JP2014129842A - 緩衝器 - Google Patents

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Abstract

【課題】緩衝器の減衰力発生機構の弁体に作用する流体力を軽減して、安定した減衰力特性を得る。
【解決手段】シリンダ2内のピストンの摺動によって生じる油液の流れをパイロット型のメインバルブ27及びパイロットバルブ28により制御して減衰力を発生させ、パイロットバルブ28により背圧室49の内圧を調整してメインバルブ27の開弁を制御する。パイロットバルブ28のパイロット弁部材56及びパイロットバネ59が配置された弁室54内に、流路部材110を設けて第1、第2径方向流路113、115及び軸方向流路114を形成し、これらの流路により弁室54に流入する油液をパイロット弁部材56及びパイロットバネ59の付近から迂回させる。これにより、パイロット弁部材56及びパイロットバネ59に作用する流体力を軽減して安定した減衰力特性を得る。
【選択図】図2

Description

本発明は、ピストンロッドのストロークに対して、流体の流れを制御することにより、減衰力を発生させる油圧緩衝器等の緩衝器に関するものである。
自動車等の車両のサスペンション装置に装着される緩衝器は、一般的に、流体が封入されたシリンダ内にピストンロッドが連結されたピストンを摺動可能に嵌装し、ピストンロッドのストロークに対して、シリンダ内のピストンの摺動によって生じる流体の流れをオリフィス、ディスクバルブ等からなる減衰力発生機構によって制御して減衰力を発生させるようになっている。
また、例えば特許文献1に記載された油圧緩衝器では、減衰力発生機構であるメインディスクバルブの背部に背圧室(パイロット室)を形成し、流体の流れの一部を背圧室に導入し、メインディスクバルブに対して、背圧室の内圧を閉弁方向に作用させ、減衰力調整弁であるソレノイドバルブ(パイロット弁)によって背圧室の内圧を調整することにより、メインディスクバルブの開弁を制御するようにしている。これにより、減衰力特性の調整の自由度を高めることができる。
2009−281584号公報
このような減衰力特性を調整可能な緩衝器においては、ピストン速度が速くなると、減衰力調整弁の弁体、弁体を支持する弁バネ等に作用する流体力の影響により、弁体が振動してチャタリング現象を発生し、減衰力特性が不安定になる虞がある。
本発明は、減衰力発生機構の弁体に作用する流体力を軽減して、安定した減衰力特性を得ることができる緩衝器を提供すること目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、流体が封入されたシリンダと、該シリンダ内に摺動可能に挿入されたピストンと、該ピストンに連結されて前記シリンダの外部に延出するピストンロッドと、前記シリンダ内の前記ピストンの摺動によって生じる流体の流れを制御して減衰力を発生させる減衰力発生機構とを備えた緩衝器において、前記減衰力発生機構は、流体の圧力受けて開弁するメインバルブと、該メインバルブの背圧を調整して前記メインバルブの開弁を制御するパイロットバルブとを有し、前記パイロットバルブは、パイロット圧を受けて開弁して弁室に流出させる弁体と、前記弁体を付勢する弁バネとを含み、前記弁室内に該弁室に流入する流体を前記弁バネを迂回させる流路が設けられていることを特徴とする。
本発明に係る緩衝器によれば、減衰力発生機構の弁体に作用する流体力を軽減して、安定した減衰力特性を得ることができる。
本発明の一実施形態に係る緩衝器の縦断面図である。 図1の緩衝器の減衰力発生機構を拡大して示す縦断面図である。 図2の減衰力発生機構の要部であるパイロット弁の周辺を更に拡大して示す縦断面図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る緩衝器である減衰力調整式緩衝器1は、シリンダ2の外側に外筒3を設けた複筒構造となっており、シリンダ2と外筒3との間にリザーバ4が形成されている。シリンダ2内には、ピストン5が摺動可能に嵌装されており、このピストン5によってシリンダ2内がシリンダ上室2Aとシリンダ下室2Bとの2室に画成されている。ピストン5には、ピストンロッド6の一端がナット7によって連結されており、ピストンロッド6の他端側は、シリンダ上室2Aを通り、シリンダ2及び外筒3の上端部に装着されたロッドガイド8およびオイルシール9に挿通されて、シリンダ2の外部へ延出されている。シリンダ2の下端部には、シリンダ下室2Bとリザーバ4とを区画するベースバルブ10が設けられている。
