JP2009243591A - 減衰力調整式緩衝器及びこれを用いたサスペンション装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】パイロット(背圧)型の減衰力調整式油圧緩衝器において、高周波振動に対して、背圧室の圧力の上昇を抑えて減衰力の過度の増大を防止する。
【解決手段】シリンダ内のピストンの摺動によって生じる環状油路21とリザーバ4との間に生じる油液の流れをパイロット(背圧)型の減衰弁27及び圧力制御弁28(ソレノイドバルブ)によって制御して減衰力を発生させる。圧力制御弁28によって直接減衰力を発生させるとともに、背圧室53の内圧を調整して減衰弁27の開弁圧力を制御することができ、減衰力特性の調整範囲を広くすることができる。車両のサスペンション装置のバネ下共振(高周波振動)に対して、共振によって可動マス63の振幅が増幅され、リリーフポート69、70が開いて背圧室53の圧力をリリーフすることにより、減衰力の過度の増大を防止して、乗り心地の悪化を防止する。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車等の車両のサスペンション装置等に装着される減衰力調整式緩衝器及びこれを用いたサスペンション制御装置に関するものである。
自動車のサスペンション装置に装着される減衰力調整式緩衝器は、一般に、油液を封入したシリンダ内にピストンロッドを連結したピストンを摺動可能に嵌装してシリンダ内を2室に画成し、シリンダ内のピストンの摺動によって生じる油液の流れをオリフィス、ディスクバルブ等からなる減衰力発生機構によって制御して減衰力を発生させ、また、流量制御弁、圧力制御弁等を用いて減衰力発生機構の流通抵抗を変化させることにより減衰力を調整するようになっている。
この種の減衰力調整式緩衝器においては、例えば特許文献1に記載されているように、減衰力発生機構であるディスクバルブの背部に背圧室を形成し、この背圧室に固定オリフィスを介して上流側のシリンダ室に接続し、また、圧力制御弁(ソレノイドバルブ)を介して下流側のシリンダ室に接続する構成としたものがある。
特開2001−12534号公報
このように構成したことにより、圧力制御弁よって油液の流通抵抗を直接調整するとともに、背圧室の内圧を調整してディスクバルブの開弁圧力を調整することができるので、減衰力特性の調整範囲を広くすることができる。
しかしながら、特許文献1に記載されているような減衰力調整式緩衝器では、次のような問題がある。例えば、自動車等の車両のサスペンション制御装置に装着して、車両の走行状態に応じてコントローラからの制御信号によって減衰力制御を実行する場合、サスペンション装置のバネ下共振領域以上の高周波振動に対して、圧力制御弁(ソレノイドバルブ)のプランジャの慣性等によって応答(開弁)遅れが生じて、背圧室の圧力が上昇し、減衰力が過度に増大して、乗り心地が悪化することがある。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、高周波振動に対して、背圧室の圧力の上昇を抑えて減衰力の過度の増大を防止することができる減衰力調整式緩衝器及びこれを用いたサスペンション制御装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、流体が封入されたシリンダと、該シリンダ内に摺動可能に嵌装されたピストンと、一端が前記ピストンに連結され他端が前記シリンダの外部へ延出されたピストンロッドと、前記シリンダ内の前記ピストンの摺動によって生じる流体の流れを制御して減衰力を発生させるメインバルブと、該メインバルブに閉弁方向に内圧を作用させる背圧室とを備え、前記流体の流れの一部を前記背圧室に導入して前記背圧室の内圧によって前記メインバルブの開弁を制御する減衰力調整式緩衝器において、
前記背圧室の圧力をリリーフするためのリリーフポートと、当該減衰力調整式緩衝器に作用する加速度に応じて移動して前記リリーフポートを開閉する可動マスとを有し、所定周波数の振動に対して前記可動マスが移動して前記リリーフポートを開いて前記背圧室の圧力をリリーフする常閉の背圧リリーフ弁を設けたことを特徴とする。
