JP2005163825A - 減衰力調整式緩衝器 - Google Patents

減衰力調整式緩衝器 Download PDF

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Hiroyuki Hayama
弘之 羽山
Yohei Katayama
洋平 片山
Kenichi Nakamura
健一 中村
Masaaki Uchiyama
正明 内山
Mikiro Yamashita
幹郎 山下
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Abstract

【課題】 磁性流体を利用した減衰力調整式緩衝器において、ピストン速度が過度にした場合における減衰力の過度の増大を防止する。
【解決手段】 磁性流体が封入されたシリンダ2内に、ピストンロッド6が連結されたピストン部材3を嵌装する。ピストン部材3に、ディスクバルブ11を設け、その閉弁方向にパイロット室21の内圧を作用させる。固定オリフィス25、29及びパイロット通路34によって、シリンダ上下室2a、2bの圧力をパイロット室21に導入し、コイル15の磁界によって、パイロット通路34を流れる磁性流体の流通抵抗を変化させ、パイロット室21の圧力を制御してディスクバルブ11の開弁圧力を調整する。パイロット室21の圧力が過度に上昇すると、その圧力によって磁気調整部材31が移動して、磁気通路を縮小し、磁界の強さを低下させて、パイロット室21の圧力を低下させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、磁界の作用によって粘度が変化する磁性流体を利用した減衰力調整式緩衝器に関するものである。
一般的に、自動車等の車両の懸架装置に装着される減衰力調整式緩衝器は、油液が封入されたシリンダ内に、ピストンロッドが連結されたピストンを摺動可能に嵌装し、ピストンの摺動によって油液が流通する通路に減衰力調整弁を設けた構造となっており、比例ソレノイド、ステッピングモータ等のアクチュエータによって減衰力調整弁を操作して、油液の流路面積を変化させることよって減衰力を調整している。
ところで、上記従来の減衰力調整式緩衝器では、制御電流に対するアクチュエータの応答遅れ、減衰力調整弁の摩耗等による性能の低下、構造が複雑であるための性能のばらつき等の問題があった。
そこで、例えば特許文献1に記載されているように、油液の代わりに、磁界の作用によって粘度が変化する磁性流体を用い、減衰力調整弁の代りに、磁性流体が流通する通路にコイルを配置し、磁性流体に磁界を作用させて、その粘性を変化させることにより、減衰力を調整するようにした減衰力調整式緩衝器が種々提案されている。
米国特許第6095486号明細書
これにより、コイルへの制御電流を小さくすると、通路に作用する磁界が弱なり、磁性流体の粘度が低くなって減衰力が小さくなり、制御電流を大きくすると、通路に作用する磁界が強くなり、磁性流体の粘度が高くなって、減衰力が大きくなる。
このような磁性流体を利用した減衰力調整式緩衝器は、構造が簡単であり、しかも、磁性流体の粘性自体を変化させて減衰力を調整するため、制御電流に対する応答が速く、また、磨耗等による機械的な性能の低下が生じにくいという作用、効果を期待することができる。
また、減衰力調整弁の弁体に、その内圧を閉弁方向に作用させるパイロット室を形成し、パイロット室に導入される磁性流体の流れを制御して、パイロット室の圧力を調整することより、減衰力調整弁の開弁圧力を制御し、減衰力の調整範囲を広くするようにした減衰力調整式緩衝器が提案されている。
しかしながら、上記従来の磁性流体を利用したものにパイロット室を組合わせた減衰力調整式緩衝器では、次のようの問題がある。
ピストン速度が過度に上昇した場合、これに伴って磁性流体の流通抵抗が上昇し、パイロット室の圧力が過度に上昇して、過大な減衰力が発生するため、ピストン速度の高速域において、適切な減衰力特性を得ることが困難である。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、減衰力の調整範囲が広く、かつ、ピストン速度の高速域においても、適切な減衰力特性を得ることができる磁性流体を利用した減衰力調整式緩衝器を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1に係る発明は、磁性流体が封入されたシリンダと、該シリンダ内に摺動可能に嵌装されて前記シリンダ内を2つのシリンダ室に画成するピストンと、一端が前記ピストンに連結され、他端が前記シリンダの外部へ延出されたピストンロッドと、前記ピストンの摺動によって生じる磁性流体の流れを制御して減衰力を発生させる減衰力調整機構とを備えた減衰力調整式緩衝器において、
