JP5136789B2 - 緩衝器 - Google Patents

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Description

本発明は、流体圧を利用する緩衝器に関するものである。
一般的に、自動車等の車両の懸架装置に装着される筒型の油圧緩衝器は、油液が封入されたシリンダ内にピストンロッドが連結されたピストンが摺動可能に設けられ、ピストン部にオリフィス及びディスクバルブ等からなる減衰力発生機構が設けられた構造となっている。これにより、ピストンロッドの伸縮に伴うシリンダ内のピストンの摺動によって生じる油液の流れをオリフィス及びディスクバルブによって制御して減衰力を発生させる。
上記緩衝器で、メインの減衰力発生機構をバイパスするバイパス通路の途中に設けたシリンダ室にフリーピストンを挿入し、フリーピストンのストローク範囲を制限するようにした減衰力調整機構を備えた油圧緩衝器が知られている。このような構造は例えば特許文献1に記載されている。
米国特許第7255211号明細書
上記の構造の緩衝器を自動車に適用した場合には次のような改善効果が見られる。通常走行時の路面の小さな凹凸による小振幅の振動に対しては、フリーピストンのストロークによってバイパス通路の油液の流れが許容されるので、小さな減衰力が発生して振動を吸収することができ、乗り心地を向上させることができる。また、加速時、制動時、旋回時等の車体の姿勢変化による大振幅の振動に対しては、フリーピストンがストローク端まで移動し、バイパス通路の油液の流れを遮断するので、大きな減衰力が発生して車体の姿勢変化を抑えることにより、操縦安定性を高めることができる。
しかしながら、振幅の変動に対応するだけでは緩衝器の周波数特性が十分ではない場合があり、例えば自動車に適用した場合に振動の振幅が大きい場合などで、乗り心地の改善が望まれるニーズがあった。
本発明は、ピストンロッドのストロークの周波数に応答して適切な減衰力を得ることができる緩衝器を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明に係る緩衝器は、流体が封入されたシリンダと、該シリンダ内に摺動可能に挿入されたピストンと、該ピストンに連結されて前記シリンダから外部に延出されたピストンロッドと、前記ピストンの少なくとも一方への摺動によって生じる流体の流れを制御して減衰力を発生させ、その流体の一部をパイロット圧として導入して開弁を調整する背圧室を有するパイロット型減衰バルブとを備え
同一ストロークにおいて、高周波入力時よりも低周波入力時のほうが前記背圧室の圧力が高圧になるようにパイロット圧を制御するパイロット圧制御弁を設けたことを特徴とする。
本発明に係る緩衝器によれば、ピストンロッドのストロークの周波数に応答して適切な減衰力を得ることができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本実施形態に係る緩衝器の全体図を図2に示し、その要部の拡大図を図1に示す。
図2に示すように、緩衝器1は、自動車等の車両の懸架装置に装着される複筒式の緩衝器であって、シリンダ2の外側に外筒3を設けた二重筒構造となっており、シリンダ2と外筒3との間にリザーバ4が形成されている。シリンダ2内に、ピストン5が摺動可能に設けられ、このピストン5によってシリンダ2内がシリンダ上室2Aとシリンダ下室2Bとの2室に分けられている。ピストン5には、ピストンボルト6を介してピストンロッド7が連結され、ピストンロッド7は、シリンダ2及び外筒3の上端部に装着されたロッドガイド8及びオイルシール9を貫通して外部へ延出されている。シリンダ2の下端部には、シリンダ下室2Bとリザーバ4とを仕切るベースバルブ10が設けられている。
ピストン5には、シリンダ上下室2A、2B間を連通させるための伸び側油路11及び縮み側油路12が設けられている。そして、伸び側油路11の油液の流動を制御して減衰力を発生させるパイロット型減衰バルブとして伸び側減衰力発生機構13が設けられ、縮み側油路12の油液流動を制御して減衰力を発生させるパイロット型減衰バルブとして縮み側減衰力発生機構14が設けられている。
ベースバルブ10には、シリンダ下室2Bとリザーバ4とを連通させる油路15、16が設けられている。そして、油路15には、リザーバ4側からシリンダ下室2B側への油液の流通のみを許容する逆止弁17が設けられ、また、油路16には、シリンダ下室2Bからリザーバ4側への油液の流れに所定の流通抵抗を付与するオリフィス18を有するディスクバルブ18が設けられている。そして、シリンダ2内には、作動流体として油液が封入され、リザーバ4内には油液及びガスが封入されている。