ピストン5には、シリンダ上下室2A、2B間を連通させる通路11、12が設けられている。そして、通路12には、シリンダ下室2B側からシリンダ上室2A側への流体の流通のみを許容する逆止弁13が設けられ、また、通路11には、シリンダ上室2A側の流体の圧力が所定圧力に達したとき開弁して、これをシリンダ下室2B側へリリーフするディスクバルブ14が設けられている。
ベースバルブ10には、シリンダ下室2Bとリザーバ4とを連通させる通路15、16が設けられている。そして、通路15には、リザーバ4側からシリンダ下室2B側への流体の流通のみを許容する逆止弁17が設けられ、また、通路16には、シリンダ下室2B側の流体の圧力が所定圧力に達したとき開弁して、これをリザーバ4側へリリーフするディスクバルブ18が設けられている。作動流体として、シリンダ2内には、油液が封入され、リザーバ4内には油液及びガスが封入されている。
シリンダ2には、上下両端部にシール部材19を介してセパレータチューブ20が外嵌されており、シリンダ2とセパレータチューブ20との間に環状通路21が形成されている。環状通路21は、シリンダ2の上端部付近の側壁に設けられた通路22によってシリンダ上室2Aに連通されている。セパレータチューブ20の下部には、側方に突出して開口する円筒状の接続口23が形成されている。また、外筒3の側壁には、接続口23と同心で接続口よりも大径の開口24が設けられ、この開口24を囲むように円筒状のケース25が溶接等によって結合されている。そして、ケース25に減衰力発生機構26が収納されている。
次に、減衰力発生機構26について、主に図2及び図3を参照して説明する。
減衰力発生機構26は、パイロット型(背圧型)のメインバルブ27、メインバルブ27の開弁圧力を制御するソレノイド駆動の圧力制御弁であるパイロットバルブ28、及び、パイロットバルブ28の下流側に設けられてフェイル時に作動するフェイルセーフバルブ29とが一体に組込まれたバルブブロック30と、パイロットバルブ28を作動させるソレノイドブロック31とから構成されている。そして、バルブブロック30とソレノイドブロック31とを結合して一体化し、これをケース25内に挿入し、ナット34をケース25に螺着することによって固定する。
ケース25の端部に形成された内側フランジ25Aには、リザーバ4とケース25内の室25Bとを連通させるための通路となる切欠32が形成されている。通路部材33は、円筒部材の一端部外周にフランジ部33Aが形成された形状で、先端部が接続口23に挿入され、フランジ部33Aが内側フランジ部25Aに当接して固定されている。通路部材33は、シール部材33Bによって被覆されて、接続口23及びバルブブロック30の後述するメインボディ35との接合部をシールしている。
バルブブロック30は、メインボディ35、結合部材であるパイロットピン36及び開口部を有するケース部材であるパイロットボディ37を備えている。メインボディ35は、略環状で一端部が通路部材33のフランジ部33Aに当接している。メインボディ35には、軸方向に貫通する通路38が円周方向に沿って複数設けられている。通路38は、メインボディ35の一端部に形成された環状凹部100を介して通路部材33の通路に連通している。メインボディ35の他端部には、複数の通路38の開口部の外周側に環状のシート部39が突出し、内周側に環状のクランプ部40が突出している。メインボディ35のシート部39には、メインバルブ27を構成するディスクバルブであるメインディスクバルブ41の外周部が着座している。メインディスクバルブ41の内周部は、リテーナ42及びワッシャ43と共に、クランプ部40とパイロットピン36とによってクランプされている。メインディスクバルブ41の背面側外周部には、環状の摺動シール部材45が例えば焼き付けなどの方法により固着されている。