前記減衰力調整機構は、減衰弁と、該減衰弁に閉弁方向に内圧を作用させるパイロット室と、前記シリンダ室の圧力を前記パイロット室に導入して該パイロット室の内圧を調整するパイロット通路と、前記パイロット通路に磁界を作用させるコイルと、前記コイルの磁気通路を形成する磁気通路部材とを備え、前記シリンダ室又は前記パイロット室の圧力によって、前記コイルと前記磁気通路部材とを相対変位させて、前記パイロット通路に作用する磁界を調整して、前記パイロット室の圧力を低下させることを特徴とする。
請求項2の発明に係る減衰力調整式緩衝器は、上記請求項1の構成において、前記コイルと前記磁気通路部材との相対変位によって、前記パイロット通路をバイパスして前記パイロット室の圧力を前記シリンダ室へリリーフするリリーフ通路を設けたことを特徴とする。
請求項3の発明に係る減衰力調整式緩衝器は、上記請求項1又は2の構成において、前記コイルと前記磁気通路部材との相対変位によって、前記パイロット通路の流路面積を変化させて、前記パイロット室の圧力を低下させる絞り手段を設けたことを特徴とする。
また、請求項4の発明に係る減衰力調整式緩衝器は、上記請求項1乃至3のいずれかの構成において、前記パイロット室の圧力が所定値に達したとき、その圧力を前記シリンダ室へリリーフするリリーフ弁を設けたことを特徴とする。
請求項1の発明に係る減衰力調整式緩衝器によれば、コイルへの通電電流によって、パイロット室の圧力を制御して減衰力を調整することができ、また、ピストン速度が過度に上昇したとき、コイルと磁気通路部材との相対変位によって、パイロット室の圧力を低下させることにより、減衰力の過度の増大を防止することが可能となる。
請求項2の発明に係る減衰力調整式緩衝器によれば、リリーフ通路によって、パイロット室の圧力をリリーフすることによって、減衰力の過度の増大を防止することができる。
請求項3の発明に係る減衰力調整式緩衝器によれば、絞り手段によってパイロット室の圧力を低下させることにより、減衰力の過度の増大を防止することができる。
また、請求項4の発明に係る減衰力調整式緩衝器によれば、リリーフ弁によってパイロット室の圧力をリリーフすることにより、減衰力の過度の増大を防止することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明の第1実施形態について、図1乃至図3を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る減衰力調整式緩衝器1は、シリンダ2内に、略円筒状のピストン部材3の一端側外周部に一体に形成されたピストン部4(ピストン)が摺動可能に嵌装されており、このピストン部4(ピストン)によってシリンダ2内がシリンダ上室2aとシリンダ下室2bとの2室に画成されている。ピストン部材3の他端部には、連結部材5がカシメ固定されており、この連結部材5に中空のピストンロッド6の一端が連結されている。ピストンロッド6の他端側は、シリンダ2の端部に設けられたロッドガイド(図示せず)およびオイルシール(図示せず)に挿通されて外部へ延出されている。
シリンダ2内には、磁性流体が封入されている。磁性流体は、磁界の作用によって粘度が変化する流体であり、例えば、媒体となる液体中に強磁性超微粒子が安定して均一に分散した複合材料として知られており、作用する磁界の強さに応じて粘度が上昇する。また、シリンダ2には、磁性流体及びガスが封入されたリザーバ(図示せず)が設けられており、ピストンロッド6の侵入、退出によるシリンダ2の容積変化をガスの圧縮、膨張によって補償している。
ピストン部材3内には、略有底円筒状の可動部材7が摺動可能に嵌合され、ピストン部4内には、環状の主弁部材8が螺着、固定されている。可動部材7の底部に突設された環状のシート部9と、主弁部材8に突設された環状のシート部10との間に、ディスクバルブ11(減衰弁)が介装されている。可動部材7およびディスクバルブ11は、コイル保持部材12との間に介装されたバネ13によって、主弁部材8のシート部10側に押圧されている。