次に、ピストン5に設けられた伸び側及び縮み側減衰力発生機構13、14について図1を参照して説明する。図1に示すように、ピストン5には、小径部20A及び大径部20Bからなる段付円柱状のピストンボルト20の小径部20Aが挿入、貫通されている。ピストン5の形状をこのようにすることにより、組み付けやすいという効果を奏することができる。ピストン5の両端部には、略有底円筒状のバルブ部材21、22が開口側をピストン5に対向させて取付けられている。バルブ部材21、22の底部の内側の中央部には、開口部付近まで延びる円筒部21A、22Aが形成されている。バルブ部材21、22は、円筒部21A、22Aにピストンボルト20の小径部20Aが挿入、貫通され、小径部20Aの先端部にナット部材23がねじ込まれてピストン5に固定されている。ピストンボルト20は、円筒状に形成された大径部20Bにピストンロッド7の一端部がねじ込まれて、ピストンロッド7に連結されている。
伸び側減衰力発生機構13について説明する。ピストン5のシリンダ下室2B側の端面には、内周部及び外周部に環状のクランプ部24及びシート部25が突出され、クランプ部24とシート部25との間に伸び側油路11が開口されている。クランプ部24とバルブ部材21の円筒部21Aとの間に、減衰バルブである円板状のメインディスクバルブ26の内周部がクランプされ、メインディスクバルブ26の外周部がシート部25に着座している。メインディスクバルブ26のシート部25に着座する面の背面側の外周部には、環状の弾性シール部材27が固着されており、弾性シール部材27は、バルブ部材21の内周部に摺動可能かつ液密的に嵌合されている。これにより、バルブ部材21の内部に背圧室28が形成されて、背圧室28の内圧がメインディスクバルブ26に対して閉弁方向に作用する。
バルブ部材21の底部には、背圧室28をシリンダ下室2Bに連通させる油路29が貫通されている。バルブ部材21の底部の外側端面には、内周部及び外周部に環状のクランプ部30及びシート部31が突出されており、クランプ部30とシート部31との間に油路29が開口されている。クランプ部30とナット部材23との間に、リリーフ弁である円板状のサブディスクバルブ32の内周部がクランプされ、サブディスクバルブ32の外周部がシート部31に着座している。サブディスクバルブ32の外周部には、背圧室28とシリンダ下室2Bとを常時連通させる固定オリフィスである排出オリフィス33が並列に設けられている。
ピストンボルト20の小径部20Aの先端部には、その軸心に沿って延びる軸方向ボア34が形成されている。軸方向ボア34は、ピストンボルト20の先端側の大径油路34A及び基端側の小径油路34Bを有する段付形状であり、段部に環状のシート部34Cが形成されている。大径油路34Aは、ピストンボルト20の小径部20Aの側壁に形成された径方向ポート35、バルブ部材21のクランプ部30に形成された油路36及び油路29を介して背圧室28に連通されている。また、小径油路34Bは、ピストンボルト20の小径部20Aの側壁に形成された径方向ポート37及びピストン5のクランプ部24に形成された導入オリフィス38を介して伸び側油路11に連通されている。そして、導入オリフィス38、径方向ポート37、小径油路34B、大径油路34B、径方向ポート35、油路36及び油路29によって背圧室28にパイロット圧を導入するパイロット通路を構成している。
軸方向ボア34の大径油路34Aには、シート部34Cに離着座して径方向ポート35、37間の流路を開閉するパイロット圧制御弁であるポペット弁39が挿入されており、ポペット弁39の後端部は、ピストンボルト20の小径部20Aの先端部から突出している。小径部20Aの先端部にねじ込まれたナット部材23に、円筒状のシリンダ部40が形成され、シリンダ部40には、フリーピストン41が摺動可能に挿入されている。フリーピストン41は、一端がポペット弁39の後端部に当接し、他端側にダンピング室42を形成しており、ダンピング室42内に挿入されたバネ手段である弁バネ43(圧縮コイルバネ)のバネ力によってポペット弁39をシート部34Cに押圧している。ポペット弁39は、小径油路34B側の圧力によって弁バネ43のバネ力に抗して移動してシート部34Cから離座することによって開弁する。ダンピング室42は、ダンピングオリフィス44を介してシリンダ下室2Bに連通されている。
