JP6894362B2 - 緩衝器 - Google Patents

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Description

本発明は、ピストンロッドのストロークに対する作動流体の流れを制御して減衰力を発生する緩衝器に関する。
特開2005−351419号公報(特許文献1)には、シリンダ内にピストンを介して移動自在に挿入したピストンロッドと、シリンダ内にピストンを介して区画した第1 、第2の油室と、ピストンに形成されて第1 、第2 の油室を連通する伸ポートと圧ポートと、伸ポートと圧ポートの出口端にそれぞれ開閉自在に設けた伸リーフバルブと圧リーフバルブと、を備えた油圧緩衝器が記載されている。この油圧緩衝器は、さらに、ピストンとピストンロッド内に設けられて上記伸リーフバルブと圧リーフバルブとを迂回するパイロット通路と、パイロット通路から分岐して上記伸リーフバルブと圧リーフバルブの背面側に設けた伸背圧室と圧背圧室に連通する伸連通路と圧連通路と、パイロット通路の途中に設けられて当該パイロット通路を開閉するポペット型の弁体と、弁体の背部に設けられて当該弁体を閉じ方向に附勢するスプリングと、スプリングに対向して設けたソレノイドと、を有する。ポペット型の弁体は、パイロット通路に連通するシート孔と横穴とを備えた中空な第1の弁体と、第1の弁体内に移動自在に挿入されて上記シート孔と横穴とを開閉する第2の弁体とからなる。第2の弁体の背部にスプリングが当接され、第1 、第2の弁体はスプリングにより閉じ方向に附勢される。更に弁体の背面側に背圧室が設けられ、この背圧室は第2の弁体内に形成した連通孔を介して上記シート孔に連通される。特許文献1の油圧緩衝器は、上記ソレノイドに印加する電流に応じて上記弁体のクラッキング圧を調整しながら減衰力を調整することができる(段落0014参照)。
特開2005−351419
特許文献1の油圧緩衝器では、第1の弁体には、流体による力以外に付勢する力がないことで、特に伸び行程から縮み行程に切り換わる際に、圧力や流量が変動しながら切り換わり、力が振動的に作用することで動作が振動的となり、音の発生原因となることが考えられる。
そこで本発明の目的は、上記課題に鑑み、低振動で、且つ低騒音の油圧緩衝器を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明の緩衝器は、
作動流体が封入されるシリンダと、
前記シリンダの内側に摺動可能に嵌装され、前記シリンダの内側を第一室と第二室とに分けるピストンと、
一端が前記ピストンに連結されて他端が前記シリンダから外部へ延出するピストンロッドと、
前記ピストンに設けられ、前記第一室の容積が減少する行程において、前記第一室の作動流体を前記第二室に流す第一通路と、
前記ピストンに設けられ、前記第二室の容積が減少する行程において、前記第二室の作動流体を前記第一室に流す第二通路と、
前記第一通路を開閉する第一メインバルブと、
前記第一メインバルブの開弁圧力を調整する第一背圧室と、
前記第二通路を開閉する第二メインバルブと、
前記第二メインバルブの開弁圧力を調整する第二背圧室と、
前記第一背圧室と前記第二背圧室とを連通する共通通路と、
前記共通通路の内側に配置され、前記共通通路の前記作動流体の流れを制御するパイロット弁と、
前記パイロット弁の移動を制御するアクチュエータと、
を備え、
前記パイロット弁は、
前記共通通路の内側を移動可能に設けられる第一弁体と、
前記第一弁体が着座する第一弁座が設けられ、前記共通通路の内側を移動可能に設けられる第二弁体と、
前記第二弁体が着座する第二弁座と、
前記第二弁体を
前記第一弁体または前記第二弁座に向けて付勢する弁バネと、
を有し、
前記第一弁体は、前記アクチュエータにより前記第一弁座に向けて付勢される。
本発明によれば、低振動で、且つ低騒音の油圧緩衝器を提供できる。
実施例1の緩衝器1の主要部の断面図である。 図1の一部を拡大して示す断面図である。 実施例1の緩衝器の作動の説明図であって、伸び側パイロット弁体が微小開口し、縮み側パイロット弁体が閉弁している状態にある、ピストンロッドの伸び行程時における作動流体の流れを示す図である。 図2のピストンボルト5の近傍を拡大して示す断面図である。 実施例1の緩衝器1の作動の説明図であって、ピストンロッド9の伸び行程時における作動流体のパイロット流れを示す断面図である。 実施例1の緩衝器1の作動の説明図であって、ピストンロッド9の縮み行程時における作動流体のパイロット流れを示す断面図である。 実施例1の緩衝器1の作動の説明図であって、ピストンロッド9の伸び行程時で、フェイル時の作動流体のパイロット流れを示す断面図である。 実施例1の緩衝器1の作動の説明図であって、ピストンロッド9の縮み行程時で、フェイル時の作動流体のパイロット流れを示す断面図である。 実施例2の緩衝器1の主要部の一部を拡大して示す図である。 実施例2の緩衝器1の主要部の一部を拡大して示す図であり、ピストンロッド9の伸び行程時の作動流体のパイロット流れを示す断面図である。 実施例2の緩衝器の主要部の一部を拡大して示す図であり、ピストンロッド9の伸び行程時の作動流体のパイロット流れを示す断面図である。 実施例2の緩衝器の主要部の一部を拡大して示す図であり、ばねの配置の別形態を示す断面図である。
以下、本発明に係る実施例を説明する。
[実施例1]
本発明の実施例1を添付した図を参照して説明する。
図1は、実施例1の緩衝器1の主要部の断面図である。以下の説明において、図1における上方向(上側)および下方向(下側)を、緩衝器1における上方向(上側)および下方向(下側)とする。なお、実施例1に示す緩衝器1は、単筒型の減衰力調整式油圧緩衝器であるが、リザーバを備える複筒型の減衰力調整式油圧緩衝器にも適用できる。
