JP2008008471A - 減衰力調整式油圧緩衝器 - Google Patents
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Abstract
【課題】減衰力調整式油圧緩衝器において、ピストンロッドのストローク方向が切換る際の減衰力の応答遅れを防止する。
【解決手段】ピストンロッド6の伸び行程時には、シリンダ上室2Aからリザーバ4への油液の流れを伸び側減衰力調整機構30で制御して減衰力を発生させる。このとき、伸び側逆止弁62によってリザーバ4からシリンダ下室2Bへ抵抗なく油液を流すので、縮み行程に切換ったとき、シリンダ下室2Bの圧力が迅速に上昇して応答遅れがない。ピストンロッド6の縮み行程時には、シリンダ下室2Bからリザーバ4への油液の流れを縮み側減衰力調整機構31で制御して減衰力を発生さる。このとき、縮み側逆止弁57によってリザーバ4からシリンダ上室2Aへ抵抗なく油液を流すので、伸び行程に切換ったとき、シリンダ上室2Aの圧力が迅速に上昇して応答遅れがない。
【選択図】図1
【解決手段】ピストンロッド6の伸び行程時には、シリンダ上室2Aからリザーバ4への油液の流れを伸び側減衰力調整機構30で制御して減衰力を発生させる。このとき、伸び側逆止弁62によってリザーバ4からシリンダ下室2Bへ抵抗なく油液を流すので、縮み行程に切換ったとき、シリンダ下室2Bの圧力が迅速に上昇して応答遅れがない。ピストンロッド6の縮み行程時には、シリンダ下室2Bからリザーバ4への油液の流れを縮み側減衰力調整機構31で制御して減衰力を発生さる。このとき、縮み側逆止弁57によってリザーバ4からシリンダ上室2Aへ抵抗なく油液を流すので、伸び行程に切換ったとき、シリンダ上室2Aの圧力が迅速に上昇して応答遅れがない。
【選択図】図1
Description
本発明は、本発明は、自動車等の車両の懸架装置に装着される減衰力調整式油圧緩衝器に関するものである。
一般的に、自動車等の車両の懸架装置では、ばね上、ばね下間に筒型の油圧緩衝器を装着して、ばね上、ばね下間の振動を減衰することによって走行安定性および乗り心地を向上させるようにしている。筒型の油圧緩衝器は、油液を封入したシリンダ内にピストンロッドを連結したピストンを摺動可能に嵌装し、ピストンの摺動によって油液が流通する通路に、オリフィス及びディスクバルブ等からなる減衰力発生機構を設けた構造となっている。これにより、ピストンロッドのストロークに伴うシリンダ内のピストンの摺動によって油路に生じる油液の流れを減衰力発生機構によって制御してピストン速度に応じた減衰力を発生させる。なお、シリンダには、油液及びガスが封入されたリザーバが接続され、又は、フリーピストンによってシリンダの一部にガス室が形成されており、ピストンロッドの侵入、退出によるシリンダ内の容積変化をガスの圧縮、膨張によって補償している。
また、油圧緩衝器として、例えば特許文献1に記載されているように、減衰力発生機構に可変オリフィス、可変圧力制御弁等を設け、その流路面積、開弁圧力等を変化させることによって減衰力特性を適宜調整可能とした減衰力調整式油圧緩衝器が知られている。減衰力調整式油圧緩衝器を用いて、路面状態、走行状態等に応じて適宜減衰力特性を調整することにより、乗り心及び操縦安定性を向上させることができる。
特開2001−41272号公報