本発明によれば、特定周波数、例えばサスペンション装置のバネ下共振周波数領域以上の高周波の振動に対して、背圧室の圧力をリリーフすることにより、背圧室の圧力の過度の上昇を防止して、減衰力の過度の増大による乗り心地の悪化を防止することができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図2に示すように、本実施形態に係る減衰力調整式油圧緩衝器1(流体圧緩衝器)は、シリンダ2の外側に外筒3を設けた二重筒構造となっており、シリンダ2と外筒3との間にリザーバ4が形成されている。シリンダ2内には、ピストン5が摺動可能に嵌装されており、このピストン5によってシリンダ2内がシリンダ上室2Aとシリンダ下室2Bとの2室に画成されている。ピストン5には、ピストンロッド6の一端がナット7によって連結されており、ピストンロッド6の他端側は、シリンダ上室2Aを通り、シリンダ2及び外筒3の上端部に装着されたロッドガイド8およびオイルシール9に挿通されて、シリンダ2の外部へ延出されている。シリンダ2の下端部には、シリンダ下室2Bとリザーバ4とを区画するベースバルブ10が設けられている。
ピストン5には、シリンダ上下室2A、2B間を連通させる油路11、12が設けられている。そして、油路11には、シリンダ下室2B側からシリンダ上室2A側への油液の流通のみを許容する逆止弁13が設けられ、また、油路12には、シリンダ上室2Aの油液圧力が所定圧力に達したとき開弁して、これをシリンダ下室2B側へリリーフするディスクバルブ14が設けられている。
ベースバルブ10には、シリンダ下室2Bとリザーバ4とを連通させる油路15、16が設けられている。そして、油路15には、リザーバ4側からシリンダ下室2B側への油液の流通のみを許容する逆止弁17が設けられ、また、油路16には、シリンダ下室2B側の油液の圧力が所定圧力に達したとき開弁して、これをリザーバ4側へリリーフするディスクバルブ18が設けられている。シリンダ2内には油液が封入されており、リザーバ4内には油液及びガスが封入されている。
シリンダ2には、上下両端部にシール部材19を介してアウタチューブ20が外嵌されており、シリンダ2とアウタチューブ20との間に環状油路21が形成されている。環状油路21は、シリンダ2の上端部付近の側壁に設けられた油路22によってシリンダ上室2Aに連通されている。アウタチューブ20の側壁には、小径の開口23が設けられ、また、外筒3の側壁には、開口23と略同心に大径の開口24が設けられており、外筒3の壁の開口24に減衰力発生機構25が取付けられている。
減衰力発生機構25について、図1を参照して説明する。図1に示すように、円筒状のケース26の一端部が開口24に挿入されて溶接によって固定されている。ケース26内には、パイロット型(背圧型)の減衰弁27、圧力制御弁28(ソレノイドバルブ)及び背圧リリーフ弁29が一体化されたバルブユニット30が挿入されて、ナット31によって固定されている。
バルブユニット30は、ナット31によってケース26に固定されるソレノイドケース32を備えている。ソレノイドケース32の外側端部には、軸方向に沿ってガイドボア33が形成され、ガイドボア33には、プランジャ34が摺動可能に案内され、更に、コイル35、プランジャスプリング36及びコア37が収容されており、これらは、ベース38をナット39によってソレノイドケース32に取付けることによって固定されている。ベース38には、プランジャスプリング36のばね力を調整するための調整ねじ40が取付けられている。また、コイル35には、通電用のリード線35Aが接続されて外部へ延出されている。
ソレノイドケース32の内側端部には、ガイドボア33と同心の通路ボア41が形成されており、ガイドボア33と通路ボア41とが小径のポート42を介して連通されている。ソレノイドケース32の内側端部には、有底円筒状のガイド部材43及び段付円筒状のバルブ部材44がこの順で配置され、バルブ部材44の小径部がガイド部材43の底部に挿通され、その先端のねじ部が通路ボア41にねじ込まれることによって、これらが一体に結合されている。バルブ部材44の大径部には、段付円筒状の通路部材45の大径部が嵌合され、通路部材45の小径部がアウタチューブ20の開口23に溶接されたポート部材46に挿入されており、バルブ部材44の内部の室47が通路部材45を介して環状油路21に連通されている。また、ケース26内のバルブユニット30の周囲に形成された室48がリザーバ4に連通されている。