図1に示されるように、シリンダ2内には、ピストン3が摺動可能に嵌装される。ピストン3は、シリンダ2内をシリンダ上室(第一室)2Aとシリンダ下室(第二室)2Bとの2室に分割して区画する。ピストン3の軸孔4には、ピストンボルト5の軸部6が挿通される。ピストンボルト5の略有底円筒形の頭部7には、略円筒形のケース部材8の下端部がねじ結合部10で接続される。ねじ結合部10はケース部材8の下端部外周面に形成された雄ねじと頭部7の内周面に形成された雌ねじとにより構成される。
ピストンボルト5には、上端が頭部7の底面7aに開口してピストンボルト5の軸心に沿って先端側(下端側)へ延びる軸孔50が形成される。図2に示されるように、軸孔50には、その上部に形成されて軸方向に延びる通路を形成する軸方向通路48と、軸方向通路48の下端側で軸方向通路48よりも径の大きな通路を形成する軸方向通路49と、が構成される。軸孔50の下端は、ピストンボルト5の先端(下端)に開口し、径が軸方向通路49よりも大きい下端開口部61が形成される。
下端開口部61には、外径が下端開口部61とほぼ同じで有底の円筒形状のシート部材58が、その上端が下端開口部61の上端側に設けられた段差部61aに接触するように挿入される。また、シート部材58の底部58aには凹状のバネ受部58Aが設けられる。さらに、シート部材58を固定するための閉止プラグ35がシート部材58の下面側の下端開口部61に設けられ、ねじ止め等により、ピストンボルト5に固定される。シート部材58の内径側には軸方向通路30が形成される。
図1に示されるように、ケース部材8の上端部には、ピストンロッド9の下端部がねじ結合部11で接続される。ねじ結合部11はケース部材8の上端部内周面に形成された雌ねじとピストンロッド9の下端部外周面に形成された雄ねじとにより構成される。ピストンロッド9の下端部には、ナット12が螺合され、ナット12をケース部材8の上端に当接させて締め付けることによりねじ結合部11の緩みが抑止される。ピストンロッド9の下端には、小径部13が形成され、小径部13の外周面に形成された環状溝13aには、ケース部材8とピストンロッド9との間をシールするOリング14が装着される。
ピストン3には、一端(上端)がシリンダ上室2A側に開口する伸び側通路15と、一端(下端)がシリンダ下室2B側に開口する縮み側通路16とが設けられる。ピストン3の下端には、伸び側通路15における作動流体の流れを制御する伸び側減衰弁17が設けられる。ピストン3の上端には、縮み側通路16における作動流体の流れを制御する縮み側減衰弁18が設けられる。
図2に示されるように、伸び側減衰弁17は、ピストン3の下端面の外周側に形成された環状のシート部19に着座する伸び側メインバルブ20と、ナット21によりピストンボルト5に固定されるバルブ部材22と、伸び側メインバルブ20の背面とバルブ部材22との間に形成される伸び側背圧室23とを備える。伸び側背圧室23内の圧力は、伸び側メインバルブ20に対して閉弁方向へ作用する。ナット21とバルブ部材22との間には、下側から順に、ワッシャ24、スペーサ25、およびディスクバルブ26が設けられる。ディスクバルブ26の内周縁部は、バルブ部材22の内周縁部とスペーサ25との間で挟持される。なお、伸び側メインバルブ20は、弾性体からなる環状のシール部20Aがバルブ部材22の内周面に全周にわたって接触するパッキンバルブである。
伸び側背圧室23は、バルブ部材22に形成された通路27およびディスクバルブ26を介してシリンダ下室2Bに連通される。伸び側背圧室23は、ディスクバルブ26に形成されたオリフィス26Aを介してシリンダ下室2Bに常時連通される。ディスクバルブ26は、伸び側背圧室23の圧力が所定圧力に達したときに開弁して伸び側背圧室23内の圧力をシリンダ下室2Bへリリーフする。また、伸び側背圧室23は、ディスクバルブからなる伸び側背圧導入弁(第一背圧導入弁)28を介してピストンボルト5に形成された径方向通路(第一径方向通路)29に連通される。径方向通路29は、ピストンボルト5に形成された軸方向通路30(共通通路)に連通される。
伸び側背圧導入弁28は、径方向通路29から伸び側背圧室23への作動流体の流れのみを許容する逆止弁である。伸び側背圧導入弁28は、バルブ部材22の上面における通路27の内周側に形成された環状のシート部31に着座される。伸び側背圧導入弁28は、内周縁部がバルブ部材22の内周縁部とスペーサ32との間で挟持される。伸び側背圧室23は、伸び側背圧導入弁28が開弁すると伸び側背圧導入弁28に形成されたオリフィス28Aを介して径方向通路29に連通される。
軸方向通路30は、ピストンボルト5に形成された径方向通路33(縮み側排出通路)に連通される。径方向通路33は、ピストン3に設けられた縮み側逆止弁34を介して伸び側通路15に連通される。径方向通路33は、縮み側逆止弁34に形成されたオリフィス34Aを介して伸び側通路15に常時連通される。縮み側逆止弁34は、径方向通路33から伸び側通路15への作動流体の流れのみを許容する。
縮み側減衰弁18は、ピストン3の上端面の外周側に形成された環状のシート部66に着座する縮み側メインバルブ36と、ピストンボルト5の頭部7とピストン3との間で固定されるバルブ部材37と、縮み側メインバルブ36の背面とバルブ部材37との間に形成される縮み側背圧室38とを備える。縮み側背圧室38内の圧力は、縮み側メインバルブ36に対して閉弁方向へ作用する。ピストンボルト5の頭部7とバルブ部材37との間には、上側から順に、ワッシャ39、スペーサ40、およびディスクバルブ41が設けられる。ディスクバルブ41の内周縁部は、バルブ部材37の内周縁部とスペーサ40との間で挟持される。なお、縮み側メインバルブ36は、弾性体からなる環状のシール部36Aがバルブ部材37の内周面に全周にわたって接触するパッキンバルブである。
