンダ22の動作に対して減衰力を発生させる減衰力発生器24と、その減衰力発生器24を制御するための制御装置であるコントローラ26とを含んで構成されている。ちなみに、一般的な4輪の車両では、前後左右4つの車輪の各々に対して、ばね下部とばね上部とを繋ぐようにしてシリンダ22が配設されており、4つのシリンダ22にそれぞれ付設された4つの減衰力発生器24は、共通の制御装置として機能する1つのコントローラ26によって制御される。
実施例のショックアブソーバ20(以下、単に、「アブソーバ20」と言う場合がある)は、図1に示すように、ショックアブソーバ本体であるシリンダ22と、そのシリンダ22の動作に対して減衰力を発生させる減衰力発生器24と、その減衰力発生器24を制御するための制御装置であるコントローラ26とを含んで構成されている。ちなみに、一般的な4輪の車両では、前後左右4つの車輪の各々に対して、ばね下部とばね上部とを繋ぐようにしてシリンダ22が配設されており、4つのシリンダ22にそれぞれ付設された4つの減衰力発生器24は、共通の制御装置として機能する1つのコントローラ26によって制御される。
シリンダ22は、ハウジング30と、ハウジング30の内部において上下方向に移動可能に配設されたピストン32と、一端部(下端部)がピストン32に連結されて他端部(上端部)がハウジング30から上方に延び出すロッド34とを含んで構成されている。ハウジング30は、それの下端部においてばね下部としてのロアアームに、ロッド34の上端部は、ばね上部としての車体のマウント部に、それぞれ連結される。つまり、シリンダ22は、ばね上部とばね下部とが離間する方向に相対移動する場合(以下、「リバウンド動作時」若しくは「リバウンド時」と言う場合がある)に伸長し、接近する方向に相対移動する場合(以下、「バウンド動作時」若しくは「バウンド時」と言う場合がある)に収縮する。
ハウジング30は、概して二重構造をなしており、有底のメインチューブ40と、それの外周側に付設されたアウターチューブ42とを有している。ピストン32は、そのメインチューブ40の内側に摺動可能に配設されている。そして、メインチューブ40の内部は、ピストン32によって、2つの液室であるロッド側室44および反ロッド側室46が区画形成されている。また、メインチューブ40とアウターチューブ42との間には、作動液を収容するバッファ室(「リザーバ」と呼ぶこともできる)50が区画形成されている。
上記ハウジング30には、メインチューブ40とアウターチューブ42との間に、インターチューブ60が配設されている。そのインターチューブ60の内周面とメインチューブ40の外周面との間には、環状の液通路62が区画形成されている。また、メインチューブ40の内底部には、反ロッド側室46の底を区画する仕切部材64が設けられており、仕切部材64とメインチューブ40の底壁との間には、底部液通路66が形成されている。
メインチューブ40の上部には、液通路62とロッド側室44との間の作動液の流通のために、流通穴70が設けられている。また、メインチューブ40の下端に近い部分には、バッファ室50と底部液通路66との間の作動液の流通のために、底部流通穴72が設けられている。
後に詳しく説明するが、減衰力発生器24は、ロッド側室44から流出して、液通路62を介してバッファ室50に流入する作動液の通過を許容するとともに、その作動液の流れに対して抵抗を与える機能を有している。
アブソーバ20において、バウンド動作時には、図1に実線の矢印で示すように、まず、シリンダ22のロッド側室44に、反ロッド側室46から、ピストン32に設けられたチェック弁80を介して、作動液が流入する。そして、そのロッド側室44に流入する作動液の量は、ロッド側室44のピストン32の動作に伴って増加する容積よりも多いため、そのロッド側室44から、流通穴70,液通路62を介しかつ減衰力発生器24を通過して、バッファ室50に作動液が流出する。その際、減衰力発生器24を通過する作動液の流れに対して与えられる抵抗によって、シリンダ22は、自身の収縮に対する減衰力、つまり、バウンド動作に対する減衰力を発生させる。