ピストン部材3内には、環状のコイル保持部材12が嵌合され、ピストン部材3の内周面に形成された段部14に当接して、連結部材5と共に固定されており、コイル保持部材12と連結部材5との間にコイル15が保持されている。コイル保持部材12の中央の案内ボア16には、円筒状のスライド部材17の一端部が液密的かつ摺動可能に挿入されている。スライド部材17の他端部は、ディスクバルブ11に挿通されており、ディスクバルブ11がスライド部材17によって径方向に位置決めされている。スライド部材17の他端部外周には、シート部18が形成されており、スライド部材17が主弁部材8に取付けられたばね受19との間に設けられたバネ20によって付勢されて、シート部18がディスクバルブ11の中央部を押圧して、ディスクバルブ11を可動部材7のシート部9に常時押付けている。
可動部材7、ディスクバルブ11、コイル保持部材12及びスライド部材17によって、ピストン部材3の内部にパイロット室21が形成されている。可動部材7の底部およびディスクバルブ11におけるシート部10の外側の環状部分によって伸び側受圧面22が形成されている。ピストン部材3の側壁には、伸び側受圧面22に臨む部位にシリンダ上室2aに連通する通路23が設けられている。また、ディスクバルブ11におけるシート部10の内側の環状部分によってシリンダ下室2bに臨む縮み側受圧面24が形成されている。そして、ディスクバルブ11は、伸び側受圧面22によってシリンダ上室2a側の圧力を受けて、または、縮み側受圧面24によってシリンダ下室2b側の圧力を受けて、シート部10から離間することによって開弁し、シリンダ上下室2a、2b間を連通させ、このとき、パイロット室21の内圧が閉弁方向に作用する。
パイロット室21は、ディスクバルブ11の外周部に形成された固定オリフィス25(切欠)を介して通路23に連通されている。また、コイル保持部材12に設けられた通路26、コイル15を覆う磁気通路部材27の周囲に形成された通路28及びピストン部材3の側壁に設けられた固定オリフィス29を介してシリンダ上室2aに連通されている。固定オリフィス29は、パイロット室21の最上部に配置されており、パイロット室21のエア抜き通路を兼ねている。
コイル15の外周部及び上端部は、磁性体からなる略有底円筒状の磁気通路部材27によって覆われている。連結部材5には、円柱状の案内部30が突出されており、案内部30は、コイル15の中心に挿入されている。案内部30の外周には、円筒状の磁気調整部材31(磁気通路部材)が摺動可能に嵌合されており、磁気調整部材31は、コイル保持部材12との間に介装されたバネ32によって上方に付勢され、案内部30に設けられたストッパ33に当接している。コイル15が嵌合されたコイル支持部材12の内周面及びコイル15の上端面を覆う磁気通路部材27の内周面と、磁気調整部材31との間に、環状のパイロット通路34が形成されている。そして、パイロット室21が、通路26、通路28、パイロット通路34、スライド部材16の内部及びバネ受19に設けられた通路19Aを介して、シリンダ下室2bに連通されている。
コイル15の周囲のコイル支持部材12、磁気通路部材27及び磁気調整部材31によって磁気通路が形成されており、通電によってコイル15が発生する磁界がパイロット通路34を流通する磁性流体に作用するようになっている。ここで、磁気調整部材31の上端部には、パイロット室21の圧力が作用し、下端部にはシリンダ下室2bの圧力が作用しており、パイロット室21の圧力が過度に上昇したとき、磁気調整部材31がシリンダ下室2bの圧力及びバネ32の付勢力に抗して下方に移動し、磁気通路部材27と磁気調整部材31とで形成する磁気通路面積が減少するようになっている。なお、コイル15に通電するための導線(図示せず)は、中空のピストンロッド6内を通して外部へ延出され、コイル15への通電を制御するコントローラ(図示せず)に接続される。
以上のように構成した本実施形態の作用について次に説明する。