縮み側減衰力発生機構14は、上述の縮み側減衰力発生機構13とほぼ同様に、次のように構成されている。ピストン3のシリンダ上室2A側の端面には、内周部及び外周部に環状のクランプ部45及びシート部46が突出されており、クランプ部45とシート部46との間に縮み側油路12が開口されている。クランプ部45とバルブ部材22の円筒部22Aとの間に、減衰バルブである円板状のメインディスクバルブ47の内周部がクランプされ、メインディスクバルブ47の外周部がシート部46に着座している。メインディスクバルブ47のシート部46に着座する面の背面側の外周部には、環状の弾性シール部材48が固着されており、弾性シール部材48は、バルブ部材22の内周部に摺動可能かつ液密的に嵌合されている。これにより、バルブ部材22の内部に背圧室49が形成されて、背圧室49の内圧がメインディスクバルブ47に対して閉弁方向に作用する。
バルブ部材22の底部には、背圧室49をシリンダ上室2Aに連通させる油路50が貫通されている。バルブ部材22の底部の外側端面には、内周部及び外周部に環状のクランプ部51及びシート部52が突出されており、クランプ部51とシート部52との間に油路50が開口されている。クランプ部51とピストンボルト20の大径部20Bの端面との間に、リリーフ弁である円板状のサブディスクバルブ53の内周部がクランプされ、サブディスクバルブ53の外周部がシート部52に着座している。サブディスクバルブ53の外周部には、背圧室49とシリンダ上室2Aとを常時連通させる固定オリフィスである排出オリフィス54が並列に設けられている。
ピストンボルト20の小径部20Aの基端部には、その軸心に沿って延びる軸方向ボア55が形成されている。軸方向ボア55は、ピストンボルト20の基端側の大径油路55A及び先端側の小径油路55Bを有する段付形状であり、段部に環状のシート部55Cが形成されている。大径油路55Aは、ピストンボルト20の小径部20Aの側壁に形成された径方向ポート56、バルブ部材22のクランプ部51に形成された油路57及び油路50を介して背圧室49に連通されている。また、小径油路55Bは、ピストンボルト20の小径部20Aの側壁に形成された径方向ポート58及びピストン5のクランプ部45に形成された導入オリフィス59を介して縮み側油路12に連通されている。そして、導入オリフィス59、径方向ポート58、小径油路55A、大径油路55B、径方向ポート56、油路57及び油路50によって背圧室49にパイロット圧を導入するパイロット通路を構成している。
軸方向ボア55の大径油路55Aには、シート部55Cに離着座して径方向ポート56、58間の流路を開閉するパイロット圧制御弁であるポペット弁60が挿入されており、ポペット弁60の後端部は、ピストンボルト20の円筒状の大径部20Bにピストンロッド7がねじ込まれて形成されたシリンダ部61内に突出している。シリンダ部61には、フリーピストン62が摺動可能に挿入されている。フリーピストン62は、一端がポペット弁60の後端部に当接し、他端側にダンピング室63を形成しており、ダンピング室63内に挿入されたバネ手段である弁バネ64(圧縮コイルバネ)のバネ力によってポペット弁60をシート部55Cに押圧している。ポペット弁60は、小径油路55A側の圧力によって弁バネ64のバネ力に抗して移動してシート部55Cから離座することによって開弁する。ダンピング室63は、ダンピングオリフィス65を介してシリンダ上室2Aに連通されている。
以上のように構成した本実施形態の作用について次に説明する。ピストンロッド7の伸び行程時には、シリンダ2内のピストン5の摺動に伴ない、シリンダ上室2A側の油液が伸び側油路11を通ってシリンダ下室2B側へ流れ、伸び側減衰力発生機構13によって減衰力が発生する。なお、ピストンロッド7がシリンダ2から退出した分の油液がリザーバ4からベースバルブ10の逆止弁17を介してシリンダ下室2Bへ流れ、リザーバ4内のガスが膨張することによってシリンダ2内の容積変化を補償する。
このとき、伸び側減衰力発生機構13において、フリーピストン41は、比例要素である弁バネ43と1次微分要素であるダンピングオリフィス44の組合せによって1次遅れ系を構成しているので、低周波入力に対して移動し易く、高周波入力に対して移動し難い特性を有している。
