JP5678348B2 - 減衰力調整式緩衝器 - Google Patents

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Description

本発明は、減衰力を調整可能な減衰力調整式緩衝器に関するものである。
自動車等の車両のサスペンション装置に装着される緩衝器には、路面状況、走行状況等に応じて乗り心地や操縦安定性を向上させるために減衰力を適宜調整できるようにした減衰力調整式緩衝器がある。
減衰力調整式緩衝器は、一般的に、流体が封入されたシリンダ内にピストンロッドを連結したピストンを摺動可能に嵌装し、シリンダ内のピストンの摺動によって流体が流通する通路に、減衰力調整機構を設けた構成となっている。特許文献1の減衰力調整機構は、パイロット式の減衰バルブによって流体の流動を制御して減衰力を発生させ、さらに、パイロット圧を排出する通路にアクチュエータにより駆動される制御弁を設け、この制御弁を制御することで減衰力を制御する。
特開2001−12534号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載されたものでは、フェイル時等の非通電状態に制御弁が閉じた状態となり減衰力が高くなりすぎるという問題がある。
本発明は、簡単な構造で、非通電状態においても、適切な減衰力を得ることができる減衰力調整式緩衝器を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、流体が封入されたシリンダと、該シリンダ内に摺動可能に嵌装されたピストンと、該ピストンに連結されて前記シリンダの外部へ延出されたピストンロッドと、前記シリンダ内のピストンの摺動によって生じる流体の流れを制御して減衰力を発生させるメインバルブと、該メインバルブに対して閉弁方向に内圧を作用させるパイロット室と、該パイロット室に流体を導入する導入通路と、前記パイロット室と前記メインバルブの下流側とを連通するパイロット通路と、該パイロット通路に設けられた制御弁とを備えた減衰力調整式緩衝器において、前記制御弁は、付勢手段によって開弁方向に付勢される弁体と、ソレノイドの推力によって前記弁体を閉弁方向に移動させるアクチュエータとを有し、前記パイロット通路の前記制御弁の下流側にフェイルバルブが設けられ、前記制御弁の弁体は弁室内に設けられ、該弁室は一端側が前記パイロット室側に開口し、他端側が前記フェイルバルブの下流側に開口し、前記弁室の一端側は前記弁体の一端側により開閉され、他端側は前記フェイルバルブと前記弁体の他端側により開閉され、前記フェイルバルブは、前記弁体が前記付勢手段によって付勢されて前記制御弁の開弁方向に移動したとき、該弁体に当接して前記パイロット通路を閉じ、パイロット室の圧力が所定圧力に達したとき、前記弁体から離間して前記パイロット通路を開くことを特徴とする。
本発明に係る減衰力調整式緩衝器によれば、フェイル時等の非通電状態においても、適切な減衰力を得ることができる。
本発明の第1実施形態に係る減衰力調整式緩衝器の要部である減衰力発生機構を拡大して示す縦断面図である。 本発明の第1実施形態に係る減衰力調整式緩衝器の縦断面図である。 本発明の第2実施形態に係る減衰力調整式緩衝器の要部である減衰力発生機構を拡大して示す縦断面図である。 本発明の第3実施形態に係る減衰力調整式緩衝器の要部である減衰力発生機構を拡大して示す縦断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明の第1実施形態について、図1及び図2を参照して説明する。
図2に示すように、本実施形態に係る減衰力調整式緩衝器1は、シリンダ2の外側に外筒3を設けた複筒構造となっており、シリンダ2と外筒3との間にリザーバ4が形成されている。シリンダ2内には、ピストン5が摺動可能に嵌装されており、このピストン5によってシリンダ2内がシリンダ上室2Aとシリンダ下室2Bとの2室に画成されている。ピストン5には、ピストンロッド6の一端がナット7によって連結されており、ピストンロッド6の他端側は、シリンダ上室2Aを通り、シリンダ2及び外筒3の上端部に装着されたロッドガイド8およびオイルシール9に挿通されて、シリンダ2の外部へ延出されている。シリンダ2の下端部には、シリンダ下室2Bとリザーバ4とを区画するベースバルブ10が設けられている。
