JP4552177B2 - 減衰力調整式緩衝器 - Google Patents

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Description

本発明は、磁界の作用によって粘度が変化する磁性流体を利用した減衰力調整式緩衝器に関するものである。
一般的に、自動車等の車両の懸架装置に装着される減衰力調整式緩衝器は、油液が封入されたシリンダ内に、ピストンロッドが連結されたピストンを摺動可能に嵌装し、ピストンの摺動によって油液が流通する通路に減衰力調整弁を設けた構造となっており、比例ソレノイド、ステッピングモータ等のアクチュエータによって減衰力調整弁を操作して、油液の流路面積を変化させることによって減衰力を調整している。
ところで、上記従来の減衰力調整式緩衝器では、制御電流に対するアクチュエータの応答遅れ、減衰力調整弁の摩耗等による性能の低下、構造が複雑であるための性能のばらつき等の問題があった。
そこで、例えば特許文献1に記載されているように、油液の代わりに、磁界の作用によって粘度が変化する磁性流体を用い、減衰力調整弁の代りに、磁性流体が流通する通路にコイルを配置し、磁性流体に磁界を作用させて、その粘性を変化させることにより、減衰力を調整するようにした減衰力調整式緩衝器が種々提案されている。
これにより、コイルへの制御電流を小さくすると、通路に作用する磁界が弱くなり、磁性流体の粘度が低くなって減衰力が小さくなり、制御電流を大きくすると、通路に作用する磁界が強くなり、磁性流体の粘度が高くなって、減衰力が大きくなる。
このような磁性流体を利用した減衰力調整式緩衝器は、構造が簡単であり、しかも、磁性流体の粘性自体を変化させて減衰力を調整するため、制御電流に対する応答が速く、また、磨耗等による機械的な性能の低下が生じにくいという作用、効果を期待することができる。
米国特許公報第6095486号
しかしながら、上記従来の磁性流体を利用した減衰力調整式緩衝器では、次のような問題がある。ソフト側の減衰力を充分小さくするためには、磁性流体の流量を大きくする必要があるが、大流量の磁性流体に対して、充分大きな減衰力を発生させるためには、コイルへの制御電流を大きくし、また、コイルの容量を大きくする必要があり、消費電力の増大及びコイルの大型化という問題を生じる。
また、同様の原理で上述の磁性流体とコイルに代えて、電気粘性流体と電極を用いた減衰力調整式緩衝器も考えられるが、この場合も、同様の問題を生じる。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、消費電力が少なく、コイルの小型化を達成することができる磁性流体を利用した減衰力調整式緩衝器を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1の発明に係る減衰力調整式緩衝器は、磁性流体が封入されたシリンダと、該シリンダ内に摺動可能に嵌装されたピストンと、一端が前記ピストンに連結され、他端が前記シリンダの外部へ延出されたピストンロッドと、前記ピストンの摺動によって生じる磁性流体の流れを制御して減衰力を発生させる減衰力調整機構とを備えた減衰力調整式緩衝器において、
前記減衰力調整機構は、前記ピストンロッドの伸び行程時に磁性流体の圧力を受ける伸 び側受圧面および縮み行程時に磁性流体の圧力を受ける縮み側受圧面を有して伸び行程時 および縮み行程時共に同一方向に開弁する減衰弁と、該減衰弁の背面側に設けられ、内圧を前記減衰弁の閉弁方向に作用させて、前記減衰弁の開弁圧力を制御するパイロット室と、前記ピストンの摺動によって前記パイロット室を介して磁性流体を流通させるパイロット通路と、前記パイロット通路に磁界を作用させるコイルとを備えていることを特徴とする。
このように構成したことにより、ピストンロッドの伸び及び縮み行程時に、減衰弁及びパイロット通路によって減衰力を発生し、コイルによってパイロット通路を流通する磁性 流体の粘度が変化し、流通抵抗が変化するので、コイルによる磁性流体の粘度変化に応じて、パイロット室の内圧が変化して減衰弁の開弁圧力が調整される。