バルブ部材44の底部には、室47に連通する複数の油路49が設けられ、底部の外側端面には、油路49の外周側に環状の弁座50が突出されている。バルブ部材44とガイド部材43との間に、複数枚積層されたディスクバルブ51(メインバルブ)の内周部がクランプされており、ディスクバルブ51の外周部が弁座50に着座している。また、ディスクバルブ51の背面には、環状のシール部材52が固着されており、シール部材52がガイド部材43の円筒部の内周面に液密的かつ摺動可能に嵌合されて、ガイド部材43の内部に背圧室53が形成されている。そして、ディスクバルブ51は、油路49の油液の圧力を受けて撓んで弁座50から離座(開弁)して、油路49を室48に直接連通させる。このとき、ディスクバルブ51と背圧室53とでパイロット型(背圧型)の減衰弁を形成しており、背圧室53の内圧がディスクバルブ51の閉弁方向に作用するようになっている。バルブ部材44の小径部内の軸方向油路55(導入流路)は、一端側が固定オリフィス56を介して室47に連通し、他端側が通路ボア41内に連通し、また、径方向油路57を介して背圧室53に連通している。
プランジャ34の先端部には、ポート42を開閉する弁体58が軸方向に移動可能に取付けられており、弁体58は、ディスク状の弁ばね59によって弾性的に支持されている。そして、ポート42と弁体58とで圧力制御弁28(弁手段)を形成しており、弁体58は、ポート42内の油液の圧力が所定圧力に達すると開弁し、その開弁圧力はプランジャスプリング36のばね力及びソレノイドの推力すなわちコイル35への通電電流に応じて調整されるようになっている。ガイドボア33は、ソレノイドケース32に形成された油路60(流出流路)を介して室48に連通されている。プランジャ34には、その両端に形成された室を互いに連通させる絞り通路61(減衰手段)が設けられており、その移動に適度な減衰力を作用させるようになっている。また、板ばね59のばね剛性をプランジャスプリング36のばね剛性よりも高くすると共に弁体58の質量をできるだけ軽量化するとこにより、弁体58の固有振動数を充分高く設定して、弁体58の自励振動の発生を抑制している。
次に、背圧リリーフ弁29について、図1に加えて図3を参照して説明する。ソレノイドケース32には、通路ボア41に直交するバルブボア62が形成されている。本実施形態では、バルブボア62は、上下方向に沿って配置されている。バルブボア62には、可動マス63が摺動可能に嵌合されており、バルブボア62の両端部に固定された閉止部材64と可動マス63との間にバルブスプリング65A、65B(圧縮ばね)が介装されて、可動マス63がバルブボア62の中央位置で弾性的に支持されている。可動マス63には、軸方向に沿って貫通されてその両端部の室を互いに連通させる連通路66が形成されており、連通路66には、オリフィス67(減衰手段)が設けられている。また、通路ボア41の内部を連通路66に連通させる油路68が形成されている。
ソレノイドケース32には、バルブボア62の上部及び下部にそれぞれ開口して、バルブボア62とケース26内の室48とを連通させる一対のリリーフポート69、70が設けられている。また、可動マス63の両端部には、それぞれリリーフポート69、70に常時連通する一対の外周溝71、72が形成されている。そして、可動マス63とリリーフポート69、70によってスプール弁が形成されており、可動マス63がバルブスプリング65A、65Bによって弾性的に支持されるバルブボア62の中央位置にあるときは、可動マス63の外周溝71、72に隣接するランド部によって通路ボア41とリリーフポート69、70との間が遮断され、可動マス63が中央位置から所定距離だけ下方に移動したとき、外周溝71が通路ボア41に連通して、リリーフポート69と通路ボア41とを連通させ、また、可動マス63が中央位置から所定距離だけ上方に移動したとき、外周溝72が通路ボア41に連通して、リリーフポート70と通路ボア41とを連通させるようになっている。