ピストンロッド6の伸び行程時には、ディスクバルブ11の開弁前においては、シリンダ上室2a側の磁性流体が、通路23、固定オリフィス25及び固定オリフィス29からパイロット室21へ流れ、更に、パイロット室21から通路26、28、パイロット通路34、スライド部材16内、通路19Aを通ってシリンダ下室2b側へ流れる。また、ディスクバルブ11の伸び側受圧面22に作用するシリンダ上室2a側の圧力が、その開弁圧力に達すると、ディスクバルブ11が開いて、シリンダ上室2a側の磁性流体が、通路23からシリンダ下室2b側へ直接流れる。
縮み行程時には、ディスクバルブ11の開弁前においては、シリンダ下室2b側の磁性流体が、通路19A、スライド部材16内、パイロット通路34、通路28、26を介してパイロット室21へ流れ、パイロット室21から固定オリフィス29及び固定オリフィス25を通ってシリンダ上室2a側へ流れる。また、ディスクバルブ11の縮み側受圧面24に作用するシリンダ下室2b側の圧力が、その開弁圧力に達すると、ディスクバルブ11が開いて、シリンダ下室2b側の磁性流体が通路23を通ってシリンダ上室2a側へ直接流れる。
そして、コントローラからコイル15への通電電流を制御し、コイル15からパイロット通路34を流通する磁性流体に作用させる磁界を制御して、磁性流体の粘度を変化させることによって減衰力を調整する。非通電時(低電流通電時)には、磁性流体の粘度が低く、パイロット通路34を流れる磁性流体の流通抵抗が、固定オリフィス25、29の流通抵抗に対して小さくなる。この場合、伸び行程時には、パイロット室21の上流側となる固定オリフィス25、29に対して、下流側となるパイロット通路34の流通抵抗が小さくなるため、パイロット室21の圧力が低下して、ディスクバルブ11の開弁圧力が低くなるので、伸び側の減衰力は小さくなる(伸び側ソフト)。また、縮み行程時には、パイロット室21の下流側となる固定オリフィス25、29に対して、上流側となるパイロット通路34の流通抵抗が小さくなるため、パイロット室21の圧力が上昇して、ディスクバルブ11の開弁圧力が高くなるので、縮み側の減衰力は大きくなる(縮み側ハード)。
通電によってコイル15を励磁すると、その磁界がパイロット通路34を流通する磁性流体に作用して、その粘度が上昇し、パイロット通路34を流れる磁性流体の流通抵抗が固定オリフィス25、29の流通抵抗に対して大きくなる。この場合、伸び行程時には、パイロット室21の上流側となる固定オリフィス25、29に対して、下流側となるパイロット通路34の流通抵抗が大きくなるため、パイロット室21の圧力が上昇して、ディスクバルブ11の開弁圧力が高くなるので、伸び側の減衰力は大きくなる(伸び側ハード)。また、縮み行程時には、パイロット室21の下流側となる固定オリフィス25、29に対して、上流側となるパイロット通路34の流通抵抗が大きくなるため、パイロット室21の圧力が低下して、ディスクバルブ11の開弁圧力が低くなるので、縮み側の減衰力は小さくなる(縮み側ソフト)。
このようにして、コイル28への通電電流によって、減衰力を調整することができ、伸び側及び縮み側の減衰力は、一方をハードとしたとき他方がソフトとなり、一方をソフトとしたとき他方がハードとなる反転特性となるので、いわゆるスカイフック理論に基づく減衰力制御を行う際に、減衰力制御の応答性を高めることができる。
このとき、ピストンロッド6の伸び行程時において、ピストン速度が過度に上昇すると、パイロット室21の内圧が上昇し、シリンダ下室2bとの差圧が大きくなり、この差圧によって、磁気調整部材31が図2(A)に示す原位置から図2(B)に示す下方位置へ移動する。これにより、磁気通路部材27と磁気調整部材31との間の磁気通路面積が減少して、パイロット通路34を流れる磁性流体に作用する磁界の強さが小さくなる。その結果、パイロット通路34を流れる磁性流体の流通抵抗が小さくなり、パイロット室21の圧力が低下して、減衰力の過度の上昇を抑制することができる。
ピストンロッド6の伸び行程時の減衰力特性を図3に示す。図3に示すように、ピストン速度の過度の高速域Aにおいて、図中に破線で示す減衰力の過度の上昇を抑制して、図中に実線で示す減衰力特性を得ることができる。
次に、本発明の第2実施形態について、図4乃至図6を参照して説明する。なお、上記第1実施形態に対して、同様の部分には同一の符号を付して、異なる部分についてのみ詳細に説明する。