請求項2の発明に係る減衰力調整式緩衝器は、上記請求項の構成において、前記コイルは、前記パイロット通路の前記パイロット室をはさんで両側に配置されていることを特徴とする。
このように構成したことにより、2つのコイルによってパイロット通路のパイロット室の上流側及び下流側の流通抵抗を調整して、パイロット室の内圧を調整する。パイロット室の下流側の流通抵抗を小さくすることにより、パイロット室の内圧を迅速に解放することができる。
以上詳述したように、請求項1の発明によれば、ピストンロッドの伸び及び縮み行程時に、減衰弁及びパイロット通路によって減衰力を発生し、コイルによってパイロット通路を流通する磁性流体の粘度が変化し、流通抵抗が変化するので、コイルの働きに応じて、パイロット室の内圧を変化させて減衰弁の開弁圧力を調整することができる。これにより、コイルの磁界が作用する磁性流体の流量が小さくなるので、減衰力の調整範囲を充分に確保しながら消費電力を低減することができ、コイルを小型化することができる。
請求項の発明によれば、上記請求項の効果に加え、パイロット室の下流側の流通抵抗を小さくすることにより、パイロット室の内圧を迅速に解放する等の制御を行うことが可能となる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明の第1実施形態について、図1を参照して説明する。図1に示すように、本実施形態に係る減衰力調整式緩衝器1は、シリンダ2内に、略有底円筒状のピストン部材3(ピストン)が摺動可能に嵌装されており、このピストン部材3の開口部側に設けられたピストンシール4によってシリンダ2内がシリンダ上室2aとシリンダ下室2bとの2室に画成されている。ピストン部材3の底部には、中空のピストンロッド5の一端が連結されており、ピストンロッド5の他端側は、シリンダ2の端部に設けられたロッドガイド(図示せず)およびオイルシール(図示せず)に挿通されて外部へ延出されている。
シリンダ2内には、磁性流体が封入されている。磁性流体は、磁界の作用によって粘度が変化する流体であり、例えば、媒体となる液体中に強磁性超微粒子が安定して均一に分散した複合材料として知られており、作用する磁界の強さに応じて粘度が上昇する。また、シリンダ2には、磁性流体及びガスが封入されたリザーバ(図示せず)が接続されており、ピストンロッド5の侵入、退出によるシリンダ2の容積変化をガスの圧縮、膨張によって補償している。
ピストン部材3の円筒部6内には、略有底円筒状の可動部材7が摺動可能に嵌合され、さらに、その開口部側には、環状の主弁部材8が螺着、固定されている。可動部材7の底部に突設された環状のシート部9と、主弁部材8に突設された環状のシート部10との間に、ディスクバルブ11が介装されている。この可動部材7およびディスクバルブ11で本発明の減衰弁を構成しており、これら両部材は、バネ12によって主弁部材8のシート部10側に押圧されている。
ピストン部材3の底部に突出された円筒部13には、略円筒状のコイルケース14が嵌合、固定されている。コイルケース14の中央の案内ボア15には、円筒状のスライド部材16の一端部が摺動可能に挿入されている。スライド部材16の他端部がディスクバルブ11に挿通されており、ディスクバルブ11がスライド部材16によって径方向に位置決めされている。スライド部材16の他端部外周には、シート部17が形成されており、スライド部材16が主弁部材8に取付けられたばね受18との間に設けられたバネ19によって付勢されて、シート部17がディスクバルブ11の中央部を押圧して、ディスクバルブ11を可動部材7のシート部9に常時押付けている。