ここで、可動マス63の質量をM、バルブスプリング65A、65Bのばね定数をそれぞれk1、k2とすると、可動マス63の固有振動数fは、次式(数式1)で表すことができる。
2πf=√((k1+k2)/M) … (数式1)
したがって、可動マス63の質量M及びバルブスプリング65A、65Bのばね定数k1、k2によって可動マス63の固有振動数fを任意に設定することができる。そして、可動マス63の固有振動数fを減衰力調整式油圧緩衝器1が装着されるサスペンション装置のバネ下共振周波数領域に設定する。なお、設定する固有振動数fは、特に任意に設定できるが、減衰力発生機構25内のソレノイド等が制御上、追従できない高周波領域に設定することにより、本発明の効果をより高めることを期待することができ、自動車においては、バネ下(車輪)の共振以上の周波数に設定することが望ましい。
以上のように構成した本実施形態の作用について次に説明する。
減衰力調整式油圧緩衝器1は、自動車等の車両のサスペンション装置に対して、シリンダ2側をバネ下側に連結し、ピストンロッド6側をバネ上側に連結し、また、コイル35のリード線35Aをコントローラ(図示せず)に接続してサスペンション制御装置に装着される。
ピストンロッド6の伸び行程時には、シリンダ2内のピストン5の移動によって、ピストン5の逆止弁12が閉じ、ディスクバルブ14の開弁前には、シリンダ上室2A側の油液が加圧されて、油路22及び環状油路21を通り、通路部材45から減衰力発生機構25の室47へ流れる。そして、メインバルブ27のディスクバルブ51の開弁前においては、油液は、室47から固定オリフィス56、軸方向油路55、通路ボア41を通り、圧力制御弁28の弁体58を開弁させてガイドボア33へ流れ、更に、油路60及び室48を通ってリザーバ4へ流れる。そして、室47内の圧力がディスクバルブ51の開弁圧力に達すると、ディスクバルブ51が開弁して、油液が室47から直接室48へ流れる。
このとき、ピストン5が移動した分の油液がリザーバ4からベースバルブ10の逆止弁17を開いてシリンダ下室2Bへ流入する。なお、シリンダ上室2Aの圧力がピストン5のディスクバルブ14の開弁圧力に達すると、ディスクバルブ14が開いて、シリンダ上室2Aの圧力をシリンダ下室2Bへリリーフすることにより、シリンダ上室2Aの過度の圧力の上昇を防止する。
ピストンロッド6の縮み行程時には、シリンダ2内のピストン5の移動によって、ピストン5の逆止弁13が開き、ベースバルブ10の油路15の逆止弁17が閉じて、ディスクバルブ18の開弁前には、ピストン下室2Bの油液がシリンダ上室2Aへ流入し、ピストンロッド6がシリンダ2内に侵入した分の油液がシリンダ上室2Aから、上記伸び行程時と同様の経路を通ってリザーバ4へ流れる。なお、シリンダ下室2B内の圧力がベースバルブ10のディスクバルブ18の開弁圧力に達すると、ディスクバルブ18が開いて、シリンダ下室2Bの圧力をリザーバ4へリリーフすることにより、シリンダ下室2Bの過度の圧力の上昇を防止する。
これにより、ピストンロッド6の伸縮行程時共に、メインバルブ27の開弁前(ピストン速度低速域)においては、固定オリフィス56および圧力制御弁28によって減衰力が発生し、メインバルブ27の開弁後(ピストン速度高速域)においては、その開度に応じて減衰力が発生する。そして、コイル35への通電電流によって圧力制御弁28の開弁圧力を調整することにより、ピストン速度にかかわらず、減衰力を直接制御することができる。このとき、圧力制御弁28の開弁圧力によって背圧室53の内圧が調整されるので、メインバルブ27の開弁圧力を同時に調整することができ、これにより、減衰力特性の調整範囲を広くすることができる。