しかしながら、上記従来の油圧緩衝器では、次のような問題がある。ピストンによって一方のシリンダ室が加圧されているとき、他方のシリンダ室は、加圧されているシリンダ室よりも低圧になっている。このため、ピストンロッドのストローク方向(伸縮方向)が切換った直後には、シリンダ室の圧力が充分に上昇せず、所期の減衰力を発生させることができない。このように、ピストンロッドのストローク方向が切換る際に、減衰力の応答遅れが生じて、充分な制振効果が得られないため、乗り心地及び操縦安定性が低下する。特に、減衰力調整式油圧緩衝器では、高い減衰力特性が設定されるため、シリンダ室間の圧力差が大きくなるので、ストローク方向が切換る際の減衰力の応答遅れが大きくなりやすく問題となる。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、ピストンロッドのストローク方向が切換る際の減衰力の応答遅れを防止するようにした減衰力調整式油圧緩衝器を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1の発明に係る減衰力調整式油圧緩衝器は、油液が封入されたシリンダと、前記シリンダ内に摺動可能に嵌装されて該シリンダ内を第1シリンダ室と第2シリンダ室との2室に画成するピストンと、一端が前記ピストンに連結され、他端が前記シリンダの外部へ延出されたピストンロッドと、油液が封入されたリザーバと、前記第1シリンダ室と前記リザーバとを接続し前記第1シリンダ室から前記リザーバへの油液の流れを制御して減衰力を発生させると共にその減衰力を調整可能とした第1減衰力調整機構と、前記第2シリンダ室と前記リザーバとを接続し前記第2シリンダ室から前記リザーバへの油液の流れを制御して減衰力を発生させると共にその減衰力を調整可能とした第2減衰力調整機構と、前記第2減衰力調整機構をバイパスして前記リザーバから前記第2シリンダ室への油液の流れのみを許容する第1逆止弁と、前記第1減衰力調整機構をバイパスして前記リザーバから前記第1シリンダ室への油液の流れのみを許容する第2逆止弁とを備えていることを特徴とする。
請求項2の発明に係る減衰力調整式油圧緩衝器は、上記請求項1の構成において、前記第1減衰力調整機構及び前記第2減衰力調整機構は、油液の流れを制御するメインバルブに背圧を作用させて、該背圧を調整することによって前記メインバルブの開弁圧力を調整するようになっていることを特徴とする。
請求項2の発明に係る減衰力調整式油圧緩衝器は、上記請求項1の構成において、前記第1減衰力調整機構及び前記第2減衰力調整機構は、油液の流れを制御するメインバルブに背圧を作用させて、該背圧を調整することによって前記メインバルブの開弁圧力を調整するようになっていることを特徴とする。
請求項1の発明に係る減衰力調整式油圧緩衝器によれば、ピストンロッドのストロークによって第1シリンダ室が加圧されたとき、第1シリンダ室からリザーバへの油液の流れを第1減衰力調整機構によって制御して減衰力を発生させ、このとき、第1逆止弁によって第2減衰力調整機構をバイパスしてリザーバから第2シリンダ室へ抵抗なく油液を流すので、ピストンロッドのストローク方向が切換ってピストンによって第2シリンダ室が加圧されたとき、第2シリンダ室の圧力を迅速に上昇させることができる。また、ピストンロッドのストロークによって第2シリンダ室が加圧されたとき、第2シリンダ室からリザーバへの油液の流れを第2減衰力調整機構によって制御して減衰力を発生させ、このとき、第2逆止弁によって第1減衰力調整機構をバイパスしてリザーバから第1シリンダ室へ抵抗なく油液を流すので、ピストンロッドのストローク方向が切換ってピストンによって第1シリンダ室が加圧されたとき、第1シリンダ室の圧力を迅速に上昇させることができる。これにより、ピストンロッドのストローク方向が切換る際の減衰力の応答遅れを防止することができる。
請求2の発明に係る減衰力調整式油圧緩衝器によれば、背圧によってメインバルブの開弁圧力を調整することにより、減衰力の調整範囲を広くすることができる。