可動部材7、ディスクバルブ11、コイルケース14及びスライド部材16によって、ピストン部材3の円筒部6内にパイロット室20(減衰力調整機構)が形成されている。可動部材7の底部およびディスクバルブ11のシート部10より外側の環状部分によって伸び側受圧部21が形成されている。ピストン部材3の円筒部6には、伸び側受圧受圧部21に臨む部位にシリンダ上室2aに連通する通路22が設けられている。また、ディスクバルブ11におけるシート部10の内側の環状部分によってシリンダ下室2bに臨む縮み側受圧部23が形成されている。そして、ディスクバルブ11は、伸び側受圧部21によってシリンダ上室2a側の圧力を受けて、または、縮み側受圧部23によってシリンダ下室2b側の圧力を受けて、シート部10から離間することによって開弁し、シリンダ上下室2a、2b間を連通させ、このとき、パイロット室20の内圧が閉弁方向に作用する。
パイロット室20は、ディスクバルブ11の外周部に形成された固定オリフィス24(切欠)を介して通路22に連通され、また、ピストン部材3の円筒部6に形成された固定オリフィス25によってシリンダ上室2aに連通されている。なお、固定オリフィス25は、パイロット室20の最上部に配置されており、パイロット室20のエア抜き通路を兼ねている。
また、パイロット室20は、ピストン部材3の円筒部13の先端とコイルケース14の外周部端面との間に形成された通路26及びコイルケース14の側壁に設けられた通路27を介して、案内ボア15内に連通されており、更に、案内ボア15内に嵌合されたスライド部材16の内部を介して、シリンダ下室2bに連通されている。そして、固定オリフィス24、25、通路26、通路27、案内ボア15及びスライド部材16の内部により、ピストン部4の摺動によってパイロット室20を介して磁性流体を流通させるパイロット通路(減衰力調整機構)が形成されている。
コイルケース14には、通路26に隣接してコイル28(減衰力調整機構)が収容され、通路26、27及びコイル28の周囲は磁性体からなり、コイル28の発生する磁界が通路26、27を流通する磁性流体に作用するようになっている。コイル28の導線29は、コイルケース14から、ピストン部材3に設けられたボア30及び中空のピストンロッド5内のボア31に挿通されて、ピストンロッド5の先端から外部へ延出されて、コントローラ(図示せず)に接続される。
以上のように構成した本実施形態の作用について次に説明する。
ピストンロッド5の伸び行程時には、図1中に実線矢印で示すように、ディスクバルブ11の開弁前においては、シリンダ上室2a側の磁性流体が、通路22、固定オリフィス24及び固定オリフィス25を通ってパイロット室20へ流れ、更に、パイロット室20から通路26、27、案内ボア15、スライド部材16内を通ってシリンダ下室2b側へ流れる。また、ディスクバルブ11の伸び側受圧部21に作用するシリンダ上室2a側の圧力が、その開弁圧力に達すると、ディスクバルブ11が開いて、シリンダ上室2a側の磁性流体が、通路22からシリンダ下室2b側へ直接流れる。
縮み行程時には、図1中に破線矢印で示すように、ディスクバルブ11の開弁前においては、シリンダ下室2b側の磁性流体が、スライド部材16内、案内ボア15及び通路27、26を通ってパイロット室20へ流れ、更に、パイロット室20から固定オリフィス24、通路22及び固定オリフィス25を通ってシリンダ上室2a側へ流れる。また、ディスクバルブ11の縮み側受圧部23に作用するシリンダ下室2b側の圧力が、その開弁圧力に達すると、ディスクバルブ11が開いて、シリンダ下室2b側の磁性流体が通路22を通ってシリンダ上室2a側へ直接流れる。
そして、コントローラからコイル28への制御電流によって、通路26、27を流通する磁性流体の粘度を変化させることによって減衰力を調整することができる。
