JP4096153B2 - 減衰力調整式油圧緩衝器 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、自動車等の車両の懸架装置に装着される減衰力調整式油圧緩衝器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の車両の懸架装置に装着される油圧緩衝器には、路面状態、走行状態等に応じて、乗り心地や操縦安定性を向上させるために、減衰力特性を適宜調整できるようにした減衰力調整式油圧緩衝器がある。
【0003】
減衰力調整式油圧緩衝器は、一般に、油液を封入したシリンダ内にピストンロッドを連結したピストンを摺動可能に嵌装してシリンダ内を2室に画成し、ピストン部にシリンダ内の2室を連通させる主油液通路およびバイパス通路を設け、主油液通路にはオリフィスおよびディスクバルブ等からなる減衰力発生機構を設け、バイパス通路にはその通路面積を調整する減衰力調整弁を設けた構成となっている。
【0004】
この構成により、減衰力調整弁によってバイパス通路を開いてシリンダ内の2室間の油液の流通抵抗を小さくすることにより減衰力を小さくし、また、バイパス通路を閉じて2室間の流通抵抗を大きくすることにより減衰力を大きくすることができ、減衰力特性を適宜調整することができる。
【0005】
しかしながら、上記のようにバイパス通路の通路面積のみによって減衰力を調整するものでは、ピストン速度の低速域においては、減衰力は油液通路のオリフィスの絞りに依存するので、減衰力特性を大きく変化させることができるが、ピストン速度の中高速域においては、減衰力が主油液通路の減衰力発生機構(ディスクバルブ等)の開度に依存するため、減衰力特性を大きく変化させることができない。
【0006】
そこで、例えば特開平7-332425号公報に記載されているように、伸び側および縮み側共通の主油液通路の減衰力発生機構として、ディスクバルブの背部に背圧室(パイロット室)を形成し、この背圧室を固定オリフィスを介してディスクバルブの上流側のシリンダ室に連通させ、また、パイロット制御弁を介してディスクバルブの下流側のシリンダ室に連通させてパイロット型減衰力調整弁としたものが提案されている。
【0007】
この減衰力調整式油圧緩衝器によれば、パイロット制御弁を開閉することにより、シリンダ内の2室間の連通路面積を直接調整するとともに、流量制御弁で生じる圧力損失によって背圧室の圧力を変化させてディスクバルブの開弁圧力を変化させることができる。このようにして、オリフィス特性(減衰力がピストン速度の2乗にほぼ比例する)およびバルブ特性(減衰力がピストン速度にほぼ比例する)を調整することができ、減衰力特性の調整範囲を広くすることができる。
【0008】
車両のサスペンション制御装置において、走行状況を各種センサによって検出し、コントローラ(ECU)によって走行状態に応じて、各車輪の減衰力調整式油圧緩衝器の減衰力を適宜調整することにより、車体の姿勢制御、振動制御を行うセミアクティブダンパ制御が知られている。例えば、いわゆるスカイフック理論に基づくセミアクティブダンパ制御によれば、路面の凹凸に応じて油圧緩衝器の減衰力が車体に対して加振状態にあるか制振状態にあるかを判断し、加振状態では減衰力をソフト側に、制振状態ではハード側に切換えることにより、車体を常にフラットな状態に安定させることができる。
【0009】
スカイフック理論に基づくセミアクティブダンパ制御においては、伸び側と縮み側とで反対の特性(伸び側がソフトで縮み側がハード、または、伸び側がハードで縮み側がソフト)の減衰力を発生させるようにした伸び側/縮み側反転特性を有する減衰力調整式油圧緩衝器を用いることにより、減衰力の切換え頻度を少なくすることができ、コントローラの負担を軽減し、応答遅れを防止することができることが知られている。
【0010】
そこで、本出願人は、特開2001-90768号において、ピストンロッドの伸び行程時に油液を流通させる伸び側通路および縮み行程時に油液を流通させる縮み側通路のそれぞれにパイロット型減衰力調整弁を設け、伸び側/縮み側反転特性を有するパイロット型減衰力調整式油圧緩衝器を提案している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報記載の伸び側/縮み側反転特性を有するパイロット型減衰力調整式油圧緩衝器では、次のような問題がある。伸び側および縮み側のそれぞれにパイロット型減衰力調整弁を設け、これらをそれぞれのパイロット制御弁によって制御するため、構造が複雑であり、また、ピストン部分の軸方向の寸法が大きくなるので、製造コストおよび車両搭載性の点で問題がある。