ピストン5には、シリンダ上下室2A、2B間を連通させる通路11、12が設けられている。そして、通路12には、シリンダ下室2B側からシリンダ上室2A側への流体の流通のみを許容する逆止弁13が設けられ、また、通路11には、シリンダ上室2A側の流体の圧力が所定圧力に達したとき開弁して、これをシリンダ下室2B側へリリーフするディスクバルブ14が設けられている。
ベースバルブ10には、シリンダ下室2Bとリザーバ4とを連通させる通路15、16が設けられている。そして、通路15には、リザーバ4側からシリンダ下室2B側への流体の流通のみを許容する逆止弁17が設けられ、また、通路16には、シリンダ下室2B側の流体の圧力が所定圧力に達したとき開弁して、これをリザーバ4側へリリーフするディスクバルブ18が設けられている。作動流体として、シリンダ2内には、油液が封入され、リザーバ4内には油液及びガスが封入されている。
シリンダ2には、上下両端部にシール部材19を介してセパレータチューブ20が外嵌されており、シリンダ2とセパレータチューブ20との間に環状通路21が形成されている。環状通路21は、シリンダ2の上端部付近の側壁に設けられた通路22によってシリンダ上室2Aに連通されている。セパレータチューブ20の側壁の下部には、小径の開口部23が突出している。また、外筒3の側壁には、開口23と略同心に大径の開口24が設けられ、外筒3の側壁の開口24に減衰力発生機構25が取付けられている。
次に、減衰力発生機構25について、主に図1を参照して説明する。
図1に示すように、減衰力発生機構25は、外筒の開口24に取付けられた円筒状のケース26内に、パイロット型(背圧型)のメインバルブ27及びメインバルブ27の開弁圧力を制御するソレノイド駆動の圧力制御弁であるパイロットバルブ28が設けられ、更に、パイロットバルブ28の下流側に、フェイル時に作動するフェイルバルブ29が設けられている。
ケース26内には、開口24側から順に、環状の通路プレート30、凸形状の通路部材31、環状のメインバルブ部材32、凸形状のオリフィス通路部材33、中間部に底部を有する円筒状のパイロットバルブ部材34、環状の保持部材35及び円筒状のソレノイドケース36が挿入され、これらは、互いに当接し、ソレノイドケース36をナット37によってケース26に結合することによって固定されている。
通路プレート30は、ケース26の端部に形成された内側フランジ26Aに当接して固定されている。通路プレート30には、リザーバ4とケース26内の室26Bとを連通する複数の通路38が軸方向に沿って貫通されている。通路部材31は、小径の先端部が通路プレート30を貫通し、大径部の肩部が通路プレート30に当接して固定されている。通路部材31の先端部は、セパレータチューブ20の開口23にシール部材39を介して液密的に嵌合し、通路部材31を軸方向に貫通する通路40が環状通路21に連通している。通路部材31の大径部の端部には、環状溝41が形成され、環状溝41は、径方向の切欠き42を介して通路40に連通している。
メインバルブ部材32は、一端部が通路部材31の大径部に当接して固定され、メインバルブ部材32と通路部材31との当接部は、環状溝41に設けられたシール部材43によってシールされている。メインバルブ部材32には、軸方向に貫通する通路44が円周方向に沿って複数設けられ、通路44は、通路部材31の環状溝41に連通している。メインバルブ部材32の他端部には、複数の通路44の開口部の外周側に環状のシート部45が突出し、内周側に環状のクランプ部46が突出している。
メインバルブ部材32のシート部45には、メインバルブ27を構成するディスクバルブ47の外周部が着座している。ディスクバルブ47の内周部は、クランプ部46とオリフィス通路部材33の大径部の肩部とによってクランプされている。ディスクバルブ47の背面側外周部には、環状の摺動シール部材48が固着されている。凸形状のオリフィス通路部材33は、小径部がメインバルブ部材32の中央の開口部に挿入され、大径部の肩部がディスクバルブ47に当接して固定されている。オリフィス通路部材33には、軸方向に沿って通路49が貫通し、通路49は、小径部の先端部に形成された固定オリフィス50を介して通路部材31の通路40に連通している。