図4に示すように、本実施形態に係る減衰力調整式緩衝器35では、連結部材5のガイド部30に、パイロット通路34をスライド部材33側へバイパスするリリーフ通路36が設けられている。リリーフ通路36は、通常は、図5(A)に示すように、磁気調整部材31によって遮断されており、図5(C)に示すように、磁気調整部材31が下方へ移動したとき、開放されてパイロット通路34をバイパスする。
このように構成したことにより、上記第1実施形態と同様、ピストンロッド6の伸び行程時において、ピストン速度が過度に上昇すると(図6のA領域参照)、磁気調整部材31が図3(A)に示す原位置から図3(B)に示す下方位置へ移動して、磁気通路面積を減少させ、パイロット室21の圧力の上昇を抑えて減衰力の過度の増大を抑制する。そして、ピストン速度が更に上昇して(図6のB領域参照)、パイロット室21の圧力が更に上昇した場合には、その圧力によって、磁気調整部材31が更に図3(C)に示す位置へ移動して、リリーフ通路36を開放してパイロット通路34をバイパスする。これにより、パイロット室21の圧力が低下して、減衰力の過度の増大を防止する。この場合に減衰力特性を図6中に曲線α(破線)で示す。
また、コイル15への非通電時(低電流通電時)においても、パイロット室21の圧力が過度に上昇した場合には、磁気調整部材31が下方へ移動して、リリーフ通路36を開くことにより、パイロット室21の圧力を低下させることができ、減衰力の過度の増大を確実に防止することができる。この場合の減衰力特性を図6中に曲線β(破線)で示す。
次に、本発明の第3実施形態について、図7、図9及び図10を参照して説明する。なお、上記第2実施形態に対して、同様の部分には同一の符号を付して、異なる部分についてのみ詳細に説明する。
第3実施形態に係る減衰力調整式緩衝器37では、磁気通路部材27の磁気調整部材31に対向する部分を軸方向に寸法Lだけを大きくし、磁気調整部材31と連結部材5との間にバネ38を介装して、磁気調整部材31を上下に移動可能とし、磁気調整部材31が上方に移動することにより、磁気通路部材27と磁気調整部材31との間の磁気通路面積が増大するようになっている。
このように構成したことにより、ピストンロッド6の伸び行程時には、上記第2実施形態と同様、ピストン速度が過度に上昇した場合に、磁気通路部材31が下方へ移動することにより、パイロット室21の圧力の上昇を抑制して、減衰力の過度の増大を防止する(図10の曲線α(破線)及び曲線β(破線)参照)。
また、コイル15への通電時におけるピストンロッド6の縮み行程時に、ピストン速度が過度に上昇した場合、磁気調整部材31がシリンダ下室2bの圧力によって、図9(A)に示す原位置から、図9(B)に示すように上方へ移動する。これにより、磁気通路部材27と磁気調整部材31との間の磁気通路面積が増大して、パイロット通路34を流れる磁性流体に作用する磁界の強さが大きくなり、パイロット通路34を流れる磁性流体の流通抵抗が増大して、パイロット室21の圧力の上昇を抑制する。その結果、図10の曲線γ(破線)に示すように、減衰力の過度の上昇を抑制することができる。このようにして、縮み行程においても、ピストン速度の高速域における減衰力の過度の上昇を抑制して、適切な減衰力特性を得ることができる。
次に、本発明の第4実施形態について、図8及び図9を参照して説明する。なお、上記第3実施形態に対して、同様の部分には同一の符号を付して、異なる部分についてのみ詳細に説明する。
第4実施形態に係る減衰力調整式緩衝器39では、パイロット室21の圧力が過度に上昇したとき、その圧力をシリンダ上室2a側へリリーフするリリーフ弁40が連結部材5に設けられている。
このように構成したことにより、ピストンロッド6の縮み行程時において、ピストン速度の過度の上昇によって、パイロット室21の圧力が過度に上昇した場合、図9(C)に示すように、リリーフ弁40が開いて、その圧力をシリンダ上室2a側へリリーフすることによって、減衰力の過度の増大を防止することができ、適切な減衰力特性を得ることができる。これにより、コイル15の励磁時には、磁気通路面積の増大及びリリーフ弁40の開弁の両方によって、また、コイル15の非励磁時には、リリーフ弁40の開弁によって、パイロット室21の圧力を低下させることができ、減衰力の過度の増大を確実に防止することができる。