請求2の発明に係る減衰力調整式油圧緩衝器によれば、背圧によってメインバルブの開弁圧力を調整することにより、減衰力の調整範囲を広くすることができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る減衰力調整式油圧緩衝器1は、有底円筒状のシリンダ2の外側に外筒3が設けられた二重筒構造になっており、シリンダ2と外筒3との間にリザーバ4が形成されている。シリンダ2内には、ピストン5が摺動可能に嵌装されており、このピストン5によってシリンダ2内がシリンダ上室2A(第1シリンダ室)とシリンダ下室2B(第2シリンダ室)との2室に画成されている。ピストン5には、ピストンロッド6の一端がナット7によって連結されており、ピストンロッド6の他端側は、シリンダ上室2Aを通り、シリンダ2及び外筒3の上端部に装着されたロッドガイド8およびオイルシール9に挿通されてシリンダ2の外部へ延出されている。そして、シリンダ2内には油液が封入され、リザーバ4内には油液及びガスが封入されている。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る減衰力調整式油圧緩衝器1は、有底円筒状のシリンダ2の外側に外筒3が設けられた二重筒構造になっており、シリンダ2と外筒3との間にリザーバ4が形成されている。シリンダ2内には、ピストン5が摺動可能に嵌装されており、このピストン5によってシリンダ2内がシリンダ上室2A(第1シリンダ室)とシリンダ下室2B(第2シリンダ室)との2室に画成されている。ピストン5には、ピストンロッド6の一端がナット7によって連結されており、ピストンロッド6の他端側は、シリンダ上室2Aを通り、シリンダ2及び外筒3の上端部に装着されたロッドガイド8およびオイルシール9に挿通されてシリンダ2の外部へ延出されている。そして、シリンダ2内には油液が封入され、リザーバ4内には油液及びガスが封入されている。
ピストン5には、シリンダ上下室2A、2B間を連通させる伸び側油路10及び縮み側油路11が設けられている。伸び側油路10には、シリンダ上室2Aの圧力が過度に上昇したとき、その圧力をシリンダ下室2Bへリリーフする伸び側リリーフ弁12が設けられている。縮み側油路11には、シリンダ下室2Bの圧力が過度に上昇したとき、その圧力をシリンダ上室2Aへリリーフする縮み側リリーフ弁13が設けられている。
シリンダ2の外周部には、その両端部及び中間部に配置された3つのシール14、15、16を介して円筒状のチューブ17が外嵌されており、シリンダ2とチューブ17との間に2つの環状油路18、19が形成されている。環状油路18は、シリンダ2の上端付近の側壁に設けられた油路20によってシリンダ上室2Aに連通され、環状油路19は、シリンダ2の下端部付近の側壁に設けられた油路21によってシリンダ下室2Bに連通されている。
外筒3の側面部には、減衰力調整機構22が取付けられている。減衰力調整機構22は、略有底円筒状のケース23を有しており、ケース23の側壁には、シリンダ上室ポート24、シリンダ下室ポート25及びリザーバポート26が設けられている。これらのシリンダ上室ポート24、シリンダ下室ポート25及びリザーバポート26は、それぞれ接続管27、28、29によって環状油路18、19及びリザーバ4に接続されている。
次に、減衰力調整機構22について、主に図2を参照して説明する。
図2に示すように、減衰力調整機構22は、ケース23内に、シリンダ上室ポート24からリザーバポート26への油液の流れを制御して減衰力を発生させる伸び側減衰力調整機構30(第1減衰力調整機構)と、シリンダ下室ポート25からリザーバポート26への油液の流れを制御して減衰力を発生させる縮み側減衰力調整機構31(第2減衰力調整機構)とが収容され、ケース23の開口部に比例ソレノイドアクチュエータ32が液密的に取付けられてケース23内を密封する構造となっている。
図2に示すように、減衰力調整機構22は、ケース23内に、シリンダ上室ポート24からリザーバポート26への油液の流れを制御して減衰力を発生させる伸び側減衰力調整機構30(第1減衰力調整機構)と、シリンダ下室ポート25からリザーバポート26への油液の流れを制御して減衰力を発生させる縮み側減衰力調整機構31(第2減衰力調整機構)とが収容され、ケース23の開口部に比例ソレノイドアクチュエータ32が液密的に取付けられてケース23内を密封する構造となっている。