非通電時には、磁性流体の粘度が低く、通路26、27の流通抵抗が、固定オリフィス24、25の流通抵抗に対して小さくなる。この場合、伸び行程時には、パイロット室20の上流側になる固定オリフィス24、25に対して、下流側になる通路26、27の流通抵抗が小さくなるため、パイロット室20の圧力が低下して、ディスクバルブ11の開弁圧力が低くなるので、伸び側の減衰力は小さくなる(伸び側ソフト)。また、縮み行程時には、パイロット室20の下流側になる固定オリフィス24、25に対して、上流側になる通路26、27の流通抵抗が小さくなるため、パイロット室20の圧力が上昇して、ディスクバルブ11の開弁圧力が高くなるので、縮み側の減衰力は大きくなる(縮み側ハード)。
通電によってコイル28を励磁すると、その磁界が通路26、27を流通する磁性流体に作用して、その粘度が上昇し、通路26、27の流通抵抗が固定オリフィス24、25の流通抵抗に対して大きくなる。この場合、伸び行程時には、パイロット室20の上流側になる固定オリフィス24、25に対して、下流側になる通路26、27の流通抵抗が大きくなるため、パイロット室20の圧力が上昇して、ディスクバルブ11の開弁圧力が高くなるので、伸び側の減衰力は大きくなる(伸び側ハード)。また、縮み行程時には、パイロット室20の下流側になる固定オリフィス24、25に対して、上流側になる通路26、27の流通抵抗が大きくなるため、パイロット室20の圧力が低下して、ディスクバルブ11の開弁圧力が低くなるので、縮み側の減衰力は小さくなる(縮み側ソフト)。
このようにして、コイル28への通電電流によって、減衰力を調整することができ、伸び側及び縮み側の減衰力は、一方をハードとしたとき他方がソフトとなり、一方をソフトとしたとき他方がハードとなるいわゆる反転特性となるので、スカイフック理論に基づく減衰力制御を行う際に、減衰力制御の応答性を高めることができる。
このとき、通路26、27を流れる磁性流体の流通抵抗によってパイロット室20の内圧を変化させて伸び側及び縮み側の減衰力を調整するため、磁界を作用させる磁性流体の流量が小さくなるので、減衰力の調整範囲を充分に確保しながら消費電力を低減することができる。また、磁性流体の粘度を過度に上昇させる必要がないので、磁性流体の分散状態の不安定化及び緩衝器のシール材の劣化の問題が生じることもない。また、コイル28の容量が小さくてすむので、コイル28を小型化することができ、さらに、1つのディスクバルブ11及びパイロット室20によって、伸び側及び縮み側の減衰力を調整して反転特性を得ることができるので、構造が簡単で小型化を達成することができる。
次に、本発明の第2実施形態について、図2乃至図7を参照して説明する。なお、第2実施形態は、上記第1実施形態に対して、パイロット室20とシリンダ上下室2a、2bとを連通させる通路及びコイルが異なる以外は、概して同様の構造であるから、以下、同様の部分は同一の符号を付して異なる部分についてのみ詳細に説明する。
第2実施形態に係る減衰力調整式緩衝器32では、ピストン部材3内の底部には、2つのコイル33、34(減衰力調整機構)を有するコイルケース35が取付けられて、ピストン部材3の底部に螺着された略円筒状の固定部材36によって固定されている。
パイロット室20は、固定部材36の側壁に設けられたオリフィス通路37、固定部材36とコイルケース35との間に形成された通路38及びピストン部材3の底部に設けられた通路39によってシリンダ上室2aに連通されている。また、パイロット室20は、固定部材36の側壁に設けられた通路40、コイルケース35に設けられたオリフィス通路41、案内ボア15及びスライド部材16の内部によってシリンダ下室2bに連通されている。そして、オリフィス通路37、通路38、39、40、オリフィス通路41、案内ボア15及びスライド部材16の内部により、ピストン部4の摺動によってパイロット室20を介して磁性流体を流通させるパイロット通路(減衰力調整機構)が形成されている。