次に、本発明の第5実施形態について、図11乃至図13を参照して説明する。なお、上記第3実施形態(図7)に対して、同様の部分には同一の符号を付して、異なる部分についてのみ詳細に説明する。
第5実施形態に係る減衰力調整式緩衝器41では、磁気調整部材31の下端部を大径として絞り部42(絞り手段)が形成されており、磁気調整部材31が上方に移動したとき、絞り部42によってパイロット通路34の流路面積を絞るようになっている。
コイル15への通電時におけるピストンロッド6の縮み行程時に、ピストン速度が過度に上昇した場合、磁気調整部材31がシリンダ下室2bの圧力によって、図12(A)に示す原位置から、図12(B)に示すように上方へ移動し、更に、図12(C)に示す位置に移動して、パイロット通路34の流路面積を絞り、また、磁気通路面積を増大させてコイル15の磁界の強さを増大させる。これにより、パイロット室21の上流側のパイロット通路34を流れる磁性流体の流通抵抗が増大して、パイロット室21の圧力の上昇が抑制される。その結果、コイル15の励磁時には、磁気通路面積の増大及び絞り部42によるパイロット通路34の絞りの両方によって、また、コイル15の非励磁時には、絞り部42によるパイロット通路34の絞りによって、パイロット室21の圧力の上昇を抑制することができ、減衰力の過度の増大を確実に防止することができる。
本実施形態に係る減衰力調整式緩衝器41の減衰力特性を図13に示す。図13において、曲線α(破線)及び曲線γ(破線)は、それぞれコイル15の通電時の伸び側(ハード)及び縮み側(ソフト)の減衰力特性を示し、また、曲線β(破線)及び曲線δ(破線)は、それぞれコイル15の非通電時の伸び側(ソフト)及び縮み側(ハード)の減衰力特性を示す。
次に、本発明の第6実施形態について、図14乃至図15を参照して説明する。なお、上記第5実施形態(図11)に対して、同様の部分には同一の符号を付して、異なる部分についてのみ詳細に説明する。
第6実施形態に係る減衰力調整式緩衝器43では、上記第6実施形態に対して、磁気調整部材側を固定とし、コイル側を可動とした構造となっている。磁気通路部材44に覆われたコイル15は、コイル保持部材12の円筒部に液密的かつ摺動可能に嵌合されている。磁気調整部材45は、連結部材5に一体に形成されて、コイル15(磁気通路部材44)に挿入されている。磁気通路部材44の内周部及び磁気調整部材45の外周部は、テーパ状に形成され、これらの間にパイロット通路34が形成されている。コイル15は、バネ32、38によって図14に示す原位置に弾性的に保持されており、パイロット室21とシリンダ下室2bとの差圧によって上下方向に移動するようになっている。そして、コイル15が上方に移動すると、磁気通路部材44と磁気調整部材45との間の磁気通路面積が増大すると共に、パイロット通路34の流路面積が縮小し、また、コイル15が下方に移動すると、磁気通路部材44と磁気調整部材45との間の磁気通路面積が縮小すると共に、パイロット通路34の流路面積が増大するようになっている。
コイル保持部材12の内周面には、磁気通路部材44に設けられたシール46、47によって、磁性流体から液密的に隔離された凹部48が形成されており、この凹部48を通して、コントローラからの導線がコイル15に接続されている。
このように構成したことにより、上記第5実施形態と同様、ピストンロッド6の伸び行程時には、ピストン速度の過度の上昇によるパイロット室21の圧力の上昇に対して、コイル15が下方に移動して、パイロット室21の下流側のパイロット通路34の流路面積を増大させ、また、磁気通路面積を縮小して、磁性流体の流通抵抗を低下させることにより、減衰力の過度の増大を抑制する。
ピストンロッド6の縮み行程時には、ピストン速度が過度に上昇した場合、コイル15がシリンダ下室2bの圧力によって、図15(A)に示す原位置から、図15(B)に示すように上方へ移動して、パイロット通路34の面積を絞り、また、磁気通路を増大させてコイル15の磁界の強さを増大させる。これにより、パイロット室21の上流側のパイロット通路34を流れる磁性流体の流通抵抗が増大して、パイロット室21の圧力の上昇が抑制される。その結果、コイル15の励磁時には、磁気通路面積の増大及びパイロット通路34の絞りの両方によって、また、コイル15の非励磁時には、パイロット通路34の絞りによって、パイロット室21の圧力の上昇を抑制することができ、減衰力の過度の増大を確実に防止することができる。このようにして、図16中に破線で示すように、ピストン速度の過度の上昇に対して、減衰力の過度の上昇を抑制して適切な減衰力特性を得ることができる。