また、路面入力によるサスペンション装置のバネ下の上下振動によって背圧リリーフ弁29の可動マス63が加振されてバルブボア62内で上下に移動する。このとき、通常は、可動マス63の振幅が小さく、リリーフポート69、70が閉じた状態となるので、上述のように、コントローラからの制御電流に応じて圧力制御弁28の開弁圧力によって背圧室53の内圧を制御することができる。路面からの入力周波数が上昇して、サスペンション装置のバネ下共振周波数(可動マス63の固有振動数f)付近に達すると、共振によって可動マス63の振幅が増幅されて、可動マス63の外周溝71、72によって通路ボア41がリリーフポート69、70に連通され、背圧室53の圧力が室48へリリーフされる。これにより、メインバルブ27の開弁圧力が低下して、減衰力が小さくなるので、バネ下の振動を吸収してバネ上(車体側)への伝達を遮断することができ、乗り心地を向上させることができる。このようにして、バネ下の共振に対して、コントローラから制御電流によらず、迅速に減衰力を小さくすることができるので、圧力制御弁28の応答遅れの問題を生じることがなく、適切な減衰力制御を行うことができる。
次に、上記実施形態の背圧リリーフ弁29の変形例について、図4及び図5を参照して説明する。なお、上記実施形態に対して、同様の部分には同一の符号を付して、異なる部分についてのみ詳細に説明する。
図4に示す変形例では、可動マス63は、外周溝71、72が省略され、その両端部によって、直接リリーフポート69、70を開閉するようになっている。これにより、上記実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
また、図5に示す変形例では、背圧リリーフ弁29は、上部背圧リリーフ弁29A(図示せず)及び下部背圧リリーフ弁29Bとして通路ボア41の上下に配置されている。なお、上部及び下部背圧リリーフ弁29A、29Bは、同様の構造であるから、図5には下部背圧リリーフ弁29Bのみを図示し、上部背圧リリーフ弁29Aについての説明を省略する。
図5に示すように、背圧リリーフ弁29Bは、バルブボア62内に有底円筒状のガイド部材74が嵌合、固定され、ガイド部材74内に摺動可能に案内された可動マス75(ポペット弁)により、ガイド部材74の底部に設けられたリリーフポート70を開閉するようになっている。可動マス75は、バルブボア62内に固定されたばね受76と可動マス75との間に介装されたバルブスプリング77(圧縮コイルばね)によって付勢されて、その尖端部がリリーフポート70の弁座部70Aに着座してリリーフポート70を閉じている。また、可動マス75には、その軸方向に沿って貫通する連通路78(減衰手段として絞りを設けてもよい)が設けられている。そして、減衰力調整式緩衝器1に作用する加速度が所定加速度に達すると可動マス75が移動してリリーフポート70を開くようになっている。
このように構成したことにより、通常は、可動マス75は、バルブスプリング77のばね力と背圧室53の圧力によってリリーフポート70を閉じているが、路面からの入力周波数が上昇して、減衰力調整式緩衝器1に作用する加速度が所定加速度に達すると可動マス75が移動してリリーフポート70を開き、背圧室53の圧力が室48へリリーフされる。これにより、上記実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
なお、上述の実施形態及びその変形例では、可動マス63、75を案内するバルブボア62(ガイド部材74)は、上下方向に沿って配置されており、サスペンション装置のバネ下の上下方向の特定周波数(バネ下共振周波数)の振動に対して、可動マス63、75が移動することにより、背圧室53の圧力をリリーフして減衰力を低下させるようにしているが、可動マス63、75を案内するバルブボア62(ガイド部材74)の方向を適宜設定することにより、任意の方向の特定周波数の振動に対して、可動マス63、75を移動させ、背圧室53の圧力をリリーフして減衰力を低下させることができる。
例えば、バルブボア62(ガイド部材74)を車両前後方向、左右方向、あるいは、これらを組合わせた斜め方向に沿って配置することにより、それぞれの方向の特定周波数の振動に対して、背圧室53の圧力をリリーフして、減衰力を低下させることができる。
なお、上記実施形態及びその変形例では、一例として、コイル35への制御電流に応じて圧力制御弁28によって背圧室53の圧力を制御するものについて説明しているが、制御電流によらず、他の駆動手段によって圧力制御弁を制御するもの、あるいは、流量制御弁等の他の弁手段によって背圧室53の圧力を制御するものにも同様に適用することができる。また、直動式制御弁でなくともロータリー式の制御弁であってもよい。