パイロットバルブ部材34は、中間部に底部34Aを有する略円筒状で、底部34Aの一端部がオリフィス通路部材33に当接して固定されている。パイロットバルブ部材34の一端側の円筒部の内周面にディスクバルブ47の摺動シール部材48が摺動可能かつ液密的に嵌合して、ディスクバルブ47の背部にパイロット室51を形成している。ディスクバルブ47は、通路44側の圧力を受けて開弁し、通路44を下流側のケース26内の室26Bに連通する。パイロット室51の内圧は、ディスクバルブ47に対して閉弁方向に作用する。パイロットバルブ部材34の底部34Aの中央部にポート52が貫通しており、ポート52は、オリフィス通路部材33の通路49に連通している。パイロット室51は、オリフィス通路部材33のパイロットバルブ部材34の底部34Aとの当接部に形成された切欠き部53を介して通路49に連通しており、これらの切欠き部53、通路49及び固定オリフィス50がパイロット室51に油液を導入する導入通路を構成している。
保持部材35は、その一端側の外周部に形成された環状凸部54がパイロットバルブ部材34の他端側の円筒部の端部に当接して固定され、パイロット通路部材34の円筒部の内部に弁室55を形成している。パイロットバルブ部材34及び保持部材35は、ケース26内に嵌合されたソレノイドケース36の円筒部が外周部に嵌合して径方向に位置決めされている。弁室55は、保持部材35の環状凸部54に形成された切欠き56及びパイロット弁部材34の円筒部の外周部に形成された切欠き57を介してケース26内の室26Bに連通している。そして、ポート52、弁室55及び切欠き56、57によってパイロット室51をディスクバルブ47(メインバルブ27)の下流側の室26Bに連通するパイロット通路を構成している。弁室55内には、ポート52を開閉する圧力制御弁であるパイロットバルブ28の弁体58が設けられている。
ソレノイドケース36には、コイル59と、コイル59内に挿入されたコア60、61と、コア60、61に案内されたプランジャ62と、プランジャ62に連結された中空の作動ロッド63が組込まれている。これらによってソレノイドアクチュエータSを構成し、作動ロッド63の先端部が保持部材35を貫通して弁室55内の弁体58に連結している。そして、リード線64を介してコイル59に通電することにより、通電電流に応じてプランジャ62に軸方向の推力を発生させるようになっている。
弁体58は、パイロットバルブ部材34のポート52に対向するテーパ状の先端部に環状のシート部65が形成され、シート部65がポート52の周囲のシート面66に離着座することにより、ポート52を開閉するようになっている。そして、弁体58は、弁体58とパイロットバルブ部材34の底部34Aとの間に介装された付勢手段であるであるバルブスプリング67(圧縮コイルバネ)のバネ力によって付勢されて、通常は、図1に示す後退位置にあって開弁状態となっており、コイル59への通電によるプランジャ62の推力によってバルブスプリング67のバネ力に抗して前進し、シート部65がシート面66に着座してポート52を閉じ、プランジャ62の推力、すなわち、コイル59への通電電流によって開弁圧力を調整することにより、ポート52すなわちパイロット室51の内圧を制御する。
弁体58には、中空の作動ロッド63が貫通しており、閉弁時、すなわち、シート部65がシート面66に着座したとき、作動ロッド63内の通路63Aをポート52内に開口させ、通路63Aによってポート52とコア61内の作動ロッド63の背部の室61Aとを連通することにより、弁体58に作用するポート52部圧力の受圧面積を小さくして、プランジャ62の推力に対する弁体58の開弁圧の可変幅を大きくとれるようにしている。
次に、フェイルバルブ28について説明する。
弁体58の後端面の外周部には、環状のシート部58Aが突出している。シート部58Aには、一又は複数積層された環状のシートディスク68が当接し、シートディスク68は、内周部が作動ロッド63に取付けられた止輪69に当接して弁体58に固定されている。パイロットバルブ部材34の円筒部の端部と保持部材35の環状凸部54との間に環状のフェイルディスク70の外周部がクランプされており、フェイルディスク70の内周縁部に、弁体58に固定されたシートディスク68の外周縁部が離着座することにより、弁室55内において、ポート52と切欠き56との間の流路を開閉するようになっている。
シートディスク68の外周縁部又はフェイルディスク70の内周縁部には、ポート52と切欠き56とを常時連通させるオリフィス68A(切欠き)が設けられている。保持部材35には、シートディスク68に当接して、弁体58の後退位置を制限するストッパ71が突出している。なお、弁体58の後退位置を制限するストッパは、他の部位に設けてもよい。また、弁体58の後退位置の制限はプランジャ62とコア61の当接する位置で規制してもよい。