一方、リバウンド動作時には、バウンド動作時と同様に、シリンダ22のロッド側室44から、流通穴70,液通路62を介しかつ減衰力発生器24を通過して、バッファ室50に作動液が流出する。その際、減衰力発生器24を通過する作動液の流れに対して与えられる抵抗によって、シリンダ22は、自身の伸長に対する減衰力、つまり、リバウンド動作に対する減衰力を発生させる。なお、シリンダ22の反ロッド側室46には、図1に破線の矢印で示すように、バッファ室50から、底部流通穴72,底部液通路66,仕切部材64に設けられたチェック弁82を介して、作動液が流入するようになっている。
[2]減衰力発生器の構造
以下に、減衰力発生器24の構造について説明するが、減衰力発生器24と同様の構造を有する既知のもの(例えば、特開2011−132995号公報等に記載されたもの)が存在するため、説明は簡略に行うものとする。
以下に、減衰力発生器24の構造について説明するが、減衰力発生器24と同様の構造を有する既知のもの(例えば、特開2011−132995号公報等に記載されたもの)が存在するため、説明は簡略に行うものとする。
減衰力発生器24は、図2に示すように、自身を通過する作動液に抵抗を与えるための弁体としてのメインバルブ90と、そのメインバルブ90の開弁圧を調整するためのソレノイドバルブ92とを含んで構成されている。ちなみに、それら2つのバルブ90,92は、いずれも、いわゆるポペット型のバルブである。
メインバルブ90を構成する弁板93は、付勢部材としての圧縮コイルスプリング94によって着座する方向に付勢されている。メインバルブ90は、弁板93の前面側(図2における弁板93の左側)の液室である高圧室96の液圧と自身の背面側(図2における弁板93の右側)の液室である低圧室98の液圧との差圧によって弁板93に作用する力が、スプリング94の付勢力を超えた場合に開弁するようになっている。つまり、図2に破線の矢印で示すように、液通路62からバッファ室50への作動液の流れが生じ、メインバルブ90は、その作動液の流れに対して抵抗を与えるようになっている。また、メインバルブ90には、高圧室96から低圧室98への作動液の流れに抵抗を与えるためのオリフィス100が設けられている。なお、そのオリフィス100を通過した作動液は、図2に実線の矢印で示すように、バッファ室50へ流れることになる。
ソレノイドバルブ92は、可動体110と、励磁されることで可動体110を作動させるための電磁力を発生させるコイル112とを含んで構成されている。可動体110の先端には、弁頭114が設けられており、その弁頭114が弁座116に離着座することで低圧室98を開閉することができるようになっている。その可動体110は、圧縮コイルスプリング118によって、弁頭114が離座する方向に付勢されている。一方、図では構造を省略して示しているために理解し難いものとなっているが、コイル112が励磁されることで、可動体110には、弁頭114が着座する方向の付勢力が作用するようになっている。
ソレノイドバルブ92は、上記のような構成から、低圧室98の開度、換言すれば、低圧室98からバッファ室50側への流出量を調整することできる。つまり、ソレノイド92は、低圧室98の液圧を調整して、メインバルブ90の開弁圧を調整することができるようになっているのである。なお、メインバルブ90の開弁圧は、ソレノイド92のコイル112に供給される電流の大きさに依存している。その電流が大きいほど、低圧室98の開度は小さく、低圧室98の液圧が高くなり、メインバルブ90の開弁圧も高くなるのである。すなわち、メインバルブ90を通過してバッファ室50に流入する作動液の流れに対する抵抗が大きくなるのである。
以上のように構成された減衰力発生器24は、図3に示すような減衰特性を有するものとなっている。ばね上部とばね下部との相対動作の速度vST(以下、ストローク速度という場合がある。)が低い場合には、メインバルブ90は開弁しておらず、減衰力Fは、メインバルブ90に設けられたオリフィス100を通過する作動液の流れに対する抵抗に依存したものとなる。そして、高圧室96と低圧室98との差圧が大きくなり、メインバルブ90が開弁すると、減衰力Fは、そのメインバルブ90を通過する作動液の流れに対する抵抗に依存したものとなるのである。上述したように、コイル112に供給される電流が大きくなるほど、メインバルブ90の開弁圧は高くなる。