縮み側背圧室38は、バルブ部材37に形成された通路42およびディスクバルブ41を介してシリンダ上室2Aに連通される。縮み側背圧室38は、ディスクバルブ41に形成されたオリフィス41Aを介してシリンダ上室2Aに常時連通される。ディスクバルブ41は、縮み側背圧室38の圧力が所定圧力に達したときに開弁して縮み側背圧室38内の圧力をシリンダ上室2Aへリリーフする。また、縮み側背圧室38は、ディスクバルブからなる縮み側背圧導入弁43を介してピストンボルト5に形成された径方向通路(第二径方向通路)44に連通される。径方向通路44は、ピストンボルト5の軸方向通路48(共通通路)に連通される。
本実施例では、ピストンボルト5の軸孔50が軸方向通路を構成する。軸方向通路30、軸方向通路49および軸方向通路48はそれぞれ軸孔50による軸方向通路の一部を構成する。軸方向通路30、軸方向通路49および軸方向通路48は、それぞれ第一軸方向通路、第二軸方向通路および第三軸方向通路と呼んで区別する場合がある。軸方向通路30および軸方向通路49は軸方向通路48よりも径の大きい大径軸方向通路部を構成する。軸方向通路48は軸方向通路30および軸方向通路49よりも径の小さい小径軸方向通路部を構成する。
また軸孔50による軸方向通路は、伸び側背圧室(第一背圧室)23と縮み側背圧室(第二背圧室)38とを連通する共通通路を構成する。軸孔50による軸方向通路と伸び側背圧室23との間には、径方向通路29が設けられるため、径方向通路29は共通通路の一部を構成する。また軸孔50による軸方向通路と縮み側背圧室38との間には、径方向通路44が設けられるため、径方向通路44は共通通路の一部を構成する。すなわち共通通路は、軸孔50による軸方向通路10,48,49に径方向通路29および径方向通路44を含む。またピストンボルト5は、共通通路が形成される通路形成部材である。
縮み側背圧導入弁(第二背圧導入弁)43は、径方向通路44から縮み側背圧室38への作動流体の流れのみを許容する逆止弁である。縮み側背圧導入弁43は、バルブ部材37の下面における通路42の内周側に形成された環状のシート部45に着座される。縮み側背圧導入弁43は、内周縁部がバルブ部材37の内周縁部とスペーサ60との間で挟持される。縮み側背圧室38は、縮み側背圧導入弁43が開弁すると縮み側背圧導入弁43に形成されたオリフィス43Aを介して径方向通路44に連通される。
軸方向通路48は、ピストンボルト5に形成された径方向通路46(伸び側排出通路)に連通される。径方向通路46は、ピストン3に設けられた伸び側逆止弁47を介して縮み側通路16に連通される。径方向通路46は、伸び側逆止弁47に形成されたオリフィス47Aを介して縮み側通路16に常時連通される。伸び側逆止弁47は、径方向通路46から縮み側通路16への作動流体の流れのみを許容する。
図4に示すように、ピストンボルト5の軸孔50内には、縮み側パイロット弁体(第一弁体)81と伸び側パイロット弁体(第二弁体)82が配置され、ピストンボルト5とともにパイロット弁を構成する。縮み側パイロット弁体81は、軸方向通路48の径方向通路44よりも上側部分に摺動可能に嵌合される基部81Aと、軸方向通路48内に位置してテーパ部81Bを介して接続される小径部81Cと、が形成される。小径部81Cの下端の外周縁部には、テーパ状に形成された着座面81Dが形成され、着座面81Dは後述する伸び側パイロット弁体82に設けたシート部(第一弁座)82Aに着座する。基部81Aは縮み側パイロット弁体81の上端部であり、着座面81Dは縮み側パイロット弁体81の下端部に構成される。
また、小径部81Cの下端に至る途中には、一旦径が大きくなり、縮み側パイロット弁体81が開弁方向(上方向)に移動した際に軸方向通路48に嵌合される嵌合部(拡径部)81Fが設けられる。嵌合部81Fには切欠65Aが設けられている。切欠65Aは、嵌合部81Fが軸方向通路48に嵌合された場合に、上流側と下流側との間を連通するオリフィスを形成する。また、縮み側パイロット弁体81には、その下端側と上端側とを連通する連通孔81Eが設けられ、縮み側パイロット弁体81のパイロット弁体背圧室48Aと軸方向通路30を連通する。このために、縮み側パイロット弁体81の上端面81Lに当接する作動ピン72の下端部には、切り欠き72Bが設けられている。
軸方向通路48内には、縮み側パイロット弁体81の下端側に伸び側パイロット弁体82が配置される。伸び側パイロット弁体82は、円管状に形成され、内径部の上端側開口縁部には、シート部82Aが環状に形成される。伸び側パイロット弁体82は、その移動方向に沿う中心軸方向の長さが短く、円環状という方が適切な形状をしている。また、内径部の下端側は段状に径が拡がる形状の環状のバネ受部82Bが形成される。また円管の外周縁部には、テーパ状に形成された着座面82Cが形成され、軸方向通路30に設けたシート部材58のシート部(第二弁座)58Cに着座する。また、伸び側パイロット弁体82は、バネ受部82Bと凹状のバネ受部58Aとの間に介装された弁バネ59により上方向(開弁方向)へ付勢される。
弁バネ59は、一端部がピストンボルト5に当接し、他端部が伸び側パイロット弁体82に当接している。伸び側パイロット弁体82は、その中心軸線方向における縮み側パイロット弁体81側の上端面側にシート部(第一弁座)82Aが形成され、弁バネ59は伸び側パイロット弁体82の下端面側に当接している。弁バネ59の付勢力により、伸び側パイロット弁体82は縮み側パイロット弁体81に当接される。