そして、コイル59への非通電時には、弁体58は、バルブスプリング67のバネ力によって後退して、図1に示すように、シートディスク68がフェイルディスク70に当接して、弁室55内において、ポート52と切欠き56との間の流路を閉じている。この状態において、弁室55内のポート52側の流体の圧力が上昇して所定圧力に達すると、フェイルディスク70は、撓み、弁体58の後退位置がストッパ71によって制限された後、シートディスク68から離間してポート52と切欠き56との間の流路を開く。
一方、上述のように、コイル59への通電によって弁体58のシート部65をシート面66に着座させたパイロットバルブ28による圧力制御状態では、シートディスク68がフェイルディスク70から離間して、弁室55内のポート52と切欠き56との間の流路は、フェイルディスク70の中央の開口を介して連通状態となる。
以上のように構成した本実施形態の作用について次に説明する。
減衰力調整式緩衝器1は、車両のサスペンション装置のバネ上バネ下間に装着され、リード線64が車載コントローラ等に接続され、通常の作動状態では、コイル59に通電して、弁体58のシート部65をシート面66に着座させて、パイロットバルブ28による圧力制御を実行する。
ピストンロッド6の伸び行程時には、シリンダ2内のピストン5の移動によって、ピストン5の逆止弁13が閉じ、ディスクバルブ14の開弁前には、シリンダ上室2A側の流体が加圧されて、通路22及び環状通路21を通り、セパレータチューブ20の開口23から減衰力発生機構25の通路部材31の通路40へ流入する。
このとき、ピストン5が移動した分の流体がリザーバ4からベースバルブ10の逆止弁17を開いてシリンダ下室2Bへ流入する。なお、シリンダ上室2Aの圧力がピストン5のディスクバルブ14の開弁圧力に達すると、ディスクバルブ14が開いて、シリンダ上室2Aの圧力をシリンダ下室2Bへリリーフすることにより、シリンダ上室2Aの過度の圧力の上昇を防止する。
減衰力発生機構25では、通路部材31の通路40から流入した流体は、メインバルブ27のディスクバルブ47の開弁前(ピストン速度低速域)においては、オリフィス通路部材33の固定オリフィス50、通路49及びパイロットバルブ部材34のポート52を通り、パイロットバルブ28の弁体58を押し開いて弁室55内へ流入する。更に、フェイルディスク70の開口を通り、保持部材35の切欠き56、パイロット弁部材34の切欠き57、ケース26内の室26B及び通路プレート30の通路38を通ってリザーバ4へ流れる。そして、ピストン速度が上昇してシリンダ上室2A側の圧力がディスクバルブ47の開弁圧力に達すると、通路40に流入した流体は、切欠き42、環状溝41及び通路44を通り、ディスクバルブ47を押し開いてケース26内の室26Bへ直接流れる。
ピストンロッド6の縮み行程時には、シリンダ2内のピストン5の移動によって、ピストン5の逆止弁13が開き、ベースバルブ10の通路15の逆止弁17が閉じて、ディスクバルブ18の開弁前には、ピストン下室2Bの流体がシリンダ上室2Aへ流入し、ピストンロッド6がシリンダ2内に侵入した分の流体がシリンダ上室2Aから、上記伸び行程時と同様の経路を通ってリザーバ4へ流れる。なお、シリンダ下室2B内の圧力がベースバルブ10のディスクバルブ18の開弁圧力に達すると、ディスクバルブ18が開いて、シリンダ下室2Bの圧力をリザーバ4へリリーフすることにより、シリンダ下室2Bの過度の圧力の上昇を防止する。
これにより、ピストンロッド6の伸縮行程時共に、減衰力発生機構25において、メインバルブ27のディスクバルブ47の開弁前(ピストン速度低速域)においては、固定オリフィス50及びパイロットバルブ28の弁体58の開弁圧力によって減衰力が発生し、ディスクバルブ47の開弁後(ピストン速度高速域)においては、その開度に応じて減衰力が発生する。そして、コイル59への通電電流によってパイロットバルブ28の開弁圧力を調整することにより、ピストン速度にかかわらず、減衰力を直接制御することができる。このとき、パイロットバルブ28の開弁圧力によって、その上流側の通路49に連通する背圧室55の内圧が変化し、背圧室55の内圧は、ディスクバルブ47の閉弁方向に作用するので、パイロットバルブ28の開弁圧力を制御することにより、ディスクバルブ47の開弁圧力を同時に調整することができ、これにより、減衰力特性の調整範囲を広くすることができる。