パイロットピン36は、中間部に大径部36Aを有する段付の円筒状で、一端部にオリフィス46が形成されている。パイロットピン36は、一端部がメインボディ35に圧入されて、大径部36Aによってメインディスクバルブ41をクランプする。パイロットピン36のパイロットボディ37の通路50に圧入される嵌合部となる他端部は、軸方向に沿って延びる切欠部として外周部が等間隔で三面取りされて断面形状が略三角形の面取り部47となっている。そして、面取り部47は、パイロットボディ37の中央の嵌合穴である通路50に圧入されたとき、通路50の内壁との間に軸方向に延びる3つの通路47Aを形成する。三面取りされて断面形状が略三角径の面取り部47を有する形状のパイロットピン36は、例えば鍛造によって容易に成形することができる。また、パイロットピン36は、鍛造で成型する他、円柱形状から切削により面取り部47を形成してもよい。パイロットピン36を鍛造で成型した場合には、切削による切子などが発生しないため、コンタミが生じ難く、生産性だけでなく、信頼性の向上を図ることができる。
パイロットボディ37は、中間部に底部37Aを有する略有底円筒状で、底部37Aの中央に貫通された通路50にパイロットピン36の面取り部47が圧入され、底部37Aが後述する可撓性ディスク48を介してパイロットピン36の大径部36Aに当接して固定されている。パイロットボディ37の一端側の円筒部37Bの内周面にメインディスクバルブ41の摺動シール部材45が摺動可能かつ液密的に嵌合して、メインディスクバルブ41の背部に背圧室49を形成している。メインディスクバルブ41は、通路38側の圧力を受けてシート部39からリフトして開弁し、通路38を下流側のケース25内の室25Bに連通させる。背圧室49の内圧は、メインディスクバルブ41に対して閉弁方向に作用する。
パイロットボディ37の底部37Aには、通路51が貫通され、通路51の開口の周囲に突出されたシート部に可撓性ディスク48が着座し、背圧室49の内圧によって可撓性ディスク48が撓むことにより、背圧室49に体積弾性を付与している。つまり、メインディスクバルブ41の開弁動作により背圧室49の内圧が過度に上昇して、メインディスクバルブ41の開弁が不安定になるのを防止するため、可撓性ディスク48が撓むことにより背圧室49の容積を広げる。パイロットピン36に当接するディスク48Aの内周縁部に直径方向に延びる細長い切欠52が形成されている。切欠52及びパイロットピン36の面取り部47とパイロットボディ37の通路50との間に形成された通路47Aによって背圧室49と通路50とが連通している。
パイロットボディ37の他端側の円筒部37C内に弁室54が形成されている。パイロットボディ37の底部37Aには、通路50の開口の周縁部に突出する環状のシート部55が形成されている。弁室54内には、シート部55に離着座して通路50を開閉するパイロットバルブ28を構成する弁体であるパイロット弁部材56が設けられている。パイロット弁部材56は、略円筒状で、シート部55に離着座する先端部が先細りのテーパ状に形成され、基端側外周部に大径のフランジ状のバネ受部57が形成されている。パイロット弁部材56の先端側の内周部には、小径のロッド受部58が形成されている。パイロット弁部材56の後部の開口の内周縁部は、テーパ部56Aが形成されて拡開されている。
パイロット弁部材56は、径方向に延びる弾性部材からなる弁バネであるパイロットバネ59及びフェイルセーフディスク61によってシート部55に対向して軸方向に移動可能に弾性的に保持されている。なお、バネ受部57は、フェイルセーフディスク61に当接した状態で弁室54に対する受圧面となるので、弁室54の圧力に抗して移動させる際の力を軽減するため、パイロットバネ59と、フェイルセーフディスク61とに当接するために必要な径を確保しつつ、できるだけ径を小さくすることが望ましい。
弁室54内には、パイロットボディ37の円筒部37C内には、略有底円筒状の流路部材110が挿入されている。流路部材110は、底部がパイロットボディ37の底部に当接し、円筒状の側壁がパイロットボディの円筒部37C内に嵌合している。流路部材110の底部の外側中央部には、パイロットボディ37の底部37Aから突出するシート部55を収容する円形の凹部111が形成されている。凹部111の底部は、テーパ状に形成されている。凹部111の中心部には、パイロット弁部材56の先端部が隙間をもって挿入される開口部112が貫通されている。流路部材110の底部の外側には、凹部111から径方向外側に放射状に外周面まで延びる複数の凹溝が形成され、これらの凹溝とパイロットボディ37の底部37Aとの間に第1径方向流路113が形成されている。第1径方向流路113は、通路51にも連通する。また、流路部材110の外周部には、第1径方向流路113を形成する複数の凹溝からそれぞれ軸方向に沿って開口端部まで延びる複数の凹溝が形成され、これらの凹溝とパイロットボディ37の円筒部37Cとの間に軸方向流路114が形成されている。流路部材110には、更に、その側壁の開口側の端部63に軸方向流路114を形成する複数の凹溝からそれぞれ径方向に沿って内周面まで延びる凹溝が形成され、これらの凹溝と、流路部材の端部63に当接するリテーナ64(後述)との間に第2径方向流路115が形成されている。