上述したように、本実施例のパイロット弁は、縮み側パイロット弁体(第一弁体)81と、伸び側パイロット弁体(第二弁体)82と、シート部58C(すなわちシート部材58)と、弁バネ59と、を有する構成である。なおピストンボルト5は、共通通路が形成される通路形成部材を構成すると共に、パイロット弁を収容するパイロット弁収容部材を構成する。
弁バネ59は径方向通路29および径方向通路33が設けられる軸方向通路30に配置される、すなわち径方向通路29および径方向通路33は弁バネ59の径方向外側に設けられている。このため、弁バネ59、径方向通路29および径方向通路33を小さなスペースに配置することができ、緩衝器を小型化することができる。
このような構成で縮み側パイロット弁体81の着座面81Dとシート部82Aとの間に形成される開口部あるいは伸び側パイロット弁体82の着座面82Cとシート部58Cとの間に形成される開口部によって、軸方向通路30側と軸方向通路49側とが連通して流れが生じると圧力差が生じ、開口部を境に、軸方向通路30側が伸び側背圧室23と接続する伸び側パイロット室63を形成し、軸方向通路49側が縮み側背圧室38と接続する縮み側パイロット室62を形成する。
図1に示されるように、ソレノイド71は、ケース部材8、コイル74、および作動ピン72を有し、作動ピン72の外周面には、プランジャ85が結合される。可動鉄心とも称されるプランジャ85は、磁性体により略円筒形に形成される。プランジャ85には、コイル74に通電されることにより発生する磁力による推力が下方向に発生する。したがって、弁バネ59によるバネ力がバルブ開弁方向、ソレノイド推力が閉弁方向となるノーマルオープンタイプのバルブを構成する。本実施例において、ソレノイド71は、パイロット弁の移動を制御するアクチュエータを構成する。
作動ピン72は、ステータコア76に組み込まれたブッシュ90とコア84に組み込まれたブッシュ91とにより上下方向(軸方向)へ移動可能に支持される。作動ピン72の移動方向は、縮み側パイロット弁体81および伸び側パイロット弁体82の開閉弁方向に一致する。
コア84は内周面71Aと下端面71Bとを有し、内周面71Aの径(内径)は縮み側パイロット弁体81の基部81Aの径(外径)よりも小さい。縮み側パイロット弁体81は、基部81Aがソレノイド71の下端面71Bに当接されることにより、ピストンボルト5の軸孔50に対する上方向への移動が規制される。また作動ピン72には、縮み側パイロット弁体81側のパイロット弁体背圧室48Aと、その反対側の作動ピン72の作動ピン背圧室73との間を連通する連通孔72Aと、が設けられる。
つぎに本実施例の動作について説明する。緩衝器1の動作には伸び行程と縮み行程とがある。伸び行程ではピストン3が上方向に移動し、縮み行程ではピストン3が下方向に移動する。
まずコイル74への通電時の伸び行程時の動作について説明する。
図2および図5に示す伸び行程時には、ピストン3の上方向への移動に伴い、ピストン上室2Aの圧力が上昇し、ピストン上室2Aから伸び側通路15、オリフィス34A、および径方向通路33を通り、伸び側パイロット室63に至る流れが生じる(点線矢印)。この流れにより伸び側パイロット室63の圧力が上昇し、伸び側パイロット弁体82には、開弁方向(上方向)の力が作用する。また、縮み側パイロット弁体81には、着座面81Dより内側の受圧面積に伸び側パイロット室63の圧力が作用することによる開弁方向の力と、パイロット弁体背圧室48Aに伸び側パイロット室63の圧力が作用することによる閉弁方向の力が作用するが、パイロット弁体背圧室48Aによる受圧面積が、着座面81Dの内側の受圧面積よりも大きいため、閉弁方向への力が大きく着座した状態を保つ。したがって、伸び側パイロット弁体82と縮み側パイロット弁体81とは一体となって動作する。
一体となったパイロット弁体81,82には、伸び側パイロット弁体82の着座面82C内側の受圧面積に開弁方向の力が作用し、連通孔81Eを介してほぼ同圧となるパイロット弁体背圧室48Aの受圧面積に閉弁方向の力が作用することから、着座面82C内側の受圧面積とパイロット弁体背圧室48Aの受圧面積との差による圧力によって開弁方向に力が作用する。さらに作動ピン72にはソレノイド71で発生する力が閉弁方向に作用する。したがって、主として圧力による開弁方向の力と、ソレノイド71の閉弁方向の力と、弁バネ59による開弁方向の力とのつり合いにより、弁体の開弁が制御される。
この弁体の開弁に伴い、伸び側パイロット室63、縮み側パイロット室62、逆止弁47、および縮み側通路16を通って、ピストン下室2Bに至る流れが生じる。
これに基づき、伸び行程時にピストン上室2Aの圧力が上昇し、減衰力が発生する。また、伸び側パイロット室63の圧力はソレノイド71で発生する力に応じた圧力とすることができる。
また、同時に伸び側減衰弁17にも、伸び側通路15、および伸び側メインバルブ20のバルブ開口部をとおって、ピストン下室2Bに至る流れが生じる(実線矢印)。
このとき、伸び側パイロット室63は、逆止弁31を通して、伸び側背圧室23につながっており、伸び側パイロット室63の圧力が制御されることにより、伸び側メインバルブ20の開弁圧が制御されることになる。
したがって、伸び側メインバルブ20の閉弁時(ピストン速度が低速域にある時)は、伸び側パイロット弁体82の開度に応じて減衰力が発生し、伸び側メインバルブ20の開弁時(ピストン速度が高速域にある時)においては、伸び側メインバルブ20及び伸び側パイロット弁体82の両方に流れが生じることから、その両方の開度に応じて減衰力が発生する。このとき、コイル40への通電電流によって伸び側パイロット室63の制御圧力を調整でき、その結果、伸び側背圧室23の圧力が調整できることから、伸び側メインバルブ20の開弁圧力及び開度を調整することができる。