このとき、コイル59への通電電流を小さくして、プランジャ62の推力を小さくすると、パイロットバルブ28の開弁圧力が低下して、ソフト側の減衰力が発生し、通電電流を大きくして、プランジャ62の推力を大きくすると、パイロットバルブ28の開弁圧力が上昇して、ハード側の減衰力が発生するので、一般的に使用頻度の高いソフト側の減衰力を低電流で発生させることができ、消費電力を低減することができる。
コイル59の断線、車載コントローラの故障等のフェイルの発生により、プランジャ62の推力が失われた場合には、バルブスプリング67のバネ力によって弁体58が図1に示す位置まで後退して、ポート52が開き、弁体58のシートディスク68がフェイルディスク70に当接して、弁室55内のポート52と切欠き56との間の流路を閉じる。この状態では、弁室55内におけるポート52から切欠き56への流体の流れは、フェイルバルブ29、すなわち、オリフィス68A及びフェイルディスク70によって制御されることになるので、オリフィス68Aの流路面積及びフェイルディスク70の開弁圧力の設定によって所望の減衰力を発生させると共に、パイロット室51の内圧、すなわち、メインバルブ27の開弁圧力を調整することができる。その結果、フェイル時においても適切な減衰力を得ることができる。
このように、通電時の流体通路とフェイル時の流体通路とを共通化(直列化)しているので、構造を簡単にでき、またスペース効率を高めることができる。さらに、フェイルディスク70がディスクバルブであるので、例えばボールバルブを用いた構成と比して、ディスクバルブと弁体の端によりフェイル時の通路の開閉を行っているので、生産性、組立性を高めることができる。また、コイル59への低電流の通電により、一般的に使用頻度の高いソフト側の減衰力が得られるので、消費電力を低減することができ、また、非通電時には、フェイルバルブ29によってソフト側よりも大きな適度な減衰力が得られるので、車両の操縦安定性を確保して、フェイルセーフを実現することができ、更に、ハード側固定による車体への振動入力の増大等の弊害を防止することができる。
次に、本発明の第2実施形態について、図3を参照して説明する。なお、上記第1実施形態に対して、同様の部分には同じ符号を用いて、異なる部分についてのみ詳細に説明する。
図3に示すように、本実施形態では、フェイルバルブ29のフェイルディスク70の外周部は、クランプされておらず、保持部材35とパイロットバルブ部材34とによって形成された内周溝72に挿入されて軸方向に一定距離だけ移動可能に浮動支持されている。また、弁体58の環状凸部67及びシートディスク68を省略し、弁体58の端面の外周縁部がフェイルディスク70の内周縁部に直接当接するようにしている。なお、オリフィス68Aは、フェイルディスク70の内周縁部又は弁体58の端面の外周縁部に設けることができる。また、弁室55は、保持部材35を軸方向に貫通する通路77及び保持部材の端部に形成された切欠き部78、外周部に形成された切欠き部79及びパイロットバルブ部材34の切欠き部57を介してケース26内の室26Bに連通している。これにより、上記第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。さらに、本実施の形態では耐久性を高めることができる。
次に、本発明の第3実施形態について、図4を参照して説明する。なお、上記第1実施形態に対して、同様の部分には同じ符号を用いて、異なる部分についてのみ詳細に説明する。
図4に示すように、本実施形態では、保持部材35を省略し、パイロットバルブ部材34の円筒部の端部にソレノイドケース36が当接し、弁室55に連通する切欠き部56は、パイロットバルブ部材34の円筒部の端部に形成されている。フェイルバルブ29のフェイルディスク73は、内周部が、コア60から突出した円筒部60Aに取付けられて、外周部が撓むようになっている。円筒部60Aは、弁体58のストッパを兼ねている。また、パイロットバルブ28の弁体58は、基端部に拡径部74が形成され、拡径部74の外周部がパイロットバルブ部材34の円筒部の内周面に摺接して案内されている。拡径部74には、フェイルディスク73に対向して複数の通路75が軸方向に貫通されており、複数の通路75の外周部にフェイルディスク73が着座する環状のシート部76が突出している。オリフィス68Aは、フェイルディスク73の外周部又はシート部76に形成することができる。