流路部材110の内周部には、段部62が形成され、流路部材110の端部63及び段部62により、パイロットボディ37の円筒部37C内に2つの段部が形成されている。そして、パイロットバネ59の径方向外側端部が流路部材110の段部62に支持され、流路部材110の端部63に、環状のリテーナ64、フェイルセーフディスク61、リテーナ65、スペーサ66及び保持プレート67が重ねられ、円筒部37Cの端部に嵌合されたキャップ68によって、流路部材110と共に固定されている。
そして、流路部材110の凹部111、第1径方向流路113、軸方向流路114及び第2径方向流路115により、弁室54内において、パイロットバルブ28の開弁時に、通路50から弁室54に流入する油液をパイロット弁部材56及びこれを付勢するパイロットバネ59の付近から迂回させる流路を形成している。
この流路部材110は、整流板として作用し、パイロットバネ59の上流側への流体の流れを抑制し、凹部111に流体を導く。
ソレノイドブロック31は、ソレノイドケース71内に、コイル72と、コイル72内に挿入されたコア73、74と、コア73、74に案内されたプランジャ75と、プランジャ75に連結された中空の作動ロッド76と、プランジャ75及び作動ロッド76を
付勢するコイルバネであるフェイルセーフバネ116とを組込んで一体化したものである。これらは、ソレノイドケース71の後端部にカシメによって取付けられた環状のスペーサ77及びカップ状のカバー78によって固定されている。コイル72、コア73、74、プランジャ75及び作動ロッド76によってソレノイドアクチュエータを構成している。そして、コイル72に通電することにより、電流に応じてプランジャ75にフェイルスプリング116のバネ力に抗して軸方向の推力を発生させる。作動ロッド76の先端部は、外周縁部にはテーパ部76Aが形成されて先細り形状となっている。中空の作動ロッド76内に形成された連通路76Bによって通路50、弁室54と、作動ロッド76の背部の室とが連通され、また、プランジャ75に、その両端側に形成された室を互いに連通させる連通路75Aが設けられており、これらの連通路76B、75Aにより、作動ロッド76及びプランジャ75に作用する流体力をバランスさせると共に、これらの移動に対して適度な減衰力を付与する。
ソレノイドケース71は、一端側にケース25内に嵌合する円筒部71Aを有し、円筒部71内に、パイロットボディ37に取付けられたキャップ68の大径部69Bが嵌合される。円筒部71Aとケース25との間は、Oリング80によってシールされている。ソレノイドケース71は、円筒部71Aの内部に突出する作動ロッド76の先端部をバルブブロック30に組込まれたパイロット弁部材56に挿入して、ロッド受部58に当接させ、パイロットボディ37に取付けられたキャップ68の大径部69Bを円筒部71A内に嵌合して、バルブブロック30に連結される。そして、ソレノイドケース71は、その外周溝に装着された止輪81をナット34によって保持することによりケース25に固定される。
バルブブロック30とソレノイドブロック31とが結合され、作動ロッド76がパイロット弁部材56に挿入された状態でコイル72への非通電時においては、図3中の下半分(符号を正立視した場合において、作動ロッド76の中心線よりも下側、以下同じ。)に示すように、フェイルセーフバネ116のバネ力により、パイロット弁部材56は、作動ロッド76と共に後退してバネ受部57がフェイルセーフディスク61に当接する。このとき、パイロットバネ59は、段部62に押圧されず、バネ力を生じない。コイル72への通電により、図3中の上半分(符号を正立視した場合において、作動ロッド76の中心線よりも上側、以下同じ。)に示すように、作動ロッド76によりパイロット弁部材56をシート部55に向かって前進させることにより、パイロットバネ59を段部62に当接させ、フェイルセーフバネ116及びパイロットバネ59のバネ力に抗してパイロット弁部材56をシート部55に着座させ、通電電流により開弁圧力を制御する。