[3]ショックアブソーバの減衰力特性
先に説明したように、本アブソーバ20は、シリンダ22が伸長した場合も、収縮した場合も、作動液が減衰力発生器24を通過してバッファ室50に流入するように構成されており、減衰力発生器24がその作動液の流れに対して抵抗を与えることにより、シリンダ22は、伸縮に対する減衰力を発生させる。その減衰力の特性、つまり、シリンダ22の伸縮速度に対する減衰力の大きさは、図3に示すようなものとなる。ちなみに、シリンダ22の伸縮速度は、ストローク速度vST、すなわち、ばね上部とばね下部との上下方向の相対速度に等しいと考えることができるため、図3では、減衰力特性を、ストローク速度vSTに対する減衰力Fの大きさのグラフとして、表している。なお、図3は、リバウンド時の特性を表している。
先に説明したように、本アブソーバ20は、シリンダ22が伸長した場合も、収縮した場合も、作動液が減衰力発生器24を通過してバッファ室50に流入するように構成されており、減衰力発生器24がその作動液の流れに対して抵抗を与えることにより、シリンダ22は、伸縮に対する減衰力を発生させる。その減衰力の特性、つまり、シリンダ22の伸縮速度に対する減衰力の大きさは、図3に示すようなものとなる。ちなみに、シリンダ22の伸縮速度は、ストローク速度vST、すなわち、ばね上部とばね下部との上下方向の相対速度に等しいと考えることができるため、図3では、減衰力特性を、ストローク速度vSTに対する減衰力Fの大きさのグラフとして、表している。なお、図3は、リバウンド時の特性を表している。
上述の減衰力発生器24の構造に関連させて詳しく説明すれば、ストローク速度vSTが小さい場合には、メインバルブ90は開弁しておらず、減衰力Fは、メインバルブ90に設けられたオリフィス100を通過する作動液の流れに対する抵抗に依存したものとなる。そして、ストローク速度vSTが大きくなって、高圧室96と低圧室98との差圧が大きくなり、メインバルブ90が開弁すると、減衰力Fは、そのメインバルブ90を通過する作動液の流れに対する抵抗に依存したものとなるのである。図3の特性線の傾きの変わる時点が、メインバルブ90が開弁を開始し始める時点である。
上述したように、コイル112に供給される電流Iが大きくなるほど、メインバルブ90の開弁圧は高くなる。本アブソーバ20では、減衰力発生器24は、図3においてハッチングの範囲において、発生させる減衰力Fの大きさを変更可能に構成されている。詳しく言えば、最大電流IMAXと最小電流IMINとの間でコイルに供給する電流Iを変更可能とされており、発生させる減衰力Fの特性をその範囲で変更可能とされているのである。ちなみに、図では、最大電流IMAXと最小電流IMINとの差が電流差ΔIと表され、最大電流IMAXと最小電流IMINとの中央値がIeと表されている。なお、リバウンド時とバウンド時では、同じストローク速度vSTであっても、減衰力発生器24を通過する作動液の量が異なるため、最大電流IMAX,最小電流IMINは、リバウンド時とバウンド時とで大きさが異なるように設定されている。
以上のような減衰力発生器24の機能からすれば、減衰力発生器24は、シリンダ22が発生させる減衰力の特性を変更する減衰力特性変更器として機能するものとなっている。また、言い換えれば、シリンダ22の減衰係数を変更する機能を有するものと考えることもできるのである。なお、減衰力発生器24は、オリフィスの断面積を変更することによって減衰力を変更する構造のものではなく、上述のように弁の開弁圧を調節することで減衰力を変更する構造のものであるため、制御性、応答性の高い減衰力制御が実行可能である。
[4]ショックアブソーバの制御