このように構成したことにより、弁室55内において、流体は、弁体58の拡径部74の通路75を介して切欠き56へ流れる。そして、フェイル時には、図4に示すように、弁体58の拡径部74のシート部76がフェイルディスク73に当接して通路75を閉じ、ポート52側の圧力によって弁体58が後退し、ストッパとしての円筒部60Aに当接した後フェイルディスク73が撓んでシート部76から離間することによって通路75を開く。これにより、上記第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
なお、上記第1乃至第3実施形態において、作動流体は、作動の安定性及び取扱いの便宜から、油液及びガスを用いているが、本発明は、これに限らず、他の流体を単独又は組合わせて使用することも可能である。また、ピストン、シリンダ、バルブ等の構成部材の断面形状は、シール性、加工性等を考慮すると円形であることが望ましいが、多角形等の他の形状とすることも可能である。
また、上記第1乃至第3実施形態は、減衰力発生機構25をシリンダの横に設けた例を示したが、ピストンの摺動により油液の流れが生じるところであれば、例えば、ピストン部に設けてもよい。
さらに、上記第1乃至第3実施形態においては、パイロットバルブ28を圧力制御弁とした例を示したが、流量制御する流量制御弁であってもよい。
また、上記第1乃至第3実施形態においては、パイロット室51と弁室55を別の室とし、その間を切欠き部53で接続した例を示したが、パイロット室51と弁室55とを共通の室として切欠き部53を廃止してもよい。
なお、上記第1乃至第3実施形態においては、1つの塊の弁体58の一端が制御弁の弁部として、他端がフェイルバルブの弁座として機能する例を示したが、構造が不複雑にはなるが、制御弁の弁部と、フェイルバルブの弁座を2体に分けて、それらを接続する構成としてもよい。
1…減衰力調整式緩衝器、2…シリンダ、27…メインバルブ、28…パイロットバルブ(圧力制御弁)、29…フェイルバルブ、49…通路(導入通路)、50…固定オリフィス(導入通路)、53…切欠き(導入通路)、52…ポート(パイロット通路)、55…弁室(パイロット通路)、56、57…切欠き部(パイロット通路)、58…弁体、67…バルブスプリング(付勢手段)、S…ソレノイドアクチュエータ

Claims (5)

  1. 流体が封入されたシリンダと、該シリンダ内に摺動可能に嵌装されたピストンと、該ピストンに連結されて前記シリンダの外部へ延出されたピストンロッドと、前記シリンダ内のピストンの摺動によって生じる流体の流れを制御して減衰力を発生させるメインバルブと、該メインバルブに対して閉弁方向に内圧を作用させるパイロット室と、該パイロット室に流体を導入する導入通路と、前記パイロット室と前記メインバルブの下流側とを連通するパイロット通路と、該パイロット通路に設けられた制御弁とを備えた減衰力調整式緩衝器において、
    前記制御弁は、付勢手段によって開弁方向に付勢される弁体と、ソレノイドの推力によって前記弁体を閉弁方向に移動させるアクチュエータとを有し、
    前記パイロット通路の前記制御弁の下流側にフェイルバルブが設けられ、
    前記制御弁の弁体は弁室内に設けられ、該弁室は一端側が前記パイロット室側に開口し、他端側が前記フェイルバルブの下流側に開口し、
    前記弁室の一端側は前記弁体の一端側により開閉され、他端側は前記フェイルバルブと前記弁体の他端側により開閉され、
    前記フェイルバルブは、前記弁体が前記付勢手段によって付勢されて前記制御弁の開弁方向に移動したとき、該弁体に当接して前記パイロット通路を閉じ、パイロット室の圧力が所定圧力に達したとき、前記弁体から離間して前記パイロット通路を開くことを特徴とする減衰力調整式緩衝器。
  2. 前記フェイルバルブまたは該フェイルバルブと当接する弁体の少なくとも何れか一方に、オリフィスを形成することを特徴とする請求項1に記載の減衰力調整式緩衝器。
  3. 前記制御弁は前記パイロット通路の圧力が所定圧力に達したときに開弁する圧力制御弁であることを特徴とする請求項1又は2に記載の減衰力調整式緩衝器。
  4. 前記弁体の他端側には前記フェイルバルブと当接する環状のシート部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の減衰力調整式緩衝器。
  5. 前記フェイルバルブはディスクバルブであることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の減衰力調整式緩衝器。
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