次に、減衰力調整式緩衝器1の作用について説明する。
減衰力調整式緩衝器1は、車両のサスペンション装置のバネ上バネ下間に装着され、コイル72がリード線(図示せず)を介して車載コントローラ等に接続され、通常の作動状態では、コイル72に通電して、パイロット弁部材56をパイロットボディ37のシート面に着座させて、パイロットバルブ28による圧力制御を実行する。
ピストンロッド6の伸び行程時には、シリンダ2内のピストン5の移動によって、ピストン5の逆止弁13が閉じ、ディスクバルブ14の開弁前には、シリンダ上室2A側の流体が加圧されて、通路22及び環状通路21を通り、セパレータチューブ20の接続口23から減衰力発生機構26の通路部材33に流入する。
このとき、ピストン5が移動した分の油液がリザーバ4からベースバルブ10の逆止弁17を開いてシリンダ下室2Bへ流入する。なお、シリンダ上室2Aの圧力がピストン5のディスクバルブ14の開弁圧力に達すると、ディスクバルブ14が開いて、シリンダ上室2Aの圧力をシリンダ下室2Bへリリーフすることにより、シリンダ上室2Aの過度の圧力の上昇を防止する。
減衰力発生機構26では、通路部材33から流入した油液は、メインバルブ27のメインディスクバルブ41の開弁前(ピストン速度低速域)においては、パイロットピン36のオリフィス通路46、パイロットボディ37の通路50を通り、パイロットバルブ28のパイロット弁部材56を押し開いて弁室54内の流路部材110の凹部111に流入する。そして、流路部材110の凹部111からから、第1径方向流路113、軸方向流路114及び第2径方向流路115を通り、更にフェイルセーフディスク61の開口を通り、保持プレート67の開口67A、キャップ68の切欠68A、ケース25内の室25B及びフランジ部25Aの切欠32を通ってリザーバ4へ流れる(図3の上半分参照)。そして、ピストン速度が上昇してシリンダ上室2A側の圧力がメインディスクバルブ41の開弁圧力に達すると、通路部材33に流入した油液は、環状凹部100及び通路38を通り、メインディスクバルブ41を押し開いてケース25内の室25Bへ直接流れる。
ピストンロッド6の縮み行程時には、シリンダ2内のピストン5の移動によって、ピストン5の逆止弁13が開き、ベースバルブ10の通路15の逆止弁17が閉じて、ディスクバルブ18の開弁前には、ピストン下室2Bの流体がシリンダ上室2Aへ流入し、ピストンロッド6がシリンダ2内に侵入した分の流体がシリンダ上室2Aから、上記伸び行程時と同様の経路を通ってリザーバ4へ流れる。なお、シリンダ下室2B内の圧力がベースバルブ10のディスクバルブ18の開弁圧力に達すると、ディスクバルブ18が開いて、シリンダ下室2Bの圧力をリザーバ4へリリーフすることにより、シリンダ下室2Bの過度の圧力の上昇を防止する。
これにより、ピストンロッド6の伸縮行程時共に、減衰力発生機構26において、メインバルブ27のメインディスクバルブ41の開弁前(ピストン速度低速域)においては、オリフィス通路46及びパイロットバルブ28のパイロット弁部材56の開弁圧力によって減衰力が発生し、ディスクバルブ47の開弁後(ピストン速度高速域)においては、その開度に応じて減衰力が発生する。そして、コイル59への通電電流によってパイロットバルブ28の開弁圧力を調整することにより、ピストン速度にかかわらず、減衰力を直接制御することができる。このとき、パイロットバルブ28の開弁圧力によって、その上流側の通路50に、パイロットピン36の面取り部47によって形成される通路47A及びディスク48の切欠52を介して連通する背圧室49の内圧が変化し、背圧室49の内圧は、メインディスクバルブ41の閉弁方向に作用するので、パイロットバルブ28の開弁圧力を制御することにより、メインディスクバルブ41の開弁圧力を同時に調整することができ、これにより、減衰力特性の調整範囲を広くすることができる。
また、コイル72への通電電流を小さくして、プランジャ75の推力を小さくすると、パイロットバルブ28の開弁圧力が低下して、ソフト側の減衰力が発生し、通電電流を大きくして、プランジャ75の推力を大きくすると、パイロットバルブ28の開弁圧力が上昇して、ハード側の減衰力が発生するので、一般的に使用頻度の高いソフト側の減衰力を低電流で発生させることができ、消費電力を低減することができる。