さらに、上記実施形態及びその変形例では、固定オリフィスを背圧室53の上流側、弁手段を背圧室53の下流側に設けた例を示したが、これに限らず、固定オリフィスを下流側、弁手段を上流側に設けて、流入量を制御することで背圧を調整制御することも可能である。但し、この場合は、背圧室の圧力を正確には制御できないが、自動車走行中の最も制御したいピストン速度を想定し、このピストン速度のときの圧力を想定して制御すれば、圧力制御弁ほどではないが、十分に制御効果を得ることができる。
上記実施形態及びその変形例では、減衰弁27、圧力制御弁28及び背圧リリーフ弁29が一体化されたバルブユニット30をシリンダ2の側部のケース26内に配置して、環状油路21とリザーバ4との間の油液の流れを制御して減衰力を発生させるようにしているが、バルブユニット30をピストン5あるいはベースバルブ10に配置して、適宜その油路の油液の流れを制御して減衰力を発生させるようにしてもよい。
また、上記実施形態及びその変形例では、油液の流れを制御することによって減衰力を発生させる油圧緩衝器について説明しているが、本発明は、これに限らず、ガス等の他の流体の流れを制御して減衰力を発生させるものにも同様に適用することができる。
本発明の一実施形態に係る減衰力調整式油圧緩衝器の減衰力発生機構を拡大して示す縦断面図である。 図1に示す減衰力調整式油圧緩衝器の縦断面図である。 図1の減衰力発生機構の背圧リリーフ弁を拡大して示す縦断面図である。 図1の減衰力発生機構の背圧リリーフ弁の変形例を拡大して示す縦断面図である。 図1の減衰力発生機構の背圧リリーフ弁の他の変形例を拡大して示す縦断面図である。
符号の説明
1 減衰力調整式油圧緩衝器(減衰力調整式緩衝器)、2 シリンダ、5 ピストン、6 ピストンロッド、29 背圧リリーフ弁、51 ディスクバルブ(メインバルブ)、53 背圧室、69、70 リリーフポート、63 可動マス

Claims (18)

  1. 流体が封入されたシリンダと、該シリンダ内に摺動可能に嵌装されたピストンと、一端が前記ピストンに連結され他端が前記シリンダの外部へ延出されたピストンロッドと、前記シリンダ内の前記ピストンの摺動によって生じる流体の流れを制御して減衰力を発生させるメインバルブと、該メインバルブに閉弁方向に内圧を作用させる背圧室とを備え、前記流体の流れの一部を前記背圧室に導入して前記背圧室の内圧によって前記メインバルブの開弁を制御する減衰力調整式緩衝器において、
    前記背圧室の圧力をリリーフするためのリリーフポートと、当該減衰力調整式緩衝器に作用する加速度に応じて移動して前記リリーフポートを開閉する可動マスとを有し、所定周波数の振動に対して前記可動マスが移動して前記リリーフポートを開いて前記背圧室の圧力をリリーフする常閉の背圧リリーフ弁を設けたことを特徴とする減衰力調整式緩衝器。
  2. 前記背圧室には、該背圧室内の圧力を外部より調整可能な弁手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の減衰力調整式緩衝器。
  3. 流体が封入されたシリンダと、該シリンダ内に摺動可能に嵌装されたピストンと、一端が前記ピストンに連結され他端が前記シリンダの外部へ延出されたピストンロッドと、前記シリンダ内の前記ピストンの摺動によって生じる流体の流れを制御して減衰力を発生させるメインバルブと、該メインバルブに閉弁方向に内圧を作用させて前記メインバルブの開弁を制御する背圧室と、前記メインバルブの上流側から前記背圧室側に流体を導入する導入流路と、前記背圧室側から前記メインバルブの下流側への流体を流出させる流出流路と、前記導入流路または前記流出流路の一方に設けられた固定オリフィスと、前記導入流路または前記流出流路の他方に設けられて流体の流れを外部より制御可能とする弁手段とを備え、前記弁手段によって前記背圧室の内圧を制御する減衰力調整式緩衝器において、
    前記背圧室の圧力をリリーフするためのリリーフポートと、当該減衰力調整式緩衝器に作用する加速度に応じて移動して前記リリーフポートを開閉する可動マスとを有し、所定周波数の振動に対して前記可動マスが移動して前記リリーフポートを開いて前記背圧室の圧力をリリーフする常閉の背圧リリーフ弁を設けたことを特徴とする減衰力調整式緩衝器。