次に縮み行程時の動作について説明する。
図3および図6に示す縮み行程時には、ピストン3の下方向への移動に伴い、ピストン下室2Bの圧力が上昇し、ピストン下室2Bから縮み側通路16、オリフィス47A、および径方向通路46を通り、縮み側パイロット室62に至る流れが生じる(点線矢印)。この流れにより縮み側パイロット室62の圧力が上昇する。このとき、縮み側パイロット室62は、逆止弁43を通して、縮み側背圧室38につながっており、縮み側背圧室38の圧力が高まることで縮み側メインバルブ36には閉弁する方向に力が作用する。
縮み側パイロット弁体81には、縮み側パイロット室62の圧力により、縮み側パイロット弁体81の基部81Aと着座面81Dとの径差による受圧面積に、開弁する方向の力が作用する。伸び側パイロット弁体82には、縮み側パイロット室62の圧力により、着座面81Dと着座面82Cとの径差による受圧面積に、閉弁する方向の力が作用する。同時に、伸び側パイロット弁体82には弁バネ59による開弁方向の力が作用する。伸び側パイロット弁体82に作用する力のうち、弁バネ59による開弁方向の力が、縮み側パイロット室62の圧力による閉弁方向の力よりも大きい場合(ピストン速度が低速度域にあるとき)には、伸び側パイロット弁体82は開弁方向に力を受けるため、縮み側パイロット弁体81には伸び側パイロット弁体82の方向への力が作用していることで、縮み側パイロット弁体81と伸び側パイロット弁体82とが一体で動作し、着座面82C部で開口量が制御される。
一方、流量が増え、縮み側パイロット室62の圧力が大きくなると、伸び側パイロット弁体82に作用する力のうち、弁バネ59による開弁方向の力が、縮み側パイロット室62の圧力による閉弁方向の力よりも小さくなる。この場合には、縮み側パイロット弁体81に作用する力に関わらず、伸び側パイロット弁体82には閉弁方向に力が作用することから、着座面82C部の流路は閉じられる。
一方、ソレノイド71に通電されると、作動ピン72に発生する力を受けて、縮み側パイロット弁体81は閉弁方向の力を受ける。このとき、パイロット弁体81は、主として縮み側パイロット室62の圧力による開弁方向の力と、ソレノイド71による閉弁方向の力とが釣り合うように、着座面81D部の開口量が制御され、縮み側パイロット室62の圧力が制御される。
また、同時に縮み側メインバルブ36にも、縮み側通路16および縮み側メインバルブ36のバルブ開口部を経由し、ピストン上室2Aに至る流れが生じる(実線矢印)。
このとき、縮み側パイロット室62は、逆止弁43を通して、縮み側背圧室38につながっており、縮み側パイロット室62の圧力が制御されることにより、縮み側メインバルブ36の開弁圧が制御されることになる。
したがって、縮み側メインバルブ36の閉弁時(ピストン速度が低速域にある時)は、縮み側パイロット弁体81の開度に応じて減衰力が発生し、縮み側メインバルブ36の開弁時(ピストン速度が高速域にある時)においては、縮み側メインバルブ36および縮み側パイロット弁体81の両方に流れが生じることから、その両方の開度に応じて減衰力が発生する。このとき、コイル40への通電電流によって縮み側パイロット室62の圧力を調整でき、その結果、縮み側背圧室38の圧力を調整できることから、縮み側メインバルブ36の開弁圧力及び開度を調整することができる。
また、伸び行程から縮み行程への切換えの際、伸び側パイロット弁体82は図5に示す縮み側パイロット弁体81に当接した状態から、図6に示すシート部58Cに当接した状態に移動する。この際、伸び側パイロット弁体82に作用する弁バネ59による開弁方向の力に対して、縮み側パイロット室62の圧力による閉弁方向の力が打ち勝ってから、伸び側パイロット弁体82は動作(閉弁動作)を開始する。このことから、伸び行程から縮み行程への切換え行程では、伸び側パイロット弁体82は縮み側パイロット弁体81に当接した状態を長く保ち、縮み行程へ完全に移行したのちに、シート部58Cに移動するように動作する。これにより、伸び行程から縮み行程への切換え行程における、伸び側パイロット弁体82の安定した動作が可能となる。
次に、図7および図8を参照して、ソレノイド71のコイル74の断線、あるいはコントローラの故障等のフェイル時の作動を説明する。
フェイル時にプランジャ85の推力が失われると、弁バネ59の付勢力および伸び側パイロット室63の圧力による力により、縮み側パイロット弁体81および伸び側パイロット弁体82は一体となって上方向に押し上げられ、開弁方向へストロークする。そして、縮み側パイロット弁体81は、端面81Lがソレノイド71の下端面71Bに当接することで、軸方向に位置決めされる。当該フェイル時には、縮み側パイロット弁体81の嵌合部(拡径部)81Fがピストンボルト5の軸孔50(共通通路)の軸方向通路48に嵌合され、軸方向通路49と軸方向通路48との間が、嵌合部81Fの切欠65Aによるオリフィス65を介して連通される。
そして、フェイル時の伸び行程時には、オリフィス65を介して軸方向通路30から軸方向通路48へ流れる作動流体の流れをオリフィス65の流路面積(切欠65A形状)で調節することにより、伸び側背圧室23にオリフィス65の流路面積に応じた圧力(パイロット圧)を発生させることができる。これにより、伸び側メインバルブ20の開弁圧力を調節することが可能である。