【0012】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、構造が簡単で小型化を達成することができる伸び側/縮み側反転特性を有するパイロット型減衰力調整式油圧緩衝器を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に係る発明は、油液が封入されたシリンダと、該シリンダ内に摺動可能に嵌装されたピストンと、一端が前記ピストンに連結され、他端が前記シリンダの外部へ延出されたピストンロッドと、前記ピストンの摺動によって生じる油液の流れを制御して減衰力を発生させるパイロット型減衰力調整機構とを備えた減衰力調整式油圧緩衝器において、
前記パイロット型減衰力調整機構は、前記ピストンロッドの伸び行程時に油液の圧力を受ける伸び側受圧面および縮み行程時に油液の圧力を受ける縮み側受圧面を有して伸び行程時および縮み行程時共に同一方向に開弁して減衰力を発生する主減衰弁と、前記ピストンロッドの伸び行程時および縮み行程時共に油液が流通する共通のパイロット通路と、該パイロット通路に設けられた固定オリフィスおよびパイロット制御弁とを備え、前記パイロット通路の前記固定オリフィスと前記パイロット制御弁との間の圧力をパイロット圧力として、前記主減衰弁の開弁圧力を調整することを特徴とする。
このように構成したことにより、ピストンロッドの伸びおよび縮み行程時共に、共通のパイロット型減衰力調整機構のパイロット制御弁および主減衰弁によって減衰力を発生し、パイロット制御弁によって、パイロット圧力を調整して主減衰弁の開弁圧力を調整する。このとき、ピストンロッドの行程が切換ってパイロット通路の流れが反転すると、パイロット制御弁によって調整されるパイロット圧力の高低も反転するので、伸び側/縮み側反転特性の減衰力を得ることができる。
また、請求項2に係る減衰力調整式油圧緩衝器は、上記請求項1の構成において、前記パイロット制御弁は、前記ピストンロッドの伸び行程時に油液の圧力を受ける伸び側受圧部と、縮み行程時に油液の圧力を受ける縮み側受圧部とを有する圧力制御弁であることを特徴とする。
このように構成したことにより、パイロット制御弁によって、パイロット通路の油液の圧力を制御して、減衰力を調整する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明の第1実施形態について図1ないし図3を参照して説明する。図1に示すように、本実施形態に係る減衰力調整式油圧緩衝器1は、油液が封入されたシリンダ2(摺動面の一部のみを仮想線で示す)内に、略有底円筒状のピストン部材3の開口部側に一体に形成されたピストン部4(ピストン)が摺動可能に嵌装されており、このピストン部4によってシリンダ2内がシリンダ上室2aとシリンダ下室2bとの2室に画成されている。ピストン部材3の底部には、略有底円筒状のケース5の開口側が螺着、固定され、さらに、ケース5の底部のロッド取付部5Aには、中空のピストンロッド(図示せず)の一端が連結されている。ピストンロッドの他端側は、シリンダ2の端部に設けられたロッドガイド(図示せず)およびオイルシール(図示せず)に挿通されて外部へ延出されている。シリンダ2には、ピストンロッドの侵入、退出による容積変化を吸収するためのリザーバ(図示せず)が接続されている。
【0015】
ピストン部材3内の底部に突出された円筒凸部6内に、パイロット弁部材7が螺着、固定されている。ピストン部材3の円筒部8内には、略有底円筒状の可動部材9が摺動可能に嵌合され、ピストン部4内には、環状の主弁部材10が螺着、固定されている。可動部材9の底部に突設された環状のシート部11と、主弁部材10に突設された環状のシート部12との間に、ディスクバルブ13が介装されている。可動部材9およびディスクバルブ13は、バネ14によって主弁部材10のシート部12側に押圧されている。ディスクバルブ13は、パイロット弁部材7に摺動可能に挿入された円筒状のスライド部材15の端部が挿通されて、径方向に位置決めされている。スライド部材15は、主弁部材10に取付けられたばね受16との間に設けられたバネ17によって付勢されており、スライド部材15の端部に形成された環状のシート部18がディスクバルブ13の中央部に当接してディスクバルブ13を可動部材9のシート部11に常時押付けている。