伸び側減衰力調整機構30は、比例ソレノイド32に取付けられた円筒状のスリーブ33にナット34によって取付けられたシート部材35及び固定部材36を含んでいる。シート部材35には、シリンダ上室ポート24とリザーバポート26とを連通させる伸び側油路37及び伸び側油路37の油液の流れを制御して減衰力を発生させるメインバルブ38(ディスクバルブ)が設けられている。固定部材36には、メインバルブ38によって背圧室39が形成されており、背圧室39の内圧(背圧)をメインバルブ38の背面側に作用させることによってメインバルブ38の開弁圧力を調整する。背圧室39は、メインバルブ38に設けられた固定オリフィス40を介して伸び側油路37に連通され、また、スリーブ33に設けられたポート41、42及び固定部材36に設けられた油路43を介してリザーバポート26に連通されている。スリーブ33内には、ポート41の流路面積を調整するスプール44が挿入されており、スプール44は、比例ソレノイドアクチュエータ32の作動ロッド45に連結されている。
縮み側減衰力調整機構31は、スリーブ33にナット34によって取付けられたシート部材46及び伸び側減衰力発生機構と共用の固定部材36を含んでいる。シート部材46には、シリンダ下室ポート25とリザーバポート26とを連通させる縮み側油路47及び縮み側油路47の油液の流れを制御して減衰力を発生させるメインバルブ48(ディスクバルブ)が設けられている。固定部材36には、メインバルブ48によって背圧室49が形成されており、背圧室49の内圧(背圧)をメインバルブ48の背面側に作用させることによってメインバルブ48の開弁圧力を調整する。背圧室49は、メインバルブ48に設けられた固定オリフィス50を介して縮み側油路47に連通され、また、スリーブ33に設けられたポート51並びに伸び側減衰力調整機構30と共用のポート42及び油路43を介してリザーバポート26に連通されている。そして、伸び側減衰力調整機構30と共用のスプール44によってポート51の流路面積を調整する。
伸び側減衰力調整機構30のポート41及び縮み側減衰力調整機構31のポート51の流路面積は、スプール44の移動によって、一方が小さくなると他方が大きくなり、一方が大きくなると他方が小さくなるように設定されている。
比例ソレノイドアクチュエータ32は、リード線52を介してコイル53へ通電することによってプランジャ54に推力を発生させて、作動ロッド45によって戻しばね55、56のばね力に抗してスプール44を移動させることができ、コイル53への通電電流に応じてポート41、51の流路面積を調整することができるようになっている。
減衰力調整機構22には、シート部材35に伸び側減衰力調整機構30をバイパスしてリザーバポート26からシリンダ上室ポート24への油液の流れのみを許容するための縮み側逆止弁57(第2逆止弁)が設けられている。縮み側逆止弁57は、スリーブ33に設けられたポート58と、スプール44に設けられた軸方向油路59及び径方向油路60、61とを介してポート42に接続されており、更に、固定部材36の油路43を介してリザーバポート26に接続されている。
また、減衰力調整機構22には、シート部材46に縮み側減衰力調整機構31をバイパスしてリザーバポート26からシリンダ下室ポート25への油液の流れのみを許容するための伸び側逆止弁62(第1逆止弁)が設けられている。伸び側逆止弁62は、スリーブ33に設けられたポート63と、スプール44に設けられた軸方向油路59及び径方向油路61、64とを介してポート42に接続されており、更に、固定部材36の油路43を介してリザーバポート26に接続されている。