また、フェイル時の縮み行程時には、縮み側パイロット弁体81は、縮み側パイロット室62の圧力による力で、開弁方向にストロークする。伸び側パイロット弁体82は弁バネ59の付勢力が開弁方向に、縮み側パイロット室62の圧力による力が閉弁方向に作用することから、その力の合計により、シート部58C側または縮み側パイロット弁体81側で保持される。いずれにしても縮み側パイロット弁体81は、端面81Lがソレノイド71の下端面71Bに当接することで、軸方向に位置決めされる。当該フェイル時には、縮み側パイロット弁体81の嵌合部81Fがピストンボルト5の軸孔50(共通通路)の軸方向通路48に嵌合され、軸方向通路49と軸方向通路48との間が、嵌合部81Fの切欠65Aによるオリフィス65を介して連通される。
オリフィス65を介して軸方向通路48から軸方向通路30へ流れる作動流体の流れをオリフィス65の流路面積で調節することにより、縮み側背圧室38(上流側の背圧室)にオリフィス65の流路面積に応じた圧力を発生させることができる。これにより、縮み側メインバルブ36の開弁圧力を調節することが可能である。
以上から本実施例によれば、伸び行程および縮み行程の両方で減衰力可変範囲を大きくとれる。また、伸び行程から縮み行程への移行時、またはその逆の移行時において、伸び側パイロット弁体82が振動しにくく、低騒音の緩衝器を提供することができる。さらに、フェイル時にも所望の減衰力特性を発生させることができる緩衝器を提供することができる。
[実施例2]
本発明の実施例2を図9から図12を参照して説明する。本実施例は実施例1とピストンボルト5の軸穴50内に配置される部品の構成、およびそれを駆動するソレノイド71の構成が異なる。それ以外の構成は実施例1と同じである。以下、実施例1と同様な構成には実施例1と同じ符号を付し、特に異なる構成について説明する。
ピストンボルト5の軸孔50内には、縮み側パイロット弁体81と伸び側パイロット弁体82が配置され、ピストンボルト5とともにパイロット弁を構成する。縮み側パイロット弁体81は、円筒形状で、ソレノイド71側には、円筒の径方向外側に拡径するソレノイド側バネ受け部81Jを有する。縮み側パイロット弁体81は、円筒下端の外周縁部に、テーパ状に形成された着座面81Dが形成され、伸び側パイロット弁体82に設けたシート部82Aに着座する。
縮み側パイロット弁体81は、基部(上端)側であってソレノイド側バネ受け部81Jの下側の部分に大径部81Aを有し、大径部81Aの下側の部分に小径部81Cを有する。小径部81Cの下端に至る途中には、弁バネ81Hの上端部を受けるバネ受け部81Gが設けられる。
また、縮み側パイロット弁体81には、その下端側と上端側とを連通する連通孔81Eが設けられ、連通孔81Eは縮み側パイロット弁体81のパイロット弁体背圧室48Aと軸方向通路30とを連通する。
軸方向通路48内には、縮み側パイロット弁体81の下端側に伸び側パイロット弁体82が配置される。伸び側パイロット弁体82は、円管状に形成され、内径部の上端側開口縁部には、シート部82Aが環状に形成される。シート部82Aの外周側の開口縁部には弁バネ81Hの下端部を受けるバネ受け部82Fが形成される。また、伸び側パイロット弁体82の下端側の外周縁部には、テーパ状に形成された着座面82Cが形成され、軸方向通路30に設けられたシート部58Cに着座する。
縮み側パイロット弁体81のバネ受け部81Gと伸び側パイロット弁体82のバネ受け部82Fとの間には弁バネ81Hが設けられ、弁バネ81Hは伸び側パイロット弁体82をシート部58C側に押し付ける方向に付勢する。このために弁バネ81Hは、一端部が縮み側パイロット弁体81に当接し、他端部が伸び側パイロット弁体82に当接している。弁バネ81Hは縮み側パイロット弁体81と伸び側パイロット弁体82との間に設けられるため、以下、弁体間バネ81Hと呼んで説明する。
ソレノイド71の構成について説明する。
ソレノイド71は、ケース部材8、コイル74、内部に縮み側パイロット弁体81の一部が配置されるプランジャ85、ステータコア76、およびコア84から構成される。ケース部材8の内側にコイル74が配置され、コイル74の下面側と内周面側とを覆うようにしてコア84が配置される。
コア84は鍔部84Aと鍔部84Aの内周部から上方向に向かって凸形状に形成された円筒部84Bとを有する。コア84は、円筒部84Bの径方向内側が中空であり、鍔部84Aの下面がピストンボルト5の頭部7に当接するように配置される。
可動鉄心とも称されるプランジャ85は、中心軸線が移動方向に沿うように配置された円筒部85Cと、円筒部85Cの内周下端から径方向内側(中心軸線側)に向かって突き出した突出部(底部)85Bと、を有する。プランジャ85は、鉄系の磁性体で底部85Bに穴(貫通孔)85Aを有する有底状の円筒形の部材である。プランジャ85はコア84の内径側の中空部に配置される。プランジャ85には、コイル74に通電されることで、磁力による推力が上方向に発生する。プランジャ85はコア84に対して上下方向(中心軸線方向、軸方向)へ移動可能に支持される。
プランジャ85の底部85Bは、その上面が縮み側パイロット弁体81に設けたバネ受け部81Jの下面に接触するように、配置される。バネ受け部81Jの上面側とステータコア76のバネ受け部76Aとの間には縮み側バネ81Kが配置される。縮み側バネ81Kの付勢力は弁体間バネ81Hの付勢力よりも大きくなるように設定する。縮み側バネ81Kにより縮み側パイロット弁体81に軸方向下向き(閉弁方向)に力が作用し、プランジャ85の底部への接触が維持される。また、ソレノイド71に電流が印加されない状態では、縮み側パイロット弁体81はシート部82Aに着座し、閉弁状態を維持する。また伸び側パイロット弁体82は、縮み側パイロット弁体81を介して縮み側バネ81Kによる軸方向下向き(閉弁方向)の付勢力を受け、シート部58Cに着座し、閉弁状態を維持する。すなわちバネ力が閉弁方向に、ソレノイド力が開弁方向に作用するノーマルクローズ弁を構成する。
次に本実施例の動作について説明する。
まず通電時の伸び行程時の動作について図10を用いて説明する。