したがって、ピストンロッド7のストローク周波数が低周波の場合、図1中の左側に実線矢印で示すように、伸び側油路11を流れる油液は、導入オリフィス38及び径方向ポート37を通って小径油路34Bに流入する。フリーピストン41は、低周波入力に対して移動し易くなっているので、小径油路34B内の油液の圧力によってポペット弁39が開き、油液は、小径油路34Bから大径油路34A、径方向ポート35及び油路36を通り、排出オリフィス33及びディスクバルブ32を介してシリンダ下室2Bへ流れる。このとき、ポペット弁39が開くことにより、その油液の圧力が背圧室28に導入されて、背圧室28が高圧になり、メインディスクバルブ26の開弁圧力を高めて、その閉弁状態を維持するので、排出オリフィス33及びディスクバルブ32のみによって大きな減衰力が発生する。
一方、ピストンロッド7のストローク周波数が高周波の場合、フリーピストン41は、高周波入力に対して移動し難くなっているので、ポペット弁39は少ししか開かず、背圧室28に油液の圧力が殆ど導入されない。このため、背圧室28が低圧となってメインディスクバルブ26の開弁圧力が低くなり、メインディスクバルブ26が開弁して、図1中の左側に破線矢印で示すように、油液が伸び側油路11から直接シリンダ下室2Bへ流れ、減衰力は低下する。
また、ピストンロッド7の縮み行程時には、シリンダ2内のピストン5の摺動に伴ない、シリンダ下室2A側の油液が縮み側油路12を通ってシリンダ上室2A側へ流れ、縮み側減衰力発生機構14によって減衰力が発生する。なお、ピストンロッド7がシリンダ2内に侵入した分の油液がシリンダ下室2Bから、ベースバルブ10のオリフィス18A及びディスクバルブ18を介してリザーバ4へ流れ、リザーバ4内のガスを圧縮することによってシリンダ2内の容積変化を補償する。
このとき、縮み側減衰力発生機構14において、フリーピストン62は、比例要素である弁バネ64と1次微分要素であるダンピングオリフィス65の組合せによって1次遅れ系を構成しているので、低周波入力に対して移動し易く、高周波入力に対して移動し難い特性を有している。
したがって、ピストンロッド7のストローク周波数が低周波の場合、図1中の右側に実線矢印で示すように、縮み側油路12を流れる油液は、オリフィス油路59及び径方向ポート58を通って小径油路55Aに流入する。フリーピストン62は、低周波入力に対して移動し易くなっているので、小径油路55A内の油液の圧力によってポペット弁60が開き、油液は、小径油路55Aから大径油路55B、径方向ポート56及び油路57を通り、排出オリフィス54及びディスクバルブ53を介してシリンダ上室2Aへ流れる。このとき、ポペット弁60が開くことにより、その油液の圧力が背圧室49に導入されて、背圧室49が高圧になり、メインディスクバルブ47の開弁圧力を高めて、その閉弁状態を維持するので、排出オリフィス54及びディスクバルブ53のみによって大きな減衰力が発生する。
一方、ピストンロッド7のストローク周波数が高周波の場合、フリーピストン62は、高周波入力に対して移動し難くなっているので、ポペット弁60が開かず、背圧室49に油液の圧力が導入されない。このため、背圧室49が低圧となってメインディスクバルブ47の開弁圧力が低くなり、メインディスクバルブ47が開弁して、図1中の右側に破線矢印で示すように、油液が縮み側油路12から直接シリンダ上室2Aへ流れ、減衰力は低下する。
このようにして、ピストンロッド7の伸び及び縮み行程共に、低周波入力に対しては大きな減衰力を発生し、高周波入力に対しては小さな減衰力を発生させることができる。このため、自動車に適用した場合、路面の凹凸によるバネ下振動の高周波入力に対しては、小さな減衰力によって振動を吸収して乗り心地を向上させることができる。また、加速時、制動時、旋回時の車体に姿勢変化によるバネ上の低周波入力に対しては、大きな減衰力によって、車体の姿勢変化を抑制して操縦安定性を高めることができる。このとき、ピストンのストローク幅に依存することを少なくし、振動の入力周波数に応答して迅速に適切な減衰力を発生させることができる。したがって、例えば、旋回時の初期ロールに対して充分な減衰力を得ることができる。また、悪路走行においては、バネ下の振幅が大きくなった場合でも、振動を充分に吸収することができ、乗り心地を保つことができる。
なお、上記実施形態では、伸び側及び縮み側共に、本発明による入力周波数に応答して減衰力を調整する伸び側及び縮み側減衰力発生機構13、14が設けられているが、これらは、いずれか一方を通常の減衰力発生機構としてもよい。しかしながら、より適切な減衰力特性を得るためには、入力周波数に応答する減衰力発生機構を伸び側及び縮み側の両方に設けることが望ましい。伸び側及び縮み側減衰力発生機構13、14は、上記実施形態では、ディスクバルブとしているが、ポペット弁としてもよい。しかしながら、スペース効率に優れたディスクバルブを採用することが望ましい。また、上記実施形態では、本発明をベースバルブ10及びリザーバ4を有する複筒式の油圧緩衝器に適用した場合について説明しているが、本発明は、シリンダ内にフリーピストンによってガス室を形成する単筒式油圧緩衝器に適用してもよい。