このように構成した減衰力調整式油圧緩衝器1の概略構成を示す油圧回路を図3に示す。図3において、図1及び図2に示す各部に対応する部分には、これと同一の符号を付してある。
以上のように構成した本実施形態の作用について次に説明する。
ピストンロッド6の伸び行程時には、ピストン5の移動によってシリンダ上室2A側の油液が加圧され、油路20、環状油路18、接続管27を通って減衰力調整機構22のシリンダ上室ポート24へ流入し、伸び側減衰力調整機構30を通ってリザーバポート26へ流れ、更に、接続管29を通ってリザーバ4へ流入して、伸び側減衰力調整機構30によって減衰力が発生する。また、リザーバ4側の油液が接続管29、固定部材36の油路43、スリーブ33のポート42、スプール44の径方向ポート61、軸方向ポート59及び径方向ポート64を通り、伸び側逆止弁62を開き、更に、シリンダ下室ポート25、接続管28、環状油路19及び油路21を通ってシリンダ下室2Bへ流れる。
ピストンロッド6の伸び行程時には、ピストン5の移動によってシリンダ上室2A側の油液が加圧され、油路20、環状油路18、接続管27を通って減衰力調整機構22のシリンダ上室ポート24へ流入し、伸び側減衰力調整機構30を通ってリザーバポート26へ流れ、更に、接続管29を通ってリザーバ4へ流入して、伸び側減衰力調整機構30によって減衰力が発生する。また、リザーバ4側の油液が接続管29、固定部材36の油路43、スリーブ33のポート42、スプール44の径方向ポート61、軸方向ポート59及び径方向ポート64を通り、伸び側逆止弁62を開き、更に、シリンダ下室ポート25、接続管28、環状油路19及び油路21を通ってシリンダ下室2Bへ流れる。
このとき、伸び側減衰力調整機構30では、メインバルブ38の開弁前(ピストン速度低速域)には、固定オリフィス40及びポート41の流路面積によってオリフィス特性の減衰力が発生し、シリンダ上室2A側の圧力がメインバルブ38の開弁圧力に達すると(ピストン速度高速域)、メインバルブ38が開弁して油液が伸び側油路37からリザーバポート26へ直接流れ、その開度に応じてバルブ特性の減衰力が発生する。そして、比例ソレノイドアクチュエータ32のコイル53へ通電してスプール44を移動させ、ポート41の流路面積を調整することにより、オリフィス特性を直接調整すると共に、ポート41の上流側の背圧室39の圧力を変化させることができ、メインバルブ38の開弁圧力(バルブ特性)を調整することができる。
ピストンロッド6の縮み行程時には、ピストン5の移動によってシリンダ下室2B側の油液が加圧され、油路21、環状油路19、接続管28を通って減衰力調整機構22のシリンダ下室ポート25へ流入し、縮み側減衰力調整機構31を通ってリザーバポート26へ流れ、更に、接続管29を通ってリザーバ4へ流入して、縮み側減衰力調整機構31によって減衰力が発生する。また、リザーバ4側の油液が接続管29、固定部材36の油路43、スリーブ33のポート42、スプール44の径方向ポート61、軸方向ポート59及び径方向ポート60を通り、縮み側逆止弁57を開き、更に、シリンダ上室ポート24、接続管27、環状油路18及び油路20を通ってシリンダ上室2Aへ流れる。
このとき、縮み側減衰力調整機構31では、メインバルブ48の開弁前(ピストン速度低速域)には、固定オリフィス50及びポート51の流路面積によってオリフィス特性の減衰力が発生し、シリンダ下室2B側の圧力がメインバルブ48の開弁圧力に達すると(ピストン速度高速域)、メインバルブ48が開弁して、その開度に応じてバルブ特性の減衰力が発生する。そして、比例ソレノイドアクチュエータ32のコイル53へ通電してスプール44を移動させ、ポート51の流路面積を調整することにより、オリフィス特性を直接調整すると共に、ポート51の上流側の背圧室49の圧力を変化させることができ、メインバルブ48の開弁圧力(バルブ特性)を調整することができる。