本発明の第1実施形態に係る減衰力調整式緩衝器の要部の縦断面図である。 図1に示す減衰力調整式緩衝器の磁気通路部材と磁気調整部材との移動を示す図である。 図1に示す減衰力調整式緩衝器の減衰力特性を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る減衰力調整式緩衝器の要部の縦断面図である。 図4に示す減衰力調整式緩衝器の磁気通路部材と磁気調整部材との移動を示す図である。 図4に示す減衰力調整式緩衝器の減衰力特性を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る減衰力調整式緩衝器の要部の縦断面図である。 本発明の第4実施形態に係る減衰力調整式緩衝器の要部の縦断面図である。 図7及び図8に示す減衰力調整式緩衝器の磁気通路部材と磁気調整部材との移動を示す図である。 図7及び図8に示す減衰力調整式緩衝器の減衰力特性を示す図である。 本発明の第5実施形態に係る減衰力調整式緩衝器の要部の縦断面図である。 図11に示す減衰力調整式緩衝器の磁気通路部材と磁気調整部材との移動を示す図である。 図11に示す減衰力調整式緩衝器の減衰力特性を示す図である。 本発明の第6実施形態に係る減衰力調整式緩衝器の要部の縦断面図である。 図14に示す減衰力調整式緩衝器の磁気通路部材と磁気調整部材との移動を示す図である。 図14に示す減衰力調整式緩衝器の減衰力特性を示す図である。
符号の説明
1 減衰力調整式緩衝器、2 シリンダ、2a シリンダ上室(シリンダ室)、2b シリンダ下室(シリンダ室)、4 ピストン部(ピストン)、6 ピストンロッド、11 ディスクバルブ(減衰弁)、15 コイル、21 パイロット室、34 パイロット通路、27 磁気通路部材、31 磁気調整部材(磁気通路部材)、36 リリーフ通路、40 リリーフ弁、42 絞り部(絞り手段)

Claims (4)

  1. 磁性流体が封入されたシリンダと、該シリンダ内に摺動可能に嵌装されて前記シリンダ内を2つのシリンダ室に画成するピストンと、一端が前記ピストンに連結され、他端が前記シリンダの外部へ延出されたピストンロッドと、前記ピストンの摺動によって生じる磁性流体の流れを制御して減衰力を発生させる減衰力調整機構とを備えた減衰力調整式緩衝器において、
    前記減衰力調整機構は、減衰弁と、該減衰弁に閉弁方向に内圧を作用させるパイロット室と、前記シリンダ室の圧力を前記パイロット室に導入して該パイロット室の内圧を調整するパイロット通路と、前記パイロット通路に磁界を作用させるコイルと、前記コイルの磁気通路を形成する磁気通路部材とを備え、前記シリンダ室又は前記パイロット室の圧力によって、前記コイルと前記磁気通路部材とを相対変位させて、前記パイロット通路に作用する磁界を調整して、前記パイロット室の圧力を低下させることを特徴とする減衰力調整式緩衝器。
  2. 前記コイルと前記磁気通路部材との相対変位によって、前記パイロット通路をバイパスして前記パイロット室の圧力を前記シリンダ室へリリーフするリリーフ通路を設けたことを特徴とする請求項1に記載の減衰力調整式緩衝器。
  3. 前記コイルと前記磁気通路部材との相対変位によって、前記パイロット通路の流路面積を変化させて、前記パイロット室の圧力を低下させる絞り手段を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の減衰力調整式緩衝器。
  4. 前記パイロット室の圧力が所定値に達したとき、その圧力を前記シリンダ室へリリーフするリリーフ弁を設けたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の減衰力調整式緩衝器。
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JP2007321864A (ja) * 2006-05-31 2007-12-13 Hitachi Ltd 減衰力調整式油圧緩衝器

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