上記実施形態では、入力周波数に応答して減衰力を調整する減衰力発生機構は、ピストン部に設けられているが、ベースバルブ10の減衰力発生機構や、その他の油液の通路となる箇所に設けることもできる。しかしながら、ピストンやベースバルブに減衰力発生機構を設ける方がスペース効率、構造が簡単化の観点から、より望ましい。さらに、上記実施形態では、油液の流れを制御することによって減衰力を発生させる油圧緩衝器について説明しているが、本発明は、これに限らず、ガス等の他の流体の流れを制御して減衰力を発生させる緩衝器にも適用することができるが、油液を用いたほうが、減衰力特性の安定性の観点から、より望ましい。また、上記実施形態では自動車に適用した際の例を示したが、洗濯機、鉄道等に適用してもよい。しかしながら、路面の小さな凹凸やロールなど刻々と変化する状況に対し乗り心地の改善のニーズが高い自動車に採用することは望ましい。
本発明の一実施形態に係る油圧緩衝器の要部を拡大して示す縦断面図である。 図1に示す油圧緩衝器の全体構成を示す縦断面図である。
符号の説明
1 緩衝器、2 シリンダ、5 ピストン、7 ピストンロッド、13 伸び側減衰力発生機構(パイロット型減衰バルブ)、14 縮み側減衰力発生機構(パイロット型減衰バルブ)、28 背圧室、39 ポペット弁(パイロット圧制御弁)、49 背圧室、60 ポペット弁(パイロット圧制御弁)

Claims (7)

  1. 流体が封入されたシリンダと、該シリンダ内に摺動可能に挿入されたピストンと、該ピストンに連結されて前記シリンダから外部に延出されたピストンロッドと、前記ピストンの少なくとも一方への摺動によって生じる流体の流れを制御して減衰力を発生させ、その流体の一部をパイロット圧として導入して開弁を調整する背圧室を有するパイロット型減衰バルブとを備え、
    同一ストロークにおいて、高周波入力時よりも低周波入力時のほうが前記背圧室の圧力が高圧になるようにパイロット圧を制御するパイロット圧制御弁を設けたことを特徴とする緩衝器。
  2. 前記パイロット圧制御弁は、前記背圧室の上流側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の緩衝器。
  3. 前記パイロット圧制御弁は、常時閉弁側に付勢するバネ手段と、開弁に対して、開弁速度の上昇に従って開弁抵抗が増大するダンピング手段とを有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の緩衝器。
  4. 前記パイロット圧制御弁は、前記ピストンの摺動によって加圧される前記シリンダ内から前記背圧室に導入されるパイロット圧を制御することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の緩衝器。
  5. 前記パイロット圧制御弁の上流側に導入オリフィスを設けたことを特徴とする請求項4に記載の緩衝器。
  6. 流体が封入されたシリンダと、該シリンダ内に摺動可能に挿入されたピストンと、該ピストンに連結されて前記シリンダの外部へ延出されたピストンロッドと、前記ピストンの少なくとも一方への摺動によって生じる流体の流れを制御して減衰力を発生させる減衰バルブと、該減衰バルブの背面側に設けられて内圧を前記減衰バルブの閉弁方向に作用させる背圧室と、前記ピストンの摺動による流体の流れを前記背圧室に導入するパイロット通路と、該パイロット通路の前記背圧室の上流側に配置された導入オリフィスと、前記パイロット通路の前記導入オリフィスと前記背圧室との間に設けられ、バネ手段によって上流側に付勢されて閉弁するパイロット圧制御弁と、該パイロット圧制御弁の開弁に対して、開弁速度の上昇に従って開弁抵抗が増大するダンピング手段とを備えていることを特徴とする緩衝器。
  7. 前記ダンピング手段は、前記パイロット圧制御弁の弁体の移動によって容積が変化するダンピング室と、前記ダンピング室の内外を連通するダンピングオリフィスとを有していることを特徴とする請求項6に記載の緩衝器。
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