【0016】
可動部材9、ディスクバルブ13およびスライド部材15によって、ピストン部材3の円筒部8内にパイロット室19が形成されている。可動部材9の底部およびディスクバルブ13におけるシート部12の外側の環状部分によって伸び側受圧面20が形成されている。ピストン部材3の円筒部8には、伸び側受圧面20に臨んでシリンダ上室2aに連通する油路21が設けられている。また、ディスクバルブ13におけるシート部12の内側の環状部分によってシリンダ下室2bに臨む縮み側受圧面22が形成されている。そして、主弁部材10、可動部材9およびディスクバルブ13によって主減衰弁M(パイロット型減衰力調整機構)が形成されており、パイロット室19の内圧が主減衰弁Mの閉弁方向に作用する。
【0017】
パイロット室19は、ディスクバルブ13の外周部に形成された固定オリフィス23(切欠)を介して油路21に連通され、また、ピストン部材3の円筒部8に形成された固定オリフィス24によってシリンダ上室2aに連通されている。なお、固定オリフィス24は、パイロット室19の最上部に配置されており、パイロット室19のエア抜き通路を兼ねている。さらに、パイロット室19は、パイロット弁部材7に設けられた油路25によってピストン部材3の円筒凸部6内に連通されている。
【0018】
ピストン部材3の円筒凸部6内において、パイロット弁部材7には、円筒状のシート部26が突出されており、シート部26に対向する環状のシート部27を有する円筒状の弁体28がピストン部材3の底部の案内開口29に挿通されて摺動可能に案内されている。パイロット弁部材7のシート部26と弁体28のシート部27との間には、外周部に切欠30を有する環状のシートディスク31が介装されている。シートディスク31は、円筒凸部6の小径部32内に摺動可能に嵌合されて径方向に位置決めされている。弁体28は、ケース5内に収容された比例ソレノイド33のプランジャ34に連結されている。
【0019】
比例ソレノイド33は、中空のピストンロッド内に挿通されたリード線(図示せず)を介して外部からコイル35に通電することにより、コイル35への通電電流によってプランジャ34の推力を調整することができる。
【0020】
ピストン部材3の円筒凸部6内において、パイロット弁部材7、シートディスク31および弁体28は、パイロット弁部材7の油路25を介してパイロット室19に臨む伸び側受圧部と、スライド部材15の油路35を介してシリンダ下室2bに臨む縮み側受圧部とを有する圧力制御弁であるパイロット制御弁P(パイロット型減衰力発生機構)を構成しており、比例ソレノイド33のコイル35への通電電流によってパイロット制御弁Pの制御圧力を調整することができる。
【0021】
以上のように構成した本実施形態の作用について次に説明する。
ピストンロッドの伸び行程時には、図2に示すように、シリンダ上室2a側の油液が、油路21、固定オリフィス23,24、パイロット室19および油路25を通り、パイロット制御弁Pの伸び側受圧部に作用してこれを開き、油路35を通ってシリンダ下室2b側へ流れる。また、主減衰弁Mの伸び側受圧面20に作用するシリンダ上室2a側の圧力がその開弁圧力に達すると、主減衰弁Mが開いて油液が油路21からシリンダ下室2bへ直接流れる。
【0022】
また、ピストンロッドの縮み行程時には、図3に示すように、シリンダ下室2b側の油液が、油路35を通り、パイロット制御弁Pの縮み側受圧部に作用してこれを開き、油路25、パイロット室19、固定オリフィス23,24および油路21を通ってシリンダ上室2a側へ流れる。また、主減衰弁Mの縮み側受圧面22に作用するシリンダ下室2b側の圧力がその開弁圧力に達すると、主減衰弁Mが開いて油液がシリンダ下室2bから油路21へ直接流れる。
【0023】