コイル33は、オリフィス37及び通路38に隣接して配置され、これらの周囲が磁性体からなり、コイル33の発生する磁界によってオリフィス通路37を流通する磁性流体の粘度が変化するようになっている。また、コイル34は、通路40及びオリフィス通路41に隣接して配置され、これらの周囲が磁性体からなり、コイル34の発生する磁界によってオリフィス通路41を流通する磁性流体の粘度が変化するようになっている。コイル33、34の導線42、43は、コイルケース35から、ピストン部材3に設けられたボア30及び中空のピストンロッド5内のボア31に挿通されて、ピストンロッド5の先端から外部へ延出されて、コントローラ(図示せず)に接続される。
以上のように構成した、本実施形態の作用について次に説明する。
ピストンロッド5の伸び行程時には、図2において、向って左側に実線矢印で示すように、ディスクバルブ11の開弁前においては、シリンダ上室2a側の磁性流体が、通路39、通路38、オリフィス通路37を通ってパイロット室20へ流れ、更に、パイロット室20から通路40、オリフィス通路41、案内ボア15、スライド部材16内を通ってシリンダ下室2b側へ流れる。また、ディスクバルブ11の伸び側受圧部21に作用するシリンダ上室2a側の圧力が、その開弁圧力に達すると、ディスクバルブ11が開いて、シリンダ上室2a側の磁性流体が、通路22からシリンダ下室2b側へ直接流れる。
縮み行程時には、図2において、中に破線矢印で示すように、ディスクバルブ11の開弁前においては、シリンダ下室2b側の磁性流体が、スライド部材16内、案内ボア15、オリフィス通路41、通路40を通ってパイロット室20へ流れ、更に、パイロット室20からオリフィス通路37、通路38及び通路39を通ってシリンダ上室2a側へ流れる。また、ディスクバルブ11の縮み側受圧部23に作用するシリンダ下室2b側の圧力が、その開弁圧力に達すると、ディスクバルブ11が開いて、シリンダ下室2b側の磁性流体が通路22を通ってシリンダ上室2a側へ直接流れる。
そして、コントローラからコイル33、34への制御電流によって、オリフィス通路37、41を流通する磁性流体の粘度を変化させることによって減衰力を調整することができる。このとき、ディスクバルブ11の開弁圧力を調整するパイロット室20の圧力は、パイロット室20に対して上流側のオリフィス通路(オリフィス通路37又は41)と下流側のオリフィス通路(オリフィス通路37又は41)を流通する磁性流体の粘度を変化させることで得られる流通抵抗の比によって決定される。減衰力調整機構の回路図を図3に示す。
例えば、コイル34への通電電流I1とコイル33への通電電流I2との比I2/I1を図4に示すようにA(I2/I1<1)、B(I2/I1=1)、C(I2/I1>1)と変化させることによって、パイロット室の圧力PPのシリンダ上室2aの圧力P1に対する比PP/P1及びシリンダ下室2bの圧力P2に対する比PP/P2は図5に示すように調整される。
すなわち、A(I2/I1<1)の領域では、伸び行程時には、パイロット室20の上流側となるオリフィス通路37の流通抵抗が小さく、下流側となるオリフィス通路41の流通抵抗が大きくなるため、パイロット室20の圧力が高くなり、ディスクバルブ11の開弁圧力が高くなって伸び側の減衰力が大きく調整される(伸び側ハード)。このとき、縮み行程時には、パイロット室20の上流側となるオリフィス通路41の流通抵抗が大きく、下流側となるオリフィス通路37の流通抵抗が小さくなるため、パイロット室20の圧力が低くなり、ディスクバルブ11の開弁圧力が低くなって縮み側の減衰力が小さく調整される(縮み側ソフト)。
また、C(I2/I1>1)の領域では、伸び行程時には、パイロット室20の上流側となるオリフィス通路37の流通抵抗が大きく、下流側となるオリフィス通路41の流通抵抗が小さくなるため、パイロット室20の圧力が低くなり、ディスクバルブ11の開弁圧力が低くなって伸び側の減衰力が小さく調整される(伸び側ソフト)。このとき、縮み行程時には、パイロット室20の上流側となるオリフィス通路41の流通抵抗が小さく、下流側となるオリフィス通路37の流通抵抗が大きくなるため、パイロット室20の圧力が高くなり、ディスクバルブ11の開弁圧力が高くなって縮み側の減衰力が大きく調整される(縮み側ハード)。なお、B(I2/I1=1)の領域では、AとCの中間の減衰力に調整される。