ここで、伸び側減衰力調整機構30のポート41及び縮み側減衰力調整機構31のポート51の流路面積は、スプール44の移動によって、一方が小さくなると他方が大きくなり、一方が大きくなると他方が小さくなるように設定されているので、比例ソレノイドアクチュエータ32によってスプール44を移動させることにより、伸び側および縮み側の減衰力を同時に調整することができ、伸び側および縮み側の減衰力を一方がハードのとき他方をソフトに、また、一方がソフトのとき他方をハードに調整することができ、いわゆるセミアクティブダンパ制御に適した反転特性の減衰力を得ることができる。
上述のピストンロッド6の伸び行程時には、伸び側逆止弁62が開くことにより、油液がリザーバ4からシリンダ下室2Bへ殆ど抵抗なく流れるので、シリンダ下室2Bはリザーバ4のガスの圧力によって充分に加圧されている。その結果、ピストンロッド6のストロークが伸び行程から縮み行程へ切換ったとき、シリンダ下室2Bの圧力が即座に上昇するので、縮み側の減衰力を迅速に立ち上げることができ、減衰力の応答遅れを防止することができる。
同様に、ピストンロッド6の縮み行程時には、縮み側逆止弁57が開くことにより、油液がリザーバ4からシリンダ上室2Aへ殆ど抵抗なく流れるので、シリンダ上室2Aはリザーバ4のガスの圧力によって充分に加圧されている。その結果、ピストンロッド6のストロークが縮み行程から伸び行程へ切換ったとき、シリンダ上室2Aの圧力が即座に上昇するので、伸び側の減衰力を迅速に立ち上げることができ、減衰力の応答遅れを防止することができる。
なお、上記実施形態では、一例としてリザーバ4を外筒3とシリンダ2との間に形成した場合について説明しているが、本発明は、これに限らず、リザーバを他の場所に配置してもよい。この場合、リザーバは、油液とガスとをフリーピストン、ブラダ等によって隔離したものとすることもでき、あるいは、ガスを封入せず、油液の隔壁をばね等の付勢手段によって付勢して加圧するものとしてもよい。また、減衰力調整機構をピストン部に設け、リザーバをピストンロッドの内部に配置し、又は、ピストンロッドの内部を介してリザーバを接続する構造とすることもできる。
1 減衰力調整式油圧緩衝器、2 シリンダ、4 リザーバ、5 ピストン、6 ピストンロッド、30 伸び側減衰力調整機構、31 縮み側減衰力調整機構、57 縮み側逆止弁(第2逆止弁)、62 伸び側逆止弁(第1逆止弁)
Claims (2)
- 油液が封入されたシリンダと、前記シリンダ内に摺動可能に嵌装されて該シリンダ内を第1シリンダ室と第2シリンダ室との2室に画成するピストンと、一端が前記ピストンに連結され、他端が前記シリンダの外部へ延出されたピストンロッドと、油液が封入されたリザーバと、前記第1シリンダ室と前記リザーバとを接続し前記第1シリンダ室から前記リザーバへの油液の流れを制御して減衰力を発生させると共にその減衰力を調整可能とした第1減衰力調整機構と、前記第2シリンダ室と前記リザーバとを接続し前記第2シリンダ室から前記リザーバへの油液の流れを制御して減衰力を発生させると共にその減衰力を調整可能とした第2減衰力調整機構と、前記第2減衰力調整機構をバイパスして前記リザーバから前記第2シリンダ室への油液の流れのみを許容する第1逆止弁と、前記第1減衰力調整機構をバイパスして前記リザーバから前記第1シリンダ室への油液の流れのみを許容する第2逆止弁とを備えていることを特徴とする減衰力調整式油圧緩衝器。
- 前記第1減衰力調整機構及び前記第2減衰力調整機構は、油液の流れを制御するメインバルブに背圧を作用させて、該背圧を調整することによって前記メインバルブの開弁圧力を調整するようになっていることを特徴とする請求項1に記載の減衰力調整式油圧緩衝器。
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