比例ソレノイド33のコイル35への通電電流によって、パイロット制御弁Pの開弁圧力を低くすると、伸び行程時には、パイロット室19の上流側になる固定オリフィス23,24の流通抵抗に対して、下流側になるパイロット制御弁Pの流通抵抗が小さくなるため、パイロット室19内の圧力が低下して、主減衰弁Mの開弁圧力が低くなるので、伸び側の減衰力は小さくなる(伸び側ソフト)。一方、縮み行程時には、パイロット室19の下流側になる固定オリフィス23,24の流通抵抗に対して、上流側になるパイロット制御弁Pの流通抵抗が小さくなるため、パイロット室19内の圧力が上昇して、主減衰弁Mの開弁圧力が高くなるので、縮み側の減衰力は大きくなる(縮み側ハード)。
【0024】
また、パイロット制御弁Pの開弁圧力を高くすると、伸び行程時には、パイロット室19の上流側になる固定オリフィス23,24の流通抵抗に対して、下流側になるパイロット制御弁Pの流通抵抗が大きくなるため、パイロット室19内の圧力が上昇して、主減衰弁Mの開弁圧力が高くなるので、伸び側の減衰力は大きくなる(伸び側ハード)。一方、縮み行程時には、パイロット室19の下流側になる固定オリフィス23,24の流通抵抗に対して、上流側になるパイロット制御弁Pの流通抵抗が大きくなるため、パイロット室19内の圧力が低下して、主減衰弁Mの開弁圧力が低くなるので、縮み側の減衰力は小さくなる(縮み側ソフト)。
【0025】
このようにして、比例ソレノイド33のコイル35への通電電流によってパイロット制御Pの制御圧力を調整することにより、同時に主減衰弁Mの開弁圧力を制御することができるので、減衰力の調整範囲を広くすることができる。このとき、伸び側および縮み側の減衰力特性は、一方をハードとしたとき、他方がソフトとなり、また、一方をソフトとしたとき、他方がハードとなり、スカイフック理論に基づくセミアクティブダンパ制御に適した伸び側/縮み側反転特性の減衰力を得ることができる。
【0026】
さらに、本実施形態の減衰力調整式油圧緩衝器1によれば、伸び側および縮み側で共通の主減衰弁Mおよびパイロット制御弁Pを使用しているので、小型化が可能であり、特にピストン部分の軸方向長さを短縮することができる。伸び行程および縮み行程共に、共通のパイロット室19内にパイロット圧力が発生するので、行程切換時の減衰力の立上りが迅速になり、応答遅れを解消することができ、また、行程切換時のパイロット室の圧力変動による、バルブ構成部材への負担を軽減することができる。伸縮行程共に、共通のパイロット制御弁Pおよび主減衰弁Mが作動するので、可動部分の固着が生じにくく、信頼性を高めることができる。
【0027】
パイロット制御弁Pは、シートディスク31を用いたことにより、着座時の衝撃を緩和することができ、シートディスク31をばね鋼とすることにより、耐久性を高めることができる。比例ソレノイド33のプランジャ34とパイロット制御弁Pの弁体28を別体としたことにより、弁体28を焼入れすることができ、耐久性を向上させることができる。主減衰弁Mのディスクバルブ13は、中央部をクランプせず、スライダ15によって支持しているので、受圧面積を大きくとることができ、ソフト側の減衰力を充分小さくすることができ、また、ディスクバルブ13を小径化することができる。
【0028】
パイロット室19の最上部に固定オリフィス24を配置したことにより、固定オリフィス24によってパイロット室19のエア抜きを行うことができる。さらに、ディスクバルブ13に固定オリフィス23(切欠)を設けたことにより、ディスクバルブ13側の固定オフィス23によって、容易にオリフィス面積を調整することができ、オリフィス面積のばらつきを低減することができる。主減衰弁Mにディスクバルブ13を用いたことにより、寸法公差を吸収してシール性を高めることができ、また、可動部材9とスライド部材15との同軸度を緩和することができる。
【0029】
可動部材9の変位量によってディスクバルブ13の撓み量が制限されるので、ディスクバルブ13の過度の撓みによる損傷を防止することができる。パイロット弁部材7の円筒凸部6へのねじ込み量によって、パイロット制御弁Pの弁体28のリフト量を容易に調整することができる。シート部11,12の径を変更することにより、主減衰弁Mの伸び側受圧面20と縮み側受圧面22との面積比を変更することができ、伸び側と縮み側の開弁圧力比を容易に調整することができる。
【0030】
次に、本発明の第2実形態について図4を参照して説明する。なお、第2実施形態は、上記第1実施形態に対して、パイロット制御弁Pの構造の一部が異なる以外は同様の構造であるから、異なる部分についてのみ詳細に説明する。