このように、コイル33、34へ通電電流を調整することによって、図6に示すように、伸び側及び縮み側の減衰力は、一方をハードとしたとき他方がソフトとなり、一方をソフトとしたとき他方がハードとなるいわゆる反転特性となるので、スカイフック理論に基づく減衰力制御を行う際に、減衰力制御の応答性を高めることができる。なお、2つのコイル33、34への通電電流を適宜組合わせることにより、上述の反転特性のほか、伸び側及び縮み側共にハード、伸び側及び縮み側共にミディアム(ハードとソフトの中間の特性)等の減衰力特性を得ることが可能である。
また、2つのコイル33、34が設けられているので、これらのコイル33、34への通電電流によって、パイロット室20に対して上流側となるオリフィス通路(伸び行程時にはオリフィス通路37、縮み行程時にはオリフィス通路41)の流通抵抗を適宜調整することができ、これにより、図7に示すように、伸び側及び縮み側において、ピストン速度の低速域の減衰力(オリフィス特性)をD(パイロット室20の上流側の流通抵抗大)、E(パイロット室20の上流側の流通抵抗中)、F(パイロット室20の上流側の流通抵抗小)のように調整することが可能となり、減衰力の調整の自由度を高めることができる。
さらに、減衰力がハード側からソフト側に切換る際、パイロット室20の下流側のオリフィス通路(伸び行程時にはオリフィス通路41、縮み行程時にはオリフィス通路37)のコイル(伸び行程時にはコイル34、縮み行程時にはコイル33)を非通電状態とすることにより、パイロット室20の内圧を迅速に解放することができ、減衰力切換の応答性を高めることができる。
本発明の第1実施形態に係る減衰力調整式緩衝器の要部の縦断面図である。 本発明の第2実施形態に係る減衰力調整式緩衝器の要部の縦断面図である。 図2に示す装置の減衰力調整機構の回路図である。 図2に示す装置の2つのコイルへの通電電流の比の一例を表すグラフ図である。 図2に示す装置における図4に示すコイルへの通電電流の比に対するパイロット室の圧力比を示すグラフ図である。 図2に示す装置における図4に示すコイルへの通電電流の比に対する減衰力を示すグラフ図である。 図2に示す装置のピストン速度低速域の減衰力特性を示すグラフ図である。
符号の説明
1 減衰力調整式緩衝器
2 シリンダ
4 ピストン部(ピストン)
5 ピストンロッド
11 ディスクバルブ(減衰弁)
15 案内ボア(パイロット通路)
16 スライド部材(パイロット通路)
20 パイロット室
21 伸び側受圧部
23 縮み側受圧部
24、25 固定オリフィス(パイロット通路)
26、27 通路(パイロット通路)
28 コイル

Claims (2)

  1. 磁性流体が封入されたシリンダと、該シリンダ内に摺動可能に嵌装されたピストンと、一端が前記ピストンに連結され、他端が前記シリンダの外部へ延出されたピストンロッドと、前記ピストンの摺動によって生じる磁性流体の流れを制御して減衰力を発生させる減衰力調整機構とを備えた減衰力調整式緩衝器において、
    前記減衰力調整機構は、前記ピストンロッドの伸び行程時に磁性流体の圧力を受ける伸 び側受圧面および縮み行程時に磁性流体の圧力を受ける縮み側受圧面を有して伸び行程時 および縮み行程時共に同一方向に開弁する減衰弁と、該減衰弁の背面側に設けられ、内圧を前記減衰弁の閉弁方向に作用させて、前記減衰弁の開弁圧力を制御するパイロット室と、前記ピストンの摺動によって前記パイロット室を介して磁性流体を流通させるパイロット通路と、前記パイロット通路に磁界を作用させるコイルとを備えていることを特徴とする減衰力調整式緩衝器。
  2. 前記コイルは、前記パイロット通路の前記パイロット室をはさんで両側に配置されていることを特徴とする請求項に記載の減衰力調整式緩衝器。
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