コイル72の断線、車載コントローラの故障等のフェイルの発生により、プランジャ75の推力が失われた場合には、フェイルセーフバネ116のバネ力によってパイロット弁部材56が後退して、通路50が開き、パイロット弁部材56のバネ受部57がフェイセーフルディスク61に当接して、弁室54と、ケース25内の室25Bとの間の流路を閉じる。この状態では、弁室54内における通路50からケース25内の室25Bへの油液の流れは、フェイルセーフバルブ29によって制御されることになるので、切欠61Cの流路面積及びフェイルセーフディスク61の開弁圧力の設定によって所望の減衰力を発生させると共に、背圧室49の内圧、すなわち、メインディスクバルブ41の開弁圧力を調整することができる。その結果、フェイル時においても適切な減衰力を得ることができる。
弁室54内に流路部材110を設けて、凹部111、第1径方向流路113、軸方向流路114及び第2径方向流路115により、パイロット弁部材56の開弁時に通路50から弁室54内に流入する油液をパイロット弁部材56及びこれを付勢するパイロットバネ59の付近から迂回させる流路を形成したので、通路50から弁室54に流入する油液の流れによる流体力がパイロット弁部材56及びパイロットバネ59に作用しにくくなり、流体力の影響によるパイロット弁部材56の振動や、振動によるチャタリング現象の発生を抑制して安定した減衰力特性を得ることができる。フェイルセーフバネ116は、パイロットバルブ28の通路50の油液の流れの影響を受けないソレノイドブロック31の内部に設けられているので、流体力の影響が問題となることがない。
なお、流路部材110による油液の流路の迂回がない場合、パイロットバルブ28の開口50から弁室54に流入した油液が、パイロット弁部材56の近傍を流れ、径方向に延びるパイロットバネ59を横切ることになるので、流体力の影響により、パイロット弁部材56が振動し、チャタリング現象を生じて減衰力が不安定になったり、コイル72への通電による制御中にもかかわらず、パイロット弁部材56が図3の右側に示すフェイル位置まで移動するフェイル落ちと呼ばれる現象が生じたりする虞がある。パイロット弁部材56は、一旦、図3の右側に示すフェイル位置に移動すると、パイロット弁部材56の上流側と下流側との差圧により、図3の左側に示す制御位置に復帰し難くなり問題となる。本実施の形態に示すように流路部材110による油液の流路の迂回により、パイロットバルブ28への流体の影響が軽減されるので、フェイル落ちと呼ばれる現象の発生を低減させることができる。
なお、本実施の形態では流路部材110を弁室54内に挿入する例を示したが、弁室54を切削加工することにより、流路部材110と同等の流路を形成することもできる。
1…減衰力調整式緩衝器(緩衝器)、2…シリンダ、5…ピストン、6…ピストンロッド、26…減衰力発生機構、27…メインバルブ、28…パイロットバルブ、54…弁室、56…パイロット弁部材(弁体)、59…パイロットバネ(弁バネ)、111…凹部(流路)、113…第1径方向流路(流路)、114…軸方向流路(流路)、115…第2軸方向流路(流路)

Claims (3)

  1. 流体が封入されたシリンダと、該シリンダ内に摺動可能に挿入されたピストンと、該ピストンに連結されて前記シリンダの外部に延出するピストンロッドと、前記シリンダ内の前記ピストンの摺動によって生じる流体の流れを制御して減衰力を発生させる減衰力発生機構とを備えた緩衝器において、
    前記減衰力発生機構は、流体の圧力受けて開弁するメインバルブと、該メインバルブの背圧を調整して前記メインバルブの開弁を制御するパイロットバルブとを有し、
    前記パイロットバルブは、パイロット圧を受けて開弁して弁室に流出させる弁体と、前記弁体を付勢する弁バネとを含み、
    前記弁室内に該弁室に流入する流体を前記弁バネを迂回させる流路が設けられていることを特徴とする緩衝器。
  2. 前記弁バネは環状の板バネからなり、前記迂回させる流路は、前記弁バネの外周を通って前記弁バネの下流側に流れるように形成されたことを特徴とする請求項1に記載の緩衝器。
  3. 前記弁バネの上流側には、前記弁体から前記弁室内へ流入した流れを該前記弁体の外周側に導くと共に、該弁板の上流側への流れを抑制する整流板を設けたことを特徴とする請求項2に記載の緩衝器。
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