コントローラ26は、コンピュータ,ドライバ等を含んで構成されており、減衰力発生器24に供給する電流を制御する。それによって、シリンダ22の発生させる減衰力の特性が変更される。このアブソーバ20の制御は、後に説明するVSC制御が実行されているか否かによって、異なるものとなる。
コントローラ26は、コンピュータ,ドライバ等を含んで構成されており、減衰力発生器24に供給する電流を制御する。それによって、シリンダ22の発生させる減衰力の特性が変更される。このアブソーバ20の制御は、後に説明するVSC制御が実行されているか否かによって、異なるものとなる。
(a)通常時の制御
通常時には、ばね上部の制振を主目的として、ばね上加速度に応じた減衰係数となるように、アブソーバ20が制御される。簡単に言えば、ばね上加速度GUの絶対値が大きいほど減衰係数が大きくなるように、減衰力発生器24へ供給される電流が制御される。具体的には、図4で実線で示すように、ハッチングの範囲で、減衰力が制御される。そのような制御が行われることで、ばね上部の振動が効果的に抑制され、車両の乗り心地が良好なものとなる。なお、リバウンド時において、ばね上部が下方に移動しているとき、および、バウンド時において、ばね上部が上方に移動しているときには、いわゆるスカイフック制御に近い振動減衰効果を得るべく、最も小さな減衰係数となるように、減衰力発生器24へ供給される電流が制御される。
通常時には、ばね上部の制振を主目的として、ばね上加速度に応じた減衰係数となるように、アブソーバ20が制御される。簡単に言えば、ばね上加速度GUの絶対値が大きいほど減衰係数が大きくなるように、減衰力発生器24へ供給される電流が制御される。具体的には、図4で実線で示すように、ハッチングの範囲で、減衰力が制御される。そのような制御が行われることで、ばね上部の振動が効果的に抑制され、車両の乗り心地が良好なものとなる。なお、リバウンド時において、ばね上部が下方に移動しているとき、および、バウンド時において、ばね上部が上方に移動しているときには、いわゆるスカイフック制御に近い振動減衰効果を得るべく、最も小さな減衰係数となるように、減衰力発生器24へ供給される電流が制御される。
(b)VSC制御実行時の制御
本実施例のアブソーバ20が搭載されている車両は、いわゆるVSC(vehicle-stability-control)制御が実行される。VSC制御は、車両の旋回方向の安定性を確保するための制御である。詳しく言えば、車両は、一般的には、ステアリング操舵に従い安定的に旋回するが、路面状況や車速、緊急旋回時等の不測の状況、あるいは、外的要因等により、強い後輪横滑りまたは強い前輪横滑り傾向となる場合がある。その場合に、VSC制御が実行され、車両の旋回方向の安定性を確保するために、各車輪のブレーキ力,駆動力が制御されることで、それら強い後輪横滑りまたは強い前輪横滑りが緩和されることになる。ちなみに、VSC制御の実行の有無は、ブレーキ力を制御するための制御装置であるブレーキ制御装置によって、車速,ヨーレート,ステアリング操作量等に基づいて判断され、その判断に基づいて、適切なVSC制御が実行される。
本実施例のアブソーバ20が搭載されている車両は、いわゆるVSC(vehicle-stability-control)制御が実行される。VSC制御は、車両の旋回方向の安定性を確保するための制御である。詳しく言えば、車両は、一般的には、ステアリング操舵に従い安定的に旋回するが、路面状況や車速、緊急旋回時等の不測の状況、あるいは、外的要因等により、強い後輪横滑りまたは強い前輪横滑り傾向となる場合がある。その場合に、VSC制御が実行され、車両の旋回方向の安定性を確保するために、各車輪のブレーキ力,駆動力が制御されることで、それら強い後輪横滑りまたは強い前輪横滑りが緩和されることになる。ちなみに、VSC制御の実行の有無は、ブレーキ力を制御するための制御装置であるブレーキ制御装置によって、車速,ヨーレート,ステアリング操作量等に基づいて判断され、その判断に基づいて、適切なVSC制御が実行される。