  4. 前記可動マスは、上下方向の加速度に応じて移動することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の減衰力調整式緩衝器。
  5. 前記所定周波数は、当該減衰力調整式緩衝器が装着されるサスペンション装置のバネ下共振周波数領域以上であることを特徴とする請求項4に記載の減衰力調整式緩衝器。
  6. 前記可動マスは、左右方向の加速度に応じて移動することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の減衰力調整式緩衝器。
  7. 前記可動マスは、前後方向の加速度に応じて移動することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の減衰力調整式緩衝器。
  8. 前記背圧リリーフ弁は、前記可動マスの移動によってリリーフ通路を開閉するスプール弁であり、前記可動マスは、ばねによって弾性的に支持されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の減衰力調整式緩衝器。
  9. 前記背圧リリーフ弁は、前記可動マスがばねの付勢力によってリリーフ通路を閉じるポペット弁であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の減衰力調整式緩衝器。
  10. 前記可動マスには、その移動に対して減衰力を付与する減衰手段が設けられていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の減衰力調整式緩衝器。
  11. 前記メインバルブ、前記背圧室、前記弁手段及び前記背圧リリーフ弁を一体化したバルブユニットを備えていることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の減衰力調整式緩衝器。
  12. 前記バルブユニットは、前記シリンダの側部に配置されていることを特徴とする請求項11に記載の減衰力調整式緩衝器。
  13. 前記バルブユニットは、前記ピストンに配置されていることを特徴とする請求項11に記載の減衰力調整式緩衝器。
  14. 前記シリンダには、ベースバルブを介してリザーバが接続されており、前記バルブユニットは、ベースバルブに配置されていることを特徴とする請求項11に記載の減衰力調整式緩衝器。
  15. 車両のサスペンション装置のバネ上バネ下間に減衰力調整式緩衝器が装着され、前記車両の走行状態に基づいて、コントローラによって前記減衰力調整式緩衝器の減衰力を調整するサスペンション装置において、
    前記減衰力調整式緩衝器は、流体が封入されたシリンダと、該シリンダ内に摺動可能に嵌装されたピストンと、一端が前記ピストンに連結され他端が前記シリンダの外部へ延出されたピストンロッドと、前記シリンダ内の前記ピストンの摺動によって生じる流体の流れを制御して減衰力を発生させるメインバルブと、該メインバルブに閉弁方向に内圧を作用させる背圧室とを備え、前記流体の流れの一部を前記背圧室に導入して前記背圧室の内圧によって前記メインバルブの開弁を制御し、
    更に、前記背圧室の圧力をリリーフするためのリリーフポートと、当該減衰力調整式緩衝器に作用する加速度に応じて移動して前記リリーフポートを開閉する可動マスとを有し、所定周波数の振動に対して前記可動マスが移動して前記リリーフポートを開いて前記背圧室の圧力をリリーフする常閉の背圧リリーフ弁が設けられていることを特徴とするサスペンション装置。
  16. 前記背圧室には、該背圧室内の圧力を外部より調整可能な弁手段を設けたことを特徴とする請求項15に記載のサスペンション装置。
  17. 前記可動マスは、前記サスペンション装置のバネ下の振動に応じて移動することを特徴とする請求項15または16に記載のサスペンション装置。
  18. 前記所定周波数は、前記サスペンション装置のバネ下共振周波数領域以上であることを特徴とする請求項15乃至17のいづれかに記載のサスペンション装置。
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