【0031】
図4に示すように、第2実施形態に係る減衰力調整式油圧緩衝器36では、縮み行程時にシートディスク37がパイロット弁部材38のシート部39に着座したとき、シートディスク37に形成したオリフィス40(切欠)によって、パイロット室19に流入する油液を絞るようになっている。なお、図4において、紙面に向かって左側は伸び行程時の状態を示し、右側は縮み行程の状態を示す。
【0032】
この構成により、パイロット制御弁Pの制御圧力を低くして、縮み側をハード特性(伸び側はソフト特性)としたとき、縮み行程時にパイロット室19に流入する油液がオリフィス40によって絞られるので、パイロット室19の圧力の上昇を抑制することができ、縮み側の減衰力の過度の上昇を防止して、車両の乗り心地を向上させることができる。
【0033】
なお、上記第1および第2実施形態では、パイロット制御弁として、圧力制御弁を用いた場合について説明しているが、本発明は、これに限らず、パイロット制御弁として、スプール弁等の流量制御弁を用いることによっても、上記と同様の反転特性の減衰力を得ることができる。また、上記第1および第2実施形態では、シリンダ上室2aとシリンダ下室2bとを画成するピストン部4にパイロット型減衰力調整機構を設けたものを示したが、これに限らず、シリンダ上室2aとシリンダ下室2bとの間をシリンダ外部に設けた油通路で接続し、当該油通路にパイロット型減衰力調整機構を設けるようにしてもよい。
【0034】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1の発明に係る減衰力調整式油圧緩衝器によれば、伸び側/縮み側共通のパイロット型減衰力調整機構のパイロット制御弁および主減衰弁によって、伸び側/縮み側反転特性の減衰力を得ることができるので、伸び側/縮み側反転特性を有するパイロット型減衰力調整式油圧緩衝器の小型化を達成することができる。
【0035】
また、請求項2の発明に係る減衰力調整式油圧緩衝器によれば、パイロット制御弁によって、パイロット通路の油液の圧力制御して、減衰力を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る減衰力調整式油圧緩衝器の要部の縦断面図である。
【図2】図1に示す減衰力調整式油圧緩衝器において、ピストンロッド伸び行程時の油液の流れを示す図である。
【図3】図1に示す減衰力調整式油圧緩衝器において、ピストンロッド縮み行程時の油液の流れを示す図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る減衰力調整式油圧緩衝器の要部の縦断面図である。
【符号の説明】
1 減衰力調整式油圧緩衝器
2 シリンダ
4 ピストン部(ピストン)
20 伸び側受圧面
22 縮み側受圧面
23,24 固定オリフィス
M 主減衰弁(パイロット型減衰力調整機構)
P パイロット制御弁(パイロット型減衰力調整機構)
Claims (2)
- 油液が封入されたシリンダと、該シリンダ内に摺動可能に嵌装されたピストンと、一端が前記ピストンに連結され、他端が前記シリンダの外部へ延出されたピストンロッドと、前記ピストンの摺動によって生じる油液の流れを制御して減衰力を発生させるパイロット型減衰力調整機構とを備えた減衰力調整式油圧緩衝器において、
前記パイロット型減衰力調整機構は、前記ピストンロッドの伸び行程時に油液の圧力を受ける伸び側受圧面および縮み行程時に油液の圧力を受ける縮み側受圧面を有して伸び行程時および縮み行程時共に同一方向に開弁して減衰力を発生する主減衰弁と、前記ピストンロッドの伸び行程時および縮み行程時共に油液が流通する共通のパイロット通路と、該パイロット通路に設けられた固定オリフィスおよびパイロット制御弁とを備え、前記パイロット通路の前記固定オリフィスと前記パイロット制御弁との間の圧力をパイロット圧力として、前記主減衰弁の開弁圧力を調整することを特徴とする減衰力調整式油圧緩衝器。 - 前記パイロット制御弁は、前記ピストンロッドの伸び行程時に油液の圧力を受ける伸び側受圧部と、縮み行程時に油液の圧力を受ける縮み側受圧部とを有する圧力制御弁であることを特徴とする請求項1に記載の減衰力調整式油圧緩衝器。
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