しかしながら、VSC制御の実行中に、減衰力特性を変更すると、VSC制御が実行できない可能性がある。つまり、適切な旋回方向の安定性が得られない虞があるのである。そこで、本実施例のアブソーバ20では、VSC制御の実行中には、設定された減衰力特性となるように、減衰力発生器24へ供給される電流が制御される。詳しく言えば、図4の太い破線で示すような固定的な減衰力特性が得られるように、減衰力発生器24への供給電流が、ストローク速度vSTに基づいて制御されるのである。ちなみに、図4の下側のグラフが、設定された減衰力特性を得るために減衰力発生器24に供給される電流Iを示すグラフである。このような制御により、VSC制御による車両旋回時の安定性が担保されることになる。なお、図4の太い破線で示す減衰力特性は、従来の減衰力を変更できない一般的なショックアブソーバの特性に近いものとなっている。
(c)制御フロー
シリンダ22が発生させる減衰力の制御は、コントローラ26が、図5にフローチャートを示す減衰力制御プログラムを、短い時間ピッチ(例えば、数〜数十μsec)で実行することによって行われる。以下に、そのフローチャートに沿って、具体的な減衰力の制御のフローについて説明する。
シリンダ22が発生させる減衰力の制御は、コントローラ26が、図5にフローチャートを示す減衰力制御プログラムを、短い時間ピッチ(例えば、数〜数十μsec)で実行することによって行われる。以下に、そのフローチャートに沿って、具体的な減衰力の制御のフローについて説明する。
まず、ステップ1(以下、「S1」と略す。他のステップも同様である。)において、ばね上加速度センサ122(図1において[Gu]で示す),ストロークセンサ124(図1において[ST]で示す)によって、各車輪に対応するばね上部のばね上加速度Gu、および、各車輪に対応するストローク位置STが検出される。
次いで、S2において、VSC制御が実行中であるか否かが判断される。先に説明したブレーキ制御装置120(図1参照)からVSC制御の実行の有無を示す信号が送られてきており、S2の判断は、その信号に基づいて行われる。
S2においてVSC制御が行われていないと判断された場合には、S3において、S1において検出されたばね上加速度Guに基づいて、それの絶対値|Gu|、および、ばね上部の動作方向DUが算出され、S1において検出されたストローク位置STに基づいてストローク速度vST(バウンド時かリバウンド時かを含む概念である)が算出される。続いて、S4において、それら算出されたばね上加速度の絶対値|Gu|、ばね上部の動作方向DU、および、ストローク速度vSTに基づいて、各車輪に対応する減衰力発生器24に供給されるべき供給電流Iが決定される。
一方、S2においてVSC制御が行われていると判断された場合には、S5において、S1において検出されたストローク位置STに基づいてストローク速度vSTが算出される。続いて、S6において、上述の固定的な減衰力特性(図4における太い破線の特性)が得られるように、算出されたストローク速度vSTに基づいて、各車輪に対応する減衰力発生器24に供給されるべき供給電流Iが決定される。
S4、若しくは、S6において供給電流Iが決定された後、S7において、その供給電流Iが、実際に、各車輪に対応する減衰力発生器24に供給される。
20:車両用ショックアブソーバ 22:シリンダ〔ショックアブソーバ本体〕 24:減衰力発生器〔減衰力特性変更器〕 26:コントローラ〔制御装置〕
Claims (1)
- VSC機能を有する車両に搭載される車両用ショックアブソーバであって、
車体と車輪との間に配設され、それらの相対動作に対する減衰力を発生させるアブソーバ本体と、
そのアブソーバ本体が発生させる減衰力の特性を変更する減衰力特性変更器と、
その減衰力特性変更器を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置が、VSC制御が実行されている際に、前記アブソーバ本体が発生させる減衰力の特性が設定特性となるように、前記減衰力特性変更器を制御することを特徴とする車両用ショックアブソーバ。
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