伸び行程時には、ピストン3の上方向への移動に伴い、ピストン上室2Aの圧力が上昇し、ピストン上室2Aから伸び側通路15、オリフィス34A、および径方向通路33を通り、伸び側パイロット室63に至る流れが生じる(点線矢印)。伸び側パイロット室63の圧力が上昇し、伸び側パイロット弁体82には、開弁方向(上方向)の力が作用する。また、縮み側パイロット弁体81には、着座面81Dより内側の受圧面積に伸び側パイロット室63の圧力が作用することによる開弁方向に力と、パイロット弁体背圧室48Aに伸び側パイロット室63の圧力が作用することによる閉弁方向の力が作用するが、パイロット弁体背圧室48Aによる受圧面積が、着座面81Dの内側の受圧面積よりも大きいため、閉弁方向への力が大きく作用する。さらに、縮み側バネ81Kによる閉弁方向の力を、弁体間バネ81Hよりも大きく設定することでバネ力に関しても閉弁方向に作用する。したがって、縮み側パイロット弁体81はシート部82Aに着座した状態を保持する。したがって、伸び側パイロット弁体82と縮み側パイロット弁体81とは一体となって動作する。
一体となったパイロット弁体81,82には、伸び側パイロット弁体82の着座面82C内側の受圧面積に開弁方向の力が作用し、連通孔81Eを介してほぼ同圧となるパイロット弁体背圧室48Aの受圧面積に閉弁方向の力が作用することから、着座面82C内側の受圧面積とパイロット弁体背圧室48Aの受圧面積との差分による圧力によって開弁方向に力が作用する。さらにプランジャ85は、ソレノイド71が発生する開弁方向の力を受けて、底部85Bを介して縮み側パイロット弁体81に開弁方向の力を作用させる。したがって、主として圧力による開弁方向の力と、ソレノイド71の開弁方向の力と、バネによる閉弁方向の力とのつり合いにより、弁体の開弁(伸び側パイロット室63の圧力)が制御される。
同様に、縮み行程時の動作を、図11を用いて説明する。
縮み行程時には、ピストン3の下方向への移動に伴い、ピストン下室2Bの圧力が上昇し、ピストン下室2Bから縮み側通路16、オリフィス47A、および径方向通路46を通り、縮み側パイロット室62に至る流れが生じる(点線矢印)。この流れにより縮み側パイロット室62の圧力が上昇する。このとき、縮み側パイロット室62は、逆止弁43を通して、縮み側背圧室38につながっており、縮み側背圧室38の圧力が高まることで縮み側メインバルブ36には閉弁する方向に力が作用する。
縮み側パイロット弁体81には、縮み側パイロット室62の圧力により、縮み側パイロット弁体81の背圧室48A側の径とシート部82Aとの径との差による受圧面積に、開弁する方向の力が作用する。さらに縮み側パイロット弁体81には、縮み側バネ81Kと弁体間バネ81Hとによる力が作用するが、縮み側バネ81Kのほうの力が大きいため、閉弁方向に力が作用する。
また、伸び側パイロット弁体82には、縮み側パイロット室62の圧力により、シート部82Aと着座面82Cとの径差による受圧面積に、閉弁方向の力が作用する。さらに伸び側パイロット弁体82には、弁体間バネ81Hによっても閉弁方向に力が作用する。すなわち伸び側パイロット弁体82は常に閉弁状態を保持する。縮み側パイロット弁体81は、プランジャ85がソレノイド71で発生する力を受けることにより、プランジャ85の底部を介して、開弁方向の力を受ける。したがって、主として圧力による開弁方向の力と、ソレノイド71の開弁方向の力と、バネによる閉弁方向の力とのつり合いにより、弁体の開弁(縮み側パイロット室62の圧力)が制御される。
また伸び行程から縮み行程への切換え時においては、伸び側パイロット弁体82が移動することになるが、実施例1と同様に、弁体間バネ81Hにより、振動的な動作が抑えられ、騒音発生が抑えられる。
ソレノイド71のコイル74の断線、あるいはコントローラの故障等のフェイル時においては、縮み側バネ81Kおよび弁体間バネ81Hに応じた、縮み側パイロット弁体81や伸び側パイロット弁体82の開弁圧となり、したがってバネ力に応じた減衰力を発生することが可能となる。
本実施例では、ノーマルクローズ弁タイプで、伸び行程および縮み行程の両方で減衰力可変範囲を大きくとれる。またかつ伸び行程から縮み行程への移行時、またはその逆の移行時において、伸び側パイロット弁体82が振動しにくく、低騒音の緩衝器1を提供することができる。
なお図12に示すように、弁バネ(弁体間バネ)81Hに代えて、ピストンボルト5と伸び側パイロット弁体82との間に、弁バネ82Hを配置してもよい。弁バネ82Hは、一端部がピストンボルト5に支持され、他端部が伸び側パイロット弁体82に当接する構成である。このため、伸び側バネ82Hは伸び側パイロット弁体82に閉弁方向の付勢力を作用させ、縮み側パイロット弁体81には付勢力を作用させない構成である。このような構成から、弁バネ82Hは伸び側バネ82Hと呼ぶ場合もある。
弁バネとして伸び側バネ82Hを用いた構成では、伸び側バネ82Hのバネ力は、伸び側パイロット弁体82の付勢力に特化して設定することができ、設計の自由度を増すことが可能となる。
また、弁体間バネ81Hおよび伸び側バネ82Hは、伸び側パイロット弁体82に対して縮み側パイロット弁体81側に配置される際に、縮み側パイロット弁体81の径方向外側に配置されることで、弁体間バネ81Hおよび伸び側バネ82Hを小さなスペースに配置することができる。
各実施例において、弁バネ59,81H,82Hは、伸び側パイロット弁体(第二弁体)82を開閉弁方向の一方向に付勢し、伸び側パイロット弁体82を安定した状態に維持する。これにより緩衝器1は、伸び側パイロット弁体82が振動しにくく、低騒音を実現できる。
特許文献1の油圧緩衝器では、第二弁体は第一弁体内に挿入されて動作する構成であり、応答性や耐久性の向上において課題を有する。本発明に係る各実施例の緩衝器1では、伸び側パイロット弁体82は直径に対して中心軸線方向(開閉弁方向)の寸法(厚み寸法)が小さい円管状(円環状)に形成され、且つ内径部の上端側開口縁部にシート部82Aが形成され、このシート部82Aに縮み側パイロット弁体81の着座面81Dが当接する構成である。このため、縮み側パイロット弁体81は伸び側パイロット弁体82の内側に挿入されて動作する構成ではなく、応答性や耐久性の向上において有利である。
なお、本発明は上記した各実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1…緩衝器、2…シリンダ、2A…シリンダ上室(第一室)、2B…シリンダ下室(第二室)、3…ピストン、5…ピストンボルト(通路形成部材、パイロット弁収容部材)、9…ピストンロッド、15…伸び側通路(第一通路)、16…縮み側通路(第二通路)、20…伸び側メインバルブ(第一メインバルブ)、23…伸び側背圧室(第一背圧室)、28…伸び側背圧導入弁(第一背圧導入弁)、29…径方向通路(共通通路)、30…軸方向通路(共通通路、大径軸方向通路部)、36…縮み側メインバルブ(第二メインバルブ)、38…縮み側背圧室(第二背圧室)、43…縮み側背圧導入弁(第二背圧導入弁)、44…径方向通路(共通通路)、48…軸方向通路(共通通路、小径軸方向通路部)、49…軸方向通路(共通通路、大径軸方向通路部)、58C…伸び側パイロット弁体82のシート部(第二弁座)、59…弁バネ、65A…切欠(オリフィス)、71…ソレノイド(アクチュエータ)、81…縮み側パイロット弁体(第一弁体)、81F…縮み側パイロット弁体81の嵌合部(拡径部)、81H…弁体間バネ(弁バネ)、82…伸び側パイロット弁体(第二弁体)、82A…縮み側パイロット弁体81のシート部(第一弁座)、82H…伸び側バネ(弁バネ)。

Claims (7)

  1. 作動流体が封入されるシリンダと、
    前記シリンダの内側に摺動可能に嵌装され、前記シリンダの内側を第一室と第二室とに分けるピストンと、
    一端が前記ピストンに連結されて他端が前記シリンダから外部へ延出するピストンロッドと、
    前記ピストンに設けられ、前記第一室の容積が減少する行程において、前記第一室の作動流体を前記第二室に流す第一通路と、
    前記ピストンに設けられ、前記第二室の容積が減少する行程において、前記第二室の作動流体を前記第一室に流す第二通路と、
    前記第一通路を開閉する第一メインバルブと、
    前記第一メインバルブの開弁圧力を調整する第一背圧室と、
    前記第二通路を開閉する第二メインバルブと、
    前記第二メインバルブの開弁圧力を調整する第二背圧室と、
    前記第一背圧室と前記第二背圧室とを連通する共通通路と、
    前記共通通路の内側に配置され、前記共通通路の前記作動流体の流れを制御するパイロット弁と、
    前記パイロット弁の移動を制御するアクチュエータと、
    を備え、
    前記パイロット弁は、
    前記共通通路の内側を移動可能に設けられる第一弁体と、
    前記第一弁体が着座する第一弁座が設けられ、前記共通通路の内側を移動可能に設けられる第二弁体と、
    前記第二弁体が着座する第二弁座と、
    前記第二弁体を前記第一弁体または前記第二弁座に向けて付勢する弁バネと、
    を有し、
    前記第一弁体は、前記アクチュエータにより前記第一弁座に向けて付勢される緩衝器。
  2. 請求項1に記載の緩衝器において、
    前記共通通路を構成する通路構成部材を備え、
    前記弁バネは、前記第二弁体に対して前記第一弁体とは反対側であって、前記通路構成部材と前記第二弁体との間に設けられ、前記第二弁体を前記第一弁体に向けて付勢する緩衝器。
  3. 請求項2に記載の緩衝器において、
    前記第二弁体は、直径に対して中心軸線方向の厚み寸法が小さい円環状を成し、
    前記第一弁座は、前記第二弁体の中心軸線方向における前記第一弁体の側の端面に形成されている緩衝器。
  4. 請求項3に記載の緩衝器において、
    前記弁バネは、前記第二弁体の前記端面とは反対側の端面側に当接している緩衝器。
  5. 請求項4に記載の緩衝器において、
    前記共通通路は、前記パイロット弁が配置される軸方向通路と、前記軸方向通路と前記第一背圧室とを第一背圧導入弁を介して連通する第一径方向通路と、前記軸方向通路と前記第二背圧室とを第二背圧導入弁を介して連通する第二径方向通路と、を備え、
    前記軸方向通路は、前記第二弁体が配置される大径軸方向通路部と、前記大径軸方向通路部に対して前記第二弁座よりも前記第一弁体が配置される側に設けられ前記大径軸方向通路部よりも径の小さい小径軸方向通路部と、を有し、
    第二径方向通路は前記小径軸方向通路部に設けられ、
    前記第一弁体は、前記中心軸線方向の途中にオリフィスが形成された拡径部を有し、
    前記アクチュエータによる付勢力が無い状態では、前記第一弁体の前記拡径部は前記小径軸方向通路部に嵌合される緩衝器。
  6. 請求項1に記載の緩衝器において、
    前記弁バネは、前記第一弁体と前記第二弁体との間に設けられ、前記第二弁体を前記第二弁座に向けて付勢する緩衝器。
  7. 請求項1に記載の緩衝器において、
    前記共通通路を構成する通路構成部材を備え、
    前記弁バネは、前記第二弁体に対して前記第一弁体と同じ側であって、前記通路構成部材と前記第二弁体との間に設けられ、前記第二弁体を前記第二弁座に向けて付勢する緩衝器。
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